説明

静電気除去固体インク容器及びインク画像生成装置

【課題】粒状の固体インクが充填されたインク容器から、インク容器内の回転接触による摩擦で固体インクを供給する場合において、容器内の固体インク粒子の詰まり、ブリッジングの発生原因となる固体インク粒子に帯電する静電気を散逸させる。
【解決手段】静電気除去固体インク容器90において、第1の円筒形部材98および第2の円筒形部材110それぞれの壁またはシェル99、111は導電性を有する。容器90内を移動する大量の固体インクパスティル92と接触する内周106は、径方向突出部112とともに導電性を有する。ステンレス鋼ファイバー製の導電性アースブラシ89が第1または第2の円筒形部材98、110のいずれかの導電性外表面の一部に接触することにより、パスティル92に帯電する静電気を除去する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本出願は、「固体インクパスティル(Solid Ink Pastilles)」という名称の米国特許出願人整理番号D/A2537に関連する。
【0002】
本発明は固体インク形状に関し、より詳細には、高速固体インクジェットプリンタ用固体インクパスティルに関する。
【背景技術】
【0003】
一般的に、相変化インク画像生成装置またはプリンタにおいては、常温で固相として存在し、装置またはプリンタの高い作動温度において溶融または融解された(そして液滴またはジェットとして吐出可能な)液相として存在する相変化インクが使用される。そのような高温の作動温度において、溶融または融解された液体の相変化インクの液滴またはジェットは、プリンタのプリントヘッド装置から印刷媒体上へと吐出される。係る吐出は、最終的な受像被印刷体に直接行うことも、画像形成部材に間接的に行った後に最終的な受像媒体に転写することもできる。いずれの場合も、インク液滴が印刷媒体の表面に接触すると素早く固化し、固化したインク液滴による所定のパターン状の画像を形成する。
【0004】
そのような相変化インク画像生成装置またはプリンタの例、およびそれらによる受像シートへの画像生成工程の例が、1994年12月13日にティッテリントン他(Titterington et al.)により発行された特許文献1に開示されている。当該特許文献1中に開示されているとおり、相変化インク印刷工程には、溶融した液体相変化インクを形成するために、固体状の相変化インクの温度を上昇させて溶かすことが含まれる。また、液体状の相変化インクを、インクジェットプリントヘッド等の装置を利用して画像形成面上にパターン状に塗布することも含まれる。この工程には、この後に画像形成面上の相変化インク液滴を固化することと、それらを受像被印刷体へ転写することと、相変化インクを被印刷体に定着させることとが含まれる。
【0005】
当業者には周知のとおり、そのような装置で使用される相変化インクはろう状で、摂氏約120度未満で溶けるため、電子写真装置で使用される乾燥粉末トナーとは著しく異なる。そのような相変化インクの例が以下の参考文献に開示されている。2001年11月20日に発行された「相変化インク組成」という名称の特許文献2には、相変化インクであって、(a)融点が摂氏約120度未満であり、且つ、音響損失値が約100dB/mm未満であるカルバミン酸またはチオ尿素と、(b)着色剤と、(c)約10,000未満の数平均分子量を有し、摂氏約120度未満の融点または軟化点を有する分岐炭化水素と、(d)任意の可塑剤と、(e)融点が摂氏約90度未満であり、且つ、音響損失値が100dB/mm未満である任意のアルコールと、(f)任意の耐光性付与剤と、(g)任意の酸化防止剤と、を含む相変化インクが開示されている。
【0006】
2000年8月1日に発行された「インク組成」という名称の特許文献3には、インク組成であって、(1)塩とオキシアルキレン化合物から成る混合物であって、その融点が摂氏約60度乃至摂氏約120度である導電性混合物と、(2)融点が摂氏約80度乃至摂氏約100度であるインク賦形剤化合物と、(3)粘度調整アミド化合物と、(4)耐光性成分と、(5)耐光性酸化防止剤と、(6)着色剤とを含むインク組成が開示されている。
【0007】
上記のような固体インクの代わりに乾燥粉末トナーを使用する電子写真においては、例えば、1996年2月27日に発行された特許文献4や2003年12月16日に発行された特許文献5に開示されるような普通の容器を使用して、容易に流れる大量の乾燥トナー粒子を収容し、装置の現像ステーションへと供給することが知られている。
【0008】
【特許文献1】米国特許第5,372,852号明細書
【特許文献2】米国特許第6,319,310号明細書
【特許文献3】米国特許第6,096,125号明細書
【特許文献4】米国特許第5,495,323号公報
【特許文献5】米国特許第6,665,505号公報
【特許文献6】米国特許第4,636,803号公報
【特許文献7】米国特許第4,739,339号公報
【特許文献8】米国特許第5,038,157号公報
【特許文献9】米国特許第6,053,608号公報
【特許文献10】米国デザイン特許第D453,787号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
しかしながら、固体インク印刷においては、そのような固体インクまたは相変化インクの固体形状は、通常、例えば特許文献6(長方形ブロック24、円筒形ブロック224)、特許文献7(円筒形ブロック22)、特許文献8(六角形バー12)、特許文献9(段差のある構造を有するテーパー付きブロック)に開示されるように、「スティック状」、「ブロック状」、「バー状」、または「ペレット状」である。そのような固体形状はさらに、2002年2月19日に発行された特許文献10などのデザイン特許に開示されている。そのようなブロック状の「スティック」、「ブロック」、「バー」、または「ペレット」は使用に際して、加熱融解装置に供給されることにより、融解または相変化して、前述のごとく印刷に供されるために直接プリントヘッドリザーバに供給される。
【0010】
さらに、特許文献6では、固体インクが、粒状で供給および処理できることが単に示唆されている。当該特許文献に示されるとおり、概ね円筒形のハウジングが、モータに回転されるオーガーを受ける。円筒形のハウジングとオーガーの表面との間の隙間が、粒状の固体インクで充填されている。オーガーが回転すると、粒状のインクが排出位置に接近し、排出口を通ってトラフ内へと落下する。しかしながら、容器内の回転接触による摩擦により粒子状または粒状の固体インクを通常の方法で供給しようと試みても、望ましくない静電気が発生し、固体インク粒子を帯電させてしまうため、容器内の固体インク粒子の望ましくない詰まりやブリッジングを引き起こす。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明に係る静電気除去固体インク容器は、大量の固体相変化インクパスティルを収容および供給するための静電気除去容器であって、該静電気除去容器は、(a)閉塞端と、(b)閉塞端と反対側に位置する開放端と、(c)前記閉塞端を前記開放端に接続する少なくとも1つの円筒形部材であって、該少なくとも1つの円筒形部材が、大量の固体相変化インクパスティルを収容および摩擦で移動させるための1つのチャンバを画定する内表面を有する円筒形部材と、(d)静電気除去装置であって、(i)その中に収容され移動される大量の固体相変化インクパスティルに接触するための導電性内側部と、(ii)アース可能な導電性外側部と、(iii)前記導電性内側部を前記アース可能な導電性外側部に接続するための導電性コネクタであって、当該コネクタにより前記内部チャンバ内で大量の固体相変化インクパスティルが摩擦で移動することにより蓄積された静電気を散逸させることを可能にするコネクタと、を含む静電気除去装置と、を有することを特徴とする。
【0012】
本発明に係る他の静電気除去固体インク容器は、大量の固体相変化インクパスティルを収容および供給するための静電気除去容器であって、該静電気除去容器は、(a)閉塞端と、(b)閉塞端と反対側に位置する開放端と、(c)前記閉塞端を前記開放端に接続する第1の円筒形部材であって、該第1の円筒形部材が1つのチャンバを画定する内表面を有するシェルを含み、前記チャンバ内で大量の固体相変化インクパスティルを収容および摩擦で移動させる第1の円筒形部材と、(d)前記開放端に隣接して取り付けられた第2の円筒形部材と、(e)静電気除去装置であって、(i)前記第2の円筒形部材内に取り付けられた導電性インサートであって、大量の固体相変化インクパスティルに接触してパスティルを前記チャンバから移動させるための、内側へと延伸する導電性の径方向突出部を含む導電性インサートと、(ii)接地するためのアース可能な導電性外側縁を有するワッシャ状の部分であって、それにより、大量の固体相変化インクパスティルを前記チャンバから摩擦で移動させることにより蓄積された静電気を散逸させるワッシャ状の部分と、を含むことを特徴とする。
【0013】
本発明に係るインク画像生成装置は、高速相変化インク画像生成装置であって、(a)画像形成面を有する可動画像形成部材と、(b)前記画像形成面に溶融液体相変化インクの液滴をピクセル状に噴出して画像を形成するために、制御サブシステムに接続されたプリントヘッドシステムと、(c)形成された画像を受像するために受像被印刷体を画像転写ステーションに供給するための、被印刷体供給処理システムと、(d)静電気除去固体インク供給装置であって、(a)大量の固体インク粒子をその中に収容および移動させるためのチャンバを有する、導電性の回転可能な容器と、(b)接地された導電性アースブラシであって、前記導電性の回転可能な容器に接触して、固体インク粒子が前記導電性の回転可能な容器内を移動することにより蓄積された電荷を地面に排出する導電性アースブラシと、を含む静電気除去固体インク供給装置と、を有することを特徴とする。
【発明の効果】
【0014】
粒状の固体インクが充填されたインク容器から、インク容器内の回転接触による摩擦で固体インクを供給する場合において、固体インク粒子に帯電する静電気に起因する容器内の固体インク粒子の詰まり、ブリッジングの発生問題を解決するため、帯電する静電気を散逸させる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0015】
次に図1を参照して説明する。当該図には、本開示に係る高速相変化インク画像生成装置またはプリンタ10などの画像生成装置が図示されている。図示されているように、装置10は、以下に記載するとおり、そのオペレーティングサブシステムおよびコンポーネントが直接または間接的に搭載されたフレーム11を含む。まず、この高速相変化インク画像生成装置またはプリンタ10は、ドラム型として図示された画像形成部材12を含むが、同様に、支持されたエンドレスベルト型であってもよい。画像形成部材12は方向16に可動な画像形成面14を有し、この画像形成面14上に相変化インク画像が形成される。
【0016】
高速相変化インク画像生成装置またはプリンタ10は更に、本開示に従って特に粒状またはパスティル状である、少なくとも1つの固形の相変化インクの少なくとも1つの供給源22を有する相変化インク供給サブシステム20を含む。この相変化インク画像生成装置またはプリンタ10は多色画像生成装置であるため、インク供給システム20は、相変化インクの4つの異なる色CYMK(シアン、イエロー、マゼンタ、ブラック)を示す4つの供給源22、24、26、28(以下に詳細に記載する)を含む。相変化インク供給システムはまた、相変化インクの固体パスティルを液体に融解または相変化させるための融解制御装置(図示せず)を含む。相変化インク供給システムは、その後液体状のインクを、少なくとも1つのプリントヘッドアッセンブリ32を有するプリントヘッドシステム30に供給するのに適している。相変化インク画像生成装置またはプリンタ10は高速、または大量処理多色画像生成装置であるため、プリントヘッドシステム30は、図示のとおり、多色インクプリントヘッドアッセンブリおよび複数の(例えば4つの)別個のプリントヘッドアッセンブリ32、34、36、および38を含む。
【0017】
さらに示すとおり、相変化インク画像生成装置またはプリンタ10は、被印刷体供給ハンドリングシステム40を含む。被印刷体供給ハンドリングシステム40は例えば、被印刷体供給源42、44、46、48を含み、このうち例えば供給源48が、例えばカットシート状の受像被印刷体を格納および供給するための大容量給紙装置またはフィーダであってもよい。いずれにせよ、被印刷体供給ハンドリングシステム40は、被印刷体予熱器52、被印刷体および画像ヒータ、任意の溶融デバイス60を有する被印刷体ハンドリング処理システム50を含む。相変化インク画像生成装置またはプリンタ10は、図示のとおり、文書保持トレイ72を有する原紙フィーダ70と、文書シート供給および回収装置74と、文書露光走査システム76と、を含むことができる。
【0018】
装置またはプリンタ10の各種サブシステム、コンポーネント、および機能の操作と制御は、コントローラまたは電子サブシステム(ESS)80の支援のもと実行される。ESSまたはコントローラ80は例えば、中央演算処理装置(CPU)82、電子記憶装置83、およびディスプレイまたはユーザーインターフェース(UI)84を有する内蔵型の専用小型コンピュータである。ESSまたはコントローラ80は例えば、センサ入力および制御手段85とともにピクセル配置制御手段86を含む。さらにCPU82は、走査システム76、もしくはオンラインまたはワークステーション接続87などの画像入力源とプリントヘッドアッセンブリ32、34、36、38との間の画像データフローを読み取り、取り込み、準備、および管理する。そのように、ESSまたはコントローラ80は、全ての他の装置サブシステムおよび機能を動作および制御するためのメインマルチタスクプロセッサである。
【0019】
作動中、生成される画像の画像データは、走査システム76から、もしくはオンラインまたはワークステーション接続87を介してコントローラ80に送られ、処理された後プリントヘッドアッセンブリ32、34、36、38から出力される。さらに、コントローラは、例えばユーザーインターフェース86を介したオペレータ入力から、関連するサブシステムおよびコンポーネントの制御を判定および/または受理し、それに従って制御を実行する。その結果、適切な色の固体相変化インクが融解され、プリントヘッドアッセンブリへと供給される。さらに、ピクセル配置制御が画像形成面14に対して実行され、それにより所望の画像がそのような画像データに従って形成され、受像被印刷体が供給源42、44、46、48のいずれか1つから供給されて表面14上の画像形成とタイミングを合わせて手段50に処理される。最終的に画像は、表面14から受像被印刷体へと転写ニップ88内で転写され、溶融デバイス60で引き続き溶融される。
【0020】
次に、図1から図4を参照して説明する。図には、固体インクパスティルの4つの供給源22、24、26、28を含むインク供給システム20の詳細が図示されている。前記に指摘のとおり、供給源22、24、26、28は、相変化インクの4つの異なる色CYMK(シアン、イエロー、マゼンタ、ブラック)を示す。色の違いを除いては、22、24、26、28のいずれも同一であるため、1つの説明で他の説明も足りる。
【0021】
図2から図4に示すとおり、各供給源は、大量のろう状の固体インクパスティル92を供給するために収容および貯蔵するために使用される静電気除去固体インク容器90を含む。静電気除去固体インク容器90は、概ね円筒形であり、その第1端96上に開口部94を有する。望ましくは、静電気除去固体インク容器90は、シェルまたは壁99と、開口部94に近接した開放端100と、開放端100の反対側に位置する閉塞端102とを有する第1の概ね円筒形の部分98を含む。固体インクパスティル92を第1の概ね円筒形の部分98から押し出すため、壁またはシェル99は、その内周106にらせん状のリブ104を含む。装置10内の静電気除去固体インク容器90の対応する回転により、らせん状リブ104は右巻きまたは左巻きのいずれの配向を有してもよい。
【0022】
静電気除去固体インク容器90はまた、第1の円筒形の部分98の開放端100から延伸する第2の円筒形または環状の部分110を含む。第2の円筒形または環状の部分110は壁111と、少なくとも1つの内周114と、軸または中心線122に向かってその内側に延伸する径方向突出部112とを含む。径方向突出部112はそれぞれ、容器90の回転方向120に湾曲する運搬面116を有する。これにより径方向突出部112は、運搬面116に沿ってポケット124を形成し、このポケット124は、固体インクパスティル92が第1の円筒形の部分98の開放端100から移動させられたときに大量の固体インクパスティル92で充填されるとともに、そのような大量のパスティル92を容器90から供給するために内周114に沿って運搬する。
【0023】
前記に指摘したように、パスティル92を移動して容器から供給するために、容器90を通常の方法で回転しようと試みても、望ましくない静電気が発生し、パスティル92を帯電させてしまうため、容器90内に望ましくない詰まりやブリッジングを引き起こすことが分かっている。したがって、図1から図4に図示したとおり、そのような問題を解決するため、容器90は(下記に詳細に示す)本開示にしたがった静電気除去特徴を備えている。
【0024】
図2に示すとおり、静電気除去固体インク容器90の第1実施例において、第1の円筒形部材98および第2の円筒形部材110それぞれの壁またはシェル99、111は導電性を有し、例えば、その表面低効率を10−6乃至10−9オーム/スクエアにするために静電気除去フィラーを含む樹脂で成形されている。容器90内を移動する大量の固体インクパスティル92とそれぞれが接触する内周106および114は、径方向突出部112とともに導電性を有する。図4に示すとおり、本実施例のために、例えばステンレス鋼ファイバー製の導電性アースブラシ89が、接地されるか、装置10のフレームに取り付けられる。取り付けられ接続された状態で、アースブラシ89は第1または第2の円筒形部材98、110のいずれかの導電性外表面の一部に接触して、パスティル92が容器90内を移動することにより蓄積された電荷を除去または排出する。
【0025】
図3に示すとおり、第2実施例において、第2の円筒形または環状の部分110は、内周114を有する導電性インサート113と、同等の導電性を有し外側縁117まで延伸するワッシャ状の部分とを含む。図示のとおり、内周114は軸または中心線122に向かってその内側に延伸する導電性の径方向突出部112を有する。径方向突出部112はそれぞれ、容器90の回転方向120に湾曲する運搬面116を有する。これにより径方向突出部112は、運搬面116に沿ってポケット124を形成し、このポケット124は、固体インクパスティル92が第1の円筒形の部分98の開放端100から移動させられたときに大量の固体インクパスティル92で充填されるとともに、このような大量のパスティル92を容器90から供給するために内周114に沿って運搬する。
【0026】
さらに図示のとおり、静電気除去固体インク容器90は、第2の円筒形または環状の部分110の第2面130から延伸する板状の端部126を含む。板状の端部126は、容器90の第1端96を含むとともに容器90の開口部94を含む。板状の端部126はまた、端部126のディスク領域134から内側に延伸する内部ハブ132を含む。穿刺可能なシール136が内部ハブ132のへり139の内面138に接触して位置することが望ましい。シール136は、装置10に静電気除去固体インク容器90を取り付けたり取り外す際に固体インクパスティル92を収容する役割を果たす。
【0027】
容器90を装置10内に取り付ける際に、穿刺可能なシール136に加えて密封手段を設けるために二次的シール140が設けられており、この二次的シール140は、穿刺可能なシール136に平行に、且つ外側に離間して内部ハブ132内に設けられている。当然のことながら、内部ハブ132は、容器90とは別体の構成部品であっても容器90と一体であってもよい。二次的シール140は、インク供給源装置29内への取り付けの際に、オーガー管144上に摺動可能に嵌合してオーガー管144を密封する中央開口部142を含む。
【0028】
次に、図1および図4を参照して説明する。インク供給源装置29は、ディスク領域134から外向きに延伸する外部ハブ146を有する板状の端部126を含む。板状の端部126はさらに、ディスク領域134の外表面174から外向きに延伸し、インク供給源装置29と連通するために使用されるピン172を含む。外部ハブ146は、静電気除去固体インク容器90の輸送および保管の際にカバーシール150が固定される、外部面148を含む。カバーシール150は、糊付けなどの適切な手段により面148に固定される。シール150はガス透過性の素材でできている。シール150は、高高度輸送または温度サイクル時に気圧を解放して、シールが破裂するのを防止する。Tyvek(米国登録商標)素材がこの用途に適している。カバーシール150は専ら輸送時に使用され、容器90を装置10内に取り付ける前には取り除かれる。望ましくは、カバーシール150は、カバーシール150を取り除くために使用することのできる、シール150から延伸するタブ152を含む。
【0029】
次に図4を参照して説明する。静電気除去固体インク容器90は、インク供給源装置29の中心線を水平に取り、インク供給源装置29内に取り付けられた状態で図示されている。取り付けに際して静電気除去固体インク容器90は、ボトル支持材180で支持される。図4では複数のボトル支持材180が図示されているが、より幅広の1つのボトル支持材でも同様の目的を果たすことができるのは当然である。静電気除去固体インク容器90の外面182はボトル支持材180に接触し、これにより支持される。
【0030】
インク供給源装置29はハウジング44を含み、ハウジング44からボトル支持材180が延伸する。ハウジング部184はハウジング44の一端186から上向きに延伸する。供給機構190はハウジング部184を通り、ハウジング部184から外向きに中心線192の方向へ延伸する。供給機構190は静電気除去固体インク容器190の開口部94を通って延伸し、中心線192は中心線122と同一直線状にある。望ましくは、供給機構190は管144内に位置するオーガー194である。管144は、望ましくは、管144の第1の端200付近の上部に入口開口部198を有する。管144はまた、管144の第2の端204の付近の下部に出口開口部202を有する。
【0031】
インク供給源装置29はさらに、容器駆動モータ210を含み、この容器駆動モータ210はインク供給源装置29内のどこに配置されていても構わないが、望ましくは、ハウジング部184に固定される。容器駆動モータ210は、静電気除去固体インク容器90およびオーガー194を回転させる役割を果たす。しかしながら、オーガー194と静電気除去固体インク容器90を別々のモータで駆動することができるのは当然である。適切なギアトレインを使用して、モータ210をオーガー194および静電気除去固体インク容器90に接続することができる。例えば、モータ210は、モータ210から内側に向かって延伸するピニオンギア212を有することができる。サンギア214が管144の周りを摺動可能に回転し、ピニオンギア212と係合する。
【0032】
サンギア214を容器90に付勢して、ピン172とストップ216との嵌め合いを確保するため、望ましくは、インク供給源装置29はさらに、ハウジング部184とサンギア214の第2の面226との間で管144の周りに摺動可能に取り付けられたばね224を含む。静電気除去固体インク容器90を供給機構190に相互連結するため、ストップ216がサンギア214の面220に設けられており、ストップ216は容器90のピン172と隣接するよう位置合わせされており、ストップ216はピン172と協働する。
【0033】
図2の第1実施例において、導電性の内側部は全ての導電性の内周106を含み、導電性コネクタは例えば、円筒形部材98の導電性シェルまたは壁99を含む。同様に、アース可能な導電性外側部は、開放端100に隣接して取り付けられた第2の円筒形部材110の壁111の導電性外周も含めた、導電性シェル99の全ての導電性外周を含む。
【0034】
図3の第2実施例において、静電気除去装置は、(i)第2の円筒形部材110内に取り付けられた導電性インサート113であって、大量の固体相変化インクパスティルに接触してパスティルをチャンバから移動させるための導電性の内側へと延伸する径方向突出部112を含む導電性インサート113と、(ii)接地するためのアース可能な導電性外側縁117を有するワッシャ状の部分であって、それにより、大量の固体相変化インクパスティルをチャンバから摩擦で移動させることにより蓄積された静電気を散逸させるワッシャ状の部分と、を含む。
【0035】
以上のように、大量の固体相変化インクパスティルを収容および供給するための静電気除去容器が提供される。静電気除去容器は、(a)閉塞端と、(b)閉塞端と反対側に位置する開放端と、(c)閉塞端を開放端に接続する少なくとも1つの円筒形部材であって、大量の固体相変化インクパスティルを収容および摩擦で移動させるための1つのチャンバを画定する内表面を有する円筒形部材と、(d)静電気除去装置であって、(i)その中に収容され移動される大量の固体相変化インクパスティルに接触するための導電性内側部と、(ii)アース可能な導電性外側部と、(iii)導電性内側部をアース可能な導電性外側部に接続するための導電性コネクタであって、当該コネクタにより内部チャンバ内で大量の固体相変化インクパスティルが摩擦で移動することにより蓄積された静電気を散逸させることを可能にするコネクタと、を含む静電気除去装置と、を有する。
【0036】
特許請求の範囲は、当初提出されたものおよびその後補正されたものも、現時点では予見できないまたは認められていないものも含め、変異物、代替物、変形物、改良物、均等物、および本明細書中に開示された実施例および教示の概ね均等物を含むものとし、それらは出願人/特許権者、およびその他から発生する可能性がある。
【図面の簡単な説明】
【0037】
【図1】本開示に係る静電気除去固体インク容器を含む例示的な高速相変化インク画像生成装置の垂直概略図である。
【図2】本開示に係る静電気除去相変化インク容器の第1実施例の分解斜視図である。
【図3】本開示に係る静電気除去相変化インク容器の第2実施例の分解斜視図である。
【図4】図1に図示した本開示の静電気除去固体インク容器を含む固体インク供給源の1つを図示した平面図である。
【符号の説明】
【0038】
10 開放端、12 画像形成部材、29 インク供給源装置、30 プリントヘッドシステム、40 被印刷体供給ハンドリングシステム、89 アースブラシ、 90 静電気除去固体インク容器、98 第1の円筒形部材、100 開放端、102 閉塞端、106 導電性の内周、110 第2の円筒形部材、113 導電性インサート。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
大量の固体相変化インクパスティルを収容および供給するための静電気除去容器であって、該静電気除去容器は、
(a)閉塞端と、
(b)閉塞端と反対側に位置する開放端と、
(c)前記閉塞端を前記開放端に接続する少なくとも1つの円筒形部材であって、該少なくとも1つの円筒形部材が、大量の固体相変化インクパスティルを収容および摩擦で移動させるための1つのチャンバを画定する内表面を有する円筒形部材と、
(d)静電気除去装置であって、(i)その中に収容され移動される大量の固体相変化インクパスティルに接触するための導電性内側部と、(ii)アース可能な導電性外側部と、(iii)前記導電性内側部を前記アース可能な導電性外側部に接続するための導電性コネクタであって、当該コネクタにより前記内部チャンバ内で大量の固体相変化インクパスティルが摩擦で移動することにより蓄積された静電気を散逸させることを可能にするコネクタと、を含む静電気除去装置と、を有することを特徴とする静電気除去容器。
【請求項2】
大量の固体相変化インクパスティルを収容および供給するための静電気除去容器であって、該静電気除去容器は、
(a)閉塞端と、
(b)閉塞端と反対側に位置する開放端と、
(c)前記閉塞端を前記開放端に接続する第1の円筒形部材であって、該第1の円筒形部材が1つのチャンバを画定する内表面を有するシェルを含み、前記チャンバ内で大量の固体相変化インクパスティルを収容および摩擦で移動させる第1の円筒形部材と、
(d)前記開放端に隣接して取り付けられた第2の円筒形部材と、
(e)静電気除去装置であって、(i)前記第2の円筒形部材内に取り付けられた導電性インサートであって、大量の固体相変化インクパスティルに接触してパスティルを前記チャンバから移動させるための、内側へと延伸する導電性の径方向突出部を含む導電性インサートと、(ii)接地するためのアース可能な導電性外側縁を有するワッシャ状の部分であって、それにより、大量の固体相変化インクパスティルを前記チャンバから摩擦で移動させることにより蓄積された静電気を散逸させるワッシャ状の部分と、を含むことを特徴とする静電気除去容器。
【請求項3】
高速相変化インク画像生成装置であって、
(a)画像形成面を有する可動画像形成部材と、
(b)前記画像形成面に溶融液体相変化インクの液滴をピクセル状に噴出して画像を形成するために、制御サブシステムに接続されたプリントヘッドシステムと、
(c)形成された画像を受像するために受像被印刷体を画像転写ステーションに供給するための、被印刷体供給処理システムと、
(d)静電気除去固体インク供給装置であって、(a)大量の固体インク粒子をその中に収容および移動させるためのチャンバを有する、導電性の回転可能な容器と、(b)接地された導電性アースブラシであって、前記導電性の回転可能な容器に接触して、固体インク粒子が前記導電性の回転可能な容器内を移動することにより蓄積された電荷を地面に排出する導電性アースブラシと、を含む静電気除去固体インク供給装置と、
を有することを特徴とする高速相変化インク画像生成装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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