説明

静電荷像現像用トナー、静電荷像現像剤、トナーカートリッジ、プロセスカートリッジ、画像形成装置、及び画像形成方法

【課題】紫外線吸収剤又は光安定剤の染み出しによる定着画像の画質劣化が抑制される静電荷像現像用トナーを提供すること
【解決手段】結着樹脂と、水酸基を持つ紫外線吸収剤及び水酸基を持つ光安定剤から選択される少なくとも1種と、Al、Mg、Fe、及びCaから選択される少なくとも1種の金属元素と、を含み、トナーをテトラヒドロフラン(THF)に溶解させたときの可溶分のpHが7.0以上10.0以下であり、トナー中における、前記金属元素の含有量C(m)[mass%]と炭素の含有量C(c)[mass%]と酸素の含有量C(o)[mass%]とが下記関係式(1):0.01<C(m)/(C(c)+C(o))<0.10を満たす静電荷像現像用トナーである。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、静電荷像現像用トナー、静電荷像現像剤、トナーカートリッジ、プロセスカートリッジ、画像形成装置、及び画像形成方法に関する。
【背景技術】
【0002】
例えば、電子写真法などにより、静電潜像を経て画像情報を可視化する方法は、現在様々な分野で利用されている。電子写真法においては、帯電および露光工程により潜像保持体(感光体)表面に画像情報を静電潜像として形成し、トナーを含む現像剤を用いて、感光体表面にトナー像を現像し、このトナー像を、記録媒体(被転写体)に転写する転写工程、さらに、トナー像を記録媒体表面に定着させる定着工程を経て画像として可視化される。
このような画像形成に用いられるトナーとしては、従来から種々の提案がなされている。
【0003】
例えば、「結着樹脂と、着色剤と、紫外線吸収剤とを含有するトナー粒子よりなる静電荷象現像用トナーであって、少なくとも結着樹脂および着色剤を含有するコア層と、当該コア層を被覆するよう形成されたシェル層との間に中間層が設けられてなり、当該中間層に紫外線吸収剤が含有されてなる構造を有するトナー粒子を含有することを特徴とする静電荷像現像用トナー。」が提案されている。
【0004】
また、特許文献2には、「少なくとも樹脂微粒子と着色剤微粒子とを凝集、融着する工程を経て作製される静電荷像現像用トナーであって、前記静電荷像現像用トナーは、紫外線吸収剤を含有するものであることを特徴とする静電荷像現像用トナー。」が提案されている。
【0005】
また、特許文献3には、「紫外線吸収剤を含有し且つ無色であることを特徴とする紫外線吸収剤含有無色トナー。」が提案されている。
【0006】
また、特許文献4には、「少なくともビニル系重合体を含有する結着樹脂微粒子と、染料を含有する着色用微粒子とを凝集、融着させて得られるトナー粒子よりなる静電荷像現像用トナーであって、前記トナー粒子に少なくとも1種の耐光性向上剤および少なくとも1種の紫外線吸収剤が含有されていることを特徴とする静電荷像現像用トナー。」が提案されている。
【0007】
また、特許文献5には、「結着樹脂、着色剤、離型剤、帯電制御剤、流動性付与剤、紫外線吸収剤および老化防止剤からなるトナー組成物。」が提案されている。
【0008】
また、特許文献6には、「スルホ基を有するセグメントを有する樹脂と、紫外線吸収剤とを含有する樹脂微粒子であって、前記スルホ基の含有量が1×10〜20×10モル/gであり、かつ、クロロホルムに溶解して0.1重量%溶液とした場合の波長350nmにおける光線透過率が35%以下、波長400nmにおける光線透過率が80%以上であることを特徴とする樹脂微粒子。」が提案されている。
【0009】
また、特許文献7には、「結着樹脂及び着色剤を主成分とする電子写真用トナーにおいて、融点が90〜150℃の範囲にある紫外線吸収剤を含有し、かつ、光の透過度が65以上であることを特徴とする電子写真用トナー。」が提案されている。
【0010】
また、特許文献8には、「バインダ樹脂及び着色剤を含む電子写真用トナーであって、前記バインダ樹脂としてポリエステル樹脂又はポリエーテル ポリオール樹脂を少なくとも含み、かつさらに紫外線吸収剤を含むことを特徴とする電子写真用トナー。」が提案されている。
【0011】
一方、赤外線吸収剤として、特許文献9には、「それぞれ相互に縮合反応する反応性基を有する紫外線吸収剤と重合体のそれぞれの上記反応性基を縮合させて得られる上記紫外線吸収剤が上記重合体鎖に結合してなることを特徴とする重合体結合紫外線吸収剤。」が提案されている。
【0012】
また、特許文献10には、「特定の単量体単位Aを含む共重合体であることを特徴とする高分子紫外線吸収剤。」が提案されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0013】
【特許文献1】特開2010−107617号公報
【特許文献2】特開2008−122828号公報
【特許文献3】特開2009−210667号公報
【特許文献4】特開2008−052086号公報
【特許文献5】特開2003−043750号公報
【特許文献6】特開2007−099837号公報
【特許文献7】特開2001−183871号公報
【特許文献8】特開2000−181140号公報
【特許文献9】特開2005−120137号公報
【特許文献10】特開2009−155540号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0014】
本発明の課題は、紫外線吸収剤又は光安定剤の染み出しによる定着画像の画質劣化が抑制される静電荷像現像用トナーを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0015】
上記課題は、以下の手段により解決される。即ち、
請求項1に係る発明は、
結着樹脂と、水酸基を持つ紫外線吸収剤及び水酸基を持つ光安定剤から選択される少なくとも1種と、Al、Mg、Fe、及びCaから選択される少なくとも1種の金属元素と、を含み、
トナーをテトラヒドロフラン(THF)に溶解させたときの可溶分のpHが7.0以上10.0以下であり、
トナー中における、前記金属元素の含有量C(m)[mass%]と炭素の含有量C(c)[mass%]と酸素の含有量C(o)[mass%]とが下記関係式(1)を満たす静電荷像現像用トナー。
・関係式(1)0.01<C(m)/(C(c)+C(o))<0.10
【0016】
請求項2に係る発明は、
トナー粒子を有し、
前記トナー粒子が、前記結着樹脂と、前記水酸基を持つ紫外線吸収剤及び前記水酸基を持つ光安定剤から選択される少なくとも1種と、前記Al、Mg、Fe、及びCaから選択される少なくとも1種の金属元素と、を含んで構成されている請求項1に記載の静電荷像現像用トナー。
【0017】
請求項3に係る発明は、
前記金属元素が、Alである請求項1又は2に記載の静電荷像現像用トナー。
【0018】
請求項4に係る発明は、
前記結着樹脂が、ポリエステル樹脂を含む請求項1〜3のいずれか1項に記載の静電荷像現像用トナー。
【0019】
請求項5に係る発明は、
前記結着樹脂が、結晶性ポリエステル樹脂を含む請求項1〜4のいずれか1項に記載の静電荷像現像用トナー。
【0020】
請求項6に係る発明は、
請求項1〜5のいずれか1項に記載の静電荷像現像トナーを少なくとも含む静電荷像現像剤。
【0021】
請求項7に係る発明は、
請求項1〜5のいずれか1項に記載の静電荷像現像トナーを収容し、
画像形成装置に着脱されるトナーカートリッジ。
【0022】
請求項8に係る発明は、
請求項6に記載の静電荷像現像剤を収容し、前記静電荷像現像剤により、像保持体上に形成された静電荷像をトナー画像として現像する現像手段を備え、
画像形成装置に着脱されるプロセスカートリッジ。
【0023】
請求項9に係る発明は、
像保持体と、
前記像保持体を帯電する帯電手段と、
帯電した前記像保持体の表面に静電荷像を形成する静電荷像形成手段と、
請求項6に記載の静電荷像現像剤を収容し、前記静電荷像現像剤により、前記像保持体上に形成された静電荷像をトナー画像として現像する現像手段と、
前記像保持体上に形成されたトナー画像を被転写体上に転写する転写手段と、
前記被転写体上に転写されたトナー画像を定着する定着手段と、
を備える画像形成装置。
【0024】
請求項10に係る発明は、
像保持体を帯電する帯電工程と、
帯電した前記像保持体の表面に静電荷像を形成する静電荷像形成工程と、
請求項6に記載の静電荷像現像剤により、前記像保持体上に形成された静電荷像をトナー画像として現像する現像工程と、
前記像保持体上に形成されたトナー画像を被転写体上に転写する転写工程と、
前記被転写体上に転写されたトナー画像を定着する定着工程と、
を有する画像形成方法。
【発明の効果】
【0025】
請求項1に係る発明によれば、紫外線吸収剤及び光安定剤が水酸基を持たず、トナーをテトラヒドロフラン(THF)に溶解させたときの可溶分のpHが7.0未満で、Al、Mg、Fe、及びCaから選択される少なくとも1種の金属元素の含有量C(m)[mass%]と炭素の含有量C(c)[mass%]と酸素の含有量C(o)[mass%]とが上記関係式を満たさない場合に比べ、紫外線吸収剤又は光安定剤の染み出しによる定着画像の画質劣化が抑制される静電荷像現像用トナーが提供できる。
請求項2に係る発明によれば、水酸基を持つ紫外線吸収剤及び前記水酸基を持つ光安定剤から選択される少なくとも1種とAl、Mg、Fe、及びCaから選択される少なくとも1種の金属元素とがトナー粒子に内添されていない場合に比べ、紫外線吸収剤又は光安定剤の染み出しによる定着画像の画質劣化が抑制される静電荷像現像用トナーが提供できる。
請求項3に係る発明によれば、Al以外の金属元素を含む場合に比べ、紫外線吸収剤又は光安定剤の染み出しによる定着画像の画質劣化が抑制される静電荷像現像用トナーが提供できる。
請求項4に係る発明によれば、結着樹脂が、ポリエステル樹脂を含まない場合に比べ、紫外線吸収剤又は光安定剤の染み出しによる定着画像の画質劣化が抑制される静電荷像現像用トナーが提供できる。
請求項5に係る発明によれば、結着樹脂が、結晶性ポリエステル樹脂を含まない場合に比べ、紫外線吸収剤又は光安定剤の染み出しによる定着画像の画質劣化が抑制される静電荷像現像用トナーが提供できる。
【0026】
請求項6、7、8、9、10に係る発明によれば、紫外線吸収剤及び光安定剤が水酸基を持たず、トナーをテトラヒドロフラン(THF)に溶解させたときの可溶分のpHが7.0未満で、Al、Mg、Fe、及びCaから選択される少なくとも1種の金属元素の含有量C(m)[mass%]と炭素の含有量C(c)[mass%]と酸素の含有量C(o)[mass%]とが上記関係式を満たさない静電荷像現像用トナーを適用した場合に比べ、紫外線吸収剤又は光安定剤の染み出しによる定着画像の画質劣化が抑制される静電荷像現像剤、トナーカートリッジ、プロセスカートリッジ、画像形成装置、及び画像形成方法が提供できる。
【図面の簡単な説明】
【0027】
【図1】本実施形態の画像形成装置の一例を示す概略構成図である。
【図2】本実施形態のプロセスカートリッジの一例を示す概略構成図である。
【発明を実施するための形態】
【0028】
以下、本発明の実施形態について詳細に説明する。
[静電荷像現像用トナー]
本実施形態に係る静電荷像現像用トナー(以下、単に「トナー」と称する場合がある)は、 結着樹脂と、水酸基を持つ紫外線吸収剤及び水酸基を持つ光安定剤から選択される少なくとも1種と、Al、Mg、Fe、及びCaから選択される少なくとも1種の金属元素(以下、単に「金属元素」と称することがある)と、を含んで構成されている。
本実施形態に係るトナーは、当該トナーをテトラヒドロフラン(THF)に溶解させたときの可溶分(以下、「THF可溶分」と称する)のpHは、7.0以上10.0以下である。
そして、本実施形態に係るトナーは、トナー中における、金属元素の含有量C(m)[mass%]と炭素の含有量C(c)[mass%]と酸素の含有量C(o)[mass%]とが下記関係式(1)を満たしている。
・関係式(1)0.01<C(m)/(C(c)+C(o))<0.10
【0029】
ここで、従来、野外に展示する印刷物については、長期間光暴露された状態であっても、画像(定着画像)の褪色が発生しない特性が求められている。
これを解決するために、トナーに紫外線吸収剤や光安定剤を含ませる技術が知られている。
しかしながら、トナーに紫外線吸収剤や光安定剤を含ませると、定着画像から紫外線吸収剤や光安定剤の染み出し(以下、単に「ブリード」と称することがある)が発生し、長期間光暴露される以前よりも画質劣化が生じることがある。このブリードは、特に、夏場等の高温高湿環境下において、発生し易い傾向がある
【0030】
そこで、本実施形態に係るトナーでは、上記構成とすることにより、紫外線吸収剤又は光安定剤の染み出しによる定着画像の画質劣化が抑制される。
この理由は、定かではないが以下に示す理由によるものと考えられる。
【0031】
まず、紫外線吸収剤又は光安定剤のブリードが発生する原因については、これらの添加剤が結着樹脂と比較して、分子量が低いために定着後のトナーの定着画像中であっても、添加剤のドメインが移動し易い状態にあり、この添加剤のドメインがブラウン運動によって定着画像表面まで到達することによりブリードが発生すると推測される。
特に、夏場等の高温高湿環境下では、添加剤のドメインのブラウン運動が促進され、ブリードの発生が生じ易いものと考えられる。
【0032】
一方、水酸基を持つ紫外線吸収剤、又は水酸基を持つ光安定剤は、特定のph(pH7.0以上10.0以下)において、当該水酸基を介して金属元素(Al、Mg、Fe、Ca)と錯体を形成する。
そして、トナーの定着画像中で、水酸基を持つ紫外線吸収剤、又は水酸基を持つ光安定剤が金属元素(Al、Mg、Fe、Ca)と錯体を形成させると、紫外線吸収剤又は光安定剤のドメインの移動が抑制されると考えられる。
【0033】
このため、本実施形態に係るトナーでは、紫外線吸収剤及び光安定剤のうち、水酸基を持つ紫外線吸収剤及び水酸基を持つ光安定剤から選択される少なくとも1種を添加すると共に、上記関係式(1)を満たす量の金属元素を添加した上で、定着画像中で紫外線吸収剤又は光安定剤と金属元素と結着樹脂が錯体を形成するようにTHF可溶分のpHを7.0以上10.0以下となるように調整することによって、紫外線吸収剤又は光安定剤の染み出し(ブリード)による定着画像の画質劣化が抑制されると考えられる。
【0034】
なお、紫外線吸収剤又は光安定剤のブリード発生を抑制する目的で、紫外線吸収剤又は光安定剤の分子を樹脂の主鎖骨格(ポリマーの主鎖骨格)に付加、又は樹脂の側鎖(ポリマーの側鎖)に付加し、これをトナーに添加する方法も考えられるが、トナーの添加物として使用する場合、高分子量の添加物を含有させると。定着特性の悪化を招くことが懸念されるが、本実施形態に係るトナーは、高分子量の添加物を添加する必要がなく、定着特性の悪化を招かない点で有利である。
【0035】
本実施形態に係るトナーにおいては、金属元素の含有量C(m)[mass%]と炭素の含有量C(c)[mass%]と酸素の含有量C(o)[mass%]とは、上記関係式(1)を満すが、ブリードの発生による定着画像の画質劣化をより抑制する観点から、望ましくは関係式(1−2)、より望ましいは関係式(1−3)を満たすことである。
・関係式(1−2)0.050<C(m)/(C(c)+C(o))<0.070
・関係式(1−3)0.035<C(m)/(C(c)+C(o))<0.085
但し、複数の金属元素がトナーに含まれる場合、金属元素の含有量C(m)とは、その総量を意味する。
【0036】
関係式において、「C(m)/(C(c)+C(o))」は、炭素及び酸素の総量に対する金属元素の比率を示しており、これは、結着樹脂に対する金属元素の比率の指標であり、紫外線吸収剤又は光安定剤と金属元素と結着樹脂とが形成する錯体の数は金属元素に依存しており、結着樹脂に対して金属元素が少なすぎる場合は、前記錯体が少ないために、また結着樹脂に対して金属元素が多すぎる場合は、前記錯体が多いために、トナー系内における前記錯体の分布が均一ではないを意味している。
【0037】
関係式(1)を満たすためには、つまり、「C(m)/(C(c)+C(o))」の調整は、例えば、1)金属元素の供給源となる添加剤の添加量を調整する方法、2)金属元素を捕集する作用のある添加剤を添加する方法、3) Al、Mg、Fe、Caを除く金属元素を含有する添加剤を添加する方法等により行う、
【0038】
なお、金属元素の含有量C(m)、炭素の含有量C(c)、酸素の含有量C(o)は、各々、蛍光X線分析による各元素のmass%の測定により求められる。
蛍光X線分析による各元素のmass%の測定方法および測定条件は以下のとおりである。測定用試料前処理としては、トナー0.12gを加圧成型器で6t、1分間の加圧条件下で圧縮成型を実施する。(株)島津製作所の蛍光X線分析装置(XRF−1500)を使用し、測定条件は管電圧40KV、管電流70mAで、全元素分析により測定を行う。
【0039】
また、本実施形態に係るトナーにおいて、THF可溶分のphは、7.0以上10.0以下であるが、ブリードの発生による定着画像の画質劣化をより抑制する観点から、望ましくは7.5以上9.5以下、より望ましくは8.0以上9.0以下である。
【0040】
THF可溶分のphの調整は、例えば、被添加対象物(トナー(トナー粒子)原料混合物:混練物や分散液)のpHを7.0以上10.0以下に調整した後、水酸基を持つ紫外線吸収剤及び水酸基を持つ光安定剤から選択される少なくとも1種を添加する方法等により行う。
【0041】
なお、THF可溶分のphは、次のようにして求められる。
(1)トナー0.1gを秤量し、これにテトラヒドロフラン(特級)30mL加えて、マグネチックスターラを用いて、1時間混合、撹拌を行う。
(2)その後、(1)を遠心分離機により2000rpmで、30分間分離を行う。
(3)(2)で得られた上澄み液を、JIS規格5Aの濾紙を用い、固液分離を行う。
(4)(3)で得られた濾液のphを、ph計(メトラー・トレド・インターナショナル社製、セブンゴープロ SG8)を用いて、測定する。
【0042】
以下、本実施形態に係るトナーの詳細について説明する。
【0043】
本実施形態に係るトナーは、結着樹脂、水酸基を持つ紫外線吸収剤及び水酸基を持つ光安定剤から選択される少なくとも1種と、金属元素と、を含んで構成される。
具体的には、本実施形態に係るトナーは、以下の構成が挙げられる。
1)結着樹脂、水酸基を持つ紫外線吸収剤及び水酸基を持つ光安定剤から選択される少なくとも1種、及び金属元素を含むトナー粒子と、必要に応じて外添剤と、を有する構成
2)結着樹脂、及び水酸基を持つ紫外線吸収剤及び水酸基を持つ光安定剤から選択される少なくとも1種を含むトナー粒子と、金属元素を含む外添剤と、を有する構成
3)結着樹脂を含むトナー粒子と、水酸基を持つ紫外線吸収剤及び水酸基を持つ光安定剤から選択される少なくとも1種、及び金属元素を含む外添剤と、を有する構成
これらの中でも、定着画像中での、紫外線吸収剤又は光安定剤の偏在化が抑制され、ブリードの発生を抑制し易い観点から、1)の構成がよい。
【0044】
(トナー粒子)
トナー粒子としては、例えば、結着樹脂と、必要に応じて着色剤、及び離型剤等のその他添加剤と、を含んで構成される。
そして、トナー粒子は、さらに、水酸基を持つ紫外線吸収剤及び水酸基を持つ光安定剤から選択される少なくとも1種と、金属元素と、を含むことがよい。
【0045】
−水酸基を持つ紫外線吸収剤−
水酸基を持つ紫外線吸収剤としては、一分子中に水酸基を有する紫外線吸収剤であれば、特に制限はないが、例えば、ヒドロキシフェニルベンゾトリアゾール誘導体、ヒドロキシフェニルトリアジン誘導体が挙げられる。
【0046】
水酸基を持つ紫外線吸収剤として具体的は、例えば、2−(2´−ヒドロキシ−3´,5´−ジペンチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(2,4−ジヒドロキシフェニル)−4,6−ビス−(2,4−ジメチルフェニル)−1,3,5−トリアジンと(2−エチルヘキシル)−グリシド酸エステルの反応生成物、プロピオン酸,2−[4−[4,6−ビス([1,1'−ビフェニル]−4−イル)−1,3,5−トリアジン−2−イル)−3−ヒドロキシペノキシ]−,イソオクチルエステル 、2,4−ビス[2−ヒドロキシ−4−ブトキシフェニル]−6−(2,4−ジブトキシフェニル)−1,3,5−トリアジン、2−(2−ヒドロキシ−5−t−ブチルフェニル)−2H−ベンゾトリアゾール、2−ヒドロキシ−4−n−オクトキシベンゾフェノン、2−(2−ヒドロキシ−5−t−オクチルフェニル)−2H−ベンゾトリアゾール、サリチル酸,4−t−ブチルフェニルエステル、2−(2−ヒドロキシ−3,5 −ジ−t−アミルフェニル)−ベンゾトリアゾールが挙げられる。
【0047】
これらの中でも、水酸基を持つ紫外線吸収剤としては、ブリードの発生による定着画像の画質劣化をより抑制する観点から、2−(2,4−ジヒドロキシフェニル)−4,6−ビス−(2,4−ジメチルフェニル)−1,3,5−トリアジンと(2−エチルヘキシル)−グリシド酸エステルの反応生成物(BASF社製 TINUVIN 405)、サリチル酸,4−t−ブチルフェニルエステル(サンケミカル社製 CYASORB2337)、2−(2´−ヒドロキシ−3´,5´−ジペンチルフェニル)ベンゾトリアゾール(BASF社製 TINUVIN 328)が望ましい。
【0048】
水酸基を持つ紫外線吸収剤の融点(m.p、)は、65℃以上85℃以下(望ましくは70℃以上80℃以下)であることがよい。
上記範囲の融点を持つ水酸基を持つ紫外線吸収剤は、定着画像中での移動度を低減され易く、また、トナー画像の定着時に溶融が進行し易く、定着画像中での偏在が抑制され、ブリードの発生による定着画像の画質劣化をより抑制し易くなる。
【0049】
融点は、日本工業規格JIS K0064に記載された融点測定方法によって測定される。
なお、以下、光安定剤の融点も同様に求められる。
【0050】
水酸基を持つ紫外線吸収剤の含有量は、トナーを構成する全成分に対して1質量%以上9質量%以下であることが望ましく、より望ましくは3質量%以上7質量%以下、さらに望ましくは4質量%以上6質量%以下である。
水酸基を持つ紫外線吸収剤の含有量を上記範囲とすることにより、紫外光による定着画像の褪色が抑制されると共に、ブリードの発生による定着画像の画質劣化をより抑制し易くなる。
【0051】
なお、トナー粒子を凝集合一法により得る場合、例えば、凝集粒子を形成して、その分散液のpHを7.0以上10.0以下に調整した後、水酸基を持つ紫外線吸収剤の分散液を添加し、紫外線吸収剤を凝集粒子に凝集(付着)させることがよいことから、水酸基を持つ紫外線吸収剤は、トナー粒子の表層部に含むことがよい。
【0052】
−水酸基を持つ光安定剤−
水酸基を持つ光安定剤としては、一分子中に水酸基を有する光安定剤であれば、特に制限はないが、例えば、水酸基を分子内に含有するピペリジン誘導体が挙げられる。
【0053】
水酸基を持つ紫外線吸収剤として具体的は、例えば、2−[[3,5−ビス(1,1−ジメチルエチル)−4−ヒドロキシフェニル]メチル]−2−ブチルプロパン二酸ビス[1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジニル]、コハク酸ジメチルと4−ヒドロキシ−2,2,6,6−テトラメチル−1−ピペリジンエタノールの反応生成物、 2−アミノエタノールとシクロヘキサンと 過酸化N−ブチル−2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジンアミノ−2,4,6−トリクロロ−1,3,5−トリアジンの反応物が挙げられる。
【0054】
これらの中でも、水酸基を持つ光安定剤としては、ブリードの発生による定着画像の画質劣化をより抑制する観点から、2−[[3,5−ビス(1,1−ジメチルエチル)−4−ヒドロキシフェニル]メチル]−2−ブチルプロパン二酸ビス[1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジニル](BASF社製TINUVIN 152)、コハク酸ジメチルと4−ヒドロキシ−2,2,6,6−テトラメチル−1−ピペリジンエタノールの反応生成物(ケムチュラ社製Lowlite62)が望ましい。
【0055】
水酸基を持つ光安定剤の融点(m.p、)は、65℃以上85℃以下(望ましくは70℃以上80℃以下)であることがよい。
上記範囲の融点を持つ水酸基を持つ光安定剤は、定着画像中での移動度を低減され易く、また、トナー画像の定着時に溶融が進行し易く、定着画像中での偏在が抑制され、ブリードの発生による定着画像の画質劣化をより抑制し易くなる。
【0056】
水酸基を持つ光安定剤の含有量は、トナーを構成する全成分に対して1質量%以上9質量%以下であることが望ましく、より望ましくは3質量%以上7質量%以下、さらに望ましくは4質量%以上6質量%以下である。
水酸基を持つ光安定剤の含有量を上記範囲とすることにより、光による定着画像の褪色が抑制されると共に、ブリードの発生による定着画像の画質劣化をより抑制し易くなる。
【0057】
なお、トナー粒子を凝集合一法により得る場合、例えば、凝集粒子を形成して、その分散液のpHを7.0以上10.0以下に調整した後、水酸基を持つ光安定剤の分散液を添加し、光安定剤を凝集粒子に凝集(付着)させることがよいことから、水酸基を持つ光安定剤は、トナー粒子の表層部に含むことがよい。
【0058】
−金属元素−
金属元素は、Al、Mg、Fe、及びCaから選択される少なくとも1種の金属元素である。
金属元素としては、特に、Alがよい。これは、Mg、Fe、及びCaに比べ、Alが高いイオン価数を有し、水酸基を持つ紫外線吸収剤又は水酸基を持つ光安定剤とより強固な錯体を形成すると考えられ、より定着画像中での水酸基を持つ紫外線吸収剤又は水酸基を持つ光安定剤の移動が抑制され、ブリードの発生による定着画像の画質劣化をより抑制し易くなると考えられるためである。
【0059】
金属元素の供給源(トナーに添加剤として含ませる化合物)としては、例えば、凝集・合一法によりトナー粒子を作製する際に添加する凝集剤が挙げられる。
Alを含む凝集剤としては、例えば、硫酸アルミニウム、ポリ塩化アルミニウム、ポリ水酸化アルミニウム等が挙げられる。
Mgを含む凝集剤としては、例えば、塩化マグネシウム、硫酸マグネシウム等が挙げられる。
Feを含む凝集剤としては、例えば、塩化鉄(II)、ポリ硫酸鉄(II)等が挙げられる。
Caを含む凝集剤としては、塩化カルシウム、硫酸カルシウム等が挙げられる。
なお、これら凝集剤を凝集剤用途ではなく、単なる添加剤として添加してもよい。
【0060】
金属元素の他の供給源としては、例えば、トナー粒子造粒後の洗浄時に界面活性剤等の不純物を十分に洗浄するための添加剤として添加する塩化アルミニウム六水和物、硝酸アルミニウム九水和物等が挙げられる。
【0061】
金属元素の含有量は、上記関係式(1)を満たすように、調整する。
【0062】
−結着樹脂−
結着樹脂としては、例えば、スチレン、パラクロロスチレン、α−メチルスチレン等のスチレン類;アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸n−プロピル、アクリル酸n−ブチル、アクリル酸ラウリル、アクリル酸2−エチルヘキシル、メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸n−プロピル、メタクリル酸ラウリル、メタクリル酸2−エチルヘキシル等の(メタ)アクリル酸エステル類;アクリロニトリル、メタクリロニトリル等のエチレン性不飽和ニトリル類;ビニルメチルエーテル、ビニルイソブチルエーテル等のビニルエーテル類;ビニルメチルケトン、ビニルエチルケトン、ビニルイソプロペニルケトン等のビニルケトン類;エチレン、プロピレン、ブタジエンなどのポリオレフィン類;等の単量体などの重合体、若しくはこれらを2種以上組み合せた共重合体、又はこれらの混合物等が挙げられる。
結着樹脂としては、例えば、エポキシ樹脂、ポリエステル樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリアミド樹脂、セルロース樹脂、ポリエーテル樹脂等、非ビニル縮合系樹脂、これらと前記ビニル系樹脂との混合物、これらの共存下でビニル系単量体を重合して得られるグラフト重合体等も挙げられる。
これらの樹脂は、1種類単独で用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。
【0063】
結着樹脂としては、上記樹脂の中でも、ポリエステル樹脂を用いることがよい。これは、ポリエステル樹脂のカルボキシル基が金属元素と錯体を形成するため、水酸基を持つ紫外線吸収剤又は水酸基を持つ光安定剤と錯体を形成する金属元素を介して、ポリエステル樹脂と水酸基を持つ紫外線吸収剤又は水酸基を持つ光安定剤とが架橋構造を形成すると考えられ、定着画像中での水酸基を持つ紫外線吸収剤又は水酸基を持つ光安定剤の移動がより抑制され、ブリードの発生による定着画像の画質劣化をより抑制し易くなると考えられるためである。
【0064】
また、結着樹脂としては、特に、結晶性ポリエステル樹脂を用いることがよい。これは、ポリエステル樹脂自体が、金属元素を介して水酸基を持つ紫外線吸収剤又は水酸基を持つ光安定剤とが架橋構造を形成することに加え、ポリエステル樹脂が結晶性を持つことにより、結晶性ポリエステル樹脂だけではなく、近傍に存在する非晶性ポリエステル樹脂も一定方向に配向した構造をなるため、規則的な架橋構造が形成されると考えられることから、定着画像中での水酸基を持つ紫外線吸収剤又は水酸基を持つ光安定剤の移動がより抑制され、ブリードの発生による定着画像の画質劣化をより抑制し易くなると考えられるためである。
【0065】
ここで、非晶性樹脂(非晶性ポリエステル樹脂)とは、示差走査熱量測定(DSC)を用いた熱分析測定において、明確な吸熱ピークではなく、階段状の吸熱変化のみを有するものであり、常温固体で、ガラス転移温度以上の温度において熱可塑化するものを指す。 一方、結晶性樹脂(結晶性ポリエステル樹脂)とは、示差走査熱量測定(DSC)において、階段状の吸熱量変化ではなく、明確な吸熱ピークを有するものをいう。
具体的には、例えば、結晶性樹脂(結晶性ポリエステル樹脂)とは、昇温速度10℃/minで測定した際の吸熱ピークの半値幅が10℃以内であることを意味し、非晶性樹脂(非晶性ポリエステル樹脂)とは、半値幅が10℃を超える樹脂や、明確な吸熱ピークが認められない樹脂を意味する。
【0066】
非晶性ポリエステル樹脂について説明する。
非晶性ポリエステル樹脂としては、例えば、多価カルボン酸類と多価アルコール類との縮重合により得られるものが挙げられる。
多価カルボン酸の例としては、テレフタル酸、イソフタル酸、無水フタル酸、無水トリメリット酸、ピロメリット酸、ナフタレンジカルボン酸、などの芳香族カルボン酸類;無水マレイン酸、フマール酸、コハク酸、アルケニル無水コハク酸、アジピン酸などの脂肪族カルボン酸類;シクロヘキサンジカルボン酸などの脂環式カルボン酸類;が挙げられ、これらの多価カルボン酸を1種又は2種以上用いてもよい。これら多価カルボン酸の中でも、芳香族カルボン酸を用いることが望ましい。また、ジカルボン酸とともに3価以上のカルボン酸(トリメリット酸やその酸無水物等)を併用してもよい。
一方。多価アルコールの例としては、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、プロピレングリコール、ブタンジオール、ヘキサンジオール、ネオペンチルグリコール、グリセリン、などの脂肪族ジオール類;シクロヘキサンジオール、シクロヘキサンジメタノール、水添ビスフェノールAなどの脂環式ジオール類;ビスフェノールAのエチレンオキサイド付加物、ビスフェノールAのプロピレンオキサイド付加物などの芳香族ジオール類が挙げられる。これら多価アルコールを1種又は2種以上用いてもよい。これら多価アルコールの中でも、芳香族ジオール類、脂環式ジオール類が好ましく、このうち芳香族ジオールがより望ましい。また、ジオールとともに3価以上の多価アルコール(グリセリン、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトール)を併用してもよい。
【0067】
非晶性ポリエステル樹脂の重量平均分子量(Mw)は、5000以上50000以下であることが望ましく、7000以上20000以下であることがさらに望ましい。
なお、重量平均分子量は、THF可溶物を、東ソー製GPC・HLC−8120、東ソー製カラム・TSKgel SuperHM−M(15cm)を使用し、THF溶媒で測定し、単分散ポリスチレン標準試料により作成した分子量校正曲線を使用して算出したものである。以下、同様である。
【0068】
非晶性ポリエステル樹脂のガラス転移温度(Tg)は50℃以上80℃以下の範囲であることが望ましい。ポリエステル樹脂のTgは50℃以上65℃以下であることがより望ましい。
【0069】
なお、非晶性ポリエステル樹脂の合成時、必要に応じて酸価や水酸基価の調製等の目的で、多価カルボン酸や多価アルコールを合成の最終段階で添加してもよい。
多価カルボン酸の例としては、テレフタル酸、イソフタル酸、無水フタル酸、無水トリメリット酸、ピロメリット酸、ナフタレンジカルボン酸、などの芳香族カルボン酸類;無水マレイン酸、フマル酸、コハク酸、アルケニル無水コハク酸、アジピン酸などの脂肪族カルボン酸類;シクロヘキサンジカルボン酸などの脂環式カルボン酸類;1,2,4−ベンゼントリカルボン酸、1,2,5−ベンゼントリカルボン酸、1,2,4−ナフタレントリカルボン酸等の一分子中に少なくとも3つのカルボキシル基を有する芳香族カルボン酸等が挙げられる。
多価アルコールの例としては、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、プロピレングリコール、ブタンジオール、ヘキサンジオール、ネオペンチルグリコール、グリセリンなどの脂肪族ジオール類;シクロヘキサンジオール、シクロヘキサンジメタノール、水添ビスフェノールAなどの脂環式ジオール類;ビスフェノールAのエチレンオキサイド付加物、ビスフェノールAのプロピレンオキサイド付加物などの芳香族ジオール類等が挙げられる。
【0070】
非晶性ポリエステル樹脂の製造は、重合温度を180℃以上230℃以下として行うことができ、必要に応じて反応系内を減圧にし、縮合の際に発生する水やアルコールを除去しながら反応させる。
重合性単量体が、反応温度下で溶解または相溶しない場合は、高沸点の溶剤を溶解補助溶剤として加え溶解させてもよい。この場合、重縮合反応は溶解補助溶剤を留去しながら行う。共重合反応において相溶性の悪い重合性単量体が存在する場合は、あらかじめ相溶性の悪い重合性単量体とその重合性単量体と重縮合予定の酸またはアルコールとを縮合させておいてから主成分と共に重縮合させるとよい。
【0071】
非晶性ポリエステル樹脂の製造の際に使用される触媒としては、ナトリウム、リチウム等のアルカリ金属化合物;マグネシウム、カルシウム等のアルカリ土類金属化合物;亜鉛、マンガン、アンチモン、チタン、スズ、ジルコニウム、ゲルマニウム等の金属化合物;亜リン酸化合物;リン酸化合物;及びアミン化合物等が挙げられる。
【0072】
非晶性ポリエステル樹脂に代表される非晶性樹脂の含有量は、40質量%以上95質量%以下の範囲であることが望ましく、より望ましく50質量%以上90質量%以下の範囲であり、さらに望ましくは60質量%以上85質量%以下の範囲である。
【0073】
結晶性ポリエステル樹脂について説明する。
結晶性ポリエステル樹脂としては、多価カルボン酸と多価アルコールとの縮重合体が挙げられる。
ここで、下記例示する多価カルボン酸と多価アルコールでの縮重合体の中でも、低温定着性を実現する観点から、結晶性ポリエステル樹脂は、脂肪族ジカルボン酸と脂肪族ジオールとの縮重合体であることがよい。
【0074】
ジカルボン酸(2価のカルボン酸)としては、例えば、シュウ酸、コハク酸、グルタル酸、アジピン酸、スペリン酸、アゼライン酸、セバシン酸、1,9−ノナンジカルボン酸、1,10−デカンジカルボン酸、1,12−ドデカンジカルボン酸、1,14−テトラデカンジカルボン酸、1,18−オクタデカンジカルボン酸等の脂肪族ジカルボン酸;フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、ナフタレン−2,6−ジカルボン酸、マロン酸、メサコニン酸等の二塩基酸等の芳香族ジカルボン酸;などが挙げられ、さらに、これらの無水物やこれらの低級アルキルエステルも挙げられるが、この限りではない。
3価以上のカルボン酸としては、例えば、1,2,3−ベンゼントリカルボン酸、1,2,4−ベンゼントリカルボン酸、1,2,4−ナフタレントリカルボン酸等の特定の芳香族カルボン酸、及びこれらの無水物やこれらの低級(炭素数1以上3以下)アルキルエステルなどが挙げられる。
また、多価カルボン酸としては、上記脂肪族カルボン酸及び芳香族カルボン酸の他に、スルホン酸基を持つジカルボン酸を併用してもよい。
さらに、多価カルボン酸としては、上記脂肪族カルボン酸及び芳香族カルボン酸の他に、2重結合を持つジカルボン酸を併用してもよい。
これら多価カルボン酸は、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
【0075】
多価アルコールとしては、脂肪族ジオールが望ましく、主鎖部分の炭素数が7以上20以下である直鎖型脂肪族ジオールがより望ましい。脂肪族ジオールが分岐型では、ポリエステル樹脂の結晶性が低下し、融解温度が降下してしまう場合がある。また、主鎖部分の炭素数が7未満であると、芳香族ジカルボン酸と縮重合させる場合、融解温度が高くなり、低温定着が困難となることがある。一方、主鎖部分の炭素数が20を超えると実用上の材料の入手が困難となり易い。主鎖部分の炭素数としては14以下であることがより望ましい。
【0076】
脂肪族ジオールとしては、具体的には、例えば、エチレングリコール、1,3−プロパンジオール、1,4−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、1,7−ヘプタンジオール、1,8−オクタンジオール、1,9−ノナンジオール、1,10−デカンジオール、1,11−ウンデカンジオール、1,12−ドデカンジオール、1,13−トリデカンジオール、1,14−テトラデカンジオール、1,18−オクタデカンジオール、1,14−エイコサンデカンジオールなどが挙げられるが、これらに限定されるものではない。これらのうち、入手容易性を考慮すると1,8−オクタンジオール、1,9−ノナンジオール、1,10−デカンジオールが望ましい。
【0077】
3価以上のアルコールとしては、例えば、グリセリン、トリメチロールエタン、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトールなどが挙げられる。これらは1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
【0078】
多価アルコールのうち、脂肪族ジオールの使用量は80モル%以上であることが望ましく、より望ましくは90モル%以上である。
脂肪族ジオールの使用量が低すぎると、結晶性ポリエステル樹脂の結晶性が低下し、融解温度が降下することがある。
【0079】
結晶性ポリエステル樹脂の製造方法としては、特に制限はなく、酸成分とアルコール成分とを反応させる一般的なポリエステル重合法で製造され、例えば、直接重縮合、エステル交換法等が挙げられ、モノマーの種類によって使い分けて製造する。
【0080】
なお、必要に応じて酸価や水酸基価の調製等の目的で、多価カルボン酸や多価アルコールを合成の最終段階でさらに添加してもよい。
本多価カルボン酸の例としては、テレフタル酸、イソフタル酸、無水フタル酸、無水トリメリット酸、ピロメリット酸、ナフタレンジカルボン酸、などの芳香族カルボン酸類;無水マレイン酸、フマル酸、コハク酸、アルケニル無水コハク酸、アジピン酸などの脂肪族カルボン酸類;シクロヘキサンジカルボン酸などの脂環式カルボン酸類;1,2,4−ベンゼントリカルボン酸、1,2,5−ベンゼントリカルボン酸、1,2,4−ナフタレントリカルボン酸等の一分子中に少なくとも3つのカルボキシル基を有する芳香族カルボン酸等が挙げられる。
本多価アルコールの例としては、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、プロピレングリコール、ブタンジオール、ヘキサンジオール、ネオペンチルグリコール、グリセリンなどの脂肪族ジオール類;シクロヘキサンジオール、シクロヘキサンジメタノール、水添ビスフェノールAなどの脂環式ジオール類;ビスフェノールAのエチレンオキサイド付加物、ビスフェノールAのプロピレンオキサイド付加物などの芳香族ジオール類等が挙げられる。
【0081】
結晶性ポリエステル樹脂の重量平均分子量(Mw)は、例えば、6,000以上35,000以下であることがよい。
【0082】
結晶性ポリエステル樹脂の融解温度としては、例えば、50℃以上100℃以下がよく、望ましくは、60℃以上80℃以下である。
なお、融解温度は、前記の示差走査熱量測定(DSC)により得られた吸熱ピークのピーク温度として求めた値である。また、結晶性ポリエステル樹脂は、複数の融解ピークを示す場合があるが、最大のピークをもって融解温度とみなす。
【0083】
結晶性ポリエステル樹脂を代表する結晶性樹脂の含有量は、3質量%以上40質量%以下の範囲であることが望ましく、より望ましく4質量%以上35質量%以下の範囲であり、さらに望ましくは5質量%以上30質量%以下の範囲である。
【0084】
−着色剤−
着色剤としては、特に制限はなく、例えば、カーボンブラック、クロムイエロー、ハンザイエロー、ベンジジンイエロー、スレンイエロー、キノリンイエロー、ピグメントイエロー、パーマネントオレンジGTR、ピラゾロンオレンジ、バルカンオレンジ、ウオッチヤングレッド、パーマネントレッド、ブリリアンカーミン3B、ブリリアンカーミン6B、デュポンオイルレッド、ピラゾロンレッド、リソールレッド、ローダミンBレーキ、レーキレッドC、ピグメントレッド、ローズベンガル、アニリンブルー、ウルトラマリンブルー、カルコオイルブルー、メチレンブルークロライド、フタロシアニンブルー、ピグメントブルー、フタロシアニングリーン、マラカイトグリーンオキサレートなどの種々の顔料、又は、アクリジン系、キサンテン系、アゾ系、ベンゾキノン系、アジン系、アントラキノン系、チオインジコ系、ジオキサジン系、チアジン系、アゾメチン系、インジコ系、フタロシアニン系、アニリンブラック系、ポリメチン系、トリフェニルメタン系、ジフェニルメタン系、チアゾール系などの各種染料等が挙げられる。
着色剤は、1種類単独で用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。
【0085】
着色剤としては、必要に応じて表面処理された着色剤を使用したり、顔料分散剤を併用したりしてもよい。
着色剤の種類を選択することにより、イエロートナー、マゼンタトナー、シアントナー、ブラックトナー等が得られる。
【0086】
着色剤の含有量としては、例えば、結着樹脂100質量部に対して、1質量部から30質量部の範囲が挙げられる。
【0087】
−離型剤−
離型剤としては、特に制限はなく、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリブテン等の低分子量ポリオレフィン類;加熱により軟化点を有するシリコーン類;オレイン酸アミド、エルカ酸アミド、リシノール酸アミド、ステアリン酸アミド等の脂肪酸アミド類;エステルワックス、カルナウバワックス、ライスワックス、キャンデリラワックス、木ロウ、ホホバ油等の植物系ワックス;ミツロウ等の動物系ワックス;モンタンワックス、オゾケライト、セレシン、パラフィンワックス、マイクロクリスタリンワックス、フィッシャートロプシュワックス等の鉱物、石油系ワックス、及びそれらの変性物が挙げられる。
離型剤の融解温度としては、例えば、50℃以上100℃以下の範囲が挙げられる。
離型剤の含有量としては、例えば0.5質量%以上15質量%以下の範囲が挙げられる。
【0088】
−その他添加剤−
帯電制御剤としては、公知のものを使用してもよいが、アゾ系金属錯化合物、サリチル酸の金属錯化合物、極性基を含有するレジンタイプの帯電制御剤を用いてもよい。
【0089】
−トナー粒子の特性−
トナー粒子は、単層構造のトナー粒子であってもよいし、芯部(コア粒子)と芯部を被覆する被覆層(シェル層)とで構成された所謂コア・シェル構造のトナー粒子であってもよい。
コア・シェル構造のトナー粒子は、例えば、結着樹脂(本実施形態に係るポリエステル樹脂及び結晶性ポリエステル樹脂)と必要に応じて着色剤及び離型剤等のその他添加剤とを含んで構成された芯部と、結着樹脂(本実施形態に係るポリエステル樹脂)を含んで構成された被覆層と、で構成されていることがよい。
【0090】
トナー粒子の体積平均粒径は、例えば2.0μm以上10μm以下であることがよく、望ましくは3.5μm以上7.0μm以下μm以下である。
なお、トナー粒子の体積平均粒径の測定法としては、分散剤として界面活性剤、望ましくはアルキルベンゼンスルホン酸ナトリウムの5質量%水溶液2ml中に、測定試料を0.5mg以上50mg以下加え、これを前記電解液100ml以上150ml以下中に添加した。この測定試料を懸濁させた電解液を超音波分散器で約1分間分散処理を行い、前記コールターマルチサイザーII型(ベックマン−コールター社製)により、アパーチャー径が100μmのアパーチャーを用いて、粒径が2.0μm以上60μm以下の範囲の粒子の粒度分布を測定する。測定する粒子数は50,000とする。
得られた粒度分布を分割された粒度範囲(チャンネル)に対し、小粒径側から体積累積分布を引いて、累積50%となる粒径を体積平均粒径D50vとする。
【0091】
トナー粒子の形状係数SF1は、例えば、110以上150以下であることがよく、望ましくは120以上140以下である。
ここで上記形状係数SF1は、下記式により求められる。
式:SF1=(ML/A)×(π/4)×100
上記式中、MLはトナーの絶対最大長、Aはトナーの投影面積を各々示す。
【0092】
なお、SF1は、主に顕微鏡画像または走査型電子顕微鏡(SEM)画像を画像解析装置を用いて解析することによって数値化され、例えば、以下のようにして算出される。すなわち、スライドガラス表面に散布した粒子の光学顕微鏡像をビデオカメラを通じてルーゼックス画像解析装置に取り込み、100個の粒子の最大長と投影面積を求め、上記式によって計算し、その平均値を求めることにより得られる。
【0093】
(外添剤)
外添剤としては、例えば、無機粒子が挙げられ、該無機粒子として、SiO、TiO、Al、CuO、ZnO、SnO、CeO、Fe、MgO、BaO、CaO、KO、NaO、ZrO、CaO・SiO、KO・(TiO)n、Al・2SiO、CaCO、MgCO、BaSO、MgSO等が挙げられる。
【0094】
外添剤としての無機粒子の表面は、予め疎水化処理をしてもよい。疎水化処理は、例えば疎水化処理剤に無機粒子を浸漬する等して行う。疎水化処理剤は特に制限されないが、例えば、シラン系カップリング剤、シリコーンオイル、チタネート系カップリング剤、アルミニウム系カップリング剤等が挙げられる。これらは1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
疎水化処理剤の量としては、通常、例えば、無機粒子100質量部に対して、1質量部以上10質量部程度である。
【0095】
外添剤としては、樹脂粒子(ポリスチレン、PMMA、メラミン樹脂等の樹脂粒子)、クリーニング活剤(例えば、ステアリン酸亜鉛に代表される高級脂肪酸の金属塩、フッ素系高分子量体の粒子粉末)等も挙げられる。
【0096】
ここで、外添剤を金属元素(Al、Mg、Fe、及びCa)の供給源とする場合、当該外添剤としては、例えば、当該金属元素を構成元素とする上記無機粒子を選択することがよい、
【0097】
外添剤の外添量としては、例えば、トナー粒子100質量部に対して0.01質量部以上5質量部以下であることがよく、望ましくは0.01質量部以上2.0質量部以下である。
【0098】
(トナーの製造方法)
以下、本実施形態に係るトナーの製造方法について説明する。
まず、トナー粒子は、乾式製法(例えば、混練粉砕法等)、湿式製法(例えば凝集合一法、懸濁重合法、溶解懸濁造粒法、溶解懸濁法、溶解乳化凝集合一法等)のいずれにより製造してもよい。これらの製法に特に制限はなく、周知の製法が採用される。
これらの中も、水酸基を持つ紫外線吸収剤及び水酸基を持つ光安定剤から選択される少なくとも1種のトナー粒子中の偏在を抑制し、ブリードの発生による定着画像の画質劣化をより抑制する観点から、凝集合一法により、トナー粒子を得ることがよい。
但し、いずれの製法であっても、被添加対象物(トナー粒子原料混合物:混練物や分散液)のpHを7.0以上10.0以下に調整した後、水酸基を持つ紫外線吸収剤及び水酸基を持つ光安定剤から選択される少なくとも1種を添加することがよい。これは、得られるトナー(トナー粒子)のTHF可溶分をpH7.0以上10.0以下とし、水酸基を持つと金属元素とが錯体を形成し易くさせるためのである。
【0099】
凝集合一法を利用したトナー粒子の製造方法として具体的には、以下の通りである。
なお、以下の説明では、結着樹脂と、着色剤と、離型剤と、水酸基を持つ紫外線吸収剤及び水酸基を持つ光安定剤から選択される少なくとも1種と、金属元素と、を含むトナー粒子を得る方法について説明するが、着色剤、離型剤は、必要に応じて用いられるものである。無論、着色剤、離型剤以外のその他添加剤を用いてもよい。
また、金属元素の供給源として、凝集剤を適用したトナー粒子を得る方法について説明するが、これに限られるものではない。
【0100】
−樹脂粒子分散液準備工程−
まず、結着樹脂で構成された樹脂粒子が分散された樹脂粒子分散液と共に、例えば、着色剤粒子が分散された着色剤粒子分散液、離型剤粒子が分散された離型剤分散液を準備する。
【0101】
ここで、樹脂粒子分散液は、例えば、樹脂粒子を界面活性剤により分散媒中に分散させることにより調製する。
【0102】
樹脂粒子分散液に用いる分散媒としては、例えば水系媒体が挙げられる。
水系媒体としては、例えば、蒸留水、イオン交換水等の水、アルコール類などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
【0103】
界面活性剤としては、特に限定されるものでは無いが、例えば、硫酸エステル塩系、スルホン酸塩系、リン酸エステル系、せっけん系等のアニオン界面活性剤;アミン塩型、4級アンモニウム塩型等のカチオン界面活性剤;ポリエチレングリコール系、アルキルフェノールエチレンオキサイド付加物系、多価アルコール系等の非イオン系界面活性剤などが挙げられる。これらの中でも特に、アニオン界面活性剤、カチオン界面活性剤が挙げられる。非イオン系界面活性剤は、アニオン界面活性剤又はカチオン界面活性剤と併用されてもよい。
界面活性剤は、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
【0104】
樹脂粒子分散液において、樹脂粒子を分散媒に分散する方法としては、例えば、例えば回転せん断型ホモジナイザーや、メディアを有するボールミル、サンドミル、ダイノミルなどの一般的な分散方法が挙げられる。また、用いる樹脂粒子の種類によっては、例えば転相乳化法を用いて樹脂粒子分散液中に樹脂粒子を分散させてもよい。
なお、転相乳化法とは、分散すべき樹脂を、その樹脂が可溶な疎水性有機溶剤中に溶解せしめ、有機連続相(O相)に塩基を加えて、中和したのち、水媒体(W相)を投入することによって、W/OからO/Wへの、樹脂の変換(いわゆる転相)が行われて不連続相化し、樹脂を、水媒体中に粒子状に分散する方法である。
【0105】
樹脂粒子分散液中に分散する樹脂粒子の体積平均粒径としては、例えば0.01μm以上1μm以下の範囲が挙げられ、0.08μm以上0.8μm以下であってもよく、0.1μm以上0.6μmであってもよい。
なお、樹脂粒子の体積平均粒径は、レーザ回析式粒度分布測定装置(堀場製作所製、LA−920)で測定される。以下、他に断りがないかぎり、粒子の体積平均粒径は同様に測定される。
【0106】
樹脂粒子分散液に含まれる樹脂粒子の含有量としては、例えば、5質量%以上50質量%以下が挙げられ、10質量%以上40質量%以下であってもよい。
【0107】
なお、樹脂粒子分散と同様にして、例えば、着色剤分散液、離型剤分散液も調製される。つまり、樹脂粒子分散における粒子の体積平均粒径、分散媒、分散方法、及び粒子の含有量に関しては、着色剤分散液中に分散する着色剤粒子、及び離型剤分散液中に分散する離型剤粒子についても同様である。
【0108】
−凝集粒子形成工程−
次に、樹脂粒子分散液と共に、着色剤粒子分散液と、離型剤分散液と、を混合する。
そして、混合分散液中で、樹脂粒子と着色剤粒子と離型剤粒子とをヘテロ凝集させ目的とするトナー粒子の径に近い径を持つ、樹脂粒子と着色剤粒子と離型剤粒子とを含む凝集粒子を形成する。
【0109】
具体的には、例えば、混合分散液に凝集剤を添加すると共に、混合分散液のpHを酸性(例えばpHが2以上5以下)に調整し、必要に応じて分散安定剤を添加してた後、樹脂粒子のガラス転移温度(具体的には、例えば、樹脂粒子のガラス転移温度−30℃以上ガラス転移温度−10℃以下)の温度に加熱し、混合分散液に分散された粒子を凝集させて、凝集粒子を形成する。
凝集粒子形成工程においては、例えば、混合分散液を回転せん断型ホモジナイザーで攪拌下、室温(例えば25℃)で上記凝集剤を添加し、混合分散液のpHを酸性(例えばpHが2以上5以下)に調整し、必要に応じて分散安定剤を添加した後に、上記加熱を行ってもよい。
【0110】
凝集剤としては、例えば、混合分散液に添加される分散剤として用いる界面活性剤と逆極性の界面活性剤、例えば無機金属塩、2価以上の金属錯体が挙げられる。特に、凝集剤として金属錯体を用いた場合には、界面活性剤の使用量が低減され、帯電特性が向上する。
凝集剤の金属イオンと錯体もしくは類似の結合を形成する添加剤を必要に応じて用いてもよい。この添加剤としては、キレート剤が好適に用いられる。
【0111】
凝集剤としては、金属元素(Al、Mg、Fe、Ca)の供給源として用いることがよく、例えば、例えば、塩化カルシウム、硝酸カルシウム、塩化マグネシウム、塩化亜鉛、塩化アルミニウム、硫酸アルミニウムなどの金属塩、及び、ポリ塩化アルミニウム、ポリ水酸化アルミニウム、多硫化カルシウム等の無機金属塩重合体などが挙げられる。


キレート剤としては、水溶性のキレート剤を用いてもよい。キレート剤としては、例えば、酒石酸、クエン酸、グルコン酸などのオキシカルボン酸、イミノジ酸(IDA)、ニトリロトリ酢酸(NTA)、エチレンジアミンテトラ酢酸(EDTA)などが挙げられる。
キレート剤の添加量としては、例えば、樹脂粒子100質量部に対して0.01質量部以上5.0質量部以下の範囲内が挙げられ、0.1質量部以上3.0質量部未満であってもよい。
【0112】
次に、凝集粒子が分散された凝集粒子分散液のpHを7.0以上10.0に調整した後、さらに、水酸基を持つ紫外線吸収剤又は水酸基を持つ光安定剤が分散された添加剤分散液を混合し、水酸基を持つ紫外線吸収剤又は水酸基を持つ光安定剤を凝集粒子の表面に凝集(付着)させる。
この凝集粒子分散液のpHは、例えば、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、アンモニア水溶液等を添加することにより行う。
なお、水酸基を持つ紫外線吸収剤又は水酸基を持つ光安定剤が分散された添加剤分散液は、樹脂粒子分散と同様にして調製される。つまり、樹脂粒子分散における粒子の体積平均粒径、分散媒、分散方法、及び粒子の含有量に関しては、添加剤分散液中に分散する各添加剤粒子についても同様である。
【0113】
−融合・合一工程−
次に、凝集粒子が分散された凝集粒子分散液に対して、例えば、樹脂粒子のガラス転移温度以上(例えば樹脂粒子のガラス転移温度より10から30℃高い温度以上)に加熱して、凝集粒子を融合・合一し、トナー粒子を形成する。
【0114】
以上の工程を経て、トナー粒子が得られる。
なお、凝集粒子が分散された凝集粒子分散液を得た後、当該凝集粒子分散液と、樹脂粒子が分散された樹脂粒子分散液と、をさらに混合し、凝集粒子の表面にさらに樹脂粒子を付着するように凝集して、第2凝集粒子を形成する工程と、第2凝集粒子が分散された第2凝集粒子分散液に対して加熱をし、第2凝集粒子を融合・合一して、コア/シェル構造のトナー粒子を形成する工程と、を経て、トナー粒子を製造してもよい。
但し、コア/シェル構造のトナー粒子を形成する場合、第2凝集粒子を形成して、その分散液のpHを7.0以上10.0に調整した後、さらに、水酸基を持つ紫外線吸収剤又は水酸基を持つ光安定剤が分散された添加剤分散液を混合し、水酸基を持つ紫外線吸収剤又は水酸基を持つ光安定剤を凝集粒子の表面に凝集(付着)させることがよい。
【0115】
ここで、融合・合一工程終了後は、溶液中に形成されたトナー粒子を、公知の洗浄工程、固液分離工程、乾燥工程を経て乾燥した状態のトナー粒子を得る。
洗浄工程は、帯電性の点から充分にイオン交換水による置換洗浄を施すことが望ましい。また、固液分離工程は、特に制限はないが、生産性の点から吸引濾過、加圧濾過等が望ましく用いられる。更に乾燥工程も特に方法に制限はないが、生産性の点から凍結乾燥、フラッシュジェット乾燥、流動乾燥、振動型流動乾燥等が望ましく用いられる。
【0116】
そして、本実施形態に係るトナーは、例えば、得られた乾燥状態のトナー粒子に、外添剤を添加し、混合することにより製造される。混合は、例えばVブレンダーやヘンシュルミキサー、レディーゲミキサーなどによっておこなうことがよい。更に、必要に応じて、振動師分機、風力師分機などを使ってトナーの粗大粒子を取り除いてもよい。
【0117】
[静電荷像現像剤]
本実施形態に係る静電荷像現像剤は、本実施形態に係るトナーを少なくとも含むものである。
本実施形態に係る静電荷像現像剤は、本実施形態に係るトナーのみを含む一成分現像剤であってもよいし、当該トナーとキャリアと混合した二成分現像剤であってもよい。
【0118】
キャリアとしては、特に制限はなく、公知のキャリアが挙げられる。キャリアとしては、例えば、樹脂コートキャリア、磁性分散型キャリア、樹脂分散型キャリア等が挙げられる。
【0119】
二成分現像剤における、本実施形態に係るトナーと上記キャリアとの混合比(質量比)は、トナー:キャリア=1:100乃至30:100程度の範囲が望ましく、3:100乃至20:100程度の範囲がより望ましい。
【0120】
(画像形成装置/画像形成方法)
次に、本実施形態に係る画像形成装置/画像形成方法について説明する。
本実施形態に係る画像形成装置は、像保持体と、像保持体を帯電する帯電手段と、帯電した像保持体の表面に静電荷像を形成する静電荷像形成手段と、静電荷像現像剤を収容し、静電荷像現像剤により、像保持体上に形成された静電荷像をトナー画像として現像する現像手段と、像保持体上に形成されたトナー画像を被転写体上に転写する転写手段と、被転写体上に転写されたトナー画像を定着する定着手段と、を有する。そして、静電荷像現像剤として、上記本実施形態に係る静電荷像現像剤を適用する。
【0121】
なお、本実施形態に係る画像形成装置において、例えば、現像手段を含む部分が、画像形成装置に対して脱着されるカートリッジ構造(プロセスカートリッジ)であってもよく、該プロセスカートリッジとしては、例えば、本実施形態に係る静電荷像現像剤を収容し、現像手段を備えるプロセスカートリッジが好適に用いられる。
【0122】
本実施形態に係る画像形成方法は、像保持体を帯電する帯電工程と、帯電した像保持体の表面に静電荷像を形成する静電荷像形成工程と、静電荷像現像剤を収容し、静電荷像現像剤により、像保持体上に形成された静電荷像をトナー画像として現像する現像工程と、像保持体上に形成されたトナー画像を被転写体上に転写する転写工程と、被転写体上に転写されたトナー画像を定着する定着工程と、を有する。そして、静電荷像現像剤として、上記本実施形態に係る静電荷像現像剤を適用する。
【0123】
以下、本実施形態に係る画像形成装置の一例を示すが、これに限定されるわけではない。なお、図に示す主用部を説明し、その他はその説明を省略する。
【0124】
図1は、4連タンデム方式のカラー画像形成装置を示す概略構成図である。図1に示す画像形成装置は、色分解された画像データに基づくイエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、ブラック(K)の各色の画像を出力する電子写真方式の第1乃至第4の画像形成ユニット10Y、10M、10C、10K(画像形成手段)を備えている。これらの画像形成ユニット(以下、単に「ユニット」と称する場合がある)10Y、10M、10C、10Kは、水平方向に互いに予め定められた距離離間して並設されている。なお、これらユニット10Y、10M、10C、10Kは、画像形成装置本体に対して脱着するプロセスカートリッジであってもよい。
【0125】
各ユニット10Y、10M、10C、10Kの図面における上方には、各ユニットを通して中間転写体としての中間転写ベルト20が延設されている。中間転写ベルト20は、図における左から右方向に互いに離間して配置された駆動ローラ22及び中間転写ベルト20内面に接する支持ローラ24に巻きつけて設けられ、第1のユニット10Yから第4のユニット10Kに向う方向に走行されるようになっている。尚、支持ローラ24は、図示しないバネ等により駆動ローラ22から離れる方向に力が加えられており、両者に巻きつけられた中間転写ベルト20に張力が与えられている。また、中間転写ベルト20の像保持体側面には、駆動ローラ22と対向して中間転写体クリーニング装置30が備えられている。
また、各ユニット10Y、10M、10C、10Kの現像装置(現像手段)4Y、4M、4C、4Kのそれぞれには、トナーカートリッジ8Y、8M、8C、8Kに収められたイエロー、マゼンタ、シアン、ブラックの4色のトナーを含むトナーの供給がなされる。
【0126】
上述した第1乃至第4のユニット10Y、10M、10C、10Kは、同等の構成を有しているため、ここでは中間転写ベルト走行方向の上流側に配設されたイエロー画像を形成する第1のユニット10Yについて代表して説明する。尚、第1のユニット10Yと同等の部分に、イエロー(Y)の代わりに、マゼンタ(M)、シアン(C)、ブラック(K)を付した参照符号を付すことにより、第2乃至第4のユニット10M、10C、10Kの説明を省略する。
【0127】
第1のユニット10Yは、像保持体として作用する感光体1Yを有している。感光体1Yの周囲には、感光体1Yの表面を予め定められた電位に帯電させる帯電ローラ2Y、帯電された表面を色分解された画像信号に基づくレーザ光線3Yよって露光して静電荷像を形成する露光装置(静電荷像形成手段)3、静電荷像に帯電したトナーを供給して静電荷像を現像する現像装置(現像手段)4Y、現像したトナー画像を中間転写ベルト20上に転写する1次転写ローラ5Y(1次転写手段)、及び1次転写後に感光体1Yの表面に残存するトナーを除去する感光体クリーニング装置(クリーニング手段)6Yが順に配置されている。
尚、1次転写ローラ5Yは、中間転写ベルト20の内側に配置され、感光体1Yに対向した位置に設けられている。更に、各1次転写ローラ5Y、5M、5C、5Kには、1次転写バイアスを印加するバイアス電源(図示せず)がそれぞれ接続されている。各バイアス電源は、図示しない制御部による制御によって、各1次転写ローラに印加する転写バイアスを可変する。
【0128】
以下、第1ユニット10Yにおいてイエロー画像を形成する動作について説明する。まず、動作に先立って、帯電ローラ2Yによって感光体1Yの表面が−600V乃至−800V程度の電位に帯電される。
感光体1Yは、導電性(20℃における体積抵抗率:1×10−6Ωcm以下)の基体上に感光層を積層して形成されている。この感光層は、通常は高抵抗(一般の樹脂程度の抵抗)であるが、レーザ光線3Yが照射されると、レーザ光線が照射された部分の比抵抗が変化する性質を持っている。そこで、帯電した感光体1Yの表面に、図示しない制御部から送られてくるイエロー用の画像データに従って、露光装置3を介してレーザ光線3Yを出力する。レーザ光線3Yは、感光体1Yの表面の感光層に照射され、それにより、イエロー印字パターンの静電荷像が感光体1Yの表面に形成される。
【0129】
静電荷像とは、帯電によって感光体1Yの表面に形成される像であり、レーザ光線3Yによって、感光層の被照射部分の比抵抗が低下し、感光体1Yの表面の帯電した電荷が流れ、一方、レーザ光線3Yが照射されなかった部分の電荷が残留することによって形成される、いわゆるネガ潜像である。
このようにして感光体1Y上に形成された静電荷像は、感光体1Yの走行に従って予め定められた現像位置まで回転される。そして、この現像位置で、感光体1Y上の静電荷像が、現像装置4Yによって可視像(現像像)化される。
【0130】
現像装置4Y内には、例えば、少なくともイエロートナーとキャリアとを含む本実施形態に係る静電荷像現像剤が収容されている。イエロートナーは、現像装置4Yの内部で攪拌されることで摩擦帯電し、感光体1Y上に帯電した帯電荷と同極性(負極性)の電荷を有して現像剤ロール(現像剤保持体)上に保持されている。そして感光体1Yの表面が現像装置4Yを通過していくことにより、感光体1Y表面上の除電された潜像部にイエロートナーが静電的に付着し、潜像がイエロートナーによって現像される。イエローのトナー画像が形成された感光体1Yは、引続き予め定められた速度で走行され、感光体1Y上に現像されたトナー画像が予め定められた1次転写位置へ搬送される。
【0131】
感光体1Y上のイエロートナー画像が1次転写へ搬送されると、1次転写ローラ5Yに1次転写バイアスが印加され、感光体1Yから1次転写ローラ5Yに向う静電気力がトナー画像に作用され、感光体1Y上のトナー画像が中間転写ベルト20上に転写される。このとき印加される転写バイアスは、トナーの極性(−)と逆極性の(+)極性であり、例えば第1ユニット10Yでは制御部に(図示せず)よって+10μA程度に制御されている。
一方、感光体1Y上に残留したトナーはクリーニング装置6Yで除去されて回収される。
【0132】
また、第2のユニット10M以降の1次転写ローラ5M、5C、5Kに印加される1次転写バイアスも、第1のユニットに準じて制御されている。
こうして、第1のユニット10Yにてイエロートナー画像の転写された中間転写ベルト20は、第2乃至第4のユニット10M、10C、10Kを通して順次搬送され、各色のトナー画像が重ねられて多重転写される。
【0133】
第1乃至第4のユニットを通して4色のトナー画像が多重転写された中間転写ベルト20は、中間転写ベルト20と中間転写ベルト内面に接する支持ローラ24と中間転写ベルト20の像保持面側に配置された2次転写ローラ(2次転写手段)26とから構成された2次転写部へと至る。一方、記録紙(被転写体)Pが供給機構を介して2次転写ローラ26と中間転写ベルト20とが圧接されている隙間に予め定められたタイミングで給紙され、2次転写バイアスが支持ローラ24に印加される。このとき印加される転写バイアスは、トナーの極性(−)と同極性の(−)極性であり、中間転写ベルト20から記録紙Pに向う静電気力がトナー画像に作用され、中間転写ベルト20上のトナー画像が記録紙P上に転写される。尚、この際の2次転写バイアスは2次転写部の抵抗を検出する抵抗検出手段(図示せず)により検出された抵抗に応じて決定されるものであり、電圧制御されている。
【0134】
この後、記録紙Pは定着装置(ロール状定着手段)28における一対の定着ロールの圧接部(ニップ部)へと送り込まれトナー画像が記録紙P上へ定着され、定着画像が形成される。
【0135】
トナー画像を転写する被転写体としては、例えば、電子写真方式の複写機、プリンター等に使用される普通紙、OHPシート等が挙げられる。
定着後における画像表面の平滑性をさらに向上させるには、被転写体の表面も平滑であることが望ましく、例えば、普通紙の表面を樹脂等でコーティングしたコート紙、印刷用のアート紙等が好適に使用される。
【0136】
カラー画像の定着が完了した記録紙Pは、排出部へ向けて搬出され、一連のカラー画像形成動作が終了される。
なお、上記例示した画像形成装置は、中間転写ベルト20を介してトナー画像を記録紙Pに転写する構成となっているが、この構成に限定されるものではなく、感光体から直接トナー画像が記録紙に転写される構造であってもよい。
【0137】
(プロセスカートリッジ、トナーカートリッジ)
図2は、本実施形態に係る静電荷像現像剤を収容するプロセスカートリッジの好適な一例の実施形態を示す概略構成図である。プロセスカートリッジ200は、感光体107とともに、帯電ローラ108、現像装置111、感光体クリーニング装置113、露光のための開口部118、及び、除電露光のための開口部117を取り付けレール116を用いて組み合わせ、そして一体化したものである。なお、図2において符号300は被転写体を示す。
そして、このプロセスカートリッジ200は、転写装置112と、定着装置115と、図示しない他の構成部分とから構成される画像形成装置に対して着脱自在としたものである。
【0138】
図2で示すプロセスカートリッジ200では、帯電装置108、現像装置111、クリーニング装置113、露光のための開口部118、及び、除電露光のための開口部117を備えているが、これら装置は選択的に組み合わせてもよい。本実施形態のプロセスカートリッジでは、感光体107のほかには、帯電装置108、現像装置111、クリーニング装置(クリーニング手段)113、露光のための開口部118、及び、除電露光のための開口部117から構成される群から選択される少なくとも1種を備える。
【0139】
次に、本実施形態に係るトナーカートリッジについて説明する。本実施形態に係るトナーカートリッジは、画像形成装置に脱着され、少なくとも、画像形成装置内に設けられた現像手段に供給するための補給用の静電荷像現像トナーを収容するトナーカートリッジである。
【0140】
なお、図1に示す画像形成装置は、トナーカートリッジ8Y、8M、8C、8Kの着脱される構成を有する画像形成装置であり、現像装置4Y、4M、4C、4Kは、各々の現像装置(色)に対応したトナーカートリッジと、図示しないトナー供給管で接続されている。また、トナーカートリッジ内に収容されているトナーが少なくなった場合には、このトナーカートリッジが交換される。
【実施例】
【0141】
以下、実施例を挙げて本発明を具体的に説明するが、本発明は以下に示す実施例にのみ限定されるものではない。
なお、実施例中において「部」及び「%」は、特に断りのない限り「質量部」及び「質量%」を意味する。
【0142】
[結着樹脂分散液(樹脂粒子分散液)の調整]
−結着樹脂分散液(1)の調製(樹脂粒子分散液の調整)−
・ビスフェノールA エチレンオキサイド付加物 21.5部
・ビスフェノールA プロピレンオキサイド付加物 50.7部
・テレフタル酸 23.9部
・ドデセニルコハク酸無水物 4.1部
・フマル酸 10.6部
上記成分をフラスコに仕込み、2時間かけて温度200℃まで上げ、反応系内が均一に攪拌されていることを確認したのち、ジブチル錫オキサイドを1.3部投入した。更に、生成する水を除去しながら同温度から5.5時間かけて240℃まで温度を上げ、240℃で更に5時間脱水縮合反応を継続し、重量平均分子量が65,000である非晶性ポリエステル樹脂(1)を得た。
次いで、これを溶融状態のまま、キャビトロンCD1010((株)ユーロテック製)に毎分100gの速度で移送した。別途準備していた水性媒体タンクに試薬アンモニア水をイオン交換水で希釈した0.37質量%濃度の希アンモニア水を入れ、熱交換器で120℃に加熱しながら毎分0.1リットルの速度で上記ポリエステル樹脂溶融体と同時に上記キャビトロンに移送した。回転子の回転速度が60Hz、圧力が5kg/cm2の条件でキャビトロンを運転し、固形分35.6%の結着樹脂分散液(1)を得た。
【0143】
−結着樹脂分散液(2)の調製(樹脂粒子分散液の調整)−
・ドデカン二酸ジメチル 145部
・1,9−ノナンジオール 72部
上記成分をフラスコに仕込み、1.5時間かけて温度180℃まで上げ、反応系内が均一に攪拌されていることを確認したのち、チタンテトラブトキシドを0.6部投入した。更に、生成する水を除去しながら同温度から4時間かけて230℃まで温度を上げ、230℃で更に2時間脱水縮合反応を継続し、重量平均分子量が30,000である結晶性ポリエステル樹脂(2)を得た。
次いで、これを溶融状態のまま、キャビトロンCD1010((株)ユーロテック製)に毎分100gの速度で移送した。別途準備していた水性媒体タンクに試薬アンモニア水をイオン交換水で希釈した0.37質量%濃度の希アンモニア水を入れ、熱交換器で120℃に加熱しながら毎分0.1リットルの速度で上記ポリエステル樹脂溶融体と同時に上記キャビトロンに移送した。回転子の回転速度が60Hz、圧力が5kg/cm2の条件でキャビトロンを運転し、固形分30.4%の結着樹脂分散液(2)を得た。
【0144】
−結着樹脂分散液(3)の調製−
・スチレン 450部
・n−ブチルアクリレート 157部
・アクリル酸 14部
・ドデカンチオール 11部
上記成分を混合溶解して溶液を調整した。アニオン性界面活性剤(ダウケミカル社製、ダウファックス)12質量部をイオン交換水257部に溶解し、上記溶液を加えてフラスコ中で分散し乳化した(単量体乳化液A)。さらに、同じくアニオン性界面活性剤(ダウケミカル社製、ダウファックス)1質量部を549部のイオン交換水に溶解し、重合用フラスコに仕込んだ。重合用フラスコを密栓し、還流管を設置し、窒素を注入しながらゆっくりと攪拌し、75℃まで重合用フラスコをウォーターバスで加熱し、保持した。過硫酸アンモニウム9部をイオン交換水86部に溶解し、重合用フラスコ中に定量ポンプを介して、20分かけて滴下した後、単量体乳化液Aをやはり定量ポンプを介して200分かけて滴下した。その後、ゆっくりと攪拌を続けながら重合用フラスコを75℃に、3.5時間保持して重合を終了した。これにより固形分量が36.4質量%の結着樹脂分散液(3)が得られた。
【0145】
[着色剤粒子分散液の調整]
・イエロー顔料(クラリアント社製、HansaYellow2GX70) 45部
・アニオン性界面活性剤(ダウケミカル社製、ダウファックス) 5部
・イオン交換水 180部
上記成分を混合溶解し、ホモジナイザー(IKA社製、ウルトラタラックスT50)により10分間分散し、体積平均粒径が170nm、固形分量が20.3質量%の着色剤粒子分散液を調整した。
【0146】
[離型剤粒子分散液の調製]
・離型剤(日本精鑞社製、FT105) 90部
・アニオン性界面活性剤(ダウケミカル社製、ダウファックス) 15部
・イオン交換水 240部
上記成分を混合し、ホモジナイザー(IKA社製、ウルトラタラックスT50)を用いて20分間分散した後、循環式長音波分散機(日本精機製作所製、RUS−600TCVP)にかけて固形分量27.6質量%の離型剤分散液を調製した。
【0147】
[紫外線吸収剤分散液の調製]
−紫外線吸収剤分散液(1)の調整−
・水酸基を持つ紫外線吸収剤(BASF社製、TINUVIN405、m.p. 75℃) 50部
・アニオン性界面活性剤(ダウケミカル社製、ダウファックス) 17.5部
・イオン交換水 182部
上記成分を混合し、ホモジナイザー(IKA社製、ウルトラタラックスT50)を用いて10分間分散した後、循環式長音波分散機(日本精機製作所製、RUS−600TCVP)にかけて固形分量21.5質量%の紫外線吸収剤分散液(1)を調製した。
【0148】
−紫外線吸収剤分散液(2)の調整−
・水酸基を持つ紫外線吸収剤(BASF社製、TINUVIN479、m.p. 68℃) 50部
・アニオン性界面活性剤(ダウケミカル社製、ダウファックス) 17.5部
・イオン交換水 182部
上記成分を混合し、ホモジナイザー(IKA社製、ウルトラタラックスT50)を用いて10分間分散した後、循環式長音波分散機(日本精機製作所製、RUS−600TCVP)にかけて固形分量21.5質量%の紫外線吸収剤分散液(2)を調製した。
【0149】
−紫外線吸収剤分散液(3)の調整−
・水酸基を持つ紫外線吸収剤(BASF社製、TINUVIN328、ロット選別によりm.p.84℃のものを使用) 50部
・アニオン性界面活性剤(ダウケミカル社製、ダウファックス) 17.5部
・イオン交換水 182部
上記成分を混合し、ホモジナイザー(IKA社製、ウルトラタラックスT50)を用いて10分間分散した後、循環式長音波分散機(日本精機製作所製、RUS−600TCVP)にかけて固形分量21.5質量%の紫外線吸収剤分散液(3)を調製した。
【0150】
−紫外線吸収剤分散液(4)の調整−
・水酸基を持つ紫外線吸収剤(シプロ化成社製、SEESORB202、m.p. 64℃) 50部
・アニオン性界面活性剤(ダウケミカル社製、ダウファックス) 17.5部
・イオン交換水 182部
上記成分を混合し、ホモジナイザー(IKA社製、ウルトラタラックスT50)を用いて10分間分散した後、循環式長音波分散機(日本精機製作所製、RUS−600TCVP)にかけて固形分量21.5質量%の紫外線吸収剤分散液(4)を調製した。
【0151】
−紫外線吸収剤分散液(5)の調整−
・水酸基を持つ紫外線吸収剤(BASF社製、TINUVIN328、ロット選別によりm.p.86℃のものを使用) 50部
・アニオン性界面活性剤(ダウケミカル社製、ダウファックス) 17.5部
・イオン交換水 182部
上記成分を混合し、ホモジナイザー(IKA社製、ウルトラタラックスT50)を用いて10分間分散した後、循環式長音波分散機(日本精機製作所製、RUS−600TCVP)にかけて固形分量21.5質量%の紫外線吸収剤分散液(5)を調製した。
【0152】
−紫外線吸収剤分散液(6)の調整−
・水酸基を持つ紫外線吸収剤(サンケミカル社製、CYASORB 2337、m.p.80) 50部
・アニオン性界面活性剤(ダウケミカル社製、ダウファックス) 17.5部
・イオン交換水 182部
上記成分を混合し、ホモジナイザー(IKA社製、ウルトラタラックスT50)を用いて10分間分散した後、循環式長音波分散機(日本精機製作所製、RUS−600TCVP)にかけて固形分量21.5質量%の紫外線吸収剤分散液(6)を調製した。
【0153】
−紫外線吸収剤分散液(7)の調整−
・水酸基を持つ紫外線吸収剤(BASF社製、TINUVIN405、m.p.75℃) 50部
・10%硫酸銅水溶液 6.0部
・アニオン性界面活性剤(ダウケミカル社製、ダウファックス) 17.5部
・イオン交換水 182部
上記成分を混合し、ホモジナイザー(IKA社製、ウルトラタラックスT50)を用いて10分間分散した後、循環式長音波分散機(日本精機製作所製、RUS−600TCVP)にかけて固形分量21.5質量%の水酸基を持たない紫外線吸収剤分散液(7)を調製した。
なお、紫外線吸収剤分散液(7)の紫外線吸収剤は、その水酸基を銅イオンによりプロトン(H+)と置換されており、水酸基を持たない紫外線吸収剤である。
【0154】
[光安定剤分散液の調製]
−光安定剤粒子分散液(1)の調整−
・水酸基を持つ光安定剤(ケムチュラ社製、Lowlite62、ロット選別によりm.p.75℃のものを使用) 90部
・アニオン性界面活性剤(ダウケミカル社製、ダウファックス) 15部
・イオン交換水 270部
上記成分を混合し、ホモジナイザー(IKA社製、ウルトラタラックスT50)を用いて10分間分散した後、循環式長音波分散機(日本精機製作所製、RUS−600TCVP)にかけて固形分量21.5質量%の光安定剤分散液(1)を調製した。
【0155】
−光安定剤粒子分散液(2)の調整−
・水酸基を持つ光安定剤(ケムチュラ社製、Lowlite62、ロット選別によりm.p.68℃のものを使用) 90部
・アニオン性界面活性剤(ダウケミカル社製、ダウファックス) 15部
・イオン交換水 270部
上記成分を混合し、ホモジナイザー(IKA社製、ウルトラタラックスT50)を用いて10分間分散した後、循環式長音波分散機(日本精機製作所製、RUS−600TCVP)にかけて固形分量21.5質量%の光安定剤分散液(2)を調製した。
【0156】
−光安定剤粒子分散液(3)の調整−
・水酸基を持つ光安定剤(BASF社製、TINUVIN152、ロット選別によりm.p.84℃のものを使用) 90部
・アニオン性界面活性剤(ダウケミカル社製、ダウファックス) 15部
・イオン交換水 270部
上記成分を混合し、ホモジナイザー(IKA社製、ウルトラタラックスT50)を用いて10分間分散した後、循環式長音波分散機(日本精機製作所製、RUS−600TCVP)にかけて固形分量21.5質量%の光安定剤分散液(3)を調製した。
【0157】
−光安定剤粒子分散液(4)の調整−
・水酸基を持つ光安定剤(ケムチュラ社製、Lowlite62、ロット選別によりm.p.64℃のものを使用) 90部
・アニオン性界面活性剤(ダウケミカル社製、ダウファックス) 15部
・イオン交換水 270部
上記成分を混合し、ホモジナイザー(IKA社製、ウルトラタラックスT50)を用いて10分間分散した後、循環式長音波分散機(日本精機製作所製、RUS−600TCVP)にかけて固形分量21.5質量%の光安定剤分散液(4)を調製した。
【0158】
−光安定剤粒子分散液(5)の調整−
・水酸基を持つ光安定剤(BASF社製、TINUVIN152、ロット選別によりm.p.86℃のものを使用) 90部
・アニオン性界面活性剤(ダウケミカル社製、ダウファックス) 15部
・イオン交換水 270部
上記成分を混合し、ホモジナイザー(IKA社製、ウルトラタラックスT50)を用いて10分間分散した後、循環式長音波分散機(日本精機製作所製、RUS−600TCVP)にかけて固形分量21.5質量%の光安定剤分散液(5)を調製した。
【0159】
−光安定剤粒子分散液(6)の調整−
・水酸基を持たない光安定剤(ADEKA社製、アデカスタブLA−72、m.p.82℃) 90部
・アニオン性界面活性剤(ダウケミカル社製、ダウファックス) 15部
・イオン交換水 270部
上記成分を混合し、ホモジナイザー(IKA社製、ウルトラタラックスT50)を用いて10分間分散した後、循環式長音波分散機(日本精機製作所製、RUS−600TCVP)にかけて固形分量21.5質量%の光安定剤分散液(6)を調製した。
【0160】
[トナー粒子の作製]
(トナー(1))
−トナー粒子(1)の作製−
・結着樹脂分散液(1) 130.7部
・結着樹脂分散液(2) 39.5部
・着色剤粒子分散液 26.9部
・離型剤粒子分散液 28.1部
・界面活性剤(ダウケミカル社製、ダウファックス) 7部
・イオン交換水 660部
上記の成分を、丸型ステンレス製フラスコ中でホモジナイザー(IKA製、ウルトラタラックスT50)で各成分が十分に混合するように分散する。その後、前記分散液をウォーターバスを用いて、10%硫酸アルミニウム水溶液13部を加え、フラスコ内の内容物を攪拌した。均一に分散されたことを確認し、スリーワンモーター(新東科学株式会社製BLh300)を用いて、攪拌回転数150rpmで攪拌した後、0.5℃/分の昇温速度で45℃まで加熱攪拌し、45℃で60分間保持した。その後、追加の結着樹脂分散液(1)65.3部を添加し、60分間攪拌した。得られた内容物を光学顕微鏡で観察すると、粒径が4.0μmの凝集粒子が生成していることが確認された。30%EDTA水溶液を6.0部添加したのちに、0.8M水酸化ナトリウム水溶液で、pHを7.5に調整した。その後、温度を上げて85℃に到達した時点で紫外線吸収剤分散液(1)23.4部添加し、さらに温度を上げて95℃において5時間かけて凝集粒子を融着させ、冷却後、ろ過し、イオン交換水で充分洗浄後、乾燥して、体積平均粒径が5.1μmのトナー粒子(1)を得た。
【0161】
−トナー(1)の作製−
市販のヒュームドシリカRX50(日本アエロジル(株)製、個数平均粒子径D50:40nm)を用意した。
得られたトナー粒子(1)100部に対し、外添剤としてヒュームドシリカRX50(日本アエロジル(株)製、個数平均粒子径D50:40nm)を3部加え、ヘンシェルミキサーを用い周速45m/sで10分間ブレンドを行った後、45μm網目のシーブを用いて粗大粒子を除去し、トナー(1)を得た。
【0162】
(トナー(2))
−トナー粒子(2)の作製−
トナー粒子(1)の作製において、30%EDTA水溶液の量を10.7部添加すること、紫外線吸収剤分散液(1)を80℃に到達した時点で添加すること、以外は同様の方法で行い、トナー粒子(2)を得た。
【0163】
−トナー(2)の作製−
トナー(1)の作製において、トナー粒子(1)の代わりにトナー粒子(2)を用いたこと以外は同様に行い、トナー(2)を得た。
【0164】
(トナー(3))
−トナー粒子(3)の作製−
トナー粒子(1)の作製において、30%EDTA水溶液の量を2.3部添加すること、紫外線吸収剤分散液(1)を80℃に到達した時点で添加すること、以外は同様の方法で行い、トナー粒子(3)を得た。
【0165】
−トナー(3)の作製−
トナー(1)の作製において、トナー粒子(1)の代わりにトナー粒子(3)を用いたこと以外は同様に行い、トナー(3)を得た。
【0166】
(トナー(4))
−トナー粒子(4)の作製−
トナー粒子(1)の作製において30%EDTA水溶液の量を10.7部添加すること、紫外線吸収剤分散液(1)を90℃に到達した時点で添加すること、以外は同様の方法で行い、トナー粒子(4)を得た。
【0167】
−トナー(4)の作製−
トナー(1)の作製において、トナー粒子(1)の代わりにトナー粒子(4)を用いたこと以外は同様に行い、トナー(4)を得た。
【0168】
(トナー(5))
−トナー粒子(5)の作製−
トナー粒子(1)の作製において、30%EDTA水溶液の量を2.3部添加すること、紫外線吸収剤分散液(1)を90℃に到達した時点で添加すること、以外は同様の方法で行い、トナー粒子(5)を得た。
【0169】
−トナー(5)の作製−
トナー(1)の作製において、トナー粒子(1)の代わりにトナー粒子(5)を用いたこと以外は同様に行い、トナー(5)を得た。
【0170】
(トナー(6))
−トナー粒子(6)の作製−
トナー粒子(1)の作製において、10%硫酸アルミニウム水溶液の代わりに10%硫酸マグネシウム水溶液を使用すること以外は同様の方法で行い、トナー粒子(6)を得た。
【0171】
−トナー(6)の作製−
トナー(1)の作製において、トナー粒子(1)の代わりにトナー粒子(6)を用いたこと以外は同様に行い、トナー(6)を得た。
【0172】
(トナー(7))
−トナー粒子(7)の作製−
トナー粒子(2)の作製において、10%硫酸アルミニウム水溶液の代わりに10%硫酸マグネシウム水溶液を使用すること以外は同様の方法で行い、トナー粒子(7)を得た。
【0173】
−トナー(7)の作製−
トナー(1)の作製において、トナー粒子(1)の代わりにトナー粒子(7)を用いたこと以外は同様に行い、トナー(7)を得た。
【0174】
(トナー(8))
−トナー粒子(8)の作製−
トナー粒子(3)の作製において、10%硫酸アルミニウム水溶液の代わりに10%硫酸マグネシウム水溶液を使用すること以外は同様の方法で行い、トナー粒子(8)を得た。
【0175】
−トナー(8)の作製−
トナー(1)の作製において、トナー粒子(1)の代わりにトナー粒子(8)を用いたこと以外は同様に行い、トナー(8)を得た。
【0176】
(トナー(9))
−トナー粒子(9)の作製−
トナー粒子(4)の作製において、10%硫酸アルミニウム水溶液の代わりに10%硫酸マグネシウム水溶液を使用すること以外は同様の方法で行い、トナー粒子(9)を得た。
【0177】
−トナー(9)の作製−
トナー(1)の作製において、トナー粒子(1)の代わりにトナー粒子(9)を用いたこと以外は同様に行い、トナー(9)を得た。
【0178】
(トナー(10))
−トナー粒子(10)の作製−
トナー粒子(5)の作製において10%硫酸アルミニウム水溶液の代わりに10%硫酸マグネシウム水溶液を使用すること以外は同様の方法で行い、トナー粒子(10)を得た。
【0179】
−トナー(10)の作製−
トナー(1)の作製において、トナー粒子(1)の代わりにトナー粒子(10)を用いたこと以外は同様に行い、トナー(10)を得た。
【0180】
(トナー(11))
−トナー粒子(11)の作製−
トナー粒子(1)の作製において10%硫酸アルミニウム水溶液の代わりに10%塩化鉄(II)水溶液を使用すること以外は同様の方法で行い、トナー粒子(11)を得た。
【0181】
−トナー(11)の作製−
トナー(1)の作製において、トナー粒子(1)の代わりにトナー粒子(11)を用いたこと以外は同様に行い、トナー(11)を得た。
【0182】
(トナー(12))
−トナー粒子(12)の作製−
トナー粒子(2)の作製において10%硫酸アルミニウム水溶液の代わりに10%塩化鉄(II)水溶液を使用すること以外は同様の方法で行い、トナー粒子(12)を得た。
【0183】
−トナー(12)の作製−
トナー(1)の作製において、トナー粒子(1)の代わりにトナー粒子(12)を用いたこと以外は同様に行い、トナー(12)を得た。
【0184】
(トナー(13))
−トナー粒子(13)の作製−
トナー粒子(3)の作製において10%硫酸アルミニウム水溶液の代わりに10%塩化鉄(II)水溶液を使用すること以外は同様の方法で行い、トナー粒子(13)を得た。
【0185】
−トナー(13)の作製−
トナー(1)の作製において、トナー粒子(1)の代わりにトナー粒子(13)を用いたこと以外は同様に行い、トナー(13)を得た。
【0186】
(トナー(14))
−トナー粒子(14)の作製−
トナー粒子(4)の作製において10%硫酸アルミニウム水溶液の代わりに10%塩化鉄(II)水溶液を使用すること以外は同様の方法で行い、トナー粒子(14)を得た。
【0187】
−トナー(14)の作製−
トナー(1)の作製において、トナー粒子(1)の代わりにトナー粒子(14)を用いたこと以外は同様に行い、トナー(14)を得た。
【0188】
(トナー(15))
−トナー粒子(15)の作製−
トナー粒子(5)の作製において10%硫酸アルミニウム水溶液の代わりに10%塩化鉄(II)水溶液を使用すること以外は同様の方法で行い、トナー粒子(15)を得た。
【0189】
−トナー(15)の作製−
トナー(1)の作製において、トナー粒子(1)の代わりにトナー粒子(15)を用いたこと以外は同様に行い、トナー(15)を得た。
【0190】
(トナー(16))
−トナー粒子(16)の作製−
・非晶性ポリエステル樹脂(1) 70部
・結晶性ポリエステル樹脂(1) 12部
・イエロー顔料(クラリアント社製、HansaYellow2GX70) 5.5部
・離型剤(日本精鑞社製、FT105) 7.8部
・10%硫酸アルミニウム水溶液 13部
上記の成分を85℃まで加熱し溶融させた後、30%EDTA水溶液を6.0部を添加し、0.8M水酸化ナトリウム水溶液で、pHを7.5に調整した。その後、紫外線吸収剤分散液(1)23.4部を添加した後にエクストルーダーにて設定温度150℃、スクリュー回転数280rpm、供給スピード220kg/hで溶融混練した。冷却後、粗粉砕した後、ジェットミルにて微粉砕し、さらにこの粉砕物を風力分級して、体積平均粒径が6.4μmのトナー粒子(16)を得た。
【0191】
−トナー(16)の作製−
トナー(1)の作製において、トナー粒子(1)の代わりにトナー粒子(16)を用いたこと以外は同様に行い、トナー(16)を得た。
【0192】
(トナー(17))
−トナー粒子(17)の作製−
トナー粒子(1)の作製において10%硫酸アルミニウム水溶液の代わりに10%塩化カルシウム水溶液を使用すること以外は同様の方法で行い、トナー粒子(17)を得た。
【0193】
−トナー(17)の作製−
トナー(1)の作製において、トナー粒子(1)の代わりにトナー粒子(17)を用いたこと以外は同様に行い、トナー(17)を得た。
【0194】
(トナー(18))
−トナー粒子(18)の作製−
・結着樹脂分散液(3) 150部
・着色剤粒子分散液 26.9部
・離型剤分散液 28.1部
・界面活性剤(ダウケミカル社製、ダウファックス) 7部
・イオン交換水 660部
上記の成分を、丸型ステンレス製フラスコ中でホモジナイザー(IKA製、ウルトラタラックスT50)で各成分が十分に混合するように分散する。その後、前記分散液をウォーターバスを用いて、10%硫酸アルミニウム水溶液13部を加え、フラスコ内の内容物を攪拌した。均一に分散されたことを確認し、スリーワンモーター(新東科学株式会社製BLh300)を用いて、攪拌回転数150rpmで攪拌した後、0.5℃/分の昇温速度で45℃まで加熱攪拌し、45℃で60分間保持した。その後、追加の結着樹脂分散液(3)74.9部を添加し、60分間攪拌した。得られた内容物を光学顕微鏡で観察すると、粒径が4.0μmの凝集粒子が生成していることが確認された。30%EDTA水溶液を6.0部添加したのちに、0.8M水酸化ナトリウム水溶液で、pHを7.5に調整した。その後、温度を上げて85℃に到達した時点で紫外線吸収剤分散液(1)23.4部添加し、さらに温度を上げて95℃において5時間かけて凝集粒子を融着させ、冷却後、ろ過し、イオン交換水で充分洗浄後、乾燥して、体積平均粒径が5.1μmのトナー粒子(18)を得た。
【0195】
−トナー(18)の作製−
トナー(1)の作製において、トナー粒子(1)の代わりにトナー粒子(18)を用いたこと以外は同様に行い、トナー(18)を得た。
【0196】
(トナー(19))
−トナー粒子(19)の作製−
・結着樹脂分散液(1) 153.3部
・着色剤粒子分散液 26.9部
・離型剤分散液 28.1部
・界面活性剤(ダウケミカル社製、ダウファックス) 7部
・イオン交換水 660部
上記の成分を、丸型ステンレス製フラスコ中でホモジナイザー(IKA製、ウルトラタラックスT50)で各成分が十分に混合するように分散する。その後、前記分散液をウォーターバスを用いて、10%硫酸アルミニウム水溶液13部を加え、フラスコ内の内容物を攪拌した。均一に分散されたことを確認し、スリーワンモーター(新東科学株式会社製BLh300)を用いて、攪拌回転数150rpmで攪拌した後、0.5℃/分の昇温速度で45℃まで加熱攪拌し、45℃で60分間保持した。その後、追加の結着樹脂分散液(1)76.7部を添加し、60分間攪拌した。得られた内容物を光学顕微鏡で観察すると、粒径が4.0μmの凝集粒子が生成していることが確認された。30%EDTA水溶液を6.0部添加したのちに、0.8M水酸化ナトリウム水溶液で、pHを7.5に調整した。その後、温度を上げて85℃に到達した時点で紫外線吸収剤分散液(1)23.4部添加し、さらに温度を上げて95℃において5時間かけて凝集粒子を融着させ、冷却後、ろ過し、イオン交換水で充分洗浄後、乾燥して、体積平均粒径が5.1μmのトナー粒子(19)を得た。
【0197】
−トナー(19)の作製−
トナー(1)の作製において、トナー粒子(1)の代わりにトナー粒子(19)を用いたこと以外は同様に行い、トナー(19)を得た。
【0198】
(トナー(20))
−トナー粒子(20)の作製−
トナー粒子(1)の作製において紫外線吸収剤分散液(1)の代わりに紫外線吸収剤分散液(2)を使用し、紫外線吸収剤分散液(2)を75℃に到達した時点で添加すること以外は同様の方法で行い、トナー粒子(20)を得た。
【0199】
−トナー(20)の作製−
トナー(1)の作製において、トナー粒子(1)の代わりにトナー粒子(20)を用いたこと以外は同様に行い、トナー(20)を得た。
【0200】
(トナー(21))
−トナー粒子(21)の作製−
トナー粒子(1)の作製において紫外線吸収剤分散液(1)の代わりに紫外線吸収剤分散液(3)を使用し、紫外線吸収剤分散液(3)を90℃に到達した時点で添加すること以外は同様の方法で行い、トナー粒子(21)を得た。
【0201】
−トナー(21)の作製−
トナー(1)の作製において、トナー粒子(1)の代わりにトナー粒子(21)を用いたこと以外は同様に行い、トナー(21)を得た。
【0202】
(トナー(22))
−トナー粒子(22)の作製−
トナー粒子(1)の作製において紫外線吸収剤分散液(1)の代わりに紫外線吸収剤分散液(4)を使用し、紫外線吸収剤分散液(4)を68℃に到達した時点で添加すること以外は同様の方法で行い、トナー粒子(22)を得た。
【0203】
−トナー(22)の作製−
トナー(1)の作製において、トナー粒子(1)の代わりにトナー粒子(22)を用いたこと以外は同様に行い、トナー(22)を得た。
【0204】
(トナー(23))
−トナー粒子(23)の作製−
トナー粒子(1)の作製において紫外線吸収剤分散液(1)の代わりに紫外線吸収剤分散液(5)を使用し、紫外線吸収剤分散液(5)を90℃に到達した時点で添加すること以外は同様の方法で行い、トナー粒子(23)を得た。
【0205】
−トナー(23)の作製−
トナー(1)の作製において、トナー粒子(1)の代わりにトナー粒子(23)を用いたこと以外は同様に行い、トナー(23)を得た。
【0206】
(トナー(24))
−トナー粒子(24)の作製−
・結着樹脂分散液(1) 130.7部
・結着樹脂分散液(2) 39.5部
・着色剤粒子分散液 26.9部
・離型剤粒子分散液 28.1部
・界面活性剤(ダウケミカル社製、ダウファックス) 7部
・紫外線吸収剤分散液(1)23.4部
・イオン交換水 660部
上記の成分を、丸型ステンレス製フラスコ中でホモジナイザー(IKA製、ウルトラタラックスT50)で各成分が十分に混合するように分散する。その後、前記分散液をウォーターバスを用いて、10%硫酸アルミニウム水溶液13部を加え、フラスコ内の内容物を攪拌した。均一に分散されたことを確認し、スリーワンモーター(新東科学株式会社製BLh300)を用いて、攪拌回転数150rpmで攪拌した後、0.5℃/分の昇温速度で45℃まで加熱攪拌し、45℃で60分間保持した。その後、追加の結着樹脂分散液(1)65.3部を添加し、60分間攪拌した。得られた内容物を光学顕微鏡で観察すると、粒径が4.0μmの凝集粒子が生成していることが確認された。30%EDTA水溶液を6.0部添加したのちに、0.8M水酸化ナトリウム水溶液で、pHを7.5に調整した。その後、温度を上げて95℃において5時間かけて凝集粒子を融着させ、冷却後、ろ過し、イオン交換水で充分洗浄後、乾燥して、体積平均粒径が5.1μmのトナー粒子(24)を得た。
【0207】
−トナー(24)の作製−
トナー(1)の作製において、トナー粒子(1)の代わりにトナー粒子(24)を用いたこと以外は同様に行い、トナー(24)を得た。
【0208】
(トナー(25))
−トナー粒子(25)の作製−
トナー粒子(24)の作製において30%EDTA水溶液を10.7部添加すること以外は同様の方法で行い、トナー粒子(25)を得た。
【0209】
−トナー(25)の作製−
トナー(1)の作製において、トナー粒子(1)の代わりにトナー粒子(25)を用いたこと以外は同様に行い、トナー(25)を得た。
【0210】
(トナー(26))
−トナー粒子(26)の作製−
トナー粒子(24)の作製において30%EDTA水溶液を1.7部添加すること以外は同様の方法で行い、トナー粒子(26)を得た。
【0211】
−トナー(26)の作製−
トナー(1)の作製において、トナー粒子(1)の代わりにトナー粒子(26)を用いたこと以外は同様に行い、トナー(26)を得た。
【0212】
(トナー(27))
−トナー粒子(27)の作製−
トナー粒子(24)の作製において30%EDTA水溶液を10.3部添加すること以外は同様の方法で行い、トナー粒子(27)を得た。
【0213】
−トナー(27)の作製−
トナー(1)の作製において、トナー粒子(1)の代わりにトナー粒子(27)を用いたこと以外は同様に行い、トナー(27)を得た。
【0214】
(トナー(28))
−トナー粒子(28)の作製−
トナー粒子(24)の作製において、温度を上げて80℃に到達した時点で紫外線吸収剤分散液(1)を添加すること以外は同様の方法で行い、トナー粒子(28)を得た。
【0215】
−トナー(28)の作製−
トナー(1)の作製において、トナー粒子(1)の代わりにトナー粒子(28)を用いたこと以外は同様に行い、トナー(28)を得た。
【0216】
(トナー(29))
−トナー粒子(29)の作製−
トナー粒子(28)の作製において、30%EDTA水溶液を1.4部添加すること以外は同様の方法で行い、トナー粒子(29)を得た。
【0217】
−トナー(29)の作製−
トナー(1)の作製において、トナー粒子(1)の代わりにトナー粒子(29)を用いたこと以外は同様に行い、トナー(29)を得た。
【0218】
(トナー(30))
−トナー粒子(30)の作製−
トナー粒子(24)の作製において、温度を上げて90℃に到達した時点で紫外線吸収剤分散液(1)を添加すること以外は同様の方法で行い、トナー粒子(30)を得た。
【0219】
−トナー(30)の作製−
トナー(1)の作製において、トナー粒子(1)の代わりにトナー粒子(30)を用いたこと以外は同様に行い、トナー(30)を得た。
【0220】
(トナー(31))
−トナー粒子(31)の作製−
トナー粒子(30)の作製において、30%EDTA水溶液を1.2部添加すること以外は同様の方法で行い、トナー粒子(31)を得た。
【0221】
−トナー(31)の作製−
トナー(1)の作製において、トナー粒子(1)の代わりにトナー粒子(31)を用いたこと以外は同様に行い、トナー(31)を得た。
【0222】
(トナー(32))
−トナー粒子(32)の作製−
トナー粒子(24)の作製において、温度を上げて95℃に到達した時点で紫外線吸収剤分散液(1)を添加すること以外は同様の方法で行い、トナー粒子(32)を得た。
【0223】
−トナー(32)の作製−
トナー(1)の作製において、トナー粒子(1)の代わりにトナー粒子(32)を用いたこと以外は同様に行い、トナー(32)を得た。
【0224】
(トナー(33))
−トナー粒子(33)の作製−
トナー粒子(25)の作製において、温度を上げて95℃に到達した時点で紫外線吸収剤分散液(1)を添加すること以外は同様の方法で行い、トナー粒子(33)を得た。
【0225】
−トナー(33)の作製−
トナー(1)の作製において、トナー粒子(1)の代わりにトナー粒子(33)を用いたこと以外は同様に行い、トナー(33)を得た。
【0226】
(トナー(34))
−トナー粒子(34)の作製−
トナー粒子(26)の作製において、温度を上げて95℃に到達した時点で紫外線吸収剤分散液(1)を添加すること以外は同様の方法で行い、トナー粒子(34)を得た。
【0227】
−トナー(34)の作製−
トナー(1)の作製において、トナー粒子(1)の代わりにトナー粒子(34)を用いたこと以外は同様に行い、トナー(34)を得た。
【0228】
(トナー(35))
−トナー粒子(35)の作製−
トナー粒子(27)の作製において、温度を上げて95℃に到達した時点で紫外線吸収剤分散液(1)を添加すること以外は同様の方法で行い、トナー粒子(35)を得た。
【0229】
−トナー(35)の作製−
トナー(1)の作製において、トナー粒子(1)の代わりにトナー粒子(35)を用いたこと以外は同様に行い、トナー(35)を得た。
【0230】
(トナー(36))
−トナー粒子(36)の作製−
トナー粒子(1)の作製において紫外線吸収剤分散液(1)の代わりに光安定剤分散液(1)を使用すること以外は同様の方法で行い、トナー粒子(36)を得た。
【0231】
−トナー(36)の作製−
トナー(1)の作製において、トナー粒子(1)の代わりにトナー粒子(36)を用いたこと以外は同様に行い、トナー(36)を得た。
【0232】
(トナー(37))
−トナー粒子(37)の作製−
トナー粒子(2)の作製において紫外線吸収剤分散液(1)の代わりに光安定剤分散液(1)を使用すること以外は同様の方法で行い、トナー粒子(37)を得た。
【0233】
−トナー(37)の作製−
トナー(1)の作製において、トナー粒子(1)の代わりにトナー粒子(37)を用いたこと以外は同様に行い、トナー(37)を得た。
【0234】
(トナー(38))
−トナー粒子(38)の作製−
トナー粒子(3)の作製において紫外線吸収剤分散液(1)の代わりに光安定剤分散液(1)を使用すること以外は同様の方法で行い、トナー粒子(38)を得た。
【0235】
−トナー(38)の作製−
トナー(1)の作製において、トナー粒子(1)の代わりにトナー粒子(38)を用いたこと以外は同様に行い、トナー(38)を得た。
【0236】
(トナー(39))
−トナー粒子(39)の作製−
トナー粒子(4)の作製において紫外線吸収剤分散液(1)の代わりに光安定剤分散液(1)を使用すること以外は同様の方法で行い、トナー粒子(39)を得た。
【0237】
−トナー(39)の作製−
トナー(1)の作製において、トナー粒子(1)の代わりにトナー粒子(39)を用いたこと以外は同様に行い、トナー(39)を得た。
【0238】
(トナー(40))
−トナー粒子(40)の作製−
トナー粒子(5)の作製において紫外線吸収剤分散液(1)の代わりに光安定剤分散液(1)を使用すること以外は同様の方法で行い、トナー粒子(40)を得た。
【0239】
−トナー(40)の作製−
トナー(1)の作製において、トナー粒子(1)の代わりにトナー粒子(40)を用いたこと以外は同様に行い、トナー(40)を得た。
【0240】
(トナー(41))
−トナー粒子(41)の作製−
トナー粒子(6)の作製において紫外線吸収剤分散液(1)の代わりに光安定剤分散液(1)を使用すること以外は同様の方法で行い、トナー粒子(41)を得た。
【0241】
−トナー(41)の作製−
トナー(1)の作製において、トナー粒子(1)の代わりにトナー粒子(41)を用いたこと以外は同様に行い、トナー(41)を得た。
【0242】
(トナー(42))
−トナー粒子(42)の作製−
トナー粒子(7)の作製において紫外線吸収剤分散液(1)の代わりに光安定剤分散液(1)を使用すること以外は同様の方法で行い、トナー粒子(42)を得た。
【0243】
−トナー(42)の作製−
トナー(1)の作製において、トナー粒子(1)の代わりにトナー粒子(42)を用いたこと以外は同様に行い、トナー(42)を得た。
【0244】
(トナー(43))
−トナー粒子(43)の作製−
トナー粒子(8)の作製において紫外線吸収剤分散液(1)の代わりに光安定剤分散液(1)を使用すること以外は同様の方法で行い、トナー粒子(43)を得た。
【0245】
−トナー(43)の作製−
トナー(1)の作製において、トナー粒子(1)の代わりにトナー粒子(43)を用いたこと以外は同様に行い、トナー(43)を得た。
【0246】
(トナー(44))
−トナー粒子(44)の作製−
トナー粒子(9)の作製において紫外線吸収剤分散液(1)の代わりに光安定剤分散液(1)を使用すること以外は同様の方法で行い、トナー粒子(44)を得た。
【0247】
−トナー(44)の作製−
トナー(1)の作製において、トナー粒子(1)の代わりにトナー粒子(44)を用いたこと以外は同様に行い、トナー(44)を得た。
【0248】
(トナー(45))
−トナー粒子(45)の作製−
トナー粒子(10)の作製において紫外線吸収剤分散液(1)の代わりに光安定剤分散液(1)を使用すること以外は同様の方法で行い、トナー粒子(45)を得た。
【0249】
−トナー(45)の作製−
トナー(1)の作製において、トナー粒子(1)の代わりにトナー粒子(45)を用いたこと以外は同様に行い、トナー(45)を得た。
【0250】
(トナー(46))
−トナー粒子(46)の作製−
トナー粒子(11)の作製において紫外線吸収剤分散液(1)の代わりに光安定剤分散液(1)を使用すること以外は同様の方法で行い、トナー粒子(46)を得た。
【0251】
−トナー(46)の作製−
トナー(1)の作製において、トナー粒子(1)の代わりにトナー粒子(46)を用いたこと以外は同様に行い、トナー(46)を得た。
【0252】
(トナー(47))
−トナー粒子(47)の作製−
トナー粒子(12)の作製において紫外線吸収剤分散液(1)の代わりに光安定剤分散液(1)を使用すること以外は同様の方法で行い、トナー粒子(47)を得た。
【0253】
−トナー(47)の作製−
トナー(1)の作製において、トナー粒子(1)の代わりにトナー粒子(47)を用いたこと以外は同様に行い、トナー(47)を得た。
【0254】
(トナー(48))
−トナー粒子(48)の作製−
トナー粒子(13)の作製において紫外線吸収剤分散液(1)の代わりに光安定剤分散液(1)を使用すること以外は同様の方法で行い、トナー粒子(48)を得た。
【0255】
−トナー(48)の作製−
トナー(1)の作製において、トナー粒子(1)の代わりにトナー粒子(48)を用いたこと以外は同様に行い、トナー(48)を得た。
【0256】
(トナー(49))
−トナー粒子(49)の作製−
トナー粒子(14)の作製において紫外線吸収剤分散液(1)の代わりに光安定剤分散液(1)を使用すること以外は同様の方法で行い、トナー粒子(49)を得た。
【0257】
−トナー(49)の作製−
トナー(1)の作製において、トナー粒子(1)の代わりにトナー粒子(49)を用いたこと以外は同様に行い、トナー(49)を得た。
【0258】
(トナー(50))
−トナー粒子(50)の作製−
トナー粒子(15)の作製において紫外線吸収剤分散液(1)の代わりに光安定剤分散液(1)を使用すること以外は同様の方法で行い、トナー粒子(50)を得た。
【0259】
−トナー(50)の作製−
トナー(1)の作製において、トナー粒子(1)の代わりにトナー粒子(50)を用いたこと以外は同様に行い、トナー(50)を得た。
【0260】
(トナー(51))
−トナー粒子(51)の作製−
トナー粒子(16)の作製において紫外線吸収剤分散液(1)の代わりに光安定剤分散液(1)を使用すること以外は同様の方法で行い、トナー粒子(51)を得た。
【0261】
−トナー(51)の作製−
トナー(1)の作製において、トナー粒子(1)の代わりにトナー粒子(51)を用いたこと以外は同様に行い、トナー(51)を得た。
【0262】
(トナー(52))
−トナー粒子(52)の作製−
トナー粒子(17)の作製において紫外線吸収剤分散液(1)の代わりに光安定剤分散液(1)を使用すること以外は同様の方法で行い、トナー粒子(52)を得た。
【0263】
−トナー(52)の作製−
トナー(1)の作製において、トナー粒子(1)の代わりにトナー粒子(52)を用いたこと以外は同様に行い、トナー(52)を得た。
【0264】
(トナー(53))
−トナー粒子(53)の作製−
トナー粒子(18)の作製において紫外線吸収剤分散液(1)の代わりに光安定剤分散液(1)を使用すること以外は同様の方法で行い、トナー粒子(53)を得た。
【0265】
−トナー(53)の作製−
トナー(1)の作製において、トナー粒子(1)の代わりにトナー粒子(53)を用いたこと以外は同様に行い、トナー(53)を得た。
【0266】
(トナー(54))
−トナー粒子(54)の作製−
トナー粒子(19)の作製において紫外線吸収剤分散液(1)の代わりに光安定剤分散液(1)を使用すること以外は同様の方法で行い、トナー粒子(54)を得た。
【0267】
−トナー(54)の作製−
トナー(1)の作製において、トナー粒子(1)の代わりにトナー粒子(54)を用いたこと以外は同様に行い、トナー(54)を得た。
【0268】
(トナー(55))
−トナー粒子(55)の作製−
トナー粒子(20)の作製において紫外線吸収剤分散液(1)の代わりに光安定剤分散液(2)を使用すること以外は同様の方法で行い、トナー粒子(55)を得た。
【0269】
−トナー(55)の作製−
トナー(1)の作製において、トナー粒子(1)の代わりにトナー粒子(55)を用いたこと以外は同様に行い、トナー(55)を得た。
【0270】
(トナー(56))
−トナー粒子(56)の作製−
トナー粒子(21)の作製において紫外線吸収剤分散液(1)の代わりに光安定剤分散液(3)を使用すること以外は同様の方法で行い、トナー粒子(56)を得た。
【0271】
−トナー(56)の作製−
トナー(1)の作製において、トナー粒子(1)の代わりにトナー粒子(56)を用いたこと以外は同様に行い、トナー(56)を得た。
【0272】
(トナー(57))
−トナー粒子(57)の作製−
トナー粒子(22)の作製において紫外線吸収剤分散液(1)の代わりに光安定剤分散液(4)を使用すること以外は同様の方法で行い、トナー粒子(57)を得た。
【0273】
−トナー(57)の作製−
トナー(1)の作製において、トナー粒子(1)の代わりにトナー粒子(57)を用いたこと以外は同様に行い、トナー(57)を得た。
【0274】
(トナー(58))
−トナー粒子(58)の作製−
トナー粒子(23)の作製において紫外線吸収剤分散液(1)の代わりに光安定剤分散液(5)を使用すること以外は同様の方法で行い、トナー粒子(58)を得た。
【0275】
−トナー(58)の作製−
トナー(1)の作製において、トナー粒子(1)の代わりにトナー粒子(58)を用いたこと以外は同様に行い、トナー(58)を得た。
【0276】
(トナー(59))
−トナー粒子(59)の作製−
トナー粒子(24)の作製において、紫外線吸収剤分散液(1)の代わりに、光安定剤分散液(1)を添加すること以外は同様の方法で行い、トナー粒子(59)を得た。
【0277】
−トナー(59)の作製−
トナー(1)の作製において、トナー粒子(1)の代わりにトナー粒子(59)を用いたこと以外は同様に行い、トナー(59)を得た。
【0278】
(トナー(60))
−トナー粒子(60)の作製−
トナー粒子(25)の作製において、紫外線吸収剤分散液(1)の代わりに、光安定剤分散液(1)を添加すること以外は同様の方法で行い、トナー粒子(60)を得た。
【0279】
−トナー(60)の作製−
トナー(1)の作製において、トナー粒子(1)の代わりにトナー粒子(60)を用いたこと以外は同様に行い、トナー(60)を得た。
【0280】
(トナー(61))
−トナー粒子(61)の作製−
トナー粒子(26)の作製において、紫外線吸収剤分散液(1)の代わりに、光安定剤分散液(1)を添加すること以外は同様の方法で行い、トナー粒子(61)を得た。
【0281】
−トナー(61)の作製−
トナー(1)の作製において、トナー粒子(1)の代わりにトナー粒子(61)を用いたこと以外は同様に行い、トナー(61)を得た。
【0282】
(トナー(62))
−トナー粒子(62)の作製−
トナー粒子(27)の作製において、紫外線吸収剤分散液(1)の代わりに、光安定剤分散液(1)を添加すること以外は同様の方法で行い、トナー粒子(62)を得た。
【0283】
−トナー(62)の作製−
トナー(1)の作製において、トナー粒子(1)の代わりにトナー粒子(62)を用いたこと以外は同様に行い、トナー(62)を得た。
【0284】
(トナー(63))
−トナー粒子(63)の作製−
トナー粒子(28)の作製において、紫外線吸収剤分散液(1)の代わりに、光安定剤分散液(1)を添加すること以外は同様の方法で行い、トナー粒子(63)を得た。
【0285】
−トナー(63)の作製−
トナー(1)の作製において、トナー粒子(1)の代わりにトナー粒子(63)を用いたこと以外は同様に行い、トナー(63)を得た。
【0286】
(トナー(64))
−トナー粒子(64)の作製−
トナー粒子(29)の作製において、紫外線吸収剤分散液(1)の代わりに、光安定剤分散液(1)を添加すること以外は同様の方法で行い、トナー粒子(64)を得た。
【0287】
−トナー(64)の作製−
トナー(1)の作製において、トナー粒子(1)の代わりにトナー粒子(64)を用いたこと以外は同様に行い、トナー(64)を得た。
【0288】
(トナー(65))
−トナー粒子(65)の作製−
トナー粒子(30)の作製において、紫外線吸収剤分散液(1)の代わりに、光安定剤分散液(1)を添加すること以外は同様の方法で行い、トナー粒子(65)を得た。
【0289】
−トナー(65)の作製−
トナー(1)の作製において、トナー粒子(1)の代わりにトナー粒子(65)を用いたこと以外は同様に行い、トナー(65)を得た。
【0290】
(トナー(66))
−トナー粒子(66)の作製−
トナー粒子(31)の作製において、紫外線吸収剤分散液(1)の代わりに、光安定剤分散液(1)を添加すること以外は同様の方法で行い、トナー粒子(66)を得た。
【0291】
−トナー(66)の作製−
トナー(1)の作製において、トナー粒子(1)の代わりにトナー粒子(66)を用いたこと以外は同様に行い、トナー(66)を得た。
【0292】
(トナー(67))
−トナー粒子(67)の作製−
トナー粒子(32)の作製において、紫外線吸収剤分散液(1)の代わりに、光安定剤分散液(1)を添加すること以外は同様の方法で行い、トナー粒子(67)を得た。
【0293】
−トナー(67)の作製−
トナー(1)の作製において、トナー粒子(1)の代わりにトナー粒子(67)を用いたこと以外は同様に行い、トナー(67)を得た。
【0294】
(トナー(68))
−トナー粒子(68)の作製−
トナー粒子(33)の作製において、紫外線吸収剤分散液(1)の代わりに、光安定剤分散液(1)を添加すること以外は同様の方法で行い、トナー粒子(68)を得た。
【0295】
−トナー(68)の作製−
トナー(1)の作製において、トナー粒子(1)の代わりにトナー粒子(68)を用いたこと以外は同様に行い、トナー(68)を得た。
【0296】
(トナー(69))
−トナー粒子(69)の作製−
トナー粒子(34)の作製において、紫外線吸収剤分散液(1)の代わりに、光安定剤分散液(1)を添加すること以外は同様の方法で行い、トナー粒子(69)を得た。
【0297】
−トナー(69)の作製−
トナー(1)の作製において、トナー粒子(1)の代わりにトナー粒子(69)を用いたこと以外は同様に行い、トナー(69)を得た。
【0298】
(トナー(70))
−トナー粒子(70)の作製−
トナー粒子(35)の作製において、紫外線吸収剤分散液(1)の代わりに、光安定剤分散液(1)を添加すること以外は同様の方法で行い、トナー粒子(70)を得た。
【0299】
−トナー(70)の作製−
トナー(1)の作製において、トナー粒子(1)の代わりにトナー粒子(70)を用いたこと以外は同様に行い、トナー(70)を得た。
【0300】
(トナー(71))
−トナー粒子(71)の作製−
トナー粒子(1)の作製において紫外線吸収剤分散液(1)の代わりに紫外線吸収剤分散液(6)を使用し、紫外線吸収剤分散液(6)を80℃に到達した時点で添加すること以外は同様の方法で行い、トナー粒子(71)を得た。
【0301】
−トナー(71)の作製−
トナー(1)の作製において、トナー粒子(1)の代わりにトナー粒子(71)を用いたこと以外は同様に行い、トナー(71)を得た。
【0302】
(トナー(72))
−トナー粒子(72)の作製−
トナー粒子(1)の作製において10%硫酸アルミニウム水溶液の量を1.3部添加すること以外は同様の方法で行い、トナー粒子(72)を得た。
【0303】
−トナー(72)の作製−
トナー(1)の作製において、トナー粒子(1)の代わりにトナー粒子(72)を用いたこと、ヒュームドシリカRX50の代わりに酸化アルミニウムAEROXIDE AluC(日本アエロジル(株)製、個数平均粒子径D50:13nm)を用いたこと以外は同様に行い、トナー(72)を得た。
【0304】
(トナー(73))
−トナー粒子(73)の作製−
トナー粒子(28)の作製において、凝集粒子をイオン交換水で洗浄する際に、使用するイオン交換水に0.3Mに調製した硝酸アルミニウム九水和物(和光純薬工業(株)製)水溶液を5.0g添加したこと以外は、トナー粒子(73)を得た。
【0305】
−トナー(73)の作製−
トナー(1)の作製において、トナー粒子(1)の代わりにトナー粒子(73)を用いたこと以外は同様に行い、トナー(73)を得た。
【0306】
(トナー(74))
−トナー粒子(74)の作製−
トナー粒子(1)の作製において、10%硫酸アルミニウム水溶液の代わりに10%硫酸チタン水溶液を使用すること以外は同様の方法で行い、トナー粒子(74)を得た。
【0307】
−トナー(74)の作製−
トナー(1)の作製において、トナー粒子(1)の代わりにトナー粒子(74)を用いたこと以外は同様に行い、トナー(74)を得た。
【0308】
(トナー(75))
−トナー粒子(75)の作製−
トナー粒子(1)の作製において紫外線吸収剤分散液(1)の代わりに紫外線吸収剤分散液(7)を使用したこと以外は同様の方法で行い、トナー粒子(75)を得た。
【0309】
−トナー(75)の作製−
トナー(1)の作製において、トナー粒子(1)の代わりにトナー粒子(75)を用いたこと以外は同様に行い、トナー(75)を得た。
【0310】
(トナー(76))
−トナー粒子(76)の作製−
トナー粒子(56)の作製において光安定剤分散液(3)の代わりに光安定剤分散液(6)を使用すること以外は同様の方法で行い、トナー粒子(76)を得た。
【0311】
−トナー(76)の作製−
トナー(1)の作製において、トナー粒子(1)の代わりにトナー粒子(76)を用いたこと以外は同様に行い、トナー(76)を得た。
【0312】
(トナー(77))
−トナー粒子(77)の作製−
トナー粒子(36)の作製において10%硫酸アルミニウム水溶液の量を1.3部添加すること以外は同様の方法で行い、トナー粒子(77)を得た。
【0313】
−トナー(77)の作製−
トナー(1)の作製において、トナー粒子(1)の代わりにトナー粒子(77)を用いたこと、ヒュームドシリカRX50の代わりに酸化アルミニウムAEROXIDE AluC(日本アエロジル(株)製、個数平均粒子径D50:13nm)を用いたこと以外は同様に行い、トナー(77)を得た。
【0314】
(トナー(78))
−トナー粒子(78)の作製−
トナー粒子(63)の作製において、凝集粒子をイオン交換水で洗浄する際に、使用するイオン交換水に0.3Mに調製した硝酸アルミニウム九水和物(和光純薬工業(株)製)水溶液を5.0g添加したこと以外は、トナー粒子(78)を得た。
【0315】
−トナー(78)の作製−
トナー(1)の作製において、トナー粒子(1)の代わりにトナー粒子(78)を用いたこと以外は同様に行い、トナー(78)を得た。
【0316】
(トナー(79))
−トナー粒子(79)の作製−
トナー粒子(36)の作製において、10%硫酸アルミニウム水溶液の代わりに10%硫酸チタン水溶液を使用すること以外は同様の方法で行い、トナー粒子(79)を得た。
【0317】
−トナー(79)の作製−
トナー(1)の作製において、トナー粒子(1)の代わりにトナー粒子(79)を用いたこと以外は同様に行い、トナー(79)を得た。
【0318】
[実施例1〜51、比較例1〜26]
表1〜表4に従ったトナーを、各実施例、各比較例とした。
【0319】
[評価]
(トナーの分析評価)
・トナーのTHF可溶分のpHを既述の方法に従って調べた。
・トナー(トナー粒子)の金属元素(Al、Mg、Fe、Ca)の含有量C(m)[mass%]と炭素の含有量C(c)[mass%]と酸素の含有量C(o)[mass%]を既述の方法に従って調べた。
【0320】
(定着画像評価)
−現像剤の作製−
各例で得られたトナー5部に対し、キャリア100部を加え、V−ブレンダーを用い40rpmで20分間撹拌し、177μmの網目を有するシーブで篩うことにより、現像剤を得た。
【0321】
なお、キャリアとしては、次のものを用いた。
・フェライト粒子(体積平均粒子径:50μm) 100部
・トルエン 14部
・スチレン−メチルメタクリレート共重合体 2部
(成分比:90/10、Mw=80000)
・カーボンブラック(R330:キャボット社製) 0.2部
まず、フェライト粒子を除く上記成分を10分間スターラーで撹拌させて、分散した被覆液を調製し、次に、この被覆液とフェライト粒子とを真空脱気型ニーダーに入れて、60℃において30分撹拌した後、さらに加温しながら減圧して脱気し、乾燥させることによりキャリアを得た。
【0322】
−評価用画像サンプル作製−
次のようにして、評価用画像サンプルを作製し、これを使用して、耐光及び耐熱性試験、ブリードを評価した。
得られた現像剤を、評価用画像サンプル作製装置としての富士ゼロックス(株)社製Docu Center Color 400の現像器をセットした。そして、記録媒体としては富士ゼロックス(株)社製C2紙を用い、評価用画像サンプル作製装置により1inch四方(2.54cm×2.54cm)のベタ画像を形成した。具体的には、ベタ画像(濃度100%)を形成したときのトナーの付着量(記録媒体上のトナー載り量)が4.5g/m、となるように調整して画像形成を行った。
なお、上記画像形成処理は、23℃、55%RHの環境において行い、解像度800dpiで画像形成を行った。
【0323】
−耐光及び耐熱性試験−
試験前後の評価用画像サンプルの色域差(ΔE)を測色計X−Rite社製X−Rite938で観察した。なおΔEは以下の式で求められる。
・式:ΔE=[(L*1−L*2)2+(a*1−a*2)2+(b*1−b*2)2]1/2
上記式中のL*1、a*1、b*1は、照射前のL*、a*、b*を表し、同様に照射後のものはL*2、a*2、b*2である。
評価基準は、以下の通りである。なお、ΔEが小さい場合、褪色せずに色の変化が小さいため、耐光性が高いと言える。
G1:5未満
G2:5以上10未満
G3:10以上15未満
G4:15以上20未満
G5:20以上
【0324】
ここで、照射試験はATLAS社製SUNTEST CPS+を使用し、以下の条件で実施した。
光源:水冷式キセノンランフ゜
強度:60W/m(300〜400nm)
照射時間:960時間
温湿度:50℃、50%RH
【0325】
(ブリードの評価)
耐光及び耐熱性試験後の評価用画像サンプルを目視によりブリードの有無を評価した。
G1:ブリードは全く見られない
G2:ブリードはわずかに見られるが、画質への影響はなく、許容範囲内
G3:G2よりもブリードが多く見られるが、許容範囲内
G4:画質への影響が無視できないほどブリードが発生し、許容範囲外
【0326】
【表1】

【0327】
【表2】

【0328】
【表3】

【0329】
【表4】

【0330】
上記結果から、本実施例では、比較例に比べ、耐光及び耐熱性試験、ブリード評価について、良好な結果が得られたことがわかる。
【符号の説明】
【0331】
1Y、1M、1C、1K、107 感光体(像保持体の一例)
2Y、2M、2C、2K、108 帯電ローラ(帯電手段の一例)
3Y、3M、3C、3K レーザ光線
3、110 露光装置(静電荷像形成手段の一例)
4Y、4M、4C、4K、111 現像装置(現像手段の一例)
5Y、5M、5C、5K 1次転写ローラ
6Y、6M、6C、6K、113 感光体クリーニング装置
8Y、8M、8C、8K 現像剤カートリッジ
10Y、10M、10C、10K 画像形成ユニット
20 中間転写ベルト
22 駆動ローラ
24 支持ローラ
26 2次転写ローラ(転写手段の一例)
28、115 定着装置(定着手段の一例)
30 中間転写体クリーニング装置
112 転写装置
116 取り付けレール
117 除電露光のための開口部
118 露光のための開口部
200 プロセスカートリッジ、
P、300 記録紙(被転写体)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
結着樹脂と、水酸基を持つ紫外線吸収剤及び水酸基を持つ光安定剤から選択される少なくとも1種と、Al、Mg、Fe、及びCaから選択される少なくとも1種の金属元素と、を含み、
トナーをテトラヒドロフラン(THF)に溶解させたときの可溶分のpHが7.0以上10.0以下であり、
トナー中における、前記金属元素の含有量C(m)[mass%]と炭素の含有量C(c)[mass%]と酸素の含有量C(o)[mass%]とが下記関係式(1)を満たす静電荷像現像用トナー。
・関係式(1)0.01<C(m)/(C(c)+C(o))<0.10
【請求項2】
トナー粒子を有し、
前記トナー粒子が、前記結着樹脂と、前記水酸基を持つ紫外線吸収剤及び前記水酸基を持つ光安定剤から選択される少なくとも1種と、前記Al、Mg、Fe、及びCaから選択される少なくとも1種の金属元素と、を含んで構成されている請求項1に記載の静電荷像現像用トナー。
【請求項3】
前記金属元素が、Alである請求項1又は2に記載の静電荷像現像用トナー。
【請求項4】
前記結着樹脂が、ポリエステル樹脂を含む請求項1〜3のいずれか1項に記載の静電荷像現像用トナー。
【請求項5】
前記結着樹脂が、結晶性ポリエステル樹脂を含む請求項1〜4のいずれか1項に記載の静電荷像現像用トナー。
【請求項6】
請求項1〜5のいずれか1項に記載の静電荷像現像トナーを少なくとも含む静電荷像現像剤。
【請求項7】
請求項1〜5のいずれか1項に記載の静電荷像現像トナーを収容し、
画像形成装置に着脱されるトナーカートリッジ。
【請求項8】
請求項6に記載の静電荷像現像剤を収容し、前記静電荷像現像剤により、像保持体上に形成された静電荷像をトナー画像として現像する現像手段を備え、
画像形成装置に着脱されるプロセスカートリッジ。
【請求項9】
像保持体と、
前記像保持体を帯電する帯電手段と、
帯電した前記像保持体の表面に静電荷像を形成する静電荷像形成手段と、
請求項6に記載の静電荷像現像剤を収容し、前記静電荷像現像剤により、前記像保持体上に形成された静電荷像をトナー画像として現像する現像手段と、
前記像保持体上に形成されたトナー画像を被転写体上に転写する転写手段と、
前記被転写体上に転写されたトナー画像を定着する定着手段と、
を備える画像形成装置。
【請求項10】
像保持体を帯電する帯電工程と、
帯電した前記像保持体の表面に静電荷像を形成する静電荷像形成工程と、
請求項6に記載の静電荷像現像剤により、前記像保持体上に形成された静電荷像をトナー画像として現像する現像工程と、
前記像保持体上に形成されたトナー画像を被転写体上に転写する転写工程と、
前記被転写体上に転写されたトナー画像を定着する定着工程と、
を有する画像形成方法。

【図1】
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【図2】
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【公開番号】特開2013−68826(P2013−68826A)
【公開日】平成25年4月18日(2013.4.18)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−207810(P2011−207810)
【出願日】平成23年9月22日(2011.9.22)
【出願人】(000005496)富士ゼロックス株式会社 (21,908)
【Fターム(参考)】