説明

非タンパク質起泡組成物およびその製造方法

閉じ込められた加圧気体を含有する複数の空隙を有する炭水化物粒子を含有する、無タンパク質溶質起泡組成物が提供される。この組成物は、界面活性剤を含むことができ、飲料ミックスまたはインスタント食品などの食品に含めることができる。さらに、無タンパク質可溶性起泡粒子を加熱し、大気圧を超える外部圧力を無タンパク質可溶性起泡粒子に加える、起泡組成物を製造するための方法が提供される。可溶性起泡粒子を冷却し、外部気体圧力を解除する結果、加圧気体は起泡組成物の内部空隙に保持される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、可溶性起泡組成物、詳細には起泡性無タンパク質組成物に関する。
【背景技術】
【0002】
いくつかの従来から製造されている食料品は、泡沫または泡を含んでいる。例えば、カプチーノ、ミルクシェーキ、および一部のスープは、泡沫または泡を有することができる。従来製造されてきた食料品は、一部の消費者には好ましいと見なされるが、その他の消費者は、消費者が準備するインスタント食品の代替品の便利さに対する要求を、徐々に高めつつある。消費者の好みに合わせるために、製造業者は、従来製造されてきた食料品と同じかまたは類似する特徴を有するインスタント食料品を開発することによって、便利なインスタント食品から、消費者が求める食品を消費者にもたらすインスタント食品を開発している。製造に関する1つの課題は、泡沫または泡を有する食品を、インスタント食料品からどのように製造するかということである。
【0003】
泡沫または泡を有するインスタント食品の製造に使用される、1つの以前の解決策は、液体を加えて元に戻したときに泡を生成する粉末起泡組成物を使用することによる。起泡粉末組成物は、広く様々な食品および飲料に、泡沫または泡の風合いを与えるために使用されている。例えば起泡組成物は、水、ミルク、またはその他の適切な液体と組み合わせたときに、インスタントカプチーノおよびその他のコーヒーミックス、インスタント清涼飲料ミックス、インスタントスープミックス、インスタントミルクシェーキミックス、インスタントデザートトッピング、インスタントソース、ホットまたはコールドシリアルなどに泡沫または泡の風合いを与えるのに使用されている。
【0004】
泡または泡沫を与えるのに使用することができる、気体注入タイプの起泡クリーマのいくつかの例が、特許文献1および2に開示されている。ごく最近では、特許文献3が、気体化した炭水化物とタンパク質および脂質とを組み合わせることによって生成された起泡クリーマを開示している。この技術を使用することによって、噴霧乾燥前に液体クリーマ組成物の気体注入を除くことが可能になった。
【0005】
特許文献4は、気体注入タイプの起泡クリーマであるかまたは化学炭酸化成分を含有するクリーマであって、20重量%を超えるタンパク質を含有するものである起泡クリーマ組成物を開示している。記載されている粉末は、必須成分としてタンパク質、脂質、および充填剤材料を有し、この充填剤は、特に、水溶性炭水化物である。スプーンで掬うことが可能な、ホイップクリーム状の緻密な泡を得るには、多量のタンパク質が必要である。
【0006】
ある従来の起泡組成物が、特許文献5に示されているが、これは、炭水化物、タンパク質、および閉じ込められた加圧気体を含有する母材からなる粉末可溶性起泡成分を開示している。しかし、炭水化物とタンパク質の両方を含有する粉末成分は、包装された食品の外観、風味、および賞味期限に悪影響を及ぼす可能性のある非酸化褐変反応を受けやすい。これらの化学複合反応は、タンパク質と炭水化物、特に還元糖との間で生じて、食品を酷く変色させその風味の質を低下させる可能性のあるポリマー顔料を形成する。閉じ込められた加圧気体を含有する非常に効果的な起泡組成物は、炭水化物およびタンパク質成分の両方を使用する必要なく製造できることが発見されている。褐変は、食品加工で一般に使用される高温で非常に素早く生ずる可能性があり、その褐変しやすい性質が、前述の従来技術で開示されたタイプの起泡組成物を生成するのに使用される加熱条件の範囲を限定する可能性がある。
【0007】
可能性ある解決策は、特許文献6に記載されるように、実質的にタンパク質だけの組成物の使用とも考えられる。しかし、タンパク質そのものの使用も、いくつかの問題を提起する。より重要なことは、公開された特許出願に開示される実施例には、必ず炭水化物が入っていることである。
【0008】
特許文献7は、タンパク質、脂質、および担体を含む粒状クリーマであって、タンパク質の50重量%超が部分変性乳清タンパク質であり、この部分変性乳清タンパク質は40から90%が変性している粒状クリーマについて記述している。クリーマの総タンパク質含量は、3から30重量%の間であり、好ましくは10から15重量%の間である。このクリーマは、起泡クリーマ組成物に特に適している。起泡クリーマ組成物は、淹れたての熱いコーヒー飲料に添加したときに、大量のクリーム状半固体の泡を生成する。
【0009】
特許文献8は、水を加えて元に戻したときに、見かけがマーブル状の泡を表面に有するカプチーノ飲料を生成するインスタント粒状ドライミックス組成物について記述している。ドライミックス組成物は、素早く溶解する外部表層と、ゆっくり溶解するより大きい内部コア層とを有する顆粒を生成するために、コーヒー抽出物を脱気し、その後凍結乾燥することによって製造される。この生成物は、少なくとも0.3g/ccの密度を有する。
【0010】
特許文献9は、炭水化物ベースの医薬品または食品の、錠剤または粉末を形成するための方法であって、可溶性コーヒー、起泡粉末、砂糖、およびクリーマなどの飲料ベースを含む錠剤または粉末を、水との接触時に溶解度または分散性が増すような錠剤または粉末を製造する圧力および温度にかけるステップを含む方法を開示している。さらに、水と接触したときに錠剤または粉末の溶解または分散を促進させるため、気体が内部に取り込まれるように、錠剤または粉末を加圧気体に曝すことによって、錠剤または非起泡粉末の溶解または分散を促進させる方法が開示されている。この文献に示される、化学的に配合された可溶性組成物のすべての実施例が、タンパク質を含有する炭水化物ベースの粉末または錠剤組成物であることは、注目に値する。閉じ込められた気体を含有する錠剤の溶解が改善されたことが、この文献の実施例で実証されている。しかし、閉じ込められた気体を含有する、起泡または非起泡性の粉末の改善された溶解または分散性は、この文献中のどの実施例にも明示されていない。
【0011】
これらの最近の組合せ、ならびに多くの従来技術の製品の欠点は、タンパク質と炭水化物の両方が存在することである。より重要なことは、特許文献6のように、実質的にタンパク質だけの組成物の形成を対象とした技術でさえ、炭水化物のない実施例を開示できていないことである。この特許文献6の起泡組成物であって、そこに開示されたすべての実施例の基礎をなす組成物は、5重量%レベルの炭水化物グリセロールを含有する。実際に、どの関連ある従来技術も、タンパク質のない起泡炭水化物組成物の実施例または具体化したものを開示していない。タンパク質は、特に加熱したときに、炭水化物と反応することができる。ほとんどの場合、これらの(メイラード)反応は、望ましくない着色および/または異風味の形成をもたらす。このタイプの反応は、一般に、加工中または製造中、製品をしばらくの間より高い温度に保つとき、およびしばしば長時間にわたってより高い温度で保つ場合に生ずる。上記にて論じた文書に記載される生成物のほとんどの調製プロセス、特に特許文献7に記載される調製プロセスでは、高温での長時間を使用して、粉末を気体にする。またタンパク質は、粉末状起泡組成物の製造に使用された炭水化物よりも、典型的にははるかに費用がかかり、典型的には水中でさらに低い溶解度およびさらに高い粘度を有する。したがって、タンパク質の使用は、加工上の問題を引き起こし、起泡組成物のコストを増大させる可能性がある。例えばタンパク質溶液は、タンパク質を含有する炭水化物溶液であっても、過剰な粘度が回避されるようにかつ噴霧乾燥が可能になるように、さらに低い水中濃度で調製しなければならない可能性がある。さらに、多くのタンパク質は、加工中に熱に曝されたとき、またはコーヒー粉末などの酸性食品成分と接触したときに、機能性または溶解性を失いやすくもなる。最後に、粉末状起泡組成物中にタンパク質が存在すると、水またはその他の液体を加えて元に戻したときに、これら起泡組成物の溶解度または分散性、ならびにこれら起泡組成物を含有する混合物中のその他の成分の溶解度または分散性が、低下する可能性がある。
【0012】
起泡コーヒー添加剤が利用可能であるが、溶いて元に戻したときに、真のカプチーノ飲料に通じている人が望んでいる起泡特性を示す、粉末状無タンパク質可溶性起泡組成物が依然として求められている。例えば、これまで得られてきたカプチーノ飲料には十分な泡がなく、泡が非常に速く消失し、またはその両方の組合せになる。さらに、従来の起泡コーヒー添加剤は炭水化物およびタンパク質成分の両方を含んでいたので、これら2つの成分の一方を避けたいと望んでいる食事制限中の人々は、従来の起泡コーヒー添加剤のいずれも消費することができなかった。したがって、従来から製造されているカプチーノ飲料の起泡特性をもたらす、粉末状無タンパク質可溶性起泡組成物を含んだ起泡コーヒー添加剤が望ましい。
【0013】
【特許文献1】米国特許第4438147号明細書
【特許文献2】欧州特許第0458310号明細書
【特許文献3】米国特許第6129943号明細書
【特許文献4】欧州特許第0813815号明細書
【特許文献5】米国特許第6713113号明細書
【特許文献6】国際公開第2004/019699号パンフレット
【特許文献7】米国特許第6168819号明細書
【特許文献8】米国特許第6174557号明細書
【特許文献9】米国特許出願公開第2003/0026836号明細書
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0014】
本発明は、褐変に対して優れた耐性をもたらしかつ追加の利点を提供することができる、非タンパク質の、すなわち無タンパク質の起泡組成物に関する。例えば、無タンパク質起泡組成物は、低下したアレルゲン性および微生物学的感受性を有することができる。これらの改善された起泡組成物は、泡沫または起泡した風合いを提供するために、広く様々な高温および低温可溶性飲料ミックスおよびその他のインスタント食品で使用することができる。
【課題を解決するための手段】
【0015】
本発明は、その1つの形において、閉じ込められた加圧気体が入っている複数の空隙を有する炭水化物粒子を含む、粉末状無タンパク質可溶性組成物を含んだ起泡組成物に関する。様々なその他の実施形態では、可溶性組成物は、周囲条件で液体に溶解したときに、組成物1g当たり少なくとも約2cc、好ましくは少なくとも約5ccの気体を放出する。さらに、この組成物は、界面活性剤を含むことができる。
【0016】
本発明は、その別の形において、炭水化物を含みかつ閉じ込められた加圧気体が入っている複数の内部空隙を有する、無タンパク質可溶性起泡粒子を含んだ起泡組成物に関する。起泡組成物は、少なくともガラス転移温度(Tg)である温度に粒子を加熱する前または加熱している間、この粒子を大気圧よりも高い外部気体圧力にかけ、次いで内部空隙内で加圧気体を捕捉するのに有効な手法で、外部気体圧力を解除する前または解除している間に、この粒子をTgよりも低い温度に冷却することによって形成される。
【0017】
本発明は、その別の形において、閉じ込められた加圧気体が入っている複数の内部空隙を有する炭水化物粒子を含む、無タンパク質可溶性起泡組成物を含んだ可溶性の消費食品に関する。様々なその他の形では、可溶性食品は、コーヒー、ココア、または紅茶などの飲料ミックス、例えばインスタントコーヒー、ココア、または紅茶などを含むことができ、あるいは可溶性消費製品は、インスタントデザート製品、インスタントチーズ製品、インスタントシリアル製品、インスタントスープ製品、およびインスタントトッピング製品などのインスタント食品を含むことができる。
【0018】
本発明は、そのさらに別の形において、起泡組成物を製造するための方法に関し、この方法は、内部空隙を有する炭水化物を含んだ無タンパク質可溶性起泡粒子を加熱するステップを含む。大気圧を超える外部圧力を、無タンパク質可溶性起泡粒子に加える。無タンパク質可溶性起泡粒子を冷却し、外部気体圧力を解除し、それによって加圧気体が内部空隙に残ったままになる。さらに別の形では、粒子を加熱する前に外部圧力を加え、または粒子を加熱している間に外部圧力を加える。
【0019】
本発明による起泡組成物の利点は、インスタントカプチーノミックスまたはその他の製品に使用した場合、適切な液体と接触したときに、望ましい色、食感、密度、風合い、および安定性をもたらす量の泡が形成されることである。タンパク質を含有しないので、異風味、メイラード反応、および/またはタンパク質とその他の代替物との反応など、タンパク質に関連する有害な副作用が発生せず、または少なくとも減少する。
【0020】
本発明の無タンパク質起泡組成物のその他の特徴は、泡の驚くべき安定性によってもたらされるが、これは特に、従来技術では起泡粉末の泡安定性が一般にタンパク質の存在に関連しているからである。
【0021】
別の利点は、本発明が、高密度であり気体含量が高い起泡組成物を提供することである。かさ密度は、一般に、約0.25g/ccよりも高く、好ましくは少なくとも約0.30g/cc、より好ましくは少なくとも約0.35g/ccである。好ましくは、かさ密度は0.8g/cc未満であり、より好ましくは0.7g/cc未満、最も好ましくは0.65g/cc未満である。そのような粉末は、粉末1g当たり5〜20cc以上の気体を含有することができる。高密度の場合、所望量の泡を得るのに起泡組成物を少量しか必要としないという利点がある。比較的高い気体含量の場合、添加される起泡組成物の単位重量または体積当たり、比較的大量の泡が生成される。
【発明を実施するための最良の形態】
【0022】
無タンパク質起泡組成物の配合に使用することができる成分には、炭水化物、脂質、およびその他の無タンパク質物質が含まれる。炭水化物が好ましく、糖、多価アルコール、糖アルコール、オリゴ糖、多糖、デンプン加水分解生成物、ガム、可溶性繊維、化工デンプン、および化工セルロースが含まれるが、これらに限定するものではない。適切な糖には、グルコース、フルクトース、スクロース、ラクトース、マンノース、およびマルトースが含まれる。適切な多価アルコールには、グリセロール、プロピレングリコール、ポリグリセロール、およびポリエチレングリコールが含まれる。適切な糖アルコールには、ソルビトール、マンニトール、マルチトール、ラクチトール、エリスリトール、およびキシリトールが含まれる。適切なデンプン加水分解生成物には、マルトデキストリン、グルコースシロップ、コーンシロップ、高マルトースシロップ、および高フルクトースシロップが含まれる。適切なガムには、キサンタン、アルギネート、カラゲナン、グアール、ゲラン、ローカストビーン、および加水分解ガムが含まれる。適切な可溶性繊維には、イヌリン、加水分解グアールガム、およびポリデキストロースが含まれる。適切な化工デンプンには、水に可溶性または分散性の、物理的または化学的に化工されたデンプンが含まれる。適切な化工セルロースには、メチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、およびヒドロキシプロピルメチルセルロースが含まれる。炭水化物または炭水化物の混合物は、起泡組成物構造が、圧力下で閉じ込められた気体を保持するのに十分強くなるように選択される。脂質は、硬化油、エステル交換油、リン脂質、脂肪酸であって野菜、乳、または動物由来のもの、およびこれらの一部または混合物が含まれる脂肪および/または油から選択することが好ましい。脂質は、蝋、ステロール、スタノール、テルペン、およびこれらの一部または混合物でもよい。
【0023】
本発明の粉末状可溶性無タンパク質起泡組成物は、気体を閉じ込めることが可能な複数の内部空隙を有する粒状構造を得るのに効果的な、任意の方法によって生成することができる。水溶液の、従来の気体注入式噴霧乾燥は、これらの粉末状可溶性起泡組成物を製造するのに好ましい方法であるが、粉末溶融体の気体注入式押出しも適切な方法である。気体注入のない噴霧乾燥は、典型的には比較的小さい内部空隙体積を有する粒子を生成するが、このそれほど好ましくない方法も、適切な内部空隙体積を有する無タンパク質起泡組成物の製造に使用することができる。窒素気体が好ましいが、空気、二酸化炭素、亜酸化窒素、またはこれらの混合物も含めた任意のその他の食品級気体を、気体注入に使用することができる。
【0024】
「閉じ込められた加圧気体」という用語は、大気圧よりも高い圧力を有する気体が起泡組成物構造内に存在し、粉末構造を開放することなくこの構造から離れることができない気体を意味する。起泡組成物構造内に存在する加圧気体の大部分は、粉末構造の内部空隙内に物理的に含まれることが好ましい。本発明により適切に使用することができる気体は、窒素、二酸化炭素、亜酸化窒素、空気、またはこれらの混合物から選択することができる。窒素が好ましいが、任意のその他の食品級気体を使用して、粉末構造内に加圧気体を閉じ込めることができる。
【0025】
「構造」、「粒状構造」、「粒子構造」、または「粉末構造」という用語は、大気に対して閉じている多数の密封内部空隙を含む構造を意味する。これらの空隙は、泡が形成されるように液体中で構造が溶解した後で気泡として放出される、大量の閉じ込められた気体を保持することが可能である。
【0026】
「粉末状可溶性起泡組成物」、「粉末状起泡組成物」、または「起泡組成物」という用語は、液体、特に水溶液で溶解しまたは分解し、またそのような液体と接触したときに泡または泡沫を形成する任意の粉末を意味する。
【0027】
「無タンパク質」または「非タンパク質」という用語は、起泡組成物の配合物中で、最大限実用的な範囲まで、任意の相当な量のタンパク質を含有する物質を意図的にかつ故意に避けることを示唆することを意味する。したがって、本発明の無タンパク質起泡組成物は、タンパク質を事実上含まずまたはタンパク質がなく、実質的に1%未満、典型的には約0.5%未満のタンパク質を含有する。本発明の好ましい無タンパク質組成物には、タンパク質がない。本明細書の実施例に開示される無タンパク質起泡組成物のすべてには、タンパク質がない。
【0028】
重量パーセンテージは、他に特に指示しない限り、粉末状起泡組成物の重量に基づいている。
【0029】
「炭水化物」という用語は、本発明の粉末の最終使用に適合する任意の炭水化物を意味する。これは実際に、消費に受け入れられなければならないことを意味する。
【0030】
「乳化剤」という用語は、本発明の粉末の最終使用に適合し、かつタンパク質ではない、油または気体乳化特性を有する任意の界面活性化合物を意味する。
【0031】
「ポリマー乳化剤」または「ポリマー界面活性物質」という用語は、一般に、化学的に一緒に結合しているいくつかの、一般には少なくとも5個のモノマー単位からなる、任意の界面活性タイプの分子を意味する。これらの単位は、例えば、界面活性タンパク質の場合のようなアミノ酸、あるいは界面活性炭水化物の場合のような糖部分(グルコース、マンノース、ガラクトースなど)またはこれらの誘導体でよい。一般に、ポリマー乳化剤の分子量は、1000Daを超えることになる。
【0032】
乳化剤または界面活性材料に関する「低分子量」という用語は、1000Daよりも低い分子量を指す。一般に、気体−水または油−水の界面でのこれら分子の単層の吸着は、20mN/mを超えて界面張力を低下させることになる。本発明では、無タンパク質のポリマーまたは低分子量界面活性剤および乳化剤のみ使用する。
【0033】
無タンパク質炭水化物起泡組成物に関して使用される「本質的に100%の炭水化物」という用語は、組成物が、乾燥ベースで1%未満の量のごく微量の非炭水化物成分と共に、炭水化物を含むことを意味する。
【0034】
起泡組成物は、水分を0〜15%、典型的には1から10%、より典型的には2〜5%、および水分活性を0〜0.5、典型的には0.05〜0.4、より典型的には0.1〜0.3有することができる。
【0035】
噴霧乾燥または押出し中の気泡形成および内部空隙の生成を改善するために、1種または複数の界面活性剤を使用して、本発明の起泡成分組成物を配合することが好ましい。適切なレベルでの適切な界面活性剤の使用は、気体を閉じ込めるのに利用可能な内部空隙の相対的なサイズ、数、および体積に影響が及ぶように、使用することができる。無タンパク質組成物の製造は、界面活性剤の使用によって大幅に改善できることが発見されている。2つのタイプの界面活性剤、すなわち低分子量界面活性剤とポリマー界面活性剤に分類することができる。低分子量界面活性剤には、ポリソルベート、スクロースエステル、ステアロイルラクチレート、モノ/ジグリセリド、モノ/ジグリセリドの酒石酸ジアセチルエステル、およびリン脂質などの、食品として認められた乳化剤が含まれる。ポリマー界面活性剤の例には、界面活性炭水化物が含まれる。これらは、無タンパク質組成物を配合するために、その他の炭水化物と組み合わせて使用することができる。適切な界面活性炭水化物には、アラビアゴム、アルギン酸プロピレングリコール、および親油性変性食品デンプン、例えば、乳化デンプンとも呼ばれるオクテニルスクシネート置換デンプンが含まれる。
【0036】
起泡組成物は、乳化デンプン、Tween 20(ポリオキシエチレンソルビタンモノラウレート)、SSL(ステアロイル−2−乳酸ナトリウム)、またはスクロースエステルからなる群から選択される乳化剤を含むことができることが、より有利である。好ましくは、TweenまたはSSLなどの低分子量の界面活性物質と組み合わせた、乳化デンプンまたはアルギン酸プロピレングリコール(PGA)などのポリマー界面活性物質の組合せを使用する。この乳化デンプンは、オクテニルスクシネート置換タイプのもの(例えば、Hi−Cap 100;オクテニルコハク酸ナトリウム置換デンプン;National Starch製)であることが好ましい。外観、気泡サイズ、色、風合い、および安定性によってまとめて決定されるような、属性の好ましい組合せを有する泡が得られるように、本発明の起泡組成物では、乳化デンプンの単独での使用またはSSLと組み合わせた使用を用いた。また、PGAとTweenとを組み合わせた使用も、好ましい泡を提供した。
【0037】
いかなる理論にも拘泥するものではないが、上記組合せは、以下の理由により特に首尾よくなされると考えられる。タンパク質安定状態の泡およびエマルジョンは、タンパク質のポリマー特性に起因するその優れた長期安定性で知られている。おそらく、タンパク質の吸着された界面層は、非常に強い界面を生成し、その結果、泡状の安定な気泡とエマルジョンの安定な油滴が生ずる。それにより、非タンパク質ポリマー界面活性物質の使用は、泡安定剤としてタンパク質に取って代わるのに理想的であると考えられる。ポリマー界面活性種は、一般にゆっくりとしか吸着しないので、好ましい実施形態では、泡形成中に気泡の迅速な安定化も得るために、低分子量乳化剤を使用する。
【0038】
望む場合には、起泡組成物は、人工風味、芳香、人工甘味料、緩衝剤、流動剤、着色剤などの、その他の無タンパク質成分を含有することができる。適切な人工甘味料には、サッカリン、シクラメート、アセスルファーム、スクラロース、およびこれらの混合物が含まれる。適切な緩衝剤には、リン酸二カリウムおよびクエン酸三ナトリウムが含まれる。
【0039】
本発明の起泡組成物が製造されるよう加圧気体を閉じ込めるのに使用される粉末は、外部気体圧力に曝される前に、かさ密度およびタップ密度が0.1〜0.7g/ccの範囲内、典型的には0.2〜0.6g/ccであり、骨格密度が0.3〜1.6g/ccの範囲内、典型的には0.4〜1.5g/ccであり、真密度が1.2〜1.6g/ccであり、内部空隙体積は5〜80%の範囲内、典型的には10〜75%である。比較的大きい内部空隙体積を有する粉末は、気体を閉じ込める容量が大きいので、一般に好ましい。内部空隙体積は、適切な場合には少なくとも約10%であり、好ましくは少なくとも約30%であり、より好ましくは少なくとも約50%である。粉末は、30〜150℃、典型的には40〜125℃、より典型的には50〜100℃の間のTgを有する。粉末は、0〜15%、典型的には1〜10%、より典型的には2〜5%の間の含水量と、0〜0.5、典型的には0.05〜0.4、より典型的には0.1〜0.3の水分活性を有する。
【0040】
ある特定の実施形態では、非タンパク質起泡組成物は、乳化剤を0.1〜30%好ましくは0.2〜20%の量で、かつ炭水化物を70〜99.9%、好ましくは80〜99.8%の量で含有する。乳化剤は、粉末を液体に溶解したときに、存在する起泡を安定化するのに十分な量で使用すべきである。乳化剤の量が多すぎる場合、得られる食品または飲料に異風味またはその他の望ましくない性質がもたらされることに留意すべきである。乳化剤の組合せを利用することが好ましい。
【0041】
かさ密度(g/cc)は、漏斗を通してメスシリンダに注いだときに、材料の所与の重量が占める体積(cc)を測定することによって決定する。タップ密度(g/cc)は、粉末をメスシリンダに注ぎ、粉末がその最も低い体積に沈降するまでこのシリンダを振動させ、その体積を記録し、粉末を計量し、その重量を体積で割ることによって決定する。骨格密度(g/cc)は、ヘリウムピクノメータ(Micromeritics AccuPyc 1330)を使用して計量分の粉末の体積を測定し、重量を体積で割ることによって決定する。骨格密度は、大気に対して密封された粒子中に存在する任意の空隙の体積を含み、かつ粒子間の間隙容量および大気に開放されている粒子中に存在する任意の空隙の体積を除外する、密度の尺度である。本明細書では内部空隙と呼ばれる密封された空隙の体積は、すべての内部空隙が除去されまたは大気に開放されるように、乳鉢および乳棒ですり潰した後に、粉末の骨格密度を測定することからも得られる。本明細書では真密度(g/cc)と呼ばれるこのタイプの骨格密度は、粉末を含む固体物質のみの実際の密度である。内部空隙体積(%)、すなわち粉末を含む粒子に含有された密封された内部空隙の体積%は、相互真密度(cc/g)を相互骨格密度(cc/g)から差し引き、次いでその差に骨格密度(g/cc)および100%を掛けることによって決定する。
【0042】
ガラス転移温度(Tg)は、堅固なガラス状態から軟化したゴム状態への粉末組成物の変態を特徴とした、2次相変化を示す。一般に、気体の溶解度および拡散速度は、TgのまたはTgよりも高い材料で大きい。Tgは、化学組成および水分レベルに依存し、一般に、より低い平均分子量および/またはより高い水分であると、Tgを低下させることになる。Tgは、当業者に知られている任意の適切な方法を使用して粉末の含水量をそれぞれ低下させまたは上昇させるだけで、意図的に上昇させまたは低下させることができる。Tgは、確立された示差走査熱量測定または熱機械分析技法を使用して測定することができる。
【0043】
閉じ込められた加圧気体を含有する本発明の新規な起泡組成物は、任意の適切な圧力容器内で加圧下で、適切な粒子構造を有する無タンパク質粉末を加熱し、この粉末を、急速な圧力の解除によって冷却しまたは減圧前に容器を冷却することによって、製造することができる。好ましい方法は、粉末を圧力容器内に密封し、圧縮気体で加圧し、次いで圧力容器を、予熱炉または浴内に置きあるいは電流または高温流体を内部コイルまたは外部ジャケットに循環させることにより加熱して、粉末の温度を、粒子内の内部空隙が加圧気体で満たされるように効果的な時間にわたってTgよりも高く上昇させ、次いで粉末が入っている未だ加圧されている容器を、浴内に置くことによってまたは低温流体を循環させることによってほぼ室温に冷却し、次いで圧力を解除し、容器を開けて起泡組成物を回収することである。起泡組成物は、任意の適切な手段を使用して、バッチごとにまたは連続的に生成することができる。大気圧の気体を含有する本発明の新規な起泡組成物は、加熱を粉末のTgよりも低い温度で実施すること以外、同じ手法で生成することができる。
【0044】
一般に、粉末は、20〜200℃、好ましくは40〜175℃、より好ましくは60〜150℃の範囲内の温度で、1〜300分間、好ましくは5〜200分間、より好ましくは10〜150分間加熱する。圧力容器内の圧力は、20〜3000psi(約140〜21000KPa)、好ましくは100〜2000psi(約690〜13800KPa)、より好ましくは300〜1500psi(約2100〜10300KPa)の範囲内である。窒素気体の使用が好ましいが、空気、二酸化炭素、亜酸化窒素、またはこれらの混合物を含めた任意のその他の食品級の気体を使用して、容器を加圧することができる。粉末の気体含量および起泡能力は、一般に、加工圧力と共に増大する。加熱によって、圧力容器に送出される初期圧力を、著しく増大させることができる。加熱中に圧力容器内で到達する最大圧力は、初期圧力に、ケルビン温度単位を使用した加熱温度と初期温度との比を掛けることにより、近似することができる。例えば、容器を25℃(298K)で1000psi(約6900KPa)に加圧し、次いで120℃(393K)に加熱することにより、圧力容器内の圧力を約1300psi(約8950KPa)に上昇させるべきである。
【0045】
gまたはTgよりも高い温度では、粒子の気体含量および起泡能力は、最大に達するまで加工時間と共に増大する。気体化の速度は、一般に圧力および温度と共に増大し、比較的高い圧力および/または高い温度を使用して、加工時間を短縮することができる。しかし、効果的な加工に求められるよりもはるかに高い温度まで上昇させると、粉末は崩壊しやすくなる可能性がある。粉末の粒度分布は、気体化がより好ましい条件下で実施される場合、典型的には意味があるように変化しない。しかし、過度に高い温度および/または長い加工時間など、それほど好ましくない条件下で気体化が実施される場合、著しい粒子の凝集または固化が生じる可能性がある。加熱中、軟化した気体透過性固体物質に溶解した気体は、圧力平衡に達するまでまたは粉末がTgよりも低く冷却されるまで、内部空隙に拡散すると考えられる。したがって冷却された粒子は、内部空隙に閉じ込められた加圧気体および固体物質に溶解した気体の両方を保持するはずであることが予想される。
【0046】
粉末を、Tgまたはそれよりも高い温度で加圧する場合、粒子の一部は、脆弱すぎて加圧気体を保持することができない粒子構造の局在領域が破裂するために、減圧後の少しの間、大きな破裂音をたてて破裂することが一般的である。これとは対照的に、粉末をTgよりも低い温度で加圧しかつ減圧した場合、粒子が破裂することはそれほど一般的ではなく、どの破裂も小さい音および力で生ずる。しかしこれらの粒子が、減圧後の少しの間、微かなポンという弾けた音をたてることは一般的である。粉末の外見およびかさ密度は、典型的にはTgよりも低い温度で加圧することによって著しく変化しないが、骨格密度および内部空隙体積は、典型的には著しく変化する。
【0047】
起泡組成物は、水分の浸入から十分に保護しながらTgよりも低い温度で保存したときに、良好な安定性で加圧気体を保持する。室温で閉じた容器内に保存した起泡組成物は、一般に、何カ月も後に十分機能する。Tgよりも低い温度で加圧した粉末は、長時間にわたって加圧気体を保持しない。しかし驚くべきことに、Tgよりも低い温度で加圧した噴霧乾燥した粉末は、典型的には加圧気体が失われた後であっても、加圧していない粉末よりもかなり多くの泡を生成することを発見した。この有益な起泡能力の増加は、乾燥中の粒子から水が蒸発することによって形成された予め空の内部空隙に、大気圧の気体が浸透することによって引き起こされると考えられる。噴霧乾燥した起泡組成物の起泡能力を増大させるための、この新規な方法は、室温で実施して優れた結果をもたらすことができることがわかった。
【0048】
本発明の実施形態により製造された起泡組成物は、かさ密度およびタップ密度が0.1〜0.7g/ccの範囲内、典型的には0.2〜0.6g/ccの範囲内であり、骨格密度は0.3〜1.6g/ccの範囲内、典型的には0.5〜1.5g/ccの範囲内、より典型的には0.7〜1.4g/ccの範囲内であり、真密度は1.2〜1.6g/ccの範囲内であり、内部空隙体積は2〜80%の範囲内、典型的には10〜70%の範囲内、より典型的には20〜60%の範囲内であり、加圧気体は、20〜3000psi(約140〜20600KPa)の範囲内、典型的には100〜2000psi(約690〜13800KPa)の範囲内、より典型的には300〜1500psi(約2100〜10300KPa)の範囲内で含有される。評価の基準として、大気圧は、海面で約15psi(約103KPa)である。任意の温度での圧力処理によって、典型的には骨格密度が増大し、内部空隙体積が減少することになる。かさ密度は、典型的にはTgよりも低い温度での圧力処理で著しく変化せず、典型的にはTgよりも高い温度で圧力処理することによって増大する。かさ密度、骨格密度、および内部空隙体積の変化は、粉末組成と、処理時間、温度、および圧力を含めた加工条件によってまとめて決定される。閉じ込められた加圧気体を含有する得られた粉末状起泡組成物は、一般に、約1から5000ミクロンの間、典型的には約5から2000ミクロンの間、より典型的には約10から1000ミクロンの間の粒径を有する。
【0049】
これら新規の起泡組成物の好ましい使用は、可溶性飲料ミックス、特にインスタントコーヒーおよびカプチーノミックスにおけるものである。しかしこれらは、液体を加えて元に戻す任意のインスタント食品に使用することができる。これら起泡組成物は、典型的には低温の液体に十分溶解して泡を生成するが、溶解および起泡能力は、一般に高温の液体を加えて元に戻すことにより改善される。適用例には、インスタント飲料、デザート、チーズパウダー、シリアル、スープ、トッピングパウダー、およびその他の製品が含まれる。
【実施例1】
【0050】
水溶液の気体注入式噴霧乾燥によって生成された、商用の無タンパク質10DEマルトデキストリン粉末を得た。本質的に100%の炭水化物粉末は、白色であり、かさ密度が0.12g/cc、タップ密度が0.15g/cc、骨格密度が1.40g/cc、内部空隙体積が10%、真密度が1.56g/cc、およびTgが65℃であった。マルトデキストリン粉末5gを、ステンレス鋼圧力容器(75cc容量の気体サンプリングシリンダ;Whitey Corporation製;本明細書のすべての実施例で使用した)内で、二酸化炭素の気体により500psi(約3400KPa)に加圧し、110℃の炉内で4時間加熱し、次いで急速に減圧することによって冷却した。二酸化炭素の気体で加圧された粉末は、白色であり、かさ密度が0.37g/cc、タップ密度が0.47g/cc、骨格密度が1.43g/cc、および内部空隙体積が8%であった。さらに5gのマルトデキストリン粉末のサンプルを、窒素気体で1000psi(約6900KPa)に加圧し、95℃の炉内で2.5時間加熱し、次いでほぼ室温に冷却した後に減圧した結果、白色の、かさ密度が0.15g/cc、タップ密度が0.18g/cc、骨格密度が1.50g/cc、および内部空隙体積が4%である処理済みの粉末が得られた。処理済みおよび未処理のマルトデキストリン粉末のそれぞれを使用することにより、マルトデキストリン粉末約1部と可溶性コーヒー1部と砂糖2部と起泡クリーマ3部との重量比を用いてインスタントカプチーノミックスを配合し、各カプチーノミックス約13gを、65mmの内径を有する250mlビーカー内で、88℃の水130mlを使用して元に戻した。
【0051】
処理済みおよび未処理の粉末によってもたらされる、溶いて元に戻した飲料ミックスの泡沫密度および漸増泡沫体積の知識を使用して、各粉末により放出される気体の量(室温および圧力に対して補正した)を推定した。カプチーノミックスで、未処理の粉末の代わりに同量の処理済みの粉末を使用することにより、二酸化炭素を使用した圧力処理では粉末の起泡能力が倍以上に増大し、放出される気体の量は、粉末1g当たり気体約2ccから粉末1g当たり気体約4.5ccにまで増大した。窒素を使用した圧力処理では、粉末の起泡能力が3倍以上増大し、放出される気体の量は、粉末1g当たり気体約2ccから粉末1g当たり気体約7ccにまで増大した。圧力処理した粉末は、カプチーノミックス中に加えて元に戻したときに、破裂音をたてた。すべてのカプチーノ飲料は、優れた風味を有していた。
【実施例2】
【0052】
33DEグルコースシロップ固形分(乾燥ベースで92%)およびオクテニルコハク酸ナトリウム置換デンプン(乾燥ベースで8%)の50%水溶液を窒素注入し、噴霧乾燥して、複数の内部空隙を有する粒子からなる無タンパク質粉末を生成した。本質的に100%の炭水化物粉末は、白色であり、かさ密度が0.25g/cc、タップ密度が0.31g/cc、骨格密度が0.59g/cc、内部空隙体積が61%、真密度が1.51g/cc、Tgが74℃、および含水量が約2%であった。粉末約3部と可溶性コーヒー1部と砂糖2部の重量比を用いて、インスタント加糖コーヒーミックスでこの粉末を使用した場合、65mmの内径を有する250mlのビーカー内でこのミックス約11gを88℃の水130mlを使用して元に戻したときに、約7mmの高さまで飲料の表面を完全に覆う量の泡沫をもたらした。
【0053】
無タンパク質粉末6gを、圧力容器内で5分間、1000psi(約6900KPa)で窒素気体により25℃で加圧し、次いで減圧した。未処理の粉末の代わりに同量の処理済みの粉末を加糖コーヒーミックスに使用した場合、この処理によって、粉末の起泡能力が約140%増大したことが明らかになった。処理済みおよび未処理の粉末によってもたらされる、溶いて元に戻した飲料ミックスの泡沫密度および漸増泡沫体積の知識を使用して、各粉末により放出される気体の量(室温および圧力に対して補正した)を推定した。未処理の粉末は、粉末1g当たり気体約2ccを放出するのに対し、処理済みの粉末は、粉末1g当たり気体約5ccを放出すると推定された。粉末は、おそらくは弱すぎて加圧気体を含有することができない拡散制限開放空隙を取り囲んだ壁の破裂が原因で、減圧後の少しの間、微かなポンという弾けた音をたてた。処理済みの粉末のかさ密度は変化せず、骨格密度は0.89g/ccまで増大し、内部空隙体積は41%に減少したが、これは、加圧および/または減圧の力によって、粒子の脱水中に形成された予め空の内部空隙の一部が大気に開放され、それによって起泡能力が増大したことを示している。この仮説は、1週間後であっても処理済みの粉末が増大した起泡能力を保持することによって、裏付けられる。
【0054】
無タンパク質粉末の、別の6gのサンプルを、窒素気体で1000psi(約6900KPa)に加圧し、120℃の炉内で30分間加熱し、次いでほぼ室温に冷却した後に減圧した。処理によって、粉末中に加圧気体が捕捉され、多くの粒子は、減圧後の少しの間、大きな破裂音をたてて破裂した。処理済みの粉末は白色であり、タップ密度が0.33g/cc、骨格密度が1.18g/cc、および内部空隙体積が22%であった。未処理の粉末の代わりに同量の処理済みの粉末を加糖コーヒーミックスで使用することにより、この処理で粉末の起泡能力が4倍以上に増大し、放出される気体の量が、粉末1g当たり気体約2ccから粉末1g当たり気体約9ccに増加することが明らかになった。
【0055】
無タンパク質粉末の、別の6gのサンプルを、窒素気体で1000psi(約6900KPa)に加圧し、120℃の炉内で60分間加熱し、次いでほぼ室温に冷却した後に減圧した。処理によって、粉末中に加圧気体が捕捉され、比較的かなりの割合の粒子が、減圧後の少しの間、大きな破裂音をたてて破裂した。処理済みの粉末は白色であり、タップ密度が0.41g/cc、骨格密度が1.00g/cc、および内部空隙体積が34%であった。未処理の粉末の代わりに同量の処理済みの粉末を加糖コーヒーミックスで使用することにより、この処理で粉末の起泡能力が約6倍に増大し、放出される気体の量が、粉末1g当たり気体約2ccから粉末1g当たり気体約12ccに増加することが明らかになった。
【0056】
無タンパク質粉末の、別の6gのサンプルを、窒素気体で1000psi(約6900KPa)に加圧し、120℃の炉内で80分間加熱し、次いでほぼ室温に冷却した後に減圧した。処理によって、粉末中に加圧気体が捕捉され、比較的かなりの割合の粒子が、減圧後の少しの間、大きな破裂音をたてて破裂した。処理済みの粉末は白色であり、タップ密度が0.41g/cc、骨格密度が1.02g/cc、および内部空隙体積が32%であった。未処理の粉末の代わりに同量の処理済みの粉末を加糖コーヒーミックスで使用することにより、この処理で粉末の起泡能力が10倍以上に増大し、放出される気体の量が、粉末1g当たり気体約2ccから粉末1g当たり気体約21ccに増加することが明らかになった。
【0057】
すべての加糖コーヒー飲料は、優れた風味を有していた。しかし、水と接触したときに、圧力処理した粉末から大量の気体が放出されることによって、粒子の浮力が増大し、粒子の湿潤性が低下し、そのため圧力処理した粉末の分散性および溶解性が未処理の粉末よりも損なわれた。未処理の粉末を含有する加糖コーヒーミックスは、水を添加すると、攪拌する必要なく瞬時に分散し溶解し、得られた飲料、泡沫、およびビーカーの壁からは溶解していない粉末が完全になくなった。これとは対照的に、処理済みの粉末を含有する加糖コーヒーミックスは、ビーカーの壁の広い面積を覆った溶解せずかつ濡れていない粉末の付着シートの存在からわかるように、また泡沫の中に懸濁した大きな溶解せずかつ濡れていない粉末の塊の存在からわかるように、水を添加したときに瞬時に分散も溶解もしなかった。攪拌しない場合、典型的には付着シートが完全に溶解するのに数分かかり、また水が比較的不足しているために、泡沫の中の粉末の塊はいつまでも存在し続けるように見え、15分後であっても大部分が変化しないように見えた。しかし、この粉末の分散性および溶解性の障害は、分散および溶解が促進されるように、処理済みの粉末を含有する元に戻したミックスを攪拌することによって、適切に改善された。この実施例で実証された、閉じ込められた加圧気体の放出によって損なわれた粉末の分散性および溶解性のタイプおよび程度は、本発明により調製された起泡組成物の典型的なものである。
【実施例3】
【0058】
33DEグルコースシロップ固形分(乾燥ベースで98.5%)、ポリソルベート20(乾燥ベースで1%)、およびアルギン酸プロピレングリコール(乾燥ベースで0.5%)の50%水溶液を窒素注入し、噴霧乾燥して、複数の内部空隙を有する粒子からなる無タンパク質粉末を生成した。約99%の炭水化物粉末は、白色であり、かさ密度が0.24g/cc、タップ密度が0.30g/cc、骨格密度が0.64g/cc、内部空隙体積が56%、真密度が1.47g/cc、Tgが68℃、含水量が約4%であった。実施例2の方法による加糖コーヒーミックスでの粉末の使用では、このミックス約11gを、65mmの内径を有する250mlビーカー内で88℃の水130mlを使用して元に戻したときに、約11mmの高さまで飲料の表面を完全に覆う量の泡沫が生成された。
【0059】
無タンパク質粉末6gを、圧力容器内で1000psi(約6900KPa)で5分間、窒素気体により25℃で加圧し、次いで減圧した。未処理の粉末の代わりに同量の処理済みの粉末を加糖コーヒーミックスで使用することによって、この処理で粉末の起泡能力が約65%増大したことが明らかになった。処理済みおよび未処理の粉末によってもたらされた、溶いて元に戻した飲料ミックスの泡沫密度および漸増泡沫体積の知識を使用して、各粉末により放出される気体の量(室温および圧力に対して補正した)を推定した。未処理の粉末は、粉末1g当たり約3.5ccの気体を放出したのに対し、処理済みの粉末は、粉末1g当たり約6ccの気体を放出したと推定された。粉末は、減圧後の少しの間、微かなポンという音をたてた。処理済みの粉末のかさ密度は変化せず、骨格密度は1.04g/ccに増大し、内部空隙体積は29%に減少したが、これは加圧および/または減圧の力によって、粒子の脱水中に形成された予め空の内部空隙の一部が大気に開放されて、起泡能力が増大したことを示している。この仮説は、1週間後であっても、処理済みの粉末がその増大した起泡能力を完全に保持するという事実によって、裏付けされる。
【0060】
無タンパク質粉末の、別の6gのサンプルを、窒素気体で1000psi(約6900KPa)に加圧し、120℃の炉内で15分間加熱し、次いでほぼ室温に冷却した後に減圧した。処理によって、粉末中に加圧気体が捕捉され、多くの粒子が、減圧後の少しの間、大きな破裂音をたてて破裂した。処理済みの粉末は白色であり、タップ密度が0.32g/cc、骨格密度が1.31g/cc、および内部空隙体積が11%であった。未処理の粉末の代わりに同量の処理済みの粉末を加糖コーヒーミックスで使用することにより、この処理で粉末の起泡能力が約3倍増大し、放出される気体の量が、粉末1g当たり気体約3.5ccから粉末1g当たり気体約10.5ccに増加することが明らかになった。
【0061】
無タンパク質粉末の、別の6gのサンプルを、窒素気体で1000psi(約6900KPa)に加圧し、120℃の炉内で30分間加熱し、次いでほぼ室温に冷却した後に減圧した。処理によって、粉末中に加圧気体が捕捉され、さらに比較的多くの割合の粒子が、減圧後の少しの間、さらに大きな破裂音をたてて破裂した。処理済みの粉末は白色であり、タップ密度が0.50g/cc、骨格密度が1.19g/cc、および内部空隙体積が19%であった。未処理の粉末の代わりに同量の処理済みの粉末を加糖コーヒーミックスで使用することにより、この処理で粉末の起泡能力がほぼ5倍増大し、放出される気体の量が、粉末1g当たり気体約3.5ccから粉末1g当たり気体約17ccに増加することが明らかになった。すべての加糖コーヒー飲料は、優れた風味を有していた。
【実施例4】
【0062】
以下の表は、実施例2の方法により調製された加糖コーヒーミックスにおいて未処理の粉末の代わりに同量の処理済みの粉末を使用した場合に、実施例3の方法により以下に列挙された圧力の圧力容器内で、120℃で30分間、窒素気体により、実施例3の噴霧乾燥済み無タンパク質粉末の別の6gのサンプルを加圧したときに得られた結果をまとめたものである。未処理の製品は、実施例3の未処理の粉末であり、比較のためこの表に含める。製品Aは、250psi(約1720KPa)で加圧した未処理の粉末の別のサンプルであり;製品Bは、375psi(約2580KPa)で加圧した未処理の粉末の別のサンプルであり;製品Cは、500psi(約3450KPa)で加圧した未処理の粉末の別のサンプルである。製品Dは、1000psi(約6900KPa)で加圧した実施例3の粉末であり、比較のためこの表に含める。すべての加糖コーヒー飲料は、優れた風味を有していた。
【0063】
【表1】

【実施例5】
【0064】
実施例2および3の処理済みおよび未処理の無タンパク質粉末の、いくつかの別のサンプルを、約2部の粉末と1部の可溶性コーヒーと2部の砂糖と2部の非起泡性非乳製クリーマという重量比を使用するインスタントカプチーノミックスに使用し、このミックス約14gを、65mmの内径を有する250mlビーカー内で88℃の水130mlを使用して元に戻したときに、泡沫で完全に覆われる飲料を製造した。この製品の適用例では、各未処理粉末が、約8mmの泡沫の高さと約40mmの飲料の高さをもたらした。120℃で30分間および60分間加圧した実施例2の処理済みの粉末は、それぞれ約20mmおよび約40mmの泡沫の高さをもたらした。120℃で15分間および30分間加圧した実施例3の処理済みの粉末は、それぞれ約18mmおよび約35mmの泡沫の高さをもたらした。処理済みおよび未処理の粉末によって生成された泡沫は、インスタントカプチーノの泡沫に典型的なクリーム状の風合いおよび小さい気泡サイズを有していたが、処理済みの粉末を含有するミックスだけが、溶いて元に戻したときに破裂音をたてた。泡沫で連続的に覆われた状態は、処理済みまたは未処理の粉末を添加しないインスタントカプチーノ飲料では生じなかった。すべてのカプチーノ飲料は、優れた風味を有していた。
【実施例6】
【0065】
実施例3の未処理の無タンパク質粉末の、別の10gのサンプルを、砂糖10gおよび可溶性コーヒー粉末2gと混合した。このミックスを、72mmの内径を有する400mlビーカー内で、コールドスキムミルク240mlを加えて元に戻し、それによって、高さ約10mmの泡沫で完全に覆われる高さ約65mmのコールドカプチーノ飲料を製造した。未処理の粉末の代わりに、120℃で30分間加圧された、同量の実施例3の処理済みの粉末の別のサンプルを使用した。このミックスを同じ手法で溶いて元に戻すことにより、高さ約35mmの泡沫で完全に覆われる高さ約60mmの飲料が製造された。処理済みおよび未処理の粉末によって生成された泡沫は、カプチーノ飲料に典型的なクリーム状の風合いおよび小さい気泡サイズを有していたが、処理済みの粉末を含有するミックスだけが、溶いて元に戻したときに破裂音をたてた。泡沫で連続的に覆われた状態は、処理済みまたは未処理の粉末を添加しないコールドカプチーノ飲料では生成されなかった。すべてのカプチーノ飲料は、優れた風味を有していた。
【実施例7】
【0066】
実施例3の未処理の無タンパク質粉末の、別の5gのサンプルを、Swiss Miss(登録商標)Hot Cocoa Mix 28gと混合した。このミックスを、65mmの内径を有する250mlビーカー内で、90℃の180mlを加えて元に戻し、それによって、高さ約8mmの泡沫で完全に覆われる高さ約60mmのホットココア飲料を製造した。未処理の粉末の代わりに、120℃で30分間加圧された、同量の実施例3の処理済みの粉末の別のサンプルを使用した。このミックスを同じ手法で元に戻すことにより、高さ約15mmの泡沫で完全に覆われる高さ約60mmの飲料が製造された。処理済みおよび未処理の粉末によって生成された泡沫は、クリーム状の風合いおよび小さい気泡サイズを有していたが、処理済みの粉末を含有するミックスだけが、溶いて元に戻したときに破裂音をたてた。わずか約5mmの高さの泡沫の連続層が、処理済みまたは未処理の粉末を添加しないホットココア飲料において生成された。すべてのココア飲料は、優れた風味を有していた。
【実施例8】
【0067】
実施例3の未処理の無タンパク質粉末の、別の5gのサンプルを、Lipton(登録商標)Cup−a−Soup(登録商標)13gと混合した。このミックスを、65mmの内径を有する250mlビーカー内で、90℃の水180mlを加えて元に戻し、それによって、高さ約12mmの泡沫で完全に覆われる高さ約60mmのホットスープを製造した。未処理の粉末の代わりに、120℃で30分間加圧された、同量の実施例3の処理済みの粉末の別のサンプルを使用した。このミックスを同じ手法で元に戻すことにより、高さ約25mmの泡沫で完全に覆われる高さ約55mmのホットスープが製造された。処理済みおよび未処理の粉末によって生成された泡沫は、クリーム状の風合いおよび小さい気泡サイズを有していたが、処理済みの粉末を含有するミックスだけが、溶いて元に戻したときに破裂音をたてた。それほど多くはない量の泡沫が、処理済みまたは未処理の粉末を添加しないホットスープにおいて生成された。すべてのホットスープは、優れた風味を有していた。
【実施例9】
【0068】
実施例3の未処理の無タンパク質粉末の、別の10gのサンプルを、加糖チェリー風味付きKool−Aid(登録商標)ブランドのソフトドリンクミックス17gと混合し、72mmの内径を有する400mlビーカー内で、冷水240mlを加えて元に戻し、それによって、高さ約9mmの白色の泡沫で完全に覆われる高さ約65mmの冷たく赤い飲料を製造した。未処理の粉末の代わりに、120℃で30分間加圧された、同量の実施例3の処理済みの粉末の別のサンプルを使用した。このミックスを同じ手法で元に戻すことにより、高さ約30mmの白色の泡沫で完全に覆われる高さ約60mmの飲料が製造された。処理済みおよび未処理の粉末によって生成された泡沫は、クリーム状の風合いおよび小さい気泡サイズを有していたが、処理済みの粉末を含有するミックスだけが、溶いて元に戻したときに破裂音をたてた。処理済みまたは未処理の粉末を添加しない飲料では、泡は生成されなかった。すべての風味付き飲料は、優れた風味を有していた。
【実施例10】
【0069】
実施例3の未処理の無タンパク質粉末の、別の10gのサンプルを、Kraft(登録商標)ブランドのEasy Mac(登録商標)マカロニアンドチーズディナーのパッケージで提供されたチーズパウダーと混合した。パッケージの取扱い説明書に従って、水をボウル内でパスタに添加し、マイクロ波で加熱した。未処理の粉末を含有するチーズパウダーミックスをパスタに添加することによって、泡沫状の風合いを有するチーズソースを製造した。未処理の粉末の代わりに、120℃で30分間加圧された、同量の実施例3の処理済みの粉末の別のサンプルを使用した。このミックスを、同じ手法で加熱したパスタに添加することにより、非常に泡沫性の風合いを有するチーズソースが製造された。処理済みの粉末を含有するチーズパウダーミックスだけが、溶いて元に戻したときに破裂音をたてた。処理済みまたは未処理の粉末を添加しないチーズソーズでは、泡立ちの風合いがそれほど有意な程度に生成されなかった。すべてのチーズソースは、優れた風味を有していた。
【実施例11】
【0070】
半硬化大豆油(乾燥ベースで10%)の分散したエマルジョンを含有する、33DEグルコースシロップ固形分(乾燥ベースで82%)および界面活性オクテニルコハク酸ナトリウム置換デンプン(乾燥ベースで8%)の50%水溶液を窒素注入し、噴霧乾燥して、複数の内部空隙を有する粒子からなる無タンパク質粉末を生成した。約90%の炭水化物粉末は、白色であり、かさ密度が0.21g/cc、タップ密度が0.26g/cc、骨格密度が0.52g/cc、内部空隙体積が64%、真密度が1.44g/cc、Tgが65℃、含水量が約3%であった。実施例2の方法によるインスタント加糖コーヒーミックスでの粉末の使用では、このミックス約11gを、65mmの内径を有する250mlビーカー内で88℃の水130mlを使用して元に戻したときに、約10mmの高さまで飲料の表面を完全に覆う量の泡が生成された。
【0071】
無タンパク質粉末6gを、圧力容器内で、1000psi(約6900KPa)で5分間、窒素気体により25℃で加圧し、次いで減圧した。未処理の粉末の代わりに同量の処理済みの粉末を加糖コーヒーミックスで使用することにより、この処理で粉末の起泡能力が約100%増大したことが明らかになった。処理済みおよび未処理の粉末によってもたらされた、溶いて元に戻した飲料ミックスの泡沫密度および漸増泡沫体積の知識を使用して、各粉末から放出される気体の量(室温および圧力に対して補正された)を推定した。未処理の粉末は、粉末1g当たり気体を約3.5cc放出したのに対し、処理済みの粉末は、粉末1g当たり気体を約6.5cc放出したと推定された。粉末は、おそらく加圧気体を含有するには弱すぎる拡散制限開放空隙を取り囲んだ壁の破裂によって、減圧後に少しの間、微かなポンという音を出した。処理済みの粉末のかさ密度は変化せず、骨格密度は0.64g/ccに増大し、内部空隙体積は56%減少したが、これは、加圧および/または減圧の力によって、粒子脱水中に形成された予め空の内部空隙の一部が大気に開放されて、起泡能力が増大したことを示している。
【0072】
無タンパク質粉末の、別の6gのサンプルを、窒素気体で1000psi(約6900KPa)に加圧し、120℃の炉内で30分間加熱し、次いでほぼ室温に冷却した後に減圧した。処理によって、粉末中に加圧気体が捕捉され、多くの粒子が、減圧後の少しの間、大きな破裂音をたてて破裂した。処理済みの粉末は白色であり、タップ密度が0.32g/cc、骨格密度が0.79g/cc、および内部空隙体積が45%であった。未処理の粉末の代わりに同量の処理済みの粉末を加糖コーヒーミックスで使用することにより、この処理で粉末の起泡能力がほぼ3倍増大し、放出される気体の量が、粉末1g当たり気体約3.5ccから粉末1g当たり気体約17ccに増加することが明らかになった。すべての加糖コーヒー飲料は、優れた風味を有していた。
【実施例12】
【0073】
120℃で30分間加圧した、実施例3の処理済み無タンパク質粉末の、別の5gのサンプルを、スキムミルクパウダー15gおよび砂糖10gと混合した。このミックスを、54mmの内径を有する150mlビーカー内で、5℃の水20mlを加えて元に戻し、スプーンで攪拌して溶解した。濃厚でクリームのようなホイップ状態の空気が混入された風合いを有する、コールド無脂肪デザートトッピングが、高さ約40mmで生成された。処理済みの粉末の代わりに、同量の実施例3の未処理の粉末の別のサンプルを使用した。このミックスを同じ手法で元に戻すことにより、高さ約25mmでごくわずかしか空気が混入されていない風合いを有するトッピングが製造された。スキムミルクパウダーおよび砂糖の混合物だけを同じ手法で元に戻すことにより、高さ約20mmで空気が混入された風合いを持たずに、魅力がなく流れやすいトッピングが製造された。まとめると、未処理の粉末は、トッピング調製品に約25%の体積超過をもたらし、風合いをいくらか改善したが、処理済みの粉末は、トッピング調製品に約100%の体積超過をもたらし、風合いを大幅に改善した。すべてのトッピングは、優れた風味を有していた。
【実施例13】
【0074】
120℃で30分間加圧した、実施例3の処理済み無タンパク質粉末の、別の10gのサンプルを、Quakerインスタントオートミール28gと混合した。このミックスを、72mmの内径を有する400mlビーカー内で、90℃の水120mlを加えて元に戻し、スプーンで攪拌して粉末を溶解した。ホットシリアルを、高さ約25mmで濃厚なクリーム状の泡沫によって完全に覆われる、高さ約35mmで製造した。泡沫を簡単に攪拌しながらシリアルに混ぜて、濃厚なクリーム状の空気が混入された風合いを生成した。処理済みの粉末の代わりに、実施例3の、同量の未処理の粉末の別のサンプルを使用した。このミックスを、同じ手法で元に戻すことにより、高さ約7mmで濃厚なクリーム状の泡沫により完全に覆われる、高さ約40mmのホットシリアルを製造した。泡沫を簡単に攪拌してシリアルに混ぜることにより、わずかに空気が混入した風合いを生成した。インスタントオートミールを同じ手法で元に戻すだけで、泡沫もなく空気が混入された風合いもない高さ約40mmのホットシリアルが製造された。処理済みの粉末を含有するオートミールミックスだけが、溶いて元に戻したときに破裂音をたてた。すべてのホットインスタントシリアルは、優れた風味を有していた。
【0075】
比較例:ラクトース、および33DEグルコースシロップ固形分(乾燥ベースで52%)、スキムミルクパウダー(乾燥ベースで47%)、およびリン酸二ナトリウム(乾燥ベースで1%)の50%水溶液に窒素注入し、噴霧乾燥して、炭水化物およびタンパク質を含有する粉末を生成した。粉末は薄黄色であり、清浄なミルク状の香りおよび風味を有し、かさ密度が0.34g/cc、タップ密度が0.40g/cc、骨格密度が0.71g/cc、内部空隙体積が52%、真密度が1.49g/cc、Tgが61℃、および含水量が約3%であった。この粉末を、実施例2の方法によりインスタント加糖コーヒーミックスで使用することによって、このミックス約11gを、65mmの内径を有する250mlビーカー内で88℃の水130mlを使用して元に戻したときに、高さ約10mmまで飲料の表面を完全に覆う適度な量の泡沫が生成された。この粉末を含有する加糖コーヒーミックスは、清浄なミルク状の風味を有していた。
【0076】
炭水化物およびタンパク質を含有する粉末6gを、圧力容器内で、1000psi(約6900KPa)で5分間、窒素気体により25℃で加圧し、次いで減圧した。未処理の粉末の代わりに、同量の処理済みの粉末を加糖コーヒーミックスで使用することにより、この処理では粉末の起泡能力が約160%増大することが明らかになった。処理済みおよび未処理の粉末によってもたらされた、溶いて元に戻した飲料ミックスの泡沫密度および漸増泡沫体積の知識を使用して、各粉末によって放出される気体の量(室温および圧力に対して補正した)を推定した。未処理の粉末は、粉末1g当たり気体約3.5ccを放出するのに対し、処理済みの粉末は、粉末1g当たり気体約8.5ccを放出すると推定された。この粉末は、おそらくは加圧気体を含有するには弱すぎる拡散制限開放空隙を取り囲んだ壁の破裂により、減圧後の短い間、微かなポンという音をたてた。処理済みの粉末のかさ密度は変化せず、骨格密度が0.75g/ccに増大し、内部空隙体積が50%に減少したが、これは、加圧および/または減圧の力によって、粒子の脱水中に形成された予め空の内部空隙の一部を大気に開放し、その結果、起泡能力が増大することを示している。この仮説は、1週間後であっても処理済みの粉末が高い起泡能力を保持する事実によって裏付けられる。
【0077】
炭水化物およびタンパク質を含有する粉末の、別の6gのサンプルを、圧力容器内で、1000psi(約6900KPa)で窒素気体により加圧し、120℃の炉内で15分間加熱し、次いでほぼ室温に冷却した後、減圧した。この処理では、粉末中に加圧気体が捕捉され、多くの粒子は、減圧後の短い間、破裂音をたてて破裂した。処理済みの粉末は薄黄色であり、加熱した渋味のある加工風味を有し、タップ密度は0.45g/ccであり、骨格密度は0.98g/ccであり、内部空隙体積は34%であった。未処理の粉末の代わりに、同量の処理済みの粉末を加糖コーヒーミックスで使用することによって、この処理では粉末の起泡能力がほぼ6倍増大し、放出される気体の量が、粉末1g当たり気体約3.5ccから粉末1g当たり気体約20ccに増大したことが明らかになった。処理済みの粉末を含有する加糖コーヒーミックスは、望ましくない加熱した渋味のある加工風味を有していた。
【0078】
炭水化物およびタンパク質を含有する粉末の、別の6gのサンプルを、圧力容器内で、1000psi(約6900KPa)で窒素気体により加圧し、120℃の炉内で30分間加熱し、次いでほぼ室温に冷却した後、減圧した。この処理では、粉末中に加圧気体が捕捉され、比較的多くの割合の粒子が、減圧後の短い間、破裂音をたてて破裂した。処理済みの粉末は、より濃い黄色であり、カラメル状の香りであり、苦味渋味のある加工風味を有し、タップ密度は0.44g/cc、骨格密度は0.94g/cc、内部空隙体積は37%であった。未処理の粉末の代わりに、同量の処理済みの粉末を加糖コーヒーミックスで使用することによって、この処理では粉末の起泡能力が5倍増大し、放出される気体の量は、粉末1g当たり気体約3.5ccから粉末1g当たり気体約17.5ccに増大したことが明らかになった。処理済みの粉末を含有する加糖コーヒーミックスは、望ましくない苦味渋味のある加工風味を有していた。
【0079】
炭水化物およびタンパク質を含有する粉末の、別の6gのサンプルを、圧力容器内で、1000psi(約6900KPa)で窒素気体により加圧し、120℃の炉内で60分間加熱し、次いでほぼ室温に冷却した後、減圧した。この処理では、粉末中に加圧気体が捕捉され、比較的さらに多くの割合の粒子が、減圧後の短い間、破裂音をたてて破裂した。処理済みの粉末は褐色であり、カラメル状の香りであり、苦味渋味のある焦げた風味を有しており、タップ密度は0.49g/cc、骨格密度は0.98g/cc、および内部空隙体積は34%であった。未処理の粉末の代わりに、同量の処理済みの粉末を加糖コーヒーミックスで使用することによって、この処理では粉末の起泡能力がほぼ4倍増大し、放出される気体の量が、粉末1g当たり気体3.5ccから粉末1g当たり気体13.5ccに増大することが明らかになった。処理済みの粉末を含有する加糖コーヒーミックスは、望ましくない苦味渋味のある焦げた風味を有していた。
【0080】
本発明について、好ましい実施形態を参照しながらかなり詳細に述べてきたが、本発明は、本発明の精神および範囲から逸脱することなく、当業者に明らかな数多くの修正および変更が可能であることが明らかにされよう。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
閉じ込められた加圧気体を含有する複数の内部空隙を有する炭水化物粒子を含む、粉末状無タンパク質可溶性組成物を含むことを特徴とする起泡組成物。
【請求項2】
粉末状無タンパク質可溶性組成物は、乾燥重量ベースで炭水化物を90%よりも多く含むことを特徴とする請求項1に記載の起泡組成物。
【請求項3】
粉末状無タンパク質可溶性組成物は、乾燥重量ベースで炭水化物を本質的に100%含むことを特徴とする請求項1に記載の起泡組成物。
【請求項4】
可溶性組成物は、周囲条件で液体に溶解したときに、前記組成物1g当たり気体を少なくとも2cc放出することを特徴とする請求項1に記載の起泡組成物。
【請求項5】
可溶性組成物は、周囲条件で液体に溶解したときに、前記組成物1g当たり気体を少なくとも5cc放出することを特徴とする請求項1に記載の起泡組成物。
【請求項6】
可溶性組成物は、糖、多価アルコール、糖アルコール、オリゴ糖、多糖、デンプン加水分解生成物、ガム、可溶性繊維、化工デンプン、化工セルロース、およびこれらの混合物からなる群から選択されることを特徴とする請求項1に記載の起泡組成物。
【請求項7】
前記デンプン加水分解生成物は、マルトデキストリン、グルコースシロップ、コーンシロップ、高マルトースシロップ、高フルクトースシロップ、およびこれらの混合物からなる群から選択されることを特徴とする請求項6に記載の起泡組成物。
【請求項8】
前記可溶性組成物は、非タンパク質界面活性剤をさらに含むことを特徴とする請求項1に記載の起泡組成物。
【請求項9】
前記非タンパク質界面活性剤は、乳化剤であることを特徴とする請求項8に記載の起泡組成物。
【請求項10】
炭水化物は、70から99.9重量%の量で存在し、乳化剤は、0.1から30重量%の量で存在することを特徴とする請求項9に記載の起泡組成物。
【請求項11】
炭水化物は、80から99.8%の量で存在し、乳化剤は、0.2から20%の量で存在することを特徴とする請求項9に記載の起泡組成物。
【請求項12】
前記乳化剤は、ポリソルベート、スクロースエステル、ステアロイルラクチレート、モノ/ジグリセリド、モノ/ジグリセリドの酒石酸ジアセチルエステル、リン脂質、アルギン酸プロピレングリコール、親油性化工デンプン、およびこれらの混合物からなる群から選択されることを特徴とする請求項9に記載の起泡組成物。
【請求項13】
前記親油性化工デンプンは、オクテニルスクシネート置換デンプンであることを特徴とする請求項12に記載の起泡組成物。
【請求項14】
乳化剤は、ポリマー乳化剤と低分子量乳化剤との混合物であることを特徴とする請求項9に記載の起泡組成物。
【請求項15】
ポリマー乳化剤は親油性化工デンプンであり、低分子量はステアロイル乳酸ナトリウムであることを特徴とする請求項14に記載の起泡組成物。
【請求項16】
ポリマー乳化剤はアルギン酸プロピレングリコールであり、低分子量乳化剤はポリオキシエチレンソルビタンモノラウレートであることを特徴とする請求項14に記載の起泡組成物。
【請求項17】
前記可溶性組成物は、分散した脂肪をさらに含むことを特徴とする請求項1に記載の起泡組成物。
【請求項18】
炭水化物を含み、かつ閉じ込められた加圧気体を含有する複数の内部空隙を有する、無タンパク質可溶性起泡粒子であって、少なくともガラス転移温度となる温度にまで前記粒子を加熱する前にまたは加熱する間、大気圧を超える外部気体圧力に前記粒子を曝し、次いで前記内部空隙内に前記加圧気体を捕捉するのに有効な手法で、前記外部気体圧力を解除する前にまたは解除する間、前記ガラス転移温度よりも低い温度にまで前記粒子を冷却することによって形成された粒子
を含むことを特徴とする起泡組成物。
【請求項19】
前記起泡粒子は、周囲条件で液体に溶解したときに、前記組成物1g当たり気体を少なくとも2cc放出することを特徴とする請求項18に記載の起泡組成物。
【請求項20】
起泡粒子は、周囲条件で液体に溶解したときに、前記組成物1g当たり気体を少なくとも5cc放出することを特徴とする請求項19に記載の起泡組成物。
【請求項21】
閉じ込められた加圧気体を含有する複数の内部空隙を有する炭水化物粒子を含む、無タンパク質可溶性起泡組成物を含むことを特徴とする可溶性消費食品。
【請求項22】
前記気体は、周囲条件で液体に溶解したときに、前記組成物1g当たり泡を少なくとも5cc生成するのに十分な量で存在することを特徴とする請求項21に記載の可溶性消費食品。
【請求項23】
インスタントコーヒーミックス、インスタントココアミックス、およびインスタント紅茶ミックスからなる群から選択された飲料ミックスを含むことを特徴とする請求項21に記載の可溶性消費食品。
【請求項24】
前記インスタントコーヒーミックスは、インスタントカプチーノミックスであることを特徴とする請求項23に記載の可溶性消費食品。
【請求項25】
デザート製品、インスタントチーズ製品、インスタントシリアル製品、インスタントスープ製品、およびインスタントトッピング製品からなる群から選択されたインスタント食品を含むことを特徴とする請求項21に記載の可溶性消費食品。
【請求項26】
可溶性無タンパク質炭水化物および界面活性剤を含む粒子であって、周囲条件で液体に溶解したときに泡を形成する加圧気体を含有する、複数の内部空隙を有する粒子を含むことを特徴とする粉末状起泡組成物。
【請求項27】
粒子は、前記粒子1g当たり気体を少なくとも2cc放出することを特徴とする請求項26に記載の粉末状起泡組成物。
【請求項28】
粒子は、周囲条件で液体に溶解したときに前記粒子1g当たり気体を少なくとも5cc放出することを特徴とする請求項27に記載の粉末状起泡組成物。
【請求項29】
前記炭水化物は、糖、多価アルコール、糖アルコール、オリゴ糖、多糖、デンプン加水分解生成物、ガム、可溶性繊維、化工デンプン、化工セルロース、およびこれらの混合物からなる群から選択されることを特徴とする請求項26に記載の粉末状起泡組成物。
【請求項30】
前記デンプン加水分解生成物は、マルトデキストリン、グルコースシロップ、コーンシロップ、高マルトースシロップ、高フルクトースシロップ、およびこれらの混合物からなる群から選択されることを特徴とする請求項29に記載の粉末状起泡組成物。
【請求項31】
前記界面活性剤は乳化剤であることを特徴とする請求項26に記載の粉末状起泡組成物。
【請求項32】
前記乳化剤は、ポリソルベート、スクロースエステル、ステアロイルラクチレート、モノ/ジグリセリド、モノ/ジグリセリドの酒石酸ジアセチルエステル、リン脂質、アルギン酸プロピレングリコール、親油性化工デンプン、およびこれらの混合物からなる群から選択されることを特徴とする請求項31に記載の粉末状起泡組成物。
【請求項33】
前記親油性化工デンプンは、オクテニルスクシネート置換デンプンであることを特徴とする請求項32に記載の粉末状起泡組成物。
【請求項34】
粒子は、分散した脂肪をさらに含むことを特徴とする請求項26に記載の粉末状起泡組成物。
【請求項35】
無タンパク質可溶性起泡粒子は、乾燥重量ベースで炭水化物を90%よりも多く含むことを特徴とする請求項18に記載の粉末状起泡組成物。
【請求項36】
無タンパク質可溶性起泡粒子は、乾燥重量ベースで炭水化物を本質的に100%含むことを特徴とする請求項18に記載の粉末状起泡組成物。
【請求項37】
炭水化物を含みかつ内部空隙を有する無タンパク質可溶性起泡粒子を加熱するステップと、
無タンパク質可溶性起泡粒子に、大気圧を超える外部圧力を加えるステップと、
無タンパク質可溶性起泡粒子を冷却するステップと、
外部気体圧力を解除し、それによって、内部空隙に保持される加圧気体をもたらすステップと
を含むことを特徴とする起泡組成物の製造方法。
【請求項38】
前記外部圧力を加えるステップは、粒子を加熱する前に実施することを特徴とする請求項37に記載の方法。
【請求項39】
前記外部圧力を加えるステップは、粒子を加熱する間に実施することを特徴とする請求項37に記載の方法。
【請求項40】
前記無タンパク質可溶性起泡粒子を加熱するステップは、粒子の少なくともガラス転移温度である温度で実施することを特徴とする請求項37に記載の方法。
【請求項41】
前記冷却するステップは、前記外部圧力を解除するステップの前に実施することを特徴とする請求項40に記載の方法。
【請求項42】
前記冷却するステップは、前記外部気体圧力を解除するステップの間に実施することを特徴とする請求項40に記載の方法。
【請求項43】
前記起泡粒子は、乾燥重量ベースで炭水化物を90%よりも多く含むことを特徴とする請求項37に記載の方法。
【請求項44】
無タンパク質可溶性起泡粒子を形成するために、炭水化物を含有する水溶液を噴霧乾燥するステップをさらに含むことを特徴とする請求項37に記載の方法。
【請求項45】
前記噴霧乾燥するステップは、水溶液に気体を注入することを含むことを特徴とする請求項43に記載の方法。
【請求項46】
前記噴霧乾燥するステップは、水溶液に気体を注入せずに実施されることを特徴とする請求項43に記載の方法。

【公表番号】特表2008−510462(P2008−510462A)
【公表日】平成20年4月10日(2008.4.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−527977(P2007−527977)
【出願日】平成17年8月17日(2005.8.17)
【国際出願番号】PCT/US2005/029261
【国際公開番号】WO2006/023564
【国際公開日】平成18年3月2日(2006.3.2)
【出願人】(501360131)クラフト・フーヅ・ホールディングス・インコーポレイテッド (49)
【氏名又は名称原語表記】KRAFT FOODS HOLDINGS, INC.
【住所又は居所原語表記】Three Lakes Drive, Northfield, Illinois 60093 United States of America
【出願人】(505310426)フリースランド ブランズ ビー.ブイ. (3)
【Fターム(参考)】