説明

静電容量型スイッチ用電極体および静電容量型スイッチ

【課題】静電容量型スイッチの小型化が実現できる静電容量型スイッチ用電極体を提供する。
【解決手段】 本発明の静電容量型スイッチ用電極体10aは、絶縁性基材11と、絶縁性基材11の一方の面の一部に設けられた第1の電極12と、絶縁性基材11の他方の面の少なくとも一部に設けられた第2の電極13とを備え、絶縁性基材11に第2の電極のみが設けられている部分を有する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、静電容量型スイッチに具備される静電容量型スイッチ用電極体に関する。さらには、静電容量型スイッチに関する。
【背景技術】
【0002】
電気回路の開閉を切り替えるために使用されるスイッチとしては様々なものが知られ、例えば、静電容量型スイッチが知られている。
静電容量型スイッチは、一対の電極が絶縁体を介して備えられた電極体と、該電極体の電極同士を所定電圧で印加する電圧印加部と、該電極体の電極間の静電容量の変化量を検出する静電容量検出部と、該静電容量検出部により検出された静電容量の変化量が閾値を超えた際に電気回路の開閉を切り替える制御部とを具備するものである。
このような静電容量型スイッチの電極体としては、例えば、特許文献1に、基板と、基板の片面に設けられた2つの電極と、基板および各電極を被覆する絶縁体とを具備するものが開示されている。
また、特許文献2には、静電容量型スイッチの電極体として、透明基材と透明基材の片面に設けられたITO製導電膜とを備える透明電極を2つ具備し、導電膜同士の間に一方の透明電極の透明基材が配置されるように、2つの透明電極が積層されたものが開示されている。この電極体では、導電膜の間の透明基材が絶縁体としての機能を果たしている。
【特許文献1】特開平7−114866号公報
【特許文献2】特開平8−297267号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかしながら、特許文献1に記載の静電容量型スイッチの電極体では、誘電体の片面に電極を配置し、電極に対し独立した配線が必要である。特にタブレットのようにエリアアレイ状に電極を配置する場合、電極からの引き回し本数が多くなるため、電極自体の配置や大きさが制限される問題があった。また、特許文献2に記載の静電容量型スイッチの電極体では、透明電極を2つ備えるため、電極体が厚くなりがちであった。したがって、特許文献1,2に記載の電極体では、静電容量型スイッチを小型化することが困難であり、小型の電気製品や携帯電話などには適用できなかった。
本発明は、前記事情を鑑みてなされたものであり、静電容量型スイッチの小型化が実現できる静電容量型スイッチ用電極体を提供することを目的とする。また、小型化可能な静電容量型スイッチを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0004】
本発明は、以下の構成を包含する。
[1] 絶縁性基材と、絶縁性基材の一方の面の一部に設けられた第1の電極と、絶縁性基材の他方の面の少なくとも一部に設けられた第2の電極とを備え、
絶縁性基材に第2の電極のみが設けられている部分を有することを特徴とする静電容量型スイッチ用電極体。
[2] 絶縁性基材が透明であり、
第1の電極および第2の電極が、π共役系導電性高分子と可溶化高分子と溶媒とを含む導電性塗布液が印刷または塗布されて形成された導電膜であることを[1]に記載の静電容量型スイッチ用電極体。
[3] 絶縁性基材が透明であり、
絶縁性基材が、第1の電極および第2の電極が設けられていない窓部を有する[1]に記載の静電容量型スイッチ用電極体。
[4] 第1の電極および第2の電極が、線状であり、かつ、パターンを有していることを特徴とする[3]に記載の静電容量型スイッチ用電極体。
[5] 窓部を覆うように光拡散板が設けられていることを特徴とする[3]に記載の静電容量型スイッチ用電極体。
[6] 電気回路の開閉を切り替えるために使用される静電容量型スイッチであって、
[1]〜[5]のいずれかに記載の静電容量型スイッチ用電極体と、該静電容量型スイッチ用電極体の第1の電極と第2の電極とを所定電圧で印加する電圧印加部と、該静電容量型スイッチ用電極体の第1の電極と第2の電極との間の静電容量の変化量を検出する静電容量検出部と、該静電容量検出部により検出された静電容量の変化量が閾値を超えた際に電気回路の開閉を切り替える制御部とを具備することを特徴とする静電容量型スイッチ。
【発明の効果】
【0005】
本発明の静電容量型スイッチ用電極体は、静電容量型スイッチの小型化が実現できるものである。
本発明の静電容量型スイッチは、小型化が可能になり、例えば、小型の電気製品や携帯電話などに適用できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0006】
「静電容量型スイッチ用電極体」
<第1の実施形態例>
本発明の静電容量型スイッチ用電極体(以下、電極体と略す。)の第1の実施形態例について説明する。
図1および図2に、本実施形態例の電極体を示す。本実施形態例の電極体10aは、矩形状の絶縁性基材11と、絶縁性基材11の一方の面に設けられた膜状の第1の電極12と、絶縁性基材11の他方の面に設けられた膜状の第2の電極13とを備えるものである。
第1の電極12は、絶縁性基材11の対角線を境界とした際の一方の半分に設けられ、第2の電極13は、他方の半分に設けられている。したがって、本実施形態例の電極体10aの、絶縁性基材11の対角線を境界とした際の他方の半分側は、第1の電極12が設けられておらず、絶縁性基材11に第2の電極13のみが設けられている部分になっている。
【0007】
本実施形態例における絶縁性基材11は透明である。透明な絶縁性基材11としては、例えば、透明樹脂フィルム、ガラス板などが挙げられる。
透明樹脂フィルムを構成する樹脂材料としては、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリスチレン、ポリ塩化ビニル、ポリビニルアルコール、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリアクリル、ポリカーボネート、ポリフッ化ビニリデン、ポリアリレート、スチレン系エラストマー、ポリエステル系エラストマーなどが挙げられる。これらの樹脂材料の中でも、強度等の点から、ポリエチレンテレフタレートが好ましい。
【0008】
絶縁性基材11の厚さは10〜100μmであることが好ましい。絶縁性基材11の厚さが10μm以上であれば、第1の電極12と第2の電極13とを充分に電気的に絶縁することができ、100μm以下であれば、電極体10aをより薄くできる。
【0009】
本実施形態例における第1の電極12および第2の電極13は、π共役系導電性高分子と可溶化高分子と溶媒とを含む導電性塗布液(以下、第1の導電性塗布液という。)が印刷または塗布されて形成された導電膜である。この導電膜は透明であるため、第1の電極12および第2の電極13は透明である。
【0010】
第1の導電性塗布液を構成するπ共役系導電性高分子としては、例えば、ポリピロール、ポリチオフェン、ポリ(N−メチルピロール)、ポリ(3−メチルチオフェン)、ポリ(3−メトキシチオフェン)、ポリ(3,4−エチレンジオキシチオフェン)などが挙げられる。これらの中でも、導電性の点から、ポリピロール、ポリ(3,4−エチレンジオキシチオフェン)が好ましい。
また、π共役系導電性高分子として、ポリアセチレン、ポリパラフェニレン、ポリアニリン、ポリフェニレンビニレン、ポリチオナフテンなどを使用することもできる。
【0011】
可溶化高分子とは、π共役系導電性高分子に配位して、単体では溶媒に不溶なπ共役系導電性高分子を可溶化させる高分子である。可溶化高分子としては、例えば、アニオン基を有する高分子、電子吸引基を有する高分子などが使用される。
【0012】
アニオン基を有する高分子の具体例としては、ポリビニルスルホン酸、ポリスチレンスルホン酸、ポリアリルスルホン酸、ポリアクリルスルホン酸、ポリメタクリルスルホン酸、ポリ(2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸)、ポリイソプレンスルホン酸、ポリビニルカルボン酸、ポリスチレンカルボン酸、ポリアリルカルボン酸、ポリアクリルカルボン酸、ポリメタクリルカルボン酸、ポリ(2−アクリルアミド−2−メチルプロパンカルボン酸)、ポリイソプレンカルボン酸、ポリアクリル酸等が挙げられる。
電子吸引性基を有する高分子の具体例としては、ポリアクリロニトリル、ポリメタクリロニトリル、アクリロニトリル−スチレン樹脂、アクリロニトリル−ブタジエン樹脂、アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン樹脂や、ヒドロキシル基あるいはアミノ基含有樹脂をシアノエチル化した樹脂(例えば、シアノエチルセルロース)、ポリビニルピロリドン、アルキル化ポリビニルピロリドン、ニトロセルロースなどが挙げられる。
【0013】
溶媒としては、例えば、水、メタノール、エタノール、プロパノール、ブタノール、アセトン、メチルエチルケトン、ヘキサン、ベンゼン、トルエン、N−メチル−2−ピロリドン、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、ジメチルスルホキシド、ヘキサメチレンホスホルトリアミド、アセトニトリル、ベンゾニトリル、クレゾール、フェノール、キシレノール、エチレンカーボネート、プロピレンカーボネート、ジオキサン、ジエチルエーテル、エチレングリコールジアルキルエーテル、プロピレングリコールジアルキルエーテル、エチレングリコール、プロピレングリコール、ポリエチレングリコールジアルキルエーテル、ポリプロピレングリコールジアルキルエーテル、3−メチル−2−オキサゾリジノンなどが挙げられる。これらは1種を単独で用いてもよいし、2種類以上の混合物としてもよいし、他の有機溶剤との混合物としてもよい。
【0014】
第1の導電性塗布液には、導電性をより高くするために、ドーパントを添加することが好ましい。
ドーパントとしては、ヨウ素、臭素等のハロゲン、PF、AsF、BF等のルイス酸、HF、HCl、HSO等のプロトン酸やパラトルエンスルホン酸、パラメトキシエチルトルエンスルホン酸等の有機酸、FeCl、TiCl等の遷移金属化合物、テトラシアノジメタン、テトラシアノテトラアザナフタレン、クロラニル等の有機物質、Li、Na、K等のアルカリ金属、Ca、Sr、Ba等のアルカリ土類金属等が挙げられる。
【0015】
第1の電極12および第2の電極13の形成方法するための第1の導電性塗布液の印刷方法としては、例えば、スクリーン印刷、オフセット印刷、グラビア印刷、フレキソ印刷などが挙げられ、中でも、スクリーン印刷が好ましい。
塗布方法としては、例えば、バーコーター、ダイコーター、コンマコーター、スプレーコーター、ロールコーター等の塗布装置を用いる方法が挙げられる。
印刷と塗布とでは、第1の電極12および第2の電極13を簡便に形成できることから、印刷が好ましい。
【0016】
印刷または塗布後には乾燥をおこなうことが好ましい。乾燥方法としては、例えば、熱風乾燥法、赤外線乾燥法、真空乾燥法などが挙げられる。
【0017】
このような第1の導電性塗布液の印刷または塗布によれば、絶縁性基材11の両面に導電膜からなる電極を容易に形成できる。
【0018】
可溶化高分子の含有量は、π共役系導電性高分子1モルに対して0.1〜10モルの範囲であることが好ましく、1〜7モルの範囲であることがより好ましい。可溶化高分子の含有量が0.1モル以上であれば、π共役系導電性高分子へのドーピング効果がより強くなり、導電性を充分に満たす。その上、溶媒への分散性及び溶解性が高くなり、均一な分散液を容易に得ることができる。また、可溶化高分子の含有量が10モル以下であれば、π共役系導電性高分子を充分に含むため、充分な導電性が得られる。
【0019】
第1の電極12および第2の電極13中のπ共役系導電性高分子の含有量は10〜95質量%であることが好ましい。π共役系導電性高分子の含有量が10質量%以上であれば、第1の電極12および第2の電極13の導電性が高くなって静電容量型スイッチを確実に動作させることができ、95質量%以下であれば、その製造がより簡便になる。
【0020】
第1の電極12および第2の電極13の厚さは0.1〜5μmであることが好ましい。第1の電極12および第2の電極13の厚さが0.1μm以上であれば、充分な導電性を確保でき、静電容量型スイッチを確実に動作させることができ、5μm以下であれば、電極体10aをより薄くできる。
【0021】
以上説明した第1の実施形態例の電極体10aは、絶縁性基材11の一方の面に第1の電極12が設けられ、他方の面に第2の電極13が設けられているため、薄くできる。したがって、この電極体10aを用いることにより、静電容量型スイッチを小型化できる。
また、この電極体10aでは、第1の電極12および第2の電極13形成後に、これら電極間を電気的に絶縁させるための絶縁体を別途形成する必要がないため、簡便に得られる。
さらに、電極体10aでは、絶縁性基材11が透明である上、第1の電極12および第2の電極13が第1の導電性塗布液より形成された透明な導電膜であり、光を透過する。このような電極体10aは照光式の静電容量型スイッチに好適に使用できる。
【0022】
<第2の実施形態例>
本発明の電極体の第2の実施形態例について説明する。
本実施形態例の電極体10bは、第1の実施形態例と同様に、矩形状の絶縁性基材11と、絶縁性基材11の一方の面に設けられた膜状の第1の電極14と、絶縁性基材11の他方の面に設けられた膜状の第2の電極15とを備えるものである(図1および図2参照)。
第1の電極14は、絶縁性基材11の対角線を境界とした際の一方の半分に設けられ、第2の電極15は、他方の半分に設けられている。したがって、本実施形態例の電極体10bの、絶縁性基材11の対角線を境界とした際の他方の半分側は、第1の電極14が設けられておらず、絶縁性基材11に第2の電極15のみが設けられている部分になっている。
【0023】
本実施形態例では、第1の実施形態例とは異なり、第1の電極14および第2の電極15が、不透明な膜からなる。
第1の電極14および第2の電極15を構成する不透明な膜としては、例えば、金属箔、金属めっきの膜、導電性塗布液が印刷または塗布されて形成された不透明な導電膜から構成される。
【0024】
金属箔としては、例えば、電解銅箔、圧延銅箔、電解ニッケル箔、ステンレス箔、アルミニウム箔等が使用される。
金属めっきの膜としては、例えば、金、銀、銅、ニッケル等のめっき膜が挙げられる。
【0025】
第1の電極14および第2の電極15が、不透明な導電膜である場合の導電性塗布液としては、例えば、導電性粒子とバインダと溶媒とを含む塗布液(以下、第2の導電性塗布液という。)が使用される。
導電性塗布液の印刷方法および塗布方法としては、第1の実施形態例と同様の方法を適用することができる。
【0026】
第2の導電性塗布液を構成する導電性粒子の材質としては、例えば、金、銀、銅、ニッケル、カーボン、およびこれらのうちの2種以上を含む合金などが挙げられる。これらの中でも導電性に優れることから、銀が好ましい。
【0027】
バインダとしては、ポリエステル系、アクリル系、ウレタン系、フッ素系、シリコーン系、又はエポキシ系の各種樹脂を挙げることができる。これらの樹脂は、1種を単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
【0028】
また、バインダが放射線硬化性樹脂であってもよい。ここで、放射線硬化性樹脂とは、紫外線や電子線等の放射線によって硬化する樹脂である。
放射線硬化性樹脂の具体例としては、放射線硬化性プレポリマーが挙げられる。放射線硬化性プレポリマーとしては、例えば、エステルアクリレート、エーテルアクリレート、ウレタンアクリレート、エポキシアクリレート、アミノ樹脂アクリレート、アクリル樹脂アクリレート、不飽和ポリエステル等のラジカル重合型、エポキシ樹脂、ビニルエーテルを有する樹脂等のカチオン重合型、アリール基やアクリロイル基を有するオリゴマーとポリチオールを組み合わせたチオール・エン付加型のもの等が挙げられる。
【0029】
この放射線硬化性プレポリマーを紫外線により硬化させる際には、充分に硬化させるために、光重合開始剤を添加しておくことが好ましい。
光重合開始剤としては、クロロアセトフェノン、ジエトキシアセトフェノン、ヒドロキシアセトフェノン、α−アミノアセトフェノン、ベンゾイルエーテル、ベンジルジメチルケタール、ベンゾフェノン、メチル−o−ベンゾイルベンゾエート、チオキサントン、α−アシルオキシムエステル、アシルホスフィンオキサイド、グリオキシエステル、3−ケトクマリン、2−エチルアンスラキノン、カンファーキノン、ベンジル、ミヒラーケトン、テトラメチルチウラムモノサルファイド、3,3’,4,4’−テトラ(ブチルパーオキシカルボニル)ベンゾフェノン等が挙げられる。
なお、電子線により放射線硬化性プレポリマーを硬化させる場合は、光重合開始剤を添加する必要はない。
【0030】
放射線硬化性樹脂を含む場合には放射性硬化性希釈剤が含まれてもよい。放射性硬化性希釈剤としては、2−エチルヘキシルアクリレート、エトキシジエチレングリコールアクリレート、ネオペンチルグリコールジアクリレート、1,6−ヘキサンジオールジアクリレート、トリメチロールプロパントリアクリレート、ペンタエリスリトールアクリレート、ビニルシクロヘキセンモノオキサイド、ヒドロキシブチルビニルエーテル、シクロヘキサンジメタノールジビニルエーテル、シクロヘキセンジエポキシドが挙げられる。
【0031】
第2の導電性塗布液の溶媒としては、第1の導電性塗布液の溶媒と同様のものが使用される。
【0032】
上記第2の導電性塗布液の中でも、第1の電極14および第2の電極15を容易に形成できることから、導電性粒子が、導電性粒子とバインダとの合計を100質量%とした際の40〜95質量%含まれる導電性ペーストが好ましい。このような導電性ペーストによれば、体積抵抗率が0.05〜5Ω・cmの第1の電極14および第2の電極15を容易に形成できる。
【0033】
第1の電極14および第2の電極15が、第2の導電性塗布液の印刷または塗布により形成した導電膜である場合、第1の電極14および第2の電極15中の導電性粒子の含有量は、導電性粒子とバインダとの合計を100質量%とした際の10〜90質量%であることが好ましい。導電性粒子の含有量が10質量%以上であれば、第1の電極14および第2の電極15の導電性が高くなって静電容量型スイッチを確実に動作させることができ、90質量%以下であれば、該電極の強度を確保できる。
【0034】
上記の不透明な膜の中でも、簡便な工程で得られることから、第2の導電性塗布液の印刷により形成した導電膜が好ましい。また、第2の導電性塗布液の印刷または塗布によれば、絶縁性基材11の両面に導電膜からなる電極を容易に形成できる。
【0035】
第1の電極14および第2の電極15の好ましい厚さは、第1の実施形態例と同様に、5〜50μmであることが好ましい。
【0036】
本実施形態例における絶縁性基材11としては、第1の実施形態例と同様に、透明なものを用いてもよいが、不透明な基材を用いることもできる。
【0037】
以上説明した第2の実施形態例の電極体10bは、絶縁性基材11の一方の面に第1の電極14が設けられ、他方の面に第2の電極15が設けられているため、薄くできる。したがって、この電極体10bを用いることにより、静電容量型スイッチを小型化できる。
また、この電極体10bでは、第1の電極14および第2の電極15形成後に、これら電極間を電気的に絶縁させるための絶縁体を別途形成する必要がないため、簡便に得られる。
【0038】
<第3の実施形態例>
本発明の電極体の第3の実施形態例について説明する。
図3および図4に、第3の実施形態例の電極体を示す。この電極体10cは、矩形状の絶縁性基材11と、絶縁性基材11の一方の面に設けられたストライプ状のパターンを構成している線状の第1の電極16と、絶縁性基材11の他方の面に設けられたストライプ状のパターンを構成している線状の第2の電極17とを備えるものである。第1の電極16は、絶縁性基材11の対角線を境界とした際の一方の半分側に設けられ、第2の電極17は、他方の半分側に設けられている。すなわち、本実施形態例の電極体10cの、絶縁性基材11の対角線を境界とした際の他方の半分側は、第1の電極16が設けられていない。したがって、電極体10cは、絶縁性基材11に第2の電極17のみが設けられている部分を有している。
また、このような電極体10cでは、絶縁性基材11に第1の電極16および第2の電極17が設けられていない部分11a(以下、この部分を窓部11aという。)を有している。
【0039】
本実施形態例における絶縁性基材11としては、第1の実施形態例と同様に、透明なものが使用される。
【0040】
第1の電極16および第2の電極17としては、導電性塗布液をパターン印刷して得たもの、導電性塗布液の塗膜、金属箔、金属めっきの膜のいずれかにパターンを形成して得たもの、パターンが形成されるように金属細線を配線して得たものなどが挙げられる。
【0041】
第1の電極16および第2の電極17が、導電性塗布液をパターン印刷して得たものである場合、導電性塗布液としては、上述した第1の導電性塗布液および第2の導電性塗布液を使用することができる。
印刷方法としては、例えば、スクリーン印刷、オフセット印刷、グラビア印刷、フレキソ印刷などが挙げられ、中でも、スクリーン印刷が好ましい。
【0042】
第1の電極16および第2の電極17が、導電性塗布液の塗膜にパターンを形成して得たものである場合、導電性塗布液としては、上述した第1の導電性塗布液および第2の導電性塗布液を使用することができる。
パターンの形成方法としては、例えば、パターンのない導電性塗布液の塗膜上にレジストを塗布し、その上にパターンを有するフォトマスク配置させ、UV露光等により露光部を硬化させ、非露光部を除去して現像し、エッチングする方法などが挙げられる。
導電性塗布液として、バインダが放射線硬化性樹脂のものを用いる場合には、上記エッチング法にてレジストの塗布を省略できるから、パターンの形成が簡便になる。
【0043】
第1の電極16および第2の電極17が、金属箔にパターンを形成して得たものである場合、金属箔としては、第2の実施形態例で挙げたものと同様のものが使用される。
パターン形成方法としては、金属箔上にレジストを塗布し、その上にパターンを有するフォトマスク配置させ、UV露光等により露光部を硬化させ、非露光部を除去して現像し、エッチングする方法などが挙げられる。
【0044】
第1の電極16および第2の電極17が、金属めっきの膜にパターンを形成して得たものである場合、金属めっきの膜としては、第2の実施形態例で挙げたものと同様のものが使用される。
パターン形成方法としては、例えば、公知のめっき方法により形成した金属めっきの膜上にレジストを塗布し、その上にパターンを有するフォトマスク配置させ、UV露光等により露光部を硬化させ、非露光部を除去して現像し、エッチングする方法などが挙げられる。
【0045】
第1の電極16および第2の電極17が、パターンが形成されるように金属細線を配線して得たものである場合、金属細線としては、ステンレス線、ニッケル線、タングステン線、りん青銅線、真鍮線等が使用される。
金属細線を用いた場合のパターン形成方法としては、絶縁性基材11上にノズルから金属細線を繰り出し、これを固定して所定のパターンを形成する方法などが挙げられる。
【0046】
これらの中でも、第1の電極16および第2の電極17は、簡便な工程で得られることから、導電性塗布液をパターン印刷して形成した導電膜が好ましい。
また、導電性塗布液のパターン印刷によれば、絶縁性基材11の両面に導電膜からなる電極を容易に形成できる。
【0047】
第1の電極16および第2の電極17の線幅は2〜40μmであることが好ましい。第1の電極16および第2の電極17の線幅が2μm以上であれば、容易にパターンを形成でき、40μm以下であれば、第1の電極16および第2の電極17の光透過性を容易に確保できる。
ただし、第1の電極16および第2の電極17が金属細線からなる場合には、線幅の下限を5μmとすることが好ましい。金属細線の線幅が5μm以上であれば、作製および取り扱いが容易になるからである。
【0048】
窓部11aは、電極体10cの一方の面側に発光体が配置された際に、その発光体の光を反対の面側に通すための窓になるものである。
窓部11aの、電極体10cの表面積を100%とした際の面積割合は、電極の導電性(具体的には抵抗値300Ω/□以上であることが求められる。)、発光体の光の強さ等を考慮して適宜選択される。例えば、第1の電極16および第2の電極17が銀ペーストから形成された場合には、窓部11aの面積割合は50〜99%とすることができる。ただし、導電性ペーストでのライン幅は0.1mm幅程度が限界であるため、現実的には80%程度であることが好ましい。
【0049】
以上説明した第3の実施形態例の電極体10cは、絶縁性基材11の一方の面に第1の電極16が設けられ、他方の面に第2の電極17が設けられているため、薄くできる。したがって、この電極体10cを用いることにより、静電容量型スイッチを小型化できる。
また、この電極体10cでは、第1の電極16および第2の電極17形成後に、これら電極間を電気的に絶縁させるための絶縁体を別途形成する必要がないため、簡便に得られる。
さらに、電極体10cでは、絶縁性基材11が透明である上、第1の電極16および第2の電極17が線状で、かつ、ストライプ状のパターン有しており、窓部11aにて光を透過する。このような電極体10cは照光式の静電容量型スイッチに好適に使用できる。
【0050】
<第4の実施形態例>
本発明の第4の実施形態例について説明する。
図5および図6に、本実施形態例の電極体10dを示す。本実施形態例の電極体10dは、矩形状の絶縁性基材11と、絶縁性基材11の一方の面の一部に設けられた膜状の第1の電極18と、絶縁性基材11の他方の面の一部に設けられた膜状の第2の電極19とを備えるものである。
第1の電極18は、絶縁性基材11の対角線を境界とした際の一方の半分側に設けられ、第2の電極19は、他方の半分側に設けられている。すなわち、本実施形態例の電極体10dの、絶縁性基材11の対角線を境界とした際の他方の半分側は、第1の電極18が設けられていない。したがって、電極体10dは、絶縁性基材11に第2の電極19のみが設けられている部分を有している。
また、第1の電極18および第2の電極19は、各々、絶縁性基材11の中央部にて半円状に欠失している。これにより、絶縁性基材11は、第1の電極18および第2の電極19が設けられていない部分11b(以下、この部分を窓部11bという。)を1つ有している。
【0051】
本実施形態例における絶縁性基材11としては、第2の実施形態例と同様に、透明なものを用いる。
第1の電極18および第2の電極19は、第2の実施形態例と同様に、金属箔、金属めっきの膜、導電性塗布液の不透明な塗膜から構成される。
【0052】
本実施形態例における窓部11bは円形状である。この窓部11bも、第3の実施形態例と同様に、電極体10dの一方の面側に発光体が配置された際に、その発光体の光を反対の面側に通すための窓になるものである。
窓部11bの、電極体10dの表面積を100%とした際の面積割合も、第3の実施形態例と同様に、電極の導電性、発光体の光の強さ等を考慮して適宜選択される。
【0053】
電極体10dでは、表になる側に、窓部11bを覆うように光拡散板が設けられていることが好ましい。窓部11bを覆うように光拡散板が設けられていれば、窓部11bを通った光を拡散させることができる。
ここで、拡散板としては、例えば、ポリアクリル、ポリカーボネート、ポリシクロオレフィン等の透明樹脂からなるシートが使用される。
【0054】
以上説明した第4の実施形態例の電極体10dは、絶縁性基材11の一方の面に第1の電極18が設けられ、他方の面に第2の電極19が設けられているため、薄くできる。したがって、この電極体10dを用いることにより、静電容量型スイッチを小型化できる。
また、この電極体10dでは、第1の電極18および第2の電極19形成後に、これら電極間を電気的に絶縁させるための絶縁体を別途形成する必要がないため、簡便に得られる。
さらに、電極体10dでは、絶縁性基材11が透明である上、透光可能な窓部11bを有しているため、光を透過する。このような電極体10dは照光式の静電容量型スイッチに好適に使用できる。
【0055】
なお、本発明の電極体は上述した実施形態例に限定されない。例えば、第1の実施形態例および第2の実施形態例では、第1の電極12,14が絶縁性基材11の一方の面の半分に設けられ、第2の電極13,15が他方の面の半分に設けられたが、図7に示すように、第1の電極12,14が絶縁性基材11の一方の面の半分に設けられ、第2の電極13,15が絶縁性基材11の他方の面の全部に設けられていてもよい。この場合、絶縁性基材11の一方の面には、第1の電極が設けられていない部分があり、この部分が、絶縁性基材11に第2の電極13,15のみが設けられている部分となる。
また、図8および図9に示すように、第1の電極12,14が絶縁性基材11の一方の面の中央部に設けられ、第2の電極13,15が絶縁性基材11の他方の面の全部に設けられていてもよい。この場合、絶縁性基材11の一方の面における中央部以外の部分には、第1の電極が設けられていない部分があり、この部分が、絶縁性基材11に第2の電極13,15のみが設けられている部分となる。
【0056】
上述した第3の実施形態例では、第1の電極16および第2の電極17のパターンがストライプ状であったが、そのパターンは、例えば、格子状、千鳥格子状、ハニカム状、多角形の集合体形状などであってもよい。
【0057】
上述した第4の実施形態例では、電極体10dにおける窓部11bが円形状であったが、多角形状、星状であってもよいし、文字状であってもよい。また、電極体10dでは窓部11bが1つであったが、2つ以上であってもよい。
【0058】
また、上述した第1〜第4の実施形態例では、1枚の絶縁性基材に第1の電極と第2の電極を1つずつ設けたものであるが、1枚の絶縁性基材に第1の電極と第2の電極とを2つ以上設けて、2つ以上の電極体を作製してもよい。このように1枚の絶縁性基材を用いて2つ以上の電極体を作製したものは、電極アレイシートとして利用できる。
【0059】
「静電容量型スイッチ」
本発明の静電容量型スイッチの一実施形態例について説明する。
図10に、本実施形態例の静電容量型スイッチを示す。この静電容量型スイッチ1は、電気回路の開閉を切り替えるために使用されるものであり、電極体10aと、電圧印加部20と、静電容量検出部30と、制御部40と、発光体50と、表示板60を具備するものである。
本実施形態例における電極体10aは、第1の実施形態例のものであり、光透過性を有するものである。
電圧印加部20は、第1の電極12と第2の電極13とを所定電圧で印加するものである。
静電容量検出部30は、第1の電極12と第2の電極13との間の静電容量の変化量を検出するものである。
制御部40は、静電容量検出部30に接続され、静電容量検出部30により検出された静電容量の変化量が閾値を超えた際に電気回路の開閉を切り替えるものである。
発光体50は、発光ダイオード(LED)等であり、電極体10aの第2の電極13側に設置されたものである。また、発光体50は制御部40に接続され、電気回路が開(ON)の状態のときに発光し、閉(OFF)の状態のときに消光するようになっている。
表示板60は、電極体10aの第1の電極12側に設置されたものである。表示板60の具体例としては、抜き文字が設けられた板、着色された板などが挙げられる。
【0060】
この静電容量型スイッチは、以下のようにして使用する。
まず、電圧印加部20により第1の電極12と第2の電極13とを所定電圧で印加し、静電容量検出部30により第1の電極12と第2の電極13との間の静電容量を監視する。
電気回路を開または閉にするために、人が表示板60に指を近接させると、その指の近接によって第1の電極12と第2の電極13との間の静電容量が変化する。静電容量検出部30は、その静電容量の変化量を検出し、その値を制御部40に伝送する。そして、制御部40により、静電容量の変化量が閾値を超えた際に、電気回路を開から閉に、または、閉から開に切り替える。また、その切り替えに同期して、電気回路が開になった際に発光体50を発光させ、閉になった際に消光させる。発光体50が発光している際には、その光が電極体10aを透過し、さらに表示板60の抜き文字あるいは表示板60そのものを透過する。これにより、電気回路の開閉が視覚的に判別できるようになる。
【実施例】
【0061】
(実施例1)
本例では、まず、ポリエチレンテレフタレート(PET)フィルム(厚さ25μm、250mm四方)の一方の面に、図11に示すようなパターンPが形成されるように、導電性ペースト(信越ポリマー(株)製NST−1)をスクリーン印刷し、乾燥させて、第1の引き回し回路121を形成した。次いで、PETフィルムの一方の面に第1の導電性塗布液(日本アグファ・ゲバルト(株)製、製品名:ポリマーインクEL−P5010)をスクリーン印刷し、140℃で20分間加熱乾燥させて、図12に示すように、第1の引き回し回路121に接続する第1の電極112,112・・・を4列×6列で形成した。
次に、第1の引き回し回路121の末端部分を上から針を用いて穿孔して、直径約0.2mmのスルーホールを形成した。このスルーホールにスクリーン印刷により前記導電性ペーストを充填し、乾燥させて貫通回路130を形成した。
次に、PETフィルムの他方の面に、図13に示すようなパターンPが形成されるように、導電性ペーストをスクリーン印刷し、乾燥させて、第2の引き回し回路122を形成した。次いで、PETフィルムの他方の面に第1の導電性塗布液をスクリーン印刷し、140℃で20分間乾燥させて、図14に示すように、第2の引き回し回路122に接続する第2の電極113,113・・・を4列×6列で形成した。その際、各第1の電極112と各第2の電極113とで矩形状のスイッチ領域が形成されるように印刷した。
その後、両面に電極が設けられたPETフィルムを、トムソン刃により外形抜き加工を施して、電極体を多数有する電極アレイシートを得た。
抜き文字が形成されるように印刷が施された厚さ1mmのアクリル製の表示体の片面に、アクリル系両面テープ(東洋インキ製造(株)製R390)を介して、上記電極アレイシートを貼り合わせて、スイッチアレイを得た。
このスイッチアレイをサイプレス(Cypress)社のCY3212−CapSense評価キットに接続して、動作検証を実施したところ、スレッシュホールド値のチューニングを実施することなしに、かつ、誤動作することなしに動作することを確認した。
また、スイッチアレイの第2の電極側に、ハクバ社製のバックライト(ハクバ5700ライトビューアー)を配置し、これを発光させたところ、電極体に光が透過して、文字が照光することを確認した。
【0062】
(実施例2)
本例では、まず、PETフィルム(厚さ25μm、250mm四方)の一方の面に、図15に示すようなパターンPが形成されるように、導電性ペースト(信越ポリマー(株)製NST−1)をスクリーン印刷し、乾燥させて、第1の引き回し回路121と、第1の引き回し回路121に接続する第1の電極116,116・・・を4列×6列で形成した。この印刷では、第1の電極116の線幅を0.3mm、ピッチを0.9mmとし、窓部の面積割合を66.7%とした。
次に、第1の引き回し回路121の末端部分を上から針を用いて穿孔して、直径約0.2mmのスルーホールを形成した。このスルーホールにスクリーン印刷により前記導電性ペーストを充填し、乾燥させて貫通回路130を形成した。
次に、PETフィルムの他方の面にも、上記と同様にして、図16に示すようなパターンPの、第2の引き回し回路122と、第2の引き回し回路122に接続する第2の電極117,117・・・を4列×6列で形成した。その際、各第1の電極116と各第2の電極117とで矩形状のスイッチ領域が形成されるように印刷した。
その後、両面に電極が設けられたPETフィルムを、トムソン刃により外形抜き加工を施して、電極体を多数有する電極アレイシートを得た。
抜き文字が形成されるように印刷が施された厚さ1mmのアクリル製の表示体の片面に、アクリル系両面テープ(東洋インキ製造(株)製R390)を介して、上記電極アレイシートを貼り合わせて、スイッチアレイを得た。
このスイッチアレイをサイプレス(Cypress)社のCY3212−CapSense評価キットに接続して、動作検証を実施したところ、スレッシュホールド値のチューニングを実施することなしに、かつ、誤動作することなしに動作することを確認した。
また、スイッチアレイの第2の電極側に、ハクバ社製のバックライト(ハクバ5700ライトビューアー)を配置し、これを発光させたところ、電極体に光が透過して、文字が照光することを確認した。
また、スイッチアレイの第2の電極側に、ハクバ社製のバックライト(ハクバ5700ライトビューアー)を配置し、これを発光させたところ、電極体に光が透過して、文字が照光することを確認した。
【0063】
(実施例3)
本例では、まず、PETフィルム(厚さ25μm、250mm四方)の一方の面に、図17に示すようなパターンPが形成されるように、導電性ペースト(信越ポリマー(株)製NST−1)をスクリーン印刷し、乾燥させて、第1の引き回し回路121と第1の引き回し回路121に接続する第1の電極118,118・・・を形成した。
次に、第1の引き回し回路121の末端部分を上から針を用いて穿孔して、直径約0.2mmのスルーホールを形成し、次いで、上からスクリーン印刷により前記スルーホールに導電性ペーストを充填し、乾燥させて、貫通回路130を形成した。
次に、PETフィルムの他方の面に、図18に示すようなパターンPが形成されるように、導電性ペーストをスクリーン印刷し、乾燥させて、第2の引き回し回路122と第2の引き回し回路122に接続する第2の電極119,119・・・を形成した。その際、各第1の電極118と各第2の電極119とで矩形状の領域が形成されるように印刷した。
その後、両面に電極が設けられたPETフィルムを、トムソン刃により外形抜き加工を施して、電極体を多数有する電極アレイシートを得た。
抜き文字が形成されるように印刷が施された厚さ1mmのアクリル板の片面に、アクリル系両面テープ(東洋インキ製造(株)製R390)を介して、上記電極アレイシートを貼り合わせて、スイッチアレイを得た。
このスイッチアレイをサイプレス(Cypress)社のCY3212−CapSense評価キットに接続して、動作検証を実施したところ、スレッシュホールド値のチューニングを実施することなしに、かつ、誤動作することなしに動作することを確認した。
また、スイッチアレイの第2の電極側に、ハクバ社製のバックライト(ハクバ5700ライトビューアー)を配置し、これを発光させたところ、電極体に光が透過して、文字が照光することを確認した。
また、スイッチアレイの第2の電極側に、ハクバ社製のバックライト(ハクバ5700ライトビューアー)を配置し、これを発光させたところ、電極体に光が透過して、文字が照光することを確認した。
【図面の簡単な説明】
【0064】
【図1】本発明の静電容量型スイッチ用電極体の第1の実施形態例および第2の実施形態例を示す平面図である。
【図2】図1のI−I断面図である。
【図3】本発明の静電容量型スイッチ用電極体の第3の実施形態例を示す平面図である。
【図4】図3のII−II断面図である。
【図5】本発明の静電容量型スイッチ用電極体の第4の実施形態例を示す平面図である。
【図6】図5のIII−III断面図である。
【図7】本発明の静電容量型スイッチ用電極体の他の実施形態例を示す断面図である。
【図8】本発明の静電容量型スイッチ用電極体の他の実施形態例を示す平面図である。
【図9】図8のIV−IV断面図である。
【図10】本発明の静電容量型スイッチの一実施形態例を説明する図である。
【図11】実施例1における第1の引き回し回路のパターンを示す平面図である。
【図12】実施例1における第1の電極のパターンを示す平面図である。
【図13】実施例1における第2の引き回し回路のパターンを示す平面図である。
【図14】実施例1における第2の電極のパターンを示す平面図である。
【図15】実施例2における第1の引き回し回路および第1の電極のパターンを示す平面図である。
【図16】実施例2における第2の引き回し回路および第2の電極のパターンを示す平面図である。
【図17】実施例3における第1の引き回し回路および第1の電極のパターンを示す平面図である。
【図18】実施例3における第2の引き回し回路および第2の電極のパターンを示す平面図である。
【符号の説明】
【0065】
10a,10b,10c,10d 電極体(静電容量型スイッチ用電極体)
11 絶縁性基材
11a,11b 窓部
12,14,16,18 第1の電極
13,15,17,19 第2の電極
20 電圧印加部
30 静電容量検出部
40 制御部
50 発光体
60 表示板
112,116,118 第1の電極
113,117,119 第2の電極
121 第1の引き回し回路
122 第2の引き回し回路

【特許請求の範囲】
【請求項1】
絶縁性基材と、絶縁性基材の一方の面の一部に設けられた第1の電極と、絶縁性基材の他方の面の少なくとも一部に設けられた第2の電極とを備え、
絶縁性基材に第2の電極のみが設けられている部分を有することを特徴とする静電容量型スイッチ用電極体。
【請求項2】
絶縁性基材が透明であり、
第1の電極および第2の電極が、π共役系導電性高分子と可溶化高分子と溶媒とを含む導電性塗布液が印刷または塗布されて形成された導電膜であることを請求項1に記載の静電容量型スイッチ用電極体。
【請求項3】
絶縁性基材が透明であり、
絶縁性基材が、第1の電極および第2の電極が設けられていない窓部を有する請求項1に記載の静電容量型スイッチ用電極体。
【請求項4】
第1の電極および第2の電極が、線状であり、かつ、パターンを有していることを特徴とする請求項3に記載の静電容量型スイッチ用電極体。
【請求項5】
窓部を覆うように光拡散板が設けられていることを特徴とする請求項3に記載の静電容量型スイッチ用電極体。
【請求項6】
電気回路の開閉を切り替えるために使用される静電容量型スイッチであって、
請求項1〜5のいずれかに記載の静電容量型スイッチ用電極体と、該静電容量型スイッチ用電極体の第1の電極と第2の電極とを所定電圧で印加する電圧印加部と、該静電容量型スイッチ用電極体の第1の電極と第2の電極との間の静電容量の変化量を検出する静電容量検出部と、該静電容量検出部により検出された静電容量の変化量が閾値を超えた際に電気回路の開閉を切り替える制御部とを具備することを特徴とする静電容量型スイッチ。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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