説明

非アルコール生理活性精油口内洗浄剤の調製方法

【課題】口内洗浄剤の調製方法を提供する。
【解決手段】本発明は概して、口臭の予防及び除去のため並びに歯垢及び虫歯の発生の原因である口内微生物の削減のための、口内洗浄剤などの液体に関する。特に本発明は、上述の問題の防止に有効な非アルコール又はアルコールを減らした口内洗浄剤の調製方法に関する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は概して、口臭の予防及び除去のため並びに歯垢及び虫歯の発生の原因である口内微生物の削減のための、口内洗浄剤などの液体に関する。特に本発明は、上述の問題の防止に有効な非アルコール又はアルコールを減らした口内洗浄剤の調製方法に関する。
【背景技術】
【0002】
口内洗浄剤又は口内洗浄液組成物は、口臭防止のために、あるいは口臭のみならず虫歯、歯垢、並びに歯肉炎及び歯周炎などの歯肉疾患の原因である細菌及び他の口内微生物の除去のために、人々により長年使用されてきた。この目的のために消毒剤口内洗浄液が、口腔の清浄化、さわやかな息の提供及びこれらの病原性病原菌の殺菌のために、これまでに考案されている。
【0003】
主要な消毒剤口内洗浄剤は、伝統的にアルコール(すなわエタノール)をかなり高いレベルで、口内洗浄液の全容量に基づき容量(以後「% v/v」と称する)およそ20%〜約30%の範囲で含んでいる。アルコールは、その中に活性成分及び収れん剤、フッ化物、着色料、フレーバーオイルなどの添加剤が溶解され次いで溶液に分散され得る、ビヒクル及び溶媒の両方として使用されている。アルコールはまた、保存中及び使用中に口内洗浄剤に防腐剤的な役割を提供し、又フレーバーオイルの感覚刺激性のきっかけを増大する。
【0004】
しかし、アルコールの高レベルの使用は、口内洗浄液の一部のユーザーに受け入れられないことが時として見いだされることがある。高齢者も、これらの口内洗浄剤によるうがいに関する問題について不満を漏らしており、また長期にわたる曝露は、高濃度のアルコールにより生ずる歯肉の「火傷」感覚を生ずることが見いだされている。アルコール口内洗浄剤は、嫌な口渇感覚を生ぜしめることがあることも報告されている。
【0005】
一方、これらの口内洗浄剤組成物中のアルコールのレベルを低下させることは、大きな不利益伴うことがある。このような不利益には、口内洗浄剤活性物質及び/又は他の口内洗浄剤成分の溶解度の低下が含まれる。
【0006】
例えば、市販の口内洗浄剤組成物中のアルコール濃度を低下させる(すなわちアルコールの水による置換)と、濁った又は不透明な組成物となることが見いだされている。澄んだ口内洗浄剤溶液は、濁った不透明な又はそうでなければ不均一な洗浄剤溶液より、顧客に間違いなくより好まれるので、濁った又は不透明な組成物は美的観点から明らかに不利益を提起する。
【0007】
加えてより低いアルコール濃度は口臭、歯垢及び歯肉疾患の原因である口内微生物を殺菌する組成物の能力の顕著な低下をももたらすことが、見いだされている。抗菌活性のこの喪失は、ビヒクルとしてのアルコールの減少のみならず、溶解した活性物質の生物学的利用能の減少にも起因する。
【0008】
例えば、チモールはよく知られた消毒剤化合物であり、また精油としても知られており、その抗菌活性ゆえに種々の口内洗浄液又は口内洗浄剤製剤に使用されている。特に、チモールは口内洗浄剤などの口腔衛生組成物中に、望ましい治療効果をもたらすのに十分な量が使用され得る。チモールを含む口内洗浄液はよく知られており、100年を超える年月にわたり、多数の人々により使用されてきた。これらは、歯垢、歯肉炎及び口臭の原因である口腔内の病原菌の殺菌に有効であることが証明されている。チモールは、サリチル酸メチル、メントール及びオイカリプトールなどの精油とともに、幾つかの消毒剤口内洗浄剤中の活性成分を包含している。これらの油は少量の存在にもかかわらず、高い有効性を達成している。特定の理論に制限されるものではないが、消毒剤口内洗浄剤の有効性及び味は、油分の改善された分散又は溶解、及びこれらの4つの活性成分のこのような分散又は溶解後の生物学的利用能に基づく可能性があると、現在信じられている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
それゆえ明らかに、顧客にとって美的に嬉しい精油の改良された分散又は溶解性を提供し、しかも口臭を防止し、口内病原菌を殺し、歯垢を減少させ又は除去する精油の生物学的利用能を保持する、削減されたアルコール及び/又は非アルコールの口内洗浄剤並びにこれらの又は他の液体の製造方法の開発に関する必要性が相当ある。
【0010】
従って本発明の態様は、濁度又は濁りが削減された油又は油性構成成分を含む液体組成物である。
【0011】
本発明の他の態様は、顧客にとって美的に嬉しく、精油の改良された分散又は溶解性を提供し、しかも口臭を防止し口内病原菌を殺し、歯垢を減少し又は除去する精油の生物学的利用能を保持する、口内洗浄剤組成物の提供である。
【課題を解決するための手段】
【0012】
ある実施形態においては、本発明は液体組成物又は口内洗浄剤の調製方法であって、
a.)第1プレミックス組成物を調製する工程であって、
i.第1油又は油性構成成分と、
ii.任意に第1ポリオール溶媒と、
iii.任意に香味料とを含む第1プレミックス組成物を調製する工程と、
b.)第2プレミックス組成物を調製する工程であって、
i.第1油又は油性構成成分の疎水性より低い程度の疎水性を有する第2油又は油性構成成分、及び
ii.第2ポリオール溶媒を含む第2プレミックス組成物を調製する工程と、
c.)第3プレミックス組成物を調製する工程であって、
i.少なくとも1つの界面活性剤、及び
ii.水を含む水相を含む第3プレミックス組成物を調製する工程と、
d.)第1プレミックスを第3プレミックスに加える工程と、
e.)工程d.)の組成物を均一かつ均質となるまで混合する工程と、
f.)第2プレミックスを工程e.)の組成物に加え、均一かつ均質になるまで混合する工程と、
g.)任意に糖アルコール溶媒を加える工程と、
h.)任意に工程g.)の組成物を均一かつ均質になるまで混合する工程と、を含む、液体組成物又は口内洗浄剤の調製方法に関する。
【0013】
ある実施形態においては、液体組成物又は口内洗浄剤は削減されたアルコールまたは非アルコール組成物である。
【0014】
更なる実施形態においては、0.5(又は約0.5)、任意に1.0(又は約1.0)、任意に2.0(又は約2.0)、又は任意に3.0(又は約3.0)を超えるM−ファクターで評価される、高いレベルの抗菌活性を示す、削減されたアルコール又は非アルコール抗菌性口内洗浄剤組成物の調製方法が開示され、「M−ファクター」は陰性対照として使用される水で処理したバイオフィルムのlog RLU値から試験される口内洗浄剤組成物により処理されたバイオフィルムのlog RLU値を引いた値に等しい。これに加えて、本発明の経口口内洗浄剤組成物は澄んでおり(人間の肉眼にとって)、美的に魅力のある製品である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
本発明の液体又は口内洗浄物組成物は、本明細書に記載される本発明の必須要素及び制限事項、並びに本明細書に記載される追加若しくは任意の成分、構成要素、又は制限事項のいずれかを含み、これらから成り、又はこれらから本質的になることができる。本明細書において使用される用語「を含む(comprising)」(及びその文法的変形)は、「有する(having)」又は「含有する(including)」を包括する意味で用いられ、「のみからなる(consisting only of)」の排他的な意味では使われない。
【0016】
本明細書で使用される用語「a」及び「the」は単数の他に複数も包含すると理解される。
【0017】
特に指示がない限り、引用される全ての文献は、その関連部分について本明細書に援用されるが、いずれの文献の引用もそれが本発明に関連する先行技術であることの容認と解釈されるべきではない。更に、全体が本明細書に援用される全ての文書は、これらが本明細書に矛盾しない範囲においてのみ本明細書に組み込まれる。
【0018】
本明細書に記述される削減されたアルコール又は非アルコール口内洗浄液及び口内洗浄剤組成物は、口の悪臭並びに歯垢及び歯石の蓄積、これに続くその結果としての歯及び歯肉疾患に関与する口内微生物に対して、1つ以上の抗菌精油の抗菌的に有効な量を提供する。
【0019】
「抗菌的に有効な量」という語句は、口内微生物に対して毒活性を有する状態に特定の医学的な目的を達成できる、本発明の化合物の濃度又は量又はレベルを意味する。
【0020】
語句「経口的に許容できる」とは、過度の毒性、不適合性、不安定性、アレルギー反応等なしに、キャリアが、口腔表面に塗布されるのに、又は哺乳類若しくはヒトが挙げられるが、これらに限定されない生物により摂取されるのに好適であることを意味する。
【0021】
百分率、部及び比率は全て、特に指定しない限り、本発明の組成物の総重量に基づいている。列挙された成分に関連するこのような重量はすべて、記述した特定の成分のレベルに基づいているので、特に指定しない限り、市販の物質に含まれることがあるキャリア又は副産物を含まない。
【0022】
語句「削減されたアルコール」又は「アルコールの削減されたレベル」は、液体組成物が実質的にアルコールを含まないことを意味し、これは本発明の液体組成物又は口内洗浄剤がC〜Cの一価アルコールを容量で全組成物の10% v/v(又は約10% v/v)まで、任意に5% v/v(又は約5% v/v)まで、任意に1.0% v/v(又は約1.0% v/v)まで、任意に0.1% v/v(又は約0.1% v/v)まで含むことを意味する。任意に、本発明の組成物は、C〜Cの一価アルコールを含まない。
【0023】
本明細書において使用される用語「滅菌水」は、米国薬局方の洗浄/注射用の滅菌水を意味する。米国薬局方指定は、洗浄/注射用滅菌水が現在(本出願の出願日)の米国薬局方公式モノグラフの対象であることを意味する。
【0024】
特に指定のない限り、「油」又は「油性構成成分」は、任意の疎水性の水不混和性化合物を意味し、精油(メントール、チモール、ユーカリプトール及びサリチル酸メチルなど);他のフレーバーオイル;1−デセン−3−オールなどの不飽和脂肪族長鎖アルコール及び/又はアルデヒド;シス−2−ノネン−1−オール、トランス−2−デセナール及びこれらの混合物;有機酸、ビタミンE、ビタミンEアセテート、アピゲニン、トリクロサン及びこれらの混合物などの他の疎水性化合物;並びに上に開示された疎水性、水不混和性の任意の化合物の混合物;が挙げられるが、これらに限定されない。
【0025】
本発明の油若しくは油性構成成分又はこれらの油若しくは油性構成成分の任意の混合物の、用語「疎水性の」、「疎水性」又は「疎水性のレベル」は、オクタノール水分配係数(Kow)により示される。Kowは、特定の温度において平衡状態にあるオクタノールと水との2相系における、オクタノール相中の油又は油性構成成分の重量濃度と、水相中の油又は油性構成成分の重量濃度と、の比である。Kowの対数をlog Pと称する。Kowの算出に使用される実験値は、通常20℃〜25℃の温度で測定される。
【0026】
あるいは、log P値は、Daylight CISからも入手可能な「C LOG P」プログラムによって計算するのが便利である。このプログラムは、log Pの実験値がPomona92データベースで利用できる場合には、実験によるlog Pの値も表に示している。「log Pの計算値」(C log P)は、Hansch及びLeo(A.Leo,Comprehensive Medicinal Chemistry,Vol.4,C.Hansch,P.G.Sammens,J.B.Taylor及びC.A.Ramsden編集、295ページ、Pergamon Press、1990を参照、本明細書に援用する)のフラグメント手法により求められる。このフラグメント手法は、各油又は油性構成成分の化学構造に基づき、原子の数と種類、原子の連結性及び化学結合を考慮に入れる。信頼できると考えられておりこの物理化学特性の推定に広く使用されるC log P値は、log P値の評価に、実験によるKow法に代わって使用できる。
【0027】
油又は油性構成成分のlog Pが高いほど、油又は油性構成成分はより疎水性(又は疎水性のレベルがより大きい)である。
【0028】
本明細書において使用される場合、用語「濁度」は通常肉眼で見えない個々の粒子(懸濁する固体又は液体)に起因する、液体の濁り又はぼんやりを意味する。液体は、種々の粒径からなる懸濁固体又は液体を含むことができる。多少の懸濁物質は、液体試料が静置されると容器の底に急速に沈む(又は異なる層に分離する)のに十分大きく又重いであろうが、試料が定期的にかき混ぜられるか粒子がコロイド状態であると、非常に小さな粒子は徐々にしか又は全く沈まない(又は分離しない)。これらの小さい固体又は液体粒子が液体を不透明に見せる。
【0029】
これらの粒子の特性の1つは、これらに当たる光線を散乱することである。この光散乱効果は水中の濁度のよい尺度であると考えられる。これによる濁度の測定は、光線方向の横に設置した検出器を有する濁度計と呼ばれる機器を使用する。水中により多くの粒子が浮遊していると、より多くの光が検出器の方向に散乱され、検出光の値が高くなる。検出光のより低い値は、よりきれいな又はより低い濁りの溶液を意味する。検量された濁度計からの濁度の単位は比濁計濁度単位(NTU)と称される。きれいな製剤はNTUが12(約12)未満の製剤と定義される。
【0030】
第1プレミックス組成物
本発明の液体又は口内洗浄剤組成物は、第1プレミックス組成物を含む。
【0031】
ある実施形態においては、第1プレミックス組成物は第1油又は油性構成成分及び第1ポリオール溶媒を含む。
【0032】
第1油又は油性構成成分
本発明の第1プレミックス組成物は第1油又は油性構成成分を含み、第1油又は油性構成成分は任意の油又は油性構成成分又はこれらの油又は油性構成成分の混合物である。ある実施形態においては、第1油又は油性構成成分は、2.1(又は約2.1)、任意に2.2(又は約2.2)以上の、またはそれを超えるlog Pを有する。ある口内洗浄剤などの実施形態においては、本発明の第1油又は油性構成成分は少なくとも1つの抗菌性精油を含む。
【0033】
抗菌性精油
ある実施形態においては、本明細書に述べる非アルコール口内洗浄剤組成物の抗菌性の改善された有効性は、少量の1つ以上の抗菌性又は生理活性精油(すなわちチモール、オイカリプトール、メントール及びサリチル酸メチル)の存在に起因すると考えられる。
【0034】
チモール、[(CHCHC(CH)OH、またイソプロピル−m−クレゾールとしても知られている]は、水にごくわずかに溶解するが、アルコールには溶解し、その存在が、定評のある高アルコールの商業口内洗浄剤に、アルコールが必要であった理由の1つである。サリチル酸メチル、(COHCOOCH、また冬緑油としても知られている)は、その抗菌性機能とともに香りを更に提供する。オイカリプトール(C1018O、またシネオールとしても知られている)はテルペンエーテルであり、涼しいピリッとした味わいを与える。ユーカリプトールは、ある製剤において、必要に応じてチモールの代わりに同量使用してもよい。メントール(CH(C)OH、ヘキサヒドロチモールとしても知られている)もアルコールにわずかに溶解し、かなり揮発性である。メントールは、いくらかの消毒剤特性に加えて、冷却、ヒリヒリ感を提供する。
【0035】
ある実施形態においては、精油は口腔内に抗菌活性を提供するために効果のある量で使用される。具体的な実施形態においては、開示した組成物中に存在する精油の全量は、組成物の0.001%(又は約0.001%)〜0.35%(又は約0.35%)w/v、又は任意に0.16%(又は約0.16%)〜0.28%(又は約0.28%)w/vであり得る。
【0036】
幾つかの実施形態においては、本発明の組成物は、チモール及び更にオイカリプトール、メントール、若しくはサリチル酸メチル又はこれらの混合物を含む。任意に、組成物は4つのこれらの精油すべてを含む。
【0037】
ある実施形態においては、チモールは組成物の0.001%(又は約0.001%)〜0.25%(又は約0.25%)w/v、又は任意に0.04%(又は約0.04%)〜0.07%(又は約0.07%)w/vの量、使用される。ある実施形態においては、オイカリプトールは組成物の0.001%(又は約0.001%)〜0.11%(又は約0.11%)w/v、又は任意に0.085%(又は約0.085%)〜0.10%(又は約0.10%)w/vの量、使用されることがある。ある実施形態においては、メントールは組成物の0.001%(又は約0.001%)〜0.25%(又は約0.25%)w/v、又は任意に0.035%(又は約0.035%)〜0.05%(又は約0.05%)w/vの量、使用される。ある実施形態においては、サリチル酸メチルは組成物の0.001%(又は約0.001%)〜0.08%(又は約0.08%)w/v、又は任意に0.04%(又は約0.04%)〜0.07%(又は約0.07%)w/vの量、使用される。
【0038】
ある実施形態においては、精油(活性成分)のキャリアは通常水−アルコール混合物であり、一般的には水−エタノールである。過去において、ある経口消毒剤口内洗浄剤組成物が、約27% v/vまでのエタノールレベルを必要とした。このような高レベルは、必要な抗菌性機能を提供するとともに澄んだ美的に魅力のある液体媒質の提供において、活性物質を補助するために必要であった。他の製剤構成成分を加えることなく、単にアルコールレベルを削減することは、濁ったより低い有効性の製品となる。
【0039】
いかなる理論にも束縛されるものではないが、これらの高アルコールレベルの口腔用組成物においては、アルコールは抗菌性精油を溶解し、そうすることにより精油に生理活性を保つように作用していると信じられている。抗菌性精油は溶液全体により容易に分散し、自由に束縛されることなく留まり、口腔全体の病原性病原菌を攻撃する。アルコールレベルの削減はこの増進機構に悪く作用すると信じられていた。しかし本発明によれば、口内洗浄剤組成物が本明細書において教示される溶媒系及び界面活性剤を含む場合には、抗菌性の有効性又は清澄さを犠牲にすることなく、アルコールのレベルの削減又は削除ができることが驚くべきことに予想外に見いだされた。
【0040】
第1ポリオール溶媒
ある実施形態においては、第1ポリオール溶媒は第1プレミックス組成物に加えられる。第1ポリオール溶媒は、ポリハイドリックアルカン(プロピレングリコール、グリセリン、ブチレングリコール、ヘキシレングリコール、1,3−プロパンジオールなど)、ポリハイドリックアルカンエステル(ジプロピレングリコール、エトキシジグリコール)、ポリアルケングリコール(ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコールなど)及びこれらの混合からなる群から選択されるポリオール又は多価アルコールを含む。ある実施形態においては、ポリオール溶媒は組成物の0%〜20.0%(又は約20.0%)w/v、任意に1.0%(又は約1.0%)〜15.0%(又は約15.0%)w/v、又は任意に2.5%(約2.5%)〜8.0%(又は約8.0%)w/vの量、存在することができる。
【0041】
香味料又は風味剤
ある実施形態においては、液体組成物又は口内洗浄剤の味を修正又は強化するために、並びにチモールなどの成分の強い「刺激」又は「火照」を減らす又は覆うために、第1プレミックス組成物は更に香味料又は風味剤を含む。好適な香味料には、アニス油、アネトール、ベンジルアルコール、スペアミント油、かんきつ油、バニリンなどが挙げられ、組み込まれてもよいが、これらに限定されない。これらの実施形態においては、組成物に加えられる香味料油の量は、全組成物の0.001%(又は約0.001%)〜1.0%(又は約1.0%)w/v、又は任意に0.01%(又は約0.010%)〜0.30%(又は約0.30%)w/vであり得る。
【0042】
使用される特定の香味料又は風味剤及び他の味を改善する成分は、所望の特定の味及び感じにより変化する。当業者は所望の結果を得るために成分のタイプを選択し、カスタマイズすることができる。
【0043】
第2プレミックス組成物
本発明の組成物は第2プレミックス組成物を更に含む。
【0044】
ある実施形態においては、第2プレミックス組成物は水不溶性構成成分と、少なくとも1つのポリオール溶媒を含む、少なくとも1つのポリオール溶媒からなる、又は少なくとも1つのポリオール溶媒から本質的になる、第2溶媒又は溶媒系と、を含む。
【0045】
第2油又は油性構成成分
本発明の第2プレミックス組成物は第2油又は油性構成成分を含み、第2油又は油性構成成分は、第2油又は油性構成成分の疎水性(又は疎水性のレベル)が第1油又は油性構成成分の疎水性(又は疎水性のレベル)より低い任意の油又は油性構成成分又はこれらの油又は油性構成成分の混合物である。ある実施形態においては、第2油又は油性構成成分は2.1(又は約2.1)、任意に2.0(又は約2.0)以下の又はそれ未満のlog Pを有する。ある実施形態においては、本発明の第2油又は油性構成成分は少なくとも1つの有機酸であり、または少なくとも1つの有機酸を含む。ある実施形態においては、有機酸は緩衝剤又は緩衝系の一部として使用される。
【0046】
有機酸
本発明の組成物における使用に好適な有機酸として、アスコルビン酸、ソルビン酸、クエン酸、グリコール酸、乳酸及び酢酸、安息香酸、サリチル酸、フタル酸、フェノールスルホン酸、コハク酸及びこれらの混合物が挙げられるがこれらに限定されず、任意に有機酸は安息香酸、ソルビン酸、コハク酸、クエン酸及びこれらの混合物なる群から選択され、又は任意に有機酸は安息香酸である。ある実施形態においては、有機酸緩衝剤は組成物の0.001%(又は約0.001% w/v)〜1.0% w/v(又は約1.0% w/v)の量、存在する。
【0047】
緩衝剤又は緩衝系の一部として使用される場合、有機酸はpHを3.0(又は約3.0)〜8.0(又は約8.0)、任意に3.5(又は約3.5)〜6.5(又は約6.5)、任意に3.5(又は約3.5)〜5.0(又は約5.0)に保持する量、組み込まれる。いかなる理論によっても制限されるものではないが、これらのpHレベルは、その抗菌活性も最高にし安定性を促進する環境を精油に提供すると、信じられている。
【0048】
ある実施形態においては、本発明の開示された組成物の中に存在する任意の油又は油性構成成分の全量は、全組成物の1.35% w/v(又は約1.35% w/v)を超えるべきではない。任意に、すべての油又は油性構成成分の全量は、全組成物の0.04%(又は約0.04%)〜1.35%(又は約1.35%)w/v、又は任意に0.10%(又は約0.10%)〜0.4%(又は約0.4%)w/vの量、存在することができる。
【0049】
第2ポリオール溶媒
第2プレミックスに第2ポリオール溶媒が加えられる。ある実施形態においては、第2ポリオール溶媒は第1ポリオール溶媒と同じでも異なっていてもよく、ポリハイドリックアルカン(プロピレングリコール、グリセリン、ブチレングリコール、ヘキシレングリコール、1,3−プロパンジオールなど);ポリハイドリックアルカンエステル(ジプロピレングリコール、エトキシジグリコール);ポリアルケングリコール(ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコールなど)及びこれらの混合物からなる群から選択されるポリオール又は多価アルコールを含む。ある実施形態においては、ポリオール溶媒は組成物の1%(又は約1%)〜15.0%(又は約15.0%)w/v、又は任意に2.5%(又は約2.5%)〜8.0%(又は約8.0%)w/vの量、存在することができる。
【0050】
第1ポリオール溶媒が第1プレミックスに加えられないある実施形態においては、第2ポリオール溶媒は組成物の1.0%(又は約1.0%)〜30.0%(又は約30.0%)w/v、又は任意に5.0%(又は約5.0%)〜15.0%(又は約15.0%)w/vの量、存在することができる。
【0051】
第3プレミックス組成物
本発明の組成物は第3プレミックス組成物を更に含む。ある実施形態においては、第3プレミックス組成物は水相の界面活性剤を含む。
【0052】
界面活性剤
本発明の組成物において有益な界面活性剤の好適な例としては、アニオン性界面活性剤、非イオン性界面活性剤、両性界面活性剤及びこれらの混合物が挙げられる。
【0053】
本明細書において有用なアニオン性界面活性剤としては、サルコシン型界面活性剤又はサルコシネート、ココイルメチルタウリン酸ナトリウム等のタウレート、トリデセス硫酸ナトリウム又はラウリル硫酸ナトリウム等のアルキルサルフェート、ラウリルスルホ酢酸ナトリウム、ラウロイルイセチオン酸ナトリウム、ラウレスカルボン酸ナトリウム、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム及びこれらの混合物が挙げられるが、これらに限定されない。多くの好適なアニオン性界面活性剤がAgricolaらの米国特許第3,959,458号に開示されており、本明細書にその全体を援用する。
【0054】
本発明の組成物に用いることができる非イオン性界面活性剤としては、アルキレンオキシド基(本質的に親水性)と、本質的に脂肪族又はアルキル芳香族であり得る有機疎水性化合物との縮合によって生成される化合物が挙げられるが、これらに限定されない。好適な非イオン性界面活性剤の例としては、アルキルポリグルコシド;エチレンオキシド及びプロピレンオキシドコポリマー、例えばポロキサマーなどのブロックコポリマー;例えば商品名CRODURET(Croda Inc.,Edison,NJ)として市販されているエトキシル化水素添加ヒマシ油;アルキルポリエチレンオキシド、例えばポリソルベート;及び/又は脂肪族アルコールエトキシレート;アルキルフェノールのポリエチレンオキシド縮合物;エチレンオキシドと、プロピレンオキシド及びエチレンジアミンの反応生成物との、縮合に由来する生成物;脂肪族アルコールのエチレンオキシド縮合物;長鎖三級アミンオキシド;長鎖三級ホスフィンオキシド;長鎖ジアルキルスルホキシド、及びこれらの混合物が挙げられるが、これらに限定されない。
【0055】
本発明において有用な両性界面活性剤としては、脂肪族基が直鎖又は分枝鎖状であり得、また脂肪族置換基の1つが約8〜約18個の炭素原子を含有し、1つがアニオン性水溶性基、例えばカルボキシレート、スルホネート、サルフェート、ホスフェート、又はホスホネートを含有する、脂肪族第二級及び第三級アミンの誘導体が挙げられるが、これらに限定されない。好適な両性界面活性剤の例としては、アルキルイミノジプロピオネート、アルキルアンホグリシネート(モノ又はジ)、アルキルアンホプロピオネート(モノ又はジ)、アルキルアンホアセテート(モノ又はジ)、N−アルキルβ−アミノプロピオン酸、アルキルポリアミノカルボキシレート、リン酸化イミダゾリン、アルキルベタイン、アルキルアミドベタイン、アルキルアミドプロピルベタイン、アルキルスルタイン、アルキルアミドスルタイン、及びこれらの混合物が挙げられるが、これらに限定されない。ある実施形態においては、両性界面活性剤は、アルキルアミドプロピルベタイン、ラウロアンホアセテートナトリウムなどのアンホアセテート、及びこれらの混合物からなる群から選択される。上記界面活性剤の任意の混合物も使用することができる。アニオン性、非イオン性、及び両性界面活性剤のより詳細な議論は、Lennonの米国特許第7,087,650号、Martinらの同第7,084,104号、Sekiguchiらの同第5,190,747号、及びGieskeらの同第4,051,234号に見いだすことができ、これら特許それぞれの全体を本明細書に援用する。
【0056】
ある実施形態においては、液体又は口内洗浄剤組成物は少なくとも1つのアルキルサルフェート界面活性剤を単独に、又は他の上述の界面活性剤の少なくとも1つに加えて含む。ある実施形態においては、好適なアルキルサルフェート界面活性剤にはアルキルサルフェート界面活性剤が偶数のC〜C18、任意にC10〜C16の鎖長を有するような、硫酸化されたC〜C18、任意に硫酸化されたC10〜C16の偶数の炭素鎖長の、炭酸ナトリウム又は水酸化ナトリウムなどの好適な塩基性塩、及びこれらの混合物で中和されたアルコールが挙げられるが、これらに限定されない。ある実施形態においては、アルキルサルフェートは、ナトリウムラウリルサルフェート、ヘキサデシルサルフェート及びこれらの混合物からなる群から選択される。ある実施形態においては、市販のアルキルサルフェートの混合物が使用される。市販のナトリウムラウリルサルフェート(SLS)の、アルキル鎖長による代表的な百分率ブレークダウンは次の通りである。
【表1】

【0057】
好適な市販の混合物には、Stepanol WA−100 NF USP、(Stepan,Northfield,IL)、Texapon K12 G PH、(Texapon,Cognis,Germany)及びこれらの混合物が挙げられる。
【0058】
ある実施形態においては、組成物に加えられるアルキルサルフェート界面活性剤の量は、組成物の0.05%(又は約0.05%)〜2.0%(又は約2.0%)w/v、又は任意に0.1%(又は約0.1%)〜0.5%(又は約0.5%)w/vであり得る。
【0059】
全界面活性剤濃度は、2%(又は約2%)を超えない又は2%(又は約2%)未満でなければならず、任意に全界面活性剤濃度は1.5%(又は約1.5%)を超えない又は1.5%(又は約1.5%)未満でなければならず、任意に全界面活性剤濃度は1.0%(又は約1.0%)を超えない又は1.0%(又は約1.0%)未満でなければならず、任意に全界面活性剤濃度は0.5%(又は約1.5%)を超えない又は0.5%(又は約1.5%)未満でなければならない。
【0060】
水相
第1プレミックス及び第2プレミックスが、水中油型又は油中水型のデイスパージョン、ミクロエマルジョン又はエマルジョンを作製するために、水を含む水相に加えられる。
【0061】
ある実施形態においては、水相は組成物の約60重量%〜約95重量%、又は任意に約75重量%〜約93重量%を構成する。
【0062】
あるいは、本発明の液体又は口内洗浄剤組成物は、乾燥粉末、チューインガム、半固体、固体又は濃縮液体の形態に調剤してもよい。このような実施形態においては、例えば、水は液体濃縮物又は粉末製剤のケースで必要な適量が加えられ、または乾燥粉末形態の組成物を生成するために当該技術分野において既知の標準的な蒸発方法により水を除去することができる。蒸発又は凍結乾燥した形態は貯蔵及び出荷に好都合である。
【0063】
糖アルコール溶媒
ある実施形態においては、糖アルコールも本発明の液体又は口内洗浄剤組成物に加えられる。糖アルコール溶媒は、経口及び摂取可能な製品に通常使用されている、マルチヒドロキシ機能性化合物から選択されてよい。ある実施形態においては、糖アルコールは非代謝性及び非発酵性の糖アルコールであるべきである。具体的な実施形態においては、糖アルコールには、ソルビトール、キシリトール、マニトール、マルチトール、イノシトール、アリトール、アルトリトール、ダルシトール、ガラクチトール、グルシトール、ヘキシトール、イジトール、ペンチトール、リビトール、エリスリトール及びこれらの混合物が挙げられるが、これらに限定されない。任意に、糖アルコールはソルビトール及びキシリトール又はこれらの混合物からなる群から選択される。任意に、糖アルコールはソルビトールである。
【0064】
ある実施形態においては、口内洗浄剤又は他の成分のデイスパージョン又は溶解において効果的に補佐するために加えられえる糖アルコールの全量は、組成物全量の20% w/v(又は約20% w/v)を超えるべきではない。任意に、糖アルコールの全量は、全組成物の17% w/v(又は約17% w/v)を超えるべきではない。任意に、糖アルコールの全量は、全組成物の10% w/v(又は約10% w/v)を超えるべきではない。糖アルコールは、全組成物の1.0%(又は約1.0%)〜20.0%(又は約20.0%)w/v、任意に2.5%(又は約2.5%)〜17.0%(又は約17.0%)w/v、又は任意に5.0%(約5.0%)〜15.0%(又は約15.0%)w/vの量、存在することができる。
【0065】
ある実施形態においては、組成物中の糖アルコールの全ポリオール溶媒構成成分に対する重量比は、10:1(又は約10:1)〜1:10(又は約1:10)、任意に5:1(又は約5:1)〜1:5(又は約1:5)、任意に1:1(又は約1:1)であるべきである。
【0066】
ある実施形態においては、溶媒の全量はすべてのポリオール溶媒及びすべての糖アルコール溶媒を含め、これは口内洗浄剤又は他の成分の溶解又はデイスパージョンを効果的に補佐するために加えられるものであるが、全組成物の47% w/v(又は約47% w/v)を超えるべきではない。任意に、溶媒系の全量は全組成物の20% w/v(又は約20% w/v)を超えるべきではない。溶媒系は全組成物の2%(又は約2%)〜47%(又は約47%)w/v、又は任意に10%(又は約10%)〜20%(又は約20%)w/vの量であることができる。
【0067】
ある実施形態においては、組成物中の全溶媒(すなわち、ポリオール溶媒及び糖アルコール溶媒)の全界面活性剤に対する重量比は、360:1(又は約360:1)〜10:1(又は約10:1)、任意に100:1(又は約100:1)〜20:1(又は約20:1)であるべきである。
【0068】
製造方法
上述のプレミックスをそれぞれ均一かつ均質になるまで混合する。それぞれのプレミックスを均一かつ均質になるまで混合し、すぐに第1プレミックスを第3プレミックスに加え均一かつ均質になるまで混合した。第1プレミックス及び第3プレミックスの混合物を均一かつ均質となるまで混合し、すぐに第2プレミックスを第1プレミックス及び第3プレミックスの混合物に加え、均一かつ均質になるまで混合した。
【0069】
理論によって制限されるものではないが、第1油又は油性構成成分及び第2油又は油性構成成分は、本発明の水相中の界面活性剤及び溶媒を奪い合うと信じられている。疎水性レベルのより低い第2油又は油性構成成分のポリオール溶媒プレミックスを界面活性剤を含む水相に加える前に、ポリオール溶媒プレミックスとしてより高い疎水性レベルの第1油又は油性構成成分を界面活性剤を含む水相に最初に混合することにより、より高い疎水性レベルの第1油又は油性構成成分が界面活性剤及び/又は溶媒と混合され、12(又は約12)比濁計濁度単位(NTU)未満の濁度を有する組成物の製造に要求される水相中のデイスパージョン及び/又は溶解が達成できる。いずれの糖アルコール溶媒も第1及び第2油又は油性構成成分を水相に加えた後で加えることにより、液体組成物又は口内洗浄剤の濁度を更に低減することができる。
【0070】
ある実施形態においては、本発明の液体又は口内洗浄剤は、10(又は約10)、任意に8(又は約8)、任意に6(又は約6)、又は任意に4(又は約4)未満のNTU値を有する。
【0071】
任意成分
不溶性微粒子
ある実施形態においては、本発明の口腔ケア組成物は、任意に安全且つ有効な量の非水溶性微粒子を含む。非水溶性微粒子は、研磨粒子(歯科的に許容できる研磨剤等)又は非研磨微粒子であり得る。
【0072】
ある実施形態では、歯科的に許容できる研磨剤としては、炭酸カルシウムなどの非水溶性カルシウム塩及び種々のリン酸カルシウム、アルミナ、シリカ、合成樹脂、並びにこれらの混合物が挙げられるが、これらに限定されない。好適な歯科的に許容できる研磨剤は、本発明の組成物で用いられる濃度において、約30〜約250の放射性象牙質研磨値(RDA)を有するものとして一般的に定義され得る。ある実施形態においては、研磨剤は、非晶質の水和シリカ研磨剤、具体的には、例えば、それぞれ商品名ZEODENT(J.M.Huber Corporation,Edison,NJ)及びSYLODENT(W.R.Grace & Co.,New York,NY)として市販されている沈降シリカ又は粉砕シリカゲルの形態である。ある実施形態では、本発明による組成物は、約1重量%〜約20重量%、又は任意に約5重量%〜約10重量%の研磨剤を含む。
【0073】
あるいは、不溶性微粒子は肉眼で確認できる非研磨微粒子であり、本発明の組成物中で安定である。
【0074】
非研磨微粒子は、製品の望ましい特性に従って任意のサイズ、形態又は色とすることができる。非研磨微粒子は、典型的には、小球形若しくは実質的に球形のボール状又は球体の形状を有するが、板状又はロッド状の形状も本明細書において想到される。一般に、非研磨微粒子は、約50μm〜約5000μm、任意に約100μm〜約3000μm、又は任意に約300μm〜約1000μmの平均直径を有する。「安定な」及び/又は「安定性」という用語は、研磨微粒子又は非研磨微粒子が、通常の保存条件下で、分解、凝集又は分離しないことを意味する。ある実施形態においては、用語「安定」及び又は「安定性」は、室温で8週間後、任意に26週間後、任意に52週間後に、本発明の組成物が不溶性微粒子沈殿の見える兆候を含まないか、わずかに見える兆候(肉眼で)しか含まないかを更に意味する。
【0075】
本明細書における非研磨微粒子は、典型的には、組成物の約0.01重量%〜約25重量%、任意に約0.01重量%〜約5重量%、又は任意に約0.05重量%〜約3重量%の濃度で本組成物に組み込まれる。
【0076】
本明細書における非研磨微粒子は、典型的には、構造材及び/又は任意に包含された物質を含む。
【0077】
構造材は、通常の保存条件下で、本発明の組成物において明確に検出可能な構造を保持するように、非研磨微粒子に特定の強度を付与する。1つの実施形態では、構造材は更に、使用時に歯、舌、又は口腔粘膜上において、極めてわずかな剪断で破壊及び分解され得る。
【0078】
非研磨微粒子は、本発明の組成物中で安定である限り、固体又は液体でもよく、詰まっていても又は詰まっていなくてもよい。非研磨微粒子を作製するために用いられる構造材は、他の成分、及び、存在する場合には、非研磨微粒子中に内包される物質との適合性によって変化する。本明細書における非研磨微粒子の調製の典型的な物質としては、結晶質セルロース、酢酸セルロース、酢酸セルロースブチラート、セルロースアセテートフタレート、硝酸セルロース、エチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロースフタレート、メチルセルロース、ナトリウムカルボキシメチルセルロース、アカシアゴム(アラビアゴム)、寒天、アガロース、マルトデキストリン、ナトリウムアルギネート、カルシウムアルギネート、デキストラン、デンプン、ガラクトース、グルコサミン、シクロデキストリン、キチン、アミロース、アミロペクチン、グリコーゲン、ラミナーラン、リケナン、カードラン、イヌリン、レバン、ペクチン、マンナン、キシラン、アルギン酸、アラビン酸、グルコマンナン、アガロース、アガロペクチン、プロフィラン、カラギーネン、フコイダン、グリコサミングリカン、ヒアルロン酸、コンドロイチン、ペプチドグリカン、リポポリサッカライド、グアガム、デンプン及びデンプン誘導体などの多糖類及び糖類誘導体;スクロース、ラクトース、マルトース、ウロン酸、ムラミン酸、セロビオース、イソマルトース、プランテオース、メレジトース、ゲンチアノース、マルトトリオース、スタキオース、グルコシド及びポリグルコシドなどのオリゴサッカライド;グルコース、フラクトース及びマンノースなどのモノサッカライド;ポリアクリルアミドを含むアクリルポリマー及びコポリマー、ポリ(アルキルシアノアクリレート)、及びポリ(エチレンビニルアセテート)及び、カルボキシビニルポリマー、ポリアミド、ポリ(メチルビニルエーテル−マレイン酸無水物)、ポリ(アジピル−L−リジン)、ポリカーボネート、ポリテレフタルアミド、ポリビニルアセテートフタレート、ポリ(テレフタロイル−L−リジン)、ポリアリールスルフォン、ポリ(メチルメタクリレート)、アリルメタクリレート、ポリ(ε−カプロラクトン)、ポリビニルピロリドン、ポリジメチルシロキサン、ポリオキシエチレン、ポリエステル、ポリグリコール酸、ポリ乳酸、ポリグルタミン酸、ポリリジン、ポリスチレン、ポリ(スチレン−アクリロニトリル)、ポリイミド、及びポリ(ビニルアルコール)などの合成ポリマー;油脂、脂肪酸、脂肪族アルコール、乳固体、糖蜜、ゼラチン、グルテン、アルブミン、シェラック、カゼイネート、蜜ろう、カルナウバワックス、鯨ろう、水添獣脂、グリセロールモノパルミテート、グリセロールジパルミテート、水添ヒマシ油、グリセロールモノステアレート、グリセロールジステアレート、グリセロールトリステアレート、12ヒドロキシステアリルアルコール、タンパク質、及びタンパク質誘導体などの他の物質;並びにこれらの混合物が、挙げられる。本明細書における構成成分は、本組成物の有用な構成成分として他の項に記載されていることがある。ある実施形態においては、この項に記載されている構成成分は、通常の保存条件下において、微粒子から本発明の組成物に実質的に溶解又は分散しないように、非研磨微粒子の構造を形成している。
【0079】
他の実施形態においては、本明細書における構造材は糖類及びその誘導体、糖類及びその誘導体、オリゴ糖類、単糖類、並びにこれらの混合物からなる群から選択される成分を含むか、又は任意に、水に対するさまざまな溶解度を有する成分を含む。幾つかの実施形態では、構造材は、ラクトース、セルロース及びヒドロキシプロピルメチルセルロースを含む。
【0080】
好適な非研磨微粒子は、米国特許第6,797,683号に詳細に記載されている有機ゲル粒子も含む。有機ゲル粒子である非研磨微粒子は、通常、ワックス(例えば、蜜ろう、パラフィン、非水溶性ワックス、炭素系ワックス、シリコーンワックス、微結晶ワックスなど)、トリグリセリド、酸トリグリセリド、ポリマー、フルオロアルキル(メタ)アクリレートポリマー及びコポリマー、アクリレートポリマー、エチレン/アクリレートコポリマー、ポリエチレン、ポリプロピレンポリマー及びコポリマー、脂肪酸、脂肪族アルコール、脂肪酸エステル、脂肪酸エーテル、脂肪酸アミド、アルキレンポリハイドリックアルコール、アルカノールアミンンの脂肪酸アミド、グリセリルモノステアレート、(アリール置換)砂糖、ジベンジルソルビトール(又はマンニトール、ラビトールなど)、低級一価アルコールの縮合物及び予備縮合物、三価アルコール、低級ポリグリコール、プロピレン/エチレン重縮合物などから選択される、構造物質を含む。任意に、有機ゲル粒子である非研磨微粒子のための構造材としては、蜜ろう、カルナウバワックス、低分子量エチレンホモポリマー(例えば、Baker Petrolite Corp.から入手可能なPolywax 500、Polywax 1000、又はPolywax 2000ポリエチレン材料)、又はパラフィンワックスが挙げられる。
【0081】
本明細書における非研磨微粒子は、内包材を内包、含有、又は充填し得る。このような内包物質は、水溶性又は非水溶性であることができる。好適な内包材としては、口腔ケア活性物質、ビタミン、顔料、染料、抗菌剤、キレート剤、光学的光沢剤、香味料、香料、保湿剤、鉱物、及びこれらの混合物等の、本明細書に記載される有益な物質が挙げられる。本明細書における内包材は、非研磨微粒子内に実質的に保持され、通常の保存条件下で、微粒子から本発明の組成物に実質的に溶け出ない。
【0082】
本明細書において特に有用な市販の非研磨微粒子は、Induchem AG(スイス)から入手可能な商品名Unisphere及びUnicerin、並びにUnited−Guardian Inc.(米国ニューヨーク)から入手可能なConfetti Dermal Essentialsである。Unisphere及びUnicerin粒子は、微結晶性セルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ラクトース、ビタミン、顔料、及びタンパク質でできている。使用時、Unisphere及びUnicerin粒子は、非常にわずかな剪断力で、また事実上抵抗なしに分解し得、本発明の組成物中に容易に分散する。
【0083】
本組成物に組み込むための好適な非研磨微粒子は、米国特許第6,797,683号(有機ゲル粒子)、米国特許第6,045,813号(破裂性ビーズ)、米国特許出願公開第2004/0047822 A1号(可視カプセル)及び米国特許第6,106,815号(カプセル化又は微粒子化油性物質)に詳細に記載されており、これら特許文献全体がそれぞれ本明細書に参照により援用される。
【0084】
ある実施形態においては、研磨及び/又は非研磨粒子は、これら粒子がその中に配合されるキャリアとは異なる、又は任意に実質的に異なる密度を有する。
【0085】
フッ化物放出化合物
ある実施形態においては、本発明の口内洗浄剤組成物に、フッ化物を提供する化合物が存在してもよい。これらの化合物はわずかに水可溶性または完全に水可溶性であることがあり、フッ化物イオン又はフッ化物含有イオンを水中に放出する能力により特徴付けられる。フッ化物を供給する代表的な化合物は、可溶性アルカリ金属、アルカリ土類金属及び重金属塩などの無機フッ化物塩であり、例えばフッ化ナトリウム、フッ化カリウム、フッ化アンモニウム、フッ化第二銅、フッ化亜鉛、フッ化第二スズ、フッ化スズ、フッ化バリウム、ナトリウムヘキサフルオロシリケート、アンモニウムヘキサフルオロシリケート、フルオロジルコニウム酸ナトリウム、モノフルオロリン酸ナトリウム、モノ−及びジフルオロリン酸アルミニウム、及びフッ素化ピロリン酸カルシウムナトリウムである。N’−オクタデシルトリメチレンジアミン−N,N,N’−トリス(2−エタノール)−二フッ化水素酸塩及び9−オクタデセニルアミンフッ化水素酸塩などの、アミンフッ化物もまた使用されてもよい。
【0086】
ある実施形態においては、フッ化物を供給する化合物は、組成物の0.15重量%(又は約0.15重量%)まで、任意に0.001重量%(又は約0.001重量%)〜0.1重量%(又は約0.1重量%)、任意に0.001重量%(又は約0.001重量%)〜0.05重量%(又は約0.05重量%)のフッ化物を放出するのに十分な量で通常存在する。
【0087】
亜鉛塩
ある実施形態においては、塩化亜鉛、酢酸亜鉛又はクエン酸亜鉛などの亜鉛塩が、「消毒剤洗浄」感覚の収れん剤として、呼吸保護促進剤又は抗結石剤として、組成物の0.0025% w/v(又は約0.0025% w/v)〜0.1% w/v(又は約0.1% w/v)の量、加えられてよい。
【0088】
刺激感応性緩和剤
ある実施形態においては、刺激感応性緩和剤、すなわち硝酸及びシュウ酸のカリウム塩が、組成物の0.1%(又は約0.1%)〜5.0%(又は約5.0%)w/vの量で本発明に組み込まれてよい。他のカリウムを放出する化合物も可能である(例えばKCl)。高濃度のリン酸カルシウムも、追加して刺激感応性をいくらか緩和することがある。これらの物質は、閉塞性の鉱物性表面堆積物を歯の表面に形成するか、又は歯の中の神経にカリウムを供給し神経を脱分極するかのいずれかにより、作用すると信じられている。好適な刺激感応性緩和のより詳細な考察が、Hodoshの米国第20060013778号、及びMarkowitzらの米国特許第6,416,745号に見いだすことができ、これらの双方の全体を参照により本明細書に援用する。
【0089】
抗結石剤
ある実施形態においては、抗結石効果のある化合物(例えば、ポリリン酸塩、ホスホン酸塩、種々のカルボキシレート、ポリアスパラギン酸、イノシトールホスフェートなど)が、本発明に組み込まれてよい。また抗結石剤として有益なものとして、アニオン性高分子ポリカルボキシレートがある。こうした物質は当該技術分野において周知であり、その遊離酸、若しくは部分的に又は好ましくは完全に中和された水溶性アルカリ金属塩(例えばカリウム及び好ましくはナトリウム)又はアンモニウム塩の形で使用される。好ましいのは、無水マレイン酸又はマレイン酸と、他の重合可能なエチレン性不飽和モノマー、好ましくは約30,000〜約1,000,000の分子量(M.W.)を有するメチルビニルエーテル(メトキシエチレン)と、の重量で1:4〜4:1のコポリマーである。これらのコポリマーは、例えばGAF Chemicals CorporationのGantrez AN 139(M.W.500,000)、AN 119(M.W.250,000)及び好ましくはS−97 Pharmaceutical Grade(M.W.70,000)として入手できる。
【0090】
追加成分
本発明の液体又は口内洗浄剤は、肉眼にとって実質的に澄んだ及び/又は無色に配合することができるが、本発明の組成物に魅力的な色彩を付与するために許容可能な承認された食品用染料が好ましくは使用される。これらは、容認できる食品用染料の長いリストから選択することができるが、これに限定されない。この目的に適した染料として、FD&C黄色5号、FD&C黄色10号、FD&Cブルー1号、及びFD&Cグリーン3号が挙げられる。これらは従来の量、通常、組成物の0.00001% w/v(又は約0.00001% w/v)〜0.0008% w/v(又は約0.0008% w/v)、任意に0.00035% w/v(又は約0.00035% w/v)〜0.0005% w/v(又は約0.0005% w/v)の個々の量が加えられる。
【0091】
当該技術分野において知られており使用されている成分を含め、他の従来の成分を本発明の液体又は口内洗浄剤組成物の中に使用してもよい。これらの成分の例として、増粘剤、懸濁化剤及び柔軟剤が挙げられる。本発明の組成物中で有益な増粘剤及び懸濁化剤は、Pullenらの米国特許第5,328,682号に見いだされ、本明細書にその全体を参照により援用する。ある実施形態においては、これらは組成物の0.1% w/v(約0.1% w/v)〜0.6% w/v(又は約0.6% w/v)、任意に0.5% w/v(又は約0.5% w/v)の量で組み込まれる。
【0092】
有用な口腔ケア活性物質及び/又は不活性成分のより詳細な記述、並びにそれらの追加的な例は、Majetiらの米国特許第6,682,722号及びNairらの第6,121,315号に見いだすことができ、これらそれぞれを全体として本明細書に参照により援用する。
【0093】
ある実施形態では、本発明の組成物は、生物学的利用能に作用する化合物を含まないか、又は実質的に含まない。本明細書で使用される場合、「生物学的利用能に作用する化合物」は、精油と結合することにより、ないしは別の方法で、精油を不活性化するなどの、組み込まれた任意の精油の生物学的利用能を負の方向に作用する化合物を意味する。生物学的利用能に作用する化合物に関連して使用される場合、「実質的に含まない」とは、全組成物の重量(w/v)の5%(又は約5%)、任意に3%(又は約3%)、任意に1%(又は約1%)、又は任意に0.1、又は任意に0.01%(又は約0.01%)未満の量の生物学的利用能に作用する化合物を有する製剤と定義される。ある実施形態においては、生物学的利用能に作用する化合物としては、ポロキサマーなどのポリエチレンオキシド/ポリプロピレンオキシドブロックコポリマー、シクロデキストリン、ツイーン(Tweens)などのポリソルベート、及びこれらの混合物が挙げられるが、これらに限定されない。
【0094】
本発明の実施方法
本明細書において解説的に開示した発明は、本明細書において具体的には開示されていない任意の構成成分、成分、又は工程がなくても実行することができる。
【0095】
ある実施形態においては、本発明の組成物は歯及び/又は口腔の柔らかい表面に少なくとも2回連続して適用され、任意に少なくとも3(又は約3)回(又はそれを超えて)、又は任意に少なくとも5(又は約5)回(又はそれを超えて)連続して適用される。
【0096】
歯及び/又は口腔の柔らかい表面に適用される場合、ある実施形態においては、組成物は歯及び/又は口腔の柔らかい表面に、少なくとも10(又は約10)秒(又はそれを超えて)、任意に20(又は約20)秒、任意に30(又は約30)秒、任意に50(又は約50)秒、又は任意に60(又は約60)秒接触して留まることが許される。
【0097】
本発明の種々の実施形態が上に説明されている。それぞれの実施形態は、本発明を制限するためではなく、本発明を説明するために提供されている。事実、本発明の範囲又は趣旨から逸脱することなく、本発明に様々な修正及び変更を加えることができることが当業者に明白であろう。例として、一実施形態の一部として図示又は記載される特徴は、更に追加の実施形態を作るために、別の実施形態に使用することができる。したがって、本発明は、添付の特許請求の範囲及びそれらの同等物の範囲内であるとして、そのような修正及び変更を包含することが意図される。
【実施例】
【0098】
以下の実施例は説明のためのみのものであり、決して本発明を限定するものとして解釈すべきではない。当業者は、添付の請求項の精神と範囲内において種々の変形が可能であることを十分理解するであろう。
【0099】
実施例1:製剤を作製する種々の方法及び界面活性剤レベル増加の影響
口腔ケア製品中における使用が承認されている種々の界面活性剤を使用して、さまざまな方法で9つのプロピレングリコールベースの口内洗浄製剤を調製した。製剤は、濁度及び抗菌活性について試験した。濁度は、Hach Company(Loveland,CO)のLaboratory Turbidimeter Model 2100Nを使用して評価した。また製剤は、インビトロ単独種S.mutansバイオフィルムモデルを使用して試験した。22時間S.mutansバイオフィルムを成長させ(N=96)、陽性及び陰性対照とともに30秒間製剤に暴露した。滅菌水を陰性対照として使用した。処理後、バイオフィルムを中和し、すすいだ。Misonix XL−2000 Ultrasonicプロセッサ(Qsonica,LLC,Newtown,CT)を使用して、超音波処理によりバイオフィルムを採取した。Celsis Rapid Detection RapiScreenキット(Celsis International PLC,Chicago)を使用し、Celsis Luminexにより細菌を溶解し、細菌からのATPを、バイオルミネッセンスマーカ、Celsis LuminATE、により測定した。log RLU(相対発光量)の低下は処理後により少ない細菌が生存していることを示している。9つの製剤を表1に示す。最終の製剤は、必要である場合には0.1MのNaOH又は0.1MのHClを使用して、pHが4.2に調整された。
【表2】

【0100】
製剤を混合する方法は次の通りであった。
【0101】
製剤1A:水を適切な大きさのタンク(又は容器)に入れ、次いですべての残りの成分を水に加え、分散するまで混合した。個別のプレミックスは作製しなかった。
【0102】
製剤1B:工程1において、ポリオール溶媒(すなわちプロピレングリコール)を適切な大きさのタンク(又は容器)に入れた。活性油及び香味料をタンク中のポリオール溶媒に加え、均質かつ均一になるまで混合しプレミックスを作製した。工程2において、糖アルコールを、処方プロセスの最終工程における最終構成成分として加える代わりに、界面活性剤、水、有機酸緩衝剤、防腐剤、甘味剤及び染料を加える前に、プレミックスに加え、製剤が均質かつ均一になるまで混合した。工程3において、界面活性剤をプレミックスに加え、製剤が均質かつ均一になるまで混合した。工程4において、水をプレミックスに加え製剤が均質かつ均一になるまで混合した。工程5において、有機酸緩衝剤、防腐剤及び甘味剤をプレミックスに加え、均質かつ均一になるまで混合した。工程6において、染料をプレミックスに加え製剤が均質かつ均一になるまで混合した。
【0103】
製剤1C、1D及び1E:工程1において、ポリオール溶媒(すなわちプロピレングリコール)を適切な大きさのタンク(又は容器)に入れた。有機酸緩衝剤をポリオール溶媒に加え第1プレミックスを形成し、均質かつ均一になるまで混合した。工程2において、活性油及び第2ポリオール溶媒の第2プレミックスを形成して、第2プレミックスを水、界面活性剤、防腐剤及び甘味剤を含む第3プレミックスに加える代わりに、活性油及び香味料を直接第1プレミックスに加え、均質かつ均一になるまで混合した。工程3において、糖アルコール共溶媒を第1プレミックスに加え、製剤が均質かつ均一になるまで混合した。工程4において、界面活性剤を第1プレミックスに加え製剤が均質かつ均一になるまで混合した。工程5において、水、甘味剤及び防腐剤を第1プレミックスに加え、均質かつ均一になるまで混合した。工程6において、染料を第1プレミックスに加え製剤が均質かつ均一になるまで混合した。製剤1D及び1Eでは、製剤1Cと比較してより高いレベルの界面活性剤を加えた。
【0104】
製剤1F:工程1において、適切な大きさの第1タンク(又は容器)の中で、5%の第1ポリオール溶媒(すなわちプロピレングリコール)を活性油及び香味料に加え、これらが均質かつ均一となるまで混合し、第1プレミックスを形成した。工程2において、適切な大きさの第2タンク(又は容器)の中で、2.0%の、第1ポリオール溶媒と同じ第2ポリオール溶媒を有機酸緩衝剤に加え、第2タンク中で均質かつ均一となるまで混合し第2プレミックスを形成した。工程3において、界面活性剤、水、防腐剤、甘味剤及び染料を加える前に、糖アルコール溶媒を処方プロセスの最終工程における最終構成成分として加える代わりに、第1プレミックスに直接加え、均質かつ均一になるまで混合した。工程4において、界面活性剤を第1プレミックスに加え、製剤が均質かつ均一になるまで混合した。工程5において、水を第1プレミックスに加え、製剤が均質かつ均一になるまで混合した。工程6において、第2プレミックスを第1プレミックスに加え、製剤が均質かつ均一になるまで混合した。工程7において、防腐剤及び甘味剤を加え、均質かつ均一になるまで混合した。工程8において、染料を加え製剤が均質かつ均一になるまで混合した。
【0105】
製剤1G(発明のプロセスを使用する):工程1において、適切な大きさの第1タンク(又は容器)の中で、5.0%の第1ポリオール溶媒(すなわちプロピレングリコール)、活性油及び香味料を加え、均質かつ均一になるまで混合しプレミックスを形成した。工程2において、適切な大きさの第2タンク(又は容器)の中で、有機酸緩衝剤に、2.0%の、第1ポリオール溶媒と同じ第2ポリオール溶媒を加え、均質かつ均一となるまで混合し第2プレミックスを形成した。工程3において、適切な大きさの第3タンク(又は容器)の中で、界面活性剤、防腐剤及び甘味剤を水に加え、均質かつ均一となるまで混合し第3プレミックスを作製した。工程4において、第1プレミックスを第3プレミックスに加え、均質かつ均一になるまで混合した。工程5において、第2プレミックスを第1プレミックスと第3プレミックスとの混合物に加え、均質かつ均一になるまで混合した。工程6において、染料を3つのプレミックスの混合物に加え、均質かつ均一になるまで混合した。工程7において、糖アルコールを最終構成成分として3つのプレミックスの混合物に加え、最終混合物が均質かつ均一になるまで混合した。
【0106】
製剤1H:工程1において、適切な大きさの第1タンク(又は容器)中で、個別のプレミックス(活性油を含む1つのプレミックス及び有機酸緩衝剤を含む他のプレミックス)を形成する代わりに有機酸緩衝剤及び活性油の両方をポリオール溶媒(すなわちプロピレングリコール)及び香味料に加え、均質かつ均一になるまで混合して第1プレミックスを形成した。工程2において、適切な大きさの第2タンク(又は容器)中で、糖アルコール溶媒を処方プロセスの最終工程の最後の構成成分として加える代わりに、界面活性剤、防腐剤、甘味剤及び水に加え、均質かつ均一になるまで混合して、第2プレミックスを形成した。工程3において、第1プレミックスを第2のプレミックスに加え、均質かつ均一になるまで混合した。工程4において、染料を2つのプレミックスの混合物に加え、均質かつ均一になるまで混合した。
【0107】
製剤1I:工程1において、適切な大きさの第1タンク(又は容器)の中で、5.0%の第1ポリオール溶媒(すなわちプロピレングリコール)を活性油及び香味料に加え均質かつ均一になるまで混合し、第1プレミックスを形成した。工程2において、適切な大きさの第2タンク(又は容器)の中で、2.0%の、第1ポリオール溶媒と同じ第2ポリオール溶媒を有機酸緩衝剤に加え、均質かつ均一になるまで混合し、第2プレミックスを形成した。工程3において、適切な大きさの第3タンク(又は容器)の中で、界面活性剤、ソルビトール、防腐剤及び甘味剤を水に加え、均質かつ均一となるまで混合し、第3プレミックスを形成した。工程4において、第1プレミックスを第3プレミックスに加える代わりに、第2プレミックスを第3プレミックスに加え、均質かつ均一になるまで混合した。工程5において、第1プレミックスを第2プレミックスと第3プレミックスとの混合物に加え、均質かつ均一になるまで混合した。工程6において、染料を加え均一になるまで混合した。
【0108】
製剤成分の一覧表示に加えて、表1は、比濁計濁度単位(NTU)の濁度試験並びにlogRLU及びM−ファクター単位のS.mutansバイオフィルムキル試験の結果を示す。市販のアルコール含有精油口内洗浄剤の代表的なM−ファクターは、このモデルでは約1.87(log RLUが5.8)である。
【0109】
ラウリル硫酸ナトリウムを含むすべての製剤(製剤1A、1B、1C及び1F〜1I)が高い殺菌作用(1.66〜2.22のM−ファクター)を示すことも表1は示している。しかし、3つのラウリル硫酸ナトリウム製剤のすべて(1A、1B及び1C)の濁度は高かった(約10.5を超えるNTU)。全界面活性剤濃度レベルを2.0%(製剤1D及び1E)に上げると濁度は改良されたが、このような高い界面活性剤濃度レベルでは、M−ファクターで評価される殺菌作用が相当低下した(それぞれ、M−ファクター=0.03及び−0.01)。本発明の発明のプロセスにより形成された製剤(製剤1G)のみが良好な有効性(M−factor=2.05)及び最も低い濁度(4.0未満のNTU)の両方を与えた。
【0110】
〔実施の態様〕
(1) a.)第1プレミックス組成物を調製する工程であって、
i.第1油又は油性構成成分と、
ii.任意に、第1ポリオール溶媒と、
iii.任意に香味料とを含む第1プレミックス組成物を調製する工程と、
b.)第2プレミックス組成物を調製する工程であって、
i.前記第1油又は油性構成成分の疎水性より低い程度の疎水性を有する第2油又は油性構成成分、及び
ii.第2ポリオール溶媒を含む第2プレミックス組成物を調製する工程と、
c.)第3プレミックス組成物を調製する工程であって、
i.少なくとも1つの界面活性剤、及び
ii.水を含む水相を含む第3プレミックス組成物を調製する工程と、
d.)前記第1プレミックスを前記第3プレミックスに加える工程と、
e.)工程d.)の前記組成物を均一かつ均質になるまで混合する工程と、
f.)前記第2プレミックスを工程e.)の前記組成物に加え、均一かつ均質になるまで混合する工程と、
を含む、液体組成物の調製方法。
(2) 前記液体組成物が、本質的にアルコールを含まない、実施態様1に記載の方法。
(3) 糖アルコール溶媒が、工程f.)の前記組成物に加えられ、前記組成物が均一かつ均質になるまで混合される、実施態様1に記載の方法。
(4) 前記第1油又は油性構成成分が、メントール、ユーカリプトール、サリチル酸メチル、チモール及びこれらの混合物からなる群から選択される抗菌精油である、実施態様1に記載の方法。
(5) 前記抗菌精油が、メントール、ユーカリプトール、サリチル酸メチル及びチモールの混合物である、実施態様4に記載の方法。
(6) 前記第2油又は油性構成成分が、アスコルビン酸、ソルビン酸、クエン酸、グリコール酸、乳酸及び酢酸、安息香酸、サリチル酸、フタル酸、フェノールスルホン酸、コハク酸並びにこれらの混合物からなる群から選択される有機酸である、実施態様1に記載の方法。
(7) 前記第2油又は油性構成成分が、安息香酸からなる群から選択される有機酸である、実施態様6に記載の方法。
(8) 前記第1及び第2ポリオール溶媒が、ポリハイドリックアルカン、ポリハイドリックアルカンエステル、ポリアルケングリコール及びこれらの混合物からなる群から選択される、実施態様1に記載の方法。
(9) 前記第1及び第2ポリオール溶媒が、ポリハイドリックアルカンである、実施態様8に記載の方法。
(10) 前記ポリハイドリックアルカンが、プロピレングリコールである、実施態様9に記載の方法。
【0111】
(11) 前記糖アルコール溶媒が、キシリトール、ソルビトール、マニトール、マルチトール、イノシトール、アリトール、アルトリトール、ダルシトール、ガラクチトール、グルシトール、へキシトール、イジトール、ペンチトール、リビトール、エリスリトール及びこれらの混合物からなる群から選択される、実施態様3に記載の方法。
(12) 前記糖アルコール溶媒が、ソルビトールである、実施態様11に記載の方法。
(13) 工程g.)の前記組成物が、約12比濁計濁度単位未満の濁度を有する、実施態様1に記載の方法。
(14) 工程g.)の前記組成物が、約10比濁計濁度単位未満の濁度を有する、実施態様13に記載の方法。
(15) 工程g.)の前記組成物が、約8比濁計濁度単位未満の濁度を有する、実施態様14に記載の方法。
(16) 実施態様1に記載の前記プロセスにより作製される液体組成物。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
a.)第1プレミックス組成物を調製する工程であって、
i.第1油又は油性構成成分と、
ii.任意に、第1ポリオール溶媒と、
iii.任意に香味料とを含む第1プレミックス組成物を調製する工程と、
b.)第2プレミックス組成物を調製する工程であって、
i.前記第1油又は油性構成成分の疎水性より低い程度の疎水性を有する第2油又は油性構成成分、及び
ii.第2ポリオール溶媒を含む第2プレミックス組成物を調製する工程と、
c.)第3プレミックス組成物を調製する工程であって、
i.少なくとも1つの界面活性剤、及び
ii.水を含む水相を含む第3プレミックス組成物を調製する工程と、
d.)前記第1プレミックスを前記第3プレミックスに加える工程と、
e.)工程d.)の前記組成物を均一かつ均質になるまで混合する工程と、
f.)前記第2プレミックスを工程e.)の前記組成物に加え、均一かつ均質になるまで混合する工程と、
を含む、液体組成物の調製方法。
【請求項2】
前記液体組成物が、本質的にアルコールを含まない、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
糖アルコール溶媒が、工程f.)の前記組成物に加えられ、前記組成物が均一かつ均質になるまで混合される、請求項1に記載の方法。
【請求項4】
前記第1油又は油性構成成分が、メントール、ユーカリプトール、サリチル酸メチル、チモール及びこれらの混合物からなる群から選択される抗菌精油である、請求項1に記載の方法。
【請求項5】
前記抗菌精油が、メントール、ユーカリプトール、サリチル酸メチル及びチモールの混合物である、請求項4に記載の方法。
【請求項6】
前記第2油又は油性構成成分が、アスコルビン酸、ソルビン酸、クエン酸、グリコール酸、乳酸及び酢酸、安息香酸、サリチル酸、フタル酸、フェノールスルホン酸、コハク酸並びにこれらの混合物からなる群から選択される有機酸である、請求項1に記載の方法。
【請求項7】
前記第2油又は油性構成成分が、安息香酸からなる群から選択される有機酸である、請求項6に記載の方法。
【請求項8】
前記第1及び第2ポリオール溶媒が、ポリハイドリックアルカン、ポリハイドリックアルカンエステル、ポリアルケングリコール及びこれらの混合物からなる群から選択される、請求項1に記載の方法。
【請求項9】
前記第1及び第2ポリオール溶媒が、ポリハイドリックアルカンである、請求項8に記載の方法。
【請求項10】
前記ポリハイドリックアルカンが、プロピレングリコールである、請求項9に記載の方法。
【請求項11】
前記糖アルコール溶媒が、キシリトール、ソルビトール、マニトール、マルチトール、イノシトール、アリトール、アルトリトール、ダルシトール、ガラクチトール、グルシトール、へキシトール、イジトール、ペンチトール、リビトール、エリスリトール及びこれらの混合物からなる群から選択される、請求項3に記載の方法。
【請求項12】
前記糖アルコール溶媒が、ソルビトールである、請求項11に記載の方法。
【請求項13】
工程g.)の前記組成物が、約12比濁計濁度単位未満の濁度を有する、請求項1に記載の方法。
【請求項14】
工程g.)の前記組成物が、約10比濁計濁度単位未満の濁度を有する、請求項13に記載の方法。
【請求項15】
工程g.)の前記組成物が、約8比濁計濁度単位未満の濁度を有する、請求項14に記載の方法。
【請求項16】
請求項1に記載の前記プロセスにより作製される液体組成物。

【公開番号】特開2012−12393(P2012−12393A)
【公開日】平成24年1月19日(2012.1.19)
【国際特許分類】
【外国語出願】
【出願番号】特願2011−143937(P2011−143937)
【出願日】平成23年6月29日(2011.6.29)
【出願人】(506105814)マクニール−ピーピーシー・インコーポレーテツド (69)
【Fターム(参考)】