説明

青蜜柑生フルーツ薬理剤

【課題】柑橘栽培で、結実させる為の摘果は必須である。摘果廃棄される未成熟青蜜柑に含まれる有効成分の抽出のためにエタノール抽出を行っているが、エタノールと青蜜柑中の有効成分を蒸留選択抽出する為、耐熱性に乏しい有効成分は熱破壊され抽出できない。柑橘栽培で摘果廃棄される未成熟青蜜柑に含まれる有効成分の有効利用技術を提供する。
【解決手段】未成熟青蜜柑に含まれる有効成分を医薬剤、化粧剤、と食材に供するために、溶液抽出法に寄らずに、丸ごと青蜜柑果実を生のまま粉砕粒度数マイクロメータまで臼等で破砕粉砕し、さらに安息香酸塩で抗菌防腐処理した粉砕全青蜜柑果実。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
柑橘栽培で摘果廃棄される未成熟青蜜柑に含まれる有効成分の有効利用技術で、溶液抽出法による溶液混入を避け、加熱抽出法で失われる芳香成分も損なう事の無い、未成熟青蜜柑に含まれる有効成分の利用技術である。
【背景技術】
【0002】
柑橘栽培で結実させる為の摘果は必須である。たとえば、鹿児島県で温州みかん、早生晩生あわせて約4万トンの収穫があり(H17年)、摘果廃棄される青蜜柑は収穫される温州蜜柑の約10分の1の4千トンである。収穫前に摘果される成熟前の青蜜柑に含まれるヘスペリジン(ビタミンP)は抗酸化作用があり、その他の薬理作用成分も多く、芳しい芳香成分もある。柑橘農家にとって、摘果廃棄される青蜜柑(約4千トン)の換金商品化技術が求められている。
【0003】
現在、摘果青蜜柑有効成分の溶液抽出法として、n-ヘキサン、エーテル、アセトン、酢酸エチル、メタノール、エタノール、イソプロピルアルコール、ブタノール、1,3-ブチレングリコール、エチレングリコール、プロピレングリコール、グリセリン等を溶媒とする水溶液で、親油性の有効成分エキスを抽出し、医薬品化するやり方があり、青蜜柑を乾燥粉末化し、漢方薬としての利用法が考えられている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特許公開2005−278640
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
特許文献1においてエタノール抽出を行っているが、エタノールと青蜜柑中の有効成分を蒸留選択抽出する為、耐熱性に乏しい有効成分は熱破壊され抽出できない。また、溶液抽出法による溶液混入を避け、薬理作用多様成分や芳香成分を完全に抽出利用できない。
【課題を解決するための手段】
【0006】
丸ごと青蜜柑果実を生のまま粉砕粒度数マイクロメータまで臼等で破砕粉砕し、粉末液状化した粉砕全青蜜柑果実を食品添加物である安息香酸塩を抗菌防腐処理のため添加し、室温保存可能にし、青蜜柑本来の薬理作用多様成分や香料成分を損なわずに完全利用することを可能にした薬理剤と食材であり、粉砕粒度は適用例によって任意の大きさであるとする。
【発明の効果】
【0007】
粉末液状化した粉砕全青蜜柑果実はビタミンPに象徴される薬理作用多様成分や芳香成分のような有効成分を完全に閉じこめており、化粧品添加物として、化粧クリーム、スキンローション、ヘヤートニック、シェービングクリーム添加剤とし、全身シャンプーと化粧固形石鹸に薬理作用とともにスクラブ剤として粒度径を荒くし、混合でき、入浴用剤としてそのまま利用できる。
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下、本発明の実施の形態として実施例を説明する。実施例はあくまで例であって、適用例はこの限りではない。
【実施例1】
【0009】
青蜜柑生フルーツボディシャンプー実施例は株式会社グローエンジニヤリング製のRD1-15Gマルチミルで約20マイクロメータ径に臼引きした粉末液状化した青蜜柑に、0.4重量%安息香酸Naを添加して均等に攪拌混合するようにし、薬理作用として抗酸化作用、抗アレルギー作用のある青蜜柑生フルーツ薬理剤を作り、液体石鹸に青蜜柑生フルーツ薬理剤を10重量パーセント入れ、ボディシャンプーを構成した。
【実施例2】
【0010】
青蜜柑生フルーツ浴用剤の実施例は実施例1の方法により得られた約10マイクロメータ径の血行循環促進と抗アレルギー、抗酸化作用を持つ青蜜柑生フルーツ薬理剤を200リットル風呂水に対して、不織布袋に50グラム入れたうえ、防水袋(ビニール袋等)に入れて常温保存できるようにした。
【実施例3】
【0011】
スキンクリームの実施例は実施例1の方法により得られた約10マイクロメータ径以下の血行循環促進と抗アレルギー、抗酸化作用を持つ青蜜柑生フルーツ薬理剤を10重量パーセント入れワセリンを基剤にグリセリン、オリーブ油、トレハロースと安息香酸で構成した。
【実施例4】
【0012】
実施例1の方法で安息香酸の濃度を0.4%以下にした血行循環促進と抗アレルギー、抗酸化作用を持つ青蜜柑生フルーツ薬理剤に甘味料として砂糖、水あめ、もしくは蜂蜜を加え、生ジャムを構成した。
【実施例5】
【0013】
実施例1の方法で得られた血行循環促進と抗アレルギー、抗酸化作用を持つ青蜜柑生フルーツ薬理剤を石鹸基材に10%混合後乾燥させ、固形石鹸として洗顔石鹸を構成した。
【実施例6】
【0014】
実施例1の方法で得られた血行循環促進と抗アレルギー、抗酸化作用を持つ青蜜柑生フルーツ薬理剤を不織布マスクに含浸させ、使用直前にαアルブチンを基剤とするアスコルビン酸溶液をマスクにスプレーして、美白マスクを構成した。
【実施例7】
【0015】
実施例1の方法で得られた血行循環促進と抗アレルギー、抗酸化作用を持つ青蜜柑生フルーツ薬理剤を、アスコルビン酸、安息香酸塩の溶液に5%混ぜ、不織布マスクに含浸させ、ニキビ治療マスクを構成した。
【実施例8】
【0016】
実施例1の方法で得られた血行循環促進と抗アレルギー、抗酸化作用を持つ青蜜柑生フルーツ薬理剤を、トレハロースを基材とするアスコルビン酸、安息香酸塩の溶液に5%混ぜ、不織布マスクに含浸させ、皺のたるみ治療マスクを構成した。
【産業上の利用可能性】
【0017】
粉末液状化した粉砕全青蜜柑果実を食品添加物である安息香酸塩で抗菌防腐処理し、青蜜柑本来の薬理作用多様成分や香料成分を損なわずに完全利用でき、室温保存が可能であり、浴用剤、化粧品添加剤、医薬品や生ジャムに利用できる。


【特許請求の範囲】
【請求項1】
丸ごと青蜜柑果実を生のまま粉砕粒度数マイクロメータまで臼等で破砕粉砕し、粉末液状化した粉砕全青蜜柑果実を食品添加物である安息香酸塩で抗菌防腐処理し、室温保存可能にし、青蜜柑本来の薬理作用多様成分や香料成分を損なわず完全な形で利用できる、青蜜柑生フルーツ薬理剤であり、粉砕粒度は適用例によって任意の大きさである薬理剤。
【請求項2】
化粧品組成物中に含有することを特徴とする請求項1により得られた粉末液状化した青蜜柑生フルーツ薬理剤。
【請求項3】
医薬品組成物中に含有することを特徴とする請求項1により得られた粉末液状化した青蜜柑生フルーツ薬理剤。
【請求項4】
食品組成物中に含有することを特徴とする請求項1により得られた粉末液状化した青蜜柑生フルーツ薬理剤。

【公開番号】特開2011−190188(P2011−190188A)
【公開日】平成23年9月29日(2011.9.29)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−55787(P2010−55787)
【出願日】平成22年3月12日(2010.3.12)
【出願人】(310005489)株式会社JSV (6)
【Fターム(参考)】