需要予測方法及び需要予測装置並びに需要予測用プログラムを記憶した記憶媒体
【課題】 多様でかつ利用しやすい需要予測情報を生成すること。
【解決手段】 確定した受注情報が入力される受注情報入力工程と、予め入力された需要の予測情報を読み出す予測情報読出工程と、受注情報中に含まれる各データと予め入力された予測情報中の各データとを対応づける複数の消込ルールファイルを読み出す消込ルールファイル読出工程と、品目データと各消込ルールファイルとを関係づける対応情報を含む商品情報を読み出す商品情報読出工程と、受注情報に応じて予測情報を更新する更新工程とを備え、この更新工程が、商品情報と受注情報とから消込ルールファイルを特定するルール特定工程と、この消込ルールファイルに従い受注情報に応じて消込データを作成する消込データ算出工程と、この消込データに応じて予測情報を消し込む消込工程とを有する。
【解決手段】 確定した受注情報が入力される受注情報入力工程と、予め入力された需要の予測情報を読み出す予測情報読出工程と、受注情報中に含まれる各データと予め入力された予測情報中の各データとを対応づける複数の消込ルールファイルを読み出す消込ルールファイル読出工程と、品目データと各消込ルールファイルとを関係づける対応情報を含む商品情報を読み出す商品情報読出工程と、受注情報に応じて予測情報を更新する更新工程とを備え、この更新工程が、商品情報と受注情報とから消込ルールファイルを特定するルール特定工程と、この消込ルールファイルに従い受注情報に応じて消込データを作成する消込データ算出工程と、この消込データに応じて予測情報を消し込む消込工程とを有する。
【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、需要予測方法に関し、特に、確定した注文を受けた場合に、その受注情報に応じて需要予測を消し込む需要予測方法に関する。本発明はまた、この需要予測方法の実施に好適な需要予測装置に関する。
【0002】
【従来の技術】最終製品の需要予測は、販売計画や、受注前の部品の先行手配や、生産ラインの予定立案などに用いられる。この需要予測作業は、生産管理担当者や、販売担当者によって、予測対象の製品がどのように販売されるかという生産管理上の特性を考慮して立案される。例えば、一般ユーザ向けのパソコンのような量販品は、ある期間毎に定量的な販売を予定するものであり、製品の部品となる在庫の回転も良く、比較的大まかな予測が立案される。一方、特定ユーザ向けの大型交換機のような特注品は、販売期間及び販売量をある程度見込んだ厳密な需要予測を立案し、在庫を正確に管理しないと、製品に使用しない在庫を抱えてしまうこととなる。
【0003】一方、製品の受注と製造に要する日程についても、製品の特性に応じて変化する。例えば量販品であれば、受注を受ける前に一定量製造しておかなければ、実際の需要に間に合わないことが想定される。この場合、需要予測を立案し、この需要予測に基づいて部品の発注や製造を先行して手配しなければならない。各部品についても、部品の発注をしてから2日で入手できる品目と、数週間を要する品目とがあり、顧客から一週間後に納入して欲しいとの内容で受注を受けた場合、受注を受けてから部品の発注および組立をしていたのでは間に合わない。生産が間に合わないと、ライフサイクルの短い製品の場合、販売の機会を逃すこととなってしまう。また、部品メーカでも、数ヶ月後の製造数量の概要を把握していないと、材料の入手を良好に行えなくなる。このように、部品製造業者との契約上あるいは枠取りの都合上、また、需要に適切に対応するため、量販品については、部品の先行手配を行っている。
【0004】一方、特注品については、特別な部品について先行手配を行い、これが実際には受注せず在庫となると、他に用途がなく、不良在庫となってしまうため、厳密な予測を立案する必要がある。このように量販品と特注品との需要予測を異なる基準で行うことで、すなわち、顧客やマーケット別に需要予測を行うことで、先行手配を適切に行いつつ不要な在庫を低減させ、需要に応じた製品の供給を図っている。
【0005】また、需要予測支援プログラムは、入力される需要予測情報を時系列や製品別に整理する機能と共に、一定の消込処理の機能を提供する。需要予測を立案した後、部品を手配すべき期限が到来した時には、需要予測の数量に基づいて部品の先行手配を行う。しかし、需要予測を立案してから、各部品を手配すべき期限となるまでの期間中に、実際に確定受注が入る場合がある。この場合には、確定受注が入った段階で部品の発注を行う。すると、部品を手配すべき期限で発注すべき部品の量は、需要予測した数量から確定受注による数量を減算した数量(所要量)となる。この減算処理を、一般に消込処理という。
【0006】確定受注を受けたときの消込処理は、需要予測支援プログラムの機能を利用して行う。消込を行うためには、需要予測情報と受注情報とがそれぞれ、同一の単位と精度とを共有していなければならない。すなわち、同一品目で同一期間単位を基本として、消込処理を行う。需要予測の品目と受注の品目とが異なる場合には、受注した品目を部品等に展開し、需要予測を行った品目と同一品目とした後に消込を行っていた。例えば、ある月についてパーソナルコンピュータを100台、当該パーソナルコンピュータに組込む内蔵の増設周辺機器10台との需要予測情報が予め格納されているとする。このとき、パーソナルコンピュータに記憶装置を増設したモデルを受注すると、需要予測支援プログラムは、この受注内容をパーソナルコンピュータと増設周辺機器とに展開した後、同一品目単位に消込処理を行う。このような各製品での部品の組合わせをここでは仕様という。
【0007】従来の需要予測プログラムは、この消込を実現するために、受注での仕様と需要予測での仕様とを一致させなければならなかった。従って、需要予測を受注仕様で行うか、または、受注仕様を需要予測の仕様による各品目に展開するための展開用データを備え、受注データ毎に需要予測データに逢わせた品目の展開処理を行っていた。
【0008】そして、製品の特性およびマーケットに応じて先行手配を行う時の基準が異なるため、各製品の特性毎に需要予測プログラムを個別に作成する必要があった。このため、従来は、事業所や工場別に、また、マーケット別にローカルなシステムで需要予測の作成と消込とを行っていた。従来は、これにより、先行手配を所要量で行うシステムを確立していた。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記従来例では、多数の需要予測情報を共有することができない、という不都合があった。すなわち、消込処理とマーケットの特性に応じた先行手配とを実現するために、ローカルなシステムで需要予測情報を作成し、使用していたため、単一の事業所や工場内でも複数の需要予測プログラムを併用しなければならない、という不都合があった。
【0010】すると、例えば、事業所内の全需要予測を加算して事業所の売上げ予測データを作成するとか、在庫の増大による仮払金の増加を防止するための生産計画の立案であるとか、また、複数の生産ラインの稼働予定に基づいて生産ラインの選択を最適化するなどの処理を需要予測情報に基づいて行うことができなかった。
【0011】そして、特定の着眼点から経営上の戦略を構築し、需要予測を作成しようとしても、需要予測できる品目・製品の仕様は、先行手配や消込との関係で予め定められているため、需要予測のパターンが限定されてしまう、という不都合があった。
【0012】すなわち、上記従来例では、生産管理上の貴重な情報源である需要予測情報を活用して経営上、生産管理上、予算上の多角的な分析に利用することができない、という不都合があった。
【0013】
【発明の目的】本発明は、かかる従来例の有する不都合を改善し、特に、多様でかつ利用しやすい需要予測情報を生成することのできる需要予測方法及び需要予測装置を提供することを、その目的とする。
【0014】
【課題を解決するための手段】本発明の発明者は、従来の需要予測情報がローカルな個々の局面別に使用されていたのは、消込処理を実現するために需要予測情報のデータ構造をマーケット別に特有な構造としていたたことによると分析した。従って、多様で利用しやすい需要予測方法を生成するには、すなわち、従来の種々の需要予測情報を統合するためには、まず、消込処理の扱いを改善すべきであることを見いだした。消込処理に柔軟性を持たせることで、需要予測情報のデータ構造をより自由に定義することが可能となる。
【0015】この着想に基づき、上記目的を達成すべく、本発明では、演算装置と、この演算装置を動作させる各工程の処理内容が定義されたプログラムファイルおよび前記演算装置によって読出されるデータファイルを記憶した記憶装置と、前記演算装置にデータを入力する入力装置とを使用して需要予測を行う方法であって、確定した受注の内容を示す受注情報が前記入力装置を介して入力される受注情報入力工程と、前記記憶装置にデータファイルとして予め格納された需要予測情報を読み出す予測情報読出工程と、この予測情報読出工程によって読出される前記需要予測情報中の各予測対象及び予測期間ごとの予測数量データに対する消込む処理が予め定義された複数の消込ルールファイルを読み出す消込ルール読出工程と、この消込ルール読出工程に前後して前記受注情報による受注内容の特性と前記各消込ルールファイルとを関係づける商品情報を前記記憶装置から読み出す商品情報読出工程と、前記受注情報入力工程から入力された受注情報に応じて前記予測情報読出工程にて読み出された予測情報を更新する更新工程とを備えている。しかも、更新工程が、前記商品情報読出工程にて読み出された商品情報に基づいて前記受注情報による受注内容の特性に基づいて前記消込ルールファイルを特定するルール特定工程と、このルール特定工程にて特定された消込ルールに基づいて前記受注情報に関する消込データを生成する消込データ算出工程と、この消込データ算出工程にて算出された消込データに基づいて対応する前記需要予測情報を検索すると共に当該対応する需要予測情報を消し込む消込工程とを備えた、という構成を採っている。これにより前述した目的を達成しようとするものである。
【0016】本発明では、消込ルール読出工程にて、複数の消込ルールファイルを読出し、商品情報読出し工程にて、受注内容の特性と消込ルールファイルとを関係づけた商品情報を読出す。そして、受注情報が入力されると、ルール特定工程にて、受注情報による受注内容の特性に応じて、例えば、受注した品目や、顧客名や、納期や、予め定められた品目又は顧客別のマーケットなどの特性に応じて消込ルールファイルを特定する。そして、消込データ算出工程にて、この特定された消込ルールに基づいて受注情報の内容を消込データに変換する。消込ルールファイルに従って受注情報の内容から消込データを生成すると、受注情報のデータ構造による受注内容は、需要予測情報のデータ構造の形式に変換される。そして、消込工程にて、この需要予測情報のデータ構造での受注内容を当該需要予測情報から消し込む。したがって、需要予測情報のデータ構造別に消込ルールファイルを用意しておけば、需要予測情報を特別なデータ構造で作成する必要がなくなる。
【0017】
【発明の実施の形態】次に、本発明の実施の形態を図面を参照して説明する。図1は本実施形態による需要予測方法の構成を示すフローチャートである。図1に示す例では、演算装置と、この演算装置を動作させるプログラムファイル及びデータファイルを記憶した記憶装置と、演算装置にデータを入力する入力装置を使用して需要予測を行う。
【0018】この需要予測方法は、確定した受注の受注対象データと受注数量データと納期データとを有する受注情報が入力される受注情報入力工程(ステップS1)と、予め入力された需要の予測対象データと予測数量データと予測期間データとを有する予測情報を読み出す予測情報読出工程(ステップS2)と、この予測情報読出工程に前後して受注情報中の受注対象データと予測情報中の予測対象データとを対応づける対象情報と受注情報中の納期データと予測情報中の予測期間データとを対応づける期間情報と予測情報中の予測数量データを消込む処理が定義された処理情報とを有する複数の消込ルールファイルを読み出す消込ルール読出工程(ステップS3)と、この消込ルール読出工程に前後して受注情報中の受注対象データと各消込ルールファイルとを関係づける対応情報を含む商品情報を読み出す商品情報読出工程(ステップS4)と、受注情報入力工程1から入力された受注情報に応じて予め入力された予測情報を更新する更新工程(ステップS5乃至S7)とを備えている。
【0019】この更新工程は、商品情報読出工程S4にて読み出された商品情報と受注情報入力工程から入力された受注情報とから消込ルールファイルを特定するルール特定工程(ステップS5)と、このルール特定工程S5にて特定された消込ルールに基づいて受注情報の消込対象と消込期間と消込数量とを有する消込データを算出する消込データ算出工程(ステップS6)と、この消込データ算出工程S6にて作成された消込データに応じて対応する予測情報を更新する消込工程(ステップS7)とを有する。
【0020】図1に示す例では、受注情報入力工程S1から受注情報が入力されると、消込ルール読出工程S3にて複数の消込ルールファイルが読み出される。そして商品情報読出工程S4にて商品情報が読み出され、予測情報読出工程S2にて予め格納された予測情報が読み出される。そして、ルール特定工程S5では、受注対象データに基づき商品情報を参照して消込ルールファイルを特定する。その後、消込データ算出工程S6では、特定された消込ルールファイルに基づき受注情報に応じた消込データを算出する。
【0021】好ましい実施形態では、消込データ算出工程S6が、ルール特定工程S5にて特定された消込ルールファイル中の対象情報に従い受注対象データに対応する消込対象を算出する対象算出工程と、この対象算出工程に前後してルール特定工程にて特定された消込ルールファイル中の期間情報に従い納期データに対応する消込期間を算出する期間算出工程と、この消込対象及び消込期間に対応する予測数量データを特定するとともに特定された消込ルールファイル中の処理情報に従い受注情報中の受注数量データに応じて予測数量データから消し込まれる消込数量を算出するデータ算出工程とを備えると良い。
【0022】このような構成によれば、消込データ算出工程の対象特定工程では受注対象データに基づいて消込ルール中の対象情報に従い対応する予測対象データである消込対象が算出される。これに前後して期間特定工程では納期データに基づいて消込ルール中の期間情報に従い対応する予測期間データである消込期間が算出される。そして、データ算出工程では算出された消込対象及び消込期間から対応する予測数量データを特定するとともに、消込ルール中の処理情報に従い受注情報中の受注数量データに応じて予測数量データから消し込まれる消込数量が算出される。これにより消込対象と消込期間と消込数量とを有する消込データが算出される。すると、需要予測情報の対象、期間といった項目を変更することなく、予測情報中の予測対象データ、予測期間データに応じた対象、期間、処理を特定して消込データが算出される。
【0023】需要予測データの例を図2を参照して説明する。図2に示す例では、98年の12/11から12/18まで100個、12/18から12/25までが150個、12/25から99年1/4までが100個という需要予測が立てられている。これに対し、例えば、12/13に50個という確定受注が入った場合には、この50個の分の部品については先行手配をすべき最終日よりも前に、確定受注が入った段階で手配する。また、12/16日の40個についても同様である。このとき、需要予測情報から計90個の確定受注分を消し込まなければ、需要予測情報による先行手配が必要な量よりも多くなってしまう。このため、図2に示すように100−90=10個に消込を行う。
【0024】この消込データの算出では、品目が一致しているとしても、需要予測情報は1週間単位に作成されており、一方、受注情報は1日単位で作成されている。従って、この受注情報が入力されたときには、消込ルールファイルに基づいて期間を一致させた消込情報を作成したのちに消込処理を行う。
【0025】図2には、消込データの算出として消込期間の算出を示したが、具体的には、消込対象と消込期間と消込数量の3つを算出する。まず、受注対象データに応じて特定された消込ルールの対象情報に従い消込対象が算出される。次に納期データに応じて期間情報に従い消込数量が算出される。そして、算出された消込対象と消込期間とにより消し込む対象となる予測数量データが特定され、この予測数量データから処理情報に従い受注数量に応じた消込数量が算出される。
【0026】消込ルールファイルは、基本的には、受注情報の品目別に特定すればよい。しかし、量販品と特注品の違いなどは、事業部別にグループ分けできる場合がある。また、製品群で別れる場合もある。図3は製品A乃至Dが顧客別にグループ分けされた例を示す説明図である。図3に示すように、ある製品群を顧客によってグループ分けできる場合には、商品情報は、顧客と消込ルールファイルを対応づけるテーブルを備えるとよい。この場合、受注内容の特性はその受注した「顧客」となる。各製品毎ではなく、顧客別に定義することで、商品情報の容量を小さくすることができる。
【0027】図4(a)乃至(d)は複数種類の予測情報の例を示す説明図である。図4の各需要情報は、図3に示すツリー状態に対応している。従来は、消込処理を行う関係上、図4(d)に示す第4の需要予測情報を作成していた。しかしながら、本実施形態によると、何らかの処理で先行手配すべき部品が特定できるのであれば、図4(a)乃至(c)に示す種々のデータ構造での需要予測情報を作成することができる。例えば、まず事業部別の需要予測情報(売上目標)を立案し、これを各顧客や製品群で分配し、その後に製品レベルの需要予測情報を立案するようなことが可能となる。
【0028】事業部別の予測情報までしか作成されていないときに、消込データを生成するには、例えば、消込ルールファイルによる指示に需要予測情報の分解指示を含めるようにするとよい。この場合、第1の需要予測情報内には当該受注した品目が定義されていなくとも、例えば図3に示すツリー構造を消込ルールファイルに含めておくことで、第1の需要予測情報から当該確定受注分の売上を消し込んだ上、その消込が属する製品を当該第1の需要予測情報に付加すればよい。その後、第1の需要予測情報を各顧客や製品群に分解するときには、当該第1の需要予測情報には確定受注の内容が図3に示すようなツリー構造と共に付加されている。
【0029】すなわち、消込対象の算出処理は、図4に示すように、需要予測情報の予測対象データが複数の製品を取り扱う事業部別に立案されいる場合、受注対象データとしての商品名が入力されると、対象情報に従ってこの商品名に応じた事業部が消込対象として算出される。このように受注対象データと予測対象データとが異なる場合であっても受注対象データから予測対象データが算出される。
【0030】また、需要予測情報が暦に従い、例えば2ヶ月ごとの予測期間で立案されている場合には、納期データとして年月日を特定する日時が入力されると、予測期間の始期と終期とから期間情報に従って納期データの日時に応じた消込期間が算出される。この需要予測情報が例えば1週間単位、1月単位、1年単位で立案されている場合であっても同様である。従って、予測対象ごとにどのような単位期間で需要予測情報が立案されていても納期データに応じた消込期間が算出される。
【0031】さらに、需要予測情報がある基準時に基づき暦とは無関係の時間単位の期間で区分されて立案されている場合に、納期データとして年月日を特定する日時が入力されると、期間情報に従ってこの納期データの日時に応じた期間の区分が消込期間として算出される。このように、納期データと予測期間データとの構成が異なる場合であっても、本実施形態では、納期データと予測期間データとが対応づけられる。よって、予測期間データの暦情報の有無にかかわらず、納期データに応じた消込期間が算出される。
【0032】そして、各々算出された消込対象と消込期間とから消し込む対象となる予測数量データが特定されるから、予測対象ごとに消込対象と消込期間との組み合わせが異なる需要予測情報であっても受注数量に応じて処理情報に従い予測数量データから消込む消込数量が算出される。すると、予測期間データと納期データとの期間の設定が違う場合であっても各期間の需要予測情報の予測数量データに応じた消込処理消込データが作成される。
【0033】このように、需要予測情報の対象や期間といった項目を変更することなく、予測情報の対象や期間といった項目に対応させた消込データを算出して、受注情報を反映させた消込データが算出され需要予測情報が更新される。
【0034】次に、本発明による需要予測装置の実施の形態を説明する。図5は本実施形態による需要予測装置の構成を示すブロック図であり、図6は各手段の詳細構成を示すブロック図である。
【0035】図5に示すように、本発明による需要予測装置は、予め入力された需要の予測情報を記憶する需要予測情報記憶手段9と、この需要予測情報記憶手段9に格納された需要予測情報中の商品に関連する情報を記憶した商品情報記憶手段8と、確定した受注の内容を示す受注情報が入力される受注情報入力手段2と、この受注情報入力手段2から入力された受注情報に応じて前記需要予測情報記憶手段9に格納された需要予測情報を更新する更新手段3と、この更新手段3によって更新された更新需要予測情報を出力する出力手段7とを備えている。
【0036】そして、商品情報記憶手段8は、図6に示すように、前記需要予測情報から前記受注情報による受注分を消し込む際のルールが定義された複数の消込ルールファイルを記憶するルール記憶部17と、前記受注情報による受注内容の特性と前記各消込ルールファイルとを関係づける商品情報テーブルを記憶する商品情報テーブル記憶部16とを備えている。
【0037】さらに、前記更新手段3は、図5に示すように、前記受注情報入力手段2から入力された受注情報に対応する前記消込ルールファイルを前記商品情報テーブルに基づいて特定するルール特定部4と、このルール特定部4によって特定された消込ルールに基づいて前記受注情報から消込データを生成する消込データ生成部5と、この消込データ生成部5によって生成された消込データに基づいて対応する前記需要予測情報を検索すると共に当該対応する予測情報を消し込む消込部6とを備えている。
【0038】更新手段3のルール特定部4では、受注情報と商品情報テーブルとに基づいて消込ルールファイルを特定する。そして、消込データ生成部は、消込ルールに従い受注情報に応じて、消込対象、消込期間、消込数量を有する消込データを算出する。この消込データの算出は、消込データが有する消込対象と消込期間と消込数量の各値を算出することにより行われる。まず、受注対象データに応じて特定された消込ルールの対象情報に従い消込対象を算出する。次に納期データに応じて期間情報に従い消込数量を算出する。そして、算出された消込対象と消込期間とにより消し込む対象となる予測数量データが特定できるから、この予測数量データから消込む消込数量を受注数量に応じて処理情報に従い算出する。すると、需要予測情報の予測期間を変更することなく、納期データに基づいて需要予測情報の予測期間に応じた消込期間が算出され、需要予測情報の予測期間データの暦情報の有無に関わらず納期データに応じた消込期間が算出される。
【0039】そして、おのおの算出された予測対象データと予測期間データにより消し込む対象となる予測数量データが特定され、この組み合わせが異なる需要予測情報であっても受注対象データから消込対象が算出され、納期データから消込期間が算出され、消込がなされる予測数量データが特定され、処理情報に従い受注数量に応じた消込数量が計算される。すると、予測期間データと納期データとの期間の設定が違う場合であっても各期間の需要予測情報の予測数量データに応じた消込処理消込データが作成される。このように、図5に示す例では、需要予測情報の予測対象、予測期間を変更することなく、予測情報の対象や期間といった項目に対応させた消込データを算出して、受注情報を反映させた予測情報の更新がされる。従って、需要予測情報のデータ構造を受注情報のデータ構造に依存させる必要がなくなり、このため、従来にない自由な形式で需要予測情報を作成することができる。
【0040】また、ある実施形態では、図6に示す商品情報テーブル記憶部が、受注情報の品目別に前記消込ルールファイルを指定したテーブルを備えるとよい。また、受注情報の品目別ではなく、受注情報の顧客または顧客グループ別に消込ルールファイルを指定したテーブルを備えるようにしても良い。
【0041】図6を参照して消込データ算出部の詳細構成を説明する。この例では、まず、受注情報は、受注対象の品目を示す受注対象データと、当該受注対象の納期を示す納期データと、当該納期の受注対象の数量を示す受注数量データとを有する。そして、消込データ生成部5は、前記ルール特定部4によって特定された消込ルール中の対象情報に従い前記受注対象データに対応する前記需要予測情報での消込対象を特定する対象算出機能12と、ルール特定部4によって特定された消込ルール中の期間情報に従い前記納期データに対応する前記需要予測情報での消込期間を算出する期間算出機能13と、この期間算出機能によって算出された消込期間別でかつ前記対象算出機能によって特定された消込対象別に当該消込対象及び消込期間に対応する需要予測情報中の予測数量データを特定するとともに前記受注数量データに基づいて当該予測数量データから消し込む消込数量を算出する数量算出機能14とを備えている。
【0042】このような構成によれば、対象算出機能12が、受注対象データに基づいて対象情報に従い対応する予測対象データである消込対象を算出する。期間算出機能12は、納期データに基づいて期間情報に従い対応する予測期間データである消込期間を算出する。そして、数量算出機能14は、消込対象と消込期間とから対応する予測数量データを特定するとともに、消込ルール中の処理情報に従い受注情報中の受注数量データに応じて予測数量データから消し込まれる消込数量を算出する。これにより消込対象と消込期間と消込数量とを有する消込データが算出され、この消込データは消込部へ向けて出力される。すると、需要予測情報の対象、期間といった項目を変更することなく、予測情報中の予測対象データ、予測期間データに応じた対象、期間、処理を特定して消込データが算出される。
【0043】また、需要予測情報は予測期間における製品等の数量であるから、消込データは特定された予測期間データに対応した消込数量として算出される。よって、需要予測情報の予測期間の単位が1月単位とされている場合に、これを3ヶ月ごとにまとめた需要予測情報を得る場合には、この処理情報中には受注数量データを3分割して各予測期間データに対応する各予測数量データから受注数量データの1/3ずつを減算するといった情報が含まれている。
【0044】図7に需要予測情報22の一例を示す。ここでは、需要予測情報は、予測対象と、予測期間(予測単位期間の先頭日)と、予測数量とを備えている。図8に受注情報の一例を示す。図8に示す例では、受注情報は、受注情報を顧客から受付けた日(受付情報)と、受注番号と、受注対象と、当該受注した製品の納期と、数量とを備えている。受注対象としては、顧客名と、商品・商品群とを備える。
【0045】図9に消込ルールの内容の例を示す。例えば、ルール1は、商品a,製品Aについて用いられ、期間をTB―1とし、当該商品aの部品の最終手配可能日が経過した場合には予測数量を0へ更新する処理である。この内容が、データ及びプログラムとして消込ルールファイル内に定義される。消込ルールは、需要予測情報の多様性に応じて定義する。需要予測情報をある商品群て作成する場合には、または、組立品についてそのオプションを別に予測する構成であれば、受注情報をその仕様へ変化させるルールを定義する。また、1週間を単位として需要予測情報を作成した場合には、受注情報での納期を当該需要予測情報での期間単位に写像する。
【0046】受注情報に対してどのルールを適用するかは、例えば図3に示したように、需要予測情報の階層に応じて定る。単純に全ての商品毎にルールを与えてもよいし、また、販売上の特性を分ける単位として、顧客を基準にルールを定めても良い。さらに、事業部別に需要予測情報のデータ構造が異なるのであれば、製品群でこの事業部を特定するようにしても良い。そして、ある商品に適用すべき消込ルールは1つに限らず、例えば製品群で当該事業部のデータ構造へ変化させるための消込ルールを適用し、当該受注した製品名でその製品特有の消込ルールを適用するようにしてもよい。このとき、受注情報の同一の項目について異なるルールがそれぞれの消込ルールに定義されている場合、例えば、階層の低い対象に応じて選択された消込ルールを適用するようにするとよい。具体的には、顧客別に選択した消込ルールよりも、商品に基づいて選択した消込ルールを優先する。このようにすると、従来よりあるプログラム開発における承継の考え方や、変数の有効範囲の考え方と同様となるため、消込ルールの開発や、保守や、追加が容易となる。さらに、消込の対象とする需要予測情報は1つと限らず、ある事業所が先行手配用の需要予測情報と、売上管理用の需要予測情報とを持っている場合、1つの受注情報について、先行手配用の受注予測情報に対しては消込処理を、売上管理用の需要予測情報に対しては、予測を上回った受注の場合に当該受注分を上乗せする処理を行うように消込ルールファイルを定義することもできる。
【0047】図10に消込データの一例を示す。ここでは、消込ルールファイルに従って期間の特定と対象の追加とを行っている。図7に示す需要予測情報では、予測対象はA,B,Cである。そして、受注番号J―1は、商品名aに従って図9に示すルール1が特定される。そして、ルール1に基づいて需要予測情報のAが選択され、且つ、期間を需要予測情報に逢わせた12月1日とし、消込数量を50とする。消込データ算出部5が、消込データを生成した後、消込部6は、図10に示すように需要予測情報を更新し、Aの値を50とする。
【0048】図8に示す受注番号J−2の受注については、商品名cに基づいて図9に示す消込ルール3が選択される。そして、このルール3に基づいて受注情報を消込データへ変換する処理が行われる。ここでは、商品cは予測情報のBおよびCに対応するため、それぞれの予測対象に対する消込数量を計上する。そして、それぞれの予測数量を更新し、図10に示すように、Bを7、Cを2とする。
【0049】図11に対象読替えテーブルの例を示す。この例では、商品情報記憶手段8が、受注対象データを構成する複数の商品又は商品群データを他の商品又は商品群データに対応づけた対象読替情報を記憶する対象読替テーブル記憶部18を備えると良い。この例では、消込データ生成部5の対象算出機能12は、ルール特定部4によって特定された消込ルールファイルの対象情報中に受注対象データの読み替えを指令する読替情報が含まれている場合に、受注情報中の受注対象データを構成する商品又は商品群データを前記対象読替テーブルに基づいて対応する他の商品又は商品群データへ読み替える(対象読替機能11)。
【0050】この対象読替機能11により、消込ルールの対象情報中に受注対象データの読み替えを指令する読替情報が含まれている場合に、この受注情報中の受注対象データを構成する商品又は商品群データは、対象読替テーブルに基づいて対応する他の商品又は商品群データへ読替える。具体的にはA,B,C,Dからなる受注対象データが入力されると、これをA,B,C,Dに展開することなく、商品A,B,Cを商品群Xと読み替え、受注対象データを商品群Xと商品Dとへ読み替えられる。すると、複数の商品又は商品群から構成されている受注対象が、すべての商品ごとに展開することなく他の商品又は商品群に読み替えられて対象算出機能12へ送出される。図12に商品情報テーブルの一例を示す。この例では、商品情報テーブル記憶部16に格納された商品情報テーブルが、受注情報中の受注対象データに対応する前記各消込ルールファイルを所定のルール適用期間ごとに関係づけた改訂ルール情報を有するとともに、前記受注情報入力手段から入力される受注情報が当該受注情報の入力される日時の情報である受付情報を有している。そして、ルール特定部4が、受付情報に基づいて当該受付情報中の受付日時が属するルール適用期間を特定する適用期間算出機能と、この適用期間算出機能が特定したルール適用期間と受注情報中の受注対象データとに基づいて商品情報テーブル中の改訂ルール情報を参照して消込ルールファイルを特定する改訂ルール特定機能とを備えている。
【0051】このような構成によれば、商品情報テーブル記憶部には改訂ルール情報が格納される。受付情報は受注情報入力手段から入力される。適用期間算出機能では受付情報中の受付日時が属するルール適用期間を特定し、改訂ルール特定機能では特定したルール適用期間と受注対象データと商品情報テーブルとから消込ルールファイルを特定する。すると、確定受注を入力する日時(予測情報を消し込む日時)において適用される改訂消込ルールが特定され、これに従った予測情報の消込が行われる。
【0052】また、商品情報記憶手段の商品情報テーブル記憶部に、受注情報入力手段から入力される対応情報を含む情報に基づいて商品情報記憶手段に記憶された商品情報テーブル中の情報を更新する商品情報テーブル更新部を併設してもよい。このような構成によれば、商品情報テーブル更新部では、受注情報入力手段から入力される商品情報に基づいて商品情報記憶手段に記憶された商品情報テーブル中の情報が更新される。
【0053】さらに、商品情報記憶手段8が、受注情報入力手段2から新たな消込ルールファイルが入力された時には当該消込ルールファイルを前記ルール記憶部に格納するルール登録部を備える構成としてもよい。この例では、ルール登録部では、入力される消込ルールファイルに基づいて記憶された消込ルールファイルを更新する。消込ルールファイルは対象情報、期間情報、処理情報とを有しており、これらの各情報の変更に応じてそれぞれの消込ルールの内容が更新される。
【0054】図13のフローチャートを参照して図5および図6に示した需要予測装置の動作を再度説明する。図13に示す処理は、演算装置と、この演算装置を動作させる各工程の処理内容が定義されたプログラムファイルおよび前記演算装置によって読出されるデータファイルを記憶した記憶装置と、前記演算装置にデータを入力する入力装置と、これらを使用して需要予測を行う需要予測用プログラムとによって実現できる。図5に示す例では、記憶装置は、商品情報記憶手段8と需要予測情報記憶手段9とを備え、例えば磁気ディスクである。入力装置は、入力手段2を備え、例えばキーボードとポインティングデバイスである。また、需要予測用プログラムを実行する演算装置は、更新手段3として機能する。演算装置は、オペレーティングシステム上で動作するコンピュータである。
【0055】前記プログラムは、前記演算装置を動作させる指令として、確定した受注の内容を示す受注情報を前記入力装置を介して入力させる受注情報入力指令と、前記記憶装置にデータファイルとして予め格納された需要予測情報を読出させる予測情報読出指令と、この予測情報読出指令に応じて読出される前記需要予測情報中の各予測対象及び予測期間ごとの予測数量データに対する消込む処理が予め定義された複数の消込ルールファイルを読出させる消込ルール読出指令と、前記受注情報による受注内容の特性と前記各消込ルールファイルとを関係づける商品情報を前記記憶装置から読出させる商品情報読出指令と、前記受注情報入力指令に応じて入力された受注情報に応じて前記予測情報読出指令にて読み出された予測情報を更新する更新指令とを備える。
【0056】そして、更新指令が、前記商品情報読出指令に応じて読み出された商品情報に基づいて前記受注情報による受注内容の特性に基づいて前記消込ルールファイルを特定させるルール特定指令と、このルール特定指令にて特定された消込ルールに基づいて前記受注情報に関する消込データを生成させる消込データ算出指令と、この消込データ算出指令にて算出された消込データに基づいて対応する前記需要予測情報を検索すると共に当該対応する需要予測情報を消し込む消込指令とを備えている。
【0057】ここで、「させる指令」とは、そのプログラムのみでコンピュータを動作させる指令と、オペレーティングシステムに依存して動作させる指令とを含む。例えば、予測情報読出指令は、実際には、読み取り対象のファイル名をオペレーティングシステムに引渡す命令であり、磁気ディスク装置から当該ファイルを読出すのはオペレーティングシステムが行う。このように、「させる指令」というときは、他のプログラムに依存して実行される形態の指令を含む。
【0058】このプログラムが動作すると、図13に示す各工程を実行する。まず、需要予測情報が入力される(ステップS11)。この入力の形式は、消込ルールによって許容される形式となる。需要情報が生成された後、確定受注を受けると、当該受注情報が入力される(ステップS12)。受注情報が入力されると、受注情報中の受注対象データと商品情報テーブルとに基づいて当該受注情報に適用する1又は2以上の消込ルールを特定する(ステップS13)。ここで、消込ルール中に読替情報が定義されている場合には(ステップS14)、受注対象データを読替える(ステップS15)。そして、ステップS16に進む。
【0059】ステップS16では、受注情報と消込ルールとに基づいて、まず、需要予測情報中の予測対象を特定し、さらに、予測期間を特定する。次に、特定された予測対象と予測期間について、受注情報から消し込むべき数量を算出し、消込データを生成する(ステップS17)。そして、この消込データに基づいて需要予測情報を更新する(ステップS18)。
【0060】上述したように本実施形態は、ルール特定部が、受注情報に基づいて予測対象の対象、期間、処理に応じた消込ルールファイルを特定し、消込データ生成部が特定されたルールに基づいて消込データを作成するから、各需要予測ごとの予測対象、予測期間及び消込処理に対応させた消込を行うことができ、需要予測情報においてその対象、期間及び消込処理の異なる場合であってもそれぞれの需要予測情報の対象に対応させた消込処理を行うことができ、予測の対象が量販品か特注品かといった需要予測上の特性の異なる複数の製品を一のシステムにて管理することができる。また、各需要予測情報の利用の目的や用途に応じて予測対象が変更され又は予測期間が細分化された場合であっても、これら各需要予測情報の予測対象、予測時期、消込処理に適応させた消込処理を行うことができるから、各目的ごとに作成された需要予測情報の精度を低下させることなく受注情報に基づいて各需要予測情報を更新することができる。
【0061】しかも、前述した消込の処理を、予測対象の項目(例えば事業部、顧客、製品群、製品)、予測期間の種類(例えば年、期、月、週、日)や消込処理の仕方ごとに又はこれらを組み合わせて定義した消込ルールファイルに基づいて行うことにより、従来消込処理ごとに需要予測を立案するなど消込処理の態様によって制限されていた需要予測の態様を増加させることができ、様々な態様で需要予測を立案することができるため、予測対象、予測期間又は消込処理が異なる予測情報であっても1つのシステムで管理することができ、汎用性のある需要予測装置を提供することができる。
【0062】そして、このような需要予測装置によれば取り扱う製品の需要予測上の特性にかかわらず生産管理に関する情報の集中を図ることができることから、例えば異なる事業部の予算をまとめて管理することができ、部品手配のための所要量展開への入力を一本化でき、商品在庫を一元的に管理することができ、このように情報が集中化された需要予測情報によれば予算の検討や生産の管理や部品の受発注等において集計的に又は個別的に検討するための有用な資料となり、生産管理システム全体の利用の便宜を向上させることができる。
【0063】また、前述したデータ作成部が対象算出機能と期間算出機能とデータ作成機能とを備えることによって、ルール情報中の対象情報に基づいて消込処理がなされるべき予測対象を特定し、これとは別にルール情報中の期間情報に基づいて消込処理がなされるべき予測期間を特定し、さらにルール情報中の処理情報に基づいて消込データが作成されることから、消込ルールファイル中の各情報に基づいて確実に需要予測情報の消込データを作成することができる。
【0064】さらに、ルール特定部の適用期間算出機能と改訂ルール特定機能とによって受注情報が入力された日時である受付情報と改訂ルール対応情報と商品情報テーブルとに基づいてこの受注情報に基づく消込処理が行われる日時に適用される消込ルールファイルに基づいて予測情報を消し込むことができるから、立案されてから実際に確定受注を受けるまでの期間中に予測対象等の項目が順次改訂される需要予測情報の改版に伴い変更された予測情報の予測対象・予測期間・消込処理に対して、消込処理を行う時点の需要予測情報の各予測対象、予測期間及び消込処理に応じた消込ルールファイルで消込処理を行うことができ、これにより確定受注を受けて消込処理を行う日時に実際に利用されている予測情報に対してその予測情報の予測対象、予測期間、消込処理をもって消込を行うことができるから、立案から時間経過に伴い改訂される需要予測情報の受注時点における各需要予測情報に応じた受注情報の消込処理を行うことができ、改訂されるごとに必要であった対象や期間を読み替えるといった処理業務を不要とすることができ、需要予測情報の立案者は付随する業務の発生に制限されることなく改訂の回数を増加させることができるから、予測情報立案から生産までの利用目的に応じた精度の高い需要予測情報を得ることができる。
【0065】そして、消込ルールファイルは対象情報と期間情報と処理情報とを含む構成を採っており、ルール登録部がルール記憶部に記憶されたルールを更新することから、消込ルールファイル中の対象情報、期間情報又は処理情報いずれか又は2以上の内容に変更があった場合であっても、プログラム全体を修正することなく各情報を更新することができる。さらに、消込データ生成部が対象算出機能と期間特定機能とデータ作成機能を有する構成によれば、各消込ルールファイルの変更が確実に需要予測情報の消込に反映される。
【0066】このようなルール登録部によれば消込ルールファイル中の対象情報と期間情報と処理情報の各パターンを予め用意することで消込ルールファイルの内容を容易に変更することができ、その組み合わせを変更することで消込ルールファイルの態様を増加させることができ、ユーザである需要予測情報作成者自身がルール内容を変更することができる。
【0067】そして、商品情報テーブル更新部が、商品情報記憶手段に記憶された商品情報テーブル中の商品情報を更新することから、顧客の要請によって追加・変更がされやすい受注情報中の受注対象の追加・変更に対応することができるから、品目データと消込ルールファイルとの関係の変更にも対応することができ、ルール登録部によってルール情報が追加された場合にも対応することができ、商品情報中の各情報の変更を需要予測情報に反映させることができるため需要予測情報の精度を維持することができる。
【0068】消込データ生成部の対象算出機能が有する対象読替機能が、特定されたルール情報中の読替情報に基づいて受注対象を構成する複数の商品又は商品群を他の商品又は商品群へ読み替えることから、ルール情報において各商品ごとに対応する各対象情報を持つことなく受注対象を予測対象へ読み替えることができ、受注対象中の複数の商品のすべてを単位となる各商品へ展開して再度予測対象へ対応づける必要がないことため、各商品ごとへの展開に要していたデータ容量及び処理時間を削減することができる。
【0069】さらには、対象読替テーブル更新部により対象の読み替えに用いられる対象読替テーブル中の情報を更新するから、顧客のニーズに応じて設定される商品の仕様(組み合わせ)に変更が生じた場合に、ルール情報の変更をせずにその変更を需要予測情報に反映することができる。
【0070】このように、本実施形態によると、予測の対象となる製品や顧客又は事業部の需要予測上の特性の相違(例えば量販品か特注品か等)によって又は需要予測情報の利用の目的の相違(例えば予算、生産計画、営業計画、部品手配)によって需要予測情報の予測対象、予測期間及び消込処理のそれぞれが異なる場合であってもこれらを一のシステムにおいて管理することができるから、製品ごと、生産拠点(工場等)ごと、又は事業部ごとといった固定的な対象について立案していた需要予測を任意に設定して複数の対象について汎用的に取り扱うことができ、複数の工場や複数の事業部を持つ企業であっても生産管理に関する情報を集中的に管理することができ、このような需要予測情報によれば事業計画や予算や生産計画等において多角的な分析をすることができる。
【0071】
【実施例】実施例として代表的な三態様の消込ルールファイルが適用される消込処理について具体的に説明する。本実施例では、消込ルールとして、前記需要予測情報中の各品目を構成する部品の最終手配日前に前記受注情報が入力された場合に当該部品の消込データを生成させる指示と、前記最終手配日後に前記受注情報が入力された場合には消込データを生成させない指示とを備える。この消込ルールを、タイムフェンス消込という。また、他の消込ルールとして、前記需要予測情報を作成した品目の仕様と前記受注情報での品目の仕様とが異なる品目について前記受注情報が入力された場合に当該受注情報での品目を前記需要予測情報での品目へ展開させる指示を備える。これを混成品目消込という。
【0072】図14は需要予測装置1の実施例を示す図表である。この実施例では、予測情報入力手段2から入力される需要予測情報2が、マーケット番号22a、納期22b、需要予測数22d、消込数22e、および消込フラグ22gを備えている。これらの情報は予め入力され記憶していてもよい。また、受注情報入力手段2から入力される受注情報21は、受注番号21a、顧客番号21b、納期21c、品目21d、および受注数21eを備えている。そして、商品情報記憶手段8は、商品情報として、モデル情報25a、顧客情報25b、品目情報25c、バケット情報25d、マーケット情報25e、および受注情報25fとを記憶する。
【0073】モデル情報25aは、予測対象が複数の製品から構成されるモデルで設定されている場合のモデルと受注対象の品目とを関係づける情報である。ここでモデルとは例えば繰り返し性の高い製品構成を管理する製品群といった予測対象として任意に定義される製品のカテゴリである。
【0074】顧客情報25bは、顧客を区別する顧客番号と製品を任意のカテゴリに区分したマーケットを区別するマーケット番号とを関係づける情報である。ここで、「マーケット」は、製品を予算、営業、生産計画等の利用目的に応じて例えば事業部ごと、顧客ごと、生産工程ごと等の任意に定義される予測対象のグループである。また顧客は、受注を発する注文主である。
【0075】品目情報25cは、予測対象の一例である品目と固定期間を関係づける表である。固定期間は、製品の納期に対する当該品目を手配すべき最終期限までの期間であり、各品目別に定義される。部品の先行手配のためには、手配のリードタイムを考慮して需要が予測される期間よりも一定の時間だけ繰り上げて先行して手配をしなければならない。この部品の手配時を経過した以後の時期では、部品の先行手配がすでに行われているため、受注数量データの消込の利益がない。従って、本実施例では部品の手配時を過ぎた時期の需要予測情報については、予測数量データを変更することができないとしている。この固定期間は現在の日付から予め定められた期間であってもよい。品目は、例えば商品又は商品群、製品又は製品群等の受注対象または予測対象となりうるものをいう。
【0076】バケット情報25dは、予測期間データの単位期間であるバケットと、そのバケットの先頭日の暦の日である年月日のデータとを関連づける情報である。また、このバケット情報25dには、稼働又は非稼働、稼働工程の情報といった生産管理に関する情報を有する。
【0077】マーケット情報25eは、マーケットの種類を示すマーケット番号と消込ルールを特定する消込ルール番号とを関係づけたものである。受注仕様情報25fは、受注仕様と品目と単位数とを関係づける情報である。受注仕様は、顧客別の受注製品構成が管理される受注対象データの一態様である。例えば、受注仕様Xが、ハードディスク1つと、キーボード1つと、ディスプレイ1つと、スピーカ4つとから構成されるとき、品目がハードディスクで単位数が1つ、品目がスピーカで単位数が4つといった情報が受注仕様ごとに格納される。
【0078】また、対象読替テーブル23には、読み替え前の受注品目1と需要予測の対象となる品目に適応させた読み替え後の受注品目2とを関係づけた情報が格納されている。
【0079】受注情報入力手段2から入力された受注情報21、予測情報入力手段から入力された需要予測情報22と、モデル情報25a等の商品情報と、対象読替テーブル23とは、記憶手段24に格納されている。
【0080】更新手段3は、入力された受注情報21と商品情報とに基づいて消込ルールファイルを特定し、消込データを生成し、そして記憶手段に格納されている需要予測情報22を更新する。この更新された需要予測情報22は所要量展開システム、在庫管理システム、受発注システム等の生産管理システムで利用される。
【0081】図15の(a)に一例を示す顧客情報25bは、受注を受ける顧客を定義する顧客番号とこの顧客とマーケット番号を対応づける。この実施例ではマーケット番号は顧客を束ねた予測対象である。図15(b)は、マーケット情報の一例を示しており、マーケット番号と消込ルールファイルとを関係づける。図15(b)には消込ルールの例として、タイムフェンス消込と同一品目消込(品目−品目)、と混合品目消込(品目又はモデル―受注仕様)との代表的な3例があげられている。消込ルールファイルは、消込ルール別に予め作成されている。この消込ルールファイルは、受発注の変化や、新しい需要予測のパターン等に応じて新たに生成すると良い。この消込ルールファイルは、消込用のプログラムとデータとを有する。この消込ルールファイルを予め定められたディレクトリ等に格納することで需要予測プログラムのプラグインとして利用できる。すると、需要予測のパターンの柔軟性をより高めることができる。
【0082】図15(b)に示す消込ルール1の「タイムフェンス消込」とは、品目ごとに登録されている固定期間(予測変更が不可能な)以前の需要予測情報22を削除する(例えば所要量計算対象外とする)消込処理を指令するものである。タイムフェンス消込の消込ルール中には、(a)同一品目を算出する対象情報と、(b)納期データの属する予測期間を算出する期間情報と、(c)納期データが入力日の日付から30日以内である場合には需要予測数を0(ゼロ)するように指令する処理情報とを有する。量販品受注のように、出荷台数の大枠を定めておき、先行して部品を手配するようなケースに向いている。
【0083】消込ルール2の「同一品目消込」とは、文字通り同一品目どうしでの消込処理を指令するものである。この消込ルールファイルは、(a)受注情報22の品目22dと同一品目を算出する対象情報と、(b)納期データの属する予測期間を算出する期間情報と、(c)需要予測数量22dから受注数22eを減算する旨を指令する処理情報とを有する。単品受注を受けるケースや、品目での細かい消込を実現する業務に向いている。
【0084】消込ルール3の「混合品目消込」とは、品目読替テーブルを参照し品目の読替えをして需要予測を消し込む消込処理を指令するものである。この消込ルールファイルは、(a)複数の商品群からなる受注情報の品目22dを他の商品又は商品群に読み替える対象読替を指令する対象読替情報と、読み替えられた品目と同一品目を算出する対象情報と、(b)納期データ22cの属する予測期間22bを算出する期間情報と、(c)需要予測数量22dから受注数22eを減算する旨を指令する処理情報とを有する。システム品受注のように製品を組み合わせて受注をうける形態に向いている。
【0085】更新手段3では、入力された受注情報2の顧客番号21bに基づいてマーケット情報25eを参照してマーケット番号を特定し、この特定されたマーケット番号に基づいて消込ルールファイルを特定する。
【0086】各消込ルールファイルに基づく処理を、図1414乃至図16に基づいて説明する。図16には受注情報21と更新手段3と需要予測情報22とを表し、消込処理における各データの対応を示している。
【0087】(1)受注番号JUCHU1についてJUCHU1の受注情報21aが入力されると、顧客番号22bのK1−1、K1−2に基づいて顧客情報25bを参照してマーケット番号M101、M101を特定し、このマーケット番号に基づいてマーケット情報25eを参照して消込ルール番号を特定する。特定されたマーケット番号M101に対応する消込ルールは、消込ルール1となる。
【0088】消込ルール1はタイムフェンス消込である。このタイムフェンス消込は需要予測数22dから減算するのではなく固定期間を過ぎて受注した受注情報21を需要予測情報22の更新の対象外とする処理である。この固定期間は現在の日付から所定の期間を設定したものである。
【0089】ルール1ではJUCHU1の品目データHMK−01の固定期間は30日前として設定されているので、納期から30日間を経過した後には需要予測情報の更新の対象外とすることとなる。現在の日付が1998年11月10日であるとすると、30日後の12月10日までが需要予測までが消込ルール1に従う消込の対象となる。
【0090】JUCHU2の品目データである品目22dはHMK−01、納期データ22cは98年12月10日、受注数22eは10である。この品目データ22dに基づいて消込データ生成部12の対象算出機能12によって消込ルール1の対象情報に従って受注情報中の品目22aのHMK−01と同一の品目22cのHMK−01が算出される。そして、期間算出機能13によって納期データ21cの98年12月10日が属する予測期間が算出される。この予測期間は先頭日が98年12月1日の予測期間であり品目と22cと予測期間22bとから予測情報a1が特定され、98年12月10日は固定期間に属するから消込ルール1の処理情報に従い更新需要予測数をゼロにする。
【0091】なお、消込するべき予測情報が多い場合には消込部1によりa1の予測情報に消込フラグYがセットすることとし、夜間バッチにて該当の品目、固定期間に入った予測JUCHU1情報の消込フラグYを消込フラグ用のフィールド22gにセットしてもよい。
【0092】(2)受注番号JUCHU3、JUCHU4についてJUCHU3、4の受注情報21が入力されると、(1)のJUCHU1の場合と同様に顧客情報25bとマーケット情報25eを参照して消込ルールM201が特定される。消込ルール2は同一品目消込である。この同一品目消込は、同一品目の需要予測数22dから受注数21eを減算する処理を行う。
【0093】JUCHU3の品目データである品目22dはHMK−01、納期データ22cは98年12月11日、受注数22eは2である。この品目データ22dに基づいて消込データ生成部12の対象算出機能12によって消込ルール1の対象情報に従って受注情報中の品目22aのHMK−01と同一の品目22cのHMK−01が算出される。そして、期間算出機能13によって納期データ21cの98年12月11日が属する予測期間が算出され、この期間は先頭日が98年12月1日の予測期間だから予測情報b1が特定される消し込まれる需要予測数22dが特定され、数量算出機能によって消込処理を行う消込数量22fが算出される。この値はJUCHU3の受注数である2となる。
【0094】JUCHU4の品目データである品目22dはHMK−01、納期データ22cは98年12月12日、受注数22eは5である。JUCHU3と同様に処理を行うと同じく需要予測情報b2が特定され、消込数量22fは5と算出される。
【0095】JUCHU3とJUCHU4は同じ需要予測情報b1を消し込むから、JUCHU3の消込数量2とJUCHU4の消込数量5を加算して、7(2+5=7)が消込数量22fとしてセットされる。そして消込ルール2の処理情報に従い消込数量22fを算出して、その結果に基づいて消込部6が予測数量数22dから消込数量22fを減算し更新需要予測数22eを得る。
【0096】(3)受注番号JUCHU5、JUCHU6についてJUCHU3、4の受注情報21が入力されると、(1)のJUCHU1の場合と同様に顧客情報25bとマーケット情報25eを参照して消込ルールM201が特定される。
【0097】消込ルール3は「混合品目消込」である。この混合品目消込は、複数の商品又は商品群の品目データから他の複数の商品又は商品群に読み替えて、対応する需要予測数22dから受注数21eを減算する処理を行う。
【0098】JUCHU5の品目データである品目22dは複数の商品から構成されるJSY−01、納期データ22cは98年12月11日、受注数22eは5である。まず、対象読替機能11によって対象読替テーブル23に基づいて受注対象データを読み替える。図16の(a)は対象読替テーブル23のうち受注仕様の構成を示す情報の一例を示し、図16(b)はモデルの構成を示す情報の一例を示し、図16(c)は受注仕様で受けた品目をモデルと品目に読み替える情報の一例を示す。
【0099】対象読替は、受注対象のうち繰り返し受注を受ける共通製品構成をあらかじめモデルとして定義してこれを予測対象として需要予測を立案し、顧客別にばらつくオプション品目を別の対象として需要予測で立案する。顧客からは製品を組み合わせた受注仕様として受注を受ける。受注仕様をモデル+品目の受注品目として消込を行うこととなり、受注品目1を構成する「商品又は商品群」を他の受注品目2を構成する「商品又は商品群」へ読み替える。
【0100】対象の読み替えは、まず、a)対象読替テーブル23に「モデル−受注仕様」を登録し、次に、b)モデルと差分品目(モデル以外のオプション品目)を算出し、さらに、c)これらをそれぞれ対象読替テーブルに基づいて読み替えを行う。
【0101】具体的には、受注仕様JSY−01は品目HMK−10(1ピース)、品目HMK−20(1ピース)、品目HMK−30(3ピース)、品目HMK−01(1ピース)から構成される。よって、受注仕様JSY−01はモデルMLD−01(1セット)と品目HMK−01(1ピース)とから構成されることがわかる。従って、一つの受注情報から2つの品目の情報が得られて、2つの消込数量22fが算出されることとなる。JUCHU5では、品目JSY−01が入力され、対象読替機能11が対象読替テーブル23を参照してモデルMLD−01(1セット)と品目HMK−01(1ピース)とに読み替える。この読み替えた受注品目2を新たな受注対象として、それぞれにつき対象算出機能12が対象情報に従って消込対象となる需要予測情報の品目22cを算出する。
【0102】そして、受注品目1を読み替えた受注品目2のそれぞれについて納期データ21cを算出する。すると、消し込まれる予測情報c1とc2とが特定されるから消し込まれる需要予測数22dが特定され、消込処理を行う消込数量22fが算出される。このそれぞれの値はJUCHU5の受注数である5となる。
【0103】JUCHU6も混合品目であるから、JUCHU15と同様に処理される。このように消込数量22gが消し込まれた更新需要予測数22eは、所要量展開システムに送信され先行手配のデータとなるほか、在庫管理システム、受発注システム等の生産管理システムに送信される。
【0104】
【発明の効果】本発明の需要予測方法は以上のように構成され機能するので、これによると、受注内容の特性に応じて特定された消込ルールに基づいて受注情報の内容を消込データに変換すると、受注情報のデータ構造による受注内容が、需要予測情報のデータ構造の形式に変換され、そして、消込工程にて、この需要予測情報のデータ構造での受注内容を当該需要予測情報から消し込むと、確定受注の内容を需要予測情報に反映させることができ、このとき、需要予測情報のデータ構造別に消込ルールファイルを用意しておけば、需要予測情報を特別なデータ構造で作成する必要がなくなり、すると、需要予測情報を品目の特性に応じて作成しなくとも、需要予測情報を生産管理上の他の要求によるデータ構造で作成し、これに応じた消込ルールファイルを作成することで、確定受注の消込処理を行うことができ、すると、確定受注の消込処理という最低限必要な機能を維持しつつ、需要予測情報を多様化し、生産管理上の貴重な情報源である需要予測情報を広く利用でき、さらに、従来は品目やマーケット毎に異なるシステムで作成されていた需要予測情報を統一のシステムで共有することができ、このため、例えば予算の集計等従来は困難であった処理を需要予測システムの中で実現することができるという従来にない優れた需要予測方法を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の需要予測方法の第一の実施形態を示すフローチャートである。
【図2】需要予測情報を消し込む消込処理を説明する説明図である。
【図3】需要予測情報の改版に関する予測対象の関係を説明する説明図である。
【図4】図4(a)乃至図4(d)は需要予測情報の改版を説明する説明図である。
【図5】本発明の需要予測装置の第一の実施形態を示すブロック図である。
【図6】図1に示した更新手段の詳細構成を示すブロック図である。
【図7】需要予測情報の一例を示す図表である。
【図8】受注情報の一例を示す図表である。
【図9】消込ルールの一例を示す図表である。
【図10】需要予測情報の更新を説明する説明図である。
【図11】対象読替テーブルの一例を示す図表である。
【図12】商品情報テーブルの一例を示す図表である。
【図13】図6で示した実施形態のフローチャートである。
【図14】需要予測装置の実施例を示す図表である。
【図15】図15の(a)及び図15(b)は、図14で示した実施例の商品情報の一例を示す。
【図16】図14で示した実施例の消込処理を説明する説明図である。
【図17】図17(a)乃至(c)は、図14で示した実施例の対象読替情報の一例を示す。
【符号の説明】
1 需要予測装置
2 入力手段、受注情報入力手段、予測情報入力手段
3 更新手段
4 ルール特定部
5 消込データ生成部
6 消込部
7 出力手段
8 商品情報記憶手段
9 需要予測情報記憶手段
11 対象読替機能
12 対象算出機能
13 期間算出機能
14 数量算出機能
15 商品情報更新手段
16 商品情報テーブル記憶部
17 ルール記憶部
18 対象読替テーブル記憶部
21 受注情報
22 予測情報
23 対象読替テーブル
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、需要予測方法に関し、特に、確定した注文を受けた場合に、その受注情報に応じて需要予測を消し込む需要予測方法に関する。本発明はまた、この需要予測方法の実施に好適な需要予測装置に関する。
【0002】
【従来の技術】最終製品の需要予測は、販売計画や、受注前の部品の先行手配や、生産ラインの予定立案などに用いられる。この需要予測作業は、生産管理担当者や、販売担当者によって、予測対象の製品がどのように販売されるかという生産管理上の特性を考慮して立案される。例えば、一般ユーザ向けのパソコンのような量販品は、ある期間毎に定量的な販売を予定するものであり、製品の部品となる在庫の回転も良く、比較的大まかな予測が立案される。一方、特定ユーザ向けの大型交換機のような特注品は、販売期間及び販売量をある程度見込んだ厳密な需要予測を立案し、在庫を正確に管理しないと、製品に使用しない在庫を抱えてしまうこととなる。
【0003】一方、製品の受注と製造に要する日程についても、製品の特性に応じて変化する。例えば量販品であれば、受注を受ける前に一定量製造しておかなければ、実際の需要に間に合わないことが想定される。この場合、需要予測を立案し、この需要予測に基づいて部品の発注や製造を先行して手配しなければならない。各部品についても、部品の発注をしてから2日で入手できる品目と、数週間を要する品目とがあり、顧客から一週間後に納入して欲しいとの内容で受注を受けた場合、受注を受けてから部品の発注および組立をしていたのでは間に合わない。生産が間に合わないと、ライフサイクルの短い製品の場合、販売の機会を逃すこととなってしまう。また、部品メーカでも、数ヶ月後の製造数量の概要を把握していないと、材料の入手を良好に行えなくなる。このように、部品製造業者との契約上あるいは枠取りの都合上、また、需要に適切に対応するため、量販品については、部品の先行手配を行っている。
【0004】一方、特注品については、特別な部品について先行手配を行い、これが実際には受注せず在庫となると、他に用途がなく、不良在庫となってしまうため、厳密な予測を立案する必要がある。このように量販品と特注品との需要予測を異なる基準で行うことで、すなわち、顧客やマーケット別に需要予測を行うことで、先行手配を適切に行いつつ不要な在庫を低減させ、需要に応じた製品の供給を図っている。
【0005】また、需要予測支援プログラムは、入力される需要予測情報を時系列や製品別に整理する機能と共に、一定の消込処理の機能を提供する。需要予測を立案した後、部品を手配すべき期限が到来した時には、需要予測の数量に基づいて部品の先行手配を行う。しかし、需要予測を立案してから、各部品を手配すべき期限となるまでの期間中に、実際に確定受注が入る場合がある。この場合には、確定受注が入った段階で部品の発注を行う。すると、部品を手配すべき期限で発注すべき部品の量は、需要予測した数量から確定受注による数量を減算した数量(所要量)となる。この減算処理を、一般に消込処理という。
【0006】確定受注を受けたときの消込処理は、需要予測支援プログラムの機能を利用して行う。消込を行うためには、需要予測情報と受注情報とがそれぞれ、同一の単位と精度とを共有していなければならない。すなわち、同一品目で同一期間単位を基本として、消込処理を行う。需要予測の品目と受注の品目とが異なる場合には、受注した品目を部品等に展開し、需要予測を行った品目と同一品目とした後に消込を行っていた。例えば、ある月についてパーソナルコンピュータを100台、当該パーソナルコンピュータに組込む内蔵の増設周辺機器10台との需要予測情報が予め格納されているとする。このとき、パーソナルコンピュータに記憶装置を増設したモデルを受注すると、需要予測支援プログラムは、この受注内容をパーソナルコンピュータと増設周辺機器とに展開した後、同一品目単位に消込処理を行う。このような各製品での部品の組合わせをここでは仕様という。
【0007】従来の需要予測プログラムは、この消込を実現するために、受注での仕様と需要予測での仕様とを一致させなければならなかった。従って、需要予測を受注仕様で行うか、または、受注仕様を需要予測の仕様による各品目に展開するための展開用データを備え、受注データ毎に需要予測データに逢わせた品目の展開処理を行っていた。
【0008】そして、製品の特性およびマーケットに応じて先行手配を行う時の基準が異なるため、各製品の特性毎に需要予測プログラムを個別に作成する必要があった。このため、従来は、事業所や工場別に、また、マーケット別にローカルなシステムで需要予測の作成と消込とを行っていた。従来は、これにより、先行手配を所要量で行うシステムを確立していた。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記従来例では、多数の需要予測情報を共有することができない、という不都合があった。すなわち、消込処理とマーケットの特性に応じた先行手配とを実現するために、ローカルなシステムで需要予測情報を作成し、使用していたため、単一の事業所や工場内でも複数の需要予測プログラムを併用しなければならない、という不都合があった。
【0010】すると、例えば、事業所内の全需要予測を加算して事業所の売上げ予測データを作成するとか、在庫の増大による仮払金の増加を防止するための生産計画の立案であるとか、また、複数の生産ラインの稼働予定に基づいて生産ラインの選択を最適化するなどの処理を需要予測情報に基づいて行うことができなかった。
【0011】そして、特定の着眼点から経営上の戦略を構築し、需要予測を作成しようとしても、需要予測できる品目・製品の仕様は、先行手配や消込との関係で予め定められているため、需要予測のパターンが限定されてしまう、という不都合があった。
【0012】すなわち、上記従来例では、生産管理上の貴重な情報源である需要予測情報を活用して経営上、生産管理上、予算上の多角的な分析に利用することができない、という不都合があった。
【0013】
【発明の目的】本発明は、かかる従来例の有する不都合を改善し、特に、多様でかつ利用しやすい需要予測情報を生成することのできる需要予測方法及び需要予測装置を提供することを、その目的とする。
【0014】
【課題を解決するための手段】本発明の発明者は、従来の需要予測情報がローカルな個々の局面別に使用されていたのは、消込処理を実現するために需要予測情報のデータ構造をマーケット別に特有な構造としていたたことによると分析した。従って、多様で利用しやすい需要予測方法を生成するには、すなわち、従来の種々の需要予測情報を統合するためには、まず、消込処理の扱いを改善すべきであることを見いだした。消込処理に柔軟性を持たせることで、需要予測情報のデータ構造をより自由に定義することが可能となる。
【0015】この着想に基づき、上記目的を達成すべく、本発明では、演算装置と、この演算装置を動作させる各工程の処理内容が定義されたプログラムファイルおよび前記演算装置によって読出されるデータファイルを記憶した記憶装置と、前記演算装置にデータを入力する入力装置とを使用して需要予測を行う方法であって、確定した受注の内容を示す受注情報が前記入力装置を介して入力される受注情報入力工程と、前記記憶装置にデータファイルとして予め格納された需要予測情報を読み出す予測情報読出工程と、この予測情報読出工程によって読出される前記需要予測情報中の各予測対象及び予測期間ごとの予測数量データに対する消込む処理が予め定義された複数の消込ルールファイルを読み出す消込ルール読出工程と、この消込ルール読出工程に前後して前記受注情報による受注内容の特性と前記各消込ルールファイルとを関係づける商品情報を前記記憶装置から読み出す商品情報読出工程と、前記受注情報入力工程から入力された受注情報に応じて前記予測情報読出工程にて読み出された予測情報を更新する更新工程とを備えている。しかも、更新工程が、前記商品情報読出工程にて読み出された商品情報に基づいて前記受注情報による受注内容の特性に基づいて前記消込ルールファイルを特定するルール特定工程と、このルール特定工程にて特定された消込ルールに基づいて前記受注情報に関する消込データを生成する消込データ算出工程と、この消込データ算出工程にて算出された消込データに基づいて対応する前記需要予測情報を検索すると共に当該対応する需要予測情報を消し込む消込工程とを備えた、という構成を採っている。これにより前述した目的を達成しようとするものである。
【0016】本発明では、消込ルール読出工程にて、複数の消込ルールファイルを読出し、商品情報読出し工程にて、受注内容の特性と消込ルールファイルとを関係づけた商品情報を読出す。そして、受注情報が入力されると、ルール特定工程にて、受注情報による受注内容の特性に応じて、例えば、受注した品目や、顧客名や、納期や、予め定められた品目又は顧客別のマーケットなどの特性に応じて消込ルールファイルを特定する。そして、消込データ算出工程にて、この特定された消込ルールに基づいて受注情報の内容を消込データに変換する。消込ルールファイルに従って受注情報の内容から消込データを生成すると、受注情報のデータ構造による受注内容は、需要予測情報のデータ構造の形式に変換される。そして、消込工程にて、この需要予測情報のデータ構造での受注内容を当該需要予測情報から消し込む。したがって、需要予測情報のデータ構造別に消込ルールファイルを用意しておけば、需要予測情報を特別なデータ構造で作成する必要がなくなる。
【0017】
【発明の実施の形態】次に、本発明の実施の形態を図面を参照して説明する。図1は本実施形態による需要予測方法の構成を示すフローチャートである。図1に示す例では、演算装置と、この演算装置を動作させるプログラムファイル及びデータファイルを記憶した記憶装置と、演算装置にデータを入力する入力装置を使用して需要予測を行う。
【0018】この需要予測方法は、確定した受注の受注対象データと受注数量データと納期データとを有する受注情報が入力される受注情報入力工程(ステップS1)と、予め入力された需要の予測対象データと予測数量データと予測期間データとを有する予測情報を読み出す予測情報読出工程(ステップS2)と、この予測情報読出工程に前後して受注情報中の受注対象データと予測情報中の予測対象データとを対応づける対象情報と受注情報中の納期データと予測情報中の予測期間データとを対応づける期間情報と予測情報中の予測数量データを消込む処理が定義された処理情報とを有する複数の消込ルールファイルを読み出す消込ルール読出工程(ステップS3)と、この消込ルール読出工程に前後して受注情報中の受注対象データと各消込ルールファイルとを関係づける対応情報を含む商品情報を読み出す商品情報読出工程(ステップS4)と、受注情報入力工程1から入力された受注情報に応じて予め入力された予測情報を更新する更新工程(ステップS5乃至S7)とを備えている。
【0019】この更新工程は、商品情報読出工程S4にて読み出された商品情報と受注情報入力工程から入力された受注情報とから消込ルールファイルを特定するルール特定工程(ステップS5)と、このルール特定工程S5にて特定された消込ルールに基づいて受注情報の消込対象と消込期間と消込数量とを有する消込データを算出する消込データ算出工程(ステップS6)と、この消込データ算出工程S6にて作成された消込データに応じて対応する予測情報を更新する消込工程(ステップS7)とを有する。
【0020】図1に示す例では、受注情報入力工程S1から受注情報が入力されると、消込ルール読出工程S3にて複数の消込ルールファイルが読み出される。そして商品情報読出工程S4にて商品情報が読み出され、予測情報読出工程S2にて予め格納された予測情報が読み出される。そして、ルール特定工程S5では、受注対象データに基づき商品情報を参照して消込ルールファイルを特定する。その後、消込データ算出工程S6では、特定された消込ルールファイルに基づき受注情報に応じた消込データを算出する。
【0021】好ましい実施形態では、消込データ算出工程S6が、ルール特定工程S5にて特定された消込ルールファイル中の対象情報に従い受注対象データに対応する消込対象を算出する対象算出工程と、この対象算出工程に前後してルール特定工程にて特定された消込ルールファイル中の期間情報に従い納期データに対応する消込期間を算出する期間算出工程と、この消込対象及び消込期間に対応する予測数量データを特定するとともに特定された消込ルールファイル中の処理情報に従い受注情報中の受注数量データに応じて予測数量データから消し込まれる消込数量を算出するデータ算出工程とを備えると良い。
【0022】このような構成によれば、消込データ算出工程の対象特定工程では受注対象データに基づいて消込ルール中の対象情報に従い対応する予測対象データである消込対象が算出される。これに前後して期間特定工程では納期データに基づいて消込ルール中の期間情報に従い対応する予測期間データである消込期間が算出される。そして、データ算出工程では算出された消込対象及び消込期間から対応する予測数量データを特定するとともに、消込ルール中の処理情報に従い受注情報中の受注数量データに応じて予測数量データから消し込まれる消込数量が算出される。これにより消込対象と消込期間と消込数量とを有する消込データが算出される。すると、需要予測情報の対象、期間といった項目を変更することなく、予測情報中の予測対象データ、予測期間データに応じた対象、期間、処理を特定して消込データが算出される。
【0023】需要予測データの例を図2を参照して説明する。図2に示す例では、98年の12/11から12/18まで100個、12/18から12/25までが150個、12/25から99年1/4までが100個という需要予測が立てられている。これに対し、例えば、12/13に50個という確定受注が入った場合には、この50個の分の部品については先行手配をすべき最終日よりも前に、確定受注が入った段階で手配する。また、12/16日の40個についても同様である。このとき、需要予測情報から計90個の確定受注分を消し込まなければ、需要予測情報による先行手配が必要な量よりも多くなってしまう。このため、図2に示すように100−90=10個に消込を行う。
【0024】この消込データの算出では、品目が一致しているとしても、需要予測情報は1週間単位に作成されており、一方、受注情報は1日単位で作成されている。従って、この受注情報が入力されたときには、消込ルールファイルに基づいて期間を一致させた消込情報を作成したのちに消込処理を行う。
【0025】図2には、消込データの算出として消込期間の算出を示したが、具体的には、消込対象と消込期間と消込数量の3つを算出する。まず、受注対象データに応じて特定された消込ルールの対象情報に従い消込対象が算出される。次に納期データに応じて期間情報に従い消込数量が算出される。そして、算出された消込対象と消込期間とにより消し込む対象となる予測数量データが特定され、この予測数量データから処理情報に従い受注数量に応じた消込数量が算出される。
【0026】消込ルールファイルは、基本的には、受注情報の品目別に特定すればよい。しかし、量販品と特注品の違いなどは、事業部別にグループ分けできる場合がある。また、製品群で別れる場合もある。図3は製品A乃至Dが顧客別にグループ分けされた例を示す説明図である。図3に示すように、ある製品群を顧客によってグループ分けできる場合には、商品情報は、顧客と消込ルールファイルを対応づけるテーブルを備えるとよい。この場合、受注内容の特性はその受注した「顧客」となる。各製品毎ではなく、顧客別に定義することで、商品情報の容量を小さくすることができる。
【0027】図4(a)乃至(d)は複数種類の予測情報の例を示す説明図である。図4の各需要情報は、図3に示すツリー状態に対応している。従来は、消込処理を行う関係上、図4(d)に示す第4の需要予測情報を作成していた。しかしながら、本実施形態によると、何らかの処理で先行手配すべき部品が特定できるのであれば、図4(a)乃至(c)に示す種々のデータ構造での需要予測情報を作成することができる。例えば、まず事業部別の需要予測情報(売上目標)を立案し、これを各顧客や製品群で分配し、その後に製品レベルの需要予測情報を立案するようなことが可能となる。
【0028】事業部別の予測情報までしか作成されていないときに、消込データを生成するには、例えば、消込ルールファイルによる指示に需要予測情報の分解指示を含めるようにするとよい。この場合、第1の需要予測情報内には当該受注した品目が定義されていなくとも、例えば図3に示すツリー構造を消込ルールファイルに含めておくことで、第1の需要予測情報から当該確定受注分の売上を消し込んだ上、その消込が属する製品を当該第1の需要予測情報に付加すればよい。その後、第1の需要予測情報を各顧客や製品群に分解するときには、当該第1の需要予測情報には確定受注の内容が図3に示すようなツリー構造と共に付加されている。
【0029】すなわち、消込対象の算出処理は、図4に示すように、需要予測情報の予測対象データが複数の製品を取り扱う事業部別に立案されいる場合、受注対象データとしての商品名が入力されると、対象情報に従ってこの商品名に応じた事業部が消込対象として算出される。このように受注対象データと予測対象データとが異なる場合であっても受注対象データから予測対象データが算出される。
【0030】また、需要予測情報が暦に従い、例えば2ヶ月ごとの予測期間で立案されている場合には、納期データとして年月日を特定する日時が入力されると、予測期間の始期と終期とから期間情報に従って納期データの日時に応じた消込期間が算出される。この需要予測情報が例えば1週間単位、1月単位、1年単位で立案されている場合であっても同様である。従って、予測対象ごとにどのような単位期間で需要予測情報が立案されていても納期データに応じた消込期間が算出される。
【0031】さらに、需要予測情報がある基準時に基づき暦とは無関係の時間単位の期間で区分されて立案されている場合に、納期データとして年月日を特定する日時が入力されると、期間情報に従ってこの納期データの日時に応じた期間の区分が消込期間として算出される。このように、納期データと予測期間データとの構成が異なる場合であっても、本実施形態では、納期データと予測期間データとが対応づけられる。よって、予測期間データの暦情報の有無にかかわらず、納期データに応じた消込期間が算出される。
【0032】そして、各々算出された消込対象と消込期間とから消し込む対象となる予測数量データが特定されるから、予測対象ごとに消込対象と消込期間との組み合わせが異なる需要予測情報であっても受注数量に応じて処理情報に従い予測数量データから消込む消込数量が算出される。すると、予測期間データと納期データとの期間の設定が違う場合であっても各期間の需要予測情報の予測数量データに応じた消込処理消込データが作成される。
【0033】このように、需要予測情報の対象や期間といった項目を変更することなく、予測情報の対象や期間といった項目に対応させた消込データを算出して、受注情報を反映させた消込データが算出され需要予測情報が更新される。
【0034】次に、本発明による需要予測装置の実施の形態を説明する。図5は本実施形態による需要予測装置の構成を示すブロック図であり、図6は各手段の詳細構成を示すブロック図である。
【0035】図5に示すように、本発明による需要予測装置は、予め入力された需要の予測情報を記憶する需要予測情報記憶手段9と、この需要予測情報記憶手段9に格納された需要予測情報中の商品に関連する情報を記憶した商品情報記憶手段8と、確定した受注の内容を示す受注情報が入力される受注情報入力手段2と、この受注情報入力手段2から入力された受注情報に応じて前記需要予測情報記憶手段9に格納された需要予測情報を更新する更新手段3と、この更新手段3によって更新された更新需要予測情報を出力する出力手段7とを備えている。
【0036】そして、商品情報記憶手段8は、図6に示すように、前記需要予測情報から前記受注情報による受注分を消し込む際のルールが定義された複数の消込ルールファイルを記憶するルール記憶部17と、前記受注情報による受注内容の特性と前記各消込ルールファイルとを関係づける商品情報テーブルを記憶する商品情報テーブル記憶部16とを備えている。
【0037】さらに、前記更新手段3は、図5に示すように、前記受注情報入力手段2から入力された受注情報に対応する前記消込ルールファイルを前記商品情報テーブルに基づいて特定するルール特定部4と、このルール特定部4によって特定された消込ルールに基づいて前記受注情報から消込データを生成する消込データ生成部5と、この消込データ生成部5によって生成された消込データに基づいて対応する前記需要予測情報を検索すると共に当該対応する予測情報を消し込む消込部6とを備えている。
【0038】更新手段3のルール特定部4では、受注情報と商品情報テーブルとに基づいて消込ルールファイルを特定する。そして、消込データ生成部は、消込ルールに従い受注情報に応じて、消込対象、消込期間、消込数量を有する消込データを算出する。この消込データの算出は、消込データが有する消込対象と消込期間と消込数量の各値を算出することにより行われる。まず、受注対象データに応じて特定された消込ルールの対象情報に従い消込対象を算出する。次に納期データに応じて期間情報に従い消込数量を算出する。そして、算出された消込対象と消込期間とにより消し込む対象となる予測数量データが特定できるから、この予測数量データから消込む消込数量を受注数量に応じて処理情報に従い算出する。すると、需要予測情報の予測期間を変更することなく、納期データに基づいて需要予測情報の予測期間に応じた消込期間が算出され、需要予測情報の予測期間データの暦情報の有無に関わらず納期データに応じた消込期間が算出される。
【0039】そして、おのおの算出された予測対象データと予測期間データにより消し込む対象となる予測数量データが特定され、この組み合わせが異なる需要予測情報であっても受注対象データから消込対象が算出され、納期データから消込期間が算出され、消込がなされる予測数量データが特定され、処理情報に従い受注数量に応じた消込数量が計算される。すると、予測期間データと納期データとの期間の設定が違う場合であっても各期間の需要予測情報の予測数量データに応じた消込処理消込データが作成される。このように、図5に示す例では、需要予測情報の予測対象、予測期間を変更することなく、予測情報の対象や期間といった項目に対応させた消込データを算出して、受注情報を反映させた予測情報の更新がされる。従って、需要予測情報のデータ構造を受注情報のデータ構造に依存させる必要がなくなり、このため、従来にない自由な形式で需要予測情報を作成することができる。
【0040】また、ある実施形態では、図6に示す商品情報テーブル記憶部が、受注情報の品目別に前記消込ルールファイルを指定したテーブルを備えるとよい。また、受注情報の品目別ではなく、受注情報の顧客または顧客グループ別に消込ルールファイルを指定したテーブルを備えるようにしても良い。
【0041】図6を参照して消込データ算出部の詳細構成を説明する。この例では、まず、受注情報は、受注対象の品目を示す受注対象データと、当該受注対象の納期を示す納期データと、当該納期の受注対象の数量を示す受注数量データとを有する。そして、消込データ生成部5は、前記ルール特定部4によって特定された消込ルール中の対象情報に従い前記受注対象データに対応する前記需要予測情報での消込対象を特定する対象算出機能12と、ルール特定部4によって特定された消込ルール中の期間情報に従い前記納期データに対応する前記需要予測情報での消込期間を算出する期間算出機能13と、この期間算出機能によって算出された消込期間別でかつ前記対象算出機能によって特定された消込対象別に当該消込対象及び消込期間に対応する需要予測情報中の予測数量データを特定するとともに前記受注数量データに基づいて当該予測数量データから消し込む消込数量を算出する数量算出機能14とを備えている。
【0042】このような構成によれば、対象算出機能12が、受注対象データに基づいて対象情報に従い対応する予測対象データである消込対象を算出する。期間算出機能12は、納期データに基づいて期間情報に従い対応する予測期間データである消込期間を算出する。そして、数量算出機能14は、消込対象と消込期間とから対応する予測数量データを特定するとともに、消込ルール中の処理情報に従い受注情報中の受注数量データに応じて予測数量データから消し込まれる消込数量を算出する。これにより消込対象と消込期間と消込数量とを有する消込データが算出され、この消込データは消込部へ向けて出力される。すると、需要予測情報の対象、期間といった項目を変更することなく、予測情報中の予測対象データ、予測期間データに応じた対象、期間、処理を特定して消込データが算出される。
【0043】また、需要予測情報は予測期間における製品等の数量であるから、消込データは特定された予測期間データに対応した消込数量として算出される。よって、需要予測情報の予測期間の単位が1月単位とされている場合に、これを3ヶ月ごとにまとめた需要予測情報を得る場合には、この処理情報中には受注数量データを3分割して各予測期間データに対応する各予測数量データから受注数量データの1/3ずつを減算するといった情報が含まれている。
【0044】図7に需要予測情報22の一例を示す。ここでは、需要予測情報は、予測対象と、予測期間(予測単位期間の先頭日)と、予測数量とを備えている。図8に受注情報の一例を示す。図8に示す例では、受注情報は、受注情報を顧客から受付けた日(受付情報)と、受注番号と、受注対象と、当該受注した製品の納期と、数量とを備えている。受注対象としては、顧客名と、商品・商品群とを備える。
【0045】図9に消込ルールの内容の例を示す。例えば、ルール1は、商品a,製品Aについて用いられ、期間をTB―1とし、当該商品aの部品の最終手配可能日が経過した場合には予測数量を0へ更新する処理である。この内容が、データ及びプログラムとして消込ルールファイル内に定義される。消込ルールは、需要予測情報の多様性に応じて定義する。需要予測情報をある商品群て作成する場合には、または、組立品についてそのオプションを別に予測する構成であれば、受注情報をその仕様へ変化させるルールを定義する。また、1週間を単位として需要予測情報を作成した場合には、受注情報での納期を当該需要予測情報での期間単位に写像する。
【0046】受注情報に対してどのルールを適用するかは、例えば図3に示したように、需要予測情報の階層に応じて定る。単純に全ての商品毎にルールを与えてもよいし、また、販売上の特性を分ける単位として、顧客を基準にルールを定めても良い。さらに、事業部別に需要予測情報のデータ構造が異なるのであれば、製品群でこの事業部を特定するようにしても良い。そして、ある商品に適用すべき消込ルールは1つに限らず、例えば製品群で当該事業部のデータ構造へ変化させるための消込ルールを適用し、当該受注した製品名でその製品特有の消込ルールを適用するようにしてもよい。このとき、受注情報の同一の項目について異なるルールがそれぞれの消込ルールに定義されている場合、例えば、階層の低い対象に応じて選択された消込ルールを適用するようにするとよい。具体的には、顧客別に選択した消込ルールよりも、商品に基づいて選択した消込ルールを優先する。このようにすると、従来よりあるプログラム開発における承継の考え方や、変数の有効範囲の考え方と同様となるため、消込ルールの開発や、保守や、追加が容易となる。さらに、消込の対象とする需要予測情報は1つと限らず、ある事業所が先行手配用の需要予測情報と、売上管理用の需要予測情報とを持っている場合、1つの受注情報について、先行手配用の受注予測情報に対しては消込処理を、売上管理用の需要予測情報に対しては、予測を上回った受注の場合に当該受注分を上乗せする処理を行うように消込ルールファイルを定義することもできる。
【0047】図10に消込データの一例を示す。ここでは、消込ルールファイルに従って期間の特定と対象の追加とを行っている。図7に示す需要予測情報では、予測対象はA,B,Cである。そして、受注番号J―1は、商品名aに従って図9に示すルール1が特定される。そして、ルール1に基づいて需要予測情報のAが選択され、且つ、期間を需要予測情報に逢わせた12月1日とし、消込数量を50とする。消込データ算出部5が、消込データを生成した後、消込部6は、図10に示すように需要予測情報を更新し、Aの値を50とする。
【0048】図8に示す受注番号J−2の受注については、商品名cに基づいて図9に示す消込ルール3が選択される。そして、このルール3に基づいて受注情報を消込データへ変換する処理が行われる。ここでは、商品cは予測情報のBおよびCに対応するため、それぞれの予測対象に対する消込数量を計上する。そして、それぞれの予測数量を更新し、図10に示すように、Bを7、Cを2とする。
【0049】図11に対象読替えテーブルの例を示す。この例では、商品情報記憶手段8が、受注対象データを構成する複数の商品又は商品群データを他の商品又は商品群データに対応づけた対象読替情報を記憶する対象読替テーブル記憶部18を備えると良い。この例では、消込データ生成部5の対象算出機能12は、ルール特定部4によって特定された消込ルールファイルの対象情報中に受注対象データの読み替えを指令する読替情報が含まれている場合に、受注情報中の受注対象データを構成する商品又は商品群データを前記対象読替テーブルに基づいて対応する他の商品又は商品群データへ読み替える(対象読替機能11)。
【0050】この対象読替機能11により、消込ルールの対象情報中に受注対象データの読み替えを指令する読替情報が含まれている場合に、この受注情報中の受注対象データを構成する商品又は商品群データは、対象読替テーブルに基づいて対応する他の商品又は商品群データへ読替える。具体的にはA,B,C,Dからなる受注対象データが入力されると、これをA,B,C,Dに展開することなく、商品A,B,Cを商品群Xと読み替え、受注対象データを商品群Xと商品Dとへ読み替えられる。すると、複数の商品又は商品群から構成されている受注対象が、すべての商品ごとに展開することなく他の商品又は商品群に読み替えられて対象算出機能12へ送出される。図12に商品情報テーブルの一例を示す。この例では、商品情報テーブル記憶部16に格納された商品情報テーブルが、受注情報中の受注対象データに対応する前記各消込ルールファイルを所定のルール適用期間ごとに関係づけた改訂ルール情報を有するとともに、前記受注情報入力手段から入力される受注情報が当該受注情報の入力される日時の情報である受付情報を有している。そして、ルール特定部4が、受付情報に基づいて当該受付情報中の受付日時が属するルール適用期間を特定する適用期間算出機能と、この適用期間算出機能が特定したルール適用期間と受注情報中の受注対象データとに基づいて商品情報テーブル中の改訂ルール情報を参照して消込ルールファイルを特定する改訂ルール特定機能とを備えている。
【0051】このような構成によれば、商品情報テーブル記憶部には改訂ルール情報が格納される。受付情報は受注情報入力手段から入力される。適用期間算出機能では受付情報中の受付日時が属するルール適用期間を特定し、改訂ルール特定機能では特定したルール適用期間と受注対象データと商品情報テーブルとから消込ルールファイルを特定する。すると、確定受注を入力する日時(予測情報を消し込む日時)において適用される改訂消込ルールが特定され、これに従った予測情報の消込が行われる。
【0052】また、商品情報記憶手段の商品情報テーブル記憶部に、受注情報入力手段から入力される対応情報を含む情報に基づいて商品情報記憶手段に記憶された商品情報テーブル中の情報を更新する商品情報テーブル更新部を併設してもよい。このような構成によれば、商品情報テーブル更新部では、受注情報入力手段から入力される商品情報に基づいて商品情報記憶手段に記憶された商品情報テーブル中の情報が更新される。
【0053】さらに、商品情報記憶手段8が、受注情報入力手段2から新たな消込ルールファイルが入力された時には当該消込ルールファイルを前記ルール記憶部に格納するルール登録部を備える構成としてもよい。この例では、ルール登録部では、入力される消込ルールファイルに基づいて記憶された消込ルールファイルを更新する。消込ルールファイルは対象情報、期間情報、処理情報とを有しており、これらの各情報の変更に応じてそれぞれの消込ルールの内容が更新される。
【0054】図13のフローチャートを参照して図5および図6に示した需要予測装置の動作を再度説明する。図13に示す処理は、演算装置と、この演算装置を動作させる各工程の処理内容が定義されたプログラムファイルおよび前記演算装置によって読出されるデータファイルを記憶した記憶装置と、前記演算装置にデータを入力する入力装置と、これらを使用して需要予測を行う需要予測用プログラムとによって実現できる。図5に示す例では、記憶装置は、商品情報記憶手段8と需要予測情報記憶手段9とを備え、例えば磁気ディスクである。入力装置は、入力手段2を備え、例えばキーボードとポインティングデバイスである。また、需要予測用プログラムを実行する演算装置は、更新手段3として機能する。演算装置は、オペレーティングシステム上で動作するコンピュータである。
【0055】前記プログラムは、前記演算装置を動作させる指令として、確定した受注の内容を示す受注情報を前記入力装置を介して入力させる受注情報入力指令と、前記記憶装置にデータファイルとして予め格納された需要予測情報を読出させる予測情報読出指令と、この予測情報読出指令に応じて読出される前記需要予測情報中の各予測対象及び予測期間ごとの予測数量データに対する消込む処理が予め定義された複数の消込ルールファイルを読出させる消込ルール読出指令と、前記受注情報による受注内容の特性と前記各消込ルールファイルとを関係づける商品情報を前記記憶装置から読出させる商品情報読出指令と、前記受注情報入力指令に応じて入力された受注情報に応じて前記予測情報読出指令にて読み出された予測情報を更新する更新指令とを備える。
【0056】そして、更新指令が、前記商品情報読出指令に応じて読み出された商品情報に基づいて前記受注情報による受注内容の特性に基づいて前記消込ルールファイルを特定させるルール特定指令と、このルール特定指令にて特定された消込ルールに基づいて前記受注情報に関する消込データを生成させる消込データ算出指令と、この消込データ算出指令にて算出された消込データに基づいて対応する前記需要予測情報を検索すると共に当該対応する需要予測情報を消し込む消込指令とを備えている。
【0057】ここで、「させる指令」とは、そのプログラムのみでコンピュータを動作させる指令と、オペレーティングシステムに依存して動作させる指令とを含む。例えば、予測情報読出指令は、実際には、読み取り対象のファイル名をオペレーティングシステムに引渡す命令であり、磁気ディスク装置から当該ファイルを読出すのはオペレーティングシステムが行う。このように、「させる指令」というときは、他のプログラムに依存して実行される形態の指令を含む。
【0058】このプログラムが動作すると、図13に示す各工程を実行する。まず、需要予測情報が入力される(ステップS11)。この入力の形式は、消込ルールによって許容される形式となる。需要情報が生成された後、確定受注を受けると、当該受注情報が入力される(ステップS12)。受注情報が入力されると、受注情報中の受注対象データと商品情報テーブルとに基づいて当該受注情報に適用する1又は2以上の消込ルールを特定する(ステップS13)。ここで、消込ルール中に読替情報が定義されている場合には(ステップS14)、受注対象データを読替える(ステップS15)。そして、ステップS16に進む。
【0059】ステップS16では、受注情報と消込ルールとに基づいて、まず、需要予測情報中の予測対象を特定し、さらに、予測期間を特定する。次に、特定された予測対象と予測期間について、受注情報から消し込むべき数量を算出し、消込データを生成する(ステップS17)。そして、この消込データに基づいて需要予測情報を更新する(ステップS18)。
【0060】上述したように本実施形態は、ルール特定部が、受注情報に基づいて予測対象の対象、期間、処理に応じた消込ルールファイルを特定し、消込データ生成部が特定されたルールに基づいて消込データを作成するから、各需要予測ごとの予測対象、予測期間及び消込処理に対応させた消込を行うことができ、需要予測情報においてその対象、期間及び消込処理の異なる場合であってもそれぞれの需要予測情報の対象に対応させた消込処理を行うことができ、予測の対象が量販品か特注品かといった需要予測上の特性の異なる複数の製品を一のシステムにて管理することができる。また、各需要予測情報の利用の目的や用途に応じて予測対象が変更され又は予測期間が細分化された場合であっても、これら各需要予測情報の予測対象、予測時期、消込処理に適応させた消込処理を行うことができるから、各目的ごとに作成された需要予測情報の精度を低下させることなく受注情報に基づいて各需要予測情報を更新することができる。
【0061】しかも、前述した消込の処理を、予測対象の項目(例えば事業部、顧客、製品群、製品)、予測期間の種類(例えば年、期、月、週、日)や消込処理の仕方ごとに又はこれらを組み合わせて定義した消込ルールファイルに基づいて行うことにより、従来消込処理ごとに需要予測を立案するなど消込処理の態様によって制限されていた需要予測の態様を増加させることができ、様々な態様で需要予測を立案することができるため、予測対象、予測期間又は消込処理が異なる予測情報であっても1つのシステムで管理することができ、汎用性のある需要予測装置を提供することができる。
【0062】そして、このような需要予測装置によれば取り扱う製品の需要予測上の特性にかかわらず生産管理に関する情報の集中を図ることができることから、例えば異なる事業部の予算をまとめて管理することができ、部品手配のための所要量展開への入力を一本化でき、商品在庫を一元的に管理することができ、このように情報が集中化された需要予測情報によれば予算の検討や生産の管理や部品の受発注等において集計的に又は個別的に検討するための有用な資料となり、生産管理システム全体の利用の便宜を向上させることができる。
【0063】また、前述したデータ作成部が対象算出機能と期間算出機能とデータ作成機能とを備えることによって、ルール情報中の対象情報に基づいて消込処理がなされるべき予測対象を特定し、これとは別にルール情報中の期間情報に基づいて消込処理がなされるべき予測期間を特定し、さらにルール情報中の処理情報に基づいて消込データが作成されることから、消込ルールファイル中の各情報に基づいて確実に需要予測情報の消込データを作成することができる。
【0064】さらに、ルール特定部の適用期間算出機能と改訂ルール特定機能とによって受注情報が入力された日時である受付情報と改訂ルール対応情報と商品情報テーブルとに基づいてこの受注情報に基づく消込処理が行われる日時に適用される消込ルールファイルに基づいて予測情報を消し込むことができるから、立案されてから実際に確定受注を受けるまでの期間中に予測対象等の項目が順次改訂される需要予測情報の改版に伴い変更された予測情報の予測対象・予測期間・消込処理に対して、消込処理を行う時点の需要予測情報の各予測対象、予測期間及び消込処理に応じた消込ルールファイルで消込処理を行うことができ、これにより確定受注を受けて消込処理を行う日時に実際に利用されている予測情報に対してその予測情報の予測対象、予測期間、消込処理をもって消込を行うことができるから、立案から時間経過に伴い改訂される需要予測情報の受注時点における各需要予測情報に応じた受注情報の消込処理を行うことができ、改訂されるごとに必要であった対象や期間を読み替えるといった処理業務を不要とすることができ、需要予測情報の立案者は付随する業務の発生に制限されることなく改訂の回数を増加させることができるから、予測情報立案から生産までの利用目的に応じた精度の高い需要予測情報を得ることができる。
【0065】そして、消込ルールファイルは対象情報と期間情報と処理情報とを含む構成を採っており、ルール登録部がルール記憶部に記憶されたルールを更新することから、消込ルールファイル中の対象情報、期間情報又は処理情報いずれか又は2以上の内容に変更があった場合であっても、プログラム全体を修正することなく各情報を更新することができる。さらに、消込データ生成部が対象算出機能と期間特定機能とデータ作成機能を有する構成によれば、各消込ルールファイルの変更が確実に需要予測情報の消込に反映される。
【0066】このようなルール登録部によれば消込ルールファイル中の対象情報と期間情報と処理情報の各パターンを予め用意することで消込ルールファイルの内容を容易に変更することができ、その組み合わせを変更することで消込ルールファイルの態様を増加させることができ、ユーザである需要予測情報作成者自身がルール内容を変更することができる。
【0067】そして、商品情報テーブル更新部が、商品情報記憶手段に記憶された商品情報テーブル中の商品情報を更新することから、顧客の要請によって追加・変更がされやすい受注情報中の受注対象の追加・変更に対応することができるから、品目データと消込ルールファイルとの関係の変更にも対応することができ、ルール登録部によってルール情報が追加された場合にも対応することができ、商品情報中の各情報の変更を需要予測情報に反映させることができるため需要予測情報の精度を維持することができる。
【0068】消込データ生成部の対象算出機能が有する対象読替機能が、特定されたルール情報中の読替情報に基づいて受注対象を構成する複数の商品又は商品群を他の商品又は商品群へ読み替えることから、ルール情報において各商品ごとに対応する各対象情報を持つことなく受注対象を予測対象へ読み替えることができ、受注対象中の複数の商品のすべてを単位となる各商品へ展開して再度予測対象へ対応づける必要がないことため、各商品ごとへの展開に要していたデータ容量及び処理時間を削減することができる。
【0069】さらには、対象読替テーブル更新部により対象の読み替えに用いられる対象読替テーブル中の情報を更新するから、顧客のニーズに応じて設定される商品の仕様(組み合わせ)に変更が生じた場合に、ルール情報の変更をせずにその変更を需要予測情報に反映することができる。
【0070】このように、本実施形態によると、予測の対象となる製品や顧客又は事業部の需要予測上の特性の相違(例えば量販品か特注品か等)によって又は需要予測情報の利用の目的の相違(例えば予算、生産計画、営業計画、部品手配)によって需要予測情報の予測対象、予測期間及び消込処理のそれぞれが異なる場合であってもこれらを一のシステムにおいて管理することができるから、製品ごと、生産拠点(工場等)ごと、又は事業部ごとといった固定的な対象について立案していた需要予測を任意に設定して複数の対象について汎用的に取り扱うことができ、複数の工場や複数の事業部を持つ企業であっても生産管理に関する情報を集中的に管理することができ、このような需要予測情報によれば事業計画や予算や生産計画等において多角的な分析をすることができる。
【0071】
【実施例】実施例として代表的な三態様の消込ルールファイルが適用される消込処理について具体的に説明する。本実施例では、消込ルールとして、前記需要予測情報中の各品目を構成する部品の最終手配日前に前記受注情報が入力された場合に当該部品の消込データを生成させる指示と、前記最終手配日後に前記受注情報が入力された場合には消込データを生成させない指示とを備える。この消込ルールを、タイムフェンス消込という。また、他の消込ルールとして、前記需要予測情報を作成した品目の仕様と前記受注情報での品目の仕様とが異なる品目について前記受注情報が入力された場合に当該受注情報での品目を前記需要予測情報での品目へ展開させる指示を備える。これを混成品目消込という。
【0072】図14は需要予測装置1の実施例を示す図表である。この実施例では、予測情報入力手段2から入力される需要予測情報2が、マーケット番号22a、納期22b、需要予測数22d、消込数22e、および消込フラグ22gを備えている。これらの情報は予め入力され記憶していてもよい。また、受注情報入力手段2から入力される受注情報21は、受注番号21a、顧客番号21b、納期21c、品目21d、および受注数21eを備えている。そして、商品情報記憶手段8は、商品情報として、モデル情報25a、顧客情報25b、品目情報25c、バケット情報25d、マーケット情報25e、および受注情報25fとを記憶する。
【0073】モデル情報25aは、予測対象が複数の製品から構成されるモデルで設定されている場合のモデルと受注対象の品目とを関係づける情報である。ここでモデルとは例えば繰り返し性の高い製品構成を管理する製品群といった予測対象として任意に定義される製品のカテゴリである。
【0074】顧客情報25bは、顧客を区別する顧客番号と製品を任意のカテゴリに区分したマーケットを区別するマーケット番号とを関係づける情報である。ここで、「マーケット」は、製品を予算、営業、生産計画等の利用目的に応じて例えば事業部ごと、顧客ごと、生産工程ごと等の任意に定義される予測対象のグループである。また顧客は、受注を発する注文主である。
【0075】品目情報25cは、予測対象の一例である品目と固定期間を関係づける表である。固定期間は、製品の納期に対する当該品目を手配すべき最終期限までの期間であり、各品目別に定義される。部品の先行手配のためには、手配のリードタイムを考慮して需要が予測される期間よりも一定の時間だけ繰り上げて先行して手配をしなければならない。この部品の手配時を経過した以後の時期では、部品の先行手配がすでに行われているため、受注数量データの消込の利益がない。従って、本実施例では部品の手配時を過ぎた時期の需要予測情報については、予測数量データを変更することができないとしている。この固定期間は現在の日付から予め定められた期間であってもよい。品目は、例えば商品又は商品群、製品又は製品群等の受注対象または予測対象となりうるものをいう。
【0076】バケット情報25dは、予測期間データの単位期間であるバケットと、そのバケットの先頭日の暦の日である年月日のデータとを関連づける情報である。また、このバケット情報25dには、稼働又は非稼働、稼働工程の情報といった生産管理に関する情報を有する。
【0077】マーケット情報25eは、マーケットの種類を示すマーケット番号と消込ルールを特定する消込ルール番号とを関係づけたものである。受注仕様情報25fは、受注仕様と品目と単位数とを関係づける情報である。受注仕様は、顧客別の受注製品構成が管理される受注対象データの一態様である。例えば、受注仕様Xが、ハードディスク1つと、キーボード1つと、ディスプレイ1つと、スピーカ4つとから構成されるとき、品目がハードディスクで単位数が1つ、品目がスピーカで単位数が4つといった情報が受注仕様ごとに格納される。
【0078】また、対象読替テーブル23には、読み替え前の受注品目1と需要予測の対象となる品目に適応させた読み替え後の受注品目2とを関係づけた情報が格納されている。
【0079】受注情報入力手段2から入力された受注情報21、予測情報入力手段から入力された需要予測情報22と、モデル情報25a等の商品情報と、対象読替テーブル23とは、記憶手段24に格納されている。
【0080】更新手段3は、入力された受注情報21と商品情報とに基づいて消込ルールファイルを特定し、消込データを生成し、そして記憶手段に格納されている需要予測情報22を更新する。この更新された需要予測情報22は所要量展開システム、在庫管理システム、受発注システム等の生産管理システムで利用される。
【0081】図15の(a)に一例を示す顧客情報25bは、受注を受ける顧客を定義する顧客番号とこの顧客とマーケット番号を対応づける。この実施例ではマーケット番号は顧客を束ねた予測対象である。図15(b)は、マーケット情報の一例を示しており、マーケット番号と消込ルールファイルとを関係づける。図15(b)には消込ルールの例として、タイムフェンス消込と同一品目消込(品目−品目)、と混合品目消込(品目又はモデル―受注仕様)との代表的な3例があげられている。消込ルールファイルは、消込ルール別に予め作成されている。この消込ルールファイルは、受発注の変化や、新しい需要予測のパターン等に応じて新たに生成すると良い。この消込ルールファイルは、消込用のプログラムとデータとを有する。この消込ルールファイルを予め定められたディレクトリ等に格納することで需要予測プログラムのプラグインとして利用できる。すると、需要予測のパターンの柔軟性をより高めることができる。
【0082】図15(b)に示す消込ルール1の「タイムフェンス消込」とは、品目ごとに登録されている固定期間(予測変更が不可能な)以前の需要予測情報22を削除する(例えば所要量計算対象外とする)消込処理を指令するものである。タイムフェンス消込の消込ルール中には、(a)同一品目を算出する対象情報と、(b)納期データの属する予測期間を算出する期間情報と、(c)納期データが入力日の日付から30日以内である場合には需要予測数を0(ゼロ)するように指令する処理情報とを有する。量販品受注のように、出荷台数の大枠を定めておき、先行して部品を手配するようなケースに向いている。
【0083】消込ルール2の「同一品目消込」とは、文字通り同一品目どうしでの消込処理を指令するものである。この消込ルールファイルは、(a)受注情報22の品目22dと同一品目を算出する対象情報と、(b)納期データの属する予測期間を算出する期間情報と、(c)需要予測数量22dから受注数22eを減算する旨を指令する処理情報とを有する。単品受注を受けるケースや、品目での細かい消込を実現する業務に向いている。
【0084】消込ルール3の「混合品目消込」とは、品目読替テーブルを参照し品目の読替えをして需要予測を消し込む消込処理を指令するものである。この消込ルールファイルは、(a)複数の商品群からなる受注情報の品目22dを他の商品又は商品群に読み替える対象読替を指令する対象読替情報と、読み替えられた品目と同一品目を算出する対象情報と、(b)納期データ22cの属する予測期間22bを算出する期間情報と、(c)需要予測数量22dから受注数22eを減算する旨を指令する処理情報とを有する。システム品受注のように製品を組み合わせて受注をうける形態に向いている。
【0085】更新手段3では、入力された受注情報2の顧客番号21bに基づいてマーケット情報25eを参照してマーケット番号を特定し、この特定されたマーケット番号に基づいて消込ルールファイルを特定する。
【0086】各消込ルールファイルに基づく処理を、図1414乃至図16に基づいて説明する。図16には受注情報21と更新手段3と需要予測情報22とを表し、消込処理における各データの対応を示している。
【0087】(1)受注番号JUCHU1についてJUCHU1の受注情報21aが入力されると、顧客番号22bのK1−1、K1−2に基づいて顧客情報25bを参照してマーケット番号M101、M101を特定し、このマーケット番号に基づいてマーケット情報25eを参照して消込ルール番号を特定する。特定されたマーケット番号M101に対応する消込ルールは、消込ルール1となる。
【0088】消込ルール1はタイムフェンス消込である。このタイムフェンス消込は需要予測数22dから減算するのではなく固定期間を過ぎて受注した受注情報21を需要予測情報22の更新の対象外とする処理である。この固定期間は現在の日付から所定の期間を設定したものである。
【0089】ルール1ではJUCHU1の品目データHMK−01の固定期間は30日前として設定されているので、納期から30日間を経過した後には需要予測情報の更新の対象外とすることとなる。現在の日付が1998年11月10日であるとすると、30日後の12月10日までが需要予測までが消込ルール1に従う消込の対象となる。
【0090】JUCHU2の品目データである品目22dはHMK−01、納期データ22cは98年12月10日、受注数22eは10である。この品目データ22dに基づいて消込データ生成部12の対象算出機能12によって消込ルール1の対象情報に従って受注情報中の品目22aのHMK−01と同一の品目22cのHMK−01が算出される。そして、期間算出機能13によって納期データ21cの98年12月10日が属する予測期間が算出される。この予測期間は先頭日が98年12月1日の予測期間であり品目と22cと予測期間22bとから予測情報a1が特定され、98年12月10日は固定期間に属するから消込ルール1の処理情報に従い更新需要予測数をゼロにする。
【0091】なお、消込するべき予測情報が多い場合には消込部1によりa1の予測情報に消込フラグYがセットすることとし、夜間バッチにて該当の品目、固定期間に入った予測JUCHU1情報の消込フラグYを消込フラグ用のフィールド22gにセットしてもよい。
【0092】(2)受注番号JUCHU3、JUCHU4についてJUCHU3、4の受注情報21が入力されると、(1)のJUCHU1の場合と同様に顧客情報25bとマーケット情報25eを参照して消込ルールM201が特定される。消込ルール2は同一品目消込である。この同一品目消込は、同一品目の需要予測数22dから受注数21eを減算する処理を行う。
【0093】JUCHU3の品目データである品目22dはHMK−01、納期データ22cは98年12月11日、受注数22eは2である。この品目データ22dに基づいて消込データ生成部12の対象算出機能12によって消込ルール1の対象情報に従って受注情報中の品目22aのHMK−01と同一の品目22cのHMK−01が算出される。そして、期間算出機能13によって納期データ21cの98年12月11日が属する予測期間が算出され、この期間は先頭日が98年12月1日の予測期間だから予測情報b1が特定される消し込まれる需要予測数22dが特定され、数量算出機能によって消込処理を行う消込数量22fが算出される。この値はJUCHU3の受注数である2となる。
【0094】JUCHU4の品目データである品目22dはHMK−01、納期データ22cは98年12月12日、受注数22eは5である。JUCHU3と同様に処理を行うと同じく需要予測情報b2が特定され、消込数量22fは5と算出される。
【0095】JUCHU3とJUCHU4は同じ需要予測情報b1を消し込むから、JUCHU3の消込数量2とJUCHU4の消込数量5を加算して、7(2+5=7)が消込数量22fとしてセットされる。そして消込ルール2の処理情報に従い消込数量22fを算出して、その結果に基づいて消込部6が予測数量数22dから消込数量22fを減算し更新需要予測数22eを得る。
【0096】(3)受注番号JUCHU5、JUCHU6についてJUCHU3、4の受注情報21が入力されると、(1)のJUCHU1の場合と同様に顧客情報25bとマーケット情報25eを参照して消込ルールM201が特定される。
【0097】消込ルール3は「混合品目消込」である。この混合品目消込は、複数の商品又は商品群の品目データから他の複数の商品又は商品群に読み替えて、対応する需要予測数22dから受注数21eを減算する処理を行う。
【0098】JUCHU5の品目データである品目22dは複数の商品から構成されるJSY−01、納期データ22cは98年12月11日、受注数22eは5である。まず、対象読替機能11によって対象読替テーブル23に基づいて受注対象データを読み替える。図16の(a)は対象読替テーブル23のうち受注仕様の構成を示す情報の一例を示し、図16(b)はモデルの構成を示す情報の一例を示し、図16(c)は受注仕様で受けた品目をモデルと品目に読み替える情報の一例を示す。
【0099】対象読替は、受注対象のうち繰り返し受注を受ける共通製品構成をあらかじめモデルとして定義してこれを予測対象として需要予測を立案し、顧客別にばらつくオプション品目を別の対象として需要予測で立案する。顧客からは製品を組み合わせた受注仕様として受注を受ける。受注仕様をモデル+品目の受注品目として消込を行うこととなり、受注品目1を構成する「商品又は商品群」を他の受注品目2を構成する「商品又は商品群」へ読み替える。
【0100】対象の読み替えは、まず、a)対象読替テーブル23に「モデル−受注仕様」を登録し、次に、b)モデルと差分品目(モデル以外のオプション品目)を算出し、さらに、c)これらをそれぞれ対象読替テーブルに基づいて読み替えを行う。
【0101】具体的には、受注仕様JSY−01は品目HMK−10(1ピース)、品目HMK−20(1ピース)、品目HMK−30(3ピース)、品目HMK−01(1ピース)から構成される。よって、受注仕様JSY−01はモデルMLD−01(1セット)と品目HMK−01(1ピース)とから構成されることがわかる。従って、一つの受注情報から2つの品目の情報が得られて、2つの消込数量22fが算出されることとなる。JUCHU5では、品目JSY−01が入力され、対象読替機能11が対象読替テーブル23を参照してモデルMLD−01(1セット)と品目HMK−01(1ピース)とに読み替える。この読み替えた受注品目2を新たな受注対象として、それぞれにつき対象算出機能12が対象情報に従って消込対象となる需要予測情報の品目22cを算出する。
【0102】そして、受注品目1を読み替えた受注品目2のそれぞれについて納期データ21cを算出する。すると、消し込まれる予測情報c1とc2とが特定されるから消し込まれる需要予測数22dが特定され、消込処理を行う消込数量22fが算出される。このそれぞれの値はJUCHU5の受注数である5となる。
【0103】JUCHU6も混合品目であるから、JUCHU15と同様に処理される。このように消込数量22gが消し込まれた更新需要予測数22eは、所要量展開システムに送信され先行手配のデータとなるほか、在庫管理システム、受発注システム等の生産管理システムに送信される。
【0104】
【発明の効果】本発明の需要予測方法は以上のように構成され機能するので、これによると、受注内容の特性に応じて特定された消込ルールに基づいて受注情報の内容を消込データに変換すると、受注情報のデータ構造による受注内容が、需要予測情報のデータ構造の形式に変換され、そして、消込工程にて、この需要予測情報のデータ構造での受注内容を当該需要予測情報から消し込むと、確定受注の内容を需要予測情報に反映させることができ、このとき、需要予測情報のデータ構造別に消込ルールファイルを用意しておけば、需要予測情報を特別なデータ構造で作成する必要がなくなり、すると、需要予測情報を品目の特性に応じて作成しなくとも、需要予測情報を生産管理上の他の要求によるデータ構造で作成し、これに応じた消込ルールファイルを作成することで、確定受注の消込処理を行うことができ、すると、確定受注の消込処理という最低限必要な機能を維持しつつ、需要予測情報を多様化し、生産管理上の貴重な情報源である需要予測情報を広く利用でき、さらに、従来は品目やマーケット毎に異なるシステムで作成されていた需要予測情報を統一のシステムで共有することができ、このため、例えば予算の集計等従来は困難であった処理を需要予測システムの中で実現することができるという従来にない優れた需要予測方法を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の需要予測方法の第一の実施形態を示すフローチャートである。
【図2】需要予測情報を消し込む消込処理を説明する説明図である。
【図3】需要予測情報の改版に関する予測対象の関係を説明する説明図である。
【図4】図4(a)乃至図4(d)は需要予測情報の改版を説明する説明図である。
【図5】本発明の需要予測装置の第一の実施形態を示すブロック図である。
【図6】図1に示した更新手段の詳細構成を示すブロック図である。
【図7】需要予測情報の一例を示す図表である。
【図8】受注情報の一例を示す図表である。
【図9】消込ルールの一例を示す図表である。
【図10】需要予測情報の更新を説明する説明図である。
【図11】対象読替テーブルの一例を示す図表である。
【図12】商品情報テーブルの一例を示す図表である。
【図13】図6で示した実施形態のフローチャートである。
【図14】需要予測装置の実施例を示す図表である。
【図15】図15の(a)及び図15(b)は、図14で示した実施例の商品情報の一例を示す。
【図16】図14で示した実施例の消込処理を説明する説明図である。
【図17】図17(a)乃至(c)は、図14で示した実施例の対象読替情報の一例を示す。
【符号の説明】
1 需要予測装置
2 入力手段、受注情報入力手段、予測情報入力手段
3 更新手段
4 ルール特定部
5 消込データ生成部
6 消込部
7 出力手段
8 商品情報記憶手段
9 需要予測情報記憶手段
11 対象読替機能
12 対象算出機能
13 期間算出機能
14 数量算出機能
15 商品情報更新手段
16 商品情報テーブル記憶部
17 ルール記憶部
18 対象読替テーブル記憶部
21 受注情報
22 予測情報
23 対象読替テーブル
【特許請求の範囲】
【請求項1】 演算装置と、この演算装置を動作させる各工程の処理内容が定義されたプログラムファイルおよび前記演算装置によって読出されるデータファイルを記憶した記憶装置と、前記演算装置にデータを入力する入力装置とを使用して需要予測を行う方法であって、確定した受注の内容を示す受注情報が前記入力装置を介して入力される受注情報入力工程と、前記記憶装置にデータファイルとして予め格納された需要予測情報を読み出す予測情報読出工程と、この予測情報読出工程によって読出される前記需要予測情報中の各予測対象及び予測期間ごとの予測数量データに対する消込む処理が予め定義された複数の消込ルールファイルを読み出す消込ルール読出工程と、この消込ルール読出工程に前後して前記受注情報による受注内容の特性と前記各消込ルールファイルとを関係づける商品情報を前記記憶装置から読み出す商品情報読出工程と、前記受注情報入力工程から入力された受注情報に応じて前記予測情報読出工程にて読み出された予測情報を更新する更新工程とを備え、前記更新工程が、前記商品情報読出工程にて読み出された商品情報に基づいて前記受注情報による受注内容の特性に基づいて前記消込ルールファイルを特定するルール特定工程と、このルール特定工程にて特定された消込ルールに基づいて前記受注情報に関する消込データを生成する消込データ算出工程と、この消込データ算出工程にて算出された消込データに基づいて対応する前記需要予測情報を検索すると共に当該対応する需要予測情報を消し込む消込工程とを備えたことを特徴とする需要予測方法。
【請求項2】 前記受注情報入力工程は、前記受注情報として受注対象の品目を示す受注対象データと当該受注対象の納期を示す納期データと当該納期の受注対象の数量を示す受注数量データとが入力される工程を備え、前記消込データ算出工程が、前記ルール特定工程にて特定された消込ルールファイルに基づいて前記受注対象データに対応する前記需要予測情報での消込対象を特定する消込対象特定工程と、この消込対象特定工程に前後して前記消込ルールファイルに基づいて前記納期データに対応する前記需要予測情報での消込期間を算出する消込期間算出工程と、この消込期間算出工程にて算出された消込期間別でかつ前記消込対象特定工程にて特定された消込対象別に当該消込対象及び消込期間に対応する需要予測情報中の予測数量データを特定するとともに前記受注数量データに基づいて当該予測数量データから消し込む消込数量を算出する消込数量算出工程とを備えたことを特徴とする請求項1記載の需要予測方法。
【請求項3】 予め入力された需要の予測情報を記憶する需要予測情報記憶手段と、この需要予測情報記憶手段に格納された需要予測情報中の商品に関連する情報を記憶した商品情報記憶手段と、確定した受注の内容を示す受注情報が入力される受注情報入力手段と、この受注情報入力手段から入力された受注情報に応じて前記需要予測情報記憶手段に格納された需要予測情報を更新する更新手段と、この更新手段によって更新された更新需要予測情報を出力する出力手段とを備え、前記商品情報記憶手段が、前記需要予測情報から前記受注情報による受注分を消し込む際のルールが定義された複数の消込ルールファイルを記憶するルール記憶部と、前記受注情報による受注内容の特性と前記各消込ルールファイルとを関係づける商品情報テーブルを記憶する商品情報テーブル記憶部とを備え、前記更新手段が、前記受注情報入力手段から入力された受注情報に対応する前記消込ルールファイルを前記商品情報テーブルに基づいて特定するルール特定部と、このルール特定部によって特定された消込ルールに基づいて前記受注情報から消込データを生成する消込データ生成部と、この消込データ生成部によって生成された消込データに基づいて対応する前記需要予測情報を検索すると共に当該対応する予測情報を消し込む消込部とを備えたことを特徴とする需要予測装置。
【請求項4】 前記商品情報テーブル記憶部が、前記受注情報の品目別に前記消込ルールファイルを指定したテーブルを備えたことを特徴とする請求項3記載の需要予測装置。
【請求項5】 前記商品情報テーブル記憶部が、前記受注情報の顧客または顧客グループ別に前記消込ルールファイルを指定したテーブルを備えたことを特徴とする請求項3記載の需要予測装置。
【請求項6】 前記受注情報入力手段に入力される受注情報が、受注対象の品目を示す受注対象データと、当該受注対象の納期を示す納期データと、当該納期の受注対象の数量を示す受注数量データとを有し、前記更新手段の前記消込データ生成部が、前記ルール特定部によって特定された消込ルール中の対象情報に従い前記受注対象データに対応する前記需要予測情報での消込対象を特定する対象算出機能と、前記ルール特定部によって特定された消込ルール中の期間情報に従い前記納期データに対応する前記需要予測情報での消込期間を算出する期間算出機能と、この期間算出機能によって算出された消込期間別でかつ前記対象算出機能によって特定された消込対象別に当該消込対象及び消込期間に対応する需要予測情報中の予測数量データを特定するとともに前記受注数量データに基づいて当該予測数量データから消し込む消込数量を算出する数量算出機能とを備えたことを特徴とする請求項3記載の需要予測装置。
【請求項7】 前記商品情報記憶手段が、前記受注対象データを構成する複数の商品又は商品群データを他の商品又は商品群データに対応づけた対象読替情報を記憶する対象読替テーブル記憶部を有し、前記消込データ生成部の対象算出機能が、前記ルール特定部にて特定された消込ルールファイルの対象情報中に前記受注対象データの読み替えを指令する読替情報が含まれている場合に起動し前記受注情報中の受注対象データを構成する商品又は商品群データを前記対象読替テーブルに基づいて対応する他の商品又は商品群データへ読み替える対象読替機能を有することを特徴とする請求項6記載の需要予測装置。
【請求項8】 前記消込ルールが、前記需要予測情報中の各品目を構成する部品の最終手配日前に前記受注情報が入力された場合に当該部品の消込データを生成させる指示と、前記最終手配日後に前記受注情報が入力された場合には消込データを生成させない指示とを備えたことを特徴とする請求項3記載の需要予測装置。
【請求項9】 前記消込ルールが、前記需要予測情報を作成した品目の仕様と前記受注情報での品目の仕様とが異なる品目について前記受注情報が入力された場合に当該受注情報での品目を前記需要予測情報での品目へ展開させる指示を備えたことを特徴とする請求項3記載の需要予測装置。
【請求項10】 前記商品情報テーブル記憶部に格納された商品情報テーブルが、前記受注情報中の受注対象データに対応する前記各消込ルールファイルを所定のルール適用期間ごとに関係づけた改訂ルール情報を有するとともに、前記受注情報入力手段から入力される受注情報が当該受注情報の入力される日時の情報である受付情報を有し、前記ルール特定部が、前記受付情報に基づいて当該受付情報中の受付日時が属する前記ルール適用期間を特定する適用期間算出機能と、この適用期間算出機能が特定したルール適用期間と前記受注情報中の受注対象データとに基づいて前記商品情報テーブル中の改訂ルール情報を参照して前記消込ルールファイルを特定する改訂ルール特定機能とを備えたことを特徴とする請求項3記載の需要予測装置。
【請求項11】 前記商品情報記憶手段が、前記受注情報入力手段から新たな消込ルールファイルが入力された時には当該消込ルールファイルを前記ルール記憶部に格納するルール登録部を備えたことを特徴とする請求項3記載の需要予測装置。
【請求項12】 演算装置と、この演算装置を動作させる各工程の処理内容が定義されたプログラムファイルおよび前記演算装置によって読出されるデータファイルを記憶した記憶装置と、前記演算装置にデータを入力する入力装置とを使用して需要予測を行う需要予測用プログラムを記憶した記憶媒体であって、前記プログラムは、前記演算装置を動作させる指令として、確定した受注の内容を示す受注情報を前記入力装置を介して入力させる受注情報入力指令と、前記記憶装置にデータファイルとして予め格納された需要予測情報を読出させる予測情報読出指令と、この予測情報読出指令に応じて読出される前記需要予測情報中の各予測対象及び予測期間ごとの予測数量データに対する消込む処理が予め定義された複数の消込ルールファイルを読出させる消込ルール読出指令と、前記受注情報による受注内容の特性と前記各消込ルールファイルとを関係づける商品情報を前記記憶装置から読出させる商品情報読出指令と、前記受注情報入力指令に応じて入力された受注情報に応じて前記予測情報読出指令にて読み出された予測情報を更新する更新指令とを備え、前記更新指令が、前記商品情報読出指令に応じて読み出された商品情報に基づいて前記受注情報による受注内容の特性に基づいて前記消込ルールファイルを特定させるルール特定指令と、このルール特定指令にて特定された消込ルールに基づいて前記受注情報に関する消込データを生成させる消込データ算出指令と、この消込データ算出指令にて算出された消込データに基づいて対応する前記需要予測情報を検索すると共に当該対応する需要予測情報を消し込む消込指令とを備えたことを特徴とする需要予測用プログラムを記憶した記憶媒体。
【請求項1】 演算装置と、この演算装置を動作させる各工程の処理内容が定義されたプログラムファイルおよび前記演算装置によって読出されるデータファイルを記憶した記憶装置と、前記演算装置にデータを入力する入力装置とを使用して需要予測を行う方法であって、確定した受注の内容を示す受注情報が前記入力装置を介して入力される受注情報入力工程と、前記記憶装置にデータファイルとして予め格納された需要予測情報を読み出す予測情報読出工程と、この予測情報読出工程によって読出される前記需要予測情報中の各予測対象及び予測期間ごとの予測数量データに対する消込む処理が予め定義された複数の消込ルールファイルを読み出す消込ルール読出工程と、この消込ルール読出工程に前後して前記受注情報による受注内容の特性と前記各消込ルールファイルとを関係づける商品情報を前記記憶装置から読み出す商品情報読出工程と、前記受注情報入力工程から入力された受注情報に応じて前記予測情報読出工程にて読み出された予測情報を更新する更新工程とを備え、前記更新工程が、前記商品情報読出工程にて読み出された商品情報に基づいて前記受注情報による受注内容の特性に基づいて前記消込ルールファイルを特定するルール特定工程と、このルール特定工程にて特定された消込ルールに基づいて前記受注情報に関する消込データを生成する消込データ算出工程と、この消込データ算出工程にて算出された消込データに基づいて対応する前記需要予測情報を検索すると共に当該対応する需要予測情報を消し込む消込工程とを備えたことを特徴とする需要予測方法。
【請求項2】 前記受注情報入力工程は、前記受注情報として受注対象の品目を示す受注対象データと当該受注対象の納期を示す納期データと当該納期の受注対象の数量を示す受注数量データとが入力される工程を備え、前記消込データ算出工程が、前記ルール特定工程にて特定された消込ルールファイルに基づいて前記受注対象データに対応する前記需要予測情報での消込対象を特定する消込対象特定工程と、この消込対象特定工程に前後して前記消込ルールファイルに基づいて前記納期データに対応する前記需要予測情報での消込期間を算出する消込期間算出工程と、この消込期間算出工程にて算出された消込期間別でかつ前記消込対象特定工程にて特定された消込対象別に当該消込対象及び消込期間に対応する需要予測情報中の予測数量データを特定するとともに前記受注数量データに基づいて当該予測数量データから消し込む消込数量を算出する消込数量算出工程とを備えたことを特徴とする請求項1記載の需要予測方法。
【請求項3】 予め入力された需要の予測情報を記憶する需要予測情報記憶手段と、この需要予測情報記憶手段に格納された需要予測情報中の商品に関連する情報を記憶した商品情報記憶手段と、確定した受注の内容を示す受注情報が入力される受注情報入力手段と、この受注情報入力手段から入力された受注情報に応じて前記需要予測情報記憶手段に格納された需要予測情報を更新する更新手段と、この更新手段によって更新された更新需要予測情報を出力する出力手段とを備え、前記商品情報記憶手段が、前記需要予測情報から前記受注情報による受注分を消し込む際のルールが定義された複数の消込ルールファイルを記憶するルール記憶部と、前記受注情報による受注内容の特性と前記各消込ルールファイルとを関係づける商品情報テーブルを記憶する商品情報テーブル記憶部とを備え、前記更新手段が、前記受注情報入力手段から入力された受注情報に対応する前記消込ルールファイルを前記商品情報テーブルに基づいて特定するルール特定部と、このルール特定部によって特定された消込ルールに基づいて前記受注情報から消込データを生成する消込データ生成部と、この消込データ生成部によって生成された消込データに基づいて対応する前記需要予測情報を検索すると共に当該対応する予測情報を消し込む消込部とを備えたことを特徴とする需要予測装置。
【請求項4】 前記商品情報テーブル記憶部が、前記受注情報の品目別に前記消込ルールファイルを指定したテーブルを備えたことを特徴とする請求項3記載の需要予測装置。
【請求項5】 前記商品情報テーブル記憶部が、前記受注情報の顧客または顧客グループ別に前記消込ルールファイルを指定したテーブルを備えたことを特徴とする請求項3記載の需要予測装置。
【請求項6】 前記受注情報入力手段に入力される受注情報が、受注対象の品目を示す受注対象データと、当該受注対象の納期を示す納期データと、当該納期の受注対象の数量を示す受注数量データとを有し、前記更新手段の前記消込データ生成部が、前記ルール特定部によって特定された消込ルール中の対象情報に従い前記受注対象データに対応する前記需要予測情報での消込対象を特定する対象算出機能と、前記ルール特定部によって特定された消込ルール中の期間情報に従い前記納期データに対応する前記需要予測情報での消込期間を算出する期間算出機能と、この期間算出機能によって算出された消込期間別でかつ前記対象算出機能によって特定された消込対象別に当該消込対象及び消込期間に対応する需要予測情報中の予測数量データを特定するとともに前記受注数量データに基づいて当該予測数量データから消し込む消込数量を算出する数量算出機能とを備えたことを特徴とする請求項3記載の需要予測装置。
【請求項7】 前記商品情報記憶手段が、前記受注対象データを構成する複数の商品又は商品群データを他の商品又は商品群データに対応づけた対象読替情報を記憶する対象読替テーブル記憶部を有し、前記消込データ生成部の対象算出機能が、前記ルール特定部にて特定された消込ルールファイルの対象情報中に前記受注対象データの読み替えを指令する読替情報が含まれている場合に起動し前記受注情報中の受注対象データを構成する商品又は商品群データを前記対象読替テーブルに基づいて対応する他の商品又は商品群データへ読み替える対象読替機能を有することを特徴とする請求項6記載の需要予測装置。
【請求項8】 前記消込ルールが、前記需要予測情報中の各品目を構成する部品の最終手配日前に前記受注情報が入力された場合に当該部品の消込データを生成させる指示と、前記最終手配日後に前記受注情報が入力された場合には消込データを生成させない指示とを備えたことを特徴とする請求項3記載の需要予測装置。
【請求項9】 前記消込ルールが、前記需要予測情報を作成した品目の仕様と前記受注情報での品目の仕様とが異なる品目について前記受注情報が入力された場合に当該受注情報での品目を前記需要予測情報での品目へ展開させる指示を備えたことを特徴とする請求項3記載の需要予測装置。
【請求項10】 前記商品情報テーブル記憶部に格納された商品情報テーブルが、前記受注情報中の受注対象データに対応する前記各消込ルールファイルを所定のルール適用期間ごとに関係づけた改訂ルール情報を有するとともに、前記受注情報入力手段から入力される受注情報が当該受注情報の入力される日時の情報である受付情報を有し、前記ルール特定部が、前記受付情報に基づいて当該受付情報中の受付日時が属する前記ルール適用期間を特定する適用期間算出機能と、この適用期間算出機能が特定したルール適用期間と前記受注情報中の受注対象データとに基づいて前記商品情報テーブル中の改訂ルール情報を参照して前記消込ルールファイルを特定する改訂ルール特定機能とを備えたことを特徴とする請求項3記載の需要予測装置。
【請求項11】 前記商品情報記憶手段が、前記受注情報入力手段から新たな消込ルールファイルが入力された時には当該消込ルールファイルを前記ルール記憶部に格納するルール登録部を備えたことを特徴とする請求項3記載の需要予測装置。
【請求項12】 演算装置と、この演算装置を動作させる各工程の処理内容が定義されたプログラムファイルおよび前記演算装置によって読出されるデータファイルを記憶した記憶装置と、前記演算装置にデータを入力する入力装置とを使用して需要予測を行う需要予測用プログラムを記憶した記憶媒体であって、前記プログラムは、前記演算装置を動作させる指令として、確定した受注の内容を示す受注情報を前記入力装置を介して入力させる受注情報入力指令と、前記記憶装置にデータファイルとして予め格納された需要予測情報を読出させる予測情報読出指令と、この予測情報読出指令に応じて読出される前記需要予測情報中の各予測対象及び予測期間ごとの予測数量データに対する消込む処理が予め定義された複数の消込ルールファイルを読出させる消込ルール読出指令と、前記受注情報による受注内容の特性と前記各消込ルールファイルとを関係づける商品情報を前記記憶装置から読出させる商品情報読出指令と、前記受注情報入力指令に応じて入力された受注情報に応じて前記予測情報読出指令にて読み出された予測情報を更新する更新指令とを備え、前記更新指令が、前記商品情報読出指令に応じて読み出された商品情報に基づいて前記受注情報による受注内容の特性に基づいて前記消込ルールファイルを特定させるルール特定指令と、このルール特定指令にて特定された消込ルールに基づいて前記受注情報に関する消込データを生成させる消込データ算出指令と、この消込データ算出指令にて算出された消込データに基づいて対応する前記需要予測情報を検索すると共に当該対応する需要予測情報を消し込む消込指令とを備えたことを特徴とする需要予測用プログラムを記憶した記憶媒体。
【図1】
【図2】
【図3】
【図5】
【図4】
【図7】
【図8】
【図17】
【図6】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図15】
【図14】
【図16】
【図2】
【図3】
【図5】
【図4】
【図7】
【図8】
【図17】
【図6】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図15】
【図14】
【図16】
【公開番号】特開2000−250891(P2000−250891A)
【公開日】平成12年9月14日(2000.9.14)
【国際特許分類】
【出願番号】特願平11−53895
【出願日】平成11年3月2日(1999.3.2)
【出願人】(000004237)日本電気株式会社 (19,353)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成12年9月14日(2000.9.14)
【国際特許分類】
【出願日】平成11年3月2日(1999.3.2)
【出願人】(000004237)日本電気株式会社 (19,353)
【Fターム(参考)】
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