説明

非アルコール生理活性精油口内洗浄剤

【課題】口内洗浄剤を提供する。
【解決手段】本発明は概して、口臭の予防及び除去のため並びに歯垢及び虫歯の発生の原因である口内微生物の削減のための、口内洗浄剤に関する。特に本発明は、上述の問題の防止に有効な非アルコール又はアルコールを削減した口内洗浄剤に関する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は概して、口臭の予防及び除去のため、並びに歯垢及び虫歯の発生の原因である口内微生物の削減のための、口内洗浄剤に関する。特に本発明は、上述の問題の防止に有効な非アルコール又はアルコールを減らした口内洗浄剤に関する。
【背景技術】
【0002】
口内洗浄剤又は口内洗浄液組成物は、口臭防止のために、あるいは口臭のみならず虫歯、歯垢、並びに歯肉炎及び歯周炎などの歯肉疾患の原因である細菌及び他の口内微生物の除去のために、人々により長年使用されてきた。この目的のために消毒剤口内洗浄液が、口腔の清浄化、さわやかな息の提供及びこれらの病原性病原菌の殺菌のために、これまでに考案されている。
【0003】
主要な消毒剤口内洗浄剤は、伝統的にアルコール(すなわエタノール)をかなり高いレベルで、口内洗浄液の全容量に基づき容量(以後「% v/v」と称する)およそ20%〜約30%の範囲で含んでいる。アルコールは、その中に活性成分及び収れん剤、フッ化物、着色料、フレーバーオイルなどの添加剤が溶解され次いで溶液に分散され得る、ビヒクル及び溶媒の両方として使用されている。アルコールはまた、保存中及び使用中に口内洗浄剤に防腐剤的な役割を提供し、又フレーバーオイルの感覚刺激性のきっかけを増大する。
【0004】
しかし、アルコールの高レベルの使用は、口内洗浄液の一部のユーザーに受け入れられないことが時として見いだされることがある。高齢者も、これらの口内洗浄剤によるうがいに関する問題について不満を漏らしており、また長期にわたる曝露は、高濃度のアルコールにより生ずる歯肉の「火傷」感覚を生ずることが見いだされている。アルコール口内洗浄剤は、嫌な口渇感覚を生ぜしめることがあることも報告されている。
【0005】
一方、これらの口内洗浄剤組成物中のアルコールのレベルを低下させることは、大きな不利益伴うことがある。より低いアルコール濃度は、組成物中の活性物質及び他の成分の溶解度の喪失をもたらすのみならず、口臭、歯垢及び歯肉疾患の原因である口内微生物を殺菌する組成物の能力の顕著な低下をももたらすことが、見いだされている。抗菌活性のこの喪失は、ビヒクルとしてのアルコールの減少のみならず、溶解した活性物質の生物学的利用能の減少にも起因する。
【0006】
例えば、チモールはよく知られた消毒剤化合物であり、また精油としても知られており、その抗菌活性ゆえに種々の口内洗浄液又は口内洗浄剤製剤に使用されている。特に、チモールは口内洗浄剤などの口腔衛生組成物中に、望ましい治療効果をもたらすのに十分な量が使用され得る。チモールを含む口内洗浄液はよく知られており、100年を超える年月にわたり、多数の人々により使用されてきた。これらは、歯垢、歯肉炎及び口臭の原因である口腔内の病原菌の殺菌に有効であることが証明されている。チモールは、サリチル酸メチル、メントール及びオイカリプトールなどの精油とともに、幾つかの消毒剤口内洗浄剤中の活性成分を包含している。これらの油は少量の存在にもかかわらず、高い有効性を達成している。特定の理論に制限されるものではないが、消毒剤口内洗浄剤の有効性及び味は、油分の改善された分散又は溶解、及びこれらの4つの活性成分のこのような分散又は溶解後の生物学的利用能に基づく可能性があると、現在信じられている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
上述した分散又は溶解は、澄んだ口内洗浄剤溶液が、濁った不透明な、又はそうでなければ不均一な洗浄剤溶液より、顧客に間違いなくより好まれるので、美的観点からも重要である。その結果明らかに、精油の改善された分散又は溶解を提供し、しかも口臭を防止し、口内病原菌を殺菌し、歯垢を減少または除去する精油の生物学的利用能を保持する、削減されたアルコール及び/又は非アルコール口内洗浄剤の開発の、相当な必要性が存在する。
【課題を解決するための手段】
【0008】
ある実施形態においては、本発明は削減されたアルコール又は非アルコール抗菌性口内洗浄剤組成物であって、(a)少なくとも1つの抗菌性精油を含む油相と、(b)ポリオール溶媒及び糖アルコール溶媒を含む溶媒系と、(c)アルキルサルフェート界面活性剤と、及び(d)水とを含む、口内洗浄剤組成物である。
【0009】
更なる実施形態においては、削減されたアルコール又は非アルコール抗菌性口内洗浄剤組成物は、約200nm未満の凝集体サイズを有するミセルを含むマイクロエマルションである。
【0010】
そのうえ更なる実施形態においては、本発明の削減されたアルコール又は非アルコール抗菌性口内洗浄剤組成物は、0.5(又は約0.5)、任意に1.0(又は約1.0)、任意に2.0(又は約2.0)、又は任意に3.0(又は約3.0)を超えるM−ファクターで測定される、高いレベルの抗菌活性を示し、「M−ファクター」は陰性対照として使用される水のlog RLU値から試験される口内洗浄剤組成物のlog RLU値を引いた値に等しい。これに加えて、本発明の経口口内洗浄剤組成物は澄んでおり(人間の肉眼にとって)、美的に魅力のある製品である。
【0011】
更なる実施形態においては、本発明の削減されたアルコール又は非アルコール抗菌性口内洗浄剤組成物は、(a)抗菌的に有効な量の1つ又は2つ以上の抗菌性精油と、(b)グリコール及びポリオールの共溶媒と、(c)アルキルサルフェート界面活性剤と、(d)水と、を含む。
【発明を実施するための形態】
【0012】
本発明の組成物は、本明細書に記載される本発明の必須要素及び制限事項、並びに本明細書に記載される追加若しくは任意の成分、構成要素、又は制限事項を含み、これらからなり、又はこれらから本質的になることができる。本明細書において使用される用語「を含む(comprising)」(及びその文法的変形)は、「有する(having)」又は「含有する(including)」を包括する意味で用いられ、「のみからなる(consisting only of)」の排他的な意味では使われない。
【0013】
本明細書で使用される用語「a」及び「the」は単数の他に複数も包含すると理解される。
【0014】
特に指示がない限り、引用される全ての文献は、その関連部分について本明細書に援用されるが、いずれの文献の引用もそれが本発明に関連する先行技術であることの容認と解釈されるべきではない。更に、全体が本明細書に援用される全ての文書は、これらが本明細書に矛盾しない範囲においてのみ本明細書に組み込まれる。
【0015】
本明細書に記述される削減されたアルコール又は非アルコール口内洗浄液及び口内洗浄剤組成物は、口の悪臭並びに歯垢及び歯石の蓄積、これに続くその結果としての歯及び歯肉の疾患に関与する口内微生物に対して、抗菌的に有効な量の1つ又は2つ以上の抗菌精油を提供する。
【0016】
「抗菌的に有効な量」という語句は、口内微生物に対して毒活性を有する状態に特定の医学的な目的を達成できる、本発明の化合物の濃度又は量又はレベルを意味する。
【0017】
語句「経口的に許容できる」とは、過度の毒性、不適合性、不安定性、アレルギー反応等なしに、キャリアが、口腔表面に塗布されるのに、又は哺乳類若しくはヒトが挙げられるが、これらに限定されない生物により摂取されるのに好適であることを意味する。
【0018】
百分率、部及び比率は全て、特に指定しない限り、本発明の組成物の総重量に基づいている。列挙された成分に関連するこのような重量はすべて、記述した特定の成分のレベルに基づいているので、特に指定しない限り、市販の物質に含まれることがあるキャリア又は副産物を含まない。
【0019】
語句アルコールの「削減されたレベル」は、全組成物の容量の10% v/v(又は約10% v/v)までの、任意に5% v/v(又は約5% v/v)までの、任意に1.0% v/v(又は約1.0% v/v)までの、任意に0.1% v/v(又は約0.1% v/v)までのC〜Cの一価アルコールの量を意味する。任意に、本発明の組成物は、C〜Cの一価アルコールを含まない。
【0020】
本明細書において使用される用語「滅菌水」は、米国薬局方の洗浄/注射用の滅菌水を意味する。米国薬局方指定は、洗浄/注射用滅菌水が現在(本出願の出願日)の米国薬局方公式モノグラフの対象であることを意味する。
【0021】
別途指定のない限り、用語「油」または「油状」構成成分は、任意の疎水性の水不混和性構成成分を意味し、精油(メントール、チモール、ユーカリプトール及びサリチル酸メチルなど)、フレーバーオイル及びビタミンE、ビタミンEアセテート、アピゲニン及びトリクロサンなどの疎水性の化合物を含むが、これらに限定されない。
【0022】
油相
本発明の組成物は、少なくとも1つの油を含む油相を含む。ある実施形態においては、本発明の油相は少なくとも1つの抗菌性精油を含む。
【0023】
抗菌性精油
ある実施形態においては、本明細書の非アルコール口内洗浄剤組成物の抗菌性の改善された有効性は、1つ又は2つ以上の抗菌性又は生理活性精油(すなわちチモール、オイカリプトール、メントール及びサリチル酸メチル)の少量の存在に起因する。
【0024】
チモール、[(CHCHC(CH)OH、またイソプロピル−m−クレゾールとしても知られている]は、水にごくわずかに溶解するが、アルコールには溶解し、その存在が、定評のある高アルコールの商業口内洗浄剤にアルコールが必要であった理由の1つである。サリチル酸メチル、(COHCOOCH、また冬緑油としても知られている)は、その抗菌性機能とともに香りを更に提供する。オイカリプトール(C1018O、またシネオールとしても知られている)は、テルペンエーテルであり、涼しいピリッとした味わいを提供する。ユーカリプトールは、ある製剤において、必要に応じてチモールの代わりに同量使用してもよい。メントール(CH(C)OH)、ヘキサヒドロチモールとしても知られている)もまた、アルコールにわずかに溶解し、かなり揮発性である。メントールは、いくらかの消毒剤特性に加えて、冷却、ヒリヒリ感を提供する。
【0025】
ある実施形態においては、精油は口腔内に抗菌活性を提供するために効果のある量で使用される。具体的な実施形態においては、開示した組成物中に存在する精油の全量は、組成物の0.001%(又は約0.001%)〜0.35%(又は約0.35%)w/v、又は任意に0.16%(又は約0.16%)〜0.28%(又は約0.28%)w/vであり得る。
【0026】
幾つかの実施形態においては、本発明の組成物は、チモール及び更にオイカリプトール、メントール、若しくはサリチル酸メチル又はこれらの混合物を含む。任意に、組成物は4つのこれらの精油すべてを含む。
【0027】
ある実施形態においては、チモールは組成物の0.001%(又は約0.001%)〜0.25%(又は約0.25%)w/v、又は任意に0.04%(又は約0.04%)〜0.07%(又は約0.07%)w/vの量、使用される。ある実施形態においては、オイカリプトールは組成物の0.001%(又は約0.001%)〜0.11%(又は約0.11%)w/v、又は任意に0.085%(又は約0.085)〜0.10%(又は約0.10%)w/vの量、使用されることがある。ある実施形態においては、メントールは組成物の0.001%(又は約0.001%)〜0.25%(又は約0.25%)w/v、又は任意に0.035%(又は約0.035%)〜0.05%(又は約0.05%)w/vの量、使用される。ある実施形態においては、サリチル酸メチルは組成物の0.001%(又は約0.001%)〜0.08%(又は約0.08%)w/v、又は任意に0.04%(又は約0.04)〜0.07%(又は約0.07%)w/vの量、使用される。
【0028】
ある実施形態においては、精油(活性成分)のキャリアは通常水−アルコール混合物であり、一般的には水−エタノールである。過去において、ある経口の消毒剤口内洗浄剤組成物が、約27% v/vまでのエタノールレベルを必要とした。このような高レベルは、必要な抗菌性機能を提供するとともに澄んだ美的に魅力のある液体媒質の提供において、活性物質を補助するために必要であった。他の製剤構成成分を加えることなく、単にアルコールレベルを削減することは、濁ったより低い有効性の製品となる。
【0029】
いかなる理論にも束縛されるものではないが、これらの高アルコールレベルの口腔用組成物においては、アルコールは抗菌性精油を溶解し、そうすることにより活性の増進機構として作用すると、信じられている。抗菌性精油は溶液全体により容易に分散し、自由に束縛されることなく留まり、口腔全体の病原性病原菌を攻撃する。アルコールレベルの削減はこの増進機構に悪く作用すると信じられていた。しかし本発明によれば、口内洗浄剤組成物が本明細書において教られる溶媒系及びアルキルサルフェート界面活性剤を含む場合には、抗菌性の有効性又は清澄さを犠牲にすることなく、アルコールのレベルの削減又は削除ができることが驚くべきことに予想外に見いだされた。
【0030】
ある実施形態においては、本発明の開示された組成物の中に存在する油相の全量は、口内洗浄剤組成物の1.35% w/v(又は約1.35% w/v)を超えるべきではない。任意に、全油相は、口内洗浄剤組成物の0.04%(又は約0.04%)〜1.35%(又は約1.35%)w/v、又は任意に0.10%(又は約0.10%)〜0.4%(又は約0.4%)w/vの量存在することができる。
【0031】
溶媒系
ある実施形態においては、本発明の口内洗浄剤組成物は、少なくとも1つのポリオール溶媒及び少なくとも1つの糖アルコールを含む溶媒系も同様に含む。
【0032】
ポリオール溶媒
本発明の溶媒系における使用に好適なポリオール又はポリハイドリックアルコール溶媒は、ポリハイドリックアルカン(プロピレングリコール、グリセリン、ブチレングリコール、ヘキシレングリコール、1,3−プロパンジオールなど)、ポリハイドリックアルカンエステル(ジプロピレングリコール、エトキシジグリコール)、ポリアルケングリコール(ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコールなど)及びこれらの混合物を含む。ある実施形態においては、ポリオール溶媒は組成物の1.0%(又は約1.0%)〜30.0%(又は約30.0%)w/v、又は任意に5.0%(又は約5.0%)〜15.0%(又は約15.0%)w/vの量存在することができる。
【0033】
糖アルコール溶媒
糖アルコール溶媒は、経口及び摂取可能な製品に通常使用されている、マルチヒドロキシ機能性化合物から選択されてよい。ある実施形態においては、糖アルコールは非代謝性及び非発酵性の糖アルコールであるべきである。具体的な実施形態においては、糖アルコールには、キシリトール、ソルビトール、マニトール、マルチトール、イノシトール、アリトール、アルトリトール、ダルシトール、ガラクチトール、グルシトール、ヘキシトール、イジトール、ペンチトール、リビトール、エリスリトール、及びこれらの混合物が挙げられるが、これらに限定されない。任意に、糖アルコールはソルビトール及びキシリトール又はこれらの混合物からなる群から選択される。任意に、糖アルコールはソルビトールである。
【0034】
ある実施形態においては、活性成分の分散又は溶解液において効果的に補佐する追加の糖アルコールの全量は、組成物の17% w/v(又は約17% w/v)を超えるべきではない。任意に、糖アルコールの全量は、組成物の10% w/v(又は約10% w/v)を超えるべきではない。糖アルコールは、組成物の1.0%(又は約1.0%)〜17.0%(又は約17.0%)w/v、又は任意に5.0%(又は約5.0%)〜15.0%(又は約15.0%)w/vの量であることができる。
【0035】
ある実施形態においては、活性成分の分散又は溶解液において効果的に補佐する溶媒系の全量は、組成物の47% w/v(又は約47% w/v)を超えるべきではない。任意に、溶媒系の全量は、組成物の20% w/v(又は約20% w/v)を超えるべきではない。溶媒系は、組成物の2%(又は約2%)〜47%(又は約47%)w/v、又は任意に10%(又は約10%)〜20%(又は約20%)w/vの量であることができる。
【0036】
ある実施形態においては、組成物中の糖アルコールのポリオール溶媒に対する重量比は、10:1(又は約10:1)〜1:10(又は約1:10)、任意に5:1(又は約5:1)〜1:5(又は約1:5)、任意に1:1(又は約1:1)であるべきである。
【0037】
アルキルサルフェート界面活性剤
本発明の口内洗浄剤組成物は、少なくとも1つのアルキルサルフェート界面活性剤も含む。ある実施形態においては、好適なアルキルサルフェート界面活性剤には、アルキルサルフェート界面活性剤が偶数のC〜C18、任意にC10〜C16の鎖長を有するような、硫酸化されたC〜C18、任意に硫酸化されたC10〜C16の偶数の炭素鎖長の、炭酸ナトリウム及び水酸化ナトリウムなどの好適な塩基性塩、及びこれらの混合物で中和されたアルコールが挙げられるが、これには限定されない。ある実施形態においては、アルキルサルフェートは、ナトリウムラウリルサルフェート、ヘキサデシルサルフェート及びこれらの混合物からなる群から選択される。ある実施形態においては、市販のアルキルサルフェートの混合物が使用される。市販のナトリウムラウリルサルフェート(SLS)の、アルキル鎖長による代表的な百分率ブレークダウンは次の通りである。
【表1】

【0038】
好適な市販の混合物には、Stepanol WA−100 NF USP、(Stepan,Northfield,IL)、Texapon K12 G PH、(Texapon,Cognis,Germany)及びこれらの混合物が挙げられる。
【0039】
特定の実施形態においては、組成物に加えられるアルキルサルフェート界面活性剤の量は、組成物の0.05%(又は約0.05%)〜2.0%(又は約2.0%)w/v、又は任意に0.1%(又は約0.1%)〜0.5%(又は約0.5%)w/vであり得る。
【0040】
アルキルサルフェート界面活性剤に、追加の界面活性剤をそれが精油の生物学的利用能に作用しない条件で精油の溶解を助けるために加えてもよい。好適な例には、追加のアニオン性界面活性剤、非イオン性界面活性剤、両性界面活性剤及びこれらの混合物が挙げられる。しかし、ある実施形態においては、本発明の口内洗浄剤の全界面活性剤濃度(アルキルサルフェート界面活性剤単独又は他の界面活性剤との混合を含む)は、組成物の2重量%(又は約2重量%)を超えない又は未満でなければならず、任意に全界面活性剤濃度は1.5重量%(又は約1.5重量%)を超えない又は未満でなければならず、任意に全界面活性剤濃度は1.0重量%(又は約1.0重量%)を超えない又は未満でなければならず、任意に全界面活性剤濃度は0.5重量%(又は約0.5重量%)を超えない又は未満でなければならない。
【0041】
本明細書において有用なアニオン性界面活性剤としては、サルコシン型界面活性剤又はサルコシネート、メチルココイルタウリン酸ナトリウム等のタウレート、ラウリルスルホ酢酸ナトリウム、ラウロイルイセチオン酸ナトリウム、ラウレスカルボン酸ナトリウム、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム、及びこれらの混合物が挙げられるが、これらに限定されない。多くの好適なアニオン性界面活性剤がAgricolaらの米国特許第3,959,458号に開示されており、本明細書にその全体を援用する。
【0042】
本発明の組成物に用いることができる非イオン性界面活性剤としては、アルキレンオキシド基(本質的に親水性)と、本質的に脂肪族又はアルキル芳香族であり得る有機疎水性化合物との縮合によって生成される化合物が挙げられるが、これらに限定されない。好適な非イオン性界面活性剤の例としては、アルキルポリグルコシド;例えば商品名CRODURET(Croda Inc.,Edison,NJ)として市販されているエトキシル化水素添加ヒマシ油、及び/又は脂肪族アルコールエトキシレート;アルキルフェノールのポリエチレンオキシド縮合物;エチレンオキシドと、プロピレンオキシド及びエチレンジアミンの反応生成物との、縮合に由来する生成物;脂肪族アルコールのエチレンオキシド縮合物;長鎖三級アミンオキシド;長鎖三級ホスフィンオキシド;長鎖ジアルキルスルホキシド、及びこれらの混合物が挙げられるが、これらに限定されない。
【0043】
本発明において有用な両性界面活性剤としては、脂肪族基が直鎖又は分枝鎖状であり得、また脂肪族置換基の1つが約8〜約18個の炭素原子を含有し、1つがアニオン性水溶性基、例えばカルボキシレート、スルホネート、サルフェート、ホスフェート、又はホスホネートを含有する、脂肪族第二級及び第三級アミンの誘導体が挙げられるが、これらに限定されない。好適な両性界面活性剤の例としては、アルキルイミノジプロピオネート、アルキルアンホグリシネート(モノ又はジ)、アルキルアンホプロピオネート(モノ又はジ)、アルキルアンホアセテート(モノ又はジ)、N−アルキルβ−アミノプロピオン酸、アルキルポリアミノカルボキシレート、リン酸化イミダゾリン、アルキルベタイン、アルキルアミドベタイン、アルキルアミドプロピルベタイン、アルキルスルタイン、アルキルアミドスルタイン、及びこれらの混合物が挙げられるが、これらに限定されない。ある実施形態においては、両性界面活性剤は、アルキルアミドプロピルベタイン、ラウロアンホアセテートナトリウムなどのアンホアセテート、及びこれらの混合物からなる群から選択される。上記界面活性剤の任意の混合物も使用することができる。アニオン性、非イオン性、及び両性界面活性剤のより詳細な議論は、Lennonの米国特許第7,087,650号、Martinらの同第7,084,104号、Sekiguchiらの同第5,190,747号、及びGieskeらの同第4,051,234号に見いだすことができ、これら特許それぞれの全体を本明細書に援用する。
【0044】
ある実施形態においては、本発明のアルキルサルフェート界面活性剤を含む口内洗浄剤に追加して加えられる界面活性剤は、タウリン酸塩からなる群から選択される。任意に、追加の界面活性剤は、ナトリウムメチルラウリルタウリン酸塩、ナトリウムメチルオレオイルタウリン酸塩、ナトリウムメチルココイルタウリン酸塩及びこれらの混合物からなる群から選択される。ある実施形態においては、追加の界面活性剤はナトリウムメチルココイルタウリン酸塩である。
【0045】
ある実施形態においては、組成物中の界面活性剤の全量に対する溶媒系の重量比は、360:1(又は約360:1)〜10:1(又は約10:1)、任意に100:1(又は約100:1)〜20:1(又は約20:1)であるべきである。
【0046】
更なる実施形態においては、油相の、溶媒系に対する、界面活性剤の全量(又はアルキルサルフェート界面活性剤を含む全界面活性剤濃度)に対する比は、重量で1:200:1.5(又は約1:200:1.5)、又は任意に1:60:1.5(又は約1:60:1.5)である。
【0047】
水相
水を含む水相が、水中油型又は油中水型デイスパージョン、マイクロエマルジョン又はエマルジョンを形成するために本組成物の油相に加えられる。
【0048】
ある実施形態においては、水相は組成物の約60重量%〜約95重量%、又は任意に約75重量%〜約93重量%を構成する。
【0049】
あるいは、本発明の口内洗浄剤組成物は、ドライパウダー、チューインガム、半固体、固体又は液体の濃縮物の形態に調剤してもよい。このような実施形態においては、例えば、水は液体濃縮物又は粉末製剤のケースで必要な適量が加えられ、または乾燥粉末形態の組成物を生成するために当該技術分野において既知の標準的な蒸発方法により水を除去することができる。蒸発又は凍結乾燥した形態は貯蔵及び出荷に好都合である。
【0050】
ミセルサイズ
本発明の口内洗浄剤組成物は、ミセルと呼ばれる両親媒性分子のコロイド状の凝集体を含む。ある実施形態においては、本発明のミセルは200nm(又は約200nm)、任意に100nm(又は約100nm)、任意に50nm(又は約50nm)、又は任意に10nm(又は約10)未満の凝集体サイズを有する。
【0051】
任意成分
不溶性微粒子
ある実施形態においては、本発明の口腔ケア組成物は、任意に安全且つ有効な量の非水溶性微粒子を含む。非水溶性微粒子は、研磨粒子(歯科的に許容できる研磨剤等)又は非研磨微粒子であり得る。
【0052】
ある実施形態では、歯科的に許容できる研磨剤としては、炭酸カルシウムなどの非水溶性カルシウム塩及び種々のリン酸カルシウム、アルミナ、シリカ、合成樹脂、並びにこれらの混合物が挙げられるが、これらに限定されない。好適な歯科的に許容できる研磨剤は、本発明の組成物で用いられる濃度において、約30〜約250の放射性象牙質研磨値(RDA)を有するものとして一般的に定義され得る。ある実施形態では、研磨剤は、非晶質の水和シリカ研磨剤、具体的には、例えば、それぞれ商品名ZEODENT(J.M.Huber Corporation,Edison,NJ)及びSYLODENT(W.R.Grace & Co.,New York,NY)として市販されている沈降シリカ又は粉砕シリカゲルの形態である。ある実施形態では、本発明による組成物は、約1重量%〜約20重量%、又は任意に約5重量%〜約10重量%の研磨剤を含む。
【0053】
あるいは、不溶性微粒子は肉眼で確認できる非研磨微粒子であり、本発明の組成物中で安定である。
【0054】
非研磨微粒子は、製品の望ましい特性に従って任意のサイズ、形態又は色とすることができる。非研磨微粒子は、典型的には、小球形若しくは実質的に球形のボール状又は球体の形状を有するが、板状又はロッド状の形状も本明細書において想到される。一般に、非研磨微粒子は、約50μm〜約5000μm、任意に約100μm〜約3000μm、又は任意に約300μm〜約1000μmの平均直径を有する。「安定な」及び/又は「安定性」という用語は、研磨微粒子又は非研磨微粒子が、通常の保存条件下で、分解、凝集又は分離しないことを意味する。ある実施形態においては、用語「安定」及び又は「安定性」は、室温で8週間後、任意に26週間後、任意に52週間後に、本発明の組成物が不溶性微粒子沈殿の見える兆候を含まないか、わずかに見える兆候(肉眼で)しか含まないかを更に意味する。
【0055】
本明細書における非研磨微粒子は、典型的には、組成物の約0.01重量%〜約25重量%、任意に約0.01重量%〜約5重量%、又は任意に約0.05重量%〜約3重量%の濃度で本組成物に組み込まれる。
【0056】
本明細書における非研磨微粒子は、典型的には、構造材及び/又は任意に包含された物質を含む。
【0057】
構造材は、通常の保存条件下で、本発明の組成物において明確に検出可能な構造を保持するように、非研磨微粒子に特定の強度を付与する。1つの実施形態では、構造材は更に、使用時に歯、舌、又は口腔粘膜上において、極めてわずかな剪断で破壊及び分解され得る。
【0058】
非研磨微粒子は、本発明の組成物中で安定である限り、固体又は液体でもよく、詰まっていても又は詰まっていなくてもよい。非研磨微粒子を作製するために用いられる構造材は、他の成分、及び、存在する場合には、非研磨微粒子中に内包される物質との適合性によって変化する。本明細書における非研磨微粒子を調製する代表的な物質としては、結晶質セルロース、酢酸セルロース、酢酸セルロースブチラート、セルロースアセテートフタレート、硝酸セルロース、エチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロースフタレート、メチルセルロース、ナトリウムカルボキシメチルセルロース、アカシアゴム(アラビアゴム)、寒天、アガロース、マルトデキストリン、ナトリウムアルギネート、カルシウムアルギネート、デキストラン、デンプン、ガラクトース、グルコサミン、シクロデキストリン、キチン、アミロース、アミロペクチン、グリコーゲン、ラミナーラン、リケナン、カードラン、イヌリン、レバン、ペクチン、マンナン、キシラン、アルギン酸、アラビン酸、グルコマンナン、アガロース、アガロペクチン、プロフィラン、カラギーネン、フコイダン、グリコサミングリカン、ヒアルロン酸、コンドロイチン、ペプチドグリカン、リポポリサッカライド、グアガム、デンプン及びデンプン誘導体などの多糖類及び糖類誘導体;スクロース、ラクトース、マルトース、ウロン酸、ムラミン酸、セロビオース、イソマルトース、プランテオース、メレジトース、ゲンチアノース、マルトトリオース、スタキオース、グルコシド及びポリグルコシドなどのオリゴサッカライド;グルコース、フラクトース及びマンノースなどのモノサッカライド;ポリアクリルアミドを含むアクリルポリマー及びコポリマー、ポリ(アルキルシアノアクリレート)、及びポリ(エチレンビニルアセテート)及び、カルボキシビニルポリマー、ポリアミド、ポリ(メチルビニルエーテル−マレイン酸無水物)、ポリ(アジピル−L−リジン)、ポリカーボネート、ポリテレフタルアミド、ポリビニルアセテートフタレート、ポリ(テレフタロイル−L−リジン)、ポリアリールスルフォン、ポリ(メチルメタクリレート)、ポリ(ε−カプロラクトン)、ポリビニルピロリドン、ポリジメチルシロキサン、ポリオキシエチレン、ポリエステル、ポリグリコール酸、ポリ乳酸、ポリグルタミン酸、ポリリジン、ポリスチレン、ポリ(スチレン−アクリロニトリル)、ポリイミド、及びポリ(ビニルアルコール)などの合成ポリマー;油脂、脂肪酸、脂肪族アルコール、乳固体、糖蜜、ゼラチン、グルテン、アルブミン、シェラック、カゼイネート、蜜ろう、カルナウバワックス、鯨ろう、水添獣脂、グリセロールモノパルミテート、グリセロールジパルミテート、水添ヒマシ油、グリセロールモノステアレート、グリセロールジステアレート、グリセロールトリステアレート、12ヒドロキシステアリルアルコール、タンパク質、及びタンパク質誘導体などの他の物質;並びにこれらの混合物が、挙げられる。本明細書における構成成分は、本組成物の有用な構成成分として他の項に記載されていることがある。ある実施形態においては、この項に記載されている構成成分は、通常の保存条件下において、微粒子から本発明の組成物に実質的に溶解又は分散しないように、非研磨微粒子の構造を形成している。
【0059】
他の実施形態においては、本明細書における構造材は糖類及びその誘導体、糖類及びその誘導体、オリゴ糖類、単糖類、並びにこれらの混合物からなる群から選択される成分を含むか、又は任意に、水に対するさまざまな溶解度を有する成分を含む。幾つかの実施形態では、構造材は、ラクトース、セルロース及びヒドロキシプロピルメチルセルロースを含む。
【0060】
適切な非研磨微粒子には米国特許第6,797,683号に詳細に記載されている有機ゲル粒子も挙げられ、本明細書にその全体を参照により援用する。有機ゲル粒子である非研磨微粒子は、通常、ワックス(例えば、蜜ろう、パラフィン、非水溶性ワックス、炭素系ワックス、シリコーンワックス、微結晶ワックスなど)、トリグリセリド、酸トリグリセリド、ポリマー、フルオロアルキル(メタ)アクリレートポリマー及びコポリマー、アクリレートポリマー、エチレン/アクリレートコポリマー、ポリエチレン、ポリプロピレンポリマー及びコポリマー、脂肪酸、脂肪族アルコール、脂肪酸エステル、脂肪酸エーテル、脂肪酸アミド、アルキレンポリハイドリックアルコール、アルカノールアミンンの脂肪酸アミド、グリセリルモノステアレート、(アリール置換)砂糖、ジベンジルソルビトール(又はマンニトール、ラビトールなど)、低級一価アルコールの縮合物及び予備縮合物、三価アルコール、低級ポリグリコール、プロピレン/エチレン重縮合物などから選択される、構造物質を含む。任意に、有機ゲル粒子である非研磨微粒子のための構造材としては、蜜ろう、カルナウバワックス、低分子量エチレンホモポリマー(例えば、Baker Petrolite Corp.から入手可能なPolywax 500、Polywax 1000、又はPolywax 2000ポリエチレン材料)、又はパラフィンワックスが挙げられる。
【0061】
本明細書における非研磨微粒子は、内包材を内包、含有、又は充填し得る。このような内包物質は、水溶性又は非水溶性であることができる。好適な内包材としては、口腔ケア活性物質、ビタミン、顔料、染料、抗菌剤、キレート剤、光学的光沢剤、香味料、香料、保湿剤、鉱物、及びこれらの混合物等の、本明細書に記載される有益な物質が挙げられる。本明細書における内包材は、非研磨微粒子内に実質的に保持され、通常の保存条件下で、微粒子から本発明の組成物に実質的に溶け出ない。
【0062】
本明細書において特に有用な市販の非研磨微粒子は、Induchem AG(スイス)から入手可能な商品名Unisphere及びUnicerin、並びにUnited−Guardian Inc.(米国ニューヨーク)から入手可能なConfetti Dermal Essentialsである。Unisphere及びUnicerin粒子は、微結晶性セルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ラクトース、ビタミン、顔料、及びタンパク質でできている。使用時、Unisphere及びUnicerin粒子は、非常にわずかな剪断力で、また事実上抵抗なしに分解し得、本発明の組成物中に容易に分散する。
【0063】
本組成物への組み込みのための適切な非研磨性微粒子は、米国特許第6,797,683号(有機ゲル粒子)、米国特許第6,045,813号(破裂可能なビーズ)、米国特許出願公開第2004/0047822 A1号(見えるカプセル)、及び米国特許第6,106,815号(カプセル化又は微粒子化されたオイル状物質)に詳細に記載されており、同特許文書全てをそれぞれ本明細書に参照により援用する。
【0064】
ある実施形態においては、研磨及び/又は非研磨粒子は、これら粒子がその中に配合されるキャリアーとは異なる、又は任意に実質的に異なる密度を有する。
【0065】
香味料又は風味剤
ある実施形態においては、香味料又は風味剤も同様に、口内洗浄剤の味を更に修正又は強化するために、またはチモールなどの成分の強い「刺激」又は「火照」を減らしまたは覆うために加えられてもよい。好適な香味料には、アニス油、アネトール、ベンジルアルコール、スペアミント油、かんきつ油、バニリンなどが挙げられ、組み込まれてもよいが、これらに限定されない。これらの実施形態においては、組成物に加えられる香味料オイルは、組成物の0.001%(又は約0.001%)〜1.0%(又は約1.0%)w/v、又は任意に0.1%(又は約0.10%)〜0.30%(又は約0.30%)w/vであり得る。
【0066】
使用される特定の香味料又は風味剤及び他の味を改善する成分は、所望の特定の味及び感じにより変化する。当業者は所望の結果を得るために成分のタイプを選択し、カスタマイズすることができる。
【0067】
緩衝剤
ある実施形態においては、既知の技術の口内洗浄液及び口内洗浄剤のように、従来の成分を追加して添加してよい。アルコールを含むある口内洗浄剤は約7.0のpHを有するので、アルコールレベルの削減では、pHレベルを低下させるソルビン酸又は安息香酸などの酸性の防腐剤の添加が必要となることがある。組成物のpHを最適レベルに制御するために、次に緩衝系が必要である。一般的に、これは弱酸とその塩、又は弱塩基とその塩の添加により達成できる。ある実施形態においては、組成物の0.01% w/v(又は約0.01% w/v)〜1.0% w/v(又は約1.0% w/v)の量のナトリウム安息香酸塩及び安息香酸、並びに組成物の0.001% w/v(又は約0.001% w/v)〜1.0% w/v(又は約1.0% w/v)の量のクエン酸ナトリウム及びクエン酸、並びに組成物の重量で0.01%(又は約0.01%)〜1.0%(又は約1.0%)の量のリン酸及びナトリウム/カリウムリン酸塩が、有益な系であることが見いだされている。ある実施形態においては、緩衝剤はpHレベルが3.0(又は約3.0)〜8.0(又は約8.0)、任意に3.5(又は約3.5)〜6.5(又は約6.5)、任意に3.5(又は約3.5)〜5.0(又は約5.0)に保持される量で組み込まれる。いかなる理論によっても制限されるものではないが、これらのpHレベルは、その抗菌活性を最高にし安定性を促進する環境も精油に提供すると、信じられている。
【0068】
フッ化物放出化合物
ある実施形態においては、本発明の口内洗浄剤組成物に、フッ化物を提供する化合物が存在してもよい。これらの化合物はわずかに水可溶性または完全に水可溶性であることがあり、フッ化物イオン又はフッ化物含有イオンを水中に放出する能力により特徴付けられる。フッ化物を供給する代表的な化合物は、可溶性アルカリ金属、アルカリ土類金属及び重金属塩などの無機フッ化物塩であり、例えばフッ化ナトリウム、フッ化カリウム、フッ化アンモニウム、フッ化第二銅、フッ化亜鉛、フッ化第二スズ、フッ化スズ、フッ化バリウム、ナトリウムヘキサフルオロシリケート、アンモニウムヘキサフルオロシリケート、フルオロジルコニウム酸ナトリウム、モノフルオロリン酸ナトリウム、モノ−及びジフルオロリン酸アルミニウム、及びフッ素化ピロリン酸カルシウムナトリウムである。N’−オクタデシルトリメチレンジアミン−N,N,N’−トリス(2−エタノール)−二フッ化水素酸塩及び9−オクタデセニルアミンフッ化水素酸塩などの、アミンフッ化物もまた使用されてもよい。
【0069】
ある実施形態においては、フッ化物を供給する化合物は、組成物の0.15重量%(又は約0.15重量%)まで、任意に0.001重量%(又は約0.001重量%)〜0.1重量%(又は約0.1重量%)、任意に0.001重量%(又は約0.001重量%)〜0.05重量%(又は約0.05重量%)のフッ化物を放出するのに十分な量で通常存在する。
【0070】
亜鉛塩
ある実施形態においては、塩化亜鉛、酢酸亜鉛又はクエン酸亜鉛などの亜鉛塩が、「消毒剤洗浄」感覚の収れん剤として、呼吸保護促進剤又は抗結石剤として、組成物の0.0025% w/v(又は約0.0025% w/v)〜0.1% w/v(又は約0.1% w/v)の量、加えられてよい。
【0071】
刺激感応性緩和剤
ある実施形態においては、刺激感応性緩和剤、すなわち硝酸及びシュウ酸のカリウム塩が、組成物の0.1%(又は約0.1%)〜5.0%(又は約5.0%)w/vの量で本発明に組み込まれてよい。他のカリウム放出化合物(例えば、KCl)が使用可能である。高濃度のリン酸カルシウムも、追加して刺激感応性をいくらか緩和することがある。これらの物質は、閉塞性の鉱物性表面堆積物を歯の表面に形成するか、又は歯の中の神経にカリウムを供給し神経を脱分極するかのいずれかにより、作用すると信じられている。好適な刺激感応性緩和のより詳細な考察が、Hodoshの米国第20060013778号、及びMarkowitzらの米国特許第6,416,745号に見いだすことができ、これらの双方の全体を参照により本明細書に援用する。
【0072】
抗結石剤
ある実施形態においては、抗結石効果のある化合物(例えば、ポリリン酸塩、ホスホン酸塩、種々のカルボキシレート、ポリアスパラギン酸、イノシトールホスフェートなど)が、本発明に組み込まれてよい。アニオン性高分子ポリカルボキシレートも、抗結石剤として役立つ。こうした物質は当該技術分野において周知であり、その遊離酸、若しくは部分的に又は好ましくは完全に中和された水溶性アルカリ金属塩(例えばカリウム及び好ましくはナトリウム)又はアンモニウム塩の形で使用される。好ましいのは、無水マレイン酸又はマレイン酸と、他の重合可能なエチレン性不飽和モノマー、好ましくは約30,000〜約1,000,000の分子量(M.W.)を有するメチルビニルエーテル(メトキシエチレン)と、の重量で1:4〜4:1のコポリマーである。これらのコポリマーは、例えば、GAF Chemicals CorporationのGantrez AN 139(M.W.500,000),AN 119(M.W.250,000)及び好ましくはS−97 Pharmaceutical Grade(M.W.70,000)として入手可能である。
【0073】
追加成分
本発明の口内洗浄剤組成物は、肉眼にほぼ澄んだ及び/又は無色状態として調剤してもよいが、本発明の組成物に心地よい色を与えるために、容認認可された食品用染料が好ましく使用される。これらは、容認できる食品用染料の長いリストから選択することができるが、これに限定されない。この目的に適した染料として、FD&C黄色5号、FD&C黄色10号、FD&Cブルー1号、及びFD&Cグリーン3号が挙げられる。これらは従来の量、通常、組成物の0.00001% w/v(又は約0.00001% w/v)〜0.0008% w/v(又は約0.0008% w/v)、任意に0.00035% w/v(又は約0.00035% w/v)〜0.0005% w/v(又は約0.0005% w/v)の個々の量が加えられる。
【0074】
当該技術分野において公知であり使用されているものを含め、他の従来の成分が本発明の口内洗浄剤組成物に使用されてよい。これらの成分の例として、増粘剤、懸濁化剤及び柔軟剤が挙げられる。本発明の組成物に有用な増粘剤及び懸濁化剤は、Pullenらの米国特許第5,328,682号に見いだされ、本明細書にその全体を参照により援用する。ある実施形態においては、これらは組成物の0.1% w/v(約0.1% w/v)〜0.6% w/v(又は約0.6% w/v)、任意に0.5% w/v(又は約0.5% w/v)の量で組み込まれる。
【0075】
有用な口腔ケア活性物質及び/又は不活性成分のより詳細な記述、並びにれらの追加的な例は、Majetiらの米国特許第6,682,722号及びNairらの第6,121,315号に見いだすことができ、これらそれぞれを全体として本明細書に参照により援用する。
【0076】
ある実施形態では、本発明の組成物は、生物学的利用能に作用する化合物を含まないか、又は実質的に含まない。本明細書で使用される場合、「生物学的利用能に作用する化合物」は、精油と結合することにより、ないしは別の方法で、精油を不活性化するなどの、組み込まれた任意の精油の生物学的利用能を負の方向に作用する化合物を意味する。生物学的利用能に作用する化合物に関連して使用される場合、「実質的に含まない」とは、全組成物の重量(w/v)の5%(又は約5%)、任意に3%(又は約3%)、任意に1%(又は約1%)、又は任意に0.1、又は任意に0.01%(又は約0.01%)未満の量の生物学的利用能に作用する化合物を有する製剤と定義される。ある実施形態においては、生物学的利用能に作用する化合物としては、ポロキサマーなどのポリエチレンオキシド/ポリプロピレンオキシドブロックコポリマー、シクロデキストリン、ツイーン(Tweens)などのポリソルベート、及びこれらの混合物が挙げられるが、これらに限定されない。
【0077】
本発明の実施方法
本明細書において解説的に開示した発明は、本明細書において具体的には開示されていない任意の構成成分、成分、又は工程がなくても実行することができる。
【0078】
ある実施形態においては、本発明の組成物は歯及び/又は口腔の柔らかい表面に少なくとも2回連続して適用され、任意に少なくとも3(又は約3)回(又はそれを超えて)、又は任意に少なくとも5(又は約5)回(又はそれを超えて)連続して適用される。
【0079】
歯及び/又は口腔の柔らかい表面に適用される場合、ある実施形態においては、組成物は歯及び/又は口腔の柔らかい表面に、少なくとも10(又は約10)秒(又はそれを超えて)、任意に20(又は約20)秒、任意に30(又は約30)秒、任意に50(又は約50)秒、又は任意に60(又は約60)秒接触して留まることが許される。
【0080】
本発明の種々の実施形態が上に説明されている。それぞれの実施形態は、本発明を制限するためではなく、本発明を説明するために提供されている。事実、本発明の範囲又は趣旨から逸脱することなく、本発明に様々な修正及び変更を加えることができることが当業者に明白であろう。例として、一実施形態の一部として図示又は記載される特徴は、更に追加の実施形態を作るために、別の実施形態に使用することができる。したがって、本発明は、添付の特許請求の範囲及びそれらの同等物の範囲内であるとして、そのような修正及び変更を包含することが意図される。
【実施例】
【0081】
以下の実施例は説明のためのみのものであり、決して本発明を限定するものとして解釈すべきではない。当業者は、添付の請求項の精神と範囲内において種々の変形が可能であることを十分理解するであろう。
【0082】
実施例1:シクロデキストリンによる精油の可溶化(比較例)
4つの製剤を調製し、フローセルモデルにより混合種バイオフィルムキル分析を行った。48時間唾液バイオフィルムをポリスチレンペグプレート上に成長させた(96ペグ、テストグループ当たりN=8)。次いで4つの製剤それぞれで陽性及び陰性対照とともにペグを30秒間処理した。処理は毎日2回行い、合計5回の処理をおこなった。陽性対照は市販の精油口内洗浄剤であった。陰性対照は滅菌水であった。
【0083】
処理後、基質に残っている生菌をMisonix XL−2000 Ultrasonicプロセッサ(Qsonica,LLC,Newtown,CT)を使用して音波処理により除去した。Celsis Rapid Detection RapiScreenキット(Celsis International PLC,Chicago)を使用して、Celsis Luminexにより細菌を溶解し、次いで、溶解菌から放出されたアデノシン三リン酸(ATP)をバイオルミネッセンスマーカCelsis LuminATEにより測定した。その低下が基質に残存する生菌がより少ないことを示すlog RLU(relative light units、相対発光量)及びテストした化合物と陰性対照とのlog RLU値の差であるM−ファクターユニットとして、データを報告した。
【0084】
4つの製剤及び混合種バイオフィルムキルテストの結果を表1に示す。最終の製剤は、必要である場合には0.1MのNaOH又は0.1MのHClを使用して、pHが4.2に調整された。
【表2】

【0085】
製剤1A〜1DのM−ファクターは0.1未満であった。このデータでは、精油はシクロデキストリン処方では可溶化されているが、バイオフィルム中の細菌種を殺すのに生物学的利用能が十分ではないことを示している。市販のアルコール含有精油口内洗浄剤は、M−ファクターが1.87に等しい、比較的高いM−ファクターをもたらした。
【0086】
実施例2:種々の界面活性剤
口腔ケア製品における使用が認可されている種々の界面活性剤を使用して、7つのプロピレングリコールベースの口内洗浄剤製剤を調製し、インビトロの単独種S.mutansバイオフィルムモデルを用いて試験した。22時間S.mutansバイオフィルムを成長させ(N=32)、陽性及び陰性対照とともに30秒間製剤に暴露した。滅菌水を陰性対照として使用した。処理後、バイオフィルムを中和し、すすいだ。Misonix XL−2000 Ultrasonicプロセッサ(Qsonica,LLC,Newtown,CT)を使用して、超音波処理によりバイオフィルムを採取した。Celsis Rapid Detection RapiScreenキット(Celsis International PLC,Chicago)を使用し、Celsis Luminexにより細菌を溶解し、細菌からのATPを、バイオルミネッセンスマーカ、Celsis LuminATE、により測定した。log RLU(相対発光量)の低下は処理後により少ない細菌が生存していることを示している。
【0087】
7つの製剤とともに、S.mutansバイオフィルムキルテストの結果を、log RLU及びM−ファクターユニットとして、表2に示す。最終製剤は、必要である場合には0.1M NaOH又は0.1M HClにより、pHが4.2に調整された。市販のアルコール含有精油口内洗浄剤の代表的なM−ファクターは、このモデルでは約2.1(log RLUが5.8)である。
【表3】

【0088】
表2は、殺菌作用が界面活性剤に依存して大きく変化することを示しており、アルキルサルフェート及びアルキルサルフェートの組み合わせが最高の活性(2.0を超えるM−ファクター)を有している。更に、ソルビトールを含む製剤2Fは非常に大きい3.68のM−ファクターをもたらしたが、ソルビトールを含まない以外は同じ製剤である2Aは2.27のM−ファクターをもたらしたので、ソルビトールもバイオ活性を向上させることが観察された。
【0089】
実施例3:低アルコール口内洗浄剤における溶媒レベルの最適化
低アルコール精油口内洗浄剤製剤の溶媒(エタノール、ソルビトール、プロピレングリコール)レベルの最適化のために、これらの3つの要因に関して中央複合計画を使用した。15の製剤を調製し、実施例2で述べた単独種S.mutansモデルを使用して試験し、バイオ活性を評価するためにlog RLUが測定された。滅菌水を陰性対照として使用した。
【0090】
15の製剤とともにS.mutansバイオフィルムキルテストの結果を表3A及び3Bに示す。最終製剤は、必要である場合には0.1M NaOH又は0.1M HClにより、pHが4.2に調整された。市販のアルコール含有精油口内洗浄剤の代表的なM−ファクターは、このモデルでは約2.1(log RLUが5.8)である。
【表4】

【表5】

【0091】
表3A及び3Bに示されているように、0.3%のナトリウムラウリルサルフェート及び全油相含量が約0.6% w/vのレベルにおいて、プロピレングリコール(又はポリオール溶媒)濃度が4%〜10% w/vで最適であり、ソルビトール(又は糖アルコール溶媒)は、70%のソルビトール溶液として加えられた場合、6%〜14% w/vで最適である。エタノール濃度は、この系においては有効性に大きな効果を持たなかった。
【0092】
実施例4:2要因中央複合計画による非アルコール口内洗浄剤における溶媒レベルの最適化
非アルコール精油口内洗浄剤製剤の溶媒(ソルビトール、プロピレングリコール)レベルの最適化のために、これらの2つの要因に関して、中央複合計画を使用した。9つの製剤を調製し、実施例2で述べた単独種S.mutansモデルを使用して試験し、バイオ活性を評価するためにlog RLUが測定された。滅菌水を陰性対照として使用した。
【0093】
9つの製剤及びS.mutansバイオフィルムキルテストの結果を表4に示す。最終製剤は、必要である場合には0.1M NaOH又は0.1M HClにより、pHが4.2に調整された。市販のアルコール含有精油口内洗浄剤の代表的なM−ファクターは、このモデルでは約2.1(log RLUが5.8)である。
【表6】

【0094】
表4に示されているように、0.35% w/vのナトリウムラウリルサルフェート及び全油相含量が約0.36% w/vのレベルにおいて、プロピレングリコール(又はポリオール溶媒)濃度は5%〜13% w/vが最適であり、一方ソルビトール(又は糖アルコール溶媒)は、70%のソルビトール溶液として加えられた場合、10%〜25% w/vが最適である。最適な溶媒は、界面活性剤濃度及び香味料の選択により変化する。
【0095】
実施例5:他のグリコール溶媒の評価
2つの製剤を調製し、実施例2で述べた単独種S.mutansモデルを使用し、バイオ活性を評価するために測定されたlog RLUで試験した。滅菌水を陰性対照として使用した。
【0096】
目的は、プロピレングリコールを含む非アルコール精油製剤と、1,3−プロパンジオールなどの他のグリコール溶媒を含む非アルコール精油製剤とを比較することであった。
【0097】
製剤及びS.mutansバイオフィルムキルテストの結果を表5に示す。最終製剤は、必要である場合には0.1M NaOH又は0.1M HClにより、pHが4.2に調整された。市販のアルコール含有精油口内洗浄剤の、代表的なM−ファクターは,このモデルでは約2.1(log RLUが5.8)である。
【表7】

【0098】
製剤5A(1,3−プロパンジオールをポリオール溶媒とする)及び製剤5B(プロピレングリコールをポリオール溶媒とする)とで処理した口腔バイオフィルムからのATPのRLU値は非常に近く(M−ファクターがそれぞれ3.59及び3.52である)、これはプロピレングリコールを他のポリオール溶媒(すなわち1,3−プロパンジオール)で置き換え得る可能性があり、この場合でもバイオ活性が維持されることを示している。市販のアルコール含有精油口内洗浄剤の、代表的なM−ファクターは、このモデルにおいては約2.1(log RLUが5.8)である。
【0099】
実施例6:ポロキサマーの効果
4つの製剤を調製し、実施例2で説明した単独種モデルを使用して、混合種バイオフィルムキルについて試験した。陰性対照は滅菌水であった。
【0100】
4つの製剤及び単独種バイオフィルムキルテストの結果を表6に示す。最終製剤は、必要である場合には0.1M NaOH又は0.1M HClにより、pHが4.2に調整された。市販のアルコール含有精油口内洗浄剤の代表的なM−ファクターは、このモデルでは約2.1(log RLUが5.8)である。
【表8】

【0101】
水のlog RLUは7.94であった。表は、製剤に加えられたポロキサマー407の量が増えると、log RLU(相対発光量)が増加することを示している。log RLUの増大は、より多くの生菌が基質の上に残っていることを示している。それゆえ、ポロキサマーを含まない組成物が単独種バイオフィルムではより効果的である。ポロキサマー407(製剤6B〜6D)を含むすべての製剤のM−ファクターは1.50未満であった。
【0102】
実施例7:グリコール溶媒としてのグリセリンの評価
6つの製剤を調製し、実施例2で述べた単独種S.mutansモデルを使用し、バイオ活性を評価するために測定されたlog RLUで、試験した。減菌水を陰性対照として使用した。
【0103】
目的は、プロピレングリコールを含む非アルコール精油製剤と、グリセリン又はグリセリン/プロピレングリコールの組み合わせ含む非アルコール精油製剤とを比較することであった。
【0104】
製剤及びS.mutansバイオフィルムキルテストの結果を表7に示す。最終製剤は、必要である場合には0.1M NaOH又は0.1M HClにより、pHが4.2に調整された。市販のアルコール含有精油口内洗浄剤の代表的なM−ファクターは、このモデルでは約2.1(log RLUが5.8)である。
【表9】

【0105】
両方の製剤で処理した口腔バイオフィルムからのATPに基づくlog RLUは非常に近い値であり、これはプロピレングリコールが他のグリコール溶媒で置き換え得る可能性とバイオ活性が保持されることを示している。製剤7A(プロピレングリコール)及び製剤7C(グリセリン)で処理した口腔バイオフィルムからのATPに基づくlog RLUは近い値(M−ファクターがそれぞれ1.7及び1.6に等しい)であり、プロピレングリコールが他のポリオール溶媒(すなわちグリセリン)で置き換えられ得る可能性があり、その場合でもバイオ活性が保持されることを示している。
【0106】
実施例8:SLSと他の界面活性剤との組み合わせ
3つの製剤を調製し、実施例1に示したフロースルーモデルを使用し、混合種バイオフィルムキルを試験した。滅菌水を陰性対照として使用した。
【0107】
3つの製剤及び混合種バイオフィルムキルテストの結果を表8に示す。最終製剤は、必要である場合には0.1M NaOH又は0.1M HClにより、pHが4.2に調整された。市販のアルコール含有精油口内洗浄剤の、代表的なM−ファクターは,このモデルでは約1.8(log RLUが5.7)である。
【表10】

【0108】
ナトリウムラウリルサルフェート及びナトリウムラウリルサルフェート/ナトリウムメチルココヤシ油タウリン酸塩製剤で処理した、口腔バイオフィルムからのATPのlog RLUは非常に近い値であり、追加の界面活性剤(例えば、ナトリウムメチルココヤシ油タウリン酸塩)が製剤に加えられる場合、ナトリウムラウリルサルフェートのレベルを下げることができ、(それぞれ2.03及び2.32のM−ファクターが示すように)、バイオ活性は維持される。アルキルサルフェート界面活性剤が存在しない場合には、(より低い1.21のM−ファクターが示すように)バイオ活性の喪失が観察される。
【0109】
〔実施の態様〕
(1) a.1つ又は2つ以上の抗菌精油を含む油相と、
b.少なくとも1つのポリオール溶媒及び少なくとも1つの糖アルコール溶媒を含む溶媒系と、
c.少なくとも1つのアルキルサルフェート界面活性剤と、
d.任意に少なくとも1つの追加の界面活性剤と、
e.水を含む水相と、を含む、アルコールが削減された抗菌口内洗浄剤組成物であって、
前記口内洗浄剤組成物が、約200nm未満の凝集体サイズを有するミセルを含むマイクロエマルションであり、前記組成物が基本的に生物学的利用能に作用する化合物を含まず、更に前記組成物が基本的にC〜Cの一価アルコールを含まない、アルコールが削減された抗菌口内洗浄剤組成物。
(2) 前記抗菌精油が、メントール、ユーカリプトール、サリチル酸メチル、チモール及びこれらの混合物からなる群から選択される、実施態様1に記載の口内洗浄剤。
(3) 前記抗菌精油が、メントール、ユーカリプトール、サリチル酸メチル及びチモールの混合物である、実施態様2に記載の口内洗浄剤。
(4) 前記ポリオール溶媒が、ポリハイドリックアルカン(polyhydric alkanes)、ポリハイドリックアルカンエステル、ポリアルケングリコール及びこれらの混合物からなる群から選択される、実施態様1に記載の口内洗浄剤。
(5) 前記ポリオールが、ポリハイドリックアルカンである、実施態様4に記載の口内洗浄剤。
(6) 前記ポリハイドリックアルカンが、プロピレングリコールである、実施態様5に記載の口内洗浄剤。
(7) 前記糖アルコール溶媒が、キシリトール、ソルビトール、マニトール、マルチトール、イノシトール、アリトール、アルトリトール、ダルシトール、ガラクチトール、グルシトール、へキシトール、イジトール、ペンチトール、リビトール、エリスリトール及びこれらの混合物からなる群から選択される、実施態様1に記載の口内洗浄剤。
(8) 前記糖アルコール溶媒が、ソルビトールである、実施態様7に記載の口内洗浄剤。
(9) 前記ポリオール溶媒及び前記糖アルコール溶媒が、約10:1〜約1:10の重量比で存在する、実施態様1に記載の口内洗浄剤。
(10) 前記ポリオール溶媒及び前記糖アルコール溶媒が、約5:1〜約1:5の重量比で存在する、実施態様9に記載の口内洗浄剤。
【0110】
(11) 前記アルキルサルフェート界面活性剤が、偶数個のC〜C18鎖長を有するアルキルサルフェート界面活性剤である、実施態様1に記載の口内洗浄剤。
(12) 前記アルキルサルフェート界面活性剤が、ナトリウムラウリルサルフェート、ヘキサデシルサルフェート及びこれらの混合物からなる群から選択される、実施態様11に記載の口内洗浄剤。
(13) 前記組成物中の前記油相と溶媒系と前記アルキルサルフェート界面活性剤との比が、重量で約1:60:1.5である、実施態様1に記載の口内洗浄剤。
(14) 前記組成物中の前記油相と前記溶媒系と前記アルキルサルフェート界面活性剤との比が、重量で約1:200:1.5である、実施態様13に記載の口内洗浄剤。
(15) 前記生物学的利用能に作用する化合物が、ポロキサマーなどのポリエチレンオキシド/ポリプロピレンオキシドブロックコポリマー、シクロデキストリン、ポリソルベート及び混合物からなる群から選択される、実施態様1に記載の口内洗浄剤。
(16) 前記組成物が、生物学的利用能に作用する化合物を含まない、実施態様1に記載の口内洗浄剤。
(17) 前記組成物が、C〜Cの一価アルコールを含まない、実施態様1に記載の口内洗浄剤。
(18) 前記組成物が、約0.5を超えるM−ファクターを有する、実施態様1に記載の口内洗浄剤。
(19) 前記組成物が、約1.0を超えるM−ファクターを有する、実施態様16に記載の口内洗浄剤。
(20) 前記組成物が、約2.0を超えるM−ファクターを有する、実施態様17に記載の口内洗浄剤。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
a.1つ又は2つ以上の抗菌精油を含む油相と、
b.少なくとも1つのポリオール溶媒及び少なくとも1つの糖アルコール溶媒を含む溶媒系と、
c.少なくとも1つのアルキルサルフェート界面活性剤と、
d.任意に少なくとも1つの追加の界面活性剤と、
e.水を含む水相と、を含む、アルコールが削減された抗菌口内洗浄剤組成物であって、
前記口内洗浄剤組成物が、約200nm未満の凝集体サイズを有するミセルを含むマイクロエマルションであり、前記組成物が基本的に生物学的利用能に作用する化合物を含まず、更に前記組成物が基本的にC〜Cの一価アルコールを含まない、アルコールが削減された抗菌口内洗浄剤組成物。
【請求項2】
前記抗菌精油が、メントール、ユーカリプトール、サリチル酸メチル、チモール及びこれらの混合物からなる群から選択される、請求項1に記載の口内洗浄剤。
【請求項3】
前記抗菌精油が、メントール、ユーカリプトール、サリチル酸メチル及びチモールの混合物である、請求項2に記載の口内洗浄剤。
【請求項4】
前記ポリオール溶媒が、ポリハイドリックアルカン、ポリハイドリックアルカンエステル、ポリアルケングリコール及びこれらの混合物からなる群から選択される、請求項1に記載の口内洗浄剤。
【請求項5】
前記ポリオールが、ポリハイドリックアルカンである、請求項4に記載の口内洗浄剤。
【請求項6】
前記ポリハイドリックアルカンが、プロピレングリコールである、請求項5に記載の口内洗浄剤。
【請求項7】
前記糖アルコール溶媒が、キシリトール、ソルビトール、マニトール、マルチトール、イノシトール、アリトール、アルトリトール、ダルシトール、ガラクチトール、グルシトール、へキシトール、イジトール、ペンチトール、リビトール、エリスリトール及びこれらの混合物からなる群から選択される、請求項1に記載の口内洗浄剤。
【請求項8】
前記糖アルコール溶媒が、ソルビトールである、請求項7に記載の口内洗浄剤。
【請求項9】
前記ポリオール溶媒及び前記糖アルコール溶媒が、約10:1〜約1:10の重量比で存在する、請求項1に記載の口内洗浄剤。
【請求項10】
前記ポリオール溶媒及び前記糖アルコール溶媒が、約5:1〜約1:5の重量比で存在する、請求項9に記載の口内洗浄剤。
【請求項11】
前記アルキルサルフェート界面活性剤が、偶数個のC〜C18鎖長を有するアルキルサルフェート界面活性剤である、請求項1に記載の口内洗浄剤。
【請求項12】
前記アルキルサルフェート界面活性剤が、ナトリウムラウリルサルフェート、ヘキサデシルサルフェート及びこれらの混合物からなる群から選択される、請求項11に記載の口内洗浄剤。
【請求項13】
前記組成物中の前記油相と溶媒系と前記アルキルサルフェート界面活性剤との比が、重量で約1:60:1.5である、請求項1に記載の口内洗浄剤。
【請求項14】
前記組成物中の前記油相と前記溶媒系と前記アルキルサルフェート界面活性剤との比が、重量で約1:200:1.5である、請求項13に記載の口内洗浄剤。
【請求項15】
前記生物学的利用能に作用する化合物が、ポロキサマーなどのポリエチレンオキシド/ポリプロピレンオキシドブロックコポリマー、シクロデキストリン、ポリソルベート及び混合物からなる群から選択される、請求項1に記載の口内洗浄剤。
【請求項16】
前記組成物が、生物学的利用能に作用する化合物を含まない、請求項1に記載の口内洗浄剤。
【請求項17】
前記組成物が、C〜Cの一価アルコールを含まない、請求項1に記載の口内洗浄剤。
【請求項18】
前記組成物が、約0.5を超えるM−ファクターを有する、請求項1に記載の口内洗浄剤。
【請求項19】
前記組成物が、約1.0を超えるM−ファクターを有する、請求項16に記載の口内洗浄剤。
【請求項20】
前記組成物が、約2.0を超えるM−ファクターを有する、請求項17に記載の口内洗浄剤。

【公開番号】特開2012−12394(P2012−12394A)
【公開日】平成24年1月19日(2012.1.19)
【国際特許分類】
【外国語出願】
【出願番号】特願2011−143959(P2011−143959)
【出願日】平成23年6月29日(2011.6.29)
【出願人】(506105814)マクニール−ピーピーシー・インコーポレーテツド (69)
【Fターム(参考)】