説明

霜および/または凍結から植物を保護するための組成物ならびにその付着方法

【課題】霜および/または凍結により引き起される損傷から植物を保護するために植物の表面に付着させるポリマー組成物を提供する。
【解決手段】約32°F(0℃)で始まる外気温度を降下させる範囲にわたって熱を放出する水和ポリマーゲルで被覆された水小滴を含有する組成物で、植物の表面の少なくとも1部を被覆する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
発明の分野
本発明は、一般的に、植物への付着に適した組成物および植物にその組成物を付着させる方法に関する。特に、本発明は霜および/または凍結により引き起される損傷から植物を保護するために植物の表面に付着させるポリマー組成物に関する。
発明の背景
霜および/または凍結は農産物品に広範な損傷を引き起こしうる。霜発生の重要な要因は地球表面およびその上に生育する作物からの放射冷却である。このような放射冷却は大気に熱損失を生じ、特に無風の晴れた夜におこりやすい。したがって、いくつかの方法が、霜および/または凍結により引き起こされる損傷から植物を保護するために用いられている。
【0002】
たとえば、早朝の予防法は果樹園におけるいぶし火ポットの使用を含んでいた。いぶし火ポットは容器中で油を燃焼することにより実施された。このように、熱は果樹園の温度を危険水準を超えて上昇させた。燃焼で発生した煙も果樹園の熱を保持するのを助けるために断熱のおおいを供給した。
【0003】
絶縁した霧および/またはミストの層を形成する他の方法も知られている。たとえばCarlonらの米国特許第5,052,618号明細書は第2液体中に微細にカプセル化された第1液体のアエロゾルを発生させるためジェットエンジンを使用することにより霜から植物を保護する方法を開示する。そのアエロゾルは霜から保護されるべき植物のまわりにミストとなって分散される。ミストは植物のための保護放射バリアとして作用する。Maselの米国特許第4,352,458号明細書は、その中に飛沫同伴された凝縮水を有する熱い燃焼ガス噴出を実質的な距離にわたって発生し、そして運ぶための装置を開示する。発生するガス噴出および飛沫同伴される凝縮水は蒸気ミストを与え、そして装置は生育する作物について、および所望の時間にわたって所望の方向に蒸気の雲を維持するような態様で場所から場所へ移動しうる。
【0004】
さらにもう1つの方法は冷たい空気を果樹園の上方へ、そして暖かい空気を下方へ追いやる風の流れを発生させる機械を用いることを含む。このような風力機械は寒い夜の間に、霜から作物をさらに保護するために発生された風の流れに湿ったミストを導入するための手段と一緒に用いられうる。
【0005】
他の方法は、たとえば、Wojcickiの米国特許第5,285,769号明細書に記載されているようにパルス−ジェットエンジンの使用を含み、それはパルス周期にわたって個別の熱パルスの発生を発生させる。燃焼生成物は熱い噴出の形態であり、果樹園に排出され、温度を上昇させ、果樹もしくは同様の作物への凍結の損傷を妨げもしくは低滅させる。
【0006】
さらに、霜の損傷に対して作物を保護するためのもう1つの方法は、作物への直接的な水散布である。この方法において、放射熱損失は水滴の凍結により産出される潜熱により部分的に補償される。上述のとおり、Maselの特許は、この方法が水の4倍の伝電率を有する氷の有意の量が作物の上に、たとえば果樹の葉の上に、形成されるという不利益をこうむるということを言及する。したがって、この様の形成された氷は、葉の冷却を増強する。さらに、氷の質量は植物を損傷しうる。
【0007】
水は植物表面に直接付着するための凍結を妨げおよび/または保護する組成物を形成するために他の成分とも組合わされている。植物へ直接に付着させるこのような組成物は、一価アルコール、フロピレングリコール、ポリアルキルグリコール等のような小鎖のジヒトロキシおよびポリヒドロキシアルコールのような凝固点降下剤、ならびに架橋ポリアクリル酸のような他の剤の使用を主として含んでいた。
【0008】
たとえば、Savignanoの米国特許第5,653,054号明細書は草もしくは葉の多い植物上に霜の形成を防止もしくは抑制するため組成物を開示し、それは水、プロピレングリコールのような水溶性凝固点降下剤、および架橋ポリアクリル酸ポリマーのような水分散性濃厚化剤(thickening agent)を含む。その組成物は吹付けによりそして好ましくは予測された霜の始まりの前に、付着される。組成物はその組成物で処理された植物表面上に夜通し凝縮しもしくは集まる水分の凝固点を低下させることにより植物を保護する。
【0009】
Millerらの米国特許第5,668,082号明細書は農業および園芸産業で使用される活性物質と組合される「固着剤」(“sticker”)組成物および/または「固着剤/展着剤」(“sticker/spreader”)補助剤(adjuvant)を開示する。その組成物は、低分子量ポリオレフィン炭化水素レジンおよび殺虫剤、除草剤、殺カビ剤、殺ソ剤、栄養素、植物生育調節剤、フェロモンおよび落葉剤のような活性物質を含む。
【0010】
その特許は、その発明が過度の熱、寒さもしくは太陽にさらされることから保護するために数多くの果物および野菜の種類に種々の保護被膜の保持および分散に有利な結果を継続しうることを広く開示する。しかし、その特許は霜および/または凍結から植物を保護するために特に設計された組成物を何も開示しない。
【0011】
Siemerらの米国特許第5,185,024号明細書は、吹付けにより農業用土壌もしくは作物に架橋水和ポリアクリルアミドおよびポリ(アンモニウム)アクリレートヒドロゲルを付着させることを開示する。ヒドロゲルは通常、硬くて、不溶性であるとして記述され、そして界面活性剤、植物の微量栄養素もしくは多量栄養素、害虫駆除剤(pesticides)、植物生育調節剤、凝固点降下剤、微生物および着色剤(colorants)のような添加物を含みうる。その特許は、ヒドロゲルが土壌改質として、そして作物の葉の処理に使用されうることを開示する。たとえば、ヒドロゲルの使用は土壌もしくは作物の根のまわりの湿分の保持によりかんがい水の使用を実質的に低減しうる。生きたもしくは切った植物の表面がヒドロゲルで被覆されるとき、葉による水の蒸散は限定され、したがって水のために圧力を加えられる植物の生きた葉の生存を長くし、そして切った植物もしく花の心地よい外観の期間を長くする。さらにその特許は、植物を保護するために水の高い潜熱能力を利用することにより、霜の損傷から葉を保護するためにヒドロゲルか作物植物の表面に付着されてきたことも開示する。その特許は、熱くて乾いた天候条件に供された芝生にヒドロゲルを吹付ける、ならびにまだら豆に、または種まき後に砂の表面にヒドロゲルを吹付ける具体的な例を開示する。
本発明の利点
霜および/または凍結により引き起される損傷から植物を保護するために植物に付着させるための組成物を提供することが本発明の利点である。
【0012】
霜および/または凍結により引き起される損傷から植物を保護するために組成物を植物に付着させる方法を提供することが本発明のもう1つの利点である。
発明の要約
次の本発明の詳細な説明から明らかになる本発明のこれらおよび他の利点は、
植物の表面の少なくとも1部に付着されるとき約32°F(0℃)で始まる外界温度を降下させる範囲にわたって熱を放出するポリマーを含む組成物を提供することにより、1つの態様において達成される。本発明のもう1つの態様において、約32°F(℃)で始まる外気温度を降下させる範囲にわたって熱を放出するポリマーを含有する組成物で、植物の表面の少なくとも1部を被覆することを含む植物への組成物の付着方法が提供される。本発明の好適な態様において、外気温度を降下させる範囲が少なくとも約32°F(0℃)から約27°F(約−2.8℃)である。本発明の特に好適な態様において、外気温度を降下させる範囲が約32°F(0℃)から約22°F(約−5.6℃)である、本発明の好適な態様において、ポリマーは水和ポリマーゲルである。本発明の特に好適な態様において、水和ポリマーゲルは実質的に架橋されていないポリマーである。本発明のもう1つの好適な態様において、組成物は水和ポリマーゲルの水性溶液を含む。さらに本発明の好適な態様において組成物は該水和ポリマーゲルで被覆された水滴を含む。本発明のなおもう1つの好適な態様において、組成物は発泡体の形態で水和ポリマーゲルを含む。本発明の特に好適な態様において、水和ポリマーゲル発泡体は約10〜約10μmの範囲の径を有する気泡を含む。本発明の好適な態様において、水和ポリマーゲルは水和コポリマーゲルである。本発明のもう1つの特に好適な態様において、水和ポリマーゲルはポリマーを加水分解することにより形成される。本発明のもう1つの特に好適な態様において水和ポリマーゲルは加水分解されたポリアクリロニトリルである。本発明のもう1つの特に好適な態様において、水和ポリマーゲルは加水分解された繊維状タンパク質である。本発明のさらにもっと好適な態様において、加水分解された繊維状タンパク質はアミノ酸およびアクリルアミド部分を含む。本発明のさらにもう1つの好適な態様において加水分解された繊維状タンパク質は加水分解フィブロネクチンおよび加水分解エラスチンからなる群より選ばれる。本発明のもう1つの好適な態様において加水分解されたポリアクリロニトリルはアクリル酸およびアクリルアミド部分を含む。本発明の好適な態様において、加水分解されたポリアクリロニトリルは架橋されていない。本発明の好適な態様において、組成物は吹付けにより植物に付着される。本発明の好適な態様において、水和ポリマーゲルで被覆された水滴を含む組成物が付着され、ついで該水和ポリマーゲルの水性溶液を含む組成物が付着される。本発明の好適な態様において、組成物が、多量栄養素、微量栄養素、害虫駆除剤、殺虫剤、除草剤、殺そ剤、殺カビ剤、殺生物剤、植物生育調節剤、肥料、微生物、土壌添加剤、付着促進剤、界面活性剤および凝固点調節剤からなる群より選ばれる1つ以上の成分をさらに含む。本発明の特に好適な態様において凝固点調節剤は凝固点降下剤である。
本発明の詳細な説明
本発明の組成物は、植物の表面の少なくとも1部に付着されるとき、約32°F(20℃)で始まる外気温を降下させる範囲にわたって熱を放出することにより霜および/または凍結から植物を保護するのに有用である。したがって本発明組成物は植物への実質的な霜および/または凍結の損傷が生じる閾温度を有効に低下させる。
【0013】
本発明の特別の理論には縛られないが、本発明の組成物中のポリマーは約32°Fで始まる広い凍結転移範囲、好ましくは少なくとも約32°F〜約27°F(−2.8℃)以下の範囲で、もっと好ましくは約32°F〜約22°F(−5.6℃)以下の範囲を示すので、熱は温度範囲にわたって放出されると考えられる。この広範な凍結転位は広範な温度範囲にわたってその融解潜熱をポリマーが放出するのを可能にする。
【0014】
本発明による特定のポリマーにおいて、いくつかの異なるメカニズムによりそれと会合された(associated)水分子が存在しうる。ポリマーと会合される特定のメカニズムに依存して、特定のポリマーと会合された異なる水分子は、異なる凝固点を示しうる。したがって、温度がこれらの異なる凝固点の範囲内にあるときには、融解潜熱はこの範囲にわたって放出される。たとえば、いくつかの水分子は凝固点が32°Fに近いようなポリマーと会合され得、したがって、これらの水分子は約32°Fでその融解潜熱を放出すると考えられる。約32°Fの凝固点を有するこのような水分子はポリマーと比較的ゆるく会合され得ると考えられる。対照的に、同一ポリマーにおけるいくつかの水分子はポリマー鎖内の部分(たとえばヒドロキシおよびアミノ基)に直接に水素結合され得、27°F以下のような有意にもっと低い凝固点を示しうる。このように、ポリマー鎖の主鎖に近い部分を組合わされる水分子はポリマー鎖の主鎖からの水分子よりも低い凝固点を示すと考えられる。
【0015】
例示の目的のためのみに表示される簡易な意味で、ポリマー主鎖からの距離に依存して、異なる凝固点を示す層に会合された水を有するように視覚化されうる。したがって、ポリマーの主鎖に最も近いこれらの水分子は最も低い凝固点を有し、そしてさらにポリマー主鎖からの水分子は水の通常の32°F凝固点に最も近い比較的高い凝固点を有する。
【0016】
本発明によるポリマーは、比較的広い凝固点転移の範囲を示し、そのようにポリマーをこの範囲にわたって融解潜熱を放出するのに任意に適したものにすることが見出された。最も広範な凍結点範囲を有するポリマーが使用されるとき、もっと大きい保護が植物に提供される。これは、広範な凝結点転移を有する本発明ポリマーを、ポリマー物質と会合されていない水と比較することにより例証される。このように、もし水が植物表面に付着されると、水は32°Fの温度で潜熱を放出し、したがって、外気温度が32°F未満に降下するときに植物にほとんど保護を提供しない。さらに、植物の表面に水の均一層を形成するのが困難である。しかも、氷は液相の水よりもはるかに高い熱伝導度を有するので、植物により放出され、保持される熱は、凍結の際に氷層を通じての伝導によりはるかに容易に失われる。
【0017】
しかし、本発明によるポリマーは温度範囲にわたって熱を放出し、植物の構造内に熱を保持するのを助ける断熱層を付与し、植物にもっと大きい保護を与える。融解潜熱が放出される最も広い温度範囲は、親水性および水素結合基を比較的小さい数の密度で有する領域の間に散在する親水性および水素結合基を比較的大きい数の密度で有する領域を持つ本発明によるポリマー中に見出される。
【0018】
架橋されていないポリアクリルアミド−ポリアクリル酸ゲルを形成する、本発明による加水分解ポリアクリロニトリルの場合において、これらの親水性および水素結合基はアクリル酸部分のヒドロキシル基およびアクリルアミド部分のアミノ基を含むのが通常である。ヒドロキシル基の比較的小さい数の密度を有する領域の間に散在する、ヒドロキシル基の比較的大きい数の密度を有する領域をもつポリマーと組合わされる水は、水の融解潜熱が放出される外界温度に会う際に結晶化しにくいと考えられる。
【0019】
このように、本発明によるポリマーは、好適な態様において、ポリマーと会合された水が結晶構造よりも無定形を生じる相転移を受けるときに広範な温度範囲にわたって融解潜熱を放出すると考えられる。結晶ドメインは、もし形成されたら、小さくなりやすく、通常約2000Å未満であり、無定形マトリックス内で無秩序である。したがって、ポリマーと会合していない水は特定温度で結晶相への明確な相変化を示し、この温度でのみ熱を放出するが、本発明によりポリマーと会合した水は、比較的少ない結晶状およびもっと多い無定形状態への相変化、および特定の温度とは異なり温度範囲にわたって、そしてこの範囲にわたって熱の放出を示す。
【0020】
凝固点転移範囲にわたって本発明によりそのようなポリマーから放出される熱の多くはそれによって凍結から保護される植物体に移されると考えられる。被覆層も植物を断熱しうるので、移された熱は植物内にもっと効果的に保持される。
【0021】
加えて、本発明組成物は、植物への組成物の付着につづいて植物表面に凝縮および/または集める水の凝固点を低下させる能力も有する。
【0022】
その作用の実際のメカニズムにもかかわらず、本発明組成物は植物表面の少なくとも1部がその組成物で被覆されるように付着される。本発明はいかなる特定の種類の植物、もしくは植物のいかなる特定の生育段階、もしくは植物のいかなる特定の部分への組成物付着に限定されない。したがって、本発明組成物は、霜および/または凍結から保護のためになるいかなる植物、生育のいかなる段階、そしてそのいかなる部分にも付着されうる。そのような植物は、たとえば、果物、野菜、牧草、干し草等のような人間および/または動物の消費のために予定された従来の農業用作物、または花および低木を含む装飾、植林造成、浸食(erosion)保護、種々の産業用途、等を含むが、これらに限定されない他の目的のための成育植物を含む。
【0023】
本発明組成物は未熟な植物、たとえば芽、苗等、ならびにもっと成熟した植物、たとえば、つぼみをつけた、果物をつけた、葉をつけた植物等に適用されうる。
【0024】
さらに、本発明組成物は、生育する植物への付着に限定されない。したがって、本発明組成物は地面から切られたが、そこに霜および/または凍結を生じうる環境条件になお供されている植物、もしくはそのいかなる部分にも適用されうる。
【0025】
本発明組成物は組成物で被覆される植物表面の少なくとも1部を生じるいかなる態様ででも植物に付着されうる。したがって、本発明は特定の態様の付着に限定されない。よって、液体、本液体、ゲル、固体等で植物と接触するのに用いられるいかなる従来法も使用されうる。たとえば、本発明組成物は、たとえばノズルもしくはスプリンクリングシステムによる吹付け(spraying)、散布(broadcasting)、散水(dousing)、浸漬(soaking)等により付着されうる。本発明組成物の好適な付着方法は吹付けである。いかなる従来の吹付け法もしくは装置もこの目的のために使用されうる。
【0026】
本発明組成物は水性溶液の形態で付着されうる。たとえば、水和ポリマーゲルの場合には水和ポリマーゲルの水性溶液が付着されうる。
【0027】
さらに本発明組成物は、本発明によるポリマーで被覆された水小滴(たとえば微小カプセル)の形態で使用されうる。好適には水小滴を被覆するポリマーは水和ポリマーゲルである。このような被覆された水小滴は、水小滴が本発明によるポリマー層で被覆される微小カプセル化法を含む従来法で形成されうる。微小カプセル化は液体、固体、半固体等でありうる、通常μmの大きさの粒子に薄い被覆を与える方法である。
【0028】
本発明によるポリマーで被覆された水小滴を生成する他の方法は、たとえば、水和ゲルの非水性溶液(たとえば懸濁液)で水の懸濁液を形成し、ついで微笑ノズルにより懸濁液を吹き付けることを含む。水と溶け合わない揮発性極性液体は、水がこの液体中で水和ゲルの溶液(もしくは懸濁液)に添加されるとき、ミセル構造を形成する懸濁液を形成するのに必要とされる。この方法に有用である適切な極性液体は、たとえばアセトニトリル、1−ヘキサノールおよびイソピプロピルエーテルを含む。しかし吹き付けに際して、極性液体は蒸発し、環境的に害を生じうる。
【0029】
被覆層の付着の前に、本発明によるポリマーで被覆されるべき水小滴の大きさは約0.1mm〜約1.0mm、好ましくは約0.3〜約1.0mmの範囲でありうる。水小滴を被覆するポリマー層の厚さは約100μm〜約500μm、好ましくは約300μm〜約500μmの範囲でありうる。
【0030】
本発明により植物に被覆水小滴を付着させるとき、はじめに被覆水小滴を付着させ、ついでポリマーの水性溶液を付着させるのが好適である。しかし、この順序は単に好適であるにすぎず、逆にされうる。被覆水小滴およびポリマーの水小滴の付着を繰り返すことにより、多層が達成されうる。被覆された水滴の形態で本発明組成物を付着させる1つの利点は、水性溶液のみが植物に付着された場合よりも、植物が水の有効に比較的大きい貯蔵を伴って被覆されることである。さらにゲルはもろくなり、広い温度範囲にわたる望ましい凍結挙動を失ないうるので水和ポリマーゲル中にあまりに多くの水を含むのは望ましくないことがありうる。したがって、水小滴により与えられる追加の水は、水和されるのでその効能が実質的に低下しているポリマーを用いる問題を除去する。作用について特定の理論に支持されることなく、ポリマー被覆層内にカプセル化された水の水素結合はカプセル化した水小滴を安定化し、水の蒸発をおそくし、被覆を何日かの使用により構造的な無償に保持させると考えられる。本発明による水小滴を被覆するのに用いられる好適なポリマーは下に記述されリポリアクリル酸およびポリアミノ酸ゲルである。
【0031】
本発明組成物は、さらに発泡体の形態で付着されうる。発泡体として付着されるとき、ポリマーは安定な発泡体を形成するために、気泡を誘導して用いられる。ポリマーの内外表面は水素結合形成により架橋を受け、発泡体に構造的な完全さを付加すると考えられる。発泡体は従来の手段により形成され得、たとえばポリマーゲルの溶液中に制御された大きさの気泡を創り出し、ゲルで被覆された気泡の安定な懸濁液を導く。このようにして形成された発泡体は上述のいかなる方法によっても付着されうる。発泡体を付着させる好適な方法は吹付けである。発泡体は、ポリマーにより封入された気泡の大きさ、およびゲルの水含量に依存して、実質的に透明もしくは反射してもよい。約50%〜約90%の範囲の水含量を有するゲルが好適である。一般に、大きい気孔の発泡体が好ましい。したがって、発泡体中の気泡の径は約10〜約100μmの範囲内にあるのが好適である。10〜約100μmの径の範囲を有する気泡をもつ発泡体は、ポリマーゲルが約70wt%の水含量を有し、乾燥ポリマーが約1.50の屈折率を有するならば、可視放射入射の約3%を反射する。発泡体形成に最も適している本発明によるポリマーは好ましくは約1.40〜約1.60の範囲の乾燥ポリマーの屈折率を有するポリマーである。
【0032】
本発明による発泡体は組成物の水性溶液および被覆された水小滴形態とともに使用されうる。したがって、たとえば、被覆された水小滴の第1の層は、植物表面に付着され得、つづいて水性溶液の層、つづいて発泡体層が付着される。この順序は単に例示的であり、他の順序が使用され得、そして多層も形成されうることが理解されるべきである。
【0033】
本発明組成物は、植物表面の少なくとも1部に付着されるとき、ポリマーと会合する水分子の蒸発により引起される脱水により効能を失う前に数日間、霜の保持を与えるのが好ましい。水分子の蒸発損失に際してさえ、本発明のポリマーはその構造を再組織化することにより、被覆としての無傷さを維持する。したがって、ポリマーは凍結条件に会う際に熱を放出する能力を次第に失うけれども、植物に断熱効果を与えるのを継続するのが好ましい。しかも、本発明ポリマーは、再び水分を与えられることにより、たとえば湿った状態、特に雨にさらされることにより、または植物が注水されるならば、凍結条件に出会う際に熱を放出する能力を再び発生しうる。
【0034】
さらに本発明組成物は、組成物のポリマー成分が植物の表面に付着し、植物の表面に比較的薄い、均一な被覆を形成する組成物の能力を高めるという利点も有する。したがって、本発明組成物は、ポリマーおよびそれとともに会合された水が被覆されるべき植物体の質量の約0.5〜約3%からなる被覆を与える量で植物に付着されるとき、最適の霜および/または凍結保護を付与する。典型的な付着において、ゲル物質は被覆質量の約30%を含む。したがって、好適な被覆組成において、ゲル物質は被覆されるべき植物体の質量の約0.15%〜約0.9%を含むのが好適である。被覆が植物体の質量の1%を含む被覆組成において、ゲル物質は植物体の質量0.3%を含む。
【0035】
好適な質量%は、通常、本発明組成物が約200μm〜約1000μmの範囲の厚さを有する被覆を形成するときに得ることができる。質量および厚さの範囲は単に例示的であることが理解されるべきである。したがって、植物体の質量に対する被覆物質の比較的大きな質量の付着、したがって比較的大きい被覆厚さは、霜および/または凍結に対して比較的大きい保護を付与する。たとえば植物体の質量に対して2%含量で付着される被覆は1%含量で付着される被覆の約2倍もの多くの熱を放出する。したがって、比較的大きいレベルの熱が放出され、比較的大きいレベルの保護が、比較的大きい被覆レベルが用いられるときに与えられる。たとえば長く続く凍結条件が予想されるとき、または保護が外気の大きい温度範囲にわたって望まれるときには余分の保護が望まれうる。
【0036】
凍結条件に出会う際に、本発明組成物は約40〜約70cal/gを放出するのが通常である。しかし、熱放出量はなかんずく使用される特定のポリマー、その水和レベルに依存すると理解されるべきである。
【0037】
さらに本発明組成物はポリマーに加えて他の成分を含みうる。たとえば組成物は多量栄養素、微量栄養素、害虫駆除剤、殺虫剤、除草剤、殺そ剤、殺カビ剤、殺生物剤、植物生育調節剤、肥料、微生物、土壌添加剤、付着促進剤、界面活性剤および凝固点調節剤等のような1つ以上の成分を含みうる。したがって本発明成分は植物の処理に従来用いられる、いかなる付加成分も実質的に含みうる。加えて、組成物は肥料、土壌改質剤等の土壌処理に用いられる成分を含みうる。したがって、本発明成分は組成物、またはそのような組成物の明確な相もしくは部分内に分散され、溶解されもしくは配合されうるそのような付加成分に対するキャリアとして作用しうる。
【0038】
さらに、本発明組成物はそのような組成物の広い凍結範囲に有害に影響することなしに被覆本来の性質を高め、および/または変更する他の添加剤を含みうる。たとえば、凝固点調節剤、好ましくは凝固点降下剤が、本発明組成物の凍結温度をさらに低下させるために本発明組成物に添加されうる。このような凝固点降下剤は、たとえば1価アルコール、とりわけエチレングリコール、およびプロピレングリコールのような小さい鎖のジヒドロキシもしくはポリヒドロキシアルコール、ならびにとりわけポリエチレングリコールおよびポリプロピレングリコールのようなポリアルキレングリコールを含む。
【0039】
ノニオン、カチオン、アニオンおよび両性界面活性剤のような界面活性剤(展着剤、膜伸展剤および湿潤剤としてこの分野で知られてもいる)は本発明組成物内に含まれうる。たとえば本発明組成物に添加されるとき、イオン界面活性剤は、植物表面に付着されるとポリマーの架橋を促進し得、したがってもっと安定な被覆層を促進しうる。一方、本発明組成物に添加されるとき、ノニオン界面活性剤はポリマーの固まりをつくるのを防止するように助けうるので、もっと均一な被覆層を容易にする。多価アルコールは水和ゲル粒子の表面エネルギーを低下させるために本発明のポリマーゲル水性溶液に添加されうる。使用されうる多価アルコールの例はたとえば、とりわけエチレングリコール、およびプロピレングリコールのような小さい鎖のジヒドロキシおよびポリヒドロキシアルコール、ならびにとりわけポリエチレングリコールおよびプロピレングリコールを含むポリアルキレングリコール、を含む。このように水和ゲル粒子の表面エネルギーを低下させることにより、表面のぬれおよび適用範囲は増加されうる。
【0040】
界面活性剤も、本発明組成物に添加された成分に、雨、露もしくは注水により除去されることに対する抵抗性を増加させるのに用いられうる。アニオン界面活性剤もそのような添加剤が植物の表皮からすぐに吸収されるのを防止するのに有用であり、したがって添加剤が植物の外表面に残るのが重要であるときに使用される。一方、ノニオン界面活性剤は植物表皮によりそのような添加剤の移送を増加するのが望ましいときに有用であり、したがって体系的な除草剤、栄養素等とともに使用するのが勧められる。
【0041】
本発明組成物は、さらに植物表面への組成物または組成物内の成分の付着を改良する1つ以上の物質を含みうる。このような付着促進物質は「固着剤」(“stickers”)としてこの分野で知られている。たとえば固着剤は植物表面への微細に分割された固体または他の水溶性もしくは不活性物質の付着を改善しうる。したがって固着剤は、時間、風、水、機械的もしくは化学的作用という趣旨で植物表面への被覆として付与された植物処理物質の抵抗性を改良しうる。たとえば、固着剤は降雨、重い露もしくは注水による洗浄に対して本発明組成物に添加された害虫駆除剤の付着力を増強し得、そして風もしくは葉の摩擦から害虫駆除剤の損失を防止するのを助けうる。本発明組成物に添加されるとき、固着剤はその中のポリマー成分により本発明組成物中に本来存在する付着特性を向上させる。
【0042】
本発明組成物は約32°F(0℃)で始まる外界温度を降下させる範囲にわたって熱を放出するポリマーを含む。約32°F(0℃)で始まる外界温度の範囲にわたって熱を放出する本発明によるポリマーの1つの例は、加水分解されたポリアクリロニトリルである。水酸化ナトリウムの水性溶液のような強塩基によるポリアクリロニトリルの加水分解の際に、アクリルアミドおよびアクリル酸のコポリマーが生成されると考えられる。このコポリマーは水溶性で架橋されていないポリアクリルアミド−アクリル酸であり、水素結合により一緒に保持されると考えられる。ポリマーゲルはポリマーを囲む水和殻を有し、その水和殻は水性溶液にポリマーを保つのを助けると考えられる。水性溶液のわずかに酸性のpHは水性溶液中にポリマーを維持するのを容易にする。好適には、約5〜約7の水性溶液のpHは溶液中にポリマーを保持するために維持される。このように形成されるポリアクリルアミド−アクリル酸ゲルは好ましくは約70wt%〜約90wt%の範囲の水含量に水和される。上述のように、比較的高い水含量を有するゲルは、もろくなって広い温度範囲にわたって生じる望ましい凍結挙動を失うことがありうる。
【0043】
本発明によるポリマーは実質的に架橋されておらず、もしくは比較的低い量の架橋を有するのが特に好ましい。高度に架橋されたポリマーは霜および/または凍結保護が望まれる外界温度に出会う際に比較的少ない熱を放出することがわかった。高度に架橋されたポリマーは比較的少ない熱を放出し、したがって本発明の目的にあまり好ましくない可能性がある。なぜならそのようなポリマーは本発明の最も好ましい凝固転移範囲を生じると考えられるような態様で水分子と会合するようになる能力が比較的少ないからである。上述のように広い凝固点転移範囲を示す架橋されていないポリマーは特に好適であるが、ある程度の架橋を有するポリマーも本発明に有用であり、そのような架橋ポリマーも広い凝固点転移を示す。このように、約32°F(0℃)で始まる外界温度を降下させる範囲にわたって熱を放出する架橋ポリマーも本発明に有用である。
【0044】
本発明組成物において使用されうる加水分解されたポリアクリロニトリルは公知の方法により製造され得、ポリアクリロニトリルを酸およびアルカリ加水分解の両方で、アクリルアミドおよびアクリル酸部分を含むポリマーを生成させることを含む。好適な方法は水酸化ナトリウムの水性溶液のような強塩基でポリアクリロニトリルを加水分解して、水素結合で一緒に保持されていると考えられる、実質的に架橋されておらず、水溶性のポリアクリルアミド−アクリル酸ゲルを生成することを含む。上述のようにアルカリ加水分解生成物はアクリルアミドおよびアクリル酸部分の両方を含むが、それはいくらかの加水分解されていないアクリロニトリル部分も含みうる。引用によりここに組入れられる米国特許第2,812,317号明細書はポリアクリロニトリルをアルカリ加水分解してポリマーを生成し、そこでは約40%〜約80%のニトリル基がカルボキシル基に加水分解されることを開示する。引用によりここに組入れられる米国特許第2,861,059号明細書はポリアクリロニトリルをアルカリ加水分解してアクリル酸の水溶性ポリマーを生成することを開示する。この方法はポリマー粒子を固相に保持し、したがって粘性で取扱いの困難な、加水分解生成物の水溶液を避ける。固相は、薄いスラリーとしてポリマー粒子を維持するのに十分な量で、最少量の水および水と溶け合う有機液体を用いることにより維持される。このようにして製造される加水分解ポリマーは、完全に固相のままであり、ろ過により反応混合物から容易に分離される。引用によりここに組入れられる米国特許第2,579,451号明細書はポリアクリロニトリルを酸加水分解して約2%〜約75%のアミド基を有する加水分解生成物を製造することを開示する。引用によりここに組入れられる米国特許第3,709,842号明細書は部分的に加水分解されたポリアクリロニトリルの多孔質ヒドロゲルを製造するための酸加水分解法を開示する。引用によりここに組入れられる米国特許第4,183,884号明細書は約30wt%〜約75wt%の水を吸収するヒドロゲルを生成するためのポリアクリロニトリルの酸加水分解法を開示する。引用によりここに組入れられる米国特許第3,897,382号明細書は、ヒドロゲルを生成するための、アクリロニトリル含有ポリマーの加水分解法を開示する。引用によりここに組入れられる米国特許第3,864,323号明細書は,ポリアクリロニトリルの酸加水分解法を開示する。引用によりここに組入れられる米国特許第3,200,102号明細書は,ポリアクリロニトリルを水性懸濁液、分散液もしくはエマルジョン中で、比較的高温、すなわち少なくとも約180℃に、好ましくは圧力下、そして多分不活性ガスの存在下に、加熱することにより、カーボナミド基およびカルボン酸基を通常約1:1の比で含む加水分解されたポリアクリロニトリルを製造することを開示する。
【0045】
本発明によるポリマーのもう1つの例は、たとえばフィブリン、フィブロネクチンおよびエラスチンのような繊維状タンパク質の加水分解された生成物である。本発明組成物で使用されうるこのような加水分解された繊維状タンパク質生成物は、公知の方法により製造され得、たとえばエラスターゼ、ペプシンおよびプロナーゼのような酵素を用いる酵素の加水分解および、たとえば酸およびアルカリ加水分解を含む非酵素法である。これらの繊維状タンパク質の加水分解生成物はポリアミノ酸部分(すなわちポリペプチド)およびアクリルアミド部分を含むポリマーであると考えられる。好適な加水分解繊維状タンパク質生成物はポリアミノ酸/ポリアクリルアミドコポリマーである。引用によりここに組入れられる米国特許第4,963,656号明細書は,ペプシンでの酵素加水分解により200,000を超える分子量、好ましくは1,000,000〜2,000,000を有するエラスチン加水分解物を製造する方法を開示する。この方法は、エラスチン繊維にその弾性を与えると考えられる。実質的にすべてのデスモシンおよびイソデスモシン残基を回収することによりエラスチンの基本的特性を保持する安定化エラスチン加水分解物を製造する。引用によりここに組入れられる米国特許第4,363,760号明細書は,可溶性の部分的に加水分解されたエラスチンを製造するための非酵素法を開示する。この特許の開示は上述の米国特許第4,419,288号明細書の開示に関連する。
【0046】
本発明組成物に有用な他のポリマーは、たとえばスターチ、セルロースならびにたとえばヒドロキシプロピルメチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロースおよびカルボキシメチルセルロースを含むその誘導体を含むがこれらに限定されない多糖類を部分加水分解して得られるようなポリオールを含む。ヒドロキシプロピルメチルセルロースは、たとえば木綿くずもしくは樹木パルプから得られるセルロースの精製形態を水酸化ナトリウム溶液と反応させて、膨潤アルカリセルロースを得、ついでクロロメタンおよびプロピレンオキシドで処理して、セルロースのメチルヒドロキシプロピルエーテルを得ることにより製造されうる。これらおよび他の多糖類の部分加水分解はたとえばアルカリもしくは酸加水分解を含む従来の方法により実施されうる。
【0047】
ここに述べられた例および態様は例示のためであり、限定するためではないこと、そして他の例および態様も請求範囲に述べられる本発明の範囲を逸脱することなく発明されうることは当業者に明らかである。
【図面の簡単な説明】
【0048】
【図1】図1は本発明によるポリマーの幅広い凍結転移を示す。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
約32°F(0℃)で始まる外気温度を降下させる範囲にわたって熱を放出する水和ポリマーゲルで被覆された水小滴を含有する組成物で、植物の表面の少なくとも1部を被覆することを含む植物への組成物の付着方法。
【請求項2】
外気温度を降下させる範囲が少なくとも約32°F(0℃)から約27°F(約−2.8℃)である請求項1記載の方法。
【請求項3】
外気温度を降下させる範囲が約32°F(0℃)から約22°F(約−5.6℃)である請求項1記載の方法。
【請求項4】
該水和ポリマーゲルが水和コポリマーゲルである請求項4記載の方法。
【請求項5】
該水和ポリマーゲルがポリマーを加水分解することにより形成される請求項1記載の方法。
【請求項6】
水和ポリマーゲルが加水分解されたポリアクリロニトリルである請求項5記載の方法。
【請求項7】
水和ポリマーゲルが加水分解された繊維状タンパク質である請求項5記載の方法。
【請求項8】
該加水分解されたポリアクリロニトリルがアクリル酸およびアクリルアミド部分を含む請求項6記載の方法。
【請求項9】
該加水分解されたポリアクリロニトリルが架橋されていない請求項8記載の方法。
【請求項10】
該加水分解された繊維状タンパク質がアミノ酸およびアクリルアミド部分を含む請求項7記載の方法。
【請求項11】
該加水分解された繊維状タンパク質が加水分解フィブロネクチン、加水分解フィブリンおよび加水分解エラスチンからなる群より選ばれる請求項10記載の方法。
【請求項12】
該組成物が、多量栄養素、微量栄養素、害虫駆除剤、殺虫剤、除草剤、殺そ剤、殺カビ剤、殺生物剤、植物生育調節剤、肥料、微生物、土壌添加剤、付着促進剤、界面活性剤および凝固点調節剤からなる群より選ばれる1つ以上の成分をさらに含む請求項1記載の方法。
【請求項13】
該組成物が吹付けにより付着される請求項1記載の方法。
【請求項14】
水和ポリマーゲルの水性溶液を含む組成物で該植物の少なくとも1部を被覆することをさらに含む請求項1記載の方法。
【請求項15】
植物の表面の少くとも1部に付着されるとき約32°F(0℃)で始まる外界温度を降下させる範囲にわたって熱を放出する水和ポリマーゲルで被覆された水小滴を含む組成物。
【請求項16】
外気温度を降下させる範囲が少くとも約32°F(0℃)から約27°F(約−2.8℃)である請求項15記載の組成物。
【請求項17】
外気温度を降下させる範囲から約32°F(0℃)から約22°F(約−5.6℃)である請求項15記載の組成物。
【請求項18】
該水和ポリマーゲルが水和コポリマーゲルである請求項15記載の組成物。
【請求項19】
該水和ポリマーゲルが加水分解されたポリマーを含む請求項15記載の組成物。
【請求項20】
水和ポリマーゲルが加水分解されたポリアクリロニトリルである請求項19記載の組成物。
【請求項21】
水和ポリマーゲルが加水分解された繊維状タンパク質である請求項19記載の組成物。
【請求項22】
該加水分解されたポリアクリロニトリルがアクリル酸およびアクリルアミド部分を含む請求項20記載の組成物。
【請求項23】
該加水分解されたポリアクリロニトリルが架橋されていない請求項22記載の組成物。
【請求項24】
該加水分解された繊維状タンパク質がアミノ酸およびアクリルアミノ部分を含む請求項21記載の組成物。
【請求項25】
該加水分解された繊維状タンパク質が加水分解フィブロネクチン、加水分解フィブリンおよび加水分解エラスチンからなる群より選ばれる請求項24記載の組成物。
【請求項26】
該組成物が、多量栄養素、微量栄養素、害虫駆除剤、殺虫剤、除草剤、殺そ剤、殺カビ剤、殺生物剤、植物生育調節剤、肥料、微生物、土壌添加剤、付着促進剤、界面活性剤および凝固点調節剤からなる群より選ばれる1つ以上の成分をさらに含む請求項15記載の組成物。
【請求項27】
水和ポリマーゲルを含む発泡体からなる組成物で該植物の少なくとも1部を被覆することをさらに含む請求項1記載の方法。
【請求項28】
該発泡体が約10〜約100μmの範囲の径を有する気泡をさらに含む請求項27記載の方法。
【請求項29】
水和ポリマーゲルを含む発泡体からなる組成物で該植物の少なくとも1部を被覆することをさらに含む請求項14記載の方法。

【図1】
image rotate


【公開番号】特開2011−155975(P2011−155975A)
【公開日】平成23年8月18日(2011.8.18)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−32908(P2011−32908)
【出願日】平成23年2月18日(2011.2.18)
【分割の表示】特願2000−594317(P2000−594317)の分割
【原出願日】平成12年1月13日(2000.1.13)
【出願人】(504054321)アグロシールド リミティド ライアビリティー カンパニー (1)
【Fターム(参考)】