説明

露光ヘッドの駆動方法及び画像形成装置の駆動方法

【課題】 発光素子の負荷を軽減し露光ヘッドのメンテナンスの負荷を低減することができる露光ヘッドの駆動方法及び画像形成装置の駆動方法を提供する。
【解決手段】 露光ヘッドはフレキシブル基板に低輝度露光用発光部Ha1と高輝度露光用発光部Ha2を形成する。低輝度及び高輝度露光用発光部Ha1,Ha2の各有機EL素子33において、感光ドラムの同じ露光スポットを露光する有機EL素子33同士をそれぞれ組にする。そして、各露光スポットにおいて、低輝度発光で露光する場合には低輝度露光用発光部Ha1の有機EL素子33を発光させ、高輝度発光で露光する場合には高輝度露光用発光部Ha2の有機EL素子33を発光させる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、露光ヘッドの駆動方法及び画像形成装置の駆動方法に関する。
【背景技術】
【0002】
電子写真方式を用いた画像形成装置には、像担持体としての感光ドラムを露光して潜像を形成する発光装置としての露光ヘッドが利用されている。一般に、露光ヘッドの発光源としてはレーザ光が使用されている。ところで、近年、露光ヘッドにおいては、低コスト、省スペースが求められている。そこで、露光ヘッドの発光源として、有機エレクトロルミネッセンス素子(有機EL素子)を用いるものが注目されている。例えば、特許文献1では、光の取出し効率を向上するために、有機EL素子から発光された光を集光するレンズ、いわゆるマイクロレンズを光取出し面上に設ける提案がなされている。
【特許文献1】特開2003−291404号広報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかしながら、上記する露光ヘッドでは、マイクロレンズによって光の取出し効率は向上するものの、発光源として有機エレクトロルミネッセンス素子(有機EL素子)の寿命が、従来のレーザを発光源とするものより短いことが知られている。従って、交換周期が短くなり、メンテナンスのための負荷が問題になる。
【0004】
本発明は、上記問題を解決するためになされたものであり、その目的は、発光素子の負荷を軽減し露光ヘッドのメンテナンスの負荷を低減することができる露光ヘッドの駆動方法及び画像形成装置の駆動方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明の露光ヘッドの駆動方法は、ライン状の光の各部分を形成する露光用の光を出射する発光素子を一方向に列設した発光部を複数設けた露光ヘッドの駆動方法において、前記各発光部の一方向に列設した各発光素子の各々について、他の発光部の対応するライン状の光の所定の部分の露光用の光を出射する発光素子同士をそれぞれ組とし、露光データに基づいて前記露光用のライン状の光を出射形成する際、前記各組毎に、前記各部分の露光条件に応じて該組の各発光素子の中から、前記露光条件に応じた少なくとも1つ発光素子を選択して発光させて前記ライン状の光を出射形成するようにした。
【0006】
本発明の露光ヘッドの駆動方法によれば、各発光部の各発光素子によって、それぞれのライン状の光の各部分を形成する露光用の光を、その時々で分担させて発光させることができる。その結果、露光条件を発光素子にかかる耐久性、長寿命化を考慮したものにすれば、各発光部の各発光素子の長寿命化を図ることができ、露光ヘッドの交換周期を長くすることができ、メンテナンスの負荷を低減することができる。
【0007】
この露光ヘッドの駆動方法において、前記露光条件は、発光輝度であり、前記各発光部は、それぞれ発光輝度条件に応じて区分され、前記発光輝度に応じた前記発光部の発光素子が選択されるようにしてもよい。
【0008】
この露光ヘッドの駆動方法によれば、例えば、高輝度発光させるための発光素子からなる発光部と、低輝度発光させるための発光素子からなる発光部に区分し、露光データに基づく発光輝度(露光条件)に応じて発光部の発光素子が選択されて発光する。露光条件としての発光輝度は発光素子にかかる負荷の大きな要素であり、その発光輝度に応じて発光
させる発光素子をその時々で分担させて発光させることから、各発光部の各発光素子にかかる負荷を軽減でき長寿命化を図ることができ、露光ヘッドの交換周期を長くすることができ、メンテナンスの負荷を低減することができる。
【0009】
この露光ヘッドの駆動方法において、前記露光条件は、発光輝度であり、前記発光輝度に応じて、前記組の各発光素子の中から、複数の発光素子が選択され、その選択された複数の発光素子の光を合成して前記発光輝度の光を形成するようにしてもよい。
【0010】
この露光ヘッドの駆動方法によれば、露光データに基づく発光輝度に応じた発光を、複数の発光素子で分担させて発光させることから、個々の発光素子は低輝度で発光させることができる。その結果、各発光部の各発光素子にかかる負荷を軽減でき長寿命化を図ることができ、露光ヘッドの交換周期を長くすることができ、メンテナンスの負荷を低減することができる。
【0011】
この露光ヘッドの駆動方法において、前記各発光部の発光素子は、有機エレクトロルミネッセンス素子であってもよい。
この露光ヘッドの駆動方法によれば、各発光部の有機エレクトロルミネッセンス素子は、負荷が軽減され長寿命化が図られ、露光ヘッドの交換周期を長くすることができ、メンテナンスの負荷を低減することができる。
【0012】
本発明の画像形成装置の駆動方法は、像担持体の外周面を帯電させる帯電手段と、帯電した前記像担持体の外周面を露光して潜像を形成する露光手段と、前記潜像に対して着色粒子を供給して顕像を現像する現像手段と、前記顕像を転写媒体に転写する転写手段とを備えた画像形成装置の駆動方法において、前記露光手段が、前記像担持体にライン状の光の各部分を形成する露光用の光を出射する発光素子を一方向に列設した発光部を複数設け、前記各発光部の一方向に列設した各発光素子の各々について、他の発光部の対応するライン状の光の所定の部分の露光用の光を出射する発光素子同士をそれぞれ組とし、露光データに基づいて前記像担持体にライン状の光を出射形成する際、前記各組毎に、前記各部分の露光条件に応じて該組の各発光素子の中から、前記露光条件に応じた少なくとも1つ発光素子を選択して発光させて前記像担持体にライン状の光を出射形成するようにした。
【0013】
本発明の画像形成装置の駆動方法によれば、各発光部の各発光素子によって、それぞれのライン状の光の各部分を形成する露光用の光を、その時々で分担させて発光させることができる。その結果、例えば、露光条件を発光素子にかかる耐久性、長寿命化を考慮したものにすれば、各発光部の各発光素子にかかる負荷を軽減し長寿命化を図ることができ、露光手段の交換周期を長くすることができ、メンテナンスの負荷を低減することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0014】
以下、本発明を具体化した一実施形態を図1〜図4に従って説明する。図1は、画像形成装置としての電子写真方式プリンタを示す概略側断面図である。
図1に示すように、電子写真方式プリンタ10(以下単に、プリンタ10という。)は、箱体状に形成される筐体11を備えている。その筐体11内には、駆動ローラ12、従動ローラ13及びテンションローラ14が設けられ、各ローラ12〜14に対して転写媒体としての中間転写ベルト15が張設されている。そして、駆動ローラ12の回転によって、中間転写ベルト15は、図1における矢印方向に循環駆動可能に備えられている。
【0015】
中間転写ベルト15の上方には、4体の像担持体としての感光ドラム16が、中間転写ベルト15の張設方向(副走査方向Y)に回転可能に併設されている。各感光ドラム16の外周面には、光導電性を有する感光層16a(図4参照)が形成されている。感光層1
6aは、暗中でプラス又はマイナスの電荷を帯電し、所定の波長領域からなる光を照射されると、照射された部位の電荷が消失されるようになっている。すなわち、プリンタ10は、これら4体の感光ドラム16によって構成されるタンデム式のプリンタである。
【0016】
各感光ドラム16の周囲には、それぞれ帯電手段としての帯電ローラ19、露光手段を構成する露光手段としての有機エレクロトルミネッセンスアレイ露光装置20(以下単に、露光装置20という。)、現像手段としてのトナーカートリッジ21、転写手段を構成する一次転写ローラ22及びクリーニング手段23が配設されている。
【0017】
帯電ローラ19は、感光ドラム16に密着する半導電性のゴムローラである。この帯電ローラ19に直流電圧を印加して感光ドラム16を回転すると、感光ドラム16の感光層16aが、全周面にわたり所定の帯電電位に帯電するようになっている。
【0018】
露光装置20は、所定の波長領域の光を感光ドラム16に出射する。そして、露光装置20が印刷データに基づく光を鉛直方向Z(図1参照)に出射(回転方向Roに回転する感光ドラム16に出射)すると、感光層16aが所定の波長領域の光に露光される。すると、感光層16aは、露光された部位(露光スポット)の電荷を消失して、その外周面に静電的な画像(静電潜像)を形成する。なお、この露光装置20の露光する光の波長領域は、感光層16aの分光感度と整合した波長領域である。つまり、露光装置20の露光する光の発光エネルギーのピーク波長は、前記感光層16aの分光感度のピーク波長と略一致するようになっている。
【0019】
トナーカートリッジ21は、箱体形状に形成されて、その内部に着色粒子としてのトナーTを収容する。なお、本実施形態における4体のトナーカートリッジ21には、それぞれ対応する4色(黒、シアン、マゼンタ及びイエロ)のトナーTが収容されている。そのトナーカートリッジ21には、感光ドラム16側から順に、現像ローラ21aと供給ローラ21bが備えられている。供給ローラ21bは、回転することによって、トナーTを現像ローラ21aまで搬送するようになっている。現像ローラ21aは、供給ローラ21bとの摩擦等によって、同供給ローラ21bの搬送したトナーTを帯電させるとともに、帯電したトナーTを同現像ローラ21aの外周面に均一に付着するようになっている。
【0020】
そして、感光ドラム16に前記帯電電位と略等しいバイアス電位を印加した状態で、供給ローラ21b及び現像ローラ21aを回転する。すると、感光ドラム16は、前記露光スポットと現像ローラ21a(トナーT)との間に、前記バイアス電位に相対する静電吸着力を付与する。静電吸着力を受けたトナーTは、同現像ローラ21cの外周面から前記露光スポットに移動して吸着する。これによって、各感光ドラム16(各感光層16a)の外周面には、それぞれ静電潜像に対応した単色の可視像(顕像)が形成される(現像される)。
【0021】
中間転写ベルト15の内側面15aであって前記各感光ドラム16と対峙する位置には、それぞれ一次転写ローラ22が設けられている。一次転写ローラ22は、導電性ローラであって、その外周面が中間転写ベルト15の内側面15aに密着しながら回転する。この一次転写ローラ22に直流電圧を印加して感光ドラム16及び中間転写ベルト15を回転すると、感光層16aに吸着したトナーTが、一次転写ローラ22側への静電吸着力よって中間転写ベルト15の外側面15bに順次移動して吸着するようになっている。
【0022】
すなわち、一次転写ローラ22は、感光ドラム16に形成した顕像を中間転写ベルト15の外側面15bに一次転写する。そして、中間転写ベルト15の外側面15bは、各感光ドラム16と一次転写ローラ22によって、単色からなる顕像の一次転写を4回繰り返し、これらの顕像を重ね合わせることによってフルカラーの画像(トナー像)を得る。
【0023】
クリーニング手段23は、図示しないLED等の光源とゴムブレードを備え、前記一次転写後の感光層16aに光を照射して帯電した感光層16aを除電するようになっている。そして、クリーニング手段23は、除電した感光層16aに残留するトナーTをゴムブレードによって機械的に除去する。
【0024】
中間転写ベルト15の下側には、記録用紙Pを収容した記録用紙カセット24が配設されている。その記録用紙カセット24の上側には、記録用紙Pを中間転写ベルト15側に給紙する給紙ローラ25が配設されている。その給紙ローラ25の上側にあって駆動ローラ12と相対向する位置には、転写手段を構成する二次転写ローラ26が配設されている。二次転写ローラ26は、前記各一次転写ローラ22と同じく導電性ローラであって、記録用紙Pの裏面を押圧し、同記録用紙Pの表面を中間転写ベルト15の外側面15bに接触させている。そして、この二次転写ローラ26に直流電圧を印加して中間転写ベルト15を回転すると、中間転写ベルト15の外側面15bに吸着したトナーTが、記録用紙Pの表面上に順次移動して吸着する。すなわち、二次転写ローラ26は、中間転写ベルト15の外側面15bに形成されたトナー像を記録用紙Pの表面上に二次転写する。
【0025】
二次転写ローラ26の上側には、熱源を内蔵するヒートローラ27aと同ヒートローラ27aを押圧する押圧ローラ27bが配設されている。そして、二次転写後の記録用紙Pがヒートローラ27aと押圧ローラ27bとの間に搬送されると、記録用紙P上に転写されたトナーTが、加熱によって軟化し、記録用紙P内に浸透して硬化する。これによって、記録用紙Pの表面にトナー像が定着する。トナー像を定着させた記録用紙Pは、排紙ローラ28によって筐体11の外側に排出されるようになっている。
【0026】
従って、プリンタ10は、帯電した感光層16aを露光装置20によって露光し、同感光層16aに静電潜像を形成する。次に、プリンタ10は、感光層16aの静電潜像を現像して同感光層16aに単色の顕像を形成する。続いて、プリンタ10は、感光層16aの顕像を中間転写ベルト15上に順次一次転写して同中間転写ベルト15上にフルカラーのトナー像を形成する。そして、プリンタ10は、中間転写ベルト15上のトナー像を記録用紙P上に二次転写し、加熱加圧によってトナー像を定着させて印刷を終了する。
【0027】
次に、上記プリンタ10に備えられ露光装置20について詳細に説明する。図2は、露光装置20を示す概略正断面図である。図3は、露光装置20を感光ドラム16側からみた正面図である。図4は、露光装置20を示す概略側断面図である。
【0028】
露光装置20は、図2に示すように、露光ヘッドHには、光透過性のフレキシブル基板30を備えている。本実施形態では、フレキシブル基板30は、アクリル樹脂よりなるプラスチック基板で形成されている。フレキシブル基板30は、その幅方向の長さが感光ドラム16の軸方向の幅より若干長く形成されている。
【0029】
そして、本実施形態では、そのフレキシブル基板30について、上面(感光ドラム16側と反対の面)を発光素子形成面30aとし、下面(感光ドラム16側の面)を光取出し面30bとしている。
【0030】
図3に示すように、フレキシブル基板30の発光素子形成面30a上には、その幅方向方向(X矢印方向)に複数の発光素子を配置形成した低輝度露光用発光部Ha1と高輝度露光用発光部Ha2が設けられている。低輝度露光用発光部Ha1と高輝度露光用発光部Ha2は所定の間隔で形成されている。
【0031】
低輝度及び高輝度露光用発光部Ha1,Ha2は、複数の画素形成領域31が形成され
ている。各画素形成領域31は、図3に示すように、千鳥格子状に2次元に配列され、それぞれ薄膜トランジスタよりなる駆動トランジスタQ1、スイッチングトランジスタQ2(図6参照)と発光素子、第1発光素子又は第2発光素子としての有機エレクトロルミネッセンス素子(有機EL素子)33等からなる画素34を有している。駆動トランジスタQ1は、印刷データに基づいて生成されたデータ信号によってオン状態となり、そのオン状態に基づいて、有機EL素子33を発光するようになっている。
【0032】
図5に示すように、有機EL素子33は、発光素子形成面30a上に形成された光透過性の回路形成層Sの上に形成される。この回路形成層Sには、有機EL素子33を駆動させるための駆動トランジスタQ1、スイッチングトランジスタQ2(図5には図示されていない)が形成されている。また、回路形成層Sには、低輝度及び高輝度露光用発光部Ha1,Ha2の各有機EL素子33を選択駆動させるための各種駆動回路(図6参照)を構成する回路素子が前記画素形成領域31の外に形成されている。
【0033】
また、図5に示すように、回路形成層S上の画素形成領域31に対応した位置には、各有機EL素子33を千鳥格子状に2次元に配列区画するバンクBが形成されている。そのバンクBによって区画された凹部の底部には、ITO等の光透過性を有する陽極Pcが形成されている。陽極Pcは、対応する駆動トランジスタQ1とコンタクトホールCHを介して電気的に接続されている。なお、この陽極PcとコンタクトホールCHはバンクBを形成する前に形成される。
【0034】
陽極Pcの上には、高分子系の有機材料からなる有機エレクトロルミネッセンス層(有機EL層)OELが形成されている。有機EL層OELは、正孔輸送層OEL1と発光層OEL2の2層からなる有機化合物層であって、その上側には、アルミニウム等の光反射性を有する金属膜からなる陰極Paが形成されている。陰極Paは、発光素子形成面30a側の略全面を覆うように形成され、低輝度及び高輝度露光用発光部Ha1,Ha2の各画素34が共有することによって各有機EL素子33に共通する電位を供給するようになっている。そして、有機EL素子33は、これら陽極Pc、有機EL層OEL及び陰極Paによって構成される。
【0035】
陰極Paの上側には、接着層Laによって陰極Pa(フレキシブル基板30)に接着される支持基板38が配設されている。支持基板38は、平面視方向から見てフレキシブル基板30と同サイズに形成される無色透明のプラスチック製のフレキシブル基板であって、しかも機械的強度を得るために十分な厚さで形成されている。
【0036】
そして、データ信号に応じた駆動電流が陽極Pcに供給されると、有機EL層OEL(発光層OEL2)は、その駆動電流に応じた発光輝度で発光する。この際、有機EL層OELから陰極Pa側(図5における上側)に向かって発光された光は、同陰極Paによって反射される。そのため、有機EL層OELから発光された光は、その殆どが、陽極Pc、回路形成層S及びフレキシブル基板30を透過して光取出し面30b側(感光ドラム16側)に照射される。
【0037】
尚、本実施形態では、低輝度露光用発光部Ha1の有機EL素子33と高輝度露光用発光部Ha2の有機EL素子33は、その形成条件を同じにしている。詳述すると、低輝度及び高輝度露光用発光部Ha1,Ha2の各有機EL素子33は、その正孔輸送層OEL1、発光層OEL2の有機材料を同じもとするとともに正孔輸送層OEL1、発光層OEL2の膜厚も同じ厚さにしている。
【0038】
図2及び図4に示すように、フレキシブル基板30の光取出し面30bであって、低輝度及び高輝度露光用発光部Ha1,Ha2の各有機EL素子33と対峙する位置には、そ
れぞれマイクロレンズ40が形成されている。マイクロレンズ40は、前記有機EL層OELから発光される光の波長に対して十分な透過率を有する半球面状の光学面を備えた凸形状のレンズであって、有機EL素子33(有機EL層OEL)の中心位置がその光軸A上に位置するように形成されている。
【0039】
また、マイクロレンズ40は、その下側曲面(出射面40a)の頂点と感光層16aとの間の距離を像側焦点距離にして、有機EL素子33から光軸Aに沿って発光された光線の光軸Aとの交点(像側焦点F)を感光層16a上に位置するようになっている。これによって、マイクロレンズ40から出射された光は、感光層16aに所望するサイズの露光スポットを形成できるようになっている。
【0040】
露光ヘッドH(フレキシブル基板30)は、円弧状の感光ドラム16側に湾曲形成されている。そして、低輝度露光用発光部Ha1において、千鳥格子状に2次元に配列された1列目の各有機EL素子33と、2列目の各有機EL素子33とを、発光制御することによって、感光ドラム16の面に対してX方向の同一線上に連続した露光スポットを形成することができる。つまり、1列目の各有機EL素子33と2列目の各有機EL素子33から出射された光は、感光ドラム16の軸方向(図1において紙面に直交する方向:主走査方向X)であって同一線上に並んだ露光スポット(ライン状に光)を感光層16aに露光する。
【0041】
また、高輝度露光用発光部Ha2も同様に、1列目の各有機EL素子33と2列目の各有機EL素子33から出射された光は、感光ドラム16の軸方向(図1において紙面に直交する方向:主走査方向X)であって同一線上に並んだ露光スポットを感光層16aに露光する。
【0042】
しかも、湾曲形成したことによって、低輝度露光用発光部Ha1が出射形成するライン状の光の各部分を形成する各有機EL素子33による露光スポットと、高輝度露光用発光部Ha2が出射形成するライン状の光の各部分を形成する各有機EL素子33による露光スポットとが、互いに重なるようになっている。つまり、低輝度及び高輝度露光用発光部Ha1,Ha2の対応する有機EL素子33同士(組となる有機EL素子33)は、それぞれ互いに感光ドラム16の感光層16aの同じ点を露光するようになっている。
【0043】
次に、上記のように構成した露光装置20の電気的構成を図面に図6に従って説明する。
図6において、露光ヘッドHは、低輝度露光用発光部Ha1、高輝度露光用発光部Ha2、低輝度データ線駆動回路51、高輝度データ線駆動回路52、選択信号生成回路53及び制御回路54を備えている。
【0044】
低輝度露光用発光部Ha1及び高輝度露光用発光部Ha2は、前記画素形成領域31毎にそれぞれ画素回路56を有している。
低輝度露光用発光部Ha1の各画素回路56は、それぞれM本のデータ線Xa1〜Xam(mは整数)と、選択信号線Y1との間に接続されている。また、高輝度露光用発光部Ha2の各画素回路56は、それぞれM本のデータ線Xb1〜Xbm(mは整数)と、前記選択信号線Y1との間に接続されている。
【0045】
低輝度露光用発光部Ha1の各画素回路56は、駆動トランジスタQ1、スイッチングトランジスタQ2及び保持キャパシタC1をそれぞれ備えている。駆動トランジスタQ1及びスイッチングトランジスタQ2は、導電型がNチャネルの薄膜トランジスタ(TFT)にて構成されている。駆動トランジスタQ1は、ドレインが有機EL素子33の陽極に接続され、ソースが駆動電圧Vdが供給される電源線Lに接続されている。駆動トランジ
スタQ1のゲートは保持キャパシタC1が接続されている。その保持キャパシタC1の他端は、電源線Lに接続されている。
【0046】
スイッチングトランジスタQ2はゲートが選択信号線Y1に接続されている。また、スイッチングトランジスタQ2は、ドレインが対応するデータ線Xa1〜Xamにそれぞれ接続され、ソースが駆動トランジスタQ1のゲート及び保持キャパシタC1の一端と接続されている。
【0047】
因みに、高輝度露光用発光部Ha2の各画素回路56は、駆動トランジスタQ1のソースが電源線Lに接続されるとともに、スイッチングトランジスタQ2のドレインが対応するデータ線Xb1〜Xbmにそれぞれ接続される。
【0048】
そして、選択信号線Y1に選択信号S1が所定期間出力されると、各画素回路56のスイッチングトランジスタQ2が所定期間オンしてデータ線Xa1〜Xam,Xb1〜Xbmを介してデータ信号Da1〜Dam,Db1〜Dbmがそれぞれ供給される。すると、データ信号Da1〜Dam,Db1〜DbmがスイッチングトランジスタQ2を介して保持キャパシタC1にそれぞれ供給される。各画素回路56の保持キャパシタC1はデータ信号Da1〜Dam,Db1〜Dbmに対応した電荷量を蓄積し保持する。また、各画素回路56の駆動トランジスタQ1のゲート端子の電位はデータ信号Da1〜Dam,Db1〜Dbmにより押し上げられ、駆動トランジスタQ1ドレイン/ソースにデータ信号Da1〜Dam,Db1〜Dbmに応じた駆動電流をそれぞれ有機EL素子33に供給する。この駆動電流は、保持キャパシタC1に蓄積されたデータ信号Da1〜Dam,Db1〜Dbmに応じた電荷量に相対した値となる。
【0049】
つまり、各画素回路56の駆動トランジスタQ1は、対応するデータ信号Da1〜Dam,Db1〜Dbmにそれぞれ応答して導通し、その導通状態が保持されて各有機EL素子33に駆動電流を供給する。すると、このタイミングで各画素回路56の有機EL素子33がそれぞれデータ信号Da1〜Dam,Db1〜Dbmに相対した輝度で発光する。
【0050】
低輝度データ線駆動回路51は、制御回路54からの低輝度露光用発光部Ha1の各画素回路56に対する第1の階調データに基づいて各画素回路56のデータ信号Da1〜Damを生成する。そして、低輝度データ線駆動回路51は、制御回路54からの同期信号に基づいて生成したデータ信号Da1〜Damをそれぞれ対応する画素回路56にデータ線Xa1〜Xamを介して供給する。
【0051】
高輝度データ線駆動回路52は、制御回路54からの高輝度露光用発光部Ha2の各画素回路56に対する第2の階調データに基づいて各画素回路56のデータ信号Db1〜Dbmを生成する。そして、高輝度データ線駆動回路52は、制御回路54からの前記同期信号に基づいて生成したデータ信号Db1〜Dbmをそれぞれ対応する画素回路56にデータ線Xb1〜Xbmを介して供給する。
【0052】
制御回路54は、外部制御装置から供給される印刷データに基づいて作成された1ライン分の露光データを順次入力する。制御回路54は、該露光データに基づいて低輝度データ線駆動回路51に供給する第1の階調データと高輝度データ線駆動回路52に供給する第2の階調データを生成する。
【0053】
1ライン分の露光データは、前記感光ドラム16の軸方向に形成するライン状の光の各部分を形成する各露光スポットを露光するときの、各露光スポットに対応して設けた有機EL素子33を発光させる際の階調データである。
【0054】
有機EL素子33は、本実施形態では、発光輝度を256段階(256階調)に発光制御できるようになっている。そして、以後説明の便宜上、「0」〜「127」階調の発光輝度を低輝度発光といい、「128」〜「255」階調の発光輝度を高輝度という。
【0055】
制御回路54は、低輝度発光の場合は低輝度露光用発光部Ha1の組となる有機EL素子33を駆動させ、高輝度発光させる場合は高輝度露光用発光部Ha2の組となる有機EL素子33を駆動させるように、第1の階調データと第2の階調データを生成する。
【0056】
例えば、1番目の露光スポットの画素回路56の階調データが「100」階調(低輝度発光)で、2番目の露光スポットの画素回路56の階調データが「200」階調(高輝度発光)、3番目の露光スポットの画素回路56の階調データが「220」階調(高輝度発光)で、4番目の露光スポットの画素回路56の階調データが「90」階調(低輝度発光)であったとする。
【0057】
制御回路54は、低輝度露光用発光部Ha1のための第1の階調データを、第1番目と第4番目の露光スポットの画素回路56に対してそれぞれ「100」階調の階調データと「90」階調の階調データを、第2番目と第3番目の露光スポットの画素回路56に対して「0」階調の階調データを作成する。つまり、低輝度露光用発光部Ha1の第2番目と第3番目の露光スポットの画素回路56(有機EL素子33)を発光させない第1の階調データを作成する。
【0058】
一方、制御回路54は、高輝度露光用発光部Ha2のための第2の階調データを、第2番目と第3番目の露光スポットの画素回路56に対してそれぞれ「200」階調の階調データと「220」階調の階調データを、第1番目と第4番目の露光スポットの画素回路56に対して「0」階調の階調データを作成する。つまり、高輝度露光用発光部Ha2の第1番目と第4番目の露光スポットの画素回路56(有機EL素子33)を発光させない第2の階調データを作成する。
【0059】
詳述すると、第1番目と第4番目の露光スポットは、低輝度露光用発光部Ha1の画素回路56(有機EL素子33)の光で露光され、第2番目と第3番目の露光スポットは、高輝度露光用発光部Ha2の画素回路56(有機EL素子33)の光で露光されるようになる。
【0060】
つまり、低輝度発光の場合には低輝度露光用発光部Ha1の有機EL素子33を駆動させ、高輝度発光に場合は高輝度露光用発光部Ha2の有機EL素子33を駆動させことによって、低輝度露光用発光部Ha1の有機EL素子33と高輝度露光用発光部Ha2の有機EL素子33とを役割分担させている。
【0061】
従って、制御回路54は、1ライン分の露光データに基づいて、各露光スポットのおける発光輝度が露光条件としての高輝度発光か低輝度発光を判別し、各露光スポット毎に階調データを振り分けして低輝度露光用発光部Ha1の画素回路56のための第1の階調データと高輝度露光用発光部Ha2の画素回路56のための第2の階調データを生成する。そして、制御回路54は、第1の階調データと第2の階調データを作成すると、それぞれ低輝度データ線駆動回路51と高輝度データ線駆動回路52に供給する。
【0062】
低輝度データ線駆動回路51は、制御回路54からの第1の階調データに基づいてデータ信号Da1〜Damを生成する。また、高輝度データ線駆動回路52は、制御回路54からの第2の階調データに基づいてデータ信号Db1〜Dbmを生成する。低輝度データ線駆動回路51及び高輝度データ線駆動回路52は、制御回路54からの同期信号に応答してデータ信号Da1〜Dam,Db1〜Dbmを対応する画素回路56にデータ線Xa
1〜Xam,Xb1〜Xbmを介してそれぞれ供給する。
【0063】
また、制御回路54は、選択信号生成回路53に同期信号を出力する。選択信号生成回路53は、同期信号に基づいて選択信号S1を生成する。そして、選択信号生成回路53は、低輝度データ線駆動回路51及び高輝度データ線駆動回路52がデータ信号Da1〜Dam,Db1〜Dbmを供給するタイミングで、選択信号S1を選択信号線Y1に所定時間出力するようになっている。
【0064】
次に、上記のように構成した露光装置20の作用について説明する。
いま、1ライン分の露光データを入力すると、制御回路54はその露光データに基づいて各露光スポットのおける発光輝度が高輝度発光か低輝度発光を判別し、露光スポット毎に該露光スポットにおける露光データが低輝度発光ならば低輝度露光用発光部Ha1の第1の階調データに、高輝度発光ならば高輝度露光用発光部Ha2の第2の階調データに振り振り分ける。このとき、低輝度露光用発光部Ha1及び高輝度露光用発光部Ha2の画素回路56において露光スポットにおける露光データが振り分けられなかった画素回路56については、「0」階調のデータが割り当てられる。
【0065】
そして、低輝度データ線駆動回路51は、第1の階調データに基づいて低輝度露光用発光部Ha1の各画素回路56に対するデータ信号Da1〜Damを生成しそれぞれ対応する画素回路56にデータ線Xa1〜Xamを介して供給する。同時に、高輝度データ線駆動回路52は、第2の階調データに基づいて高輝度露光用発光部Ha2の各画素回路56に対するデータ信号Db1〜Dbmを生成しそれぞれ対応する画素回路56にデータ線Xb1〜Xbmを介して供給する。
【0066】
そして、感光ドラム16に出射される露光用のライン状に光を構成する各露光スポットは、低照度(低輝度発光)の場合には低輝度露光用発光部Ha1の有機EL素子33の光で、高照度(高輝度発光)の場合には高輝度露光用発光部Ha2の有機EL素子33の光で露光される。
【0067】
次に、上記のように構成した本実施形態の効果を以下に記載する。
(1)本実施形態によれば、露光ヘッドHに、低輝度露光用発光部Ha1と高輝度露光用発光部Ha2を設け、低輝度及び高輝度露光用発光部Ha1,Ha2の各有機EL素子33において、感光ドラム16の感光層16aの同じ露光スポットを露光する有機EL素子33同士をそれぞれ組にする。そして、各露光スポットにおいて、低輝度発光で露光する場合には低輝度露光用発光部Ha1の有機EL素子33を発光させ、高輝度発光で露光する場合には高輝度露光用発光部Ha2の有機EL素子33を発光させるようにした。
【0068】
従って、露光する輝度に応じて低輝度露光用発光部Ha1の有機EL素子33と高輝度露光用発光部Ha2の有機EL素子33を使い分けるようにしたので、両露光用発光部Ha1,Ha2の有機EL素子33にかかる負荷は軽減され、有機EL素子33の寿命を延ばすことができる。その結果、消耗品である露光ヘッドHの交換周期を長くすることができ、電子写真方式プリンタ10において、メンテナンスのための負荷を軽減することができる。
【0069】
(2)本実施形態によれば、露光ヘッドHを、湾曲形成できるアクリル樹脂よりなるフレキシブル基板30で形成した。従って、低輝度及び高輝度露光用発光部Ha1,Ha2の対応する有機EL素子33同士を、それぞれ互いに感光ドラム16の感光層16aの同じ点を露光する位置合わせることが容易になる。
(第2実施形態)
前記第1実施形態が、低輝度発光で露光する場合には低輝度露光用発光部Ha1の有機
EL素子33を発光させ、高輝度発光で露光する場合には高輝度露光用発光部Ha2の有機EL素子33を発光させるようにした。これに対して、本実施形態は、低輝度露光用発光部Ha1に形成した各有機EL素子33と、高輝度露光用発光部Ha2に形成した有機EL素子33をそれぞれ同時に発光させる点に特徴がある。なお、本実施形態は、その構成が第1実施形態と同じ構成であって、制御回路54の動作が相違するだけなので、説明の便宜上、その相違する動作を、図6に従って説明する。
【0070】
本実施形態も、第1実施形態と同様に、低輝度データ線駆動回路51、高輝度データ線駆動回路52、選択信号生成回路35及び制御回路54が設けられている。
そして、制御回路54は、外部制御装置から供給される印刷データに基づいて作成された1ライン分の露光データを順次入力する。制御回路54は、該露光データに基づいて低輝度データ線駆動回路51に供給する第1の階調データと高輝度データ線駆動回路52に供給する第2の階調データを生成する。
【0071】
制御回路54は、低輝度及び高輝度データ線駆動回路51,52の対応する組の有機E
L素子33を同時に発光させて、該露光データに基づく露光スポットの発光輝度を生成するように第1の階調データと第2の階調データを生成する。本実施形態では、低輝度及び高輝度データ線駆動回路51,52の両有機EL素子33を同じ発光輝度で発光させ、そ
の両有機EL素子33から出射する光を合成して、露光データに基づく露光スポットの発光輝度になるようにしている。従って、高輝度データ線駆動回路51,52の両有機EL
素子33は、露光データに基づく露光スポットの発光輝度の半分の輝度で発光すればよいことになる。
【0072】
例えば、1番目の露光スポットの画素回路56の階調データが「100」階調(低輝度発光)で、2番目の露光スポットの画素回路56の階調データが「200」階調(高輝度発光)、3番目の露光スポットの画素回路56の階調データが「220」階調(高輝度発光)で、4番目の露光スポットの画素回路56の階調データが「90」階調(低輝度発光)であったとする。
【0073】
制御回路54は、低輝度及び高輝度露光用発光部Ha1,Ha2のための第1及び第2の階調データを、第1番目〜4番目の各露光スポットの画素回路56に対してそれぞれ「50」、「100」、「110」、「45」階調のデータをそれぞれ作成する。つまり、制御回路54は、1ライン分の露光データに基づいて、各露光スポットのおける露光条件としての発光輝度に対して、発光輝度を半分づつ分担させて低輝度及び高輝度露光用発光部Ha1,Ha2の有機EL素子33を発光さる第1及び第2の階調データを生成する。
【0074】
従って、本実施形態によれば、低輝度及び高輝度露光用発光部Ha1,Ha2の有機EL素子33を同時に発光させるとともに、常に該露光データに基づく露光スポットの発光輝度の半分の発光輝度で発光させるので、各有機EL素子33にかかる負荷はその分軽減され長寿命化を図ることができる。
【0075】
尚、上記実施形態は以下のように変更してもよい。
・上記実施形態では、低輝度及び高輝度露光用発光部Ha1,Ha2は、千鳥格子状に2次元に、すなわち、2列に有機EL素子33を配列して形成したが、1列又は3列以上からなる有機EL素子33を配列して低輝度及び高輝度露光用発光部Ha1,Ha2を形成して実施してもよい。
【0076】
・上記実施形態では、露光ヘッドHは、低輝度及び高輝度露光用発光部Ha1,Ha2の二つの発光部で構成したが、3つ以上の発光部を構成して実施してもよい。
この場合、第1実施形態においては、発光輝度を、発光部の数に合わせて区分し、露光
データに基づいて、それぞれの発光部の発光素子(有機EL素子)を選択し発光制御することになる。また、第2実施形態では、発光部の数だけ、発光輝度を低くして発光させることになる。
【0077】
・第2実施形態では、低輝度及び高輝度露光用発光部Ha1,Ha2の有機EL素子33をそれぞれ半分の発光輝度で発光させた。これを、露光データに基づく露光スポットの発光輝度が、例えば、「100」階調未満の場合、常に、低輝度露光用発光部Ha1の有機EL素子33を発光させる。そして、「100」階調以上の場合、低輝度及び高輝度露光用発光部Ha1,Ha2の有機EL素子33をそれぞれ半分の発光輝度で発光させるように実施してもよい。
【0078】
・上記実施形態では、画像形成装置としての電子写真方式プリンタをタンデム型カラープリンタ10に具体化したが、露光装置20が1つからなるモノクロプリンタに応用してもよい。
【0079】
・上記実施形態では、発光素子を有機EL素子33で具体化したが、無機EL素子やLED等その他発光素子で具体化してもよい。
・上記実施形態では、アクリル樹脂からなるフレキシブル基板30として具体化したが、これに限らず、要は、湾曲形成できればよく基板であればよく、例えばポリイミド等のプラスチック基板であってもよい。
【0080】
・上記実施形態では、露光条件を発光輝度としたが、発光素子にかかる負荷に関係する条件であれば、なんでもよい。
・上記実施形態では、有機EL素子33の発光を制御する画素回路56について、2個のトランジスタ(駆動トランジスタQ1、スイッチングトランジスタQ2)を備える構成にした。これに限らず、有機EL素子33の発光を制御するトランジスタを3個以上備える構成にしてもよく、あるいは、反対にフレキシブル基板30に備えない構成にしてもよい。
【0081】
・上記実施形態では、フレキシブル基板30に、低輝度露光用発光部Ha1、高輝度露光用発光部Ha2、低輝度データ線駆動回路51、高輝度データ線駆動回路52、選択信号生成回路53及び制御回路54を備えた構成にしたが、低輝度露光用発光部Ha1及び高輝度露光用発光部Ha2を除いた他の回路又は一部を、フレキシブル基板30以外の基板に形成して実施してもよい。
【図面の簡単な説明】
【0082】
【図1】第1実施形態の画像形成装置を示す概略側断面図。
【図2】同じく、露光装置を示す概略正断面図。
【図3】同じく、露光装置を感光ドラム側からみた図。
【図4】同じく、露光ヘッドと感光ドラムとの関係を示す説明図。
【図5】同じく、有機EL素子を説明するための拡大断面図。
【図6】同じく、露光装置の電気的構成を説明するための電気回路図。
【符号の説明】
【0083】
10…画像形成装置としてのプリンタ、15…転写媒体としての中間転写ベルト、16…像担持体としての感光ドラム、19…帯電手段としての帯電ローラ、20…露光手段を構成する有機エレクロトルミネッセンスアレイ露光ヘッド、21…現像手段としてのトナーカートリッジ、22…転写手段を構成する一次転写ローラ、26…転写手段を構成する二次転写ローラ、30…フレキシブル基板、30a…発光素子形成面、30b…光取出し面、33…発光素子としての有機エレクトロルミネッセンス素子、40…マイクロレンズ
、51…低輝度データ線駆動回路、52…高輝度データ線駆動回路、53…選択信号生成回路、54…制御回路、OEL…発光層としての有機エレクロトルミネッセンス層、Pa…陰極、Pc…陽極、T…着色粒子としてのトナー、H…露光ヘッド、Ha1…低輝度露光用発光部、Ha2…高輝度露光用発光部。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ライン状の光の各部分を形成する露光用の光を出射する発光素子を一方向に列設した発光部を複数設けた露光ヘッドの駆動方法において、
前記各発光部の一方向に列設した各発光素子の各々について、他の発光部の対応するライン状の光の所定の部分の露光用の光を出射する発光素子同士をそれぞれ組とし、露光データに基づいて前記露光用のライン状の光を出射形成する際、前記各組毎に、前記各部分の露光条件に応じて該組の各発光素子の中から、前記露光条件に応じた少なくとも1つ発光素子を選択して発光させて前記ライン状の光を出射形成するようにしたことを特徴とする露光ヘッドの駆動方法。
【請求項2】
請求項1に記載の露光ヘッドの駆動方法において、
前記露光条件は、発光輝度であり、
前記各発光部は、それぞれ発光輝度条件に応じて区分され、前記発光輝度に応じた前記発光部の発光素子が選択されるようにしたことを特徴とする露光ヘッドの駆動方法。
【請求項3】
請求項1に記載の露光ヘッドの駆動方法において、
前記露光条件は、発光輝度であり、
前記発光輝度に応じて、前記組の各発光素子の中から、複数の発光素子が選択され、その選択された複数の発光素子の光を合成して前記発光輝度の光を形成することを特徴とする露光ヘッドの駆動方法。
【請求項4】
請求項1〜3のいずれか1つに記載の露光ヘッドの駆動方法において、
前記各発光部の発光素子は、有機エレクトロルミネッセンス素子であることを特徴とする露光ヘッドの駆動方法。
【請求項5】
像担持体の外周面を帯電させる帯電手段と、帯電した前記像担持体の外周面を露光して潜像を形成する露光手段と、前記潜像に対して着色粒子を供給して顕像を現像する現像手段と、前記顕像を転写媒体に転写する転写手段とを備えた画像形成装置の駆動方法において、
前記露光手段が、前記像担持体にライン状の光の各部分を形成する露光用の光を出射する発光素子を一方向に列設した発光部を複数設け、
前記各発光部の一方向に列設した各発光素子の各々について、他の発光部の対応するライン状の光の所定の部分の露光用の光を出射する発光素子同士をそれぞれ組とし、露光データに基づいて前記像担持体にライン状の光を出射形成する際、前記各組毎に、前記各部分の露光条件に応じて該組の各発光素子の中から、前記露光条件に応じた少なくとも1つ発光素子を選択して発光させて前記像担持体にライン状の光を出射形成するようにしたことを特徴とする画像形成装置の駆動方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2006−263935(P2006−263935A)
【公開日】平成18年10月5日(2006.10.5)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−81188(P2005−81188)
【出願日】平成17年3月22日(2005.3.22)
【出願人】(000002369)セイコーエプソン株式会社 (51,324)
【Fターム(参考)】