説明

静止誘導機器、金属管誘導加熱装置及びインボリュート鉄心冷却構造

【課題】脚鉄心の磁束密度を高くしながらも鉄心断面積を小さくする。
【解決手段】インボリュート形状に湾曲された湾曲部10bを有する多数の磁性鋼板10を放射状に積層して円筒状に形成した円筒状の脚鉄心2、3と、前記脚鉄心2、3の内側周面に密着して設けられた冷却管14とを備えており、前記冷却管14に冷却媒体を流通させることによって前記脚鉄心2、3を冷却させる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、変圧器やリアクトル等の静止誘導機器、この静止誘導機器を用いた金属管誘導加熱装置及びインボリュート鉄心の冷却構造に関するものである。
【背景技術】
【0002】
静止誘導機器の脚鉄心には、飽和磁束密度が2T(テスラー)程度である珪素鋼板が多用されている(特許文献1)。この珪素鋼板を用いることによって脚鉄心による鉄損を低減して脚鉄心の温度上昇を低減することができる。
【0003】
しかしながら、珪素鋼板を用いた脚鉄心であっても、高周波領域では脚鉄心における鉄損が増加してしまうという問題がある。また、リアクトルのように漏れ磁束が多い条件下においても脚鉄心における鉄損が増加してしまうという問題がある。このように鉄損が生じることにより脚鉄心の温度が上昇してしまう。
【0004】
また、このような温度上昇を抑えるためには、脚鉄心の磁束密度を、珪素鋼板の飽和磁束密度以下の低い値となるように設計しなければならず、結果的に鉄心の断面積を大きくすることになってしまう。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2001−284136号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
そこで本発明は、上記問題点を一挙に解決するためになされたものであり、脚鉄心の磁束密度を高くしながらも鉄心断面積を小さくすることをその主たる所期課題とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
すなわち本発明に係る静止誘導機器は、インボリュート形状に湾曲された湾曲部を有する多数の磁性鋼板を放射状に積層して円筒状に形成した円筒状の脚鉄心と、前記脚鉄心の内側周面に密着して設けられた冷却管とを備えており、前記冷却管に冷却媒体を流通させることによって前記脚鉄心を冷却することを特徴とする。
【0008】
このようなものであれば、インボリュート形状に湾曲された湾曲部を有する多数の磁性鋼板を放射状に積層して円筒状に形成した円筒状の脚鉄心に特有の構造を活かして脚鉄心を冷却することができる。つまり、円筒状の脚鉄心の外側には巻回されるコイル等との関係から冷却構造を設けることが難しいが、円筒状鉄心の内側にはコイル等の部材が設けられないことから冷却管を設けることができる。そして、この冷却管を脚鉄心の内側周面に密着して設けるとともに、冷却管内に冷却媒体を流通させることによって脚鉄心の周方向全体を効率良く冷却することができる。したがって、脚鉄心の磁束密度を高くしながらも鉄心断面積を小さくすることができる。
【0009】
また、本発明に係る静止誘導機器は、インボリュート形状に湾曲された湾曲部を有する多数の磁性鋼板を放射状に積層して円筒状に形成した円筒状の脚鉄心と、前記脚鉄心の内側周面に密着して設けられたヒートパイプとを備えており、前記ヒートパイプの端部を冷却することによって前記脚鉄心を冷却することを特徴とする。このようなものであっても、上述したように、脚鉄心の周方向全体を効率良く冷却することができ脚鉄心の磁束密度を高くしながらも鉄心断面積を小さくすることができる。また、冷却管に冷却媒体を流通させるものに比べると冷却性能は劣るものの冷却管に冷却媒体を流通させるシステムを不要とすることができるので、冷却構造を簡素化することができる。
【0010】
前記脚鉄心の外側周面に密着させた絶縁紙を介して、前記脚鉄心に巻き線を巻回していることが望ましい。これならば、巻き線を鉄心を介して冷却することができ、静止誘導機器を小型化することができる。また、従来は静止誘導機器の外周面に大気を対流させたり、ファン等により大気を通流したりして冷却していたが、大気中の粉塵等により誘導コイルの絶縁が劣化するという問題があった。本発明により、防塵対策として静止誘導機器を密閉空間に設置する場合や、設置雰囲気内部に放熱できない環境、例えばビルの地下室等に設置する場合に、脚鉄心及び巻き線で発生する熱を冷却媒体により外部に持ち出して放熱することができる。
【0011】
前記脚鉄心と巻き線との間及び前記巻き線からなる巻き線層の間に、無溶剤系絶縁接着剤を全面に塗着した絶縁紙を設けていることが望ましい。これならば、乾燥時に発泡しない無溶剤系絶縁接着剤を塗着した絶縁紙を挿入しているので、脚鉄心及び巻き線間の熱伝導が良くなり、脚鉄心内部の冷却構造(金属管又はヒートパイプ)からの熱を効率良く巻き線に伝熱することができ、冷却効率を高めることができる。
【0012】
前記絶縁紙がポリイミド系フィルムであることが望ましい。ポリイミド系フィルムは絶縁耐力が高いので所望の絶縁性を確保しつつ可及的に薄くすることができるとともに、耐熱温度及び熱伝導率も高いので、一層冷却効率を高めることができる。
【0013】
上述した脚鉄心を第1の脚鉄心とし、入力巻線を巻回した脚鉄心を第2の脚鉄心として、それら第1の脚鉄心及び前記第2の脚鉄心を継鉄心で連結することにより閉磁路を形成し、前記第1の脚鉄心を被加熱物である金属管に挿入することで、前記金属管を加熱する金属管誘導加熱装置として構成することが望ましい。このように金属管誘導加熱装置を構成すれば、金属管を高温加熱しても絶縁損傷する可能性を低下させることができる。
【0014】
また本発明に係るインボリュート鉄心の冷却構造は、インボリュート形状に湾曲された湾曲部を有する多数の磁性鋼板を放射状に積層して円筒状に形成した円筒状のインボリュート鉄心と、前記インボリュート鉄心の内側周面に密着して設けられた冷却管とを備えており、前記冷却管に冷却媒体を流通させることによって前記インボリュート鉄心を冷却することを特徴とする。このようなものであれば、インボリュート鉄心特有の構成を活かした冷却構造を提供することができる。また、冷却管に冷却媒体を流通させることから、冷却媒体の温度及び流量を調節することでインボリュート鉄心を所望の温度に冷却させることができる。
【発明の効果】
【0015】
このように構成した本発明によれば、脚鉄心を効率良く冷却することができるので、脚鉄心の磁束密度を高くしながらも鉄心断面積を小さくすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【図1】本発明の一実施形態に係る静止誘導機器の一部断面を示す側面図。
【図2】脚鉄心の構成を示す図。
【図3】同実施形態の1次巻き線及び2次巻き線の構成を模式的に示す図。
【図4】昇温特性の実験に用いた変圧器の仕様を示す図。
【図5】昇温特性の実験結果を示す図。
【図6】変形実施形態に係る金属管誘導加熱装置の構成を示す図。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下に本発明に係る静止誘導機器の一実施形態について図面を参照して説明する。
【0018】
本実施形態に係る静止誘導機器100は、図1に示すように、第1の脚鉄心2と、第2の脚鉄心3と、これら第1の脚鉄心2及び第2の脚鉄心3の上下それぞれを連結する一対の継鉄心4とを有し、第1の脚鉄心2及び第2の脚鉄心3それぞれに1次巻き線5及び二次巻き線6が同心配置された2脚巻きの衝合型乾式変圧器である。なお、図1は第1の脚鉄心2の一部断面を示している。
【0019】
なお、各脚鉄心2、3と継鉄心4とは、固定用構造部材7を介して鉄心締結ボルト8及びナット9によって、各脚鉄心2、3の上面及び下面と継鉄心4とが衝合するように連結されている。
【0020】
第1の脚鉄心2及び第2の脚鉄心3は、図2に示すように、屈曲部10aとこの屈曲部10aに連続してインボリュート曲線状に湾曲した湾曲部10bを有する複数の珪素鋼板10を円周方向に放射状に積み重ねて円筒状に形成した円筒状のインボリュート鉄心である。なお、各脚鉄心2、3は、前記複数の珪素鋼板10を放射状に積層して円筒状に形成し、これを径方向に同心円状に多段積層(段数は必要とする脚鉄心の直径に合わせる。)して形成しても良い。なお、湾曲部10bのみからなる珪素鋼板10を用いても良い。
【0021】
そして第1の脚鉄心2及び第2の脚鉄心3の外側周面には、図3に示すように、両面に無溶剤系絶縁接着剤層12を塗着した絶縁紙11を巻回して密着させて、この無溶剤系絶縁接着剤層12に密着して1次巻き線5を巻回する。この1次巻き線5は、例えば銅等からなる導体から形成されており、その外側周面に絶縁処理を施しても良い。そして、巻回された1次巻き線5により形成される同心円状となる各巻き線層5Lの間に絶縁紙11(両面に無溶剤系絶縁接着剤層12を塗着したものでも良い。)を巻回することで設けている。無溶剤系絶縁接着剤層12を両面に塗着した絶縁紙11は断熱効果が低く熱伝導性が高い。また、絶縁紙11としてポリイミド系フィルムを用いることによりその効果を一層顕著にすることができる。なお、図3においては理解容易のため便宜上、各部材を離間して示している。
【0022】
そして、巻回した1次巻き線5の最外周に混触防止板13を設けて、当該混触防止板13の外側周面に2次巻き線6を巻回する。ここで、1次巻き線5と混触防止板13との間及び混触防止板13と2次巻き線6との間には、ポリイミド系フィルムからなる絶縁紙11(両面に無溶剤系絶縁接着剤層12を塗着したものでも良い。)を設けている。また、巻回された2次巻き線6により形成される同心円状となる各巻き線層6Lの間に、絶縁紙11(両面に無溶剤系絶縁接着剤層12を塗着したものでも良い。)を巻回することで設けている。なお、1次巻き線5及び2次巻き線6に水などの冷却媒体を流通可能な巻回導管を用いることが考えられるが、導管内で結露が生じてしまい、絶縁破壊や腐食等の劣化が生じてしまい好ましくない。
【0023】
しかして本実施形態の静止誘導機器100は、図1に示すように、各脚鉄心2、3の円形状をなす内側周面に密着して設けられた円筒状の冷却管14とを備えており、冷却管14に冷却媒体を流通させることによって脚鉄心2、3を冷却するように構成している。
【0024】
冷却管14は、脚鉄心2、3の上部から下部まで貫通するように設けられており、その脚鉄心2、3の外部に位置する端部から例えば水等の冷却媒体を導入する導入ポートP1と、その冷却媒体を導出する導出ポートP2とを有する。導入ポートP1には冷却媒体供給配管15が接続され、導出ポートP2には冷却媒体導出配管16が接続されており、これら配管15、16に接続された冷却媒体源(不図示)から冷却媒体が供給されることにより冷却管14内を冷却媒体が流通する。冷却媒体の温度及び流量は、図示しない例えば熱交換機などの温調機構及び例えばマスフローコントローラ等の流量制御機器等によって制御される。なお、図1においては、導入ポートP1を脚鉄心2、3の下部に設け、導出ポートP2を脚鉄心2、3の上部に設けた場合を示している。
【0025】
具体的に冷却管14は、ステンレス製であり、内管141及び外管142を有する二重管構造であり、内管141の外側周面には螺旋状のリブ(又は溝)143が設けられている。そして、導入ポートP1から流入した冷却媒体は内管141及び外管142の間の空間を通って脚鉄心2、3を貫流して導出ポートP2から流出する。この螺旋状のリブ143により、冷却媒体が内管141及び外管142の間の空間で撹拌されることになり、外管142と脚鉄心2、3との熱交換を効率良く行うことができる。なお、外管142の内側周面に螺旋状のリブ又は溝を設けても良い。また、内管141内には、前記脚鉄心2、3及び継鉄心4を衝合連結するための鉄心締結ボルト8が挿入される。
【0026】
また、冷却管14は、図1に示すように、脚鉄心2、3に衝合連結された継鉄心4を貫通するように設けられており、脚鉄心2、3から継鉄心4への伝熱により継鉄心4が高温になることも防止している。つまり、継鉄心4には冷却管14を挿入するための挿入孔41が形成されており、当該挿入孔41の内側周面には冷却管14が密着して設けられる。
【0027】
このようにして冷却管14を流れる冷却媒体が脚鉄心2、3及び継鉄心4の温度を奪い脚鉄心2、3が冷却される。また、脚鉄心2、3と1次巻き線5との間に、無溶剤系絶縁接着剤層12を両面に塗着したポリイミド系フィルムからなる絶縁紙11を設けているので、脚鉄心2、3及び1次巻き線5の間の熱伝導を良くすることができ、1次巻き線5の冷却も行うことができる。さらに1次巻き線5及び2次巻き線6の間にもポリイミド系フィルムからなる絶縁紙11を設けているので、1次巻き線5及び2次巻き線6の間の熱伝導を良くすることができ、2次巻き線6の冷却も行うことができる。なお、冷却管14と脚鉄心2、3との間に例えばエポキシ樹脂等の耐熱性に優れ熱伝導性に優れた接着剤を充填することで脚鉄心2、3等をより一層効率良く冷却することができる。
【0028】
ここで脚鉄心2、3、継鉄心4及び冷却管14の組み立て方法について簡単に説明する。まず、脚鉄心2、3の内側周面に冷却管14が密着するように、冷却管14を芯にしてインボリュート形状に湾曲された湾曲部を有する多数の磁性鋼板を放射状に積層し、又は、脚鉄心2、3内に冷却管14を挿入する。そして、脚鉄心2、3の上部及び下部から延出した冷却管14を継鉄心4の挿入孔41に挿入する。このように脚鉄心2、3及び一対の継鉄心4に冷却管14を挿入した後に、固定用構造部材7を介して、冷却管14の内管141内に鉄心締結ボルト8を挿入してボルト9により固定する。なお、脚鉄心2、3の内側周面と一対の継鉄心4の挿入孔41とが連通するようにそれらを重ね合わせた後に冷却管14を挿入しても良い。このように冷却管14を脚鉄心2、3内に挿入して設ける構造を活用し、脚鉄心2、3及び一対の継鉄心4の組み立てを保持する芯材としても機能させている。また、冷却管14の内管141内に鉄心締結ボルト8を挿入する構造としているので本実施形態の二重管構造を有効活用することができる。
【0029】
次にこのように構成した変圧器100の昇温特性の実験結果について図4及び図5を参照して説明する。図4は、実験に用いた変圧器の具体的仕様である。この変圧器100において、脚鉄心温度と、6層に巻回された1次巻き線のうち1層目及び6層目の上部温度及び下部温度と、上下6段に巻回された2次巻き線全ての段の上部温度及び下部温度を測定した。各部の検出温度を図6に示す。この図6から分かるように、脚鉄心温度を48.8℃に抑えることができるとともに、1次巻き線及び2次巻き線の最高温度を182.3℃に抑えることができる。このように、外部に送風機構等の強制冷却機構を設けることなく最高温度を下げることができ、変圧器を密閉空間に設ける用途に好適に用いることができる。
【0030】
このように構成した本実施形態に係る静止誘導機器100によれば、インボリュート脚鉄心2、3に特有の構造を活かして脚鉄心2、3を冷却することができる。つまり、インボリュート脚鉄心2、3の外側には巻回されるコイル等との関係から冷却構造を設けることが難しいが、インボリュート脚鉄心2、3の内側にはコイル等の部材が設けられないことから冷却管14を設けることができる。そして、この冷却管14を脚鉄心2、3の内側周面に密着して設けるとともに、冷却管14内に冷却媒体を流通させることによって脚鉄心2、3の周方向全体を効率良く冷却することができる。したがって、脚鉄心2、3の磁束密度を高くしながらも鉄心断面積を小さくすることができる。
【0031】
なお、本発明は前記実施形態に限られるものではない。
【0032】
例えば、前記実施形態では静止誘導機器として2脚巻きの変圧器について説明したが、通常巻の変圧器や、上下に2分割された分割巻きの変圧器に適用しても良いし、リアクトルに適用しても良い。
【0033】
また、図6に示すように、インボリュート脚鉄心を第1の脚鉄心201とし、入力巻き線204を巻回した脚鉄心を第2脚鉄心202として、それら第1の脚鉄心201及び第2の脚鉄心202を一対の継鉄心203で連結することにより閉磁路を形成し、第1脚鉄心201を被加熱物である金属管300に挿入して当該金属管300を加熱する金属管誘導加熱装置200に適用しても良い。この場合、金属管300に挿入される第1の脚鉄心201の内側周面に密着して冷却管14を設けて、この冷却管14に冷却媒体を流通させる。これにより、金属管300に挿入される第1の脚鉄心201を冷却することができ、第1の脚鉄心201をキュリー温度を超えさせることなく、金属管300を脚鉄心201のキュリー温度以上に加熱することができる。なお、図6の冷却管14は、導入ポートP1及び導出ポートP2が同一端部(下側端部)に設けられた二重管構造であり、導入ポートP1から内管141内を通って内管141及び外管142の間に冷却媒体が流れ、そして外管に設けられた導出ポートP2から導出されるように構成されている。
【0034】
また冷却管の替わりにヒートパイプを脚鉄心の内側周面に密着して設けても良い。この場合、ヒートパイプの一端部を脚鉄心の上面又は下面から外部に延出するようにして、この延出した部分を冷却するように構成しても、前記実施形態と同様の効果を得ることができる。
【0035】
さらに、前記実施形態では、冷却管が二重管構造であったが単管構造であっても良い。
【0036】
その他、本発明は前記実施形態に限られず、その趣旨を逸脱しない範囲で種々の変形が可能であるのは言うまでもない。
【符号の説明】
【0037】
100・・・静止誘導機器(変圧器)
10 ・・・磁性鋼板
2 ・・・第1の脚鉄心
3 ・・・第2の脚鉄心
4 ・・・継鉄心
5 ・・・1次巻き線
5L ・・・1次巻き線の巻き線層
6 ・・・2次巻き線
6L ・・・2次巻き線の巻き線層
11 ・・・絶縁紙
12 ・・・無溶剤系絶縁接着剤層
14 ・・・冷却管
200・・・金属管誘導加熱装置
300・・・金属管
201・・・第1の脚鉄心
202・・・第2の各鉄心
203・・・継鉄心
204・・・入力巻き線

【特許請求の範囲】
【請求項1】
インボリュート形状に湾曲された湾曲部を有する多数の磁性鋼板を放射状に積層して円筒状に形成した円筒状の脚鉄心と、前記脚鉄心の内側周面に密着して設けられた冷却管とを備えており、前記冷却管に冷却媒体を流通させることによって前記脚鉄心を冷却する静止誘導機器。
【請求項2】
インボリュート形状に湾曲された湾曲部を有する多数の磁性鋼板を放射状に積層して円筒状に形成した円筒状の脚鉄心と、前記脚鉄心の内側周面に密着して設けられたヒートパイプとを備えており、前記ヒートパイプの端部を冷却することによって前記脚鉄心を冷却する静止誘導機器。
【請求項3】
前記脚鉄心の外側周面に密着させた絶縁紙を介して、前記脚鉄心に巻き線を巻回している請求項1又は2記載の静止誘導機器。
【請求項4】
前記脚鉄心と巻き線との間及び前記巻き線からなる巻き線層の間に無溶剤系絶縁接着剤層を全面に塗着した絶縁紙を設けている請求項1、2又は3記載の静止誘導機器。
【請求項5】
前記絶縁紙がポリイミド系フィルムである請求項3又は4記載の静止誘導機器。
【請求項6】
請求項1乃至5に記載の脚鉄心を第1の脚鉄心とし、入力巻き線を巻回した脚鉄心を第2の脚鉄心として、それら第1の脚鉄心及び前記第2の脚鉄心を継鉄心で連結することにより閉磁路を形成し、前記第1の脚鉄心を被加熱物である金属管に挿入して当該金属管を加熱する金属管誘導加熱装置。
【請求項7】
インボリュート形状に湾曲された湾曲部を有する多数の磁性鋼板を放射状に積層して円筒状に形成した円筒状のインボリュート鉄心と、前記インボリュート鉄心の内側周面に密着して設けられた冷却管とを備えており、前記冷却管に冷却媒体を流通させることによって前記インボリュート鉄心を冷却するインボリュート鉄心冷却構造。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2012−256763(P2012−256763A)
【公開日】平成24年12月27日(2012.12.27)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−129536(P2011−129536)
【出願日】平成23年6月9日(2011.6.9)
【出願人】(000110158)トクデン株式会社 (91)
【Fターム(参考)】