説明

静電荷像現像用トナー、静電荷像現像剤、トナーカートリッジ、プロセスカートリッジ、画像形成装置、及び、画像形成方法

【課題】トナー粒子表面上でのシリカ粒子の偏在が抑制された静電荷像現像用トナーを提供する。
【解決手段】少なくとも着色剤および結着樹脂を含むトナー粒子と、
前記トナー粒子の表面に付着したシリカ粒子であって、平均粒径が70nm以上400nm以下であり、比重が1.0以上1.9以下であり、円形度が0.5以上0.9以下であるシリカ外添剤と、
を有する静電荷像現像用トナー。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、静電荷像現像用トナー、静電荷像現像剤、トナーカートリッジ、プロセスカートリッジ、画像形成装置、及び、画像形成方法に関する。
【背景技術】
【0002】
電子写真法においては、一般的には、光導電性物質を利用した感光体(静電潜像保持体)表面に、種々の手段により電気的に潜像を形成し、形成された潜像を、トナーを含む現像剤を用いて現像し現像像を形成した後、この現像像を、必要に応じて中間転写体を介して、紙等の被転写体表面に転写し、加熱、加圧、加熱加圧等により定着する、という複数の工程を経て、画像が形成される。
トナーの長期に渡る使用によって、かかる工程を経て形成される画像には、定着画像の濃度が変化したり、非画像部にトナー粒子の一部が付着する問題が生じていることがある。
【0003】
例えば、特許文献1では、長期間使用によるトナー劣化や感光体表面へのトナーの固着等を防止することを目的として、少なくともトナー粒子及び外添剤を有するトナーにおいて、該トナーは、(a)フロー式粒子像分析装置によって測定される粒子の円形度分布において、0.920乃至0.995の平均円形度を有し、且つ円形度0.950未満の粒子を2乃至40個数%含有しており、且つ(b)コールター法によって測定される重量平均粒径2.0乃至9.0μmを有しており、該外添剤は、該トナー粒子上で、一次粒子又は二次粒子の状態で存在している平均長径10乃至400mμm及び形状係数SF−1が100乃至130の無機微粉体(A)と、粒子が複数合一することにより生成された形状係数SF−1が150より大きい非球状無機微粉体(B)とを少なくとも有しているトナーを提案している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開平11−174731号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明の課題は、トナー粒子表面上でのシリカ粒子の偏在が抑制された静電荷像現像用トナーを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題は、以下の手段により解決される。即ち、
請求項1に係る発明は、
少なくとも着色剤および結着樹脂を含むトナー粒子と、
前記トナー粒子の表面に付着したシリカ粒子であって、平均粒径が70nnm以上400nm以下であり、比重が1.0以上1.9以下であり、円形度が0.5以上0.9以下であるシリカ粒子と、
を有する静電荷像現像用トナー。
【0007】
請求項2に係る発明は、
前記シリカ粒子の円形度が、0.5以上0.8以下である請求項1に記載の静電荷像現像用トナー。
【0008】
請求項3に係る発明は、
請求項1または請求項2に記載の静電荷像現像用トナーを含む静電荷像現像用現像剤。
【0009】
請求項4に係る発明は、
請求項1または請求項2に記載の静電荷像現像用トナーを収納し、画像形成装置に脱着されるトナーカートリッジ。
【0010】
請求項5に係る発明は、
請求項3に記載の静電荷現像用現像剤を収納すると共に、静電潜像保持体の表面に形成された静電潜像を該静電荷現像用現像剤により現像してトナー像を形成する現像手段を備え、画像形成装置に脱着されるプロセスカートリッジ。
【0011】
請求項6に係る発明は、
静電潜像保持体と、
前記静電潜像保持体の表面を帯電する帯電手段と、
前記静電潜像保持体の表面に静電潜像を形成する静電潜像形成手段と、
請求項3に記載の静電荷現像用現像剤を収納すると共に、前記静電潜像保持体の表面に形成された前記静電潜像を該静電荷現像用現像剤により現像してトナー像を形成する現像手段と、
前記トナー像を記録媒体に転写する転写手段と、
前記記録媒体のトナー像を定着する定着手段と、
を備える画像形成装置。
【0012】
請求項7に係る発明は、
静電潜像保持体の表面を帯電する帯電工程と、
帯電した前記静電潜像保持体の表面に静電荷像を形成する静電潜像形成工程と、
請求項3に記載の静電荷現像用現像剤により、前記静電潜像保持体の表面に形成された前記静電潜像を現像してトナー像を形成する現像工程と、
前記トナー像を記録媒体に転写する転写工程と、
前記記録媒体のトナー像を定着する定着工程と、
を有する画像形成方法。
【発明の効果】
【0013】
請求項1に係る発明によれば、トナー粒子の表面に付着したシリカ粒子であって、平均粒径が70nnm以上400nm以下であり、比重が1.0以上1.9以下であり、円形度が0.5以上0.9以下であるシリカ粒子を有しない場合に比べ、トナー粒子表面上でのシリカ粒子の偏在が抑制された静電荷像現像用トナーが提供される。
【0014】
請求項2に係る発明によれば、前記シリカ粒子の円形度が0.5以上0.8以下でない場合に比べ、トナー粒子表面上でのシリカ粒子の偏在がより抑制された静電荷像現像用トナーが提供される。
【0015】
請求項3に係る発明によれば、静電荷像現像用現像剤が、トナー粒子の表面に付着したシリカ粒子であって、平均粒径が70nnm以上400nm以下であり、比重が1.0以上1.9以下であり、円形度が0.5以上0.9以下であるシリカ粒子を有するトナーを含有しない場合に比べ、トナー粒子表面上でのシリカ粒子の偏在が抑制された静電荷像現像用トナーが提供される。
【0016】
請求項4に係る発明によれば、トナー粒子の表面に付着したシリカ粒子であって、平均粒径が70nnm以上400nm以下であり、比重が1.0以上1.9以下であり、円形度が0.5以上0.9以下であるシリカ粒子を有するトナーを含有する静電荷像現像用現像剤を用いない場合に比べ、色点の発生を抑制した画像が得られる。
【0017】
請求項5に係る発明によれば、トナー粒子の表面に付着したシリカ粒子であって、平均粒径が70nnm以上400nm以下であり、比重が1.0以上1.9以下であり、円形度が0.5以上0.9以下であるシリカ粒子を有するトナーを含有する静電荷像現像用現像剤を用いない場合に比べ、色点の発生を抑制した画像が得られる。
【0018】
請求項6に係る発明によれば、トナー粒子の表面に付着したシリカ粒子であって、平均粒径が70nnm以上400nm以下であり、比重が1.0以上1.9以下であり、円形度が0.5以上0.9以下であるシリカ粒子を有するトナーを含有する静電荷像現像用現像剤を用いない場合に比べ、色点の発生を抑制した画像が得られる。
【0019】
請求項7に係る発明によれば、トナー粒子の表面に付着したシリカ粒子であって、平均粒径が70nnm以上400nm以下であり、比重が1.0以上1.9以下であり、円形度が0.5以上0.9以下であるシリカ粒子を有するトナーを含有する静電荷像現像用現像剤を用いない場合に比べ、色点の発生を抑制した画像が得られる。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【図1】本実施形態の画像形成装置の一例を示す概略構成図である。
【図2】本実施形態のプロセスカートリッジの一例を示す概略構成図である。
【発明を実施するための形態】
【0021】
以下、本発明の実施形態について詳細に説明する。
【0022】
<静電荷像現像用トナー>
本実施形態に係る静電荷像現像用トナー(以下、単に「トナー」という場合がある)は、少なくとも着色剤および結着樹脂を含むトナー粒子と、トナー粒子の表面に付着したシリカ粒子であって、平均粒径が70nnm以上400nm以下であり、比重が1.0以上1.9以下であり、円形度が0.5以上0.9以下であるシリカ粒子と、を有して構成されている。
トナーが上記構成であることで、トナー粒子表面上でのシリカ粒子の偏在が抑制される。この理由は定かでないが、以下に示す理由によるものと考えられる。
【0023】
ゾルゲル法によって製造されるシリカ粒子は、平均粒径が70nm以上400nm以下、比重が1.0以上1.9以下であり、円形度が0.9を超える球状の粒子となるのが一般的である。かかるシリカ粒子をトナー粒子の外添剤として用いると、比重が軽いため、現像機内でトナーが受ける機械的負荷に対して、シリカ粒子がトナー粒子の表面に埋没しにくく、トナー像の転写性低下による画像濃度の低下を抑制し得る。
しかし、当該球状のシリカ粒子に、例えばキャリアとの摩擦が生じると、比重が小さく、球状である形態ゆえにトナー粒子の表面で転がり、移動し易い。そのため、トナー粒子の凹部に偏在し易く、トナー粒子の表面が露出すると考えられる。トナー粒子の表面は、一般に結着樹脂を含む成分で構成されべたつきを有することから、表面が露出したトナー粒子同士は密着し、凝集し易く、その結果、色点(画像形成面の白紙部に点状に着色する現象)が発生した画像が形成されると考えられる。
シリカ粒子のトナー粒子の凹部への偏在は、特に、トナーの入れ替わり性が低下する低画像密度(低エリアカバレッジ)の出力が続いた場合に生じ易いと考えられる。これは、相対的なキャリアの存在比率が上昇し、シリカ粒子とキャリアとの摩擦が大きくなるためであると考えられる。
また、トナー粒子の凝集は、特に、結着樹脂がべたつき易くなる高温高湿環境下(例えば、30℃、85%RH環境下)で発生し易い。
従って、その結果、高温高湿環境下で、かつ低画像密度の出力が続く環境下では、色点が発生し易い状態となる。
【0024】
それに対し、本実施形態では、前記粒径及び前記比重のシリカ粒子の円形度を0.5以上0.9以下にする。すなわち、シリカ粒子の形状を球状から異形状へと異形化させることで、シリカ粒子とキャリアとの摩擦が大きくなった場合でも、球状のシリカ粒子の場合よりもシリカ粒子とトナー粒子表面との接触点および接触面積が大きくなるため、本実施形態のシリカ粒子はトナー粒子の凹部に偏在しにくくなると考えられる。その結果、トナー粒子の表面の露出が抑制され、トナー粒子同士の凝集が抑制され、画像の色点発生を抑制し得ると考えられる。
特に色点が発生し易い、高温高湿環境下で、低画像密度(低エリアカバレッジ)の出力が続いた場合でも、上述のようにトナー粒子の表面におけるシリカ粒子の偏在が抑制されるために、トナー粒子表面の露出が抑制され、トナー粒子の凝集が抑制され、画像の色点発生を抑制し得ると考えられる。
【0025】
なお、特許文献1には、ケイ素ハロゲン化合物を気相酸化し、気相酸化の際、シリカの一次粒子が合一する温度で焼成することにより非球状のシリカ粉体を製造することが説明されているが、このようにシリカ粒子を焼成すると、比重が1.9よりも大きくなり、トナー粒子表面にシリカ粒子が埋没し易くなると考えられる。
以下、本実施形態に係るトナーの各構成について詳細に説明する。
まず、トナー粒子について説明する。
【0026】
〔トナー粒子〕
トナー粒子は、少なくとも結着樹脂と、着色剤と、を含み、必要に応じて、離型剤と、その他の内添剤とを含んでもよい。
【0027】
結着樹脂としては、特に制限はないが、例えば、スチレン、パラクロロスチレン、α−メチルスチレン等のスチレン類;アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸n−プロピル、アクリル酸n−ブチル、アクリル酸ラウリル、アクリル酸2−エチルヘキシル、メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸n−プロピル、メタクリル酸ラウリル、メタクリル酸2−エチルヘキシル等のビニル基を有するエステル類;アクリロニトリル、メタクリロニトリル等のビニルニトリル類;ビニルメチルエーテル、ビニルイソブチルエーテル等のビニルエーテル類;ビニルメチルケトン、ビニルエチルケトン、ビニルイソプロペニルケトン等のビニルケトン類;エチレン、プロピレン、ブタジエンなどのポリオレフィン類などの単量体からなる単独重合体、又はこれらを2種以上組み合せて得られる共重合体、さらにはこれらの混合物が挙げられる。また、エポキシ樹脂、ポリエステル樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリアミド樹脂、セルロース樹脂、ポリエーテル樹脂等、非ビニル縮合樹脂、又は、これらと前記ビニル樹脂との混合物や、これらの共存下でビニル系単量体を重合して得られるグラフト重合体等が挙げられる。
【0028】
スチレン樹脂、(メタ)アクリル樹脂、スチレン−(メタ)アクリル系共重合樹脂は、例えば、スチレン系単量体及び(メタ)アクリル酸系単量体を、単独又は適宜組み合わせて公知の方法により得られる。なお、「(メタ)アクリル」とは、「アクリル」及び「メタクリル」のいずれをも含む表現である。
ポリエステル樹脂は、ジカルボン酸成分とジオール成分との中から好適なものを選択して組合せ、例えば、エステル交換法又は重縮合法等、従来公知の方法を用いて合成することで得られる。
【0029】
スチレン樹脂、(メタ)アクリル樹脂及びこれらの共重合樹脂を結着樹脂として使用する場合、重量平均分子量Mwが20,000以上100,000以下、数平均分子量Mnが2,000以上30,000以下の範囲のものを使用することが好ましい。他方、ポリエステル樹脂を結着樹脂として使用する場合は、重量平均分子量Mwが5,000以上40,000以下、数平均分子量Mnが2,000以上10,000以下の範囲のものを使用することが好ましい。
【0030】
結着樹脂のガラス転移温度は、40℃以上80℃以下の範囲にあるのが望ましい。ガラス転移温度が上記範囲であることにより、最低定着温度が維持され易くなる。
【0031】
着色剤としては、公知の着色剤であれば特に限定されないが、例えば、ファーネスブラック、チャンネルブラック、アセチレンブラック、サーマルブラック等のカーボンブラック、ベンガラ、紺青、酸化チタン等の無機顔料、ファストイエロー、ジスアゾイエロー、ピラゾロンレッド、キレートレッド、ブリリアントカーミン、パラブラウン等のアゾ顔料、銅フタロシアニン、無金属フタロシアニン等のフタロシアニン顔料、フラバントロンイエロー、ジブロモアントロンオレンジ、ペリレンレッド、キナクリドンレッド、ジオキサジンバイオレット等の縮合多環系顔料が挙げられる。
【0032】
着色剤は、必要に応じて表面処理された着色剤を用いてもよく、分散剤と併用してもよい。また、着色剤は、複数種を併用してもよい。
【0033】
着色剤の含有量としては、結着樹脂の全質量に対して、1質量%以上30質量%以下の範囲が望ましい。
【0034】
離型剤としては、例えば、炭化水素系ワックス;カルナウバワックス、ライスワックス、キャンデリラワックス等の天然ワックス;モンタンワックス等の合成或いは鉱物・石油系ワックス;脂肪酸エステル、モンタン酸エステル等のエステル系ワックス;などが挙げられるが、これに限定されるものではない。
【0035】
離型剤の融点は、保存性の観点から、50℃以上であることが望ましく、60℃以上であることがより望ましい。また、耐オフセット性の観点から、110℃以下であることが望ましく、100℃以下であることがより望ましい。
【0036】
離型剤の含有量は、1質量%以上15質量%以下が望ましく、2質量%以上12質量%以下がより望ましく、3質量%以上10質量%以下がさらにより望ましい。
【0037】
その他の内添剤としては、例えば、磁性体、帯電制御剤、無機粉体等が挙げられる。
【0038】
トナー粒子の形状係数SF1が125以上140以下(望ましくは125以上135以下、より望ましくは130以上135以下)であり、形状係数SF2が105以上130以下(望ましくは110以上125以下、より望ましくは115以上120以下)であることがよい。
【0039】
形状係数SF1は、は、下記式により求められる。
・式:形状係数SF1=(ML/A)×(π/4)×100
上記式中、MLはトナー粒子の絶対最大長、Aはトナー粒子の投影面積を各々示す。
形状係数SF1は、主に顕微鏡画像又は走査電子顕微鏡(SEM)画像を画像解析装置を用いて解析することによって数値化され、例えば、以下のようにして算出することができる。すなわち、スライドガラス表面に散布したトナー粒子の光学顕微鏡像を、ビデオカメラを通じてルーゼックス画像解析装置に取り込み、100個のトナー粒子の最大長と投影面積を求め、上記式によって計算し、その平均値を求めることにより得られる。
【0040】
形状係数SF2は、次のようにして求める。
走査型電子顕微鏡(例えば日立株式会社製:S−4100など)を用いトナー粒子を観察して画像を撮影し、この画像を画像解析装置(例えばLUZEXIII、ニレコ社製)に取り込み100個の各々のトナー粒子について、次式に基づいてSF2を算出し、その平均値を求めて、形状係数SF2とする。なお、電子顕微鏡は1視野中に外添剤が3個以上20個以下程度写るように倍率を調整し、複数視野の観察を合わせて次式に基づいてSF2を算出した。
・式:形状係数SF2=「PM/(4・A・π)」×100
ここで、式中、PMは、トナー粒子の周囲長を示す。Aは、トナー粒子の投影面積を示す。πは、円周率を示す。
【0041】
トナー粒子の体積平均粒径としては、2μm以上10μm以下が望ましく、4μm以上8μm以下がより望ましい。
【0042】
トナー粒子の体積平均粒径の測定は、コールターマルチサイザー−II型(ベックマン−コールター社製)を用いて、50μmのアパーチャー径で測定する。この時、測定は、トナー粒子を電解質水溶液(アイソトン水溶液)に分散させ、超音波により30秒以上分散させた後に行う。
測定法としては、分散剤として界面活性剤、望ましくはアルキルベンゼンスルホン酸ナトリウムの5%水溶液2ml中に、測定試料を0.5乃至50mg加え、これを前記電解液100乃至150ml中に添加する。この測定試料を懸濁させた電解液を超音波分散器で約1分間分散処理を行い、粒子の粒度分布を測定する。測定する粒子数は50,000である。
測定された粒度分布を、分割された粒度範囲(チャンネル)に対し、体積について小径側から累積分布を描き、累積50%となる粒径を体積平均粒径と定義する。
次に、シリカ粒子について説明する。
【0043】
〔シリカ粒子〕
シリカ粒子は、平均粒径が70nm以上400nm以下であり、比重が1.0以上1.9以下であり、円形度が0.5以上0.9以下である。
【0044】
−平均粒径−
シリカ粒子の平均粒径が70nm未満では、粒子の形状が球状となり易く、円形度が0.5以上0.9以下の形状とし得ない。また、シリカ粒子をトナー粒子の表面に付着させる場合に、トナー粒子の表面に分散させにくい。シリカ粒子の平均粒径が400nmを超えると、シリカ粒子に機械的負荷が加わった場合に、欠損し易い。また、シリカ粒子をトナー粒子表面に付着させた場合に、トナー(シリカ粒子が外添したトナー粒子)の強度が向上し難く、トナーの流動性が上がり難い。
【0045】
シリカ粒子の平均粒径は、100nm以上350nm以下であることが望ましく、100nm以上250nm以下であることがより望ましい。
【0046】
シリカ粒子の平均粒径は、トナー粒子にシリカ粒子を分散させた後のシリカ粒子の一次粒子100個をSEM(Scanning Electron Microscope)装置により観察し、一次粒子の画像解析によって得られた円相当径の累積頻度における50%径(D50v)を意味する。
【0047】
−比重−
シリカ粒子は、比重が1.0以上1.9以下である。
シリカ粒子の比重が1.9を超えると、シリカ粒子が機械的負荷を受けたときに、シリカ粒子がトナー粒子の表面に埋没し易く、1.0未満であると、シリカ粒子が動き易くなり、トナー粒子の凹部に偏在し易い。
シリカ粒子の比重は、1.1以上1.8以下であることが望ましい。
【0048】
シリカ粒子の比重は、次のようにして測定される。
ルシャテリエ比重瓶を用いJIS−K−0061:92の5−2−1に準拠して比重を測定した。操作は次の通り行う。
(1)ルシャテリエ比重瓶に約250mlのエチルアルコールを入れ、メニスカスが目盛りの位置にくるように調整する。
(2)比重瓶を恒温水槽に浸し、液温が20.0±0.2℃になったとき、メニスカスの位置を比重瓶の目盛りで正確に読み取る。(精度0.025mlとする)
(3)試料約100.000gを量り取り、その質量をWとする。
(4)量り取った試料を比重瓶に入れ泡を除く。
(5)比重瓶を恒温水槽に浸し、液温が20.0±0.2℃になったとき、メニスカスの位置を比重瓶の目盛りで正確に読み取る。(精度0.025mlとする)
(6)次式により比重を算出する。
D=W/(L2−L1 ) ・・・式A
S=D/0.9982 ・・・式B
式中、Dは試料の密度(20℃)(g/cm)、Sは試料の比重(20℃)、Wは試料の見かけの質量(g)、L1は試料を比重瓶に入れる前のメニスカスの読み(20℃)(ml)、L2は試料を比重瓶に入れた後のメニスカスの読み(20℃)(ml)、0.9982は20℃における水の密度(g/cm)である。
【0049】
また、トナー粒子に外添された状態のシリカ粒子の比重は、以下のようにして求める。
電子顕微鏡S4100に取り付けたエネルギー分散型X線分析装置EMAX model6923H(HORIBA社製)を用いて加速電圧20kVでマッピングする。元素組成からシリカ粒子の材料種を推測し、推測された材料種の真比重をそのシリカ粒子の比重と近似する。
【0050】
−円形度−
シリカ粒子は、円形度が0.5以上0.9以下である。
シリカ粒子の円形度が0.9を超えると、シリカ粒子が球状に近くなる為、シリカ粒子をトナー粒子の表面に付着した際に、混合性や、トナー粒子への密着性が悪く、よりトナー粒子の表面を転がり易くなる。そのため、例えば、キャリア摩擦を生じた場合や、トナーの保存後に、シリカ粒子がより偏在したり、トナー粒子から脱離し得る。シリカ粒子の円形度が0.5未満であると、シリカ粒子の縦/横比が大きな形状となり、シリカ粒子に機械的負荷が加わった場合に応力集中が生じ、欠損し易くなる。なお、シリカ粒子をゾルゲル法により製造する場合は、一次粒子の平均円形度が0.5未満であるシリカ粒子は製造が困難であることが分かっている。
シリカ粒子の円形度は、0.5以上0.8以下であることが望ましい。
【0051】
なお、シリカ粒子の円形度は、トナー粒子にシリカ粒子を分散させた後のシリカ粒子の一次粒子を、SEM装置により観察し、得られた一次粒子の画像解析から、下記式により算出される「100/SF2」として得られる。
円形度(100/SF2)=4π×(A/I
〔式中、Iは画像上におけるシリカ粒子の一次粒子の周囲長を示し、Aはシリカ粒子の一次粒子の投影面積を表す。SF2は形状係数を表す。
シリカ粒子の円形度は、上記画像解析によって得られた一次粒子100個の円相当径の累積頻度における50%円形度として得られる。
【0052】
(成分、表面処理)
シリカ粒子は、シリカ、すなわちSiOを主成分とする粒子であればよく、結晶性でも非晶性でもよい。また、水ガラスやアルコキシシラン等のケイ素化合物を原料に製造された粒子であってもよいし、石英を粉砕して得られる粒子であってもよい。
また、シリカ粒子の分散性の観点から、シリカ粒子の表面は疎水化処理されていることが望ましい。例えば、シリカ粒子の表面にアルキル基を結合することにより、シリカ粒子は疎水化される。そのためには、例えば、シリカ粒子にアルキル基を有する公知の有機珪素化合物を作用させればよい。疎水化処理の方法の詳細は後述する。
【0053】
既述の、平均粒径が70nm以上400nm以下であり、比重が1.0以上1.9以下であり、円形度が0.5以上0.9以下であるシリカ粒子(以下、「特定シリカ粒子」とも称する)の添加量としては、トナー粒子の全質量に対して0.3質量%以上15質量%以下であることが好ましく、0.5質量%以上10質量%以下であることがより好ましい。
【0054】
特定シリカ粒子の製造方法は、平均粒径が70nm以上400nm以下であり、比重が1.0以上1.9以下であり、円形度が0.5以上0.9以下であるシリカ粒子を製造し得る方法であれば特に制限されない。例えば、水ガラスを原料としてシリカゾルを得る方法によって製造してもよいし、アルコキシシランに代表されるケイ素化合物を原料とし、ゾルゲル法によって粒子を生成する、いわゆる湿式方法によって特定シリカ粒子を製造してもよい。
しかしながら、シリカを焼成して製造し、粉砕および分級する乾式方法による方法では、一般に、シリカ粒子の比重が1.9を超えてしまい、比重の点で、特定シリカを製造し得ない。一方、アルコキシシランに代表されるケイ素化合物を原料とし、ゾルゲル法によって粒子を生成する方法によれば、シリカ粒子中に空隙が生じ、比重を1.0以上1.9以下とし易く、また平均粒径が70nm以上400nm以下のシリカ粒子を得易い。
【0055】
さらに、特定シリカ粒子は、円形度が0.9以下である異形状のシリカ粒子であるため、かかる形状を有する特定シリカ粒子をトナー粒子の表面に有するトナーを製造するには、次の工程を有するシリカ粒子の製造方法によることが望ましい。
【0056】
本実施形態に係るシリカ粒子の製造方法は、アルコールを含む溶媒中に、0.6mol/L以上0.85mol/L以下の濃度でアルカリ触媒が含まれるアルカリ触媒溶液を準備する工程(「アルカリ触媒溶液準備工程」ともいう)と、前記アルカリ触媒溶液中に、前記アルコールに対して、0.002mol/(mol・min)以上0.009mol/(mol・min)以下の供給量でテトラアルコキシシランを供給すると共に、前記テトラアルコキシシランの1分間当たりに供給される総供給量の1mol当たりに対して、0.1mol以上0.4mol以下でアルカリ触媒を供給してシリカ粒子(特定シリカ粒子)を得る工程(「シリカ粒子生成工程」ともいう)と、を有する。
【0057】
つまり、本実施形態に係るシリカ粒子の製造方法では、上記濃度のアルカリ触媒が含まれるアルコールの存在下に、原料であるテトラアルコキシシランと、別途、触媒であるアルカリ触媒と、をそれぞれ上記関係で供給しつつ、テトラアルコキシシランを反応させて、特定シリカ粒子を生成する。
本実施形態に係るシリカ粒子の製造方法では、上記手法により、平均粒径が70nm以上400nm以下であり、比重が1.0以上1.9以下であり、円形度が0.5以上0.9以下である異形状の特定シリカ粒子が得られる。この理由は、定かではないが以下の理由によるものと考えられる。
【0058】
まず、アルコールを含む溶媒中に、アルカリ触媒が含まれるアルカリ触媒溶液を準備し、この溶液中にテトラアルコキシシランとアルカリ触媒とをそれぞれ供給すると、アルカリ触媒溶液中に供給されたテトラアルコキシシランが反応して、核粒子が生成される。このとき、アルカリ触媒溶液中のアルカリ触媒濃度が上記範囲にあると、2次凝集物等の粗大凝集物の生成を抑制しつつ、異形状の核粒子が生成すると考えられる。これは、アルカリ触媒は、触媒作用の他に、生成される核粒子の表面に配位し、核粒子の形状、分散安定性に寄与するが、その量が上記範囲内であると、アルカリ触媒が核粒子の表面を均一に覆わないため(つまりアルカリ触媒が核粒子の表面に偏在して付着するため)、核粒子の分散安定性は保持するものの、核粒子の表面張力及び化学的親和性に部分的な偏りが生じ、異形状の核粒子が生成されると考えられるためである。
そして、テトラアルコキシシランとアルカリ触媒との供給をそれぞれ続けていくと、テトラアルコキシシランの反応により、生成した核粒子が成長し、シリカ粒子が得られる。ここで、このテトラアルコキシシランとアルカリ触媒との供給を、その供給量を上記関係で維持しつつ行うことで、2次凝集物等の粗大凝集物の生成を抑制しつつ、異形状の核粒子がその異形状を保ったまま粒子成長し、結果、異形状のシリカ粒子が生成されると考えられる。これは、このテトラアルコキシシランとアルカリ触媒との供給量を上記関係とすることで、核粒子の分散を保持しつつも、核粒子表面における張力と化学的親和性の部分的な偏りが保持されることから、異形状を保ちながらの核粒子の粒子成長が生じると考えられるためである。
【0059】
ここで、テトラアルコキシシランの供給量は、シリカ粒子の粒度分布や円形度に関係すると考えられる。テトラアルコキシシランの供給量を、0.002mol/(mol・min)以上0.009mol/(mol・min)以下とすることで、粒子成長段階におけるテトラアルコキシシランと核粒子との接触確率を上げ、テトラアルコキシシランが核粒子に偏りなく供給される前に、テトラアルコキシシランと核粒子との反応を生じさせ得ると考えられる。つまり、テトラアルコキシシランと核粒子との反応が偏ると考えられる。そのため、核粒子へのテトラアルコキシシランの供給の偏在化を助長し、粒子成長のバラツキをもたらすと考えられる。
なお、シリカ粒子の平均粒径は、テトラアルコキシシランの総供給量に依存すると考えられる。
【0060】
以上から、本実施形態に係るシリカ粒子の製造方法では、粗大凝集物の発生が少なく、平均粒径が70nm以上400nm以下であり、比重が1.0以上1.9以下であり、円形度が0.5以上0.9以下である異形状の特定シリカ粒子が得られる。と考えられる。
上記方法で得た特定シリカ粒子を、トナー粒子の表面に付着することで、トナー粒子上でのシリカ粒子の偏在が抑制される本実施形態に係るトナーを製造し得る。
【0061】
また、本実施形態に係るシリカ粒子の製造方法におけるアルカリ触媒溶液準備工程及びシリカ粒子生成工程(両工程を総じて「特定シリカ粒子製造工程」とも称する)では、異形状の核粒子を生成させ、この異形状を保ったまま核粒子を成長させてシリカ粒子が生成されると考えられることから、機械的負荷に対する形状安定性が高い異形状のシリカ粒子が得られると考えられる。
また、特定シリカ粒子製造工程では、生成した異形状の核粒子が異形状を保ったまま粒子成長され、シリカ粒子が得られると考えられることから、機械的負荷に強く、壊れ難いシリカ粒子が得られると考えられる。
また、特定シリカ粒子製造工程では、アルカリ触媒溶液中に、テトラアルコキシシランとアルカリ触媒とをそれぞれ供給し、テトラアルコキシシランの反応を生じさせることで、粒子生成を行っていることから、単にゾルゲル法により異形状のシリカ粒子を製造する場合に比べ、総使用アルカリ触媒量が少なくなり、その結果、アルカリ触媒の除去工程の省略も実現される。これは、特に、高純度が求められる製品にシリカ粒子を適用する場合に有利である。
【0062】
−アルカリ触媒溶液準備工程−
まず、アルカリ触媒溶液準備工程について説明する。
アルカリ触媒溶液準備工程は、アルコールを含む溶媒を準備し、これにアルカリ触媒を添加して、アルカリ触媒溶液を準備する。
【0063】
アルコールを含む溶媒は、アルコール単独の溶媒であってもよいし、必要に応じて水;アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン等のケトン類;メチルセロソルブ、エチルセロソルブ、ブチルセロソルブ、酢酸セロソルブ等のセロソルブ類;ジオキサン、テトラヒドロフラン等のエーテル類等の他の溶媒との混合溶媒であってもよい。混合溶媒の場合、アルコールの他の溶媒に対する量は80質量%以上(望ましくは90質量%以上)であることがよい。
なお、アルコールとしては、例えば、メタノール、エタノール等の低級アルコールが挙げられる。
【0064】
一方、アルカリ触媒としては、テトラアルコキシシランの反応(加水分解反応、縮合反応)を促進させるための触媒であり、例えば、アンモニア、尿素、モノアミン、四級アンモニウム塩等の塩基性触媒が挙げられ、特にアンモニアが望ましい。
【0065】
アルカリ触媒の濃度(含有量)は、0.6mol/L以上0.85mol/Lであり、望ましくは0.63mol/L以上0.78mol/Lであり、より望ましくは0.66mol/L以上0.75mol/Lである。
アルカリ触媒の濃度が、0.6mol/Lより少ないと、生成した核粒子の成長過程の核粒子の分散性が不安定となり、2次凝集物等の粗大凝集物が生成されたり、ゲル化状となったりして、粒度分布が悪化することがある。
一方、アルカリ触媒の濃度が、0.85mol/Lより多いと、生成した核粒子の安定性が過大となり、真球状の核粒子が生成され、平均円形度が0.85以下の異形状の核粒子が得られず、その結果、異形状の特定シリカ粒子が得られない。
なお、アルカリ触媒の濃度は、アルコール触媒溶液(アルカリ触媒+アルコールを含む溶媒)に対する濃度である。
【0066】
−シリカ粒子生成工程−
次に、シリカ粒子生成工程について説明する。
シリカ粒子生成工程は、アルカリ触媒溶液中に、テトラアルコキシシランと、アルカリ触媒と、をそれぞれ供給し、当該アルカリ触媒溶液中で、テトラアルコキシシランを反応(加水分解反応、縮合反応)させて、シリカ粒子を生成する工程である。
このシリカ粒子生成工程では、テトラアルコキシシランの供給初期に、テトラアルコキシシランの反応により、核粒子が生成した後(核粒子生成段階)、この核粒子の成長を経て(核粒子成長段階)、シリカ粒子が生成する。
【0067】
アルカリ触媒溶液中に供給するテトラアルコキシシランとしては、例えば、テトラメトキシシラン、テトラエトキシシラン、テトラプロポキシシラン、テトラブトキシシラン等が挙げられるが、反応速度の制御性や得られるシリカ粒子の形状、粒径、粒度分布等の点から、テトラメトキシシラン、テトラエトキシシランがよい。
【0068】
テトラアルコキシシランの供給量は、アルカリ触媒溶液中のアルコールに対して、0.002mol/(mol・min)以上0.009mol/(mol・min)以下とする。
これは、アルカリ触媒溶液を準備する工程で用いたアルコール1molに対して、1分間当たり0.002mol以上0.009mol以下の供給量でテトラアルコキシシランを供給することを意味する。
テトラアルコキシシランの供給量を上記範囲とすることで、円形度が0.5以上0.9以下の異形状のシリカ粒子が、高い割合(例えば95個数%以上)で生成され易くなる。
なお、シリカ粒子の粒径については、テトラアルコキシシランの種類や、反応条件にもよるが、粒子生成の反応に用いるテトラアルコキシシランの総供給量を、例えばシリカ粒子分散液1Lに対し1.08mol以上とすることで、粒径が100nm以上の一次粒子が得られ、シリカ粒子分散液1Lに対し5.49mol以下とすることで、粒径が500nm以下の一次粒子が得られる。
【0069】
テトラアルコキシシランの供給量が、0.002mol/(mol・min)より少ないと、滴下されたテトラアルコキシシランと核粒子との接触確率をより下げることにはなるが、テトラアルコキシシランの総供給量を滴下し終わるまでに長時間を要し、生産効率が悪い。
テトラアルコキシシランの供給量が0.009mol/(mol・min)より多いと、核粒子形成段階におけるテトラアルコキシシラン同士の反応や、粒子成長におけるテトラアルコキシシランと核粒子との反応に対する供給量が過大となり、反応系がゲル化し易く、核粒子形成及び粒子成長を阻害するためである。
【0070】
テトラアルコキシシランの供給量は、0.002mol/(mol・min)以上0.0085mol/(mol・min)以下が望ましく、より望ましくは、0.002mol/(mol・min)以上0.008mol/(mol・min)以下である。
【0071】
一方、アルカリ触媒溶液中に供給するアルカリ触媒は、上記例示したものが挙げられる。この供給するアルカリ触媒は、アルカリ触媒溶液中に予め含まれるアルカリ触媒と同じ種類のものであってもよいし、異なる種類のものであってもよいが、同じ種類のものであることがよい。
【0072】
アルカリ触媒の供給量は、テトラアルコキシシランの1分間当たりに供給される総供給量の1mol当たりに対して、0.1mol以上0.4mol以下とし、望ましくは0.14mol以上0.35mol以下であり、より望ましくは0.18mol以上0.30mol以上である。
アルカリ触媒の供給量が、0.1molより少ないと、生成した核粒子の成長過程の核粒子の分散性が不安定となり、2次凝集物等の粗大凝集物が生成さたり、ゲル化状となったりして、粒度分布が悪化することがある。
一方、アルカリ触媒の供給量が、0.4molより多いと、生成した核粒子の安定性が過大となり、核粒子生成段階で異形状の核粒子が生成されても、その核粒子成長段階で核粒子が球状に成長し、異形状のシリカ粒子が得られない。
【0073】
ここで、シリカ粒子生成工程において、アルカリ触媒溶液中に、テトラアルコキシシランと、アルカリ触媒と、をそれぞれ供給するが、この供給方法は、連続的して供給する方式であってもよいし、間欠的に供給する方式であってもよい。
【0074】
また、シリカ粒子生成工程において、アルカリ触媒溶液中の温度(供給時の温度)は、例えば、5℃以上50℃以下であることがよく、望ましくは15℃以上40℃以下の範囲である。
【0075】
以上の工程を経て、特定シリカ粒子が得られる。この状態で、得られる特定シリカ粒子は、分散液の状態で得られるが、そのままシリカ粒子分散液として用いてもよいし、溶媒を除去してシリカ粒子の粉体として取り出して用いてもよい。
【0076】
シリカ粒子分散液として用いる場合は、必要に応じて水やアルコールで希釈したり濃縮することによりシリカ粒子固形分濃度の調整を行ってもよい。また、シリカ粒子分散液は、その他のアルコール類、エステル類、ケトン類などの水溶性有機溶媒などに溶媒置換して用いてもよい。
【0077】
一方、シリカ粒子の粉体として用いる場合、シリカ粒子分散液からの溶媒を除去する必要があるが、この溶媒除去方法としては、1)濾過、遠心分離、蒸留などにより溶媒を除去した後、真空乾燥機、棚段乾燥機などにより乾燥する方法、2)流動層乾燥機、スプレードライヤーなどによりスラリーを直接乾燥する方法など、公知の方法が挙げられる。乾燥温度は、特に限定されないが、望ましくは200℃以下である。200℃より高いとシリカ粒子表面に残存するシラノール基の縮合による一次粒子同士の結合や粗大粒子の発生が起こり易くなる。
乾燥されたシリカ粒子は、必要に応じて解砕、篩分により、粗大粒子や凝集物の除去を行うことがよい。解砕方法は、特に限定されないが、例えば、ジェットミル、振動ミル、ボールミル、ピンミルなどの乾式粉砕装置により行う。篩分方法は、例えば、振動篩、風力篩分機など公知のものにより行う。
【0078】
特定シリカ粒子製造工程により得られる特定シリカ粒子は、疎水化処理剤により特定シリカ粒子の表面を疎水化処理して用いていてもよい。
疎水化処理剤としては、例えば、アルキル基(例えばメチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基等)を有する公知の有機珪素化合物が挙げられ、具体例には、例えば、シラザン化合物(例えば、ヘキサメチルジシラザン、テトラメチルジシラザン等)、シラン化合物(メチルトリメトキシシラン、ジメチルジメトキシシラン、トリメチルクロロシラン、トリメチルメトキシシラン等)等が挙げられる。疎水化処理剤は、1種で用いてもよいし、複数種用いてもよい。
これら疎水化処理剤の中も、トリメチルメトキシシラン、ヘキサメチルジシラザンなどのトリメチル構造を有する有機珪素化合物が好適である。
【0079】
疎水化処理剤の使用量は、特に限定はされないが、疎水化の効果を得るためには、例えば、特定シリカ粒子に対し、1質量%以上100質量%以下、望ましくは5質量%以上80質量%以下である。
【0080】
疎水化処理剤による疎水化処理が施された疎水性シリカ粒子分散液を得る方法としては、例えば、特定シリカが分散したシリカ粒子分散液に疎水化処理剤を必要量添加し、攪拌下において30℃以上80℃以下の温度範囲で反応させることで、特定シリカ粒子に疎水化処理を施し、疎水性シリカ粒子分散液を得る方法が挙げられる。この反応温度が30℃より低温では疎水化反応が進行し難く、80℃を越えた温度では疎水化処理剤の自己縮合による分散液のゲル化やシリカ粒子同士の凝集などが起り易くなることがある。
【0081】
一方、粉体の疎水性シリカ粒子を得る方法としては、上記方法で疎水性シリカ粒子分散液を得た後、上記方法で乾燥して疎水性シリカ粒子の粉体を得る方法、シリカ粒子分散液を乾燥して親水性シリカ粒子の粉体を得た後、疎水化処理剤を添加して疎水化処理を施し、疎水性シリカ粒子の粉体を得る方法、疎水性シリカ粒子分散液を得た後、乾燥して疎水性シリカ粒子の粉体を得た後、更に疎水化処理剤を添加して疎水化処理を施し、疎水性シリカ粒子の粉体を得る方法等が挙げられる。
ここで、粉体の特定シリカ粒子を疎水化処理する方法としては、ヘンシェルミキサーや流動床などの処理槽内で粉体の親水性シリカ粒子を攪拌し、そこに疎水化処理剤を加え、処理槽内を加熱することで疎水化処理剤をガス化して粉体の特定シリカ粒子の表面のシラノール基と反応させる方法が挙げられる。処理温度は、特に限定されないが、例えば、80℃以上300℃以下がよく、望ましくは120℃以上200℃以下である。
【0082】
トナー粒子は、特定シリカ粒子以外の外添剤を付着していてもよい。
特定シリカ粒子以外の外添剤としては、例えば、アルミナ、酸化チタン、チタン酸バリウム、チタン酸マグネシウム、チタン酸カルシウム、チタン酸ストロンチウム、酸化亜鉛、ケイ砂、クレー、雲母、ケイ灰石、ケイソウ土、酸化クロム、酸化セリウム、ベンガラ、三酸化アンチモン、酸化マグネシウム、酸化ジルコニウム、硫酸バリウム、炭酸バリウム、炭酸カルシウム、炭化硅素、窒化硅素などの無機粒子が挙げられる。また、フッ素樹脂、シリコーン樹脂等の樹脂粒子、ステアリン酸亜鉛に代表される高級脂肪酸の金属塩を用いてもよい。
特定シリカ粒子以外の外添剤の添加量としては、トナー粒子の全質量に対して0.3質量%以上3.0質量%以下とすればよい。
【0083】
次に、本実施形態に係るトナーの製造方法について説明する。
本実施形態に係るトナーは、トナー粒子を製造後、トナー粒子に対して、外添剤としての特定シリカ粒子を外添することで得られる。
トナー粒子の製造方法としては、混練粉砕法や湿式造粒法が挙げられるが、湿式造粒法により行われることが望ましい。湿式造粒法としては、例えば、公知の溶融懸濁法、乳化凝集・合一法、溶解懸濁法等の方法が挙げられる。
得られたトナー粒子に外添剤を外添する方法としては、例えば、V型ブレンダーやヘンシェルミキサーやレディゲミキサー等の公知の混合機によって混合する方法が挙げられる。
【0084】
<静電荷像現像剤>
本実施形態に係る静電荷像現像剤は、本実施形態に係るトナーを少なくとも含むものである。
本実施形態に係る静電荷像現像剤は、本実施形態に係るトナーのみを含む一成分現像剤であってもよいし、当該トナーとキャリアと混合した二成分現像剤であってもよい。
【0085】
キャリアとしては、特に制限はなく、公知のキャリアが挙げられる。キャリアとしては、例えば、樹脂コートキャリア、磁性分散型キャリア、樹脂分散型キャリア等が挙げられる。
【0086】
前記二成分現像剤における、本実施形態に係るトナーと上記キャリアとの混合比(質量比)は、トナー:キャリア=1:100乃至30:100程度の範囲が望ましく、3:100乃至20:100程度の範囲がより望ましい。
【0087】
<画像形成装置及び画像形成方法>
次に、本実施形態に係るトナーを用いた本実施形態に係る画像形成装置及び画像形成方法について説明する。
本実施形態に係る画像形成装置は、静電潜像保持体と、前記静電潜像保持体の表面を帯電する帯電手段と、前記静電潜像保持体の表面に静電潜像を形成する静電潜像形成手段と、本実施形態に係る静電荷現像用現像剤を収納すると共に、前記静電潜像保持体の表面に形成された前記静電潜像を該現像剤により現像してトナー像を形成する現像手段と、前記トナー像を記録媒体に転写する転写手段と、前記記録媒体のトナー像を定着する定着手段と、を備えて構成される。
【0088】
本実施形態に係る画像形成装置によれば、静電潜像保持体の表面を帯電する帯電工程と、帯電した前記静電潜像保持体の表面に静電荷像を形成する静電潜像形成工程と、本実施形態に係る静電荷現像用現像剤により、静電潜像保持体の表面に形成された静電潜像を現像してトナー像を形成する現像工程と、前記トナー像を記録媒体に転写する転写工程と、前記記録媒体のトナー像を定着する定着工程と、を有する画像形成方法が実施される。
【0089】
本実施形態に係る画像形成装置における画像の形成は、静電潜像保持体として電子写真感光体を利用した場合、例えば、以下のように行う。まず、電子写真感光体の表面を、コロトロン帯電器、接触帯電器等により帯電した後、露光し、静電荷像を形成する。次いで、表面に現像剤層を形成させた現像ロールと接触若しくは近接させて、静電潜像にトナーを付着させ、電子写真感光体上にトナー像を形成する。形成されたトナー像は、コロトロン帯電器等を利用して紙等の記録媒体表面に転写される。さらに、記録媒体表面に転写されたトナー像は、定着装置により定着され、記録媒体に画像が形成される。
【0090】
なお、本実施形態に係る画像形成装置において、例えば、現像手段を含む部分が、画像形成装置に対して脱着されるカートリッジ構造(トナーカートリッジ、プロセスカートリッジ等)であってもよい。
トナーカートリッジとしては、例えば、本実施形態に係る静電荷像現像用トナーを収納し、画像形成装置に脱着されるトナーカートリッジが好適に用いられる。
プロセスカートリッジとしては、例えば、本実施形態に係る静電荷現像用現像剤を収納すると共に、静電潜像保持体の表面に形成された静電潜像を該静電荷現像用現像剤により現像してトナー像を形成する現像手段を備え、画像形成装置に脱着されるプロセスカートリッジが好適に用いられる。
【0091】
以下、本実施形態に係る画像形成装置の一例を示すが、これに限定されるわけではない。なお、図に示す主用部を説明し、その他はその説明を省略する。
【0092】
図1は、4連タンデム方式のカラー画像形成装置を示す概略構成図である。図1に示す画像形成装置は、色分解された画像データに基づくイエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、ブラック(K)の各色の画像を出力する電子写真方式の第1乃至第4の画像形成ユニット10Y、10M、10C、10K(画像形成手段)を備えている。これらの画像形成ユニット(以下、単に「ユニット」と称する場合がある)10Y、10M、10C、10Kは、互いに予め定められた距離離間して並設されている。なお、これらユニット10Y、10M、10C、10Kは、画像形成装置本体に対して脱着可能なプロセスカートリッジであってもよい。
【0093】
各ユニット10Y、10M、10C、10Kの図面における上方には、各ユニットを通して中間転写体としての中間転写ベルト20が延設されている。中間転写ベルト20は、図における左から右方向に互いに離間して配置された駆動ローラ22及び中間転写ベルト20内面に接する支持ローラ24に巻きつけて設けられ、第1のユニット10Yから第4のユニット10Kに向う方向に走行されるようになっている。尚、支持ローラ24は、図示しないバネ等により駆動ローラ22から離れる方向に力が加えられており、両者に巻きつけられた中間転写ベルト20に張力が与えられている。また、中間転写ベルト20の像保持体側面には、駆動ローラ22と対向して中間転写体クリーニング装置30が備えられている。
また、各ユニット10Y、10M、10C、10Kの現像装置(現像手段)4Y、4M、4C、4Kのそれぞれには、トナーカートリッジ8Y、8M、8C、8Kに収められたイエロー、マゼンタ、シアン、ブラックの4色のトナーを含むトナーが供給可能である。
【0094】
上述した第1乃至第4のユニット10Y、10M、10C、10Kは、同等の構成を有しているため、ここでは中間転写ベルト走行方向の上流側に配設されたイエロー画像を形成する第1のユニット10Yについて代表して説明する。尚、第1のユニット10Yと同等の部分に、イエロー(Y)の代わりに、マゼンタ(M)、シアン(C)、ブラック(K)を付した参照符号を付すことにより、第2乃至第4のユニット10M、10C、10Kの説明を省略する。
【0095】
第1のユニット10Yは、像保持体として作用する感光体1Yを有している。感光体1Yの周囲には、感光体1Yの表面を予め定められた電位に帯電させる帯電ローラ2Y、帯電された表面を色分解された画像信号に基づくレーザ光線3Yよって露光して静電荷像を形成する露光装置(静電荷像形成手段)3、静電荷像に帯電したトナーを供給して静電荷像を現像する現像装置(現像手段)4Y、現像したトナー像を中間転写ベルト20上に転写する1次転写ローラ5Y(1次転写手段)、及び1次転写後に感光体1Yの表面に残存するトナーを除去する感光体クリーニング装置(クリーニング手段)6Yが順に配置されている。
尚、1次転写ローラ5Yは、中間転写ベルト20の内側に配置され、感光体1Yに対向した位置に設けられている。更に、各1次転写ローラ5Y、5M、5C、5Kには、1次転写バイアスを印加するバイアス電源(図示せず)がそれぞれ接続されている。各バイアス電源は、図示しない制御部による制御によって、各1次転写ローラに印加する転写バイアスを可変する。
【0096】
以下、第1ユニット10Yにおいてイエロー画像を形成する動作について説明する。まず、動作に先立って、帯電ローラ2Yによって感光体1Yの表面が−600V乃至−800V程度の電位に帯電される。
感光体1Yは、導電性(20℃における体積抵抗率:1×10−6Ωcm以下)の基体上に感光層を積層して形成されている。この感光層は、通常は高抵抗(一般の樹脂程度の抵抗)であるが、レーザ光線3Yが照射されると、レーザ光線が照射された部分の比抵抗が変化する性質を持っている。そこで、帯電した感光体1Yの表面に、図示しない制御部から送られてくるイエロー用の画像データに従って、露光装置3を介してレーザ光線3Yを出力する。レーザ光線3Yは、感光体1Yの表面の感光層に照射され、それにより、イエロー印字パターンの静電荷像が感光体1Yの表面に形成される。
【0097】
静電荷像とは、帯電によって感光体1Yの表面に形成される像であり、レーザ光線3Yによって、感光層の被照射部分の比抵抗が低下し、感光体1Yの表面の帯電した電荷が流れ、一方、レーザ光線3Yが照射されなかった部分の電荷が残留することによって形成される、いわゆるネガ潜像である。
このようにして感光体1Y上に形成された静電荷像は、感光体1Yの走行に従って予め定められた現像位置まで回転される。そして、この現像位置で、感光体1Y上の静電荷像が、現像装置4Yによって可視像(現像像)化される。
【0098】
現像装置4Y内には、例えば、少なくともイエロートナーとキャリアとを含む本実施形態に係る静電荷像現像剤が収納されている。イエロートナーは、現像装置4Yの内部で攪拌されることで摩擦帯電し、感光体1Y上に帯電した帯電荷と同極性(負極性)の電荷を有して現像剤ロール(現像剤保持体)上に保持されている。そして感光体1Yの表面が現像装置4Yを通過していくことにより、感光体1Y表面上の除電された潜像部にイエロートナーが静電的に付着し、潜像がイエロートナーによって現像される。イエローのトナー像が形成された感光体1Yは、引続き予め定められた速度で走行され、感光体1Y上に現像されたトナー像が予め定められた1次転写位置へ搬送される。
【0099】
感光体1Y上のイエロートナー像が1次転写へ搬送されると、1次転写ローラ5Yに1次転写バイアスが印加され、感光体1Yから1次転写ローラ5Yに向う静電気力がトナー像に作用され、感光体1Y上のトナー像が中間転写ベルト20上に転写される。このとき印加される転写バイアスは、トナーの極性(−)と逆極性の(+)極性であり、例えば第1ユニット10Yでは制御部に(図示せず)よって+10μA程度に制御されている。
一方、感光体1Y上に残留したトナーはクリーニング装置6Yで除去されて回収される。
【0100】
また、第2のユニット10M以降の1次転写ローラ5M、5C、5Kに印加される1次転写バイアスも、第1のユニットに準じて制御されている。
こうして、第1のユニット10Yにてイエロートナー像の転写された中間転写ベルト20は、第2乃至第4のユニット10M、10C、10Kを通して順次搬送され、各色のトナー像が重ねられて多重転写される。
【0101】
第1乃至第4のユニットを通して4色のトナー像が多重転写された中間転写ベルト20は、中間転写ベルト20と中間転写ベルト内面に接する支持ローラ24と中間転写ベルト20の像保持面側に配置された2次転写ローラ(2次転写手段)26とから構成された2次転写部へと至る。一方、記録紙(被転写体)Pが供給機構を介して2次転写ローラ26と中間転写ベルト20とが圧接されている隙間に予め定められたタイミングで給紙され、2次転写バイアスが支持ローラ24に印加される。このとき印加される転写バイアスは、トナーの極性(−)と同極性の(−)極性であり、中間転写ベルト20から記録紙Pに向う静電気力がトナー像に作用され、中間転写ベルト20上のトナー像が記録紙P上に転写される。尚、この際の2次転写バイアスは2次転写部の抵抗を検出する抵抗検出手段(図示せず)により検出された抵抗に応じて決定されるものであり、電圧制御されている。
【0102】
この後、記録紙Pは定着装置(ロール状定着手段)28における一対の定着ロールの圧接部(ニップ部)へと送り込まれトナー像が加熱され、色重ねしたトナー像が溶融されて、記録紙P上へ定着される。
【0103】
トナー像を転写する被転写体としては、例えば、電子写真方式の複写機、プリンター等に使用される普通紙、OHPシート等が挙げられる。
定着後における画像表面の平滑性をさらに向上させるには、前記被転写体の表面も可能な限り平滑であることが好ましく、例えば、普通紙の表面を樹脂等でコーティングしたコート紙、印刷用のアート紙等が好適に使用される。
【0104】
カラー画像の定着が完了した記録紙Pは、排出部へ向けて搬出され、一連のカラー画像形成動作が終了される。
なお、上記例示した画像形成装置は、中間転写ベルト20を介してトナー像を記録紙Pに転写する構成となっているが、この構成に限定されるものではなく、感光体から直接トナー像が記録紙に転写される構造であってもよい。
【0105】
<プロセスカートリッジ、トナーカートリッジ>
図2は、本実施形態に係る静電荷像現像剤を収容するプロセスカートリッジの好適な一例の実施形態を示す概略構成図である。プロセスカートリッジ200は、感光体107とともに、帯電ローラ108、現像装置111、感光体クリーニング装置113、露光のための開口部118、及び、除電露光のための開口部117を取り付け、レール116を用いて組み合わせ、そして一体化したものである。なお、図2において符号300は被転写体を示す。
そして、このプロセスカートリッジ200は、転写装置112と、定着装置115と、図示しない他の構成部分とから構成される画像形成装置に対して着脱自在としたものである。
【0106】
図2で示すプロセスカートリッジ200では、帯電装置108、現像装置111、クリーニング装置113、露光のための開口部118、及び、除電露光のための開口部117を備えているが、これら装置は選択的に組み合わせることが可能である。本実施形態のプロセスカートリッジでは、感光体107のほかには、帯電装置108、現像装置111、クリーニング装置(クリーニング手段)113、露光のための開口部118、及び、除電露光のための開口部117から構成される群から選択される少なくとも1種を備える。
【0107】
次に、本実施形態に係るトナーカートリッジについて説明する。本実施形態に係るトナーカートリッジは、静電荷像現像用トナーを収納し、画像形成装置に脱着されるトナーカートリッジである。
【0108】
なお、図1に示す画像形成装置は、トナーカートリッジ8Y、8M、8C、8Kの着脱が可能な構成を有する画像形成装置であり、現像装置4Y、4M、4C、4Kは、各々の現像装置(色)に対応したトナーカートリッジと、図示しないトナー供給管で接続されている。また、トナーカートリッジ内に収容されているトナーが少なくなった場合には、このトナーカートリッジが交換される。
【実施例】
【0109】
以下、本実施形態を実施例により具体的に説明するが、本実施形態はこれらの実施例に何ら限定されるものではない。なお以下の説明において、特に断りがない限り、「部」「%」は全て「質量部」「質量%」を意味する。
【0110】
〔実施例1〕
<トナーの製造>
[トナー粒子の作製]
(ポリエステル樹脂分散液の調製)
・エチレングリコール〔和光純薬工業(株)製〕 37部
・ネオペンチルグリコール〔和光純薬工業(株)製〕 65部
・1,9 ノナンジオール〔和光純薬工業(株)製〕 32部
・テレフタル酸〔和光純薬工業(株)製〕 96部
上記モノマーをフラスコに仕込み、1時間をかけて温度200℃まで上げ、反応系内が均一に攪拌されていることを確認したのち、ジブチル錫オキサイドを1.2部投入した。更に、生成する水を留去しながら同温度から6時間をかけて240℃まで温度を上げ、240℃で更に4時間脱水縮合反応を継続し、酸価が9.4mgKOH/g、重量平均分子量13,000、ガラス転移温度62℃であるポリエステル樹脂を得た。
【0111】
次いで、これを溶融状態のまま、キャビトロンCD1010((株)ユーロテック製)に毎分100部の速度で移送した。別途準備した水性媒体タンクに試薬アンモニア水をイオン交換水で希釈した0.37%濃度の希アンモニア水を入れ、熱交換器で120℃に加熱しながら毎分0.1リットルの速度で上記ポリエステル樹脂溶融体と同時に上記キャビトロンに移送した。回転子の回転速度が60Hz、圧力が5kg/cmの条件でキャビトロンを運転し、
平均粒径160nm、固形分30%、ガラス転移温度62℃、重量平均分子量Mwが13,000の樹脂粒子が分散された非晶性ポリエステル樹脂分散液を得た。
【0112】
(着色剤分散液の調製)
・シアン顔料〔PigmentBlue15:3、大日精化工業(株)製〕 10部
・アニオン性界面活性剤〔ネオゲンSC、第一工業製薬(株)製〕 2部
・イオン交換水 80部
上記の成分を混合し、高圧衝撃式分散機アルティマイザー〔HJP30006、(株)スギノマシン製〕により1時間分散し、体積平均粒径180nm、固形分20%の着色剤分散液を得た。
【0113】
(離型剤分散液の調製)
・パラフィンワックス〔HNP 9、日本精鑞社製〕 50部
・アニオン性界面活性剤〔ネオゲンSC、第一工業製薬製〕 2部
・イオン交換水 200部
上記成分を120℃に加熱して、IKA社製、ウルトラタラックスT50で十分に混合・分散した後、圧力吐出型ホモジナイザーで分散処理し、体積平均粒径が200nm、固形分20%の離型剤分散液を得た。
【0114】
(トナー粒子1の作製)
・ポリエステル樹脂分散液 200部
・着色剤分散液 25部
・ポリ塩化アルミニウム 0.4部
・イオン交換水 100部
上記の成分をステンレス製フラスコに投入し、IKA社製のウルトラタラックスを用い十分に混合、分散した後、加熱用オイルバスでフラスコを攪拌しながら48℃まで加熱した。48℃で30分保持した後、ここに上記と同じポリエステル樹脂分散液を緩やかに70部追加した。
【0115】
その後、濃度0.5mol/Lの水酸化ナトリウム水溶液を用いて系内のpHを8.0 に調整した後、ステンレス製フラスコを密閉し、攪拌軸のシールを磁力シールして攪拌を継続しながら90℃まで加熱して3時間保持した。反応終了後、降温速度を2℃/分で冷却し、濾過、イオン交換水で十分に洗浄した後、ヌッチェ式吸引濾過により固液分離を行った。これをさらに30℃のイオン交換水3Lを用いて再分散し、15分間300rpmで攪拌・洗浄した。この洗浄操作をさらに6回繰り返し、濾液のpHが7.54、電気伝導度6.5μS/cmとなったところで、ヌッチェ式吸引濾過によりNo.5A ろ紙を用いて固液分離を行った。次いで真空乾燥を12時間継続してトナー粒子1を得た。
トナー粒子(1)の体積平均粒径D50vをコールターカウンターで測定したところ5.8μmであり、SF1は130であった。
【0116】
[外添剤の製造]
(シリカ粒子の製造)
−アルカリ触媒溶液準備工程〔アルカリ触媒溶液(1)の調製〕−
攪拌翼、滴下ノズル、温度計を有した容積2Lのガラス製反応容器にメタノール600g、10%アンモニア水90gを入れ、攪拌混合して、アルカリ触媒溶液(1)を得た。こときのアルカリ触媒溶液(1)のアンモニア触媒量:NH量(NH〔mol〕/(NH+メタノール+水)〔L〕)は、0.62mol/Lであった。
【0117】
−シリカ粒子生成工程〔シリカ粒子懸濁液(1)の調製〕−
次に、アルカリ触媒溶液(1)の温度を45℃に調整し、アルカリ触媒溶液(1)を窒素置換した。その後、アルカリ触媒溶液(1)を120rpmで撹拌しながら、テトラメトキシシラン(TMOS)300gと、触媒(NH)濃度が4.44質量%のアンモニア水120gとを、下記供給量で、同時に滴下を開始し、20分かけて滴下を行い、シリカ粒子の懸濁液(シリカ粒子懸濁液(1))を得た。
【0118】
ここで、テトラメトキシシラン(TMOS)の供給量は、アルカリ触媒溶液(1)中のメタノール総mol数に対して、15g/min、すなわち、0.0053mol/(mol・min)とした。また、4.44%アンモニア水の供給量は、テトラアルコキシシランの1分間当たりに供給される総供給量に対して、6.0g/minとした。これは、テトラアルコキシシランの1分間当たりに供給される総供給量の1molに対して0.159mol/minに相当する。
【0119】
その後、得られたシリカ粒子懸濁液(1)の溶媒を加熱蒸留により250g留去し、純水を250g加えた後、凍結乾燥機により乾燥を行い、異形状の親水性シリカ粒子(1)を得た。
【0120】
−シリカ粒子の疎水化処理−
さらに、親水性シリカ粒子(1)100gにトリメチルシラン20gを添加し、150℃で2時間反応させ、シリカ表面が疎水化処理された異形状の疎水性シリカ粒子〔(シリカ粒子(1)〕を得た。
【0121】
−シリカ粒子の物性−
得られたシリカ粒子(1)を、トナー粒子(1)に添加し、シリカ粒子(1)の一次粒子100個についてSEM写真撮影を行った。次に、得られたSEM写真に対して、画像解析を行った結果、シリカ粒子(1)の一次粒子は、平均粒径(D50v)が150nm、円形度[100/SF2]は0.55である異形状の粒子であった。
また、シリカ粒子(1)の比重を、既述のJIS−K−0061:92の5−2−1に準拠した方法で測定したところ、1.9であった。
シリカ粒子(1)の物性は、表1にも示した。
【0122】
−トナーの製造−
トナー粒子(1)20gに、シリカ粒子(1)を0.4g添加し、0.4Lサンプルミルにて15000rpmで30秒間混合し、疎水性のシリカ粒子(1)が付着したトナー(1)を得た。
【0123】
<評価>
得られたトナー(1)とキャリアとを、トナー(1):キャリア=5:95(質量比)の割合でVブレンダーに入れ、20分間撹拌し、現像剤(1)を得た。
なお、キャリアは次のように作製されたものを用いた。
【0124】
−キャリア−
ニーダーにMn−Mgフェライト(体積平均粒径:50μm、パウダーテック社製、形状係数SF1:120)を1,000部投入し、パーフルオロオクチルメチルアクリレート−メチルメタクリレート共重合体(重合比率:20/80、Tg:72℃、重量平均分子量:72,000、綜研化学(株)製〕150部をトルエン700部に溶かした溶液を加え、常温で20分混合した後、70℃に加熱して減圧乾燥した後、取り出し、コートキャリアを得た。さらに得たコートキャリアを75μm目開きのメッシュでふるい、粗粉を除去してキャリアを得た。キャリアの形状係数SF1は122であった。
【0125】
得られた現像剤(1)を、Docu Centre Color 400改造機(富士ゼロックス社製)の現像器に充填し、色点について評価を行った。結果を表1に示す。
【0126】
−色点評価−
色点評価は、高温・高湿(30℃,85%RH)下で、エリアカバレッジ20%の画像10000枚を出力した後に、エリアカバレッジ100%の全面画像を100枚出力し、画像部に白点が発生した枚数を数えた。
【0127】
〔実施例2〜実施例8、及び、比較例1〜比較例5〕
トナー(1)の製造において、トナー粒子(1)に外添するシリカ粒子(1)を、シリカ粒子(2)〜シリカ粒子(8)またはシリカ粒子(101)〜シリカ粒子(105)に変更したほかは、同様にして、実施例2〜実施例8のトナー(2)〜トナー(8)、及び、比較例1〜比較例5のトナー(101)〜トナー(105)を製造した。
【0128】
得られたシリカ粒子(2)〜シリカ粒子(8)及びシリカ粒子(101)〜シリカ粒子(105)について、シリカ粒子(1)と同様の方法で、シリカ粒子の物性を調べた。
画像解析により得られた各一次粒子の平均粒径(D50v)、円形度[100/SF2]、比重を、表1の「シリカ粒子」「物性」欄に示した。
【0129】
また、現像剤(1)の製造において、トナー(1)の代わりに、トナー(2)〜トナー(8)、または、トナー(101)〜トナー(105)を用いた他は同様にして、現像剤(2)〜現像剤(8)及び現像剤(101)〜現像剤(105)を製造した。
得られた現像剤(2)〜現像剤(8)及び現像剤(101)〜現像剤(105)を用いて、実施例1と同様にして色点評価を行なった。
【0130】
実施例2〜実施例8、及び、比較例1〜比較例5で用いたシリカ粒子(2)〜シリカ粒子(8)及びシリカ粒子(101)〜シリカ粒子(105)は次のようにして製造した。
まず、シリカ粒子(2)〜シリカ粒子(8)及びシリカ粒子(103)〜シリカ粒子(105)の製造方法について説明する。
【0131】
−シリカ粒子(2)〜シリカ粒子(8)及びシリカ粒子(103)〜シリカ粒子(105)の製造−
アルカリ触媒溶液(1)の調製において、メタノール「600g」を表1の「被添加成分」「メタノール」「質量(g)」欄に示す量とし、10%アンモニア水「90g」を、表1の「被添加成分」「10%アンモニア水」「質量(g)」欄に示す量とした他は同様にして、アルカリ触媒溶液(2)〜アルカリ触媒溶液(8)、及び、アルカリ触媒溶液(103)〜アルカリ触媒溶液(105)を調製した。
上記調製後のアルカリ触媒溶液(2)〜アルカリ触媒溶液(8)、及び、アルカリ触媒溶液(103)〜アルカリ触媒溶液(105)中の各触媒量:NH量を、表1の「被添加成分」「10%アンモニア水」「NH量[mol/L]」欄に示した。
【0132】
次いで、シリカ粒子懸濁液(1)の調製において、アルカリ触媒溶液(1)の代わりにアルカリ触媒溶液(2)〜アルカリ触媒溶液(8)、または、アルカリ触媒溶液(103)〜アルカリ触媒溶液(105)を用い、アルカリ触媒溶液に添加するテトラメトキシシランの量及び供給量と、アルカリ触媒溶液に添加するアンモニア水の触媒濃度、量、及び供給量とを、表1に示す量に変更したほかは、同様にしてシリカ粒子懸濁液(2)〜シリカ粒子懸濁液(8)、及び、シリカ粒子懸濁液(103)〜シリカ粒子懸濁液(105)を調製した。
【0133】
具体的には、アルカリ触媒溶液に添加するテトラメトキシシランの量及び供給量については、テトラメトキシシランの量「300g」を表1の「全添加量」「TMOS」「質量[g]」欄に示す量に変更し、テトラメトキシシランの供給量「15g/min」を表1の「供給量[g/min]」「TMOS」欄に示す量に変更した。
【0134】
アルカリ触媒溶液に添加するアンモニア水の触媒濃度、量、及び供給量については、アンモニア水の触媒濃度「4.44%」を表1の「全添加量」「アンモニア水」「NH濃度[%]」欄に示す量に変更し、アンモニア水の量「120g」を表1の「全添加量」「アンモニア水」「質量[g]」欄に示す量に変更し、アンモニア水の供給量「6g/min」を表1の「供給量[g/min]」「アンモニア水」欄に示す量に変更した。
【0135】
ここで、アルカリ触媒溶液(2)〜アルカリ触媒溶液(8)、及び、アルカリ触媒溶液(103)〜アルカリ触媒溶液(105)へのアンモニア触媒の供給量であって、テトラアルコキシシランの1分間当たりに供給される総供給量の1molに対する量を、表1の「供給量(相対量)」「NH量[mol/min](対TMOS)」欄に示した。
また、アルカリ触媒溶液(2)〜アルカリ触媒溶液(8)、及び、アルカリ触媒溶液(103)〜アルカリ触媒溶液(105)へのテトラアルコキシシラン(TMOS)の供給量であって、アルカリ触媒溶液(2)〜アルカリ触媒溶液(8)、及び、アルカリ触媒溶液(103)〜アルカリ触媒溶液(105)中のメタノール1molに対する量を、表1の「供給量(相対量)」「TMOS量[mol/(mol・min)](対メタノール)」欄に示した。
【0136】
得られたシリカ粒子懸濁液(2)〜シリカ粒子懸濁液(8)、及びシリカ粒子懸濁液(103)〜シリカ粒子懸濁液(105)について、シリカ粒子懸濁液(1)と同様にして溶媒を留去し、乾燥して、親水性シリカ粒子(2)〜親水性シリカ粒子(8)、及び親水性シリカ粒子(103)〜親水性シリカ粒子(105)を得た。
【0137】
さらに、親水性シリカ粒子(2)〜親水性シリカ粒子(8)、及び親水性シリカ粒子(103)〜親水性シリカ粒子(105)を、実施例1と同様にして疎水化処理して、シリカ粒子(2)〜シリカ粒子(8)、及びシリカ粒子(103)〜シリカ粒子(105)を得た。
【0138】
−シリカ粒子(101)の製造−
市販のシリカ粒子アエロジル#50(日本アエロジル社製)100gを、風力分級機を用いて分級し、シリカ粒子(101)を製造した。
【0139】
−シリカ粒子(102)の製造−
市販のシリカ粒子TG−C122(Cabot社製)100gを、風力分級機を用いて分級し、シリカ粒子(102)を得た。
【0140】
【表1】

【0141】
上記結果から、本実施例では、比較例に比べ、高温高湿環境下で、低画像密度の画像出力が連続(10000枚)した後に、画像を出力しても、色点が発生しにくかった。
【符号の説明】
【0142】
1Y、1M、1C、1K、107 感光体(像保持体)
2Y、2M、2C、2K、108 帯電ローラ
3Y、3M、3C、3K レーザ光線
3、110 露光装置
4Y、4M、4C、4K、111 現像装置(現像手段)
5Y、5M、5C、5K 1次転写ローラ
6Y、6M、6C、6K、113 感光体クリーニング装置(クリーニング手段)
8Y、8M、8C、8K 現像剤カートリッジ
10Y、10M、10C、10K ユニット
20 中間転写ベルト
22 駆動ローラ
24 支持ローラ
26 2次転写ローラ(転写手段)
28、115 定着装置(定着手段)
30 中間転写体クリーニング装置
112 転写装置
116 取り付けレール
117 除電露光のための開口部
118 露光のための開口部
200 プロセスカートリッジ、
P、300 記録紙(被転写体)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも着色剤および結着樹脂を含むトナー粒子と、
前記トナー粒子の表面に付着したシリカ粒子であって、平均粒径が70nnm以上400nm以下であり、比重が1.0以上1.9以下であり、円形度が0.5以上0.9以下であるシリカ粒子と、
を有する静電荷像現像用トナー。
【請求項2】
前記シリカ粒子の円形度が、0.5以上0.8以下である請求項1に記載の静電荷像現像用トナー。
【請求項3】
請求項1または請求項2に記載の静電荷像現像用トナーを含む静電荷像現像用現像剤。
【請求項4】
請求項1または請求項2に記載の静電荷像現像用トナーを収納し、画像形成装置に脱着されるトナーカートリッジ。
【請求項5】
請求項3に記載の静電荷現像用現像剤を収納すると共に、電潜像保持体の表面に形成された静電潜像を該静電荷現像用現像剤により現像してトナー像を形成する現像手段を備え、画像形成装置に脱着されるプロセスカートリッジ。
【請求項6】
静電潜像保持体と、
前記静電潜像保持体の表面を帯電する帯電手段と、
前記静電潜像保持体の表面に静電潜像を形成する静電潜像形成手段と、
請求項3に記載の静電荷現像用現像剤を収納すると共に、前記静電潜像保持体の表面に形成された前記静電潜像を該静電荷現像用現像剤により現像してトナー像を形成する現像手段と、
前記トナー像を記録媒体に転写する転写手段と、
前記記録媒体のトナー像を定着する定着手段と、
を備える画像形成装置。
【請求項7】
静電潜像保持体の表面を帯電する帯電工程と、
帯電した前記静電潜像保持体の表面に静電荷像を形成する静電潜像形成工程と、
請求項3に記載の静電荷現像用現像剤を収納すると共に、前記静電潜像保持体の表面に形成された前記静電潜像を現像してトナー像を形成する現像工程と、
前記トナー像を記録媒体に転写する転写工程と、
前記記録媒体のトナー像を定着する定着工程と、
を有する画像形成方法。

【図1】
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【図2】
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【公開番号】特開2012−189960(P2012−189960A)
【公開日】平成24年10月4日(2012.10.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−55609(P2011−55609)
【出願日】平成23年3月14日(2011.3.14)
【出願人】(000005496)富士ゼロックス株式会社 (21,908)
【Fターム(参考)】