説明

静電選別装置

【課題】一様な電界を広範囲に発生させることが可能な静電選別装置を提供する。
【解決手段】角度θを付して斜めに傾く方向に延ばされた平板電極22と、平板電極22の下方にて平板電極22と所定の選別空間24を挟んで対向するように配置され、かつ平板電極22の方向に沿って相互に隙間C1〜C3をおいて並べられた複数のローラ電極24と、平板電極22とローラ電極23の群との間に電界を形成する直流電源25と、帯電処理された選別対象物を、平板電極22の傾斜方向に沿った速度成分を持つようにして投入する投入ユニット10とを静電選別装置に設ける。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、複数種類の物質が混在する選別対象物を帯電させた状態で電界中に投入して選別する装置に関する。
【背景技術】
【0002】
複数種類の物質が混在した選別対象物を選別する装置として、選別対象物を帯電処理して電界中に投入し、正電荷を帯びた物質を負極側に、負電荷を帯びた物質を正極側にそれぞれ引き寄せて選別対象物中の物質を分離回収する装置が従来から知られている。そのような選別装置における電極の構成としては、単一のドラム電極の外周に針状電極及び板状電極が配置された構成(特許文献1参照)、高さをずらしながら配列された複数のドラム電極の外周に針状又は刃状の高電圧電極が配置された構成(特許文献2参照)、斜めに傾けられた単一のドラム電極の内部に、そのドラム電極の軸線方向に沿って高圧電極が配置された構成(特許文献3参照)、あるいは、少なくとも一対の棒状電極が鉛直方向に沿って対向配置された構成(特許文献4参照)が知られている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2010−29800号公報
【特許文献2】特許第3192940号公報
【特許文献3】特開昭57−68155号公報
【特許文献4】国際公開第2011/016520号パンフレット
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
従来の静電選別装置は、いずれも一様な電界が得られる範囲が狭く、局所的に高い強度の電界を発生させるように構成されている。選別対象物は電界を横切るように投入されるので、電界が狭ければ静電気力が働く範囲も狭く、また電界強度を過度に高め、あるいは電極を過度に長く設定すれば、選別対象物が電極に衝突して跳ね返り、意図しない位置に落下するおそれもある。そのため、従来の静電選別装置は、選別精度を向上させることが困難であり、あるいは、選別対象物の大量処理が困難である、といった不都合が生じる。そこで、本発明は一様な電界を広範囲に発生させることが可能な静電選別装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明の静電選別装置は、鉛直方向とは異なる特定方向に延ばされた第1電極と、前記第1電極の下方にて該第1電極と所定の選別空間を挟んで対向するように配置され、かつ前記特定方向に相互に隙間をおいて並べられた複数の第2電極と、前記第1電極と前記第2電極の群との間に電界を形成する電界形成手段と、帯電処理された選別対象物を、前記特定方向の速度成分を持つようにして前記選別空間に投入する投入手段とを備えている。
【0006】
本発明の静電選別装置によれば、帯電処理された選別対象物中には正電荷を帯びた物質と負電荷を帯びた物質とが混在する。それらの物質のうち、第1電極に印加する電圧の極性によって定まるいずれか一方の電荷を帯びた物質は、選別空間の途中で他方の物質よりも早期に第2電極群の下方に落下する。つまり、正電荷を帯びた物質は静電気力で負極側の電極に、負電荷を帯びた物質は静電気力で正極側の電極にそれぞれ引き寄せられる。それらの静電気力の作用方向の相違により、正電荷を帯びた物質と、負電荷を帯びた物質との間では偏向の程度に差が生じ、第2電極側に引き寄せられる物質の偏向の程度は、第1電極側に引き寄せられる物質のそれと比較して大きい。第2電極は相互に隙間をおいて並べられているので、それらの隙間を通路として、正電荷を帯びた物質及び負電荷を帯びた物質の少なくともいずれか一方の物質を選別空間の途中で第2電極群の下方に落下させることができる。これにより、正電荷を帯びた物質と負電荷を帯びた物質との間で物質の落下位置に差を生じさせ、その差を利用して両物質を区別して回収することができる。
【0007】
本発明の静電選別装置では、第1電極が鉛直方向とは異なる特定方向に延ばされている。そのため、第1電極に引き寄せられる物質には、重力及び静電気力が働き、それらの合力の鉛直下向き成分や投入速度などのパラメータを設定すれば、その物質を第1電極に衝突させることなく意図した位置に落下させることができる。したがって、選別空間を特定方向に拡大して一様な電界を広範囲に亘って生じさせることができる。そのため、帯電処理された選別対象物中の各物質に静電気力を確実に作用させて選別精度の維持向上を図り、あるいは、選別対象物を大量処理することが可能である。
【0008】
本発明の静電選別装置においては、前記特定方向は、鉛直方向と異なる方向であれば足りる。よって、特定方向は水平方向に設定されてもよいし、特定方向が水平方向鉛直方向及び水平方向のいずれに対しても斜めに傾いた方向に設定されてもよい。特定方向を斜めに傾いた方向に設定する場合、前記投入手段は、前記選別空間の斜め上方から前記選別空間内に前記選別対象物を投入するように設けられてもよい。
【0009】
本発明の静電選別装置においては、前記複数の第2電極のそれぞれと前記第1電極との間の距離が相互に等しく設定されてもよい。これによれば、第2電極群と第1電極とが等間隔なので、電界方向に関して選別空間を実質的に一定間隔に形成し、それにより一様で広範囲な電界を比較的容易に生じさせることができる。
【0010】
本発明の静電選別装置においては、前記第2電極の数が3以上に設定され、前記投入手段による前記選別対象の投入位置に最も近い一段目の第2電極と、該第2電極に隣接する二段目の第2電極との間の隙間が、前記第2電極間の他の隙間よりも大きく設定されてもよい。これによれば、第2電極側に引き寄せられる物質の多くを一段目の第2電極と二段目の第2電極との間の隙間を通過させ、それにより選別精度をさらに向上させることができる。
【0011】
本発明の静電選別装置においては、前記第1電極として、前記特定方向に沿って延びる平板電極が設けられてもよい。これによれば、第1電極を容易かつ簡素に構成することができる。また、少なくとも一つの第2電極が、前記第1電極と平行でかつ前記特定方向と直交する軸線の回りに回転可能なローラ電極とされてもよい。ローラ電極を第2電極として利用すれば、そのローラ電極上に物質が付着しても、その物質をローラ電極の回転によって落下させることができる。さらに、前記複数の第2電極のそれぞれが前記ローラ電極とされ、かつ、各ローラ電極の直径が相互に等しく設定されてもよい。全ての第2電極をローラ電極とすれば、ローラ電極の回転による付着物質の落下作用を最大限に発揮させることができる。しかも、ローラ電極の直径を相互に等しく設定すれば、ローラ電極間の隙間の距離、あるいは第2電極群と第1電極との距離の制御をより容易に行うことができる。
【0012】
ローラ電極を設ける場合には、そのローラ電極を前記軸線の回りに回転駆動するローラ駆動手段をさらに設けてもよい。これによれば、選別中に適宜ローラ電極を回転駆動して物質の堆積を防ぐことができる。また、前記ローラ電極の前記選別空間に対する裏側には、当該ローラ電極の外周と接する掻き落とし手段が設けられてもよい。これによれば、ローラ電極に静電気力で物質が吸着された場合でもローラ電極の回転と掻き落とし手段との相互作用によりその物質をローラ電極から容易に落下させることができる。
【0013】
本発明の静電選別装置においては、少なくとも一つの第2電極が、前記選別空間に臨む側と前記選別空間に対する裏側との間を周回するベルト状の走行体を含んでもよい。これによれば、走行体を周回させることにより、ローラ電極の場合と同様に、第2電極上に物質が付着しても、その物質を落下させることができる。また、前記第1電極に関しても、前記選別空間に臨む側と前記選別空間に対する裏側との間を周回するベルト状の走行体を含んでもよい。これによれば、静電気力で第1電極に物質が吸着されたとしても、走行体を周回させてその物質を裏側に排出し、回収することができる。
【0014】
本発明の静電選別装置において、前記投入手段は、所定の搬送面に沿って前記選別対象物を搬送する搬送手段を含み、前記搬送面の前記選別空間側の端部には、前記特定方向と平行な案内面が設けられてもよい。これによれば、搬送手段にて搬送された選別対象物を案内面に沿って案内しつつ選別空間に投入させることにより、選別対象物に対して特定方向に沿った速度成分を確実に与えることができる。また、前記搬送手段として、前記搬送面を搬送方向に往復振動させる振動フィーダが設けられ、前記振動フィーダが前記選別対象物を帯電処理する帯電手段として兼用されてもよい。振動フィーダにて選別対象物を搬送すれば、その搬送過程で摩擦帯電が生じて選別対象物中の物質を帯電処理することができる。したがって、帯電処理を投入とは別のプロセスとして実行する必要性を低減し、あるいはその必要性を解消することができる。振動フィーダへの投入前に選別対象物が帯電処理されている場合には、振動フィーダによる搬送過程でも帯電処理が施されることにより、選別対象物中の物質をより確実に帯電させることができる。さらに、前記案内面が前記第2電極と同電位に設定されてもよい。これによれば、第2電極に引き寄せられるべき電荷を帯びた物質が選別空間に投入される際、案内面からその物質に作用する静電気力を利用して当該物質を第2電極側に偏向させ、その反対極性の電荷を帯びた物質を第1電極側に偏向させることができる。これにより、投入初期の段階から選別対象物中の物質の移動方向に差を生じさせ、選別精度を向上させることができる。
【0015】
本発明の静電選別装置においては、前記選別空間における前記特定方向の一端側にて該選別空間から落下する物質と、前記特定方向他端側にて前記選別空間から落下する物質とを区別して回収する下部回収手段をさらに備えてもよい。これによれば、選別空間で物質固有の帯電特性に応じて選別されて互いに異なる位置に落下する物質を下部回収容器にて回収することができる。また、前記選別空間における前記特定方向の前記他端側には、前記第1電極に隣接し、かつ前記選別空間を前記特定方向に沿って通過する物質を回収する上部回収手段がさらに設けられてもよい。これによれば、選別空間を第1電極沿って通過する物質が生じても、その物質を上部回収手段で回収し、当該物質の回収率を高めることができる。
【発明の効果】
【0016】
以上に説明したように、本発明によれば、第1電極が鉛直方向とは異なる特定方向に延ばされ、その第1電極に沿って複数の第2電極を相互に隙間を空けて配置したため、選別空間を特定方向に拡大して一様な電界を広範囲に亘って生じさせ、それにより、帯電処理された選別対象物中の各物質に静電気力を確実に作用させて選別精度の維持向上を図り、あるいは、選別対象物を大量処理することが可能である。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【図1】本発明の一形態に係る静電選別装置の全体構成を示す斜視図。
【図2】静電選別装置の要部における鉛直方向断面図。
【図3】選別ユニットの概略構成を示す斜視図。
【図4】選別空間内の物質に作用する力を示す図。
【図5】選別空間に生じる電界をコンピュータシミュレーションにて解析した一例を示す図。
【図6】図2の一変形例を示す図。
【図7】図2の他の変形例を示す図。
【図8】図2のさらなる変形例を示す図。
【図9】図8の変形例における投入口付近の物質の挙動を示す図。
【発明を実施するための形態】
【0018】
まず、図1を参照して本発明の一形態に係る静電選別装置の概要を説明する。静電選別装置1は、ベース2と、そのベース2に連結された架台3と、架台3の床板3aに取り付けられた投入ユニット(投入手段)10と、その床板3aとベース2との間に設けられた選別ユニット20とを備えている。投入ユニット10は、選別対象物が投入されるホッパ11と、投入された選別対象物を所定の搬送方向(矢印Fの方向)に搬送する搬送手段としてのフィーダ12を備えている。選別対象物は、プラスチック、紙といった複数種類の物質(特には絶縁物)が粒状に粉砕された状態で存在する混合物である。
【0019】
フィーダ12は、搬送面12aを搬送方向(図中の矢印F方向)に沿って往復振動させて選別対象物を搬送する振動フィーダである。ホッパ11から投入された選別対象物は搬送面12aに落下し、搬送面12aの往復振動に伴ってホッパ11の直下から選別ユニット20に向けて搬送される。フィーダ12の搬送方向先端部には、搬送面12aに対して下り勾配が付されたスロープ(案内面)12bが設けられている。選別対象物はそのスロープ12bから選別ユニット20へと投入される。
【0020】
選別対象物に含まれている物質は、通常、選別前に摩擦帯電等によって帯電処理されるが、フィーダ12による搬送中に生じる摩擦により、帯電順位に応じて正又は負に帯電する。例えば、ポリエチレン樹脂とABS樹脂とが選別対象物に含まれていた場合、帯電順がそれらの中間に位置する材料をフィーダ12の搬送面に選べば、ポリエチレン樹脂は正に帯電し、ABS樹脂は負に帯電する。そのため、フィーダ12は帯電手段としても兼用されている。以下では、正に帯電した物質を正帯電物質と、負に帯電した物質を負帯電物質と呼ぶことがある。正帯電物質は一種類の物質のみに限定されず、複数の物質が正帯電物質として存在することがある。負帯電物質に関しても同様である。例えば、選別対象物に3種類の物質が含まれている場合、いずれか一種類の物質が正又は負のいずれか一方の電荷を帯び、残りの二種類の物質が他方の電荷を帯びるといったように、複数種類の物質が正帯電物質又は負帯電物質として存在することがある。つまり、本明細書において、正帯電物質及び負帯電物質の用語は、選別対象物に含まれる物質を、その電荷により二分する概念として使用されるものであって、それぞれの用語に含まれる物質が一種類に限定されることを意味するものではない。なお、図2及び図3では、黒丸で示された物質が正帯電物質M1であり、白丸で示された物質が負帯電物質M2である。
【0021】
選別ユニット20は、投入ユニット10から投入された選別対象物の正帯電物質と負帯電物質とを静電気の力を利用して分離し、回収する。選別ユニット20は、箱状の筐体21と、その筐体21の内部に配置された平板電極22と、その平板電極22の下面(電極面)22aと所定の選別空間24を挟んで対向する複数(図示例では4個)のローラ電極23A〜23Dとを備えている。平板電極22は第1電極に相当し、ローラ電極23A〜23Dのそれぞれは第2電極に相当する。複数のローラ電極23A〜23Dの群(集合)が第2電極群に相当する。以下において、ローラ電極23A〜23Dを相互に区別する必要がないときは、ローラ電極23と表記する。
【0022】
図2及び図3にも示したように、平板電極22は、その一端部22bがフィーダ12のスロープ12bと対向し、かつその一端部22bから他端部22cに向かって一定の下り勾配が付されるように配置されている。言い換えれば、平板電極22は、鉛直方向及び水平方向のいずれに対しても斜めに傾いた方向に沿って配置されている。スロープ12bは平板電極22と平行に傾けられている。平板電極22の上端部22bとスロープ12bとの間には隙間が設けられ、その隙間が選別空間24への選別対象物の投入口24aとして機能する。したがって、スロープ12bから投入口24aに投入される正帯電物質及び負帯電物質は、いずれも平板電極22の傾斜方向に沿った速度成分を持つことになる。平板電極22の傾斜に沿った方向(図2の矢印D方向)が本発明における特定方向に相当し、以下では、その特定方向のうち投入口24a側を上流側、投入口24aと反対側を下流側と呼ぶことがある。なお、平板電極22の下面22aにおける特定方向に沿った両縁部には、電荷の集中を防ぐための湾曲部22dが設けられている。なお、湾曲部22dの表面を絶縁体にて被覆すれば、電荷の集中をさらに避けることができる。
【0023】
ローラ電極23は、選別空間24の上流側に位置する一段目のローラ電極23Aから下流側に位置する四段目のローラ電極23Dに向かって、平板電極22に沿って列をなすよう下方に順次ずらして配置されている。ローラ電極23と平板電極22との間の距離、言い換えれば、各ローラ電極23と平板電極22の下面22aとの間の最小間隔、は相互に等しい。したがって、図2に示すように、ローラ電極23を軸線方向から見たとき、ローラ電極23は平板電極22と平行な仮想平面Pと接するようにそれらの並び順に従って下方に順次ずれている。平板電極22と仮想平面Pとによって挟まれた空間を実質的な選別空間24として考えれば、選別空間24の間隔、つまり平板電極22と仮想平面Pとの間隔は特定方向の全長に亘って一定である。ローラ電極23A〜23Dの直径は相互に等しい。したがって、ローラ電極23の列を軸線方向から見たとき、それらの軸線は平板電極22と平行な仮想直線L上に並んでいる。なお、ローラ電極23の軸線方向の全長も互いに等しく、かつその全長は平板電極22の幅(ローラ電極23の軸線方向の寸法をいう。)とほぼ同じである。
【0024】
ローラ電極23A〜23Dは、選別空間24の特定方向に沿って相互に隙間C1〜C3が空くように並べられている。隙間C1〜C3は、選別空間24にて分離された物質を選別空間24外に落下させる通路として機能する。最上段(一段目)のローラ電極23Aと二段目のローラ電極23Bとの間の隙間C1は、二段目及び三段目のローラ電極23B、23C間の隙間C2、及び、三段目のローラ電極23Cと最下段のローラ電極23Dと間の隙間C3よりも大きく設定されている。隙間C2、C3は互いに等しい。
【0025】
図2及び図3に示したように、本実施形態では、平板電極22は、電界形成手段としての直流電源25の正極と接続されている。各ローラ電極23は接地されることにより電源25の負極と接続されている。これにより、選別空間24には平板電極22からローラ電極23の群に向かう方向の電界が形成される。なお、平板電極22は、その全体が導電体として構成されてもよいし、選別空間24に臨む下面22a側のみが導電体として構成されてもよい。ローラ電極23もその全体が導電体として構成されてもよいし、その外周側のみが導電体として構成されてもよい。いずれにしても、平板電極22及びローラ電極23は、選別空間24のほぼ全域に亘って一様な電界が生じるように構成されていればよい。
【0026】
図1〜図3に示したように、選別ユニット20には、下部回収容器(下部回収手段)26及び上部回収容器(上部回収手段)27が設けられている。下部回収容器26はローラ電極23の列よりも下方に配置されている。上部回収容器27は平板電極22に対して選別空間24の下流側に隣接して配置されている。下部回収容器26は、選別空間24の特定方向上流側から下流側に向かって第1〜第5の回収室26a〜26eに区分されている。回収室26a〜26eはいずれも選別空間24に向かって開口する。回収室26a〜26eは、ローラ電極23の配置と関連付けられている。すなわち、第1回収室26aは最上段のローラ電極23A及びそれに隣接する隙間C1の下方に配置され、第2回収室26bはローラ電極23B、23C間の隙間C2の下方に配置され、第3回収室26cはローラ電極23C、23D間の隙間C3の下方に配置されている。第4回収室26d及び第5回収室26eは、最下段のローラ電極23Dよりもさらに下流側に、特定方向に沿って並べて配置されている。さらに、第1回収室26aは、最上段のローラ電極23Aを越えて上流側に拡張されている。
【0027】
第1回収室26a〜第4回収室26dのそれぞれの間には適度な厚みを有する隔壁28が配置されている。それらの隔壁28の上端には、ローラ電極23B、23C、23Dの下面側、言い換えれば選別空間24に対する裏側、にてローラ電極23の外周と接するようにして、掻き落とし手段としてのブラシ29が設けられている。ブラシ29は、ローラ電極23Aの下面側(裏側)にも設けられている。隔壁28及びブラシ29はローラ電極23の軸線方向全長に亘って延ばされている。それにより、隙間C1〜C3を通過した物質は、それぞれの隙間C1〜C3に対応する回収室26a〜26cに確実に導かれ、他の回収室26a〜26c、あるいは下部回収容器26の外部といった、意図しない位置に紛れ込むことはない。ただし、掻き落とし手段はブラシ29に限らず、スクレーパ等の適宜の掻き落とし手段を用いてよい。一方、上部回収容器27は、選別空間24の上流側に向かって開口する回収室27aを有している。上部回収容器27の開口部の少なくとも一部は平板電極22よりも選別空間24側に突出し、それにより、上部回収容器27の回収室27aは選別空間24に連なっている。
【0028】
ローラ電極23は、その両端部において、軸線を中心に回転可能な状態で筐体21に取り付けられている。図1に示したように、筐体21の外部には、ローラ駆動手段としての電動モータ30が取り付けられている。電動モータ30の出力軸の回転はギア列31といった運動伝達機構を介して各ローラ電極23に伝達される。それにより各ローラ電極23はその軸線の回りに所定の速度で回転駆動される。ローラ電極23の回転方向は互いに等しく設定されている。その回転方向は、一例として、図3に矢印Rで示したように、ローラ電極23の外周が、その上端側において選別空間24の上流側から下流側に向かって移動するように設定されている。
【0029】
次に、静電選別装置1の動作を説明する。まず、投入ユニット10のホッパ11に選別対象物が投入されると、それらはフィーダ12によりスロープ12bに向かって搬送される。このとき、上述したように選別対象物に含まれている物質は、フィーダ12の帯電処理、つまり摩擦帯電により、正帯電物質M1及び負帯電物質M2に区分される(図2参照)。それらの物質M1、M2はスロープ12bから選別空間24に投入される。
【0030】
選別空間24に投入された物質M1、M2は、その投入時に与えられた速度に従って選別空間24を特定方向に進みつつ、重力加速度の影響で徐々に落下する。しかも、選別空間24には平板電極22からローラ電極23の群に向かう電界が発生しているため、正帯電物質M1と負帯電物質M2との間では落下の程度、つまり下向きに偏向する程度に差が生じる。すなわち、正帯電物質M1には、ローラ電極23の群に向かって引き寄せる方向に静電気力が作用し、負帯電物質M2には平板電極22に向かって引き寄せる方向に静電気力が作用する。つまり、物質M1、M2の間で静電気力の作用方向は互いに逆向きである。その影響で、正帯電物質M1の偏向の程度は、負帯電物質M2のそれよりも大きくなる。これにより、図3に示したように、正帯電物質M1と負帯電物質M2とで移動軌跡に差が生じ、正帯電物質M1は特定方向の上流側にて落下し、負帯電物質M2は特定方向の下流側にて落下する。
【0031】
ここで、図4を参照して、選別空間24の電界中における物質M1、M2(図4では物質Mで代表している。)の挙動をさらに詳細に説明する。電界中において、物質Mには、静電気力のx軸方向成分(特定方向に沿った成分)qEと、これに直交するy軸方向の成分qEと、重力加速度による力mgとが作用する。重力加速度による力mgは物質Mの電荷を問わず常に鉛直方向に沿って下向きに作用する。一方、静電気力のy軸方向成分は正帯電物質M1と負帯電物質M2とでそれぞれ逆向きとなる。つまり、物質Mが正の電荷を有する場合、静電気力は主にy軸正方向に働くが、負の電荷を有する場合、静電気力は主にy軸負方向に働く。このような静電気力の作用方向の相違により、正帯電物質M1は選別空間24の上流側で落下するように偏向し、負帯電物質M2は選別空間24をより遠くまで進んでその下流側で落下するように偏向する。
【0032】
物質M1、M2の移動軌跡は、それらの物質M1、M2の質量m、電荷量(帯電量)q、選別空間24の電界強度E、平板電極22の水平面に対する傾斜角度θ(図2参照)といったパラメータに依存する。すなわち、これらのパラメータを利用して図3の物質Mのx軸方向成分及びy軸方向成分の運動方程式は下式で与えられる。なお、下式中にも明示したように、mは物質Mの1個の質量、qは物質の電荷量、gは重力加速度、Eは電界強度である。添え字xはx軸方向、添え字yはy軸方向をそれぞれ示す。
【0033】
【数1】

【0034】
上記の運動方程式を2階積分すれば、物質Mの水平方向及び鉛直方向の変位は下式で与えられる。ここで、tは時間、Vx0は時間t=0のときのx軸方向の速度、xは時間t=0のときのxの値、Vy0は時間t=0のときのy軸方向の速度、yは時間t=0のときのyの値である。
【0035】
【数2】

【0036】
したがって、正帯電物質M1が上流側の隙間C1から落下し、負帯電物質M2がローラ電極23の群を越えて落下するように、各パラメータ及び電極22、23間の距離、ローラ電極23A〜23Dの間隔を設定すれば、正帯電物質M1を第1回収室26aに、負帯電物質M2を第4回収室26d又は第5回収室26eにそれぞれ区別して回収することができる。ローラ電極23に付着した物質は、ローラ電極23を回転駆動してブラシ29にて掻き落とすことにより、対応する回収室26a〜26dに落下させることが可能である。
【0037】
なお、負帯電物質M2は平板電極22に向かって引き寄せられるため、静電気力が過度に大きく、平板電極22とスロープ12bとの間の角度が直角に近くなると、平板電極22における物質M2の跳ね返りが生じて物質M2が意図した位置よりも特定方向上流側で落下するおそれが生じる。しかし、スロープ12bは平板電極22と平行になるように設置されているため、物質M2が平板電極22に衝突したとしても、特定方向下流側に落下する。
【0038】
フィーダ12による帯電処理では、同一物質間の電荷量にもばらつきが生じるおそれがあり、正帯電物質M1及び負帯電物質M2の一部には十分な電荷が与えられないことがある。そのような物質は、図3に示したような、予定された移動軌跡を描いて落下せず、中間的な移動軌跡を描いて隙間C2、C3から落下して第2回収室26b又は第3回収室26cに回収されることがある。この種の物質は、再選別処理の対象とすればよい。再選別処理は、それらの物質を投入ユニット10のホッパ11に戻すか、あるいは別の静電選別装置1による選別対象とすればよい。負帯電物質M2に関しては、意図した範囲を越える量の電荷を帯びることがある。そのような過度の負電荷を帯びた物質は、選別空間24をほぼ真っ直ぐ通過して第4回収室26dにも第5回収室26eにも落下しないおそれがある。しかし、本形態の静電選別装置1では、平板電極22の下流側に上部回収容器27が配置されている。したがって、選別空間24をほぼ真っ直ぐに通過する負帯電物質M2が生じても、その物質M2を上部回収容器27の回収室27aにて回収することが可能である。第1回収室26aに回収された正帯電物質M1が複数の物質を含んでいる場合には、その正帯電物質M1のみを対象として、再度摩擦帯電等による帯電処理を行えば、それらの物質は種類ごとに正と負とに帯電するため、ホッパ11に投入すれば、選別ユニット20にて上記の通り選別して回収することができる。負帯電物質M2が複数の物質を含んでいる場合にも同様に再処理すればよい。
【0039】
以上に説明した静電選別装置1によれば、平板電極22の下方に選別空間24を挟んで複数のローラ電極23を並べているので、単一のローラ電極を平板電極や針状電極等と対向配置する従来例と比較して、選別空間24をその特定方向に十分に長く確保して、一様でかつ高い電界を広範囲に発生させることが可能である。平板電極22を特定方向に延長し、かつローラ電極23の個数を増加させることにより、電界の範囲を特定方向にさらに拡大することもできる。そのため、選別対象物中の物質に静電気力を確実に作用させて選別精度の維持向上を図り、あるいは、選別対象物を大量処理することが可能となる。
【0040】
また、静電選別装置1によれば、以下のような作用効果も奏する。まず、第1回収室26aを最上段のローラ電極23Aよりも上流側に拡張しているので、ローラ電極23Aに達する以前に落下した正帯電物質M1も逃すことなく回収することができる。最上段のローラ電極23Aと二段目のローラ電極23Bとの間の隙間C1を他の隙間C2、C3と比較して大きく設定しているので、ローラ電極23側に引き寄せられる正帯電物質M1を第1回収室26aに確実に導いて回収率を高めることができる。例えば、ローラ電極23の位置を、電界がないときに投入された物質が自然落下する位置付近に設定した場合、自然落下する位置よりも上流側で回収される物質、あるいは下流側で回収される物質は、電界の何らかの作用を受けて偏向落下したものである。したがって、隙間C1を拡大すれば、重力加速度と初速との合力に逆らって特定方向上流側にて偏向落下する物質の回収率を高めることができる。このような作用は、電極が鉛直方向に延ばされた従来の静電選別装置では不可能であり、鉛直方向とは異なる特定方向に沿って選別空間が延ばされた本実施形態の静電選別装置1の利点である。第2電極としてローラ電極23が設けられ、選別中に各ローラ電極23が回転駆動されているので、正帯電物質M1がローラ電極23に静電気力で吸着しても、その物質M1をブラシ29で掻き落とすことができる。あるいは、ローラ電極23上に自重で落下した物質があっても、その物質をローラ電極23の回転によって搬送して回収室26a〜26dに落とすことができる。それにより、ローラ電極23上における物質の堆積を防止することが可能である。さらに、ローラ電極23が3個以上設けられているので、二段目のローラ電極23Bに正帯電物質M1が衝突しても、負帯電物質M2の回収が予定されている回収室26d、26eへの正帯電物質M1の混入を抑えることができる。
【0041】
図5は、静電選別装置1の平板電極22とローラ電極23との間に生じる電界をコンピュータシミュレーションにて解析した例を示すベクトル図である。これによれば、電界の方向は、一様に平板電極22からローラ電極23に向かっていることが理解できる。
【0042】
本発明は上述した形態に限定されず、種々の形態にて実施することが可能である。例えば、第1電極及び第2電極は図示の例に限定されない。図6に示した例では、第1電極が、傾斜角度θを有するガイド40aの周囲にベルト状の走行体40bが巻き付けられたコンベア型電極40として構成されている。これによれば、走行体40bを選別空間24に臨む下面22a側とその反対側との間で周回させることにより、第1電極に付着した物質を裏側(上面側)に搬送して回収することができる。また、図6の例では、最上段の第2電極が、ローラ電極に代えて、傾斜角度θを有するガイド41aの周囲にベルト状の走行体41bが巻き付けられたコンベア型電極41として構成されている。この場合も、走行体41bを選別空間24に臨む側とその反対側との間で周回させることにより、第2電極に付着した物質を落下させて回収することができる。図7に示したように、第1電極は、複数の棒状電極22Bを特定方向に沿って並べることにより、実質的に平板電極22として機能するように構成されてもよい。いずれにしても、第1電極は鉛直方向に対して交差する特定方向に延ばされていれば足り、その形状は平板状に限定されるものではない。例えば、平板電極22の下面22aに、電界の強度分布に支障が生じない程度で凹凸が付されてもよい。
【0043】
図8に示す例では、フィーダ12のスロープ12bがローラ電極23と同電位となるように接地されている。この場合には、物質M1、M2がスロープ12bを通過する際に、それらの物質M1、M2に互いに逆向きの静電気力が作用する。その結果、図9に矢印で示したように、選別空間24への投入初期の段階で物質M1、M2の移動方向に差が生じ、正帯電物質M1は負帯電物質M2と比較して下方により強く偏向する。このため、選別精度のさらなる向上を図ることができる。
【0044】
上部回収容器27は、その必要がなければ省略可能である。下部回収手段は、複数の回収室26a〜26eに区分された箱状の下部回収容器26に限らない。例えば、複数の回収室の底部にシューター、ベルトコンベアといった搬送手段を配置して、各室に落下した物質を逐次搬出し、回収するように下部回収手段を構成してもよい。
【0045】
上記の静電選別装置1では、第1電極を角度θで斜めに傾けているが、角度θは0°であってもよい。つまり、選別空間24の特定方向が水平方向に延びるように、第1電極及び第2電極群が配置されてもよい。すなわち、特定方向は鉛直方向と異なっていれば足りる。特定方向を水平方向に設定した場合でも、第1電極への物質の衝突を避けるように電界強度等のパラメータを設定すれば、選別精度を高く維持することが可能である。
【0046】
本発明において、第2電極は、第1電極の下方に選別空間を挟んで対向配置され、かつ第1電極に沿って間隔を空けて配置されていれば足り、ローラ電極23あるいはコンベア型電極41のように、その表面が回転又は周回できる構成の電極に限らない。例えば、複数本の棒状電極を第2電極として設けてもよい。選別対象物の帯電処理は、フィーダ12にて搬送と並行して行われる例に限らない。投入手段に投入する前の段階で選別対象物が帯電処理されてもよい。帯電処理には、摩擦帯電による例に限らず、コロナ帯電処理等が用いられてもよい。
【符号の説明】
【0047】
1 静電選別装置
10 投入ユニット(投入手段)
12 フィーダ(搬送手段)
12b スロープ(案内面)
20 選別ユニット
22 平板電極(第1電極)
22B 棒状電極
23A、23B、23C、23D ローラ電極(第2電極)
24 選別空間
24a 投入口
25 直流電源(電界形成手段)
26 下部回収容器(下部回収手段)
27 上部回収容器(上部回収手段)
29 ブラシ(掻き落とし手段)
30 電動モータ(ローラ駆動手段)
40 コンベア型電極(第1電極)
40b ベルト状の走行体
41 コンベア型電極(第2電極)
41b ベルト状の走行体

【特許請求の範囲】
【請求項1】
鉛直方向とは異なる特定方向に延ばされた第1電極と、
前記第1電極の下方にて該第1電極と所定の選別空間を挟んで対向するように配置され、かつ前記特定方向に相互に隙間をおいて並べられた複数の第2電極と、
前記第1電極と前記第2電極の群との間に電界を形成する電界形成手段と、
帯電処理された選別対象物を、前記特定方向の速度成分を持つようにして前記選別空間に投入する投入手段と、
を備えた静電選別装置。
【請求項2】
前記特定方向が鉛直方向及び水平方向のいずれに対しても斜めに傾いた方向に設定され、前記投入手段は、前記選別空間の斜め上方から前記選別空間内に前記選別対象物を投入するように設けられている請求項1に記載の静電選別装置。
【請求項3】
前記複数の第2電極のそれぞれと前記第1電極との間の距離が相互に等しく設定されている請求項1又は2に記載の静電選別装置。
【請求項4】
前記第2電極の数が3以上に設定され、前記投入手段による前記選別対象の投入位置に最も近い一段目の第2電極と、該第2電極に隣接する二段目の第2電極との間の隙間が、前記第2電極間の他の隙間よりも大きく設定されている請求項1〜3のいずれか一項に記載の静電選別装置。
【請求項5】
前記第1電極として、前記特定方向に沿って延びる平板電極が設けられている請求項1〜4のいずれか一項に記載の静電選別装置。
【請求項6】
少なくとも一つの第2電極が、前記第1電極と平行でかつ前記特定方向と直交する軸線の回りに回転可能なローラ電極とされている請求項1〜5のいずれか一項に記載の静電選別装置。
【請求項7】
前記複数の第2電極のそれぞれが前記ローラ電極とされ、かつ、各ローラ電極の直径が相互に等しく設定されている請求項6に記載の静電選別装置。
【請求項8】
前記ローラ電極を前記軸線の回りに回転駆動するローラ駆動手段を備えた請求項6又は7に記載の静電選別装置。
【請求項9】
前記ローラ電極の前記選別空間に対する裏側には、当該ローラ電極の外周と接する掻き落とし手段が設けられている請求項6〜8のいずれか一項に記載の静電選別装置。
【請求項10】
少なくとも一つの第2電極が、前記選別空間に臨む側と前記選別空間に対する裏側との間を周回するベルト状の走行体を含んでいる請求項1〜5のいずれか一項に記載の静電選別装置。
【請求項11】
前記第1電極が、前記選別空間に臨む側と前記選別空間に対する裏側との間を周回するベルト状の走行体を含んでいる請求項1〜10のいずれか一項に記載の静電選別装置。
【請求項12】
前記投入手段は、所定の搬送面に沿って前記選別対象物を搬送する搬送手段を含み、前記搬送面の前記選別空間側の端部には、前記特定方向と平行な案内面が設けられている請求項1〜11のいずれか一項に記載の静電選別装置。
【請求項13】
前記搬送手段として、前記搬送面を搬送方向に往復振動させる振動フィーダが設けられ、前記振動フィーダが前記選別対象物を帯電処理する帯電手段として兼用されている請求項12に記載の静電選別装置。
【請求項14】
前記案内面が前記第2電極と同電位に設定されている請求項12又は13に記載の静電選別装置。
【請求項15】
前記選別空間における前記特定方向の一端側にて該選別空間から落下する物質と、前記特定方向他端側にて前記選別空間から落下する物質とを区別して回収する下部回収手段をさらに備えた請求項1〜14のいずれか一項に記載の静電選別装置。
【請求項16】
前記選別空間における前記特定方向の前記他端側には、前記第1電極に隣接し、かつ前記選別空間を前記特定方向に沿って通過する物質を回収する上部回収手段がさらに設けられている請求項15に記載の静電選別装置。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate

【図9】
image rotate


【公開番号】特開2012−232272(P2012−232272A)
【公開日】平成24年11月29日(2012.11.29)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−104313(P2011−104313)
【出願日】平成23年5月9日(2011.5.9)
【出願人】(599016431)学校法人 芝浦工業大学 (109)
【出願人】(592142072)協和工業株式会社 (4)
【Fターム(参考)】