説明

青色ポリマー染毛剤

a)ポリマー主鎖と、b)有機染料の残基と、c)場合により無色有機基とを含む、h=210°〜330°の色相値を有するカチオン性ポリマー染料であって、(b)及び(c)がポリマー主鎖(a)に共有結合し、且つ、カチオン電荷が独立して前記染料又は前記無色有機基の一部であってよいカチオン性ポリマー染料が開示される。前記染料は、その色合いの深みと、洗うことに対するその良好な堅牢性(例えば、光、洗髪、擦ることに対する堅牢性)とを特徴とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、これらの化合物を含む新規なポリマー染料及び組成物と、それらの製造方法と、ケラチン含有繊維、ウール、革、絹、セルロース、ポリアミド等の有機材料の染色のためのそれらの使用とに関する。
【0002】
カチオン性化合物が負に帯電した毛に良好な親和性を有することは周知である。これらの特性は、毛に小分子を、更にポリマーを接触させるために用いられてきた。
【0003】
従って、本発明は、
a)ポリマー主鎖と、
b)有機染料の残基と、
c)場合により無色有機基と
を含む、h=210°〜330°の色相値を有するカチオン性ポリマー染料であって、(b)及び(c)がポリマー主鎖(a)に共有結合し、且つ、カチオン電荷が独立して前記染料又は前記無色有機基の一部であってよいカチオン性ポリマー染料に関する。
【0004】
「色相」とは、まさに純粋スペクトルの色を指すために用いるための正確な語である。色相は、色の最も明白な特性である。実際は、可能な色相は無限にある。例えば赤色と黄色の間には、全ての範囲の色相が存在する。その範囲の中央には、全て橙色の色相がある。同様に、他のいずれの色相の間にも色相の範囲がある。
【0005】
「値」は、色の相対的な明度又は暗度であると定義される。値の対比により空間内の物体が分割されるが、一方で値の段階的な変化は、連続した表面の塊及び輪郭を示唆する。
【0006】
いかなる所定の色も、その値及び色相に関して記載することが可能である。更に、各種の物理的現象及び心理的効果が組み合わさって色に対する我々の知覚に影響を及ぼす。
【0007】
色合いは、CIE「Commision Internationale de l’Εclairage」に従って、CIE L***によって、或いは、CIE L***系によって定義されるが、ここでL*、C*及びh*はそれぞれ明度、彩度及び色相値であり;a*及びb*はそれぞれ赤−緑及び黄−青の軸である。色相角は、実際の色合いを定義する:0℃の色相角=赤、90℃=黄、180℃=緑、270℃=青。
【0008】
好ましくは、有機染料(b)の残基は、アントラキノン染料、アゾ染料、トリフェニルメタン染料、ジオキサジン染料、インジゴイド染料、インドフェノール染料、ナフタルイミド染料、ナフトキノン染料、ナフトキノンイミン染料、ベンズインドリウム染料、キノリニウムイミン染料、オキサジン染料、フタロシアニン染料、フェナジン染料及びチアジン染料の群から選択される。
【0009】
最も好ましくは、有機染料(b)の残基は、アントラキノン染料及びアゾ染料の群から選択される。
【0010】
最も好ましくは、ポリマー染料は、1,4−ジアミノアントラキノン、チアゾールアゾ、ベンゾチアゾールアゾ、チアジアゾールアゾ及びイミダゾールアゾ染料の群から選択される。
【0011】
有機染料(b)の1〜3個の異なる残基がポリマー主鎖(a)に結合しているポリマー染料が好ましい。
【0012】
ポリマー主鎖(a)は、好ましくは、ポリエチレンイミン、ポリプロピレンイミン、ポリビニルアミン;ポリビニルイミン;ポリシロキサン;ポリスチレン、ポリビニルイミダゾール、ポリビニルピリジン、ポリ−DADMAC、ポリビニルアルコール、ポリアクリレート、ポリメタクリレート;ポリグアニジン、一方ではヒドロキシル基末端ポリエーテル、ポリエステル又はポリブタジエンから、他方では脂肪族ポリイソシアネート又は芳香族ポリイソシアネートから誘導されたポリウレタン並びにそれらの前駆体;ジアミン及びジカルボン酸から及び/又はアミノカルボン酸又は対応するラクタムから誘導されたポリアミド及びコポリアミド;多糖類、デンプン、セルロース、リグニン;並びに前記記載のポリマーのコポリマー及び混合物から選択される。
【0013】
本発明による最も好ましいポリマー染料は、

【化1】

[式中、
A及びBは、互いに独立してポリマー主鎖(a)を表し;
1及びX2は、互いに独立して、−C1〜C30アルキレン−、−C2〜C12アルケニレン−、−C5〜C10アリーレン、−C5〜C10シクロアルキレン又は−C1〜C10アルキレン(C5〜C10アリーレン)から選択され、1個又は2個以上の−O−、−S−、−N=、−N(R1)−、S(O)−、−SO2−、−(CH2CH2−O)1-5−、−(CH2CH2CH2−O)1-5−、−C(O)−、−C(O)O−、−OC(O)−、
【化2】

、−CON(R1)−、−C(NR122−、−(R1)NC(O)−、−C(S)R1−、または場合により置換された、飽和又は不飽和、縮合又は非縮合、芳香族又は非芳香族(複素)環式二価基によって、一方又は両方の末端で中断及び/又は末端化されてよい結合基であり、前記二価基は、場合により少なくとも1個のヘテロ原子;−O−;−S−;−N(R1)−;−S(O)−;SO2−;−(CH2CH2−O)1-5−;−C(O)−;−C(O)O−、−OC(O)−;
【化3】

;−C(O)N(R1)−;S(O)2N(R1)−;−C(NR122−;−(R1)NC(O)−;−C(S)R1−;場合によりC1〜C30アルキル、C1〜C30アルコキシ、C2〜C12アルケニル、C5〜C10アリール、C5〜C10シクロアルキル、C1〜C10アルキル(C5〜C10アリーレン)、ハロゲン、ヒドロキシにより置換された、場合により少なくとも1個のヘテロ原子を含む飽和又は不飽和の、縮合又は非縮合の、芳香族又は非芳香族の二価基を含み;又は直接結合であり;
1及びR2は、互いに独立して、水素;非置換又は置換、直鎖状又は分枝状、単環式又は多環式の、中断された又は中断されていないC1〜C14アルキル;C1〜C14ヒドロキシアルキル;C1〜C14アミノアルキル;C2〜C14アルケニル;C6〜C10アリール;C6〜C10アリール−C1〜C10アルキル;又はC5〜C10アルキル(C5〜C10アリール)であり;
1及びY2は、互いに独立して、有機染料(b)の残基、水素、ハロゲン又はC1〜C6アルキル;C1〜C6アルコキシ;C1〜C6アルキルアミノ;C6〜C10アリールオキシ;C6〜C10アリールアミノ;SO21であり;ここでY1及びY2の内の少なくとも1つは、有機染料の残基であり;
An1及びAn2は、互いに独立してアニオンであり;
a及びbは、互いに独立して1〜3の数であり;
mは、0〜5000の数であり;
nは、0〜5000の数であり;及び
pは、1〜5000の数であり;
ここでm+n+pの合計≧3である]に相当する。
【0014】
1〜C14アルキルは、例えば、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、n−ブチル、sec−ブチル、tert−ブチル、n−ペンチル、2−ペンチル、3−ペンチル、2,2’−ジメチルプロピル、シクロペンチル、シクロヘキシル、n−ヘキシル、n−オクチル、1,1’,3,3’−テトラメチルブチル又は2−エチルヘキシル、ノニル、デシル、ウンデシル、ドデシル、トリデシル又はテトラデシルである。
【0015】
2〜C14アルケニルは、例えば、アリル、メタリル、イソプロペニル、2−ブテニル、3−ブテニル、イソブテニル、n−ペンタ−2,4−ジエニル、3−メチル−ブタ−2−エニル、n−オクタ−2−エニル、n−ドデカ−2−エニル、イソドデセニル、n−ドデカ−2−エニル又はn−オクタデカ−4−エニルである。
【0016】
6〜C10アリールは、例えば、フェニル又はナフチルである。
【0017】
1〜C30アルキレンは、例えば、メチレン、エチレン、プロピレン、イソプロピレン、n−テトラメチレン、sec−テトラメチレン、tert−テトラメチレン、n−ペンタメチレン、2−ペンタメチレン、3−ペンタメチレン、2,2’−ジメチルプロピレン、シクロペンタメチレン、シクロヘキサメチレン、n−ヘキサメチレン、n−オクタメチレン、1,1’,3,3’−テトラメチルテトラメチレン、2−エチルヘキサメチレン、ノナメチレン、デカメチレン、トリデカメチレン、テトラデカメチレン、ペンタデカメチレン、ヘキサデカメチレン、ヘプタデカメチレン、オクタデカメチレン、ノナデカメチレン又はエイコサメチレンである。
【0018】
好ましくは、X1及びX2は、互いに独立して、式(2a)
−(T)t(Z)z
[式中、
Tは、1個又は2個以上の−O−、−S−、−SO2−、−N(R5)−、−C(O)−、
【化4】

、−CON(R5)−、−(R5)NC(O)−により一方又は両方の末端で中断及び/又は末端化されてよく、且つ、場合によりC1〜C6アルキル、C1〜C6アルコキシ、C6アリール、ハロゲン、ヒドロキシ又はY+により置換される、飽和又は不飽和、直鎖状又は分枝鎖状−C1〜C12アルキレン、−C(O)−、−(CH2CH2−O)1-5−、−(CH2CH2CH2−O)1-5−、−C(O)O−、−OC(O)−、−N(R1)−、−CON(R1)−、−(R1)NC(O)−、−O−、−S−、−S(O)−、−S(O)2−、−S(O)2−N(R1)−及び−N+(R1)(R2)−から選択される基;又は直接結合であり;
Zは、−(CH22SO2;−CH2CHRCO−NR1−;又は式
【化5】

のビラジカルであり;
1及びR2は、互いに独立して、水素;C1〜C6アルキル;C1〜C6アルコキシ;C1〜C6アルキルアミノ;C6〜C10アリールオキシ;又はC6〜C10アリールアミノであり;
aは、水素;C1〜C6アルキル;C1〜C6−アルコキシ;C1〜C6−アルキルアミノ;C6〜C10−アリールオキシ;C6〜C10−アリールアミノ;SO21;塩素;又はフッ素;
Yは、Ra;Y1a+;又はY2b+であり;
1a+及びY2b+は、ハロゲン;水素;CH3;或いはアントラキノン染料、アゾ染料、アゾメチン染料、ヒドラゾメチン染料、メロシアニン染料、メタン染料、ナフトキノンイミン染料、ナフタルイミド染料及びスチリル染料から選択される有機染料の残基であり、ここでY1a+及びY2b+の内の少なくとも1つは、有機染料の残基であり;及び
a及びbは、互いに独立して1、2又は3である]の二価の基である。
【0019】
より好ましくは、
Tは、−C2〜C3アルキレン−;−C(O);−C(O)−CH2−;及び−S(O)2−C2-6アルキレン−から選択され;
Zは、水素又はC1〜C6アルキル;或いは式
【化6】

のビラジカルであり;
1及びR2は、互いに独立して水素;C1〜C3アルキル;C1〜C4−アルコキシ;C1〜C4−アルキルアミノ;C6−アリールオキシ;又はC6−アリールアミノであり;
aは、塩素、フッ素、メチル又はSO2CH3であり;
1a+及びY2b+は、水素;ハロゲン;CH3;或いは1,4−ジアミノ置換アントラキノン染料、チアゾールアゾ染料、ベンゾチアゾールアゾ染料、チアジアゾールアゾ染料、イミダゾールアゾ染料及びナフタルイミド染料から選択される有機染料の残基であり、ここでY1a+及びY2b+の内の少なくとも1つは、有機染料の残基であり;
t及びzは、互いに独立して0又は1である(但し、t又はzの内の少なくとも1つは1である)。
【0020】
好ましくは、式(1a)及び(1b)において、
A及びBは、互いに独立して、モノオレフィン及びジオレフィンのポリマー;モノオレフィン及びジオレフィンのポリマーの混合物;モノオレフィン及びジオレフィンの互いとの又は他のビニルモノマーとのコポリマー;ポリスチレン、ポリ(p−メチルスチレン)、ポリ(α−メチルスチレン);ビニル芳香族モノマーから誘導された芳香族ホモポリマー及びコポリマー;エチレン、プロピレン、ジエン、ニトリル、酸、マレイン酸無水物、マレイミド、酢酸ビニル及び塩化ビニルから選択されるビニル芳香族モノマー及びコモノマーのコポリマー及び水素化コポリマー或いはそれらのアクリル誘導体及び混合物;ビニル芳香族モノマーのグラフトコポリマー;ハロゲン含有ポリマー;α,β−不飽和酸及びそれらの誘導体から誘導されたポリマー;他の不飽和モノマーとのα,β−不飽和酸及びそれらの誘導体から誘導されたコポリマー;不飽和アルコール及びアミンから誘導されたポリマー或いはそれらのアシル誘導体又はアセタール;環状エーテルのホモポリマー及びコポリマー;ポリアセタール;ポリフェニレンオキシド及びスルフィド、並びにスチレンポリマー又はポリアミドとのポリフェニレンオキシドの混合物;一方ではヒドロキシル基末端ポリエーテル、ポリエステル又はポリブタジエンから、他方では脂肪族ポリイソシアネート又は芳香族ポリイソシアネートから誘導されたポリウレタン並びにそれらの前駆体;ジアミン及びジカルボン酸から及び/又はアミノカルボン酸又は対応するラクタムから誘導されたポリアミド及びコポリアミド;ポリグアニジン、ポリ尿素、ポリイミド、ポリアミド−イミド、ポリエーテルイミド、ポリエーテルイミド、ポリヒダントイン及びポリベンゾイミダズール;ジカルボン酸及びジオールから及び/又はヒドロキシカルボン酸又は対応するラクトンから誘導されたポリエステル;ポリカーボネート及びポリエステルカーボネート;ポリケトン;ポリスルホン、ポリエーテルスルホン及びポリエーテルケトン;一方ではアルデヒドから、他方ではフェノール、尿素及びメラミンから誘導された架橋ポリマー;ポリシロキサン;天然ポリマー;及び前記ポリマーの混合物から選択される。
【0021】
モノオレフィン及びジオレフィンのポリマーの例は、ポリプロピレン、ポリイソブチレン、ポリブタ−1−エン、ポリ−4−メチルペンタ−1−エン、ポリビニルシクロヘキサン、ポリイソプレン又はポリブタジエン、並びにシクロオレフィン、例えばシクロペンテン又はノルボルネンのポリマー、ポリエチレン(場合により架橋され得る)、例えば、高密度ポリエチレン(HDPE)、高密度及び高分子量ポリエチレン(HDPE−HMW)、高密度及び超高分子ポリエチレン(HDPE−UHMW)、中密度ポリエチレン(MDPE)、低密度ポリエチレン(LDPE)、直鎖状低密度ポリエチレン(LLDPE)、(VLDPE)及び(ULDPE)である。
【0022】
ポリオレフィン、即ち前段落において例示されたモノオレフィンのポリマー、好ましくはポリエチレン及びポリプロピレンは、種々の、とりわけ以下の方法によって製造可能である:
a)ラジカル重合(一般に高圧下及び高温で)。
b)一般に周期表のIVb族、Vb族、VIb族又はVIII族の1種又は2種以上の金属を含有する触媒を使用する触媒重合。通常、これらの金属は、1種又は2種以上の配位子、典型的にはπ−配位結合又はσ−配位結合することができる酸化物、ハロゲン化物、アルコラート、エステル、エーテル、アミン、アルキル、アルケニル及び/又はアリールを有する。これらの金属錯体は、遊離型であってよく、或いは基質、典型的には活性化塩化マグネシウム、塩化チタン(III)、アルミナ又は酸化ケイ素上に固定してよい。これらの触媒は、重合媒体に可溶であっても不溶であってもよい。触媒は、重合においてそれ自身によって使用され得るか、或いは更なる活性剤、典型的には金属アルキル、金属水素化物、金属アルキルハロゲン化物、金属アルキル酸化物又は金属アルキルオキサンを使用してよく、前記金属は、周期表のIa族、IIa族及び/又はIIIa族の元素である。前記活性剤は、更なるエステル基、エーテル基、アミン基又はシリルエーテル基で都合よく修飾され得る。通常、これらの触媒系は、Phillips、Standard Oil Indiana、Ziegler(−Natta)、TNZ(DuPont)、メタロセン又はシングルサイト触媒(SSC)と呼ばれる。
【0023】
前述のポリマーの混合物は、例えば、ポリイソブチレンとのポリプロピレンの混合物、ポリエチレンとのポリプロピレンの混合物(例えば、PP/HDPE、PP/LDPE)、異なる種類のポリエチレンの混合物(例えばLDPE/HDPE)である。
【0024】
モノオレフィン及びジオレフィンの互いとの又は他のビニルモノマーとのコポリマーの例は、エチレン/プロピレンコポリマー、直鎖状低密度ポリエチレン(LLDPE)及びその低密度ポリエチレン(LDPE)との混合物、プロピレン/ブタ−1−エンコポリマー、プロピレン/イソブチレンコポリマー、エチレン/ブタ−1−エンコポリマー、エチレン/ヘキセンコポリマー、エチレン/メチルペンテンコポリマー、エチレン/ヘプテンコポリマー、エチレン/オクテンコポリマー、エチレン/ビニルシクロヘキサンコポリマー、エチレン/シクロオレフィンコポリマー(例えば、COC等のエチレン/ノルボルネン)、1−オレフィンがin situ生成されるエチレン/1−オレフィンコポリマー;プロピレン/ブタジエンコポリマー、イソブチレン/イソプレンコポリマー、エチレン/ビニルシクロヘキセンコポリマー、エチレン/アルキルアクリレートコポリマー、エチレン/アルキルメタクリレートコポリマー、エチレン/酢酸ビニルコポリマー又はエチレン/アクリル酸コポリマー及びそれらの塩(アイオノマー)並びにプロピレン及びジエン(例えばヘキサジエン、ジシクロペンタジエン、エチリデン−ノルボルネン)とのエチレンのターポリマー;かかるコポリマーの互いとの及び上記に記載のポリマーとの混合物、例えば、ポリプロピレン/エチレン−プロピレンコポリマー、LDPE/エチレン−酢酸ビニルコポリマー(EVA)、LDPE/エチレン−アクリル酸コポリマー(EAA)、LLDPE/EVA、LLDPE/EAA、交互又はランダムポリアルキレン/一酸化炭素コポリマー、及び他のポリマーとのそれらの混合物、例えばポリアミドである。
【0025】
前述のホモポリマー及びコポリマーは、シンジオタクチック、アイソタクチック、ヘミ−アイソタクチック又はアタクチックを含むいずれの立体構造をも有することが可能であり;アタクチックポリマーが好ましい。ステレオブロックポリマーも含まれる。
【0026】
スチレンを含むビニル芳香族モノマーから誘導された芳香族ホモポリマー及びコポリマーの例は、α−メチルスチレン、ビニルトルエンの全ての異性体、とりわけp−ビニルトルエン、エチルスチレン、プロピルスチレン、ビニルビフェニル、ビニルナフタレン及びビニルアンスラセンの全ての異性体、及びそれらの混合物である。ホモポリマー及びコポリマーは、シンジオタクチック、アイソタクチック、ヘミ−アイソタクチック又はアタクチックを含むいずれの立体構造をも有することが可能であり;アタクチックポリマーが好ましい。ステレオブロックポリマーも含まれる。
【0027】
エチレン、プロピレン、ジエン、ニトリル、酸、マレイン酸無水物、マレイミド、酢酸ビニル及び塩化ビニルから選択される前述のビニル芳香族モノマー及びコモノマーを含むコポリマー或いはそれらのアクリル誘導体及び混合物の例は、例えば、スチレン/ブタジエン、スチレン/アクリロニトリル、スチレン/エチレン(インターポリマー)、スチレン/アルキルメタクリレート、スチレン/ブタジエン/アルキルアクリレート、スチレン/ブタジエン/アルキルメタクリレート、スチレン/マレイン酸無水物、スチレン/アクリロニトリル/メチルアクリレート;高衝撃強度のスチレンコポリマー及び他のポリマー、例えばポリアクリレート、ジエンポリマー又はエチレン/プロピレン/ジエンターポリマーの混合物;及びスチレン/ブタジエン/スチレン、スチレン/イソプレン/スチレン、スチレン/エチレン/ブチレン/スチレン、スチレン/エチレン/プロピレン/スチレン等のスチレンのブロックコポリマーである。
【0028】
前述のポリマーの水素化から誘導された水素化芳香族ポリマーは、とりわけアタクチックポリスチレンを水素化することによって製造されるポリシクロヘキシルエチレン(PCHE)を含み、多くの場合ポリビニルシクロヘキサン(PVCH)と呼ばれる。
【0029】
ホモポリマー及びコポリマーは、シンジオタクチック、アイソタクチック、ヘミ−アイソタクチック又はアタクチックを含むいずれの立体構造をも有することが可能であり;アタクチックポリマーが好ましい。ステレオブロックポリマーも含まれる。
【0030】
ビニル芳香族モノマーのグラフトコポリマーの例は、スチレン又はα−メチルスチレン、例えばポリブタジエン上のスチレン、ポリブタジエン−スチレン又はポリブタジエン−アクリロニトリルコポリマー上のスチレン;ポリブタジエン上のスチレン及びアクリロニトリル(又はメタクリロニトリル);ポリブタジエン上のスチレン、アクリロニトリル及びメチルメタクリレート;ポリブタジエン上のスチレン及びマレイン酸無水物;ポリブタジエン上のスチレン、アクリロニトリル及びマレイン酸無水物又はマレイミド;ポリブタジエン上のスチレン及びマレイミド;ポリブタジエン上のスチレン及びアルキルアクリレート又はメタクリレート;エチレン/プロピレン/ジエンターポリマー上のスチレン及びアクリロニトリル;ポリアルキルアクリレート又はポリアルキルメタクリレート上のスチレン及びアクリロニトリル、アクリレート/ブタジエンコポリマー上のスチレン及びアクリロニトリル、並びにそれらの6)に示されたコポリマーとの混合物、例えばABS、MBS、ASA又はAESポリマーとして既知のコポリマー混合物である。
【0031】
ハロゲン含有ポリマーの例は、ポリクロロプレン、塩化ゴム、イソブチレン−イソプレンの塩化及び臭化コポリマー(ハロブチルゴム)、塩化及びスルホ塩素化ポリエチレン、エチレン及び塩化エチレンのコポリマー、エピクロロヒドリンホモポリマー及びコポリマー、とりわけハロゲン含有ビニル化合物のポリマー、例えばポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、ポリフッ化ビニル、ポリフッ化ビニリデン並びにそれらのコポリマー(例えば塩化ビニル/塩化ビニリデン、塩化ビニル/酢酸ビニル、塩化ビニリデン/酢酸ビニルコポリマー)である。
【0032】
α,β−不飽和酸及びそれらの誘導体から誘導されたポリマーの例は、ポリアクリレート及びポリメタクリレート;ブチルアクリレートで耐衝撃性改質されたポリメチルメタクリレート、ポリアクリルアミド及びポリアクリロニトリルである。
【0033】
前述のモノマーの互いとの又は他の不飽和モノマーとのコポリマーの例は、アクリロニトリル/ブタジエンコポリマー、アクリロニトリル/アルキルアクリレートコポリマー、アクリロニトリル/アルコキシアルキルアクリレート又はアクリロニトリル/ビニルハライドコポリマー、又はアクリロニトリル/アルキルメタクリレート/ブタジエンターポリマーである。
【0034】
不飽和アルコール及びアミンから誘導されたポリマー或いはそれらのアシル誘導体又はアセタールの例は、ポリビニルアルコール、ポリ酢酸ビニル、ポリステアリン酸ビニル、ポリビニルベンゾエート、ポリビニルマレエート、ポリビニルブチラール、ポリアリルフタレート又はポリアリルメラミン;並びに上記に記載のオレフィンとのそれらのコポリマーである。
【0035】
環状エーテルのホモポリマー及びコポリマーの例は、ポリアルキレングリコール、ポリエチレンオキシド、ポリプロピレンオキシド、又はビスグリシジルエーテルとのそれらのコポリマーである。
【0036】
ポリアセタールの例は、ポリオキシメチレン、及びコモノマーとしてエチレンオキシドを含むそれらのポリオキシメチレン;熱可塑性ポリウレタン、アクリレート又はMBSで変性させたポリアセタールである。
【0037】
ジアミン及びジカルボン酸から及び/又はアミノカルボン酸又は対応するラクタムから誘導されたポリアミド及びコポリアミドの例は、ポリアミド4、ポリアミド6、ポリアミド6/6、6/10、6/9、6/12、4/6、12/12、ポリアミド11、ポリアミド12、m−キシレンジアミン及びアジピン酸から開始する芳香族ポリアミド;ヘキサメチレンジアミン並びにイソフタル酸又は/及びテレフタル酸から並びに変性剤としてのエラストマーを用いて又は用いずに製造されるポリアミド、例えばポリ−2,4,4−トリメチルヘキサメチレンテレフタルアミド又はポリ−m−フェニレンイソフタルアミド;更に、前記ポリアミドとポリオレフィン、オレフィンコポリマー、アイオノマー或いは化学的に結合又はグラフトしたエラストマーとのブロックコポリマー;又はポリエーテル、例えばポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール又はポリテトラメチレングリコールとのブロックコポリマー;並びにEPDM又はABSで変性させたポリアミド又はコポリアミド;及び加工中に縮合させたポリアミド(RIMポリアミド系)である。
【0038】
ジカルボン酸及びジオールから及び/又はヒドロキシカルボン酸又は対応するラクトンから誘導されたポリエステルの例は、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリ−1,4−ジメチロールシクロヘキサンテレフタレート、ポリアルキレンナフタレート(PAN)及びポリヒドロキシベンゾエート、並びにヒドロキシル基末端ポリエーテルから誘導されたブロックコポリエーテルエステル;及び更にポリカーボネート又はMBSで変性されたポリエステルである。
【0039】
一方ではアルデヒドから、他方ではフェノール、尿素及びメラミン誘導された架橋ポリマーの例は、フェノール/ホルムアルデヒド樹脂、尿素/ホルムアルデヒド樹脂及びメラミン/ホルムアルデヒド樹脂である。
【0040】
天然ポリマーの例は、セルロース、ゴム、ゼラチン及びそれらの化学変性同族誘導体、例えば酢酸セルロース、プロピオン酸セルロース及び酪酸セルロース、又はセルロースエーテル、例えばメチルセルロース;並びにロジン及びそれらの誘導体である。
【0041】
前述のポリマーの混合物(ポリブレンド)の例は、PP/EPDM、ポリアミド/EPDM又はABS、PVC/EVA、PVC/ABS、PVC/MBS、PC/ABS、PBTP/ABS、PC/ASA、PC/PBT、PVC/CPE、PVC/アクリレート、POM/熱可塑性PUR、PC/熱可塑性PUR、POM/アクリレート、POM/MBS、PPO/HIPS、PPO/PA6.6及びコポリマー、PA/HDPE、PA/PP、PA/PPO、PBT/PC/ABS又はPBT/PET/PCである。
【0042】
式(1a)及び(1b)において、ポリマー主鎖(A及びB)及び有機染料の残基(Y1及びY2)の両方は、ハライド、トシレート、メシレート、メトキシ、酸クロリド、スルホニルクロリド、エポキシド、無水物から選択される求電子基;或いはアミン、ヒドロキシル及びチオールから選択される求核基から選択される官能基を有することが好ましい。
【0043】
ポリマー染料の分子量は、好ましくは400〜500000である。
【0044】
「アニオン」は、例えば、有機アニオン又は無機アニオン、例えばハロゲン化物、好ましくは塩化物及びフッ化物、硫酸塩、硫酸水素塩、リン酸塩、ボロンテトラフルオリド、炭酸塩、重炭酸塩、シュウ酸塩又はC1〜C8アルキル硫酸、とりわけ硫酸メチル又は硫酸エチルを示し;アニオンはまた、乳酸塩、ギ酸塩、酢酸塩、プロピオン酸塩又は錯アニオン、例えば塩化亜鉛複塩をも示す。
【0045】
より好ましくは、ポリマーは、400〜1800g/モル、好ましくは400〜1000g/モルの平均分子量を有するポリエチレンイミンであり、有機染料は、ポリエチレンイミンの第一級、第二級又は第三級アミンを介して結合する。
【0046】
最も好ましくは、ポリマーは、4−ビニルピリジン又は2−ビニルピリジン又はビニルイミダゾールのホモポリマー又はコポリマーである。
【0047】
最も好ましい染料は、式
【化7】

[式中、
ポリ−4−ビニルピリジンは、MW=1000及び500000g/モルの平均分子量を有し、
1は、アントラキノン染料及びアゾ染料から選択される有機染料(b)の残基であり、
1は、式(2a)で定義され;及び
n:mの比は、1:10〜10:1である]に相当する。
【0048】

【化8】

[式中、
3は、C1〜C5アルキルであり;及び
1、X2、Y1、Y2、m及びnは、式(1a)及び(1b)で定義される]の染料もまた好ましい。
【0049】

【化9】

[式中、
3は、C1〜C5アルキルであり;及び
1、X2、Y1、Y2及びnは、式(1a)及び(1b)で定義される]のポリマー染料もまた好ましい。
【0050】
本発明によるポリマー染料は、以下の反応染料構成要素の内の少なくとも1つを用いて製造される。
【0051】
【表1−1】

【0052】
【表1−2】

【0053】
【表1−3】

【0054】
【表1−4】

【0055】
更に、本発明によるポリマー染料は、以下の発色団:
EP1378544(実施例10)に開示されている
【化10】

EP1378544(実施例10)に開示される
【化11】

DE10139561(13頁)に開示される
【化12】

FR2886842(式VI)に開示される
【化13】

FR2886842(式VII)に開示される
【化14】

から、更にC.I.Basic Blue 13:
【化15】

の誘導体から;或いはC.I.Basic Blue 11:
【化16】

;又は
【化17】

の誘導体から選択される少なくとも1種の染料を用いて製造可能である。
【0056】
本発明による式(1a)又は(1b)の染料は、有機材料、例えばケラチン含有繊維、ウール、革、絹、セルロース又はポリアミド、綿又はナイロン、及び好ましくは眉毛、睫毛、陰毛、胸毛、腋毛、顎髭等の体毛を含むヒトの毛の染色に適切である。また、獣毛を本発明の染毛剤で染めることも可能である。得られる染料は、その色合いの深みと、洗うことに対するその良好な堅牢性(例えば、光、洗髪、擦ることに対する堅牢性)とを特徴とする。
【0057】
一般に、合成に基づく染毛剤は、3つの群:
−一時的染色剤
−セミパーマネント染色剤、及び
−パーマネント染色剤
に分類することが可能である。
【0058】
染料の色合いの多彩性は、他の染料との組み合わせによって増加され得る。
【0059】
従って、本発明の式(1a)及び(1b)の染料は、同じ種類の染料又は他の種類の染料と、とりわけ直接染料、酸化染料;カプラー化合物並びにジアゾ化化合物又はキャップしたジアゾ化化合物の染料前駆体の組み合わせ;及び/又はカチオン反応性染料と組み合わせることができる。
【0060】
直接染料は、天然由来であるか、若しくは合成的に製造され得る。それらの直接染料、例えば酸性染料は、非荷電性、カチオン性又はアニオン性である。
【0061】
式(1a)及び(1b)の染料は、式(1a)及び(1b)の染料とは異なる少なくとも1種の単一の直接染料と組み合わせて使用され得る。
【0062】
本発明のポリマー染料は、それらの染色効果を発現させるための酸化剤のいかなる添加も必要としない。このことは、おそらく毛の損傷を減少させることができるであろう。更に、現行の酸化染毛剤の確認又は実証された短所、例えばそれらの皮層刺激、皮膚感作及びアレルギー特性の多くは、本発明の染毛剤を使用することにより防止され得る。また、本発明の染毛剤は、頭部上への塗布の際に化学反応が生じないことから、酸化染毛剤よりも塗布及び配合物における使用が容易である。酸化染料を使用する染色よりも染色時間が著しく短い(約5〜10分)という事実は、とりわけ有利である。
【0063】
直接染料の例は、"Dermatology"(Ch.Culnan,H.Maibach編),Verlag Marcel Dekker Inc.,New York,Basle,1986,Vol.7,Ch.Zviak,The Science of Hair Care,chapter 7,p.248−250及び"Europaeisches Inventar der Kosmetikrohstoffe",1996(The European Commission発行)(the Bundesverband der deutschen Industrie− und Handelsunternehmen fuer Arzneimittel,Reformwaren und Koerperpflegemittel e.V.,Mannheimからディスケットの形式で入手可能)に記載されている。
【0064】
更に、式(1a)、(1b)及び(1c)の染料は、少なくとも1種のカチオン性アゾ染料、例えばGB−A−2319776に開示された化合物並びにDE−A−29912327に記載されたオキサジン染料及びその中に記載された他の直接染料のそれらとの混合物と組み合わせることが可能である。
【0065】
また、式(1a)及び(1b)の染料は、酸性染料、例えば国際的名称(Color index)又は商品名から既知の染料と組み合わせることも可能である。
【0066】
また、式(1a)及び(1b)の染料は、非荷電性染料と組み合わせることも可能である。
【0067】
更に、式(1a)及び(1b)の染料は、酸化染料系と組み合わせて使用することも可能である。
【0068】
更に、自動酸化可能な化合物が、式(1a)及び(1b)の染料と組み合わせて使用され得る。
【0069】
また、式(1a)及び(1b)の染料は、天然染料と組み合わせて使用され得る。
【0070】
更に、式(1a)及び(1b)の染料は、キャップしたジアゾ化化合物と組み合わせて使用することも可能である。
【0071】
適切なジアゾ化化合物は、例えば、WO2004/019897における式(1)〜(4)の化合物(架橋尺度1及び2)及び同じ参考文献の3〜5頁に開示される通りの対応する水溶性カップリング成分(I)〜(IV)である。
【0072】
更に、本発明の染料はまた、DE102006062435A1、WO00038638、DE10241076及びWO05120445に記載される通りの反応性カルボニル−化合物及びCH−酸性化合物の反応によって製造される染料と、
−DE102006036898及びDE102005055496に記載される通りのチアジアゾール染料と、
−例えばWO07110532、WO07110542に記載される通りの蛍光スチルベン系硫化染料と、
−WO07071684及びWO07071686に記載される通りのテトラアザペンタメチン染料と、
−FR2879195、FR2879127、FR2879190、FR2879196、FR2879197、FR2879198、FR2879199、FR2879200、FR2879928、FR2879929、WO06063869に記載される通りのダイマーカチオン染料と、
−EP0850636に記載される通りのアゾ染料及びスチリル染料と、
−FR2882929に記載される通りのポリマーアニオン染料と、
−WO0597051、EP1647580、WO06136617に記載される通りのジスルフィド染料と、
−WO07025889、WO07039527に記載される通りのチオール染料と、
−US20050050650、US7217295に記載される通りの導電性ポリマーと、組み合わせることも可能である。
【0073】
また、本発明は、有機材料、好ましくはケラチン含有繊維及び最も好ましくはヒトの毛の染色のために使用される配合物であって、式(1a)及び(1b)の少なくとも1種の染料を含む配合物にも関する。
【0074】
好ましくは式(1a)及び(1b)の染料は、有機材料の処理のための、好ましくは、組成物の全質量に対して0.001〜5質量%(以下、「%」のみで単に示される)、特に0.005〜4%、より詳しくは0.1〜3%の量での染色のための組成物に組み込まれる。
【0075】
配合物は、異なる技術的形態で、ケラチン含有繊維、好ましくはヒトの毛に塗布され得る。
【0076】
配合物の技術的形態は、例えば溶液、とりわけ濃化した水溶液又はアルコール水溶液、クリーム、フォーム、シャンプー、パウダー、ジェル又はエマルションである。
【0077】
通例の染色組成物は、50〜100gの量でケラチン含有繊維に塗布される。
【0078】
配合物の好適な形態は、例えばUS6,190,421、第2欄、16〜31行目に記載される通りのすぐに使用できる組成物又は多区画染色装置又は区画を有する多区画包装系の「キット」等である。
【0079】
すぐに使用できる染色組成物のpH値は、通常、2〜11、好ましくは5〜10である。
【0080】
本発明の染色組成物は、10〜200、好ましくは18〜80、及び最も好ましくは20〜40℃の温度範囲で毛に塗布される。
【0081】
配合物は、異なる技術的形態で、ケラチン含有繊維、好ましくはヒトの毛に塗布され得る。
【0082】
配合物の技術的形態は、例えば溶液、とりわけ濃化した水溶液又はアルコール水溶液、クリーム、フォーム、シャンプー、パウダー、ジェル又はエマルションである。
【0083】
適切な化粧用ヘアケア配合物は、ヘアトリートメント製剤、例えばシャンプー及びコンディショナーの形態の洗髪製剤、ヘアケア製剤、例えばプレトリートメント製剤又はリーブオン製品、例えばスプレー、クリーム、ジェル、ローション、ムース及びオイル、ヘアトニック、スタイリングクリーム、スタイリングジェル、ポマード、ヘアリンス、トリートメントパック、強力ヘアトリートメント、ヘアストラクチャリング製剤、例えばパーマネントウェーブ(ホットウェーブ、マイルドウェーブ、コールドウェーブ)のためのヘアウェーブ製剤、縮毛矯正製剤、液体へアセッティング製剤、ヘアフォーム、ヘアスプレー、漂白製剤、例えば過酸化水素溶液、ライトニングシャンプー、漂白クリーム、漂白パウダー、漂白ペースト又はオイル、一時的、セミパーマネント又はパーマネントヘアカラー、自動酸化染料を含む製剤、又はヘナやカモミール等の天然ヘアカラーである。
【0084】
ヒトの毛における使用のために、通常、本発明の染色組成物は、化粧品用水性キャリアに組み込むことが可能である。適切な化粧品用水性キャリアとしては、例えばW/O、O/W、O/W/O、W/O/W又はPITエマルションや、全種類のマイクロエマルション、クリーム、スプレー、エマルション、ジェル、パウダー、更にはケラチン含有繊維における使用に適切である界面活性剤含有フォーミング溶液、例えばシャンプー又は他の製剤が挙げられる。かかる使用形態は、Research Disclosure 42448(1999年8月)に詳細に記載されている。例えばUS−3369970、とりわけ第1欄70頁〜第3欄55頁に記載されているように、必要に応じて染色組成物を無水キャリアに組み込むことも可能である。また、本発明による染色組成物は、染色櫛又は染色ブラシを使用するDE−A−3829870に記載の染色方法にも非常に適切である。
【0085】
水性キャリアの成分は、通例の量で本発明の染色組成物中に存在し;例えば、乳化剤は、0.5〜30質量%の濃度で染色組成物中に、総染色組成物の0.1〜25質量%の濃度で増粘剤中に存在してよい。
【0086】
染色組成物のための更なるキャリアは、例えば"Dermatology"(Ch.Culnan,H.Maibach編),Verlag Marcel Dekker Inc.,New York,Basle,1986,Vol.7,Ch.Zviak,The Science of Hair Care,chapter 7,p.248−250、とりわけ243頁1行目〜244頁12行目に記載されている。
【0087】
式(1a)及び(1b)の染料を酸化染料及び/又は酸を有するその付加塩と共に使用する場合、それらは別々に又は一緒に貯蔵され得る。還元又は塩基に対して安定でない酸化染料及び直接染料は、別々に貯蔵することが好ましい。
【0088】
式(1a)及び(1b)の染料は、液体−ペースト状の製剤(水性又は非水性)中に又は乾燥パウダーの形態で貯蔵することが可能である。
【0089】
染料を別々に貯蔵する場合、反応性成分は、使用の直前に互いによく混合される。乾式貯蔵の場合、定められた量の熱い(50〜80℃)水が通常添加され、使用前に均質混合物が製造される。
【0090】
本発明による染色組成物は、界面活性剤、溶媒、塩基、酸、香水、ポリマーアジュバント、増粘剤、光安定剤等の、かかる製剤のために既知の任意の活性成分、添加剤又はアジュバントを含むことができる。
【0091】
好ましくは、以下のアジュバントが本発明の染毛組成物に使用される:−非イオン性ポリマー、−カチオンポリマー、アクリルアミド/ジメチルジアリルアンモニウムクロリドコポリマー、ジエチル硫酸四級化ジメチルアミノエチルメタクリレート/ビニルピロリドンコポリマー、ビニルピロリドン/イミダゾリニウムメトクロリドコポリマー;−四級化ポリビニルアルコール、双性イオン性及び両性ポリマー、アニオンポリマー、増粘剤、構造化剤、ヘアコンディショニング化合物、タンパク質加水分解物、香油、ジメチルイソソルビトール及びシクロデキストリン、可溶化剤、フケ防止活性成分、pH値調整用物質、パンテノール、パントテン酸、アラントイン、ピロリドンカルボン酸及びその塩、植物抽出物及びビタミン、コレステロール;−光安定剤及び紫外線吸収剤、粘稠度調節剤、脂肪及び蝋、脂肪アルカノールアミド、150〜50000の分子量を有するポリエチレングリコール及びポリプロピレングリコール、錯化剤、膨潤及び浸透物質、乳白剤、真珠光沢剤、噴射剤、抗酸化剤、糖含有ポリマー、第四級アンモニウム塩及び細菌阻害剤。
【0092】
一般に、本発明による染色組成物は少なくとも1種の界面活性剤を含む。適切な界面活性剤は、双性イオン性又は両性、或いはより好ましくはアニオン性、非イオン性及び/又はカチオン性の界面活性剤である。
【0093】
本発明の更なる一実施形態は、ケラチン含有繊維の染色に関する。
【0094】
方法は、
(a)式(1a)及び(1b)の少なくとも1種の染料でケラチン含有繊維を処理する段階と、
(b)前記繊維を静置し、次いで前記繊維を水洗する段階と、を含む。
【0095】
式(1a)及び(1b)の染料は、毛の全面的な染色、即ち最初の段階で毛を染色する場合、更にその後の再染色或いは毛の束又は部分の染色に適切である。
【0096】
式(1a)及び(1b)の染料は、例えば、櫛又はノズルと組み合わせた手、櫛、ブラシ又はビンによるマッサージによって毛に塗布される。
【0097】
本発明による染色方法において、更なる染料の存在下で染色を行うか否かは、得られる色合いに依存する。
【0098】
式(1a)及び(1b)の少なくとも1種の染料、塩基及び酸化剤でケラチン含有繊維を処理する段階を含むケラチン含有繊維の染色方法が更に好ましい。
【0099】
式(1a)及び(1b)の染料及び酸化剤でケラチン含有繊維、特にヒトの毛を染色するための好ましい一実施形態は、
1)場合により式(1a)及び(1b)の少なくとも1種の染料を含有する酸化剤でケラチン含有繊維を処理する段階と、
1)場合により式(1a)及び(1b)の少なくとも1種の染料を含有する酸化剤不含組成物でケラチン含有繊維を処理する段階;或いは
2)場合により式(1a)及び(1b)の少なくとも1種の染料を含有する酸化剤不含組成物でケラチン含有繊維を処理する段階と;
2)場合により式(1a)及び(1b)の少なくとも1種の染料を含有する酸化剤でケラチン含有繊維を処理する段階、を含むが、但し方法ステップa1)、a2)、b1)又はb2)の内の少なくとも1つにおいて、式(1a)及び(1b)の染料が存在する。
【0100】
一般に、酸化剤含有組成物は、15〜45℃で、0〜45分間、特に15〜30分間繊維上で静置される。
【0101】
通常、酸化剤不含組成物は、通例のアジュバント及び添加剤を含む。独国特許出願(第3欄17行目〜41行目)に記載されているものが好ましい。
【0102】
一般に、式(1a)及び(1b)の染料及び酸化剤不含組成物は、15〜50℃で、5〜45分間、特に10〜25分間繊維上で静置される。
【0103】
前記方法の好ましい一実施形態は、シャンプー及び/又は弱酸(例えばクエン酸や酒石酸)による染色の後、毛を洗うことである。
【0104】
還元に対して安定である式(1a)及び(1b)の染料は、酸化剤不含組成物と共に貯蔵することが可能であり、且つ、単一の組成物として塗布することが可能である。
【0105】
有利には、還元に対して安定でない式(1a)及び(1b)の染料を含む組成物は、前記染色方法の直前に酸化剤不含組成物によって製造される。
【0106】
更なる一実施形態において、式(1a)及び(1b)の染料及び酸化剤不含組成物は、同時に又は連続して塗布され得る。
【0107】
通例の酸化剤含有組成物は、毛の量に関して十分な量、通常30〜200gの量で均一に塗布される。
【0108】
酸化剤は、例えば過硫酸塩又は希釈過酸化水素溶液、過酸化水素エマルション又は過酸化水素ジェル、アルカリ土類金属過酸化物、有機過酸化物、例えば尿素過酸化物、メラミン過酸化物であり、或いはセミパーマネント直接染毛剤に基づくシェーディングパウダーを使用する場合、アルカリ金属ブロメート色止め剤も適用可能である。
【0109】
更に好ましい酸化剤は、
−WO97/20545、とりわけ9頁5〜9行目に記載される通りの明るい着色を達成するための酸化剤、
−DE−A−19713698、とりわけ4頁52〜55行目並びに60及び61行目、或いはEP−A−1062940、とりわけ6頁41〜47行目(及び相当するWO99/40895において)に記載される通りのパーマネントウェーブ色止め液の形態の酸化剤、である。
【0110】
最も好ましい酸化剤は過酸化水素であり、前記過酸化水素は、対応する組成物の約2〜30質量%、より好ましくは約3〜20質量%、最も好ましくは6〜12質量%の濃度で使用されることが好ましい。
【0111】
酸化剤は、好ましくは総染色組成物に対して0.01%〜6%、とりわけ0.01%〜3%の量で本発明による染色組成物中に存在してよい。
【0112】
一般に、酸化剤による染色は、塩基、例えばアンモニア、アルカリ金属炭酸塩、土類金属(カリウム又はリチウム)炭酸塩、アルカノールアミン(例えばモノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン)、アルカリ金属(ナトリウム)水酸化物、土類金属水酸化物、又は式
【化18】

[式中、
Lは、OH又はC1〜C4アルキルで置換してよいプロピレン残基であり;及び
5、R6、R7及びR8は、互いに独立して又は依存的に水素;C1〜C4アルキル;又はヒドロキシ−(C1〜C4)アルキルである]の化合物の存在下で行われる。
【0113】
酸化剤含有組成物のpH値は、通常は約2〜7、特に約2〜5である。
【0114】
ケラチン含有繊維、好ましくは毛に式(1a)及び(1b)の染料を含む配合物を塗布する好ましい一方法は、例えばWO97/20545(4頁19行目〜27行目)に記載される通りの多区画染色装置或いは「キット」又は他の任意の多区画包装系を用いることによるものである。
【0115】
一般に、毛は、染色溶液及び/又はパーマネントウェーブ溶液による処理の後に水洗される。
【0116】
本発明の更なる好ましい一実施形態は、
a.式(1a)及び(1b)の少なくとも1種の染料並びに場合により少なくとも1種のカプラー化合物及び少なくとも1種の顕色剤化合物、及び場合により少なくとも1種の更なる染料を含有する酸化剤を混合する段階と、
b.ステップa.で製造される通りの混合物をケラチン含有繊維に接触させる段階と、を含む酸化染料で毛を染色する方法に関する。
【0117】
pH値を調整するためには、例えばDE19959479第3欄46行目〜53行目に記載される通りの有機酸又は無機酸が適切である。
【0118】
更に、本発明は、自動酸化可能な化合物を有する式(1a)及び(1b)の染料及び場合により更なる染料のケラチン含有繊維の染色方法に関する。
【0119】
前記方法は、
a.少なくとも1種の自動酸化可能な化合物及び少なくとも1種の顕色剤化合物並びに式(1a)及び(1b)の少なくとも1種の染料及び場合により更なる染料を混合する段階と、
b.ケラチン含有繊維をステップa.で製造された混合物で処理する段階と、を含む。
【0120】
更に、本発明は、式(1a)及び(1b)の染料及びキャップしたジアゾ化化合物でケラチン含有繊維を染色する方法であって、
a.ケラチン含有繊維を、アルカリ性条件下で、少なくとも1種のキャップしたジアゾ化化合物及びカプラー化合物、及び場合により顕色剤化合物及び場合により酸化剤、及び場合により更なる染料の存在下で、及び場合により式(1a)及び(1b)の少なくとも1種の染料で処理する段階と、
b.場合により更なる染料、場合により式(1a)及び(1b)の少なくとも1種の染料の存在下で、酸による処理によってpHを6〜2の範囲に調整する段階と、を含む方法であって、
但し、少なくとも1つのステップa.又はb.において、式(1a)及び(1b)の少なくとも1種の染料が存在する、方法に関する。
【0121】
キャップしたジアゾ化化合物及びカプラー化合物及び場合により酸化剤及び顕色剤化合物は、連続して又は同時に、任意の所望の順序で塗布することが可能である。
【0122】
好ましくは、キャップしたジアゾ化化合物及びカプラー化合物は、単一の組成物で同時に塗布される。
【0123】
「アルカリ性条件」は、8〜10、好ましくは9〜10、とりわけ9.5〜10の範囲のpHを示し、それは、塩基、例えば炭酸ナトリウム、アンモニア又は水酸化ナトリウムの添加によって達成される。
【0124】
塩基は、毛、染料前駆体、キャップしたジアゾ化化合物及び/又は水溶性カップリング成分、又は染料前駆体を含む染色組成物に添加され得る。
【0125】
酸は、例えば酒石酸又はクエン酸、クエン酸ジェル、場合により酸性染料を有する適切な緩衝溶液である。
【0126】
第2段階で塗布された酸性染色組成物の量に対する第1段階で塗布されたアルカリ性染色組成物の量の比は、好ましくは約1:3〜3:1、とりわけ約1:1である。
【0127】
ステップa.のアルカリ性染色組成物及びステップbの酸性染色組成物は、15〜45℃で5〜60分間、特に20〜30℃で5〜45分間繊維上に静置される。
【0128】
更に、本発明は、式(1a)及び(1b)の染料及び少なくとも1種の酸性染料でケラチン含有繊維を染色する方法に関する。
【0129】
以下の実施例は、染色方法を例示する役割を果たすが、前記方法はそれらに限定されない。特に明記しない限り、部及びパーセンテージは、質量に関する。特定の染料の量は、被染色材料に比例する。
【0130】
実施例
A.調製例
実施例A1〜A11及びA41には、本発明に記載されるポリマー染料の調製のために使用される染料構成要素が記載される。
【0131】
実施例A1:
6.6mLの1,3−ジブロムプロパン及び15mLのクロロベンゼンを95℃に加熱し、WO2006/136617に記載されている1.5gのチアゾリウムアゾ化合物(例、AZO−118a)を5.5時間の範囲内で添加する。
【0132】
添加後、混合物を95℃で更に2日間撹拌する。
【0133】
懸濁液を室温に冷却させ、濾過する。
【0134】
固体をジエチルエーテルで洗浄し、80℃で10分間アセトニトリル(40mL)中で撹拌する。
【0135】
懸濁液を室温で濾過し、固体を室温で0.5時間アセトニトリル/エタノール(3:1)中で再度撹拌し、濾過する。
【0136】
アセトニトリル及びアセトニトリル/エタノール濾液を組み合わせ、蒸発させ、粘着性固体として式(BB−01)の生成物を得る。
【0137】
収量1.74g;

【0138】
【化19】

【0139】
実施例A2:
19.5mLの1,3−ジブロムプロパンと、文献(Miranda,P.C et al.,Advances in Colour Science and Technology(2001),4(1),21−27)に記載されている5gのチアゾールアゾ化合物と、50mLのクロロホルムとの混合物を22時間還流加熱する(TLCによる反応制御)。室温で100mLのアセトニトリルを添加し、油分を析出させる。
【0140】
油分をアセトニトリルで洗浄し、30mLのトルエン及び4mLのアセトニトリルにおいて還流加熱する。
【0141】
懸濁液を室温に冷却し、濾過し、暗色固体として式(BB−02)の生成物を得る。
【0142】
収量0.82g;

【0143】
【化20】

【0144】
実施例A3:
10mLのメチルエチルケトンにおいて3.87mLの1,3−ジブロムプロパンを80℃に加熱する。
【0145】
その温度で、文献(Mustroph H,et al.,Zeitschrift fuer Chemie(1983),23(8),298−9)に記載されている1gのチアゾールアゾ化合物を6時間に亘って添加し、混合物80℃で16時間撹拌する(TLCによる反応制御)。
【0146】
懸濁液を室温で濾過する。
【0147】
固体をメチルエチルケトン及びジエチルエーテルで洗浄し、真空内で乾燥し、式(BB−03)の1.29gの最終生成物を得る。
【0148】

【0149】
【化21】

【0150】
実施例A4:
WO2006/081245(実施例1a)に記載されているスルホン酸アゾ染料と、5mLの塩化チエニルと、数滴のDMFとの混合物を室温で4時間撹拌する。
【0151】
次いで、塩化チエニルを減圧下で除去する。
【0152】
第一級及び第二級窒素原子を含有するポリマーとの反応のために、精製することなく式(BB−04)の粗生成物を用いる。
【0153】
【化22】

【0154】
実施例A5:
WO2006/136617に記載されている0.11gのチアゾリウムアゾ化合物(例、AZO−120a)及び0.289gのジブロモプロパンを、80℃で1日間5mLのNMP中で撹拌する。
【0155】
生成物を、濾過によって回収し、ジエチルエーテルで洗浄し、乾燥して、式(BB−05)の0.11gの暗色粉末を得る。
【0156】
LC−MS:m/z414,416(M+),UV/VIS:λmax598nm.
【化23】

【0157】
実施例A6:
WO2006/136617に記載されている5gのチアゾリウムアゾ化合物(例、AZO−118a)と、3.37mLのエピクロロヒドリンと、18mLの酢酸との混合物を50℃で3.5時間撹拌する。
【0158】
溶媒を減圧下で蒸発させ、残渣をジエチルエーテルで処理する。
【0159】
得られた固体をアセトンに溶解させ、ジエチルエーテルにより沈殿させ、式(BB−06)の6.0gの青色固体を得る。
【0160】

【0161】
【化24】

【0162】
実施例A7:
WO2006/136617に記載されている5.04gのチアゾリウムアゾ化合物(例、AZO−120a)と2.7mLのエピクロロヒドリンとの混合物を50℃で1時間25mLの酢酸中で撹拌する。
【0163】
溶媒を減圧下で蒸発させ、残渣を200mLのアセトン中で2日間撹拌する。
【0164】
次いで、固体を濾過によって回収し、アセトンによって洗浄し、減圧下で乾燥させ、式(BB−07)の5.9gの暗色固体を得る。
【0165】

【0166】
【化25】

【0167】
実施例A8:
ステップ1:80mLのクロロベンゼン(abs.)における30.0gの1,4−ビストシルアントラキノン(Showalter et al.Tetrahedron Letters,26(2),157−160,1985)と11.19gの3−ジメチルアミノ−1−プロピルアミンとの混合物を100℃で2時間攪拌する(TLCによる反応制御)。
【0168】
減圧下で溶媒を除去し、シリカゲルカラムクロマトグラフィ(CH2Cl:MeOH 15:1)によって粗生成物を精製し、生成物を暗赤色油分として得る。
収量:17.17g。
【0169】

【0170】
ステップ2:750mLのメタノールにおけるステップ1からの16.85gの生成物と3.73gのNa2CO3と7.97gの硫酸ジメチルとの混合物を、室温で18時間及び50℃で2.5時間撹拌する。
【0171】
40℃の減圧下で溶媒を除去する。
【0172】
残渣を、ジクロロメタン(600mL)で洗浄し、次いで水で洗浄する。
【0173】
生成物を乾燥して、式(BB−10)の12.15gの赤色固体を得る。
【0174】

【0175】
【化26】

【0176】
実施例A9:
ステップ1:100mLのクロロベンゼンabs.における30.0gの1,4−ビストシルアントラキノン(Showalter et al.,Tetrahedron Lett.Vol.26,No.2,157−160,1985)と20.54gの1−(3−アミノプロピル)−イミダゾールと5,53gのトリエチルアミンとの混合物を100℃で1.5時間撹拌する(TLCによる反応制御)。
【0177】
混合物を室温に冷却し、160mLのヘキサンに注ぐ。
【0178】
油分及び固体が析出し、ヘキサンをデカントする。
【0179】
エタノールを残渣に添加し、懸濁液を濾過する。
【0180】
得られた固体をヘキサン/アセトン(50:1)の混合物で洗浄し、純粋なヘキサンでもう一度洗浄する。
【0181】
濾過後、生成物を乾燥させる(赤色固体)。
【0182】
収量:13.0g(47%)

【0183】
ステップ2:105mLのメタノール/ジクロロメタン(2:1)におけるステップ1において得られた1.6gの生成物と2.68gのNaHCO3と1.0gの硫酸ジメチルとの混合物を、室温で18時間及び50℃で1時間撹拌する。
【0184】
混合物を濾過し、濾液の溶媒を40℃の減圧下で除去する。
【0185】
ジクロロメタン(500mL)を残渣に添加し、撹拌する。
【0186】
濾過後、ジクロロメタンで固体を再度洗浄する。
【0187】
洗浄溶液を組み合わせ、蒸発させ、赤色固体として式(BB−11)の生成物を得る。
【0188】
収量:1.99g(99%)

【0189】
【化27】

【0190】
実施例A10:
ステップ1:12.5gのビス2−クロロエチルアミンヒドロクロリドを16.5mLの水に可溶化し、17.5mLのNaOHの4N水溶液で中和し、遊離アミンを35mLのジクロロメタンにおいて3回抽出する。
【0191】
50mLのジクロロメタン及び10mLのジオキサンにおける4.37g(10ミリモル)の1−アミノ−4―ブロモアントラキノン−2−スルホニルクロリドヒドロクロリド(CAS 40495−69−0)の混合物にアミンの回収溶液を30分以内で滴下する。
【0192】
反応混合物を39℃で25時間加熱する。
【0193】
冷却後、20mLの水を添加し、生成物を濾過し、8mLのメタノール中に入れ、再度濾過し、メタノールで洗浄する。
【0194】
橙色粉末を乾燥させて2.6gの1−アミノ−4−ブロモアントラキノン−2−スルホン酸ビス−(2−クロロ−エチル)−アミドを得る。
【0195】

【0196】
ステップ2:1.63gの1−アミノ−4−ブロモアントラキノン−2−スルホン酸ビス−(2−クロロ−エチル)−アミドを、100℃で3日間、24.2mLのピリジンで反応させる。
【0197】
冷却後、生成物を濾過し、2.5mLのピリジンと2.5mLのブタノールとの混合物で洗浄し、次いでブタノールで2回洗浄する。
【0198】
乾燥後、式(BB−23)の1.1gの橙色〜赤色の粉末を得る。
【0199】

【0200】
【化28】

【0201】
実施例A11:
特許WO07039529に記載されるように調製した291mg(0.696ミリモル)のピペラジニルフェノキサジンを3mLのNMPに可溶化する。
【0202】
溶液を氷及びアセトンの浴槽内で冷却し、110mg(0.696ミリモル)のブロモアセチルクロリドを添加する。
【0203】
次いで反応混合物を室温で終夜撹拌する。
【0204】
生成物を15mLの酢酸エチルにより沈殿させ、濾過し、20mLの酢酸エチルで洗浄し、乾燥して、式(BB−24)の73%の濃青色粉末を得る。
【0205】
MS(E+):m/z=413.
【化29】

【0206】
式(BB−12)、(BB−13)及び(BB−14)の染料構成要素は、WO2006/136617に開示されており、ポリマー染料を調製するために用いることも可能である:
【表2】

【0207】
更にポリマー染料は、EP0757083に記載されている以下の染料構成要素を用いて調製することも可能である:
【表3】

【0208】
本発明に記載のポリマー染料を、以下のポリマーを使用して調製した:
【表4】

【0209】
第1表に示す条件を用いて、記載の染料構成要素をポリマー1〜10と反応させることによってポリマー染料を調製する。特許EP0757083に記載される染料構成要素から調製するポリマー染料について、第2表に反応条件を示す。
【0210】
以下の処理手法を用いてポリマー染料を単離した:
処理手法1:
ジエチルエーテルの添加によって生成物を単離する。
【0211】
処理手法2:
ジエチルエーテルの添加による油の単離。油をH2Oに溶解し、ジクロロメタンで抽出する。
【0212】
水相へのアセトニトリルの添加により生成物を沈殿させる。
【0213】
処理手法3:
溶媒を減圧下で除去する。残渣をH2Oに溶解し、アセトニトリルの添加により生成物を沈殿させる。
【0214】
処理手法4:
溶媒を減圧下で除去する。沈殿した残渣及び生成物にアセトニトリルを添加する。
【0215】
処理手法5:
溶媒の蒸発によって生成物を得る。
【0216】
処理手法6:
反応混合物を室温に冷却し、1当量の塩酸(PEI窒素原子の数に対して)を添加する。
【0217】
沈殿した生成物を濾別し、真空中で乾燥させる。
【0218】
処理手法7:
生成物を濾過によって回収し、アセトンで洗浄し、乾燥させる。
【0219】
【表5】

【0220】
【表6】

【0221】
【表7】

【0222】
実施例A39:
5mLのメタノールに0.3gのA14を溶解し、0.048mLの硫酸ジメチルを添加する。
【0223】
室温で20時間撹拌した後、溶媒を蒸発させて暗色固体として生成物を得る。
【0224】
収量:0.27g。
【0225】

【0226】
実施例A40:
5mLのメタノールに0.3gのA15を溶解させ、0.048mLの硫酸ジメチルを添加する。
【0227】
室温で20時間撹拌した後、溶媒を蒸発させて暗色固体として生成物を得る。
【0228】
収量:0.33g。
【0229】

実施例A41:
5mLのクロロベンゼンにおける0.5gのチアゾリウムアゾ塩基(CAS3771−31−1)と1.63mLの1,3−ジブロモプロパンとの混合物を100℃で24時間撹拌する。
【0230】
反応混合物を室温に冷却し、濾過する。
【0231】
濾過ケーキを、クロロベンゼン、トルエン及びジエチルエーテルで洗浄し、減圧下で乾燥し、式(BB−08)の0.69gの黒色粉末を得る。
【0232】
また、この反応染料構成要素を、ポリマー染料の調製のために使用することもできる。
LC−MS(ES+):m/z434,436(1:1).
UV/VIS:λmax 585nm.
【化30】

実施例A42:
1.5mLの水に0.063gのポリマー2を溶解させる。
【0233】
0.31gの染料BB−23と、0.128gの炭酸カリウムと、0.007gの銅と、0.01gの塩化銅(I)とを添加する。
【0234】
反応混合物を80℃で4時間撹拌する。
【0235】
冷却後に、反応混合物を乾燥状態に蒸発させ、残渣をメタノール中に入れ、浄化する。
【0236】
次いでメタノール溶液を蒸発させ、固体を、ジクロロメタン及び酢酸エチルにより2回洗浄し、乾燥させ、0.25gの暗色粉末を得るが、前記暗色粉末は、灰色がかった青色の色合いの毛を染色するために使用可能である。
【0237】
実施例A43:
ステップ1
30mLのクロロホルムにおける2.37gの1−アミノ−4−(3−ジメチルアミノプロピル)アミノ−アントラキノン(CAS−no.65274−31−9)と7.5mLのジブロモプロパンとの溶液を60℃で16時間撹拌する。
【0238】
室温に反応混合物を冷却した後、生成物を濾別し、30℃の真空下で乾燥させ、式BB−33の3.25gの青色粉末を得る。
【0239】
MS(ES+):m/z444,446.UV/VIS(メタノール):λmax 603nm.

【0240】
【化31】

【0241】
ステップ2
ステップ1からの0.95gのBB−33及び0.345gのポリマー11を30mLのクロロホルムと混合する。
【0242】
混合物を50℃で3日間撹拌し、次いでそれを室温に冷却し、濾過によって沈殿物を回収する。
【0243】
固体を40℃の減圧下で乾燥させて1.05gの黒色固体を得る。
【0244】

【0245】
実施例A44:
ステップ1
100mLのメタノールに15.1gの1−アミノ−4−(3−ジメチルアミノプロピル)アミノ−アントラキノン(CAS−no.65274−31−9)と23.3gのNaHCO3とを溶解させる。
【0246】
次いで、6.9mLの硫酸ジメチルを徐々に添加する。
【0247】
反応混合物を30〜40℃で26時間撹拌する。
【0248】
次いで、濾過によって無機塩を除去し、減圧下で溶媒を除去する。
【0249】
残渣を、tert−ブチルメチルエーテル及びジメチルエーテルで洗浄し、最後に乾燥させ、式BB−34の18.8gの濃青色固体を得る。
【0250】
MS(ES+):m/z338(M+)
UV/VIS(メタノール):λmax 610nm.

【0251】
【化32】

【0252】
ステップ2
20mLの水にステップ1からの0.21gのBB−34と0.06gの塩化シアヌルとを混合する。
【0253】
次いで、反応混合物を50℃で1時間撹拌し、pH値7を維持する。
【0254】
次いで、0.112gのポリマー2を添加し、反応混合物を90℃で3時間撹拌する。
【0255】
次いで、溶媒を減圧下で除去して0.116gの暗色固体を得る。
【0256】
実施例A45:
0.048gのトリエチルアミン(0.47ミリモル)の存在下での4mLのエタノールと6mLのアセトニトリルとの混合物における0.071gのJeffamine T−403[39423−51−3](0.45ミリモル)と0.236gのBB−33(0.45ミリモル)との溶液を75℃で30時間撹拌した。冷却後、反応混合物を12mLの酢酸エチルで希釈し、沈殿した固体を濾別し、酢酸エチルで洗浄した。ポリマーを真空下で乾燥させて0.124g(46%)の暗青色粉末を得た。
【0257】
実施例A46:
【化33】

【0258】
4mLのアセトニトリルにおける0.4gのBB124(1.3ミリモル)と2.96gのクロロアセチルクロライド(26.2ミリモル)との溶液を40℃で4時間撹拌した。冷却後、反応混合物を60mLの酢酸エチルで希釈した。沈殿した固体を濾別し、酢酸エチルで2回洗浄し、真空下で乾燥後に式BB−34の0.34g(68%)の暗青色粉末を得た。
【0259】
MS(ES+):m/z346.UV/VIS(メタノール):λmax 581nm。
【0260】

【0261】
実施例A47:
0.068gのPolyamine B(Akzo Nobel)(1.59ミリモル当量N)を、55℃で21時間、2mLのメタノールにおいて式BB−34(0.5ミリモル)の0.2gの誘導体と反応させた。4時間。冷却後、反応混合物を8mLの酢酸エチルで希釈した。沈殿した固体を濾別し、酢酸エチルで2回洗浄した。得られた固体を真空下で乾燥させ、0.19g(76%)の濃青色粉末を得た。
【0262】

【0263】
実施例A48:
ステップ1:
【化34】

【0264】
21.14gのブロモアミン酸(50ミリモル)を室温で180の水と共に終夜撹拌した。15mLの水(50ミリモル)に可溶化した11.89gの2−(3−アミノフェニルスルホニル)エタノールヒドロクロリド[19076−03−0](50ミリモル)と1.19gの水酸化リチウムとを添加し、その後14gの炭酸水素ナトリウムを添加した。次いで、反応混合物を60℃に加熱した。1gの硫酸銅(II)・5H2O(4ミリモル)と5gのグルコース・1H2Oの12mLの水溶液を60℃で5時間に亘って4つに分けて添加した。反応後、6.3mLの60%硫酸を添加し、気体が発生した。それが停止した際、反応混合物を60℃で濾過し、20mLの水、200mLのメタノール、再度500mLの水で洗浄し、真空下で乾燥後、式BB−35の24.3g(90%)のカップリング生成物を得た。
【0265】

【0266】
ステップ2:
【化35】

【0267】
2.48gのチオ尿素[62−56−6](32.6ミリモル)及び4.7gのN−(2−クロロエチル)−N,N−ジメチルアンモニウムクロリド[4584−46−7](32.6ミリモル)を135gの水中に還流下で16時間撹拌した。反応混合物がpH11に達するまで36%の水酸化ナトリウム溶液を添加した。次いで式BB−35の10.48gの生成物(20ミリモル)を添加し、反応混合物を還流下で更に8時間撹拌した。冷却後、反応混合物を濾過し、50mLの水/メタノール(1/1)で洗浄し、次いで50mLのメタノールで洗浄する。真空下で乾燥した後、式BB―36の8.54g(81%)の生成物を得た。
【0268】

【0269】
ステップ3:
【化36】

【0270】
式BB−36の8.25gの生成物(16.2ミリモル)を270mLのトルエンに懸濁させ、70℃に加熱する。1.69mLの硫酸ジメチル[77−78−1](17.8ミリモル)を70℃で3時間に亘って滴下し、73℃で2.5時間撹拌した。室温に冷却後、それを濾別し、200mLのイソプロパノールで洗浄した。真空下で乾燥後、式BB−37の10.11g(95%)の濃青色粉末を得た。
【0271】

【0272】
ステップ4:
【化37】

【0273】
式BB−37の10.04gの生成物(15.4ミリモル)を氷浴中で冷却した。38.7gの発煙硫酸(25%SO3)[8014−95−7]を添加し、反応混合物を室温で24時間撹拌した。次いで、187gの氷を含むフラスコに反応混合物を滴下し、次いで10分間撹拌した。得られた固体を濾過し、洗浄し、式BB―38の8.6g(90%)の生成物を得た。
【0274】

【0275】
実施例A49:
60mLのメタノール中で式BB−38の3.93gの生成物(6.35ミリモル)を撹拌し、2.73gのポリエチレンイミンを(Aldrich Mn=423)(63.45ミリモルN)を添加し、反応混合物を65℃で4時間撹拌した。反応混合物をデカントし、溶液を乾燥状態に蒸発させ、4.79gの青色のポリマーを得る。
【0276】

【0277】
実施例A50:
0.034gのJeffamine(6.31ミリモルN/g pol[39423−51−3]を、0.023gのトリエチルアミン(0.226ミリモル)の存在下で60℃で23時間、1.5mLのメタノールと1.5mLのアセトニトリルとの混合物において式BB−38の0.2gの生成物(0.323ミリモル)と反応させた。次いで反応混合物を20mLのメタノールで希釈した。ポリマーを濾別して、メタノールで洗浄した。真空下で乾燥後、0.105g(49%)の濃青色粉末を得た。
【0278】

【0279】
実施例A51:
【化38】

【0280】
12.7mLのピリジン及び12.7mLのトルエンにおけるJ.Med.Chem.1992,vol.35,n°23,4259−4263に記載されるように調製した1.27gの1,4−ビス[(3−クロロ−2−ヒドロキシプロピル)アミノ]−9,10−アントラセンジオン(30ミリモル)の混合物を、窒素雰囲気下で2日間、100℃で加熱した。冷却後、反応混合物を乾燥状態に蒸発させ、ジオキサン及びメタノール(1/1)の混合物により再結晶させた。固体を濾別し、ジオキサンで洗浄した。真空下で乾燥後、式BB−39の1.08gの濃青色粉末を72%得た。
【0281】

【0282】
実施例A52:
0.063gのPolyamine B(Akzo Nobel)(1.47ミリモル)と式BB−39の0.270gの生成物(0.485ミリモル)との溶液を、100℃で2日間、1mLの1−ブタノールにおいて反応させた。ブタノールを蒸発させ、反応混合物を20mLのエタノール中に入れた。固体を濾別し、エタノールで洗浄した。真空下で乾燥後、0.124g(40%)の濃青色粉末を得た。
【0283】

【0284】
実施例A53:
Polyamine Bの代わりにLupasolを用いたA52と同じ手法。0.140g(45%)のポリマーを得た。
【0285】

【0286】
B.塗布例:
毛髪試料
塗布例のために、以下の毛髪の種類を使用した:
−ブロンドの毛髪1房(VIRGIN White Hair fro IMHAIR Ltd.,via G. Verga 8,90134 Palermo(Italy))
−中位のブロンドの毛髪1房(UNA−Europ.nature hair,Color middle blonde from Fischbach & Miller,Postfach 1163,88461 Laupheim,Germany)
−ブリーチした毛髪1房(UNA−Europ.nature hair,Color white bleached blonde from Fischbach & Miller,Postfach 1163,88461 Laupheim,Germany)。
【0287】
着色溶液:
実施例A10〜A29に記載される染料の内の1種0.1%w/wを、Plantaren溶液(水における10%w/wのPlantacare 200UP(ID:185971.5);50%のクエン酸溶液又はモノエタノールアミン溶液でpHを9.5に調整)に溶解する。
【0288】
幾つかの実施例について、異なる溶媒又は溶媒混合物を用いるが、それらを第3表に示す。
【0289】
染色手法:
毛髪の房を、以下の手法に従って染色する:
着色剤溶液を乾燥毛髪に直接塗布し、室温で20分間インキュベートし、次いで水道水(水温度:37℃±1℃;水の流速:5〜6L/分)で水洗する。
【0290】
次いで、房を紙タオルで押圧し、ガラスプレート上で室温で終夜乾燥させる。
【0291】
洗浄堅牢性
洗浄堅牢性の決定のため、2組の頭髪の房を同じ条件下で染色する。
【0292】
染色した1組の房を、水道水(水温度:37℃±1℃;流速5〜6L/分)で各房について約0.5gのシャンプーを用いて市販のシャンプー(GOLDWELL definition Color & Highlights、カラーコンディショナーシャンプー)で洗浄する。
【0293】
最後に、房を水道水で水洗し、紙タオルで押圧し、コーミングし、ヘアドライヤにより、又は、室温で乾燥する。
【0294】
この手法を10回繰り返す。
【0295】
CIELAB表色系における着色した毛髪の房の色位置を分光測光法で決定することが可能であり、それにより直角座標L*(明度)、a*及びb*或いは極座標L*、C*(彩度)及びh(色相)が得られる[W.Herbst & K.Hunger in Industrial Organic Pigments,VCH Verlagsgesellschaft,2nd Ed.1997,page 50及びその中の参考文献。
【0296】
別の参考文献は、M.−Bohnert et al.,Rechtsmedizin(1998)8,207−211である]。
【0297】
比色法による反射率測定を、以下の分光光度計によって行う:測定の幾何学的配置が拡散照明及び視野8°のD65にフィルターをかけたキセノン光源を備えた"Datacolor Spectraflash SF 450"。
【0298】
6.6mmの開口部(穴)を有するプレートを使用して、毛髪の房の測定を、測定する頭部上で直接行う。
【0299】
測定を8回行い、平均値を用いる。
【0300】
測定前に、Datacolorによって提供される黒色及び白色標準を用いて分光光度計を較正する。
【0301】
次いで、洗浄していない房の組と比較した洗浄した房の組の色の減少を、以下によるGrey Scaleを用いて評価する:Industrial Organic Pigments by Herbst&Hunger,2nd ed.,p.61,Nr10:DIN 54 001−8−1982,"Herstellung und Bewertung der Aenderung der Farbe",ISO 105−A02−1993。
【0302】
【表8−1】

【0303】
【表8−2】

【0304】
【表8−3】

【0305】
【表8−4】

【0306】
【表8−5】

【0307】
ポリマー染料の混合物:
染料エマルション(pH=10.5)
【表9】

を1.5質量%の9%過酸化水素溶液と混合し、直ちに混合物を茶色の毛髪の房に塗布する。
【0308】
30分後、房を水洗し、シャンプーし、水洗し、乾燥させる。
【0309】
染色した房の色を第4表及び第5表に示す。
【0310】
【表10】

【0311】
【表11】

【0312】
実施例B33:
1部の赤色溶液(特許出願EP2007/056945の実施例A7の0.1質量%の着色溶液)と、4部の黄色溶液(特許出願EP2007/056945の実施例A28の0.1質量%の着色溶液)と、4部の青色溶液(実施例A15の0.1質量%の着色溶液)とを混合することによって染色を調製する。
【0313】
この溶液を、上記の通りのブロンドの、中位のブロンドの、及びブリーチした毛髪に塗布する。
【0314】
3つ全ての束を暗茶色の色合いに染色する。
【0315】
実施例B34:
1部の赤色溶液(特許出願EP2007/056945の実施例A7の0.1質量%の着色溶液)と、4部の黄色溶液(特許出願EP2007/056945の実施例A28の0.1質量%の着色溶液)と、4部の青色溶液(実施例A20の0.3質量%の着色溶液)とを混合することによって染色を調製する。
【0316】
この溶液を、上記の通りのブロンドの、中位のブロンドの、及びブリーチした毛髪に塗布する。3つ全ての束を茶色の色合いに染色する。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
a)ポリマー主鎖と、
b)有機染料の残基と、
c)場合により無色有機基と
を含む、h=210°〜330°の色相値を有するカチオン性ポリマー染料であって、(b)及び(c)がポリマー主鎖(a)に共有結合し、且つ、カチオン電荷が独立して前記染料又は前記無色有機基の一部であってよいカチオン性ポリマー染料。
【請求項2】
前記有機染料(b)の残基が、アントラキノン染料、アゾ染料、トリフェニルメタン染料、ジオキサジン染料、インジゴイド染料、インドフェノール染料、ナフタルイミド染料、ナフトキノン染料、ナフトキノンイミン染料、ベンズインドリウム染料、キノリニウムイミン染料、オキサジン染料、フタロシアニン染料、フェナジン染料及びチアジン染料の群から選択される、請求項1に記載のポリマー染料。
【請求項3】
前記有機染料(b)の残基がアントラキノン染料及びアゾ染料の群から選択される、請求項1又は2に記載のポリマー染料。
【請求項4】
前記有機染料(b)の残基が、1,4−ジアミノアントラキノン染料、チアゾールアゾ染料、ベンゾチアゾールアゾ染料、チアジアゾールアゾ染料及びイミダゾールアゾ染料の群から選択される、請求項1〜3の1項に記載のポリマー染料。
【請求項5】
前記有機染料(b)の1〜3個の異なる残基がポリマー主鎖(a)に結合する、請求項1〜4のいずれか1項に記載のポリマー染料。
【請求項6】
前記ポリマー主鎖(a)が、ポリエチレンイミン、ポリプロピレンイミン、ポリビニルアミン;ポリビニルイミン;ポリシロキサン;ポリスチレン、ポリビニルイミダゾール、ポリビニルピリジン、ポリ−DADMAC、ポリビニルアルコール、ポリアクリレート、ポリメタクリレート;一方ではヒドロキシル基末端ポリエーテル、ポリエステル又はポリブタジエンから、他方では脂肪族ポリイソシアネート又は芳香族ポリイソシアネートから誘導されたポリウレタン並びにそれらの前駆体;ジアミン及びジカルボン酸から及び/又はアミノカルボン酸又は対応するラクタムから誘導されたポリアミド及びコポリアミド;多糖類、デンプン、セルロース、リグニン;並びに前記のポリマーのコポリマー及び混合物から選択される、請求項1〜5のいずれか1項に記載のポリマー染料。
【請求項7】

【化1】

[式中、
A及びBは、互いに独立してポリマー主鎖(a)を表し;
1及びX2は、互いに独立して、−C1〜C30アルキレン−、−C2〜C12アルケニレン−、−C5〜C10アリーレン、−C5〜C10シクロアルキレン又は−C1〜C10アルキレン(C5〜C10アリーレン)から選択され、1個又は2個以上の−O−、−S−、−N=、−N(R1)−、S(O)−、−SO2−、−(CH2CH2−O)1-5−、−(CH2CH2CH2−O)1-5−、−C(O)−、−C(O)O−、−OC(O)−、
【化2】

、−CON(R1)−、−C(NR122−、−(R1)NC(O)−、−C(S)R1−、または場合により置換された、飽和又は不飽和、縮合又は非縮合、芳香族又は非芳香族(複素)環式二価基によって、一方又は両方の末端で中断及び/又は末端化されてよい結合基であり、前記二価基は、場合により少なくとも1個のヘテロ原子;−O−;−S−;−N(R1)−;−S(O)−;SO2−;−(CH2CH2−O)1-5−;−C(O)−;−C(O)O−、−OC(O)−;
【化3】

;−C(O)N(R1)−;S(O)2N(R1)−;−C(NR122−;−(R1)NC(O)−;−C(S)R1−;場合によりC1〜C30アルキル、C1〜C30アルコキシ、C2〜C12アルケニル、C5〜C10アリール、C5〜C10シクロアルキル、C1〜C10アルキル(C5〜C10アリーレン)、ハロゲン、ヒドロキシにより置換された、場合により少なくとも1個のヘテロ原子を含む飽和又は不飽和の、縮合又は非縮合の、芳香族又は非芳香族の二価基を含み;又は直接結合であり;
1及びR2は、互いに独立して、水素;非置換又は置換、直鎖状又は分枝状、単環式又は多環式の、中断された又は中断されていないC1〜C14アルキル;C1〜C14ヒドロキシアルキル;C1〜C14アミノアルキル;C2〜C14アルケニル;C6〜C10アリール;C6〜C10アリール−C1〜C10アルキル;又はC5〜C10アルキル(C5〜C10アリール)であり;
1及びY2は、互いに独立して、有機染料(b)の残基、水素、ハロゲン又はC1〜C6アルキル;C1〜C6アルコキシ;C1〜C6アルキルアミノ;C6〜C10アリールオキシ;C6〜C10アリールアミノ;SO21であり;ここでY1及びY2の内の少なくとも1つは、有機染料の残基であり;
An1及びAn2は、互いに独立してアニオンであり;
a及びbは、互いに独立して1〜3までの数であり;
mは、0〜5000の数であり;
nは、0〜5000の数であり;且つ
pは、1〜5000の数であり;
ここでm+n+pの合計≧3である]に相当する、請求項1〜6のいずれか1項に記載のポリマー染料。
【請求項8】
1及びX2が、互いに独立して、式(2a)
−(T)t(Z)z
[式中、
Tは、1個又は2個以上の−O−、−S−、−SO2−、−N(R5)−、−C(O)−、
【化4】

−CON(R5)−、−(R5)NC(O)−により一方又は両方の末端で中断及び/又は末端化されてよく、且つ、場合によりC1〜C6アルキル、C1〜C6アルコキシ、C6アリール、ハロゲン、ヒドロキシ又はY+により置換される、飽和又は不飽和、直鎖状又は分枝鎖状−C1〜C12アルキレン、−C(O)−、−(CH2CH2−O)1-5−、−(CH2CH2CH2−O)1-5−、−C(O)O−、−OC(O)−、−N(R1)−、−CON(R1)−、−(R1)NC(O)−、−O−、−S−、−S(O)−、−S(O)2−、−S(O)2−N(R1)−及び−N+(R1)(R2)−から選択される基;又は直接結合であり;
Zは、−(CH22SO2;−CH2CHRCO−NR1−;又は式
【化5】

のビラジカルであり;
1及びR2は、互いに独立して、水素;C1〜C6アルキル;C1〜C6アルコキシ;C1〜C6アルキルアミノ;C6〜C10アリールオキシ;又はC6〜C10アリールアミノであり;
aは、水素;C1〜C6アルキル;C1〜C6−アルコキシ;C1〜C6−アルキルアミノ;C6〜C10−アリールオキシ;C6〜C10−アリールアミノ;SO21;塩素;又はフッ素;
Yは、Ra;Y1a+;又はY2b+であり;
1a+及びY2b+は、ハロゲン;水素;CH3;或いはアントラキノン染料、アゾ染料、アゾメチン染料、ヒドラゾメチン染料、メロシアニン染料、メタン染料、ナフトキノンイミン染料、ナフタルイミド染料及びスチリル染料から選択される有機染料の残基であり、ここでY1a+及びY2b+の内の少なくとも1つは、有機染料の残基であり;且つ
a及びbは、互いに独立して1、2又は3である]の二価の基である、請求項1〜7のいずれか1項に記載のポリマー染料。
【請求項9】
Tが、−C2〜C3アルキレン−;−C(O);−C(O)−CH2−;及び−S(O)2−C2-6アルキレン−から選択され;
Zが、水素又はC1〜C6アルキル;或いは式
【化6】

のビラジカルであり;
1及びR2が、互いに独立して水素;C1〜C3アルキル;C1〜C4−アルコキシ;C1〜C4−アルキルアミノ;C6アリールオキシ;又はC6アリールアミノであり;
aが、塩素、フッ素、メチル又はSO2CH3であり;
1a+及びY2b+が、水素;ハロゲン;CH3;或いは1,4−ジアミノ置換アントラキノン染料、チアゾールアゾ染料、ベンゾチアゾールアゾ染料、チアジアゾールアゾ染料、イミダゾールアゾ染料及びナフタルイミド染料から選択される有機染料の残基であり、ここでY1a+及びY2b+の内の少なくとも1つは、有機染料の残基であり;
t及びzが、互いに独立して0又は1である(但し、t又はzの内の少なくとも1つは1である)、請求項1〜8のいずれか1項に記載の染料。
【請求項10】
前記ポリマー染料の分子量が400〜500000である、請求項1〜9のいずれか1項に記載の染料。
【請求項11】
前記ポリマーが、400〜1800g/モルの平均分子量を有するポリエチレンイミンであり、前記有機染料が、前記ポリエチレンイミンの第一級、第二級又は第三級アミンを介して結合する、請求項1〜10のいずれか1項に記載の染料。
【請求項12】
前記ポリマーが、4−ビニルピリジン又は2−ビニルピリジン又はビニルイミダゾールのホモポリマー又はコポリマーである、請求項1〜11のいずれか1項に記載の染料。
【請求項13】

【化7】

[式中、
ポリ−4−ビニルピリジンは、MW=1000及び500000g/モルの平均分子量を有し、
1は、アントラキノン染料及びアゾ染料から選択される有機染料(b)の残基であり、
1は、請求項7で定義され;及び
n:mの比は、1:10〜10:1である]に相当する、請求項1〜12のいずれか1項に記載の染料。
【請求項14】

【化8】

[式中、
3は、C1〜C5アルキルであり;及び
1、X2、Y1、Y2、m及びnは、請求項1で定義される]に相当する、請求項1〜12のいずれか1項に記載の染料。
【請求項15】

【化9】

[式中、
3は、C1〜C5アルキルであり;且つ
1、X2、Y1、Y2及びnは、請求項1で定義される]に相当する、請求項1〜12のいずれか1項に記載の染料。
【請求項16】
以下の反応染料構成要素
【化10−1】

【化10−2】

の内の少なくとも1つを用いることによる、請求項1に記載の染料の製造方法。
【請求項17】
ポリエチレンイミンと式(8)又は(10)の化合物との間の反応によって製造される染料。
【請求項18】
請求項1に定義される通りの式(1a)又は(1b)の少なくとも1種の染料を含む組成物。
【請求項19】
少なくとも1種の単一の更なる直接染料及び/又は酸化剤を更に含む、請求項18に記載の組成物。
【請求項20】
シャンプー、コンディショナー、ジェル又はエマルションの形態の請求項18又は19に記載の組成物。
【請求項21】
請求項1〜18のいずれか1項に記載の式(1a)、(1b)又は(1c)の少なくとも1種の染料或いは請求項18〜20のいずれか1項に記載の組成物で前記有機材料を処理する段階を含む、有機材料の染色方法。
【請求項22】
請求項1に定義される通りの式(1a)、(1b)又は(1c)の少なくとも1種の染料及び酸化剤及び場合により更なる直接染料で有機材料を処理する段階を含む、請求項21に記載の方法。
【請求項23】
請求項1に定義される通りの式(1a)、(1b)又は(1c)の少なくとも1種の化合物及び少なくとも1種の単一の酸化染料で有機材料を処理する段階、或いは、請求項1に定義される通りの式(1a)、(1b)又は(1c)の染料及び少なくとも1種の単一の酸化染料及び酸化剤で有機材料を処理する段階を含む、請求項21又は22に記載の方法。
【請求項24】
前記有機材料がケラチン含有繊維から選択される、請求項21〜23のいずれか1項に記載の方法。
【請求項25】
前記ケラチン含有繊維がヒトの毛である、請求項24に記載の方法。

【公表番号】特表2011−510126(P2011−510126A)
【公表日】平成23年3月31日(2011.3.31)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−542598(P2010−542598)
【出願日】平成21年1月7日(2009.1.7)
【国際出願番号】PCT/EP2009/050096
【国際公開番号】WO2009/090124
【国際公開日】平成21年7月23日(2009.7.23)
【出願人】(508020155)ビーエーエスエフ ソシエタス・ヨーロピア (2,842)
【氏名又は名称原語表記】BASF SE
【住所又は居所原語表記】D−67056 Ludwigshafen, Germany
【Fターム(参考)】