説明

電車運転体験ゲームシステム、電車運転体験ゲーム機能を有する携帯端末装置および電車運転体験ゲーム方法

【課題】ユーザの操作結果をプロの実際の操作と比較対照することができる電車運転体験ゲームシステム、電車運転体験ゲーム機能を有する携帯端末装置および電車運転体験ゲーム方法を提供する。
【解決手段】携帯端末装置20は、電車運転体験ゲームアプリケーションが起動された場合、ゲームの開始に先立って、乗車する電車に該当する運行電車ゲームデータをゲームサーバ30からダウンロードし、表示手段26は、運行電車ゲームデータの風景画像を第1の表示領域に表示し、運転操作盤を有するゲーム上の電車を第2の表示領域に表示し、前記ゲーム上の電車は操作入力手段27により運転操作され、加速度検出手段23は乗車した電車の加速度を検出して運転状況を解析し、ゲーム採点手段28は、ゲーム上の電車の運転操作と前記加速度検出手段が検出した運転状況との一致度を採点する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、携帯電話などの携帯端末装置を用いて電車の運転を体験するゲーム機能を設けた携帯端末装置に関するものであり、特に、携帯端末装置に加速度検出手段を設け、情報配信サーバから実際に乗車する電車の運行時刻表データをダウンロードしてゲーム機能を能動化し、電車の発車から停車までの1移動区間毎に、ゲーム上の電車を運転する操作を行い、実際に乗車した電車の運行状況を加速度検出手段により検出し、これと対比してその近似度を競うことができるようにした電車運転体験ゲームシステム、電車運転体験ゲーム機能を有する携帯端末装置および電車運転体験ゲーム方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来からテレビ受像機をモニタ画面として用いてゲームを楽しむ、いわゆる、テレビゲーム機が提供されている。また、液晶表示装置などのモニタを有するパーソナルコンピュータ用のゲームソフトウエアも種々販売されている。家庭においてテレビゲーム機を用い、あるいは、コンピュータに種々のゲームソフトウエアをインストールしてゲームを楽しむことができる。また、最近では、携帯型のゲーム機も種々提供されており、電車などに乗車している間にゲームを楽しむことができる。
【0003】
ゲームの種類は多岐に渡っているが、その1つにシミュレーションゲームがある。シミュレーションゲームとは、例えば、レーシングカーや航空機あるいは電車などの乗り物の運転を疑似体験するようなゲームである。このようなシミュレーションゲームには、コンピュータグラフィック技術やアニメーション技術を用いて自動車や航空機、電車の走行する周辺の画像を表示画面に表示し、種々の操作手段を用いて自動車や航空機、電車の運転操作を行うものや、実際の周辺画像を撮影した実写画像を用いるものが知られている。また、各種の運動、例えば、ゴルフや野球のバッティングなどのシミュレーションゲームも提供されている。
【0004】
例えば、電車を仮想的に運転できるゲームの場合、そのゲーム画面は運転席前方の窓越しに見える風景等の動画映像が表示される部分と、運転席近傍の運転操作盤や窓枠などの部分とに分けられる。すなわち、窓越しに見える映像部分は、実際に走行している電車の運転席前方の窓越しに見えるものと全く同じ実写の風景が表示され、運転操作盤などの映像部分には、コンピュータグラフィック技術により生成される運転操作盤や窓枠などが表示される。
【0005】
このようなゲーム画面においては、例えば電車がトンネルに入ったような場合には暗くなり、逆に、電車がトンネルから出れば明るくなる。この場合、運転操作盤などのコンピ
ュータグラフィック技術により生成される画像は電車がトンネルに入ったり出たりしても全く変化しないものとなされている。すなわち、このようなシミュレーションゲームによれば、実写画像部分は外光の影響を受けたリアルな映像を提供できるが、コンピュータグラフィック技術による画像部分は外光に全く影響を受けない映像となっており、ゲーム画面全体としてはリアルさに欠け、臨場感の乏しいゲームになってしまう。
【0006】
このような問題点を解消したものとして、例えば、下記の特許文献1(特開2002−273030号公報)には実写画像を用いたゲーム用の情報処理方法の発明が開示されている。
【0007】
この特許文献1に開示された情報処理方法の発明は、電車を仮想的に運転するようなシミュレーションゲームにおいて、ゲーム画面上に第1の画像領域(運転席前方の窓越しに見える動画風景)とそれ以外の第2の画像領域である運転操作盤とを表示し、第1の画像領域内の所定領域の輝度平均値を求め、当該所定領域の輝度平均値(運転席の窓越しに見える部分の明るさ)に応じて、運転操作盤上の明るさやメータの照明の点灯/消灯を制御するように構成したものである。
【0008】
このように構成することにより、実写画像の明るさに応じてコンピュータグラフィック技術を用いて生成した画像の明るさを整合させることができ、臨場感を向上することができる。
【0009】
また、下記の特許文献2(特開2000−300847号公報)には、運転シミュレーションの難易度を変更できるようにしたゲーム難易度変動方式の発明が開示されている。このゲーム難易度変更方式は、ゲーム開始の画面で、要因項目選択画面表示指示部により運行時間帯,季節,天候の内容を選択することができる。発車実時刻演算手段は、要因項目選択画面表示指示部で選択された場合にはその選択項目も加味して各駅での乗降時間を演算して遅延時間を算出する。そしてダイヤ情報テーブルの発車予定時刻に遅延時間を加算した発車実時刻を出力するように構成したものである。これにより運行ダイヤの各駅間で決められている運転時分を変えることができ、運転シミュレーションゲームの難易度を変えることができる。
【0010】
各種の運動をシミュレーションするゲームとしては、下記の特許文献3(特開2004−113689号公報)に開示されたゴルフゲーム機能付携帯電話機の発明が知られている。このシミュレーションゲームは、携帯電話機に加速度センサを搭載し、ユーザが携帯電話機本体をスイング操作したときに、この加速度センサによって検知された加速度の変化に基づいて、スイングの強さやゴルフボールに生じる打撃力及び打撃角度などをCPUによって算出するように構成されている。そしてこれらの情報に基づいて、ゴルフボールの飛行方向や飛距離、或いは得点などを算出し、この算出結果を表示部に表示するようにしている。
【0011】
【特許文献1】特開2002−273030号公報(図1、図3、段落[0007]、[0008])
【特許文献2】特開2000−300847号公報(図2、図4)
【特許文献3】特開2004−113689号公報(図1、図3)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0012】
ところで、電車の運転や運動のシミュレーションをするゲームにおいては、ゲームをするユーザの操作によりどのような結果が得られたかがゲームの主題となり、ゲームの結果をプロフェッショナルの実際の操作と比較対照するようなゲームは実現されていない。例えば、上記特許文献1、特許文献2に開示されたシミュレーションゲームにおいてもユーザの操作とその結果が評価されるのみであり、ゲームの結果を比較する対象がないという問題点があった。
【0013】
また、上記特許文献3に開示されたシミュレーションゲームにおいては、実際に携帯電話を振ってゴルフスィングして加速度を検出する必要があり、混雑した人込みの中でゲームをする場合に、危険を伴うという問題点があった。
【0014】
本願の発明者は上記の問題点を解消すべく種々検討を重ねた結果、加速度検出手段により実際に乗車した電車の発車および停車を検出できることに着目し、加速度検出手段を設けた携帯電話などの携帯端末装置を用い、情報配信サーバから実際に乗車する電車の運行時刻表データをダウンロードしてゲーム機能を能動化し、電車の発車から停車までの1移動区間毎に、ゲーム上の電車を運転する操作を行い、実際に乗車した電車の運行と対比してその近似度を競うようになせば、上記の問題点を解消し得ることに想到して本発明を完成するに至ったものである。
【0015】
すなわち、本発明は上記の問題点を解消することを課題とし、ユーザの操作結果をプロフェッショナルの実際の操作と比較対照することができる電車運転体験ゲーム機能を有する携帯端末装置および電車運転体験ゲーム方法を提供することを目的とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0016】
前記課題を解決するために、本願の請求項1にかかる発明は、
電車運転体験ゲームアプリケーションと、加速度検出手段と、通信手段と、操作入力手段と、表示手段と、ゲーム採点手段とを有する携帯端末装置と、電車が運行される路線ごとに路線周辺の風景画像を運行電車ゲームデータとして蓄積した運行電車ゲームデータデータベースを備えたゲームサーバからなり、
前記携帯端末装置は、電車運転体験ゲームアプリケーションが起動された場合、ゲームの開始に先立って、乗車する電車に該当する運行電車ゲームデータを前記ゲームサーバからダウンロードし、前記表示手段は、前記運行電車ゲームデータの風景画像を第1の表示領域に表示し、運転操作盤を有するゲーム上の電車を第2の表示領域に表示し、前記ゲーム上の電車は前記操作入力手段により運転操作され、前記加速度検出手段は乗車した電車の加速度を検出して運転状況を解析し、前記ゲーム採点手段は、前記ゲーム上の電車の運転操作と前記加速度検出手段が検出した運転状況との一致度を採点することを特徴とする。
【0017】
本願の請求項2にかかる発明は、請求項1にかかる発明において、前記加速度検出手段は、検出した加速度に基づいて乗車した電車の駅からの発車と駅への到着を検出して、前記電車運転体験ゲームアプリケーションは、前記加速度検出手段が電車の発車を検出したことによりゲームを開始し、前記加速度検出手段が電車の到着を検出したことによりゲームを終了し、前記ゲーム採点手段はゲームの開始から終了までを1ゲーム区間として前記採点を行うことを特徴とする。
【0018】
本願の請求項3にかかる発明は、請求項2にかかる発明において、前記ゲーム採点手段は、複数のゲーム区間の採点結果を累計することを特徴とする。
【0019】
本願の請求項4にかかる発明は、請求項1にかかる発明において、前記ゲームサーバは更にランキングデータベースを備え、前記携帯端末装置におけるゲームの採点を受信し、前記ランキングデータベースにランキング付けして登録することを特徴とする。
【0020】
本願の請求項5にかかる発明は、請求項1にかかる発明において、前記加速度検出手段が加速度の異常を検出した場合、前記携帯端末装置は前記通信手段を介して前記乗車した電車の運行を管理する運行管理サーバまたはゲームサーバに加速度検出データを送信するとともに加速度の異常を報知することを特徴とする。
【0021】
また、本願の請求項6にかかる発明は、
電車運転体験ゲームアプリケーションと、加速度検出手段と、操作入力手段と、表示手段と、ゲーム採点手段と、を備え、
電車運転体験ゲームアプリケーションが起動された場合、前記表示手段は、運転操作盤を有するゲーム上の電車を前記表示手段に表示し、前記ゲーム上の電車は前記操作入力手段により運転操作され、前記加速度検出手段は乗車した電車の加速度を検出して運転状況を解析し、前記ゲーム採点手段は、前記ゲーム上の電車の運転操作と前記加速度検出手段が検出した運転状況との一致度を採点することを特徴とする電車運転体験ゲーム機能を有する携帯端末装置。
【0022】
また、本願の請求項7にかかる発明は、
電車が運行される路線ごとに路線周辺の風景画像を運行電車ゲームデータとして蓄積した運行電車ゲームデータデータベースを備えたゲームサーバにネットワークを介して接続される携帯端末装置であって、
前記携帯端末装置は、電車運転体験ゲームアプリケーションと、加速度検出手段と、通信手段と、操作入力手段と、表示手段と、ゲーム採点手段と、を備え、
前記電車運転体験ゲームアプリケーションが起動された場合、ゲームの開始に先立って、乗車する電車に該当する運行電車ゲームデータを前記ゲームサーバからダウンロードし、前記表示手段は、前記運行電車ゲームデータの風景画像を第1の表示領域に表示し、運転操作盤を有するゲーム上の電車を第2の表示領域に表示し、前記ゲーム上の電車は前記操作入力手段により運転操作され、前記加速度検出手段は乗車した電車の加速度を検出して運転状況を解析し、前記ゲーム採点手段は、前記ゲーム上の電車の運転操作と前記加速度検出手段が検出した運転状況との一致度を採点することを特徴とする。
【0023】
本願の請求項8にかかる発明は、請求項6または請求項7にかかる発明において、前記加速度検出手段は、検出した加速度に基づいて乗車した電車の駅からの発車と駅への到着を検出して、前記電車運転体験ゲームアプリケーションは、前記加速度検出手段が電車の発車を検出したことによりゲームを開始し、前記加速度検出手段が電車の到着を検出したことによりゲームを終了し、前記ゲーム採点手段はゲームの開始から終了までを1ゲーム区間として前記採点を行うことを特徴とする。
【0024】
本願の請求項9にかかる発明は、請求項8にかかる発明において、前記ゲーム採点手段は、複数のゲーム区間の採点結果を累計することを特徴とする。
【0025】
本願の請求項10にかかる発明は、請求項7にかかる発明において、前記ゲームサーバは更にランキングデータベースを備え、前記携帯端末装置は前記ゲーム採点手段が採点したゲーム結果を前記ゲームサーバに送信し、前記ランキングデータベースに登録することを特徴とする。
【0026】
本願の請求項11にかかる発明は、請求項7にかかる発明において、前記加速度検出手段が加速度の異常を検出した場合、前記携帯端末装置は前記通信手段を介して前記乗車した電車の運行を管理する運行管理サーバまたはゲームサーバに加速度検出データを送信するとともに加速度の異常を報知することを特徴とする。
【0027】
また、本願の請求項12にかかる発明は、
電車が運行される路線ごとに路線周辺の風景画像を運行電車ゲームデータとして蓄積した運行電車ゲームデータデータベースを備えたゲームサーバにネットワークを介して接続される携帯端末装置を用いた電車運転体験ゲーム方法であって、
前記携帯端末装置は、電車運転体験ゲームアプリケーションと、加速度検出手段と、通信手段と、操作入力手段と、表示手段と、ゲーム採点手段と、を備え、
前記電車運転体験ゲームアプリケーションが起動された場合、ゲームの開始に先立って、乗車する電車に該当する運行電車ゲームデータを前記ゲームサーバからダウンロードするステップと、前記表示手段が、前記運行電車ゲームデータの風景画像を第1の表示領域に表示し、運転操作盤を有するゲーム上の電車を第2の表示領域に表示するステップと、前記ゲーム上の電車は前記操作入力手段により運転操作され、前記加速度検出手段が乗車した電車の加速度を検出して運転状況を解析する解析ステップと、前記ゲーム採点手段が、前記ゲーム上の電車の運転操作と前記加速度検出手段が検出した運転状況との一致度を採点するゲーム採点ステップと、を有することを特徴とする。
【0028】
本願の請求項13にかかる発明は、請求項12にかかる発明において、前記加速度検出手段における解析ステップは、検出した加速度に基づいて乗車した電車の駅からの発車と駅への到着を検出する処理を含み、前記電車運転体験ゲームアプリケーションが、前記加速度検出手段が電車の発車を検出したことによりゲームを開始し、前記加速度検出手段が電車の到着を検出したことによりゲームを終了するステップを有し、前記ゲーム採点ステップは、ゲームの開始から終了までを1ゲーム区間として前記採点を行う処理を含むことを特徴とする。
【0029】
本願の請求項14にかかる発明は、請求項13にかかる発明において、前記ゲーム採点手段は、複数のゲーム区間の採点結果を累計する処理を更に含むことを特徴とする。
【0030】
本願の請求項15にかかる発明は、請求項12にかかる発明において、前記ゲームサーバは更にランキングデータベースを備え、前記携帯端末装置は前記ゲーム採点手段が採点したゲーム結果を前記ゲームサーバに送信し、前記ランキングデータベースに登録するステップを更に有することを特徴とする。
【0031】
本願の請求項16にかかる発明は、請求項12にかかる発明において、前記加速度検出手段が加速度の異常を検出した場合、前記携帯端末装置は前記通信手段を介して前記乗車した電車の運行を管理する運行管理サーバまたはゲームサーバに加速度検出データを送信するとともに加速度の異常を報知することを特徴とする。
【発明の効果】
【0032】
本願の請求項1にかかる発明においては、携帯端末装置は、電車運転体験ゲームアプリケーションが起動された場合、ゲームの開始に先立って、乗車する電車に該当する運行電車ゲームデータをゲームサーバからダウンロードし、表示手段は、前記運行電車ゲームデータの風景画像を第1の表示領域に表示し、運転操作盤を有するゲーム上の電車を第2の表示領域に表示し、前記ゲーム上の電車は操作入力手段により運転操作され、加速度検出手段は乗車した電車の加速度を検出して運転状況を解析し、ゲーム採点手段は、前記ゲーム上の電車の運転操作と前記加速度検出手段が検出した運転状況との一致度を採点する。
【0033】
このような構成によれば、携帯端末装置の利用者は、実際に乗車した電車の周辺の風景画像を見ながらゲーム上の電車の運転操作を行い、加速度検出手段により検出した実際の電車の運転状況と比較したゲーム結果を得られるから、プロフェッショナルと対比してゲームすることができ、ゲームのリアリティー、臨場感を向上させることができるようになる。
【0034】
本願の請求項2にかかる発明においては、請求項1にかかる発明において、前記加速度検出手段は、検出した加速度に基づいて乗車した電車の駅からの発車と駅への到着を検出して、前記電車運転体験ゲームアプリケーションは、前記加速度検出手段が電車の発車を検出したことによりゲームを開始し、前記加速度検出手段が電車の到着を検出したことによりゲームを終了し、前記ゲーム採点手段はゲームの開始から終了までを1ゲーム区間として前記採点を行う。
このような構成によれば、携帯端末装置の利用者は、実際に乗車した電車の駅から駅までを1回のゲーム区間として電運転体験ゲームを行うことができる。
【0035】
本願の請求項3にかかる発明においては、請求項2にかかる発明において、前記ゲーム採点手段は、複数のゲーム区間の採点結果を累計する。
このような構成によれば、携帯端末装置の利用者は、実際に乗車した電車の駅から駅までを1回のゲーム区間とし、任意の複数の区間の間、電運転体験ゲームを行うことができる。
【0036】
本願の請求項4にかかる発明においては、請求項1にかかる発明において、前記ゲームサーバは更にランキングデータベースを備え、前記携帯端末装置におけるゲームの採点を受信し、前記ランキングデータベースにランキング付けして登録する。
このような構成によれば、携帯端末装置の利用者はゲームサーバのランキングデータベースを参照することにより、自身のゲーム結果のランキングを知ることができ、他のゲーム体験者とランキングを競うことができるようになる。
【0037】
本願の請求項5にかかる発明においては、請求項1にかかる発明において、前記加速度検出手段が加速度の異常を検出した場合、前記携帯端末装置は前記通信手段を介して前記乗車した電車の運行を管理する運行管理サーバまたはゲームサーバに加速度検出データを送信するとともに加速度の異常を報知する。
このような構成によれば、実際の運転手がオーバーランしたり、ブレーキを踏まなかったりしたら、列車あるいは運転手になんらかの異常があると判断して運転管理側に通報するから、電車事故の事前防止に役立てることができるようになる。
【0038】
本願の請求項6にかかる発明においては、電車運転体験ゲームアプリケーションと、加速度検出手段と、操作入力手段と、表示手段と、ゲーム採点手段と、を備え、電車運転体験ゲームアプリケーションが起動された場合、前記表示手段は、運転操作盤を有するゲーム上の電車を前記表示手段に表示し、前記ゲーム上の電車は前記操作入力手段により運転操作され、前記加速度検出手段は乗車した電車の加速度を検出して運転状況を解析し、前記ゲーム採点手段は、前記ゲーム上の電車の運転操作と前記加速度検出手段が検出した運転状況との一致度を採点する。
【0039】
このような構成によれば、携帯端末装置の利用者は、表示手段に表示されたゲーム上の電車の運転操作を行い、加速度検出手段により検出した実際に乗車した電車の運転状況と比較してゲーム結果を得られるから、プロフェッショナルと対比してゲームすることができ、ゲームのリアリティーを向上させることができるようになる。
【0040】
また、本願の請求項7〜請求項11にかかる発明においては、それぞれ請求項1〜請求項5にかかる電車運転体験ゲームシステムを構成する電車運転体験ゲーム機能を有する携帯端末装置を提供することができ、請求項12〜請求項16にかかる発明においては、それぞれ請求項6、請求項7〜請求項11にかかる電車運転体験ゲーム機能を有する携帯端末を実現するための電運転体験ゲーム方法を提供することができるようになる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0041】
以下、本発明の具体例を実施例及び図面を用いて詳細に説明する。但し、以下に示す実施例は、本発明の技術思想を具体化するための電車運転体験ゲーム機能を有する携帯端末装置を例示するものであって、本発明をこの実施例の電車運転体験ゲーム機能を有する携帯端末装置に特定することを意図するものではなく、特許請求の範囲に含まれるその他の実施形態の電車運転体験ゲーム機能を有する携帯端末装置にも等しく適用し得るものである。
【実施例1】
【0042】
図1は、本発明の実施例にかかる電車運転体験ゲーム機能を有する携帯端末装置を備えたゲームシステム10の構成を示すシステム構成図である。図1に示すようにデームシステム10は、ネットワーク12を介して接続される携帯端末装置20とゲームサーバ30を備えて構成されている。このゲームシステム10は、各種カテゴリに属するPOIの所在地やサービス内容などの詳細情報を提供するPOI情報配信サーバ50、音楽や各種画像などのコンテンツその他の情報を提供する各種の情報配信サーバ51などを備えて構成されている。
【0043】
ゲームサーバ30はPOI情報配信サーバ50や他の情報配信サーバ51からネットワーク12を経由して必要なデータを取得して自身のデータベースに追加することができる。また、同様にしてPOI情報配信サーバ50や他の情報配信サーバ51に検索要求を送信して所望の検索結果を取得することもできる。
【0044】
本発明にかかるゲームシステム10は、上記の構成に限られるものではなく、ゲームサーバ30はゲームのためのデータの提供機能の他にナビゲーションサービス機能やPOI所在場所の地図を配信する地図配信サーバの機能を有していてもよい。また、携帯端末装置20は加速度検出手段を備えた携帯電話を用いることができ、また加速度検出手段を備えればPDAや音楽プレイヤーや携帯ゲーム機などの携帯機器であってもよい。
【0045】
本ゲームシステム10においては、携帯端末装置20は加速度検出手段を備え、アプリケーション記憶手段に電車運転体験ゲームアプリケーションを搭載しているものとする。ゲームをする場合、利用者は電車運転体験ゲームアプリケーションを起動し、実際に運行している電車に乗車して携帯端末装置の操作入力手段を操作して加速操作、ブレーキ(減速)操作を行い操作データを取る。一方、携帯端末装置の加速度検出手段により電車の加速度を取り運転手の操作データモニタし、利用者の操作データと実際の運転手の操作データとの一致度をポイントとして採点するようにしたものである。
【0046】
携帯端末装置の表示手段は上下の2画面の表示領域に分けられ、表示手段上部の表示領域には乗車する電車の路線周辺の実写画像が電車の進行と同期して表示される。表示手段下部の表示領域には電車の操作盤が表示され、操作入力手段に割り当てられたキーなどを操作して電車の加速、減速操作をすることができる。
【0047】
従って、本発明のゲームシステム10において、利用者はゲームの開始に先立って、電車運転体験ゲームアプリケーションを起動し、実際に乗車する電車を特定し、当該電車の路線周辺の実写画像データ(運行電車ゲームデータ)をゲームサーバ30からダウンロードする。
【0048】
また、本発明の携帯端末装置は、加速度検出手段により運転手がオーバーランしたり、ブレーキを踏まなかったりしたことを検出できるので、電車あるいは運転手になんらかの異常があると判断して運行管理サーバに通報する機能を備えることができる。このため、乗車する電車の時刻表データをダウンロードして運行状況のチェックを行うようにする。
【0049】
図1に示すようにゲームサーバ30は、ランキングデータベース34、運行電車ゲームデータデータベース35、時刻表データベース36、経路探索用ネットワークデータベース37、を備えて構成されている。ゲームサーバ30がナビゲーション機能を有しない場合、経路探索用ネットワークデータベース37は必要としない。
【0050】
ランキングデータベース34は、各携帯端末装置20のゲーム結果をランキングとして記憶し、利用者は他の利用者とゲーム結果を対比することができる。運行電車ゲームデータデータベース35には、鉄道の各路線ごとにその運行路線周辺の実写画像データが蓄積されている。実写画像データは実際に撮影した動画像でもよく、コンピュータグラフィック技術を用いて作成した動画像でもよい。同じ路線の周辺画像データであっても、乗車する電車の運行時間帯、例えば、昼間と夜間など時間帯に応じた画像データを用いてもよい。このようにすれば、より臨場感を高めることができる。
【0051】
時刻表データベース36は、鉄道の各路線ごとに運行される全ての電車の時刻表データが蓄積されており、携帯端末装置20の利用者はゲームの開始に先立ってゲームサーバ30を介して時刻表データベース36を用いて乗車する電車を特定する。経路探索用ネットワークデータベース37は、経路探索用の道路ネットワークデータや交通ネットワークデータを蓄積しており、ゲームサーバ30がナビゲーションサーバの機能を有する場合、携帯端末装置20からの経路探索要求に対してこの経路探索用ネットワークデータ37を用いて指定された2地点間の最適経路や候補経路を探索して携帯端末装置20に送信することができる。
【0052】
本実施例は、電車運転体験ゲームを行う場合、携帯端末装置20に加速度検出手段を設け、ゲームサーバ30から実際に乗車する電車の運行電車ゲームデータをダウンロードしてゲーム機能を能動化し、電車の発車から停車までの1移動区間毎に、ゲーム上の電車を運転する操作を行い、実際に乗車した電車の運行状況を加速度検出手段により検出し、これと対比してその近似度を競うように構成されている。
【0053】
携帯端末装置20の表示画面はゲームの際には2画面分の画面領域に分割され、その一方の画面領域には電車の運転席の操作盤の画像(ゲーム画面)が表示され、利用者は操作入力手段を用いて加速操作やブレーキ操作を行い電車の運行操作を行う。また、他方の画面領域には運行電車ゲームデータデータベース35からダウンロードした乗車電車の路線周辺の実写画像が電車の運行にあわせて表示される。これによりゲームにおける臨場感を向上させることができる。
【0054】
携帯端末装置20は更に、加速度検出手段を備え、実際に乗車している電車の運行状況、例えば電車が駅を発車しこと、加速、減速を行ったこと、駅に電車が到着して停車したことなどを、加速度検出結果を分析して把握することができる。加速度検出手段の加速度検出に基づいて得た実際の電車の運行操作と、前記操作入力手段を用いて利用者が行った運行操作とを比較してその一致度により採点が行われる。従ってゲームは基本的には駅から駅までの1区間ごとに完結する。乗車駅から下車駅までの通算のゲーム結果を累計して評価するようにしてもよい。
【0055】
各携帯端末装置20の利用者が行ったゲームの結果はデームサーバ30のランキングデータベース34に登録され、各利用者はランキングデータベース34に登録された結果を参照して、自分のゲーム結果がどのランクにあるかを知ることもできる。また、携帯端末装置20は加速度検出手段により乗車した電車の運行状況を分析するから、運転手がオーバーランしたり、ブレーキをかけなかったりしたことを検出できるので、電車あるいは運転手になんらかの異常があると判断して運行管理サーバに通報することもできる。
【0056】
以下、具体例に基づいて本発明を説明するが、その前に本発明にかかるシステムの詳細な構成を説明する。図2は、本発明の実施例にかかる電車運転体験ゲーム機能を有する携帯端末装置を備えたナビゲーションシステムの詳細な構成を示すブロック図である。携帯端末装置20は、ナビゲーションサービスを受けることができる端末であり、例えば、携帯電話を用いることができる。この携帯端末装置20は、制御手段201、通信手段21、GPS受信手段22、加速度検出手段23、アプリケーション記憶手段24、運行電車ゲームデータ記憶手段25、表示手段26、操作入力手段27、ゲーム採点手段28などを備えて構成される。
【0057】
ゲームサーバ30は、図1において説明した各種データベースの他、制御手段301、通信手段31、案内経路データ編集手段32、ゲーム要求記憶手段33、探索要求記憶手段38、経路探索手段39を備えている。制御手段301は、図示してはいないがRAM、ROM、プロセッサを有するマイクロプロセッサであり、ROMに格納された制御プログラムにより各部の動作を制御する。通信手段21はネットワーク12を介して携帯端末装置20などと通信データを送受信するための通信インターフェースである。
【0058】
ゲーム要求記憶手段33は各携帯端末装置20からのゲーム要求を携帯端末装置20ごとに記憶するものであり、探索要求記憶手段38は各携帯端末装置20からの経路探索要求を携帯端末装置20ごとに記憶するものである。経路探索手段39は探索要求記憶手段38に記憶された経路探索要求に設定された出発地や目的地などの経路探索条件に従って、経路探索用ネットワークデータベース37を参照して最適経路や候補経路を探索する。経路探索の結果により得られた案内経路データは案内経路データ編集手段32において携帯端末装置20に送信するデータに編集され、携帯端末装置20に配信される。
【0059】
携帯端末装置20において、制御手段201は、図示してはいないがRAM、ROM、プロセッサを有するマイクロプロセッサであり、ROMに格納された制御プログラムにより各部の動作を制御する。通信手段21はネットワーク12を介してゲームサーバ30などと通信データを送受信するための通信インターフェースである。
【0060】
GPS受信手段22はGPS衛星からの信号を受信して現在位置を緯度・経度で算出する。操作入力手段27は、キー、ダイヤル等からなり、携帯端末装置20を操作するための入力を行い、また、出発地、目的地などの入力機能としても用いられる。また、操作入力手段27の特定のキーやボタンには、ゲームにおいて電車を加速したり減速したりする運転操作盤の各キーやボタンの操作機能が割り当てられている。
【0061】
表示手段26は液晶表示パネル等からなり、ゲームサーバ30から配信(送信)された案内経路や推奨経路あるいは地図の表示に使用されるものである。また、ゲームにおいては電車の運転操作盤の画像およびゲームサーバ30からダウンロードした運行電車ゲームデータ、すなわち、乗車する電車の路線周辺の実写画像の表示に用いられる。更に、表示手段26はメニュー画面を表示し携帯端末装置20を操作するための入力手段としても機能する。
【0062】
ゲームサーバ30から携帯端末装置20に送信される運行電車ゲームデータは運行電車ゲーム記憶手段25に記憶され、ゲームが開始されると実際に乗車した電車の進行に応じて周辺の実写画像データが表示手段26に表示される。また、ゲームサーバ30から携帯端末装置20に送信される案内経路、候補経路などの案内データ、地図データなどはRAM(図示せず)に記憶される。RAMに記憶された案内経路などの案内データや地図データは、必要に応じて読み出され、表示手段26に表示される。
【0063】
アプリケーション記憶手段34には、電車運転体験ゲームアプリケーションおよびナビゲーションアプリケーションがインストールされている。電車運転体験ゲームアプリケーションが起動され、ゲームが開始されると、加速度検出手段23は実際に乗車した電車の加速度を検出し、検出した加速度のデータを分析して電車が駅を発車したこと、加速、減速を行ったこと、駅に電車が到着して停車したことなど運行状況を判別する。加速度のデータに基づく電車の運行状況判別の方法は後述する。
【0064】
図3は、携帯端末装置20の外観を示す図であり、図3に示す携帯端末装置20は携帯電話を端末装置としたものである。携帯端末装置20は、液晶表示ユニットなどからなる表示手段26、テンキーやダイヤル、ボタンなどを有する操作入力手段27を備えている。操作入力手段27の特定のキーやボタンには、ゲームにおいて電車を加速したり減速したりする運転操作盤の各キーやボタンの操作機能が割り当てられている。携帯端末装置20においてゲームアプリケーションを起動してゲームを行う場合、表示手段26の表示画面261を第1表示領域262と第2表示領域263とに分割して画像表示を行う。
【0065】
第1表示領域262は表示画面の上部に位置し、前述したように、携帯端末装置20を持った利用者が実際に乗車する電車の路線周辺の実写画像が表示される。また、第2表示領域263には、電車の運転制御盤の画像が表示される。操作入力手段27の特定のキーやボタンには、ゲームにおいて電車を加速したり減速したりする運転操作盤の各キーやボタンの操作機能が割り当てられており、運転操作盤の画面を見ながら操作入力手段27の特定キーを操作してゲーム上の電車の加速、減速操作、発車や停車操作を行う。
【0066】
図4は、ゲームサーバ30の時刻表データベース36に蓄積される時刻表データの構成を示す図である。図4に示すように時刻表データベース36に蓄積される時刻表データは全鉄道路線について電車運行ダイヤグラムに基づいて、路線ごとに運行されるすべての電車の各駅発着時刻が蓄積されたものである。
【0067】
図5は、ゲームサーバ30の運行電車ゲームデータデータベース35に蓄積される運行電車ゲームデータのデータ構成を示す図である。運行電車ゲームデータは、図5に示すように電車の各運行路線の区間A〜区間Nごとに路線周辺の実写画像である周辺画像データが蓄積されたものである。利用者はゲームの開始に先立って、電車運転体験ゲームアプリケーションを起動し、実際に乗車する電車を特定し、当該電車の路線周辺の実写画像データ(運行電車ゲームデータ)をゲームサーバ30からダウンロードする。
【0068】
利用者が携帯端末装置20を用いてゲームを行う時には、ゲームアプリケーションを起動して、携帯端末装置20を予めゲームサーバ30に接続し、自分が実際に乗る電車、路線を時刻表データベース36に蓄積された時刻表データから割り出し、該当する電車、路線の運行電車ゲームデータを運行電車ゲームデータデータベース35からダウンロードする。電車の特定はナビゲーション機能を利用して経路探索した結果に基づいて行ってもよく、あるいは一般の路線検索機能と同様に、乗車する路線名や駅名、時間を指定してゲームサーバ30に検索要求をして特定するようにしてもよい。
【0069】
地下鉄などは携帯端末装置20とゲームサーバ30との通信が不能になる可能性があるので電車に乗車する前に運行電車ゲームデータをダウンロードしておく必要があるが、地上を走る電車の場合は通信ができるので乗車した電車の車内でダウンロードしてもよい。駅から電車が出発して、携帯端末装置20の加速度検出手段23が加速度を検知するとゲームがスタートする。また、駅に電車が到着して加速度検出手段23が検出する加速度がゼロになるとゲームが終了する。従ってゲームは基本的には駅から駅までの1区間ごとに完結する。乗車駅から下車駅までの通算のゲーム結果を累計して評価するようにしてもよい。
【0070】
駅から駅までの1区間の間、加速度検出手段23は乗車している電車の加速度を検出して運行状況を判別する。利用者はそれに合わせてゲーム画面上の電車をスタートさせ、次の駅までの区間の運転体験ゲームを楽しむこととなる。この間、実際の電車の運転手によるスピードやブレーキの強さなどはゲームの利用者にはわからないためゲーム性が増し、ゲームをより楽しむことができる。いかに実際の電車運転と違わずゲーム画面上の電車を運転できたかがゲームのポイントとなり、より運転手の運転に近いほど高得点となる。
【0071】
ゲーム採点手段28はこのような比較に基づいて得点データを算出する。得点データはゲームサーバ30に送信され、ランキングデータベース34に登録される。利用者はこのランキングデータベース34に登録されたデータを参照することにより、全国の利用者とゲームのポイント(得点)を競うことも可能である。
【0072】
図6は重力加速度と交通機関の車両の加速時に加速度検出手段23で検出される加速度との関係を示す説明図である。加速度検出手段23は3軸加速度センサを有しており検出された3軸方向の加速度の中で、どの軸方向が鉛直方向に近いかを判別する。このため、加速度検出手段23は鉛直軸方向判別手段を有し、3軸方向の加速度データの中で、最も大きな加速度成分が検出された軸方向を鉛直軸方向と判別する。
【0073】
図6に示すように、重力加速度35.28[km/h/s](=9.8[m/s2])が常に鉛直方向(図6ではZ軸方向)に向いているのに対して、鉄道は勾配が非常に緩やかであるため、ほぼ水平面上(図6ではXY平面上)に2.0〜2.5[km/h/s]程度の加速度が検出されることに基づいて、加速度成分が最大の軸方向(図6ではZ軸方向)が鉛直軸方向と判定(推定)できることを利用している。なお、従来公知の傾斜センサ(例えば、特開平8−278137号公報等参照)を内蔵して、携帯電話1の鉛直軸に対する傾斜量を正確に計算し、鉛直軸や水平面を判別することも可能である。
【0074】
図7は、電車内で携帯端末装置20の加速度検出手段23を構成する加速度センサが示す検出波形を説明する波形図であり、図7Aは加速度の履歴図、図7Bは速度の履歴図、図7Cは移動距離の履歴図である。
【0075】
電車が駅に停車中は、加速度センサ出力はほぼフラットであり加速度は検出されない。次いで、電車が駅を発車して加速を開始すると加速度センサから正の出力を生じる。電車が定速走行になると再度加速度センサ出力はほぼフラットになり加速度は検出されなくなる。次いで、電車が駅に接近して減速を開始すると加速度センサから負の出力を生じる。そして電車が駅に到着して停止すると、再び加速度センサ出力はほぼフラットになり加速度は検出されなくなる。
【0076】
しかしながら、この加速度センサの出力波形からのみでは電車が駅を発着したしことを正確に検出することはできない。一般に電車が正常に運行している場合はよいが、電車の運行間隔が詰まる場合には、駅と駅の間で電車が不規則に減速したり、加速したりする場合が生じる。このようなケースは運行間隔が短くなる朝夕のラッシュ時や乗客が線路内に物を落として運行ダイヤが乱れた場合などによく経験することである。このような場合には駅と駅の間であっても駅発着時と同様の加速度変化を示すことがある
【0077】
そこで、加速度検出手段23は加速度センサの出力に基づいて、電車の発着時の運転操作に特有の加速度の変化を解析する。すなわち、図7Aに示すように、交通機関としての電車は、立って乗車している人が転倒しない加速度の範囲で、且つ全体としてなるべく早く加速をするために、許容範囲の上限付近の加速度で所定時間加速するという特徴があるのでこれを解析する。
【0078】
電車の加速は、かつてはモータに直列に抵抗を挿入して、その抵抗を徐々に抵抗値の小さなものに切り替えていく手動進段方式や自動進段方式があり、最近はPWM(Pulse Width Modulation)制御方式(パルス幅制御方式)で滑らかな加速を実現している。したがって、これに対応して、一般的な電車の加速度の範囲である1km/h/s〜4km/h/sを移動開始時加速度範囲として加速度センサの出力を解析し、電車の発車を示す加速度の変化を解析する。なお、この移動開始時加速度範囲は、利用する交通機関に応じて適宜設定可能である。
【0079】
加速度検出手段23の解析手段は、加速度センサで検出された3軸方向の加速度から計算される加速度の絶対値、即ち、加速度の大きさが上記移動開始時加速度範囲内であるか否かを判別する。すなわち、加速度データを例えば0〜255までサンプリングして記憶しておき、記憶された0〜255の最新の加速度データax〜azを、−9.8m/s2(=−1G)〜+9.8m/s2(=+1G)の加速度データA′x,A′y,A′zに逆変換する。そして、加速度の大きさである{(A′x)2+(A′y)2+(A′z)21/2が1km/h/s〜4km/h/sの範囲内であるか否かを判別する。なお、3軸方向の特定の1軸方向の加速度に基づいて判別することも可能であるし、3軸の内何れか1軸方向の加速度が所定の加速度範囲に入っている場合に移動開始時加速度範囲内であると判別することも可能である。
【0080】
次いで、解析手段は電車が移動を開始したか否かを判別するための加速度継続時間を解析する。例えば、加速度継続時間としては15秒を設定し、この間に加速度センサで検出された加速度が移動開始時加速度範囲に連続して含まれている期間が、前記加速度継続時間以上であるか否かを判別する。この解析は、加速度センサの出力をサンプリングした際にその出力が移動開始時加速度範囲に含まれている連続回数をカウントすることによって行う。以上の解析手順を満足した場合に電車が駅を発車したと判別することができる。
【0081】
次に、解析手段は加速度センサ出力に基づいて電車の移動距離を解析し駅への接近、到着を解析する。前述のようにして電車の移動開始が検出された場合、加速度センサで検出された加速度ax〜azに基づいて、電車の移動距離L(図7C参照)を算出する。移動開始が検出された場合に各サンプリングにおいてえられた加速度データを2回積分して計算される各軸方向の移動距離Lx,Ly,Lzから移動距離L(=((Lx)2+(Ly)2+(Lz)21/2)を計算する。即ち、各サンプリングにおいて得られた加速度データax〜azを各軸毎に全て加算した後、サンプリング間隔t1の二乗を乗算し且つ1/2を乗算した値が移動距離Lx〜Lzとして計算される。そして、それ以後は、最新の加速度データとサンプリング間隔t1に基づいて最新の移動距離Lx〜Lzが計算され、更新される。
【0082】
そして、電車が駅に接近、到着する際の判別には、更に乗車した電車の路線データや時刻表データから次の停車駅までの残り距離を算出し、電車が駅に接近したか否かを判別するための接近判別距離Ls(図7C参照)を設定しておき、残り距離Lnと接近判別距離Lsとに基づいて、電車が次の停車駅に接近したか否かを判別する。例えば、接近判別距離Lsとして200mを設定した場合、次の停車駅までの残り距離Lnが200mを切った場合に接近したと判別する。
【0083】
駅への到着を判別する際には、解析手段は、電車が駅に到着したか否かを判別するための到着判別速度Vt(図7B参照)を設定しておき、電車の移動速度Vx〜Vzと到着判別速度Vtとに基づいて電車が駅に到着したか否かの判別を行う。例えば、到着判別速度Vtとして5km/hを設定しておき、電車の移動速度の絶対値V(={(Vx)2+(Vy)2+(Vz)21/2)が到着判別速度Vtより小さくなった場合に、駅に到着したと判別する。
【0084】
このように、携帯端末装置20に搭載した加速度センサの出力のみによって、電車が駅を発車したこと、あるいは、電車が駅に接近、到着したことを検出することができる。また、加速度センサの出力によって電車の加速量、減速量を算出することができる。このように実際に乗車した電車の運行状況を解析し、一方で携帯端末装置20の利用者が操作入力手段27を操作して(表示手段26に表示された運転操作盤を操作して)ゲーム上の電車を擬似的に運転した結果とを対比する。どれだけ実際の電車と同じ運転操作ができたかがゲームの得点になる。
【0085】
先ず、ステップS101の処理においてアプリケーション記憶手段24に記憶されたゲームソフトである電車運転体験ゲームアプリケーションが起動され、ステップS102の処理において、携帯端末装置20は乗車する路線、電車を特定する。電車を特定する処理は、ナビゲーション機能を利用して経路探索した結果に基づいても行ってもよく、あるいは一般の路線検索機能と同様に、乗車する路線名や駅名、時間を指定してゲームサーバ30に検索要求をして特定するようにしてもよい。
【0086】
乗車する電車が特定されると携帯端末装置20はゲームサーバ30からその電車に該当する運行電車ゲームデータをダウンロードして運行電車ゲームデータ記憶手段25に記憶する。運行電車ゲームデータは先に述べたように特定された電車の運行路線の周辺の実写画像データである。乗車する電車、路線が地下鉄の路線である場合には、ゲームサーバ30との通信が不能になる場合があるため、電車に乗車する前(地下に入る前)にステップS101〜S103の処理を行っておく。
【0087】
ステップS104で加速度検出手段23は電車の加速度を検出する。加速度が検出されたらゲームが開始される。ここでいう加速度検出とは、図7を参照して説明した電車の発車を示す加速度のパターンを検出することを指す。加速度が検出されなければステップS104の加速度検出を繰り返す。ゲームが開始されたら、ステップS106の処理において加速度検出手段23が加速度の異常を検出したかを判別する。加速度の異常が認められなければステップS107の処理に進みゲームを続行する。ゲームの詳細については先に説明した通りである。
【0088】
ステップS108の処理において加速度検出手段23が加速度停止を検出するとステップS109でゲーム結果が表示される。ここでいう加速度停止とは、図7を参照して説明した電車の停車を示す加速度のパターンを検出することを指す。ゲームの結果は先に説明したように加速度検出手段23が検出した実際に乗車した電車の運転手が運転操作した結果とゲームの利用者が運転操作した結果との一致度を得点として数値化したものである。加速度停止が検出されなければステップS107の処理に戻りゲームが続行される。
【0089】
ステップS104の加速度検出からステップS108の加速度停止までの期間は乗車した電車の駅から駅までの1区間である。利用者がゲームを継続する場合はステップS104〜ステップS108の処理を繰り返す。ステップS110の処理でゲーム終了操作があったか否かを判定する。ゲーム終了操作があれば携帯端末装置20は処理を終了し、ゲーム終了操作がなければステップS104の処理に戻る。
【0090】
一方、ステップS106の処理で加速度の異常が検出された場合、携帯端末装置20は乗車した電車の鉄道運行会社の運行管理サーバに異常を通報する。加速度の異常とは、例えば、加速度検出手段23により乗車した電車の運行状況を分析した結果から、実際の電車が遅れていたり、運転手がオーバーランしたり、ブレーキを踏まなかったりしたことを検出でき、電車あるいは運転手になんらかの異常があると判断して運行管理サーバに加速度検出データを送信するとともに異常を通報することができる。
【0091】
通報後はステップS110のゲーム終了判別処理に進む。また、運行管理サーバ側は加速度の異常情報からどのような異常が生じているのかを判断し、事故や運転手の異常をいち早く知ることができるようになる。この通報機能に加えて、運行管理サーバやゲームサーバ30と交通案内サイトと連動させて電車の運行状況を自動的に各利用者に案内するようにしてもよい。
【0092】
ゲームサーバ30がナビゲーション機能を有する場合、ステップS102の乗車電車の特定にナビゲーション機能を利用することができる。すなわち、携帯端末装置20の利用者は、出発地、目的地などの経路探索条件を指定してゲームサーバ30に経路探索要求をして、その結果得た案内経路を用いて移動する際に、案内された電車に乗車することになるから、この電車を乗車する電車として特定することができる。利用者は案内された電車に乗車して移動中にゲームを楽しむことができる。
【0093】
ゲームサーバ30における経路探索の処理は経路探索用ネットワークデータ37を参照して次のようにして行われる。経路探索用ネットワークデータベース37には、徒歩や自動車による移動経路を探索するための道路ネットワークデータと公共交通機関を利用した移動経路を探索するための交通ネットワークデータが蓄積されている。経路探索手段39は、この経路探索用ネットワークデータベース37を参照して、徒歩や自動車による経路あるいは徒歩と交通機関を併用した経路を探索する。
【0094】
道路ネットワークデータは、以下のように構成されている。例えば、道路が図9に示すように道路A、B、Cからなる場合、道路A、B、Cの端点、交差点、屈曲点などをノードとし、各ノード間を結ぶ道路を有向性のリンクで表し、ノードデータ(ノードの緯度・経度)、リンクデータ(リンク番号)と各リンクのリンクコスト(リンクの距離またはリンクを走行するのに必要な所要時間)をデータとしたリンクコストデータとで構成される。
【0095】
すなわち、図9において、Nn(○印)、Nm(◎印)がノードを示し、Nm(◎印)は道路の交差点を示している。各ノード間を結ぶ有向性のリンクを矢印線(実線、点線、2点鎖線)で示している。リンクは、道路の上り、下りそれぞれの方向を向いたリンクが存在するが、図9では図示を簡略化するため矢印の向きのリンクのみを図示している。
【0096】
このような道路ネットワークのデータを経路探索用のデータベースとして経路探索を行う場合、出発地のノードから目的地のノードまで連結されたリンクをたどりそのリンクコストを累積し、累積リンクコストの最少になる経路を探索して案内する。すなわち、図9において出発地をノードAX、目的地をノードCYとして経路探索を行う場合、ノードAXから道路Aを走行して2つ目の交差点で右折して道路Cに入りノードCYにいたるリンクを順次たどりリンクコストを累積し、リンクコストの累積値が最少になる経路を探索して案内する。
【0097】
図9ではノードAXからノードCYに至る他の経路は図示されていないが、実際にはそのような経路が他にも存在するため、ノードAXからノードCYに至ることが可能な複数の経路を同様にして探索し、それらの経路のうちリンクコストが最少になる経路を最適経路として決定するものである。この手法は、例えば、ダイクストラ法と呼ばれる周知の手法によって行われる。
【0098】
これに対して、交通機関の経路探索のための交通ネットワークデータは以下のように構成されている。例えば、図10に示すように交通路線A、B、Cからなる場合、各交通路線A、B、Cに設けられた各駅(航空機の路線においては各空港)をノードとし、各ノード間を結ぶ区間を有向性のリンクで表し、ノードデータ(緯度・経度)、リンクデータ(リンク番号)をネットワークデータとしている。図3において、Nn(○印)、Nm(◎印)がノードを示し、Nm(◎印)は交通路線の乗り継ぎ点(乗換え駅など)を示し、各ノード間を結ぶ有向性のリンクを矢印線(実線、点線、2点鎖線)で示している。リンクは、交通路線の上り、下りそれぞれの方向を向いたリンクが存在するが、図10では図示を簡略化するため矢印の向きのリンクのみを図示している。
【0099】
しかしながら、交通ネットワークは道路ネットワークと比べリンクコストが基本的に異なる。すなわち、道路ネットワークではリンクコストは固定的、静的なものであったが、交通ネットワークでは、図10に示すように交通路線を運行する列車や航空機(以下個々の列車や航空機などの各経路を交通手段と称する)が複数ある。各交通手段毎にあるノードを出発する時刻と次のノードに到着する時刻とが定まっており(時刻表データ、運行データで規定される)、かつ、個々の経路が必ずしも隣接するノードにリンクしない場合がある。例えば、急行と各駅停車の列車のような場合である。このような場合には同じ交通路線上に異なる複数のリンクが存在することになり、またノード間の所要時間が交通手段により異なる場合もある。
【0100】
図10に例示する交通ネットワークにおいては、交通路線Aの同じリンクに複数の交通手段(経路)Aa〜Ac・・・、交通路線Cに複数の交通手段(経路)Ca〜Cc・・・が存在することになる。従って、交通機関の運行ネットワークは、単純な道路ネットワークと異なり、ノード、リンク、リンクコストの各データは交通手段(個々の航空機や列車などの経路)の総数に比例したデータ量になる。このため交通ネットワークのデータは道路ネットワークのデータ量に比べて膨大なデータ量になる。従って、それに応じて、経路探索に要する時間も多くの時間が必要になる。
【0101】
このような交通ネットワークデータを用いて、ある出発地からある目的地までの経路を探索するためには、出発地から目的地まで到達する際に使用(乗車)できる全ての交通手段を探索して探索条件に合致する交通手段を特定する必要がある。
【0102】
例えば、図10において、出発地を交通路線AのノードAXとしてある特定の出発時刻を指定して、交通路線CのノードCYを目的地とする経路探索を行う場合、交通路線A上を運行する交通手段Aa〜Ac・・・のうち出発時刻以降の全ての交通手段を順次出発時の経路として選択する。そして交通路線Cへの乗り継ぎノードへの到着時刻に基づいて、交通路線C上を運行する各交通手段Ca〜Cc・・・のうち、乗り継ぎノードにおいて乗車可能な時刻以降の交通手段の全ての組み合わせを探索して各経路の所要時間や乗換え回数などを累計して案内することになる。
【0103】
このようなネットワークデータを利用して経路探索サーバ30は経路探索条件に従って、出発地から目的地までの複数の候補経路を探索し、その結果を案内経路データとして端末装置20に送信する。経路探索条件に出発地の出発時刻が指定されている場合には目的地への到着時刻が、また、目的地への到着時刻が指定されている場合には、目的地に指定時刻に到着するための出発地の出発時刻が案内経路データに含まれ、端末装置20はこれらを表示手段26に経路の詳細とともに表示することができる。案内経路に乗換え駅が含まれる場合には、当該乗換え駅で乗換えるべき電車やその出発時刻も同様にして表示することができる。
【0104】
以上、詳細に説明したように本発明によれば、加速度センサを搭載した携帯電話を端末装置とした電車運転疑似体験ゲームのアプリケーションソフトウェアの提供を行うことが可能となる。また、ゲームは実際に乗車した電車の運転状況と利用者の運転操作とを対比するものであり、臨場感の高いゲーム方法を提供することができる。更に、加速度の異常情報を運行管理側に送ることにより電車事故の事前防止に役立てることができる。
【0105】
なお、上記実施例においては、携帯端末装置はゲームサーバから乗車する電車の路線の実写画像(運行電車ゲームデータ)をダウンロードして表示手段に表示する例を説明したが、この運行電車ゲームデータを表示することなく、単に運転操作盤を有するゲーム上の電車を前記表示手段に表示して運転操作し、加速度検出手段により乗車した電車の加速度を検出して運転状況を解析し、その一致度によりゲーム採点を行うようにすることもできる。
【産業上の利用可能性】
【0106】
本発明を適用することによりエンタテイメント性を追求したゲームの開発に貢献できる。また、ゲームに際して実際に乗車した電車の加速度を検出、分析するものであるから電車運行の異常を検出でき非常時の早期通報手段としても利用できるため、電車事故の事前防止や乗客の安全確保にも役立てることができる。
【図面の簡単な説明】
【0107】
【図1】本発明の実施例にかかる電車運転体験ゲーム機能を有する携帯端末装置を備えたゲームシステムの構成を示すシステム構成図である。
【図2】本発明の実施例にかかる電車運転体験ゲーム機能を有する携帯端末装置を備えたゲームシステムの詳細な構成を示すブロック図である。
【図3】電車運転体験ゲーム機能を有する携帯端末装置の外観を示す図である。
【図4】ゲームサーバの時刻表データベースに蓄積される時刻表データの構成を示す図である。
【図5】ゲームサーバの運行電車ゲームデータデータベースに蓄積される運行電車ゲームデータのデータ構成を示す図である。
【図6】重力加速度と交通機関の車両の加速時に検出される加速度との関係を示す説明図である。
【図7】電車内で携帯端末装置の加速度センサが示す検出波形を説明する波形図であり、図7Aは加速度の履歴図、図7Bは速度の履歴図、図7Cは移動距離の履歴図である。
【図8】本発明の実施例にかかる携帯端末装置を用いて電車運転体験ゲームを行う際の動作手順を示すフローチャートである。
【図9】道路ネットワークのデータの概念を示す模式図である。
【図10】交通ネットワークのデータの概念を示す模式図である。
【符号の説明】
【0108】
10・・・・ゲームシステム
12・・・・ネットワーク
20・・・・携帯端末装置
201・・・制御手段
21・・・・通信手段
22・・・・GPS受信手段
23・・・・加速度検出手段
24・・・・アプリケーション記憶手段
25・・・・運行電車ゲームデータ記憶手段
26・・・・表示手段
27・・・・操作入力手段
28・・・・ゲーム採点手段
30・・・・ゲームサーバ
301・・・制御手段
31・・・・通信手段
32・・・・案内経路データ編集手段
33・・・・ゲーム要求記憶手段
34・・・・ランキングデータベース
35・・・・運行電車ゲームデータデータベース
36・・・・時刻表データベース
37・・・・経路探索用ネットワークデータベース
38・・・・経路探索要求記憶手段
39・・・・経路探索手段

【特許請求の範囲】
【請求項1】
電車運転体験ゲームアプリケーションと、加速度検出手段と、通信手段と、操作入力手段と、表示手段と、ゲーム採点手段とを有する携帯端末装置と、電車が運行される路線ごとに路線周辺の風景画像を運行電車ゲームデータとして蓄積した運行電車ゲームデータデータベースを備えたゲームサーバからなり、
前記携帯端末装置は、電車運転体験ゲームアプリケーションが起動された場合、ゲームの開始に先立って、乗車する電車に該当する運行電車ゲームデータを前記ゲームサーバからダウンロードし、前記表示手段は、前記運行電車ゲームデータの風景画像を第1の表示領域に表示し、運転操作盤を有するゲーム上の電車を第2の表示領域に表示し、前記ゲーム上の電車は前記操作入力手段により運転操作され、前記加速度検出手段は乗車した電車の加速度を検出して運転状況を解析し、前記ゲーム採点手段は、前記ゲーム上の電車の運転操作と前記加速度検出手段が検出した運転状況との一致度を採点することを特徴とする電車運転体験ゲームシステム。
【請求項2】
前記加速度検出手段は、検出した加速度に基づいて乗車した電車の駅からの発車と駅への到着を検出して、前記電車運転体験ゲームアプリケーションは、前記加速度検出手段が電車の発車を検出したことによりゲームを開始し、前記加速度検出手段が電車の到着を検出したことによりゲームを終了し、前記ゲーム採点手段はゲームの開始から終了までを1ゲーム区間として前記採点を行うことを特徴とする請求項1に記載の電車運転体験ゲームシステム。
【請求項3】
前記ゲーム採点手段は、複数のゲーム区間の採点結果を累計することを特徴とする請求項2に記載の電車運転体験ゲームシステム。
【請求項4】
前記ゲームサーバは更にランキングデータベースを備え、前記携帯端末装置におけるゲームの採点を受信し、前記ランキングデータベースにランキング付けして登録することを特徴とする請求項1に記載の電車運転体験ゲームシステム。
【請求項5】
前記加速度検出手段が加速度の異常を検出した場合、前記携帯端末装置は前記通信手段を介して前記乗車した電車の運行を管理する運行管理サーバまたはゲームサーバに加速度検出データを送信するとともに加速度の異常を報知することを特徴とする請求項1に記載の電車運転体験ゲームシステム。
【請求項6】
電車運転体験ゲームアプリケーションと、加速度検出手段と、操作入力手段と、表示手段と、ゲーム採点手段と、を備え、
電車運転体験ゲームアプリケーションが起動された場合、前記表示手段は、運転操作盤を有するゲーム上の電車を前記表示手段に表示し、前記ゲーム上の電車は前記操作入力手段により運転操作され、前記加速度検出手段は乗車した電車の加速度を検出して運転状況を解析し、前記ゲーム採点手段は、前記ゲーム上の電車の運転操作と前記加速度検出手段が検出した運転状況との一致度を採点することを特徴とする電車運転体験ゲーム機能を有する携帯端末装置。
【請求項7】
電車が運行される路線ごとに路線周辺の風景画像を運行電車ゲームデータとして蓄積した運行電車ゲームデータデータベースを備えたゲームサーバにネットワークを介して接続される携帯端末装置であって、
前記携帯端末装置は、電車運転体験ゲームアプリケーションと、加速度検出手段と、通信手段と、操作入力手段と、表示手段と、ゲーム採点手段と、を備え、
前記電車運転体験ゲームアプリケーションが起動された場合、ゲームの開始に先立って、乗車する電車に該当する運行電車ゲームデータを前記ゲームサーバからダウンロードし、前記表示手段は、前記運行電車ゲームデータの風景画像を第1の表示領域に表示し、運転操作盤を有するゲーム上の電車を第2の表示領域に表示し、前記ゲーム上の電車は前記操作入力手段により運転操作され、前記加速度検出手段は乗車した電車の加速度を検出して運転状況を解析し、前記ゲーム採点手段は、前記ゲーム上の電車の運転操作と前記加速度検出手段が検出した運転状況との一致度を採点することを特徴とする電車運転体験ゲーム機能を有する携帯端末装置。
【請求項8】
前記加速度検出手段は、検出した加速度に基づいて乗車した電車の駅からの発車と駅への到着を検出して、前記電車運転体験ゲームアプリケーションは、前記加速度検出手段が電車の発車を検出したことによりゲームを開始し、前記加速度検出手段が電車の到着を検出したことによりゲームを終了し、前記ゲーム採点手段はゲームの開始から終了までを1ゲーム区間として前記採点を行うことを特徴とする請求項6または請求項7に記載の電車運転体験ゲーム機能を有する携帯端末装置。
【請求項9】
前記ゲーム採点手段は、複数のゲーム区間の採点結果を累計することを特徴とする請求項8に記載の電車運転体験ゲーム機能を有する携帯端末装置。
【請求項10】
前記ゲームサーバは更にランキングデータベースを備え、前記携帯端末装置は前記ゲーム採点手段が採点したゲーム結果を前記ゲームサーバに送信し、前記ランキングデータベースに登録することを特徴とする請求項7に記載の電車運転体験ゲーム機能を有する携帯端末装置。
【請求項11】
前記加速度検出手段が加速度の異常を検出した場合、前記携帯端末装置は前記通信手段を介して前記乗車した電車の運行を管理する運行管理サーバまたはゲームサーバに加速度検出データを送信するとともに加速度の異常を報知することを特徴とする請求項7に記載の電車運転体験ゲーム機能を有する携帯端末装置。
【請求項12】
電車が運行される路線ごとに路線周辺の風景画像を運行電車ゲームデータとして蓄積した運行電車ゲームデータデータベースを備えたゲームサーバにネットワークを介して接続される携帯端末装置を用いた電車運転体験ゲーム方法であって、
前記携帯端末装置は、電車運転体験ゲームアプリケーションと、加速度検出手段と、通信手段と、操作入力手段と、表示手段と、ゲーム採点手段と、を備え、
前記電車運転体験ゲームアプリケーションが起動された場合、ゲームの開始に先立って、乗車する電車に該当する運行電車ゲームデータを前記ゲームサーバからダウンロードするステップと、前記表示手段が、前記運行電車ゲームデータの風景画像を第1の表示領域に表示し、運転操作盤を有するゲーム上の電車を第2の表示領域に表示するステップと、前記ゲーム上の電車は前記操作入力手段により運転操作され、前記加速度検出手段が乗車した電車の加速度を検出して運転状況を解析する解析ステップと、前記ゲーム採点手段が、前記ゲーム上の電車の運転操作と前記加速度検出手段が検出した運転状況との一致度を採点するゲーム採点ステップと、を有することを特徴とする電車運転体験ゲーム方法。
【請求項13】
前記加速度検出手段における解析ステップは、検出した加速度に基づいて乗車した電車の駅からの発車と駅への到着を検出する処理を含み、前記電車運転体験ゲームアプリケーションが、前記加速度検出手段が電車の発車を検出したことによりゲームを開始し、前記加速度検出手段が電車の到着を検出したことによりゲームを終了するステップを有し、前記ゲーム採点ステップは、ゲームの開始から終了までを1ゲーム区間として前記採点を行う処理を含むことを特徴とする請求項12に記載の電車運転体験ゲーム方法。
【請求項14】
前記ゲーム採点手段は、複数のゲーム区間の採点結果を累計する処理を更に含むことを特徴とする請求項13に記載の電車運転体験ゲーム方法。
【請求項15】
前記ゲームサーバは更にランキングデータベースを備え、前記携帯端末装置は前記ゲーム採点手段が採点したゲーム結果を前記ゲームサーバに送信し、前記ランキングデータベースに登録するステップを更に有することを特徴とする請求項12に記載の電車運転体験ゲーム方法。
【請求項16】
前記加速度検出手段が加速度の異常を検出した場合、前記携帯端末装置は前記通信手段を介して前記乗車した電車の運行を管理する運行管理サーバまたはゲームサーバに加速度検出データを送信するとともに加速度の異常を報知することを特徴とする請求項12に記載の電車運転体験ゲーム方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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