説明

静圧気体軸受スピンドル及びそれを備えた静電塗装装置

【課題】ハウジングの外径寸法を減少させることが可能であり、軽量化及び小型化が可能な静圧気体軸受スピンドルを提供する。
【解決手段】ハウジング2内へ静圧気体軸受6により回転可能に支持されている回転軸4の一端側へ取り付けられ、且つタービン羽根12を有する円板状のタービン部10と、ハウジング2に形成され、且つタービン羽根12へ向けて気体を噴出するためのタービンエア噴出用ノズル部22を備え、ハウジング2は、軸方向の両端面のうちタービンエア噴出用ノズル部22に近い側の端面である第一ハウジング端面2a側に形成された凹状溝24と、タービンエア噴出用ノズル部22と凹状溝24とを連通するタービンエア供給用連通路28を有し、凹状溝24は、回転軸4の径方向及び軸方向から見て、タービン部10と重ならない位置に形成されている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、例えば、塗装装置等が備え、回転軸を静圧気体軸受により非接触の状態で回転可能に支持する静圧気体軸受スピンドルと、この静圧気体軸受スピンドルを備えた静電塗装装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、塗装装置等が備え、回転軸を、静圧気体軸受により圧縮空気等を介して非接触の状態で回転可能に支持する静圧気体軸受スピンドルとしては、例えば、特許文献1に記載されているものがある。
特許文献1に記載されている静圧気体軸受スピンドルは、静圧気体軸受へ気体(圧縮空気)を供給するための供給路を、回転軸の外径面と微小な隙間(軸受隙間)を有して対向する面(軸受面)に開口した複数の絞り孔と、同一横断面内に配列された複数の絞り穴を円周方向に連通させる一連の多角形給気通路をハウジングに形成している。ここで、横断面とは、回転軸の径方向から見た断面である。
【0003】
そして、特許文献1に記載されている静圧気体軸受スピンドルでは、複数の絞り穴から軸受隙間へ圧縮空気を流入させて、回転軸をハウジングの軸受面に対して非接触支持する構成としている。すなわち、特許文献1に記載されている静圧気体軸受スピンドルでは、静圧気体軸受へ供給する圧縮空気を、回転軸の円周方向へ循環させるために、静圧気体軸受への気体の供給経路を、絞り穴と多角形給気通路から形成している。
【0004】
しかしながら、回転軸を回転させるために用いる気体(タービンエア)は、静圧気体軸受へ供給する気体と比較して、単位時間当たりの流量が多い必要があるため、タービンエアの供給経路は、上述した多角形給気通路よりも断面積の大きい通路とする必要がある。
タービンエアの供給経路を、上述した多角形給気通路よりも断面積の大きい通路とした構成の静圧気体軸受スピンドルとしては、例えば、図5及び図6中に示す構造のものがある。なお、図5は、従来例の静圧気体軸受スピンドルの構成を示す図であり、静圧気体軸受スピンドルを、回転軸の軸方向から見た図である。また、図6は、図5のVI−VI線断面矢視図である。
【0005】
図5及び図6中に示すように、静圧気体軸受スピンドル1は、ハウジング2と、回転軸4と、静圧気体軸受6と、回転軸4を回転させるためのタービン部10を備えている。
ハウジング2は、円筒状に形成されており、軸方向に貫通する内部空間を有している。
回転軸4は、ハウジング2内に挿通されており、一端側(図6中では、右側)にタービン羽根12が取り付けられている
タービン部10は、円板状に形成されており、ハウジング2内に配置されている。また、タービン部10の外面には、外面から突出するタービン羽根12を有している。ここで、タービン部10のうち、タービン羽根12が突出している外面とは、回転軸4に取り付けられている面と反対側の面(図6中では、右側の面)である。
【0006】
静圧気体軸受6は、アキシアル軸受14と、ラジアル軸受16から形成されている。
アキシアル軸受14は、ハウジング2内において、タービン部10のうちタービン羽根12が突出していない面(図6中では、左側の面)と対向しており、外部から供給された気体(軸受エア)を用いて、タービン部10を、ハウジング2内で非接触の状態で回転可能に支持する。
ラジアル軸受16は、ハウジング2内において、回転軸4の外径面と対向しており、外部から供給された気体(軸受エア)を用いて、回転軸4を、ハウジング2内で非接触の状態で回転可能に支持する。
【0007】
また、ハウジング2内には、回転軸4が周方向へ回転するようにタービン羽根12へ向けて気体を噴出するためのタービンエア噴出用ノズル部22が形成されている。また、ハウジング2は、ハウジング2の軸方向の両端面のうち、タービンエア噴出用ノズル部22に近い面の側に、タービン部10の周方向全体(全周)に沿って形成された凹状溝24を有している。
また、ハウジング2の軸方向の両端面のうち、タービンエア噴出用ノズル部22に近い面には、凹状溝24と連通する開口部28aが開口しており、この開口部28aは、凹状溝24を介してタービンエア噴出用ノズル部22と連通するタービンエア供給用連通路28の一端を形成している。
【0008】
すなわち、タービンエア噴出用ノズル部22、凹状溝24及びタービンエア供給用連通路28は、タービンエアの供給経路を形成している。
ここで、上述したように、タービンエアの供給経路は断面積の大きい通路とする必要がある。このため、凹状溝24は、断面積を確保するために、タービン羽根12よりも外周側(タービン部10の外周側)に配置するとともに、回転軸4の径方向から見て、タービン羽根12と重なる位置に形成する(図6参照)。すなわち、凹状溝24は、ハウジング2のうち、最も外径側の部分に形成されることとなる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0009】
【特許文献1】特開平8‐326753号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
上述した従来例の静圧気体軸受スピンドルでは、タービンエアの供給経路を形成する凹状溝を、タービン羽根よりも外周側に配置するとともに、回転軸の径方向から見て、タービン羽根と重なる位置に形成している。
このため、凹状溝の位置が、回転軸の径方向から見て、タービン羽根と重なる位置となるため、凹状溝に、静圧気体軸受への気体の供給経路を形成する軸受エア供給用開口部を形成することは困難である。
これにより、ハウジングのうち回転軸の一端側が突出している面と反対側の面に、静圧気体軸受への気体の供給経路を形成する軸受エア供給用開口部を形成するための部分を確保するためには、ハウジングのうち、凹状溝を形成しない部分、すなわち、凹状溝よりも内径側の部分を拡大する必要がある。
【0011】
しかしながら、ハウジングのうち凹状溝よりも内径側の部分を拡大すると、ハウジングの外径寸法が増加するため、静圧気体軸受スピンドルの軽量化及び小型化が困難となるという問題が生じる。
本発明は、上記のような問題点に着目してなされたもので、ハウジングの外径寸法を減少させることが可能であり、軽量化及び小型化が可能な静圧気体軸受スピンドルを提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0012】
上記課題を解決するために、本発明のうち、請求項1に記載した発明は、ハウジングと、
前記ハウジング内へ静圧気体軸受により回転可能に支持されている回転軸と、
前記ハウジング内で前記回転軸の一端側へ取り付けられ、且つタービン羽根を有する円板状のタービン部と、
前記ハウジングに形成され、且つ前記タービン羽根へ向けて気体を噴出するためのタービンエア噴出用ノズル部と、を備え、
前記ハウジングは、軸方向の両端面のうち前記タービンエア噴出用ノズル部に近い側の端面である第一ハウジング端面側に形成された凹状溝と、前記タービンエア噴出用ノズル部と前記凹状溝とを連通するタービンエア供給用連通路と、を有し、
前記凹状溝は、前記回転軸の径方向及び軸方向から見て前記タービン部と重ならない位置に形成されていることを特徴とするものである。
【0013】
本発明によると、タービンエア供給用連通路によりタービンエア噴出用ノズル部と連通する凹状溝を、ハウジング内のうち、回転軸の径方向及び軸方向から見て、タービン部と重ならない位置に形成している。
このため、回転軸の径方向から見て、凹状溝の位置が、タービン部と重ならない位置となり、ハウジングのうち、回転軸の径方向から見て凹状溝と重なる位置に、静圧気体軸受への気体の供給経路を形成する開口部を形成することが可能となる。
【0014】
次に、本発明のうち、請求項2に記載した発明は、請求項1に従属する発明であって、前記凹状溝は、前記回転軸の周方向に沿って延びるとともに前記周方向で不連続な部分を有して形成され、
前記ハウジングは、前記不連続な部分である非凹状溝部分を有し、
前記回転軸の軸方向から見て前記第一ハウジング端面のうち前記非凹状溝部分と重なる部分に、前記タービン羽根のうち前記タービンエア噴出用ノズル部が気体を噴出する面の裏面へ向けて気体を噴出するためのブレーキエア噴出用ノズル部とブレーキエア供給用連通路を介して連通するブレーキエア供給用開口部、及び前記静圧気体軸受へ気体を供給するための軸受エア供給用連通路に連通する軸受エア供給用開口部のうち少なくとも一方を形成したことを特徴とするものである。
【0015】
本発明によると、凹状溝を、回転軸の周方向に沿って延びるとともに、回転軸の周方向で不連続な部分を有して形成し、ハウジングが、凹状溝の不連続な部分である非凹状溝部分を有している。これに加え、回転軸の軸方向から見て第一ハウジング端面のうち非凹状溝部分と重なる部分に、タービン羽根のうちタービンエア噴出用ノズル部が気体を噴出する面の裏面へ向けて気体を噴出するためのブレーキエア噴出用ノズル部とブレーキエア供給用連通路を介して連通するブレーキエア供給用開口部、及び静圧気体軸受へ気体を供給するための軸受エア供給用連通路に連通する軸受エア供給用開口部のうち少なくとも一方を形成している。
このため、ブレーキエア供給用開口部及び軸受エア供給用開口部のうち少なくとも一方を、回転軸の径方向から見て、凹状溝と重なる位置に形成することが可能となる。
【0016】
次に、本発明のうち、請求項3に記載した発明は、請求項2に従属する発明であって、前記非凹状溝部分のうち前記凹状溝の外周側の壁面と前記回転軸の径方向で対向する部分に、一箇所または複数個所の空隙部を形成したことを特徴とするものである。
本発明によると、非凹状溝部分のうち、凹状溝の外周側の壁面と回転軸の径方向で対向する部分に、一箇所または複数個所の空隙部を形成している。
このため、凹状溝と同様に空隙部へ供給された気体により、非凹状溝部分に回転軸の径方向への圧力(気圧)が加わるため、凹状溝及び空隙部へ気体が供給されると、凹状溝の内周側の壁面と非凹状溝部分に対し、回転軸の周方向に亘り、回転軸の径方向への圧力が加わることとなる。
【0017】
次に、本発明のうち、請求項4に記載した発明は、請求項1から請求項3のうちいずれか1項に従属する発明であって、前記ハウジングは、前記凹状溝が形成されている第一ハウジング部と、当該第一ハウジング部のうち前記第一ハウジング端面と反対側の面に取り付けられる第二ハウジング部と、を備え、
前記第一ハウジング部へ前記第二ハウジング部を取り付けるためのハウジング締結部材を、前記回転軸の軸方向から見て前記凹状溝と重なる位置に配置したことを特徴とするものである。
【0018】
本発明によると、ハウジングを、第一ハウジング部と第二ハウジング部を備える構成とし、第一ハウジング部へ第二ハウジング部を取り付けるためのハウジング締結部材を、回転軸の軸方向から見て凹状溝と重なる位置に配置している。
このため、ハウジング締結部材を、ハウジングのうち凹状溝よりも内径側の部分に配置せずに、第一ハウジング部へ第二ハウジング部を取り付けることが可能となる。
【0019】
次に、本発明のうち、請求項5に記載した発明は、請求項1から請求項4のうちいずれか1項に記載した静圧気体軸受スピンドルを備えたことを特徴とする静電塗装装置である。
本発明によると、静電塗装装置の構成を、軽量化及び小型化された静圧気体軸受スピンドルを備えた構成としている。
このため、静電塗装装置を、軽量化及び小型化することが可能となる。
【発明の効果】
【0020】
本発明によれば、回転軸の径方向から見た凹状溝の位置が、タービン部と重ならない位置となり、ハウジングのうち、回転軸の径方向から見て凹状溝と重なる位置に、静圧気体軸受への気体の供給経路を形成する開口部を形成することが可能となる。
このため、ハウジングのうち凹状溝よりも内径側の部分を拡大することなく、ハウジングのうち回転軸の一端側が突出している面と反対側の面に、静圧気体軸受への気体の供給経路を形成する開口部を形成するための部分を確保することが可能となる。これにより、ハウジングの外径寸法を減少させることが可能であり、軽量化及び小型化が可能な静圧気体軸受スピンドルを提供することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0021】
【図1】本発明の第一実施形態の静圧気体軸受スピンドルの構成を示す断面図である。
【図2】図1のII−II線断面矢視図である。
【図3】図2中に円IIIで囲んだ範囲及びその周辺を示す拡大図である。
【図4】図1中に円IVで囲んだ範囲及びその周辺を示す拡大図である。
【図5】従来例の静圧気体軸受スピンドルの構成を示す図であり、静圧気体軸受スピンドルを、回転軸の軸方向から見た図である。
【図6】図5のVI−VI線断面矢視図である。
【発明を実施するための形態】
【0022】
(第一実施形態)
以下、本発明の第一実施形態(以下、「本実施形態」と記載する)について、図面を参照しつつ説明する。
(構成)
まず、図1から図4を用いて、静圧気体軸受スピンドルの構成を説明する。
図1は、本実施形態の静圧気体軸受スピンドル1の構成を示す断面図である。また、図2は、図1のII−II線断面矢視図である。また、図3は、図2中に円IIIで囲んだ範囲及びその周辺を示す拡大図である。また、図4は、図1中に円IVで囲んだ範囲及びその周辺を示す拡大図である。なお、図1から図4中では、上述した従来例の静圧気体軸受スピンドル1と同様の構成については、図5及び図6中と同一の符合を付して示している。
【0023】
図1から図4中に示すように、静圧気体軸受スピンドル1は、ハウジング2と、回転軸4と、静圧気体軸受6を備えている。
本実施形態では、一例として、静圧気体軸受スピンドル1が、静電塗装装置に備えられている場合を説明する。すなわち、本実施形態の静圧気体軸受スピンドル1は、静電塗装装置に用いられている。
ハウジング2は、円筒状に形成されており、軸方向(図中では、双方向矢印で「軸方向」と示す)に貫通する内部空間を有している。なお、ハウジング2の詳細な構成については、後述する。
【0024】
回転軸4は、円筒状に形成されており、ハウジング2内へ、静圧気体軸受6により回転可能に支持されている。
回転軸4のうち、ハウジング2から突出している部分には、塗装用治具8が取り付けられている。塗装用治具8には、図外のタンクから塗料が供給される。
また、回転軸4の一端側(図2中では、右側)には、タービン羽根12が取り付けられている
タービン部10は、円板状に形成されており、ハウジング2内に配置されている。
【0025】
また、タービン部10は、外面から突出するタービン羽根12を複数有している。ここで、タービン部10のうち、タービン羽根12が突出している外面とは、回転軸4に取り付けられている面と反対側の面(図2中では、右側の面)である。
なお、本実施形態では、一例として、タービン部10とタービン羽根12を、一体物とした場合を説明するが、これに限定するものではなく、タービン部10とタービン羽根12を、別体としてもよい。
【0026】
複数のタービン羽根12は、それぞれ、高さ方向の断面が円弧状となるように形成された板状部材であり、タービン部10の外面上において、タービン部10の周方向(図中では、双方向矢印で「周方向」と示す)に沿って配列されている。
ここで、タービン羽根12の高さ方向とは、回転軸4の軸方向と平行である。また、複数のタービン羽根12は、円弧の向きを同一として、タービン部10の周方向に沿って、全周に亘り配列されている。
【0027】
静圧気体軸受6は、アキシアル軸受14と、ラジアル軸受16から形成されており、回転軸4及びタービン部10を、ハウジング2内で回転可能に支持している。
アキシアル軸受14は、ハウジング2内において、タービン部10のうちタービン羽根12が形成されていない面(図2中では、左側の面)と対向しており、外部から供給された気体(軸受エア)をタービン部10へ噴出して、回転軸4を非接触の状態で回転可能に支持する。
【0028】
また、アキシアル軸受14は、磁石(図示せず)を備えており、タービン部10へ噴出する軸受エアにより発生するアキシアル軸受14とタービン部10との反発力と、磁石が発生させる吸引力とのバランスを調節することによって、アキシアル軸受14とタービン部10との隙間(図2中で「軸方向」と示す方向の隙間)を、予め設定した適正値に保持している。
ラジアル軸受16は、ハウジング2内において、回転軸4の外径面と対向しており、外部から供給された気体(軸受エア)を用いて、回転軸4を非接触の状態で回転可能に支持する。
【0029】
以下、ハウジング2の詳細な構成について説明する。
ハウジング2は、第一ハウジング部18と、第二ハウジング部20を備えている。
第一ハウジング部18は、ハウジング2の軸方向の両端面のうち、後述するタービンエア噴出用ノズル部22に近い側の面である第一ハウジング端面2a(図2中では、右側の面)を有している。
【0030】
また、第一ハウジング部18は、凹状溝24と、第一軸受エア供給用連通路26と、タービンエア供給用連通路28と、タービンエア給気用連通路42と、ブレーキエア供給用連通路44を有している。
凹状溝24は、第一ハウジング部18の内部のうち、第一ハウジング端面2a側に形成されている。すなわち、凹状溝24は、第一ハウジング部18内において、ハウジング2の軸方向の両端面のうち、後述するタービンエア噴出用ノズル部22に近い側の面である第一ハウジング端面2a側に形成されている。
【0031】
また、凹状溝24は、回転軸4の径方向(図中では、双方向矢印で「径方向」と示す)及び軸方向から見て、タービン部10と重ならない位置に形成されている。
また、凹状溝24は、回転軸4の周方向に沿って延びるとともに、回転軸4の周方向で不連続な部分を有して形成されている。
これにより、第一ハウジング部18は、その内部のうち、第一ハウジング端面2a側に、凹状溝24が不連続な部分である非凹状溝部分30を有している。すなわち、ハウジング2は、その内部のうち、第一ハウジング端面2a側に、非凹状溝部分30を有している。
【0032】
また、回転軸4の軸方向から見て、第一ハウジング端面2aのうち、非凹状溝部分30と重なる部分には、第一軸受エア供給用連通路26に連通する軸受エア供給用開口部32が形成されている。
第一軸受エア供給用連通路26は、第一ハウジング部18の内部に形成されている。
また、第一軸受エア供給用連通路26の一端は、軸受エア供給用開口部32で形成されている。
【0033】
一方、第一軸受エア供給用連通路26の他端は、第一ハウジング部18のうち、第一ハウジング端面2aと反対側の面(図2中では、左側の面)に開口している。
また、非凹状溝部分30のうち、回転軸4の軸方向から見て、凹状溝24の外周側の壁面と回転軸4の径方向で対向する部分には、空隙部34が形成されている。
本実施形態では、一例として、一箇所の空隙部34が、回転軸4の周方向全体に亘って形成されており、一箇所の空隙部34により、非凹状溝部分30を間に挟んで回転軸4の周方向で対向する凹状溝24が連通している場合を説明する。
タービンエア供給用連通路28は、第一ハウジング部18の内部に形成されており、タービンエア噴出用ノズル部22と凹状溝24とを連通している。
具体的には、タービンエア供給用連通路28の一端は、凹状溝24の底面に開口(図中では、符合「28a」で示す)している。
【0034】
また、タービンエア供給用連通路28の内周面には、タービンエア噴出用ノズル部22に連通する開口部(図中では、符合「28b」で示す)が開口している。
なお、本実施形態では、一例として、タービンエア供給用連通路28が六箇所形成されている場合を説明する。また、六箇所のタービンエア供給用連通路28は、回転軸4の周方向に沿って、均等に配置されている。
【0035】
また、タービンエア供給用連通路28は、その内径が、タービンエア噴出用ノズル部22の内径以上となるように形成されている。また、タービンエア供給用連通路28とタービンエア噴出用ノズル部22は、第一ハウジング部18の内部において直交している。
タービンエア給気用連通路42は、第一ハウジング部18の内部に形成されている。
【0036】
また、タービンエア給気用連通路42の一端は、第一ハウジング端面2aに開口しており、タービンエア給気用連通路42の他端は、凹状溝24と連通している。
なお、図中及び以降の説明では、タービンエア給気用連通路42の一端であり、第一ハウジング端面2aに開口している開口部を、タービンエア供給用開口部42aと示す。
したがって、タービンエア給気用連通路42は、第一ハウジング部18の外部空間と凹状溝24とを連通させている。
【0037】
また、タービンエア供給用開口部42aは、凹状溝24を介して、タービンエア供給用連通路28に連通している。
タービンエア噴出用ノズル部22は、第一ハウジング部18の内径面に形成されており、回転軸4が周方向へ回転するように、タービン羽根12へ向けて気体を噴出するように形成されている。すなわち、第一ハウジング部18は、タービンエア噴出用ノズル部22を備えている。
なお、本実施形態では、タービンエア供給用連通路28が六箇所形成されている。このため、本実施形態では、タービンエア噴出用ノズル部22が六箇所形成され、タービンエア供給用連通路28と同様、回転軸4の周方向に沿って、均等に配置されている場合を説明する。
【0038】
具体的には、タービンエア噴出用ノズル部22の一端は、第一ハウジング部18の内径面において、タービン羽根12の凹状面(円弧が小さい面)と対向する方向へ気体を噴出する形状で開口している。
ブレーキエア供給用連通路44は、タービンエア給気用連通路42と同様、第一ハウジング部18の内部に形成されている。
【0039】
また、ブレーキエア供給用連通路44の一端は、第一ハウジング端面2aのうち、回転軸4の軸方向から見て非凹状溝部分30と重なる部分に開口しており、ブレーキエア供給用連通路44の他端は、ブレーキエア噴出用ノズル部46と連通している。
なお、図中及び以降の説明では、ブレーキエア供給用連通路44の一端であり、第一ハウジング端面2aのうち、回転軸4の軸方向から見て非凹状溝部分30と重なる部分に開口している開口部を、ブレーキエア供給用開口部44aと示す。
したがって、ブレーキエア供給用連通路44は、ブレーキエア供給用開口部44aを介して、第一ハウジング部18の外部空間とブレーキエア噴出用ノズル部46とを連通させている。
【0040】
ブレーキエア噴出用ノズル部46は、第一ハウジング部18の内径面に形成されており、タービン羽根12のうち、タービンエア噴出用ノズル部22が気体を噴出する面の裏面へ向けて気体を噴出するように形成されている。
これにより、ブレーキエア噴出用ノズル部46は、タービンエア噴出用ノズル部22から噴出された気体により周方向へ回転している回転軸4の回転を抑制するように、タービン羽根12へ向けて気体を噴出するように形成されている。
具体的には、ブレーキエア噴出用ノズル部46の一端は、第一ハウジング部18の内径面において、タービン羽根12の凹状面と反対側の面(円弧が大きい面)と対向する方向へ気体を噴出する形状で開口している。
【0041】
第二ハウジング部20は、ハウジング締結部材36を用いて、第一ハウジング部18の第一ハウジング端面2aと反対側の面に取り付けられている。
ハウジング締結部材36は、例えば、ボルトを用いて形成されており、第二ハウジング部20を貫通し、先端側が第一ハウジング部18内に螺合した状態で、第一ハウジング部18へ第二ハウジング部20を取り付けている。
【0042】
また、ハウジング締結部材36は、回転軸4の軸方向から見て凹状溝24と重なる位置に配置されている。
また、第二ハウジング部20の内部には、軸受エア供給用開口部32及び第一軸受エア供給用連通路26を介して、外部からアキシアル軸受14及びラジアル軸受16へ気体を供給するための第二軸受エア供給用連通路38が形成されている。
また、第二軸受エア供給用連通路38の一端は、第二ハウジング部20のうち、第一ハウジング部18と対向する面(図2中では、右側の面)に開口しており、第一軸受エア供給用連通路26の他端と連通している。
【0043】
一方、第二軸受エア供給用連通路38の他端側は、複数に分岐しており、これらの分岐先は、アキシアル軸受14及びラジアル軸受16に連通している。
以上により、第一軸受エア供給用連通路26及び第二軸受エア供給用連通路38は、外部からアキシアル軸受14及びラジアル軸受16へ気体を供給するための軸受エア供給用連通路を形成している。
【0044】
また、第二ハウジング部20の内部には、アキシアル軸受14及びラジアル軸受16へ噴出された気体をハウジング2の外部へ排気するための軸受エア排気路40が形成されている。
軸受エア排気路40の一端は、回転軸4及びタービン部10と第一ハウジング部18との間の空間に連通している。
一方、軸受エア排気路40の他端は、第二ハウジング部20のうち、第一ハウジング部18と対向する面と反対側の面(図2中では、左側の面)に開口している。
【0045】
(動作・作用)
次に、図1から図4を参照して、静圧気体軸受スピンドル1の動作・作用について説明する。
静圧気体軸受スピンドル1の使用時には、第一ハウジング部18の第一ハウジング端面2aに対し、軸受エア供給用開口部32及びタービンエア供給用開口部42aへ気体(圧縮空気)を供給可能なコンプレッサー等を接続する。
これに加え、静圧気体軸受スピンドル1の使用時には、第一ハウジング部18の第一ハウジング端面2aに対し、ブレーキエア供給用開口部44aへ気体を供給可能なコンプレッサー等を接続する。
【0046】
そして、これらの接続したコンプレッサー等から、軸受エア供給用開口部32及びタービンエア供給用開口部42aへ気体を供給して、静圧気体軸受スピンドル1を作動させる。
軸受エア供給用開口部32へ供給された気体は、第一軸受エア供給用連通路26及び第二軸受エア供給用連通路38を介して、アキシアル軸受14及びラジアル軸受16へ供給される。
これにより、アキシアル軸受14及びラジアル軸受16は、回転軸4を非接触の状態で回転可能に支持する。そして、アキシアル軸受14へ供給された気体は、タービン部10周辺を通過してハウジング2の外部へ通じる経路と、軸受エア排気路40を介してハウジング2の外部へ通じる経路から排気される。
【0047】
また、ラジアル軸受16へ供給された気体は、回転軸4の外径面へ噴出される。これにより、ラジアル軸受16は、回転軸4を非接触の状態で回転可能に支持する。そして、ラジアル軸受16へ供給され、回転軸4の外径面へ噴出された気体は、ラジアル軸受16からそのままハウジング2の外部へ通じる経路と、軸受エア排気路40を介してハウジング2の外部へ通じる経路から排気される。
タービンエア供給用開口部42aへ供給された気体は、凹状溝24へ供給され、凹状溝24内からタービンエア供給用連通路28へ移動して、タービンエア噴出用ノズル部22へ流入し、タービン羽根12へ向けて噴出される。
【0048】
タービン羽根12へ向けて噴出された気体は、回転軸4を周方向へ回転させる。
そして、回転軸4の回転に伴い、塗装用治具8も回転軸4の周方向へ回転する。
ここで、本実施形態では、静圧気体軸受スピンドル1を静電塗装装置に用いている。
したがって、軸受エア供給用開口部32へ気体を供給した状態で、タービンエア供給用開口部42aから凹状溝24及び空隙部34へ気体を供給し、次に、図外のタンクから、図示しないチューブを介して塗装用治具8へ塗料を供給する。これに加え、塗装用治具8は、マイナスに帯電させておく。これにより、塗装用治具8へ供給された塗料は、回転軸4の回転(高速回転)に伴って回転軸4の周方向へ回転(高速回転)する塗装用治具8より、回転による遠心力で微粒子化されることとなる。
【0049】
そして、微粒子化された塗料は、アースになっている被塗装面(材料の表面等)へ向けて、静電吸引力により移動し、被塗装面に付着する。
また、本実施形態では、静圧気体軸受スピンドル1の使用時に、タービンエア供給用開口部42aから、凹状溝24と共に、空隙部34へ気体を供給する。
このため、凹状溝24及び空隙部34へ気体が供給されると、非凹状溝部分30の空隙部34を形成した部分と、凹状溝24の内周側の壁面には、共に、回転軸4の周方向に亘り、回転軸4の径方向への圧力が加わることとなる。
これにより、静圧気体軸受スピンドル1の使用時には、第一ハウジング部18に対して、回転軸4の周方向に亘り、回転軸4の径方向への圧力が均一に加わることとなる。
【0050】
そして、被塗装面への塗装が終了した場合等、作動中の静圧気体軸受スピンドル1を停止させる場合には、第一ハウジング部18の第一ハウジング端面2aに接続したコンプレッサー等から、ブレーキエア供給用開口部44aへ気体を供給する。
ブレーキエア供給用開口部44aへ供給された気体は、ブレーキエア供給用連通路44へ移動して、ブレーキエア噴出用ノズル部46へ流入し、タービン羽根12の凹状面と反対側の面へ向けて噴出される。これにより、タービン羽根12の凹状面と反対側の面へ向けて噴出された気体は、周方向へ回転している回転軸4の回転を抑制する。このため、塗装用治具8の回転も抑制されて、作動中の静圧気体軸受スピンドル1が停止する。
【0051】
(第一実施形態の効果)
以下、本実施形態の効果を列挙する。
(1)本実施形態の静圧気体軸受スピンドル1では、タービンエア供給用連通路28によりタービンエア噴出用ノズル部22と連通する凹状溝24を、回転軸4の径方向及び軸方向から見て、タービン部10と重ならない位置に形成している。
このため、回転軸4の径方向から見た凹状溝24の位置が、タービン部10と重ならない位置となる。これにより、ハウジング2のうち、回転軸4の径方向から見て凹状溝24と重なる位置に、静圧気体軸受6への気体の供給経路を形成する軸受エア供給用開口部32を形成することが可能となる。
【0052】
その結果、ハウジング2のうち凹状溝24よりも内径側の部分を拡大することなく、ハウジング2のうち回転軸4の一端側が突出している面と反対側の面に、静圧気体軸受6への気体の供給経路を形成する軸受エア供給用開口部32を形成するための部分を確保することが可能となる。
これにより、ハウジング2の外径寸法を減少させることが可能となり、静圧気体軸受スピンドル1の軽量化及び小型化が可能となる。
【0053】
(2)本実施形態の静圧気体軸受スピンドル1では、凹状溝24を、回転軸4の周方向に沿って延びるとともに、回転軸4の周方向で不連続な部分を有して形成している。さらに、ハウジング2が、上記の不連続な部分である非凹状溝部分30を有している。これに加え、回転軸4の軸方向から見て、第一ハウジング端面2aのうち、非凹状溝部分30と重なる部分に、ブレーキエア噴出用ノズル部46へ気体を供給するためのブレーキエア供給用開口部44a、及び静圧気体軸受6へ気体を供給するための軸受エア供給用開口部32を形成している。
【0054】
このため、ブレーキエア噴出用ノズル部46への気体の供給経路を形成するブレーキエア供給用開口部44aと、静圧気体軸受6への気体の供給経路を形成する軸受エア供給用開口部32を、回転軸4の径方向から見て、凹状溝24と重なる位置に形成することが可能となる。
その結果、凹状溝24にブレーキエア供給用開口部44a及び軸受エア供給用開口部32を形成することなく、ハウジング2のうち回転軸4の一端側が突出している面と反対側の面に、ブレーキエア供給用開口部44a及び軸受エア供給用開口部32を形成するための部分を確保することが可能となる。
(3)本実施形態の静圧気体軸受スピンドル1では、非凹状溝部分30のうち、凹状溝24の外周側の壁面と回転軸4の径方向で対向する部分に、一箇所の空隙部34を形成している。
【0055】
このため、凹状溝24と同様に空隙部34へ供給された気体により、非凹状溝部分30に回転軸4の径方向への圧力(気圧)が加わるため、凹状溝24及び空隙部34へ気体が供給されると、凹状溝24の内周側の壁面と非凹状溝部分30に対して、回転軸4の周方向に亘り、回転軸4の径方向への圧力が加わることとなる。
その結果、凹状溝24及び空隙部34への気体の供給時において、第一ハウジング部18に加わる回転軸4の径方向への圧力を、回転軸4の周方向に亘って平均化することが可能となり、第一ハウジング部18を含むハウジング2の変形を抑制することが可能となる。
【0056】
(4)本実施形態の静圧気体軸受スピンドル1では、ハウジング2を、第一ハウジング部18と第二ハウジング部20を備える構成とし、第一ハウジング部18へ第二ハウジング部20を取り付けるためのハウジング締結部材36を、回転軸4の軸方向から見て凹状溝24と重なる位置に配置している。
このため、ハウジング締結部材36を、ハウジング2のうち凹状溝24よりも内径側の部分に配置せずに、第一ハウジング部18へ第二ハウジング部20を取り付けることが可能となる。
その結果、ハウジング締結部材36を、回転軸4の軸方向から見て凹状溝24よりも内径側の部分に配置した場合と比較して、ハウジング2の外径寸法を減少させることが可能となり、静圧気体軸受スピンドル1の軽量化及び小型化が可能となる。
【0057】
(5)本実施形態では、静電塗装装置の構成を、軽量化及び小型化された静圧気体軸受スピンドル1を備えた構成としている。
その結果、静電塗装装置を、軽量化及び小型化することが可能となる。また、静圧気体軸受スピンドル1を軽量化及び小型化しているため、静電塗装装置の使用に必要な消費エネルギー(消費電力等)を低減させることが可能となる。
【0058】
(変形例)
以下、本実施形態の変形例を列挙する。
(1)本実施形態の静圧気体軸受スピンドル1では、回転軸4の軸方向から見て、第一ハウジング端面2aのうち非凹状溝部分30と重なる部分に、ブレーキエア供給用開口部44a及び軸受エア供給用開口部32を形成したが、これに限定するものではない。すなわち、回転軸4の軸方向から見て、第一ハウジング端面2aのうち非凹状溝部分30と重なる部分に、ブレーキエア供給用開口部44a及び軸受エア供給用開口部32のうち、ブレーキエア供給用開口部44aのみを形成してもよい。また、回転軸4の軸方向から見て、第一ハウジング端面2aのうち非凹状溝部分30と重なる部分に、ブレーキエア供給用開口部44a及び軸受エア供給用開口部32のうち、軸受エア供給用開口部32のみを形成してもよい。
【0059】
(2)本実施形態の静圧気体軸受スピンドル1では、空隙部34を、回転軸4の周方向全体に亘って、一箇所のみ形成したが、これに限定するものではなく、空隙部34は、例えば、回転軸4の周方向に沿って断続的に複数個所形成してもよい。この場合、非凹状溝部分30を間に挟んで回転軸4の周方向で対向する凹状溝24は、連通していない状態となる。
(3)本実施形態の静圧気体軸受スピンドル1では、ハウジング2を、第一ハウジング部18と第二ハウジング部20を備える構成としたが、これに限定するものではなく、ハウジング2を、一体物で形成してもよい。
【0060】
(4)本実施形態の静圧気体軸受スピンドル1では、タービン部10のうち、タービン羽根12が突出している外面を、回転軸4に取り付けられている面と反対側の面としたが、これに限定するものではない。すなわち、タービン部10のうち、タービン羽根12が突出している外面を、例えば、タービン部10の外径面としてもよい。
(5)本実施形態では、静圧気体軸受スピンドル1を静電塗装装置に用いたが、これに限定するものではなく、静圧気体軸受スピンドル1は、例えば、歯科用のハンドピース等に用いてもよい。
【符号の説明】
【0061】
1 静圧気体軸受スピンドル
2 ハウジング
2a 第一ハウジング端面
4 回転軸
6 静圧気体軸受
8 塗装用治具
10 タービン部
12 タービン羽根
14 アキシアル軸受
16 ラジアル軸受
18 第一ハウジング部
20 第二ハウジング部
22 タービンエア噴出用ノズル部
24 凹状溝
26 第一軸受エア供給用連通路
28 タービンエア供給用連通路
28a,28b タービンエア供給用連通路の開口部
30 非凹状溝部分
32 軸受エア供給用開口部
34 空隙部
36 ハウジング締結部材
38 第二軸受エア供給用連通路
40 軸受エア排気路
42 タービンエア給気用連通路
42a タービンエア供給用開口部
44 ブレーキエア供給用連通路
44a ブレーキエア供給用開口部
46 ブレーキエア噴出用ノズル部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ハウジングと、
前記ハウジング内へ静圧気体軸受により回転可能に支持されている回転軸と、
前記ハウジング内で前記回転軸の一端側へ取り付けられ、且つタービン羽根を有する円板状のタービン部と、
前記ハウジングに形成され、且つ前記タービン羽根へ向けて気体を噴出するためのタービンエア噴出用ノズル部と、を備え、
前記ハウジングは、軸方向の両端面のうち前記タービンエア噴出用ノズル部に近い側の端面である第一ハウジング端面側に形成された凹状溝と、前記タービンエア噴出用ノズル部と前記凹状溝とを連通するタービンエア供給用連通路と、を有し、
前記凹状溝は、前記回転軸の径方向及び軸方向から見て前記タービン部と重ならない位置に形成されていることを特徴とする静圧気体軸受スピンドル。
【請求項2】
前記凹状溝は、前記回転軸の周方向に沿って延びるとともに前記周方向で不連続な部分を有して形成され、
前記ハウジングは、前記不連続な部分である非凹状溝部分を有し、
前記回転軸の軸方向から見て前記第一ハウジング端面のうち前記非凹状溝部分と重なる部分に、前記タービン羽根のうち前記タービンエア噴出用ノズル部が気体を噴出する面の裏面へ向けて気体を噴出するためのブレーキエア噴出用ノズル部とブレーキエア供給用連通路を介して連通するブレーキエア供給用開口部、及び前記静圧気体軸受へ気体を供給するための軸受エア供給用連通路に連通する軸受エア供給用開口部のうち少なくとも一方を形成したことを特徴とする請求項1に記載した静圧気体軸受スピンドル。
【請求項3】
前記非凹状溝部分のうち前記凹状溝の外周側の壁面と前記回転軸の径方向で対向する部分に、一箇所または複数個所の空隙部を形成したことを特徴とする請求項2に記載した静圧気体軸受スピンドル。
【請求項4】
前記ハウジングは、前記凹状溝が形成されている第一ハウジング部と、当該第一ハウジング部のうち前記第一ハウジング端面と反対側の面に取り付けられる第二ハウジング部と、を備え、
前記第一ハウジング部へ前記第二ハウジング部を取り付けるためのハウジング締結部材を、前記回転軸の軸方向から見て前記凹状溝と重なる位置に配置したことを特徴とする請求項1から請求項3のうちいずれか1項に記載した静圧気体軸受スピンドル。
【請求項5】
請求項1から請求項4のうちいずれか1項に記載した静圧気体軸受スピンドルを備えたことを特徴とする静電塗装装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2013−108411(P2013−108411A)
【公開日】平成25年6月6日(2013.6.6)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−253161(P2011−253161)
【出願日】平成23年11月18日(2011.11.18)
【出願人】(000004204)日本精工株式会社 (8,378)
【Fターム(参考)】