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静電誘導式タッチシートおよびRFID装置
説明

静電誘導式タッチシートおよびRFID装置

【課題】RFIDアンテナとの位置関係およびそれによるRFID通信への影響を配慮することなく自由に組み付けることが可能な静電誘導式タッチシートおよびこの静電誘導式タッチシートを備えたRFID装置を提供する。
【解決手段】接地したループ回路11がセンサ電極10を囲うように形成された静電誘導式タッチシート5において、ループ回路11に、RFID通信用磁場を抑制する遮蔽電流が流れることを防止するフィルタとして抵抗素子16を設ける。この抵抗素子16によりループ回路11の遮蔽電流の発生が抑制されるため、静電誘導式タッチシート5を、RFIDアンテナ4との位置関係およびそれによるRFID通信への影響を配慮することなく自由に組み付けることができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、静電誘導式タッチシートおよびこれを備えたRFID装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、RFID(Radio Frequency Identification)アンテナコイルを有するインターフェース機器にタッチスイッチシート(以降単にタッチシートという)を組み込む場合、抵抗膜式のタッチシートが広く使用されている。しかし、抵抗膜式の場合にはタッチシートをタッチパネルの表面側に配する必要があるため、1)外部に露出して、指が直接触れるために、耐久性・耐候性が劣る、2)タッチシートの通信線がタッチパネルの表面側に配されるために、この通信線を隠すための縁スペースをタッチ部の周囲に設ける必要が生じ、タッチパネル周りのデザインの制約を受ける、等の問題がある。
【0003】
これに対し、静電誘導式のタッチシートを使用すれば、タッチシートをタッチパネルの裏面側に配しても指の接触を検知できるため、上記問題点を解消できる。
なお、静電誘導式のタッチシートをRFIDと組み合わせた技術の従来例としてはたとえば特許文献1、2に記載のものが挙げられる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2011−2948号公報
【特許文献2】特開2011−2947号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかし、静電誘導式のタッチシートは、RFIDアンテナコイルを有するインターフェースへの組み込みにはほとんど用いられていないのが実状である。なぜなら、静電誘導式のタッチシートの場合、接地用のループ回路がセンサ電極を囲うようにタッチシートの外周に配されたものが多く用いられているが、このループ回路とRFIDアンテナコイルとが近接してレイアウトされると、RFIDアンテナコイルの磁界により前記ループ回路にはRFIDアンテナコイルの磁界を打ち消すような遮蔽電流が流れ、これがRFIDアンテナコイルからのデータ信号を含む磁束を阻害する要因となり得るからである。
【0006】
なお、特許文献1の技術は、導体であるRFIDアンテナコイルがタッチ部の感知面積を減少させてしまうことを課題とした技術であり、接地回路の遮蔽電流の発生に関する記載は一切ない。一方、特許文献2は、タッチシート側からの影響によりRFIDアンテナコイルの通信感度が低下することを解決課題とした技術であり、RFIDアンテナコイルの内側にタッチシートを配したうえで、RFIDアンテナコイルを45〜90度の角度で傾斜させる構造が記載されている。しかしこの構造では、タッチシートの周りにRFIDアンテナコイルを配する構造のため、RFIDアンテナコイルの大型化および機器の筐体のパネル面積の大型化を招き、RFIDアンテナコイルを傾斜配置させることから筐体の奥行き寸法も厚くなる。特に液晶パネルとタッチシートとを積層させてパネル表示部全体をタッチ検知範囲とするような場合には、パネル表示部の周囲にRFIDアンテナコイルを配するための縁スペースが必要となり、機器の筐体形状の設計自由度が低下しやすい構造となる。
【0007】
本発明は、このような問題を解消するために創作されたものであり、RFIDアンテナとの位置関係およびそれによるRFID通信への影響を配慮することなく自由に組み付けることが可能な静電誘導式タッチシートおよびこの静電誘導式タッチシートを備えたRFID装置を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0008】
前記課題を解決するため、本発明の静電誘導式タッチシートは、接地したループ回路がセンサ電極を囲うように形成された静電誘導式タッチシートであって、前記ループ回路に、RFID通信用磁場を抑制する遮蔽電流が流れることを防止するフィルタが設けられていることを特徴とする。
また、本発明のRFID装置は、RFIDアンテナと、前記RFIDアンテナに近接して設けられ、接地したループ回路がセンサ電極を囲うように形成されるとともに当該ループ回路に、RFID通信用磁場を抑制する遮蔽電流が流れることを防止するフィルタが設けられた静電誘導式タッチシートと、を備えることを特徴とする。
【0009】
本発明の眼目は、静電誘導式タッチシートを単体で最も性能を発揮しやすい構成で配置し、一方でRFIDアンテナもそれ自体として最も性能を発揮しやすい構成で配置した場合でも、前者から後者への影響を低減して両者それぞれの機能を高レベルに維持することにある。
本発明の静電誘導式タッチシートおよびRFID装置によれば、ループ回路に、RFID通信用磁場を抑制する遮蔽電流が流れることを防止するフィルタを設けることで、遮蔽電流によるRFID通信の影響を簡単な構成で低減できる。したがって、静電誘導式タッチシートを、RFIDアンテナとの位置関係およびそれによるRFID通信への影響を配慮することなく自由に組み付けることができる。RFID装置にあっては、機器の筐体形状の設計自由度を高めることができる。
【0010】
また、本発明の静電誘導式タッチシートおよびRFID装置は、前記フィルタが抵抗素子であることを特徴とする。
【0011】
フィルタとしては、インダクタなどを使ったローパスフィルタ等も考えられるが、周波数依存性のある素子や回路を使用すると波形ひずみが生じるおそれがある。これに対し、抵抗素子は周波数特性が安定しているため波形ひずみをもたらすおそれがなく、タッチの検知機能を損ねることがない。また、抵抗は安価かつ簡便な素子であるため、経済的なフィルタとなる。
【0012】
また、本発明のRFID装置は、前記RFIDアンテナおよび前記静電誘導式タッチシートを裏面側に配置したタッチパネルを備え、前記RFIDアンテナは、前記タッチパネルの表面にかざされた非接触ICカードのリーダライタ用アンテナからなることを特徴とする。
【0013】
このRFID装置によれば、筐体形状の設計自由度の高いカードリーダライタを実現できる。
【発明の効果】
【0014】
本発明によれば、静電誘導式タッチシートを、RFIDアンテナとの位置関係およびそれによるRFID通信への影響を配慮することなく自由に組み付けることができる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【図1】本発明を適用したカードリーダライタの分解斜視図である。
【図2】本発明を適用したカードリーダライタの平断面図である。
【図3】カードリーダライタを正面視したときのループ回路とRFIDアンテナの位置関係を示す説明図である。
【図4】カードリーダライタの構成ブロック図である。
【図5】本発明を適用した静電誘導式タッチシートの正面図である。
【図6】RFIDアンテナの磁界によりループ回路に遮蔽電流が発生する様子を示した模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
RFID装置を、非接触ICカードの読み書きを行うカードリーダライタとした形態について説明する。図1に示すように、カードリーダライタ1は、前部筐体2および後部筐体3を筐体とし、その内部に、非接触ICカードのリーダライタ用アンテナコイルであるRFIDアンテナコイル(以降単にRFIDアンテナという)4と、静電誘導式タッチシート5と、タッチシート制御基板6と、リーダライタ部7と、コントロール基板8とを備える。
【0017】
前部筐体2はたとえばガラス製(飛散防止フィルム付きの強化ガラスなど)であり、その前面は、指で暗証番号等をタッチ入力するための数字や文字が付されてタッチパネルとして機能する。ガラス(特に強化ガラス)やアクリルなどは耐久性、耐候性に優れているため、正面のタッチパネルとしてこれらガラスやアクリルを用いることで耐久性、耐候性に優れたカードリーダライタ1となる。RFIDアンテナ4は、略矩形状のフィルム基板であるアンテナシート9に薄膜に形成され、たとえば図6にも示すように数回程度周回した矩形ループとして形成されている。したがって、概ねこの矩形ループ内の範囲が非接触ICカードの読み取り可能範囲となる。前部筐体2を正面視したときのRFIDアンテナ4の位置は図3に太破線で示す通りである。
【0018】
図1において、静電誘導式タッチシート5は、略矩形状のフィルム基板からなり、前部筐体2に付された数字、文字に対応する複数のセンサ電極10と、センサ電極10を囲う接地用のループ回路11とが形成されている。センサ電極10、ループ回路11は共に薄膜として形成される。センサ電極10はたとえば格子状に配された多数の電極線からなり、指で触れた数字や文字を検出する。ループ回路11は矩形ループ状に形成された閉ループ回路である。前部筐体2を正面視したときのループ回路11の位置は図3に細破線で示す通りである。ループ回路11はたとえばITO(Indium Tin Oxide)や銀ペーストなどで形成される。
【0019】
図2に示すように、アンテナシート9および静電誘導式タッチシート5は互いに接着剤により重ねられて、タッチパネルを構成する前部筐体2の裏面に接着剤により貼付される。図2では前部筐体2の裏面に対してアンテナシート9、静電誘導式タッチシート5の順で貼付された態様を示しているが、静電誘導式タッチシート5、アンテナシート9の順で貼付しても差し支えない。アンテナシート9と静電誘導式タッチシート5との重ね合わせにより、本実施形態では、図3に示すように、RFIDアンテナ4とループ回路11の各上辺部同士、各下辺部同士が略重なるように配置される。
【0020】
アンテナシート9(RFIDアンテナ4)の引出し部は図2に示すように配線12を介してリーダライタ部7に接続される。リーダライタ部7は配線13を介してコントロール基板8に接続される。静電誘導式タッチシート5(センサ電極10、ループ回路11)の引出しは配線14を介してタッチシート制御基板6に接続される。タッチシート制御基板6は配線15を介してコントロール基板8に接続される。
【0021】
図4はカードリーダライタ1の構成ブロック図である。アンテナシート9は非接触ICカードに対して電磁誘導方式のRFID通信を行う。非接触ICカードから送信されたIDデータが許可されたIDデータであった場合、必要に応じてコントロール基板8の制御によりコントロール基板8からリーダライタ部7に各種コマンドが送信される。リーダライタ部7は、そのコマンドに応じたデータを変調してアンテナシート9から非接触ICカードに送信し、非接触ICカードから受信したデータを復調してコントロール基板8に送信する。
【0022】
タッチシート制御基板6は、静電誘導式タッチシート5に低電圧を印加し、センサ電極10と接地回路であるループ回路11との静電容量の変化を検知することにより、指で触れた数字や文字を特定する。この特定されたデータはコントロール基板8に送信される。
【0023】
さて、アンテナシート9と静電誘導式タッチシート5との重ね合わせにより、RFIDアンテナ4で囲まれた部分とループ回路11で囲まれた部分とは互いに重なることとなる。このような配置構成では、図6に示すように、RFIDアンテナ4で囲まれた部分に発生する磁界Hによって、ループ回路11に遮蔽電流Iが生ずる。この遮蔽電流Iは、RFID通信用磁場を抑制し、前記磁界Hを打ち消すような反作用磁束を発生して、RFIDアンテナ4からのデータ信号を含む磁束を阻害する要因となる。
【0024】
この問題に対し本発明の静電誘導式タッチシート5は、そのループ回路11に、遮蔽電流Iが流れることを防止するフィルタとして抵抗素子16が設けられる。ループ回路11に抵抗素子16を設けることで遮蔽電流Iが低下し、その分RFID通信への影響を抑えることができる。図5ではループ回路11の一対の引出し部にそれぞれ抵抗素子16を入れた態様を示しているが、抵抗素子16の配設位置や個数はこれに限定されない。
【0025】
静電誘導式タッチシート5の機能において重要なことは、接地回路であるループ回路11と各タッチポイントのセンサ電極10との静電容量の変化である。そのため、ループ回路11が抵抗素子16の抵抗値を持ったとしても、その抵抗値がループ回路11からタッチポイントのセンサ電極10までの等価抵抗よりも十分に小さければ、タッチの検知機能が損なわれることはない。本発明者が行った試験の一例としては、抵抗素子16を入れていない状態のループ回路11自体の抵抗値と同程度の抵抗(複数の抵抗を入れた場合はその合計抵抗を指す)を入れて、遮蔽電流Iの抑制とタッチの検知機能確保の両立を図ることができた。
【0026】
ループ回路11の抵抗を上げる方法としては回路の配線幅を狭くすることが思い浮かぶが、この方法では製造上のばらつきや局所的な経年劣化の影響が出やすくなり、これら問題の配慮はループ回路11本来のタッチ検知機能に関する設計自由度を低下させることとなる。これに対して、ループ回路11に抵抗素子16等のフィルタを設ける構成とすれば、ループ回路11の配線幅を狭くするなどループ回路11自体の抵抗値を上げる方法に比して、装置の信頼性、設計の自由度などを高めることができる。
【0027】
抵抗素子16以外のフィルタとしては、RFIDアンテナ4が13.56MHzの周波数帯の通信を行うものである場合、13.56MHzの周波数帯を遮蔽してタッチ信号の周波数帯を通すローパスフィルタなどが挙げられる。しかし、これらローパスフィルタはインダクタ素子等の周波数依存性のある素子や回路から構成されることが多いため、波形ひずみの問題に留意しなければならない。これに対し、抵抗素子16は他のフィルタに比べて周波数特性が安定しているため波形ひずみをもたらすおそれがなく、さらに最も安価かつ簡便な素子であるため、本発明に使用するフィルタとして好適である。
【0028】
抵抗素子16としては、たとえば表面実装用のメタルグレーズチップ抵抗器が挙げられるが、これに限定されず、炭素被膜抵抗などの薄膜抵抗でもよい。
【0029】
以上のように本発明によれば、アンテナシート9と静電誘導式タッチシート5との積層或いは併設によりRFIDアンテナ4とループ回路11とが近接して配置される場合であっても、RFIDアンテナ4の通信機能と静電誘導式タッチシート5のタッチ検知機能の両立を図ることができる。
【0030】
本発明によれば、前部筐体2のようなタッチパネルを備えたRFID装置においては、タッチパネルの裏面側にRFIDアンテナ4と静電誘導式タッチシート5とを近接させて配置できる。したがって、抵抗膜式タッチシートをタッチパネルの表面に配した構造の問題点、すなわち、外部に露出することによるタッチシートの耐久性・耐候性の問題や、タッチ部の周囲にタッチシートとの通信線を配する必要があるためにタッチ部周りにその配線を隠すための額スペースが必要になる問題が解消される。なお前者の問題について、本発明ではタッチシートの代わりにタッチパネルの表面が外部に露出することになるものの、タッチパネルを強化ガラスやアクリルなど耐久性、耐候性に優れた材質から構成することで、耐久性、耐候性に優れたカードリーダライタ1を実現できる。
【0031】
また、本発明によれば、静電誘導式タッチシート5を、RFIDアンテナ4との位置関係およびそれによるRFID通信への影響を配慮することなく自由に組み付けることができ、ひいては機器の筐体形状の設計自由度を高めることができる。特許文献2のようにタッチシートの周りにRFIDアンテナを配する必要もなくなり、前部筐体2の正面視方向から見てループ回路11とRFIDアンテナ4とを重ねて配置することが可能となる。したがって、RFIDアンテナ4の大型化および前部筐体2のタッチパネル面積の大型化を抑制でき、さらに、RFIDアンテナを傾斜配置する必要もないため、前部筐体2、後部筐体3の奥行き寸法の大型化も抑制できる。
【0032】
以上、本発明の好適な実施形態を説明した。説明した実施形態ではRFIDアンテナ4をシート状のものとしているが、RFIDアンテナ4はシート状のものに限定されず、金属線をループ状に加工したものや、基板上にエッチングで形成したものであってもよい。
【符号の説明】
【0033】
1 カードリーダライタ(RFID装置)
2 前部筐体(タッチパネル)
4 RFIDアンテナ
5 静電誘導式タッチシート
6 タッチシート制御基板
7 リーダライタ部
8 コントロール基板
9 アンテナシート
10 センサ電極
11 ループ回路

【特許請求の範囲】
【請求項1】
接地したループ回路がセンサ電極を囲うように形成された静電誘導式タッチシートであって、
前記ループ回路に、RFID通信用磁場を抑制する遮蔽電流が流れることを防止するフィルタが設けられていることを特徴とする静電誘導式タッチシート。
【請求項2】
前記フィルタが抵抗素子であることを特徴とする請求項1に記載の静電誘導式タッチシート。
【請求項3】
RFIDアンテナと、
前記RFIDアンテナに近接して設けられ、接地したループ回路がセンサ電極を囲うように形成されるとともに当該ループ回路に、RFID通信用磁場を抑制する遮蔽電流が流れることを防止するフィルタが設けられた静電誘導式タッチシートと、
を備えることを特徴とするRFID装置。
【請求項4】
前記フィルタが抵抗素子であることを特徴とする請求項3に記載のRFID装置。
【請求項5】
前記RFIDアンテナおよび前記静電誘導式タッチシートを裏面側に配置したタッチパネルを備え、
前記RFIDアンテナは、前記タッチパネルの表面にかざされた非接触ICカードのリーダライタ用アンテナからなることを特徴とする請求項3または請求項4に記載のRFID装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2013−114506(P2013−114506A)
【公開日】平成25年6月10日(2013.6.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−260858(P2011−260858)
【出願日】平成23年11月29日(2011.11.29)
【出願人】(307011510)株式会社熊平製作所 (12)
【Fターム(参考)】