説明

非ニュートン流体によって潤滑化される傾倒可能な流体力学的軸受けシュー上に支持されたシェルを有するコンプライアント加圧ローラ

ニップに均一な圧力を形成するためのコンプライアント加圧ローラ(10)は、定置の内側コア(12)を含む。定置の内側コアには、複数のシュー(14)が枢着されている。仕切り(16)が複数の環状チャンバ(18)を形成し、シューのそれぞれがチャンバのうちの1つを占有する。非ニュートン流体(70)がチャンバのそれぞれを満たしている。シューのうちの少なくとも1つに複数のアクチュエータ(66)が結合されている。回転可能な薄肉シェル(24)が、複数のチャンバ、シュー、及び定置の内側コアを取り囲んでいる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は概ね加圧ローラに関し、そして具体的には、薄肉外側シェルの変形に対応するコンプライアント加圧ローラに関する。
【背景技術】
【0002】
或る特定の基板を調製する上で、重要なことは、少なくとも1つの表面が平滑仕上げを有することである。しばしばこの平滑仕上げは、極めて厳しい許容差が要求される。平滑仕上げを形成することの問題点に対する従来の解決手段は、完全に満足できるものではなかった。1つの従来の解決手段は、エラストマー・ローラを使用することである。しかし、エラストマー・ローラを、金属ローラと同じ厳しい許容差まで研磨することはできない。
【0003】
別の従来の解決手段は、基板がニップを通過するのに伴い、基板のための裏当て材料として、平滑面を有するキャリヤ・ウェブを使用することである。この解決手段の問題点は、キャリヤ・ウェブが通常は廃棄又はリサイクルされなければならず、製造プロセスのコストを高くしてしまうことである。別の問題は、キャリヤ・ウェブがしばしば皺を形成することである。
【0004】
エラストマー裏材上に平滑面仕上げを備えた金属スリーブを有するローラを使用することは可能である。しかしながらこの解決手段もまた欠点を有する。薄肉金属スリーブは、繰り返して使用した後、特に縁部に沿って亀裂を被る。
【0005】
1つの従来の解決手段が米国特許第5,146,664号明細書(Biondetti)において論じられている。提案された解決手段は一連の液圧式ピストンである。しかしこれらの液圧式ピストンは、厚い外側シェル上で動作することにより、ローラにおけるビームの撓みを補正するものである。開示されたような装置は高価であり、全ての用途に適するものではない。
【0006】
パターン化されたローラの場合、パターン内に材料を押し込むために、ニップのところでの急速な圧力上昇が重要である。小さな直径の金属シェルは本質的に、所与のニップ負荷に対応して、小さなニップ占有面積を形成することになり、その結果、圧力が高くなる。押出流延ウェブ材料を形成する際には、ニップ作用は、研磨又はパターン化されたローラ表面の複製を改善する。
【0007】
理想的な状態では、ローラは完全に円筒形となり、溶融樹脂は均一に分配されることになる。実際問題としては、いずれの状態も達成されない。横方向幅のニップ負荷を改善するために、ローラ形状を局所的に調節できることが望ましい。その結果、ウェブ材料は、より一貫した厚さ及び表面均一性を有することになる。自己調節式ローラは、高いニップ負荷を必要とする製紙作業又はウェブ・カレンダリング作業において利用されているが、しかしこれらの熱伝導能力は最小限である。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
小さなニップ占有面積で平滑仕上げを形成することができ、改善された熱伝導能力を有し、そして調節することができるローラを有することが望ましい。
【課題を解決するための手段】
【0009】
手短に言うと、本発明の1つの態様によれば、ニップに均一な圧力を形成するためのコンプライアント加圧ローラは、定置の内側コアを含む。定置の内側コアには、複数のシューが枢着されている。仕切りが複数の環状チャンバを形成し、シューのそれぞれがチャンバのうちの1つを占有する。非ニュートン流体がチャンバのそれぞれを満たしている。シューのうちの少なくとも1つに複数のアクチュエータが結合されている。回転可能な薄肉シェルが、複数のチャンバ、シュー、及び定置の内側コアを取り囲んでいる。
【0010】
ニップに均一な圧力を形成するためのコンプライアント加圧ローラは、定置の内側コアを含む。定置の内側コアには、複数のシューが枢着されている。仕切りが複数の環状チャンバを形成し、シューはチャンバのうちの1つを占有し、そして非ニュートン流体がチャンバのそれぞれを満たしている。複数のギャップ調節装置が、外側シェルの内面に対する各シューの関係を変化させることにより、それぞれのチャンバ内の収斂領域(ギャップ)の形状を変える。回転可能な薄肉シェルが、複数のチャンバ、シュー、及び定置の内側コアを取り囲んでいる。
【0011】
外側シェルとシューの曲面との間のギャップを調節することによって、局在的な圧力変動が形成される。このギャップ内の平均剪断速度は、シェルの表面速度をギャップ高さで割算した値に対して比例する。所望の剪断感受特性を有する流体との組み合わせにおいてギャップを外部から操作することは、各チャンバ内部における局在的圧力差を形成する手段を提供する。この手段は、外側の薄肉シェルを局所的に変形させる手段を提供する。非ニュートン流体は、外側シェルの所与の回転速度に対応して、粘度と剪断速度との間に対数関係を示す。所与のギャップと、この領域内部の見かけ粘度とは、この収斂領域内に所定の圧力プロファイルを形成する。ギャップが小さくなると、剪断速度が高くなり、このことは流体粘度を低減し、そして流体力学的力を低減する。限られた数の剪断増粘性非ニュートン流体が入手可能であり、またこれらを活用することもできるが、しかし、このタイプの流体を用いると、ギャップ縮小により剪断速度が高められる結果、粘度が高められ、また局所的な圧力も高められる。
【0012】
本発明並びにその目的及び利点は、下記好ましい実施態様の詳細な説明においてより明らかになる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0013】
本発明は具体的には、本発明による装置の一部を形成する要素、又は本発明による装置とより直接的に協働する要素に関する。具体的に示されるか又は説明されることのない要素が当業者によく知られた種々の形態を成し得ることは、言うまでもない。
【0014】
ここで図1を参照すると、コンプライアント加圧ローラが全体的に符号10で示されている。コンプライアント加圧ローラ10は概ね、定置の内側コア12と複数のシュー14とから成っている。シュー14は定置の内側コア12に枢着されている。一連の非磁性仕切り16が、複数の環状チャンバ18を形成し、そしてシュー14のそれぞれは、環状チャンバ18のうちの1つを占有している。
【0015】
図1、2A及び2Bを参照すると、偏心的に設けられたシュー14が示されている。シュー14の1つの表面は湾曲している。シュー14には、枢動点15と、ばね負荷集成体17とが取り付けられている。シュー14の構造には、非磁性の金属材料が使用されるが、しかし本発明はこの実施態様に限定されることはない。シュー14の面の曲率は、薄肉外側シェル24の内面の曲率よりも僅かに小さい。このことは、これらの構成部分間の界面に、収斂断面を形成する。
【0016】
コンプライアント加圧ローラ10は、非回転式の内側コア12を含む。内側コア12は、コンプライアント加圧ローラ10のための主要な支持構造である。内側コアの構造には、非磁性の金属材料が使用されるが、しかし本発明はこの実施態様に限定されることはない。内側コア12は円筒形態を有し、この円筒形態内には、軸方向孔19が設けられている。これらの孔のうちの少なくとも1つが、磁場発生器13を収容するために使用される。好ましい実施態様の場合、1つの磁場発生器13が、複数のシュー14のそれぞれと連携する。このことは、薄肉外側シェル24に対する局所的な調節を可能にする。別の実施態様の場合、磁場発生器13を、図2Bに示されているように、複数のシュー14のそれぞれに配置することもできる。
【0017】
コア内部の熱伝導媒質の循環のために、軸方向孔19が使用される。一連のポケット26が、シューズ14のための支持体として役立つために、半径方向に形成されている。内側コア12上の座は、軸受け20及び流体シール22の装着を可能にする。
【0018】
動作中、シューに対する薄肉シェルの相対速度によって形成される剪断応力を受ける粘性流体の流体力学的効果は、収斂区分11内部に所定の圧力プロファイルを生み出す。この圧力は、薄肉シェルの曲面25と、シューの曲面27とに作用する。シューに作用する圧力は、圧力中心で湾曲に対して垂直な力をもたらす。この力は、シュー14に作用するばね予荷重力によって抵抗される。回転中の薄肉外側シェル24に作用する圧力は、シェルに対する内力を形成する。内部の流体力学的作用からシェルに作用する力と、外部ニップ力との正味の差は、この領域内に薄肉シェルの局在的変形をもたらすことになる。
【0019】
小さなシェル直径を有する薄肉シェルがこの実施態様で可能になる。なぜならばシェルの構造設計が、ビーム曲げ基準又はシェル圧潰基準によって決定付けられることがないからである。シェルの肉厚を著しく薄くすることができる。なぜならば外部ニップ力を被るシェル表面が、磁気-レオロジー流体28とシュー14との相互作用によって形成された圧力によって内部で直接的に支持されるからである。
【0020】
薄肉外側シェル24は、内側コア12の周りを回転するように、軸受け20で拘束される。シェルの回転は、図4に示すニップ点42の摩擦力によって、又は外部駆動機構によって付与することができる。所与の収斂界面に対応して、薄肉シェルの曲面25に沿って、相対速度及び流体粘度が均一な圧力を形成する。シュー14、磁気-レオロジー流体28、及び軸方向可変磁場発生器13と関連する環状チャンバ18には、流体の粘度を変えることによって、可変の流体力学的圧力を加えることができる。薄肉シェルに沿って軸方向に可変の圧力を加えることができる結果、局在的変形の小規模な変化が、他の従来技術によって可能になるよりも著しく高い頻度でもたらされる。
【0021】
図3は、ニップ点におけるローラ表面の半径方向プロファイルに対する、この装置の可変内圧能力の効果をモデル化するために用いられた有限要素計算の結果を示す。シェルの寸法は以下の量、すなわち、曲げ剛性約1800 lb-in、及びシェルの直径に対する厚さの比0.025で表すことができる。曲げ剛性は、材料の弾性率と、シェル厚の三乗との積の量を、定数値12と、1とポアソン比の二乗との差の量との積の量で割算した量と定義される。この計算では、回転軸に対して平行な局在的領域に沿って薄肉外側シェル24上に位置する平均ニップ圧250 psiが使用されている。変数(UX)は、適用されるニップ圧領域に対して垂直でもあるx方向における半径方向変位である。
【0022】
円形の目印を有する曲線30は、ニップ負荷下における、しかし内側支持体のない状態での予期シェル変形を表す。三角形の目印を有する曲線32は、平均圧50 psiでシェル中央に作用するシュー14の曲面と等価の領域に対してもたらされる、局在的圧力を加えることの効果を示している。四角形の目印を有する曲線34は、シェルの内面に沿って15 psi〜20 psiの勾配圧力プロファイルを加えることによって得られる半径方向の変形に対するポジティブな効果を表す。基礎流体力学原理を利用して、外側シェルとシューの曲面との間で平均剪断速度250 l/sで剪断される、粘度約10 Pa-sの流体を考えた場合、圧力約30 psiをこの領域に発生させることができることが計算された。
【0023】
図4は、押出流延ウェブ形成に際して利用される典型的な2ローラ・ニップの断面を示す。溶融樹脂52と第2のローラ40との界面内に、コンプライアント加圧ローラ10が半径方向に負荷される。非接触型変形検出器50、例えばレーザー三角測量ゲージ、又は渦電流装置を利用して、結果として生じるシェル表面変形を測定することができる。この測定データを利用して、変形信号54をマイクロプロセッサ56に送ることにより、ローラの軸に沿った内部負荷条件を制御することができる。マイクロプロセッサ56は、磁場発生器13のうちの1つ又は2つ以上の強度を変える。
【0024】
前述の磁気-レオロジー流体に加えて、この装置は、磁気-レオロジー特性を有しないが、しかし非ニュートン特性を示す他の流体(流体の粘度は、課せられた剪断速度に依存する)を収容することができる。局在的圧力変動は、外側シェルとシューの曲面との間のギャップを調節することにより形成することができる。このギャップ内の平均剪断速度は、シェルの表面速度をギャップ高さで割算した値に対して比例する。非ニュートン流体は、粘度と剪断速度との間に対数関係を示す。所望の剪断感受特性を有する流体との組み合わせにおいてギャップを外部から操作することは、各チャンバ内部における局在的圧力差を形成する付加的な手段を提供する。
【0025】
バイメタル・アクチュエータ58が、加熱素子60及び粗調節ねじ62とともに図5に示されている。この構造は、シュー14と薄肉外側シェル24との間のギャップを調節する手段を提供する。加熱素子60は、バイメタル・アクチュエータ58の温度を変化させる。温度の変化は、長さを予測可能に変化させる。粗調節ねじ62は、ギャップを初期設定し、そして構成部分に予荷重を加えるために使用される。アクセス・チャンバ64は、配線用導管及び手による調節のための空間を提供する。ギャップの外部からの操作は、マイクロプロセッサ・コントローラ56を介したヒーター出力レベル又は温度の調節によって、実現される。
【0026】
図6Aは、シュー14と薄肉外側シェル24との間のギャップを調節する別の可能な構造を示している。モータ68によって調節される線形アクチュエータ66の作用は、シュー14における結合部を介して、シューの位置を変化させ、従ってギャップを変化させる。線形アクチュエータ66はねじ型機構、カム機構、又はロック手段を有するソレノイドの形態を成すことができる。別のギャップ調節機構が可能であり、これらは上記方法には限定されない。
【0027】
図6Bは、シュー14、薄肉シェル24、及び非ニュートン流体70を満たされた界面の拡大図を示す。薄肉外側シェル24の内面に対するシュー14の位置は、収斂領域を形成する。この領域内部の非ニュートン流体70は、薄肉外側シェル24の回転から生じる剪断力を被る。ギャップを操作することにより、流体に課せられた剪断速度が変化させられる。(ギャップの縮小を通して)剪断速度が高められると、剪断減粘性非ニュートン流体の流体粘度が低減されることになる。この作用に晒された外側シェル領域は、流体力学的圧力が低減されることになる。ニップ領域における正味の圧力差に応じて、シェルは局所的に変形することになる。逆に、ギャップが拡大すると、その結果、流体力学的圧力が高められる。剪断増粘性非ニュートン流体が利用される場合、ギャップ変化に対する応答は逆になる。具体的に言えば、ギャップが縮小されると、流体粘度は高められ、また流体力学的圧力も高められる。
【図面の簡単な説明】
【0028】
【図1】図1は、本発明による軸方向にコンプライアントな加圧ローラを、外側シェルを通して内側構成部分を明らかにする部分断面とともに示す等角図である。
【図2A】図2Aは、図1に示された軸方向にコンプライアントな加圧ローラを、内側流動チャンバのうちの1つの中央で示す断面図である。
【図2B】図2Bは、図2Aのシューと外側シェルとの界面を示す拡大図である。
【図3】図3は、種々の内圧条件に応じた、ニップ点に対して垂直な外側シェルの半径方向変形(UX)を示すグラフである。
【図4】図4は、2つのローラ間で形成されたニップを示す断面図である。
【図5】図5は、軸方向にコンプライアントな加圧ローラを、バイメタリック・ギャップ調節機構を備えた状態で示す断面図である。
【図6A】図6Aは、軸方向にコンプライアントな加圧ローラを、モータ駆動型ギャップ調節機構を備えた状態で示す断面図である。
【図6B】図6Bは、非ニュートン流体領域を備えた、シューと外側シェルとの界面を示す拡大図である。
【符号の説明】
【0029】
10 コンプライアント加圧ローラ
11 収斂区分
12 内側コア
13 磁場発生器
14 シュー
15 枢動点
16 非金属仕切り
17 ばね負荷集成体
18 環状チャンバ
19 軸方向孔
20 軸受け
22 シール
24 薄肉外側シェル
25 曲面、シェル
26 ポケット
27 曲面、シュー
28 磁気-レオロジー流体
30 曲線
32 曲線
34 曲線
40 第2のローラ
42 ニップ
50 変形検出器
52 溶融樹脂
54 信号
56 マイクロプロセッサ
58 バイメタル・アクチュエータ
60 加熱素子
62 ギャップ粗調節ねじ
64 アクセス・チャンバ
66 線形アクチュエータ
68 モータ
70 非ニュートン流体

【特許請求の範囲】
【請求項1】
定置の内側コア;
前記定置の内側コアに枢着された複数のシュー;
複数の環状チャンバを形成する仕切り、前記シューのそれぞれは前記チャンバのうちの1つを占有する;
前記チャンバのそれぞれを満たす非ニュートン流体;
前記シューのうちの少なくとも1つにそれぞれが結合された複数のアクチュエータ;及び
前記複数のチャンバ、シュー、及び定置の内側コアを取り囲む、回転可能な薄肉シェル
を含んで成るニップに均一な圧力を形成するためのコンプライアント加圧ローラ。
【請求項2】
前記アクチュエータのそれぞれが、バイメタル装置を含む請求項1に記載のコンプライアント加圧ローラ。
【請求項3】
前記アクチュエータのそれぞれが、カムを含む請求項1に記載のコンプライアント加圧ローラ。
【請求項4】
前記アクチュエータのそれぞれが、電動モータを含む請求項1に記載のコンプライアント加圧ローラ。
【請求項5】
前記アクチュエータのそれぞれが、ソレノイドを含む請求項1に記載のコンプライアント加圧ローラ。
【請求項6】
前記アクチュエータのそれぞれが、ステッピング・モーター及び親ねじを含む請求項1に記載のコンプライアント加圧ローラ。
【請求項7】
前記アクチュエータのそれぞれが、前記回転可能な薄肉シェルの変形を補償するために、個々に調節可能である、請求項1に記載のコンプライアント加圧ローラ。
【請求項8】
前記アクチュエータのそれぞれが、ウェブの厚さの変動を補償するために、個々に調節可能である、請求項1に記載のコンプライアント加圧ローラ。
【請求項9】
前記回転可能な薄肉シェルの回転によって形成された、前記非ニュートン流体に加えられる力が、前記シェルの変形を補償する、請求項1に記載のコンプライアント加圧ローラ。
【請求項10】
前記シューのそれぞれに、変形検出器が配置されている、請求項1に記載のコンプライアント加圧ローラ。
【請求項11】
渦電流検出器が前記回転可能な薄肉シェルの変形を検出し、変形信号をマイクロプロセッサに供給し、該マイクロプロセッサは前記アクチュエータのうちの少なくとも1つを調節する、請求項1に記載のコンプライアント加圧ローラ。
【請求項12】
レーザー検出器が前記回転可能な薄肉シェルの変形を検出し、変形信号をマイクロプロセッサに供給し、該マイクロプロセッサは前記アクチュエータのうちの少なくとも1つを調節する、請求項1に記載のコンプライアント加圧ローラ。
【請求項13】
前記複数のシューのそれぞれの面が、前記回転可能な薄肉シェルの内面と、収斂ゾーンを形成する、請求項1に記載のコンプライアント加圧ローラ。
【請求項14】
収斂ゾーンを形成するために、前記複数のシューのそれぞれの面の曲率が、前記回転可能な薄肉シェルの内面の曲率よりも大きい、請求項1に記載のコンプライアント加圧ローラ。
【請求項15】
前記複数のシューが偏心的に設けられている、請求項1に記載のコンプライアント加圧ローラ。
【請求項16】
定置の内側コア;
前記定置の内側コアに枢着された複数のシュー;
複数の環状チャンバを形成する仕切りであって、前記シューのそれぞれが前記チャンバのうちの1つを占有するようにする仕切り;
前記チャンバのそれぞれを満たす非ニュートン流体;
前記シューを動かすための複数のアクチュエータ;及び
前記複数のチャンバ、シュー、及び定置の内側コアを取り囲む、回転可能な薄肉金属シェル
を含んで成るニップに均一な圧力を形成するためのコンプライアント加圧ローラであって、
前記アクチュエータのそれぞれは、前記回転可能なシェルの変形を補償するために、個々に調節可能であり;そして
前記シェルの回転によって形成された、前記流体に加えられる流体力学的力は、前記シェルの変形を補償する。
【請求項17】
前記アクチュエータのそれぞれが、前記シューのうちの少なくとも1つを動かす、請求項16に記載のコンプライアント加圧ローラ。
【請求項18】
前記流体が熱伝導剤である、請求項16に記載のコンプライアント加圧ローラ。
【請求項19】
前記シューが、前記定置の内側コアに装着される、請求項1に記載のコンプライアント加圧ローラ。
【請求項20】
変形検出器が前記シェルの変形を検出し、そして、前記変形を補償するために、前記アクチュエータのうちの少なくとも1つを調節する、請求項1に記載のコンプライアント加圧ローラ。
【請求項21】
渦電流検出器が前記シェルの変形を検出し、変形信号をマイクロプロセッサに供給し、該マイクロプロセッサは前記アクチュエータのうちの少なくとも1つを調節する、請求項20に記載のコンプライアント加圧ローラ。
【請求項22】
レーザー検出器が前記回転可能な薄肉シェルの変形を検出し、変形信号をマイクロプロセッサに供給し、該マイクロプロセッサは前記アクチュエータのうちの少なくとも1つを調節する、請求項20に記載のコンプライアント加圧ローラ。
【請求項23】
定置の内側コアを設け;
前記定置の内側コアに複数のシューを枢着し;
複数のアクチュエータを、前記シューのそれぞれが1つのアクチュエータに結合されるように取り付け;
複数の環状チャンバを、前記シューのそれぞれが前記チャンバのうちの1つを占有するように形成し;
前記チャンバのそれぞれを非ニュートン流体で満たし;
前記複数のチャンバ、シュー、アクチュエータ、及び定置の内側コアを、回転可能な薄肉シェルで取り囲み;
前記シェルの変形を検出し;そして
前記アクチュエータのうちの少なくとも1つの変位を変化させることにより、前記シューのうちの少なくとも1つの位置を変えて、前記変形を補正する、
ことを含んで成るニップに均一な圧力を形成する方法。
【請求項24】
前記シェルの回転によって形成された、前記流体に加えられる流体力学的力が、前記シェルの変形を補償する、請求項23に記載の方法。
【請求項25】
前記流体が、非ニュートン粘性特性を有している、請求項23に記載の方法。
【請求項26】
渦電流検出器が前記シェルの変形を検出する、請求項23に記載の方法。
【請求項27】
レーザー検出器が前記回転可能な薄肉シェルの変形を検出する、請求項23に記載の方法。
【請求項28】
定置の内側コア;
前記定置の内側コアに装着された複数のシュー;
複数の環状チャンバを形成する仕切りであって、前記シューのそれぞれが前記チャンバのうちの1つを占有するようにする仕切り;
前記チャンバのそれぞれを満たす非ニュートン流体;
前記シューのそれぞれの位置を変えるための複数のアクチュエータ;
前記複数のチャンバ、シュー、アクチュエータ及び定置の内側コアを取り囲む、回転可能な薄肉シェル;
前記回転可能な薄肉シェルの変形を検出するための少なくとも1つの検出器;
シェル変形に関する情報を処理し、そして前記アクチュエータのうちの少なくとも1つの位置を調節してシェル変形を補償するためのマイクロプロセッサ
を含んで成る均一な圧力を形成するためのコンプライアント加圧ローラ。

【図1】
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【図2A】
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【図2B】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6A】
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【図6B】
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【公表番号】特表2008−506085(P2008−506085A)
【公表日】平成20年2月28日(2008.2.28)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−521487(P2007−521487)
【出願日】平成17年6月27日(2005.6.27)
【国際出願番号】PCT/US2005/022927
【国際公開番号】WO2006/017010
【国際公開日】平成18年2月16日(2006.2.16)
【出願人】(590000846)イーストマン コダック カンパニー (1,594)
【Fターム(参考)】