露光装置
【課題】小型マスク連続露光において、遮光機構の構造を複雑にすることなく、搬送方向の長さが異なる様々な領域の遮光に対応できる露光装置を提供する。
【解決手段】露光装置1は、光源と、基板6を搬送する搬送装置と、光源と基板6との間に配置されるフォトマスク3と、遮光板51〜54とを備える。遮光板51及び52は、フォトマスク3とほぼ平行な同一平面を構成する位置と、軸受73の中心軸を下端として、遮光板51及び52がZ軸方向に延びる位置との間で開閉自在である。遮光板51〜54の射影全体が非露光領域62に重なった状態で、遮光板51〜54が、開口パターン形成領域30の上方をY軸正方向に基板6と等速で移動する。これによって、非露光領域62が開口パターン形成領域30の下方を通過する間、非露光領域62が遮光板51〜54によって遮光される。
【解決手段】露光装置1は、光源と、基板6を搬送する搬送装置と、光源と基板6との間に配置されるフォトマスク3と、遮光板51〜54とを備える。遮光板51及び52は、フォトマスク3とほぼ平行な同一平面を構成する位置と、軸受73の中心軸を下端として、遮光板51及び52がZ軸方向に延びる位置との間で開閉自在である。遮光板51〜54の射影全体が非露光領域62に重なった状態で、遮光板51〜54が、開口パターン形成領域30の上方をY軸正方向に基板6と等速で移動する。これによって、非露光領域62が開口パターン形成領域30の下方を通過する間、非露光領域62が遮光板51〜54によって遮光される。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、表示装置を構成するカラーフィルタ基板を製造するための露光装置に関する。
【背景技術】
【0002】
近年の液晶表示装置の大型化に伴い、液晶表示装置に用いられるカラーフィルタも大型化している。カラーフィルタの製造工程では、フォトリソグラフィ法によって着色層をパターニングするが、大型の露光マスクは非常に高価であるため、カラーフィルタの製造コストが高くなるという問題がある。そこで、カラーフィルタ基板の表示画素領域の大きさより小さなフォトマスクを露光ヘッドに装着した露光機を複数用い、基板を搬送しながら、基板上のレジストを露光する方式(以下「小型マスク連続露光方式」という)が提案されている。
【0003】
カラーフィルタの製造においては、製造コストを抑えるために、カラーフィルタよりサイズの大きな基板上に複数のカラーフィルタが露光される場合がある。この時、搬送方向に隣接する露光領域の間(以下、「非露光領域」という)は、例えばブラインドシャッターによって遮光される。ブラインドシャッターは、光源と基板との間に配置されており、搬送されている基板上の露光領域の間にある非露光領域と重なった状態で、光の照射領域を基板と同じ速度で搬送方向に通過する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2006−292955号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
基板上に複数のカラーフィルタが形成される場合、基板搬送方向に隣接するカラーフィルタの間(露光時における非露光領域に相当)の寸法は、カラーフィルタのサイズや仕様、レイアウトにより異なる。これに対応するために、基板搬送方向におけるブラインドシャッターの幅を可変にする必要がある。
【0006】
図7及び図8は、従来の露光装置の一例を示す側面図である。
【0007】
露光装置101は、遮光機構として、4枚の遮光板105を備えている。遮光板105は、各々が独立して、Y軸方向に自在に移動できる。これによって、遮光板105の射影のY軸方向の幅を変えることができる。例えば、図7に示すように、複数の遮光板105(1点鎖線で示す)で開口パターン形成領域130全体を覆うことができる。また、2点鎖線で示すように、複数の遮光板を重ね合わせた状態で、遮光板を開口パターン形成領域130の外側に配置することができる。一方、図8に示すように、複数の遮光板105を部分的に重ね合わせることで、非露光領域162の幅に合わせた遮光幅を得ることができる。遮光板105は、非露光領域162に重ねられた状態で、基板6と共にY軸正方向に移動する。これにより、非露光領域162が開口パターン形成領域130の下方を通過する間、非露光領域162が遮光板105によって遮光される。
【0008】
非露光領域162の遮光を終えた遮光板105は、開口パターン形成領域130の下流側(図の左側)に到達した後、次の非露光領域の遮光に備えて、開口パターン形成領域130の上流側に復帰する必要がある。露光領域161に光が照射されている際に、遮光板105が開口パターン形成領域130の上方を通過すると、露光領域161に対する照射光が一時的に遮光される。これは、露光領域161に対する光の照射ムラに繋がる。これを解決するために、開口パターン形成領域130のY軸方向の幅を広げ、露光領域161へのトータルの照射量を多くして、復帰時の遮光板105に遮光された照射量の相対比率を小さくする方法が考えられる。しかし、開口パターン形成領域130のY軸方向の幅を大きくすると、図7に示すものに比べ、遮光板105の枚数を増やす必要がある(単に1枚の遮光板の幅を広げた場合は、最小の遮光幅が大きくなり、露光領域のレイアウト変更に対応できないので好ましくない)。遮光板の枚数を増やした場合、遮光板の各々を移動自在にすると、遮光機構の構造や制御が複雑となり、露光装置の製造コストが増加するという問題がある。
【0009】
それ故に、本発明は、小型マスク連続露光において、遮光機構の構造を複雑にすることなく、搬送方向の幅が異なる様々な領域の遮光に対応できる露光装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明は、基板を第1の方向に一定の速度で搬送しながら、第1の方向に所定間隔を空けて複数並べられた基板上の露光領域に対して露光処理を行う露光装置に関する。露光装置は、光源と、基板を搬送する搬送装置と、フォトマスクと第1の方向と直交する第2の方向に延びる第1の直線で折り畳み可能であり、光源とフォトマスクとの間を第1の方向に平行な方向に移動自在な一対の第1の遮光板とを備える。一対の第1の遮光板は、第1の方向に連結される。第1の遮光板の各々は、フォトマスクとほぼ平行な同一平面を構成する位置と、第1の直線を下端としてフォトマスクとほぼ直行する平面を構成する位置との間で、第1の直線を中心として開閉自在である。露光領域に挟まれた非露光領域の幅に応じて、第1の遮光板の開閉量が調整され、遮光板の射影全体が非露光領域に重なった状態で、第1の遮光板が基板と共に第1の方向に移動する。
【発明の効果】
【0011】
本発明によると、小型マスク連続露光において、遮光機構の構造を複雑にすることなく、搬送方向の幅が異なる様々な領域を遮光することができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】本発明の実施形態に係る露光装置の平面図
【図2A】遮光板の動作を示す露光装置の側面図
【図2B】図2Aに続く動作を示す露光装置の側面図
【図2C】図2Bに続く動作を示す露光装置の側面図
【図2D】図2Cに続く動作を示す露光装置の側面図
【図2E】図2Dに続く動作を示す露光装置の側面図
【図2F】図2Eに続く動作を示す露光装置の側面図
【図2G】図2Fに続く動作を示す露光装置の側面図
【図2H】図2Gに続く動作を示す露光装置の側面図
【図2I】図2Hに続く動作を示す露光装置の側面図
【図2J】図2Iに続く動作を示す露光装置の側面図
【図2K】図2Jに続く動作を示す露光装置の側面図
【図2L】図2Kに続く動作を示す露光装置の側面図
【図3】参考例に係る露光装置の側面図
【図4】2枚の遮光板による遮光の様子を示す露光装置の側面図
【図5】1枚の遮光板による遮光の様子を示す露光装置の側面図
【図6】第2の実施形態に係る露光装置の平面図
【図7】従来の露光装置の一例を示す側面図
【図8】従来の露光装置の一例を示す側面図
【発明を実施するための形態】
【0013】
(第1の実施形態)
図1は、本発明の実施形態に係る露光装置の平面図である。また、基板の搬送方向はY軸正方向である。
【0014】
露光装置1は、基板6をY軸正方向に一定の速度で搬送しながら、X軸方向及びY軸方向に所定間隔を空けて複数並べられた基板6上の露光領域61に対して露光処理を行うものである。露光装置1は、紙面上方に位置する光源(図示せず)と、基板6を搬送する搬送装置(図示せず)と、フォトマスク3と、光源からの光を遮光する遮光板(図示せず)とを備える。光源と、フォトマスク3と、遮光板とは、露光ヘッド10a〜10lの各々に装着されている。露光ヘッド10a〜10lでは、露光ヘッド毎に、遮光板の開閉量、開閉タイミング、移動タイミングを制御することが可能である。第1の実施形態では、露光ヘッド10a、10c、10e、10g、10i及び10kと、露光ヘッド10b、10d、10f、10h、10j及び10lとで、遮光板の開閉タイミング及び移動タイミングを変えている(詳細は後述する)。
【0015】
光源は、フォトマスク3上の所定の照射領域に光を照射する。尚、点滅式光源を用いて、ドット状の着色パターンを形成しても良いし、常灯式光源を用いて、ストライプ状の着色パターンを形成しても良い。
【0016】
搬送装置は、基板6をY軸正方向に搬送する。基板6には、フォトリソグラフィ法等によって、遮光層(ブラックマトリックスまたは電極)が予め形成されている。遮光層で区画された画素領域の外側には、周辺ダミーパターン及びアライメントマークが形成されている。基板6の表面には、着色パターンを形成するためのレジストが塗布されている。尚、基板6において、Y軸方向に隣接する露光領域61の間は、フォトマスクの繰り返しパターンを転写しない非露光領域62である。
【0017】
フォトマスク3は、光源と基板6との間において、X軸方向に6枚ずつ、2行に配置されている。一方の行に配置されるフォトマスク3の間を、他の列に配置されるフォトマスク3が補完している。また、フォトマスク3の開口パターン形成領域30(右上がりハッチングで示す領域)には、着色パターンを露光するための開口パターン31が形成されている。
【0018】
露光装置1を用いて、基板6上に、カラーフィルタを構成する着色パターンを露光するには、基板6をY軸正方向に搬送しながら、開口パターン31を基板6のレジスト上に連続的に転写する。
【0019】
次に図2Aを用いて、遮光板について説明する。
【0020】
遮光板51及び52は、フォトマスク3上に照射される光4(右上がりハッチングで示す)を遮光するためのものであり、光源とフォトマスク3との間を、Y軸方向に自在に移動することができる。遮光板51及び52は、Y軸方向に連結され、一対の軸受73が設けられている。軸受73の中心軸(X軸と平行)を中心として、遮光板51及び52は折り畳みが可能である。
【0021】
また、遮光板51は、X軸方向に延びる直線を中心に回転自在となるように、一対の軸受71を介して支持されている。同様に、遮光板52は、X軸方向に延びる直線を中心に回転自在となるように、一対の軸受72を介して支持されている。軸受71及び72は、各々が独立して、X軸方向に水平に移動(Z軸方向の高さは一定のまま)することができる。これによって、遮光板51及び52を、Y軸方向に移動させ、軸受71及び72を中心に回転させる。また、Y軸方向における軸受71と軸受72との間隔を変えることによって、遮光板51及び52の折り畳みの程度が変化し、遮光板51及び52の開閉量を調整することができる。この結果、遮光板51及び52全体の射影のY軸方向の幅が変化する。具体的には、遮光板51及び52は、1点鎖線で示すように、フォトマスク3とほぼ平行な同一平面を構成する位置(Y軸方向における遮光板51及び52全体の射影の幅が最大となる)と、2点鎖線で示すように、軸受73の中心軸を下端として、ほぼZ軸正方向に延びる平面を構成する位置(Y軸方向における遮光板51及び52全体の射影の幅が最小となる)との間で、軸受73の中心軸を中心に自在に開閉することができる。尚、本実施形態においては、遮光板51及び52が、完全な水平状態となるように同一平面を構成する位置まで開く例を説明したが、必ずしもこのように構成する必要はなく、遮光板51及び52が開く限界位置は任意である。例えば、遮光板51及び52が図2Aの実線に示した位置にあるときに、完全に開いた状態となっても良い。同様に、本実施形態においては、遮光板51及び52が、完全な垂直状態となるようにXZ平面と平行な平面を構成する位置まで閉じる例を説明したが、必ずしもこのように構成する必要はなく、遮光板51及び52が閉じる限界位置は任意である。例えば、遮光板51及び52が図2Cの実線に示した位置にあるときに、完全に閉じた状態となっても良い。尚、遮光板51及び52は第1の遮光板に相当する。
【0022】
遮光板53及び54の各々は、独立して、光源とフォトマスク3との間を、Y軸方向に移動することができる。尚、遮光板53及び54は、遮光板51及び52に比べてフォトマスク3に近い位置に配置される。これは、遮光板53及び54を単独で用いる場合があることと(詳細は後述する)、遮光板51及び52と、遮光板53及び54とを併用して、遮光板51及び52の端縁で発生する照射光の回折の影響を小さくすることとを意図したものである。尚、Y軸方向における遮光板53または54の幅は、Y軸方向に隣接する一対の露光領域の間隔の最小値に対応する値に設計されている。尚、遮光板53及び54は、第2の遮光板に相当する。また、遮光板51〜54は、露光ヘッド10a〜10lの各々に設けられている。
【0023】
以下、図2A〜2Lを用いて、露光時の遮光板の動作を説明する。
【0024】
図2Aに示すように、基板6上の露光領域61が開口パターン形成領域30の下方に差し掛かるまでは、遮光板51〜54は、開口パターン形成領域30を完全に覆っている。このとき、遮光板53が開口パターン形成領域30の下流側端縁と重なり、遮光板54が開口パターン形成領域30の上流側端縁と重なっている。遮光板51及び52は、側方から見てV字型に開いた状態で、開口パターン形成領域30のうち、遮光板53及び54で覆われていない部分の全体を遮光している。図2Aの例では、遮光板51及び52と、遮光板53及び54とが併用されているが、開口パターン形成領域30のY軸方向のサイズに応じて、遮光板51及び52のみで遮光してもよい。
【0025】
次に、図2Bに示すように、露光領域61が、開口パターン形成領域30の下方に侵入するのに伴って、遮光板51、52及び54が下流側に移動する。これにより、遮光板51〜54全体の射影のY軸方向の幅が次第に減少する。この過程で、上流側の遮光板54が、露光領域61の下流側にある非露光領域と重なった状態で、基板6と等速度でY軸正方向に移動する。また、軸受71及び72が水平方向の間隔を狭めながらY軸正方向に移動することにより、遮光板51及び52は徐々に折り畳まれながらY軸正方向に移動する。遮光板51、52及び54が開くことによって、露光領域61に対する開口パターン31の転写が開始する。
【0026】
そして、図2Cに示すように、Y軸方向の遮光板51及び52全体の幅が、同方向における遮光板53及び54の幅の和より小さくなるまで、遮光板51及び52が折り畳まれる。一例として、遮光板53及び54各々の幅が10mmの場合、遮光板53及び54を部分的に重ね合わせて、遮光板53及び54の遮光幅を18mmとする。また、遮光板51及び52の遮光幅が18mm未満になるように、遮光板51及び52が折り畳まれる。そして、遮光板51〜54全体が非露光領域62に重なった状態で、遮光板51〜54が一体となって、基板6と等速度でY軸正方向に移動する。
【0027】
次に、図2Dに示すように、下流側の露光領域61の端縁が開口パターン形成領域30を通過した後は、遮光板51〜54全体が、開口パターン形成領域30の下流側の端縁の近傍かつ開口パターン形成領域30の下流側で待機する。
【0028】
次に、図2E及び2Fに示すように、遮光板51〜54全体は、開口パターン形成領域30の上方をY軸負方向に横切って、開口パターン形成領域30の上流側の端縁の近傍かつ開口パターン形成領域30の上流側に復帰する。そして、復帰した遮光板51〜54全体は、非露光領域62の遮光に備える。一例として、遮光板51〜54全体の復帰速度は900mm/secであり、光源は50Hzの点滅式光源である。この場合、光源が1回点滅する間の遮光板51〜54の移動量が、Y軸方向の遮光板51〜54全体の遮光幅以上となる。この結果、遮光板51〜54の復帰時に複数回光源が点滅しても、2ショット以上遮光される部分が形成されないため、露光量の減少量を最小限に抑えることができる。
【0029】
次に、図2Gに示すように、非露光領域62が開口パターン形成領域30の下方に侵入するのに伴って、遮光板51〜54が下流側に移動する。このとき、下流側の遮光板53の端縁が、下流側の非露光領域62の端縁と重なった状態で、遮光板53が基板6と等速度でY軸正方向に移動する。また、軸受71及び72が水平方向の間隔を広げながらY軸正方向に移動することにより、遮光板51及び52は徐々に広げられながら、Y軸正方向に移動する。尚、Y軸方向における遮光板51〜54の射影全体の幅が、同方向の非露光領域62の幅と等しくなるまで、遮光板51及び52が広げられる。
【0030】
次に、図2Hに示すように、遮光板51〜54の射影全体が非露光領域62と重なった状態で、遮光板51〜54が、開口パターン形成領域30の上方を基板6と等速でY軸正方向に移動する。このようにして、非露光領域62が開口パターン形成領域30の下方を通過する間は、常に、遮光板51〜54全体によって非露光量領域62全体が遮光される。また、遮光板54の上流側では、次の露光領域61に対して、開口パターン31が転写される。
【0031】
次に、図2Iに示すように、下流側の遮光板53の端縁が、下流側の開口パターン形成領域30の端縁の下側を通過すると、遮光板51及び52が遮光幅を狭める。このとき、上流側の遮光板54の端縁が、上流側の非露光領域62の端縁に重なった状態で停止し、遮光板54が基板6と等速度でY軸正方向に移動する。また、軸受71及び72が水平方向の間隔を狭めながらY軸正方向に移動することにより、遮光板51及び52は徐々に折り畳まれながらY軸正方向に移動する。
【0032】
そして、図2Jに示すように、Y軸方向の遮光板51及び52の遮光幅が、同方向の遮光板53及び54の遮光幅より小さくなるまで、遮光板51及び52が折り畳まれる。そして、遮光板51〜54全体が一体となって、基板6と等速度でY軸正方向に移動する。
【0033】
次に、図2Kに示すように、非露光領域62が開口パターン形成領域30の下方を通過した後は、遮光板51〜54全体が、開口パターン形成領域30の下流側の端縁の近傍かつ開口パターン形成領域30の下流側に待機する。
【0034】
次に、図2Lに示すように、遮光板51〜54全体が、上流側の開口パターン形成領域30の端縁の近傍かつ開口パターン形成領域30の上流側に復帰する。尚、詳細については、図2Eと同じであるため、説明を省略する。
【0035】
その後、Y軸方向に並ぶ非露光領域62の数に応じて、遮光板51〜54は、図2G〜2Lまでの動作を繰り返す。そして、全ての露光領域61への露光と、非露光領域62への遮光を終了した後は、遮光板51〜54は、図2Aに示した全閉状態に戻る。
【0036】
尚、第1の実施形態では、基板6に対して露光ヘッド10a〜10lが2行に分けて配置されているので、露光ヘッド毎に、非露光領域62を遮蔽するタイミングが異なる。したがって、各露光ヘッドに備わる遮光板51〜54は、基板の通過タイミングに応じて動作する。本実施形態では、露光ヘッド10a、10c、10e、10g、10i及び10kに設けられる遮光板が同期して先に遮光動作を開始し、その後、露光ヘッド10b、10d、10f、10h、10j及び10lに設けられる遮光板が同期して遮光動作を開始する。
【0037】
図3は、参考例に係る露光装置の側面図である。
【0038】
ここで、遮光板51及び52の折り畳み方法としては、図3に示すように、側方から見て、逆V字型となるようにすることも可能である。しかし、この折り畳み方法では、遮光板の外面によって反射された光が露光領域のレジストに照射されることにより、遮光板が写りこみ、露光ムラに繋がるという問題がある。したがって、図3のように遮光板51及び52を構成することは好ましくない。
【0039】
次に、Y軸方向における非露光領域の幅が、同方向の遮光板53及び54の幅の和より小さい場合における非露光領域の遮光について説明する。
【0040】
図4は、遮光板を2枚用いた遮光の様子を示す露光装置の側面図であり、図5は、遮光板を1枚用いた遮光の様子を示す露光装置の側面図である。
【0041】
図4に示すように、Y軸方向の非露光領域62の幅が、同方向の遮光板53または54の幅より大きく、かつ、同方向の遮光板53の幅と遮光板54の幅との和より小さい場合には、遮光板51及び52を用いずに、遮光板53及び54のみを用いて、非露光領域62が遮光される。具体的には、Y軸方向の非露光領域62の幅と、同方向の遮光板53及び54全体の幅とが一致するように、遮光板53と遮光板54とがY軸方向に部分的に重ねられる。そして、遮光板53及び54の射影全体が非露光領域62に重なった状態で、遮光板53及び54全体が開口パターン形成領域30の上方をY軸正方向に基板6と等速度で移動する。一例として、Y軸方向の非露光領域62の幅が、遮光板53または遮光板54の幅である10mmより大きく、かつ、端部同士が重ねられた遮光板53及び54全体の幅である18mmより小さい場合に、図4の方法で遮光が行われる。
【0042】
一方、図5に示すように、Y軸方向の非露光領域62の幅が、遮光板53または54の幅(一例として、10mm)と同じである場合には、遮光板53のみで非露光領域62が遮光される。具体的には、遮光板53の射影全体が非露光領域62に重なった状態で、遮光板53が開口パターン形成領域60の上方をY軸正方向に基板6と等速度で移動する。
【0043】
以上のように、露光装置1を用いると、遮光板51〜54全体の射影のY軸方向の幅を所望の値に調整することができる。また、軸受71及び72の水平移動だけで、遮光板51及び52の折り畳みと水平移動とを容易に制御できる。従って、本発明に係る露光装置によれば、小型マスク連続露光方式のメリットを享受しつつ、遮光機構を複雑にすることなく、様々な幅の非露光領域の遮光に対応することができる。
【0044】
(第2の実施形態)
カラーフィルタを基板上に複数配置した場合、基板のサイズによっては、カラーフィルタが形成されずに無駄となる余白部分が生じる。この余白部分を有効活用するために、サイズの異なるカラーフィルタを同一基板上にレイアウトすること(いわゆる共取り)が行われる場合がある。ここで、サイズの異なるカラーフィルタとは、仕上がり寸法、着色層の寸法や配列ピッチの少なくとも1つが異なるカラーフィルタを指す。共取りの場合で、基板搬送方向における露光領域の幅や非露光領域の幅が、カラーフィルタのサイズによって異なる。この場合、各露光ヘッドにおいて、遮光幅及び遮光タイミングを調整する必要がある。以下、共取りを行う場合のカラーフィルタの製造方法を説明する。
【0045】
まず、基板6上の所定位置に、フォトリソグラフィ法により遮光材を分散したレジストにてブラックマトリクスパターンを形成する。尚、遮光材としては、例えば、カーボンブラック、酸化チタン、四塩化鉄の金属酸化物粉、金属硫化物粉、金属粉、及び、赤・緑・青色等の顔料の混合物が用いられる。
【0046】
次に、基板6上に赤色顔料、透明樹脂およびエチレン性不飽和二重結合を有するモノマー、光重合開始剤及び重合禁止剤を含有し、かつ、波長340〜380nmのレーザー照射で硬化可能な着色レジストを精密スリットコーターにて塗布する。尚、モノマーとしては、例えば、エポキシ系、アクリル系、ポリイミド系、ウレタン系、ポリエステル系、及びポリビニル系の樹脂が用いられる。この着色レジストを塗布した基板に対して露光処理を行う。
【0047】
図6は、第2の実施形態に係る露光装置の平面図である。
【0048】
第2の実施形態では、図6に示すように、基板6上において、サイズの異なる露光領域61a及び61bに露光を行う。露光領域61aに対して処理を行う露光ヘッド10a〜10h(1点鎖線で囲む)と、露光領域61bに対して処理を行う露光ヘッド10i〜10l(2点鎖線で囲む)とは、上記の第1の実施形態で説明したものと同じである。ただし、露光ヘッド10a〜10hに装着されているフォトマスク3aと、露光ヘッド10i〜10lに装着されているフォトマスク3bとに、露光領域に形成すべき露光パターンに対応して異なるマスクパターンが形成されている。
【0049】
上記のように基板6に対してフォトマスク3a及び3bを配置した状態で、レジストを塗布した基板6を矢印方向に搬送しながら、フォトマスク3a及び3bの開口パターンを介して順次光源からの光を照射することにより、露光領域61a及び61bにおけるレジストに対して着色層パターンを順次焼き付ける。一方、非露光領域62a及び62bに対しては、図2G〜2Jに示すように、非露光領域62a及び62bの各々の幅に合わせて遮光板51〜54の遮光幅を調整した状態で、遮光板51〜54をY軸正方向に基板と等速で移動させことによって遮光を行う。遮光板51〜54による遮光のタイミングは、各露光ヘッドの位置や露光領域・非露光領域のレイアウトに応じて、露光ヘッド毎に制御されている。各露光ヘッドは、Y軸方向に並ぶ露光領域及び非露光領域の数に応じて、上記露光及び遮光とを繰り返し行う。
【0050】
その後、現像、水洗、ベーク工程を経て、基板6上の露光領域61a及び61bに、異なるサイズの赤色の着色層が形成される。尚、上記のフォトマスク3aと3bの開口パターンサイズの違いから、露光領域61aにおける着色層の寸法及び隣接する着色層の間隔は、露光領域61bにおける着色層の寸法及び隣接する着色層の間隔より大きく形成される。以下、緑色及び青色の着色層についても同様の工程にて順次基板上に設け、露光領域61a及び61bの各々に赤色、緑色、及び青色の着色層を形成する。尚、上記した赤色、緑色及び青色の有機顔料としては、例えば、フタロシアニン系、アジレーキ系、縮合アゾ系、キナクリドンアントラキノン系、ペリレン系及びペリノン系の顔料が用いられる。
【0051】
以上のように、本発明に係る露光装置を用いてカラーフィルタ基板を製造すると、基板上に異なるサイズのカラーフィルタを多面付けする際においても、装置コストの増大を招くような複雑な遮光機構を用いることなく、位置精度よく非露光領域を遮光できることが確認された。
【0052】
尚、上記第1及び第2の実施形態に係る露光装置では、遮光板53及び54は必ずしも用いる必要はない。遮光板51及び52を単独で用いる場合は、遮光板51及び52の射影全体が非露光領域と一致した状態となるように、遮光板51及び52の折り畳みを調整すれば良い。但し、遮光板53及び54は、遮光板51及び52に比べて基板6からZ軸方向に近い距離にあるため、遮光板53及び54を併用すると、遮光板の端縁で発生する照射光の回折の影響を小さくできるという利点がある。
【0053】
また、上記第1及び第2の実施形態に係る露光装置では、遮光板51及び52を軸受73により連結しているが、連結手段は特に限定されない。例えば、可撓性を有する材質で遮光板51と遮光板52とを連結しても良いし、1枚の遮光板(折り曲げが可能となる材質から構成される)をX軸方向に延びる直線に沿って2つに折り曲げても良い。
【0054】
更に、上記第1及び第2の実施形態に係る露光装置では、軸受71及び72の間隔を変えることで遮光板51及び52の開閉量を変化させている。しかし、遮光板51及び52の開閉量を調整できるものであれば、その手段は任意である。
【0055】
更に、上記第1及び第2の実施形態に係る露光装置では、全ての露光ヘッドにおいて、遮光板51〜54を用いて遮光板の遮光幅を調整しているが、必ずしもこのように限定されることはない。例えば、いずれかの露光ヘッドにおいて、遮光板51及び52を用いて非露光領域を遮光し、他の露光ヘッドにおいては、遮光板53及び54の一方または両方を用いて非露光領域を遮光しても良い。
【産業上の利用可能性】
【0056】
本発明は、例えば、表示装置に用いられるカラーフィルタ基板を露光するための露光装置に用いることができる。
【符号の説明】
【0057】
1 露光装置
3a、3b フォトマスク
30 開口パターン形成領域
31 開口パターン
4 光
51〜54 遮光板
6 基板
10a〜10l 露光ヘッド
61 露光領域
62 非露光領域
71〜73 軸受
【技術分野】
【0001】
本発明は、表示装置を構成するカラーフィルタ基板を製造するための露光装置に関する。
【背景技術】
【0002】
近年の液晶表示装置の大型化に伴い、液晶表示装置に用いられるカラーフィルタも大型化している。カラーフィルタの製造工程では、フォトリソグラフィ法によって着色層をパターニングするが、大型の露光マスクは非常に高価であるため、カラーフィルタの製造コストが高くなるという問題がある。そこで、カラーフィルタ基板の表示画素領域の大きさより小さなフォトマスクを露光ヘッドに装着した露光機を複数用い、基板を搬送しながら、基板上のレジストを露光する方式(以下「小型マスク連続露光方式」という)が提案されている。
【0003】
カラーフィルタの製造においては、製造コストを抑えるために、カラーフィルタよりサイズの大きな基板上に複数のカラーフィルタが露光される場合がある。この時、搬送方向に隣接する露光領域の間(以下、「非露光領域」という)は、例えばブラインドシャッターによって遮光される。ブラインドシャッターは、光源と基板との間に配置されており、搬送されている基板上の露光領域の間にある非露光領域と重なった状態で、光の照射領域を基板と同じ速度で搬送方向に通過する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2006−292955号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
基板上に複数のカラーフィルタが形成される場合、基板搬送方向に隣接するカラーフィルタの間(露光時における非露光領域に相当)の寸法は、カラーフィルタのサイズや仕様、レイアウトにより異なる。これに対応するために、基板搬送方向におけるブラインドシャッターの幅を可変にする必要がある。
【0006】
図7及び図8は、従来の露光装置の一例を示す側面図である。
【0007】
露光装置101は、遮光機構として、4枚の遮光板105を備えている。遮光板105は、各々が独立して、Y軸方向に自在に移動できる。これによって、遮光板105の射影のY軸方向の幅を変えることができる。例えば、図7に示すように、複数の遮光板105(1点鎖線で示す)で開口パターン形成領域130全体を覆うことができる。また、2点鎖線で示すように、複数の遮光板を重ね合わせた状態で、遮光板を開口パターン形成領域130の外側に配置することができる。一方、図8に示すように、複数の遮光板105を部分的に重ね合わせることで、非露光領域162の幅に合わせた遮光幅を得ることができる。遮光板105は、非露光領域162に重ねられた状態で、基板6と共にY軸正方向に移動する。これにより、非露光領域162が開口パターン形成領域130の下方を通過する間、非露光領域162が遮光板105によって遮光される。
【0008】
非露光領域162の遮光を終えた遮光板105は、開口パターン形成領域130の下流側(図の左側)に到達した後、次の非露光領域の遮光に備えて、開口パターン形成領域130の上流側に復帰する必要がある。露光領域161に光が照射されている際に、遮光板105が開口パターン形成領域130の上方を通過すると、露光領域161に対する照射光が一時的に遮光される。これは、露光領域161に対する光の照射ムラに繋がる。これを解決するために、開口パターン形成領域130のY軸方向の幅を広げ、露光領域161へのトータルの照射量を多くして、復帰時の遮光板105に遮光された照射量の相対比率を小さくする方法が考えられる。しかし、開口パターン形成領域130のY軸方向の幅を大きくすると、図7に示すものに比べ、遮光板105の枚数を増やす必要がある(単に1枚の遮光板の幅を広げた場合は、最小の遮光幅が大きくなり、露光領域のレイアウト変更に対応できないので好ましくない)。遮光板の枚数を増やした場合、遮光板の各々を移動自在にすると、遮光機構の構造や制御が複雑となり、露光装置の製造コストが増加するという問題がある。
【0009】
それ故に、本発明は、小型マスク連続露光において、遮光機構の構造を複雑にすることなく、搬送方向の幅が異なる様々な領域の遮光に対応できる露光装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明は、基板を第1の方向に一定の速度で搬送しながら、第1の方向に所定間隔を空けて複数並べられた基板上の露光領域に対して露光処理を行う露光装置に関する。露光装置は、光源と、基板を搬送する搬送装置と、フォトマスクと第1の方向と直交する第2の方向に延びる第1の直線で折り畳み可能であり、光源とフォトマスクとの間を第1の方向に平行な方向に移動自在な一対の第1の遮光板とを備える。一対の第1の遮光板は、第1の方向に連結される。第1の遮光板の各々は、フォトマスクとほぼ平行な同一平面を構成する位置と、第1の直線を下端としてフォトマスクとほぼ直行する平面を構成する位置との間で、第1の直線を中心として開閉自在である。露光領域に挟まれた非露光領域の幅に応じて、第1の遮光板の開閉量が調整され、遮光板の射影全体が非露光領域に重なった状態で、第1の遮光板が基板と共に第1の方向に移動する。
【発明の効果】
【0011】
本発明によると、小型マスク連続露光において、遮光機構の構造を複雑にすることなく、搬送方向の幅が異なる様々な領域を遮光することができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】本発明の実施形態に係る露光装置の平面図
【図2A】遮光板の動作を示す露光装置の側面図
【図2B】図2Aに続く動作を示す露光装置の側面図
【図2C】図2Bに続く動作を示す露光装置の側面図
【図2D】図2Cに続く動作を示す露光装置の側面図
【図2E】図2Dに続く動作を示す露光装置の側面図
【図2F】図2Eに続く動作を示す露光装置の側面図
【図2G】図2Fに続く動作を示す露光装置の側面図
【図2H】図2Gに続く動作を示す露光装置の側面図
【図2I】図2Hに続く動作を示す露光装置の側面図
【図2J】図2Iに続く動作を示す露光装置の側面図
【図2K】図2Jに続く動作を示す露光装置の側面図
【図2L】図2Kに続く動作を示す露光装置の側面図
【図3】参考例に係る露光装置の側面図
【図4】2枚の遮光板による遮光の様子を示す露光装置の側面図
【図5】1枚の遮光板による遮光の様子を示す露光装置の側面図
【図6】第2の実施形態に係る露光装置の平面図
【図7】従来の露光装置の一例を示す側面図
【図8】従来の露光装置の一例を示す側面図
【発明を実施するための形態】
【0013】
(第1の実施形態)
図1は、本発明の実施形態に係る露光装置の平面図である。また、基板の搬送方向はY軸正方向である。
【0014】
露光装置1は、基板6をY軸正方向に一定の速度で搬送しながら、X軸方向及びY軸方向に所定間隔を空けて複数並べられた基板6上の露光領域61に対して露光処理を行うものである。露光装置1は、紙面上方に位置する光源(図示せず)と、基板6を搬送する搬送装置(図示せず)と、フォトマスク3と、光源からの光を遮光する遮光板(図示せず)とを備える。光源と、フォトマスク3と、遮光板とは、露光ヘッド10a〜10lの各々に装着されている。露光ヘッド10a〜10lでは、露光ヘッド毎に、遮光板の開閉量、開閉タイミング、移動タイミングを制御することが可能である。第1の実施形態では、露光ヘッド10a、10c、10e、10g、10i及び10kと、露光ヘッド10b、10d、10f、10h、10j及び10lとで、遮光板の開閉タイミング及び移動タイミングを変えている(詳細は後述する)。
【0015】
光源は、フォトマスク3上の所定の照射領域に光を照射する。尚、点滅式光源を用いて、ドット状の着色パターンを形成しても良いし、常灯式光源を用いて、ストライプ状の着色パターンを形成しても良い。
【0016】
搬送装置は、基板6をY軸正方向に搬送する。基板6には、フォトリソグラフィ法等によって、遮光層(ブラックマトリックスまたは電極)が予め形成されている。遮光層で区画された画素領域の外側には、周辺ダミーパターン及びアライメントマークが形成されている。基板6の表面には、着色パターンを形成するためのレジストが塗布されている。尚、基板6において、Y軸方向に隣接する露光領域61の間は、フォトマスクの繰り返しパターンを転写しない非露光領域62である。
【0017】
フォトマスク3は、光源と基板6との間において、X軸方向に6枚ずつ、2行に配置されている。一方の行に配置されるフォトマスク3の間を、他の列に配置されるフォトマスク3が補完している。また、フォトマスク3の開口パターン形成領域30(右上がりハッチングで示す領域)には、着色パターンを露光するための開口パターン31が形成されている。
【0018】
露光装置1を用いて、基板6上に、カラーフィルタを構成する着色パターンを露光するには、基板6をY軸正方向に搬送しながら、開口パターン31を基板6のレジスト上に連続的に転写する。
【0019】
次に図2Aを用いて、遮光板について説明する。
【0020】
遮光板51及び52は、フォトマスク3上に照射される光4(右上がりハッチングで示す)を遮光するためのものであり、光源とフォトマスク3との間を、Y軸方向に自在に移動することができる。遮光板51及び52は、Y軸方向に連結され、一対の軸受73が設けられている。軸受73の中心軸(X軸と平行)を中心として、遮光板51及び52は折り畳みが可能である。
【0021】
また、遮光板51は、X軸方向に延びる直線を中心に回転自在となるように、一対の軸受71を介して支持されている。同様に、遮光板52は、X軸方向に延びる直線を中心に回転自在となるように、一対の軸受72を介して支持されている。軸受71及び72は、各々が独立して、X軸方向に水平に移動(Z軸方向の高さは一定のまま)することができる。これによって、遮光板51及び52を、Y軸方向に移動させ、軸受71及び72を中心に回転させる。また、Y軸方向における軸受71と軸受72との間隔を変えることによって、遮光板51及び52の折り畳みの程度が変化し、遮光板51及び52の開閉量を調整することができる。この結果、遮光板51及び52全体の射影のY軸方向の幅が変化する。具体的には、遮光板51及び52は、1点鎖線で示すように、フォトマスク3とほぼ平行な同一平面を構成する位置(Y軸方向における遮光板51及び52全体の射影の幅が最大となる)と、2点鎖線で示すように、軸受73の中心軸を下端として、ほぼZ軸正方向に延びる平面を構成する位置(Y軸方向における遮光板51及び52全体の射影の幅が最小となる)との間で、軸受73の中心軸を中心に自在に開閉することができる。尚、本実施形態においては、遮光板51及び52が、完全な水平状態となるように同一平面を構成する位置まで開く例を説明したが、必ずしもこのように構成する必要はなく、遮光板51及び52が開く限界位置は任意である。例えば、遮光板51及び52が図2Aの実線に示した位置にあるときに、完全に開いた状態となっても良い。同様に、本実施形態においては、遮光板51及び52が、完全な垂直状態となるようにXZ平面と平行な平面を構成する位置まで閉じる例を説明したが、必ずしもこのように構成する必要はなく、遮光板51及び52が閉じる限界位置は任意である。例えば、遮光板51及び52が図2Cの実線に示した位置にあるときに、完全に閉じた状態となっても良い。尚、遮光板51及び52は第1の遮光板に相当する。
【0022】
遮光板53及び54の各々は、独立して、光源とフォトマスク3との間を、Y軸方向に移動することができる。尚、遮光板53及び54は、遮光板51及び52に比べてフォトマスク3に近い位置に配置される。これは、遮光板53及び54を単独で用いる場合があることと(詳細は後述する)、遮光板51及び52と、遮光板53及び54とを併用して、遮光板51及び52の端縁で発生する照射光の回折の影響を小さくすることとを意図したものである。尚、Y軸方向における遮光板53または54の幅は、Y軸方向に隣接する一対の露光領域の間隔の最小値に対応する値に設計されている。尚、遮光板53及び54は、第2の遮光板に相当する。また、遮光板51〜54は、露光ヘッド10a〜10lの各々に設けられている。
【0023】
以下、図2A〜2Lを用いて、露光時の遮光板の動作を説明する。
【0024】
図2Aに示すように、基板6上の露光領域61が開口パターン形成領域30の下方に差し掛かるまでは、遮光板51〜54は、開口パターン形成領域30を完全に覆っている。このとき、遮光板53が開口パターン形成領域30の下流側端縁と重なり、遮光板54が開口パターン形成領域30の上流側端縁と重なっている。遮光板51及び52は、側方から見てV字型に開いた状態で、開口パターン形成領域30のうち、遮光板53及び54で覆われていない部分の全体を遮光している。図2Aの例では、遮光板51及び52と、遮光板53及び54とが併用されているが、開口パターン形成領域30のY軸方向のサイズに応じて、遮光板51及び52のみで遮光してもよい。
【0025】
次に、図2Bに示すように、露光領域61が、開口パターン形成領域30の下方に侵入するのに伴って、遮光板51、52及び54が下流側に移動する。これにより、遮光板51〜54全体の射影のY軸方向の幅が次第に減少する。この過程で、上流側の遮光板54が、露光領域61の下流側にある非露光領域と重なった状態で、基板6と等速度でY軸正方向に移動する。また、軸受71及び72が水平方向の間隔を狭めながらY軸正方向に移動することにより、遮光板51及び52は徐々に折り畳まれながらY軸正方向に移動する。遮光板51、52及び54が開くことによって、露光領域61に対する開口パターン31の転写が開始する。
【0026】
そして、図2Cに示すように、Y軸方向の遮光板51及び52全体の幅が、同方向における遮光板53及び54の幅の和より小さくなるまで、遮光板51及び52が折り畳まれる。一例として、遮光板53及び54各々の幅が10mmの場合、遮光板53及び54を部分的に重ね合わせて、遮光板53及び54の遮光幅を18mmとする。また、遮光板51及び52の遮光幅が18mm未満になるように、遮光板51及び52が折り畳まれる。そして、遮光板51〜54全体が非露光領域62に重なった状態で、遮光板51〜54が一体となって、基板6と等速度でY軸正方向に移動する。
【0027】
次に、図2Dに示すように、下流側の露光領域61の端縁が開口パターン形成領域30を通過した後は、遮光板51〜54全体が、開口パターン形成領域30の下流側の端縁の近傍かつ開口パターン形成領域30の下流側で待機する。
【0028】
次に、図2E及び2Fに示すように、遮光板51〜54全体は、開口パターン形成領域30の上方をY軸負方向に横切って、開口パターン形成領域30の上流側の端縁の近傍かつ開口パターン形成領域30の上流側に復帰する。そして、復帰した遮光板51〜54全体は、非露光領域62の遮光に備える。一例として、遮光板51〜54全体の復帰速度は900mm/secであり、光源は50Hzの点滅式光源である。この場合、光源が1回点滅する間の遮光板51〜54の移動量が、Y軸方向の遮光板51〜54全体の遮光幅以上となる。この結果、遮光板51〜54の復帰時に複数回光源が点滅しても、2ショット以上遮光される部分が形成されないため、露光量の減少量を最小限に抑えることができる。
【0029】
次に、図2Gに示すように、非露光領域62が開口パターン形成領域30の下方に侵入するのに伴って、遮光板51〜54が下流側に移動する。このとき、下流側の遮光板53の端縁が、下流側の非露光領域62の端縁と重なった状態で、遮光板53が基板6と等速度でY軸正方向に移動する。また、軸受71及び72が水平方向の間隔を広げながらY軸正方向に移動することにより、遮光板51及び52は徐々に広げられながら、Y軸正方向に移動する。尚、Y軸方向における遮光板51〜54の射影全体の幅が、同方向の非露光領域62の幅と等しくなるまで、遮光板51及び52が広げられる。
【0030】
次に、図2Hに示すように、遮光板51〜54の射影全体が非露光領域62と重なった状態で、遮光板51〜54が、開口パターン形成領域30の上方を基板6と等速でY軸正方向に移動する。このようにして、非露光領域62が開口パターン形成領域30の下方を通過する間は、常に、遮光板51〜54全体によって非露光量領域62全体が遮光される。また、遮光板54の上流側では、次の露光領域61に対して、開口パターン31が転写される。
【0031】
次に、図2Iに示すように、下流側の遮光板53の端縁が、下流側の開口パターン形成領域30の端縁の下側を通過すると、遮光板51及び52が遮光幅を狭める。このとき、上流側の遮光板54の端縁が、上流側の非露光領域62の端縁に重なった状態で停止し、遮光板54が基板6と等速度でY軸正方向に移動する。また、軸受71及び72が水平方向の間隔を狭めながらY軸正方向に移動することにより、遮光板51及び52は徐々に折り畳まれながらY軸正方向に移動する。
【0032】
そして、図2Jに示すように、Y軸方向の遮光板51及び52の遮光幅が、同方向の遮光板53及び54の遮光幅より小さくなるまで、遮光板51及び52が折り畳まれる。そして、遮光板51〜54全体が一体となって、基板6と等速度でY軸正方向に移動する。
【0033】
次に、図2Kに示すように、非露光領域62が開口パターン形成領域30の下方を通過した後は、遮光板51〜54全体が、開口パターン形成領域30の下流側の端縁の近傍かつ開口パターン形成領域30の下流側に待機する。
【0034】
次に、図2Lに示すように、遮光板51〜54全体が、上流側の開口パターン形成領域30の端縁の近傍かつ開口パターン形成領域30の上流側に復帰する。尚、詳細については、図2Eと同じであるため、説明を省略する。
【0035】
その後、Y軸方向に並ぶ非露光領域62の数に応じて、遮光板51〜54は、図2G〜2Lまでの動作を繰り返す。そして、全ての露光領域61への露光と、非露光領域62への遮光を終了した後は、遮光板51〜54は、図2Aに示した全閉状態に戻る。
【0036】
尚、第1の実施形態では、基板6に対して露光ヘッド10a〜10lが2行に分けて配置されているので、露光ヘッド毎に、非露光領域62を遮蔽するタイミングが異なる。したがって、各露光ヘッドに備わる遮光板51〜54は、基板の通過タイミングに応じて動作する。本実施形態では、露光ヘッド10a、10c、10e、10g、10i及び10kに設けられる遮光板が同期して先に遮光動作を開始し、その後、露光ヘッド10b、10d、10f、10h、10j及び10lに設けられる遮光板が同期して遮光動作を開始する。
【0037】
図3は、参考例に係る露光装置の側面図である。
【0038】
ここで、遮光板51及び52の折り畳み方法としては、図3に示すように、側方から見て、逆V字型となるようにすることも可能である。しかし、この折り畳み方法では、遮光板の外面によって反射された光が露光領域のレジストに照射されることにより、遮光板が写りこみ、露光ムラに繋がるという問題がある。したがって、図3のように遮光板51及び52を構成することは好ましくない。
【0039】
次に、Y軸方向における非露光領域の幅が、同方向の遮光板53及び54の幅の和より小さい場合における非露光領域の遮光について説明する。
【0040】
図4は、遮光板を2枚用いた遮光の様子を示す露光装置の側面図であり、図5は、遮光板を1枚用いた遮光の様子を示す露光装置の側面図である。
【0041】
図4に示すように、Y軸方向の非露光領域62の幅が、同方向の遮光板53または54の幅より大きく、かつ、同方向の遮光板53の幅と遮光板54の幅との和より小さい場合には、遮光板51及び52を用いずに、遮光板53及び54のみを用いて、非露光領域62が遮光される。具体的には、Y軸方向の非露光領域62の幅と、同方向の遮光板53及び54全体の幅とが一致するように、遮光板53と遮光板54とがY軸方向に部分的に重ねられる。そして、遮光板53及び54の射影全体が非露光領域62に重なった状態で、遮光板53及び54全体が開口パターン形成領域30の上方をY軸正方向に基板6と等速度で移動する。一例として、Y軸方向の非露光領域62の幅が、遮光板53または遮光板54の幅である10mmより大きく、かつ、端部同士が重ねられた遮光板53及び54全体の幅である18mmより小さい場合に、図4の方法で遮光が行われる。
【0042】
一方、図5に示すように、Y軸方向の非露光領域62の幅が、遮光板53または54の幅(一例として、10mm)と同じである場合には、遮光板53のみで非露光領域62が遮光される。具体的には、遮光板53の射影全体が非露光領域62に重なった状態で、遮光板53が開口パターン形成領域60の上方をY軸正方向に基板6と等速度で移動する。
【0043】
以上のように、露光装置1を用いると、遮光板51〜54全体の射影のY軸方向の幅を所望の値に調整することができる。また、軸受71及び72の水平移動だけで、遮光板51及び52の折り畳みと水平移動とを容易に制御できる。従って、本発明に係る露光装置によれば、小型マスク連続露光方式のメリットを享受しつつ、遮光機構を複雑にすることなく、様々な幅の非露光領域の遮光に対応することができる。
【0044】
(第2の実施形態)
カラーフィルタを基板上に複数配置した場合、基板のサイズによっては、カラーフィルタが形成されずに無駄となる余白部分が生じる。この余白部分を有効活用するために、サイズの異なるカラーフィルタを同一基板上にレイアウトすること(いわゆる共取り)が行われる場合がある。ここで、サイズの異なるカラーフィルタとは、仕上がり寸法、着色層の寸法や配列ピッチの少なくとも1つが異なるカラーフィルタを指す。共取りの場合で、基板搬送方向における露光領域の幅や非露光領域の幅が、カラーフィルタのサイズによって異なる。この場合、各露光ヘッドにおいて、遮光幅及び遮光タイミングを調整する必要がある。以下、共取りを行う場合のカラーフィルタの製造方法を説明する。
【0045】
まず、基板6上の所定位置に、フォトリソグラフィ法により遮光材を分散したレジストにてブラックマトリクスパターンを形成する。尚、遮光材としては、例えば、カーボンブラック、酸化チタン、四塩化鉄の金属酸化物粉、金属硫化物粉、金属粉、及び、赤・緑・青色等の顔料の混合物が用いられる。
【0046】
次に、基板6上に赤色顔料、透明樹脂およびエチレン性不飽和二重結合を有するモノマー、光重合開始剤及び重合禁止剤を含有し、かつ、波長340〜380nmのレーザー照射で硬化可能な着色レジストを精密スリットコーターにて塗布する。尚、モノマーとしては、例えば、エポキシ系、アクリル系、ポリイミド系、ウレタン系、ポリエステル系、及びポリビニル系の樹脂が用いられる。この着色レジストを塗布した基板に対して露光処理を行う。
【0047】
図6は、第2の実施形態に係る露光装置の平面図である。
【0048】
第2の実施形態では、図6に示すように、基板6上において、サイズの異なる露光領域61a及び61bに露光を行う。露光領域61aに対して処理を行う露光ヘッド10a〜10h(1点鎖線で囲む)と、露光領域61bに対して処理を行う露光ヘッド10i〜10l(2点鎖線で囲む)とは、上記の第1の実施形態で説明したものと同じである。ただし、露光ヘッド10a〜10hに装着されているフォトマスク3aと、露光ヘッド10i〜10lに装着されているフォトマスク3bとに、露光領域に形成すべき露光パターンに対応して異なるマスクパターンが形成されている。
【0049】
上記のように基板6に対してフォトマスク3a及び3bを配置した状態で、レジストを塗布した基板6を矢印方向に搬送しながら、フォトマスク3a及び3bの開口パターンを介して順次光源からの光を照射することにより、露光領域61a及び61bにおけるレジストに対して着色層パターンを順次焼き付ける。一方、非露光領域62a及び62bに対しては、図2G〜2Jに示すように、非露光領域62a及び62bの各々の幅に合わせて遮光板51〜54の遮光幅を調整した状態で、遮光板51〜54をY軸正方向に基板と等速で移動させことによって遮光を行う。遮光板51〜54による遮光のタイミングは、各露光ヘッドの位置や露光領域・非露光領域のレイアウトに応じて、露光ヘッド毎に制御されている。各露光ヘッドは、Y軸方向に並ぶ露光領域及び非露光領域の数に応じて、上記露光及び遮光とを繰り返し行う。
【0050】
その後、現像、水洗、ベーク工程を経て、基板6上の露光領域61a及び61bに、異なるサイズの赤色の着色層が形成される。尚、上記のフォトマスク3aと3bの開口パターンサイズの違いから、露光領域61aにおける着色層の寸法及び隣接する着色層の間隔は、露光領域61bにおける着色層の寸法及び隣接する着色層の間隔より大きく形成される。以下、緑色及び青色の着色層についても同様の工程にて順次基板上に設け、露光領域61a及び61bの各々に赤色、緑色、及び青色の着色層を形成する。尚、上記した赤色、緑色及び青色の有機顔料としては、例えば、フタロシアニン系、アジレーキ系、縮合アゾ系、キナクリドンアントラキノン系、ペリレン系及びペリノン系の顔料が用いられる。
【0051】
以上のように、本発明に係る露光装置を用いてカラーフィルタ基板を製造すると、基板上に異なるサイズのカラーフィルタを多面付けする際においても、装置コストの増大を招くような複雑な遮光機構を用いることなく、位置精度よく非露光領域を遮光できることが確認された。
【0052】
尚、上記第1及び第2の実施形態に係る露光装置では、遮光板53及び54は必ずしも用いる必要はない。遮光板51及び52を単独で用いる場合は、遮光板51及び52の射影全体が非露光領域と一致した状態となるように、遮光板51及び52の折り畳みを調整すれば良い。但し、遮光板53及び54は、遮光板51及び52に比べて基板6からZ軸方向に近い距離にあるため、遮光板53及び54を併用すると、遮光板の端縁で発生する照射光の回折の影響を小さくできるという利点がある。
【0053】
また、上記第1及び第2の実施形態に係る露光装置では、遮光板51及び52を軸受73により連結しているが、連結手段は特に限定されない。例えば、可撓性を有する材質で遮光板51と遮光板52とを連結しても良いし、1枚の遮光板(折り曲げが可能となる材質から構成される)をX軸方向に延びる直線に沿って2つに折り曲げても良い。
【0054】
更に、上記第1及び第2の実施形態に係る露光装置では、軸受71及び72の間隔を変えることで遮光板51及び52の開閉量を変化させている。しかし、遮光板51及び52の開閉量を調整できるものであれば、その手段は任意である。
【0055】
更に、上記第1及び第2の実施形態に係る露光装置では、全ての露光ヘッドにおいて、遮光板51〜54を用いて遮光板の遮光幅を調整しているが、必ずしもこのように限定されることはない。例えば、いずれかの露光ヘッドにおいて、遮光板51及び52を用いて非露光領域を遮光し、他の露光ヘッドにおいては、遮光板53及び54の一方または両方を用いて非露光領域を遮光しても良い。
【産業上の利用可能性】
【0056】
本発明は、例えば、表示装置に用いられるカラーフィルタ基板を露光するための露光装置に用いることができる。
【符号の説明】
【0057】
1 露光装置
3a、3b フォトマスク
30 開口パターン形成領域
31 開口パターン
4 光
51〜54 遮光板
6 基板
10a〜10l 露光ヘッド
61 露光領域
62 非露光領域
71〜73 軸受
【特許請求の範囲】
【請求項1】
基板を第1の方向に一定の速度で搬送しながら、前記第1の方向に所定間隔を空けて複数並べられた前記基板上の露光領域に対して露光処理を行う露光装置であって、
光源と、
前記基板を搬送する搬送装置と、
フォトマスクと
前記第1の方向と直交する第2の方向に延びる第1の直線で折り畳み可能であり、前記光源と前記フォトマスクとの間を前記第1の方向に平行な方向に移動自在な一対の第1の遮光板とを備え、
前記一対の第1の遮光板は、前記第1の方向に連結され、
前記第1の遮光板の各々は、前記フォトマスクとほぼ平行な同一平面を構成する位置と、前記第1の直線を下端として前記フォトマスクとほぼ直行する平面を構成する位置との間で、前記第1の直線を中心として開閉自在であり、
前記露光領域に挟まれた非露光領域の幅に応じて、前記第1の遮光板の開閉量が調整され、前記遮光板の射影全体が前記非露光領域に重なった状態で、前記第1の遮光板が前記基板と共に前記第1の方向に移動する、露光装置。
【請求項2】
前記一対の第1の遮光板の各々は、前記第1の直線に平行な第2の直線を中心に回転自在となるように一対の支持点で支持されており、
前記支持点の水平移動によって、前記第1の遮光板を移動および回転させ、
前記第1の方向における前記一対の支持点の間隔を変えることによって、前記第1の遮光板の開閉量が調整される、請求項1に記載の露光装置。
【請求項3】
前記光源と前記フォトマスクとの間を、前記第1の方向に平行な方向に移動自在な一対の第2の遮光板を備え、
前記第2の遮光板の各々と、前記第1の遮光板の各々の端縁とが重なり、かつ、前記第1の遮光板及び前記第2の遮光板の射影全体が前記非露光領域と重なった状態で、前記第1の遮光板及び前記第2の遮光板が前記基板と共に前記第1の方向に移動する、請求項1または2に記載の露光装置。
【請求項4】
前記第1の方向における非露光領域の幅が、同方向における前記一対の第2の遮光板の幅の和より小さい場合、前記第1の遮光板を使用せずに、前記一対の第2の遮光板の一方または両方が前記非露光領域に重なった状態で、前記基板と共に前記第1の方向に移動する、請求項3に記載の露光装置。
【請求項5】
少なくとも、前記光源と、前記フォトマスクと、前記第1の遮光板とが装着された露光ヘッドが、前記第2の方向に複数並べて配列されており、
前記第1の遮光板の開閉及び前記第1の方向への移動が、前記露光ヘッド毎に独立して制御される、請求項1〜4に記載の露光装置。
【請求項6】
請求項5に記載の露光装置を用いて、前記基板の搬送方向に複数並べられた露光領域にカラーフィルタを形成する、カラーフィルタの製造方法であって、
前記露光ヘッド毎に、前記搬送方向に前記基板を搬送しながらフォトマスクの開口パターンを順次焼き付けることで、前記露光領域にカラーフィルタを構成する着色パターンを露光する露光工程と、
少なくとも一つの前記露光ヘッドにおいて、前記第1の方向に隣接する前記露光領域に挟まれた非露光領域の幅に合わせて、前記第1の遮光板の開閉量を調整し、前記開閉量を調整した第1の遮光板を、前記基板と等速で動かすことで、前記非露光領域を遮光する遮光工程とを備え、
前記第1の方向に並ぶ前記露光領域及び非露光領域の数に応じて、前記露光工程と、前記遮光工程とを繰り返し行う、カラーフィルタの製造方法。
【請求項1】
基板を第1の方向に一定の速度で搬送しながら、前記第1の方向に所定間隔を空けて複数並べられた前記基板上の露光領域に対して露光処理を行う露光装置であって、
光源と、
前記基板を搬送する搬送装置と、
フォトマスクと
前記第1の方向と直交する第2の方向に延びる第1の直線で折り畳み可能であり、前記光源と前記フォトマスクとの間を前記第1の方向に平行な方向に移動自在な一対の第1の遮光板とを備え、
前記一対の第1の遮光板は、前記第1の方向に連結され、
前記第1の遮光板の各々は、前記フォトマスクとほぼ平行な同一平面を構成する位置と、前記第1の直線を下端として前記フォトマスクとほぼ直行する平面を構成する位置との間で、前記第1の直線を中心として開閉自在であり、
前記露光領域に挟まれた非露光領域の幅に応じて、前記第1の遮光板の開閉量が調整され、前記遮光板の射影全体が前記非露光領域に重なった状態で、前記第1の遮光板が前記基板と共に前記第1の方向に移動する、露光装置。
【請求項2】
前記一対の第1の遮光板の各々は、前記第1の直線に平行な第2の直線を中心に回転自在となるように一対の支持点で支持されており、
前記支持点の水平移動によって、前記第1の遮光板を移動および回転させ、
前記第1の方向における前記一対の支持点の間隔を変えることによって、前記第1の遮光板の開閉量が調整される、請求項1に記載の露光装置。
【請求項3】
前記光源と前記フォトマスクとの間を、前記第1の方向に平行な方向に移動自在な一対の第2の遮光板を備え、
前記第2の遮光板の各々と、前記第1の遮光板の各々の端縁とが重なり、かつ、前記第1の遮光板及び前記第2の遮光板の射影全体が前記非露光領域と重なった状態で、前記第1の遮光板及び前記第2の遮光板が前記基板と共に前記第1の方向に移動する、請求項1または2に記載の露光装置。
【請求項4】
前記第1の方向における非露光領域の幅が、同方向における前記一対の第2の遮光板の幅の和より小さい場合、前記第1の遮光板を使用せずに、前記一対の第2の遮光板の一方または両方が前記非露光領域に重なった状態で、前記基板と共に前記第1の方向に移動する、請求項3に記載の露光装置。
【請求項5】
少なくとも、前記光源と、前記フォトマスクと、前記第1の遮光板とが装着された露光ヘッドが、前記第2の方向に複数並べて配列されており、
前記第1の遮光板の開閉及び前記第1の方向への移動が、前記露光ヘッド毎に独立して制御される、請求項1〜4に記載の露光装置。
【請求項6】
請求項5に記載の露光装置を用いて、前記基板の搬送方向に複数並べられた露光領域にカラーフィルタを形成する、カラーフィルタの製造方法であって、
前記露光ヘッド毎に、前記搬送方向に前記基板を搬送しながらフォトマスクの開口パターンを順次焼き付けることで、前記露光領域にカラーフィルタを構成する着色パターンを露光する露光工程と、
少なくとも一つの前記露光ヘッドにおいて、前記第1の方向に隣接する前記露光領域に挟まれた非露光領域の幅に合わせて、前記第1の遮光板の開閉量を調整し、前記開閉量を調整した第1の遮光板を、前記基板と等速で動かすことで、前記非露光領域を遮光する遮光工程とを備え、
前記第1の方向に並ぶ前記露光領域及び非露光領域の数に応じて、前記露光工程と、前記遮光工程とを繰り返し行う、カラーフィルタの製造方法。
【図1】
【図2A】
【図2B】
【図2C】
【図2D】
【図2E】
【図2F】
【図2G】
【図2H】
【図2I】
【図2J】
【図2K】
【図2L】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図2A】
【図2B】
【図2C】
【図2D】
【図2E】
【図2F】
【図2G】
【図2H】
【図2I】
【図2J】
【図2K】
【図2L】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【公開番号】特開2012−68530(P2012−68530A)
【公開日】平成24年4月5日(2012.4.5)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−214362(P2010−214362)
【出願日】平成22年9月24日(2010.9.24)
【出願人】(000003193)凸版印刷株式会社 (10,630)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成24年4月5日(2012.4.5)
【国際特許分類】
【出願日】平成22年9月24日(2010.9.24)
【出願人】(000003193)凸版印刷株式会社 (10,630)
【Fターム(参考)】
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