説明

電話装置および電話システム

【課題】IPv4プロトコルを用いてデータコネクトサービスを提供するIP電話システムにおいて、IPv6アドレスによってP2P(ピアツーピア)通信が可能かを判別できるようにする。
【解決手段】IP電話装置100は、データコネクトセッションにおいて、相手方IP電話装置との間でIPv6アドレスの通知応答をした後、IPv6疎通テスト手段118はP2P通信により相手方のIP電話装置との間の疎通テストを行い、疎通テストに失敗した場合、IPv4アドレスの通知応答を行って、相手方のIP電話装置のIPv4アドレスを取得して取得プロトコル情報格納手段119に記憶してデータコネクトセッションを終了し、その後、取得したIPv4アドレスに基づいてIPv4ネットワークを介して前記相手方のIP電話装置とP2P通信によりデータを送受信する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、データコネクトサービスを利用可能なIP電話装置およびIP電話システムに関するものであり、特に、データコネクトセッションにおいて、相手方との間でIPv6アドレスの通知応答をした後、P2P(ピアツーピア)通信によりIPv6疎通テストを行い、IPv6疎通テストに失敗した時は、IPv4アドレスの通知応答を行って、データコネクトセッションを終了し、その後、IPv4アドレスに基づいてインターネット通信(P2P通信)によりデータ送受信するようにしたIP電話装置およびIP電話システムに関するものである。
【背景技術】
【0002】
近年、通信インフラの発達により、通信に関する様々な付加サービスが普及するようになってきた。例えば電話装置においては、一般電話回線以外に、IP電話網やインターネット等の広域通信網に接続して、データ通信サービス等の様々なサービスを受けることが可能な電話装置が普及している。このような電話装置に対するサービスとして、テレビ電話サービスが実用化されている。テレビ電話サービスの利用者は、撮像機能及び画像送信機能を備えたテレビ電話装置を通信回線に接続することにより、撮像画像の送受信を行いながら音声通話を行うことが可能である。このようなIPテレビ電話装置は、例えば、下記の特許文献1(特開2011−078057号公報)に開示されている。
【0003】
一般に、特許文献1に開示されるようなIP電話装置やPCあるいは各種端末装置などの通信機器は、互いにインターネット網を介して通信するものであり、インターネットプロトコル(Internet Protocol)と称される通信プロトコルに従って割り当てられたグローバルIPアドレスによりお互いをインターネット接続して通信する。
【0004】
このインターネットプロトコルでは、32ビットでIPアドレスを管理するIPv4(Internet Protocol Version4)が一般的であるが、IPv4で識別できる端末の最大数は約42億台強であり、近い将来にはアドレス総数が限界に達すると言われている。そこで、IPv4におけるIPアドレスの枯渇を考慮して、128ビットでIPアドレスを管理するIPv6(Internet Protocol Version6)が利用されはじめている。IPv6によれば、16進数で16ビット毎にコロンで区切り、合計128ビットでIPアドレスを表記するため、計算上では事実上無限大の端末にIPアドレスを割り当てることかできるとされている。
【0005】
一方、現在では、光通信網を利用したIP電話サービスがユーザに提供されており、一部の電話会社(通信キャリア)においては、IP電話サービスの機能の1つとしてデータコネクトサービスと称されるサービスがユーザに提供されている。このサービスは現在IPv4に対応するIP電話装置、IP電話システムとしてユーザに提供されている。
【0006】
このデータコネクトサービスを利用すると、電話番号による接続要求で相手につながり、接続中に音声通話する他、データコネクト通信により、データの送受信が可能になる。しかし、データコネクト通信によるファイルの送受信を含め、データコネクトセッションの開始から終了までデータコネクトサービス利用の課金が発生する。IP電話装置であれば、ファイルの送受信は、データコネクトサービスを利用せず、インターネットによるP2P(ピアツーピア)のデータ送受信をすると、データコネクトサービスより通信費用は安価である。
【0007】
しかしながら、データコネクトサービスを利用して、通話中に、データ転送したい場合
には、そのままデータコネクトセッションの中でデータ通信してしまうほうが、通信費用はインターネット通信利用よりも割高になるが、ユーザの手間は簡単である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】特開2011−078057号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
先に述べたように、光通信網を利用したIP電話サービスがユーザに提供されており、一部の電話会社(通信キャリア)においては、IPv4プロトコルを用いたIP電話サービスの1つの機能としてデータコネクトサービスと称されるサービスがユーザに提供されている。また、このようなIP電話システム、IP電話装置をIPv6プロトコルに対応する構成としてユーザに提供することも行われている。
【0010】
ところで、IPv4プロトコルにおいては、IPアドレスが割り当てられた機器を人間が識別しやすいようにするため、DNSサーバ(Domain Name Server)などのようなホスト名が設定される。IPv6プロトコルにおいてもIPv4の場合と同様に、IPv6アドレスに対応したホスト名が設定される。IPv4の場合には単一のネットワークインターフェースに単一のIPv4アドレスのみを割り当てることしか出来なかった。しかしIPv6では、単一のネットワークインターフェースに複数のIPv6アドレスを割り当てることができ、複数のIPv6アドレスに対応した複数のホスト名を設定することが可能になるという特徴がある。
【0011】
IPv4プロトコルを用いてデータコネクトサービスを提供するIP電話システムに属するIP電話装置であって、当該IP電話装置がIPv6プロトコルにも対応できるものであれば、IPv4プロトコルを用いたデータコネクトセッションの中で相手方のIP電話装置のIPv6プロトコルに従って割り当てられたIPアドレスを取得し、取得したIPアドレスによってデータコネクタセッション終了後にIPv6ネットワークを介してお互いを接続し、P2P(ピアツーピア)通信することができる。IPv4プロトコルにもIPv6プロトコルにも対応できる機器は、デュアルスタック・オペレーションを用いて構成することができる。このような機器は、例えば、特開2004−254318号公報、特表2010−502119号公報に開示されている。
【0012】
しかしながら、一方のIP電話装置が属するホストが一定の地域内のネットワークに閉じたものとして構築されている場合には、同じIPv6プロトコルに従ったIPアドレスが割り当てられIP電話装置であっても当該IP電話装置を特定できずP2P(ピアツーピア)のネットワーク接続することができないというケースが生じる可能性がある。
【0013】
また、IPv6プロトコルによりネットワーク接続できなかった原因もユーザにはわからず、機器の故障の可能性などユーザを悩ませることになる。また、そして、別途IPv4プロトコルによるIPアドレスに従ってIPv4ネットワークによりお互いを接続するという手順を最初からやり直すという手間が必要になり、ユーザにとって利便性に欠けるという問題点がある。
【0014】
本願発明は、このような問題点を解消すべくなされたものであり、IPv4プロトコルを用いてデータコネクトサービスを提供するIP電話システム、IP電話装置において、データコネクトセッションの中で相手方のIP電話装置のIPv6プロトコルに従って割り当てられたIPアドレスを取得し、取得したIPv6アドレスによってP2P(ピアツ
ーピア)通信が可能かを判別できるように構成することを目的とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0015】
前記課題を解決するために、本願の請求項1にかかる発明は、IPv6プロトコルに基づくIPv6ネットワークとIPv4プロトコルに基づくIPv4ネットワークを介して通信可能であり、P2P通信によりデータの送受信を行い、IPv4プロトコルに基づくデータコネクトサービスの利用が可能なIP電話装置により構成されるIP電話システムであって、前記IP電話装置は、IPv6疎通テスト手段と取得プロトコル情報格納手段を備え、データコネクトセッションにおいて、相手方IP電話装置との間でIPv6アドレスの通知応答をした後、IPv6疎通テスト手段はP2P通信による前記相手方のIP電話装置との間の疎通テストを行い、前記相手方のIP電話装置との間の疎通テストに失敗した場合、IPv4アドレスの通知応答を行って、前記相手方のIP電話装置のIPv4アドレスを含むプロトコル情報を取得して取得プロトコル情報格納手段に記憶し、前記データコネクトセッションを終了し、その後、前記IP電話装置は、前記取得プロトコル情報格納手段に記憶したIPv4アドレスに基づいてIPv4ネットワークを介して前記相手方のIP電話装置とP2P通信によりデータを送受信するようにしたことを特徴とする。
【0016】
本願の請求項2にかかるIP電話システムは、請求項1にかかるIP電話システムにおいて、前記相手方のIP電話装置との間の疎通テストに成功した場合、前記IP電話装置は、前記データコネクトセッションを終了し、その後、前記IPv6アドレスの通知応答により取得したIPv6アドレスに基づいてIPv6ネットワークを介して前記相手方のIP電話装置とP2P通信によりデータを送受信するようにしたことを特徴とする。
【0017】
本願の請求項3にかかるIP電話システムは、請求項1にかかるIP電話システムにおいて、前記相手方のIP電話装置との間の疎通テストに成功した場合、前記IP電話装置は、前記IPv6アドレスの通知応答により取得したIPv6アドレスに基づいてIPv6ネットワークを介して前記相手方のIP電話装置とP2P通信によりデータを送受信した後、前記データコネクトセッションを終了するようにしたことを特徴とする。
【0018】
また、本願の請求項4にかかる発明は、IPv6プロトコルに基づくIPv6ネットワークとIPv4プロトコルに基づくIPv4ネットワークを介して通信可能であり、P2P通信によりデータの送受信を行い、IPv4プロトコルに基づくデータコネクトサービスの利用が可能なIP電話装置であって、前記IP電話装置は、IPv6疎通テスト手段と取得プロトコル情報格納手段を備え、データコネクトセッションにおいて、相手方IP電話装置との間でIPv6アドレスの通知応答をした後、IPv6疎通テスト手段はP2P通信による前記相手方のIP電話装置との間の疎通テストを行い、相手方のIP電話装置との間の疎通テストに失敗した場合、IPv4アドレスの通知応答を行って、前記相手方のIP電話装置のIPv4アドレスを含むプロトコル情報を取得して取得プロトコル情報格納手段に記憶し、前記データコネクトセッションを終了し、その後、前記IP電話装置は、前記取得プロトコル情報格納手段に記憶したIPv4アドレスに基づいてIPv4ネットワークを介して前記相手方のIP電話装置とP2P通信によりデータを送受信するようにしたことを特徴とする。
【0019】
本願の請求項5にかかる発明は、請求項4にかかるIP電話装置において、前記相手方のIP電話装置との間の疎通テストに成功した場合、前記IP電話装置は、前記データコネクトセッションを終了し、その後、前記IPv6アドレスの通知応答により取得したIPv6アドレスに基づいてIPv6ネットワークを介して前記相手方のIP電話装置とP2P通信によりデータを送受信するようにしたことを特徴とする。
【0020】
本願の請求項6にかかる発明は、請求項4にかかるIP電話装置において、前記相手方のIP電話装置との間の疎通テストに成功した場合、前記IP電話装置は、前記IPv6アドレスの通知応答により取得したIPv6アドレスに基づいてIPv6ネットワークを介して前記相手方のIP電話装置とP2P通信によりデータを送受信した後、前記データコネクトセッションを終了するようにしたことを特徴とする。
【発明の効果】
【0021】
請求項1にかかる発明においては、IP電話装置は、データコネクトセッションにおいて、相手方IP電話装置との間でIPv6アドレスの通知応答をした後、IPv6疎通テスト手段はP2P通信による前記相手方のIP電話装置との間の疎通テストを行い、相手方のIP電話装置との間の疎通テストに失敗した場合、IPv4アドレスの通知応答を行って、相手方のIP電話装置のIPv4アドレスを取得して取得プロトコル情報格納手段119に記憶してデータコネクトセッションを終了し、その後、取得したIPv4アドレスに基づいてIPv4ネットワークを介して前記相手方のIP電話装置とP2P通信によりデータを送受信する。
【0022】
また、請求項2にかかる発明においては、前記相手方のIP電話装置との間の疎通テストに成功した場合、前記IP電話装置は、前記データコネクトセッションを終了し、その後、前記IPv6アドレスの通知応答により取得したIPv6アドレスに基づいてIPv6ネットワークを介して前記相手方のIP電話装置とP2P通信によりデータを送受信する。
【0023】
かかる構成によれば、相手方IP電話装置との間でIPv6ネットワークを介したP2Pファイル送受信ができない場合でも、IPv4ネットワークを介してデータ送受信ができるようになり、また、データの送受信は、データコネクトサービスを利用せず、IPv6ネットワークまたはIPv4ネットワークを介したP2P通信により行うので通信費用を安価にすることができる。
【0024】
また、請求項3にかかる発明においては、相手方のIP電話装置との間の疎通テストに成功した場合、前記IP電話装置は、前記IPv6アドレスの通知応答により取得したIPv6アドレスに基づいてIPv6ネットワークを介して前記相手方のIP電話装置とP2P通信によりデータを送受信した後、前記データコネクトセッションを終了する。
【0025】
かかる構成によれば、相手方IP電話装置との間でIPv6ネットワークを介したデータ送受信ができる場合、IPv6アドレスの通知応答により取得したIPv6アドレスに基づいてIPv6ネットワークを介したP2P通信により行うから、データコネクトセッションを終了させ、改めてIPv6ネットワークを介したP2P通信の操作を行うというユーザの手間を省くことができる。
【0026】
請求項4〜請求項6にかかる発明によれば、請求項1〜請求項3にかかるIP電話システムを構成するIP電話装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0027】
【図1】本発明の実施例にかかるIP電話装置を含む通信システムの構成を示す図である。
【図2】本発明の実施例にかかるIP電話装置の構成を示すブロック図である。
【図3】本発明の実施例にかかる通信手順を示すシーケンス図である。
【図4】本発明の実施例にかかる通信手順を示すシーケンス図である。
【発明を実施するための形態】
【0028】
以下、本発明の具体例を実施例及び図面を用いて詳細に説明する。但し、以下に示す実施例は、本発明の技術的思想を具体化するためのIP電話装置およびIP電話システムを例示するものであって、本発明をこのIP電話装置およびIP電話システムに特定することを意図するものではなく、本発明の技術的範囲は、特許請求の範囲の記載によって定められるものである。
【実施例】
【0029】
図1は、本発明のIP電話装置を含むIP電話システム全体の構成を示すシステム構成図である。本実施例において、このシステムはIP電話装置100、有線LAN101、IP電話ルータ102、ブロードバンドルータ103、ゲートウェイ104、IP電話網105、インターネット106、PSTN網107(=Public Switched Telephone Network:公衆電話交換網)、及び加入者電話装置108を含むように構成されている。
【0030】
本発明のIP電話装置100は有線LAN101に接続され、有線LAN101は、IP電話ルータ102を介してIP電話網105に、ブロードバンドルータ103を介してインターネット106に、ゲートウェイ104を介してPSTN網107にそれぞれ接続されることにより、通信が可能である。なお、IP電話装置100の内部構造の詳細については後述する。なお、IP電話装置100は、データコネクトサービスが利用可能なものであって、デュアルスタック・オペレーションを用いてIPv4プロトコルにもIPv6プロトコルにも対応できるように構成されている。
【0031】
有線LAN101を構成する物理的な手段としては、例えばツイストペアケーブルを用いた10BASE−T(IEEE802.3iとして標準化)や100BASE−TX(IEEE802.3uとして標準化)等があげられる。
【0032】
IP電話ルータ102、及びブロードバンドルータ103は、複数のIPネットワークを相互接続するためのネットワーク中継装置である。具体的には、OSI(Open Systems
Interconnection)参照モデルでいうネットワーク層(第3層)やトランスポート層(第4層)の一部のプロトコルを解析して転送を行う。
【0033】
本実例では、IP電話ルータ102は有線LAN101とIP電話網105との二つのIPネットワークを相互に接続する役割を持つ。またブロードバンドルータ103は、有線LAN101とインターネット106との二つのIPネットワークを相互に接続する役割を持つ。
【0034】
ゲートウェイ104は、プロトコル体系が異なるネットワーク間を相互接続するためのプロトコル変換器である。ゲートウェイ104は、例えば、有線LAN101とPSTN網107とを接続し、SIP(Session Initiation Protocol)等のシグナリングプロトコルを用いてシグナル変換を行うことにより、両ネットワーク間での通信を可能とする。
【0035】
IP電話網105は、電話網の一部もしくは全てにVoIP(Voice over Internet Protocol)技術を利用した通信網であり、用いる通信回線としてはFTTH(Fiber To The
Home)やADSL(Asymmetric Digital Subscriber Line)等の、いわゆるブロードバンド回線が利用される。なお、IP電話網105にはIP電話装置100’が複数接続されているが、図1では簡単のため1台のみしか図示されていない。
【0036】
なおVoIPとは、音声を各種符号化方式で圧縮した後にパケットに分割し、IPネットワークでリアルタイム伝送する技術である。これによりIP電話網105は音声通話サービスの他、画像の送受信を行うテレビ電話サービス等が提供可能となる。
【0037】
インターネット106は、通信プロトコルによるネットワークを相互接続して構築された広域通信網である。大小様々なコンピュータネットワークを相互に連結させて、国際的な通信ネットワークが構築されている。通信プロトコルとしては主に、TCP/IPが標準的なプロトコルとして採用されている。
【0038】
PSTN網107は、一般の加入者電話回線ネットワークである。末端に加入者電話装置108を接続し、回線交換方式で通信相手に接続して音声通話を行うのに用いられる。加入者電話装置108は、電話加入者がPSTN網107を用いてPSTN網に接続された他の加入者電話装置や有線LAN101やIP電話網105に接続されたIP電話装置と音声通話を行うための電話装置である。
【0039】
本発明にかかるIP電話装置100は、データコネクトサービスが利用可能な電話装置であって、データコネクトセッションにおいて、相手方との間でIPv6アドレスの通知応答をした後、IPv6アドレスに基づくP2P通信のためのテストファイルの送受信処理などのIPv6疎通テストを行い、IPv6疎通テストに失敗した時は、IPv4アドレスの通知応答を行って、データコネクトセッションを終了し、その後、IPv4アドレスに基づいてインターネット通信によりデータファイル送受信するように構成したものである。以下、本実施例のIP電話装置100について詳細に説明する。
【0040】
図2は、本実施例にかかるIP電話装置100の構成を示す内部ブロック図である。IP電話装置100は、制御部110、マイク120、スピーカ130、カメラ140、表示部150、入力部160、メモリ170、LANインターフェース180を備えて構成される。
【0041】
制御部110は、CPU、RAM、ROMを備えて構成されるマイクロプロセッサであり、RAMやROMに記憶された制御プログラムをCPUにおいて実行することにより、以下に説明する各手段の動作を制御・統括する。
【0042】
制御部110は、通信制御手段111、音声信号処理手段112、画像・映像信号処理手段113、表示制御手段114を備える他、IPv4プロトコルにもIPv6プロトコルにも対応できるように、IPv6制御スタック115、IPv4制御スタック116を備え、また、データコネクトサーヒズに基づくファイル送受信を行うためのファイル送受信制御手段117を備えている。また、本発明にかかる通信手順を実行するため、IPv6疎通テスト118を有しており、相手方のIP電話装置から取得したIPv4プロトコルに関する情報を一時記憶する取得プロトコル情報格納手段119を備えている。
【0043】
IPv6疎通テスト118は、予め用意されたテストファイルを有しており、データコネクトセッションにおいて、相手方との間でIPv6アドレスの通知応答をした後、P2P(ピアツーピア)通信によりテストファイルの送受信処理を行ってIPv6疎通テストを行うものである。
【0044】
通信制御手段111は、IP電話装置100が他のIP電話装置100’と通信を行う際の通信制御を行うためのものである。これには、シグナリングとデータの送受信とに関わる制御が含まれる。シグナリングには通信セッションの生成、確立、切断が含まれる。具体的には、ユーザが入力部160を操作して電話番号等を入力した際に、IP電話網105に接続されたSIPサーバ(図示せず)等に接続して通話相手先のIP電話装置100’の位置情報を入手するとともに、通話相手先のIP電話装置100’を呼出し、通話相手先が応答した場合に通信経路を確立することと、通話が終了した際にセッションの終了処理を行うことが含まれる。
【0045】
通信は、ユーザが選択した通信プロトコル(IPv6プロトコルまたはIPv4プロトコル)に基づいて行われ、IPv6プロトコルが選択された場合にはIPv6制御スタック115が機能し、IPv4プロトコルが選択された場合にはIPv4制御スタック116が機能する。
【0046】
データの送受信に関わる制御には、音声データ、映像データ、画像データをパケットに分割して送信するIPパケット処理と、有線LAN101を介して受信したパケットを、正しい順序に並べ替えるとともに実際のデータ部分を抽出して組立てる処理とが含まれる。また、データコネクトサービスはIPv6プロトコルに基づいて提供され、相手方IP電話装置との間でIPv6アドレスの通知応答を行って相手方IP電話装置のIPv6アドレスを取得し、IPv6ネットワークを介したP2P通信によりユーザによって選択されたデータファイルが、ファイル送受信制御手段117によって送受信される。
【0047】
データをパケットとして送信する際には、所定データ長に分割された各データに送信元、宛先、順序、送信時刻、用途(IP電話の音声データ、映像データ、画像データ)を示すヘッダを付加する。また、受信したパケットは、ヘッダ部分を参照することによって、音声、映像、画像ごとに正しい順序で組立てられてゆき、音声信号処理手段112、画像・映像信号処理手段113に出力される。
【0048】
音声信号処理手段112は、マイク120から入力された音声をA/D変換し、次いで音声コーデックによって圧縮処理し、圧縮されたデータを通信制御手段111に出力する。また、通信制御手段111において組立てられた音声データを音声コーデックによって伸張処理し、次いでD/A変換してスピーカ130から出力する。
【0049】
画像・映像信号処理手段113は、映像コーデックを備えており、カメラ140において撮影された映像を圧縮処理し、圧縮されたデータを通信制御手段111に出力する。また、通信制御手段111において組立てられた映像データを伸張処理し、表示制御手段114に出力する。また、画像・映像信号処理手段113は、画像コーデックを備えており、通信制御手段111において組立てられた画像データを伸張処理し、メモリ(制御部110のRAM)に展開する。
【0050】
表示制御手段114は、カメラ140及び画像・映像信号処理手段113から出力された映像データ及びメモリ(制御部110のRAM)に展開された画像データを表示部150に表示可能な所定の態様に処理し、表示部150に表示させるものである。
【0051】
先に説明したように、本発明にかかるIP電話装置100は、データコネクトサービスが利用可能な電話装置であって、データコネクトセッションにおいて、相手方との間でIPv6アドレスの通知応答をした後、IPv6アドレスに基づくP2P通信のためのテストファイルの送受信処理などのIPv6疎通テストを行い、IPv6疎通テストに失敗した時は、IPv4アドレスの通知応答を行って、データコネクトセッションを終了し、その後、IPv4アドレスに基づいてインターネット通信によりデータファイル送受信するように構成されている。
【0052】
すなわち、本発明にかかるIP電話装置100は、相手方のIP電話装置との間のファイル送受信は、データコネクトサービスを使用せずP2P(ピアツーピア)通信を用いて行い、データコネクトの通信はIPv4プロトコルで行い、端末(IP電話装置)とHGW(ホームゲートウェイ)との間はローカルアドレスで通信を行い、HGWで相手方のグローバルアドレス宛にデータ(ファイル)を送信して通信を行なうように構成したものである。
【0053】
IP電話装置100は、データコネクトセッションにおいて、P2P通信により相手方との間でIPv6アドレスの通知応答をした後、IPv6疎通テスト118は、予め用意されたテストファイルをIPv6疎通テストのためのデータファイルとし、相手方IP電話装置との間でP2P(ピアツーピア)通信による送受信処理を行い、テストファイルの送受信が失敗し、IPv6疎通テストに失敗した時は、データコネクト通信によりIPv4アドレスの通知応答を行って、相手方IP電話装置からIPv4プロトコルに関する情報を取得し、取得した情報を取得プロトコル情報格納手段119に一時記憶し、ユーザにIPv6プロトコルに基づくP2P(ピアツーピア)通信に失敗した旨を報知してデータコネクトセッションを終了する。その後、ユーザは取得プロトコル格納手段119に記憶されたIPv4アドレスを含むプロトコル情報に基づいて、IPv4プロトコルに従ったP2P通信により相手方のIP電話装置を特定し、インターネット通信により所望のデータファイルを送受信する。
【0054】
次に、図3、図4の通信手順を示すシーケンス図を参照して本発明にかかるIP電話装置100の通信処理の手順について説明する。図3、図4は、本発明の実施例にかかるIP電話装置の通信手順を示すシーケンス図であり、図3は、データコネクトセッションにおけるIPv6疎通テスト(テストファイルの送受信)に成功した場合のシーケンスを示し、図4は、データコネクトセッションにおけるIPv6疎通テスト(テストファイルの送受信)に失敗した場合のシーケンスを示している。図3、図4のシーケンス図は、自装置側のIP電話装置100から相手側のIP電話装置に対してデータコネクトサービスを用い、ファイル送信を行う場合を例として図解したものである。
【0055】
図3において、シーケンスSQ1、SQ2、SQ4の通信は、互いのホームゲートウェイ(HGW)を介して行われ、シーケンスSQ3、SQ5の通信はP2P通信により行われる。
【0056】
先ず、自装置側のIP電話装置100はシーケンスQ1において、相手装置(IP電話装置)にUPDATEコマンドを送信し、相手装置はUPDATEコマンドを受信すると、応答コマンドである200OKコマンドを自装置側IP電話装置100に送信して応答し、相手装置の電話番号に基づくデータコネクトセッションを開始する。
【0057】
次いで、自装置側のIP電話装置100はシーケンスSQ2において、IPv6プロトコルによるP2P通信の通知を相手装置(IP電話装置)に送信し、相手装置はP2P通信応答として自身のIPv6に基づくIPアドレスなどのIPv6プロトコル情報を自装置側IP電話装置100に送信して応答し、IPv6プロトコルに従ったIPアドレス当の通知と応答を完了する。
【0058】
次に、自装置側のIP電話装置100はシーケンスSQ3において、シーケンスSQ2の通知・応答で取得した相手装置のIPv6プロトコル情報(IPアドレスなど)に従ってIPv6のP2P通信を用いて、IPv6疎通テスト手段118によりテストファイルを相手装置に送信し、相手装置からの応答を待つ。相手装置はテストファイル118を受信すると、その応答として、応答データを自装置側のIP電話装置100に送信して相互のIPv6プロトコルによる疎通確認を終了する。
【0059】
シーケンスSQ3の処理により、相互のIPv6プロトコルによる疎通確認(テストファイルの送受信応答)ができると、自装置側のIP電話装置100はシーケンスSQ4において、自装置側のIP電話装置100は相手装置(IP電話装置)にUPDATEコマンドを送信し、相手装置はUPDATEコマンドを受信すると、応答コマンドである200OKコマンドを自装置側IP電話装置100に送信して応答し、相手装置の電話番号に基づくデータコネクトセッションを終了する。
【0060】
シーケンスSQ4の処理により、データコネクトセッションを終了した後、自装置側のIP電話装置100はシーケンスSQ5において、IPv6ネットワークを介してIPv6に従ったP2P通信により所望のデータファイルの送受信の処理を行う。
【0061】
次に、図4のシーケンス図を参照して、図3のシーケンスSQ3におけるIPv6プロトコルによる疎通確認(テストファイルの送受信応答)に失敗した場合の処理について説明する。図4のシーケンスは、図3のシーケンスにおけるSQ3とSQ4の間にシーケンスSQ(a)のIPv4プロトコルに対するP2P通信の通知と応答の処理が追加され、図3のシーケンスSQ5におけるデータファイルのP2P通信がIPv6プロトコルで行われるのに対して、シーケンスSQ(b)のように、データファイルのP2P通信がIPv4プロトコルで行われる点が相違する。
【0062】
データコネクトセッションにおいてIPv4プロトコルに従った通信を行う場合、自装置(IP電話装置100)とHGW(ホームゲートウェイ)間、相手装置側のIP電話装置とHGW(ホームゲートウェイ)間は、それぞれローカルIPアドレスに基づく通信となり、相手装置側の電話装置のIPv4クローバルIPアドレスを使用しない。
【0063】
シーケンスSQ1〜SQ3の手順は図3の手順と同様である。ただ、図4においては、図3のシーケンスSQ3の手順と異なり、自装置であるIP電話装置100からテストファイルを相手装置に送信したが、相手装置にテストファイルが届かず応答データを自装置側のIP電話装置100において受信できず、相互のIPv6プロトコルによる疎通確認ができなかった(疎通確認に失敗した)点が異なる。
【0064】
この場合、自装置であるIP電話装置100はシーケンスSQ(a)において、IP電話装置100のポートをuPnPポートに割り当て、IPv4プロトコルによるP2P通信の通知を相手装置(IP電話装置)に送信する。すなわち、uPnP(Universal Plug
and Play)により、IPv4プロトコルのNAT(Network Address Translation)の設定を行い、相手装置側のIP電話装置のIPv4グローバルIPアドレスとポート番号の取得を行う。
【0065】
相手装置はP2P通信応答として自身のIPv4に基づくグローバルIPアドレスなどのIPv4プロトコル情報を自装置側IP電話装置100に送信して応答し、IPv4プロトコルに従ったIPアドレス等の通知と応答を完了する。自装置側IP電話装置100は、この処理によって取得した相手装置のIPv4プロトコルに従ったIPアドレス等のプロトコル情報を取得プロトコル情報格納手段に一時記憶する。
【0066】
その後、自装置側のIP電話装置100はシーケンスSQ4において、自装置側のIP電話装置100は相手装置(IP電話装置)にUPDATEコマンドを送信し、相手装置はUPDATEコマンドを受信すると、応答コマンドである200OKコマンドを自装置側IP電話装置100に送信して応答し、相手装置の電話番号に基づくデータコネクトセッションを終了する。このシーケンスSQ4の処理は図3のシーケンスSQ4の処理と同様である。
【0067】
次に、シーケンスSQ4の処理により、データコネクトセッションを終了した後、自装置側のIP電話装置100はシーケンスSQ(b)において、IPv4ネットワークを介してIPv4に従ったP2P通信により所望のデータファイルの送受信の処理を行う。このシーケンスSQ(b)の処理は、IPv4プロトコルを用いたP2P通信を行う点で、図3のシーケンスSQ5の処理と異なるだけである。なお、IPv4プロトコルを用いたP2P通信の移行は、シーケンスSQ(a)の結果に基づいてIP電話装置100におい
て自動的に行うように構成することもできる。
【0068】
以上、詳細に説明したように、本発明にかかるIP電話装置、IP電話システムによれば、データコネクトセッションにおいて、相手方との間でIPv6アドレスの通知応答をした後、テストファイルの送受信処理を行い、テストファイルの送受信に失敗した時は、IPv4アドレスの通知応答を行って、データコネクトセッションを終了し、その後、IPv4アドレスに基づいてインターネット通信によりデータファイル送受信するように構成したから、IPv6プロトコルによりネットワーク接続できなかった相手方IP電話装置のIPv4プロトコルによるIPアドレスを容易に取得でき、データコネクトセッションを終了した後、IPv4プロトコルによるP2P通信により所望のデータファイルを送受信することができるようになる。
【0069】
なお、図3のシーケンス図に示した手順では、IPv6プロトコルによる疎通確認に成功した場合に、データコネクトセッションを終了した後に、IPv6プロトコルによるP2P通信を行う手順を説明したが、IPv6プロトコルによる疎通確認に成功したのであるから、データコネクトセッションを続けたまま、IPv6プロトコルによるP2P通信を行い、P2P通信の終了後にデータコネクトセッションを終了させる手順としてもよい。このようにすれば、IPv6プロトコルによる疎通確認に成功した場合、ユーザは改めてIPv6プロトコルによるP2P通信のための操作をすることなく、データファイルの送受信を行うことができる。
【0070】
また、上記実施例の説明において、IP電話装置100は、データコネクトセッションにおいて、相手方との間でIPv6アドレスの通知応答をした後、IPv6疎通テスト118によりIPv6アドレスに基づくP2P通信のためのテストファイルの送受信処理を行うことによってIPv6疎通テストをする例を示したが、IPv6疎通テストの方法はこれに限られるものではない。例えば、TCPIPコネクションの確立を試行する方法であってもよく、また、ICMPv6に基づくパケットを用いる方法であってもよい。
【符号の説明】
【0071】
10 IP電話システム
100 IP電話装置(通信装置)
110 制御部
111 通信制御手段
112 音声信号処理手段
113 画像・映像信号処理手段
114 表示制御手段
115 IPv6制御スタック
116 IPv4制御スタック
117 ファイル送受信制御手段
118 IPv6疎通テスト手段
119 取得プロトコル情報格納手段
120 マイク
130 スピーカ
140 カメラ140
150 表示部
160 入力部
170 メモリ
180 LANインターフェース

【特許請求の範囲】
【請求項1】
IPv6プロトコルに基づくIPv6ネットワークとIPv4プロトコルに基づくIPv4ネットワークを介して通信可能であり、P2P通信によりデータの送受信を行い、IPv4プロトコルに基づくデータコネクトサービスの利用が可能なIP電話装置により構成されるIP電話システムであって、
前記IP電話装置は、IPv6疎通テスト手段と取得プロトコル情報格納手段を備え、データコネクトセッションにおいて、相手方IP電話装置との間でIPv6アドレスの通知応答をした後、IPv6疎通テスト手段はP2P通信による前記相手方のIP電話装置との間の疎通テストを行い、相手方のIP電話装置との間の疎通テストに失敗した場合、IPv4アドレスの通知応答を行って、前記相手方のIP電話装置のIPv4アドレスを含むプロトコル情報を取得して取得プロトコル情報格納手段に記憶し、前記データコネクトセッションを終了し、その後、前記IP電話装置は、前記取得プロトコル情報格納手段に記憶したIPv4アドレスに基づいてIPv4ネットワークを介して前記相手方のIP電話装置とP2P通信によりデータを送受信するようにしたことを特徴とするIP電話システム。
【請求項2】
前記相手方のIP電話装置との間の疎通テストに成功した場合、前記IP電話装置は、前記データコネクトセッションを終了し、その後、前記IPv6アドレスの通知応答により取得したIPv6アドレスに基づいてIPv6ネットワークを介して前記相手方のIP電話装置とP2P通信によりデータを送受信するようにしたことを特徴とする請求項1に記載のIP電話システム。
【請求項3】
前記相手方のIP電話装置との間の疎通テストに成功した場合、前記IP電話装置は、前記IPv6アドレスの通知応答により取得したIPv6アドレスに基づいてIPv6ネットワークを介して前記相手方のIP電話装置とP2P通信によりデータを送受信した後、前記データコネクトセッションを終了するようにしたことを特徴とする請求項1に記載のIP電話システム。
【請求項4】
IPv6プロトコルに基づくIPv6ネットワークとIPv4プロトコルに基づくIPv4ネットワークを介して通信可能であり、P2P通信によりデータの送受信を行い、IPv4プロトコルに基づくデータコネクトサービスの利用が可能なIP電話装置であって、
前記IP電話装置は、IPv6疎通テスト手段と取得プロトコル情報格納手段を備え、データコネクトセッションにおいて、相手方IP電話装置との間でIPv6アドレスの通知応答をした後、IPv6疎通テスト手段はP2P通信による前記相手方のIP電話装置との間の疎通テストを行い、相手方のIP電話装置との間の疎通テストに失敗した場合、IPv4アドレスの通知応答を行って、前記相手方のIP電話装置のIPv4アドレスを含むプロトコル情報を取得して取得プロトコル情報格納手段に記憶し、前記データコネクトセッションを終了し、その後、前記IP電話装置は、前記取得プロトコル情報格納手段に記憶したIPv4アドレスに基づいてIPv4ネットワークを介して前記相手方のIP電話装置とP2P通信によりデータを送受信するようにしたことを特徴とするIP電話装置。
【請求項5】
前記相手方のIP電話装置との間の疎通テストに成功した場合、前記IP電話装置は、前記データコネクトセッションを終了し、その後、前記IPv6アドレスの通知応答により取得したIPv6アドレスに基づいてIPv6ネットワークを介して前記相手方のIP電話装置とP2P通信によりデータを送受信するようにしたことを特徴とする請求項4に記載のIP電話装置。
【請求項6】
前記相手方のIP電話装置との間の疎通テストに成功した場合、前記IP電話装置は、前記IPv6アドレスの通知応答により取得したIPv6アドレスに基づいてIPv6ネットワークを介して前記相手方のIP電話装置とP2P通信によりデータを送受信した後、前記データコネクトセッションを終了するようにしたことを特徴とする請求項4に記載のIP電話装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2013−115639(P2013−115639A)
【公開日】平成25年6月10日(2013.6.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−260515(P2011−260515)
【出願日】平成23年11月29日(2011.11.29)
【出願人】(000001889)三洋電機株式会社 (18,308)
【Fターム(参考)】