説明

静電荷像二成分現像剤用キャリアの製造方法及び製造装置

【課題】磁性粒子の表面樹脂被覆率が高く、キャリアの凝集、樹脂被覆層の剥がれや遊離が少なく、画質に優れる静電荷像現像用キャリアの製造方法を提供すること。
【解決手段】磁性粒子と樹脂粒子とを混合し前記磁性粒子表面に樹脂粒子付着層を形成する付着工程、原料供給口と排出口とを有するケーシング、回転体、前記ケーシング内の一部を加熱する加熱手段、及び、前記加熱手段よりも前記排出口側に前記ケーシング内の一部を冷却する冷却手段を有する装置に前記樹脂粒子付着層を有する前記磁性粒子を前記原料供給口から投入する投入工程、並びに、前記装置内において、前記樹脂粒子付着層を有する磁性粒子を前記ケーシングの内壁と前記回転体との間を通過させることにより加熱溶融処理、冷却処理及び解砕処理を連続して行い樹脂被覆層を有する磁性粒子を得る被覆形成工程、を含むことを特徴とする静電荷像二成分現像剤用キャリアの製造方法。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、静電荷像二成分現像剤用キャリアの製造方法及び製造装置に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、電子写真技術において、印刷領域進出に伴う高画質化、環境維持性が必要とされている。従来の樹脂被覆キャリアの製造方法は、溶液コート法と乾式コート法とに大別される。
溶液コート法は、有機溶剤に溶解した樹脂をキャリアコアにスプレードライする方法や、キャリアコアをニーダー内で有機溶剤に溶解した樹脂に浸漬させ、加熱減圧下で撹拌しながら溶剤を除去する方法などがある。
一方、乾式コート法は、撹拌混合機で、粉体コート剤をコア表面に固定化後、強せん断力及び熱を加える方法などがある。例えば、特許文献1には、高速撹拌混合機を使用して、粉体状の樹脂粒子とコアを撹拌混合及び熱を掛けて被覆層を形成し、その後、冷却混合してキャリアを得る方法が開示されている。
その他の方法として、特許文献2では、ローターとライナーとを有する表面処理装置により機械的衝撃力によって被覆する方法が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開平9−160307号公報
【特許文献2】特開昭63−235959号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明が解決しようとする課題は、磁性粒子の表面樹脂被覆率が高く、キャリアの凝集、樹脂被覆層の剥がれや遊離が少なく、画質に優れる静電荷像現像用キャリアの製造方法及び製造装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明は、下記の<1>又は<5>に記載の手段により解決された。好ましい実施態様である<2>〜<4>及び<6>〜<8>と共に以下に示す。
<1>磁性粒子と樹脂粒子とを混合し前記磁性粒子表面に樹脂粒子付着層を形成する付着工程、原料供給口と排出口とを有するケーシング、前記原料供給口から前記排出口に向かう原料の進行方向と同じ方向に回転軸が設けられた回転体、前記ケーシング内の一部を加熱する加熱手段、及び、前記加熱手段よりも前記排出口側に前記ケーシング内の一部を冷却する冷却手段を有する装置に前記樹脂粒子付着層を有する前記磁性粒子を前記原料供給口から投入する投入工程、並びに、前記装置内において、前記樹脂粒子付着層を有する磁性粒子を前記ケーシングの内壁と前記回転体との間を通過させることにより加熱溶融処理、冷却処理及び解砕処理を連続して行い樹脂被覆層を有する磁性粒子を得る被覆形成工程、を含むことを特徴とする静電荷像二成分現像剤用キャリアの製造方法、
<2>前記被覆形成工程において、前記樹脂粒子付着層を有する磁性粒子を下記式(1)及び式(2)を満たす前記ケーシングの内壁と前記回転体との間を通過させ、前記樹脂被覆層を有する磁性粒子が式(3)を満たす品温で排出される、上記<1>に記載の静電荷像二成分現像剤用キャリアの製造方法、
1.0<rmax/rmin<5.0 (1)
0.9<R/rmax<1.0 (2)
(Tg−50℃)<品温(℃)<Tg (3)
(式中、rmaxは回転体の最大外形を表し、rminは回転体の最小外形を表し、Rはケーシングの内径を表し、Tgは樹脂粒子のガラス転移温度を表す。)
<3>前記回転体が、螺旋状のスクリュー形状部分と、機械的シェアがかけられるニーディング形状部分とを有し、前記冷却手段により冷却される前記ケーシング内の冷却処理部において、前記回転体が、少なくとも機械的シェアがかけられるニーディング形状部分を有している、上記<1>又は<2>に記載の静電荷像二成分現像剤用キャリアの製造方法、
<4>前記加熱手段により加熱される前記ケーシング内の加熱処理部において、前記回転体が、少なくとも機械的シェアがかけられるニーディング形状部分を有している、上記<1>〜<3>のいずれか1つに記載の静電荷像二成分現像剤用キャリアの製造方法、
<5>原料供給口と排出口とを有するケーシング、前記原料供給口から前記排出口に向かう原料の進行方向と同じ方向に回転軸が設けられた回転体、前記ケーシング内の一部を加熱する加熱手段、及び、前記加熱手段よりも前記排出口側に前記ケーシング内の一部を冷却する冷却手段を有することを特徴とする静電荷像二成分現像剤用キャリアの製造装置、
<6>前記ケーシングの内壁と前記回転体との間が、下記式(1)及び式(2)を満たす、上記<5>に記載の静電荷像二成分現像剤用キャリアの製造装置、
1.0<rmax/rmin<5.0 (1)
0.9<R/rmax<1.0 (2)
(式中、rmaxは回転体の最大外形を表し、rminは回転体の最小外形を表す。)
<7>前記回転体が、螺旋状のスクリュー形状部分と、機械的シェアがかけられるニーディング形状部分とを有し、前記冷却手段により冷却される前記ケーシング内の冷却処理部において、前記回転体が、少なくとも機械的シェアがかけられるニーディング形状部分を有している、上記<5>又は<6>に記載の静電荷像二成分現像剤用キャリアの製造装置、
<8>前記加熱手段により加熱される前記ケーシング内の加熱処理部において、前記回転体が、少なくとも機械的シェアがかけられるニーディング形状部分を有している、上記<5>〜<7>のいずれか1つに記載の静電荷像二成分現像剤用キャリアの製造装置、
【発明の効果】
【0006】
上記<1>に記載の発明によれば、本構成を有さない場合に比べて、磁性粒子の表面樹脂被覆率が高く、キャリアの凝集、樹脂被覆層の剥がれや遊離が少なく、画質に優れる静電荷像現像用キャリアの製造方法が提供される。
上記<2>に記載の発明によれば、式(1)〜式(3)を満たさない場合に比べて、磁性粒子の表面樹脂被覆率が高く、キャリアの凝集が少ない静電荷像現像用キャリアの製造方法が提供される。
上記<3>に記載の発明によれば、本構成を有さない場合に比べて、キャリアの凝集が少ない静電荷像現像用キャリアの製造方法が提供される。
上記<4>に記載の発明によれば、本構成を有さない場合に比べて、キャリアの凝集が少ない静電荷像現像用キャリアの製造方法が提供される。
上記<5>に記載の発明によれば、本構成を有さない場合に比べて、磁性粒子の表面樹脂被覆率が高く、キャリアの凝集、樹脂被覆層の剥がれや遊離が少なく、画質に優れる静電荷像現像用キャリアの製造装置が提供される。
上記<6>に記載の発明によれば、式(1)〜式(3)を満たさない場合に比べて、磁性粒子の表面樹脂被覆率が高く、キャリアの凝集が少ない静電荷像現像用キャリアの製造装置が提供される。
上記<7>に記載の発明によれば、本構成を有さない場合に比べて、キャリアの凝集が少ない静電荷像現像用キャリアの製造装置が提供される。
上記<8>に記載の発明によれば、本構成を有さない場合に比べて、キャリアの凝集が少ない静電荷像現像用キャリアの製造装置が提供される。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【図1】本実施形態の静電荷像二成分現像剤用キャリアの製造装置の一例を示す模式断面図である。
【図2】本実施形態の静電荷像二成分現像剤用キャリアの製造装置の他の一例におけるケーシング及び回転体の部分模式断面図である。
【図3】図2の製造装置における通過方向下流側からの模式投影図である。
【図4】本実施形態に用いられる回転体の一部における送り能力のある螺旋状のスクリュー形状部分の一例を示す模式図である。
【図5】本実施形態に用いられる回転体の一部における機械的シェアがかけられ、送り能力のあるニーディング形状部分(位相45°)の一例を示す模式図である。
【図6】本実施形態に用いられる回転体の一部における機械的シェアがかけられ、戻し能力のあるニーディング形状部分(位相135°)の一例を示す模式図である。
【図7】本実施形態に用いられる回転体の一例を示す模式図である。
【図8】本実施形態に用いられる回転体の他の一例を示す模式図である。
【図9】本実施形態に用いられる回転体の更に他の一例を示す模式図である。
【図10】本実施形態に用いられる回転体のまた更に他の一例を示す模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下、本実施形態について詳細に説明する。
なお、本実施形態において、「A〜B」との記載は、AからBの間の範囲だけでなく、その両端であるA及びBも含む範囲を表す。例えば、「A〜B」が数値範囲であれば、数値の大小に応じて「A以上B以下」又は「B以上A以下」を表す。
【0009】
(静電荷像二成分現像剤用キャリアの製造方法及び製造装置)
本実施形態の静電荷像二成分現像剤用キャリアの製造方法(以下、単に「本実施形態のキャリアの製造方法」又は「本実施形態の製造方法」ともいう。)は、磁性粒子と樹脂粒子とを混合し前記磁性粒子表面に樹脂粒子付着層を形成する付着工程、原料供給口と排出口とを有するケーシング、前記原料供給口から前記排出口に向かう原料の進行方向と同じ方向に回転軸が設けられた回転体、前記ケーシング内の一部を加熱する加熱手段、及び、前記加熱手段よりも前記排出口側に前記ケーシング内の一部を冷却する冷却手段を有する装置に前記樹脂粒子付着層を有する前記磁性粒子を前記原料供給口から投入する投入工程、並びに、前記装置内において、前記樹脂粒子付着層を有する磁性粒子を前記ケーシングの内壁と前記回転体との間を通過させることにより加熱溶融処理、冷却処理及び解砕処理を連続して行い樹脂被覆層を有する磁性粒子を得る被覆形成工程、を含むことを特徴とする。
【0010】
本実施形態の静電荷像二成分現像剤用キャリアの製造装置(以下、単に「本実施形態のキャリアの製造装置」又は「本実施形態の製造装置」ともいう。)は、原料供給口と排出口とを有するケーシング、前記原料供給口から前記排出口に向かう原料の進行方向と同じ方向に回転軸が設けられた回転体、前記ケーシング内の一部を加熱する加熱手段、及び、前記加熱手段よりも前記排出口側に前記ケーシング内の一部を冷却する冷却手段を有することを特徴とする。
また、本実施形態の静電荷像二成分現像剤用キャリアの製造装置は、本実施形態の静電荷像二成分現像剤用キャリアの製造方法に好適に使用される。
また、以下に記載の本実施形態の静電荷像二成分現像剤用キャリアの製造方法に用いられる製造装置の好ましい態様は、本実施形態の静電荷像二成分現像剤用キャリアの製造装置の好ましい態様でもあることは言うまでもない。
【0011】
前述したように、従来の樹脂被覆キャリアの製造方法は、溶液コート法と乾式コート法とに大別される。
溶液コート法は、揮発性有機溶剤をコート層材料の媒体として使用し、塗布後乾燥しきれずにキャリアに残留した揮発性有機化合物類(VOC)による匂いなどの問題がある。また、製法上避けられない問題として、溶剤の乾燥除去、除去した溶剤を冷却回収、乾燥に使用した空気を大気放出するための排ガス燃焼等に、熱量及び電気量が必要なため、膨大なCO2が発生する。
また、乾式コート法においては、上記VOCやCO2の問題は避けられるが、例えば、特許文献1に記載された方法では、樹脂の軟化点以上で熱処理した時に、コート樹脂が溶融し、キャリア同士が凝集体を形成するため、均一な加熱処理だけでなく、複数の樹脂や抵抗制御剤を被覆している場合、被覆コート層内の均一な分散ができない。加えて、装置内壁に溶融して付着したキャリアで伝熱効率が悪化した状態で、冷却しなければならず、長時間撹拌シェアがかかり、被覆膜が剥れてしまうといった問題がある。対応策として、特許文献1には、冷却時の回転数を落とすことが挙げられているが、解砕能力が低下してしまうため十分ではない。
また、特許文献2に記載された方法に使用する装置では、熱処理はできないため、均一な被覆層形成には不十分である。また、熱処理装置を別に設けるとなると煩雑である。
本実施形態の静電荷像現像用キャリアの製造方法及び製造装置によれば、上記VOCやCO2の問題を回避でき、更に磁性粒子の表面樹脂被覆率が高く、キャリアの凝集、樹脂被覆層の剥がれや遊離が少なく、当該キャリアを使用して得られた画像の画質に優れる。
以下に、本実施形態の静電荷像二成分現像剤用キャリアの製造方法及び製造装置を詳細に説明する。
【0012】
<付着工程>
本実施形態の静電荷像二成分現像剤用キャリアの製造方法は、磁性粒子と樹脂粒子とを混合し前記磁性粒子表面に樹脂粒子付着層を形成する付着工程を含む。
前記磁性粒子は、得られるキャリアにおいて、キャリアの芯材(コア)を形成する。また、前記樹脂粒子は、得られるキャリアにおいて、前記磁性粒子の表面を被覆する樹脂被覆層を形成する。
前記付着工程において形成される表面に樹脂粒子付着層を有する磁性粒子は、磁性粒子表面に樹脂粒子がある程度均一に付着していれば特に制限はない。
前記付着工程における樹脂粒子の使用量は、磁性粒子の重量に対して、0.5〜20重量%であることが好ましく、1〜10重量%であることがより好ましく、2〜7重量%であることが更に好ましい。
また、得られるキャリアの樹脂被覆層に混合する、又は、磁性粒子の表面に付着させる目的で、前記付着工程において、磁性粒子及び樹脂粒子と共に導電性粒子や、帯電制御剤、ワックス、カップリング剤等の公知の添加剤を混合してもよい。
また、前記付着工程における磁性粒子、樹脂粒子、及び、これら添加剤を混合する順番は、特に制限はなく、所望に応じ、全ての材料を一度に混合してもよいし、また、磁性粒子を除いた、被覆樹脂を混合し、該混合品を、磁性粒子に加えて混合してもよいし、複数の被覆樹脂を分割して混合してもよい。
【0013】
前記付着工程に用いられる磁性粒子と樹脂粒子とを混合する装置としては、公知の粉体混合装置を用いることができるが、過度の熱や機械的衝撃力が加わることを防止し、樹脂粒子や導電性粒子の再凝集や磁性粒子同士の凝集や融着を抑制するため、ジャケット付きの装置を用いることが好ましい。
前記混合装置は、バッチ式でも連続式でもよく、バッチ式であれば、ヘンシェルミキサーやナウターミキサーなどの撹拌機付き混合装置が好ましく用いられる。この場合、一旦、ホッパーに被覆品を排出し、そこから、定量供給機にて、後段の連続加熱冷却装置へ供給される。
連続式であれば、一軸式又は二軸式のパドルミキサ、リボンミキサ、押出し混合機などが挙げられる。得られた表面に樹脂粒子付着層を有する磁性粒子は、一旦、ホッパーに排出され、定量供給機にて、後段の連続加熱冷却装置へ供給してもよいし、ホッパーを介さずに直接、後段の連続式加熱冷却装置へ供給してもよい。また、後段の連続式加熱冷却装置と一体型でもよい。
混合する際の混合物の温度は、樹脂粒子のガラス転移温度以下であることが好ましく、樹脂粒子のガラス転移温度より10℃以上低い温度であることがより好ましく、樹脂粒子のガラス転移温度より20℃以上低い温度であることが更に好ましい。
【0014】
〔磁性粒子〕
前記付着工程に用いられる磁性粒子は、特に制限はなく、鉄、ニッケル、コバルト等の磁性金属やこれら磁性金属とマンガン、クロム、希土類元素等との合金(例えば、ニッケル−鉄合金、コバルト−鉄合金、アルミニウム−鉄合金等)、及び、フェライト、マグネタイト等の磁性酸化物を単独でコアに用いるもの、マグネタイトなどの磁性粒子を樹脂中に分散させたもの、フェライトなどの磁性材料を結着剤と共に造粒した後、焼成して磁性粒子としたもの、並びに、マグネタイトなどの磁性材料をモノマー中で分散しながら重合する重合コアなどが挙げられる。
【0015】
磁性粒子の体積平均粒径としては、10〜60μmが好ましく、20〜50μmがより好ましい。
磁性粒子の体積平均粒径の測定方法としては、特に制限はなく、公知の方法により測定すればよいが、例えば、レーザー回折/散乱式粒度分布測定装置(LS Particle Size Analyzer:LS13 320、BECKMAN COULTER社(ベックマン・コールター社)製)を用いて測定することが好ましい。なお、得られた粒度分布を分割された粒度範囲(チャンネル)に対し、小粒径側から体積累積分布を引いて、累積50%となる粒径を体積平均粒径D50vとする。
【0016】
〔樹脂粒子〕
前記付着工程に用いられる樹脂粒子としては、特に限定されるものではなく、公知の樹脂粒子を使用すればよい。
前記樹脂粒子の樹脂として具体的には、スチレン、クロロスチレン、メチルスチレン等のスチレン類;メチルメタクリレート、メチルアクリレート、プロピルアクリレート、ラウリルアクリレート、シクロヘキシルメタクリレート、メタクリル酸、アクリル酸、ブチルメタクリレート、ブチルアクリレート、2−エチルヘキシルアクリレート、エチルメタクリレート等のα−メチレン脂肪族モノカルボン酸類;ジメチルアミノエチルメタクリレートなどの含窒素アクリル類;アクリロニトリル、メタクリロニトリル等のニトリル類;2−ビニルピリジン、4−ビニルピリジン等のビニルピリジン類;ビニルエーテル類;ビニルケトン類;エチレン、プロピレン、ブタジエン等のオレフィン類;などの単独重合体又は共重合体;ポリアミド、ポリイミド、メラミン等の主鎖含窒素樹脂類;メチルシリコーン樹脂、メチルフェニルシリコーン樹脂等のシリコーン樹脂類;ビスフェノール、グリコール等を重縮合したポリエステル類などが挙げられる。中でも、アクリル樹脂が好ましく挙げられ、メチルメタクリレート、メチルアクリレート、プロピルアクリレート、シクロヘキシルアクリレートの単独重合体又はこれらモノマーを少なくとも共重合した共重合体が特に好ましく挙げられる。
前記付着工程に用いられる樹脂粒子の体積平均粒径は、磁性粒子表面への均一な付着、導電性粒子の分散性などの観点から、0.01〜1μmが好ましく、0.05〜0.5μmがより好ましい。また、樹脂粒子のガラス転移温度は、70〜120℃が好ましい。
【0017】
〔導電性粒子〕
本実施形態に用いられる導電性粒子としては、導電性を発揮する粒子であれば特に限定されないが、具体的には、カーボンブラック、各種金属粉、酸化チタン、酸化スズ、マグネタイト、フェライト等の金属酸化物などが挙げられる。少量の添加で高い導電性付与が可能であり、配合量による導電性度合いの制御が容易といった点から、特にカーボンブラックが好ましい。
また、これら導電性粒子は、体積一次粒子径が0.01μmから0.5μmのものが好ましい。体積一次粒子径がこの範囲にあると、樹脂粒子との混合・分散性が良く、被覆層中での分散性が良好となることから好ましい。
導電性粒子の添加量としては、樹脂被覆層又は使用する樹脂粒子の20体積%より少ない添加量が好ましい。また、20体積%以上添加をする場合、樹脂被覆層での粉体の分散制御が困難となり、電気抵抗の制御が困難になることがある。
【0018】
〔他の添加剤〕
前記付着工程において、負極性の帯電制御剤を添加してもよい。すなわち、本実施形態の製造方法により得られるキャリアの樹脂被覆層は、負極性の帯電制御剤を含有してもよい。
負極性の帯電制御剤としては、トリメチルエタン系染料、サリチル酸の金属錯塩、ベンジル酸の金属錯塩、銅フタロシアニン、ペリレン、キナクリドン、アゾ系顔料、金属錯塩アゾ系染料、アゾクロムコンプレックス等の重金属含有酸性染料、カリックスアレン型のフェノール系縮合物、環状ポリサッカライド、カルボキシル基およびスルホニル基のうち少なくとも1つを含有する樹脂等が挙げられる。
負極性の帯電制御剤の含有量は、磁性粒子の質量に対して0.001質量%以上1.0質量%以下の範囲であることが好ましく、0.01質量%以上0.8質量%以下の範囲であることがより好ましい。上記範囲であると、トナー帯電立ち上がり性に対し十分な効果が得られ、また、キャリア自体の帯電性も優れる。
【0019】
また、前記付着工程において、負極性の帯電制御剤を添加してもよい。すなわち、本実施形態の製造方法により得られるキャリアの樹脂被覆層には、ワックスを含有させてもよい。
ワックスは通常、疎水性であり、かつ常温においても比較的柔らかく膜強度が低い。これはワックスの分子構造に由来するが、この特性のために樹脂被覆層にワックスが存在すると、トナー表面に添加されている外添剤と称する粒子、又は、トナーバルク成分といったトナー成分がキャリア表面に付着し難い。また付着したとしてもその付着部分のワックスの分子レベルの剥離によって表面が一新されキャリア表面は付着汚染され難いという効果がある。
本実施形態に用いられるワックスとしては、特に制限されるものではなく、例えば、パラフィンワックス及びその誘導体、モンタンワックス及びその誘導体、マイクロクリスタリンワックス及びその誘導体、フィッシャートロプシュワックス及びその誘導体、ポリオレフィンワックス及びその誘導体等である。誘導体とは酸化物、ビニルモノマとの重合体、グラフト変性物を含む。この他に、アルコール、脂肪酸、植物系ワックス、動物系ワックス、鉱物系ワックス、エステルワックス、酸アミド等を用いてもよい。また、その他公知のものを使用してもよい。
ワックスの融点は、60℃以上200℃以下が好ましく、80℃以上150℃以下がより好ましい。上記範囲であると、キャリアの流動性に優れる。
【0020】
また、磁性粒子表面と樹脂被覆層との密着性を高めるため、磁性粒子表面にカップリング処理を行ってもよい。
カップリング剤としては、シランカップリング剤、シリコーンオイル、チタネート系カップリング剤、アルミニウム系カップリング剤などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。これらの中でも、シランカップリング剤が好ましい。
シランカップリング剤としては、クロロシラン、アルコキシシラン、シラザン、特殊シリル化剤のいずれのタイプを使用してもよい。具体的には、メチルトリクロロシラン、ジメチルジクロロシラン、トリメチルクロロシラン、フェニルトリクロロシラン、ジフェニルジクロロシラン、テトラメトキシシラン、メチルトリメトキシシラン、ジメチルジメトキシシラン、フェニルトリメトキシシラン、ジフェニルジメトキシシラン、テトラエトキシシラン、メチルトリエトキシシラン、ジメチルジエトキシシラン、フェニルトリエトキシシラン、ジフェニルジエトキシシラン、イソブチルトリメトキシシラン、デシルトリメトキシシラン、ヘキサメチルジシラザン、N,O−(ビストリメチルシリル)アセトアミド、N,N−ビス(トリメチルシリル)ウレア、tert−ブチルジメチルクロロシラン、ビニルトリクロロシラン、ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、γ−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、β−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルメチルジエトキシシラン、γ−メルカプトプロピルトリメトキシシラン、γ−クロロプロピルトリメトキシシラン、γ−アミノプロピルトリエトキシシランなどが挙げられる。
また、チタネートカップリング剤としては、例えば、「プレンアクト KR TTS」、「プレンアクト KR 46B」、「プレンアクト KR 55」、「プレンアクト KR 41B」、「プレンアクト KR 38S」、「プレンアクト KR 138S」、「プレンアクト KR 238S」、「プレンアクト 338X」、「プレンアクト KR 44」、「プレンアクト KR 9SA」、「プレンアクト KR ET」(上記いずれも味の素ファインテクノ(株)製)などが挙げられ、アルミニウム系カップリング剤としては、例えば、アルキルアセトアセテートアルミニウムジイソプロピレート(「プレンアクト AL−M」味の素ファインテクノ(株)製)などが挙げられる。
【0021】
<投入工程、及び、被覆形成工程>
本実施形態の静電荷像二成分現像剤用キャリアの製造方法は、原料供給口と排出口とを有するケーシング、前記原料供給口から前記排出口に向かう原料の進行方向と同じ方向に回転軸が設けられた回転体、前記ケーシング内の一部を加熱する加熱手段、及び、前記加熱手段よりも前記排出口側に前記ケーシング内の一部を冷却する冷却手段を有する装置に前記樹脂粒子付着層を有する前記磁性粒子を前記原料供給口から投入する投入工程、及び、前記装置内において、前記樹脂粒子付着層を有する磁性粒子を前記ケーシングの内壁と前記回転体との間を通過させることにより加熱溶融処理、冷却処理及び解砕処理を連続して行い樹脂被覆層を有する磁性粒子を得る被覆形成工程を含む。
【0022】
前記投入工程における樹脂粒子付着層を有する磁性粒子の前記装置への投入速度は、好ましくは装置の送り能力以下で選択すればよい。投入速度が、装置の送り能力以下であると、つまり等の発生を抑制し、また、装置の駆動系が過負荷にならず、連続運転が容易である。
また、投入方法は、間欠的に行っても、連続的に行ってもよい。
【0023】
前記被覆形成工程においては、加熱溶融処理、冷却処理及び解砕処理を連続して行うことが重要である。
前記加熱溶融処理において、投入した樹脂粒子付着層を有する磁性粒子は、前記回転体により撹拌されながら加熱手段により加熱され、付着している樹脂粒子が溶融し樹脂被覆層が前記磁性粒子表面に形成される。
続いて、前記加熱溶融処理に連続して冷却手段により冷却処理を行うことで、前記加熱溶融処理において加熱されていた樹脂被覆層を有する磁性粒子が冷却され、前記樹脂被覆層が固化する。
前記解砕処理においては、前記冷却処理により冷却された樹脂被覆層を有する磁性粒子のうちの一部が、該粒子同士で接着している場合があるので、それを前記回転体により撹拌することにより解砕し、粗大な凝集体の少ない樹脂被覆層を有する磁性粒子を得る。前記解砕処理は、前記冷却処理と同時に行っても、前記冷却処理後に連続して行ってもよいが、冷却処理と同時に解砕処理する方が、樹脂被覆層の剥がれや遊離を抑制する観点で好ましい。
また、前記被覆形成工程において、樹脂粒子付着層を有する磁性粒子を前記ケーシングの内壁と前記回転体との間を通過させることは、前記回転体を回転させ、樹脂粒子付着層を有する磁性粒子を撹拌することにより行われる。
前記加熱溶融処理、前記冷却処理及び前記解砕処理を連続で行わないと、前記加熱溶融処理において溶融した樹脂被覆層を有する磁性粒子同士が前記加熱溶融処理後から時間が経過すればするほど凝集し凝集体を形成してしまい、また、冷却後、当該凝集体を解砕すると、樹脂被覆層の剥がれや遊離が多く生じる。更に、装置のケーシング内壁に溶融した樹脂粒子由来の樹脂が多く付着することとなり、冷却効率が低下するだけでなく、解砕処理にも多くの時間と剪断力とが必要となり、樹脂被覆層の剥がれや遊離が多く生じる結果となる。
【0024】
前記加熱溶融処理における加熱温度は、使用した樹脂粒子のガラス転移温度より高温であることが好ましく、150〜250℃であることがより好ましい。上記範囲であると、容易に樹脂を溶融でき、また、樹脂の熱分解が抑制される。
また、前記冷却処理における冷却温度は、使用した樹脂粒子のガラス転移温度以下であることが好ましく、0〜50℃であることがより好ましく、0〜40℃であることが更に好ましい。上記態様であると、キャリア同士の凝集が抑制される。
また、前記被覆形成工程を経て前記排出口から排出される樹脂被覆層を有する磁性粒子の品温、すなわち、当該粒子自体の排出時の温度は、0℃〜使用した樹脂粒子のガラス転移温度以下であることが好ましく、20℃〜(使用した樹脂粒子のガラス転移温度−10℃)以下であることがより好ましい。上記態様であると、キャリア同士の凝集が抑制される。
前記被覆形成工程において形成される樹脂被覆層の厚みは、0.1μm以上5μm以下の範囲であることが好ましく、0.2μm以上3μm以下の範囲であることがより好ましい。上記範囲であると、磁性粒子表面に均一で平坦な樹脂被覆層を形成することが容易であり、また、キャリア同士の凝集が抑制される。
【0025】
前記投入工程及び前記被覆形成工程において用いられる装置の各部分について、以下に説明する。
前記装置は、原料供給口と排出口とを有するケーシングを有し、前記ケーシング内に前記原料供給口から前記排出口に向かう原料の進行方向と同じ方向に回転軸が設けられた回転体を備えている。
前記ケーシングにおける原料供給口及び排出口の位置は、前記装置に投入した原料が、前記ケーシングの内壁と前記回転体との間を通過し、かつ前記被覆形成工程を行える位置であれば、特に制限はないが、前記原料供給口を前記回転体の一端近傍に有し、前記排出口を前記回転体の他の一端近傍に有することが好ましい。
また、前記装置は、前記ケーシング内の一部を加熱する加熱手段を有し、更に、前記加熱手段よりも前記排出口側に前記ケーシング内の一部を冷却する冷却手段を有している。
前記ケーシング内における前記加熱手段により加熱される加熱処理部と、前記ケーシング内における前記冷却手段により冷却される冷却処理部とは、接触していることが好ましい。
【0026】
また、前記装置における前記ケーシングは、加熱手段及び冷却手段として、ジャケット構造を有することが好ましい。前記ジャケット構造を有することにより、部位により加熱及び冷却の温度調整が容易である。また、前記ジャケット構造は、前記ケーシングの外側に接して設けられていることが好ましい。
また、前記装置は、前記ケーシング内に1軸又は2軸の回転体を有することが好ましい。
前記回転体は、所望に応じ、撹拌せん断力を制御してもよい。例えば、前記回転体の部位によって、回転体の形状及び撹拌速度を変更したり、回転体は変えずにケーシング側の形状を変更したり、回転体とケーシングとのクリアランスによって、前記回転体による撹拌せん断力は容易に制御される。
本実施形態に用いられる装置として具体的には、例えば、加熱及び冷却手段を設けた、パドルミキサ、スクリューミキサ、タービュライザ、コンティニュアスニーダ、二軸押出混練機などが挙げられるが、これに限定されるものではない。これらの中でも、加熱及び冷却手段を設けた二軸押出混練機が好ましく挙げられる。
【0027】
本実施形態の製造方法は、必要に応じて、公知の他の工程を含んでいてもよい。
また、本実施形態の製造方法は、必要に応じて、前記前記被覆形成工程の後、得られた樹脂被覆層を有する磁性粒子を分級する分級工程、及び/又は、得られた樹脂被覆層を有する磁性粒子を篩がけする篩分工程を含んでいてもよい。
前記分級工程及び前記篩分工程に用いられる分級手段や篩については、特に制限はなく所望に応じて、公知のものが用いればよい。
【0028】
本実施形態の静電荷像二成分現像剤用キャリアの製造装置の一例について、図面を用いて以下に説明する。
図1に示す静電荷像二成分現像剤用キャリアの製造装置10には、粒子供給装置12より樹脂粒子付着層を有する磁性粒子がケーシング14内に原料供給口16を通過して投入される。なお、製造装置10は、二軸押出混練機である。投入された樹脂粒子付着層を有する磁性粒子は、回転体18が回転することにより、ケーシング14と回転体18との間を通り、加熱処理部20及び冷却処理部22を通過し、排出口24より樹脂被覆層を有する磁性粒子として排出される。また、当該粒子は、回転体18が回転することにより解砕処理も受けている。なお、図1に示す回転体18は、全体が螺旋状のスクリュー形状を有する回転体である。
加熱処理部20及び冷却処理部22におけるケーシング14の外周部分には、加熱手段及び冷却手段として、部分的により温度調節が可能なジャケット(不図示)が巻かれている。当該ジャケットにより加熱処理部20及び冷却処理部22の温度調節が行われる。また、製造装置10における加熱処理部20及び冷却処理部22は、連続して設けられている。
【0029】
また、前記被覆形成工程において、前記樹脂粒子付着層を有する磁性粒子を下記式(1)及び式(2)を満たす前記ケーシングの内壁と前記回転体との間を通過させ、前記樹脂被覆層を有する磁性粒子が式(3)を満たす品温で排出されることが好ましい。上記態様であると、加熱溶融処理時の熱を粒子に均一に与えられ、得られる磁性粒子の表面樹脂被覆率が高く、また、解砕処理を効果的に行え、キャリアの凝集、樹脂被覆層の剥がれや遊離が抑制される。
1.0<rmax/rmin<5.0 (1)
0.9<R/rmax<1.0 (2)
(Tg−50℃)<品温(℃)<Tg (3)
(式中、rmaxは回転体の最大外形を表し、rminは回転体の最小外形を表し、Rはケーシングの内径を表し、Tgは樹脂粒子のガラス転移温度を表す。)
また、本実施形態の製造装置において、前記ケーシングの内壁と前記回転体とが、前記式(1)及び式(2)を満たすことが好ましい。上記態様であると、加熱溶融処理時の熱を粒子に均一に与えられ、得られる磁性粒子の表面樹脂被覆率が高く、また、解砕処理を効果的に行え、キャリアの凝集、樹脂被覆層の剥がれや遊離が抑制される。
前記式(1)及び式(2)の値の取り方の一例として、図2及び図3を示す。
図2は、本実施形態の静電荷像二成分現像剤用キャリアの製造装置の他の一例におけるケーシング及び回転体の部分模式断面図であり、また、図3は、図2の製造装置における通過方向下流側からの模式投影図である。
図2に示すケーシング30内には、回転体32が設けられている。回転体32は、粒子の通過方向Bに向かって、外形の大きい部分34と外形の小さい部分36とが交互に設けられた構造である。また、回転体32は、回転軸38を中心にAの方向に回転する回転体である。
図2に示す製造装置において、rmaxは、回転軸38に垂直な面において、外形の大きい部分34における回転軸から最も離れた位置と回転軸との距離を2倍した値となる。回転体32における外形の大きい部分34は、回転軸38に垂直な面において、回転軸38からその外形が一定の距離を有するものであるので、外形の大きい部分34の外形の円40の直径がrmaxとなる。
また、図2に示す製造装置において、rminは、回転軸38に垂直な面において、外形の小さい部分36における回転軸から最も近い位置と回転軸との距離を2倍した値となる。回転体32における外形の小さい部分36は、回転軸38に垂直な面において、回転軸38からその外形が一定の距離を有するものであるので、外形の小さい部分36の外形の円42の直径がrminとなる。
更に、図2に示す製造装置において示すように、Rは、回転軸38に垂直な面において、ケーシング30の内壁における任意の2点のうち、最も離れた2点の距離である。
また、前記ケーシングの形状は、特に制限はないが、回転体が回転しやすく、回転体とケーシング内壁間の空間を回転体の形状に依存させる観点から、円筒状であることが好ましい。
【0030】
前記回転体は、螺旋状のスクリュー形状部分と、機械的シェアがかけられるニーディング形状部分とを有することが好ましい。上記態様であると、解砕処理を効果的に行え、キャリアの凝集が抑制される。なお、本実施形態における「機械的シェアがかけられる」とは、使用する原料、すなわち、粒子に対しせん断応力を与えられることをいうものとする。前記螺旋状のスクリュー形状部分の一例としては、図4に示す部材が好ましく挙げられる。
また、前記冷却手段により冷却される前記ケーシング内の冷却処理部において、前記回転体が、少なくとも機械的シェアがかけられるニーディング形状部分を有していることが好ましい。上記態様であると、解砕処理を効果的に行え、キャリアの凝集がより抑制される。
更に、前記加熱手段により加熱される前記ケーシング内の加熱処理部において、前記回転体が、少なくとも機械的シェアがかけられるニーディング形状部分を有していることも好ましい。上記態様であると、解砕処理を効果的に行え、キャリアの凝集がより抑制される。
前記機械的シェアがかけられるニーディング形状部分の一例としては、図5又は図6に示す部材が好ましく挙げられる。
図5に示す部材は、機械的シェアがかけられ、通過方向Bにおいて下流側へ送り能力のあるニーディング形状部分(位相45°)の一例であり、また、図6に示す部材は、機械的シェアがかけられ、通過方向Bにおいて上流側へ戻し能力のあるニーディング形状部分(位相135°)の一例である。
前記回転体は、所望に応じ、各部分において、その形状を変更可能な回転体であることが好ましい。
【0031】
また、図7〜図10に本実施形態に好適に用いられる回転体(スクリュー)の好ましい例を示す。
図7は、加熱処理部52及び冷却処理部54において、共に送り能力のある螺旋状のスクリュー形状部分56のみからなる回転体50である。
図8は、加熱処理部52においては、送り能力のある螺旋状のスクリュー形状部分56のみからなり、冷却処理部54においては、送り能力のあるニーディング形状部分58のみからなる回転体50である。
図9は、加熱処理部52においては、送り能力のある螺旋状のスクリュー形状部分56と送り能力のあるニーディング形状部分58とからなり、冷却処理部54においては、送り能力のあるニーディング形状部分58のみからなる回転体50である。
図10は、加熱処理部52においては、送り能力のある螺旋状のスクリュー形状部分56と送り能力のあるニーディング形状部分58と戻し能力のあるニーディング形状部分60とからなり、冷却処理部54においては、送り能力のあるニーディング形状部分58のみからなる回転体50である。
なお、図8〜図10に記載の送り能力のあるニーディング形状部分58、及び、戻し能力のあるニーディング形状部分60における四角枠及び斜線は、当該箇所を明示するために記載したものであり、実際の回転体にはない記載であることは言うまでもない。
また、送り能力のある螺旋状のスクリュー形状部分56としては図4に示す部分が、送り能力のあるニーディング形状部分58としては図5に示す部分が、戻し能力のあるニーディング形状部分60としては図6に示す部分がそれぞれ好ましく挙げられる。
【0032】
(静電荷像二成分現像剤)
本実施形態の静電荷像二成分現像剤は、本実施形態のキャリアの製造方法又は本実施形態のキャリアの製造装置により製造されたキャリアと、静電荷像現像トナーとを含有する二成分系の静電荷像現像剤である。
本実施形態に用いられる静電荷像現像トナーとしては、特に制限はなく、公知のトナーが用いられる。
静電荷像二成分現像剤における前記本実施形態の静電荷像現像用トナーとキャリアとの混合比としては特に制限はなく、目的に応じて適宜選択すればよいが、トナーとキャリアとの混合比(重量比)としては、トナー:キャリア=1:100〜30:100の範囲であることが好ましく、3:100〜20:100の範囲であることがより好ましい。
また、本実施形態の静電荷像二成分現像剤用キャリアは、本実施形態のキャリアの製造方法又は本実施形態のキャリアの製造装置により製造されたキャリアである。
【0033】
(カートリッジ、画像形成方法及び画像形成装置)
本実施形態のカートリッジは、本実施形態の静電荷像二成分現像剤を少なくとも収納したカートリッジである。また、本実施形態のカートリッジは、画像形成装置に脱着可能であることが好ましい。
現像装置、画像形成方法又は画像形成装置に用いる場合、トナーを単独で収納するトナーカートリッジであってもよいし、本実施形態の静電荷像二成分現像剤を収納する現像剤カートリッジであってもよいし、また、像保持体上に形成された静電潜像を本実施形態の静電荷像二成分現像剤により現像してトナー像を形成する現像手段を少なくとも備えるプロセスカートリッジであってもよい。
また、本実施形態のプロセスカートリッジは、その他必要に応じて、除電手段等のその他の部材を含んでいてもよい。
【0034】
本実施形態の画像形成方法は、現像剤として本実施形態の静電荷像二成分現像剤を使用する以外に特に制限はないが、像保持体表面に静電潜像を形成する潜像形成工程と、前記像保持体表面に形成された静電潜像をトナーを含む現像剤により現像してトナー像を形成する現像工程と、前記像保持体表面に形成されたトナー像を被転写体表面に転写する転写工程と、前記被転写体表面に転写されたトナー像を定着する定着工程とを含み、前記トナーを含む現像剤は、本実施形態の静電荷像二成分現像剤であることが好ましい。
本実施形態の画像形成方法としては、本実施形態の静電荷像二成分現像剤を調製し、それを用いて常用の電子写真複写機により静電像の形成及び現像を行い、得られたトナー像を転写紙上に静電転写した上加熱定着器により定着して複写画像を形成する。
【0035】
前記画像形成方法における前記各工程は、それ自体一般的な工程であり、例えば、特開昭56−40868号公報、特開昭49−91231号公報等に記載されている。なお、本実施形態の画像形成方法は、それ自体公知のコピー機、ファクシミリ機等の画像形成装置を用いて実施することができる。
前記静電潜像形成工程は、像保持体(感光体)上に静電潜像を形成する工程である。
前記現像工程は、現像剤保持体上の現像剤層により前記静電潜像を現像してトナー画像を形成する工程である。前記現像剤層としては、本実施形態の静電荷像二成分現像剤を含んでいれば特に制限はない。
前記転写工程は、前記トナー画像を被転写体上に転写する工程である。また、転写工程における被転写体としては、中間転写体や紙等の被記録媒体が例示できる。
前記定着工程では、例えば、加熱ローラの温度を一定温度に設定した加熱ローラ定着器により、転写紙上に転写したトナー像を定着して複写画像を形成する方式が挙げられる。
前記クリーニング工程は、像保持体上に残留する静電荷像現像剤を除去する工程である。
被記録媒体としては、公知のものを使用することができ、例えば、電子写真方式の複写機、プリンター等に使用される紙、OHPシート等が挙げられ、例えば、普通紙の表面を樹脂等でコーティングしたコート紙、印刷用のアート紙等を好適に使用することができる。
【0036】
本実施形態の画像形成方法においては、更にリサイクル工程をも含む態様でもよい。前記リサイクル工程は、前記クリーニング工程において回収した静電荷像現像トナーを現像剤層に移す工程である。このリサイクル工程を含む態様の画像形成方法は、トナーリサイクルシステムタイプのコピー機、ファクシミリ機等の画像形成装置を用いて実施される。また、クリーニング工程を省略し、現像と同時にトナーを回収する態様のリサイクルシステムに適用してもよい。
【0037】
本実施形態の画像形成装置は、現像剤として本実施形態の静電荷像二成分現像剤を含む以外に特に制限はないが、像保持体と、前記像保持体を帯電させる帯電手段と、帯電した前記像保持体を露光して該像保持体上に静電潜像を形成させる露光手段と、トナーを含む現像剤により前記静電潜像を現像してトナー像を形成させる現像手段と、前記トナー像を前記像保持体から被転写体に転写する転写手段とを有し、前記トナーを含む現像剤は、本実施形態の静電荷像二成分現像剤を含むことが好ましい。
なお、本実施形態の画像形成装置は、上記のような像保持体と、帯電手段と、露光手段と、現像手段と、転写手段とを少なくとも含むものであれば特に限定はされないが、その他必要に応じて、定着手段や、クリーニング手段、除電手段等を含んでいてもよい。
前記転写手段では、中間転写体を用いて2回以上の転写を行ってもよい。また、転写手段における被転写体としては、中間転写体や紙等の被記録媒体が例示できる。
【0038】
前記像保持体、及び、前記の各手段は、前記の画像形成方法の各工程で述べた構成を好ましく用いることができる。前記の各手段は、いずれも画像形成装置において公知の手段が利用できる。また、本実施形態の画像形成装置は、前記した構成以外の手段や装置等を含むものであってもよい。また、本実施形態の画像形成装置は、前記した手段のうちの複数を同時に行ってもよい。
【実施例】
【0039】
以下、実施例及び比較例を挙げ、本発明をより具体的に詳細に説明するが、本実施形態は、以下の実施例に限定されるものではない。
【0040】
<フェライト粒子の作製>
Fe2CO3 74質量部、MnO2 25質量部、ZnO 1質量部を混合し、湿式ボールミルで25時間混合、粉砕してスプレードライにより造粒、乾燥した後、ロータリーキルンを用いて800℃、7時間の仮焼成1を行った。これを湿式ボールミルで2時間粉砕し、さらにスプレードライヤにより造粒、乾燥した後、ロータリーキルンを用いて1,150℃、6時間の仮焼成2を行った。こうして得られた仮焼成物を湿式ボールミルで5時間粉砕し、更に再度スプレードライヤにより造粒、乾燥した後、電気炉を用いて温度1,150℃において12時間の本焼成を行った。本焼成は、窒素及び酸素の混合気体中の酸素割合が12容量%となるように調整した雰囲気下で行った。そして、解砕工程、分級工程を経て、体積平均粒径37μmのフェライト粒子を作製した。
【0041】
<樹脂粒子付着磁性粒子の作製>
フェライト粒子(37μm) 100質量部
スチレン/MMA(メチルメタクリレート)(30:70)共重合樹脂粒子(平均粒径0.20μm、ガラス転移温度90℃) 2.5質量部
カーボンブラック(VXC72、キャボット社製、0.20μm) 0.02質量部
樹脂のガラス転移温度は、DSC(示差走査型熱量計)測定法により決定し、ASTM D3418−8に準拠して測定された主体極大ピークより求めた。主体極大ピークの測定には、パーキンエルマー社製のDSC−7を用いる。この装置の検出部の温度補正はインジウムと亜鉛との融点を用い、熱量の補正にはインジウムの融解熱を用いる。サンプルは、アルミニウム製パンを用い、対照用に空パンをセットし、昇温速度10℃/minで測定を行った。
【0042】
まず、上記原料をヘンシェルミキサーに投入し、1,200rpm×20分間で撹拌混合し、樹脂付着磁性粒子を作製した。
【0043】
(実施例1)
図1の二軸押出混練機において、図7のスクリュー構成で、rmax/rmin=5.0、R/rmax=0.99なる装置に、該樹脂付着磁性粒子を10kg/hで連続供給して、前段加熱処理部のジャケット温度:200℃、後段冷却処理部のジャケット温度:20℃で、滞留時間1分になるようにスクリュー回転速度を設定し、排出口から品温70℃で回収した。
【0044】
(実施例2)
実施例1と同じ二軸押出混練機及びスクリュー構成で、rmax/rmin=1.5、R/rmax=0.99なる装置に、該樹脂付着磁性粒子を10kg/hで連続供給して、前段加熱処理部のジャケット温度:200℃、後段冷却処理部のジャケット温度:20℃で、滞留時間1分になるようにスクリュー回転速度を設定し、排出口から品温70℃で回収した。
【0045】
(実施例3)
実施例1と同じ二軸押出混練機において、図8のスクリュー構成で、rmax/rmin=1.5、R/rmax=0.99なる装置に、該樹脂付着磁性粒子を10kg/hで連続供給して、前段加熱処理部のジャケット温度:200℃、後段冷却処理部のジャケット温度:20℃、滞留時間1分の処理条件で、排出口から品温70℃で回収した。
【0046】
(実施例4)
実施例1と同じ二軸押出混練機で、図9のスクリュー構成で、rmax/rmin=1.5、R/rmax=0.99なる装置に、該樹脂付着磁性粒子を10kg/hで連続供給して、前段加熱処理部のジャケット温度:200℃、後段冷却処理部のジャケット温度:20℃、滞留時間1分の処理条件で、排出口から品温70℃で回収した。
【0047】
(比較例1)
バッチ式高速混合機(容量5L、2枚羽が2枚)に該樹脂付着磁性粒子2kgと投入し、ジャケット熱媒温度210℃、回転2枚羽根の周速8m/sec、品温が200℃到達後、30分間そのまま回転を維持し、ジャケット熱媒温度20℃で60分間冷却後、品温70℃で回収した。
【0048】
(比較例2)
実施例3と同じ二軸押出混練機及びスクリュー構成、寸法なる装置に、該樹脂付着磁性粒子を10kg/hで連続供給して、加熱処理部のジャケット温度:200℃、滞留時間1分の処理条件で、排出口から品温195℃で回収し、自然冷却した。なお、冷却処理部における冷却処理は行わなかった。
排出品は凝集粉で、このままでは、評価できないため、排出品をコーミル解砕機(パンチングメタルφ1mm)にて、1次粒子まで解砕した。
【0049】
(実施例5)
実施例1と同じ二軸押出混練機において、図7のスクリュー構成で、rmax/rmin=10、R/rmin=0.80なる装置に、該樹脂付着磁性粒子を10kg/hで連続供給して、加熱処理部のジャケット温度:200℃、後段冷却処理部のジャケット温度:20℃、滞留時間1分の処理条件で、排出口から品温70℃で回収した。
【0050】
<現像剤の作製>
トナー(富士ゼロックス(株)製、ApeosPort C6500用トナー)10部と、実施例1〜5、比較例1〜2で得られたキャリア100部を、Vブレンダーで、40rpm×20分間撹拌し、212μmの目開きを有するシーブで篩分することにより、実施例1〜4、比較例1〜3の現像剤を得た。
【0051】
(評価)
上記実施例1〜5、比較例1〜2で得られた現像剤それぞれを用い、富士ゼロックス(株)製、ApeosPort C6500を用いて、画像密度10%の画像で、10万枚画像を出力し、以下の評価を実施した。その結果を表1に示す。
【0052】
<75μm網下量>
作製したキャリアを、75μm目開きの篩分網を用いて篩分を行い、篩分網を通過したキャリアの質量を算出して、篩分前のキャリア全量に対する篩分網下の量を質量%で算出した。
【0053】
<樹脂被覆層の被覆率>
XPS測定(X線光電子分光測定)により求めた。XPS測定装置としては、日本電子(株)製、JPS80を使用し、測定は、X線源としてMgKα線を用い、加速電圧を10kV、エミッション電流を20mVに設定して実施し、樹脂被覆層を構成する主たる元素(炭素)と、フェライト粒子を構成する主たる元素(鉄及び酸素)とについて測定した。
【0054】
<キャリアの表面観察>
出力前、及び、10万枚の画像出力後の現像剤それぞれからトナーを吹き飛ばし、SEMによる表面観察を実施した。表面観察はFE−SEM((株)日立製作所製S4100)を用いて×3,000倍の倍率でCAの表面観察を行った。
評価結果を表1に示す。
【0055】
実施例1〜4はコートが均一にされており、10万枚後の画像もコート剥がれ無くコアの露出もほとんど無い状態であった。
比較例1は、実施例に比べ、出力前のCAからコート荒れ、コア露出が目立った。
比較例2は、解砕前は均一な被覆がされていたが、収率が非常に少ないため、外部解砕機にて解砕した。この結果、クレーター状の砕かれた後が被膜表面に残り、その部分のコア露出がみられた。
比較例3は、出力前のコート状態は良好であったが、10万枚後のCAはコート剥がれが目立った。これは、加熱時の熱が十分に伝わっておらず、コアと樹脂の密着性の弱さから、経時で剥がれたためと考えられる。
【0056】
<画質変化:キャリア飛びによる白抜け>
10万枚目に出力したA3画像のソリッド画像部内に飛翔したキャリアの数を数えて、該キャリアの数が3個以下の場合を○、4個以上9個以下の場合を△、10個以上の場合を×として評価した。
キャリア飛びの原因を確認した所、コアの露出によりキャリア抵抗が低下し、キャリアが画像部へ現像されたことが分かった。
このため、経時でも良好な被覆を得られる本製法は、画質維持性の高いキャリアを提供できる。
【0057】
【表1】

【0058】
なお、表1におけるAは、当該処理部のスクリューが送りスクリュー形状を有するものであることを表し、Bは、当該処理部のスクリューが送りニーディングスクリュー形状を有するものであることを表す。なお、AとBとは、当該処理部のスクリューがAとB両方の形状を有するものであることを表す。
【符号の説明】
【0059】
10:静電荷像二成分現像剤用キャリアの製造装置、12:粒子供給装置、14,30:ケーシング、16:原料供給口、18,32,50:回転体、20,52:加熱処理部、22,54:冷却処理部、24:排出口、34:回転体の外形の大きい部分、36:回転体の外形の小さい部分、38:回転軸、40:回転体の外形の大きい部分34の外形の円、42:回転体の外形の小きい部分36の外形の円、56:送り能力のある螺旋状のスクリュー形状部分、58:送り能力のあるニーディング形状部分、60:戻し能力のあるニーディング形状部分、A:回転体の回転方向、B,D:原料の通過方向、R:ケーシング30の内径、rmax:回転体32の最大外形を表し、rmin:回転体32の最小外形

【特許請求の範囲】
【請求項1】
磁性粒子と樹脂粒子とを混合し前記磁性粒子表面に樹脂粒子付着層を形成する付着工程、
原料供給口と排出口とを有するケーシング、前記原料供給口から前記排出口に向かう原料の進行方向と同じ方向に回転軸が設けられた回転体、前記ケーシング内の一部を加熱する加熱手段、及び、前記加熱手段よりも前記排出口側に前記ケーシング内の一部を冷却する冷却手段を有する装置に前記樹脂粒子付着層を有する前記磁性粒子を前記原料供給口から投入する投入工程、並びに、
前記装置内において、前記樹脂粒子付着層を有する磁性粒子を前記ケーシングの内壁と前記回転体との間を通過させることにより加熱溶融処理、冷却処理及び解砕処理を連続して行い樹脂被覆層を有する磁性粒子を得る被覆形成工程、を含むことを特徴とする
静電荷像二成分現像剤用キャリアの製造方法。
【請求項2】
前記被覆形成工程において、前記樹脂粒子付着層を有する磁性粒子を下記式(1)及び式(2)を満たす前記ケーシングの内壁と前記回転体との間を通過させ、前記樹脂被覆層を有する磁性粒子が式(3)を満たす品温で排出される、請求項1に記載の静電荷像二成分現像剤用キャリアの製造方法。
1.0<rmax/rmin<5.0 (1)
0.9<R/rmax<1.0 (2)
(Tg−50℃)<品温(℃)<Tg (3)
(式中、rmaxは回転体の最大外形を表し、rminは回転体の最小外形を表し、Rはケーシングの内径を表し、Tgは樹脂粒子のガラス転移温度を表す。)
【請求項3】
前記回転体が、螺旋状のスクリュー形状部分と、機械的シェアがかけられるニーディング形状部分とを有し、前記冷却手段により冷却される前記ケーシング内の冷却処理部において、前記回転体が、少なくとも機械的シェアがかけられるニーディング形状部分を有している、請求項1又は2に記載の静電荷像二成分現像剤用キャリアの製造方法。
【請求項4】
前記加熱手段により加熱される前記ケーシング内の加熱処理部において、前記回転体が、少なくとも機械的シェアがかけられるニーディング形状部分を有している、請求項1〜3のいずれか1つに記載の静電荷像二成分現像剤用キャリアの製造方法。
【請求項5】
原料供給口と排出口とを有するケーシング、前記原料供給口から前記排出口に向かう原料の進行方向と同じ方向に回転軸が設けられた回転体、前記ケーシング内の一部を加熱する加熱手段、及び、前記加熱手段よりも前記排出口側に前記ケーシング内の一部を冷却する冷却手段を有することを特徴とする
静電荷像二成分現像剤用キャリアの製造装置。
【請求項6】
前記ケーシングの内壁と前記回転体との間が、下記式(1)及び式(2)を満たす、請求項5に記載の静電荷像二成分現像剤用キャリアの製造装置。
1.0<rmax/rmin<5.0 (1)
0.9<R/rmax<1.0 (2)
(式中、rmaxは回転体の最大外形を表し、rminは回転体の最小外形を表す。)
【請求項7】
前記回転体が、螺旋状のスクリュー形状部分と、機械的シェアがかけられるニーディング形状部分とを有し、前記冷却手段により冷却される前記ケーシング内の冷却処理部において、前記回転体が、少なくとも機械的シェアがかけられるニーディング形状部分を有している、請求項5又は6に記載の静電荷像二成分現像剤用キャリアの製造装置。
【請求項8】
前記加熱手段により加熱される前記ケーシング内の加熱処理部において、前記回転体が、少なくとも機械的シェアがかけられるニーディング形状部分を有している、請求項5〜7のいずれか1つに記載の静電荷像二成分現像剤用キャリアの製造装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2013−88553(P2013−88553A)
【公開日】平成25年5月13日(2013.5.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−227765(P2011−227765)
【出願日】平成23年10月17日(2011.10.17)
【出願人】(000005496)富士ゼロックス株式会社 (21,908)
【Fターム(参考)】