説明

静止画像生成装置及びテレビ受信機

【課題】 特別なエンコーダや画像メモリを不要とし、装置の簡素化を可能にした静止画処理装置を提供する。
【解決手段】 各種の操作信号を入力するための操作部21と、インターレースの映像信号を取得して表示デバイス17に静止画像を表示させる際に、操作部21の操作信号に基づいて、奇数フィールドの映像信号と偶数フィールドの映像信号との合成を全画面にわたって行うか又は特定部分のみとするかを選択して静止画像を生成する描画処理回路14とを備えたものである。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、テレビ画像から静止画像を生成する静止画像生成装置及びそれを内蔵したテレビ受信機に関する。
【背景技術】
【0002】
従来のテレビ受信機には、テレビ画像を静止画像として取り込んで記録し、表示することができるようにしたものがある。このようなテレビ受信機では、インターレースで奇数・偶数のフィールドで1画面が構成されている。このため、2つのフィールドの間には時間差があるため、動画を見ている場合には分かりにくいが、静止画にすると画像がずれて表示される場合がある。このようなことから、画像を静止画として取り込んで表示する場合には、奇数又は偶数フィールドのどちらかを垂直に2倍にして表示するようにした例がある。しかし、片方のフィールドのみを使用するため垂直方向の解像度が落ち、特に文字情報等が見にくくなる。このため、動画像圧縮を使って動きを補償するなどで解像度を維持したまま見やすい静止画像を生成するようにした静止画処理装置が提案されている(例えば特許文献1)。
【特許文献1】特開平8−23505号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
上記の従来の静止画処理装置(特許文献1)においては、動画像の動き補償処理のための特別なエンコーダや処理のための画像メモリが必要になり、必然的に価格が上がってしまうという問題点があった。
【0004】
本発明は、このような問題点を解決するためになされたものであり、上記のような特別なエンコーダや画像メモリを不要とし、装置の簡素化を可能にした静止画像生成装置及びそれを内蔵したテレビ受信機を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明に係る静止画像生成装置は、表示デバイスと、各種の操作信号を入力するための操作手段と、インターレースの映像信号を取得して表示デバイスに静止画像を表示させる際に、前記操作手段の操作信号に基づいて、奇数フィールドの映像信号と偶数フィールドの映像信号との合成を全画面にわたって行うか又は特定部分のみとするかを選択して静止画像を生成する描画処理回路とを備えたものである。静止画像を生成する際に、奇数フィールドの映像信号と偶数フィールドの映像信号との合成を全画面にわたって行うか又は特定部分のみとするかを選択できるようにしたので、例えば全画面の表示要素が文字等で構成される場合には奇数フィールドの映像信号と偶数フィールドの映像信号との合成を全画面にわたって行い、文字等が一部に表示されている場合にはその文字等が含まれる特定部分について行うことにより、鮮明な静止画像が得られる。また、このような鮮明な静止画像を得るのに、従来のような特別なエンコーダや画像メモリが不要であり、装置の簡素化が可能になっている。
【0006】
本発明に係る静止画像生成装置において、前記描画処理回路は、前記操作手段により指定された表示領域では奇数フィールドの映像信号及び偶数フィールドの映像信号を合成し、前記指定された表示領域以外の表示領域においては奇数フィールドの映像信号又は偶数フィールドの映像信号を合成して静止画像を生成する。例えば文字等が含まれる領域が指定されると、その領域においては奇数フィールドの映像信号と偶数フィールドの映像信号との合成を行って静止画像を生成し、それ以外の領域において動きのある映像が含まれる場合には、奇数フィールドの映像信号及び偶数フィールドの映像信号の何れか一方の映像信号により静止画像を生成する。これにより全体として鮮明な静止画像が得られる。特に、動きのある映像は、奇数フィールドの映像信号と偶数フィールドの映像信号とで動きに対応したずれが生じるが、一方のフィールドの映像信号を利用したことによりそのようなずれの発生が避けられる(後述の図2〜図4参照)。
【0007】
本発明に係る静止画像生成装置は、奇数フィールドの映像信号を格納する第1の記憶手段と、偶数フィールドの映像信号を格納する第2の記憶手段とを備え、前記描画処理回路は、前記第1の記憶手段及び前記第2の記憶手段から奇数フィールドの映像信号及び偶数フィールドの映像信号をそれぞれ読み込んで、前記指定された表示領域の静止画像を生成する。上記の第1の記憶手段及び第2の記憶手段は従来の装置においても用いられているものあり、従来のように特別なエンコーダや画像メモリが不要である。
【0008】
本発明に係る静止画像生成装置において、前記描画処理回路は、奇数フィールドの映像信号及び偶数フィールドの映像信号を交互に取り込んで、前記指定された表示領域の静止画像を生成する。
【0009】
本発明に係る静止画像生成装置において、前記描画処理回路は、前記第1の記憶手段又は前記第2の記憶手段から奇数フィールドの映像信号又は偶数フィールドの映像信号を読み込み、一方のフィールドの映像信号に基づいて前記指定された表示領域以外の静止画像を生成する。例えば動きのある映像の静止画像を一方のフィールドの映像信号に基づいて生成することにより、動きに起因した画像のずれが発生せず、鮮明な画像が得られる。
【0010】
本発明に係る静止画像生成装置において、前記描画処理回路は、前記一方のフィールドの映像信号を画像の縦方向に合成して静止画像を生成する。
【0011】
本発明に係るテレビ受信機は、上記の静止画像生成装置を内蔵したものである。
本発明に係るテレビ受信機は、前記静止画像を印刷する印刷装置を備えたものである。
【発明を実施するための最良の形態】
【0012】
実施形態1.
図1は本発明の実施形態1に係る静止画像記録装置を内蔵したデジタル放送受信装置の構成を示すブロック図である。このデジタル放送受信装置1は、アンテナ10、チューナー11、デマルチプレクサ12、映像信号処理回路13、描画処理回路14、フレームメモリ(フィールドメモリ)15、表示デバイス17、音声信号処理回路18、アンプ19、スピーカー20、操作部21、インターフェース(IF)22、リモートコントローラ23、受信部24、印刷信号出力回路25、プリンタ(印刷装置)26、及び制御部28を備えている。そして、チューナー11、デマルチプレクサ12、映像信号処理回路13、音声信号処理回路18、インターフェース22、受信部24、印刷信号出力回路25及び制御部28はバス27を介して接続されており、制御部28により回路全体が制御されている。制御部28は、CPU281、CPU281が実行すべきプログラムや固定データなどが書き込まれたROM282及びCPU281のワークエリアなどとして機能するRAM283によって構成されている。なお、操作部21及びリモートコントローラ23は本発明の操作手段に相当するものであり、通常のテレビのキーの他に、静止画像を表示させるためのキー、静止画像の内、例えば文字等が表示された領域を特定するためのキー、印刷キー(何れも図示せず)が設けられているものとする。
【0013】
図1のデジタル放送受信装置1において、利用者が操作部21又はリモートコントローラ23を操作して見たいチャンネルを選択すると、そのチャンネルに相当する選局信号が発生し、制御部28はその選局信号をインターフェース22又は受信部24及びバス27を介して受信し、制御部28がその選局信号に基づいてチューナー11に選局信号を出力することによりチューナー11にその選局信号に対応したチャンネルが設定される。アンテナ10は、周波数変換器を備えており、例えばCS(Communication Satellite)から送られてくるディジタル放送信号を受信して、周波数変換した信号をチューナー11に出力する。チューナー11は、復調回路、逆インタリーブ回路、誤り訂正回路等を備えており、映像・音声データを含む高周波ディジタル変調信号のうちから特定周波数の信号を取り出す処理をする。すなわち、ディジタル放送の複数のトランスポンダのなかから一つを選択する処理を行う。デマルチプレクサ(DEMUX)12は、前記トランスポート・ストリームを、MPEG2(Moving Picture Experts Group2)のビデオストリーム、オーディオストリーム、及びPSI/SI(Program Specific Information/Service Information)等に分離し、ビデオストリームを映像信号処理回路13に出力し、オーディオストリームを音声信号処理回路18に出力する。なお、PSI/SIは必要に応じてCPU281に取り込まれて処理される。
【0014】
映像信号処理回路13はビデオデコーダ等を内蔵しており、入力された可変長符号を復号して量子化係数や動きベクトルを求め、逆DCT変換や動きベクトルに基づく動き補償制御等を行って描画処理回路14に出力する。描画処理回路14は、映像信号処理回路13及びCPU281から出力指示された文字情報や色情報に基づく映像信号(映像データ)を生成する回路であり、フィールドメモリ15の奇数フィールドメモリ15a及び偶数フィールドメモリ15bの各フィールドの画像を描画し、奇数フィールドメモリ(第1の記憶手段)15aの映像信号及び偶数フィールドメモリ(第2の記憶手段)15bの映像信号を各フィールド毎に交互に読み出して映像出力回路16に出力する。映像出力回路16は、描画処理回路14からの奇数フィールドの映像信号及び偶数フィールドの映像信号を受け取ってD/A変換を行い、例えばコンポジット映像信号に変換して表示デバイス17に出力し、表示デバイス17はその映像信号による映像を表示する。
【0015】
音声信号処理回路18はオーディオデコーダ等を内蔵しており、入力された符号化信号を復号して音声信号(音声データ)を生成し、更に、その音声信号をD/A変換し、例えば右(R)音のアナログ信号及び左(L)音のアナログ信号を生成してアンプ19に出力する。アンプ19は右(R)音及び左(L)音のアナログ信号を増幅してスピーカー20に出力し、スピーカー20から音声が得られる。
【0016】
以上のようにして、利用者が操作部21又はリモートコントローラ23を操作して選択されたチャンネルの映像が表示デバイス17に表示され、スピーカー20からそのチャンネルの音声が得られている状態で、例えば、利用者が操作部21又はリモートコントローラ23を操作して静止画像を得るためのキー操作をすると、制御部28はその操作信号をインターフェース22又は受信部24を介して取り込んで解読し、そのときに表示デバイス17に表示されている映像を静止させて静止画像を生成するために、描画処理回路14に対して映像信号処理回路13からの映像信号を取り込みを停止させ、また、描画処理回路14がフィールドメモリ15から映像信号を読み込んで映像出力回路16に出力する際の処理をそれまでの処理とは異なった処理を行って(その処理の詳細は後述する)、表示デバイス17に静止画像を表示させるようにしている。このときの静止画像の生成方法の概要を先ず説明し、その後、描画処理の説明をする。
【0017】
図2〜図4は静止画像の説明図である。図2は全画面を奇数フィールドの映像と偶数フィールドの映像とを合成した静止画像の例を示した図である。人物の映像が動いているので、奇数フィールドの映像と偶数フィールドの映像とはその動きの程度にしたがって差異があり、人物(動きがある)の表示にずれが生じている。これは静止画像にしたためであり、動画の場合にむしろ動作が円滑に表示されることになる。但し、文字(Aa)は動きがないのでその表示にずれはない。
【0018】
図3は全画面を奇数フィールドの映像又は偶数フィールドの映像の何れかを表示した静止画像の例を示した図である。一方のフィールドの映像のみを表示しているので人物の表示にずれはなくなるが、文字が汚くなっている。
図4は本実施形態1による表示例であり、静止画像の内、例えば操作部21により指定された領域B(ここでは文字が表示されている領域)については、奇数及び偶数の両フィールドの映像を表示させて、それ以外の領域にはついては奇数及び偶数の何れか一方のフィールドの映像を表示させる。このようにすることにより、人物の表示にずれはなくなり、且つ、文字はその表示が鮮明に表示されている。
【0019】
本実施形態1における静止画像の生成方法の概要が明らかになったところで、図1のデジタル放送受信装置1における静止画像の生成方法を説明するが、それに先だって、表示デバイス17とフィールドメモリ15との関係を予め説明する。
【0020】
図5(a)(b)(c)は表示デバイス17とフィールドメモリ15との関係を示した説明図である。同図(a)は表示デバイス17のサイズと奇数及び奇数の両フィールドの映像を表示させる領域Bの座標との関係を示したものであり、表示デバイス17の画面の横サイズはxsizeであり、縦サイズはysizeである。lyは読み込み中のライン番号、cxは読み込み中のx座標である。領域Bはこの例では長方形であり、その対向する角部の座標を(Rxo,Ryo)、(Rx1,Ry1)と設定する。同図(b)は奇数フィールドメモリ15aの大きさ(容量)を示しており、横サイズはxsizeであり、縦サイズはysize/2である。同図(c)は偶数フィールドメモリ15bの大きさ(容量)を示しており、横サイズはxsizeであり、縦サイズはysize/2である。奇数フィールドメモリ(第1の記憶手段)15a及び偶数フィールドメモリ(第2の記憶手段)15bはそれぞれ各フィールドの映像信号が格納されるので、1画面分の1/2の容量となっている。
【0021】
図6は描画処理回路14の処理過程を示すフローチャートである。描画処理回路14は、制御部28から静止画像の生成指令を受信すると、それまで映像信号処理回路13から映像信号を取り込んで、奇数フィールドメモリ15a及び偶数フィールドメモリ15bに書き込んでいた処理を停止し、図6のフローチャートの処理に移行する。まず、ly=0、cx=0に設定して読み込み位置を初期化する(S1)。次いで、Ry1≧ly≧Ry0で、且つ、Rx1≧cx≧Rx0であるかどうかを判断し、読み込み位置が上記の領域Bに入っているかどうかを判断する(S2)。初期の段階では、読み込み位置が上記の領域Bに入っていないので、奇数フィールドメモリ15aの座標(cx,ly/2)から映像信号を読み込んで映像出力回路16に出力する(S3)。そして、cx=cx+1として、x座標の読み込み位置をインクリメントする(S4)。そして、インクリメントされたcx=xsizeであるかどうかを判断し、cxが奇数フィールドメモリ15aのx座標の最大値を超えているかどうか判断する(S5)。cxが奇数フィールドメモリ15aのx座標の最大値を超えていない場合には、次に、ly=ysizeであるかどうかを判断し、読み込みのライン番号lyが奇数フィールドメモリ15aのy座標の最大値を超えているかどうか判断する(S7)。以上の処理を1ライン分繰り返し、cxが奇数フィールドメモリ15aのx座標の最大値を超えると(S5)、ly=ly+1、cx=0に設定して、読み込みラインを次のラインに移す(S6)。このようにして、読み込み位置が領域Bに到達するまでは、奇数フィールドメモリ15aの映像信号を読み込んで出力する。なお、処理(S3)においては、奇数フィールドメモリ15aの座標(cx,ly/2)から映像信号を読み込んでいるが、ly/2の小数点以下は切り捨てて処理をしているので、例えばly=0、ly=1のいずれの場合においても、ly/2=0として扱われるので、同じラインの映像信号が2回読み出されることになり、奇数フィールドメモリ15aの1ライン分の映像信号が2ライン分の映像信号となって表示デバイス17に表示されることになる。即ち、奇数フィールドの1ライン分と偶数フィールドの1ラインに割り当てられる。
【0022】
読み込み位置が進んで、cxが上記の領域B((Rxo,Ryo)、(Rx1,Ry1))内に入ると(S2)、ly=奇数であるかどうかを判断し(S8)、lyが例えば奇数の場合には、奇数フィールドメモリ15aの座標(cx,ly/2)から映像信号を読み込んで映像出力回路16に出力し(S3)、その後、上記の処理(S4)、(S5)、(S7)を繰り返し、cxが領域Bのx座標の最大値(Rx1)に到達するまでの間、処理(S2)、(S8)、(S3)、(S4)、(S5)、(S7)の処理を繰り返すことになる。そして、cxが領域Bから外れて、x座標の最大値(Rx1)を超えて奇数フィールドメモリ15aのx座標の最大値を超えるまでの間は、上記の処理(S2)〜(S5)、(S7)の処理を繰り返す。cxが奇数フィールドメモリ15aのx座標の最大値を超えると(S5)、次のラインに移行し(S6)、当該ラインにおいて、読み込み位置が領域Bに到達するまでは、奇数フィールドメモリ15aの映像信号を読み出して出力する(S2〜S5、S7)。そして、当該ラインにおいて、読み込み位置が領域Bに到達すると、当該ラインは偶数であるから(前のラインを奇数と仮定したので)、偶数フィールドメモリ15bの座標(cx,ly/2)から映像信号を読み込んで映像出力回路16に出力し(S9)、その後、上記の処理(S4)、(S5)、(S7)を繰り返し、そして、当該ラインにおける領域Bのx座標の最大値(Rx1)に到達するまでの間、処理(S2)、(S8)、(S9)〜(S5)、(S7)が繰り返されることになる。そして、以上の処理を1画面分繰り返すことにより、図4に示されるような静止画像が得られる。
【0023】
以上のようにして表示デバイス17に静止画像が表示されている状態において、利用者が操作部21又はリモートコントローラ23を操作して、印刷処理するための指令を送信すると、制御部28はそれを解読して、描画処理回路14の出力を取り込んでRAM283に一旦格納した後に印刷信号出力回路25に出力し、又はRAM283を介さずに印刷信号出力回路25に出力する。印刷信号出力回路25は静止画像の映像信号をプリンタ26の解像度に合わせる等の印刷信号に変換してプリンタ26に出力する。プリンタ26はその印刷信号に基づいて印刷処理を行い、例えば図4に示されるような静止画像を紙に印刷する。
【0024】
以上のように本実施形態において、描画処理回路14は、上記の領域Bの外では奇数フィールドメモリ15aの映像信号のみを読み込んで出力し(S3)、その際に、同一のラインから2回読み出して出力して奇数フィールドのラインと偶数フィールドのラインとに充足して静止画像を生成している。そして、上記の領域B内においては、奇数フィールドメモリ15aの映像信号と偶数フィールドメモリ15bの映像信号とをライン毎に交互に読み込んで出力し(S3、S9)、奇数フィールドのラインと偶数フィールドのラインとにそれぞれ充足して静止画像を生成している。したがって、上述の図4に示されるように、領域Bの文字は奇数フィールドの映像信号と偶数フィールドの映像信号とによって静止画像を生成して表示されているので、文字の映像が鮮明なものとなっており、領域Bの外に位置する人物像は奇数フィールドの映像信号のみによって静止画像を生成して表示しているので、人物像の表示にずれはなくなり、見易いものとなっている。したがって、その静止画像をプリンタ26により印刷した場合においても見易いものとなっている。そして、このような静止画像を得るのに、従来のように、特別なエンコーダや画像メモリを不要とし、装置の簡素化が可能になっており、製品のコストアップを回避することができる。
【0025】
実施形態2.
なお、上記の例においては、領域Bの外側を奇数フィールドの映像信号によって静止画像を生成する例について説明したが、偶数フィールドの映像信号によって静止画像を生成するようにしてもよい。また、領域Bとして長方形の例を説明したが、楕円、円、菱形等任意の形状によって特定してもよい。また、上記の例では領域Bを指定して両フィールドの映像信号を合成する例について説明したが、操作部21の操作により例えば全画面について両フィールドの映像信号を合成するようにしてもよい。これは画面全体が文字、絵等によって構成されている場合に有用である。
【0026】
また、テレビ受信機の例としてデジタル放送受信装置の例について説明したが、アナログ式の受信機においても同様に適用される。また、図1の表示デバイス17は、液晶パネル、プラズマディスプレイ及びCRTの何れでもよい。
【図面の簡単な説明】
【0027】
【図1】本発明の実施形態1に係るデジタル放送受信装置の構成を示すブロック図。
【図2】奇数フィールドの映像と偶数フィールドの映像とを合成した静止画像の図。
【図3】奇数フィールドの映像で表示した静止画像の図。
【図4】本実施形態による静止画像の図。
【図5】表示デバイスとフィールドメモリとの関係を示した説明図。
【図6】描画処理回路の処理過程を示すフローチャート。
【符号の説明】
【0028】
10 アンテナ、11 チューナー、12 デマルチプレクサ、13 映像信号処理回路、14 描画処理回路、15 フィールドメモリ、15a 奇数フィールドメモリ、15b 偶数フィールドメモリ、16 映像出力回路、17 表示デバイス、18 音声信号処理回路、19 アンプ、20 スピーカー、21 操作部、22 インターフェース、23 リモートコントローラ、24 受信部、25 印刷信号出力回路、26 プリンタ、27 バス、28 制御部。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
表示デバイスと、
各種の操作信号を入力するための操作手段と、
インターレースの映像信号を取得して表示デバイスに静止画像を表示させる際に、前記操作手段の操作信号に基づいて、奇数フィールドの映像信号と偶数フィールドの映像信号との合成を全画面にわたって行うか又は特定部分のみとするかを選択して静止画像を生成する描画処理回路と
を備えたことを特徴とする静止画像生成装置。
【請求項2】
前記描画処理回路は、前記操作手段により指定された表示領域では奇数フィールドの映像信号及び偶数フィールドの映像信号を合成し、前記指定された表示領域以外の表示領域においては奇数フィールドの映像信号又は偶数フィールドの映像信号を合成して静止画像を生成することを特徴とする請求項1記載の静止画像生成装置。
【請求項3】
奇数フィールドの映像信号を格納する第1の記憶手段と、
偶数フィールドの映像信号を格納する第2の記憶手段とを備え、
前記描画処理回路は、前記第1の記憶手段及び前記第2の記憶手段から奇数フィールドの映像信号及び偶数フィールドの映像信号をそれぞれ読み込んで、前記指定された表示領域の静止画像を生成することを特徴とする請求項2記載の静止画像生成装置。
【請求項4】
前記描画処理回路は、奇数フィールドの映像信号及び偶数フィールドの映像信号を交互に取り込んで、前記指定された表示領域の静止画像を生成することを特徴とする請求項3記載の静止画像生成装置。
【請求項5】
前記描画処理回路は、前記第1の記憶手段又は前記第2の記憶手段から奇数フィールドの映像信号又は偶数フィールドの映像信号を読み込み、一方のフィールドの映像信号に基づいて、前記指定された表示領域以外の静止画像を生成することを特徴とする請求項3又は4記載の静止画像生成装置。
【請求項6】
前記描画処理回路は、前記一方のフィールドの映像信号を画像の縦方向に合成して静止画像を生成することを特徴とする請求項5記載の静止画像生成装置。
【請求項7】
請求項1〜6の何れかに記載の静止画像生成装置を内蔵したことを特徴とするテレビ受信機。
【請求項8】
前記静止画像を印刷する印刷装置を備えたことを特徴とする請求項7記載のテレビ受信機。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate


【公開番号】特開2006−41837(P2006−41837A)
【公開日】平成18年2月9日(2006.2.9)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−217900(P2004−217900)
【出願日】平成16年7月26日(2004.7.26)
【出願人】(000002369)セイコーエプソン株式会社 (51,324)
【Fターム(参考)】