説明

電話装置

【課題】 通信料金をかけずに効率よく用件メッセージを転送する。
【解決手段】 着信があり所定回数の着信音の鳴動があると自動的に回線を接続すると共に相手先からの用件メッセージを録音する(S1〜S4ステップ)、用件メッセージの録音がある度にメッセージの数をカウントしていき(S5ステップ)、カウント数が所定数以上となるか(S6ステップ)、所定の時刻になると(S7ステップ)、録音した用件メッセージを所定の相手先へ転送する(S8ステップ)。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電話装置に関する。
【背景技術】
【0002】
現在市販されている電話装置の中には、転送機能が搭載されているものもある。
【0003】
この転送機能とは、用件メッセージが録音されると録音された用件メッセージが自動的に所定の相手先に転送されるというものである。
【0004】
又、この転送機能を有する電話装置に関して数多くの提案がなされており、例えば特許文献1には、予めメモリに登録された相手先からの着信があれば、用件メッセージを転送するという技術が記載されている。
【特許文献1】特開平8−223301号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
通常の電話装置では、用件メッセージが録音される度に転送がなされる為、通話料金がかかるという問題があった。又、上記特許文献1に記載の技術では、メモリに登録されている相手先から何度も用件メッセージの録音があればその都度転送がなされる為、やはり通話料金がかかるという問題があった。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本願発明は、このような課題を解決する為のものであり、請求項1に記載の電話装置は着信があり所定回数の着信音の鳴動後に自動的に回線を接続し、発呼側からの用件メッセージを録音する電話装置であり、用件メッセージの録音がある度に、用件メッセージの数をカウントしていき、当該カウント値が所定値以上となると、録音した用件メッセージを予め定められた相手先に自動的に転送することを特徴とする。
請求項2に記載の電話装置は、着信があり所定回数の着信音の鳴動後に自動的に回線を接続し、発呼側からの用件メッセージを録音する電話装置であり、予め設定した時刻になると、録音した用件メッセージを所定の相手先に転送することを特徴とする。
請求項3に記載の電話装置は、着信があり所定回数の着信音の鳴動後に自動的に回線を接続し、発呼側からの用件メッセージを録音する電話装置であり、用件メッセージの数をカウントする用件メッセージ数カウント手段と、用件メッセージを転送する相手先を設定する転送先設定手段と、録音された用件メッセージを転送する用件メッセージ転送手段と、前記用件メッセージ数カウント手段が予め設定した数の用件メッセージの数をカウントすると、前記転送先設定手段に設定された相手先に自動的に録音した用件メッセージを転送するように前記用件メッセージ転送手段を制御する制御手段と、を有することを特徴とする。
請求項4に記載の電話装置は、着信があり所定回数の着信音の鳴動後に自動的に回線を接続し、発呼側からの用件メッセージを録音する電話装置であり、用件メッセージを転送する相手先を設定する転送先設定手段と、録音された用件メッセージを転送する用件メッセージ転送手段と、用件メッセージを転送する時刻を設定する転送時刻設定手段と、当該転送時刻設定手段に設定された時刻になると、前記転送先設定手段に設定された相手先に用件メッセージを転送するように、前記用件メッセージ転送手段を制御する制御手段と、を有することを特徴とする。
【発明の効果】
【0007】
請求項1又は3に記載の電話装置によれば、用件メッセージの数が所定数となれば自動的に用件メッセージを転送するため、用件メッセージがはいってくる度に用件メッセージを転送する構成と比べて通信料金を低減することができる。
請求項2又は4に記載の電話装置によれば、所定時刻になれば用件メッセージを転送するため、用件メッセージがはいってくる度に用件メッセージを転送する構成と比べて通信料金を低減することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0008】
次に、本発明の一実施形態に係る通信装置(携帯電話装置)について、図面を参照して説明する。
【0009】
図1に示すように、携帯電話装置10は、アンテナ16と接続された通信部12を備えている。この通信部12は、後述のベースバンド部14からの信号をアンテナ16を介して基地局へ発信し、あるいはアンテナ16を介して基地局からの電波を受信する。
【0010】
また、通信部12は、ベースバンド部14と接続されている。ベースバンド部14は、CDMA処理回路18と、音声コーデック20と、を有している。ここで、CDMA処理回路18は、符号分割多元接続、スクランブル、誤り制御、タイミング検出を行う。また、音声コーデック20は、音声を圧縮(符号化)、伸張(復号化)したり、アナログとデジタルの変換を行ったり、内部の増幅回路(図示省略)により受話音量やマイクロホンの感度を変更する。
【0011】
また、ベースバンド部14には、切替回路22が接続されている。この切替回路22には、増幅回路24を介して第1スピーカ26が接続されている。この第1スピーカ26は、増幅回路24で増幅されたベースバンド部14の電気信号を音声に変換する。この第1スピーカ26は、ユーザの耳にあてて通話に使用される。
【0012】
また、切替回路22には、増幅回路28を介してマイクロホン30が接続されている。このマイクロホン30は、通話に使用され、音声を電気信号に変換する。マイクロホン30により出力された電気信号は、増幅回路28で増幅されてベースバンド部14に出力される。
【0013】
また、切替回路22には、増幅回路32を介して第2スピーカ34が接続されている。この第2スピーカ34は、増幅回路32で増幅されたベースバンド部14の電気信号を音声に変換する。この第2スピーカ34は、受話音を周囲の人にも聞かせるための拡声用のスピーカである。また、第2スピーカ34は、着信報知の鳴動も行う。なお、これらの3つの増幅回路24、28、32は、ゲインを固定しており、第1スピーカ26及び第2スピーカ34の音量やマイクロホン30の感度を変更することはできないようになっている。
【0014】
この切替回路22は、ベースバンド部14との接続を、第1スピーカ26用の増幅回路24とマイクロホン30用の増幅回路28側にするか、あるいは拡声用の第2スピーカ34用の増幅回路32とマイクロホン30用の増幅回路28側にするかを切り替える。
【0015】
また、通信部12、ベースバンド部14、切替回路22には、制御回路(制御部)36がそれぞれ接続されている。この制御回路36の制御により上述した切替回路22による切り替えが行われる。また、制御回路36によりベースバンド部14の音声コーデック20が制御され、音声コーデック20により第1スピーカ26及び第2スピーカ34の音量やマイクロホン30の感度が変更される。制御回路36には、ROM38が接続されており、ROM38に格納されているシステムプログラムに基づき各部を制御する。
【0016】
また、制御回路36には、入力部44が接続されている。この入力部44は、図示していないが、テンキー、通話キー、切キー、カーソル移動等に用いられる十字キー、決定キー、クリアキー等を有している。
【0017】
RAM40には、用件メッセージが録音される。
【0018】
次に、本実施例装置の動作について、図2を用いて説明する。図2は本実施例装置の動作を示すフロー図である。
【0019】
尚、図2の動作に入る前に、RAM40には、用件メッセージを転送する時刻と、用件メッセージを転送する相手先の情報が格納され、制御回路36の図示せぬバッファの用件メッセージの数をカウントするカウンタを0にする。
【0020】
図2のS1ステップにおいて、制御回路36は、ベースバンド部14から着信があることを示す信号を検出すると、S2ステップへ処理を進める。
【0021】
S2ステップでは、制御回路36は、スピーカ26から着信音を鳴動する。
【0022】
S3ステップでは、制御回路36は、所定回数の着信音の鳴動後に自動的に回線を接続するように、通信部12とベースバンド部14を制御する。
【0023】
S4ステップでは、制御回路36は、発呼側からの用件メッセージをRAM40に格納し、S5ステップへ処理を進める。
【0024】
S5ステップでは、制御回路36は、制御回路36内の図示せぬバッファに用件メッセージの数を1カウントし、S6ステップへ処理を進める。
【0025】
S6ステップでは、制御回路36は、RAM40に格納されている用件メッセージの数が所定数となったと判定すると、S8ステップへ処理を進め、そうでなければ、S7ステップへ処理を進める。
【0026】
S7ステップでは、制御回路36は、RAM40に予め設定されている用件メッセージを転送する時刻になったと判定すると、S9ステップへ処理を進め、そうでなければ、S1ステップへ処理を戻す。
【0027】
S8ステップでは、制御回路36は、RAM40に格納されている複数件分の用件メッセージを、RAM40に予め設定されている相手先へ転送するように、通信部12とベースバンド部14を制御する。例えば、RAM40に格納されている相手先へ発呼を行い、相手先との通話路が形成されると、相手先にメッセージ(例えば、用件が3件あります)を送信し、続いてRAM40に格納されている用件メッセージを相手先へ送信する。
【0028】
S9ステップでは、制御回路36は、用件メッセージのカウントを0にし、S1ステップへ処理を戻す。
【図面の簡単な説明】
【0029】
【図1】本発明を適用してなる実施例装置のブロック図である。
【図2】本実施例装置の動作を示すフロー図である。
【符号の説明】
【0030】
10 携帯電話装置
36 制御回路
40 RAM
44 入力部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
着信があり所定回数の着信音の鳴動後に自動的に回線を接続し、発呼側からの用件メッセージを録音する電話装置であり、
用件メッセージの録音がある度に、用件メッセージの数をカウントしていき、当該カウント値が所定値以上となると、録音した用件メッセージを予め定められた相手先に自動的に転送することを特徴とする電話装置。
【請求項2】
着信があり所定回数の着信音の鳴動後に自動的に回線を接続し、発呼側からの用件メッセージを録音する電話装置であり、
予め設定した時刻になると、録音した用件メッセージを所定の相手先に転送することを特徴とする電話装置。
【請求項3】
着信があり所定回数の着信音の鳴動後に自動的に回線を接続し、発呼側からの用件メッセージを録音する電話装置であり、
用件メッセージの数をカウントする用件メッセージ数カウント手段と、用件メッセージを転送する相手先を設定する転送先設定手段と、録音された用件メッセージを転送する用件メッセージ転送手段と、
前記用件メッセージ数カウント手段が予め設定した数の用件メッセージの数をカウントすると、前記転送先設定手段に設定された相手先に自動的に録音した用件メッセージを転送するように前記用件メッセージ転送手段を制御する制御手段と、を有することを特徴とする電話装置。
【請求項4】
着信があり所定回数の着信音の鳴動後に自動的に回線を接続し、発呼側からの用件メッセージを録音する電話装置であり、
用件メッセージを転送する相手先を設定する転送先設定手段と、録音された用件メッセージを転送する用件メッセージ転送手段と、用件メッセージを転送する時刻を設定する転送時刻設定手段と、
当該転送時刻設定手段に設定された時刻になると、前記転送先設定手段に設定された相手先に用件メッセージを転送するように、前記用件メッセージ転送手段を制御する制御手段と、を有することを特徴とする電話装置。

【図1】
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【図2】
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【公開番号】特開2008−104041(P2008−104041A)
【公開日】平成20年5月1日(2008.5.1)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−285881(P2006−285881)
【出願日】平成18年10月20日(2006.10.20)
【出願人】(000001889)三洋電機株式会社 (18,308)
【出願人】(000214892)鳥取三洋電機株式会社 (1,582)
【Fターム(参考)】