説明

電話機

【課題】 LED1つだけでも、着信があったことと充電中であることを報知可能な電話機を提供する。
【解決手段】 充電が開始されるとLEDを点灯し(S2ステップ)、充電中に着信があるとLEDを点滅させる(S8ステップ)。ユーザがLEDの点滅を見て着信があることを知り、着信に応答すると(S9ステップのY)、LEDを輝度を下げた光で発光させる(S12ステップ)。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、繰り返し充電可能な二次電池を搭載した電話機に関する。
【背景技術】
【0002】
繰り返し充電可能な二次電池を搭載した電話機として、例えば携帯電話装置が挙げられる。このような携帯電話装置の二次電池を充電するには、携帯電話装置を専用の充電台に載置することにより充電を行うことが可能である。又、通常携帯電話装置には充電中であることを報知する為のLEDが搭載されており、携帯電話装置を専用の充電台に載置し充電している際には、LEDが点灯することにより、携帯電話装置の二次電池が充電中であることをユーザに報知している。又、このように充電中であることを点灯により報知する技術は既に公知である(特許文献1)。
【特許文献1】特開平10−42482号公報(段落0002〜段落0006)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
ところで、通常の携帯電話装置では、着信を報知する際にもLEDを点灯或いは点滅させることにより報知しており、又、この着信報知用のLEDと充電中であることを報知する為のLEDとを兼用させているものが一般的であり、更には、従来の携帯電話装置では着信に応答しなかったら、所定時間毎にLEDを点滅させ、着信があった旨を報知している。
【0004】
このような携帯電話装置において、携帯電話装置を充電器に載置し充電が開始されるとこのLEDが点灯するわけであるが、充電中に着信があると、LEDが点灯から点滅に変化する。更にユーザが着信に応答しなければ、LEDは所定時間毎にLEDを点滅させ、LEDが点滅していない間は消灯状態となる。
【0005】
この為、携帯電話装置を充電中に着信があり、ユーザがこの着信に応答しなければ、LEDが点滅を所定時間毎に繰り返すことになり、正常に充電されているか、或いは充電が完了したか否かは、ユーザには分からないといった問題が生じる。
【0006】
このような問題を解決する為に、充電専用のLEDと着信報知専用のLEDの2つを設けることが容易に考えられるが、コスト高となるだけでなく、消費電力も大となり、更には高密度である携帯電話において追加するLEDを配置するスペースを確保するのは困難である。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本願発明は、このような課題を解決する為のものであり、LEDを追加することなく、充電が完了したか否かということと、着信があったことをユーザに報知可能な電話機を提供するものである。
【0008】
請求項1に記載の電話機は、着信の報知及び充電中か否かを報知する為の発光手段と、着信を検出する着信検出手段と、着信に応答する為の着信応答手段と、前記着信検出手段が着信を検出すると、前記発光手段が点灯又は点滅により着信を報知し、当該着信検出中に前記着信応答手段により着信に応答しなかった際には、前記発光手段が、通常の輝度よりも低い輝度で発光することを特徴とする。
請求項2に記載の電話機は、着信の報知及び充電中か否かを報知する為の発光手段と、着信を検出する着信検出手段と、着信に応答する為の着信応答手段と、前記着信検出手段が着信を検出すると、前記発光手段が点滅により着信を報知し、当該着信検出中に前記着信応答手段により着信に応答しなかった際には、前記発光手段が、通常の輝度よりも低い輝度で発光することを特徴とする。
請求項3に記載の電話機は、請求項1又は2に記載の電話機であり、前記発光手段が低い輝度で発光している状態で、前記電話機が非充電状態となると、前記発光手段を通常の輝度で点滅させることを特徴とする。
請求項4に記載の電話機は、着信の報知及び充電中か否かを報知する為の発光手段と、着信を検出する着信検出手段と、着信に応答する為の着信応答手段と、前記発光手段が充電中であることを示す第1の点灯状態で点灯している際に、前記着信検出手段が着信を検出すると、前記発光手段の発光状態が、点灯から点滅へと変化し、当該着信検出中に前記着信応答手段により着信に応答しなかった場合には、着信終了後、前記発光手段が、前記第1の点灯状態よりも低い輝度である第2の点灯状態で点灯することを特徴とする。
請求項5に記載の電話機は、請求項4に記載の電話機であり、前記発光手段が低い輝度で発光している状態で、前記電話機が非充電状態となると、前記発光手段を通常の輝度で点滅させることを特徴とする。
【発明の効果】
【0009】
本発明では、LEDを追加することなく、充電が完了したか否か、或いは、着信がありその着信にユーザが応答しなかったことを、ユーザが知ることが可能である。
【0010】
請求項1及び2記載の発明では、LEDを追加することなく、充電が完了したか否か、或いは、着信がありその着信にユーザが応答しなかったことを、ユーザが知ることが可能である。
【0011】
又、請求項3記載の発明では、電話機が非充電状態となると、発光手段を通常の輝度で点滅させる為、ユーザに確実に、着信があったことを知らせることが可能であるだけでなく、充電が完了したことをユーザが知ることが可能である。
【0012】
請求項4記載の発明では、LEDを追加することなく、充電が完了したか否か、或いは、着信がありその着信にユーザが応答しなかったことを、ユーザが知ることが可能である。
【0013】
又、請求項5記載の発明では、電話機が非充電状態となると、発光手段を通常の輝度で点滅させる為、ユーザに確実に、着信があったことを知らせることが可能であるだけでなく、充電が完了したことをユーザが知ることが可能である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0014】
次に本発明を適用してなる実施例について説明する。図1に示すように、携帯電話装置10は、アンテナ16と接続された電話通信部12を備えている。この電話通信部12は、後述のベースバンド部14からの信号をアンテナ16を介して基地局へ発信し、あるいはアンテナ16を介して基地局からの電波を受信する。
【0015】
また、電話通信部12は、ベースバンド部14と接続されている。ベースバンド部14は、CDMA処理回路18と、音声コーデック20と、を有している。ここで、CDMA処理回路18は、符号分割多元接続、スクランブル、誤り制御、タイミング検出を行う。また、音声コーデック20は、音声を圧縮(符号化)、伸張(復号化)したり、アナログとデジタルの変換を行ったり、内部の増幅回路(図示省略)により受話音量やマイクロホンの感度を変更する。
【0016】
また、ベースバンド部14には、切替回路22が接続されている。この切替回路22には、増幅回路24を介して第1スピーカ26が接続されている。この第1スピーカ26は、増幅回路24で増幅されたベースバンド部14の電気信号を音声に変換する。この第1スピーカ26は、ユーザの耳にあてて通話に使用される。
【0017】
また、切替回路22には、増幅回路28を介してマイクロホン30が接続されている。このマイクロホン30は、通話に使用され、音声を電気信号に変換する。マイクロホン30により出力された電気信号は、増幅回路28で増幅されてベースバンド部14に出力される。
【0018】
また、切替回路22には、増幅回路32を介して第2スピーカ34が接続されている。この第2スピーカ34は、増幅回路32で増幅されたベースバンド部14の電気信号を音声に変換する。この第2スピーカ34は、受話音を周囲の人にも聞かせるための拡声用のスピーカとして使用可能であり、又、着信報知の鳴動用としても使用可能であり、更には、約100dBといった高音量のブザー音を鳴動する為にも使用可能である。このブザー音は例えば防犯ブザーとして使用される。
【0019】
切替回路22は、ベースバンド部14との接続を、第1スピーカ26用の増幅回路24とマイクロホン30用の増幅回路28側にするか、あるいは拡声用の第2スピーカ34用の増幅回路32とマイクロホン30用の増幅回路28側にするかを切り替える。
【0020】
また、携帯電話装置10は、GPSアンテナ56と接続されたGPS通信部58を備えている。GPS通信部では、GPSアンテナ56がとらえたGPS衛星からのGPSデータ(例えば、GPS衛星の航行スケジュールであるアルマナックデータや、GPS衛星の詳細軌道のデータであるエフェメリスデータ等)を受信し、制御回路36に出力する。制御回路36は、受信したGPSデータに基づいて携帯電話装置10の現在の位置情報(以下、位置情報と称す)が算出される。
【0021】
また、電話通信部12、ベースバンド部14、切替回路22及びGPS通信部58には、制御回路(制御部)36がそれぞれ接続されている。この制御回路36の制御により上述した切替回路22による切り替えが行われる。また、制御回路36によりベースバンド部14の音声コーデック20が制御され、音声コーデック20により第1スピーカ26及び第2スピーカ34の音量やマイクロホン30の感度が変更される。制御回路36は、ROM38と接続されており、ROM38に格納されているシステムプログラムに基づき各部を制御する。
【0022】
RAM(Randum Access Memory)40には、電話帳情報、メールデータ等が格納されている。
【0023】
制御回路36には、入力部44が接続されている。この入力部44は、電話番号等の入力を行うテンキー48と、通話の開始を操作する通話キー50と、通話の終了を操作する切キー52と、各種機能の設定を行う機能キー54と、電源のオンオフを行う為の電源キー64と、を有している。
【0024】
又、制御回路36には、ディスプレイ42のバックライトである照明部46が接続されている。
【0025】
更に、制御回路36には、LED65が接続されており、このLED65は、図示しない2次電池が充電中であると点灯することにより充電中であることを報知し、非充電時における着信時には点滅することにより着信中であることを報知する。更に、着信に応答しなかった場合には、点滅を行うことにより、着信があったことをユーザに報知する。又、本実施例では、充電中に着信があり、ユーザが着信に応答しなかった場合には、LEDの輝度を通常のLEDの点灯(或いは点滅)時の輝度よりも下げるものである。
【0026】
充電回路66は、充電器が接続されたか否かを検出する機能と、図示しない二次電池を充電する機能とを有する。
【0027】
図2は本実施例装置が充電されている状態を示す斜視図である。図2において、本実施例装置である携帯電話装置10は、アダプタ70を介してコンセント80と接続し充電可能である。又、携帯電話装置10は、筐体を閉じた状態でも開いた状態でも見ることが可能なLED65を有している。
【0028】
図3は本実施例装置の動作を示すフロー図である。このフロー図を用いて本実施例装置の動作を説明する。
【0029】
図3のS1ステップにおいて、制御回路36は、充電回路66から充電が開始された(換言すれば、アダプタ70を介してコンセント80と接続された)ことを示す信号を検出すると、S2ステップへ処理を進める。
【0030】
S2ステップでは、制御回路36は、LED65を点灯させ、S3ステップへ処理を進める。即ち、LED65を点灯させることにより、現在充電中であることをユーザに報知する。
【0031】
S3ステップでは、制御回路36は、ベースバンド部14から着信があることを示す信号を検出すると、S8ステップへ処理を進め、そうでなければ、S4ステップへ処理を進める。
【0032】
S4ステップでは、制御回路36は、充電回路66から充電が中止された(換言すれば、アダプタ70が携帯電話装置10から抜かれた)ことを示す信号を検出するか、或いは、充電検出回路66から満充電状態であることを示す信号を検出すると、S5ステップへ処理を進め、そうでなければ、S3ステップへ処理を戻す。
【0033】
S5ステップでは、制御回路36は、現在の装置の状態が着信通知状態(過去に着信があったが着信に応答しなかったことをLED65で報知している状態)であると判定すると、S6ステップへ処理を進め、そうでなければ、S7ステップへ処理を進める。
【0034】
S6ステップでは、制御回路36は、LED65を点滅させ、S1ステップへ処理を戻す。
【0035】
S7ステップでは、制御回路36は、LED65を消灯させ、S1ステップへ処理を戻す。
【0036】
S8ステップでは、制御回路36は、LED65を点滅させ、S9ステップへ処理を進める。このように、LED65を点滅させることにより、ユーザに着信があることを報知する。
【0037】
S9ステップでは、制御回路36は、ケーブル70が携帯電話装置10から外され、入力部44から着信に応答する操作があると判定するS10ステップへ処理を進め、そうでなければ、S12ステップへ処理を進める。
【0038】
S10ステップでは、制御回路36は、電話通信部12、ベースバンド部14、切換回路22等を制御することにより相手先との通話路を確立し、通話が開始される。この通話が終了すると、S11ステップへ処理を進める。
【0039】
S11ステップでは、制御回路36は、LED65を消灯させ、S1ステップへ処理を戻す。
【0040】
S12ステップでは、制御回路36は、LED65の輝度を通常の充電状態(例えばS2ステップにおけるLED点灯時の輝度)よりも低い輝度にし、点灯させる。尚、この時、LED65が、通常の充電状態よりも低い輝度で点灯することにより、現在充電途中であると共に着信がありその着信に応答しなかったものであるとユーザが知ることができる。
S13ステップでは、制御回路36は、入力部44からキー操作があることを示す信号を検出すると、S14ステップへ処理を進め、そうでなければ、S15ステップへ処理を進める。
【0041】
S14ステップでは、制御回路36は、LED65を消灯させた後に、LEDを点灯させ、S15ステップへ処理を進める。
める。
【0042】
S15ステップでは、制御回路36は、充電回路66から充電が中止された(換言すれば、アダプタ70が携帯電話装置10から抜かれた)ことを示す信号を検出するか、或いは、充電検出回路66から満充電状態であることを示す信号を検出すると、S16ステップへ処理を進め、そうでなければ、S3ステップへ処理を戻す。
【0043】
S16ステップでは、制御回路36は、現在の装置の状態が着信通知状態(過去に着信があったが着信に応答しなかったことをLED65で報知している状態)であると判定すると、S17ステップへ処理を進め、そうでなければ、S18ステップへ処理を進める。
【0044】
S17ステップでは、制御回路36は、LED65を点滅させ、S1ステップへ処理を戻す。
【0045】
S18ステップでは、制御回路36は、LED65を消灯させ、S1ステップへ処理を戻す。
【0046】
このように、本実施例装置では、充電中にはLED65が点灯し、充電中に着信がありユーザが着信に応答しなければ、LED65が通常の充電状態よりも小さい輝度で点灯する為、ユーザは、充電中であり且つ過去に着信があり着信に応答しなかったことを知ることができる。
【0047】
又、LED65が小さい輝度で点灯中に、2次電池が満充電になったか或いはアダプタ70が携帯電話装置10から抜かれた場合には、LED65は点灯状態から点滅状態に変わる。この為、ユーザがこのLED65の点滅を見ることにより、2次電池が満充電になり且つ過去に着信があり着信に応答しなかったことを知ることができる。
【0048】
尚、本実施例の構成の変形例として以下の構成が考えられる。例えば、2次電池の充電状態を逐一監視する構成とし、充電中にLED65を小さい輝度で点灯している際に、満充電状態となるとLEDが点滅に変化し、LEDの点滅動作中に2次電池の容量がある一定の容量以下になると、充電を再開すると共にLEDの点滅動作を、輝度の低い点灯に変える構成としても良い。
【0049】
又、本実施例装置では、携帯電話装置について実施したが、コードレス電話装置等の電話機においても実施可能である。
【0050】
更に、本実施例では、着信があるとLEDを点滅することにより着信を報知する構成としたが、LEDを点灯したままで着信の色を変化することにより着信を報知する構成としも良い。このような構成としても、着信終了後にLEDの輝度が変化することにより充電中であると共に着信があったことをユーザが知ることが可能である。
【0051】
又、本実施例では、携帯電話装置とケーブルとを接続して充電する構成としたが、携帯電話装置を充電器に載置することにより充電する構造でも同様に本実施例装置を実施することが可能である。
【図面の簡単な説明】
【0052】
【図1】本実施例装置のブロック図である。
【図2】本実施例装置の斜視図である。
【図3】本実施例装置の動作を示すフロー図である。
【符号の説明】
【0053】
10 携帯電話装置
12 電話通信部
34 スピーカ
36 制御回路
40 RAM
42 ディスプレイ
46 照明部
58 GPS通信部
65 LED
66 充電回路
70 ケーブル

【特許請求の範囲】
【請求項1】
着信の報知及び充電中か否かを報知する為の発光手段と、着信を検出する着信検出手段と、着信に応答する為の着信応答手段と、
前記着信検出手段が着信を検出すると、前記発光手段が点灯又は点滅により着信を報知し、当該着信検出中に前記着信応答手段により着信に応答しなかった際には、前記発光手段が、通常の輝度よりも低い輝度で発光することを特徴とする電話機。
【請求項2】
着信の報知及び充電中か否かを報知する為の発光手段と、着信を検出する着信検出手段と、着信に応答する為の着信応答手段と、
前記着信検出手段が着信を検出すると、前記発光手段が点滅により着信を報知し、当該着信検出中に前記着信応答手段により着信に応答しなかった際には、前記発光手段が、通常の輝度よりも低い輝度で発光することを特徴とする電話機。
【請求項3】
請求項1又は2に記載の電話機であり、
前記発光手段が低い輝度で発光している状態で、前記電話機が非充電状態となると、前記発光手段を通常の輝度で点滅させることを特徴とする電話機。
【請求項4】
着信の報知及び充電中か否かを報知する為の発光手段と、着信を検出する着信検出手段と、着信に応答する為の着信応答手段と、
前記発光手段が充電中であることを示す第1の点灯状態で点灯している際に、前記着信検出手段が着信を検出すると、前記発光手段の発光状態が、点灯から点滅へと変化し、当該着信検出中に前記着信応答手段により着信に応答しなかった場合には、着信終了後、前記発光手段が、前記第1の点灯状態よりも低い輝度である第2の点灯状態で点灯することを特徴とする電話機。
【請求項5】
請求項4に記載の電話機であり、
前記発光手段が低い輝度で発光している状態で、前記電話機が非充電状態となると、前記発光手段を通常の輝度で点滅させることを特徴とする電話機。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公開番号】特開2008−17283(P2008−17283A)
【公開日】平成20年1月24日(2008.1.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−187945(P2006−187945)
【出願日】平成18年7月7日(2006.7.7)
【出願人】(000001889)三洋電機株式会社 (18,308)
【出願人】(000214892)鳥取三洋電機株式会社 (1,582)
【Fターム(参考)】