説明

静電流動浸漬法に適する粉体塗料

【目的】絶縁性に優れる薄膜の皮膜を、静電流動浸漬法による粉体塗装により形成することが可能である粉体塗料を提供する。
【構成】静電流動浸漬法に用いられる絶縁塗装用の粉体塗料であり、下記の粒子径を有し、(イ)体積平均粒子径が10〜20μm、(ロ)全粒子中に占める25μm以上の粒子の体積割合が25%以下、(ハ)全粒子中に占める5μm以下の粒子の個数割合が45%以下、かつ、シリカ微粒子が粉体粒子の表面に付着している粉体塗料。

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、静電流動浸漬法に適する粉体塗料であり、特に薄膜の絶縁性の皮膜が要求される小型の被塗装物への薄膜粉体塗装に適する。ここで言う小型の被塗装物とは、小型のモーターコアや磁石を始め、各種工作機械、車両、船舶、飛行機、家電、事務機器等の小型部品、電気・電子部品等が挙げられる。また、被塗装物の材質としては、導電性の各種金属が挙げられる。
【0002】
【従来の技術】粉体塗料は、溶剤塗料に比べ揮発分、臭気とも少なく、公害対策および環境規制の面で非常に有益であることは周知である。従来、静電流動浸漬法に用いられていた絶縁塗装用の粉体塗料は、体積平均粒子径が30〜40μm程度であり、厳密な分級が施されておらず、粒子径が25μm以上である粒子の体積割合が40〜90%程度で、粒子径が5μm以下である粒子の個数割合が60〜80%程度であった。また、絶縁塗装用の粉体塗料では、被塗装物のエッジ部の被覆性を高める目的で、熱処理時に溶融した粉体塗料のフロ−性を以下のような方法で低下させている。
■無機微粒子の増粘剤を添加する。
■硬化速度の速い硬化剤を用いて、溶融後に即座に硬化させる。
■と■とを組み合わせる。
従って、従来の粉体塗料は体積平均粒子径が大きく、かつ、溶融時のフロー性が悪いため熱処理後の皮膜の凹凸が大きくなる。そのため、平均膜厚が40μm程度の薄膜の粉体塗装では、ピンホールや極端に膜厚の薄い箇所が生じやすく、良好な絶縁性を有する皮膜を得ることが困難であった。そのため、絶縁性が要求される薄膜の皮膜形成は、一般に、溶剤塗装で行われるケ−スが多かった。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】従来の絶縁塗装用の粉体塗料では、良好な絶縁性を有する皮膜を形成するためには、平均膜厚が100μm程度の厚膜塗装を施す必要があり、薄膜塗装が要求される小型の部品への塗装には不適であった。また、絶縁塗装用の粉体塗料では細部まで均一な皮膜形成が必要となるが、被塗装物のエッジ部の被覆性を考慮すると、溶融時のフロー性を高めることは好ましくない。そのため、薄膜塗装を可能にするためには、粉体塗料の粒子の体積平均粒子径を小さくすることが好ましい。しかしながら、単に粉体塗料を微粉砕しただけでは、粉体塗料の流動性が悪化し、塗装機の流動槽内で粉体塗料を流動化状態にすることができない。そのため、被塗装物上に皮膜を形成することができない。本発明の目的は、上記従来の粉体塗料の問題点を解決し絶縁性に優れる薄膜の皮膜を静電流動浸漬法によって得ることができる粉体塗料を提供することにある。
【0004】
【課題を解決するための手段】上述の問題点を改良するために検討を行った結果、絶縁塗装用の粉体塗料を用いて、静電流動浸漬法により粉体塗装を行う場合、下記の粒子径を有し、(イ)体積平均粒子径が10〜20μm、(ロ)全粒子中に占める25μm以上の粒子の体積割合が25%以下、(ハ)全粒子中に占める5μm以下の粒子の個数割合が45%以下、かつ、シリカ微粒子が粉体粒子の表面に付着している粉体塗料は、塗装機の流動槽内で均一な流動化状態になり、良好な絶縁性を有する薄膜の皮膜を形成でき得ることを見いだした。
【0005】まず、本発明の粉体塗料が用いられる静電流動浸漬法について図1を用いて説明する。静電流動浸漬法においては、多孔板2が底面に設置された流動槽1内に粉体塗料3を投入し、チャージングゾーン4でマイナスにイオン化された流動化エアー5が多孔板2から噴出されることにより、流動槽内の粉体塗料は、流動化状態になると同時にマイナス荷電される。この流動化状態になった粉体塗料3の雲の中に、アースが取り付けられた被塗装物6を潜らせることにより、荷電された粉体塗料3が被塗装物6表面上に電気的引力により付着する。なお、静電流動浸漬法としては図1で説明したもの以外にチャージングゾーンを多孔板内に設置したものもあるが、本発明の粉体塗料が用いられる静電流動浸漬法はチャージングゾーン方式の違いで限定されるものではない。
【0006】以下、本発明の粉体塗料について詳細に説明する。本発明の粉体塗料は、家電や電気・電子等の絶縁性が必要な部品用の粉体塗料であるため、電気が導通した場合に生じる熱に耐えうるように熱硬化性であることが好ましく、少なくとも結着樹脂と硬化剤とからなるものが好適である。該結着樹脂としては、エポキシ樹脂、フェノール樹脂等が挙げられる。また、該硬化剤としては、アミド、酸ジヒドラジド、酸無水物、イミダゾール等が挙げられるほか、フェノール樹脂をエポキシ樹脂の硬化剤として用いても良い。そして、該硬化剤は、単独或いは2種以上を併用して使用することができる。そして、絶縁塗装用の粉体塗料である本発明の粉体塗料は、被塗装物のエッジ部の被覆性を高める目的で、熱処理時に溶融した粉体塗料のフロー性が低下させられていることが重要であり、以下の手法を用いることができる。
■無機微粒子の増粘剤を添加する。
■硬化速度の速い硬化剤を用いて、溶融後に即座に硬化させる。
■と■とを組み合わせる。
本発明の粉体塗料の場合、■〜■の何れの方法を用いても良いが、■の場合、該無機微粒子としては水酸化アルミニウムまたは炭酸カルシウムが好適であり、その添加量としては結着樹脂100重量部に対して50〜150重量部、より好ましくは75〜125重量部添加されていることが好適である。また、■または■の場合、硬化速度の速い硬化剤としては酸無水物、イミダゾール等が挙げられ、■の無機微粒子を適宜添加しても良い。また、本発明の粉体塗料には酸化チタン、カーボンブラック、酸化鉄、銅フタロシアニン、アゾ顔料、縮合多環顔料等の各種着色剤、アクリルオリゴマー、シリコーン等の流展剤、ベンゾイン等の発泡防止剤、カップリング剤、酸化防止剤、ワックス等の各種添加剤を適宜添加してもよい。
【0007】本発明では上記の材料から構成される粉体塗料組成物をミキサー或いはブレンダー等を用いて乾式混合した後に、ニーダーにより溶融混練し冷却する。その後、機械式或いは気流式の粉砕機を用いて粉砕した後、気流式の分級機を用いて分級することにより粉体粒子を得る。そして、該粉体粒子の表面に後述するシリカ微粒子を付着させることにより本発明の粉体塗料を得ることができる。尚、上記粉体粒子の製造は、上述の方法に限定されず、例えば、スプレードライ法によって製造することもできる。
【0008】本発明では粉体粒子の表面にシリカ微粒子を付着させた粉体塗料の体積平均粒子径および粒子径分布は以下の条件を満たしていなければならない。
(イ)体積平均粒子径が10〜20μm(ロ)全粒子中に占める25μm以上の粒子の体積割合が25%以下(ハ)全粒子中に占める5μm以下の粒子の個数割合が45%以下まず、体積平均粒子径が20μmより大きい場合、平均膜厚が40μm程度の薄膜塗装では、被塗装物上の粉体粒子付着層の表面の凹凸が大きくなる。そのため、熱処理後の皮膜の表面の凹凸が大きくなり、ピンホ−ルや部分的に極端に膜厚の薄い箇所ができ易く、皮膜の絶縁性が低下するので好ましくない。一方、体積平均粒子径が10μm未満の場合、粉体塗料の粒子の比表面積の増加によりファンデルワールス力等の粒子間力が大きくなり、粒子同士が凝集しやすくなるため、粉体塗料の流動性が低下する。そのため、塗装機の流動槽内で粉体塗料を流動化状態にさせることができなくなり、被塗装物上に皮膜を形成することができない。また、この場合、後述する流動性付与剤であるシリカ微粒子を添加しても、粉体塗料を流動槽内で均一に流動化させることは困難である。
【0009】また、本発明の粉体塗料は、粒子径が25μm以上である粒子の体積割合は25%以下でなければならない。粒子径が25μm以上である粒子の体積割合が25%を越えて多いと被塗装物上の粉体粒子付着層の表面の凹凸が大きくなる。その結果、熱処理後の皮膜の凹凸が大きくなり、平均膜厚が40μm程度の薄膜塗装では、極端に膜厚が薄い箇所ができやすく、皮膜の絶縁性が低下する。このような理由から薄膜塗装を施す場合、粒子径が25μm以上である粒子の体積割合は25%以下でなければならない。
【0010】また、本発明の粉体塗料は、粒子径が5μm以下である粒子の個数割合は45%以下でなければならない。粒子径が5μm以下である粒子は、前述の体積平均粒子径が10μm未満の場合と同じ理由で、粒子同士が凝集しやすく、粉体塗料の流動性を低下させる。そのため、塗装機の流動槽内で粉体塗料の流動化を阻害する。また、粒子径が5μm以下である粒子は、個々の粒子の表面積が小さく荷電されにくいため、被塗装物へ付着しにくい。そのため、その個数割合が多いと粉体塗料の塗着効率が低下する。このような理由から、粒子径が5μm以下である粒子の個数割合が45%を越えて多い場合は粉体塗料の流動性および付着性が悪化し、被塗装物上に均一な薄膜の皮膜を形成することが困難となる。
【0011】なお、本発明における粒子径とは、コールターエレクトロニクス社製のコールターマルチサイザーIIを用い、粉体塗料を界面活性剤を添加した水中に、超音波分散器を用いて十分に分散させた後に、粉体塗料の濃度を5〜10%に調整し、粉体塗料の沈降防止のため小型スクリューにより撹拌させた状態で、直径100μmのアパチャーを用いて測定した測定値である。
【0012】また、前記の通り本発明の粉体塗料は、シリカ微粒子が粉体粒子の表面に付着していなければならない。シリカ微粒子を粉体粒子の表面に付着させることにより、粉体塗料は凝集しにくくなり、その流動性が向上し、塗装機の流動槽内で粉体塗料を均一な流動化状態にさせ易くなる。また、シリカ微粒子は粉体粒子100重量部に対して0.2〜0.8重量部の割合で表面に付着することが好ましい。シリカ微粒子の添加量が0.2重量部未満の場合、流動性付与効果が不十分であり、塗装機の流動槽内で粉体塗料を均一に流動化させることができない場合がある。一方、シリカ微粒子の添加量が0.8重量部より多い場合は、粉体塗料の流動性が高くなりすぎるため、塗装機の流動槽内に堆積している粉体塗料の充填密度が高くなり、粒子間の間隙が非常に少なくなる。そのため、流動槽の底面の多孔板から噴出される流動化エアーが粒子の間隙に均一に行き渡らなくなり、行き場を失った流動化エアーは粉体塗料の堆積層中に垂直にストロー状の気道を形成し、そこから粉体塗料の堆積層の表面に抜けてしまう。そのため、粉体塗料は流動化状態にならない場合がある。
【0013】また、該シリカ微粒子の1次粒子の平均粒子径は50nm以下であることが好ましい。シリカ微粒子の1次粒子の平均粒子径が50nmより大きい場合、シリカ微粒子の凝集粉および粗大粉により、熱処理後の皮膜の表面にプツ(凸)が生じ易くなる。このとき、該凸部は、皮膜の他の箇所よりも絶縁性が低くなるので好ましくない。これは、被塗装物の表面から皮膜中のシリカの凝集粉および粗大粉の表面を通り、皮膜の表面まで電気が流れるためであり、体積抵抗率よりも表面抵抗率が低いことに起因する。尚、該シリカ微粒子は、その表面にシランカップリング剤、或いは、チタンカップリング剤等のカップリング剤により疎水化処理された疎水性シリカ、または、表面処理の施されていない親水性シリカのどちらを用いても良い。
【0014】上述のシリカ微粒子を粉体粒子の表面に付着させるには、ブレンダー、或いはミキサーを用いて、粉体粒子とシリカ微粒子とをドライブレンドしても良いし、或いは、粉砕前の粉体塗料混練物に該シリカ微粒子をドライブレンドにより添加した後に、粉砕しても良い。
【0015】尚、該シリカ微粒子の添加量はEDX(エネルギー分散型X線マイクロアナライザー)を用いて測定することができ、また、該シリカ微粒子の粒子径は電子顕微鏡を用いることにより測定することができる。
【0016】
【実施例】以下、実施例および比較例に基づき本発明の粉体塗料を説明する。ただし、本発明の適用範囲はこれらに限定されるものではない。
<実施例および比較例>■粉体粒子の製造 ・エポキシ樹脂 49.5重量% (油化シェルエポキシ社製 商品名:エピコ−ト1004)
・硬化剤(ジシアンジアミド) 1.3重量% ・硬化促進剤(イミダゾ−ル) 0.2重量% ・流展剤(アクリルコポリマ−) 0.7重量% ・発砲防止剤(ベンゾイン) 0.3重量% ・着色剤(二酸化チタン) 11.0重量% ・増粘剤(水酸化アルミニウム) 37.0重量%上記の配合比からなる原料をスパ−ミキサ−で混合した後に、120℃の温度条件下で、ニ−ダ−で溶融混練し、冷却後に気流式の粉砕機を用いて粉砕した。その後、気流式の分級機を用いて、体積平均粒子径および粒子径分布の異なるA〜Gの粉体粒子を得た。
【0017】■粉体塗料の製造上記のA〜Gの粉体粒子に親水性シリカ(日本アエロジル社製、商品名:アエロジル200、1次粒子の平均粒子径:12nm)を該粉体粒子100重量部に対して0.2重量部、0.4重量部、0.6重量部、0.8重量部の割合で、それぞれヘンシェルミキサーを用いてドライブレンドにより粉体粒子の表面に付着せしめて粉体塗料を得た。また、比較用のものについては前記親水性シリカを付着しないものも比較用の粉体塗料とした。そして、シリカ微粒子を付着させた後の各粉体塗料の体積平均粒子径および粒子径分布をコールターマルチサイザーIIを用いて測定し、その測定結果を表1に示した。
【0018】
【表1】


【0019】次に表1の各粉体塗料を図1の構成を有するELECTROSTATIC TECNOLOGY INC.社製の静電流動浸積塗装機(商品名:C−30)の流動槽内に150g投入し、流動化エアー流量を40L/min.にセットし、1時間放置した後に、塗装機の流動槽内の粉体塗料の流動化状態を観察し、その状態を表2に示した。粉体塗料の流動化試験の評価基準は次の通りである。
○:均一な流動化状態×:部分的もしくは全面的に流動化していない尚、表2の粉体塗料の流動化試験結果が×であった粉体塗料について流動化エアー流量を40L/min.から80L/min.に増加させても均一な流動化状態にはならなかった。また、塗装機の流動槽内で粉体塗料が均一な流動化状態になり得た粉体塗料については、10mmW×10mmH×40mmLの鉄製の角柱の片端にア−スを兼ねた治具を取り付け、印可電圧を60KVで、熱処理後の平面部分の平均膜厚が40μmになるように塗装した。そして、熱風乾燥炉を用いて該被塗装物を180℃で20分間熱処理し、粉体塗料を硬化させ皮膜を得た。該被塗装物を常温で24時間放置した後に、得られた皮膜の絶縁性を以下の試験方法により評価した。被塗装物の皮膜が形成されていない箇所(塗装時にア−スを兼ねた治具が取り付けられていた箇所)に耐圧試験器(菊水電子社製、商品名:TOS−5030)のテストリード(黒)を取り付け、該角柱側面の4面の平面部分および側面の4辺のエッジ部分にテストリード(赤)を接触させて30mm走査し、皮膜の絶縁性を評価し、その測定結果を表2に示した。尚、本試験は印可電圧500Vで行い、0.5mA以上の電流が流れたときにブザーがなるようにセットして行った。皮膜の絶縁性試験の評価基準は次の通りである。
○:導電箇所無し×:導電箇所有り−:粉体塗料が流動槽内で流動化しないため皮膜形成不可能
【0020】
【表2】


【0021】表1および表2から明らかなように、薄膜塗装用の小粒径粉体塗料を塗装機の流動槽内で均一な流動化状態にするには、粉体塗料の粒子同士が凝集しないだけの流動性と、流動化エアーが粉体塗料の粒子の堆積層内に均一に行き渡るための粒子の間隙が存在することが必要であり、本発明の粉体塗料はこれらの条件を満たしている。また、表2より本発明の粉体塗料を用いて、静電流動浸漬法により形成した薄膜の皮膜は、平面部、エッジ部共に良好な絶縁性を有していことがわかる。
【0022】更に、D−3の粉体塗料を用いて、前記塗装機で適宜粉体塗料を継ぎ足しながら前記被塗装物300本に連続塗装した後、塗装機の流動槽内の粉体塗料を取り出し、その体積平均粒子径および粒子径分布を測定した結果、体積平均粒子径は14.9μm、全粒子中に占める25μm以上の粒子の体積割合は15.0%、全粒子中に占める5μm以下の粒子の個数割合が32.0%であった。このように、D−3の粉体塗料の体積平均粒子径および粒子径分布は連続塗装スタート時と終了時とを比較してほとんど変化がない。これは、静電粉体塗装時に、粉体塗料の粒子の選択付着がほとんど発生していないことを意味し、すなわち、シャープな粒子径分布と適度な流動性を併せ持つことにより、連続塗装時に塗着効率の低下等の問題が発生せず、安定した皮膜形成ができ得ることの証となる。
【0023】
【発明の効果】本発明の粉体塗料を静電流動浸漬法に用いることにより、従来、困難とされていた絶縁性の要求される薄膜の皮膜を、粉体塗装により形成することが可能となった。また、本発明の粉体塗料は、静電粉体塗装の欠点である被塗装物への選択付着が起こりにくく、連続塗装による流動槽内の粉体塗料の粒子径分布の変化が殆どない。そのため、塗着効率の低下等の塗装性の悪化がない。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、静電流動浸漬法について説明する概要図である。
【符号の説明】
1 流動槽
2 多孔板
3 粉体塗料
4 チャージングゾーン
5 流動化エアー
6 被塗装物

【特許請求の範囲】
【請求項1】静電流動浸漬法に用いられる絶縁塗装用の粉体塗料であり、下記の粒子径を有し、(イ)体積平均粒子径が10〜20μm、(ロ)全粒子中に占める25μm以上の粒子の体積割合が25%以下、(ハ)全粒子中に占める5μm以下の粒子の個数割合が45%以下、かつ、シリカ微粒子が粉体粒子の表面に付着していることを特徴とする粉体塗料。
【請求項2】シリカ微粒子が粉体粒子100重量部に対して0.2〜0.8重量部の割合で付着していることを特徴とする請求項1記載の粉体塗料。
【請求項3】シリカ微粒子の1次粒子の平均粒子径が50nm以下である請求項1記載の粉体塗料。

【図1】
image rotate


【公開番号】特開平10−298452
【公開日】平成10年(1998)11月10日
【国際特許分類】
【出願番号】特願平9−130270
【出願日】平成9年(1997)5月1日
【出願人】(000153591)株式会社巴川製紙所 (457)