説明

電話着信通知サービス装置、電話着信通知方法および電話着信通知プログラム

【課題】どこからどの電話機に電話着信があったかを示す電話着信通知情報をテレビ受像機のテレビ画面に画面表示する電話着信通知サービス装置を提供する。
【解決手段】電話着信通知サービス装置10は、電話着信があった固定電話機20や携帯電話機30から該電話着信の発信電話番号を回線インタフェース部12や無線インタフェース部13を介して取得し、さらに、回線インタフェース部12や無線インタフェース部13の接続情報に基づき電話着信があった電話機がどの電話機かを示す着信電話機情報を取得し、また、該電話着信の発信電話番号に基づき発信元を示す相手先登録名をメモリ16の相手先登録テーブル16aから読み出す。しかる後、発信電話番号、着信電話機情報、相手先登録名をテレビ画面上に画面表示可能な表示情報に編集して、電話着信通知情報として、上位インタフェース部14を介してテレビ受像機40に送信し、テレビ画面上に画面表示させる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、固定電話機や携帯電話機に電話着信があった場合、どこからの電話着信があるかを示す発信電話番号を含む情報をテレビ画面に表示する電話着信通知サービス装置、電話着信通知方法および電話着信通知プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
現在、液晶ディスプレイを備えたテレビ電話端末においては、特許文献1の特開平7−30872号公報「テレビ放送受信機付テレビ電話装置」にも開示されているように、当該テレビ電話端末にテレビ電話呼の着信があった場合に、テレビ電話呼の発信側の電話番号(発信電話番号)を、着信側のテレビ電話端末の液晶ディスプレイに画面表示してテレビ電話呼の着信がある旨をユーザに通知する仕組みが提案されている。
【0003】
また、現状の携帯電話機においても、電話着信があった場合、呼出音の鳴動やバイブレーション動作とともに、発信側の電話番号(発信電話番号)を、着信側の携帯電話機の液晶ディスプレイに画面表示して電話着信がある旨をユーザに通知するようにしている。
【0004】
また、固定電話機の場合には、電話番号案内サービス(ナンバーディスプレイ機能)の回線契約を行うことによって、電話着信があった場合、呼出音の鳴動とともに、発信側の電話番号(発信電話番号)を、着信側の固定電話機の液晶ディスプレイに画面表示して電話着信がある旨をユーザに通知するようにしている。
【0005】
以上のような電話着信時における発信側の電話番号(発信電話番号)の画面表示の仕組みは、いずれも、実際に電話着信があった電話機上に備えられているディスプレイ画面上に表示されるものであり、ユーザは、電話機が置いてある場所まで移動して、電話機のディスプレイ画面を確認することが必要であった。
【0006】
したがって、ユーザがテレビ受像機でテレビ番組を視聴している最中に、固定電話機や携帯電話機に電話着信があった場合、テレビ画面上には、電話着信の相手側の電話番号(発信電話番号)が画面表示されないので、ユーザは、呼出音の鳴動を聞いたとき、視聴中のテレビ番組の視聴を中断して、電話着信があった電話機の場所まで移動して、電話機上に備えられているディスプレイ画面を見なければ、誰が発信者かを知ることができず、返信の要否を判断することができなかった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開平7−30872号公報(第4−6頁)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
前述したように、現在の固定電話機や携帯電話機においては、電話着信があった固定電話機や携帯電話機が視聴中のテレビ受像機の近くに存在していない場合、着信してきた電話の相手先を確認するためには、テレビ受像機から離れた携帯電話機や固定電話機が置いてある場所まで移動して、携帯電話機や固定電話機のディスプレイ画面を確認しなければならない。このため、テレビ番組の視聴に或る程度長い中断時間が生じてしまい、重要なシーンなどを見逃してしまう場合がある。
【0009】
また、携帯電話機の場合、呼出音に関して無音状態(バイブレーション設定やマナーモード設定の状態)に設定していたり、カバンの中に入れたことを忘れてしまっていたり、ロッカー等に収納した服のポケットに入れたままになっていたりしている場合、携帯電話機に電話着信があったことに気が付かなく、電話によって連絡しようとしていた重要な用件に対する対応が遅れてしまうことも発生してしまう。
【0010】
さらには、聴覚に障害がある人にとっては、固定電話機や携帯電話機に対して電話着信があっても、その呼出音を認識することができず、電話着信があることを他の人に連絡することもできない場合が発生している。
【0011】
(本発明の目的)
本発明は、かかる事情に鑑みてなされたものであり、固定電話機や携帯電話機に電話着信があった場合、どこからどの電話機に電話着信があるかを示す電話着信通知情報をテレビ受像機のテレビ画面に画面表示して、ユーザに通知することを可能にし、ユーザが該テレビ受像機のテレビ画面を視聴中の状態にある限り、テレビ視聴の邪魔をされることなく、電話着信がある旨をユーザが直ちに認識することができる電話着信通知サービス装置、電話着信通知方法および電話着信通知プログラムを提供することを、その目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0012】
前述の課題を解決するため、本発明による電話着信通知サービス装置、電話着信通知方法および電話着信通知プログラムは、主に、次のような特徴的な構成を採用している。
【0013】
(1)本発明による電話着信通知サービス装置は、固定電話機や携帯電話機からの情報を受信する通信インタフェース部とテレビ受像機に外部接続する上位インタフェース部とを少なくとも備えて、前記固定電話機や前記携帯電話機に電話着信があったことを電話着信通知情報として前記テレビ受像機のテレビ画面上に画面表示して通知する電話着信通知サービス装置であって、前記固定電話機や前記携帯電話機に電話着信があった場合に、電話着信があった前記固定電話機や前記携帯電話機から前記通信インタフェース部を介して該電話着信の相手先となる発信電話番号を少なくとも含む電話番号情報を取得して、該電話番号情報に含まれている前記発信電話番号を少なくとも含む電話着信の旨を通知する通知情報を、前記テレビ受像機のテレビ画面に表示することが可能な表示形式に編集して、前記電話着信通知情報として、前記上位インタフェース部を介して、前記テレビ受像機に送信することによって、前記電話着信通知情報をテレビ画面上に画面表示させることを特徴とする。
【0014】
(2)本発明による電話着信通知方法は、固定電話機や携帯電話機からの情報を受信する通信インタフェース部とテレビ受像機に外部接続する上位インタフェース部とを少なくとも備えた電話着信通知サービス装置において、前記固定電話機や前記携帯電話機に電話着信があったことを電話着信通知情報として前記テレビ受像機のテレビ画面上に画面表示して通知する電話着信通知方法であって、前記固定電話機や前記携帯電話機に電話着信があった場合に、電話着信があった前記固定電話機や前記携帯電話機から前記通信インタフェース部を介して該電話着信の相手先となる発信電話番号を少なくとも含む電話番号情報を取得して、該電話番号情報に含まれている前記発信電話番号を少なくとも含む電話着信の旨を通知する通知情報を、前記テレビ受像機のテレビ画面に表示することが可能な表示形式に編集して、前記電話着信通知情報として、前記上位インタフェース部を介して、前記テレビ受像機に送信することによって、前記電話着信通知情報をテレビ画面上に画面表示させることを特徴とする。
【0015】
(3)本発明による電話着信通知プログラムは、少なくとも前記(2)に記載の電話着信通知方法を、コンピュータによって実行可能なプログラムとして実施していることを特徴とする。
【発明の効果】
【0016】
本発明の電話着信通知サービス装置、電話着信通知方法および電話着信通知プログラムによれば、以下のような効果を奏することができる。
【0017】
第1の効果は、視聴中のテレビ受像機のテレビ画面上にどこからどの電話機に電話着信があったかを示す電話着信通知情報を画面表示するので、固定電話機や携帯電話機がテレビ受像機の近くに存在していない場合であっても、ユーザは、固定電話機や携帯電話機に電話着信した相手先を確認するために、固定電話機や携帯電話機が存在する場所までわざわざ移動することが不要になり、テレビ視聴に中断が生じることもなく、重要なシーンなどを見逃してしまうことを防ぐことができるということにある。また、電話着信してきた相手先をテレビ画面上で視認して、応答することにより、重要な用件に対しても迅速に対応することができることにある。
【0018】
第2の効果は、携帯電話機を、呼出音を無音状態(バイブレーション設定やマナーモード設定の状態)にしていたり、カバンの中に入れて忘れてしまっていたり、ロッカー等に収納した服のポケットに入れたままにしていたりした場合であっても、ユーザは、視聴中のテレビ受像機のテレビ画面を通じて、当該携帯電話機に電話着信していることを容易に把握することができ、直ちに応答して、重要な用件に対しても迅速に対応することができることにある。
【0019】
第3の効果は、聴覚障害者に対しても、固定電話機や携帯電話機への電話着信を、視聴中のテレビ受像機のテレビ画面を通じて通知することができることにある。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【図1】本発明による電話着信通知サービス装置の接続構成の一例を説明するための接続構成図である。
【図2】図1に示した電話着信通知サービス装置の内部のブロック構成の一例を示すブロック構成図である。
【発明を実施するための形態】
【0021】
以下、本発明による電話着信通知サービス装置、電話着信通知方法および電話着信通知プログラムの好適な実施形態について添付図を参照して説明する。なお、以下の説明においては、本発明による電話着信通知サービス装置および電話着信通知方法について説明するが、かかる電話着信通知方法をコンピュータにより実行可能な電話着信通知プログラムとして実施するようにしても良いし、あるいは、電話着信通知プログラムをコンピュータにより読み取り可能な記録媒体に記録するようにしても良いことは言うまでもない。
【0022】
(本発明の特徴)
本発明の実施形態の説明に先立って、本発明の特徴についてその概要をまず説明する。本発明は、一般のテレビジョン受像機に外部機器として接続する電話着信通知サービス装置に関するものであり、テレビ視聴中に、携帯電話機や固定電話機に電話着信があった際に、電話着信の相手先の電話番号を少なくとも含む電話着信通知情報をテレビ受像機のテレビ画面に画面表示して視聴中のユーザに通知することを主要な特徴としている。
【0023】
より具体的には、電話着信通知サービス装置は、固定電話機との間を接続する有線回線(例えば電話線)を引き込む回線インタフェース部、携帯電話機との間で無線回線(例えばBluetooth通信形式や無線LAN通信形式の無線回線)を介して情報を送受信する無線インタフェース部を電話端末との間で情報を送受信する通信インタフェース部として備えるとともに、テレビ受像機とAV(Audio Video)ケーブル(オーディオケーブル、ビデオケーブルやHDMI(High-Definition Multimedia Interface)ケーブル等)を介して接続してテレビ画面に表示する情報を送受信するための上位インタフェース部、を少なくとも備えている。
【0024】
電話着信通知サービス装置は、固定電話機や携帯電話機に対する電話着信があった際には、当該電話着信の相手先の電話番号(発信電話番号)を、回線インタフェース部や無線インタフェース部(双方のインタフェース部を通信インタフェース部と総称する)を介して、該固定電話機や該携帯電話機から取得し、さらに、電話着信が発生する電話機が複数存在している場合には、回線インタフェース部や無線インタフェース部の受信ポート番号等の接続情報に基づいて、電話着信があった電話機(固定電話機、携帯電話機)がどの電話機であるかを示す着信電話機情報を取得するとともに、取得した発信電話番号の相手先(電話発信元)を識別することが可能な相手先登録名が、当該電話着信通知サービス装置に内蔵のメモリに登録されているか否かを判別して、登録済みであった場合には該相手先登録名をメモリから読み出す。
【0025】
しかる後、電話着信通知サービス装置は、取得した電話番号(発信電話番号)、複数の電話機が存在している場合の着信電話機情報、登録済みの場合の相手先登録名のそれぞれの情報を、テレビ画面上に画面表示することが可能な表示情報に編集し、どの電話機にどこから電話着信があったかを示す電話着信通知情報(発信電話番号、複数の電話機の場合の着信電話機情報、登録済みの場合の相手先登録名を含む通知情報)として、上位インタフェース部を介して接続しているテレビ受像機のテレビ画面上に、表示中のテレビ映像に重畳させて画面表示する仕組みを少なくとも備えている。
【0026】
(本発明の実施形態の構成例)
次に、本発明による電話着信通知サービス装置の実施形態の構成について、その一例を説明する。まず、電話着信通知サービス装置の接続構成例について図1を用いて説明する。図1は、本発明による電話着信通知サービス装置の接続構成の一例を説明するための接続構成図であり、関連する外部機器である固定電話機、携帯電話機、テレビ受像機との間の接続形態の一例を示している。
【0027】
図1において、電話着信通知サービス装置10は、固定電話機20や携帯電話機30に電話着信があった際に、有線回線25を介して接続している固定電話機20や無線回線35を介して接続している携帯電話機30から、当該電話着信の相手先の電話番号(発信電話番号)を電話番号情報として取得して、どの電話機にどこから電話着信があったかを示す電話着信通知情報を生成して、AVケーブル45を介して、テレビ受像機40のテレビ画面上に画面表示させる機能を備えている。
【0028】
このため、電話着信通知サービス装置10には、固定電話機20に接続される電話線等の有線回線25を引き込んで情報を送受信するためのモデム機能を有する回線インタフェース部や、携帯電話機30との間でBluetooth通信形式や無線LAN通信形式等の無線回線35を介して情報を送受信するための無線インタフェース部、上位機に位置付けられるテレビ受像機40との間でAVケーブル45を介してテレビ受像機40のテレビ画面に画面表示する情報を送受信するための上位インタフェース部等の情報送受信手段を、少なくとも備えている。
【0029】
次に、図1に示した電話着信通知サービス装置10の内部のブロック構成の一例について、図2を用いて説明する。図2は、図1に示した電話着信通知サービス装置10の内部のブロック構成の一例を示すブロック構成図である。
【0030】
前述したように、図2に示す電話着信通知サービス装置10は、回線インタフェース部12、無線インタフェース部13、上位インタフェース部14を備えており、さらに、電話着信通知サービス装置10全体の動作を制御するためのCPU(Central Processing Unit)15とメモリ16とを少なくとも備えている。
【0031】
回線インタフェース部12は、前述したように、固定電話機20に接続される電話線等の有線回線25を引き込んで情報を送受信するモデム機能を有する部位であり、固定電話機20に電話着信があった際に、該電話着信の相手先の電話番号(発信電話番号)を、電話番号情報として、固定電話機20から有線回線25を介して受信する回線受信部12aを少なくとも内蔵している。該回線インタフェース部12は、受信ポート番号等の接続情報により、電話番号情報を送信した固定電話機20を識別することができる。
【0032】
また、無線インタフェース部13は、前述したように、携帯電話機30との間でBluetooth通信形式や無線LAN通信形式等の無線回線35を介して情報を送受信する部位であり、携帯電話機30に電話着信があった際に、該電話着信の相手先の電話番号(発信電話番号)を、電話番号情報として、携帯電話機30からBluetooth通信形式や無線LAN通信形式の無線回線35を介して受信するBluetooth受信部13aや無線LAN受信部13bを少なくとも内蔵している。該無線インタフェース部13は、受信ポート番号や送信元ID(Identification)情報等の接続情報により、電話番号情報を送信した携帯電話機30を識別することができる。
【0033】
なお、本実施形態においては、固定電話機20および携帯電話機30の電話機端末との間を接続するための回線インタフェース部12、無線インタフェース部13の双方のインタフェース部を通信インタフェース部と総称することにする。
【0034】
また、CPU15は、固定電話機20や携帯電話機30から回線インタフェース部12や無線インタフェース部13を介して、電話番号情報(相手先の発信電話番号)を受信した際に、該電話番号情報を受信したインタフェース部の受信ポート番号等の接続情報に基づいて、複数の電話機のうち電話着信があった電話機(固定電話機20、携帯電話機30)がどの電話機であったかを示す識別情報である着信電話機情報を追加して取得する。さらに、CPU15は、固定電話機20や携帯電話機30から電話番号情報として取得した発信電話番号が示す相手先を識別することが可能な相手先登録名がメモリ16内の相手先登録テーブル16aに登録済みか否かを検索して、登録済みであった場合には、該相手先登録名をメモリ16の相手先登録テーブル16aから読み出す。
【0035】
しかる後、CPU15は、発信電話番号、複数の電話機が存在している場合は着信電話機情報、相手先登録テーブル16aに登録済みであった場合は相手先登録名のそれぞれの情報を用いて、どの電話機にどこから電話着信があったかを示す情報を、テレビ受像機40のテレビ画面上に画面表示可能な形式の表示情報に編集して、電話着信通知情報(発信電話番号を少なくとも含む通知情報、さらに、電話着信が発生する電話機が複数存在する場合は着信電話機情報、発信電話番号の相手先を登録済みであった場合は相手先登録名のそれぞれをさらに追加して含む通知情報)として、メモリ16の所定の領域に格納するとともに、上位インタフェース部14を駆動して、AVケーブル45を介してテレビ受像機40に送信する。而して、視聴中のテレビ受像機40のテレビ画面上に、固定電話機20や携帯電話機30に電話着信があった旨を示す該電話着信通知情報をテレビ映像に重畳して画面表示させる。
【0036】
また、上位インタフェース部14は、前述したように、上位機のテレビ受像機40との間でAVケーブル45を介してテレビ画面に画面表示する情報を送受信する部位であり、固定電話機20や携帯電話機30に電話着信があった際に、CPU15にて生成された電話着信通知情報(発信電話番号を少なくとも含む通知情報、さらに、電話着信が発生する電話機が複数存在する場合は着信電話機情報、また、発信電話番号の相手先を登録済みであった場合は相手先登録名のそれぞれをさらに追加して含む通知情報)を、テレビ受像機40に送信することにより、視聴中のテレビ受像機40のテレビ画面上にテレビ映像に重畳して画面表示させる。
【0037】
また、メモリ16は、前述したように、電話の相手先を識別する名前を電話番号に対応付けて相手先登録名としてあらかじめ登録する相手先登録テーブル16aを記憶するとともに、CPU15にて生成された電話着信通知情報を一時的に格納する他、CPU15が電話着信通知サービス装置10の全体の制御に必要とする各種情報を蓄積するメモリである。また、メモリ16は、前述のような電話着信通知サービスをプログラム論理によって実現する場合には、かかる機能を備えた電話着信通知プログラムを蓄積するプログラム用のメモリとしても用いることができる。
【0038】
なお、本実施形態においては、前述のように、電話着信通知サービス装置10のメモリ16内に、相手先登録テーブル16aとして、電話の相手先を識別する相手先登録名を登録している例について説明するが、本発明は、かかる場合に限るものではない。例えば、固定電話機20や携帯電話機30に備えられている電話帳に電話番号に対応付けて相手先を識別する相手先登録名が格納されている場合には、電話着信があった際に、電話着信の相手先を示す相手先登録名(相手先を特定する識別名)を電話帳から抽出して、固定電話機20や携帯電話機30から電話着信通知サービス装置10に送信する電話番号情報に含めて、相手先の電話番号(発信電話番号)とともに送信するようにしても良い。
【0039】
かかる場合においては、電話着信通知サービス装置10は、固定電話機20や携帯電話機30から受信した電話番号情報に相手先登録名が含まれていた場合には、メモリ16内の相手先登録テーブル16aを検索しないようにし、受信した電話番号情報に相手先登録名が含まれていなかった場合に限ってメモリ16内の相手先登録テーブル16aを検索するようにしても良い。
【0040】
あるいは、相手先を識別する相手先登録名は、固定電話機20や携帯電話機30の電話帳にのみ登録するようにし、電話着信通知サービス装置10のメモリ16内には登録しておかないようにしても良い。つまり、固定電話機20や携帯電話機30から受信した電話番号情報に相手先登録名が含まれているか否かによらず、電話着信通知サービス装置10側では、電話着信した相手先を識別する相手先登録名を検索して設定する動作を行わないようにしても良い。
【0041】
なお、電話着信通知サービス装置10は、上位機のテレビ受像機40の電源が投入されて、テレビ画面にテレビ映像が表示されている状態にあるか否かを、上位インタフェース部14を介して、常時監視しており、テレビ受像機40の電源が投入されている状態にある場合にのみ、固定電話機20や携帯電話機30からの電話番号情報の受信動作を有効としている。
【0042】
また、テレビ受像機40の電源が投入されている状態にあって、固定電話機20や携帯電話機30からの電話番号情報の受信動作が有効になっている場合には、固定電話機20や携帯電話機30に対して、回線インタフェース部12や無線インタフェース部13を介して、電話番号情報の送信動作を許可する旨を通知するとともに、電話着信時の呼出音の鳴動動作を抑止させる指示を送信するようにしても良い。
【0043】
かくのごとく、電話着信時の呼出音の鳴動動作を抑止しても、ユーザが視聴中のテレビ受像機40のテレビ画面に固定電話機20や携帯電話機30に電話着信がある旨が画面表示されるので、ユーザは電話着信を直ちに把握することができ、かつ、電話着信時の呼出音の鳴動によるテレビ視聴への影響を防ぐこともできる。
【0044】
一方、テレビ受像機40の電源が投入されていない状態にある場合には、固定電話機20や携帯電話機30に対して、回線インタフェース部12や無線インタフェース部13を介して、電話着信時の電話番号情報を電話着信通知サービス装置10に対して送信する動作を抑止して、固定電話機20や携帯電話機30それぞれにおける通常の電話着信動作を行うようにしても良い。
【0045】
(実施形態の動作の説明)
次に、図1、図2に示す電話着信通知サービス装置10の動作の一例について説明する。
【0046】
まず、図1の固定電話機20または携帯電話機30に電話着信があった場合、固定電話機20または携帯電話機30は、電話線等の有線回線25またはBluetooth通信形式や無線LAM通信形式等の無線回線35を介して、電話着信通知サービス装置10に対して、当該電話着信の相手先の電話番号(発信電話番号)を、電話番号情報として、送信する。
【0047】
電話着信通知サービス装置10は、固定電話機20または携帯電話機30からの電話番号情報を回線インタフェース部12または無線インタフェース部13にて受信すると、CPU15が起動されて、該電話番号情報の送信元である電話機つまり電話着信があった電話機を示す識別情報を判別して着信電話機情報として設定する。なお、電話着信が発生する電話機が1台のみの場合には、電話着信があって、電話番号情報を送信してくる電話機を直ちに特定することができるので、着信電話機情報を設定する動作を実施しなくても良い。
【0048】
しかる後、電話着信通知サービス装置10のCPU15は、受信した電話番号情報の発信電話番号を用いて、メモリ16の相手先登録テーブル16aを検索し、当該発信電話番号に対応する相手先登録名の有無を判別する。CPU15は、相手先登録テーブル16aの検索結果として、当該発信電話番号に対応する相手先登録名が登録されていた場合には、該相手先登録名を含めて、前記発信電話番号と前記着信電話機情報(電話着信が発生する電話機が複数台の場合に設定される情報)とを、テレビ受像機40のテレビ画面に画面表示することが可能な表示情報に編集して、電話着信通知情報(発信電話番号、着信電話機情報(電話着信が発生する電話機が複数台の場合に設定される情報)、相手先登録名を少なくとも含む通知情報)として、メモリ16内の所定領域に一時格納するとともに、上位インタフェース部14を駆動して、AVケーブル45を介して、テレビ受像機40側に送信する。
【0049】
一方、CPU15は、相手先登録テーブル16aの検索結果として、当該発信電話番号に対応する相手先登録名が登録されていなかった場合には、前記発信電話番号と前記着信電話機情報(電話着信が発生する電話機が複数台の場合に設定される情報)とを、テレビ受像機40のテレビ画面に画面表示することが可能な表示情報に編集して、電話着信通知情報(発信電話番号、着信電話機情報(電話着信が発生する電話機が複数台の場合に設定される情報)を少なくとも含む通知情報)として、メモリ16内の所定領域に一時格納するとともに、上位インタフェース部14を駆動して、AVケーブル45を介して、テレビ受像機40側に送信する。
【0050】
テレビ受像機40は、電話着信通知サービス装置10から電話着信通知情報を受信すると、例えば、図1のテレビ受像機40の電話着信通知情報40aとして例示するように、"090−1234−5678 ××さんから携帯電話機に電話です"という通知情報を、テレビ映像上に重畳して表示するような表示画面に編集して、テレビ画面に画面表示する。なお、該電話着信通知情報40aは、電話着信が発生する可能性がある固定電話機20と携帯電話機30との2台の電話機のうち携帯電話機30に対して電話番号'090−1234−5678'の相手先から電話着信があり、かつ、該携帯電話機30に電話着信した相手先を示す相手先登録名がメモリ16内の相手先登録テーブル16aに名前'××'として登録されていた場合を例示している。而して、テレビ視聴中のユーザは、テレビ画面に画面表示された該電話着信通知情報40aを視認することにより、携帯電話機30に電話番号"090−1234−5678の××さん"からの電話着信があった旨を直ちに認識することができる。
【0051】
なお、固定電話機20や携帯電話機30から電話番号情報を電話着信通知サービス装置10へ転送する動作は、相手先の電話番号(発信電話番号)を転送するためのAP(アプリケーション)機能を固定電話機20や携帯電話機30に搭載することにより実現される。なお、場合によっては、固定電話機20の場合、交換局からの局線(電話線)を、固定電話機20のみならず、図1に示す有線回線25として電話着信通知サービス装置10にも接続するようにすれば、電話着信通知サービス装置10において固定電話機20から相手先の電話番号(発信電話番号)を取得する動作は、公衆電話サービスとして実施されている電話番号案内サービス(ナンバーディスプレイ機能)の回線契約を固定電話機20に関して実施することによって直ちに実現することが可能である。
【0052】
以上のように、電話着信通知サービス装置10は、固定電話機20や携帯電話機30に電話着信してきた際に、どの電話機にどこから電話が掛かってきたかを示す電話着信通知情報(発信電話番号を少なくとも含む通知情報、さらに、電話着信が発生する電話機が複数存在する場合は着信電話機情報、また、発信電話番号の相手先を登録済みであった場合は相手先登録名のそれぞれをさらに追加して含む通知情報)を生成して、テレビ受像機40のテレビ画面上に画面表示させるので、ユーザは、テレビ番組の視聴時において、テレビの視聴を中断して電話着信があった電話機まで移動することなく、どこからどの電話機に電話着信があったかを直ちに把握することができるとともに、商品を売り込む勧誘電話等の電話着信であった場合には、応答することなく、テレビ視聴を継続して行うこともできる。
【0053】
また、本実施形態においては、電話着信通知サービス装置10を、外付けする形態で、テレビ受像機40に外部接続する構成としているので、既存のテレビ受像機に対して、電話着信時に電話着信通知情報をテレビ画面に画面表示させるサービスを追加するか否かを、必要に応じて、任意に選択することが可能である。
【0054】
さらに、電話着信通知サービス装置10によって、電話着信があった旨を電話着信通知情報としてテレビ受像機40のテレビ画面に画面表示して通知するので、聴覚に障害を持っているユーザにとっても、電話着信の有無を容易に認識することができる。
【0055】
なお、本発明の他の実施形態として、電話着信通知サービス装置10をテレビ受像機40に内蔵させ、電話着信通知サービス機能付きテレビ受像機として実現することも、勿論可能である。かかる場合には、一般のテレビ受像機本体に、固定電話機20や携帯電話機30からの電話番号情報を受信するためのインタフェース部を付加することが必要になるが、電話線の接続やLANコネクタや無線LAN子機機能等については、現状のテレビ受像機にも標準配備されているので、容易に実現することが可能である。また、現状のテレビ受像機においては、電話着信通知サービス機能に関する操作説明やメニュー表示をテレビ画面上へ表示する機能を新たに追加することについても、特に難しい技術でない。
【0056】
(本実施形態の効果の説明)
以上に詳細に説明したように、本実施形態においては、以下に記載するような効果を得ることができる。
【0057】
第1の効果は、視聴中のテレビ受像機40のテレビ画面上にどこからどの電話機に電話着信があったかを示す電話着信通知情報を画面表示するので、固定電話機20や携帯電話機30がテレビ受像機40の近くに存在していない場合であっても、ユーザは、固定電話機20や携帯電話機30に電話着信した相手先を確認するために、固定電話機20や携帯電話機30が存在する場所までわざわざ移動することは不要になり、テレビ視聴に中断が生じることもなく、重要なシーンなどを見逃してしまうことを防ぐことができるということにある。また、電話着信してきた相手先をテレビ画面上で視認して、応答することにより、重要な用件に対しても迅速に対応することができることにある。
【0058】
第2の効果は、携帯電話機30を、呼出音を無音状態(バイブレーション設定やマナーモード設定の状態)にしていたり、カバンの中に入れて忘れてしまっていたり、ロッカー等に収納した服のポケットに入れたままにしていたりした場合であっても、ユーザは、視聴中のテレビ受像機40のテレビ画面を通じて、当該携帯電話機30に電話着信していることを容易に把握することができ、直ちに応答して、重要な用件に対しても迅速に対応することができることにある。
【0059】
第3の効果は、聴覚障害者に対しても、固定電話機20や携帯電話機30への電話着信を、視聴中のテレビ受像機40のテレビ画面を通じて通知することができることにある。
【0060】
以上、本発明の好適な実施形態の構成を説明した。しかし、かかる実施形態は、本発明の単なる例示に過ぎず、何ら本発明を限定するものではないことに留意されたい。本発明の要旨を逸脱することなく、特定用途に応じて種々の変形変更が可能であることが、当業者には容易に理解できよう。
【符号の説明】
【0061】
10 電話着信通知サービス装置
12 回線インタフェース部
12a 回線受信部
13 無線インタフェース部
13a Bluetooth受信部
13b 無線LAN受信部
14 上位インタフェース部
15 CPU
16 メモリ
16a 相手先登録テーブル
20 固定電話機
25 有線回線
30 携帯電話機
35 無線回線
40 テレビ受像機
40a 電話着信通知情報
45 AVケーブル

【特許請求の範囲】
【請求項1】
固定電話機や携帯電話機からの情報を受信する通信インタフェース部とテレビ受像機に外部接続する上位インタフェース部とを少なくとも備えて、前記固定電話機や前記携帯電話機に電話着信があったことを電話着信通知情報として前記テレビ受像機のテレビ画面上に画面表示して通知する電話着信通知サービス装置であって、前記固定電話機や前記携帯電話機に電話着信があった場合に、電話着信があった前記固定電話機や前記携帯電話機から前記通信インタフェース部を介して該電話着信の相手先となる発信電話番号を少なくとも含む電話番号情報を取得して、該電話番号情報に含まれている前記発信電話番号を少なくとも含む電話着信の旨を通知する通知情報を、前記テレビ受像機のテレビ画面に表示することが可能な表示形式に編集して、前記電話着信通知情報として、前記上位インタフェース部を介して、前記テレビ受像機に送信することによって、前記電話着信通知情報をテレビ画面上に画面表示させることを特徴とする電話着信通知サービス装置。
【請求項2】
電話着信の相手先を示す相手先登録名を相手先の電話番号と対応付けてあらかじめ登録する相手先登録テーブルをさらに備え、電話着信があった前記固定電話機や前記携帯電話機から前記電話番号情報を取得した際に、該電話番号情報に含まれている前記発信電話番号に基づいて、前記相手先登録テーブルを検索し、前記発信電話番号に該当する相手先登録名が登録されていた場合には、該相手先登録名を抽出して、抽出した該相手先登録名を前記電話着信通知情報にさらに追加して編集して、前記テレビ受像機に送信することを特徴とする請求項1に記載の電話着信通知サービス装置。
【請求項3】
電話着信が発生する電話機が複数存在している場合、電話着信があった前記固定電話機や前記携帯電話機から前記電話番号情報を前記通信インタフェース部を介して取得した際に、該通信インタフェース部の接続情報に基づいて、前記電話番号情報の送信元の電話機を示す着信電話機情報を取得し、取得した該着信電話機情報を前記電話着信通知情報にさらに追加して編集して、前記テレビ受像機に送信することを特徴とする請求項1または2に記載の電話着信通知サービス装置。
【請求項4】
前記テレビ受像機の電源が投入されてテレビ画面に映像が画面表示されている状態にあるか否かを、前記上位インタフェース部を介して常時監視し、前記テレビ受像機の電源が投入されている場合には、電話着信があった前記固定電話機や前記携帯電話機からの前記電話番号情報の送信動作を許可し、前記テレビ受像機の電源が切断されている場合には、電話着信があった前記固定電話機や前記携帯電話機からの前記電話番号情報の送信動作を抑止することを特徴とする請求項1ないし3のいずれかに記載の電話着信通知サービス装置。
【請求項5】
前記固定電話機から情報を受信する前記通信インタフェース部は電話線を介して情報を受信する回線インタフェース部であり、前記携帯電話機から情報を受信する前記通信インタフェース部はBluetooth通信形式または無線LAN通信形式の無線回線を介して情報を受信する無線インタフェース部であることを特徴とする請求項1ないし4のいずれかに記載の電話着信通知サービス装置。
【請求項6】
固定電話機や携帯電話機からの情報を受信する通信インタフェース部とテレビ受像機に外部接続する上位インタフェース部とを少なくとも備えた電話着信通知サービス装置において、前記固定電話機や前記携帯電話機に電話着信があったことを電話着信通知情報として前記テレビ受像機のテレビ画面上に画面表示して通知する電話着信通知方法であって、前記固定電話機や前記携帯電話機に電話着信があった場合に、電話着信があった前記固定電話機や前記携帯電話機から前記通信インタフェース部を介して該電話着信の相手先となる発信電話番号を少なくとも含む電話番号情報を取得して、該電話番号情報に含まれている前記発信電話番号を少なくとも含む電話着信の旨を通知する通知情報を、前記テレビ受像機のテレビ画面に表示することが可能な表示形式に編集して、前記電話着信通知情報として、前記上位インタフェース部を介して、前記テレビ受像機に送信することによって、前記電話着信通知情報をテレビ画面上に画面表示させることを特徴とする電話着信通知方法。
【請求項7】
電話着信の相手先を示す相手先登録名を相手先の電話番号と対応付けてあらかじめ登録する相手先登録テーブルを有し、電話着信があった前記固定電話機や前記携帯電話機から前記電話番号情報を取得した際に、該電話番号情報に含まれている前記発信電話番号に基づいて、前記相手先登録テーブルを検索し、前記発信電話番号に該当する相手先登録名が登録されていた場合には、該相手先登録名を抽出して、抽出した該相手先登録名を前記電話着信通知情報にさらに追加して編集して、前記テレビ受像機に送信することを特徴とする請求項6に記載の電話着信通知方法。
【請求項8】
電話着信が発生する電話機が複数存在している場合、電話着信があった前記固定電話機や前記携帯電話機から前記電話番号情報を前記通信インタフェース部を介して取得した際に、該通信インタフェース部の接続情報に基づいて、前記電話番号情報の送信元の電話機を示す着信電話機情報を取得し、取得した該着信電話機情報を前記電話着信通知情報にさらに追加して編集して、前記テレビ受像機に送信することを特徴とする請求項6または7に記載の電話着信通知方法。
【請求項9】
前記テレビ受像機の電源が投入されてテレビ画面に映像が画面表示されている状態にあるか否かを、前記上位インタフェース部を介して常時監視し、前記テレビ受像機の電源が投入されている場合には、電話着信があった前記固定電話機や前記携帯電話機からの前記電話番号情報の送信動作を許可し、前記テレビ受像機の電源が切断されている場合には、電話着信があった前記固定電話機や前記携帯電話機からの前記電話番号情報の送信動作を抑止することを特徴とする請求項6ないし8のいずれかに記載の電話着信通知方法。
【請求項10】
請求項6ないし9のいずれかに記載の電話着信通知方法を、コンピュータによって実行可能なプログラムとして実施していることを特徴とする電話着信通知プログラム。

【図1】
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【図2】
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【公開番号】特開2012−142664(P2012−142664A)
【公開日】平成24年7月26日(2012.7.26)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−292029(P2010−292029)
【出願日】平成22年12月28日(2010.12.28)
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.Bluetooth
【出願人】(000168285)エヌイーシーコンピュータテクノ株式会社 (572)
【Fターム(参考)】