説明

霧化器、霧化器の制御装置及び霧化器の制御方法

【課題】霧化可能な状態にあるか否かの判別が可能であり、かつ簡単な構成を有する霧化器を提供する。
【解決手段】霧化器1は、導電性を有する導電性液体13を霧化する霧化器である。霧化器1は、液体供給機構20と、導電性の振動板11と、導通検出部32とを備えている。液体供給機構20は、導電性液体13を供給する。液体供給機構20の少なくとも一部は、導電性を有する。振動板11は、液体供給機構20と電気的に導通しないように配置されている。振動板11は、液体供給機構20により供給された導電性液体13を、振動することにより霧化させる。導通検出部32は、液体供給機構20と振動板11との間が電気的に導通しているか否かを検出する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、霧化器、その制御装置及び制御方法に関する。特には、本発明は、導電性を有する導電性液体を霧化する霧化器、その制御装置及び制御方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、例えば、下記の特許文献1などにおいて、芳香剤や消臭剤などの種々の液体を霧化するための霧化器が種々提案されている。
【0003】
図5は、特許文献1に記載された霧化器の概略構成図である。図5に示すように、霧化器100は、ホーン型振動体101を備えている。振動体101の霧化面101aとは反対側には、振動子102が取り付けられている。一方、霧化面101aには、メッシュ部材103が配置されている。また、霧化器100には、振動体101の霧化面101aに薬液を共有する給液装置104が設けられている。
【0004】
霧化器100では、給液装置104により霧化面101aに供給された薬液が、振動体101の振動により霧化されることにより、薬液の霧が発生する。
【0005】
なお、霧化器100では、霧化開始は、振動体101に加わる液負荷によるインピーダンス変化を電気的に検知することにより行われる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2001−149473号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
霧化器100では、霧化器が霧化可能な状態になっているか否かの判別を、振動体101に加わる液負荷によるインピーダンス変化を電気的に検知することにより行っている。このため、インピーダンス変化を検知するための複雑な検知回路が必要となる。
【0008】
本発明は、かかる点に鑑みてなされたものであり、その目的は、霧化可能な状態にあるか否かの判別が可能であり、かつ簡単な構成を有する霧化器を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明に係る霧化器は、導電性を有する導電性液体を霧化する霧化器である。本発明に係る霧化器は、液体供給機構と、導電性の振動板と、導通検出部とを備えている。液体供給機構は、導電性液体を供給する。液体供給機構の少なくとも一部は、導電性を有する。振動板は、液体供給機構と電気的に導通しないように配置されている。振動板は、液体供給機構により供給された導電性液体を、振動することにより霧化させる。導通検出部は、液体供給機構と振動板との間が電気的に導通しているか否かを検出する。
【0010】
本発明に係る霧化器のある特定の局面では、導通検出部は、液体供給機構と振動板との間の電気抵抗を検出することにより液体供給機構と振動板との間の電気的な導通を検出する。
【0011】
本発明に係る霧化器の他の特定の局面では、霧化器は、駆動部と、制御部とをさらに備えている。駆動部は、振動板を振動させる。制御部は、液体供給機構と振動板との間が電気的に導通していることが導通検出部により検出されたときに駆動部を稼働状態とする。制御部は、液体供給機構と振動板との間が電気的に導通していないことが導通検出部により検出されたときに駆動部を停止状態にする。この構成によれば、振動板に導電性液体が供給されておらず、霧化不能な状態において振動板が駆動することを抑制することができる。従って、霧化器の消費電力を低減することができる。
【0012】
なお、本発明において、「停止状態にする」には、稼働状態から停止状態にすることと、停止状態を維持することとの両方が含まれるものとする。同様に、「稼働状態にする」には、停止状態から稼働状態にすることと、稼働状態を維持することとの両方が含まれるものとする。
【0013】
本発明に係る霧化器の別の特定の局面では、液体供給機構は、導電性液体を溜めておくタンクと、タンクに溜められた導電性液体を送液する送液部とをさらに有する。霧化器は、送液部に設けられており、導電性液体がタンク側に逆流することを抑制する逆流抑制機構をさらに備えている。この構成によれば、振動板に導電性液体が供給された状態を長時間にわたって維持することができる。
【0014】
本発明に係る霧化器のさらに他の特定の局面では、振動板は、液体供給機構と直接接触しないように配置されており、液体供給機構と振動板とは、液体供給機構と振動板との間に導電性液体が介在したときに電気的に導通する。
【0015】
本発明に係る霧化器の制御装置は、導電性を有する導電性液体を霧化する霧化器であって、導電性液体を供給する液体供給機構であって、少なくとも一部が導電性を有する液体供給機構と、液体供給機構と電気的に導通しないように配置されており、液体供給機構により供給された導電性液体を、振動することにより霧化させる導電性の振動板とを備える霧化器の制御装置である。本発明に係る霧化器の制御装置は、液体供給機構と振動板との間が電気的に導通しているか否かを検出する導通検出部を備えている。
【0016】
本発明に係る霧化器の制御装置のある特定の局面では、霧化器は、振動板を振動させる駆動部をさらに備え、制御装置は、液体供給機構と振動板との間が電気的に導通していることが導通検出部により検出されたときに駆動部を稼働状態とする一方、液体供給機構と振動板との間が電気的に導通していないことが導通検出部により検出されたときに駆動部を停止状態にする制御部をさらに備えている。この構成によれば、振動板に導電性液体が供給されておらず、霧化不能な状態において振動板が駆動することを抑制することができる。従って、霧化器の消費電力を低減することができる。
【0017】
本発明に係る霧化器の制御方法は、導電性を有する導電性液体を霧化する霧化器であって、導電性液体を供給する液体供給機構であって、少なくとも一部が導電性を有する液体供給機構と、液体供給機構と電気的に導通しないように配置さられており、液体供給機構により供給された導電性液体を、振動することにより霧化させる導電性の振動板とを備える霧化器の制御方法である。本発明に係る霧化器の制御方法では、液体供給機構と振動板との間が電気的に導通しているか否かを検出することにより、振動板に導電性液体が供給されているか否かを判定する。
【0018】
本発明に係る霧化器の制御方法のある特定の局面では、液体供給機構と振動板との間が電気的に導通していると判定されたときに霧化を行う一方、液体供給機構と振動板との間が電気的に導通していないと判定されたときには霧化を行わない。この構成によれば、振動板に導電性液体が供給されておらず、霧化不能な状態において振動板が駆動することを抑制することができる。従って、霧化器の消費電力を低減することができる。
【発明の効果】
【0019】
本発明では、送液部と振動板との間が電気的に導通しているか否かを検出する導通検出部が設けられている。この導通検出部により霧化可能な状態にあるか否かの判別ができるため、例えば、インピーダンス変化を検知するための複雑な検知回路を必要としない。従って、本発明によれば、簡単な構成で、霧化可能な状態にあるか否かの判別が可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【図1】本発明を実施した一実施形態に係る霧化器の略図的構成図である。
【図2】本発明を実施した一実施形態における導通検出部の略図的構成図である。
【図3】本発明を実施した一実施形態における導通検出部の具体的構成例を表す構成図である。
【図4】本発明を実施した一実施形態に係る霧化器において行われる工程のフローチャートである。
【図5】特許文献1に記載された霧化器の概略構成図である。
【発明を実施するための形態】
【0021】
以下、本発明を実施した好ましい形態について、図1に示す霧化器1を例に挙げて説明する。但し、霧化器1は、単なる例示である。本発明に係る霧化器は、霧化器1に何ら限定されない。
【0022】
図1は、本発明を実施した一実施形態に係る霧化器の略図的構成図である。図2は、本発明を実施した一実施形態における導通検出部の略図的構成図である。図3は、本発明を実施した一実施形態における導通検出部の具体的構成例を表す構成図である。図4は、本発明を実施した一実施形態に係る霧化器において行われる工程のフローチャートである。
【0023】
図1に示す霧化器1は、どのような種類の霧化方式を採用した霧化器であってもよい。具体的には、霧化器1は、例えば、キャビテーション噴霧を行うキャビテーション式霧化器であってもよいし、インクジェット噴霧を行うインクジェット式霧化器であってもよい。
【0024】
霧化器1は、導電性を有する導電性液体13を霧化するものである。ここで、導電性液体13の種類は、特に限定されず、例えば水道水や電解質が溶解した水溶液などであってもよい。また、導電性液体13は、湿度を上昇させるための水や、消臭剤、芳香剤等であってもよい。
【0025】
図1に示すように、霧化器1は、霧化部材10と、液体供給機構20とを備えている。
【0026】
霧化部材10は、導電性液体13を霧化させるための部材である。霧化部材10は、導電性を有する振動板11と、振動子12とを備えている。振動板11は、導電性を有するものである限りにおいて特に限定されない。振動板11は、例えば、金属や合金により形成することができる。また、振動板11は、例えば、表面に金属膜や合金膜などの導電膜が形成された絶縁部材により構成することもできる。なお、この絶縁部材は、例えば、セラミックスや樹脂などにより形成することができる。
【0027】
なお、振動板11の形態は、霧化器1の霧化方式に応じて適宜設定することができる。例えば、霧化器1がキャビテーション式霧化器である場合は、振動板11は、貫通孔を有さない導電性の板状部材により構成することができる。霧化器1がキャビテーション式霧化器である場合は、振動板11が超音波振動し、それによりもたらされる大きな圧力変動により、導電性液体13の表面から霧が発生する。
【0028】
一方、霧化器1がインクジェット噴霧を行うインクジェット式霧化器である場合は、振動板11は、導電性液体13と接触する部分に貫通孔が形成されている板状部材により構成することができる。霧化器1がインクジェット式霧化器である場合は、振動板11が振動することにより、導電性液体13が貫通孔から霧(ドライフォグ)となって飛散する。
【0029】
なお、振動板11は、後述する液体供給機構20の送液部21と電気的に導通しないように配置されている。本実施形態では、具体的には、振動板11は、液体供給機構20と直接接触しないように設けられている。振動板11と液体供給機構20とは、振動板11と液体供給機構20の導電性を有する部分との間に、導電性液体13が介在したときに電気的に導通する。詳細には、振動板11と液体供給機構20の導電性を有する部分との両方に導電性液体13が接触するように配置されたときに、振動板11と液体供給機構20との間に導電性液体13を介して一定値以上の値を有する電流が伝導可能となる。
【0030】
振動子12は、振動板11を振動させることができるものである限りにおいて特に限定されない。本実施形態では、振動子12は、圧電素子により構成されている。具体的には、振動子12は、圧電体12aと、圧電体12aに電圧を印加する一対の電極とを備えている。一対の電極のうちの一方は、電極12bにより構成されており、他方は、振動板11により構成されている。圧電体12aは、例えば、チタン酸ジルコン酸鉛(PZT)系セラミックスなどの圧電セラミックス等により形成することができる。
【0031】
液体供給機構20は、導電性液体13を振動板11に供給するための機構である。液体供給機構20は、送液部21と、送液ポンプ22と、液体タンク23と、逆流抑制機構24とを備えている。液体タンク23は、導電性液体13を貯留しておくタンクである。送液部21は、液体タンク23に貯留されている導電性液体13を振動板11近傍まで送液するものである。送液部21は、導電性を有し、かつ、導電性液体13を送液できるものである限りにおいて特に限定されない。本実施形態では、送液部21は、金属または合金製のパイプにより構成されている例について説明する。もっとも、送液部21は、例えば、導電性を有する毛細管の束などのような、毛細管現象により自身で導電性液体13を吸い上げるものであってもよい。
【0032】
送液部21には、送液ポンプ22が配置されている。送液ポンプ22は、液体タンク23に貯留されている導電性液体13を、吸い上げて、送液部21を介して振動板11近傍まで供給するための動力を供給する。
【0033】
逆流抑制機構24は、送液部21に設けられており、導電性液体13が液体タンク23側に逆流することを抑制するものである。この逆流抑制機構24を設けることにより、振動板11に導電性液体13が供給された状態を長時間にわたって維持することができる。
【0034】
逆流抑制機構24は、導電性液体13の逆流を抑制できるものであれば特に限定されず、例えば、公知の逆流防止弁により構成してもよい。また、逆流抑制機構24は、例えば、複数の毛細管が束ねられてなる部材や、フェルトなどの、毛細管現象が発現する程度に細い細孔が形成された部材により構成することもできる。これによって、導電性液体13が逆流する流量、つまり送液部21から液体タンク23に導電性液体13が単位時間に流れる液体の体積に対して、導電性液体13の液面の位置を維持するために液体タンク23から送液部21へ導電性液体13を送液する流量を減少させることができる。従って、送液ポンプ22の稼働率を低減できる。例えば、送液ポンプ22が電気駆動の送液ポンプであるとき、送液ポンプの稼働時間が逆流抑制機構24によって短縮されることで送液ポンプの消費電力を低減することができる。
【0035】
霧化部材10と液体供給機構20とには、制御装置30が接続されている。制御装置30は、制御部31aと、駆動部31bと、導通検出部32とを備えている。
【0036】
駆動部31bは、霧化部材10を駆動する。霧化器1では、制御部31aにより送液ポンプ22が駆動され、振動板11近傍に導電性液体13が供給される。それと共に、制御部31aにより駆動部31bが駆動されることにより、振動板11と電極12bとの間に電圧が印加され、圧電体12a及び振動板11が振動する。その結果、導電性液体13の霧化が行われる。
【0037】
導通検出部32は、導電性を有する送液部21と、導電性を有する振動板11との間が電気的に導通しているか否かを検出する。具体的には、導通検出部32は、送液部21と振動板11との間の電気抵抗を検出することにより送液部21と振動板11との間の電気的な導通を検出する。例えば、導電性液体13が送液部21と振動板11との間の隙間に存在せず、霧化不能な状態にある場合は、送液部21と振動板11との間が絶縁された状態となる。一方、送液部21と振動板11との間の隙間が導電性液体13により満たされており、霧化可能な状態にある場合は、送液部21と振動板11とが電気的に導通する。従って、送液部21と振動板11との間の電気抵抗を検出することにより送液部21と振動板11との間の電気的な導通を検出することができる。
【0038】
導通検出部32の構成は、適宜の構成を採用し得る。本実施形態では、導通検出部32は、図2及び図3に例示される構成を有する。具体的には、導通検出部32は、図2及び図3に示すように、電源34を備えている。この電源34により、図1に示す送液部21に電圧が印加される。印加された電圧は、増幅部35により増幅され、比較部37に入力される。そして、比較部37において、入力された電圧と、基準電圧発生部36において発生した基準電圧とが比べられる。その結果、入力された電圧が、基準電圧よりも高い場合は、送液部21と振動板11とが電気的に導通していないものとして、比較部37から、図1に示す制御部31aに、電気的に導通していないことを示す信号が出力される。または、比較部37から、信号が出力されない。
【0039】
一方、入力された電圧が、基準電圧よりも低い場合は、送液部21と振動板11とが電気的に導通しているものとして、比較部37から、図1に示す制御部31aに、電気的に導通していることを示す信号が出力される。または、比較部37から、信号が出力されない。制御部31aでは、この比較部37からの信号に基づいて、送液部21と振動板11との間が電気的に導通しているか否かを判断する。
【0040】
次に、霧化器1の制御について詳細に説明する。
【0041】
本実施形態の霧化器1では、送液部21と振動板11との間が電気的に導通していることが導通検出部32により検出された場合は、制御部31aは、駆動部31bを稼働状態とする。このため、霧化が行われている状態となる。一方、送液部21と振動板11との間が電気的に導通していないことが導通検出部32により検出された場合は、制御部31aは、駆動部31bを停止状態とする。このため、霧化が行われていない状態となる。
【0042】
より具体的には、図4に示すように、まず、ステップS1において、制御部31aは、導通検出部32からの信号に基づいて、送液部21と振動板11との間が電気的に導通しているか否かを判断する。
【0043】
ステップS1において、制御部31aが電気的に導通していないと判断した場合は、ステップS2に進む。
【0044】
ステップS2では、制御部31aは、送液ポンプ22を駆動させる。これにより、導電性液体13の送液が試みられる。
【0045】
次に、ステップS3において、制御部31aは、タイマーを作動させる。そのタイマーが終了した後に、ステップS4において、制御部31aは、送液ポンプ22を停止させる。ステップS4終了後、再度ステップS1に戻る。
【0046】
一方、ステップS1において、制御部31aが電気的に導通していると判断した場合は、ステップS5に進む。
【0047】
ステップS5では、制御部31aは、駆動部31bを作動させる。ここで、ステップS5に進んだ場合は、ステップS1において、振動板11まで導電性液体13が供給されていることが確認されている。このため、ステップS5においては、霧化が確実に開始する。その後、制御部31aは、ステップS6において、タイマーを作動させる。そのタイマーが終了した後に、制御部31aは、ステップS7において、駆動部31bを停止させる。その結果、霧化が終了する。
【0048】
なお、この図4に示すフローチャートの一連のステップを、一定期間ごとに行うようにしてもよい。また、霧化器1にスイッチを設け、スイッチがオフされるまでは、駆動部31bを作動状態として、霧化を継続するようにしてもよい。
【0049】
以上説明したように、本実施形態では、送液部21と振動板11との間が電気的に導通しているか否かを検出する導通検出部32によって、霧化可能な状態にあるか否かが判断される。絶縁及び電気的導通という二値状態、例えば直流電圧に対する電気抵抗値の変化、で検出できる導通検出部32であれば、振動体101に加わる液負荷によるインピーダンス変化を検知する検知回路よりも簡単な構成で実現できる。より具体的には、本実施形態では、交流電圧に対する発振回路及び整流回路などの電気回路を用いなくても霧化可能な状態にあるか否かが判断することも可能である。このため、振動体101に加わる液負荷によるインピーダンス変化、例えば交流電圧に対する合成インピーダンス値の変動によって霧化可能な状態にあるか判別する従来技術に比べ簡単な構成で霧化器を実現することができる。従って、本実施形態の霧化器1は、簡単な構成でありつつ、霧化可能な状態にあるか否かの判別が可能である。
【0050】
また、本実施形態では、導通検出部32からの信号に基づいて、導電性液体13が振動板11付近に供給されておらず、霧化不能な状態にあると判断された場合は、霧化が行われない。従って、霧化不能な状態において振動板11が不要に振動することを抑制することができる。その結果、霧化器1の消費電力を低くすることができる。
【0051】
なお、本実施形態における制御装置30の制御部31a以外の各構成により実現されている機能は、例えば、制御部31aによって、ソフトウェアによって行われてもよい。その場合、ソフトウェアによって行われた各機能を実現する各構成を設ける必要は必ずしもない。
【0052】
また、本実施形態では、送液部21と振動板11との間の電気的な導通を検出する例について説明したが、例えば、送液ポンプ22や液体タンク23と、振動板11との間の電気的な導通を検出するようにしてもよい。その場合、液体供給機構20の全体が導電性を有するものとする必要は、必ずしもない。液体供給機構20のうち、導電性液体13と接している部分のうちの少なくとも一部が導電性を有していればよい。
【符号の説明】
【0053】
1…霧化器
10…霧化部材
11…振動板
12…振動子
12a…圧電体
12b…電極
13…導電性液体
20…液体供給機構
21…送液部
22…送液ポンプ
23…液体タンク
24…逆流抑制機構
30…制御装置
31a…制御部
31b…駆動部
32…導通検出部
34…電源
35…増幅部
36…基準電圧発生部
37…比較部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
導電性を有する導電性液体を霧化する霧化器であって、
前記導電性液体を供給する液体供給機構であって、少なくとも一部が導電性を有する液体供給機構と、
前記液体供給機構と電気的に導通しないように配置されており、前記液体供給機構により供給された導電性液体を、振動することにより霧化させる導電性の振動板と、
前記液体供給機構と前記振動板との間が電気的に導通しているか否かを検出する導通検出部とを備える、霧化器。
【請求項2】
前記導通検出部は、前記液体供給機構と前記振動板との間の電気抵抗を検出することにより前記液体供給機構と前記振動板との間の電気的な導通を検出する、請求項1に記載の霧化器。
【請求項3】
前記振動板を振動させる駆動部と、
前記液体供給機構と前記振動板との間が電気的に導通していることが前記導通検出部により検出されたときに前記駆動部を稼働状態とする一方、前記液体供給機構と前記振動板との間が電気的に導通していないことが前記導通検出部により検出されたときに前記駆動部を停止状態にする制御部とをさらに備える、請求項1または2に記載の霧化器。
【請求項4】
前記液体供給機構は、前記導電性液体を溜めておくタンクと、前記タンクに溜められた導電性液体を送液する送液部とをさらに有し、
前記送液部に設けられており、前記導電性液体が前記タンク側に逆流することを抑制する逆流抑制機構をさらに備える、請求項1〜3のいずれか一項に記載の霧化器。
【請求項5】
前記振動板は、前記液体供給機構と直接接触しないように配置されており、前記液体供給機構と前記振動板とは、前記液体供給機構と前記振動板との間に前記導電性液体が介在したときに電気的に導通する、請求項1〜4のいずれか一項に記載の霧化器。
【請求項6】
導電性を有する導電性液体を霧化する霧化器であって、前記導電性液体を供給する液体供給機構であって、少なくとも一部が導電性を有する液体供給機構と、前記液体供給機構と電気的に導通しないように配置されており、前記液体供給機構により供給された導電性液体を、振動することにより霧化させる導電性の振動板とを備える霧化器の制御装置であって、
前記液体供給機構と前記振動板との間が電気的に導通しているか否かを検出する導通検出部を備える、霧化器の制御装置。
【請求項7】
前記霧化器は、前記振動板を振動させる駆動部をさらに備え、
前記液体供給機構と前記振動板との間が電気的に導通していることが前記導通検出部により検出されたときに前記駆動部を稼働状態とする一方、前記液体供給機構と前記振動板との間が電気的に導通していないことが前記導通検出部により検出されたときに前記駆動部を停止状態にする制御部をさらに備える、請求項6に記載の霧化器の制御装置。
【請求項8】
導電性を有する導電性液体を霧化する霧化器であって、前記導電性液体を供給する液体供給機構であって、少なくとも一部が導電性を有する液体供給機構と、前記液体供給機構と電気的に導通しないように配置されており、前記液体供給機構により供給された導電性液体を、振動することにより霧化させる導電性の振動板とを備える霧化器の制御方法であって、
前記液体供給機構と前記振動板との間が電気的に導通しているか否かを検出することにより、前記振動板に前記導電性液体が供給されているか否かを判定する、霧化器の制御方法。
【請求項9】
前記液体供給機構と前記振動板との間が電気的に導通していると判定されたときに霧化を行う一方、前記液体供給機構と前記振動板との間が電気的に導通していないと判定されたときには霧化を行わない、請求項8に記載の霧化器の制御方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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