非ヌクレオシド系逆転写酵素阻害剤
式(I):
(式中、X、R1、R2、R3、R4及びR5は本明細書に定義する通りである)の化合物はHIV逆転写酵素阻害剤である。式(I)の化合物とその医薬的に許容可能な塩はHIV逆転写酵素の阻害、HIV感染の予防及び治療、並びにエイズの予防、発症又は進行遅延及び治療に有用である。これらの化合物とその塩は場合により他の抗ウイルス剤、免疫調節剤、抗生物質又はワクチンと併用して医薬組成物の成分として利用することができる。
(式中、X、R1、R2、R3、R4及びR5は本明細書に定義する通りである)の化合物はHIV逆転写酵素阻害剤である。式(I)の化合物とその医薬的に許容可能な塩はHIV逆転写酵素の阻害、HIV感染の予防及び治療、並びにエイズの予防、発症又は進行遅延及び治療に有用である。これらの化合物とその塩は場合により他の抗ウイルス剤、免疫調節剤、抗生物質又はワクチンと併用して医薬組成物の成分として利用することができる。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は所定のピロール類及びその医薬的に許容可能な塩と、HIV逆転写酵素の阻害、HIV感染及びHIV複製の予防、HIV感染及びHIV複製の治療、エイズの予防、エイズの治療、並びにエイズの発症及び/又は進行遅延におけるその使用に関する。
【背景技術】
【0002】
ヒト免疫不全ウイルス(HIV)と呼ばれるレトロウイルス、特にHIV1型(HIV−1)及び2型(HIV−2)ウイルスと呼ばれる株は後天性免疫不全症候群(エイズ)と呼ばれる免疫低下疾患の病因に関連付けられてきた。HIV血清陽性個体は初期は無症候であるが、一般にエイズ関連症候群(ARC)を発症した後、エイズを発症する。疾患個体は重度免疫低下を示すため、非常に衰弱し易く、最終的に致死性日和見感染症となる。宿主細胞がHIVを複製するにはウイルスゲノムが宿主細胞のDNAに組込まれる必要がある。HIVはレトロウイルスであるため、HIV複製サイクルには、逆転写酵素(RT)と呼ばれる酵素によりウイルスRNAゲノムがDNAに転写される必要がある。
【0003】
逆転写酵素には以下の3種の酵素機能がある。即ち、これらの酵素はRNA依存性DNAポリメラーゼ、リボヌクレアーゼ及びDNA依存性DNAポリメラーゼとして機能する。RNA依存性DNAポリメラーゼとしてのその役割において、RTはウイルスRNAの1本鎖DNAコピーを転写する。リボヌクレアーゼとして、RTは元のウイルスRNAを破壊し、元のRNAから生成されたばかりのDNAを放出する。更に、DNA依存性DNAポリメラーゼとして、RTは第1のDNA鎖を鋳型として使用して第2の相補的DNA鎖を生成する。2本の鎖は2本鎖DNAを形成し、インテグラーゼ酵素により宿主細胞のゲノムに組込まれる。
【0004】
HIV RTの酵素機能を阻害する化合物が感染細胞におけるHIV複製を阻害することは知られている。これらの化合物はヒトにおけるHIV感染の予防又は治療に有用である。HIV感染とエイズの治療用に認可されている化合物としてはRT阻害剤である3’−アジド−3’−デオキシチミジン(AZT)、2’,3’−ジデオキシイノシン(ddI)、2’,3’−ジデオキシシチジン(ddC)、d4T、3TC、ネビラピン、デラビルジン、エファビレンツ及びアバカビルが挙げられる。
【0005】
上記各薬剤はHIV感染とエイズの治療に有効であるが、他のRT阻害剤を含む他のHIV抗ウイルス薬の開発が必要とされている。特に問題となるのは公知阻害剤に耐性の突然変異体HIV株の出現である。エイズの治療にRT阻害剤を使用すると、阻害剤に対するウイルスの感受性が低下する。この耐性は一般にpol遺伝子の逆転写酵素セグメントに存在する突然変異の結果である。HIV感染を予防するために抗ウイルス化合物を持続使用すると、不可避的に新規HIV耐性株が出現する。従って、突然変異体HIV株に対して有効な新規RT阻害剤が特に必要である。
【0006】
以下の文献が背景技術として重要である。
【0007】
ウィリアムズ(Williams)ら,J.Med.Chem,1993年,第36巻,1291−1294頁は非ヌクレオシド系HIV−1逆転写酵素阻害剤としての5−クロロ−3−(フェニルスルホニル)インドール−2−カルボキサミドを開示している。
【0008】
ヤング(Young)ら,Bioorg.& Med.Chem.Letters,1995年,第5巻,491−496頁はHIV−1逆転写酵素阻害剤としての所定の2−複素環式インドール−3−スルホンを開示している。
【0009】
英国特許第2,282,808号明細書はHIV逆転写酵素とその耐性変異体の阻害剤としての所定の2−複素環式インドール−3−スルホンを開示している。
【0010】
米国特許第5,527,819号明細書はHIV逆転写酵素阻害剤としての所定の2−アシル置換インドール−3−スルホンを開示している。
【0011】
国際公開第02/083216A1号及び2004/014364A1号パンフレットは各々HIV治療用の所定の置換フェニルインドールを開示している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0012】
【特許文献1】英国特許第2,282,808号明細書
【特許文献2】米国特許第5,527,819号明細書
【特許文献3】国際公開第02/083216A1号
【特許文献4】国際公開第2004/014364A1号
【非特許文献】
【0013】
【非特許文献1】ウィリアムズ(Williams)ら,J.Med.Chem,1993年,第36巻,1291−1294頁
【非特許文献2】ヤング(Young)ら,Bioorg.& Med.Chem.Letters,1995年,第5巻,491−496頁
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0014】
本発明は所定のピロール−2,5−ジカルボキサミド化合物と、HIV逆転写酵素の阻害、HIV感染の予防、HIV感染の治療、並びにエイズ及び/又はARCの予防、治療、及び発症又は進行遅延におけるその使用に関する。
【課題を解決するための手段】
【0015】
より詳細には、本発明は式I:
【0016】
【化1】
{式中、
XはS、S(O)、S(O)2、P(O)−OT、P(S)−OT又はP(N−U)−OTであり;
TはH又は独立してR2と同義であり;
Uは独立してRKと同義であり;
R1はC(O)NRKRLであり;
RKとRLの一方はHであり、RKとRLの他方は
(1)H、
(2)C1−6アルキル、
(3)場合によりO−C1−6アルキル、C(O)RA、CO2RA、C(O)N(RA)RB、SRA、S(O)RAもしくはSO2RAで置換されたC1−6ハロアルキル、
(4)各々OH、O−C1−6アルキル、O−C1−6ハロアルキル、CN、NO2、N(RA)RB、C(O)N(RA)RB、C(O)RA、CO2RA、SRA、S(O)RA、SO2RA、SO2N(RA)RB、N(RA)C(O)RB、N(RA)CO2RB、N(RA)SO2RB、N(RA)SO2N(RA)RB、OC(O)N(RA)RBもしくはN(RA)C(O)N(RA)RBである1〜3個の置換基で置換されたC1−6アルキル、
(5)CycA、
(6)AryA、
(7)HetA、
(8)CycA、AryAもしくはHetAで置換されたC1−6アルキル、又は
(9)Y1−CycA、Y1−AryAもしくはY1−HetAで置換されたC1−6アルキルであり;
R2は
(1)C1−6アルキル、
(3)場合によりO−C1−6アルキル、C(O)RA、CO2RA、C(O)N(RA)RB、SRA、S(O)RAもしくはSO2RAで置換されたC1−6ハロアルキル、
(4)各々OH、O−C1−6アルキル、O−C1−6ハロアルキル、CN、NO2、N(RA)RB、C(O)N(RA)RB、C(O)RA、CO2RA、SRA、S(O)RA、SO2RA、SO2N(RA)RB、N(RA)C(O)RB、N(RA)CO2RB、N(RA)SO2RB、N(RA)SO2N(RA)RB、OC(O)N(RA)RBもしくはN(RA)C(O)N(RA)RBである1〜3個の置換基で置換されたC1−6アルキル、
(3)CycB、
(4)AryB、
(5)HetB、
(6)CycB、AryBもしくはHetBで置換されたC1−6アルキル、
(7)N(RA)RB、
(8)N(RA)−C1−6アルキル[式中、アルキルは各々OH、O−C1−6アルキル、O−C1−6ハロアルキル、CN、NO2、N(RA)RB、C(O)N(RA)RB、C(O)RA、CO2RA、SRA、S(O)RA、SO2RA、SO2N(RA)RB、N(RA)C(O)RB、N(RA)CO2RB、N(RA)SO2RB、N(RA)SO2N(RA)RB、OC(O)N(RA)RB又はN(RA)C(O)N(RA)RBである1〜3個の置換基で置換されており、但し、OH、O−C1−6アルキル又はO−C1−6ハロアルキルは分子の残余に直接結合しているC1−6アルキルの炭素には結合しない]、
(9)N(RA)−CycB、
(10)N(RA)−AryB、
(11)N(RA)−HetB、
(12)N(RA)−C1−6アルキル(式中、アルキルはCycB、AryB又はHetBで置換されている)、
(13)各々OH、O−C1−6アルキル、O−C1−6ハロアルキル、CN、NO2、N(RA)RB、C(O)N(RA)RB、C(O)RA、CO2RA、SRA、S(O)RA、SO2RA、SO2N(RA)RB、N(RA)C(O)RB、N(RA)CO2RB、N(RA)SO2RB、N(RA)SO2N(RA)RB、OC(O)N(RA)RBもしくはN(RA)C(O)N(RA)RBである1〜3個の置換基で置換されたC2−6アルケニル、
(14)CycB、AryBもしくはHetBで置換されたC2−6アルケニル、
(15)各々OH、O−C1−6アルキル、O−C1−6ハロアルキル、CN、NO2、N(RA)RB、C(O)N(RA)RB、C(O)RA、CO2RA、SRA、S(O)RA、SO2RA、SO2N(RA)RB、N(RA)C(O)RB、N(RA)CO2RB、N(RA)SO2RB、N(RA)SO2N(RA)RB、OC(O)N(RA)RBもしくはN(RA)C(O)N(RA)RBである1〜3個の置換基で置換されたC2−6アルキニル、又は
(16)CycB、AryBもしくはHetBで置換されたC2−6アルキニルであり;
R3は
(1)H、
(2)ハロゲン、
(3)C1−6アルキル、
(4)場合によりO−C1−6アルキル、C(O)RA、CO2RA、C(O)N(RA)RB、SRA、S(O)RAもしくはSO2RAで置換されたC1−6ハロアルキル、
(5)各々OH、O−C1−6アルキル、O−C1−6ハロアルキル、CN、NO2、N(RA)RB、C(O)N(RA)RB、C(O)RA、CO2RA、SRA、S(O)RA、SO2RA、SO2N(RA)RB、N(RA)C(O)RB、N(RA)CO2RB、N(RA)SO2RB、N(RA)SO2N(RA)RB、OC(O)N(RA)RBもしくはN(RA)C(O)N(RA)RBである1〜3個の置換基で置換されたC1−6アルキル、
(6)CycC、
(7)AryC、
(8)HetC、
(9)CycC、AryCもしくはHetCで置換されたC1−6アルキル、又は
(10)Y2−CycC、Y2−AryCもしくはY2−HetCで置換されたC1−6アルキルであり;
R4は
(1)H、
(2)C1−6アルキル
(3)場合によりO−C1−6アルキル、C(O)RA、CO2RA C(O)N(RA)RB、SRA、S(O)RAもしくはSO2RAで置換されたC1−6ハロアルキル、
(4)各々OH、O−C1−6アルキル、O−C1−6ハロアルキル、CN、NO2、N(RA)RB、C(O)N(RA)RB、C(O)RA、CO2RA、SRA、S(O)RA、SO2RA、SO2N(RA)RB、N(RA)C(O)RB、N(RA)CO2RB、N(RA)SO2RB、N(RA)SO2N(RA)RB、OC(O)N(RA)RBもしくはN(RA)C(O)N(RA)RBである1〜3個の置換基で置換されたC1−6アルキル、
(5)CycD、
(6)AryD、
(7)HetD、
(8)CycD、AryDもしくはHetDで置換されたC1−6アルキル、又は
(9)Y3−CycD、Y3−AryDもしくはY3−HetDで置換されたC1−6アルキルであり;
R5は
(1)C1−6アルキル、
(2)場合によりO−C1−6アルキル、C(O)RA、CO2RA、C(O)N(RA)RB、SRA、S(O)RAもしくはSO2RAで置換されたC1−6ハロアルキル、
(3)各々OH、O−C1−6アルキル、O−C1−6ハロアルキル、CN、NO2、N(RA)RB、C(O)N(RA)RB、C(O)RA、CO2RA、SRA、S(O)RA、SO2RA、SO2N(RA)RB、N(RA)C(O)RB、N(RA)CO2RB、N(RA)SO2RB、N(RA)SO2N(RA)RB、OC(O)N(RA)RBもしくはN(RA)C(O)N(RA)RBである1〜3個の置換基で置換されたC1−6アルキル、
(4)CycE、
(5)AryE、
(6)HetE、
(7)CycE、AryEもしくはHetEで置換されたC1−6アルキル、又は
(8)Y4−CycE、Y4−AryEもしくはY4−HetEで置換されたC1−6アルキルであり;
あるいはR4とR5は両者が結合している窒素原子と一緒になり、
(i)場合によりR4及びR5と結合している窒素以外にN、O及びS[なお、各Sは場合によりS(O)又はS(O)2に酸化されている]から選択される1又は2個のヘテロ原子を含む4〜7員飽和又は不飽和単環を形成するか、あるいは
(ii)7〜12員二環系を形成し、(ii)の各環は相互に独立しているか、縮合しているか、又は架橋しており、各環は飽和又は不飽和であり、前記二環系は場合によりR4及びR5と結合している窒素以外にN、O及びS[なお、各Sは場合によりS(O)又はS(O)2に酸化されている]から選択される1〜3個のヘテロ原子を含み、
前記単環又は二環系は場合により各々独立して
(1)C1−6アルキル、
(2)場合によりO−C1−6アルキル、C(O)RA、CO2RA、C(O)N(RA)RB、SRA、S(O)RAもしくはSO2RAで置換されたC1−6ハロアルキル、
(3)各々OH、O−C1−6アルキル、O−C1−6ハロアルキル、CN、NO2、N(RA)RB、C(O)N(RA)RB、C(O)RA、CO2RA、SRA、S(O)RA、SO2RAもしくはSO2N(RA)RBである1〜3個の置換基で置換されたC1−6アルキル、
(4)O−C1−6アルキル、
(5)O−C1−6ハロアルキル、
(6)OH、
(7)オキソ、
(8)ハロゲン、
(9)CN、
(10)NO2、
(11)N(RA)RB、
(12)C(O)N(RA)RB、
(13)C(O)RA、
(14)C(O)−C1−6ハロアルキル、
(15)C(O)ORA、
(16)OC(O)N(RA)RB、
(17)SRA、
(18)S(O)RA、
(19)S(O)2RA、又は
(20)S(O)2N(RA)RB
である1〜3個の置換基で置換されており、
各RAは独立してH又はC1−6アルキルであり;
各RBは独立してH又はC1−6アルキルであり;
CycAはC3−8シクロアルキル、C5−8シクロアルケニル、又は一方の環が他方の環に縮合もしくは架橋しているC7−12二環式飽和もしくは不飽和非芳香環系である炭素環であり、前記炭素環は場合により合計1〜6個の置換基で置換されており、そのうち、
(i)0〜6個の置換基は各々独立して
(1)ハロゲン、
(2)CN、
(3)C1−6アルキル、
(4)OH、
(5)O−C1−6アルキル、
(6)C1−6ハロアルキル、又は
(7)O−C1−6ハロアルキルであり、
(ii)0〜2個の置換基は各々独立して
(1)CycQ、
(2)AryQ、
(3)HetQ、
(4)HetR、
(4)Z−CycQ、
(5)Z−AryQ、
(6)Z−HetQ、
(7)Z−HetR、又は
(7)CycQ、AryQ、HetQ、HetR、Z−CycQ、Z−AryQ、Z−HetQもしくはZ−HetRで置換されたC1−6アルキルであり;
AryAは場合により合計1〜8個の置換基で置換されたアリールであり、そのうち、
(i)0〜8個の置換基は各々独立して
(1)C1−6アルキル、
(2)場合によりO−C1−6アルキル、C(O)RA、CO2RA、C(O)N(RA)RB、SRA、S(O)RAもしくはSO2RAで置換されたC1−6ハロアルキル、
(3)各々OH、O−C1−6アルキル、O−C1−6ハロアルキル、CN、NO2、N(RA)RB、C(O)N(RA)RB、C(O)RA、CO2RA、SRA、S(O)RA、S(O)2RA、S(O)2N(RA)RB、N(RA)C(O)RB、N(RA)CO2RB、N(RA)S(O)2RB、N(RA)S(O)2N(RA)RB、OC(O)N(RA)RB、N(RA)C(O)N(RA)RBもしくはN(RA)C(O)C(O)N(RA)RBである1〜3個の置換基で置換されたC1−6アルキル、
(4)O−C1−6アルキル、
(5)O−C1−6ハロアルキル、
(6)OH、
(7)ハロゲン、
(8)CN、
(9)NO2、
(10)N(RA)RB、
(11)C(O)N(RA)RB、
(12)C(O)RA、
(13)C(O)−C1−6ハロアルキル、
(14)C(O)ORA、
(15)OC(O)N(RA)RB、
(16)SRA、
(17)S(O)RA、
(18)S(O)2RA、
(19)S(O)2N(RA)RB、
(20)N(RA)S(O)2RB、
(21)N(RA)S(O)2N(RA)RB、
(22)N(RA)C(O)RB、
(23)N(RA)C(O)N(RA)RB、
(24)N(RA)C(O)−C(O)N(RA)RB、
(25)N(RA)CO2RB、
(26)C2−6アルケニル、又は
(27)C2−6アルキニルであり、
(ii)0〜2個の置換基は各々独立して
(1)CycQ、
(2)AryQ、
(3)HetQ、
(4)HetR、
(4)Z−CycQ、
(5)Z−AryQ、
(6)Z−HetQ、
(7)Z−HetR、又は
(8)CycQ、AryQ、HetQ、HetR、Z−CycQ、Z−AryQ、Z−HetQもしくはZ−HetRで置換されたC1−6アルキルであり;
HetAは場合により合計1〜8個の置換基で置換された複素環であり、そのうち、
(i)0〜8個の置換基は各々独立して
(1)C1−6アルキル、
(2)場合によりO−C1−6アルキル、C(O)RA、CO2RA、C(O)N(RA)RB、SRA、S(O)RAもしくはSO2RAで置換されたC1−6ハロアルキル、
(3)各々OH、O−C1−6アルキル、O−C1−6ハロアルキル、CN、NO2、N(RA)RB、C(O)N(RA)RB、C(O)RA、CO2RA、SRA、S(O)RA、S(O)2RA、S(O)2N(RA)RB、N(RA)C(O)RB、N(RA)CO2RB、N(RA)S(O)2RB、N(RA)S(O)2N(RA)RB、OC(O)N(RA)RB、N(RA)C(O)N(RA)RBもしくはN(RA)C(O)C(O)N(RA)RBである1〜3個の置換基で置換されたC1−6アルキル、
(4)O−C1−6アルキル、
(5)O−C1−6ハロアルキル、
(6)OH、
(7)オキソ、
(8)ハロゲン、
(9)CN、
(10)NO2、
(11)N(RA)RB、
(12)C(O)N(RA)RB、
(13)C(O)RA、
(14)C(O)−C1−6ハロアルキル、
(15)C(O)ORA、
(16)OC(O)N(RA)RB、
(17)SRA、
(18)S(O)RA、
(19)S(O)2RA、
(20)S(O)2N(RA)RB、
(21)N(RA)S(O)2RB、
(22)N(RA)S(O)2N(RA)RB、
(23)N(RA)C(O)RB、
(24)N(RA)C(O)N(RA)RB、
(25)N(RA)C(O)−C(O)N(RA)RB、又は
(26)N(RA)CO2RBであり、
(ii)0〜2個の置換基は各々独立して
(1)CycQ、
(2)AryQ、
(3)HetQ、
(4)HetR、
(4)Z−CycQ、
(5)Z−AryQ、
(6)Z−HetQ、
(7)Z−HetR、又は
(7)CycQ、AryQ、HetQ、HetR、Z−CycQ、Z−AryQ、Z−HetQもしくはZ−HetRで置換されたC1−6アルキルであり;
CycB、CycC、CycD及びCycEは各々独立してCycAと同義であり;
AryB、AryC、AryD及びAryEは各々独立してAryAと同義であり;
HetB、HetC、HetD及びHetEは各々独立してHetAと同義であり;
各アリールは独立して(i)フェニル、(ii)少なくとも一方の環が芳香族である9もしくは10員二環式縮合炭素環系、又は(iii)少なくとも1個の環が芳香族である11〜14員三環式縮合炭素環系であり;
各複素環は独立して(i)4〜8員飽和もしくは不飽和単環、(ii)7〜12員二環系、又は(iii)10〜18員三環系であり、(ii)又は(iii)の各環は相互に独立しているか、縮合しているか、又は架橋しており、各環は飽和又は不飽和であり、前記単環、二環系又は三環系はN、O及びSから選択される1〜8個のヘテロ原子と残余の炭素原子を含み、窒素及び硫黄ヘテロ原子の任意1個以上は場合により酸化されており、窒素ヘテロ原子の任意1個以上は場合により四級化されており;
Y1、Y2、Y3及びY4は各々独立して
(i)O、
(ii)S、
(iii)S(O)、
(iv)S(O)2、
(v)O−C1−6アルキレン、
(vi)S−C1−6アルキレン、
(vii)S(O)−C1−6アルキレン、
(viii)S(O)2−C1−6アルキレン、
(ix)N(RA)、
(x)N(RA)−C1−6アルキレン、
(xi)C(O)、
(xii)C(O)−C1−6アルキレン、
(xiii)C(O)−C1−6アルキレン−O、
(xiv)C(O)N(RA)、
(xv)C(O)N(RA)−C1−6アルキレン、
(xvi)C(O)N(RA)−C1−6アルキレン−C(O)O、及び
(xvii)C(O)N(RA)S(O)2から構成される群から選択され;
各CycQは独立してC3−8シクロアルキル又はC5−8シクロアルケニルであり、前記シクロアルキル又はシクロアルケニルは場合により各々独立してハロゲン、C1−6アルキル、OH、O−C1−6アルキル、C1−6ハロアルキル又はO−C1−6ハロアルキルである1〜4個の置換基で置換されており;
各AryQは独立してフェニル又はナフチルであり、前記フェニル又はナフチルは場合により各々独立してハロゲン、CN、NO2、C1−6アルキル、C1−6ハロアルキル、OH、O−C1−6アルキル、O−C1−6ハロアルキル、N(RA)RB、C(O)N(RA)RB、C(O)RA、CO2RA、SRA、S(O)RA、SO2RA、SO2N(RA)RB又はSO2N(RA)C(O)RBである1〜5個の置換基で置換されており;
各HetQは独立して(i)N、O及びS(なお、各Nは場合により酸化物形態である)から独立して選択される1〜4個のヘテロ原子を含む5もしくは6員複素芳香環、又は(ii)N、O及びSから独立して選択される1〜4個のヘテロ原子を含む9もしくは10員二環式複素縮合環系[なお、環の一方又は両方が1個以上のヘテロ原子を含み、少なくとも一方の環は芳香族であり、各Nは場合により酸化物形態であり、非芳香環の各Sは場合によりS(O)又はS(O)2である]であり、前記複素芳香環又は二環式複素環は場合により各々独立してハロゲン、C1−6アルキル、C1−6ハロアルキル、OH、O−C1−6アルキル、O−C1−6ハロアルキル、N(RA)RB、C(O)N(RA)RB、C(O)RA、CO2RA、SO2RA、N(RA)C(O)N(RA)RB又はN(RA)CO2RBである1〜4個の置換基で置換されており;
各HetRは独立して少なくとも1個の炭素原子と、N、O及びSから独立して選択される1〜4個のヘテロ原子を含む4〜7員飽和又は不飽和非芳香族複素環であり、なお、各Sは場合によりS(O)又はS(O)2に酸化されており、前記飽和又は不飽和複素環は場合により各々独立してハロゲン、CN、C1−6アルキル、OH、オキソ、O−C1−6アルキル、C1−6ハロアルキル、O−C1−6ハロアルキル、C(O)N(RA)RB、C(O)RA、CO2RA又はSO2RAである1〜4個の置換基で置換されており;
各Zは独立して
(i)O、
(ii)S、
(iii)S(O)、
(iv)S(O)2、
(v)O−C1−6アルキレン、
(vi)S−C1−6アルキレン、
(vii)S(O)−C1−6アルキレン、
(viii)S(O)2−C1−6アルキレン、
(ix)N(RA)、又は
(x)N(RA)−C1−6アルキレンである}の化合物とその医薬的に許容可能な塩を含む。
【0017】
本発明の他の態様、側面及び特徴は以下の記載、実施例及び特許請求の範囲に更に記載するか又はこれらから明白であろう。
【発明の効果】
【0018】
上記式Iの化合物とその医薬的に許容可能な塩はHIV逆転写酵素阻害剤である。これらの化合物はHIV逆転写酵素を阻害し、HIV複製をin vitro及びin vivo阻害するために有用である。より詳細には、式Iの化合物はHIV−1逆転写酵素のポリメラーゼ機能を阻害する。下記実施例121及び122に記載するアッセイで本発明の代表的化合物を試験した結果、式Iの化合物はHIV−1逆転写酵素のRNA依存性DNAポリメラーゼ活性を阻害することが判明した。本発明の代表的化合物は更にHIVの薬剤耐性形(例えば逆転写酵素がリジン103→アスパラギン(K103N)及び/又はチロシン181→システイン(Y181C)の突然変異をもつHIVの突然変異体株)に対しても活性を示し、従って現在認可されている抗ウイルス治療薬に対する交差耐性が少ないと考えられる。
【発明を実施するための形態】
【0019】
本発明の第1の態様(本明細書では「態様E1」とも言う)は、
XがS、S(O)又はS(O)2であり;
R2が
(1)C1−6アルキル、
(3)場合によりO−C1−6アルキル、C(O)RA、CO2RA、C(O)N(RA)RB、SRA、S(O)RAもしくはSO2RAで置換されたC1−6ハロアルキル、
(4)各々OH、O−C1−6アルキル、O−C1−6ハロアルキル、CN、NO2、N(RA)RB、C(O)N(RA)RB、C(O)RA、CO2RA、SRA、S(O)RA、SO2RA、SO2N(RA)RB、N(RA)C(O)RB、N(RA)CO2RB、N(RA)SO2RB、N(RA)SO2N(RA)RB、OC(O)N(RA)RBもしくはN(RA)C(O)N(RA)RBである1〜3個の置換基で置換されたC1−6アルキル、
(3)CycB、
(4)AryB、
(5)HetB、
(6)CycB、AryBもしくはHetBで置換されたC1−6アルキル、
(7)N(RA)RB、
(8)N(RA)−C1−6アルキル[式中、アルキルは各々OH、O−C1−6アルキル、O−C1−6ハロアルキル、CN、NO2、N(RA)RB、C(O)N(RA)RB、C(O)RA、CO2RA、SRA、S(O)RA、SO2RA、SO2N(RA)RB、N(RA)C(O)RB、N(RA)CO2RB、N(RA)SO2RB、N(RA)SO2N(RA)RB、OC(O)N(RA)RB又はN(RA)C(O)N(RA)RBである1〜3個の置換基で置換されており、但し、OH、O−C1−6アルキル又はO−C1−6ハロアルキルは分子の残余に直接結合しているC1−6アルキルの炭素には結合しない]、
(9)N(RA)−CycB、
(10)N(RA)−AryB、
(11)N(RA)−HetB、又は
(12)N(RA)−C1−6アルキル(式中、アルキルはCycB、AryB又はHetBで置換されている)であり;
AryAは場合により合計1〜8個の置換基で置換されたアリールであり、そのうち、
(i)0〜8個の置換基は各々独立して(1)C1−6アルキル、(2)場合によりO−C1−6アルキル、C(O)RA、CO2RA、C(O)N(RA)RB、SRA、S(O)RAもしくはSO2RAで置換されたC1−6ハロアルキル、(3)各々OH、O−C1−6アルキル、O−C1−6ハロアルキル、CN、NO2、N(RA)RB、C(O)N(RA)RB、C(O)RA、CO2RA、SRA、S(O)RA、S(O)2RA、S(O)2N(RA)RB、N(RA)C(O)RB、N(RA)CO2RB、N(RA)S(O)2RB、N(RA)S(O)2N(RA)RB、OC(O)N(RA)RB、N(RA)C(O)N(RA)RBもしくはN(RA)C(O)C(O)N(RA)RBである1〜3個の置換基で置換されたC1−6アルキル、(4)O−C1−6アルキル、(5)O−C1−6ハロアルキル、(6)OH、(7)ハロゲン、(8)CN、(9)NO2、(10)N(RA)RB、(11)C(O)N(RA)RB、(12)C(O)RA、(13)C(O)−C1−6ハロアルキル、(14)C(O)ORA、(15)OC(O)N(RA)RB、(16)SRA、(17)S(O)RA、(18)S(O)2RA、(19)SO2N(RA)RB、(20)N(RA)S(O)2RB、(21)N(RA)S(O)2N(RA)RB、(22)N(RA)C(O)RB、(23)N(RA)C(O)N(RA)RB、(24)N(RA)C(O)−C(O)N(RA)RB、又は(25)N(RA)CO2RBであり、
(ii)0〜2個の置換基は各々独立して(1)CycQ、(2)AryQ、(3)HetQ、(4)HetR、(4)Z−CycQ、(5)Z−AryQ、(6)Z−HetQ、(7)Z−HetR、又は(8)CycQ、AryQ、HetQ、HetR、Z−CycQ、Z−AryQ、Z−HetQもしくはZ−HetRで置換されたC1−6アルキルであり;
AryB、AryC、AryD及びAryEは各々独立してAryAと同義であり;
他の全変項が当初に定義した通りである(即ち発明の概要の欄で定義した通りである)式Iの化合物(単に「化合物I」とも言う)又はその医薬的に許容可能な塩である。
【0020】
本発明の第2の態様(態様E2)は、RKとRLの一方がHであり、RKとRLの他方が
(1)H、
(2)C1−6アルキル、
(3)場合によりO−C1−6アルキル、C(O)RA、CO2RA、C(O)N(RA)RB、SRA、S(O)RAもしくはSO2RAで置換されたC1−6フルオロアルキル、
(4)各々独立してOH、O−C1−6アルキル、O−C1−6フルオロアルキル、CN、C(O)N(RA)RB、C(O)RA、CO2RA、SRA、S(O)RA、SO2RAもしくはSO2N(RA)RBである1もしくは2個の置換基で置換されたC1−6アルキル、
(5)CycA、
(6)AryA、
(7)HetA、又は
(8)CycA、AryAもしくはHetAで置換されたC1−6アルキルであり;
他の全変項が当初に定義した通り又は態様E1に定義した通りである式Iの化合物又はその医薬的に許容可能な塩である。
【0021】
本発明の第3の態様(態様E3)は、RKとRLの一方がHであり、RKとRLの他方が
(1)H、
(2)C1−4アルキル、
(3)場合によりO−C1−4アルキルもしくはCO2RAで置換されたC1−4フルオロアルキル、
(4)O−C1−4アルキル、O−C1−4フルオロアルキル、C(O)RA、CO2RAもしくはSO2RAで置換されたC1−4アルキル、又は
(5)CycA、AryAもしくはHetAで置換されたC1−4アルキルであり;
他の全変項が当初に定義した通り又は態様E1に定義した通りである式Iの化合物又はその医薬的に許容可能な塩である。
【0022】
本発明の第4の態様(態様E4)は、RKがHであり;RLがH、C1−4アルキル、CH2CF3、CH2CH2CF3、CH2CF2CF3、CH(CO2CH3)CH2CF3、(CH2)2−3OCH3、CH2−AryA又はCH2−HetAであり;他の全変項が当初に定義した通り又は態様E1に定義した通りである式Iの化合物又はその医薬的に許容可能な塩である。
【0023】
本発明の第5の態様(態様E5)はR2がAryB、HetB、N(RA)RB又はN(RA)−CycBであり;他の全変項が当初に定義した通り又は上記態様のいずれかに定義した通りである式Iの化合物又はその医薬的に許容可能な塩である。
【0024】
本発明の第6の態様(態様E6)はR2がAryB、HetB又はN(RA)−CycBであり;他の全変項が当初に定義した通り又は上記態様のいずれかに定義した通りである式Iの化合物又はその医薬的に許容可能な塩である。
【0025】
本発明の第7の態様(態様E7)はR2がAryB又はHetBであり;他の全変項が当初に定義した通り又は上記態様のいずれかに定義した通りである式Iの化合物又はその医薬的に許容可能な塩である。
【0026】
本発明の第8の態様(態様E8)はR3がC1−6アルキル又はCycCであり;他の全変項が当初に定義した通り又は上記態様のいずれかに定義した通りである式Iの化合物又はその医薬的に許容可能な塩である。
【0027】
本発明の第9の態様(態様E9)はR3がC1−4アルキルであり;他の全変項が当初に定義した通り又は上記態様のいずれかに定義した通りである式Iの化合物又はその医薬的に許容可能な塩である。
【0028】
本発明の第10の態様(態様E10)はR3がCH3、CH2CH3、CH2CH2CH3、CH(CH3)2又はCH2CH2CH2CH3であり;他の全変項が当初に定義した通り又は上記態様のいずれかに定義した通りである式Iの化合物又はその医薬的に許容可能な塩である。
【0029】
本発明の第11の態様(態様E11)はR4がH、C1−6アルキル、又はCycD、AryDもしくはHetDで置換されたC1−6アルキルであり;他の全変項が当初に定義した通り又は上記態様のいずれかに定義した通りである式Iの化合物又はその医薬的に許容可能な塩である。
【0030】
本発明の第12の態様(態様E12)はR4がH、C1−4アルキル、又はAryDで置換されたC1−4アルキルであり;他の全変項が当初に定義した通り又は上記態様のいずれかに定義した通りである式Iの化合物又はその医薬的に許容可能な塩である。
【0031】
本発明の第13の態様(態様E13)はR4がH、CH3、CH2CH3又はベンジルであり;他の全変項が当初に定義した通り又は上記態様のいずれかに定義した通りである式Iの化合物又はその医薬的に許容可能な塩である。
【0032】
本発明の第14の態様(態様E14)はR5がAryE、O−AryE又はHetEで置換されたC1−6アルキルであり;他の全変項が当初に定義した通り又は上記態様のいずれかに定義した通りである式Iの化合物又はその医薬的に許容可能な塩である。
【0033】
本発明の第15の態様(態様E15)はR5がAryE、O−AryE又はHetEで置換されたC1−4アルキルであり;他の全変項が当初に定義した通り又は上記態様のいずれかに定義した通りである式Iの化合物又はその医薬的に許容可能な塩である。
【0034】
本発明の第16の態様(態様E16)はR5がCH2−AryE、CH2CH2−AryE、CH(CH3)−AryE、CH2O−AryE、CH2CH2O−AryE、CH2−HetE又はCH2CH2−HetEであり;他の全変項が当初に定義した通り又は上記態様のいずれかに定義した通りである式Iの化合物又はその医薬的に許容可能な塩である。
【0035】
本発明の第17の態様(態様E17)は当初に記載又は上記態様のいずれかに記載したような個々の独立した定義の代替として、R4とR5が両者に結合している窒素原子と一緒になり、場合によりR4及びR5と結合している窒素以外にN、O及びSから選択される1個のヘテロ原子を含む4〜7員飽和環を形成し、なお、場合により存在するSは場合によりS(O)又はS(O)2に酸化されており、前記飽和環は場合によりベンゼン環又はN、O及びSから選択されるヘテロ原子を含む5又は6員複素芳香環と縮合しており、場合により縮合した飽和環は場合により各々独立してC1−6アルキル、OH、オキソ、O−C1−6アルキル、C1−6フルオロアルキル、O−C1−6フルオロアルキル、C(O)N(RA)RB、C(O)RA、CO2RA又はSO2RAである1〜3個の置換基で置換されており;他の全変項が当初に定義した通り又は上記態様のいずれかに定義した通りである式Iの化合物又はその医薬的に許容可能な塩である。
【0036】
本発明の第18の態様(態様E18)は当初に記載又は上記態様のいずれかに記載したような個々の独立した定義の代替として、R4とR5が両者に結合している窒素原子と一緒になり、1−アゼチジニル、1−ピロリジニル、1−ピペリジニル、1−ピペラジニル、1−アゼパニル、4−モルホリニル、4−チオモルホリニル、3,4−ジヒドロイソキノリン−2(1H)−イル、1,3,4,5−テトラヒドロ−2H−2−ベンゾアゼピン−2−イル及び4,6,7,8−テトラヒドロ−5H−チエノ[3,2−c]アゼピン−5−イルから構成される群から選択される場合によりベンゾ又はチエノ環が縮合した複素環を形成し、場合により縮合した複素環は場合により各々独立してC1−4アルキル、OH、オキソ、ハロゲン、O−C1−4アルキル又はSO2−C1−4アルキルである1又は2個の置換基で置換されており;他の全変項が当初に定義した通り又は上記態様のいずれかに定義した通りである式Iの化合物又はその医薬的に許容可能な塩である。
【0037】
本発明の第19の態様(態様E19)は場合により縮合した複素環が場合により各々独立してC1−4アルキル、OH又はオキソである1又は2個の置換基で置換されている以外はR4とR5が態様E18に定義した通りであり;他の全変項が当初に定義した通り又は上記態様のいずれかに定義した通りである式Iの化合物又はその医薬的に許容可能な塩である。
【0038】
本発明の第20の態様(態様E20)は当初に記載又は上記態様のいずれかに記載したような個々の独立した定義の代替として、R4とR5が両者に結合している窒素原子と一緒になり、1−アゼチジニル、1−ピロリジニル、1−ピペリジニル、1−ピペラジニル、1−アゼパニル、4−モルホリニル、4−チオモルホリニル、3,4−ジヒドロイソキノリン−2(1H)−イル、1,3,4,5−テトラヒドロ−2H−2−ベンゾアゼピン−2−イル及び4,6,7,8−テトラヒドロ−5H−チエノ[3,2−c]アゼピン−5−イルから構成される群から選択される場合によりベンゾ又はチエノ環が縮合した複素環を形成し、場合により縮合した複素環は場合により各々独立してCH3、OH、オキソ、Cl、Br、F、OCH3又はSO2CH3である1又は2個の置換基で置換されており;他の全変項が当初に定義した通り又は上記態様のいずれかに定義した通りである式Iの化合物又はその医薬的に許容可能な塩である。
【0039】
本発明の第21の態様(態様E21)は場合により縮合した複素環が場合により各々独立してCH3、OH又はオキソである1又は2個の置換基で置換されている以外はR4とR5が態様E20に定義した通りであり;他の全変項が当初に定義した通り又は上記態様のいずれかに定義した通りである式Iの化合物又はその医薬的に許容可能な塩である。
【0040】
本発明の第22の態様(態様E22)はXがS(O)2であり;他の全変項が当初に定義した通り又は上記態様のいずれかに定義した通りである式Iの化合物又はその医薬的に許容可能な塩である。
【0041】
本発明の第23の態様(態様E23)はCycAが各々独立してフッ素、C1−6アルキル、OH、O−C1−6アルキル、C1−6フルオロアルキル又はO−C1−6フルオロアルキルである合計1〜3個の置換基で置換されたC3−6シクロアルキルであり;他の全変項が当初に定義した通り又は上記態様のいずれかに定義した通りである式Iの化合物又はその医薬的に許容可能な塩である。
【0042】
本発明の第24の態様(態様E24)はCycAが場合により各々独立してC1−4アルキル、OH、O−C1−4アルキル、C1−4フルオロアルキル又はO−C1−4フルオロアルキルである1又は2個の置換基で置換されたC3−6シクロアルキルであり;他の全変項が当初に定義した通り又は上記態様のいずれかに定義した通りである式Iの化合物又はその医薬的に許容可能な塩である。
【0043】
本発明の第25の態様(態様E25)はCycAがC3−6シクロアルキルであり;他の全変項が当初に定義した通り又は上記態様のいずれかに定義した通りである式Iの化合物又はその医薬的に許容可能な塩である。
【0044】
本発明の第26の態様(態様E26)はAryAがフェニル又はナフチルであり、前記フェニル又はナフチルは場合により合計1〜6個の置換基で置換されており、そのうち、
(i)0〜6個の置換基は各々独立して
(1)C1−6アルキル、
(2)C1−6フルオロアルキル、
(3)OH、O−C1−4アルキル、O−C1−4ハロアルキル、CN、N(RA)RB、C(O)N(RA)RB、C(O)RA、CO2RA、SRA、S(O)RA、SO2RAもしくはSO2N(RA)RBで置換されたC1−6アルキル、
(4)O−C1−6アルキル、
(5)O−C1−6フルオロアルキル、
(6)OH、
(7)ハロゲン、
(8)CN、
(9)NO2、
(10)N(RA)RB、
(11)C(O)N(RA)RB、
(12)C(O)RA、
(13)C(O)−C1−4フルオロアルキル、
(14)CO2RA、
(15)SRA、
(16)S(O)RA、
(17)SO2RA、又は
(18)SO2N(RA)RBであり、
(ii)0〜1個の置換基は独立して
(1)CycQ、
(2)AryQ、
(3)HetQ、又は
(4)CycQ、AryQもしくはHetQで置換されたC1−6アルキルであり;
他の全変項が当初に定義した通り又は上記態様のいずれかに定義した通りである式Iの化合物又はその医薬的に許容可能な塩である。
【0045】
本発明の第27の態様(態様E27)はAryAがフェニル又はナフチルであり、前記フェニルは場合により各々独立してC1−4アルキル、CF3、O−C1−4アルキル、OCF3、OH、ハロゲン、CN、NO2、N(RA)RB、C(O)N(RA)RB、C(O)RA、C(O)CF3、CO2RA又はSO2RAである1〜3個の置換基で置換されており;他の全変項が当初に定義した通り又は上記態様のいずれかに定義した通りである式Iの化合物又はその医薬的に許容可能な塩である。
【0046】
本発明の第28の態様(態様E28)はAryAが場合により各々独立してC1−4アルキル、CF3、O−C1−4アルキル、OCF3、OH、ハロゲン、CN、NO2、N(RA)RB、C(O)N(RA)RB、C(O)RA、C(O)CF3、CO2RA又はSO2RAである1〜3個の置換基で置換されたフェニルであり;他の全変項が当初に定義した通り又は上記態様のいずれかに定義した通りである式Iの化合物又はその医薬的に許容可能な塩である。
【0047】
本発明の第29の態様(態様E29)はAryAが場合により各々独立してCH3、CF3、OCH3、OCF3、OH、Cl、Br、F、CN、NO2、NH2、N(H)CH3、N(CH3)2、C(O)NH2、C(O)N(H)CH3、C(O)N(CH3)2、C(O)CH3、C(O)CF3、CO2CH3又はSO2CH3である1〜3個の置換基で置換されたフェニルであり;他の全変項が当初に定義した通り又は上記態様のいずれかに定義した通りである式Iの化合物又はその医薬的に許容可能な塩である。
【0048】
本発明の第30の態様(態様E30)はHetAが(i)N、O及びS(なお、各Nは場合により酸化物形態である)から独立して選択される1〜4個のヘテロ原子を含む5もしくは6員複素芳香環、又は(ii)N、O及びSから独立して選択される1〜4個のヘテロ原子を含む9もしくは10員二環式縮合環系[なお、環の一方又は両方が1個以上のヘテロ原子を含み、少なくとも一方の環は芳香族であり、各Nは場合により酸化物形態であり、非芳香環の各Sは場合によりS(O)又はS(O)2である]であり、前記ヘテロアリールは場合により合計1〜6個の置換基で置換されており、そのうち、
(i)0〜6個の置換基は各々独立して
(1)C1−6アルキル、
(2)C1−6フルオロアルキル、
(3)OH、O−C1−4アルキル、O−C1−4ハロアルキル、CN、N(RA)RB、C(O)N(RA)RB、C(O)RA、CO2RA、SRA、S(O)RA、SO2RAもしくはSO2N(RA)RBで置換されたC1−6アルキル、
(4)O−C1−6アルキル、
(5)O−C1−6フルオロアルキル、
(6)OH、
(7)オキソ、
(8)ハロゲン、
(9)CN、
(10)NO2、
(11)N(RA)RB、
(12)C(O)N(RA)RB、
(13)C(O)RA、
(14)C(O)−C1−4フルオロアルキル、
(15)CO2RA、
(16)SRA、
(17)S(O)RA、
(18)SO2RA、又は
(19)SO2N(RA)RBであり、
(ii)0〜1個の置換基は独立して
(1)CycQ、
(2)AryQ、
(3)HetQ、又は
(4)CycQ、AryQもしくはHetQで置換されたC1−6アルキルであり;
他の全変項が当初に定義した通り又は上記態様のいずれかに定義した通りである式Iの化合物又はその医薬的に許容可能な塩である。
【0049】
本発明の第31の態様(態様E31)はHetAがチエニル、フラニル、ピロリル、イミダゾリル、ピラゾリル、トリアゾリル、テトラゾリル、オキサゾリル、イソオキサゾリル、チアゾリル、イソチアゾリル、オキサジアゾリル、チアジアゾリル、ピリジニル、ピラジニル、ピリミジニル、ピリダジニル、ベンゾフラニル、ベンゾチエニル、インドリル、インダゾリル、イソベンゾフラニル、ベンゾイソオキサゾリル、ベンゾオキサゾリル、ベンゾイミダゾリル、ベンゾピペリジニル、クロメニル、キノリニル、イソキノリニル、シンノリニル、キノキサリニル、キナゾリニル及びイミダゾピリジニルから構成される群から選択されるヘテロアリールであり、前記ヘテロアリールは場合により各々独立してC1−4アルキル、CF3、O−C1−4アルキル、OCF3、OH、ハロゲン、CN、NO2、N(RA)RB、C(O)N(RA)RB、C(O)RA、C(O)CF3、CO2RA又はSO2RAである1〜3個の置換基で置換されており;
他の全変項が当初に定義した通り又は上記態様のいずれかに定義した通りである式Iの化合物又はその医薬的に許容可能な塩である。
【0050】
本発明の第32の態様(態様E32)はHetAがピリジニル、ピロリル、チエニル、フラニル、イミダゾリル、ピラゾリル、トリアゾリル、テトラゾリル、オキサゾリル、イソオキサゾリル、オキサジアゾリル、チアゾリル、イソチアゾリル、チアジアゾリル、ベンゾフラニル、ベンゾチエニル、インドリル、インダゾリル、イソベンゾフラニル、ベンゾオキサゾリル、ベンゾイミダゾリル、キノリニル、イソキノリニルから構成される群から選択されるヘテロアリールであり、前記ヘテロアリールは場合により各々独立してCH3、CF3、OCH3、OCF3、OH、Cl、Br、F、CN、C(O)NH2、C(O)N(H)CH3、C(O)N(CH3)2、C(O)CH3、C(O)CF3、CO2CH3又はSO2CH3である1〜3個の置換基で置換されており;他の全変項が当初に定義した通り又は上記態様のいずれかに定義した通りである式Iの化合物又はその医薬的に許容可能な塩である。
【0051】
本発明の第33の態様(態様E33)はCycBが独立して態様E23又は態様E24又は態様E25でCycAについて記載した通りの定義であり;他の全変項が当初に定義した通り又は上記態様のいずれかに定義した通りである式Iの化合物又はその医薬的に許容可能な塩である。
【0052】
本発明の第34の態様(態様E34)はCycBが場合により各々独立してC1−4アルキル、OH、O−C1−4アルキル、C1−4フルオロアルキル又はO−C1−4フルオロアルキルである1又は2個の置換基で置換されたC3−6シクロアルキルであり;他の全変項が当初に定義した通り又は上記態様のいずれかに定義した通りである式Iの化合物又はその医薬的に許容可能な塩である。
【0053】
本発明の第35の態様(態様E35)はCycBがC3−6シクロアルキルであり;他の全変項が当初に定義した通り又は上記態様のいずれかに定義した通りである式Iの化合物又はその医薬的に許容可能な塩である。
【0054】
本発明の第36の態様(態様E36)はAryBが独立して態様E26又は態様E27又は態様E28又は態様E29でAryAについて記載した通りの定義であり;他の全変項が当初に定義した通り又は上記態様のいずれかに定義した通りである式Iの化合物又はその医薬的に許容可能な塩である。
【0055】
本発明の第37の態様(態様E37)はAryBがフェニル又はナフチルであり、前記フェニルは場合により各々独立してC1−4アルキル、CF3、O−C1−4アルキル、OCF3、OH、ハロゲン、CN、NO2、N(RA)RB、C(O)N(RA)RB、C(O)RA、C(O)CF3、CO2RA又はSO2RAである1〜3個の置換基で置換されており;他の全変項が当初に定義した通り又は上記態様のいずれかに定義した通りである式Iの化合物又はその医薬的に許容可能な塩である。
【0056】
本発明の第38の態様(態様E38)はAryBがフェニル又はナフチルであり、前記フェニルは場合により各々独立してCH3、CF3、OCH3、OCF3、OH、Cl、Br、F、CN、NO2、NH2、N(H)CH3、N(CH3)2、C(O)NH2、C(O)N(H)CH3、C(O)N(CH3)2、C(O)CH3、C(O)CF3、CO2CH3又はSO2CH3である1〜3個の置換基で置換されており;他の全変項が当初に定義した通り又は上記態様のいずれかに定義した通りである式Iの化合物又はその医薬的に許容可能な塩である。
【0057】
本発明の第39の態様(態様E39)はHetBが独立して態様E30又は態様E31又は態様E32でHetAについて記載した通りの定義であり;他の全変項が当初に定義した通り又は上記態様のいずれかに定義した通りである式Iの化合物又はその医薬的に許容可能な塩である。
【0058】
本発明の第40の態様(態様E40)はHetBが1〜3個のN原子、0又は1個のO原子、及び0又は1個のS原子から選択される1〜3個のヘテロ原子を含む4〜7員飽和複素環であり、前記環はN原子を介して化合物の残余と結合しており、場合により存在するS原子は場合によりS(O)又はS(O)2に酸化されており、前記飽和複素環は場合により各々独立してC1−6アルキル、オキソ、C(O)N(RA)RB、C(O)RA、CO2RA又はS(O)2RAである1〜3個の置換基で置換されており;他の全変項が当初に定義した通り又は上記態様のいずれかに定義した通りである式Iの化合物又はその医薬的に許容可能な塩である。
【0059】
本発明の第41の態様(態様E41)はHetBがアゼチジニル、ピロリジニル、ピペリジニル、モルホリニル、チオモルホリニル、ピペラジニル、チアジナニル、チアゼパニル及びアゼパニルから構成される群から選択される飽和複素環であり、前記環は環窒素原子を介して化合物の残余と結合しており、前記環は場合により各々独立してC1−4アルキル又はオキソである1〜3個の置換基で置換されており;他の全変項が当初に定義した通り又は上記態様のいずれかに定義した通りである式Iの化合物又はその医薬的に許容可能な塩である。
【0060】
本発明の第42の態様(態様E42)はHetBが
【0061】
【化2】
から構成される群から選択される飽和複素環であり、上記式中、アステリスク*は化合物の残余との結合点を表し、前記環は場合により各々CH3又はオキソである1又は2個の置換基で置換されており;他の全変項が当初に定義した通り又は上記態様のいずれかに定義した通りである式Iの化合物又はその医薬的に許容可能な塩である。
【0062】
本発明の第43の態様(態様E43)はCycCが独立して態様E23又は態様E24又は態様E25でCycAについて記載した通りの定義であり;他の全変項が当初に定義した通り又は上記態様のいずれかに定義した通りである式Iの化合物又はその医薬的に許容可能な塩である。
【0063】
本発明の第44の態様(態様E44)はAryCが独立して態様E26又は態様E27又は態様E28又は態様E29でAryAについて記載した通りの定義であり;他の全変項が当初に定義した通り又は上記態様のいずれかに定義した通りである式Iの化合物又はその医薬的に許容可能な塩である。
【0064】
本発明の第45の態様(態様E45)はHetCが独立して態様E30又は態様E31又は態様E32でHetAについて記載した通りの定義であり;他の全変項が当初に定義した通り又は上記態様のいずれかに定義した通りである式Iの化合物又はその医薬的に許容可能な塩である。
【0065】
本発明の第46の態様(態様E46)はCycDが独立して態様E23又は態様E24又は態様E25でCycAについて記載した通りの定義であり;他の全変項が当初に定義した通り又は上記態様のいずれかに定義した通りである式Iの化合物又はその医薬的に許容可能な塩である。
【0066】
本発明の第47の態様(態様E47)はAryDが独立して態様E26又は態様E27又は態様E28又は態様E29でAryAについて記載した通りの定義であり;他の全変項が当初に定義した通り又は上記態様のいずれかに定義した通りである式Iの化合物又はその医薬的に許容可能な塩である。
【0067】
本発明の第48の態様(態様E48)はAryDが場合により各々独立してC1−4アルキル、CF3、O−C1−4アルキル、OCF3、OH、ハロゲン、CN、NO2、N(RA)RB、C(O)N(RA)RB、C(O)RA、C(O)CF3、CO2RA又はSO2RAである1〜3個の置換基で置換されたフェニルであり;他の全変項が当初に定義した通り又は上記態様のいずれかに定義した通りである式Iの化合物又はその医薬的に許容可能な塩である。
【0068】
本発明の第49の態様(態様E49)はHetDが独立して態様E30又は態様E31又は態様E32でHetAについて記載した通りの定義であり;他の全変項が当初に定義した通り又は上記態様のいずれかに定義した通りである式Iの化合物又はその医薬的に許容可能な塩である。
【0069】
本発明の第50の態様(態様E50)はHetDが独立して態様E30でHetAについて定義したような場合により置換されたヘテロアリール又はN、O及びSから独立して選択される1もしくは2個のヘテロ原子を含む4〜7員飽和複素環であり、なお、各Sは場合によりS(O)又はS(O)2に酸化されており、前記飽和環は場合により各々独立してC1−6アルキル、OH、オキソ、O−C1−6アルキル、C1−6フルオロアルキル、O−C1−6フルオロアルキル、C(O)RA、CO2RA又はSO2RAである1〜3個の置換基で置換されており;他の全変項が当初に定義した通り又は上記態様のいずれかに定義した通りである式Iの化合物又はその医薬的に許容可能な塩である。
【0070】
本発明の第51の態様(態様E51)はCycEが独立して態様E23又は態様E24又は態様E25でCycAについて記載した通りの定義であり;他の全変項が当初に定義した通り又は上記態様のいずれかに定義した通りである式Iの化合物又はその医薬的に許容可能な塩である。
【0071】
本発明の第52の態様(態様E52)はAryEが独立して態様E26又は態様E27又は態様E28又は態様E29でAryAについて記載した通りの定義であり;他の全変項が当初に定義した通り又は上記態様のいずれかに定義した通りである式Iの化合物又はその医薬的に許容可能な塩である。
【0072】
本発明の第53の態様(態様E53)はAryEが場合により各々独立してC1−4アルキル、CF3、O−C1−4アルキル、OCF3、OH、ハロゲン、CN、NO2、N(RA)RB、C(O)N(RA)RB、C(O)RA、C(O)CF3、CO2RA又はSO2RAである1〜3個の置換基で置換されたフェニルであり;他の全変項が当初に定義した通り又は上記態様のいずれかに定義した通りである式Iの化合物又はその医薬的に許容可能な塩である。
【0073】
本発明の第54の態様(態様E54)はAryEが場合により各々独立してCH3、CF3、OCH3、OCF3、OH、Cl、Br、F、CN、NO2、NH2、N(H)CH3、N(CH3)2、C(O)NH2、C(O)N(H)CH3、C(O)N(CH3)2、C(O)CH3、C(O)CF3、CO2CH3又はSO2CH3である1〜3個の置換基で置換されたフェニルであり;他の全変項が当初に定義した通り又は上記態様のいずれかに定義した通りである式Iの化合物又はその医薬的に許容可能な塩である。
【0074】
本発明の第55の態様(態様E55)はHetEが独立して態様E30又は態様E31又は態様E32でHetAについて記載した通りの定義であり;他の全変項が当初に定義した通り又は上記態様のいずれかに定義した通りである式Iの化合物又はその医薬的に許容可能な塩である。
【0075】
本発明の第56の態様(態様E56)はHetEが独立して態様E50でHetDについて記載した通りの定義であり;他の全変項が当初に定義した通り又は上記態様のいずれかに定義した通りである式Iの化合物又はその医薬的に許容可能な塩である。
【0076】
本発明の第57の態様(態様E57)はHetEが独立して
(i)チエニル、フラニル、ピロリル、イミダゾリル、ピラゾリル、トリアゾリル、テトラゾリル、オキサゾリル、イソオキサゾリル、チアゾリル、イソチアゾリル、オキサジアゾリル、チアジアゾリル、ピリジニル、ピラジニル、ピリミジニル、ピリダジニル、ベンゾフラニル、ベンゾチエニル、インドリル、インダゾリル、イソベンゾフラニル、ベンゾイソオキサゾリル、ベンゾオキサゾリル、ベンゾイミダゾリル、ベンゾピペリジニル、クロメニル、キノリニル、イソキノリニル、シンノリニル、キノキサリニル、キナゾリニル及びイミダゾピリジニルから構成される群から選択されるヘテロアリール[なお、前記ヘテロアリールは(a)場合により各々独立してC1−4アルキル、CF3、O−C1−4アルキル、OCF3、OH、ハロゲン、CN、NO2、N(RA)RB、C(O)N(RA)RB、C(O)RA、C(O)CF3、CO2RA又はSO2RAである1〜3個の置換基で置換されており、(b)更に場合によりフェニルで置換されている]、又は
(ii)アゼチジニル、ピロリジニル、ピペリジニル、モルホリニル、チオモルホリニル、ピペラジニル、チアジナニル、チアゼパニル及びアゼパニルから構成される群から選択される飽和複素環(なお、前記環は環炭素原子を介して化合物の残余と結合しており、前記環は場合により各々独立してC1−4アルキル又はオキソである1〜3個の置換基で置換されている)であり;
他の全変項が当初に定義した通り又は上記態様のいずれかに定義した通りである式Iの化合物又はその医薬的に許容可能な塩である。
【0077】
本発明の第58の態様(態様E58)はHetEが独立して
(i)チエニル、フラニル、ピロリル、イミダゾリル、ピラゾリル、トリアゾリル、テトラゾリル、オキサゾリル、イソオキサゾリル、チアゾリル、イソチアゾリル、オキサジアゾリル、チアジアゾリル、ピリジニル、ピラジニル、ピリミジニル、ピリダジニル、ベンゾフラニル、ベンゾチエニル、インドリル、インダゾリル、イソベンゾフラニル、ベンゾイソオキサゾリル、ベンゾオキサゾリル、ベンゾイミダゾリル、ベンゾピペリジニル、クロメニル、キノリニル、イソキノリニル、シンノリニル、キノキサリニル、キナゾリニル及びイミダゾピリジニルから構成される群から選択されるヘテロアリール[なお、前記ヘテロアリールは(a)場合により各々独立してCH3、CF3、OCH3、OCF3、OH、Cl、Br、F、CN、NO2、NH2、N(H)CH3、N(CH3)2、C(O)NH2、C(O)N(H)CH3、C(O)N(CH3)2、C(O)CH3、C(O)CF3、CO2CH3又はSO2CH3である1〜3個の置換基で置換されており、(b)更に場合によりフェニルで置換されている]、又は
(ii)アゼチジニル、ピロリジニル、ピペリジニル、モルホリニル、チオモルホリニル、ピペラジニル、チアジナニル、チアゼパニル及びアゼパニルから構成される群から選択される飽和複素環(なお、前記環は環炭素原子を介して化合物の残余と結合しており、前記環は場合により各々CH3又はオキソである1又は2個の置換基で置換されている)であり;
他の全変項が当初に定義した通り又は上記態様のいずれかに定義した通りである式Iの化合物又はその医薬的に許容可能な塩である。
【0078】
本発明の第59の態様(態様E59)は各CycQが独立して場合により各々独立してフッ素、C1−6アルキル、OH、O−C1−6アルキル、C1−6フルオロアルキル又はO−C1−6フルオロアルキルである1又は2個の置換基で置換されたC3−6シクロアルキルであり;他の全変項が当初に定義した通り又は上記態様のいずれかに定義した通りである式Iの化合物又はその医薬的に許容可能な塩である。
【0079】
本発明の第60の態様(態様E60)は各AryQが独立して場合により各々独立してハロゲン、CN、NO2、C1−6アルキル、C1−6フルオロアルキル、OH、O−C1−6アルキル、O−C1−6フルオロアルキル、N(RA)RB、C(O)N(RA)RB、C(O)RA、CO2RA、SRA、S(O)RA、SO2RA、SO2N(RA)RB又はSO2N(RA)C(O)RBである1〜3個の置換基で置換されたフェニルであり;他の全変項が当初に定義した通り又は上記態様のいずれかに定義した通りである式Iの化合物又はその医薬的に許容可能な塩である。
【0080】
本発明の第61の態様(態様E61)は各HetQが独立してN、O及びSから独立して選択される1〜4個のヘテロ原子を含む5又は6員複素芳香環であり、なお、各Nは場合により酸化物形態であり、前記複素芳香環は場合により各々独立してハロゲン、C1−6アルキル、C1−6フルオロアルキル、OH、O−C1−6アルキル、O−C1−6フルオロアルキル、N(RA)RB、(C)ON(RA)RB、C(O)RA、CO2RA、SO2RA、N(RA)C(O)N(RA)RB又はN(RA)CO2RBである合計1〜4個の置換基で置換されており;他の全変項が当初に定義した通り又は上記態様のいずれかに定義した通りである式Iの化合物又はその医薬的に許容可能な塩である。
【0081】
本発明の第62の態様(態様E62)はRA及びRBが各々独立してH又はC1−4アルキルであり;他の全変項が当初に定義した通り又は上記態様のいずれかに定義した通りである式Iの化合物又はその医薬的に許容可能な塩である。
【0082】
本発明の第63の態様(態様E63)はRA及びRBが各々独立してH又はC1−3アルキルであり;他の全変項が当初に定義した通り又は上記態様のいずれかに定義した通りである式Iの化合物又はその医薬的に許容可能な塩である。
【0083】
本発明の第64の態様(態様E64)はRA及びRBが各々独立してH又はCH3であり;他の全変項が当初に定義した通り又は上記態様のいずれかに定義した通りである式Iの化合物又はその医薬的に許容可能な塩である。
【0084】
本発明の第65の態様(態様E65)はY1、Y2、Y3及びY4が各々独立して
(i)O、
(ii)S、
(iii)S(O)、
(iv)S(O)2、
(v)OCH2、
(vi)SCH2、
(vii)S(O)CH2、
(viii)S(O)2CH2、
(ix)N(RA)、
(x)N(RA)CH2、
(xi)C(O)、
(xii)C(O)CH2、
(xiii)C(O)CH2O、
(xiv)C(O)N(RA)、
(xv)C(O)N(RA)CH2、
(xvi)C(O)N(RA)CH2C(O)O、及び
(xvii)C(O)N(RA)S(O)2から構成される群から選択され;
他の全変項が当初に定義した通り又は上記態様のいずれかに定義した通りである式Iの化合物又はその医薬的に許容可能な塩である。
【0085】
本発明の第66の態様(態様E66)は各Zが独立して
(i)O、
(ii)S、
(iii)S(O)、
(iv)S(O)2、
(v)OCH2、
(vi)SCH2、
(vii)S(O)CH2、
(viii)S(O)2CH2、
(ix)N(RA)、又は
(x)N(RA)CH2であり;他の全変項が当初に定義した通り又は上記態様のいずれかに定義した通りである式Iの化合物又はその医薬的に許容可能な塩である。
【0086】
本発明の第67の態様(態様E67)は下記実施例1〜119(実施例70A及び70Bを含む)に記載の化合物とその医薬的に許容可能な塩から構成される群から選択される化合物である。態様E67の第1の側面は下記実施例1〜82(実施例70A及び70Bを除く)及び116〜119に記載の化合物とその医薬的に許容可能な塩から構成される群から選択される化合物である。態様E67の第2の側面は下記実施例70A、70B及び83〜115に記載の化合物とその医薬的に許容可能な塩から構成される群から選択される化合物である。
【0087】
本発明の化合物の第1分類(本明細書では分類C1とも言う)は、
RK及びRLが態様E2に定義した通りであり;
CycAが態様E23に定義した通りであり;
AryAが態様E26に定義した通りであり;
HetAが態様E30に定義した通りであり;
R2が態様E4に定義した通りであり;
CycBが態様E33に定義した通りであり;
AryBが態様E36に定義した通りであり;
HetBが態様E40に定義した通りであり;
R3が態様E8に定義した通りであり;
CycCが独立してCycAと同義であり;
R4が態様E11に定義した通りであり;
CycDが独立してCycAと同義であり;
AryDが独立してAryAと同義であり;
HetDが態様E50に定義した通りであり;
R5が態様E14に定義した通りであり;
CycEが独立してCycAと同義であり;
AryEが独立してAryAと同義であり;
CycDが独立してCycAと同義であり;
HetEが独立してHetDと同義であり;
代替としてR4とR5が一緒になって態様E17に定義した通りであり;
CycQが態様E59に定義した通りであり;
AryQが態様E60に定義した通りであり;
HetQが態様E61に定義した通りであり;
他の全変項が当初に定義した通りである式Iの化合物とその医薬的に許容可能な塩を含む。
【0088】
本発明の化合物の第2分類(分類C2)は、
Xが態様E22に定義した通りであり;
RK及びRLが態様E3に定義した通りであり;
CycAが態様E24に定義した通りであり;
AryAが態様E28に定義した通りであり;
HetAが態様E31に定義した通りであり;
R2が態様E6に定義した通りであり;
CycBが態様E34に定義した通りであり;
AryBが態様E37に定義した通りであり;
HetBが態様E41に定義した通りであり;
R3が態様E9に定義した通りであり;
R4が態様E12に定義した通りであり;
AryDが独立して態様E48に定義した通りであり;
R5が態様E15に定義した通りであり;
AryEが態様E53に定義した通りであり;
HetEが態様E57に定義した通りであり;
代替としてR4とR5が一緒になって態様E18に定義した通りであり;
RA及びRBが態様E62に定義した通りである式Iの化合物とその医薬的に許容可能な塩を含む。
【0089】
本発明の化合物の第2分類の第1の亜分類(亜分類SC2−1)は、代替としてR4とR5が一緒になって態様E19に定義した通りであり;他の全変項が分類C2で当初に定義した通りである式Iの化合物とその医薬的に許容可能な塩を含む。
【0090】
本発明の化合物の第3分類(分類C3)は、
Xが態様E22に定義した通りであり;
RK及びRLが態様E4に定義した通りであり;
AryAが態様E29に定義した通りであり;
HetAが態様E32に定義した通りであり;
R2が態様E7に定義した通りであり;
CycBが態様E35に定義した通りであり;
AryBが態様E38に定義した通りであり;
HetBが態様E42に定義した通りであり;
R3が態様E10に定義した通りであり;
R4が態様E13に定義した通りであり;
R5が態様E16に定義した通りであり;
AryEが態様E54に定義した通りであり;
HetEが態様E58に定義した通りであり;
代替としてR4とR5が一緒になって態様E20に定義した通りである式Iの化合物とその医薬的に許容可能な塩を含む。
【0091】
本発明の化合物の第3分類の第1の亜分類(亜分類SC3−1)は代替としてR4とR5が一緒になって態様E21に定義した通りであり;他の全変項が分類C3で当初に定義した通りである式Iの化合物とその医薬的に許容可能な塩を含む。
【0092】
本発明の別の態様は当初に定義した通り又は上記態様、側面、分類もしくは亜分類のいずれかに定義した通りである式Iの化合物又はその医薬的に許容可能な塩であって、化合物又はその塩が実質的に純粋な形態のものである。本明細書で使用する「実質的に純粋」とは式Iの化合物又はその塩を含有する生成物(例えば化合物又は塩を生じる反応混合物から単離された生成物)のうちの適切には少なくとも約60重量%、一般には少なくとも約70重量%、好ましくは少なくとも約80重量%、より好ましくは少なくとも約90重量%(例えば約90重量%〜約99重量%)、更に好ましくは少なくとも約95重量%(例えば約95重量%〜約99重量%、又は約98重量%〜100重量%)、最も好ましくは少なくとも約99重量%(例えば100重量%)が前記化合物又は塩から構成されることを意味する。化合物及び塩の純度レベルは薄膜クロマトグラフィー、ゲル電気泳動、高性能液体クロマトグラフィー、及び/又は質量分析等の標準分析法を使用して測定することができる。2種類以上の分析法を利用し、方法により純度レベルの測定実験結果に有意差がある場合には、不純物レベルが最高の方法を採用する。純度100%の化合物又は塩は標準分析法により測定した場合に検出可能な不純物を含まないものである。本発明の化合物は1個以上の不斉中心をもち、立体異性体の混合物として存在する場合があるが、このような場合に実質的に純粋な化合物とは立体異性体の実質的に純粋な混合物でもよいし、実質的に純粋な個々のジアステレオマー又はエナンチオマーでもよい。
【0093】
本発明の他の態様を以下に挙げる:
(a)有効量の上記定義による式Iの化合物又はその医薬的に許容可能な塩と、医薬的に許容可能なキャリヤーを含有する医薬組成物。
(b)有効量の上記定義による式Iの化合物又はその医薬的に許容可能な塩と、医薬的に許容可能なキャリヤーを配合(例えば混合)することにより製造される製剤を含有する医薬組成物。
(c)HIV抗ウイルス剤、免疫調節剤及び抗感染剤から構成される群から選択される有効量の抗HIV剤を更に含有する(a)又は(b)に記載の医薬組成物。
(d)抗HIV剤がHIVプロテアーゼ阻害剤、式Iの化合物以外のHIV逆転写酵素阻害剤、HIVインテグラーゼ阻害剤、HIV融合阻害剤及びHIV侵入阻害剤から構成される群から選択される抗ウイルス剤である(c)に記載の医薬組成物。
(e)抗HIV剤がHIVプロテアーゼ阻害剤、式Iの化合物以外のHIV逆転写酵素阻害剤及びHIVインテグラーゼ阻害剤から構成される群から選択される抗ウイルス剤である(d)に記載の医薬組成物。
(f)(i)上記定義による式Iの化合物又はその医薬的に許容可能な塩と、(ii)HIV抗ウイルス剤、免疫調節剤及び抗感染剤から構成される群から選択される別の抗HIV剤からなる併用剤であって、併用剤がHIV逆転写酵素の阻害、HIV感染の治療又は予防、あるいはエイズの治療、予防又は発症もしくは進行遅延に有効となるような量で化合物Iと抗HIV剤を各々使用する前記併用剤。
(g)抗HIV剤がHIVプロテアーゼ阻害剤、HIV逆転写酵素阻害剤、HIVインテグラーゼ阻害剤、HIV融合阻害剤及びHIV侵入阻害剤から構成される群から選択される抗ウイルス剤である(f)に記載の併用剤。
(h)抗HIV剤がHIVプロテアーゼ阻害剤、HIV逆転写酵素阻害剤及びHIVインテグラーゼ阻害剤から構成される群から選択される抗ウイルス剤である(g)に記載の併用剤。
(i)該当処置を要する対象におけるHIV逆転写酵素の阻害方法であって、有効量の式Iの化合物を前記対象に投与する段階を含む前記方法。
(j)該当処置を要する対象におけるHIV(例えばHIV−1)感染の予防又は治療方法であって、有効量の式Iの化合物を前記対象に投与する段階を含む前記方法。
(k)HIVプロテアーゼ阻害剤、HIVインテグラーゼ阻害剤、非ヌクレオシド系HIV逆転写酵素阻害剤、ヌクレオシド系HIV逆転写酵素阻害剤、HIV融合阻害剤及びHIV侵入阻害剤から構成される群から選択される有効量の少なくとも1種類の他のHIV抗ウイルス剤と式Iの化合物を併用投与する(j)に記載の方法。
(l)HIVプロテアーゼ阻害剤、HIVインテグラーゼ阻害剤、非ヌクレオシド系HIV逆転写酵素阻害剤及びヌクレオシド系HIV逆転写酵素阻害剤から構成される群から選択される有効量の少なくとも1種類の他のHIV抗ウイルス剤と式Iの化合物を併用投与する(j)に記載の方法。
(m)該当処置を要する対象におけるエイズの予防、治療又は発症もしくは進行遅延方法であって、有効量の式Iの化合物を前記対象に投与する段階を含む前記方法。
(n)HIVプロテアーゼ阻害剤、HIVインテグラーゼ阻害剤、非ヌクレオシド系HIV逆転写酵素阻害剤、ヌクレオシド系HIV逆転写酵素阻害剤、HIV融合阻害剤及びHIV侵入阻害剤から構成される群から選択される有効量の少なくとも1種類の他のHIV抗ウイルス剤と前記化合物を併用投与する(m)に記載の方法。
(o)HIVプロテアーゼ阻害剤、HIVインテグラーゼ阻害剤、非ヌクレオシド系HIV逆転写酵素阻害剤及びヌクレオシド系HIV逆転写酵素阻害剤から構成される群から選択される有効量の少なくとも1種類の他のHIV抗ウイルス剤と前記化合物を併用投与する(m)に記載の方法。
(p)該当処置を要する対象におけるHIV逆転写酵素の阻害方法であって、(a)、(b)、(c)、(d)もしくは(e)に記載の医薬組成物又は(f)、(g)もしくは(h)に記載の併用剤を前記対象に投与する段階を含む前記方法。
(q)該当処置を要する対象におけるHIV(例えばHIV−1)感染の予防又は治療方法であって、(a)、(b)、(c)、(d)もしくは(e)に記載の医薬組成物又は(f)、(g)もしくは(h)に記載の併用剤を前記対象に投与する段階を含む前記方法。
(r)該当処置を要する対象におけるエイズの予防、治療又は発症もしくは進行遅延方法であって、(a)、(b)、(c)、(d)もしくは(e)に記載の医薬組成物又は(f)、(g)もしくは(h)に記載の併用剤を前記対象に投与する段階を含む前記方法。
【0094】
本発明は更に、(a)HIV逆転写酵素の阻害、(b)HIV感染の治療又は予防、あるいは(c)エイズの治療、予防又は発症もしくは進行遅延において(i)使用するため、(ii)そのための医薬として使用するため、又は(iii)そのための医薬の調製もしくは製造で使用するための式Iの化合物又はその医薬的に許容可能な塩を含む。これらの使用では、本発明の化合物は場合によりHIV抗ウイルス剤、抗感染剤及び免疫調節剤から選択される1種類以上の抗HIV剤と併用することができる。
【0095】
本発明の他の態様としては、使用する本発明の化合物が上記態様、側面、分類又は亜分類の1種の化合物である上記(a)〜(r)に記載の医薬組成物、併用剤及び方法並びに前段落に記載の使用が挙げられる。これらの全態様において、化合物は場合により医薬的に許容可能な塩として使用することができる。
【0096】
本発明の他の態様としては、使用する本発明の化合物又はその塩が実質的に純粋である上記各段落に記載の各医薬組成物、併用剤、方法及び使用が挙げられる。式Iの化合物又はその塩と医薬的に許容可能なキャリヤーと場合により1種類以上の賦形剤を含有する医薬組成物に関して、「実質的に純粋」なる用語は式Iの化合物又はその塩自体のことであり、即ち組成物中の活性成分が純粋であることを意味する。
【0097】
本発明は更に式Iの化合物のプロドラッグを含む。「プロドラッグ」なる用語は化合物Iにin vivo変換される式Iの化合物又はその医薬的に許容可能な塩の誘導体を意味する。式Iの化合物のプロドラッグは化合物自体に比較して高い溶解度、吸収性及び/又は親油性を示すため、バイオアベイラビリティ及び効力を増すことができる。プロドラッグのin vivo変換は酵素触媒化学反応、代謝化学反応及び/又は自然化学反応(例えば加溶媒分解)の結果として得られる。化合物が例えばヒドロキシ基を含む場合には、プロドラッグとしてはエステル(−OC(O)R)、炭酸エステル(−OC(O)OR)、リン酸エステル(−O−P(=O)(OH)2)、又はエーテル(−OR)等のヒドロキシ基の誘導体が挙げられる。他の例を挙げると、式Iの化合物がカルボン酸基を含む場合には、プロドラッグとしてはエステル又はアミドが挙げられ、式Iの化合物が第1級アミノ基又は誘導体化可能な別の適切な窒素を含む場合には、プロドラッグとしてはアミド、カルバミン酸エステル、尿素、イミン又はマンニッヒ塩基が挙げられる。化合物Iの1個以上の官能基を誘導体化すると、そのプロドラッグが得られる。適切なプロドラッグ誘導体の慣用選択及び製造方法は例えばH.Bundgaard編,Design of Prodrugs,Elsevier,1985;J.J.Haleら,J.Med.Chem.2000,vol.43,pp.1234−1241;C.S.Larsen and J.Ostergaard,“Design and application of prodrugs”in:Textbook of Drug Design and Discovery.第3版,C.S.Larsen編,2002,pp.410−458;及びBeaumontら,Current Drug Metabolism 2003,vol.4,pp.461−458に記載されており、各々その開示内容全体を本明細書に援用する。
【0098】
本明細書で使用する「アルキル」なる用語は指定範囲の炭素原子数の任意一価直鎖又は分岐鎖飽和脂肪族炭化水素基を意味する。従って、例えば「C1−6アルキル」(又は「C1−C6アルキル」)とはヘキシルアルキル及びペンチルアルキル異性体と、n−ブチル、イソブチル、sec−ブチル、t−ブチル、n−プロピル、イソプロピル、エチル及びメチルのいずれかを意味する。別の例として、「C1−4アルキル」とはn−ブチル、イソブチル、sec−ブチル、t−ブチル、n−プロピル、イソプロピル、エチル及びメチルを意味する。
【0099】
「アルキレン」なる用語は指定範囲の炭素原子数の任意二価直鎖又は分岐鎖脂肪族炭化水素基を意味する。従って、例えば「−C1−6アルキレン−」とはC1〜C6直鎖又は分岐鎖アルキレンのいずれかを意味し、「−C1−4アルキレン−」とはC1〜C4直鎖又は分岐鎖アルキレンのいずれかを意味する。本発明に関して特に重要な1分類のアルキレンは−(CH2)1−6−であり、特に重要な亜分類としては、−(CH2)1−4−、−(CH2)1−3−、−(CH2)1−2−、及び−CH2−が挙げられる。別の重要な亜分類は−CH2−、−CH(CH3)−及び−C(CH3)2−から構成される群から選択されるアルキレンである。
【0100】
「アルケニル」なる用語は1個の炭素−炭素二重結合を含む指定範囲の炭素原子数の一価直鎖又は分岐鎖脂肪族炭化水素基を意味する。1分類のアルケニルは炭素原子数2〜6のものである。好ましい1分類のアルケニルは炭素原子数2〜4のものである。アルケニル基の例としてはビニル(エテニル)、2−プロペニル、イソプロペニル及びイソブテニルが挙げられる。
【0101】
「アルキニル」なる用語は1個の炭素−炭素三重結合を含む指定範囲の炭素原子数の一価直鎖又は分岐鎖脂肪族炭化水素基を意味する。1分類のアルケニルは炭素原子数2〜6のものである。好ましい1分類のアルキニルは炭素原子数2〜4のものである。アルキニル基の例としてはエチニルとプロピニルが挙げられる。
【0102】
「シクロアルキル」なる用語は指定範囲の炭素原子数のアルカンの任意単環を意味する。従って、例えば「C3−8シクロアルキル」(又は「C3−C8シクロアルキル」)とはシクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル、シクロヘプチル及びシクロオクチルを意味する。
【0103】
「シクロアルケニル」なる用語は指定範囲の炭素原子数のアルケンの任意単環を意味する。従って、例えば「C3−8シクロアルケニル」(又は「C3−C8シクロアルケニル」)とはシクロプロピル、シクロブテニル、シクロペンテニル、シクロヘキセニル、シクロヘプテニル又はシクロオクテニルを意味する。
【0104】
「ハロゲン」(又は「ハロ」)なる用語はフッ素、塩素、臭素及びヨウ素(フルオロ、クロロ、ブロモ及びヨードとも言う)を意味する。
【0105】
「ハロアルキル」なる用語は水素原子の1個以上がハロゲン(即ちF、Cl、Br及び/又はI)で置換されている上記定義によるアルキル基を意味する。従って、例えば「C1−6ハロアルキル」(又は「C1−C6ハロアルキル」)とは1個以上のハロゲン置換基をもつ上記定義によるC1〜C6直鎖又は分岐鎖アルキル基を意味する。「フルオロアルキル」なる用語はハロゲン置換基がフルオロに限定されている点以外は同様の意味である。適切なフルオロアルキルとしては(CH2)0−4CF3系列(即ちトリフルオロメチル、2,2,2−トリフルオロエチル、3,3,3−トリフルオロ−n−プロピル等)が挙げられる。特に重要なフルオロアルキルはCF3である。
【0106】
「C(O)」なる用語はカルボニルを意味する。「S(O)2」及び「SO2」なる用語は各々スルホニルを意味する。「S(O)」なる用語はスルフィニルを意味する。
【0107】
R1〜R5の定義における任意基に示す左端の原子又は変項は分子の残余に結合した原子又は変項である。従って、例えばR1=C(O)NRKRLに等価の定義はR1=*−C(O)NRKRLである。別の例として、R1がC(O)NRKRLであり、RKがHであり、RLがY1−CycAで置換されたC1−6アルキルであり、前記C1−6アルキルがメチルであり、Y1がO−C1−6アルキレンであり、前記C1−6アルキレンがメチレン(即ちY1がOCH2)であり、R5がY4−AryEで置換されたC1−6アルキルであり、前記C1−6アルキルがメチルであり、Y4がN(RA)−C1−6アルキレンであり、前記C1−6アルキレンがメチレン(即ちY4がN(RA)−CH2)である本発明の化合物の定義は以下の通りである。
【0108】
【化3】
【0109】
化学基の空結合の末端のアステリスク(「*」)はこの基と分子の残余との結合点を表す。
【0110】
「炭素環」なる用語は全ての環原子が炭素原子である単環、二環系又は多環系を意味する。本発明に関して重要な1分類の炭素環としてはC3−8シクロアルキル、C5−8シクロアルケニル、又は一方の環が他方の環に縮合もしくは架橋しているC7−12二環式飽和もしくは不飽和非芳香環系が挙げられる。この分類の炭素環の代表的なメンバーはシクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル、シクロヘプチル、シクロオクチル、シクロペンテニル、シクロヘキセニル、シクロヘプテニル、オクタヒドロ−1H−インデニル及びデカヒドロナフチル(デカリニル)である。
【0111】
別の分類の重要な炭素環はアリールである。「アリール」なる用語は(i)フェニル、(ii)少なくとも一方の環が芳香族である9又は10員二環式縮合炭素環系、及び(iii)少なくとも1個の環が芳香族である11〜14員三環式縮合炭素環系を意味する。適切なアリールとしては例えばフェニル、ナフチル、テトラヒドロナフチル(テトラリニル)、インデニル、アントラセニル及びフルオレニルが挙げられる。
【0112】
「複素環」なる用語は(i)4〜8員飽和もしくは不飽和単環、(ii)7〜12員二環系、又は(iii)10〜18員三環系を意味し、(ii)又は(iii)の各環は相互に独立しているか、縮合しているか、又は架橋しており、各環は飽和又は不飽和であり、前記単環、二環系又は三環系はN、O及びSから選択される1〜8個のヘテロ原子と残余の炭素原子を含み、窒素及び硫黄ヘテロ原子の任意1個以上は場合により酸化されており、窒素ヘテロ原子の任意1個以上は場合により四級化されている。適切な単環としては、アゼチジニル、ピペリジニル、モルホリニル、チオモルホリニル、チアゾリジニル、イソチアゾリジニル、オキサゾリジニル、イソオキサゾリジニル、ピロリジニル、イミダゾリジニル、ピペラジニル、テトラヒドロフラニル、テトラヒドロチエニル、ピラゾリジニル、ヘキサヒドロピリミジニル、チアジナニル、チアゼパニル、アゼパニル、ジアゼパニル、テトラヒドロピラニル、テトラヒドロチオピラニル、ジオキサニル及びアザシクロオクチル等の飽和複素環が挙げられる。適切な単環としては更に前文に挙げた飽和複素環の単結合を二重結合で置き換えたもの(例えば炭素−炭素単結合を炭素−炭素二重結合で置き換えたもの)等の不飽和複素環が挙げられる。適切な環系としては、例えば7−アザビシクロ[2.2.1]ヘプチル、デカヒドロナフチリジニル及びデカヒドロキノリニルが挙げられる。
【0113】
複素環としてはヘテロアリールが挙げられる。「ヘテロアリール」なる用語は(i)5及び6員複素芳香環と、(ii)少なくとも一方の環が芳香族である9及び10員二環式縮合環系を意味し、前記複素芳香環又は二環式縮合環系はN、O及びSから独立して選択される1〜4個のヘテロ原子を含み、各Nは場合により酸化物形態であり、非芳香環の各Sは場合によりS(O)又はS(O)2である。適切な5及び6員複素芳香環としては例えばピリジル、ピロリル、ピラジニル、ピリミジニル、ピリダジニル、トリアジニル、チエニル、フラニル、イミダゾリル、ピラゾリル、トリアゾリル、テトラゾリル、オキサゾリル、イソオキサゾリル、オキサジアゾリル、オキサトリアゾリル、チアゾリル、イソチアゾリル及びチアジアゾリルが挙げられる。適切な9及び10員二環式複素縮合環系としては例えばベンゾフラニル、インドリル、インダゾリル、ナフチリジニル、イソベンゾフラニル、ベンゾピペリジニル、ベンゾイソオキサゾリル、ベンゾオキサゾリル、クロメニル、キノリニル、イソキノリニル、シンノリニル、キナゾリニル、テトラヒドロキノリニル、テトラヒドロイソキノリニル、イソインドリル、ベンゾジオキソリル(例えばベンゾ−1,3−ジオキソリル:
【0114】
【化4】
);ベンゾピペリジニル、ベンゾイソオキサゾリル、ベンゾオキサゾリル、クロマニル、イソクロマニル、ベンゾチエニル、ベンゾフラニル、イミダゾ[l,2−a]ピリジニル、ベンゾトリアゾリル、ジヒドロインドリル、ジヒドロイソンドリル、インダゾリル、インドリニル、イソインドリニル、キノキサリニル、キナゾリニル、2,3−ジヒドロベンゾフラニル及び2,3−ジヒドロベンゾ−1,4−ジオキシニル(即ち:
【0115】
【化5】
)が挙げられる。
【0116】
当然のことながら、本発明で使用するのに適した特定環及び環系は前段落に挙げたものに限定されない。これらの環及び環系は単に代表例に過ぎない。
【0117】
特定状況で特に逆の記載がない限り、安定な化合物が得られるのであれば、本発明に含まれる各種環及び環系はいずれも任意環原子(即ち任意炭素原子又は任意ヘテロ原子)で化合物の残余と結合することができる。
【0118】
特に逆の記載がない限り、本明細書に記載する全範囲は両端を含む。例えば、複素環が「1〜4個のヘテロ原子」を含むと言う場合にはこの環が1、2、3又は4個のヘテロ原子を含むことを意味する。同様に当然のことながら、本明細書に記載する任意範囲はこの範囲内の全ての部分的範囲をその範囲に含む。従って、例えば複素環が「1〜4個のヘテロ原子」を含むと言う場合には、2〜4個、3又は4個、1〜3個、2又は3個、1又は2個、1個、2個、3個、及び4個のヘテロ原子を含む複素環をその側面として含むものとする。別の例として、アリール又はヘテロアリールが場合により「1〜8個の置換基」で置換されていると言う場合には、場合により1〜7個、1〜6個、1〜5個、1〜4個、1〜3個、1〜2個、2〜8個、2〜7個、2〜6個、2〜5個、2〜4個、2〜3個、3〜8個、3〜7個、3〜6個、3〜5個、3〜4個、4〜8個、4〜7個、4〜6個、4〜5個、5〜8個、6〜8個、7〜8個、1個、2個、3個、4個、5個、6個、7個及び8個の置換基で置換されたアリール又はヘテロアリールをその側面として含むものとする。
【0119】
任意変項(例えばRAやRB)が任意成分中又は式I中又は本発明の化合物を表す他の任意式中に2回以上出現する場合には、出現毎のその定義は他の全出現時のその定義から独立している。また、置換基及び/又は変項の組み合わせはこのような組み合わせにより安定な化合物が得られる場合に限って許容される。
【0120】
特に逆の記載がない限り、指定置換基による置換はこのような環置換が化学的に許容され、その結果として安定な化合物が得られるのであれば、環(例えばシクロアルキル、アリール又はヘテロアリール)内の任意原子上で許容される。
【0121】
置換基又は置換基パターンの選択の結果として、本発明の所定の化合物はケト−エノール互変異性を示す場合がある。個々の異性体であるか又は混合物であるかを問わず、これらの化合物の全互変異性体が本発明の範囲に含まれる。ケト−エノール互変異性を生じるように複素芳香環の炭素原子上にヒドロキシ置換基をもつ本発明の化合物はヒドロキシのみが存在する化合物と、互変異性ケト形(即ちオキソ置換)が存在する化合物と、ケト形とエノール形が併存する化合物を含むものとする。
【0122】
「安定な」化合物とは製造単離することができ、本明細書に記載する目的(例えば対象への治療又は予防投与)に化合物を使用できるようにするために十分な時間にわたってその構造と性質がほぼ不変に維持される化合物又は維持させることができる化合物である。本発明の化合物は式Iにより表される安定な化合物に限定される。
【0123】
置換基又は置換基パターンの選択の結果として、本発明の所定の化合物は不斉中心をもつ場合があり、立体異性体の混合物又は個々のジアステレオマーもしくはエナンチオマーとして存在する場合がある。個々の異性体であるか又は混合物中であるかを問わず、これらの化合物の全異性体が本発明の範囲に含まれる。
【0124】
本発明の方法はHIV逆転写酵素(野生型及び/又はその突然変異株)の阻害、ヒト免疫不全ウイルス(HIV)感染の予防又は治療、及びその結果として生じる病態(例えばエイズ)の予防、治療又は発症もしくは進行遅延において本発明の化合物を使用する。エイズの予防、エイズの治療、エイズの発症もしくは進行遅延、又はHIV感染の治療もしくは予防は限定されないが、エイズ、ARC(エイズ関連症候群)、症候性及び非症候性並びに実際的又は潜在的なHIV暴露等の広範なHIV感染状態の治療として定義される。例えば、本発明は輸血、体液交換、咬傷、偶発的穿刺又は外科手術中の患者血液との接触等により過去にHIVに暴露された疑いがある場合にHIV感染を治療するために利用することができる。別の例として、本発明は有効量の化合物I又はその医薬的に許容可能な塩の投与により、HIVに感染した妊婦からその胎児又は育児中(即ち授乳中)のHIV感染女性から乳児へのHIV感染を予防するために利用することもできる。
【0125】
これらの化合物は医薬的に許容可能な塩として投与することができる。「医薬的に許容可能な塩」なる用語は親化合物の効力をもち、生物学的又は他の点で有害でない(例えばそのレシピエントに対して毒性でなく、他の点で有害でもない)塩を意味する。適切な塩としては、例えば本発明の化合物の溶液を塩酸、硫酸、酢酸、トリフルオロ酢酸又は安息香酸等の医薬的に許容可能な酸の溶液と混合することにより形成することができる酸付加塩が挙げられる。本発明で利用する化合物が酸性部分(例えば−COOH又はフェノール基)をもつ場合には、適切なその医薬的に許容可能な塩としてはアルカリ金属塩(例えばナトリウム又はカリウム塩)、アルカリ土類金属塩(例えばカルシウム又はマグネシウム塩)、及び適切な有機リガンドとの間に形成される塩(例えば第4級アンモニウム塩)が挙げられる。また、酸(−COOH)又はアルコール基が存在する場合には、医薬的に許容可能なエステルを使用して化合物の溶解度又は加水分解特性を調節することができる。
【0126】
式Iの化合物に関して「投与」なる用語とその変形(例えば化合物を「投与する」)は治療又は予防を必要とする個体に化合物又は化合物のプロドラッグを提供することを意味する。化合物又はそのプロドラッグを1種類以上の他の活性剤(例えばHIV感染又はエイズの治療又は予防に有用な抗ウイルス剤)と共に提供する場合には、「投与」とその変形は各々化合物又はプロドラッグと他の物質を同時又は異なる時点で提供することを含むものとする。併用する薬剤を同時に投与する場合には、単一組成物として一緒に投与してもよいし、別々に投与してもよい。
【0127】
本明細書で使用する「組成物」なる用語は特定成分を含有する製剤に加え、特定成分の併用により直接又は間接的に得られる任意製剤を意味する。
【0128】
「医薬的に許容可能」とは医薬組成物の成分が相互に適合可能でなければならず且つそのレシピエントに有害であってはならないことを意味する。
【0129】
本明細書で使用する「対象」なる用語は治療、観察又は実験の対象とした動物、好ましくは哺乳動物、最も好ましくはヒトを意味する。
【0130】
本明細書で使用する「有効量」なる用語は研究者、獣医、医師又は他の臨床医により求められる組織、系、動物又はヒトの生物学的又は医学的応答を誘発する活性化合物又は薬剤の量を意味する。1態様では、有効量は治療する疾患又は病態の症状を緩和するための「治療有効量」である。別の態様では、有効量は予防する疾患又は病態の症状を予防するための「予防有効量」である。この用語は本明細書では更にHIV逆転写酵素(野生型及び/又はその突然変異株)を阻害することにより所望応答を誘発するために十分な活性化合物の量(即ち「阻害有効量」)も含む。活性化合物(即ち活性成分)を塩として投与する場合には、活性成分の量とは化合物の遊離形態(即ち非塩形態)の量である。
【0131】
本発明の方法(即ちHIV逆転写酵素の阻害方法、HIV感染の治療又は予防方法、あるいはエイズの治療、予防又は発症もしくは進行遅延方法)では、活性剤を活性剤の作用部位と接触させる任意手段により場合により塩/水和物形態の式Iの化合物を投与することができる。これらの化合物は医薬品と共に利用可能な任意慣用手段により個々の治療剤として又は治療剤の併用剤として投与することができる。化合物は単独で投与してもよいが、一般には選択した投与経路と標準医薬プラクティスに基づいて選択された医薬キャリヤーと共に投与する。本発明の化合物は例えば、有効量の化合物と医薬的に許容可能な慣用非毒性キャリヤー、アジュバント及びビヒクルを含有する医薬組成物の単位用量製剤として経口、非経口(皮下注射、静脈内、筋肉内、胸骨内注射又は輸液法を含む)、吸入スプレー、又は直腸投与することができる。経口投与に適した液体製剤(例えば懸濁液剤、シロップ、エリキシル剤等)は当分野で公知の技術に従って製造することができ、水、グリコール、油類、アルコール等の通常媒体の任意のものを利用することができる。経口投与に適した固体製剤(例えば散剤、ピル、カプセル剤及び錠剤)は当分野で公知の技術に従って製造することができ、澱粉、糖類、カオリン、滑沢剤、結合剤、崩壊剤等の固体賦形剤を利用することができる。非経口組成物は当分野で公知の技術に従って製造することができ、一般にキャリヤーとして滅菌水と、場合により他の成分(例えば溶解助剤)を利用することができる。注射溶液は当分野で公知の技術に従って製造することができ、キャリヤーは食塩水、ブドウ糖液又は食塩とブドウ糖の混合物を含有する溶液を含む。本発明で使用する医薬組成物の製造に使用するのに適した方法と、前記組成物で使用するのに適した成分に関する更に詳細についてはRemington’s Pharmaceutical Sciences,第18版,A.R.Gennaro編,Mack Publishing Co.,1990及びRemington−The Science and Practice of Pharmacy,第21版,Lippincott Williams & Wilkins,2005に記載されている。
【0132】
式Iの化合物は0.001〜1000mg/kg哺乳動物(例えばヒト)体重/日の用量範囲を1回又は数回に分けて経口投与することができる。1好適用量範囲は0.01〜500mg/kg体重/日を1回又は数回に分けて経口投与する。別の好適用量範囲は0.1〜100mg/kg体重/日を1回又は数回に分けて経口投与する。経口投与には、治療する患者の症状に合わせて用量を調節するように活性成分1.0〜500mg、特に活性成分1、5、10、15、20、25、50、75、100、150、200、250、300、400及び500mgを含有する錠剤又はカプセル剤の形態で組成物を提供することができる。任意特定患者の特定用量レベルと投与頻度は使用する特定化合物の活性、化合物の代謝安定性と作用時間、年齢、体重、一般健康状態、性別、食事、投与方法及び時間、排泄率、薬剤併用、特定病態の重篤度、並びに治療を受ける宿主等の種々の因子により異なる。
【0133】
上述のように、本発明は更に式Iの化合物と1種類以上の抗HIV剤との併用に関する。「抗HIV剤」とはHIV逆転写酵素又はHIV複製もしくは感染に必要な別の酵素の阻害、HIV感染の治療又は予防、及び/又はエイズの治療、予防又は発症もしくは進行遅延に直接又は間接的に有効な任意物質である。当然のことながら、抗HIV剤はHIV感染又はエイズ及び/又はこれに起因もしくは付随する疾患もしくは病態の治療、予防又は発症もしくは進行遅延に有効である。例えば、本発明の化合物はWO01/38332の表1又はWO02/30930の表に開示されているもの等のHIV感染又はエイズの治療に有用なHIV抗ウイルス剤、免疫調節剤、抗感染剤又はワクチンから選択される1種類以上の有効量の抗HIV剤と有効に併用投与することができ、投与時点は暴露前及び/又は暴露後を問わない。本発明の化合物と併用するのに適したHIV抗ウイルス剤としては例えば下表Aに記載するものが挙げられる。
【0134】
【表1】
【0135】
当然のことながら、本発明の化合物と抗HIV剤の併用の範囲は表A及び/又は上記WO01/38332及びWO02/30930の表に記載のHIV抗ウイルス剤に限定されず、原則としてエイズの治療又は予防に有用な任意医薬組成物との任意併用に及ぶ。HIV抗ウイルス剤及び他の物質は一般に文献に報告されているその慣用用量範囲及びレジメンに従ってこれらの併用で利用され、例えばPhysicians’Desk Reference,Thomson PDR,Thomson PDR,第57版(2003)、第58版(2004)又は第59版(2005)に記載されている用量が挙げられる。これらの併用における本発明の化合物の用量範囲は上記範囲と同一である。
【0136】
本明細書で使用する略語は以下の通りである:AcOH=酢酸;AIDS=後天性免疫不全症候群;Bn=ベンジル;BOC又はBoc=t−ブチルオキシカルボニル;BrdUTP=ブロモデオキシウリジン三リン酸;n−Bu=n−ブチル;t−Bu=t−ブチル;CHAPS=3−[(3−コールアミドプロピル)ジメチルアンモニオ]−1−プロパンスルホネート;DCC=ジシクロヘキシルカルボジイミド;DCE=1,2−ジクロロエタン;DCM=ジクロロメタン;dGTP=デオキシグアノシン三リン酸;DMF=ジメチルホルムアミド;dNTP=デオキシヌクレオシド三リン酸;EDC=1−エチル−3−(3−ジメチルアミノプロピル)カルボジイミド;EDTA=エチレンジアミン四酢酸;EGTA=エチレングリコールビス(2−アミノエチルエーテル)−N,N,N’,N’−四酢酸;Et=エチル;Et3N=トリエチルアミン;EtOH=エタノール;FBS=胎仔ウシ血清;HOBt=1−ヒドロキシベンゾトリアゾール;HPLC=高性能液体クロマトグラフィー;i−Pr=イソプロピル;MS=質量分析;n−Pr=n−プロピル;TEA=トリエチルアミン;TFA=トリフルオロ酢酸;TfOH=トリフル酸(=トリフルオロメタンスルホン酸);THF=テトラヒドロフラン。
【0137】
本発明の化合物は容易に入手可能な出発材料、試薬及び慣用合成手順を使用し、下記合成反応スキーム及び実施例又はその変形に従って容易に製造することができる。これらの反応では、詳細には記載しないが、当業者にそれ自体公知の変形を利用することも可能である。更に、本発明の化合物の他の製造方法も以下の反応スキームと実施例から当業者に容易に想到されよう。特に指定しない限り、全変項は上記に定義した通りである。
【0138】
スキーム1は4−アリールスルホニル−1H−ピロール−2,5−ジカルボキサミドの合成を示す。出発点はピロール1−1であり、市販品でもよいし、Kleinspehn,J.Am.Chem.Soc.1955,77:1546−48に記載されているように製造することもできる。スキーム1では、ピロール1−1を極性非プロトン性溶媒(例えばジメチルホルムアミドやジメチルスルホキシド)中、塩基(例えば水素化ナトリウム)の存在下でアリールジスルフィドと反応させ、アリールチオピロール1−2を得る(Atkinsonら,Synthesis 1988,480−81におけるインドールとの同様の反応参照)。あるいは、ピロール1を非反応性無水溶媒(例えば塩化メチレンやクロロホルム)中、アリールスルフェニルクロリドと反応させ、化合物1−2を得ることもできる(Fischerら,Justus Liebigs Ann.Chem.1928,461:244−77)。水性酸性、塩基性又は緩衝条件下でクロロホルムや塩化メチレン等の不活性有機溶媒を使用して過酸や過酸化物等の各種酸化剤で1−2中の硫化物を酸化し、スルホン1−3とすることができる。その後、5−メチル置換基の酸化[例えば(i)硝酸セリウムアンモニウムとの反応(Paineら,Canadian Journal of Chemistry,1976,54(3):411−14)又は(ii)不活性溶媒(例えばジクロロエタン、クロロホルム又は塩化メチレン等のハロゲン化炭化水素)中、塩化スルフリルで塩素化後に水性加水分解(Corwinら,J.Am.Chem.Soc.1942,64:1267−73)]によりアルデヒド1−4を得、亜塩素酸ナトリウム、過マンガン酸カリウム又はクロム酸と水性又は有機溶媒を使用して更に酸化し、対応するカルボン酸1−5とすることができる。その後、EDCやDCC等のカルボジイミドカップリング試薬とヒドロキシベンゾトリアゾールを使用してジメチルホルムアミド又は塩化メチレン中で酸1−5を活性化エステルに変換し、標準カップリング条件を使用してアミンとカップリングし、第1級又は第2級アミド1−6とすることができる。その後、1種類以上の補助有機溶媒の存在下又は不在下に水性塩基を使用し、あるいは酸感受性エステルの場合には酸性条件(例えば塩化メチレン又はクロロホルム中トリフルオロ酢酸)を使用し、あるいはベンジルエステルの場合には接触水素化反応を使用し、1−6に残留するエステルを加水分解し、カルボン酸1−7とすることができる。次にハロゲン化溶媒、テトラヒドロフラン、酢酸エチル又はアセトンを使用して塩基の存在下に適切なアミンと反応させることにより、酸塩化物1−8を経由してジカルボキサミド1−9に変換することができる。あるいは、EDCやDCC等のカルボジイミドカップリング試薬とヒドロキシベンゾトリアゾール又は同様の試薬を使用してジメチルホルムアミド又は塩化メチレン中で1−7から活性エステルをin situ形成した後に、適切なアミンと反応させてもよい。
【0139】
【化6】
【0140】
スキーム2は式1−1のピロールの代替製造方法を示す。この方法はピロールが市販されておらず、Kleinspehn,J.Am.Chem.Soc.1955,77:1546−48に記載されているように製造することができない場合にピロールを製造するのに特に有用である。メルドラム酸2−1を酸塩化物とアミン塩基(例えばピリジン)でアシル化して2−2を得、不活性溶媒(例えばベンゼンやトルエン等の芳香族炭化水素)中、アルコールで加溶媒分解し、還流により脱炭酸後、β−ケトエステル2−3を得る(Oikawaら,J.Org.Chem.1978,43(10):2087−88)。高温を使用してクノール合成条件下で2−3からピロール2−4へと変換することができる(MacDonald,J.Chem.Soc.1952:4176−4182)。その後、適切な溶媒(例えばメタノール、エタノール、イソプロパノール又は酢酸エチル)中、遷移金属触媒(例えばパラジウム)を使用して接触水素化によりカルボン酸に選択的に変換することによりベンジルエステルを2−5に分解することができる。その後、高温の水性弱塩基性溶媒混合物中、ヨウ素とヨウ化物塩を使用してヨード脱炭酸により2−6を得る。アルコール溶媒(例えばMeOH)中、アミン塩基の存在下に遷移金属触媒(例えばPd)を使用して2−6を還元的脱ハロゲン化し、1−1を得る。スキーム1の化学反応を1−1に適用し、目的の1−9を得る。
【0141】
【化7】
【0142】
スキーム3は4−アミノスルホニル−1H−ピロール−2,5−ジカルボキサミドの製法として、Paine and Dolphin,J.Org.Chem.1985,50:2763−72により開発された手順と同様にアミノマロン酸ジアルキル塩酸塩3−1とβ−ジケトンを使用して1,3−ジケトン縮合/環化によりピロール1−1を製造することができる方法を示す。その後、ピロール1−1をクロロスルホン酸原液でスルホン酸化し、4−クロロスルホニルピロール3−2を得る。3−2における塩素を非プロトン性溶媒(例えば塩化メチレン、酢酸エチル、アセトン又はジメチルホルムアミド)とアミン塩基(例えばトリエチルアミン、ヒューニッヒ塩基又はピリジン)の存在下に第2級アミンで置換し、スルホンアミド3−3を生成することができる。塩化メチレン、クロロホルム、ジクロロエタン又は別の不活性溶媒中、塩化スルフリルでジハロゲン化後にアセトン、酢酸エチル、テトラヒドロフラン又はジオキサン等の補助溶媒を使用して水で加水分解することによりα−メチル基を選択的に酸化し、カルボキシアルデヒド3−4とすることができる。カルボキシアルデヒド3−4を水性又は有機溶媒中、亜塩素酸ナトリウム、過マンガン酸カリウム又はクロム酸で更に酸化してカルボン酸3−5とし、ペプチドカップリング条件下で第1級又は第2級アミド3−6に変換することができる。その後、エーテル水溶液(例えば1,2−ジメトキシエタン、テトラヒドロフラン又はジオキサン)又はアルコール水溶液中、水性塩基(例えばLiOH等の金属水酸化物)でエステルを高温にて加水分解し、3−7を得ることができる。その後、上記のような標準ペプチドカップリング条件を使用してカルボン酸3−7を目的の3−8に変換することができる。
【0143】
【化8】
【0144】
スキーム4はスキーム1の4−アリールスルホニル−1H−ピロール−2,5−ジカルボキサミドの代替経路を示し、本経路はベンゼンスルホニルクロリドのアリールスルホン酸化方法としてGarzyaら,Tet.Letters 2004,45:1499−1501に記載のインジウム(III)触媒法を利用する。本スキームでは、多くの場合にはGarzyaらに記載されているよりも低温で反応時間を短くし、塩化インジウム(III)触媒反応を使用してピロールスルホニルクロリド中間体3−2をヘテロアリール又はアリールピロリルスルホン1−3に変換することができる。スキーム1に記載した条件を利用してピロール1−3から目的の1−9を得ることができる。
【0145】
【化9】
【0146】
上記スキームに記載した本発明の化合物の製造方法では、(上記スキームに明記したものに加えて)各種部分及び置換基における官能基は使用する反応条件下及び/又は使用する試薬の存在下で感受性又は反応性になる場合がある。このような感受性/反応性は望ましい反応の進行を妨げ、目的生成物の収率を低下したり、場合によってはその形成すらも妨げる可能性がある。従って、全該当分子上の感受性又は反応性基を保護することが必要又は望ましい場合がある。保護はProtective Groups in Organic Chemistry,J.F.W.McOmie編,Plenum Press,1973や、T.W.Greene & P.G.M.Wuts,Protective Groups in Organic Synthesis.John Wiley & Sons,第3版,1999及び第2版,1991に記載されているもの等の慣用保護基により実施することができる。保護基は当分野で公知の方法を使用して好適な後続段階で除去することができる。あるいは該当反応段階後に分子に妨害基を導入してもよい。
【0147】
以下の実施例は単に本発明とその実施を例証するために記載するものである。以下の実施例は本発明の範囲又は精神を限定するものと解釈すべきではない。
【0148】
(実施例1)
N−(2,4−ジクロロベンジル)−N,3−ジメチル−4−(1−フェニルスルホニル)−1H−ピロール−2,5−ジカルボキサミド
【0149】
【化10】
【0150】
ステップ1:3,5−ジメチル−4−フェニルチオ−1H−ピロール−2−カルボン酸エチル
500mLフラスコで窒素下に3,5−ジメチル−1H−ピロール−2−カルボン酸エチル(5.00g,29.90mmol)を乾燥DMF(100mL)に溶解した。水素化ナトリウム(1.43g,59.80mmol,油中60%分散液)を加え、反応混合物を室温で5分間撹拌した。ベンゼンジスルフィドを加え、得られた混合物を65℃で22時間撹拌した。反応混合物を冷水(1L)に注ぎ、得られた固形分を濾取した。固形分をヘキサン(500mL)に懸濁し、10分間撹拌後、濾過した。固形分をヘキサン(100mL)で洗浄し、乾燥し、標記化合物を得た。
【0151】
ステップ2:3,5−ジメチル−4−フェニルスルホニル−1H−ピロール−2−カルボン酸エチル
3,5−ジメチル−4−フェニルチオ−1H−ピロール−2−カルボン酸エチル(1.12g,4.06mmol)のクロロホルム溶液を0℃まで冷却し、3−クロロペルオキシ安息香酸(1.75g,10.16mmol)を加えた。反応混合物を室温で一晩撹拌した。反応混合物を塩化メチレンで希釈し、飽和炭酸水素ナトリウム(3×)と飽和塩化ナトリウムで洗浄した。有機相を硫酸ナトリウムで乾燥し、濾過し、溶媒を蒸発させ、標記化合物を得た。
【0152】
ステップ3:5−ホルミル−3−メチル−4−フェニルスルホニル−1H−ピロール−2−カルボン酸エチル
3,5−ジメチル−4−フェニルスルホニル−1H−ピロール−2−カルボン酸エチル(0.500g,1.65mmol)をテトラヒドロフラン(19mL)と酢酸(23mL)と水(19mL)の溶液に溶解した。硝酸アンモニウムセリウム(3.56g,6.50mmol)を加え、反応混合物を一晩室温で撹拌した。
【0153】
混合物を水(500ml)に注ぎ、塩化メチレンで抽出した。有機溶液を飽和塩化ナトリウムで洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥し、濃縮した。ヘキサン中0→35%酢酸エチルの勾配を使用して粗生成物をシリカゲルカラム(40g)で精製した。純画分を合わせて蒸発させ、標記化合物を得た。
【0154】
ステップ4:5−エトキシカルボニル−4−メチル−3−フェニルスルホニル−1H−ピロール−2−カルボン酸
5−ホルミル−3−メチル−4−フェニルスルホニル−1H−ピロール−2−カルボン酸エチルをt−ブタノール(25mL)と2−メチル−2−ブテン(5mL)とテトラヒドロフラン(5mL)の混合物に溶解した。亜塩素酸ナトリウム(0.428g,4.72mmol)とリン酸二水素ナトリウム(0.436g,3.63mmol)を水(5mL)に溶解し、この溶液を5−ホルミル−3−メチル−4−フェニルスルホニル−1H−ピロール−2−カルボン酸エチルの溶液に加えた。得られた混合物を1時間室温で撹拌した。水(50mL)を加え、反応溶液を酢酸エチルで抽出した。有機相を除去した。pHが2未満になるまで水相を1M HClで酸性化した後、酢酸エチルで抽出した。有機相を飽和ブラインで洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥し、濃縮し、標記化合物を得た。
【0155】
ステップ5:5−アミノカルボニル−3−メチル−4−フェニルスルホニル−1H−ピロール−2−カルボン酸エチル
5−エトキシカルボニル−4−メチル−3−フェニルスルホニル−1H−ピロール−2−カルボン酸(1.22g,3.63mmol)をジオキサンに溶解した。この溶液にピリジン(0.177mL,2.18mmol)と二炭酸ジ−t−ブチル(1.03g,4.72mmol)と炭酸アンモニウム(0.374g,4.72mmol)を加えた。反応混合物を室温で3日間撹拌した。酢酸エチルを加え、反応混合物を飽和炭酸水素ナトリウムと飽和ブラインで順次洗浄した。得られた有機相を硫酸ナトリウムで乾燥し、濃縮し、標記化合物を得た。
【0156】
ステップ6:5−アミノカルボニル−3−メチル−4−フェニルスルホニル−1H−ピロール−2−カルボン酸
5−アミノカルボニル−3−メチル−4−フェニルスルホニル−1H−ピロール−2−カルボン酸エチル(0.550g,1.63mmol)をメタノール(6mL)に溶解した。水酸化リチウム水和物(0.274mL,6.54mmol)の水(5mL)溶液を加え、反応混合物を60℃で一晩撹拌した。窒素流でメタノールを除去し、残渣を1M HClに懸濁した。懸濁液を15分間撹拌し、濾過した。フィルターケーキを水洗し、乾燥し、標記化合物を得た。
【0157】
ステップ7:5−アミノカルボニル−3−メチル−4−フェニルスルホニル−1H−ピロール−2−カルボニルクロリド
5−アミノカルボニル−3−メチル−4−フェニルスルホニル−1H−ピロール−2−カルボン酸(0.110g,0.357mmol)の塩化チオニル(2mL)懸濁液を1.5時間還流した。過剰の塩化チオニルを減圧除去し、標記化合物をオフホワイト固体として得た。
【0158】
ステップ8:N−(2,4−ジクロロベンジル)−N,3−ジメチル−4−(1−フェニルスルホニル)−1H−ピロール−2,5−ジカルボキサミド
N−メチル2,4−ジクロロベンジルアミン(0.015g,0.077mmol)とトリエチルアミン(0.011mL,0.084mmol)の乾燥クロロホルム(1mL)溶液を窒素下に0℃まで冷却した。この溶液に5−アミノカルボニル−3−メチル−4−フェニルスルホニル−1H−ピロール−2−カルボニルクロリドのクロロホルム(0.5mL)溶液を加えた。冷却浴を除去し、反応混合物を30分間室温で撹拌した。揮発分を減圧除去し、粗生成物を逆相HPLC(0.1%TFA/アセトニトリル及び0.1%TFA水溶液勾配)により精製した。純画分を合わせ、標記化合物を得た。MS(m+1)480.0545。
【0159】
(実施例2)
N−(2,4−ジクロロベンジル)−4−[(3,5−ジクロロフェニル)スルホニル]−N,3−ジメチル−1H−ピロール−2,5−ジカルボキサミド
【0160】
【化11】
【0161】
ステップ1:4−[(3,5−ジクロロフェニル)チオ]−3,5−ジメチル−1H−ピロール−2−カルボン酸エチル
3,5−ジクロロベンゼンチオール(2.14g,1 1.96mmol)とトリエチルアミン(5滴)の乾燥ジクロロメタン(20mL)溶液を0℃まで冷却した。この混合液に塩化スルフリル(0.970mL,11.96mmol)のクロロメタン溶液を加えた。反応混合物を窒素下に1時間室温で撹拌した。ジクロロメタンを減圧蒸発させ、残渣を乾燥ジクロロメタン(20mL)に再溶解した。この溶液を3,5−ジメチル−1H−ピロール−2−カルボン酸エチル(1.00g,5.98mmol)の乾燥ジクロロメタン(20mL)溶液に加えた。反応混合物を1時間室温で撹拌後、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液でクエンチした。一晩撹拌後、層分離し、有機相を飽和ブラインで洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥した。ヘキサン中0→10%酢酸エチルによる勾配溶出を使用して粗生成物をシリカゲルクロマトグラフィーにより精製し、標記化合物を得た。
【0162】
ステップ2:4−[(3,5−ジクロロフェニル)スルホニル]−3,5−ジメチル−1H−ピロール−2−カルボン酸エチル
標記化合物は実施例1,ステップ2に記載の手順を使用して4−[(3,5−ジクロロフェニル)チオ]−3,5−ジメチル−1H−ピロール−2−カルボン酸エチルから製造した。
【0163】
ステップ3:4−[(3,5−ジクロロフェニル)スルホニル]−5−ホルミル−3−メチル−1H−ピロール−2−カルボン酸エチル
4−[(3,5−ジクロロフェニル)スルホニル]−3,5−ジメチル−1H−ピロール−2−カルボン酸エチル(0.870g,2.31mmol)をジクロロメタン(30mL)に溶解し、0℃で塩化スルフリル(0.609mL,7.51mmol)の塩化メチレン(4mL)溶液を加えた。得られた混合物を室温で2時間撹拌後、還流下のアセトン水溶液(アセトン:水 2:1,60mL)にゆっくりと加えた。反応混合物を15分間還流後、室温まで冷却した。アセトンを減圧蒸発させ、生成物をジクロロメタンで抽出した。粗生成物をシリカゲルクロマトグラフィー(シリカゲル120g,ヘキサン中0→35%酢酸エチル勾配)により精製し、純画分を合わせて標記化合物を得た。
【0164】
ステップ4:N−(2,4−ジクロロベンジル)−4−[(3,5−ジクロロフェニル)スルホニル]−N,3−ジメチル−1H−ピロール−2,5−ジカルボキサミド
標記化合物は5−ホルミル−3−メチル−4−フェニルスルホニル−1H−ピロール−2−カルボン酸エチルの代わりに4−[(3,5−ジクロロフェニル)スルホニル]−5−ホルミル−3−メチル−1H−ピロール−2−カルボン酸エチルを使用した以外は実施例1,ステップ4〜ステップ8に記載の手順を使用し、同様の中間体を経て製造した。MS(M+1)549.9724。
【0165】
(実施例3)
N−ベンジル−N,3−ジメチル−4−(3,5−ジメチルフェニルスルホニル)−1H−ピロール−2,5−ジカルボキサミド
【0166】
【化12】
【0167】
ステップ1:4−[(3,5−ジメチルフェニル)チオ]−3,5−ジメチル−1H−ピロール−2−カルボン酸エチル
標記化合物は3,5−ジクロロチオフェノールの代わりに3,5−ジメチルチオフェノールを使用した以外は実施例2,ステップ1に記載の手順に従って3,5−ジメチル−1H−ピロール−2−カルボン酸エチルから製造した。
【0168】
ステップ2:N−ベンジル−N,3−ジメチル−4−(3,5−ジメチルフェニルスルホニル)−1H−ピロール−2,5−ジカルボキサミド
標記化合物は4−[(3,5−ジクロロフェニル)チオ]−3,5−ジメチル−1H−ピロール−2−カルボン酸エチルの代わりに4−[(3,5−ジメチルフェニル)チオ]−3,5−ジメチル−1H−ピロール−2−カルボン酸エチルを使用し、N−メチル2,4−ジクロロベンジルアミンの代わりにN−メチルベンジルアミンを使用した以外は実施例2,ステップ2〜4に記載の手順に従い、同様の中間体を経て製造した。S(M+1)440.1648。
【0169】
(実施例4)
N−(2−クロロ−4−フルオロベンジル)−N,3−ジメチル−4−(フェニルスルホニル)−1H−ピロール−2,5−ジカルボキサミド
【0170】
【化13】
【0171】
ステップ1:N−メチル2−クロロ−4−フルオロベンジルアミン
2−クロロ−4−フルオロベンズアルデヒド(0.500g,3.15mmol)をメタノール(10mL)に溶解し、メチルアミンのメタノール溶液(2N,3.15mL,6.30mmol)を加えた。得られた混合物を試験管に入れて密閉し、60℃に2時間加熱した。溶媒と過剰のメチルアミンを減圧除去し、残渣をエタノール(10mL)に溶解し、0℃まで冷却した。水素化ホウ素ナトリウム(0.155g,4.09mmol)を少量ずつ加えた。得られた混合物を1時間室温で撹拌した。エタノールを減圧除去し、残渣をジクロロメタン(15mL)に溶解した。この溶液を2%水酸化ナトリウム溶液、飽和炭酸水素ナトリウム及び飽和ブラインで洗浄後、硫酸ナトリウムで乾燥し、濃縮し、標記化合物を得た。
【0172】
ステップ2:N−(2−クロロ−4−フルオロベンジル)−N,3−ジメチル−4−(フェニルスルホニル)−1H−ピロール−2,5−ジカルボキサミド
標記化合物はN−メチル2,4−ジクロロベンジルアミンの代わりにN−メチル2−クロロ−4−フルオロベンジルアミンを使用した以外は実施例1,ステップ8に記載の手順に従って5−アミノカルボニル−3−メチル−4−フェニルスルホニル−1H−ピロール−2−カルボニルクロリドから製造し、標記化合物を得た。MS(M+1)464.0844。
【0173】
(実施例5)
N−(2−クロロベンジル)−N,3−ジメチル−4−(1−ナフチルスルホニル)−1H−ピロール−2,5−ジカルボキサミド
【0174】
【化14】
【0175】
ステップ1:3,5−ジメチル−4−(1−ナフチルスルホニル)−1H−ピロール−2−カルボン酸エチル及び3,5−ジメチル−4−(2−ナフチルスルホニル)−1H−ピロール−2−カルボン酸エチル
(Moranta,C.ら,J.Chem.Soc,Perkin Trans.1,1998(19)3285に記載の手順に従って製造した)4−(クロロスルホニル)−3,5−ジメチル−1H−ピロール−2−カルボン酸エチル(0.777g,2.92mmol)と、ナフタレン(0.375g,2.92mmol)と、塩化インジウム(III)(0.129g,0.585mmol)をトリフルオロ酢酸(6mL)中で撹拌した。この溶液にトリフルオロメチルスルホン酸(0.388mL,4.39mmol)を加え、得られた反応混合物を15分間室温で撹拌した。氷水に滴下することにより反応混合物をクエンチすると、沈殿が形成された。固形分を濾過し、水洗し、ジクロロメタンで抽出した。これを飽和炭酸水素ナトリウム、水、飽和ブラインで洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥し、濾過し、減圧濃縮した。20%→30%酢酸エチル/ヘキサン勾配溶出を使用して残渣をシリカゲルカラム(254mm×40mm)でフラッシュクロマトグラフィーにより精製し、標記化合物を分離した。
【0176】
ステップ2:N−(2−クロロベンジル)−N,3−ジメチル−4−(1−ナフチルスルホニル)−1H−ピロール−2,5−ジカルボキサミド
標記化合物は実施例2に記載の手順と同様の手順を使用し、適切な出発材料を使用して3,5−ジメチル−4−(1−ナフチルスルホニル)−1H−ピロール−2−カルボン酸エチルから得た。MS(M+1)496.1073。
【0177】
(実施例6)
N−(2−クロロベンジル)−N,3−ジメチル−4−(2−ナフチルスルホニル)−1H−ピロール−2,5−ジカルボキサミド
【0178】
【化15】
【0179】
標記化合物は実施例2と同様の手順を使用して3,5−ジメチル−4−(2−ナフチルスルホニル)−1H−ピロール−2−カルボン酸エチル(実施例5,ステップ1参照)から製造した。MS(M+1)496.1071。
【0180】
(実施例7〜37)
実施例1〜6と同様の手順を使用して下表Aの化合物を製造した。下表は各化合物の構造及び名称とMSにより測定したその分子イオン+1(M+1)の質量を示す。
【0181】
【表2】
【0182】
(実施例38〜39)
実施例4と同様の手順を使用して下表Bの化合物を製造した。下表は各化合物の構造及び名称とMSにより測定したその分子イオン+1(M+1)の質量を示す。化合物を塩として製造した場合には遊離塩基の化合物名の後に塩名を括弧内に記載する。
【0183】
【表3】
【0184】
(実施例40)
4−[(3,5−ジメチルフェニル)スルホニル]−N,3−ジメチル−N−(6−キノリニルメチル)−1H−ピロール−2,5−ジカルボキサミド
【0185】
【化16】
【0186】
5−アミノカルボニル−4−[(3,5−ジメチルフェニル)スルホニル]−3−メチル−1H−ピロール−2−カルボン酸(0.025g,0.074mmol)と、N−ヒドロキシベンゾトリアゾール(0.015g,0.097mmol)と、N−(3−ジメチルアミノプロピル)N’−エチルカルボジイミド塩酸塩(0.019g,0.097mmol)と、N−メチル−1−(6−キノリニル)メタンアミン(0.013g,0.074mmol)のジメチルホルムアミド(1mL)溶液を3時間撹拌した。アセトニトリル中0.1%トリフルオロ酢酸と水中0.1%トリフルオロ酢酸による勾配溶出を使用して生成物を逆相HPLCにより単離した。純画分を集め、濃縮し、酢酸エチルに溶解した。酢酸エチル溶液を飽和炭酸水素ナトリウムと飽和ブラインで洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥し、濃縮した。純化合物を塩酸メタノール溶液に溶解した後、水で希釈した。得られた懸濁液を凍結乾燥し、標記化合物を塩酸塩として得た。MS(M+1)491.1761。
【0187】
(実施例41)
N−[(7−クロロ−6−キノリニル)メチル]−N,3−ジメチル−4−(フェニルスルホニル)−1H−ピロール−2,5−ジカルボキサミド
【0188】
【化17】
【0189】
ステップ1:6−(ブロモメチル)−7−クロロキノリン
(Cornら,J.Am.Chem.Soc.1930,52,3685に記載の手順に従って製造した)7−クロロ−6−メチルキノリン(3.50g,19.70mmol)と、過酸化ベンゾイル(0.048g,0.197mmol)と、N−ブロモスクシンイミド(7.01g,39.40mmol)の四塩化炭素(200mL)溶液を一晩還流した。反応混合物をシリカゲルクロマトグラフィーカラム(120gカラム)にロードし、ヘキサン中0→25%酢酸エチルで溶出させた。純生成物画分を合わせ、溶媒を除去し、標記化合物を得た。
【0190】
ステップ2:1−(7−クロロ−6−キノリニル)−N−メチルメタンアミン
6−(ブロモメチル)−7−クロロキノリン(0.050g,0.195mmol)のメタノール(0.5mL)溶液を2Nメチルアミンのメタノール(1mL)溶液に加えた。反応混合物を密閉試験管で65℃に1時間加熱した。2→10%メタノール/ジクロロメタン勾配溶出を使用してシリカゲルクロマトグラフィー(4gシリカゲルカラム)により粗生成物を精製し、標記化合物を得た。
【0191】
ステップ3:N−[(7−クロロ−6−キノリニル)メチル]−N,3−ジメチル−4−(フェニルスルホニル)−1H−ピロール−2,5−ジカルボキサミド
標記化合物はN−メチル2,4−ジクロロベンジルアミンの代わりに1−(7−クロロ−6−キノリニル)−N−メチルメタンアミンを使用した以外は実施例1,ステップ8に記載の手順に従って得た。精製後、トリフルオロ酢酸塩として標記化合物を得た。MS(M+1)497.1024。
【0192】
(実施例42)
N−[(5−クロロ−6−キノリニル)メチル]−N,3−ジメチル−4−(フェニルスルホニル)−1H−ピロール−2,5−ジカルボキサミド
【0193】
【化18】
【0194】
標記化合物は7−クロロ−6−メチルキノリンの代わりに5−クロロ−6−メチルキノリン(Cornら,J.Am.Chem.Soc.1930,52,3685)を使用した以外は実施例41のステップ1〜3に記載の手順に従って製造した。精製後、トリフルオロ酢酸塩として標記化合物を得た。MS(M+1)497.1032。
【0195】
(実施例43〜57)
実施例40と同様の手順を使用して下表Cの化合物を製造した。下表は各化合物の構造及び名称とMSにより測定したその分子イオン+1(M+1)の質量を示す。化合物を塩として製造した場合には遊離塩基の化合物名の後に塩名を括弧内に記載する。
【0196】
【表4】
【0197】
(実施例58)
N−ベンジル−3−イソプロピル−N−メチル−4−(フェニルスルホニル)−1H−ピロール−2,5−ジカルボキサミド
【0198】
【化19】
【0199】
ステップ1:5−(1−ヒドロキシ−2−メチルプロピリデン)−2,2−ジメチル−1,3−ジオキサン−4,6−ジオン
メルドラム酸(20.0g,138.7mmol)を乾燥ジクロロメタン(250mL)に溶解し、この溶液を氷塩浴で0℃まで冷却した。ピリジン(22.4mL,277.5mmol)を加えた後に、温度を10℃未満に維持しながら塩化イソブチリル(21.95g,277.5mmol)を滴下した。得られた混合物を0℃で30分間、室温で3時間撹拌した。反応混合物を7.5%塩酸水溶液(〜320mL)、飽和ブラインで洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥した。溶媒を減圧蒸発させ、標記化合物を得た。
【0200】
ステップ2:4−メチル−3−オキソペンタン酸tert−ブチル
5−(1−ヒドロキシ−2−メチルプロピリデン)−2,2−ジメチル−1,3−ジオキサン−4,6−ジオン(21.00g,98.03mmol)とt−ブタノール(27.6mL,294.1mmol)をベンゼン(200mL)に溶解し、反応混合物を一晩還流した。ベンゼンを減圧蒸発させ、標記化合物を得た。
【0201】
ステップ3:3−イソプロピル−5−メチル−1H−ピロール−2,4−ジカルボン酸4−ベンジル2−tert−ブチル
亜硝酸ナトリウム(6.33g,91.8mmol)の水(24mL)溶液を4−メチル−3−オキソペンタン酸tert−ブチル(18.00g,96.64mmol)の酢酸(90mL)溶液に加え、反応混合物を一晩撹拌した。内部温度を55℃前後に維持するように添加速度を調節しながら、アセト酢酸ベンジルエステル(18.37mL,106.3mmol)と酢酸アンモニウム(18.62g,241.6mmol)と亜鉛金属(18.95g,289.9mmol)を酢酸(60mL)に加えた混合物に反応混合物を加えた。6時間後に、反応混合物をを氷水(500mL)とジクロロメタン(500mL)に注ぎ、10分間撹拌し、濾過し、濾過した固形分をジクロロメタンでリンスした。濾液を有機相と水相に分離し、水相をジクロロメタン(200mL×2)で逆抽出した。有機相を合わせて飽和ブライン、飽和ブライン/炭酸水素ナトリウムで洗浄後、硫酸ナトリウムで乾燥し、減圧濃縮した。粗生成物を1:2酢酸エチル/ヘキサン(450mL)に溶解し、72時間放置した。油性残渣を分離して捨てた。残りの溶液をシリカゲルパッド(50g)で濾過し、1:2酢酸エチル/ヘキサン(100mL×2)で洗浄した。濾液を減圧濃縮し、ヘキサン中0→10%酢酸エチルによる勾配溶出を使用して粗生成物をシリカゲルクロマトグラフィーに付し、標記化合物を得た。
【0202】
ステップ4:5−(tert−ブトキシカルボニル)−4−イソプロピル−2−メチル−1H−ピロール−3−カルボン酸
3−イソプロピル−5−メチル−1H−ピロール−2,4−ジカルボン酸4−ベンジル2−tert−ブチル(5.00g,13.9mmol)のメタノール(100mL)溶液を窒素パージし、10%Pd/C(150mg)を加えた。水素雰囲気(1気圧)を設定し、反応混合物を3時間撹拌した。触媒を濾過し、濾液を減圧濃縮し、標記化合物を得た。
【0203】
ステップ5:4−ヨード−3−イソプロピル−5−メチル−1H−ピロール−2−カルボン酸tert−ブチル
5−(tert−ブトキシカルボニル)−4−イソプロピル−2−メチル−1H−ピロール−3−カルボン酸(2.60g,9.72mmol)と炭酸水素ナトリウム(2.69g,32.09mmol)を1:1ジクロロエタン/水(50mL)に加え、これにヨウ素(3.20g,12.64mmol)とヨウ化ナトリウム(3.79g,25.28mmol)の水(25mL)溶液を加えた。反応混合物を100℃で40分間撹拌した。反応混合物を室温まで冷却し、ジクロロメタン(100mL)で希釈した。反応混合物を炭酸水素ナトリウム水溶液で洗浄した。0→15%酢酸エチル/ヘキサン勾配溶出を使用して粗生成物をシリカゲルクロマトグラフィーにより精製した。純画分を合わせて濃縮し、標記化合物を得た。
【0204】
ステップ6:3−イソプロピル−5−メチル−1H−ピロール−2−カルボン酸tert−ブチル
メタノール(150mL)にトリエチルアミン(2mL)を添加し、これに4−ヨード−3−イソプロピル−5−メチル−1H−ピロール−2−カルボン酸tert−ブチル(3.30g,9.45mmol)を溶解し、溶液を窒素パージした。10%Pd/C(100mg)を加え、混合物を一晩パール装置で45psi水素下に振盪した。触媒を濾過し、0→25%酢酸エチル/ヘキサン勾配溶出を使用して粗生成物をシリカゲルクロマトグラフィー(シリカ120g)により精製した。
【0205】
ステップ7:5−(アミノカルボニル)−3−イソプロピル−4−(フェニルスルホニル)−1H−ピロール−2−カルボン酸tert−ブチル
標記化合物は3−イソプロピル−5−メチル−1H−ピロール−2−カルボン酸tert−ブチルから出発し、実施例2,ステップ1〜3と実施例1,ステップ4〜5に記載の手順を使用して得た。
【0206】
ステップ8:5−(アミノカルボニル)−3−イソプロピル−4−(フェニルスルホニル)−1H−ピロール−2−カルボン酸
ジクロロメタン(3mL)にTFA(0.6mL)を添加した中で5−(アミノカルボニル)−3−イソプロピル−4−(フェニルスルホニル)−1Hピロール−2−カルボン酸tert−ブチル(0.116g,0.296mmol)を室温にて3時間撹拌した。溶媒とTFAを蒸発させ、標記化合物を得た。
【0207】
ステップ9:N−ベンジル−3−イソプロピル−N−メチル−4−(フェニルスルホニル)−1H−ピロール−2,5−ジカルボキサミド
標記化合物は5−(アミノカルボニル)−3−イソプロピル−4−(フェニルスルホニル)−1H−ピロール−2−カルボン酸とN−ベンジル−N−メチルアミンを使用した以外は実施例40に記載の手順を使用して得た。MS(M+1)440.1624。
【0208】
(実施例59〜70)
実施例58と同様の手順を使用して下表Dの化合物を製造した。下表は各化合物の構造及び名称とMSにより測定したその分子イオン+1(M+1)の質量を示す。化合物を塩として製造した場合には遊離塩基の化合物名の後に塩名を括弧内に記載する。
【0209】
【表5】
【0210】
(実施例71)
N−(2,4−ジクロロベンジル)−N’−(1H−インダゾール−3−イルメチル)−N,3−ジメチル−4−(フェニルスルホニル)−1H−ピロール−2,5−ジカルボキサミド
【0211】
【化20】
【0212】
ステップ1:3,5−ジメチル−4−(フェニルスルホニル)−1H−ピロール−2−カルボン酸
3,5−ジメチル−4−フェニルスルホニル−1H−ピロール−2−カルボン酸エチル(3.00g,9.76mmol)をメタノール(300mL)と水(5mL)に溶解した。水酸化リチウム水和物(2.04g,48.80mmol)を加え、反応混合物を一晩還流した。メタノールを減圧除去し、粗生成物を水(20mL)に溶解し、12N HClで酸性化した。30分間撹拌後、固形分を濾過し、水洗し、乾燥し、標記化合物を得た。
【0213】
ステップ2:3,5−ジメチル−4−(フェニルスルホニル)−1H−ピロール−2−カルボニルクロリド
3,5−ジメチル−4−(フェニルスルホニル)−1H−ピロール−2−カルボン酸(1.00g,3.58mmol)を塩化チオニル(10mL)中で1.5時間還流した。過剰の塩化チオニルを減圧除去し、標記化合物を白色固体として得た。
【0214】
ステップ3:N−2,4−(ジクロロベンジル)−N,3,5−トリメチル−4−(フェニルスルホニル)−1H−ピロール−2−カルボキサミド
N−メチル2,4−ジクロロベンジルアミン(0.702g,3.69mmol)とトリエチルアミン(0.504mL,3.69mmol)の乾燥クロロホルム(10mL)溶液を0℃まで冷却した。3,5−ジメチル−4−(フェニルスルホニル)−1H−ピロール−2−カルボニルクロリド(1.00g,3.35mmol)の乾燥クロロホルム(20mL)溶液をアミンの溶液に加えた。冷却浴を除去し、30分間室温で撹拌を続けた。
【0215】
反応混合物をシリカゲルカラム(シリカゲル40g)に直接ロードし、0→35%酢酸エチル/ジクロロメタン勾配溶出を使用して生成物を精製した。純画分を合わせ、標記化合物を得た。
【0216】
ステップ4:N−(2,4−ジクロロベンジル)−5−ホルミル−N,3−ジメチル−4−(フェニルスルホニル)−1H−ピロール−2−カルボキサミド
N−2,4−(ジクロロベンジル)−N,3,5−トリメチル−4−(フェニルスルホニル)−1H−ピロール−2−カルボキサミド(1.30g,2.88mmol)をジクロロメタン(20mL)に溶解し、0℃まで冷却した。塩化スルフリル(0.759mL,9.36mmol)のジクロロメタン(6mL)溶液を撹拌下に滴下した。反応混合物を室温で2時間撹拌後、沸騰下のアセトン水溶液(2:1アセトン:水,75mL)にゆっくりと加えた。反応混合物をこの温度に15分間維持した後、室温まで冷却した。アセトンを減圧蒸発させ、生成物をジクロロメタンで抽出した。有機相を飽和ブラインで洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥した。0→40%酢酸エチル勾配溶出を使用してシリカゲルカラム(シリカゲル40g)で粗生成物を精製した。純画分を合わせ、標記化合物を得た。
【0217】
ステップ5:5−{[(2,4−ジクロロベンジル)(メチル)アミノ]カルボニル}−4−メチル−3−(フェニルスルホニル)−1H−ピロール−2−カルボン酸
亜塩素酸ナトリウム(0.111g,1.22mmol)とリン酸二水素ナトリウム(0.113g,0.946mmol)を水(2mL)に溶解した。得られた溶液をN−(2,4−ジクロロベンジル)−5−ホルミル−N,3−ジメチル−4−(フェニルスルホニル)−1H−ピロール−2−カルボキサミドとt−ブタノール(10mL)と2−メチル−2ブテン(2mL)とテトラヒドロフラン(2mL)の溶液に加えた。反応混合物を1時間室温で撹拌した。水(20mL)を加え、反応混合物を酢酸エチルで抽出した。酢酸エチル層を捨てた。水相を1M HClで酸性化し、pHを2未満にした後、酢酸エチルで抽出した。酢酸エチル相を飽和ブラインで洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥し、濃縮し、標記化合物を得た。
【0218】
ステップ6:1H−インダゾール−3−カルボキサミド
1H−インダゾール−3−カルボン酸エチル(0.500g,2.62mmol)をアンモニアメタノール溶液(15mL,メタノール中4Nアンモニア)に溶解し、試験管に入れて密閉し、4日間110℃で撹拌した。溶媒を減圧除去し、標記化合物を得た。
【0219】
ステップ7:1H−インダゾール−3−カルボニトリル
1H−インダゾール−3−カルボキサミド(0.400g,2.48mmol)をピリジン(4mL)と乾燥ジクロロメタン(4mL)に溶解した。トリフルオロ酢酸無水物(0.863mL,6.20mmol)を加え、反応混合物を室温で10分間撹拌した。反応混合物を減圧濃縮し、残渣を酢酸エチルで抽出後、水、飽和炭酸水素ナトリウム及び飽和ブラインで洗浄した。有機相を硫酸ナトリウムで乾燥し、濾過し、濃縮し、標記化合物を得た。
【0220】
ステップ8:1−(1H−インダゾール−3−イル)メタンアミン
1H−インダゾール−3−カルボニトリル(0.360g,2.51mmol)をメタノールに溶解し、溶液を窒素パージした。ラネーニッケルを加え、反応混合物を1気圧水素下に室温で一晩撹拌した。触媒を濾過し、濾液を濃縮し、標記化合物を得た。
【0221】
ステップ9:N−(2,4−ジクロロベンジル)−N’−(1H−インダゾール−3−イルメチル)−N,3−ジメチル−4−(フェニルスルホニル)−1H−ピロール−2,5−ジカルボキサミド
5−{[(2,4−ジクロロベンジル)(メチル)アミノ]カルボニル}−4−メチル−3−(フェニルスルホニル)−1H−ピロール−2−カルボン酸(0.010g,0.021mmol)と、1−(1H−インダゾール−3−イル)メタンアミン(0.0006g,0.042mmol)と、N−ヒドロキシベンゾトリアゾール(0.006g,0.042mmol)と、N−(3−ジメチルアミノプロピル)N’−エチルカルボジイミド塩酸塩(0.008g,0.042mmol)をジメチルホルムアミド(1mL)に加え、不活性雰囲気下に室温で一晩撹拌した。アセトニトリル中0.1%トリフルオロ酢酸と水中0.1%トリフルオロ酢酸による勾配溶出を使用して生成物を逆相HPLCにより単離した。純画分を集めて濃縮し、標記化合物を得た。MS(M+1)610.1069。
【0222】
(実施例72〜77)
実施例71と同様の手順を使用して表Eの化合物を製造した。下表は各化合物の構造及び名称とMSにより測定したその分子イオン+1(M+1)の質量を示す。化合物を塩として製造した場合には遊離塩基の化合物名の後に塩名を括弧内に記載する。
【0223】
【表6】
【0224】
(実施例78)
4−メチル−3−(フェニルスルホニル)−5−(1,3,4,5−テトラヒドロ−2H−2−ベンゾアゼピン−2−イルカルボニル)−1H−ピロール−−カルボキサミド
【0225】
【化21】
【0226】
ステップ1:3,5−ジメチル−4−フェニルスルホニル−1H−ピロール−2−カルボン酸エチル
4−(クロロスルホニル)−3,5−ジメチル−1H−ピロール−2−カルボン酸エチル(1.74g,6.55mmol)とベンゼン(0.875mL,9.82mmol)と塩化インジウム(III)(101mg,0.485mmol)をトリフルオロ酢酸(9mL)中で撹拌した。この溶液にトリフルオロメチルスルホン酸(0.698mL,7.86mmol)を加え、得られた反応混合物を60℃まで3時間加熱した。反応混合物を室温まで冷却し、氷水に滴下することによりクエンチした。これをクロロホルム(2×)で抽出した。有機層を合わせて飽和炭酸水素ナトリウム、水、ブラインで洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥し、濾過し、減圧濃縮した。30%酢酸エチル/ヘキサンを溶離液として254mm×40mmシリカゲルカラムでフラッシュクロマトグラフィーにより残渣を精製し、標記化合物を得た。
【0227】
ステップ2:4−メチル−3−(フェニルスルホニル)−5−(1,3,4,5−テトラヒドロ−2H−2−ベンゾアゼピン−2−イルカルボニル)−1H−ピロール−2−カルボキサミド
実施例2に記載の手順に従って上記ステップ1からの3,5−ジメチル−4−フェニルスルホニル−1H−ピロール−2−カルボン酸エチルを5−エトキシカルボニル−4−メチル−3−フェニルスルホニル−1H−ピロール−2−カルボン酸に変換した。(Meyers,A.I.,Hutchings,R.H,Tetrahedron,1993(49)9,1807−1820に記載の手順に従って製造した)2,3,4,5−テトラヒドロ−1H−2−ベンゾアゼピンを第2級アミン成分として使用した以外は実施例40に記載の方法に従って5−エトキシカルボニル−4−メチル−3−フェニルスルホニル−1H−ピロール−2−カルボン酸から標記化合物を製造した。シリカゲルクロマトグラフィーによる精製後に標記化合物を単離した。MS(M+1)438.1487。
【0228】
(実施例79)
4−メチル−3−(3,5−ジメチルフェニルスルホニル)−5−(1,3,4,5−テトラヒドロ−2H−2−ベンゾアゼピン−2−イルカルボニル)−1H−ピロール−2−カルボキサミド
【0229】
【化22】
【0230】
標記化合物は実施例78,ステップ2に記載の方法に従って5−アミノカルボニル−4−[(3,5−ジメチルフェニル)スルホニル]−3−メチル−1H−ピロール−2−カルボン酸と2,3,4,5−テトラヒドロ−1H−2−ベンゾアゼピンから製造した。シリカゲルクロマトグラフィーによる精製後に標記化合物を単離した。MS(M+1)466.1792。
【0231】
(実施例80)
3−[(3,5−ジメチルフェニル)スルホニル]−4−メチル−5−(4,6,7,8−テトラヒドロ−5H−チエノ[3,2−c]アゼピン−5−イルカルボニル)−1H−ピロール−2−カルボキサミド
【0232】
【化23】
【0233】
ステップ1:6,7−ジヒドロ−1−ベンゾチオフェン−4(5H)−オンオキシム
6,7−ジヒドロ−1−ベンゾチオフェン−4(5H)−オン(2.00g,13.13mmol)のエタノール(200mL)溶液に塩酸ヒドロキシルアミン(4.56g,65.69mmol)の5N酢酸ナトリウム(120mL)溶液を加えた。反応混合物を2時間100℃で撹拌した。溶媒を減圧除去し、粗生成物を水に溶解し、酢酸エチルで抽出した。有機相を飽和ブラインで洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥し、濃縮した。勾配溶出(ヘキサン中0→35%酢酸エチル)を使用して粗生成物をシリカゲルクロマトグラフィーにより精製し、標記化合物を得た。MS(M+1)472.1384。
【0234】
(実施例81)
3−[(3,5−ジクロロフェニル)スルホニル]−4−メチル−5−(8−メトキシ−1,3,4,5−テトラヒドロ−2H−2−ベンゾアゼピン−2−イルカルボニル)−1H−ピロール−2−カルボキサミド
【0235】
【化24】
【0236】
ステップ1:8−メトキシ−2,3,4,5−テトラヒドロ−ベンゾ[C]−アゼピン−1−オン
7−メトキシ−テトラロン(2.0g,11.35mmol)の室温の濃HCl(37%,28.4mL)に乳化させたエマルションにナトリウムアジド(0.959g,14.75mmol)を少量ずつ加えた。得られた混合物を室温で一晩撹拌した。反応混合物を脱イオン水で希釈し、固体炭酸ナトリウムを加えてpH10にした。この塩基性水溶液を酢酸エチル(2×)で抽出した。有機層を合わせて水、ブラインで洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥し、濾過し、減圧濃縮した。75%酢酸エチル/ヘキサン→100%酢酸エチルを溶離液として254mm×40mmシリカゲルカラムでフラッシュクロマトグラフィーにより残渣を精製し、標記化合物を白色固体として得た。
【0237】
ステップ2:8−メトキシ−2,3,4,5−テトラヒドロ−ベンゾ[C]−アゼピン
8−メトキシ−2,3,4,5−テトラヒドロ−ベンゾ[C]−アゼピン−1−オン(0.512g,2.68mmol)を窒素下に室温の無水テトラヒドロフラン(13.4mL)中で撹拌した。この透明溶液に水素化アルミニウムリチウムのテトラヒドロフラン(1M,4.02mL)溶液をシリンジで滴下した。得られた反応混合物を80℃で1.5時間還流した。反応混合物を室温まで冷却後、氷浴で0℃まで冷却した。飽和酒石酸ナトリウムカリウムをゆっくりと加えることによりこれをクエンチした。2相を室温で30分間撹拌し、酢酸エチル(2×)で抽出した。有機層を合わせて水、ブラインで洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥し、濾過し、減圧濃縮し、標記化合物を透明油状物として得た。
【0238】
ステップ3:3−[(3,5−ジクロロフェニル)スルホニル]−4−メチル−5−(8−メトキシ−1,3,4,5−テトラヒドロ−2H−2−ベンゾアゼピン−2−イルカルボニル)−1H−ピロール−2−カルボキサミド
実施例2に記載の手順に従って5−アミノカルボニル−4−メチル−3−[(3,5−ジクロロ)フェニルスルホニル]−1H−ピロール−2−カルボン酸を製造した。8−メトキシ−2,3,4,5−テトラヒドロ−ベンゾ[C]−アゼピンを第2級アミン成分として使用した以外は実施例40に記載の方法に従って5−アミノカルボニル−4−メチル−3−[(3,5−ジクロロ)フェニルスルホニル]−1H−ピロール−2−カルボン酸から標記化合物を製造した。シリカゲルクロマトグラフィーによる精製後に標記化合物を単離した。MS(M+1)536.0798。
【0239】
(実施例82)
3−[(3,5−ジクロロフェニル)スルホニル]−4−メチル−5−(8−ヒドロキシ−1,3,4,5−テトラヒドロ−2H−2−ベンゾアゼピン−2−イルカルボニル)−1H−ピロール−2−カルボキサミド
【0240】
【化25】
【0241】
ステップ1:3−[(3,5−ジクロロフェニル)スルホニル]−4−メチル−5−(8−ヒドロキシ−1,3,4,5−テトラヒドロ−2H−2−ベンゾアゼピン−2−イルカルボニル)−1H−ピロール−2−カルボキサミド
3−[(3,5−ジクロロフェニル)スルホニル]−4−メチル−5−(8−メトキシ−1,3,4,5−テトラヒドロ−2H−2−ベンゾアゼピン−2−イルカルボニル)−1H−ピロール−2−カルボキサミド(75mg,0.14mmol)を窒素下に無水ジクロロメタン中で撹拌し、氷浴で0℃まで冷却した。三臭化ホウ素(280μl,1M/ジクロロメタン)を加え、得られた溶液を室温で18時間撹拌した。反応混合物をメタノールでクエンチし、30分間撹拌した。これを減圧濃縮した。2%→3%メタノール/ジクロロメタンを溶離液として254mm×20mmシリカゲルカラムでフラッシュクロマトグラフィーにより残渣を精製し、標記化合物を白色固体として得た。MS(M+1)522.0642。
【0242】
(実施例83〜95)
実施例78,ステップ2及び実施例81〜82と同様の手順を使用して表Fの実施例83〜95を製造した。実施例2に記載の方法に従って5−アミノカルボニル−4−[(3,5−ジクロロフェニル)スルホニル]−3−メチル−1H−ピロール−2−カルボン酸を製造した。下表は各化合物の構造及び名称とMSにより測定したその分子イオン+1(M+1)の質量を示す。
【0243】
【表7】
【0244】
(実施例96)
3−[(3,5−ジクロロフェニル)スルホニル]−4−メチル−5−[(2−クロロ−4,6,7,8−テトラヒドロ−5H−チエノ[3,2−c]アゼピン−5−イル)カルボニル]−1H−ピロール−2−カルボキサミド
【0245】
【化26】
【0246】
ステップ1:(4E)−6,7−ジヒドロ−1−ベンゾチオフェン−4(5H)−オンオキシム
6,7−ジヒドロ−1−ベンゾチオフェン−4(5H)−オン(2.00g,13.13mmol)のエタノール(200mL)溶液に塩酸ヒドロキシルアミン(4.56g,65.69mmol)の5N酢酸ナトリウム(120mL)溶液を加えた。反応混合物を2時間100℃で撹拌した。溶媒を減圧除去し、粗生成物を水に溶解し、酢酸エチルで抽出した。有機相を飽和ブラインで洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥し、濃縮した。勾配溶出(ヘキサン中0→35%酢酸エチル)を使用して粗生成物をシリカゲルクロマトグラフィーにより精製し、標記化合物を得た。
【0247】
ステップ2:4,6,7,8−テトラヒドロ−5H−チエノ[3,2−b]アゼピン−5−オン
五酸化リン(11.30g,79.53mmol)をメタンスルホン酸(10.92g,113.61mmol)に撹拌下に加え、撹拌を2時間続けた。次に上記溶液に100℃で撹拌下に(4E)−6,7−ジヒドロ−1−ベンゾチオフェン−4(5H)−オンオキシム(1.90g,11.36mmol)を加えた。4時間110℃油浴で撹拌後、反応混合物を冷却し、飽和炭酸水素ナトリウム10mlを加えることにより注意深くクエンチした。混合物をクロロホルム(50ml×2)で抽出した。クロロホルム溶液を合わせて飽和炭酸水素ナトリウム、水、飽和ブラインで洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥し、濾過し、減圧濃縮した。25%→65%酢酸エチル/ヘキサン勾配溶出を使用してシリカゲルカラム(80g)でフラッシュクロマトグラフィーにより残渣を精製し、標記化合物を分離した。
【0248】
ステップ3:5,6,7,8−テトラヒドロ−4H−チエノ[3,2−c]アゼピン
4,6,7,8−テトラヒドロ−5H−チエノ[3,2−b]アゼピン−5−オン(0.75g,4.48mmol)を乾燥THF 20mlに溶解し、これに水素化アルミニウムリチウム(THF中1N)(6.73ml,6.73mmol)を加えた。得られた混合物を60℃で3時間撹拌した。反応混合物を室温まで冷却した後、氷浴に入れた。気泡が形成されなくなるまで水を滴下することにより反応混合物をクエンチした。更に15分間撹拌後、シリンジフィルターで濾過した。濾液を濃縮し、標記化合物を得た。
【0249】
ステップ4:2−クロロ−5,6,7,8−テトラヒドロ−4H−チエノ[3,2−c]アゼピン
5,6,7,8−テトラヒドロ−4H−チエノ[3,2−c]アゼピン(30mg,0.20mmol)を酢酸(2ml)に溶解し、これに過塩素酸(2.81mg,0.02mmol)とN−クロロスクシンイミド(31mg,0.24mmol)を加えた。得られた混合物を一晩60℃で撹拌した。酢酸を減圧蒸発させ、残渣をメタノール1mlに溶解し、Gilson逆相HPLCにより精製し、標記化合物を得た。
【0250】
ステップ5:3−[(3,5−ジクロロフェニル)スルホニル]−4−メチル−5−[(2−クロロ−4,6,7,8−テトラヒドロ−5H−チエノ[3,2−c]アゼピン−5−イル)カルボニル]−1H−ピロール−2−カルボキサミド
標記化合物は実施例40に記載の手順に従って2−クロロ−5,6,7,8−テトラヒドロ−4H−チエノ[3,2−c]アゼピンから得た。MS(M+1)545.9873。
【0251】
(実施例97)
3−[(3,5−ジクロロフェニル)スルホニル]−4−メチル−5−[(2−(メチルスルホニル)−4,6,7,8−テトラヒドロ−5H−チエノ[3,2−c]アゼピン−5−イル)カルボニル]−1H−ピロール−2−カルボキサミド
【0252】
【化27】
【0253】
ステップ1:2−(メチルチオ)−5,6,7,8−テトラヒドロ−4H−チエノ[3,2−c]アゼピン
(実施例96,ステップ1〜3で製造した)5,6,7,8−テトラヒドロ−4H−チエノ[3,2−c]アゼピン(0.25g,1.57mmol)を乾燥THF 10mlに溶解した。得られた混合物をドライアイス/アセトン浴で−80℃まで冷却し、これにn−ブチルリチウム(0.22g,3.45mmol)のシクロヘキサン(1N)溶液を加えた。得られた混合物を−80℃で1時間撹拌し、二硫化メチル(0.74g,7.83mmol)を加えた後、室温まで昇温し、一晩撹拌した。溶媒と過剰試薬を減圧除去し、粗生成物を酢酸エチル(30mL)に懸濁し、ブラインで洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥し、濃縮した。粗生成物を逆相HPLCで精製し、標記化合物を得た。
【0254】
ステップ2:3−[(3,5−ジクロロフェニル)スルホニル]−4−メチル−5−[(2−(メチルスルホニル)−4,6,7,8−テトラヒドロ−5H−チエノ[3,2−c]アゼピン−5−イル)カルボニル]−1H−ピロール−2−カルボキサミド
実施例40に記載の手順に従って3−[(3,5−ジクロロフェニル)スルホニル]−4−メチル−5−[(2−(メチルチオ)−4,6,7,8−テトラヒドロ−5H−チエノ[3,2−c]アゼピン−5−イル)カルボニル]−1H−ピロール−2−カルボキサミドを製造した。実施例1,ステップ2の反応に従ってこれを酸化し、標記化合物を得た。標記化合物を逆相HPLC(勾配0.1%TFA/アセトニトリル及び0.1%TFA水溶液)により精製した。MS(m+1)590.0023。
【0255】
(実施例98)
3−[(3,5−ジメチルフェニル)スルホニル]−4−メチル−5−[(2−(メチルスルホニル)−4,6,7,8−テトラヒドロ−5H−チエノ[3,2−c]アゼピン−5−イル)カルボニル]−1H−ピロール−2−カルボキサミド
【0256】
【化28】
【0257】
標記化合物は5−アミノカルボニル−3−メチル−4−[(3,5−ジクロロフェニル)スルホニル−1H−ピロール−2−カルボン酸の代わりに5−アミノカルボニル−3−メチル−4−[(3,5−ジメチルフェニル)スルホニル−1H−ピロール−2−カルボン酸を使用した以外は実施例97に記載の手順に従って製造した。精製後に標記化合物を得た。MS(M+1)550.1121。
【0258】
(実施例99〜114)
実施例41,ステップ1〜2及び実施例40と同様の手順を使用して下表Gの実施例99〜104を製造し、保護化合物を製造した。純保護化合物をジクロロメタン/トリフルオロ酢酸(1/1)の混合物に溶解し、30分間撹拌した。溶媒とTFAを蒸発させ、実施例99〜104の化合物を得た。
【0259】
実施例4,ステップ1及び実施例40と同様の手順を使用して下表Gの実施例105〜114を製造した。
【0260】
下表は各化合物(TFA塩)の構造及び名称(遊離塩基)とMSにより測定したその分子イオン+1(M+1)の質量を示す。
【0261】
【表8】
【0262】
(実施例115)
N2−[(2−アミノ−3−フルオロピリジン−4−イル)メチル]−3−イソプロピル−N2−メチル−4−(フェニルスルホニル)−1H−ピロール−2,5−ジカルボキサミド
【0263】
【化29】
【0264】
ステップ1:2,3−ジフルオロ−N−メチルイソニコチンアミド
2,3−ジフルオロイソニコチン酸(0.994g,6.25mmol)と、N−ヒドロキシベンゾトリアゾール(1.244g,8.12mmol)と、N−(3−ジメチルアミノプロピル)N’−エチルカルボジイミド塩酸塩(1.198g,6.25mmol)と、メタンアミン(MeOH中2N)6mlのジメチルホルムアミド(5mL)溶液を一晩撹拌した。反応混合物を冷水30mLに注ぎ、EtOAc(50mL×2)で抽出した。EtOAc溶液を合わせてブラインで洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥し、濃縮し、標記化合物を得た。
【0265】
ステップ2:3−フルオロ−2−[(4−メトキシベンジル)アミノ]−N−メチルイソニコチンアミド
2,3−ジフルオロ−N−メチルイソニコチンアミド(0.822g,4.78mmol)と、4−メトキシベンジルアミン(0.983g,7.16mmol)と、炭酸カリウム(0.990g,7.16mmol)をジメチルスルホキシド15mLに溶解した溶液を密閉し、120℃で1時間撹拌した。反応混合物を室温まで冷却後、冷水50mLに注ぎ、EtOAc(50mL×2)で抽出した。酢酸エチル溶液を合わせてブラインで洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥し、濃縮した。25%→65%酢酸エチル/ヘキサン勾配溶出を使用してシリカゲルカラム(40g)でフラッシュクロマトグラフィーにより標記化合物を精製し、標記化合物を分離した。
【0266】
ステップ3:3−フルオロ−N−(4−メトキシベンジル)−4−[(メチルアミノ)メチル]ピリジン−2−アミン
3−フルオロ−2−[(4−メトキシベンジル)アミノ]−N−メチルイソニコチンアミド(0.100g,0.346mmol)を乾燥THF 0.5mLに溶解し、これにボラン−硫化メチル(0.691ml,1.383mmol)のTHF(2M)溶液を加え、得られた溶液を60℃で2時間撹拌した。水数滴と1N HCl 1mLを順次加えることにより反応混合物をクエンチし、一晩撹拌した。これを酢酸エチル(5mL×2)で抽出した。溶媒を除去し、残渣をDMF 1mLに溶解し、逆相HPLCで精製し、標記化合物を得た。
【0267】
ステップ4:N2−[(2−アミノ−3−フルオロピリジン−4−イル)メチル]−3−イソプロピル−N2−メチル−4−(フェニルスルホニル)−1H−ピロール−2,5−ジカルボキサミド
実施例40と同様の手順を使用して保護化合物を製造した。純保護化合物をジクロロメタン/トリフルオロ酢酸(1/1)の混合物に溶解し、60℃で2時間撹拌した。標記化合物を更に逆相HPLCで精製した。MS(M+1)474.1533。
【0268】
(実施例116)
N−(2,4−ジクロロベンジル)−N,3−ジメチル−4−(1−ピロリジニルスルホニル)−1H−ピロール−2,5−ジカルボキサミド
【0269】
【化30】
【0270】
ステップ1:3,5−ジメチル−4−(ピロリジン−1−イルスルホニル)−1H−ピロール−2−カルボン酸エチル
4−(クロロスルホニル)−3,5−ジメチル−1H−ピロール−2−カルボン酸エチル(2.06g,7.75mmol)の無水ジクロロメタン(60mL)溶液にピロリジン(1.27mL,15.5mmol)をシリンジで加えた。これを室温で1時間撹拌した。反応混合物をジクロロメタンで希釈し、1N HCl、水、ブラインで洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥し、濾過し、減圧濃縮した。残渣にエーテルを加えてトリチュレーションし、標記化合物をオフホワイト固体として得た。
【0271】
ステップ2:5−ホルミル−3−メチル−4−(ピロリジン−1−イルスルホニル)−1H−ピロール−2−カルボン酸エチル
3,5−ジメチル−4−(ピロリジン−1−イルスルホニル)−1H−ピロール−2−カルボン酸エチル(2.00g,6.64mmol)の無水ジクロロメタン(60mL)懸濁液に塩化スルフリル(1.62mL,19.97mmol)を滴下した。得られた溶液を室温で1時間撹拌した。反応混合物を減圧濃縮し、1:1アセトン:水(60mL)で希釈した。溶液を15分間加熱還流した。アセトンを減圧除去し、水層をジクロロメタンで抽出した。層分離し、有機層をブラインで洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥し、濾過し、減圧濃縮し、標記化合物を得た。
【0272】
ステップ3:5−(エトキシカルボニル)−4−メチル−3−(ピロリジン−1−イルスルホニル)−1H−ピロール−2−カルボン酸
5−ホルミル−3−メチル−4−(ピロリジン−1−イルスルホニル)−1H−ピロール−2−カルボン酸エチル(2.00g,6.36mmol)を最少量のテトラヒドロフラン(10mL)に溶解した。この溶液に撹拌下にt−ブタノール(20mL)と2−メチル−2−ブテン(5mL)を加えた。亜塩素酸ナトリウム(0.690g,7.63mmol)とリン酸二水素ナトリウム(0.840g,7.00mmol)の脱イオン水(30mL)溶液を反応混合物に加えた。得られた混合物を室温で2時間撹拌した。有機揮発分を減圧除去し、残留水相をジクロロメタンで抽出した。層分離し、有機層をブラインで洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥し、濾過し、減圧濃縮し、標記化合物を得た。
【0273】
ステップ4:5−(アミノカルボニル)−3−メチル−4−(ピロリジン−1−イルスルホニル)−1H−ピロール−2−カルボン酸エチル
5−(エトキシカルボニル)−4−メチル−3−(ピロリジン−1−イルスルホニル)−1H−ピロール−2−カルボン酸(0.500g,1.51mmol)と、N−(3−ジメチルアミノプロピル)N’−エチルカルボジイミド塩酸塩(0.363g,1.89mmol)と、N−ヒドロキシベンゾトリアゾール(0.278g,1.81mmol)を窒素下に無水アセトニトリル(10mL)中で撹拌した。得られたこの溶液に水酸化アンモニウム(29%,0.365mL,3.03mmol)を加えると、白色沈殿が形成された。これを15分間室温で撹拌した。反応混合物を減圧濃縮し、残渣を水とジクロロメタンに分配した。層分離し、有機層をブラインで洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥し、濾過し、減圧濃縮し、標記化合物を得た。
【0274】
ステップ5:5−(アミノカルボニル)−3−メチル−4−(ピロリジン−1−イルスルホニル)−1H−ピロール−2−カルボン酸
5−(アミノカルボニル)−3−メチル−4−(ピロリジン−1−イルスルホニル)−1H−ピロール−2−カルボン酸エチル(0.400g,1.21mmol)を1,2−ジメトキシエタン(12mL)中で撹拌した。1N水酸化リチウム(12mL,12mmol)をこの溶液に加え、得られた混合物を80℃まで5時間加熱した。有機相を減圧除去し、残留水相を1N HClでpH3とした。これを酢酸エチル(2×)で抽出した。有機層を合わせて水、ブラインで洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥し、濾過し、減圧濃縮し、標記化合物を得た。
【0275】
ステップ6:N−(2,4−ジクロロベンジル)−N,3−ジメチル−4−(1−ピロリジニルスルホニル)−1H−ピロール−2,5−ジカルボキサミド
5−(アミノカルボニル)−3−メチル−4−(ピロリジン−1−イルスルホニル)−1H−ピロール−2−カルボン酸(41mg,0.14mmol)と、N−(3−ジメチルアミノプロピル)N’−エチルカルボジイミド塩酸塩(52mg,0.27mmol)と、N−ヒドロキシベンゾトリアゾール(42mg,0.27mmol)を窒素下に無水アセトニトリル(1mL)中で撹拌した。反応混合物にトリエチルアミン(0.036mL,0.27mmol)を加えた後、2,4−ジクロロベンジル−N−メチルアミン塩酸塩(46mg,0.20mmol)を加えた。得られた混合物を一晩室温で撹拌した。反応混合物を減圧濃縮し、残渣を水と酢酸エチルに分配した。層分離し、有機層をブラインで洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥し、濾過し、減圧濃縮した。2%メタノール:ジクロロメタンを溶離液としてシリカゲルカラム(50×20mm)でフラッシュクロマトグラフィーにより標記化合物を精製した。MS(M+1)=473.0801。
【0276】
(実施例117)
N−(2−クロロベンジル)−N,3−ジメチル−N’−(2−ピリジニルメチル)−4−(1−ピロリジニルスルホニル)−1H−ピロール−2,5−ジカルボキサミド
【0277】
【化31】
【0278】
標記化合物はステップ4で5−(エトキシカルボニル)−4−メチル−3−(ピロリジン−1−イルスルホニル)−1H−ピロール−2−カルボン酸(150mg,0.45mmol)と、N−(3−ジメチルアミノプロピル)N’−エチルカルボジイミド塩酸塩(109mg,0.57mmol)と、N−ヒドロキシベンゾトリアゾール(87mg,0.57mmol)と、水酸化アンモニウムの代わりに2−ピリジルメチルアミン(98mg,0.91mmol)を使用し、ステップ6で2,4−クロロベンジル−N−メチルアミン塩酸塩の代わりに2−クロロベンジル−N−メチルアミンを使用した以外はN−(2,4−ジクロロベンジル)−N,3−ジメチル−4−(1−ピロリジニルスルホニル)−1H−ピロール−2,5−ジカルボキサミドについて記載したと同様に製造した。標記化合物をフラッシュクロマトグラフィーにより精製した。MS(M+1)=530.1621。
【0279】
(実施例118〜119)
実施例116と同様の手順を使用して下表Hの化合物を製造した。下表は各化合物の構造及び名称とMSにより測定したその分子イオン+1(M+1)の質量を示す。化合物を塩として製造した場合には遊離塩基の化合物名の後に塩名を括弧内に記載する。
【0280】
【表9】
【0281】
(実施例120)
カプセル経口組成物
標準2部分ゼラチンカプセルに各々実施例1の標記化合物100mgと、ラクトース150mgと、セルロース50mgと、ステアリン酸3mgをを充填することにより、本発明で使用するのに適したカプセル製剤を製造することができる。実施例2〜119の標記化合物のいずれか1種を含有するカプセル経口組成物も同様に製造することができる。
【0282】
(実施例121)
HIV逆転写酵素阻害SPAアッセイ
本発明の化合物によるHIV逆転写酵素のin vitro阻害を測定するためのアッセイを以下のように実施した。アッセイバッファー(50mM Tris−HCl,pH7.8,1mMジチオスレイトール,6mM MgCl2,80mM KCl,0.025%CHAPS,0.1mM EGTA)にHIV−1 RT酵素(1nM)と阻害剤又はDMSO(5%)を添加し、混合物をマイクロタイターOptiplates(Packard)で30分間室温にてプレインキュベートした。反応混合物100μLにプライマー−鋳型基質(終濃度10nM)とdNTP(0.6μM dNTP,0.75μM[3H]−dGTP)の組み合わせを添加して反応を開始した。ヘテロダイマー核酸基質はin vitro転写により作製した500ヌクレオチドRNA鋳型であるt500(Shaw−Reidら,J.Biol.Chem.,278:2777−2780参照)にDNAプライマーpD500(Shaw−Reidら,J.Biol.Chem.,278:2777−2780に記載;Integrated DNA Technologiesから入手)をアニールすることにより作製した。1時間37℃でインキュベーション後、0.5M EDTA,pH8中、ストレプトアビジンシンチレーション近接アッセイビーズ(10mg/mL,Amersham Biosciences製品)10μLにより反応をクエンチした。マイクロタイタープレートを更に10分間37℃でインキュベートした後にTopcount(Packard)で定量した。本発明の代表的化合物はこのアッセイで逆転写酵素の阻害を示す。例えば、上記実施例1〜11、13〜15、20、21、25〜27、32、34、36〜39、43、44、54、57、71〜77、116及び117に記載した標記化合物をこのアッセイで試験した処、いずれもIC50値は5マイクロモル未満であることが判明した。
【0283】
突然変異体HIV逆転写酵素に対する本発明の化合物のin vitro阻害を測定するために突然変異体HIV株を代用して同様のアッセイを実施した。一方の株では逆転写酵素はY181C突然変異をもち、他方の株では逆転写酵素はK103N突然変異をもつ。これらの突然変異はQUIKCHANGE部位特異的突然変異誘発キット(Stratagene)を使用して作製した。本発明の代表的化合物はこれらのアッセイで逆転写酵素の阻害を示す。例えば、上記実施例1〜11、13〜15、20、21、25〜27、32、34、36〜39、43、44、54、57、71〜77及び116〜119に記載した標記化合物をこれらのアッセイで試験した処、IC50値はY181Cアッセイでは8マイクロモル未満であり、K103Nアッセイでは5マイクロモル未満であることが判明した。
【0284】
(実施例122)
HIV逆転写酵素阻害ECLアッセイ
本発明の化合物によるHIV逆転写酵素のin vitro阻害を測定するための別のアッセイを以下のように実施した。アッセイバッファー(50mM Tris−HCl,pH7.8,1mMジチオスレイトール,6mM MgCl2,80mM KCl,0.025%CHAPS,0.1mM EGTA)にHIV−1 RT酵素(0.1nM)と阻害剤又はDMSO(10%)を添加し、混合物をマイクロタイタープレート(Costar #3359)で30分間室温にてプレインキュベートした。反応混合物100μLにプライマー−鋳型基質(終濃度10nM)とdNTP(0.6μM dNTP,1.25μM BrdUTP)の組み合わせを添加して反応を開始した。ヘテロダイマー核酸基質はin vitro転写により作製した500ヌクレオチドRNA鋳型であるt500(Shaw−Reidら,J.Biol.Chem.,278:2777−2780参照)にDNAプライマーpD500(Shaw−Reidら,J.Biol.Chem.,278:2777−2780に記載;Integrated DNA Technologiesから入手)をアニールすることにより作製した。1時間37℃でインキュベーション後、1N NaOH 10μLにより反応をクエンチした。マイクロタイタープレートを更に30分間室温でインキュベートした後に1N HCl 10μLで中和した。ルテニウム標識抗BrdU抗体を加えた検出用緩衝液の混合物とストレプトアビジンを被覆した磁気ビーズをプレートに加え、室温で1.5時間インキュベートした後に電気化学発光計器で定量した。本発明の代表的化合物はこのアッセイで逆転写酵素の阻害を示す。例えば、実施例12、16〜19、22〜24、26、28〜31、33、35、40〜42、45〜53、55、56、58〜70、70A、70B、78〜84及び86〜115に記載した標記化合物をこのアッセイで試験した処、いずれもIC50値は5マイクロモル未満であることが判明した。(実施例85の化合物は本アッセイでは試験しなかった。)
突然変異体HIV逆転写酵素に対する本発明の化合物のin vitro阻害を測定するために突然変異体HIV株を代用して同様のアッセイを実施した。一方の株では逆転写酵素はY181C突然変異をもち、他方の株では逆転写酵素はK103N突然変異をもつ。これらの突然変異はQUIKCHANGE部位特異的突然変異誘発キット(Stratagene)を使用して作製した。本発明の代表的化合物はこれらのアッセイで逆転写酵素の阻害を示す。例えば、上記実施例12、16〜19、22〜24、26、28〜31、33、35、40〜42、45〜53、55、56、58〜70、70A、70B、78〜84及び86〜115に記載した標記化合物をこれらのアッセイで試験した処、IC50値はY181Cアッセイでは8マイクロモル未満であり、K103Nアッセイでは5マイクロモル未満であることが判明した。(実施例85の化合物はこれらのアッセイでは試験しなかった。)。
【0285】
(実施例123)
HIV複製阻害アッセイ
Vacca,J.P.ら,Proc.Natl.Acad.Sci.USA 1994,91:4096に従ってTリンパ球の急性HIV−1感染の阻害アッセイ(「感染アッセイ」とも言う)を実施した。このアッセイは(10%FBSを使用して)野生型HIV−1株とY181C又はK103N突然変異を含むHIV株の阻害について試験した。本発明の代表的化合物は野生型HIV−1株と突然変異体株を使用するこのアッセイでHIV複製の阻害を示す。例えば、実施例1〜119(実施例70A及び70Bを含む)に記載した化合物は野生型株を使用するアッセイでCIC95値が1000ナノモル未満であることが判明した。実施例1〜5、7〜70、70A、70B、71〜77及び79〜119の化合物はY181C突然変異体株を使用するアッセイで8000ナノモル未満のCIC95値を示した。(なお、実施例6の化合物は833nM濃度までしか試験せず、CIC95値は>833nMであった。実施例78の化合物はY1818Cアッセイで試験しなかった。)実施例1〜119(実施例70A及び70Bを含む)の化合物はK103N突然変異体株を使用するアッセイでCIC95値が1000ナノモル未満であった。
【0286】
K103N及びY181C突然変異の両方を含む突然変異体株を使用する同様のアッセイにおいて、実施例70A、70B及び78〜115の化合物のCIC95値は1000ナノモル未満であった。
【0287】
(実施例124)
細胞毒性
対照培養液に比較してpH不均衡、細胞異常、細胞分裂停止、細胞変性又は結晶化(即ち、化合物が不溶性であるか又はウェル内で結晶を形成する)の形態変化のいずれかについて熟練分析者が各培養液を観察することにより、感染アッセイにおける各ウェルの細胞の顕微鏡試験により細胞毒性を測定した。所与化合物に割り当てる毒性値は上記変化の1種が観察される化合物の最低濃度である。本発明の代表的化合物は8マイクロモルまでの濃度で細胞毒性を示さない。特に、実施例1〜119に記載した化合物は8マイクロモルまでの濃度で細胞毒性を示さなかった。
【0288】
以上の明細書の記載は本発明の原理を教示するものであり、例証の目的で実施例を記載したが、本発明の実施は以下の特許請求の範囲に該当する通常の全変形、応用及び/又は変更を包含する。
【技術分野】
【0001】
本発明は所定のピロール類及びその医薬的に許容可能な塩と、HIV逆転写酵素の阻害、HIV感染及びHIV複製の予防、HIV感染及びHIV複製の治療、エイズの予防、エイズの治療、並びにエイズの発症及び/又は進行遅延におけるその使用に関する。
【背景技術】
【0002】
ヒト免疫不全ウイルス(HIV)と呼ばれるレトロウイルス、特にHIV1型(HIV−1)及び2型(HIV−2)ウイルスと呼ばれる株は後天性免疫不全症候群(エイズ)と呼ばれる免疫低下疾患の病因に関連付けられてきた。HIV血清陽性個体は初期は無症候であるが、一般にエイズ関連症候群(ARC)を発症した後、エイズを発症する。疾患個体は重度免疫低下を示すため、非常に衰弱し易く、最終的に致死性日和見感染症となる。宿主細胞がHIVを複製するにはウイルスゲノムが宿主細胞のDNAに組込まれる必要がある。HIVはレトロウイルスであるため、HIV複製サイクルには、逆転写酵素(RT)と呼ばれる酵素によりウイルスRNAゲノムがDNAに転写される必要がある。
【0003】
逆転写酵素には以下の3種の酵素機能がある。即ち、これらの酵素はRNA依存性DNAポリメラーゼ、リボヌクレアーゼ及びDNA依存性DNAポリメラーゼとして機能する。RNA依存性DNAポリメラーゼとしてのその役割において、RTはウイルスRNAの1本鎖DNAコピーを転写する。リボヌクレアーゼとして、RTは元のウイルスRNAを破壊し、元のRNAから生成されたばかりのDNAを放出する。更に、DNA依存性DNAポリメラーゼとして、RTは第1のDNA鎖を鋳型として使用して第2の相補的DNA鎖を生成する。2本の鎖は2本鎖DNAを形成し、インテグラーゼ酵素により宿主細胞のゲノムに組込まれる。
【0004】
HIV RTの酵素機能を阻害する化合物が感染細胞におけるHIV複製を阻害することは知られている。これらの化合物はヒトにおけるHIV感染の予防又は治療に有用である。HIV感染とエイズの治療用に認可されている化合物としてはRT阻害剤である3’−アジド−3’−デオキシチミジン(AZT)、2’,3’−ジデオキシイノシン(ddI)、2’,3’−ジデオキシシチジン(ddC)、d4T、3TC、ネビラピン、デラビルジン、エファビレンツ及びアバカビルが挙げられる。
【0005】
上記各薬剤はHIV感染とエイズの治療に有効であるが、他のRT阻害剤を含む他のHIV抗ウイルス薬の開発が必要とされている。特に問題となるのは公知阻害剤に耐性の突然変異体HIV株の出現である。エイズの治療にRT阻害剤を使用すると、阻害剤に対するウイルスの感受性が低下する。この耐性は一般にpol遺伝子の逆転写酵素セグメントに存在する突然変異の結果である。HIV感染を予防するために抗ウイルス化合物を持続使用すると、不可避的に新規HIV耐性株が出現する。従って、突然変異体HIV株に対して有効な新規RT阻害剤が特に必要である。
【0006】
以下の文献が背景技術として重要である。
【0007】
ウィリアムズ(Williams)ら,J.Med.Chem,1993年,第36巻,1291−1294頁は非ヌクレオシド系HIV−1逆転写酵素阻害剤としての5−クロロ−3−(フェニルスルホニル)インドール−2−カルボキサミドを開示している。
【0008】
ヤング(Young)ら,Bioorg.& Med.Chem.Letters,1995年,第5巻,491−496頁はHIV−1逆転写酵素阻害剤としての所定の2−複素環式インドール−3−スルホンを開示している。
【0009】
英国特許第2,282,808号明細書はHIV逆転写酵素とその耐性変異体の阻害剤としての所定の2−複素環式インドール−3−スルホンを開示している。
【0010】
米国特許第5,527,819号明細書はHIV逆転写酵素阻害剤としての所定の2−アシル置換インドール−3−スルホンを開示している。
【0011】
国際公開第02/083216A1号及び2004/014364A1号パンフレットは各々HIV治療用の所定の置換フェニルインドールを開示している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0012】
【特許文献1】英国特許第2,282,808号明細書
【特許文献2】米国特許第5,527,819号明細書
【特許文献3】国際公開第02/083216A1号
【特許文献4】国際公開第2004/014364A1号
【非特許文献】
【0013】
【非特許文献1】ウィリアムズ(Williams)ら,J.Med.Chem,1993年,第36巻,1291−1294頁
【非特許文献2】ヤング(Young)ら,Bioorg.& Med.Chem.Letters,1995年,第5巻,491−496頁
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0014】
本発明は所定のピロール−2,5−ジカルボキサミド化合物と、HIV逆転写酵素の阻害、HIV感染の予防、HIV感染の治療、並びにエイズ及び/又はARCの予防、治療、及び発症又は進行遅延におけるその使用に関する。
【課題を解決するための手段】
【0015】
より詳細には、本発明は式I:
【0016】
【化1】
{式中、
XはS、S(O)、S(O)2、P(O)−OT、P(S)−OT又はP(N−U)−OTであり;
TはH又は独立してR2と同義であり;
Uは独立してRKと同義であり;
R1はC(O)NRKRLであり;
RKとRLの一方はHであり、RKとRLの他方は
(1)H、
(2)C1−6アルキル、
(3)場合によりO−C1−6アルキル、C(O)RA、CO2RA、C(O)N(RA)RB、SRA、S(O)RAもしくはSO2RAで置換されたC1−6ハロアルキル、
(4)各々OH、O−C1−6アルキル、O−C1−6ハロアルキル、CN、NO2、N(RA)RB、C(O)N(RA)RB、C(O)RA、CO2RA、SRA、S(O)RA、SO2RA、SO2N(RA)RB、N(RA)C(O)RB、N(RA)CO2RB、N(RA)SO2RB、N(RA)SO2N(RA)RB、OC(O)N(RA)RBもしくはN(RA)C(O)N(RA)RBである1〜3個の置換基で置換されたC1−6アルキル、
(5)CycA、
(6)AryA、
(7)HetA、
(8)CycA、AryAもしくはHetAで置換されたC1−6アルキル、又は
(9)Y1−CycA、Y1−AryAもしくはY1−HetAで置換されたC1−6アルキルであり;
R2は
(1)C1−6アルキル、
(3)場合によりO−C1−6アルキル、C(O)RA、CO2RA、C(O)N(RA)RB、SRA、S(O)RAもしくはSO2RAで置換されたC1−6ハロアルキル、
(4)各々OH、O−C1−6アルキル、O−C1−6ハロアルキル、CN、NO2、N(RA)RB、C(O)N(RA)RB、C(O)RA、CO2RA、SRA、S(O)RA、SO2RA、SO2N(RA)RB、N(RA)C(O)RB、N(RA)CO2RB、N(RA)SO2RB、N(RA)SO2N(RA)RB、OC(O)N(RA)RBもしくはN(RA)C(O)N(RA)RBである1〜3個の置換基で置換されたC1−6アルキル、
(3)CycB、
(4)AryB、
(5)HetB、
(6)CycB、AryBもしくはHetBで置換されたC1−6アルキル、
(7)N(RA)RB、
(8)N(RA)−C1−6アルキル[式中、アルキルは各々OH、O−C1−6アルキル、O−C1−6ハロアルキル、CN、NO2、N(RA)RB、C(O)N(RA)RB、C(O)RA、CO2RA、SRA、S(O)RA、SO2RA、SO2N(RA)RB、N(RA)C(O)RB、N(RA)CO2RB、N(RA)SO2RB、N(RA)SO2N(RA)RB、OC(O)N(RA)RB又はN(RA)C(O)N(RA)RBである1〜3個の置換基で置換されており、但し、OH、O−C1−6アルキル又はO−C1−6ハロアルキルは分子の残余に直接結合しているC1−6アルキルの炭素には結合しない]、
(9)N(RA)−CycB、
(10)N(RA)−AryB、
(11)N(RA)−HetB、
(12)N(RA)−C1−6アルキル(式中、アルキルはCycB、AryB又はHetBで置換されている)、
(13)各々OH、O−C1−6アルキル、O−C1−6ハロアルキル、CN、NO2、N(RA)RB、C(O)N(RA)RB、C(O)RA、CO2RA、SRA、S(O)RA、SO2RA、SO2N(RA)RB、N(RA)C(O)RB、N(RA)CO2RB、N(RA)SO2RB、N(RA)SO2N(RA)RB、OC(O)N(RA)RBもしくはN(RA)C(O)N(RA)RBである1〜3個の置換基で置換されたC2−6アルケニル、
(14)CycB、AryBもしくはHetBで置換されたC2−6アルケニル、
(15)各々OH、O−C1−6アルキル、O−C1−6ハロアルキル、CN、NO2、N(RA)RB、C(O)N(RA)RB、C(O)RA、CO2RA、SRA、S(O)RA、SO2RA、SO2N(RA)RB、N(RA)C(O)RB、N(RA)CO2RB、N(RA)SO2RB、N(RA)SO2N(RA)RB、OC(O)N(RA)RBもしくはN(RA)C(O)N(RA)RBである1〜3個の置換基で置換されたC2−6アルキニル、又は
(16)CycB、AryBもしくはHetBで置換されたC2−6アルキニルであり;
R3は
(1)H、
(2)ハロゲン、
(3)C1−6アルキル、
(4)場合によりO−C1−6アルキル、C(O)RA、CO2RA、C(O)N(RA)RB、SRA、S(O)RAもしくはSO2RAで置換されたC1−6ハロアルキル、
(5)各々OH、O−C1−6アルキル、O−C1−6ハロアルキル、CN、NO2、N(RA)RB、C(O)N(RA)RB、C(O)RA、CO2RA、SRA、S(O)RA、SO2RA、SO2N(RA)RB、N(RA)C(O)RB、N(RA)CO2RB、N(RA)SO2RB、N(RA)SO2N(RA)RB、OC(O)N(RA)RBもしくはN(RA)C(O)N(RA)RBである1〜3個の置換基で置換されたC1−6アルキル、
(6)CycC、
(7)AryC、
(8)HetC、
(9)CycC、AryCもしくはHetCで置換されたC1−6アルキル、又は
(10)Y2−CycC、Y2−AryCもしくはY2−HetCで置換されたC1−6アルキルであり;
R4は
(1)H、
(2)C1−6アルキル
(3)場合によりO−C1−6アルキル、C(O)RA、CO2RA C(O)N(RA)RB、SRA、S(O)RAもしくはSO2RAで置換されたC1−6ハロアルキル、
(4)各々OH、O−C1−6アルキル、O−C1−6ハロアルキル、CN、NO2、N(RA)RB、C(O)N(RA)RB、C(O)RA、CO2RA、SRA、S(O)RA、SO2RA、SO2N(RA)RB、N(RA)C(O)RB、N(RA)CO2RB、N(RA)SO2RB、N(RA)SO2N(RA)RB、OC(O)N(RA)RBもしくはN(RA)C(O)N(RA)RBである1〜3個の置換基で置換されたC1−6アルキル、
(5)CycD、
(6)AryD、
(7)HetD、
(8)CycD、AryDもしくはHetDで置換されたC1−6アルキル、又は
(9)Y3−CycD、Y3−AryDもしくはY3−HetDで置換されたC1−6アルキルであり;
R5は
(1)C1−6アルキル、
(2)場合によりO−C1−6アルキル、C(O)RA、CO2RA、C(O)N(RA)RB、SRA、S(O)RAもしくはSO2RAで置換されたC1−6ハロアルキル、
(3)各々OH、O−C1−6アルキル、O−C1−6ハロアルキル、CN、NO2、N(RA)RB、C(O)N(RA)RB、C(O)RA、CO2RA、SRA、S(O)RA、SO2RA、SO2N(RA)RB、N(RA)C(O)RB、N(RA)CO2RB、N(RA)SO2RB、N(RA)SO2N(RA)RB、OC(O)N(RA)RBもしくはN(RA)C(O)N(RA)RBである1〜3個の置換基で置換されたC1−6アルキル、
(4)CycE、
(5)AryE、
(6)HetE、
(7)CycE、AryEもしくはHetEで置換されたC1−6アルキル、又は
(8)Y4−CycE、Y4−AryEもしくはY4−HetEで置換されたC1−6アルキルであり;
あるいはR4とR5は両者が結合している窒素原子と一緒になり、
(i)場合によりR4及びR5と結合している窒素以外にN、O及びS[なお、各Sは場合によりS(O)又はS(O)2に酸化されている]から選択される1又は2個のヘテロ原子を含む4〜7員飽和又は不飽和単環を形成するか、あるいは
(ii)7〜12員二環系を形成し、(ii)の各環は相互に独立しているか、縮合しているか、又は架橋しており、各環は飽和又は不飽和であり、前記二環系は場合によりR4及びR5と結合している窒素以外にN、O及びS[なお、各Sは場合によりS(O)又はS(O)2に酸化されている]から選択される1〜3個のヘテロ原子を含み、
前記単環又は二環系は場合により各々独立して
(1)C1−6アルキル、
(2)場合によりO−C1−6アルキル、C(O)RA、CO2RA、C(O)N(RA)RB、SRA、S(O)RAもしくはSO2RAで置換されたC1−6ハロアルキル、
(3)各々OH、O−C1−6アルキル、O−C1−6ハロアルキル、CN、NO2、N(RA)RB、C(O)N(RA)RB、C(O)RA、CO2RA、SRA、S(O)RA、SO2RAもしくはSO2N(RA)RBである1〜3個の置換基で置換されたC1−6アルキル、
(4)O−C1−6アルキル、
(5)O−C1−6ハロアルキル、
(6)OH、
(7)オキソ、
(8)ハロゲン、
(9)CN、
(10)NO2、
(11)N(RA)RB、
(12)C(O)N(RA)RB、
(13)C(O)RA、
(14)C(O)−C1−6ハロアルキル、
(15)C(O)ORA、
(16)OC(O)N(RA)RB、
(17)SRA、
(18)S(O)RA、
(19)S(O)2RA、又は
(20)S(O)2N(RA)RB
である1〜3個の置換基で置換されており、
各RAは独立してH又はC1−6アルキルであり;
各RBは独立してH又はC1−6アルキルであり;
CycAはC3−8シクロアルキル、C5−8シクロアルケニル、又は一方の環が他方の環に縮合もしくは架橋しているC7−12二環式飽和もしくは不飽和非芳香環系である炭素環であり、前記炭素環は場合により合計1〜6個の置換基で置換されており、そのうち、
(i)0〜6個の置換基は各々独立して
(1)ハロゲン、
(2)CN、
(3)C1−6アルキル、
(4)OH、
(5)O−C1−6アルキル、
(6)C1−6ハロアルキル、又は
(7)O−C1−6ハロアルキルであり、
(ii)0〜2個の置換基は各々独立して
(1)CycQ、
(2)AryQ、
(3)HetQ、
(4)HetR、
(4)Z−CycQ、
(5)Z−AryQ、
(6)Z−HetQ、
(7)Z−HetR、又は
(7)CycQ、AryQ、HetQ、HetR、Z−CycQ、Z−AryQ、Z−HetQもしくはZ−HetRで置換されたC1−6アルキルであり;
AryAは場合により合計1〜8個の置換基で置換されたアリールであり、そのうち、
(i)0〜8個の置換基は各々独立して
(1)C1−6アルキル、
(2)場合によりO−C1−6アルキル、C(O)RA、CO2RA、C(O)N(RA)RB、SRA、S(O)RAもしくはSO2RAで置換されたC1−6ハロアルキル、
(3)各々OH、O−C1−6アルキル、O−C1−6ハロアルキル、CN、NO2、N(RA)RB、C(O)N(RA)RB、C(O)RA、CO2RA、SRA、S(O)RA、S(O)2RA、S(O)2N(RA)RB、N(RA)C(O)RB、N(RA)CO2RB、N(RA)S(O)2RB、N(RA)S(O)2N(RA)RB、OC(O)N(RA)RB、N(RA)C(O)N(RA)RBもしくはN(RA)C(O)C(O)N(RA)RBである1〜3個の置換基で置換されたC1−6アルキル、
(4)O−C1−6アルキル、
(5)O−C1−6ハロアルキル、
(6)OH、
(7)ハロゲン、
(8)CN、
(9)NO2、
(10)N(RA)RB、
(11)C(O)N(RA)RB、
(12)C(O)RA、
(13)C(O)−C1−6ハロアルキル、
(14)C(O)ORA、
(15)OC(O)N(RA)RB、
(16)SRA、
(17)S(O)RA、
(18)S(O)2RA、
(19)S(O)2N(RA)RB、
(20)N(RA)S(O)2RB、
(21)N(RA)S(O)2N(RA)RB、
(22)N(RA)C(O)RB、
(23)N(RA)C(O)N(RA)RB、
(24)N(RA)C(O)−C(O)N(RA)RB、
(25)N(RA)CO2RB、
(26)C2−6アルケニル、又は
(27)C2−6アルキニルであり、
(ii)0〜2個の置換基は各々独立して
(1)CycQ、
(2)AryQ、
(3)HetQ、
(4)HetR、
(4)Z−CycQ、
(5)Z−AryQ、
(6)Z−HetQ、
(7)Z−HetR、又は
(8)CycQ、AryQ、HetQ、HetR、Z−CycQ、Z−AryQ、Z−HetQもしくはZ−HetRで置換されたC1−6アルキルであり;
HetAは場合により合計1〜8個の置換基で置換された複素環であり、そのうち、
(i)0〜8個の置換基は各々独立して
(1)C1−6アルキル、
(2)場合によりO−C1−6アルキル、C(O)RA、CO2RA、C(O)N(RA)RB、SRA、S(O)RAもしくはSO2RAで置換されたC1−6ハロアルキル、
(3)各々OH、O−C1−6アルキル、O−C1−6ハロアルキル、CN、NO2、N(RA)RB、C(O)N(RA)RB、C(O)RA、CO2RA、SRA、S(O)RA、S(O)2RA、S(O)2N(RA)RB、N(RA)C(O)RB、N(RA)CO2RB、N(RA)S(O)2RB、N(RA)S(O)2N(RA)RB、OC(O)N(RA)RB、N(RA)C(O)N(RA)RBもしくはN(RA)C(O)C(O)N(RA)RBである1〜3個の置換基で置換されたC1−6アルキル、
(4)O−C1−6アルキル、
(5)O−C1−6ハロアルキル、
(6)OH、
(7)オキソ、
(8)ハロゲン、
(9)CN、
(10)NO2、
(11)N(RA)RB、
(12)C(O)N(RA)RB、
(13)C(O)RA、
(14)C(O)−C1−6ハロアルキル、
(15)C(O)ORA、
(16)OC(O)N(RA)RB、
(17)SRA、
(18)S(O)RA、
(19)S(O)2RA、
(20)S(O)2N(RA)RB、
(21)N(RA)S(O)2RB、
(22)N(RA)S(O)2N(RA)RB、
(23)N(RA)C(O)RB、
(24)N(RA)C(O)N(RA)RB、
(25)N(RA)C(O)−C(O)N(RA)RB、又は
(26)N(RA)CO2RBであり、
(ii)0〜2個の置換基は各々独立して
(1)CycQ、
(2)AryQ、
(3)HetQ、
(4)HetR、
(4)Z−CycQ、
(5)Z−AryQ、
(6)Z−HetQ、
(7)Z−HetR、又は
(7)CycQ、AryQ、HetQ、HetR、Z−CycQ、Z−AryQ、Z−HetQもしくはZ−HetRで置換されたC1−6アルキルであり;
CycB、CycC、CycD及びCycEは各々独立してCycAと同義であり;
AryB、AryC、AryD及びAryEは各々独立してAryAと同義であり;
HetB、HetC、HetD及びHetEは各々独立してHetAと同義であり;
各アリールは独立して(i)フェニル、(ii)少なくとも一方の環が芳香族である9もしくは10員二環式縮合炭素環系、又は(iii)少なくとも1個の環が芳香族である11〜14員三環式縮合炭素環系であり;
各複素環は独立して(i)4〜8員飽和もしくは不飽和単環、(ii)7〜12員二環系、又は(iii)10〜18員三環系であり、(ii)又は(iii)の各環は相互に独立しているか、縮合しているか、又は架橋しており、各環は飽和又は不飽和であり、前記単環、二環系又は三環系はN、O及びSから選択される1〜8個のヘテロ原子と残余の炭素原子を含み、窒素及び硫黄ヘテロ原子の任意1個以上は場合により酸化されており、窒素ヘテロ原子の任意1個以上は場合により四級化されており;
Y1、Y2、Y3及びY4は各々独立して
(i)O、
(ii)S、
(iii)S(O)、
(iv)S(O)2、
(v)O−C1−6アルキレン、
(vi)S−C1−6アルキレン、
(vii)S(O)−C1−6アルキレン、
(viii)S(O)2−C1−6アルキレン、
(ix)N(RA)、
(x)N(RA)−C1−6アルキレン、
(xi)C(O)、
(xii)C(O)−C1−6アルキレン、
(xiii)C(O)−C1−6アルキレン−O、
(xiv)C(O)N(RA)、
(xv)C(O)N(RA)−C1−6アルキレン、
(xvi)C(O)N(RA)−C1−6アルキレン−C(O)O、及び
(xvii)C(O)N(RA)S(O)2から構成される群から選択され;
各CycQは独立してC3−8シクロアルキル又はC5−8シクロアルケニルであり、前記シクロアルキル又はシクロアルケニルは場合により各々独立してハロゲン、C1−6アルキル、OH、O−C1−6アルキル、C1−6ハロアルキル又はO−C1−6ハロアルキルである1〜4個の置換基で置換されており;
各AryQは独立してフェニル又はナフチルであり、前記フェニル又はナフチルは場合により各々独立してハロゲン、CN、NO2、C1−6アルキル、C1−6ハロアルキル、OH、O−C1−6アルキル、O−C1−6ハロアルキル、N(RA)RB、C(O)N(RA)RB、C(O)RA、CO2RA、SRA、S(O)RA、SO2RA、SO2N(RA)RB又はSO2N(RA)C(O)RBである1〜5個の置換基で置換されており;
各HetQは独立して(i)N、O及びS(なお、各Nは場合により酸化物形態である)から独立して選択される1〜4個のヘテロ原子を含む5もしくは6員複素芳香環、又は(ii)N、O及びSから独立して選択される1〜4個のヘテロ原子を含む9もしくは10員二環式複素縮合環系[なお、環の一方又は両方が1個以上のヘテロ原子を含み、少なくとも一方の環は芳香族であり、各Nは場合により酸化物形態であり、非芳香環の各Sは場合によりS(O)又はS(O)2である]であり、前記複素芳香環又は二環式複素環は場合により各々独立してハロゲン、C1−6アルキル、C1−6ハロアルキル、OH、O−C1−6アルキル、O−C1−6ハロアルキル、N(RA)RB、C(O)N(RA)RB、C(O)RA、CO2RA、SO2RA、N(RA)C(O)N(RA)RB又はN(RA)CO2RBである1〜4個の置換基で置換されており;
各HetRは独立して少なくとも1個の炭素原子と、N、O及びSから独立して選択される1〜4個のヘテロ原子を含む4〜7員飽和又は不飽和非芳香族複素環であり、なお、各Sは場合によりS(O)又はS(O)2に酸化されており、前記飽和又は不飽和複素環は場合により各々独立してハロゲン、CN、C1−6アルキル、OH、オキソ、O−C1−6アルキル、C1−6ハロアルキル、O−C1−6ハロアルキル、C(O)N(RA)RB、C(O)RA、CO2RA又はSO2RAである1〜4個の置換基で置換されており;
各Zは独立して
(i)O、
(ii)S、
(iii)S(O)、
(iv)S(O)2、
(v)O−C1−6アルキレン、
(vi)S−C1−6アルキレン、
(vii)S(O)−C1−6アルキレン、
(viii)S(O)2−C1−6アルキレン、
(ix)N(RA)、又は
(x)N(RA)−C1−6アルキレンである}の化合物とその医薬的に許容可能な塩を含む。
【0017】
本発明の他の態様、側面及び特徴は以下の記載、実施例及び特許請求の範囲に更に記載するか又はこれらから明白であろう。
【発明の効果】
【0018】
上記式Iの化合物とその医薬的に許容可能な塩はHIV逆転写酵素阻害剤である。これらの化合物はHIV逆転写酵素を阻害し、HIV複製をin vitro及びin vivo阻害するために有用である。より詳細には、式Iの化合物はHIV−1逆転写酵素のポリメラーゼ機能を阻害する。下記実施例121及び122に記載するアッセイで本発明の代表的化合物を試験した結果、式Iの化合物はHIV−1逆転写酵素のRNA依存性DNAポリメラーゼ活性を阻害することが判明した。本発明の代表的化合物は更にHIVの薬剤耐性形(例えば逆転写酵素がリジン103→アスパラギン(K103N)及び/又はチロシン181→システイン(Y181C)の突然変異をもつHIVの突然変異体株)に対しても活性を示し、従って現在認可されている抗ウイルス治療薬に対する交差耐性が少ないと考えられる。
【発明を実施するための形態】
【0019】
本発明の第1の態様(本明細書では「態様E1」とも言う)は、
XがS、S(O)又はS(O)2であり;
R2が
(1)C1−6アルキル、
(3)場合によりO−C1−6アルキル、C(O)RA、CO2RA、C(O)N(RA)RB、SRA、S(O)RAもしくはSO2RAで置換されたC1−6ハロアルキル、
(4)各々OH、O−C1−6アルキル、O−C1−6ハロアルキル、CN、NO2、N(RA)RB、C(O)N(RA)RB、C(O)RA、CO2RA、SRA、S(O)RA、SO2RA、SO2N(RA)RB、N(RA)C(O)RB、N(RA)CO2RB、N(RA)SO2RB、N(RA)SO2N(RA)RB、OC(O)N(RA)RBもしくはN(RA)C(O)N(RA)RBである1〜3個の置換基で置換されたC1−6アルキル、
(3)CycB、
(4)AryB、
(5)HetB、
(6)CycB、AryBもしくはHetBで置換されたC1−6アルキル、
(7)N(RA)RB、
(8)N(RA)−C1−6アルキル[式中、アルキルは各々OH、O−C1−6アルキル、O−C1−6ハロアルキル、CN、NO2、N(RA)RB、C(O)N(RA)RB、C(O)RA、CO2RA、SRA、S(O)RA、SO2RA、SO2N(RA)RB、N(RA)C(O)RB、N(RA)CO2RB、N(RA)SO2RB、N(RA)SO2N(RA)RB、OC(O)N(RA)RB又はN(RA)C(O)N(RA)RBである1〜3個の置換基で置換されており、但し、OH、O−C1−6アルキル又はO−C1−6ハロアルキルは分子の残余に直接結合しているC1−6アルキルの炭素には結合しない]、
(9)N(RA)−CycB、
(10)N(RA)−AryB、
(11)N(RA)−HetB、又は
(12)N(RA)−C1−6アルキル(式中、アルキルはCycB、AryB又はHetBで置換されている)であり;
AryAは場合により合計1〜8個の置換基で置換されたアリールであり、そのうち、
(i)0〜8個の置換基は各々独立して(1)C1−6アルキル、(2)場合によりO−C1−6アルキル、C(O)RA、CO2RA、C(O)N(RA)RB、SRA、S(O)RAもしくはSO2RAで置換されたC1−6ハロアルキル、(3)各々OH、O−C1−6アルキル、O−C1−6ハロアルキル、CN、NO2、N(RA)RB、C(O)N(RA)RB、C(O)RA、CO2RA、SRA、S(O)RA、S(O)2RA、S(O)2N(RA)RB、N(RA)C(O)RB、N(RA)CO2RB、N(RA)S(O)2RB、N(RA)S(O)2N(RA)RB、OC(O)N(RA)RB、N(RA)C(O)N(RA)RBもしくはN(RA)C(O)C(O)N(RA)RBである1〜3個の置換基で置換されたC1−6アルキル、(4)O−C1−6アルキル、(5)O−C1−6ハロアルキル、(6)OH、(7)ハロゲン、(8)CN、(9)NO2、(10)N(RA)RB、(11)C(O)N(RA)RB、(12)C(O)RA、(13)C(O)−C1−6ハロアルキル、(14)C(O)ORA、(15)OC(O)N(RA)RB、(16)SRA、(17)S(O)RA、(18)S(O)2RA、(19)SO2N(RA)RB、(20)N(RA)S(O)2RB、(21)N(RA)S(O)2N(RA)RB、(22)N(RA)C(O)RB、(23)N(RA)C(O)N(RA)RB、(24)N(RA)C(O)−C(O)N(RA)RB、又は(25)N(RA)CO2RBであり、
(ii)0〜2個の置換基は各々独立して(1)CycQ、(2)AryQ、(3)HetQ、(4)HetR、(4)Z−CycQ、(5)Z−AryQ、(6)Z−HetQ、(7)Z−HetR、又は(8)CycQ、AryQ、HetQ、HetR、Z−CycQ、Z−AryQ、Z−HetQもしくはZ−HetRで置換されたC1−6アルキルであり;
AryB、AryC、AryD及びAryEは各々独立してAryAと同義であり;
他の全変項が当初に定義した通りである(即ち発明の概要の欄で定義した通りである)式Iの化合物(単に「化合物I」とも言う)又はその医薬的に許容可能な塩である。
【0020】
本発明の第2の態様(態様E2)は、RKとRLの一方がHであり、RKとRLの他方が
(1)H、
(2)C1−6アルキル、
(3)場合によりO−C1−6アルキル、C(O)RA、CO2RA、C(O)N(RA)RB、SRA、S(O)RAもしくはSO2RAで置換されたC1−6フルオロアルキル、
(4)各々独立してOH、O−C1−6アルキル、O−C1−6フルオロアルキル、CN、C(O)N(RA)RB、C(O)RA、CO2RA、SRA、S(O)RA、SO2RAもしくはSO2N(RA)RBである1もしくは2個の置換基で置換されたC1−6アルキル、
(5)CycA、
(6)AryA、
(7)HetA、又は
(8)CycA、AryAもしくはHetAで置換されたC1−6アルキルであり;
他の全変項が当初に定義した通り又は態様E1に定義した通りである式Iの化合物又はその医薬的に許容可能な塩である。
【0021】
本発明の第3の態様(態様E3)は、RKとRLの一方がHであり、RKとRLの他方が
(1)H、
(2)C1−4アルキル、
(3)場合によりO−C1−4アルキルもしくはCO2RAで置換されたC1−4フルオロアルキル、
(4)O−C1−4アルキル、O−C1−4フルオロアルキル、C(O)RA、CO2RAもしくはSO2RAで置換されたC1−4アルキル、又は
(5)CycA、AryAもしくはHetAで置換されたC1−4アルキルであり;
他の全変項が当初に定義した通り又は態様E1に定義した通りである式Iの化合物又はその医薬的に許容可能な塩である。
【0022】
本発明の第4の態様(態様E4)は、RKがHであり;RLがH、C1−4アルキル、CH2CF3、CH2CH2CF3、CH2CF2CF3、CH(CO2CH3)CH2CF3、(CH2)2−3OCH3、CH2−AryA又はCH2−HetAであり;他の全変項が当初に定義した通り又は態様E1に定義した通りである式Iの化合物又はその医薬的に許容可能な塩である。
【0023】
本発明の第5の態様(態様E5)はR2がAryB、HetB、N(RA)RB又はN(RA)−CycBであり;他の全変項が当初に定義した通り又は上記態様のいずれかに定義した通りである式Iの化合物又はその医薬的に許容可能な塩である。
【0024】
本発明の第6の態様(態様E6)はR2がAryB、HetB又はN(RA)−CycBであり;他の全変項が当初に定義した通り又は上記態様のいずれかに定義した通りである式Iの化合物又はその医薬的に許容可能な塩である。
【0025】
本発明の第7の態様(態様E7)はR2がAryB又はHetBであり;他の全変項が当初に定義した通り又は上記態様のいずれかに定義した通りである式Iの化合物又はその医薬的に許容可能な塩である。
【0026】
本発明の第8の態様(態様E8)はR3がC1−6アルキル又はCycCであり;他の全変項が当初に定義した通り又は上記態様のいずれかに定義した通りである式Iの化合物又はその医薬的に許容可能な塩である。
【0027】
本発明の第9の態様(態様E9)はR3がC1−4アルキルであり;他の全変項が当初に定義した通り又は上記態様のいずれかに定義した通りである式Iの化合物又はその医薬的に許容可能な塩である。
【0028】
本発明の第10の態様(態様E10)はR3がCH3、CH2CH3、CH2CH2CH3、CH(CH3)2又はCH2CH2CH2CH3であり;他の全変項が当初に定義した通り又は上記態様のいずれかに定義した通りである式Iの化合物又はその医薬的に許容可能な塩である。
【0029】
本発明の第11の態様(態様E11)はR4がH、C1−6アルキル、又はCycD、AryDもしくはHetDで置換されたC1−6アルキルであり;他の全変項が当初に定義した通り又は上記態様のいずれかに定義した通りである式Iの化合物又はその医薬的に許容可能な塩である。
【0030】
本発明の第12の態様(態様E12)はR4がH、C1−4アルキル、又はAryDで置換されたC1−4アルキルであり;他の全変項が当初に定義した通り又は上記態様のいずれかに定義した通りである式Iの化合物又はその医薬的に許容可能な塩である。
【0031】
本発明の第13の態様(態様E13)はR4がH、CH3、CH2CH3又はベンジルであり;他の全変項が当初に定義した通り又は上記態様のいずれかに定義した通りである式Iの化合物又はその医薬的に許容可能な塩である。
【0032】
本発明の第14の態様(態様E14)はR5がAryE、O−AryE又はHetEで置換されたC1−6アルキルであり;他の全変項が当初に定義した通り又は上記態様のいずれかに定義した通りである式Iの化合物又はその医薬的に許容可能な塩である。
【0033】
本発明の第15の態様(態様E15)はR5がAryE、O−AryE又はHetEで置換されたC1−4アルキルであり;他の全変項が当初に定義した通り又は上記態様のいずれかに定義した通りである式Iの化合物又はその医薬的に許容可能な塩である。
【0034】
本発明の第16の態様(態様E16)はR5がCH2−AryE、CH2CH2−AryE、CH(CH3)−AryE、CH2O−AryE、CH2CH2O−AryE、CH2−HetE又はCH2CH2−HetEであり;他の全変項が当初に定義した通り又は上記態様のいずれかに定義した通りである式Iの化合物又はその医薬的に許容可能な塩である。
【0035】
本発明の第17の態様(態様E17)は当初に記載又は上記態様のいずれかに記載したような個々の独立した定義の代替として、R4とR5が両者に結合している窒素原子と一緒になり、場合によりR4及びR5と結合している窒素以外にN、O及びSから選択される1個のヘテロ原子を含む4〜7員飽和環を形成し、なお、場合により存在するSは場合によりS(O)又はS(O)2に酸化されており、前記飽和環は場合によりベンゼン環又はN、O及びSから選択されるヘテロ原子を含む5又は6員複素芳香環と縮合しており、場合により縮合した飽和環は場合により各々独立してC1−6アルキル、OH、オキソ、O−C1−6アルキル、C1−6フルオロアルキル、O−C1−6フルオロアルキル、C(O)N(RA)RB、C(O)RA、CO2RA又はSO2RAである1〜3個の置換基で置換されており;他の全変項が当初に定義した通り又は上記態様のいずれかに定義した通りである式Iの化合物又はその医薬的に許容可能な塩である。
【0036】
本発明の第18の態様(態様E18)は当初に記載又は上記態様のいずれかに記載したような個々の独立した定義の代替として、R4とR5が両者に結合している窒素原子と一緒になり、1−アゼチジニル、1−ピロリジニル、1−ピペリジニル、1−ピペラジニル、1−アゼパニル、4−モルホリニル、4−チオモルホリニル、3,4−ジヒドロイソキノリン−2(1H)−イル、1,3,4,5−テトラヒドロ−2H−2−ベンゾアゼピン−2−イル及び4,6,7,8−テトラヒドロ−5H−チエノ[3,2−c]アゼピン−5−イルから構成される群から選択される場合によりベンゾ又はチエノ環が縮合した複素環を形成し、場合により縮合した複素環は場合により各々独立してC1−4アルキル、OH、オキソ、ハロゲン、O−C1−4アルキル又はSO2−C1−4アルキルである1又は2個の置換基で置換されており;他の全変項が当初に定義した通り又は上記態様のいずれかに定義した通りである式Iの化合物又はその医薬的に許容可能な塩である。
【0037】
本発明の第19の態様(態様E19)は場合により縮合した複素環が場合により各々独立してC1−4アルキル、OH又はオキソである1又は2個の置換基で置換されている以外はR4とR5が態様E18に定義した通りであり;他の全変項が当初に定義した通り又は上記態様のいずれかに定義した通りである式Iの化合物又はその医薬的に許容可能な塩である。
【0038】
本発明の第20の態様(態様E20)は当初に記載又は上記態様のいずれかに記載したような個々の独立した定義の代替として、R4とR5が両者に結合している窒素原子と一緒になり、1−アゼチジニル、1−ピロリジニル、1−ピペリジニル、1−ピペラジニル、1−アゼパニル、4−モルホリニル、4−チオモルホリニル、3,4−ジヒドロイソキノリン−2(1H)−イル、1,3,4,5−テトラヒドロ−2H−2−ベンゾアゼピン−2−イル及び4,6,7,8−テトラヒドロ−5H−チエノ[3,2−c]アゼピン−5−イルから構成される群から選択される場合によりベンゾ又はチエノ環が縮合した複素環を形成し、場合により縮合した複素環は場合により各々独立してCH3、OH、オキソ、Cl、Br、F、OCH3又はSO2CH3である1又は2個の置換基で置換されており;他の全変項が当初に定義した通り又は上記態様のいずれかに定義した通りである式Iの化合物又はその医薬的に許容可能な塩である。
【0039】
本発明の第21の態様(態様E21)は場合により縮合した複素環が場合により各々独立してCH3、OH又はオキソである1又は2個の置換基で置換されている以外はR4とR5が態様E20に定義した通りであり;他の全変項が当初に定義した通り又は上記態様のいずれかに定義した通りである式Iの化合物又はその医薬的に許容可能な塩である。
【0040】
本発明の第22の態様(態様E22)はXがS(O)2であり;他の全変項が当初に定義した通り又は上記態様のいずれかに定義した通りである式Iの化合物又はその医薬的に許容可能な塩である。
【0041】
本発明の第23の態様(態様E23)はCycAが各々独立してフッ素、C1−6アルキル、OH、O−C1−6アルキル、C1−6フルオロアルキル又はO−C1−6フルオロアルキルである合計1〜3個の置換基で置換されたC3−6シクロアルキルであり;他の全変項が当初に定義した通り又は上記態様のいずれかに定義した通りである式Iの化合物又はその医薬的に許容可能な塩である。
【0042】
本発明の第24の態様(態様E24)はCycAが場合により各々独立してC1−4アルキル、OH、O−C1−4アルキル、C1−4フルオロアルキル又はO−C1−4フルオロアルキルである1又は2個の置換基で置換されたC3−6シクロアルキルであり;他の全変項が当初に定義した通り又は上記態様のいずれかに定義した通りである式Iの化合物又はその医薬的に許容可能な塩である。
【0043】
本発明の第25の態様(態様E25)はCycAがC3−6シクロアルキルであり;他の全変項が当初に定義した通り又は上記態様のいずれかに定義した通りである式Iの化合物又はその医薬的に許容可能な塩である。
【0044】
本発明の第26の態様(態様E26)はAryAがフェニル又はナフチルであり、前記フェニル又はナフチルは場合により合計1〜6個の置換基で置換されており、そのうち、
(i)0〜6個の置換基は各々独立して
(1)C1−6アルキル、
(2)C1−6フルオロアルキル、
(3)OH、O−C1−4アルキル、O−C1−4ハロアルキル、CN、N(RA)RB、C(O)N(RA)RB、C(O)RA、CO2RA、SRA、S(O)RA、SO2RAもしくはSO2N(RA)RBで置換されたC1−6アルキル、
(4)O−C1−6アルキル、
(5)O−C1−6フルオロアルキル、
(6)OH、
(7)ハロゲン、
(8)CN、
(9)NO2、
(10)N(RA)RB、
(11)C(O)N(RA)RB、
(12)C(O)RA、
(13)C(O)−C1−4フルオロアルキル、
(14)CO2RA、
(15)SRA、
(16)S(O)RA、
(17)SO2RA、又は
(18)SO2N(RA)RBであり、
(ii)0〜1個の置換基は独立して
(1)CycQ、
(2)AryQ、
(3)HetQ、又は
(4)CycQ、AryQもしくはHetQで置換されたC1−6アルキルであり;
他の全変項が当初に定義した通り又は上記態様のいずれかに定義した通りである式Iの化合物又はその医薬的に許容可能な塩である。
【0045】
本発明の第27の態様(態様E27)はAryAがフェニル又はナフチルであり、前記フェニルは場合により各々独立してC1−4アルキル、CF3、O−C1−4アルキル、OCF3、OH、ハロゲン、CN、NO2、N(RA)RB、C(O)N(RA)RB、C(O)RA、C(O)CF3、CO2RA又はSO2RAである1〜3個の置換基で置換されており;他の全変項が当初に定義した通り又は上記態様のいずれかに定義した通りである式Iの化合物又はその医薬的に許容可能な塩である。
【0046】
本発明の第28の態様(態様E28)はAryAが場合により各々独立してC1−4アルキル、CF3、O−C1−4アルキル、OCF3、OH、ハロゲン、CN、NO2、N(RA)RB、C(O)N(RA)RB、C(O)RA、C(O)CF3、CO2RA又はSO2RAである1〜3個の置換基で置換されたフェニルであり;他の全変項が当初に定義した通り又は上記態様のいずれかに定義した通りである式Iの化合物又はその医薬的に許容可能な塩である。
【0047】
本発明の第29の態様(態様E29)はAryAが場合により各々独立してCH3、CF3、OCH3、OCF3、OH、Cl、Br、F、CN、NO2、NH2、N(H)CH3、N(CH3)2、C(O)NH2、C(O)N(H)CH3、C(O)N(CH3)2、C(O)CH3、C(O)CF3、CO2CH3又はSO2CH3である1〜3個の置換基で置換されたフェニルであり;他の全変項が当初に定義した通り又は上記態様のいずれかに定義した通りである式Iの化合物又はその医薬的に許容可能な塩である。
【0048】
本発明の第30の態様(態様E30)はHetAが(i)N、O及びS(なお、各Nは場合により酸化物形態である)から独立して選択される1〜4個のヘテロ原子を含む5もしくは6員複素芳香環、又は(ii)N、O及びSから独立して選択される1〜4個のヘテロ原子を含む9もしくは10員二環式縮合環系[なお、環の一方又は両方が1個以上のヘテロ原子を含み、少なくとも一方の環は芳香族であり、各Nは場合により酸化物形態であり、非芳香環の各Sは場合によりS(O)又はS(O)2である]であり、前記ヘテロアリールは場合により合計1〜6個の置換基で置換されており、そのうち、
(i)0〜6個の置換基は各々独立して
(1)C1−6アルキル、
(2)C1−6フルオロアルキル、
(3)OH、O−C1−4アルキル、O−C1−4ハロアルキル、CN、N(RA)RB、C(O)N(RA)RB、C(O)RA、CO2RA、SRA、S(O)RA、SO2RAもしくはSO2N(RA)RBで置換されたC1−6アルキル、
(4)O−C1−6アルキル、
(5)O−C1−6フルオロアルキル、
(6)OH、
(7)オキソ、
(8)ハロゲン、
(9)CN、
(10)NO2、
(11)N(RA)RB、
(12)C(O)N(RA)RB、
(13)C(O)RA、
(14)C(O)−C1−4フルオロアルキル、
(15)CO2RA、
(16)SRA、
(17)S(O)RA、
(18)SO2RA、又は
(19)SO2N(RA)RBであり、
(ii)0〜1個の置換基は独立して
(1)CycQ、
(2)AryQ、
(3)HetQ、又は
(4)CycQ、AryQもしくはHetQで置換されたC1−6アルキルであり;
他の全変項が当初に定義した通り又は上記態様のいずれかに定義した通りである式Iの化合物又はその医薬的に許容可能な塩である。
【0049】
本発明の第31の態様(態様E31)はHetAがチエニル、フラニル、ピロリル、イミダゾリル、ピラゾリル、トリアゾリル、テトラゾリル、オキサゾリル、イソオキサゾリル、チアゾリル、イソチアゾリル、オキサジアゾリル、チアジアゾリル、ピリジニル、ピラジニル、ピリミジニル、ピリダジニル、ベンゾフラニル、ベンゾチエニル、インドリル、インダゾリル、イソベンゾフラニル、ベンゾイソオキサゾリル、ベンゾオキサゾリル、ベンゾイミダゾリル、ベンゾピペリジニル、クロメニル、キノリニル、イソキノリニル、シンノリニル、キノキサリニル、キナゾリニル及びイミダゾピリジニルから構成される群から選択されるヘテロアリールであり、前記ヘテロアリールは場合により各々独立してC1−4アルキル、CF3、O−C1−4アルキル、OCF3、OH、ハロゲン、CN、NO2、N(RA)RB、C(O)N(RA)RB、C(O)RA、C(O)CF3、CO2RA又はSO2RAである1〜3個の置換基で置換されており;
他の全変項が当初に定義した通り又は上記態様のいずれかに定義した通りである式Iの化合物又はその医薬的に許容可能な塩である。
【0050】
本発明の第32の態様(態様E32)はHetAがピリジニル、ピロリル、チエニル、フラニル、イミダゾリル、ピラゾリル、トリアゾリル、テトラゾリル、オキサゾリル、イソオキサゾリル、オキサジアゾリル、チアゾリル、イソチアゾリル、チアジアゾリル、ベンゾフラニル、ベンゾチエニル、インドリル、インダゾリル、イソベンゾフラニル、ベンゾオキサゾリル、ベンゾイミダゾリル、キノリニル、イソキノリニルから構成される群から選択されるヘテロアリールであり、前記ヘテロアリールは場合により各々独立してCH3、CF3、OCH3、OCF3、OH、Cl、Br、F、CN、C(O)NH2、C(O)N(H)CH3、C(O)N(CH3)2、C(O)CH3、C(O)CF3、CO2CH3又はSO2CH3である1〜3個の置換基で置換されており;他の全変項が当初に定義した通り又は上記態様のいずれかに定義した通りである式Iの化合物又はその医薬的に許容可能な塩である。
【0051】
本発明の第33の態様(態様E33)はCycBが独立して態様E23又は態様E24又は態様E25でCycAについて記載した通りの定義であり;他の全変項が当初に定義した通り又は上記態様のいずれかに定義した通りである式Iの化合物又はその医薬的に許容可能な塩である。
【0052】
本発明の第34の態様(態様E34)はCycBが場合により各々独立してC1−4アルキル、OH、O−C1−4アルキル、C1−4フルオロアルキル又はO−C1−4フルオロアルキルである1又は2個の置換基で置換されたC3−6シクロアルキルであり;他の全変項が当初に定義した通り又は上記態様のいずれかに定義した通りである式Iの化合物又はその医薬的に許容可能な塩である。
【0053】
本発明の第35の態様(態様E35)はCycBがC3−6シクロアルキルであり;他の全変項が当初に定義した通り又は上記態様のいずれかに定義した通りである式Iの化合物又はその医薬的に許容可能な塩である。
【0054】
本発明の第36の態様(態様E36)はAryBが独立して態様E26又は態様E27又は態様E28又は態様E29でAryAについて記載した通りの定義であり;他の全変項が当初に定義した通り又は上記態様のいずれかに定義した通りである式Iの化合物又はその医薬的に許容可能な塩である。
【0055】
本発明の第37の態様(態様E37)はAryBがフェニル又はナフチルであり、前記フェニルは場合により各々独立してC1−4アルキル、CF3、O−C1−4アルキル、OCF3、OH、ハロゲン、CN、NO2、N(RA)RB、C(O)N(RA)RB、C(O)RA、C(O)CF3、CO2RA又はSO2RAである1〜3個の置換基で置換されており;他の全変項が当初に定義した通り又は上記態様のいずれかに定義した通りである式Iの化合物又はその医薬的に許容可能な塩である。
【0056】
本発明の第38の態様(態様E38)はAryBがフェニル又はナフチルであり、前記フェニルは場合により各々独立してCH3、CF3、OCH3、OCF3、OH、Cl、Br、F、CN、NO2、NH2、N(H)CH3、N(CH3)2、C(O)NH2、C(O)N(H)CH3、C(O)N(CH3)2、C(O)CH3、C(O)CF3、CO2CH3又はSO2CH3である1〜3個の置換基で置換されており;他の全変項が当初に定義した通り又は上記態様のいずれかに定義した通りである式Iの化合物又はその医薬的に許容可能な塩である。
【0057】
本発明の第39の態様(態様E39)はHetBが独立して態様E30又は態様E31又は態様E32でHetAについて記載した通りの定義であり;他の全変項が当初に定義した通り又は上記態様のいずれかに定義した通りである式Iの化合物又はその医薬的に許容可能な塩である。
【0058】
本発明の第40の態様(態様E40)はHetBが1〜3個のN原子、0又は1個のO原子、及び0又は1個のS原子から選択される1〜3個のヘテロ原子を含む4〜7員飽和複素環であり、前記環はN原子を介して化合物の残余と結合しており、場合により存在するS原子は場合によりS(O)又はS(O)2に酸化されており、前記飽和複素環は場合により各々独立してC1−6アルキル、オキソ、C(O)N(RA)RB、C(O)RA、CO2RA又はS(O)2RAである1〜3個の置換基で置換されており;他の全変項が当初に定義した通り又は上記態様のいずれかに定義した通りである式Iの化合物又はその医薬的に許容可能な塩である。
【0059】
本発明の第41の態様(態様E41)はHetBがアゼチジニル、ピロリジニル、ピペリジニル、モルホリニル、チオモルホリニル、ピペラジニル、チアジナニル、チアゼパニル及びアゼパニルから構成される群から選択される飽和複素環であり、前記環は環窒素原子を介して化合物の残余と結合しており、前記環は場合により各々独立してC1−4アルキル又はオキソである1〜3個の置換基で置換されており;他の全変項が当初に定義した通り又は上記態様のいずれかに定義した通りである式Iの化合物又はその医薬的に許容可能な塩である。
【0060】
本発明の第42の態様(態様E42)はHetBが
【0061】
【化2】
から構成される群から選択される飽和複素環であり、上記式中、アステリスク*は化合物の残余との結合点を表し、前記環は場合により各々CH3又はオキソである1又は2個の置換基で置換されており;他の全変項が当初に定義した通り又は上記態様のいずれかに定義した通りである式Iの化合物又はその医薬的に許容可能な塩である。
【0062】
本発明の第43の態様(態様E43)はCycCが独立して態様E23又は態様E24又は態様E25でCycAについて記載した通りの定義であり;他の全変項が当初に定義した通り又は上記態様のいずれかに定義した通りである式Iの化合物又はその医薬的に許容可能な塩である。
【0063】
本発明の第44の態様(態様E44)はAryCが独立して態様E26又は態様E27又は態様E28又は態様E29でAryAについて記載した通りの定義であり;他の全変項が当初に定義した通り又は上記態様のいずれかに定義した通りである式Iの化合物又はその医薬的に許容可能な塩である。
【0064】
本発明の第45の態様(態様E45)はHetCが独立して態様E30又は態様E31又は態様E32でHetAについて記載した通りの定義であり;他の全変項が当初に定義した通り又は上記態様のいずれかに定義した通りである式Iの化合物又はその医薬的に許容可能な塩である。
【0065】
本発明の第46の態様(態様E46)はCycDが独立して態様E23又は態様E24又は態様E25でCycAについて記載した通りの定義であり;他の全変項が当初に定義した通り又は上記態様のいずれかに定義した通りである式Iの化合物又はその医薬的に許容可能な塩である。
【0066】
本発明の第47の態様(態様E47)はAryDが独立して態様E26又は態様E27又は態様E28又は態様E29でAryAについて記載した通りの定義であり;他の全変項が当初に定義した通り又は上記態様のいずれかに定義した通りである式Iの化合物又はその医薬的に許容可能な塩である。
【0067】
本発明の第48の態様(態様E48)はAryDが場合により各々独立してC1−4アルキル、CF3、O−C1−4アルキル、OCF3、OH、ハロゲン、CN、NO2、N(RA)RB、C(O)N(RA)RB、C(O)RA、C(O)CF3、CO2RA又はSO2RAである1〜3個の置換基で置換されたフェニルであり;他の全変項が当初に定義した通り又は上記態様のいずれかに定義した通りである式Iの化合物又はその医薬的に許容可能な塩である。
【0068】
本発明の第49の態様(態様E49)はHetDが独立して態様E30又は態様E31又は態様E32でHetAについて記載した通りの定義であり;他の全変項が当初に定義した通り又は上記態様のいずれかに定義した通りである式Iの化合物又はその医薬的に許容可能な塩である。
【0069】
本発明の第50の態様(態様E50)はHetDが独立して態様E30でHetAについて定義したような場合により置換されたヘテロアリール又はN、O及びSから独立して選択される1もしくは2個のヘテロ原子を含む4〜7員飽和複素環であり、なお、各Sは場合によりS(O)又はS(O)2に酸化されており、前記飽和環は場合により各々独立してC1−6アルキル、OH、オキソ、O−C1−6アルキル、C1−6フルオロアルキル、O−C1−6フルオロアルキル、C(O)RA、CO2RA又はSO2RAである1〜3個の置換基で置換されており;他の全変項が当初に定義した通り又は上記態様のいずれかに定義した通りである式Iの化合物又はその医薬的に許容可能な塩である。
【0070】
本発明の第51の態様(態様E51)はCycEが独立して態様E23又は態様E24又は態様E25でCycAについて記載した通りの定義であり;他の全変項が当初に定義した通り又は上記態様のいずれかに定義した通りである式Iの化合物又はその医薬的に許容可能な塩である。
【0071】
本発明の第52の態様(態様E52)はAryEが独立して態様E26又は態様E27又は態様E28又は態様E29でAryAについて記載した通りの定義であり;他の全変項が当初に定義した通り又は上記態様のいずれかに定義した通りである式Iの化合物又はその医薬的に許容可能な塩である。
【0072】
本発明の第53の態様(態様E53)はAryEが場合により各々独立してC1−4アルキル、CF3、O−C1−4アルキル、OCF3、OH、ハロゲン、CN、NO2、N(RA)RB、C(O)N(RA)RB、C(O)RA、C(O)CF3、CO2RA又はSO2RAである1〜3個の置換基で置換されたフェニルであり;他の全変項が当初に定義した通り又は上記態様のいずれかに定義した通りである式Iの化合物又はその医薬的に許容可能な塩である。
【0073】
本発明の第54の態様(態様E54)はAryEが場合により各々独立してCH3、CF3、OCH3、OCF3、OH、Cl、Br、F、CN、NO2、NH2、N(H)CH3、N(CH3)2、C(O)NH2、C(O)N(H)CH3、C(O)N(CH3)2、C(O)CH3、C(O)CF3、CO2CH3又はSO2CH3である1〜3個の置換基で置換されたフェニルであり;他の全変項が当初に定義した通り又は上記態様のいずれかに定義した通りである式Iの化合物又はその医薬的に許容可能な塩である。
【0074】
本発明の第55の態様(態様E55)はHetEが独立して態様E30又は態様E31又は態様E32でHetAについて記載した通りの定義であり;他の全変項が当初に定義した通り又は上記態様のいずれかに定義した通りである式Iの化合物又はその医薬的に許容可能な塩である。
【0075】
本発明の第56の態様(態様E56)はHetEが独立して態様E50でHetDについて記載した通りの定義であり;他の全変項が当初に定義した通り又は上記態様のいずれかに定義した通りである式Iの化合物又はその医薬的に許容可能な塩である。
【0076】
本発明の第57の態様(態様E57)はHetEが独立して
(i)チエニル、フラニル、ピロリル、イミダゾリル、ピラゾリル、トリアゾリル、テトラゾリル、オキサゾリル、イソオキサゾリル、チアゾリル、イソチアゾリル、オキサジアゾリル、チアジアゾリル、ピリジニル、ピラジニル、ピリミジニル、ピリダジニル、ベンゾフラニル、ベンゾチエニル、インドリル、インダゾリル、イソベンゾフラニル、ベンゾイソオキサゾリル、ベンゾオキサゾリル、ベンゾイミダゾリル、ベンゾピペリジニル、クロメニル、キノリニル、イソキノリニル、シンノリニル、キノキサリニル、キナゾリニル及びイミダゾピリジニルから構成される群から選択されるヘテロアリール[なお、前記ヘテロアリールは(a)場合により各々独立してC1−4アルキル、CF3、O−C1−4アルキル、OCF3、OH、ハロゲン、CN、NO2、N(RA)RB、C(O)N(RA)RB、C(O)RA、C(O)CF3、CO2RA又はSO2RAである1〜3個の置換基で置換されており、(b)更に場合によりフェニルで置換されている]、又は
(ii)アゼチジニル、ピロリジニル、ピペリジニル、モルホリニル、チオモルホリニル、ピペラジニル、チアジナニル、チアゼパニル及びアゼパニルから構成される群から選択される飽和複素環(なお、前記環は環炭素原子を介して化合物の残余と結合しており、前記環は場合により各々独立してC1−4アルキル又はオキソである1〜3個の置換基で置換されている)であり;
他の全変項が当初に定義した通り又は上記態様のいずれかに定義した通りである式Iの化合物又はその医薬的に許容可能な塩である。
【0077】
本発明の第58の態様(態様E58)はHetEが独立して
(i)チエニル、フラニル、ピロリル、イミダゾリル、ピラゾリル、トリアゾリル、テトラゾリル、オキサゾリル、イソオキサゾリル、チアゾリル、イソチアゾリル、オキサジアゾリル、チアジアゾリル、ピリジニル、ピラジニル、ピリミジニル、ピリダジニル、ベンゾフラニル、ベンゾチエニル、インドリル、インダゾリル、イソベンゾフラニル、ベンゾイソオキサゾリル、ベンゾオキサゾリル、ベンゾイミダゾリル、ベンゾピペリジニル、クロメニル、キノリニル、イソキノリニル、シンノリニル、キノキサリニル、キナゾリニル及びイミダゾピリジニルから構成される群から選択されるヘテロアリール[なお、前記ヘテロアリールは(a)場合により各々独立してCH3、CF3、OCH3、OCF3、OH、Cl、Br、F、CN、NO2、NH2、N(H)CH3、N(CH3)2、C(O)NH2、C(O)N(H)CH3、C(O)N(CH3)2、C(O)CH3、C(O)CF3、CO2CH3又はSO2CH3である1〜3個の置換基で置換されており、(b)更に場合によりフェニルで置換されている]、又は
(ii)アゼチジニル、ピロリジニル、ピペリジニル、モルホリニル、チオモルホリニル、ピペラジニル、チアジナニル、チアゼパニル及びアゼパニルから構成される群から選択される飽和複素環(なお、前記環は環炭素原子を介して化合物の残余と結合しており、前記環は場合により各々CH3又はオキソである1又は2個の置換基で置換されている)であり;
他の全変項が当初に定義した通り又は上記態様のいずれかに定義した通りである式Iの化合物又はその医薬的に許容可能な塩である。
【0078】
本発明の第59の態様(態様E59)は各CycQが独立して場合により各々独立してフッ素、C1−6アルキル、OH、O−C1−6アルキル、C1−6フルオロアルキル又はO−C1−6フルオロアルキルである1又は2個の置換基で置換されたC3−6シクロアルキルであり;他の全変項が当初に定義した通り又は上記態様のいずれかに定義した通りである式Iの化合物又はその医薬的に許容可能な塩である。
【0079】
本発明の第60の態様(態様E60)は各AryQが独立して場合により各々独立してハロゲン、CN、NO2、C1−6アルキル、C1−6フルオロアルキル、OH、O−C1−6アルキル、O−C1−6フルオロアルキル、N(RA)RB、C(O)N(RA)RB、C(O)RA、CO2RA、SRA、S(O)RA、SO2RA、SO2N(RA)RB又はSO2N(RA)C(O)RBである1〜3個の置換基で置換されたフェニルであり;他の全変項が当初に定義した通り又は上記態様のいずれかに定義した通りである式Iの化合物又はその医薬的に許容可能な塩である。
【0080】
本発明の第61の態様(態様E61)は各HetQが独立してN、O及びSから独立して選択される1〜4個のヘテロ原子を含む5又は6員複素芳香環であり、なお、各Nは場合により酸化物形態であり、前記複素芳香環は場合により各々独立してハロゲン、C1−6アルキル、C1−6フルオロアルキル、OH、O−C1−6アルキル、O−C1−6フルオロアルキル、N(RA)RB、(C)ON(RA)RB、C(O)RA、CO2RA、SO2RA、N(RA)C(O)N(RA)RB又はN(RA)CO2RBである合計1〜4個の置換基で置換されており;他の全変項が当初に定義した通り又は上記態様のいずれかに定義した通りである式Iの化合物又はその医薬的に許容可能な塩である。
【0081】
本発明の第62の態様(態様E62)はRA及びRBが各々独立してH又はC1−4アルキルであり;他の全変項が当初に定義した通り又は上記態様のいずれかに定義した通りである式Iの化合物又はその医薬的に許容可能な塩である。
【0082】
本発明の第63の態様(態様E63)はRA及びRBが各々独立してH又はC1−3アルキルであり;他の全変項が当初に定義した通り又は上記態様のいずれかに定義した通りである式Iの化合物又はその医薬的に許容可能な塩である。
【0083】
本発明の第64の態様(態様E64)はRA及びRBが各々独立してH又はCH3であり;他の全変項が当初に定義した通り又は上記態様のいずれかに定義した通りである式Iの化合物又はその医薬的に許容可能な塩である。
【0084】
本発明の第65の態様(態様E65)はY1、Y2、Y3及びY4が各々独立して
(i)O、
(ii)S、
(iii)S(O)、
(iv)S(O)2、
(v)OCH2、
(vi)SCH2、
(vii)S(O)CH2、
(viii)S(O)2CH2、
(ix)N(RA)、
(x)N(RA)CH2、
(xi)C(O)、
(xii)C(O)CH2、
(xiii)C(O)CH2O、
(xiv)C(O)N(RA)、
(xv)C(O)N(RA)CH2、
(xvi)C(O)N(RA)CH2C(O)O、及び
(xvii)C(O)N(RA)S(O)2から構成される群から選択され;
他の全変項が当初に定義した通り又は上記態様のいずれかに定義した通りである式Iの化合物又はその医薬的に許容可能な塩である。
【0085】
本発明の第66の態様(態様E66)は各Zが独立して
(i)O、
(ii)S、
(iii)S(O)、
(iv)S(O)2、
(v)OCH2、
(vi)SCH2、
(vii)S(O)CH2、
(viii)S(O)2CH2、
(ix)N(RA)、又は
(x)N(RA)CH2であり;他の全変項が当初に定義した通り又は上記態様のいずれかに定義した通りである式Iの化合物又はその医薬的に許容可能な塩である。
【0086】
本発明の第67の態様(態様E67)は下記実施例1〜119(実施例70A及び70Bを含む)に記載の化合物とその医薬的に許容可能な塩から構成される群から選択される化合物である。態様E67の第1の側面は下記実施例1〜82(実施例70A及び70Bを除く)及び116〜119に記載の化合物とその医薬的に許容可能な塩から構成される群から選択される化合物である。態様E67の第2の側面は下記実施例70A、70B及び83〜115に記載の化合物とその医薬的に許容可能な塩から構成される群から選択される化合物である。
【0087】
本発明の化合物の第1分類(本明細書では分類C1とも言う)は、
RK及びRLが態様E2に定義した通りであり;
CycAが態様E23に定義した通りであり;
AryAが態様E26に定義した通りであり;
HetAが態様E30に定義した通りであり;
R2が態様E4に定義した通りであり;
CycBが態様E33に定義した通りであり;
AryBが態様E36に定義した通りであり;
HetBが態様E40に定義した通りであり;
R3が態様E8に定義した通りであり;
CycCが独立してCycAと同義であり;
R4が態様E11に定義した通りであり;
CycDが独立してCycAと同義であり;
AryDが独立してAryAと同義であり;
HetDが態様E50に定義した通りであり;
R5が態様E14に定義した通りであり;
CycEが独立してCycAと同義であり;
AryEが独立してAryAと同義であり;
CycDが独立してCycAと同義であり;
HetEが独立してHetDと同義であり;
代替としてR4とR5が一緒になって態様E17に定義した通りであり;
CycQが態様E59に定義した通りであり;
AryQが態様E60に定義した通りであり;
HetQが態様E61に定義した通りであり;
他の全変項が当初に定義した通りである式Iの化合物とその医薬的に許容可能な塩を含む。
【0088】
本発明の化合物の第2分類(分類C2)は、
Xが態様E22に定義した通りであり;
RK及びRLが態様E3に定義した通りであり;
CycAが態様E24に定義した通りであり;
AryAが態様E28に定義した通りであり;
HetAが態様E31に定義した通りであり;
R2が態様E6に定義した通りであり;
CycBが態様E34に定義した通りであり;
AryBが態様E37に定義した通りであり;
HetBが態様E41に定義した通りであり;
R3が態様E9に定義した通りであり;
R4が態様E12に定義した通りであり;
AryDが独立して態様E48に定義した通りであり;
R5が態様E15に定義した通りであり;
AryEが態様E53に定義した通りであり;
HetEが態様E57に定義した通りであり;
代替としてR4とR5が一緒になって態様E18に定義した通りであり;
RA及びRBが態様E62に定義した通りである式Iの化合物とその医薬的に許容可能な塩を含む。
【0089】
本発明の化合物の第2分類の第1の亜分類(亜分類SC2−1)は、代替としてR4とR5が一緒になって態様E19に定義した通りであり;他の全変項が分類C2で当初に定義した通りである式Iの化合物とその医薬的に許容可能な塩を含む。
【0090】
本発明の化合物の第3分類(分類C3)は、
Xが態様E22に定義した通りであり;
RK及びRLが態様E4に定義した通りであり;
AryAが態様E29に定義した通りであり;
HetAが態様E32に定義した通りであり;
R2が態様E7に定義した通りであり;
CycBが態様E35に定義した通りであり;
AryBが態様E38に定義した通りであり;
HetBが態様E42に定義した通りであり;
R3が態様E10に定義した通りであり;
R4が態様E13に定義した通りであり;
R5が態様E16に定義した通りであり;
AryEが態様E54に定義した通りであり;
HetEが態様E58に定義した通りであり;
代替としてR4とR5が一緒になって態様E20に定義した通りである式Iの化合物とその医薬的に許容可能な塩を含む。
【0091】
本発明の化合物の第3分類の第1の亜分類(亜分類SC3−1)は代替としてR4とR5が一緒になって態様E21に定義した通りであり;他の全変項が分類C3で当初に定義した通りである式Iの化合物とその医薬的に許容可能な塩を含む。
【0092】
本発明の別の態様は当初に定義した通り又は上記態様、側面、分類もしくは亜分類のいずれかに定義した通りである式Iの化合物又はその医薬的に許容可能な塩であって、化合物又はその塩が実質的に純粋な形態のものである。本明細書で使用する「実質的に純粋」とは式Iの化合物又はその塩を含有する生成物(例えば化合物又は塩を生じる反応混合物から単離された生成物)のうちの適切には少なくとも約60重量%、一般には少なくとも約70重量%、好ましくは少なくとも約80重量%、より好ましくは少なくとも約90重量%(例えば約90重量%〜約99重量%)、更に好ましくは少なくとも約95重量%(例えば約95重量%〜約99重量%、又は約98重量%〜100重量%)、最も好ましくは少なくとも約99重量%(例えば100重量%)が前記化合物又は塩から構成されることを意味する。化合物及び塩の純度レベルは薄膜クロマトグラフィー、ゲル電気泳動、高性能液体クロマトグラフィー、及び/又は質量分析等の標準分析法を使用して測定することができる。2種類以上の分析法を利用し、方法により純度レベルの測定実験結果に有意差がある場合には、不純物レベルが最高の方法を採用する。純度100%の化合物又は塩は標準分析法により測定した場合に検出可能な不純物を含まないものである。本発明の化合物は1個以上の不斉中心をもち、立体異性体の混合物として存在する場合があるが、このような場合に実質的に純粋な化合物とは立体異性体の実質的に純粋な混合物でもよいし、実質的に純粋な個々のジアステレオマー又はエナンチオマーでもよい。
【0093】
本発明の他の態様を以下に挙げる:
(a)有効量の上記定義による式Iの化合物又はその医薬的に許容可能な塩と、医薬的に許容可能なキャリヤーを含有する医薬組成物。
(b)有効量の上記定義による式Iの化合物又はその医薬的に許容可能な塩と、医薬的に許容可能なキャリヤーを配合(例えば混合)することにより製造される製剤を含有する医薬組成物。
(c)HIV抗ウイルス剤、免疫調節剤及び抗感染剤から構成される群から選択される有効量の抗HIV剤を更に含有する(a)又は(b)に記載の医薬組成物。
(d)抗HIV剤がHIVプロテアーゼ阻害剤、式Iの化合物以外のHIV逆転写酵素阻害剤、HIVインテグラーゼ阻害剤、HIV融合阻害剤及びHIV侵入阻害剤から構成される群から選択される抗ウイルス剤である(c)に記載の医薬組成物。
(e)抗HIV剤がHIVプロテアーゼ阻害剤、式Iの化合物以外のHIV逆転写酵素阻害剤及びHIVインテグラーゼ阻害剤から構成される群から選択される抗ウイルス剤である(d)に記載の医薬組成物。
(f)(i)上記定義による式Iの化合物又はその医薬的に許容可能な塩と、(ii)HIV抗ウイルス剤、免疫調節剤及び抗感染剤から構成される群から選択される別の抗HIV剤からなる併用剤であって、併用剤がHIV逆転写酵素の阻害、HIV感染の治療又は予防、あるいはエイズの治療、予防又は発症もしくは進行遅延に有効となるような量で化合物Iと抗HIV剤を各々使用する前記併用剤。
(g)抗HIV剤がHIVプロテアーゼ阻害剤、HIV逆転写酵素阻害剤、HIVインテグラーゼ阻害剤、HIV融合阻害剤及びHIV侵入阻害剤から構成される群から選択される抗ウイルス剤である(f)に記載の併用剤。
(h)抗HIV剤がHIVプロテアーゼ阻害剤、HIV逆転写酵素阻害剤及びHIVインテグラーゼ阻害剤から構成される群から選択される抗ウイルス剤である(g)に記載の併用剤。
(i)該当処置を要する対象におけるHIV逆転写酵素の阻害方法であって、有効量の式Iの化合物を前記対象に投与する段階を含む前記方法。
(j)該当処置を要する対象におけるHIV(例えばHIV−1)感染の予防又は治療方法であって、有効量の式Iの化合物を前記対象に投与する段階を含む前記方法。
(k)HIVプロテアーゼ阻害剤、HIVインテグラーゼ阻害剤、非ヌクレオシド系HIV逆転写酵素阻害剤、ヌクレオシド系HIV逆転写酵素阻害剤、HIV融合阻害剤及びHIV侵入阻害剤から構成される群から選択される有効量の少なくとも1種類の他のHIV抗ウイルス剤と式Iの化合物を併用投与する(j)に記載の方法。
(l)HIVプロテアーゼ阻害剤、HIVインテグラーゼ阻害剤、非ヌクレオシド系HIV逆転写酵素阻害剤及びヌクレオシド系HIV逆転写酵素阻害剤から構成される群から選択される有効量の少なくとも1種類の他のHIV抗ウイルス剤と式Iの化合物を併用投与する(j)に記載の方法。
(m)該当処置を要する対象におけるエイズの予防、治療又は発症もしくは進行遅延方法であって、有効量の式Iの化合物を前記対象に投与する段階を含む前記方法。
(n)HIVプロテアーゼ阻害剤、HIVインテグラーゼ阻害剤、非ヌクレオシド系HIV逆転写酵素阻害剤、ヌクレオシド系HIV逆転写酵素阻害剤、HIV融合阻害剤及びHIV侵入阻害剤から構成される群から選択される有効量の少なくとも1種類の他のHIV抗ウイルス剤と前記化合物を併用投与する(m)に記載の方法。
(o)HIVプロテアーゼ阻害剤、HIVインテグラーゼ阻害剤、非ヌクレオシド系HIV逆転写酵素阻害剤及びヌクレオシド系HIV逆転写酵素阻害剤から構成される群から選択される有効量の少なくとも1種類の他のHIV抗ウイルス剤と前記化合物を併用投与する(m)に記載の方法。
(p)該当処置を要する対象におけるHIV逆転写酵素の阻害方法であって、(a)、(b)、(c)、(d)もしくは(e)に記載の医薬組成物又は(f)、(g)もしくは(h)に記載の併用剤を前記対象に投与する段階を含む前記方法。
(q)該当処置を要する対象におけるHIV(例えばHIV−1)感染の予防又は治療方法であって、(a)、(b)、(c)、(d)もしくは(e)に記載の医薬組成物又は(f)、(g)もしくは(h)に記載の併用剤を前記対象に投与する段階を含む前記方法。
(r)該当処置を要する対象におけるエイズの予防、治療又は発症もしくは進行遅延方法であって、(a)、(b)、(c)、(d)もしくは(e)に記載の医薬組成物又は(f)、(g)もしくは(h)に記載の併用剤を前記対象に投与する段階を含む前記方法。
【0094】
本発明は更に、(a)HIV逆転写酵素の阻害、(b)HIV感染の治療又は予防、あるいは(c)エイズの治療、予防又は発症もしくは進行遅延において(i)使用するため、(ii)そのための医薬として使用するため、又は(iii)そのための医薬の調製もしくは製造で使用するための式Iの化合物又はその医薬的に許容可能な塩を含む。これらの使用では、本発明の化合物は場合によりHIV抗ウイルス剤、抗感染剤及び免疫調節剤から選択される1種類以上の抗HIV剤と併用することができる。
【0095】
本発明の他の態様としては、使用する本発明の化合物が上記態様、側面、分類又は亜分類の1種の化合物である上記(a)〜(r)に記載の医薬組成物、併用剤及び方法並びに前段落に記載の使用が挙げられる。これらの全態様において、化合物は場合により医薬的に許容可能な塩として使用することができる。
【0096】
本発明の他の態様としては、使用する本発明の化合物又はその塩が実質的に純粋である上記各段落に記載の各医薬組成物、併用剤、方法及び使用が挙げられる。式Iの化合物又はその塩と医薬的に許容可能なキャリヤーと場合により1種類以上の賦形剤を含有する医薬組成物に関して、「実質的に純粋」なる用語は式Iの化合物又はその塩自体のことであり、即ち組成物中の活性成分が純粋であることを意味する。
【0097】
本発明は更に式Iの化合物のプロドラッグを含む。「プロドラッグ」なる用語は化合物Iにin vivo変換される式Iの化合物又はその医薬的に許容可能な塩の誘導体を意味する。式Iの化合物のプロドラッグは化合物自体に比較して高い溶解度、吸収性及び/又は親油性を示すため、バイオアベイラビリティ及び効力を増すことができる。プロドラッグのin vivo変換は酵素触媒化学反応、代謝化学反応及び/又は自然化学反応(例えば加溶媒分解)の結果として得られる。化合物が例えばヒドロキシ基を含む場合には、プロドラッグとしてはエステル(−OC(O)R)、炭酸エステル(−OC(O)OR)、リン酸エステル(−O−P(=O)(OH)2)、又はエーテル(−OR)等のヒドロキシ基の誘導体が挙げられる。他の例を挙げると、式Iの化合物がカルボン酸基を含む場合には、プロドラッグとしてはエステル又はアミドが挙げられ、式Iの化合物が第1級アミノ基又は誘導体化可能な別の適切な窒素を含む場合には、プロドラッグとしてはアミド、カルバミン酸エステル、尿素、イミン又はマンニッヒ塩基が挙げられる。化合物Iの1個以上の官能基を誘導体化すると、そのプロドラッグが得られる。適切なプロドラッグ誘導体の慣用選択及び製造方法は例えばH.Bundgaard編,Design of Prodrugs,Elsevier,1985;J.J.Haleら,J.Med.Chem.2000,vol.43,pp.1234−1241;C.S.Larsen and J.Ostergaard,“Design and application of prodrugs”in:Textbook of Drug Design and Discovery.第3版,C.S.Larsen編,2002,pp.410−458;及びBeaumontら,Current Drug Metabolism 2003,vol.4,pp.461−458に記載されており、各々その開示内容全体を本明細書に援用する。
【0098】
本明細書で使用する「アルキル」なる用語は指定範囲の炭素原子数の任意一価直鎖又は分岐鎖飽和脂肪族炭化水素基を意味する。従って、例えば「C1−6アルキル」(又は「C1−C6アルキル」)とはヘキシルアルキル及びペンチルアルキル異性体と、n−ブチル、イソブチル、sec−ブチル、t−ブチル、n−プロピル、イソプロピル、エチル及びメチルのいずれかを意味する。別の例として、「C1−4アルキル」とはn−ブチル、イソブチル、sec−ブチル、t−ブチル、n−プロピル、イソプロピル、エチル及びメチルを意味する。
【0099】
「アルキレン」なる用語は指定範囲の炭素原子数の任意二価直鎖又は分岐鎖脂肪族炭化水素基を意味する。従って、例えば「−C1−6アルキレン−」とはC1〜C6直鎖又は分岐鎖アルキレンのいずれかを意味し、「−C1−4アルキレン−」とはC1〜C4直鎖又は分岐鎖アルキレンのいずれかを意味する。本発明に関して特に重要な1分類のアルキレンは−(CH2)1−6−であり、特に重要な亜分類としては、−(CH2)1−4−、−(CH2)1−3−、−(CH2)1−2−、及び−CH2−が挙げられる。別の重要な亜分類は−CH2−、−CH(CH3)−及び−C(CH3)2−から構成される群から選択されるアルキレンである。
【0100】
「アルケニル」なる用語は1個の炭素−炭素二重結合を含む指定範囲の炭素原子数の一価直鎖又は分岐鎖脂肪族炭化水素基を意味する。1分類のアルケニルは炭素原子数2〜6のものである。好ましい1分類のアルケニルは炭素原子数2〜4のものである。アルケニル基の例としてはビニル(エテニル)、2−プロペニル、イソプロペニル及びイソブテニルが挙げられる。
【0101】
「アルキニル」なる用語は1個の炭素−炭素三重結合を含む指定範囲の炭素原子数の一価直鎖又は分岐鎖脂肪族炭化水素基を意味する。1分類のアルケニルは炭素原子数2〜6のものである。好ましい1分類のアルキニルは炭素原子数2〜4のものである。アルキニル基の例としてはエチニルとプロピニルが挙げられる。
【0102】
「シクロアルキル」なる用語は指定範囲の炭素原子数のアルカンの任意単環を意味する。従って、例えば「C3−8シクロアルキル」(又は「C3−C8シクロアルキル」)とはシクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル、シクロヘプチル及びシクロオクチルを意味する。
【0103】
「シクロアルケニル」なる用語は指定範囲の炭素原子数のアルケンの任意単環を意味する。従って、例えば「C3−8シクロアルケニル」(又は「C3−C8シクロアルケニル」)とはシクロプロピル、シクロブテニル、シクロペンテニル、シクロヘキセニル、シクロヘプテニル又はシクロオクテニルを意味する。
【0104】
「ハロゲン」(又は「ハロ」)なる用語はフッ素、塩素、臭素及びヨウ素(フルオロ、クロロ、ブロモ及びヨードとも言う)を意味する。
【0105】
「ハロアルキル」なる用語は水素原子の1個以上がハロゲン(即ちF、Cl、Br及び/又はI)で置換されている上記定義によるアルキル基を意味する。従って、例えば「C1−6ハロアルキル」(又は「C1−C6ハロアルキル」)とは1個以上のハロゲン置換基をもつ上記定義によるC1〜C6直鎖又は分岐鎖アルキル基を意味する。「フルオロアルキル」なる用語はハロゲン置換基がフルオロに限定されている点以外は同様の意味である。適切なフルオロアルキルとしては(CH2)0−4CF3系列(即ちトリフルオロメチル、2,2,2−トリフルオロエチル、3,3,3−トリフルオロ−n−プロピル等)が挙げられる。特に重要なフルオロアルキルはCF3である。
【0106】
「C(O)」なる用語はカルボニルを意味する。「S(O)2」及び「SO2」なる用語は各々スルホニルを意味する。「S(O)」なる用語はスルフィニルを意味する。
【0107】
R1〜R5の定義における任意基に示す左端の原子又は変項は分子の残余に結合した原子又は変項である。従って、例えばR1=C(O)NRKRLに等価の定義はR1=*−C(O)NRKRLである。別の例として、R1がC(O)NRKRLであり、RKがHであり、RLがY1−CycAで置換されたC1−6アルキルであり、前記C1−6アルキルがメチルであり、Y1がO−C1−6アルキレンであり、前記C1−6アルキレンがメチレン(即ちY1がOCH2)であり、R5がY4−AryEで置換されたC1−6アルキルであり、前記C1−6アルキルがメチルであり、Y4がN(RA)−C1−6アルキレンであり、前記C1−6アルキレンがメチレン(即ちY4がN(RA)−CH2)である本発明の化合物の定義は以下の通りである。
【0108】
【化3】
【0109】
化学基の空結合の末端のアステリスク(「*」)はこの基と分子の残余との結合点を表す。
【0110】
「炭素環」なる用語は全ての環原子が炭素原子である単環、二環系又は多環系を意味する。本発明に関して重要な1分類の炭素環としてはC3−8シクロアルキル、C5−8シクロアルケニル、又は一方の環が他方の環に縮合もしくは架橋しているC7−12二環式飽和もしくは不飽和非芳香環系が挙げられる。この分類の炭素環の代表的なメンバーはシクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル、シクロヘプチル、シクロオクチル、シクロペンテニル、シクロヘキセニル、シクロヘプテニル、オクタヒドロ−1H−インデニル及びデカヒドロナフチル(デカリニル)である。
【0111】
別の分類の重要な炭素環はアリールである。「アリール」なる用語は(i)フェニル、(ii)少なくとも一方の環が芳香族である9又は10員二環式縮合炭素環系、及び(iii)少なくとも1個の環が芳香族である11〜14員三環式縮合炭素環系を意味する。適切なアリールとしては例えばフェニル、ナフチル、テトラヒドロナフチル(テトラリニル)、インデニル、アントラセニル及びフルオレニルが挙げられる。
【0112】
「複素環」なる用語は(i)4〜8員飽和もしくは不飽和単環、(ii)7〜12員二環系、又は(iii)10〜18員三環系を意味し、(ii)又は(iii)の各環は相互に独立しているか、縮合しているか、又は架橋しており、各環は飽和又は不飽和であり、前記単環、二環系又は三環系はN、O及びSから選択される1〜8個のヘテロ原子と残余の炭素原子を含み、窒素及び硫黄ヘテロ原子の任意1個以上は場合により酸化されており、窒素ヘテロ原子の任意1個以上は場合により四級化されている。適切な単環としては、アゼチジニル、ピペリジニル、モルホリニル、チオモルホリニル、チアゾリジニル、イソチアゾリジニル、オキサゾリジニル、イソオキサゾリジニル、ピロリジニル、イミダゾリジニル、ピペラジニル、テトラヒドロフラニル、テトラヒドロチエニル、ピラゾリジニル、ヘキサヒドロピリミジニル、チアジナニル、チアゼパニル、アゼパニル、ジアゼパニル、テトラヒドロピラニル、テトラヒドロチオピラニル、ジオキサニル及びアザシクロオクチル等の飽和複素環が挙げられる。適切な単環としては更に前文に挙げた飽和複素環の単結合を二重結合で置き換えたもの(例えば炭素−炭素単結合を炭素−炭素二重結合で置き換えたもの)等の不飽和複素環が挙げられる。適切な環系としては、例えば7−アザビシクロ[2.2.1]ヘプチル、デカヒドロナフチリジニル及びデカヒドロキノリニルが挙げられる。
【0113】
複素環としてはヘテロアリールが挙げられる。「ヘテロアリール」なる用語は(i)5及び6員複素芳香環と、(ii)少なくとも一方の環が芳香族である9及び10員二環式縮合環系を意味し、前記複素芳香環又は二環式縮合環系はN、O及びSから独立して選択される1〜4個のヘテロ原子を含み、各Nは場合により酸化物形態であり、非芳香環の各Sは場合によりS(O)又はS(O)2である。適切な5及び6員複素芳香環としては例えばピリジル、ピロリル、ピラジニル、ピリミジニル、ピリダジニル、トリアジニル、チエニル、フラニル、イミダゾリル、ピラゾリル、トリアゾリル、テトラゾリル、オキサゾリル、イソオキサゾリル、オキサジアゾリル、オキサトリアゾリル、チアゾリル、イソチアゾリル及びチアジアゾリルが挙げられる。適切な9及び10員二環式複素縮合環系としては例えばベンゾフラニル、インドリル、インダゾリル、ナフチリジニル、イソベンゾフラニル、ベンゾピペリジニル、ベンゾイソオキサゾリル、ベンゾオキサゾリル、クロメニル、キノリニル、イソキノリニル、シンノリニル、キナゾリニル、テトラヒドロキノリニル、テトラヒドロイソキノリニル、イソインドリル、ベンゾジオキソリル(例えばベンゾ−1,3−ジオキソリル:
【0114】
【化4】
);ベンゾピペリジニル、ベンゾイソオキサゾリル、ベンゾオキサゾリル、クロマニル、イソクロマニル、ベンゾチエニル、ベンゾフラニル、イミダゾ[l,2−a]ピリジニル、ベンゾトリアゾリル、ジヒドロインドリル、ジヒドロイソンドリル、インダゾリル、インドリニル、イソインドリニル、キノキサリニル、キナゾリニル、2,3−ジヒドロベンゾフラニル及び2,3−ジヒドロベンゾ−1,4−ジオキシニル(即ち:
【0115】
【化5】
)が挙げられる。
【0116】
当然のことながら、本発明で使用するのに適した特定環及び環系は前段落に挙げたものに限定されない。これらの環及び環系は単に代表例に過ぎない。
【0117】
特定状況で特に逆の記載がない限り、安定な化合物が得られるのであれば、本発明に含まれる各種環及び環系はいずれも任意環原子(即ち任意炭素原子又は任意ヘテロ原子)で化合物の残余と結合することができる。
【0118】
特に逆の記載がない限り、本明細書に記載する全範囲は両端を含む。例えば、複素環が「1〜4個のヘテロ原子」を含むと言う場合にはこの環が1、2、3又は4個のヘテロ原子を含むことを意味する。同様に当然のことながら、本明細書に記載する任意範囲はこの範囲内の全ての部分的範囲をその範囲に含む。従って、例えば複素環が「1〜4個のヘテロ原子」を含むと言う場合には、2〜4個、3又は4個、1〜3個、2又は3個、1又は2個、1個、2個、3個、及び4個のヘテロ原子を含む複素環をその側面として含むものとする。別の例として、アリール又はヘテロアリールが場合により「1〜8個の置換基」で置換されていると言う場合には、場合により1〜7個、1〜6個、1〜5個、1〜4個、1〜3個、1〜2個、2〜8個、2〜7個、2〜6個、2〜5個、2〜4個、2〜3個、3〜8個、3〜7個、3〜6個、3〜5個、3〜4個、4〜8個、4〜7個、4〜6個、4〜5個、5〜8個、6〜8個、7〜8個、1個、2個、3個、4個、5個、6個、7個及び8個の置換基で置換されたアリール又はヘテロアリールをその側面として含むものとする。
【0119】
任意変項(例えばRAやRB)が任意成分中又は式I中又は本発明の化合物を表す他の任意式中に2回以上出現する場合には、出現毎のその定義は他の全出現時のその定義から独立している。また、置換基及び/又は変項の組み合わせはこのような組み合わせにより安定な化合物が得られる場合に限って許容される。
【0120】
特に逆の記載がない限り、指定置換基による置換はこのような環置換が化学的に許容され、その結果として安定な化合物が得られるのであれば、環(例えばシクロアルキル、アリール又はヘテロアリール)内の任意原子上で許容される。
【0121】
置換基又は置換基パターンの選択の結果として、本発明の所定の化合物はケト−エノール互変異性を示す場合がある。個々の異性体であるか又は混合物であるかを問わず、これらの化合物の全互変異性体が本発明の範囲に含まれる。ケト−エノール互変異性を生じるように複素芳香環の炭素原子上にヒドロキシ置換基をもつ本発明の化合物はヒドロキシのみが存在する化合物と、互変異性ケト形(即ちオキソ置換)が存在する化合物と、ケト形とエノール形が併存する化合物を含むものとする。
【0122】
「安定な」化合物とは製造単離することができ、本明細書に記載する目的(例えば対象への治療又は予防投与)に化合物を使用できるようにするために十分な時間にわたってその構造と性質がほぼ不変に維持される化合物又は維持させることができる化合物である。本発明の化合物は式Iにより表される安定な化合物に限定される。
【0123】
置換基又は置換基パターンの選択の結果として、本発明の所定の化合物は不斉中心をもつ場合があり、立体異性体の混合物又は個々のジアステレオマーもしくはエナンチオマーとして存在する場合がある。個々の異性体であるか又は混合物中であるかを問わず、これらの化合物の全異性体が本発明の範囲に含まれる。
【0124】
本発明の方法はHIV逆転写酵素(野生型及び/又はその突然変異株)の阻害、ヒト免疫不全ウイルス(HIV)感染の予防又は治療、及びその結果として生じる病態(例えばエイズ)の予防、治療又は発症もしくは進行遅延において本発明の化合物を使用する。エイズの予防、エイズの治療、エイズの発症もしくは進行遅延、又はHIV感染の治療もしくは予防は限定されないが、エイズ、ARC(エイズ関連症候群)、症候性及び非症候性並びに実際的又は潜在的なHIV暴露等の広範なHIV感染状態の治療として定義される。例えば、本発明は輸血、体液交換、咬傷、偶発的穿刺又は外科手術中の患者血液との接触等により過去にHIVに暴露された疑いがある場合にHIV感染を治療するために利用することができる。別の例として、本発明は有効量の化合物I又はその医薬的に許容可能な塩の投与により、HIVに感染した妊婦からその胎児又は育児中(即ち授乳中)のHIV感染女性から乳児へのHIV感染を予防するために利用することもできる。
【0125】
これらの化合物は医薬的に許容可能な塩として投与することができる。「医薬的に許容可能な塩」なる用語は親化合物の効力をもち、生物学的又は他の点で有害でない(例えばそのレシピエントに対して毒性でなく、他の点で有害でもない)塩を意味する。適切な塩としては、例えば本発明の化合物の溶液を塩酸、硫酸、酢酸、トリフルオロ酢酸又は安息香酸等の医薬的に許容可能な酸の溶液と混合することにより形成することができる酸付加塩が挙げられる。本発明で利用する化合物が酸性部分(例えば−COOH又はフェノール基)をもつ場合には、適切なその医薬的に許容可能な塩としてはアルカリ金属塩(例えばナトリウム又はカリウム塩)、アルカリ土類金属塩(例えばカルシウム又はマグネシウム塩)、及び適切な有機リガンドとの間に形成される塩(例えば第4級アンモニウム塩)が挙げられる。また、酸(−COOH)又はアルコール基が存在する場合には、医薬的に許容可能なエステルを使用して化合物の溶解度又は加水分解特性を調節することができる。
【0126】
式Iの化合物に関して「投与」なる用語とその変形(例えば化合物を「投与する」)は治療又は予防を必要とする個体に化合物又は化合物のプロドラッグを提供することを意味する。化合物又はそのプロドラッグを1種類以上の他の活性剤(例えばHIV感染又はエイズの治療又は予防に有用な抗ウイルス剤)と共に提供する場合には、「投与」とその変形は各々化合物又はプロドラッグと他の物質を同時又は異なる時点で提供することを含むものとする。併用する薬剤を同時に投与する場合には、単一組成物として一緒に投与してもよいし、別々に投与してもよい。
【0127】
本明細書で使用する「組成物」なる用語は特定成分を含有する製剤に加え、特定成分の併用により直接又は間接的に得られる任意製剤を意味する。
【0128】
「医薬的に許容可能」とは医薬組成物の成分が相互に適合可能でなければならず且つそのレシピエントに有害であってはならないことを意味する。
【0129】
本明細書で使用する「対象」なる用語は治療、観察又は実験の対象とした動物、好ましくは哺乳動物、最も好ましくはヒトを意味する。
【0130】
本明細書で使用する「有効量」なる用語は研究者、獣医、医師又は他の臨床医により求められる組織、系、動物又はヒトの生物学的又は医学的応答を誘発する活性化合物又は薬剤の量を意味する。1態様では、有効量は治療する疾患又は病態の症状を緩和するための「治療有効量」である。別の態様では、有効量は予防する疾患又は病態の症状を予防するための「予防有効量」である。この用語は本明細書では更にHIV逆転写酵素(野生型及び/又はその突然変異株)を阻害することにより所望応答を誘発するために十分な活性化合物の量(即ち「阻害有効量」)も含む。活性化合物(即ち活性成分)を塩として投与する場合には、活性成分の量とは化合物の遊離形態(即ち非塩形態)の量である。
【0131】
本発明の方法(即ちHIV逆転写酵素の阻害方法、HIV感染の治療又は予防方法、あるいはエイズの治療、予防又は発症もしくは進行遅延方法)では、活性剤を活性剤の作用部位と接触させる任意手段により場合により塩/水和物形態の式Iの化合物を投与することができる。これらの化合物は医薬品と共に利用可能な任意慣用手段により個々の治療剤として又は治療剤の併用剤として投与することができる。化合物は単独で投与してもよいが、一般には選択した投与経路と標準医薬プラクティスに基づいて選択された医薬キャリヤーと共に投与する。本発明の化合物は例えば、有効量の化合物と医薬的に許容可能な慣用非毒性キャリヤー、アジュバント及びビヒクルを含有する医薬組成物の単位用量製剤として経口、非経口(皮下注射、静脈内、筋肉内、胸骨内注射又は輸液法を含む)、吸入スプレー、又は直腸投与することができる。経口投与に適した液体製剤(例えば懸濁液剤、シロップ、エリキシル剤等)は当分野で公知の技術に従って製造することができ、水、グリコール、油類、アルコール等の通常媒体の任意のものを利用することができる。経口投与に適した固体製剤(例えば散剤、ピル、カプセル剤及び錠剤)は当分野で公知の技術に従って製造することができ、澱粉、糖類、カオリン、滑沢剤、結合剤、崩壊剤等の固体賦形剤を利用することができる。非経口組成物は当分野で公知の技術に従って製造することができ、一般にキャリヤーとして滅菌水と、場合により他の成分(例えば溶解助剤)を利用することができる。注射溶液は当分野で公知の技術に従って製造することができ、キャリヤーは食塩水、ブドウ糖液又は食塩とブドウ糖の混合物を含有する溶液を含む。本発明で使用する医薬組成物の製造に使用するのに適した方法と、前記組成物で使用するのに適した成分に関する更に詳細についてはRemington’s Pharmaceutical Sciences,第18版,A.R.Gennaro編,Mack Publishing Co.,1990及びRemington−The Science and Practice of Pharmacy,第21版,Lippincott Williams & Wilkins,2005に記載されている。
【0132】
式Iの化合物は0.001〜1000mg/kg哺乳動物(例えばヒト)体重/日の用量範囲を1回又は数回に分けて経口投与することができる。1好適用量範囲は0.01〜500mg/kg体重/日を1回又は数回に分けて経口投与する。別の好適用量範囲は0.1〜100mg/kg体重/日を1回又は数回に分けて経口投与する。経口投与には、治療する患者の症状に合わせて用量を調節するように活性成分1.0〜500mg、特に活性成分1、5、10、15、20、25、50、75、100、150、200、250、300、400及び500mgを含有する錠剤又はカプセル剤の形態で組成物を提供することができる。任意特定患者の特定用量レベルと投与頻度は使用する特定化合物の活性、化合物の代謝安定性と作用時間、年齢、体重、一般健康状態、性別、食事、投与方法及び時間、排泄率、薬剤併用、特定病態の重篤度、並びに治療を受ける宿主等の種々の因子により異なる。
【0133】
上述のように、本発明は更に式Iの化合物と1種類以上の抗HIV剤との併用に関する。「抗HIV剤」とはHIV逆転写酵素又はHIV複製もしくは感染に必要な別の酵素の阻害、HIV感染の治療又は予防、及び/又はエイズの治療、予防又は発症もしくは進行遅延に直接又は間接的に有効な任意物質である。当然のことながら、抗HIV剤はHIV感染又はエイズ及び/又はこれに起因もしくは付随する疾患もしくは病態の治療、予防又は発症もしくは進行遅延に有効である。例えば、本発明の化合物はWO01/38332の表1又はWO02/30930の表に開示されているもの等のHIV感染又はエイズの治療に有用なHIV抗ウイルス剤、免疫調節剤、抗感染剤又はワクチンから選択される1種類以上の有効量の抗HIV剤と有効に併用投与することができ、投与時点は暴露前及び/又は暴露後を問わない。本発明の化合物と併用するのに適したHIV抗ウイルス剤としては例えば下表Aに記載するものが挙げられる。
【0134】
【表1】
【0135】
当然のことながら、本発明の化合物と抗HIV剤の併用の範囲は表A及び/又は上記WO01/38332及びWO02/30930の表に記載のHIV抗ウイルス剤に限定されず、原則としてエイズの治療又は予防に有用な任意医薬組成物との任意併用に及ぶ。HIV抗ウイルス剤及び他の物質は一般に文献に報告されているその慣用用量範囲及びレジメンに従ってこれらの併用で利用され、例えばPhysicians’Desk Reference,Thomson PDR,Thomson PDR,第57版(2003)、第58版(2004)又は第59版(2005)に記載されている用量が挙げられる。これらの併用における本発明の化合物の用量範囲は上記範囲と同一である。
【0136】
本明細書で使用する略語は以下の通りである:AcOH=酢酸;AIDS=後天性免疫不全症候群;Bn=ベンジル;BOC又はBoc=t−ブチルオキシカルボニル;BrdUTP=ブロモデオキシウリジン三リン酸;n−Bu=n−ブチル;t−Bu=t−ブチル;CHAPS=3−[(3−コールアミドプロピル)ジメチルアンモニオ]−1−プロパンスルホネート;DCC=ジシクロヘキシルカルボジイミド;DCE=1,2−ジクロロエタン;DCM=ジクロロメタン;dGTP=デオキシグアノシン三リン酸;DMF=ジメチルホルムアミド;dNTP=デオキシヌクレオシド三リン酸;EDC=1−エチル−3−(3−ジメチルアミノプロピル)カルボジイミド;EDTA=エチレンジアミン四酢酸;EGTA=エチレングリコールビス(2−アミノエチルエーテル)−N,N,N’,N’−四酢酸;Et=エチル;Et3N=トリエチルアミン;EtOH=エタノール;FBS=胎仔ウシ血清;HOBt=1−ヒドロキシベンゾトリアゾール;HPLC=高性能液体クロマトグラフィー;i−Pr=イソプロピル;MS=質量分析;n−Pr=n−プロピル;TEA=トリエチルアミン;TFA=トリフルオロ酢酸;TfOH=トリフル酸(=トリフルオロメタンスルホン酸);THF=テトラヒドロフラン。
【0137】
本発明の化合物は容易に入手可能な出発材料、試薬及び慣用合成手順を使用し、下記合成反応スキーム及び実施例又はその変形に従って容易に製造することができる。これらの反応では、詳細には記載しないが、当業者にそれ自体公知の変形を利用することも可能である。更に、本発明の化合物の他の製造方法も以下の反応スキームと実施例から当業者に容易に想到されよう。特に指定しない限り、全変項は上記に定義した通りである。
【0138】
スキーム1は4−アリールスルホニル−1H−ピロール−2,5−ジカルボキサミドの合成を示す。出発点はピロール1−1であり、市販品でもよいし、Kleinspehn,J.Am.Chem.Soc.1955,77:1546−48に記載されているように製造することもできる。スキーム1では、ピロール1−1を極性非プロトン性溶媒(例えばジメチルホルムアミドやジメチルスルホキシド)中、塩基(例えば水素化ナトリウム)の存在下でアリールジスルフィドと反応させ、アリールチオピロール1−2を得る(Atkinsonら,Synthesis 1988,480−81におけるインドールとの同様の反応参照)。あるいは、ピロール1を非反応性無水溶媒(例えば塩化メチレンやクロロホルム)中、アリールスルフェニルクロリドと反応させ、化合物1−2を得ることもできる(Fischerら,Justus Liebigs Ann.Chem.1928,461:244−77)。水性酸性、塩基性又は緩衝条件下でクロロホルムや塩化メチレン等の不活性有機溶媒を使用して過酸や過酸化物等の各種酸化剤で1−2中の硫化物を酸化し、スルホン1−3とすることができる。その後、5−メチル置換基の酸化[例えば(i)硝酸セリウムアンモニウムとの反応(Paineら,Canadian Journal of Chemistry,1976,54(3):411−14)又は(ii)不活性溶媒(例えばジクロロエタン、クロロホルム又は塩化メチレン等のハロゲン化炭化水素)中、塩化スルフリルで塩素化後に水性加水分解(Corwinら,J.Am.Chem.Soc.1942,64:1267−73)]によりアルデヒド1−4を得、亜塩素酸ナトリウム、過マンガン酸カリウム又はクロム酸と水性又は有機溶媒を使用して更に酸化し、対応するカルボン酸1−5とすることができる。その後、EDCやDCC等のカルボジイミドカップリング試薬とヒドロキシベンゾトリアゾールを使用してジメチルホルムアミド又は塩化メチレン中で酸1−5を活性化エステルに変換し、標準カップリング条件を使用してアミンとカップリングし、第1級又は第2級アミド1−6とすることができる。その後、1種類以上の補助有機溶媒の存在下又は不在下に水性塩基を使用し、あるいは酸感受性エステルの場合には酸性条件(例えば塩化メチレン又はクロロホルム中トリフルオロ酢酸)を使用し、あるいはベンジルエステルの場合には接触水素化反応を使用し、1−6に残留するエステルを加水分解し、カルボン酸1−7とすることができる。次にハロゲン化溶媒、テトラヒドロフラン、酢酸エチル又はアセトンを使用して塩基の存在下に適切なアミンと反応させることにより、酸塩化物1−8を経由してジカルボキサミド1−9に変換することができる。あるいは、EDCやDCC等のカルボジイミドカップリング試薬とヒドロキシベンゾトリアゾール又は同様の試薬を使用してジメチルホルムアミド又は塩化メチレン中で1−7から活性エステルをin situ形成した後に、適切なアミンと反応させてもよい。
【0139】
【化6】
【0140】
スキーム2は式1−1のピロールの代替製造方法を示す。この方法はピロールが市販されておらず、Kleinspehn,J.Am.Chem.Soc.1955,77:1546−48に記載されているように製造することができない場合にピロールを製造するのに特に有用である。メルドラム酸2−1を酸塩化物とアミン塩基(例えばピリジン)でアシル化して2−2を得、不活性溶媒(例えばベンゼンやトルエン等の芳香族炭化水素)中、アルコールで加溶媒分解し、還流により脱炭酸後、β−ケトエステル2−3を得る(Oikawaら,J.Org.Chem.1978,43(10):2087−88)。高温を使用してクノール合成条件下で2−3からピロール2−4へと変換することができる(MacDonald,J.Chem.Soc.1952:4176−4182)。その後、適切な溶媒(例えばメタノール、エタノール、イソプロパノール又は酢酸エチル)中、遷移金属触媒(例えばパラジウム)を使用して接触水素化によりカルボン酸に選択的に変換することによりベンジルエステルを2−5に分解することができる。その後、高温の水性弱塩基性溶媒混合物中、ヨウ素とヨウ化物塩を使用してヨード脱炭酸により2−6を得る。アルコール溶媒(例えばMeOH)中、アミン塩基の存在下に遷移金属触媒(例えばPd)を使用して2−6を還元的脱ハロゲン化し、1−1を得る。スキーム1の化学反応を1−1に適用し、目的の1−9を得る。
【0141】
【化7】
【0142】
スキーム3は4−アミノスルホニル−1H−ピロール−2,5−ジカルボキサミドの製法として、Paine and Dolphin,J.Org.Chem.1985,50:2763−72により開発された手順と同様にアミノマロン酸ジアルキル塩酸塩3−1とβ−ジケトンを使用して1,3−ジケトン縮合/環化によりピロール1−1を製造することができる方法を示す。その後、ピロール1−1をクロロスルホン酸原液でスルホン酸化し、4−クロロスルホニルピロール3−2を得る。3−2における塩素を非プロトン性溶媒(例えば塩化メチレン、酢酸エチル、アセトン又はジメチルホルムアミド)とアミン塩基(例えばトリエチルアミン、ヒューニッヒ塩基又はピリジン)の存在下に第2級アミンで置換し、スルホンアミド3−3を生成することができる。塩化メチレン、クロロホルム、ジクロロエタン又は別の不活性溶媒中、塩化スルフリルでジハロゲン化後にアセトン、酢酸エチル、テトラヒドロフラン又はジオキサン等の補助溶媒を使用して水で加水分解することによりα−メチル基を選択的に酸化し、カルボキシアルデヒド3−4とすることができる。カルボキシアルデヒド3−4を水性又は有機溶媒中、亜塩素酸ナトリウム、過マンガン酸カリウム又はクロム酸で更に酸化してカルボン酸3−5とし、ペプチドカップリング条件下で第1級又は第2級アミド3−6に変換することができる。その後、エーテル水溶液(例えば1,2−ジメトキシエタン、テトラヒドロフラン又はジオキサン)又はアルコール水溶液中、水性塩基(例えばLiOH等の金属水酸化物)でエステルを高温にて加水分解し、3−7を得ることができる。その後、上記のような標準ペプチドカップリング条件を使用してカルボン酸3−7を目的の3−8に変換することができる。
【0143】
【化8】
【0144】
スキーム4はスキーム1の4−アリールスルホニル−1H−ピロール−2,5−ジカルボキサミドの代替経路を示し、本経路はベンゼンスルホニルクロリドのアリールスルホン酸化方法としてGarzyaら,Tet.Letters 2004,45:1499−1501に記載のインジウム(III)触媒法を利用する。本スキームでは、多くの場合にはGarzyaらに記載されているよりも低温で反応時間を短くし、塩化インジウム(III)触媒反応を使用してピロールスルホニルクロリド中間体3−2をヘテロアリール又はアリールピロリルスルホン1−3に変換することができる。スキーム1に記載した条件を利用してピロール1−3から目的の1−9を得ることができる。
【0145】
【化9】
【0146】
上記スキームに記載した本発明の化合物の製造方法では、(上記スキームに明記したものに加えて)各種部分及び置換基における官能基は使用する反応条件下及び/又は使用する試薬の存在下で感受性又は反応性になる場合がある。このような感受性/反応性は望ましい反応の進行を妨げ、目的生成物の収率を低下したり、場合によってはその形成すらも妨げる可能性がある。従って、全該当分子上の感受性又は反応性基を保護することが必要又は望ましい場合がある。保護はProtective Groups in Organic Chemistry,J.F.W.McOmie編,Plenum Press,1973や、T.W.Greene & P.G.M.Wuts,Protective Groups in Organic Synthesis.John Wiley & Sons,第3版,1999及び第2版,1991に記載されているもの等の慣用保護基により実施することができる。保護基は当分野で公知の方法を使用して好適な後続段階で除去することができる。あるいは該当反応段階後に分子に妨害基を導入してもよい。
【0147】
以下の実施例は単に本発明とその実施を例証するために記載するものである。以下の実施例は本発明の範囲又は精神を限定するものと解釈すべきではない。
【0148】
(実施例1)
N−(2,4−ジクロロベンジル)−N,3−ジメチル−4−(1−フェニルスルホニル)−1H−ピロール−2,5−ジカルボキサミド
【0149】
【化10】
【0150】
ステップ1:3,5−ジメチル−4−フェニルチオ−1H−ピロール−2−カルボン酸エチル
500mLフラスコで窒素下に3,5−ジメチル−1H−ピロール−2−カルボン酸エチル(5.00g,29.90mmol)を乾燥DMF(100mL)に溶解した。水素化ナトリウム(1.43g,59.80mmol,油中60%分散液)を加え、反応混合物を室温で5分間撹拌した。ベンゼンジスルフィドを加え、得られた混合物を65℃で22時間撹拌した。反応混合物を冷水(1L)に注ぎ、得られた固形分を濾取した。固形分をヘキサン(500mL)に懸濁し、10分間撹拌後、濾過した。固形分をヘキサン(100mL)で洗浄し、乾燥し、標記化合物を得た。
【0151】
ステップ2:3,5−ジメチル−4−フェニルスルホニル−1H−ピロール−2−カルボン酸エチル
3,5−ジメチル−4−フェニルチオ−1H−ピロール−2−カルボン酸エチル(1.12g,4.06mmol)のクロロホルム溶液を0℃まで冷却し、3−クロロペルオキシ安息香酸(1.75g,10.16mmol)を加えた。反応混合物を室温で一晩撹拌した。反応混合物を塩化メチレンで希釈し、飽和炭酸水素ナトリウム(3×)と飽和塩化ナトリウムで洗浄した。有機相を硫酸ナトリウムで乾燥し、濾過し、溶媒を蒸発させ、標記化合物を得た。
【0152】
ステップ3:5−ホルミル−3−メチル−4−フェニルスルホニル−1H−ピロール−2−カルボン酸エチル
3,5−ジメチル−4−フェニルスルホニル−1H−ピロール−2−カルボン酸エチル(0.500g,1.65mmol)をテトラヒドロフラン(19mL)と酢酸(23mL)と水(19mL)の溶液に溶解した。硝酸アンモニウムセリウム(3.56g,6.50mmol)を加え、反応混合物を一晩室温で撹拌した。
【0153】
混合物を水(500ml)に注ぎ、塩化メチレンで抽出した。有機溶液を飽和塩化ナトリウムで洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥し、濃縮した。ヘキサン中0→35%酢酸エチルの勾配を使用して粗生成物をシリカゲルカラム(40g)で精製した。純画分を合わせて蒸発させ、標記化合物を得た。
【0154】
ステップ4:5−エトキシカルボニル−4−メチル−3−フェニルスルホニル−1H−ピロール−2−カルボン酸
5−ホルミル−3−メチル−4−フェニルスルホニル−1H−ピロール−2−カルボン酸エチルをt−ブタノール(25mL)と2−メチル−2−ブテン(5mL)とテトラヒドロフラン(5mL)の混合物に溶解した。亜塩素酸ナトリウム(0.428g,4.72mmol)とリン酸二水素ナトリウム(0.436g,3.63mmol)を水(5mL)に溶解し、この溶液を5−ホルミル−3−メチル−4−フェニルスルホニル−1H−ピロール−2−カルボン酸エチルの溶液に加えた。得られた混合物を1時間室温で撹拌した。水(50mL)を加え、反応溶液を酢酸エチルで抽出した。有機相を除去した。pHが2未満になるまで水相を1M HClで酸性化した後、酢酸エチルで抽出した。有機相を飽和ブラインで洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥し、濃縮し、標記化合物を得た。
【0155】
ステップ5:5−アミノカルボニル−3−メチル−4−フェニルスルホニル−1H−ピロール−2−カルボン酸エチル
5−エトキシカルボニル−4−メチル−3−フェニルスルホニル−1H−ピロール−2−カルボン酸(1.22g,3.63mmol)をジオキサンに溶解した。この溶液にピリジン(0.177mL,2.18mmol)と二炭酸ジ−t−ブチル(1.03g,4.72mmol)と炭酸アンモニウム(0.374g,4.72mmol)を加えた。反応混合物を室温で3日間撹拌した。酢酸エチルを加え、反応混合物を飽和炭酸水素ナトリウムと飽和ブラインで順次洗浄した。得られた有機相を硫酸ナトリウムで乾燥し、濃縮し、標記化合物を得た。
【0156】
ステップ6:5−アミノカルボニル−3−メチル−4−フェニルスルホニル−1H−ピロール−2−カルボン酸
5−アミノカルボニル−3−メチル−4−フェニルスルホニル−1H−ピロール−2−カルボン酸エチル(0.550g,1.63mmol)をメタノール(6mL)に溶解した。水酸化リチウム水和物(0.274mL,6.54mmol)の水(5mL)溶液を加え、反応混合物を60℃で一晩撹拌した。窒素流でメタノールを除去し、残渣を1M HClに懸濁した。懸濁液を15分間撹拌し、濾過した。フィルターケーキを水洗し、乾燥し、標記化合物を得た。
【0157】
ステップ7:5−アミノカルボニル−3−メチル−4−フェニルスルホニル−1H−ピロール−2−カルボニルクロリド
5−アミノカルボニル−3−メチル−4−フェニルスルホニル−1H−ピロール−2−カルボン酸(0.110g,0.357mmol)の塩化チオニル(2mL)懸濁液を1.5時間還流した。過剰の塩化チオニルを減圧除去し、標記化合物をオフホワイト固体として得た。
【0158】
ステップ8:N−(2,4−ジクロロベンジル)−N,3−ジメチル−4−(1−フェニルスルホニル)−1H−ピロール−2,5−ジカルボキサミド
N−メチル2,4−ジクロロベンジルアミン(0.015g,0.077mmol)とトリエチルアミン(0.011mL,0.084mmol)の乾燥クロロホルム(1mL)溶液を窒素下に0℃まで冷却した。この溶液に5−アミノカルボニル−3−メチル−4−フェニルスルホニル−1H−ピロール−2−カルボニルクロリドのクロロホルム(0.5mL)溶液を加えた。冷却浴を除去し、反応混合物を30分間室温で撹拌した。揮発分を減圧除去し、粗生成物を逆相HPLC(0.1%TFA/アセトニトリル及び0.1%TFA水溶液勾配)により精製した。純画分を合わせ、標記化合物を得た。MS(m+1)480.0545。
【0159】
(実施例2)
N−(2,4−ジクロロベンジル)−4−[(3,5−ジクロロフェニル)スルホニル]−N,3−ジメチル−1H−ピロール−2,5−ジカルボキサミド
【0160】
【化11】
【0161】
ステップ1:4−[(3,5−ジクロロフェニル)チオ]−3,5−ジメチル−1H−ピロール−2−カルボン酸エチル
3,5−ジクロロベンゼンチオール(2.14g,1 1.96mmol)とトリエチルアミン(5滴)の乾燥ジクロロメタン(20mL)溶液を0℃まで冷却した。この混合液に塩化スルフリル(0.970mL,11.96mmol)のクロロメタン溶液を加えた。反応混合物を窒素下に1時間室温で撹拌した。ジクロロメタンを減圧蒸発させ、残渣を乾燥ジクロロメタン(20mL)に再溶解した。この溶液を3,5−ジメチル−1H−ピロール−2−カルボン酸エチル(1.00g,5.98mmol)の乾燥ジクロロメタン(20mL)溶液に加えた。反応混合物を1時間室温で撹拌後、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液でクエンチした。一晩撹拌後、層分離し、有機相を飽和ブラインで洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥した。ヘキサン中0→10%酢酸エチルによる勾配溶出を使用して粗生成物をシリカゲルクロマトグラフィーにより精製し、標記化合物を得た。
【0162】
ステップ2:4−[(3,5−ジクロロフェニル)スルホニル]−3,5−ジメチル−1H−ピロール−2−カルボン酸エチル
標記化合物は実施例1,ステップ2に記載の手順を使用して4−[(3,5−ジクロロフェニル)チオ]−3,5−ジメチル−1H−ピロール−2−カルボン酸エチルから製造した。
【0163】
ステップ3:4−[(3,5−ジクロロフェニル)スルホニル]−5−ホルミル−3−メチル−1H−ピロール−2−カルボン酸エチル
4−[(3,5−ジクロロフェニル)スルホニル]−3,5−ジメチル−1H−ピロール−2−カルボン酸エチル(0.870g,2.31mmol)をジクロロメタン(30mL)に溶解し、0℃で塩化スルフリル(0.609mL,7.51mmol)の塩化メチレン(4mL)溶液を加えた。得られた混合物を室温で2時間撹拌後、還流下のアセトン水溶液(アセトン:水 2:1,60mL)にゆっくりと加えた。反応混合物を15分間還流後、室温まで冷却した。アセトンを減圧蒸発させ、生成物をジクロロメタンで抽出した。粗生成物をシリカゲルクロマトグラフィー(シリカゲル120g,ヘキサン中0→35%酢酸エチル勾配)により精製し、純画分を合わせて標記化合物を得た。
【0164】
ステップ4:N−(2,4−ジクロロベンジル)−4−[(3,5−ジクロロフェニル)スルホニル]−N,3−ジメチル−1H−ピロール−2,5−ジカルボキサミド
標記化合物は5−ホルミル−3−メチル−4−フェニルスルホニル−1H−ピロール−2−カルボン酸エチルの代わりに4−[(3,5−ジクロロフェニル)スルホニル]−5−ホルミル−3−メチル−1H−ピロール−2−カルボン酸エチルを使用した以外は実施例1,ステップ4〜ステップ8に記載の手順を使用し、同様の中間体を経て製造した。MS(M+1)549.9724。
【0165】
(実施例3)
N−ベンジル−N,3−ジメチル−4−(3,5−ジメチルフェニルスルホニル)−1H−ピロール−2,5−ジカルボキサミド
【0166】
【化12】
【0167】
ステップ1:4−[(3,5−ジメチルフェニル)チオ]−3,5−ジメチル−1H−ピロール−2−カルボン酸エチル
標記化合物は3,5−ジクロロチオフェノールの代わりに3,5−ジメチルチオフェノールを使用した以外は実施例2,ステップ1に記載の手順に従って3,5−ジメチル−1H−ピロール−2−カルボン酸エチルから製造した。
【0168】
ステップ2:N−ベンジル−N,3−ジメチル−4−(3,5−ジメチルフェニルスルホニル)−1H−ピロール−2,5−ジカルボキサミド
標記化合物は4−[(3,5−ジクロロフェニル)チオ]−3,5−ジメチル−1H−ピロール−2−カルボン酸エチルの代わりに4−[(3,5−ジメチルフェニル)チオ]−3,5−ジメチル−1H−ピロール−2−カルボン酸エチルを使用し、N−メチル2,4−ジクロロベンジルアミンの代わりにN−メチルベンジルアミンを使用した以外は実施例2,ステップ2〜4に記載の手順に従い、同様の中間体を経て製造した。S(M+1)440.1648。
【0169】
(実施例4)
N−(2−クロロ−4−フルオロベンジル)−N,3−ジメチル−4−(フェニルスルホニル)−1H−ピロール−2,5−ジカルボキサミド
【0170】
【化13】
【0171】
ステップ1:N−メチル2−クロロ−4−フルオロベンジルアミン
2−クロロ−4−フルオロベンズアルデヒド(0.500g,3.15mmol)をメタノール(10mL)に溶解し、メチルアミンのメタノール溶液(2N,3.15mL,6.30mmol)を加えた。得られた混合物を試験管に入れて密閉し、60℃に2時間加熱した。溶媒と過剰のメチルアミンを減圧除去し、残渣をエタノール(10mL)に溶解し、0℃まで冷却した。水素化ホウ素ナトリウム(0.155g,4.09mmol)を少量ずつ加えた。得られた混合物を1時間室温で撹拌した。エタノールを減圧除去し、残渣をジクロロメタン(15mL)に溶解した。この溶液を2%水酸化ナトリウム溶液、飽和炭酸水素ナトリウム及び飽和ブラインで洗浄後、硫酸ナトリウムで乾燥し、濃縮し、標記化合物を得た。
【0172】
ステップ2:N−(2−クロロ−4−フルオロベンジル)−N,3−ジメチル−4−(フェニルスルホニル)−1H−ピロール−2,5−ジカルボキサミド
標記化合物はN−メチル2,4−ジクロロベンジルアミンの代わりにN−メチル2−クロロ−4−フルオロベンジルアミンを使用した以外は実施例1,ステップ8に記載の手順に従って5−アミノカルボニル−3−メチル−4−フェニルスルホニル−1H−ピロール−2−カルボニルクロリドから製造し、標記化合物を得た。MS(M+1)464.0844。
【0173】
(実施例5)
N−(2−クロロベンジル)−N,3−ジメチル−4−(1−ナフチルスルホニル)−1H−ピロール−2,5−ジカルボキサミド
【0174】
【化14】
【0175】
ステップ1:3,5−ジメチル−4−(1−ナフチルスルホニル)−1H−ピロール−2−カルボン酸エチル及び3,5−ジメチル−4−(2−ナフチルスルホニル)−1H−ピロール−2−カルボン酸エチル
(Moranta,C.ら,J.Chem.Soc,Perkin Trans.1,1998(19)3285に記載の手順に従って製造した)4−(クロロスルホニル)−3,5−ジメチル−1H−ピロール−2−カルボン酸エチル(0.777g,2.92mmol)と、ナフタレン(0.375g,2.92mmol)と、塩化インジウム(III)(0.129g,0.585mmol)をトリフルオロ酢酸(6mL)中で撹拌した。この溶液にトリフルオロメチルスルホン酸(0.388mL,4.39mmol)を加え、得られた反応混合物を15分間室温で撹拌した。氷水に滴下することにより反応混合物をクエンチすると、沈殿が形成された。固形分を濾過し、水洗し、ジクロロメタンで抽出した。これを飽和炭酸水素ナトリウム、水、飽和ブラインで洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥し、濾過し、減圧濃縮した。20%→30%酢酸エチル/ヘキサン勾配溶出を使用して残渣をシリカゲルカラム(254mm×40mm)でフラッシュクロマトグラフィーにより精製し、標記化合物を分離した。
【0176】
ステップ2:N−(2−クロロベンジル)−N,3−ジメチル−4−(1−ナフチルスルホニル)−1H−ピロール−2,5−ジカルボキサミド
標記化合物は実施例2に記載の手順と同様の手順を使用し、適切な出発材料を使用して3,5−ジメチル−4−(1−ナフチルスルホニル)−1H−ピロール−2−カルボン酸エチルから得た。MS(M+1)496.1073。
【0177】
(実施例6)
N−(2−クロロベンジル)−N,3−ジメチル−4−(2−ナフチルスルホニル)−1H−ピロール−2,5−ジカルボキサミド
【0178】
【化15】
【0179】
標記化合物は実施例2と同様の手順を使用して3,5−ジメチル−4−(2−ナフチルスルホニル)−1H−ピロール−2−カルボン酸エチル(実施例5,ステップ1参照)から製造した。MS(M+1)496.1071。
【0180】
(実施例7〜37)
実施例1〜6と同様の手順を使用して下表Aの化合物を製造した。下表は各化合物の構造及び名称とMSにより測定したその分子イオン+1(M+1)の質量を示す。
【0181】
【表2】
【0182】
(実施例38〜39)
実施例4と同様の手順を使用して下表Bの化合物を製造した。下表は各化合物の構造及び名称とMSにより測定したその分子イオン+1(M+1)の質量を示す。化合物を塩として製造した場合には遊離塩基の化合物名の後に塩名を括弧内に記載する。
【0183】
【表3】
【0184】
(実施例40)
4−[(3,5−ジメチルフェニル)スルホニル]−N,3−ジメチル−N−(6−キノリニルメチル)−1H−ピロール−2,5−ジカルボキサミド
【0185】
【化16】
【0186】
5−アミノカルボニル−4−[(3,5−ジメチルフェニル)スルホニル]−3−メチル−1H−ピロール−2−カルボン酸(0.025g,0.074mmol)と、N−ヒドロキシベンゾトリアゾール(0.015g,0.097mmol)と、N−(3−ジメチルアミノプロピル)N’−エチルカルボジイミド塩酸塩(0.019g,0.097mmol)と、N−メチル−1−(6−キノリニル)メタンアミン(0.013g,0.074mmol)のジメチルホルムアミド(1mL)溶液を3時間撹拌した。アセトニトリル中0.1%トリフルオロ酢酸と水中0.1%トリフルオロ酢酸による勾配溶出を使用して生成物を逆相HPLCにより単離した。純画分を集め、濃縮し、酢酸エチルに溶解した。酢酸エチル溶液を飽和炭酸水素ナトリウムと飽和ブラインで洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥し、濃縮した。純化合物を塩酸メタノール溶液に溶解した後、水で希釈した。得られた懸濁液を凍結乾燥し、標記化合物を塩酸塩として得た。MS(M+1)491.1761。
【0187】
(実施例41)
N−[(7−クロロ−6−キノリニル)メチル]−N,3−ジメチル−4−(フェニルスルホニル)−1H−ピロール−2,5−ジカルボキサミド
【0188】
【化17】
【0189】
ステップ1:6−(ブロモメチル)−7−クロロキノリン
(Cornら,J.Am.Chem.Soc.1930,52,3685に記載の手順に従って製造した)7−クロロ−6−メチルキノリン(3.50g,19.70mmol)と、過酸化ベンゾイル(0.048g,0.197mmol)と、N−ブロモスクシンイミド(7.01g,39.40mmol)の四塩化炭素(200mL)溶液を一晩還流した。反応混合物をシリカゲルクロマトグラフィーカラム(120gカラム)にロードし、ヘキサン中0→25%酢酸エチルで溶出させた。純生成物画分を合わせ、溶媒を除去し、標記化合物を得た。
【0190】
ステップ2:1−(7−クロロ−6−キノリニル)−N−メチルメタンアミン
6−(ブロモメチル)−7−クロロキノリン(0.050g,0.195mmol)のメタノール(0.5mL)溶液を2Nメチルアミンのメタノール(1mL)溶液に加えた。反応混合物を密閉試験管で65℃に1時間加熱した。2→10%メタノール/ジクロロメタン勾配溶出を使用してシリカゲルクロマトグラフィー(4gシリカゲルカラム)により粗生成物を精製し、標記化合物を得た。
【0191】
ステップ3:N−[(7−クロロ−6−キノリニル)メチル]−N,3−ジメチル−4−(フェニルスルホニル)−1H−ピロール−2,5−ジカルボキサミド
標記化合物はN−メチル2,4−ジクロロベンジルアミンの代わりに1−(7−クロロ−6−キノリニル)−N−メチルメタンアミンを使用した以外は実施例1,ステップ8に記載の手順に従って得た。精製後、トリフルオロ酢酸塩として標記化合物を得た。MS(M+1)497.1024。
【0192】
(実施例42)
N−[(5−クロロ−6−キノリニル)メチル]−N,3−ジメチル−4−(フェニルスルホニル)−1H−ピロール−2,5−ジカルボキサミド
【0193】
【化18】
【0194】
標記化合物は7−クロロ−6−メチルキノリンの代わりに5−クロロ−6−メチルキノリン(Cornら,J.Am.Chem.Soc.1930,52,3685)を使用した以外は実施例41のステップ1〜3に記載の手順に従って製造した。精製後、トリフルオロ酢酸塩として標記化合物を得た。MS(M+1)497.1032。
【0195】
(実施例43〜57)
実施例40と同様の手順を使用して下表Cの化合物を製造した。下表は各化合物の構造及び名称とMSにより測定したその分子イオン+1(M+1)の質量を示す。化合物を塩として製造した場合には遊離塩基の化合物名の後に塩名を括弧内に記載する。
【0196】
【表4】
【0197】
(実施例58)
N−ベンジル−3−イソプロピル−N−メチル−4−(フェニルスルホニル)−1H−ピロール−2,5−ジカルボキサミド
【0198】
【化19】
【0199】
ステップ1:5−(1−ヒドロキシ−2−メチルプロピリデン)−2,2−ジメチル−1,3−ジオキサン−4,6−ジオン
メルドラム酸(20.0g,138.7mmol)を乾燥ジクロロメタン(250mL)に溶解し、この溶液を氷塩浴で0℃まで冷却した。ピリジン(22.4mL,277.5mmol)を加えた後に、温度を10℃未満に維持しながら塩化イソブチリル(21.95g,277.5mmol)を滴下した。得られた混合物を0℃で30分間、室温で3時間撹拌した。反応混合物を7.5%塩酸水溶液(〜320mL)、飽和ブラインで洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥した。溶媒を減圧蒸発させ、標記化合物を得た。
【0200】
ステップ2:4−メチル−3−オキソペンタン酸tert−ブチル
5−(1−ヒドロキシ−2−メチルプロピリデン)−2,2−ジメチル−1,3−ジオキサン−4,6−ジオン(21.00g,98.03mmol)とt−ブタノール(27.6mL,294.1mmol)をベンゼン(200mL)に溶解し、反応混合物を一晩還流した。ベンゼンを減圧蒸発させ、標記化合物を得た。
【0201】
ステップ3:3−イソプロピル−5−メチル−1H−ピロール−2,4−ジカルボン酸4−ベンジル2−tert−ブチル
亜硝酸ナトリウム(6.33g,91.8mmol)の水(24mL)溶液を4−メチル−3−オキソペンタン酸tert−ブチル(18.00g,96.64mmol)の酢酸(90mL)溶液に加え、反応混合物を一晩撹拌した。内部温度を55℃前後に維持するように添加速度を調節しながら、アセト酢酸ベンジルエステル(18.37mL,106.3mmol)と酢酸アンモニウム(18.62g,241.6mmol)と亜鉛金属(18.95g,289.9mmol)を酢酸(60mL)に加えた混合物に反応混合物を加えた。6時間後に、反応混合物をを氷水(500mL)とジクロロメタン(500mL)に注ぎ、10分間撹拌し、濾過し、濾過した固形分をジクロロメタンでリンスした。濾液を有機相と水相に分離し、水相をジクロロメタン(200mL×2)で逆抽出した。有機相を合わせて飽和ブライン、飽和ブライン/炭酸水素ナトリウムで洗浄後、硫酸ナトリウムで乾燥し、減圧濃縮した。粗生成物を1:2酢酸エチル/ヘキサン(450mL)に溶解し、72時間放置した。油性残渣を分離して捨てた。残りの溶液をシリカゲルパッド(50g)で濾過し、1:2酢酸エチル/ヘキサン(100mL×2)で洗浄した。濾液を減圧濃縮し、ヘキサン中0→10%酢酸エチルによる勾配溶出を使用して粗生成物をシリカゲルクロマトグラフィーに付し、標記化合物を得た。
【0202】
ステップ4:5−(tert−ブトキシカルボニル)−4−イソプロピル−2−メチル−1H−ピロール−3−カルボン酸
3−イソプロピル−5−メチル−1H−ピロール−2,4−ジカルボン酸4−ベンジル2−tert−ブチル(5.00g,13.9mmol)のメタノール(100mL)溶液を窒素パージし、10%Pd/C(150mg)を加えた。水素雰囲気(1気圧)を設定し、反応混合物を3時間撹拌した。触媒を濾過し、濾液を減圧濃縮し、標記化合物を得た。
【0203】
ステップ5:4−ヨード−3−イソプロピル−5−メチル−1H−ピロール−2−カルボン酸tert−ブチル
5−(tert−ブトキシカルボニル)−4−イソプロピル−2−メチル−1H−ピロール−3−カルボン酸(2.60g,9.72mmol)と炭酸水素ナトリウム(2.69g,32.09mmol)を1:1ジクロロエタン/水(50mL)に加え、これにヨウ素(3.20g,12.64mmol)とヨウ化ナトリウム(3.79g,25.28mmol)の水(25mL)溶液を加えた。反応混合物を100℃で40分間撹拌した。反応混合物を室温まで冷却し、ジクロロメタン(100mL)で希釈した。反応混合物を炭酸水素ナトリウム水溶液で洗浄した。0→15%酢酸エチル/ヘキサン勾配溶出を使用して粗生成物をシリカゲルクロマトグラフィーにより精製した。純画分を合わせて濃縮し、標記化合物を得た。
【0204】
ステップ6:3−イソプロピル−5−メチル−1H−ピロール−2−カルボン酸tert−ブチル
メタノール(150mL)にトリエチルアミン(2mL)を添加し、これに4−ヨード−3−イソプロピル−5−メチル−1H−ピロール−2−カルボン酸tert−ブチル(3.30g,9.45mmol)を溶解し、溶液を窒素パージした。10%Pd/C(100mg)を加え、混合物を一晩パール装置で45psi水素下に振盪した。触媒を濾過し、0→25%酢酸エチル/ヘキサン勾配溶出を使用して粗生成物をシリカゲルクロマトグラフィー(シリカ120g)により精製した。
【0205】
ステップ7:5−(アミノカルボニル)−3−イソプロピル−4−(フェニルスルホニル)−1H−ピロール−2−カルボン酸tert−ブチル
標記化合物は3−イソプロピル−5−メチル−1H−ピロール−2−カルボン酸tert−ブチルから出発し、実施例2,ステップ1〜3と実施例1,ステップ4〜5に記載の手順を使用して得た。
【0206】
ステップ8:5−(アミノカルボニル)−3−イソプロピル−4−(フェニルスルホニル)−1H−ピロール−2−カルボン酸
ジクロロメタン(3mL)にTFA(0.6mL)を添加した中で5−(アミノカルボニル)−3−イソプロピル−4−(フェニルスルホニル)−1Hピロール−2−カルボン酸tert−ブチル(0.116g,0.296mmol)を室温にて3時間撹拌した。溶媒とTFAを蒸発させ、標記化合物を得た。
【0207】
ステップ9:N−ベンジル−3−イソプロピル−N−メチル−4−(フェニルスルホニル)−1H−ピロール−2,5−ジカルボキサミド
標記化合物は5−(アミノカルボニル)−3−イソプロピル−4−(フェニルスルホニル)−1H−ピロール−2−カルボン酸とN−ベンジル−N−メチルアミンを使用した以外は実施例40に記載の手順を使用して得た。MS(M+1)440.1624。
【0208】
(実施例59〜70)
実施例58と同様の手順を使用して下表Dの化合物を製造した。下表は各化合物の構造及び名称とMSにより測定したその分子イオン+1(M+1)の質量を示す。化合物を塩として製造した場合には遊離塩基の化合物名の後に塩名を括弧内に記載する。
【0209】
【表5】
【0210】
(実施例71)
N−(2,4−ジクロロベンジル)−N’−(1H−インダゾール−3−イルメチル)−N,3−ジメチル−4−(フェニルスルホニル)−1H−ピロール−2,5−ジカルボキサミド
【0211】
【化20】
【0212】
ステップ1:3,5−ジメチル−4−(フェニルスルホニル)−1H−ピロール−2−カルボン酸
3,5−ジメチル−4−フェニルスルホニル−1H−ピロール−2−カルボン酸エチル(3.00g,9.76mmol)をメタノール(300mL)と水(5mL)に溶解した。水酸化リチウム水和物(2.04g,48.80mmol)を加え、反応混合物を一晩還流した。メタノールを減圧除去し、粗生成物を水(20mL)に溶解し、12N HClで酸性化した。30分間撹拌後、固形分を濾過し、水洗し、乾燥し、標記化合物を得た。
【0213】
ステップ2:3,5−ジメチル−4−(フェニルスルホニル)−1H−ピロール−2−カルボニルクロリド
3,5−ジメチル−4−(フェニルスルホニル)−1H−ピロール−2−カルボン酸(1.00g,3.58mmol)を塩化チオニル(10mL)中で1.5時間還流した。過剰の塩化チオニルを減圧除去し、標記化合物を白色固体として得た。
【0214】
ステップ3:N−2,4−(ジクロロベンジル)−N,3,5−トリメチル−4−(フェニルスルホニル)−1H−ピロール−2−カルボキサミド
N−メチル2,4−ジクロロベンジルアミン(0.702g,3.69mmol)とトリエチルアミン(0.504mL,3.69mmol)の乾燥クロロホルム(10mL)溶液を0℃まで冷却した。3,5−ジメチル−4−(フェニルスルホニル)−1H−ピロール−2−カルボニルクロリド(1.00g,3.35mmol)の乾燥クロロホルム(20mL)溶液をアミンの溶液に加えた。冷却浴を除去し、30分間室温で撹拌を続けた。
【0215】
反応混合物をシリカゲルカラム(シリカゲル40g)に直接ロードし、0→35%酢酸エチル/ジクロロメタン勾配溶出を使用して生成物を精製した。純画分を合わせ、標記化合物を得た。
【0216】
ステップ4:N−(2,4−ジクロロベンジル)−5−ホルミル−N,3−ジメチル−4−(フェニルスルホニル)−1H−ピロール−2−カルボキサミド
N−2,4−(ジクロロベンジル)−N,3,5−トリメチル−4−(フェニルスルホニル)−1H−ピロール−2−カルボキサミド(1.30g,2.88mmol)をジクロロメタン(20mL)に溶解し、0℃まで冷却した。塩化スルフリル(0.759mL,9.36mmol)のジクロロメタン(6mL)溶液を撹拌下に滴下した。反応混合物を室温で2時間撹拌後、沸騰下のアセトン水溶液(2:1アセトン:水,75mL)にゆっくりと加えた。反応混合物をこの温度に15分間維持した後、室温まで冷却した。アセトンを減圧蒸発させ、生成物をジクロロメタンで抽出した。有機相を飽和ブラインで洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥した。0→40%酢酸エチル勾配溶出を使用してシリカゲルカラム(シリカゲル40g)で粗生成物を精製した。純画分を合わせ、標記化合物を得た。
【0217】
ステップ5:5−{[(2,4−ジクロロベンジル)(メチル)アミノ]カルボニル}−4−メチル−3−(フェニルスルホニル)−1H−ピロール−2−カルボン酸
亜塩素酸ナトリウム(0.111g,1.22mmol)とリン酸二水素ナトリウム(0.113g,0.946mmol)を水(2mL)に溶解した。得られた溶液をN−(2,4−ジクロロベンジル)−5−ホルミル−N,3−ジメチル−4−(フェニルスルホニル)−1H−ピロール−2−カルボキサミドとt−ブタノール(10mL)と2−メチル−2ブテン(2mL)とテトラヒドロフラン(2mL)の溶液に加えた。反応混合物を1時間室温で撹拌した。水(20mL)を加え、反応混合物を酢酸エチルで抽出した。酢酸エチル層を捨てた。水相を1M HClで酸性化し、pHを2未満にした後、酢酸エチルで抽出した。酢酸エチル相を飽和ブラインで洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥し、濃縮し、標記化合物を得た。
【0218】
ステップ6:1H−インダゾール−3−カルボキサミド
1H−インダゾール−3−カルボン酸エチル(0.500g,2.62mmol)をアンモニアメタノール溶液(15mL,メタノール中4Nアンモニア)に溶解し、試験管に入れて密閉し、4日間110℃で撹拌した。溶媒を減圧除去し、標記化合物を得た。
【0219】
ステップ7:1H−インダゾール−3−カルボニトリル
1H−インダゾール−3−カルボキサミド(0.400g,2.48mmol)をピリジン(4mL)と乾燥ジクロロメタン(4mL)に溶解した。トリフルオロ酢酸無水物(0.863mL,6.20mmol)を加え、反応混合物を室温で10分間撹拌した。反応混合物を減圧濃縮し、残渣を酢酸エチルで抽出後、水、飽和炭酸水素ナトリウム及び飽和ブラインで洗浄した。有機相を硫酸ナトリウムで乾燥し、濾過し、濃縮し、標記化合物を得た。
【0220】
ステップ8:1−(1H−インダゾール−3−イル)メタンアミン
1H−インダゾール−3−カルボニトリル(0.360g,2.51mmol)をメタノールに溶解し、溶液を窒素パージした。ラネーニッケルを加え、反応混合物を1気圧水素下に室温で一晩撹拌した。触媒を濾過し、濾液を濃縮し、標記化合物を得た。
【0221】
ステップ9:N−(2,4−ジクロロベンジル)−N’−(1H−インダゾール−3−イルメチル)−N,3−ジメチル−4−(フェニルスルホニル)−1H−ピロール−2,5−ジカルボキサミド
5−{[(2,4−ジクロロベンジル)(メチル)アミノ]カルボニル}−4−メチル−3−(フェニルスルホニル)−1H−ピロール−2−カルボン酸(0.010g,0.021mmol)と、1−(1H−インダゾール−3−イル)メタンアミン(0.0006g,0.042mmol)と、N−ヒドロキシベンゾトリアゾール(0.006g,0.042mmol)と、N−(3−ジメチルアミノプロピル)N’−エチルカルボジイミド塩酸塩(0.008g,0.042mmol)をジメチルホルムアミド(1mL)に加え、不活性雰囲気下に室温で一晩撹拌した。アセトニトリル中0.1%トリフルオロ酢酸と水中0.1%トリフルオロ酢酸による勾配溶出を使用して生成物を逆相HPLCにより単離した。純画分を集めて濃縮し、標記化合物を得た。MS(M+1)610.1069。
【0222】
(実施例72〜77)
実施例71と同様の手順を使用して表Eの化合物を製造した。下表は各化合物の構造及び名称とMSにより測定したその分子イオン+1(M+1)の質量を示す。化合物を塩として製造した場合には遊離塩基の化合物名の後に塩名を括弧内に記載する。
【0223】
【表6】
【0224】
(実施例78)
4−メチル−3−(フェニルスルホニル)−5−(1,3,4,5−テトラヒドロ−2H−2−ベンゾアゼピン−2−イルカルボニル)−1H−ピロール−−カルボキサミド
【0225】
【化21】
【0226】
ステップ1:3,5−ジメチル−4−フェニルスルホニル−1H−ピロール−2−カルボン酸エチル
4−(クロロスルホニル)−3,5−ジメチル−1H−ピロール−2−カルボン酸エチル(1.74g,6.55mmol)とベンゼン(0.875mL,9.82mmol)と塩化インジウム(III)(101mg,0.485mmol)をトリフルオロ酢酸(9mL)中で撹拌した。この溶液にトリフルオロメチルスルホン酸(0.698mL,7.86mmol)を加え、得られた反応混合物を60℃まで3時間加熱した。反応混合物を室温まで冷却し、氷水に滴下することによりクエンチした。これをクロロホルム(2×)で抽出した。有機層を合わせて飽和炭酸水素ナトリウム、水、ブラインで洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥し、濾過し、減圧濃縮した。30%酢酸エチル/ヘキサンを溶離液として254mm×40mmシリカゲルカラムでフラッシュクロマトグラフィーにより残渣を精製し、標記化合物を得た。
【0227】
ステップ2:4−メチル−3−(フェニルスルホニル)−5−(1,3,4,5−テトラヒドロ−2H−2−ベンゾアゼピン−2−イルカルボニル)−1H−ピロール−2−カルボキサミド
実施例2に記載の手順に従って上記ステップ1からの3,5−ジメチル−4−フェニルスルホニル−1H−ピロール−2−カルボン酸エチルを5−エトキシカルボニル−4−メチル−3−フェニルスルホニル−1H−ピロール−2−カルボン酸に変換した。(Meyers,A.I.,Hutchings,R.H,Tetrahedron,1993(49)9,1807−1820に記載の手順に従って製造した)2,3,4,5−テトラヒドロ−1H−2−ベンゾアゼピンを第2級アミン成分として使用した以外は実施例40に記載の方法に従って5−エトキシカルボニル−4−メチル−3−フェニルスルホニル−1H−ピロール−2−カルボン酸から標記化合物を製造した。シリカゲルクロマトグラフィーによる精製後に標記化合物を単離した。MS(M+1)438.1487。
【0228】
(実施例79)
4−メチル−3−(3,5−ジメチルフェニルスルホニル)−5−(1,3,4,5−テトラヒドロ−2H−2−ベンゾアゼピン−2−イルカルボニル)−1H−ピロール−2−カルボキサミド
【0229】
【化22】
【0230】
標記化合物は実施例78,ステップ2に記載の方法に従って5−アミノカルボニル−4−[(3,5−ジメチルフェニル)スルホニル]−3−メチル−1H−ピロール−2−カルボン酸と2,3,4,5−テトラヒドロ−1H−2−ベンゾアゼピンから製造した。シリカゲルクロマトグラフィーによる精製後に標記化合物を単離した。MS(M+1)466.1792。
【0231】
(実施例80)
3−[(3,5−ジメチルフェニル)スルホニル]−4−メチル−5−(4,6,7,8−テトラヒドロ−5H−チエノ[3,2−c]アゼピン−5−イルカルボニル)−1H−ピロール−2−カルボキサミド
【0232】
【化23】
【0233】
ステップ1:6,7−ジヒドロ−1−ベンゾチオフェン−4(5H)−オンオキシム
6,7−ジヒドロ−1−ベンゾチオフェン−4(5H)−オン(2.00g,13.13mmol)のエタノール(200mL)溶液に塩酸ヒドロキシルアミン(4.56g,65.69mmol)の5N酢酸ナトリウム(120mL)溶液を加えた。反応混合物を2時間100℃で撹拌した。溶媒を減圧除去し、粗生成物を水に溶解し、酢酸エチルで抽出した。有機相を飽和ブラインで洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥し、濃縮した。勾配溶出(ヘキサン中0→35%酢酸エチル)を使用して粗生成物をシリカゲルクロマトグラフィーにより精製し、標記化合物を得た。MS(M+1)472.1384。
【0234】
(実施例81)
3−[(3,5−ジクロロフェニル)スルホニル]−4−メチル−5−(8−メトキシ−1,3,4,5−テトラヒドロ−2H−2−ベンゾアゼピン−2−イルカルボニル)−1H−ピロール−2−カルボキサミド
【0235】
【化24】
【0236】
ステップ1:8−メトキシ−2,3,4,5−テトラヒドロ−ベンゾ[C]−アゼピン−1−オン
7−メトキシ−テトラロン(2.0g,11.35mmol)の室温の濃HCl(37%,28.4mL)に乳化させたエマルションにナトリウムアジド(0.959g,14.75mmol)を少量ずつ加えた。得られた混合物を室温で一晩撹拌した。反応混合物を脱イオン水で希釈し、固体炭酸ナトリウムを加えてpH10にした。この塩基性水溶液を酢酸エチル(2×)で抽出した。有機層を合わせて水、ブラインで洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥し、濾過し、減圧濃縮した。75%酢酸エチル/ヘキサン→100%酢酸エチルを溶離液として254mm×40mmシリカゲルカラムでフラッシュクロマトグラフィーにより残渣を精製し、標記化合物を白色固体として得た。
【0237】
ステップ2:8−メトキシ−2,3,4,5−テトラヒドロ−ベンゾ[C]−アゼピン
8−メトキシ−2,3,4,5−テトラヒドロ−ベンゾ[C]−アゼピン−1−オン(0.512g,2.68mmol)を窒素下に室温の無水テトラヒドロフラン(13.4mL)中で撹拌した。この透明溶液に水素化アルミニウムリチウムのテトラヒドロフラン(1M,4.02mL)溶液をシリンジで滴下した。得られた反応混合物を80℃で1.5時間還流した。反応混合物を室温まで冷却後、氷浴で0℃まで冷却した。飽和酒石酸ナトリウムカリウムをゆっくりと加えることによりこれをクエンチした。2相を室温で30分間撹拌し、酢酸エチル(2×)で抽出した。有機層を合わせて水、ブラインで洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥し、濾過し、減圧濃縮し、標記化合物を透明油状物として得た。
【0238】
ステップ3:3−[(3,5−ジクロロフェニル)スルホニル]−4−メチル−5−(8−メトキシ−1,3,4,5−テトラヒドロ−2H−2−ベンゾアゼピン−2−イルカルボニル)−1H−ピロール−2−カルボキサミド
実施例2に記載の手順に従って5−アミノカルボニル−4−メチル−3−[(3,5−ジクロロ)フェニルスルホニル]−1H−ピロール−2−カルボン酸を製造した。8−メトキシ−2,3,4,5−テトラヒドロ−ベンゾ[C]−アゼピンを第2級アミン成分として使用した以外は実施例40に記載の方法に従って5−アミノカルボニル−4−メチル−3−[(3,5−ジクロロ)フェニルスルホニル]−1H−ピロール−2−カルボン酸から標記化合物を製造した。シリカゲルクロマトグラフィーによる精製後に標記化合物を単離した。MS(M+1)536.0798。
【0239】
(実施例82)
3−[(3,5−ジクロロフェニル)スルホニル]−4−メチル−5−(8−ヒドロキシ−1,3,4,5−テトラヒドロ−2H−2−ベンゾアゼピン−2−イルカルボニル)−1H−ピロール−2−カルボキサミド
【0240】
【化25】
【0241】
ステップ1:3−[(3,5−ジクロロフェニル)スルホニル]−4−メチル−5−(8−ヒドロキシ−1,3,4,5−テトラヒドロ−2H−2−ベンゾアゼピン−2−イルカルボニル)−1H−ピロール−2−カルボキサミド
3−[(3,5−ジクロロフェニル)スルホニル]−4−メチル−5−(8−メトキシ−1,3,4,5−テトラヒドロ−2H−2−ベンゾアゼピン−2−イルカルボニル)−1H−ピロール−2−カルボキサミド(75mg,0.14mmol)を窒素下に無水ジクロロメタン中で撹拌し、氷浴で0℃まで冷却した。三臭化ホウ素(280μl,1M/ジクロロメタン)を加え、得られた溶液を室温で18時間撹拌した。反応混合物をメタノールでクエンチし、30分間撹拌した。これを減圧濃縮した。2%→3%メタノール/ジクロロメタンを溶離液として254mm×20mmシリカゲルカラムでフラッシュクロマトグラフィーにより残渣を精製し、標記化合物を白色固体として得た。MS(M+1)522.0642。
【0242】
(実施例83〜95)
実施例78,ステップ2及び実施例81〜82と同様の手順を使用して表Fの実施例83〜95を製造した。実施例2に記載の方法に従って5−アミノカルボニル−4−[(3,5−ジクロロフェニル)スルホニル]−3−メチル−1H−ピロール−2−カルボン酸を製造した。下表は各化合物の構造及び名称とMSにより測定したその分子イオン+1(M+1)の質量を示す。
【0243】
【表7】
【0244】
(実施例96)
3−[(3,5−ジクロロフェニル)スルホニル]−4−メチル−5−[(2−クロロ−4,6,7,8−テトラヒドロ−5H−チエノ[3,2−c]アゼピン−5−イル)カルボニル]−1H−ピロール−2−カルボキサミド
【0245】
【化26】
【0246】
ステップ1:(4E)−6,7−ジヒドロ−1−ベンゾチオフェン−4(5H)−オンオキシム
6,7−ジヒドロ−1−ベンゾチオフェン−4(5H)−オン(2.00g,13.13mmol)のエタノール(200mL)溶液に塩酸ヒドロキシルアミン(4.56g,65.69mmol)の5N酢酸ナトリウム(120mL)溶液を加えた。反応混合物を2時間100℃で撹拌した。溶媒を減圧除去し、粗生成物を水に溶解し、酢酸エチルで抽出した。有機相を飽和ブラインで洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥し、濃縮した。勾配溶出(ヘキサン中0→35%酢酸エチル)を使用して粗生成物をシリカゲルクロマトグラフィーにより精製し、標記化合物を得た。
【0247】
ステップ2:4,6,7,8−テトラヒドロ−5H−チエノ[3,2−b]アゼピン−5−オン
五酸化リン(11.30g,79.53mmol)をメタンスルホン酸(10.92g,113.61mmol)に撹拌下に加え、撹拌を2時間続けた。次に上記溶液に100℃で撹拌下に(4E)−6,7−ジヒドロ−1−ベンゾチオフェン−4(5H)−オンオキシム(1.90g,11.36mmol)を加えた。4時間110℃油浴で撹拌後、反応混合物を冷却し、飽和炭酸水素ナトリウム10mlを加えることにより注意深くクエンチした。混合物をクロロホルム(50ml×2)で抽出した。クロロホルム溶液を合わせて飽和炭酸水素ナトリウム、水、飽和ブラインで洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥し、濾過し、減圧濃縮した。25%→65%酢酸エチル/ヘキサン勾配溶出を使用してシリカゲルカラム(80g)でフラッシュクロマトグラフィーにより残渣を精製し、標記化合物を分離した。
【0248】
ステップ3:5,6,7,8−テトラヒドロ−4H−チエノ[3,2−c]アゼピン
4,6,7,8−テトラヒドロ−5H−チエノ[3,2−b]アゼピン−5−オン(0.75g,4.48mmol)を乾燥THF 20mlに溶解し、これに水素化アルミニウムリチウム(THF中1N)(6.73ml,6.73mmol)を加えた。得られた混合物を60℃で3時間撹拌した。反応混合物を室温まで冷却した後、氷浴に入れた。気泡が形成されなくなるまで水を滴下することにより反応混合物をクエンチした。更に15分間撹拌後、シリンジフィルターで濾過した。濾液を濃縮し、標記化合物を得た。
【0249】
ステップ4:2−クロロ−5,6,7,8−テトラヒドロ−4H−チエノ[3,2−c]アゼピン
5,6,7,8−テトラヒドロ−4H−チエノ[3,2−c]アゼピン(30mg,0.20mmol)を酢酸(2ml)に溶解し、これに過塩素酸(2.81mg,0.02mmol)とN−クロロスクシンイミド(31mg,0.24mmol)を加えた。得られた混合物を一晩60℃で撹拌した。酢酸を減圧蒸発させ、残渣をメタノール1mlに溶解し、Gilson逆相HPLCにより精製し、標記化合物を得た。
【0250】
ステップ5:3−[(3,5−ジクロロフェニル)スルホニル]−4−メチル−5−[(2−クロロ−4,6,7,8−テトラヒドロ−5H−チエノ[3,2−c]アゼピン−5−イル)カルボニル]−1H−ピロール−2−カルボキサミド
標記化合物は実施例40に記載の手順に従って2−クロロ−5,6,7,8−テトラヒドロ−4H−チエノ[3,2−c]アゼピンから得た。MS(M+1)545.9873。
【0251】
(実施例97)
3−[(3,5−ジクロロフェニル)スルホニル]−4−メチル−5−[(2−(メチルスルホニル)−4,6,7,8−テトラヒドロ−5H−チエノ[3,2−c]アゼピン−5−イル)カルボニル]−1H−ピロール−2−カルボキサミド
【0252】
【化27】
【0253】
ステップ1:2−(メチルチオ)−5,6,7,8−テトラヒドロ−4H−チエノ[3,2−c]アゼピン
(実施例96,ステップ1〜3で製造した)5,6,7,8−テトラヒドロ−4H−チエノ[3,2−c]アゼピン(0.25g,1.57mmol)を乾燥THF 10mlに溶解した。得られた混合物をドライアイス/アセトン浴で−80℃まで冷却し、これにn−ブチルリチウム(0.22g,3.45mmol)のシクロヘキサン(1N)溶液を加えた。得られた混合物を−80℃で1時間撹拌し、二硫化メチル(0.74g,7.83mmol)を加えた後、室温まで昇温し、一晩撹拌した。溶媒と過剰試薬を減圧除去し、粗生成物を酢酸エチル(30mL)に懸濁し、ブラインで洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥し、濃縮した。粗生成物を逆相HPLCで精製し、標記化合物を得た。
【0254】
ステップ2:3−[(3,5−ジクロロフェニル)スルホニル]−4−メチル−5−[(2−(メチルスルホニル)−4,6,7,8−テトラヒドロ−5H−チエノ[3,2−c]アゼピン−5−イル)カルボニル]−1H−ピロール−2−カルボキサミド
実施例40に記載の手順に従って3−[(3,5−ジクロロフェニル)スルホニル]−4−メチル−5−[(2−(メチルチオ)−4,6,7,8−テトラヒドロ−5H−チエノ[3,2−c]アゼピン−5−イル)カルボニル]−1H−ピロール−2−カルボキサミドを製造した。実施例1,ステップ2の反応に従ってこれを酸化し、標記化合物を得た。標記化合物を逆相HPLC(勾配0.1%TFA/アセトニトリル及び0.1%TFA水溶液)により精製した。MS(m+1)590.0023。
【0255】
(実施例98)
3−[(3,5−ジメチルフェニル)スルホニル]−4−メチル−5−[(2−(メチルスルホニル)−4,6,7,8−テトラヒドロ−5H−チエノ[3,2−c]アゼピン−5−イル)カルボニル]−1H−ピロール−2−カルボキサミド
【0256】
【化28】
【0257】
標記化合物は5−アミノカルボニル−3−メチル−4−[(3,5−ジクロロフェニル)スルホニル−1H−ピロール−2−カルボン酸の代わりに5−アミノカルボニル−3−メチル−4−[(3,5−ジメチルフェニル)スルホニル−1H−ピロール−2−カルボン酸を使用した以外は実施例97に記載の手順に従って製造した。精製後に標記化合物を得た。MS(M+1)550.1121。
【0258】
(実施例99〜114)
実施例41,ステップ1〜2及び実施例40と同様の手順を使用して下表Gの実施例99〜104を製造し、保護化合物を製造した。純保護化合物をジクロロメタン/トリフルオロ酢酸(1/1)の混合物に溶解し、30分間撹拌した。溶媒とTFAを蒸発させ、実施例99〜104の化合物を得た。
【0259】
実施例4,ステップ1及び実施例40と同様の手順を使用して下表Gの実施例105〜114を製造した。
【0260】
下表は各化合物(TFA塩)の構造及び名称(遊離塩基)とMSにより測定したその分子イオン+1(M+1)の質量を示す。
【0261】
【表8】
【0262】
(実施例115)
N2−[(2−アミノ−3−フルオロピリジン−4−イル)メチル]−3−イソプロピル−N2−メチル−4−(フェニルスルホニル)−1H−ピロール−2,5−ジカルボキサミド
【0263】
【化29】
【0264】
ステップ1:2,3−ジフルオロ−N−メチルイソニコチンアミド
2,3−ジフルオロイソニコチン酸(0.994g,6.25mmol)と、N−ヒドロキシベンゾトリアゾール(1.244g,8.12mmol)と、N−(3−ジメチルアミノプロピル)N’−エチルカルボジイミド塩酸塩(1.198g,6.25mmol)と、メタンアミン(MeOH中2N)6mlのジメチルホルムアミド(5mL)溶液を一晩撹拌した。反応混合物を冷水30mLに注ぎ、EtOAc(50mL×2)で抽出した。EtOAc溶液を合わせてブラインで洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥し、濃縮し、標記化合物を得た。
【0265】
ステップ2:3−フルオロ−2−[(4−メトキシベンジル)アミノ]−N−メチルイソニコチンアミド
2,3−ジフルオロ−N−メチルイソニコチンアミド(0.822g,4.78mmol)と、4−メトキシベンジルアミン(0.983g,7.16mmol)と、炭酸カリウム(0.990g,7.16mmol)をジメチルスルホキシド15mLに溶解した溶液を密閉し、120℃で1時間撹拌した。反応混合物を室温まで冷却後、冷水50mLに注ぎ、EtOAc(50mL×2)で抽出した。酢酸エチル溶液を合わせてブラインで洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥し、濃縮した。25%→65%酢酸エチル/ヘキサン勾配溶出を使用してシリカゲルカラム(40g)でフラッシュクロマトグラフィーにより標記化合物を精製し、標記化合物を分離した。
【0266】
ステップ3:3−フルオロ−N−(4−メトキシベンジル)−4−[(メチルアミノ)メチル]ピリジン−2−アミン
3−フルオロ−2−[(4−メトキシベンジル)アミノ]−N−メチルイソニコチンアミド(0.100g,0.346mmol)を乾燥THF 0.5mLに溶解し、これにボラン−硫化メチル(0.691ml,1.383mmol)のTHF(2M)溶液を加え、得られた溶液を60℃で2時間撹拌した。水数滴と1N HCl 1mLを順次加えることにより反応混合物をクエンチし、一晩撹拌した。これを酢酸エチル(5mL×2)で抽出した。溶媒を除去し、残渣をDMF 1mLに溶解し、逆相HPLCで精製し、標記化合物を得た。
【0267】
ステップ4:N2−[(2−アミノ−3−フルオロピリジン−4−イル)メチル]−3−イソプロピル−N2−メチル−4−(フェニルスルホニル)−1H−ピロール−2,5−ジカルボキサミド
実施例40と同様の手順を使用して保護化合物を製造した。純保護化合物をジクロロメタン/トリフルオロ酢酸(1/1)の混合物に溶解し、60℃で2時間撹拌した。標記化合物を更に逆相HPLCで精製した。MS(M+1)474.1533。
【0268】
(実施例116)
N−(2,4−ジクロロベンジル)−N,3−ジメチル−4−(1−ピロリジニルスルホニル)−1H−ピロール−2,5−ジカルボキサミド
【0269】
【化30】
【0270】
ステップ1:3,5−ジメチル−4−(ピロリジン−1−イルスルホニル)−1H−ピロール−2−カルボン酸エチル
4−(クロロスルホニル)−3,5−ジメチル−1H−ピロール−2−カルボン酸エチル(2.06g,7.75mmol)の無水ジクロロメタン(60mL)溶液にピロリジン(1.27mL,15.5mmol)をシリンジで加えた。これを室温で1時間撹拌した。反応混合物をジクロロメタンで希釈し、1N HCl、水、ブラインで洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥し、濾過し、減圧濃縮した。残渣にエーテルを加えてトリチュレーションし、標記化合物をオフホワイト固体として得た。
【0271】
ステップ2:5−ホルミル−3−メチル−4−(ピロリジン−1−イルスルホニル)−1H−ピロール−2−カルボン酸エチル
3,5−ジメチル−4−(ピロリジン−1−イルスルホニル)−1H−ピロール−2−カルボン酸エチル(2.00g,6.64mmol)の無水ジクロロメタン(60mL)懸濁液に塩化スルフリル(1.62mL,19.97mmol)を滴下した。得られた溶液を室温で1時間撹拌した。反応混合物を減圧濃縮し、1:1アセトン:水(60mL)で希釈した。溶液を15分間加熱還流した。アセトンを減圧除去し、水層をジクロロメタンで抽出した。層分離し、有機層をブラインで洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥し、濾過し、減圧濃縮し、標記化合物を得た。
【0272】
ステップ3:5−(エトキシカルボニル)−4−メチル−3−(ピロリジン−1−イルスルホニル)−1H−ピロール−2−カルボン酸
5−ホルミル−3−メチル−4−(ピロリジン−1−イルスルホニル)−1H−ピロール−2−カルボン酸エチル(2.00g,6.36mmol)を最少量のテトラヒドロフラン(10mL)に溶解した。この溶液に撹拌下にt−ブタノール(20mL)と2−メチル−2−ブテン(5mL)を加えた。亜塩素酸ナトリウム(0.690g,7.63mmol)とリン酸二水素ナトリウム(0.840g,7.00mmol)の脱イオン水(30mL)溶液を反応混合物に加えた。得られた混合物を室温で2時間撹拌した。有機揮発分を減圧除去し、残留水相をジクロロメタンで抽出した。層分離し、有機層をブラインで洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥し、濾過し、減圧濃縮し、標記化合物を得た。
【0273】
ステップ4:5−(アミノカルボニル)−3−メチル−4−(ピロリジン−1−イルスルホニル)−1H−ピロール−2−カルボン酸エチル
5−(エトキシカルボニル)−4−メチル−3−(ピロリジン−1−イルスルホニル)−1H−ピロール−2−カルボン酸(0.500g,1.51mmol)と、N−(3−ジメチルアミノプロピル)N’−エチルカルボジイミド塩酸塩(0.363g,1.89mmol)と、N−ヒドロキシベンゾトリアゾール(0.278g,1.81mmol)を窒素下に無水アセトニトリル(10mL)中で撹拌した。得られたこの溶液に水酸化アンモニウム(29%,0.365mL,3.03mmol)を加えると、白色沈殿が形成された。これを15分間室温で撹拌した。反応混合物を減圧濃縮し、残渣を水とジクロロメタンに分配した。層分離し、有機層をブラインで洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥し、濾過し、減圧濃縮し、標記化合物を得た。
【0274】
ステップ5:5−(アミノカルボニル)−3−メチル−4−(ピロリジン−1−イルスルホニル)−1H−ピロール−2−カルボン酸
5−(アミノカルボニル)−3−メチル−4−(ピロリジン−1−イルスルホニル)−1H−ピロール−2−カルボン酸エチル(0.400g,1.21mmol)を1,2−ジメトキシエタン(12mL)中で撹拌した。1N水酸化リチウム(12mL,12mmol)をこの溶液に加え、得られた混合物を80℃まで5時間加熱した。有機相を減圧除去し、残留水相を1N HClでpH3とした。これを酢酸エチル(2×)で抽出した。有機層を合わせて水、ブラインで洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥し、濾過し、減圧濃縮し、標記化合物を得た。
【0275】
ステップ6:N−(2,4−ジクロロベンジル)−N,3−ジメチル−4−(1−ピロリジニルスルホニル)−1H−ピロール−2,5−ジカルボキサミド
5−(アミノカルボニル)−3−メチル−4−(ピロリジン−1−イルスルホニル)−1H−ピロール−2−カルボン酸(41mg,0.14mmol)と、N−(3−ジメチルアミノプロピル)N’−エチルカルボジイミド塩酸塩(52mg,0.27mmol)と、N−ヒドロキシベンゾトリアゾール(42mg,0.27mmol)を窒素下に無水アセトニトリル(1mL)中で撹拌した。反応混合物にトリエチルアミン(0.036mL,0.27mmol)を加えた後、2,4−ジクロロベンジル−N−メチルアミン塩酸塩(46mg,0.20mmol)を加えた。得られた混合物を一晩室温で撹拌した。反応混合物を減圧濃縮し、残渣を水と酢酸エチルに分配した。層分離し、有機層をブラインで洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥し、濾過し、減圧濃縮した。2%メタノール:ジクロロメタンを溶離液としてシリカゲルカラム(50×20mm)でフラッシュクロマトグラフィーにより標記化合物を精製した。MS(M+1)=473.0801。
【0276】
(実施例117)
N−(2−クロロベンジル)−N,3−ジメチル−N’−(2−ピリジニルメチル)−4−(1−ピロリジニルスルホニル)−1H−ピロール−2,5−ジカルボキサミド
【0277】
【化31】
【0278】
標記化合物はステップ4で5−(エトキシカルボニル)−4−メチル−3−(ピロリジン−1−イルスルホニル)−1H−ピロール−2−カルボン酸(150mg,0.45mmol)と、N−(3−ジメチルアミノプロピル)N’−エチルカルボジイミド塩酸塩(109mg,0.57mmol)と、N−ヒドロキシベンゾトリアゾール(87mg,0.57mmol)と、水酸化アンモニウムの代わりに2−ピリジルメチルアミン(98mg,0.91mmol)を使用し、ステップ6で2,4−クロロベンジル−N−メチルアミン塩酸塩の代わりに2−クロロベンジル−N−メチルアミンを使用した以外はN−(2,4−ジクロロベンジル)−N,3−ジメチル−4−(1−ピロリジニルスルホニル)−1H−ピロール−2,5−ジカルボキサミドについて記載したと同様に製造した。標記化合物をフラッシュクロマトグラフィーにより精製した。MS(M+1)=530.1621。
【0279】
(実施例118〜119)
実施例116と同様の手順を使用して下表Hの化合物を製造した。下表は各化合物の構造及び名称とMSにより測定したその分子イオン+1(M+1)の質量を示す。化合物を塩として製造した場合には遊離塩基の化合物名の後に塩名を括弧内に記載する。
【0280】
【表9】
【0281】
(実施例120)
カプセル経口組成物
標準2部分ゼラチンカプセルに各々実施例1の標記化合物100mgと、ラクトース150mgと、セルロース50mgと、ステアリン酸3mgをを充填することにより、本発明で使用するのに適したカプセル製剤を製造することができる。実施例2〜119の標記化合物のいずれか1種を含有するカプセル経口組成物も同様に製造することができる。
【0282】
(実施例121)
HIV逆転写酵素阻害SPAアッセイ
本発明の化合物によるHIV逆転写酵素のin vitro阻害を測定するためのアッセイを以下のように実施した。アッセイバッファー(50mM Tris−HCl,pH7.8,1mMジチオスレイトール,6mM MgCl2,80mM KCl,0.025%CHAPS,0.1mM EGTA)にHIV−1 RT酵素(1nM)と阻害剤又はDMSO(5%)を添加し、混合物をマイクロタイターOptiplates(Packard)で30分間室温にてプレインキュベートした。反応混合物100μLにプライマー−鋳型基質(終濃度10nM)とdNTP(0.6μM dNTP,0.75μM[3H]−dGTP)の組み合わせを添加して反応を開始した。ヘテロダイマー核酸基質はin vitro転写により作製した500ヌクレオチドRNA鋳型であるt500(Shaw−Reidら,J.Biol.Chem.,278:2777−2780参照)にDNAプライマーpD500(Shaw−Reidら,J.Biol.Chem.,278:2777−2780に記載;Integrated DNA Technologiesから入手)をアニールすることにより作製した。1時間37℃でインキュベーション後、0.5M EDTA,pH8中、ストレプトアビジンシンチレーション近接アッセイビーズ(10mg/mL,Amersham Biosciences製品)10μLにより反応をクエンチした。マイクロタイタープレートを更に10分間37℃でインキュベートした後にTopcount(Packard)で定量した。本発明の代表的化合物はこのアッセイで逆転写酵素の阻害を示す。例えば、上記実施例1〜11、13〜15、20、21、25〜27、32、34、36〜39、43、44、54、57、71〜77、116及び117に記載した標記化合物をこのアッセイで試験した処、いずれもIC50値は5マイクロモル未満であることが判明した。
【0283】
突然変異体HIV逆転写酵素に対する本発明の化合物のin vitro阻害を測定するために突然変異体HIV株を代用して同様のアッセイを実施した。一方の株では逆転写酵素はY181C突然変異をもち、他方の株では逆転写酵素はK103N突然変異をもつ。これらの突然変異はQUIKCHANGE部位特異的突然変異誘発キット(Stratagene)を使用して作製した。本発明の代表的化合物はこれらのアッセイで逆転写酵素の阻害を示す。例えば、上記実施例1〜11、13〜15、20、21、25〜27、32、34、36〜39、43、44、54、57、71〜77及び116〜119に記載した標記化合物をこれらのアッセイで試験した処、IC50値はY181Cアッセイでは8マイクロモル未満であり、K103Nアッセイでは5マイクロモル未満であることが判明した。
【0284】
(実施例122)
HIV逆転写酵素阻害ECLアッセイ
本発明の化合物によるHIV逆転写酵素のin vitro阻害を測定するための別のアッセイを以下のように実施した。アッセイバッファー(50mM Tris−HCl,pH7.8,1mMジチオスレイトール,6mM MgCl2,80mM KCl,0.025%CHAPS,0.1mM EGTA)にHIV−1 RT酵素(0.1nM)と阻害剤又はDMSO(10%)を添加し、混合物をマイクロタイタープレート(Costar #3359)で30分間室温にてプレインキュベートした。反応混合物100μLにプライマー−鋳型基質(終濃度10nM)とdNTP(0.6μM dNTP,1.25μM BrdUTP)の組み合わせを添加して反応を開始した。ヘテロダイマー核酸基質はin vitro転写により作製した500ヌクレオチドRNA鋳型であるt500(Shaw−Reidら,J.Biol.Chem.,278:2777−2780参照)にDNAプライマーpD500(Shaw−Reidら,J.Biol.Chem.,278:2777−2780に記載;Integrated DNA Technologiesから入手)をアニールすることにより作製した。1時間37℃でインキュベーション後、1N NaOH 10μLにより反応をクエンチした。マイクロタイタープレートを更に30分間室温でインキュベートした後に1N HCl 10μLで中和した。ルテニウム標識抗BrdU抗体を加えた検出用緩衝液の混合物とストレプトアビジンを被覆した磁気ビーズをプレートに加え、室温で1.5時間インキュベートした後に電気化学発光計器で定量した。本発明の代表的化合物はこのアッセイで逆転写酵素の阻害を示す。例えば、実施例12、16〜19、22〜24、26、28〜31、33、35、40〜42、45〜53、55、56、58〜70、70A、70B、78〜84及び86〜115に記載した標記化合物をこのアッセイで試験した処、いずれもIC50値は5マイクロモル未満であることが判明した。(実施例85の化合物は本アッセイでは試験しなかった。)
突然変異体HIV逆転写酵素に対する本発明の化合物のin vitro阻害を測定するために突然変異体HIV株を代用して同様のアッセイを実施した。一方の株では逆転写酵素はY181C突然変異をもち、他方の株では逆転写酵素はK103N突然変異をもつ。これらの突然変異はQUIKCHANGE部位特異的突然変異誘発キット(Stratagene)を使用して作製した。本発明の代表的化合物はこれらのアッセイで逆転写酵素の阻害を示す。例えば、上記実施例12、16〜19、22〜24、26、28〜31、33、35、40〜42、45〜53、55、56、58〜70、70A、70B、78〜84及び86〜115に記載した標記化合物をこれらのアッセイで試験した処、IC50値はY181Cアッセイでは8マイクロモル未満であり、K103Nアッセイでは5マイクロモル未満であることが判明した。(実施例85の化合物はこれらのアッセイでは試験しなかった。)。
【0285】
(実施例123)
HIV複製阻害アッセイ
Vacca,J.P.ら,Proc.Natl.Acad.Sci.USA 1994,91:4096に従ってTリンパ球の急性HIV−1感染の阻害アッセイ(「感染アッセイ」とも言う)を実施した。このアッセイは(10%FBSを使用して)野生型HIV−1株とY181C又はK103N突然変異を含むHIV株の阻害について試験した。本発明の代表的化合物は野生型HIV−1株と突然変異体株を使用するこのアッセイでHIV複製の阻害を示す。例えば、実施例1〜119(実施例70A及び70Bを含む)に記載した化合物は野生型株を使用するアッセイでCIC95値が1000ナノモル未満であることが判明した。実施例1〜5、7〜70、70A、70B、71〜77及び79〜119の化合物はY181C突然変異体株を使用するアッセイで8000ナノモル未満のCIC95値を示した。(なお、実施例6の化合物は833nM濃度までしか試験せず、CIC95値は>833nMであった。実施例78の化合物はY1818Cアッセイで試験しなかった。)実施例1〜119(実施例70A及び70Bを含む)の化合物はK103N突然変異体株を使用するアッセイでCIC95値が1000ナノモル未満であった。
【0286】
K103N及びY181C突然変異の両方を含む突然変異体株を使用する同様のアッセイにおいて、実施例70A、70B及び78〜115の化合物のCIC95値は1000ナノモル未満であった。
【0287】
(実施例124)
細胞毒性
対照培養液に比較してpH不均衡、細胞異常、細胞分裂停止、細胞変性又は結晶化(即ち、化合物が不溶性であるか又はウェル内で結晶を形成する)の形態変化のいずれかについて熟練分析者が各培養液を観察することにより、感染アッセイにおける各ウェルの細胞の顕微鏡試験により細胞毒性を測定した。所与化合物に割り当てる毒性値は上記変化の1種が観察される化合物の最低濃度である。本発明の代表的化合物は8マイクロモルまでの濃度で細胞毒性を示さない。特に、実施例1〜119に記載した化合物は8マイクロモルまでの濃度で細胞毒性を示さなかった。
【0288】
以上の明細書の記載は本発明の原理を教示するものであり、例証の目的で実施例を記載したが、本発明の実施は以下の特許請求の範囲に該当する通常の全変形、応用及び/又は変更を包含する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
式I:
【化32】
{式中、
XはS、S(O)、S(O)2、P(O)−OT、P(S)−OT又はP(N−U)−OTであり;
TはH又は独立してR2と同義であり;
Uは独立してRKと同義であり;
R1はC(O)NRKRLであり;
RKとRLの一方はHであり、RKとRLの他方は
(1)H、
(2)C1−6アルキル、
(3)場合によりO−C1−6アルキル、C(O)RA、CO2RA、C(O)N(RA)RB、SRA、S(O)RAもしくはSO2RAで置換されたC1−6ハロアルキル、
(4)各々OH、O−C1−6アルキル、O−C1−6ハロアルキル、CN、NO2、N(RA)RB、C(O)N(RA)RB、C(O)RA、CO2RA、SRA、S(O)RA、SO2RA、SO2N(RA)RB、N(RA)C(O)RB、N(RA)CO2RB、N(RA)SO2RB、N(RA)SO2N(RA)RB、OC(O)N(RA)RBもしくはN(RA)C(O)N(RA)RBである1から3個の置換基で置換されたC1−6アルキル、
(5)CycA、
(6)AryA、
(7)HetA、
(8)CycA、AryAもしくはHetAで置換されたC1−6アルキル、又は
(9)Y1−CycA、Y1−AryAもしくはY1−HetAで置換されたC1−6アルキルであり;
R2は
(1)C1−6アルキル、
(3)場合によりO−C1−6アルキル、C(O)RA、CO2RA、C(O)N(RA)RB、SRA、S(O)RAもしくはSO2RAで置換されたC1−6ハロアルキル、
(4)各々OH、O−C1−6アルキル、O−C1−6ハロアルキル、CN、NO2、N(RA)RB、C(O)N(RA)RB、C(O)RA、CO2RA、SRA、S(O)RA、SO2RA、SO2N(RA)RB、N(RA)C(O)RB、N(RA)CO2RB、N(RA)SO2RB、N(RA)SO2N(RA)RB、OC(O)N(RA)RBもしくはN(RA)C(O)N(RA)RBである1から3個の置換基で置換されたC1−6アルキル、
(3)CycB、
(4)AryB、
(5)HetB、
(6)CycB、AryBもしくはHetBで置換されたC1−6アルキル、
(7)N(RA)RB、
(8)N(RA)−C1−6アルキル[式中、アルキルは各々OH、O−C1−6アルキル、O−C1−6ハロアルキル、CN、NO2、N(RA)RB、C(O)N(RA)RB、C(O)RA、CO2RA、SRA、S(O)RA、SO2RA、SO2N(RA)RB、N(RA)C(O)RB、N(RA)CO2RB、N(RA)SO2RB、N(RA)SO2N(RA)RB、OC(O)N(RA)RB又はN(RA)C(O)N(RA)RBである1から3個の置換基で置換されており、但し、OH、O−C1−6アルキル又はO−C1−6ハロアルキルは分子の残余に直接結合しているC1−6アルキルの炭素には結合しない]、
(9)N(RA)−CycB、
(10)N(RA)−AryB、
(11)N(RA)−HetB、
(12)N(RA)−C1−6アルキル(式中、アルキルはCycB、AryB又はHetBで置換されている)、
(13)各々OH、O−C1−6アルキル、O−C1−6ハロアルキル、CN、NO2、N(RA)RB、C(O)N(RA)RB、C(O)RA、CO2RA、SRA、S(O)RA、SO2RA、SO2N(RA)RB、N(RA)C(O)RB、N(RA)CO2RB、N(RA)SO2RB、N(RA)SO2N(RA)RB、OC(O)N(RA)RBもしくはN(RA)C(O)N(RA)RBである1から3個の置換基で置換されたC2−6アルケニル、
(14)CycB、AryBもしくはHetBで置換されたC2−6アルケニル、
(15)各々OH、O−C1−6アルキル、O−C1−6ハロアルキル、CN、NO2、N(RA)RB、C(O)N(RA)RB、C(O)RA、CO2RA、SRA、S(O)RA、SO2RA、SO2N(RA)RB、N(RA)C(O)RB、N(RA)CO2RB、N(RA)SO2RB、N(RA)SO2N(RA)RB、OC(O)N(RA)RBもしくはN(RA)C(O)N(RA)RBである1から3個の置換基で置換されたC2−6アルキニル、又は
(16)CycB、AryBもしくはHetBで置換されたC2−6アルキニルであり;
R3は
(1)H、
(2)ハロゲン、
(3)C1−6アルキル、
(4)場合によりO−C1−6アルキル、C(O)RA、CO2RA、C(O)N(RA)RB、SRA、S(O)RAもしくはSO2RAで置換されたC1−6ハロアルキル、
(5)各々OH、O−C1−6アルキル、O−C1−6ハロアルキル、CN、NO2、N(RA)RB、C(O)N(RA)RB、C(O)RA、CO2RA、SRA、S(O)RA、SO2RA、SO2N(RA)RB、N(RA)C(O)RB、N(RA)CO2RB、N(RA)SO2RB、N(RA)SO2N(RA)RB、OC(O)N(RA)RBもしくはN(RA)C(O)N(RA)RBである1から3個の置換基で置換されたC1−6アルキル、
(6)CycC、
(7)AryC、
(8)HetC、
(9)CycC、AryCもしくはHetCで置換されたC1−6アルキル、又は
(10)Y2−CycC、Y2−AryCもしくはY2−HetCで置換されたC1−6アルキルであり;
R4は
(1)H、
(2)C1−6アルキル
(3)場合によりO−C1−6アルキル、C(O)RA、CO2RA、C(O)N(RA)RB、SRA、S(O)RAもしくはSO2RAで置換されたC1−6ハロアルキル、
(4)各々OH、O−C1−6アルキル、O−C1−6ハロアルキル、CN、NO2、N(RA)RB、C(O)N(RA)RB、C(O)RA、CO2RA、SRA、S(O)RA、SO2RA、SO2N(RA)RB、N(RA)C(O)RB、N(RA)CO2RB、N(RA)SO2RB、N(RA)SO2N(RA)RB、OC(O)N(RA)RBもしくはN(RA)C(O)N(RA)RBである1から3個の置換基で置換されたC1−6アルキル、
(5)CycD、
(6)AryD、
(7)HetD、
(8)CycD、AryDもしくはHetDで置換されたC1−6アルキル、又は
(9)Y3−CycD、Y3−AryDもしくはY3−HetDで置換されたC1−6アルキルであり;
R5は
(1)C1−6アルキル、
(2)場合によりO−C1−6アルキル、C(O)RA、CO2RA、C(O)N(RA)RB、SRA、S(O)RAもしくはSO2RAで置換されたC1−6ハロアルキル、
(3)各々OH、O−C1−6アルキル、O−C1−6ハロアルキル、CN、NO2、N(RA)RB、C(O)N(RA)RB、C(O)RA、CO2RA、SRA、S(O)RA、SO2RA、SO2N(RA)RB、N(RA)C(O)RB、N(RA)CO2RB、N(RA)SO2RB、N(RA)SO2N(RA)RB、OC(O)N(RA)RBもしくはN(RA)C(O)N(RA)RBである1から3個の置換基で置換されたC1−6アルキル、
(4)CycE、
(5)AryE、
(6)HetE、
(7)CycE、AryEもしくはHetEで置換されたC1−6アルキル、又は
(8)Y4−CycE、Y4−AryEもしくはY4−HetEで置換されたC1−6アルキルであり;
あるいはR4とR5は両者が結合している窒素原子と一緒になり、
(i)場合によりR4及びR5と結合している窒素以外にN、O及びS[なお、各Sは場合によりS(O)又はS(O)2に酸化されている]から選択される1又は2個のヘテロ原子を含む4から7員飽和又は不飽和単環を形成するか、あるいは
(ii)7から12員二環系を形成し、(ii)の各環は相互に独立しているか、縮合しているか、又は架橋しており、各環は飽和又は不飽和であり、前記二環系は場合によりR4及びR5と結合している窒素以外にN、O及びS[なお、各Sは場合によりS(O)又はS(O)2に酸化されている]から選択される1から3個のヘテロ原子を含み、
前記単環又は二環系は場合により各々独立して
(1)C1−6アルキル、
(2)場合によりO−C1−6アルキル、C(O)RA、CO2RA、C(O)N(RA)RB、SRA、S(O)RAもしくはSO2RAで置換されたC1−6ハロアルキル、
(3)各々OH、O−C1−6アルキル、O−C1−6ハロアルキル、CN、NO2、N(RA)RB、C(O)N(RA)RB、C(O)RA、CO2RA、SRA、S(O)RA、SO2RAもしくはSO2N(RA)RBである1から3個の置換基で置換されたC1−6アルキル、
(4)O−C1−6アルキル、
(5)O−C1−6ハロアルキル、
(6)OH、
(7)オキソ、
(8)ハロゲン、
(9)CN、
(10)NO2、
(11)N(RA)RB、
(12)C(O)N(RA)RB、
(13)C(O)RA、
(14)C(O)−C1−6ハロアルキル、
(15)C(O)ORA、
(16)OC(O)N(RA)RB、
(17)SRA、
(18)S(O)RA、
(19)S(O)2RA、又は
(20)S(O)2N(RA)RB
である1から3個の置換基で置換されており、
各RAは独立してH又はC1−6アルキルであり;
各RBは独立してH又はC1−6アルキルであり;
CycAはC3−8シクロアルキル、C5−8シクロアルケニル、又は一方の環が他方の環に縮合もしくは架橋しているC7−12二環式飽和もしくは不飽和非芳香環系である炭素環であり、前記炭素環は場合により合計1から6個の置換基で置換されており、そのうち、
(i)0から6個の置換基は各々独立して
(1)ハロゲン、
(2)CN、
(3)C1−6アルキル、
(4)OH、
(5)O−C1−6アルキル、
(6)C1−6ハロアルキル、又は
(7)O−C1−6ハロアルキルであり、
(ii)0から2個の置換基は各々独立して
(1)CycQ、
(2)AryQ、
(3)HetQ、
(4)HetR、
(4)Z−CycQ、
(5)Z−AryQ、
(6)Z−HetQ、
(7)Z−HetR、又は
(7)CycQ、AryQ、HetQ、HetR、Z−CycQ、Z−AryQ、Z−HetQもしくはZ−HetRで置換されたC1−6アルキルであり;
AryAは場合により合計1から8個の置換基で置換されたアリールであり、そのうち、
(i)0から8個の置換基は各々独立して
(1)C1−6アルキル、
(2)場合によりO−C1−6アルキル、C(O)RA、CO2RA、C(O)N(RA)RB、SRA、S(O)RAもしくはSO2RAで置換されたC1−6ハロアルキル、
(3)各々OH、O−C1−6アルキル、O−C1−6ハロアルキル、CN、NO2、N(RA)RB、C(O)N(RA)RB、C(O)RA、CO2RA、SRA、S(O)RA、S(O)2RA、S(O)2N(RA)RB、N(RA)C(O)RB、N(RA)CO2RB、N(RA)S(O)2RB、N(RA)S(O)2N(RA)RB、OC(O)N(RA)RB、N(RA)C(O)N(RA)RBもしくはN(RA)C(O)C(O)N(RA)RBである1から3個の置換基で置換されたC1−6アルキル、
(4)O−C1−6アルキル、
(5)O−C1−6ハロアルキル、
(6)OH、
(7)ハロゲン、
(8)CN、
(9)NO2、
(10)N(RA)RB、
(11)C(O)N(RA)RB、
(12)C(O)RA、
(13)C(O)−C1−6ハロアルキル、
(14)C(O)ORA、
(15)OC(O)N(RA)RB、
(16)SRA、
(17)S(O)RA、
(18)S(O)2RA、
(19)S(O)2N(RA)RB、
(20)N(RA)S(O)2RB、
(21)N(RA)S(O)2N(RA)RB、
(22)N(RA)C(O)RB、
(23)N(RA)C(O)N(RA)RB、
(24)N(RA)C(O)−C(O)N(RA)RB、
(25)N(RA)CO2RB、
(26)C2−6アルケニル、又は
(27)C2−6アルキニルであり、
(ii)0から2個の置換基は各々独立して
(1)CycQ、
(2)AryQ、
(3)HetQ、
(4)HetR、
(4)Z−CycQ、
(5)Z−AryQ、
(6)Z−HetQ、
(7)Z−HetR、又は
(8)CycQ、AryQ、HetQ、HetR、Z−CycQ、Z−AryQ、Z−HetQもしくはZ−HetRで置換されたC1−6アルキルであり;
HetAは場合により合計1から8個の置換基で置換された複素環であり、そのうち、
(i)0から8個の置換基は各々独立して
(1)C1−6アルキル、
(2)場合によりO−C1−6アルキル、C(O)RA、CO2RA、C(O)N(RA)RB、SRA、S(O)RAもしくはSO2RAで置換されたC1−6ハロアルキル、
(3)各々OH、O−C1−6アルキル、O−C1−6ハロアルキル、CN、NO2、N(RA)RB、C(O)N(RA)RB、C(O)RA、CO2RA、SRA、S(O)RA、S(O)2RA、S(O)2N(RA)RB、N(RA)C(O)RB、N(RA)CO2RB、N(RA)S(O)2RB、N(RA)S(O)2N(RA)RB、OC(O)N(RA)RB、N(RA)C(O)N(RA)RBもしくはN(RA)C(O)C(O)N(RA)RBである1から3個の置換基で置換されたC1−6アルキル、
(4)O−C1−6アルキル、
(5)O−C1−6ハロアルキル、
(6)OH、
(7)オキソ、
(8)ハロゲン、
(9)CN、
(10)NO2、
(11)N(RA)RB、
(12)C(O)N(RA)RB、
(13)C(O)RA、
(14)C(O)−C1−6ハロアルキル、
(15)C(O)ORA、
(16)OC(O)N(RA)RB、
(17)SRA、
(18)S(O)RA、
(19)S(O)2RA、
(20)S(O)2N(RA)RB、
(21)N(RA)S(O)2RB、
(22)N(RA)S(O)2N(RA)RB、
(23)N(RA)C(O)RB、
(24)N(RA)C(O)N(RA)RB、
(25)N(RA)C(O)−C(O)N(RA)RB、又は
(26)N(RA)CO2RBであり、
(ii)0から2個の置換基は各々独立して
(1)CycQ、
(2)AryQ、
(3)HetQ、
(4)HetR、
(4)Z−CycQ、
(5)Z−AryQ、
(6)Z−HetQ、
(7)Z−HetR、又は
(7)CycQ、AryQ、HetQ、HetR、Z−CycQ、Z−AryQ、Z−HetQもしくはZ−HetRで置換されたC1−6アルキルであり;
CycB、CycC、CycD及びCycEは各々独立してCycAと同義であり;
AryB、AryC、AryD及びAryEは各々独立してAryAと同義であり;
HetB、HetC、HetD及びHetEは各々独立してHetAと同義であり;
各アリールは独立して(i)フェニル、(ii)少なくとも一方の環が芳香族である9もしくは10員二環式縮合炭素環系、又は(iii)少なくとも1個の環が芳香族である11から14員三環式縮合炭素環系であり;
各複素環は独立して(i)4から8員飽和もしくは不飽和単環、(ii)7から12員二環系、又は(iii)10から18員三環系であり、(ii)又は(iii)の各環は相互に独立しているか、縮合しているか、又は架橋しており、各環は飽和又は不飽和であり、前記単環、二環系又は三環系はN、O及びSから選択される1から8個のヘテロ原子と残余の炭素原子を含み、窒素及び硫黄ヘテロ原子の任意1個以上は場合により酸化されており、窒素ヘテロ原子の任意1個以上は場合により四級化されており;
Y1、Y2、Y3及びY4は各々独立して
(i)O、
(ii)S、
(iii)S(O)、
(iv)S(O)2、
(v)O−C1−6アルキレン、
(vi)S−C1−6アルキレン、
(vii)S(O)−C1−6アルキレン、
(viii)S(O)2−C1−6アルキレン、
(ix)N(RA)、
(x)N(RA)−C1−6アルキレン、
(xi)C(O)、
(xii)C(O)−C1−6アルキレン、
(xiii)C(O)−C1−6アルキレン−O、
(xiv)C(O)N(RA)、
(xv)C(O)N(RA)−C1−6アルキレン、
(xvi)C(O)N(RA)−C1−6アルキレン−C(O)O、及び
(xvii)C(O)N(RA)S(O)2から構成される群から選択され;
各CycQは独立してC3−8シクロアルキル又はC5−8シクロアルケニルであり、前記シクロアルキル又はシクロアルケニルは場合により各々独立してハロゲン、C1−6アルキル、OH、O−C1−6アルキル、C1−6ハロアルキル又はO−C1−6ハロアルキルである1から4個の置換基で置換されており;
各AryQは独立してフェニル又はナフチルであり、前記フェニル又はナフチルは場合により各々独立してハロゲン、CN、NO2、C1−6アルキル、C1−6ハロアルキル、OH、O−C1−6アルキル、O−C1−6ハロアルキル、N(RA)RB、C(O)N(RA)RB、C(O)RA、CO2RA、SRA、S(O)RA、SO2RA、SO2N(RA)RB又はSO2N(RA)C(O)RBである1から5個の置換基で置換されており;
各HetQは独立して(i)N、O及びS(なお、各Nは場合により酸化物形態である)から独立して選択される1から4個のヘテロ原子を含む5もしくは6員複素芳香環、又は(ii)N、O及びSから独立して選択される1から4個のヘテロ原子を含む9もしくは10員二環式複素縮合環系[なお、環の一方又は両方が1個以上のヘテロ原子を含み、少なくとも一方の環は芳香族であり、各Nは場合により酸化物形態であり、非芳香環の各Sは場合によりS(O)又はS(O)2である]であり、前記複素芳香環又は二環式複素環は場合により各々独立してハロゲン、C1−6アルキル、C1−6ハロアルキル、OH、O−C1−6アルキル、O−C1−6ハロアルキル、N(RA)RB、C(O)N(RA)RB、C(O)RA、CO2RA、SO2RA、N(RA)C(O)N(RA)RB又はN(RA)CO2RBである1から4個の置換基で置換されており;
各HetRは独立して少なくとも1個の炭素原子と、N、O及びSから独立して選択される1から4個のヘテロ原子を含む4から7員飽和又は不飽和非芳香族複素環であり、なお、各Sは場合によりS(O)又はS(O)2に酸化されており、前記飽和又は不飽和複素環は場合により各々独立してハロゲン、CN、C1−6アルキル、OH、オキソ、O−C1−6アルキル、C1−6ハロアルキル、O−C1−6ハロアルキル、C(O)N(RA)RB、C(O)RA、CO2RA又はSO2RAである1から4個の置換基で置換されており;
各Zは独立して
(i)O、
(ii)S、
(iii)S(O)、
(iv)S(O)2、
(v)O−C1−6アルキレン、
(vi)S−C1−6アルキレン、
(vii)S(O)−C1−6アルキレン、
(viii)S(O)2−C1−6アルキレン、
(ix)N(RA)、又は
(x)N(RA)−C1−6アルキレンである}の化合物又はその医薬的に許容可能な塩。
【請求項2】
XがS、S(O)又はS(O)2であり;
RKとRLの一方がHであり、RKとRLの他方が
(1)H、
(2)C1−6アルキル、
(3)場合によりO−C1−6アルキル、C(O)RA、CO2RA、C(O)N(RA)RB、SRA、S(O)RAもしくはSO2RAで置換されたC1−6フルオロアルキル、
(4)各々独立してOH、O−C1−6アルキル、O−C1−6フルオロアルキル、CN、C(O)N(RA)RB、C(O)RA、CO2RA、SRA、S(O)RA、SO2RAもしくはSO2N(RA)RBである1もしくは2個の置換基で置換されたC1−6アルキル、
(5)CycA、
(6)AryA、
(7)HetA、又は
(8)CycA、AryAもしくはHetAで置換されたC1−6アルキルであり;
CycAは場合により各々独立してフッ素、C1−6アルキル、OH、O−C1−6アルキル、C1−6フルオロアルキル又はO−C1−6フルオロアルキルである合計1から3個の置換基で置換されたC3−6シクロアルキルであり;
AryAはフェニル又はナフチルであり、前記フェニル又はナフチルは場合により合計1から6個の置換基で置換されており、そのうち、
(i)0から6個の置換基は各々独立して
(1)C1−6アルキル、
(2)C1−6フルオロアルキル、
(3)OH、O−C1−4アルキル、O−C1−4ハロアルキル、CN、N(RA)RB、C(O)N(RA)RB、C(O)RA、CO2RA、SRA、S(O)RA、SO2RAもしくはSO2N(RA)RBで置換されたC1−6アルキル、
(4)O−C1−6アルキル、
(5)O−C1−6フルオロアルキル、
(6)OH、
(7)ハロゲン、
(8)CN、
(9)NO2、
(10)N(RA)RB、
(11)C(O)N(RA)RB、
(12)C(O)RA、
(13)C(O)−C1−4フルオロアルキル、
(14)CO2RA、
(15)SRA、
(16)S(O)RA、
(17)SO2RA、又は
(18)SO2N(RA)RBであり、
(ii)0から1個の置換基は独立して
(1)CycQ、
(2)AryQ、
(3)HetQ、又は
(4)CycQ、AryQもしくはHetQで置換されたC1−6アルキルであり;
HetAは(i)N、O及びS(なお、各Nは場合により酸化物形態である)から独立して選択される1から4個のヘテロ原子を含む5もしくは6員複素芳香環、又は(ii)N、O及びSから独立して選択される1から4個のヘテロ原子を含む9もしくは10員二環式縮合環系[なお、環の一方又は両方が1個以上のヘテロ原子を含み、少なくとも一方の環は芳香族であり、各Nは場合により酸化物形態であり、非芳香環の各Sは場合によりS(O)又はS(O)2である]であり、ヘテロアリールは場合により合計1から6個の置換基で置換されており、そのうち、
(i)0から6個の置換基は各々独立して
(1)C1−6アルキル、
(2)C1−6フルオロアルキル、
(3)OH、O−C1−4アルキル、O−C1−4ハロアルキル、CN、N(RA)RB、C(O)N(RA)RB、C(O)RA、CO2RA、SRA、S(O)RA、SO2RAもしくはSO2N(RA)RBで置換されたC1−6アルキル、
(4)O−C1−6アルキル、
(5)O−C1−6フルオロアルキル、
(6)OH、
(7)オキソ、
(8)ハロゲン、
(9)CN、
(10)NO2、
(11)N(RA)RB、
(12)C(O)N(RA)RB、
(13)C(O)RA、
(14)C(O)−C1−4フルオロアルキル、
(15)CO2RA、
(16)SRA、
(17)S(O)RA、
(18)SO2RA、又は
(19)SO2N(RA)RBであり、
(ii)0から1個の置換基は独立して
(1)CycQ、
(2)AryQ、
(3)HetQ、又は
(4)CycQ、AryQもしくはHetQで置換されたC1−6アルキルであり;
R2がAryB、HetB、N(RA)RB又はN(RA)−CycBであり;
CycBは独立してCycAと同義であり;
AryBは独立してAryAと同義であり;
HetBは場合により1から3個のN原子、0又は1個のO原子、及び0又は1個のS原子から選択される1から3個のヘテロ原子を含む4から7員飽和複素環であり、前記環はN原子を介して化合物の残余と結合しており、場合により存在するS原子は場合によりS(O)又はS(O)2に酸化されており、前記飽和複素環は場合により各々独立してC1−6アルキル、オキソ、C(O)N(RA)RB、C(O)RA、CO2RA又はS(O)2RAである1から3個の置換基で置換されており;
R3がC1−6アルキル又はCycCであり;
CycCは独立してCycAと同義であり;
R4がH、C1−6アルキル、又はCycD、AryDもしくはHetDで置換されたC1−6アルキルであり;
CycDは独立してCycAと同義であり;
AryDは独立してAryAと同義であり;
HetDは独立してHetAについて定義したような場合により置換されたヘテロアリール又はN、O及びSから選択される1もしくは2個のヘテロ原子を含む4から7員飽和複素環であり、なお、各Sは場合によりS(O)又はS(O)2に酸化されており、前記飽和環は場合により各々独立してC1−6アルキル、OH、オキソ、O−C1−6アルキル、C1−6フルオロアルキル、O−C1−6フルオロアルキル、C(O)RA、CO2RA又はSO2RAである1から3個の置換基で置換されており;
R5がAryE、O−AryE又はHetEで置換されたC1−6アルキルであり;
CycEは独立してCycAと同義であり;
AryEは独立してAryAと同義であり;
HetEは独立してHetDと同義であり;
あるいはR4とR5は両者が結合している窒素原子と一緒になり、場合によりR4及びR5と結合している窒素以外にN、O及びSから選択される1個のヘテロ原子を含む4から7員飽和環を形成し、なお、場合により存在するSは場合によりS(O)又はS(O)2に酸化されており、前記飽和環は場合によりベンゼン環又はN、O及びSから選択されるヘテロ原子を含む5又は6員複素芳香環と縮合しており、場合により縮合した飽和環は場合により各々独立してC1−6アルキル、OH、オキソ、O−C1−6アルキル、C1−6フルオロアルキル、O−C1−6フルオロアルキル、C(O)N(RA)RB、C(O)RA、CO2RA又はSO2RAである1から3個の置換基で置換されており;
各CycQは独立して場合により各々独立してフッ素、C1−6アルキル、OH、O−C1−6アルキル、C1−6フルオロアルキル又はO−C1−6フルオロアルキルである1又は2個の置換基で置換されたC3−6シクロアルキルであり;
各AryQは独立して場合により各々独立してハロゲン、CN、NO2、C1−6アルキル、C1−6フルオロアルキル、OH、O−C1−6アルキル、O−C1−6フルオロアルキル、N(RA)RB、C(O)N(RA)RB、C(O)RA、CO2RA、SRA、S(O)RA、SO2RA、SO2N(RA)RB又はSO2N(RA)C(O)RBである1から3個の置換基で置換されたフェニルであり;
各HetQは独立してN、O及びSから独立して選択される1から4個のヘテロ原子を含む5又は6員複素芳香環であり、なお、各Nは場合により酸化物形態であり、前記複素芳香環は場合により各々独立してハロゲン、C1−6アルキル、C1−6フルオロアルキル、OH、O−C1−6アルキル、O−C1−6フルオロアルキル、N(RA)RB、(C)ON(RA)RB、C(O)RA、CO2RA、SO2RA、N(RA)C(O)N(RA)RB又はN(RA)CO2RBである合計1から4個の置換基で置換されている請求項1に記載の化合物又はその医薬的に許容可能な塩。
【請求項3】
XがS(O)2であり;
RKとRLの一方がHであり、他方が
(1)H、
(2)C1−4アルキル、
(3)場合によりO−C1−4アルキルもしくはCO2RAで置換されたC1−4フルオロアルキル、
(4)O−C1−4アルキル、O−C1−4フルオロアルキル、C(O)RA、CO2RAもしくはSO2RAで置換されたC1−4アルキル、又は
(5)CycA、AryAもしくはHetAで置換されたC1−4アルキルであり;
CycAは場合により各々独立してC1−4アルキル、OH、O−C1−4アルキル、C1−4フルオロアルキル又はO−C1−4フルオロアルキルである1又は2個の置換基で置換されたC3−6シクロアルキルであり;
AryAは場合により各々独立してC1−4アルキル、CF3、O−C1−4アルキル、OCF3、OH、ハロゲン、CN、NO2、N(RA)RB、C(O)N(RA)RB、C(O)RA、C(O)CF3、CO2RA又はSO2RAである1から3個の置換基で置換されたフェニルであり;
HetAはチエニル、フラニル、ピロリル、イミダゾリル、ピラゾリル、トリアゾリル、テトラゾリル、オキサゾリル、イソオキサゾリル、チアゾリル、イソチアゾリル、オキサジアゾリル、チアジアゾリル、ピリジニル、ピラジニル、ピリミジニル、ピリダジニル、ベンゾフラニル、ベンゾチエニル、インドリル、インダゾリル、イソベンゾフラニル、ベンゾイソオキサゾリル、ベンゾオキサゾリル、ベンゾイミダゾリル、ベンゾピペリジニル、クロメニル、キノリニル、イソキノリニル、シンノリニル、キノキサリニル、キナゾリニル及びイミダゾピリジニルから構成される群から選択されるヘテロアリールであり、前記ヘテロアリールは場合により各々独立してC1−4アルキル、CF3、O−C1−4アルキル、OCF3、OH、ハロゲン、CN、NO2、N(RA)RB、C(O)N(RA)RB、C(O)RA、C(O)CF3、CO2RA又はSO2RAである1から3個の置換基で置換されており;
R2がAryB、HetB又はN(RA)−CycBであり;
CycBは場合により各々独立してC1−4アルキル、OH、O−C1−4アルキル、C1−4フルオロアルキル又はO−C1−4フルオロアルキルである1又は2個の置換基で置換されたC3−6シクロアルキルであり;
AryBはフェニル又はナフチルであり、前記フェニルは場合により各々独立してC1−4アルキル、CF3、O−C1−4アルキル、OCF3、OH、ハロゲン、CN、NO2、N(RA)RB、C(O)N(RA)RB、C(O)RA、C(O)CF3、CO2RA又はSO2RAである1から3個の置換基で置換されており;
HetBはアゼチジニル、ピロリジニル、ピペリジニル、モルホリニル、チオモルホリニル、ピペラジニル、チアジナニル、チアゼパニル及びアゼパニルから構成される群から選択される飽和複素環であり、前記環は環窒素原子を介して化合物の残余と結合しており、前記環は場合により各々独立してC1−4アルキル又はオキソである1から3個の置換基で置換されており;
R3がC1−4アルキルであり;
R4がH、C1−4アルキル、又はAryDで置換されたC1−4アルキルであり;
AryDは場合により各々独立してC1−4アルキル、CF3、O−C1−4アルキル、OCF3、OH、ハロゲン、CN、NO2、N(RA)RB、C(O)N(RA)RB、C(O)RA、C(O)CF3、CO2RA又はSO2RAである1から3個の置換基で置換されたフェニルであり;
R5がAryE、O−AryE又はHetEで置換されたC1−4アルキルであり;
AryEは場合により各々独立してC1−4アルキル、CF3、O−C1−4アルキル、OCF3、OH、ハロゲン、CN、NO2、N(RA)RB、C(O)N(RA)RB、C(O)RA、C(O)CF3、CO2RA又はSO2RAである1から3個の置換基で置換されたフェニルであり;
HetEは独立して
(i)チエニル、フラニル、ピロリル、イミダゾリル、ピラゾリル、トリアゾリル、テトラゾリル、オキサゾリル、イソオキサゾリル、チアゾリル、イソチアゾリル、オキサジアゾリル、チアジアゾリル、ピリジニル、ピラジニル、ピリミジニル、ピリダジニル、ベンゾフラニル、ベンゾチエニル、インドリル、インダゾリル、イソベンゾフラニル、ベンゾイソオキサゾリル、ベンゾオキサゾリル、ベンゾイミダゾリル、ベンゾピペリジニル、クロメニル、キノリニル、イソキノリニル、シンノリニル、キノキサリニル、キナゾリニル及びイミダゾピリジニルから構成される群から選択されるヘテロアリール[なお、前記ヘテロアリールは(a)場合により各々独立してC1−4アルキル、CF3、O−C1−4アルキル、OCF3、OH、ハロゲン、CN、NO2、N(RA)RB、C(O)N(RA)RB、C(O)RA、C(O)CF3、CO2RA又はSO2RAである1から3個の置換基で置換されており、(b)更に場合によりフェニルで置換されている]、又は
(ii)アゼチジニル、ピロリジニル、ピペリジニル、モルホリニル、チオモルホリニル、ピペラジニル、チアジナニル、チアゼパニル及びアゼパニルから構成される群から選択される飽和複素環(なお、前記環は環炭素原子を介して化合物の残余と結合しており、前記環は場合により各々独立してC1−4アルキル又はオキソである1から3個の置換基で置換されている)であり;
あるいはR4とR5は両者が結合している窒素原子と一緒になり、1−アゼチジニル、1−ピロリジニル、1−ピペリジニル、1−ピペラジニル、1−アゼパニル、4−モルホリニル、4−チオモルホリニル、3,4−ジヒドロイソキノリン−2(1H)−イル、1,3,4,5−テトラヒドロ−2H−2−ベンゾアゼピン−2−イル及び4,6,7,8−テトラヒドロ−5H−チエノ[3,2−c]アゼピン−5−イルから構成される群から選択される場合によりベンゾ又はチエノ環が縮合した複素環を形成し、場合により縮合した複素環は場合により各々独立してC1−4アルキル、OH、オキソ、ハロゲン、O−C1−4アルキル又はSO2−C1−4アルキルである1又は2個の置換基で置換されており;
RA及びRBは各々独立してH又はC1−4アルキルである請求項2に記載の化合物又はその医薬的に許容可能な塩。
【請求項4】
RKがHであり;
RLがH、C1−4アルキル、CH2CF3、CH2CH2CF3、CH2CF2CF3、CH(CO2CH3)CH2CF3、(CH2)2−3OCH3、CH2−AryA又はCH2−HetAであり;
AryAは場合により各々独立してCH3、CF3、OCH3、OCF3、OH、Cl、Br、F、CN、NO2、NH2、N(H)CH3、N(CH3)2、C(O)NH2、C(O)N(H)CH3、C(O)N(CH3)2、C(O)CH3、C(O)CF3、CO2CH3又はSO2CH3である1から3個の置換基で置換されたフェニルであり;
HetAはピリジニル、ピロリル、チエニル、フラニル、イミダゾリル、ピラゾリル、トリアゾリル、テトラゾリル、オキサゾリル、イソオキサゾリル、オキサジアゾリル、チアゾリル、イソチアゾリル、チアジアゾリル、ベンゾフラニル、ベンゾチエニル、インドリル、インダゾリル、イソベンゾフラニル、ベンゾオキサゾリル、ベンゾイミダゾリル、キノリニル、イソキノリニルから構成される群から選択されるヘテロアリールであり、前記ヘテロアリールは場合により各々独立してCH3、CF3、OCH3、OCF3、OH、Cl、Br、F、CN、C(O)NH2、C(O)N(H)CH3、C(O)N(CH3)2、C(O)CH3、C(O)CF3、CO2CH3又はSO2CH3である1から3個の置換基で置換されており;
R2がAryB又はHetBであり;
CycBはC3−6シクロアルキルであり;
AryBはフェニル又はナフチルであり、前記フェニルは場合により各々独立してCH3、CF3、OCH3、OCF3、OH、Cl、Br、F、CN、NO2、NH2、N(H)CH3、N(CH3)2、C(O)NH2、C(O)N(H)CH3、C(O)N(CH3)2、C(O)CH3、C(O)CF3、CO2CH3又はSO2CH3である1から3個の置換基で置換されており;
HetBは
【化33】
から構成される群から選択される飽和複素環であり、上記式中、アステリスク*は化合物の残余との結合点を表し、前記環は場合により各々CH3又はオキソである1又は2個の置換基で置換されており;
R3がCH3、CH2CH3、CH2CH2CH3、CH(CH3)2又はCH2CH2CH2CH3であり;
R4がH、CH3、CH2CH3又はベンジルであり;
R5がCH2−AryE、CH2CH2−AryE、CH(CH3)−AryE、CH2O−AryE、CH2CH2O−AryE、CH2−HetE又はCH2CH2−HetEであり;
AryEは場合により各々独立してCH3、CF3、OCH3、OCF3、OH、Cl、Br、F、CN、NO2、NH2、N(H)CH3、N(CH3)2、C(O)NH2、C(O)N(H)CH3、C(O)N(CH3)2、C(O)CH3、C(O)CF3、CO2CH3又はSO2CH3である1から3個の置換基で置換されたフェニルであり;
HetEは独立して
(i)チエニル、フラニル、ピロリル、イミダゾリル、ピラゾリル、トリアゾリル、テトラゾリル、オキサゾリル、イソオキサゾリル、チアゾリル、イソチアゾリル、オキサジアゾリル、チアジアゾリル、ピリジニル、ピラジニル、ピリミジニル、ピリダジニル、ベンゾフラニル、ベンゾチエニル、インドリル、インダゾリル、イソベンゾフラニル、ベンゾイソオキサゾリル、ベンゾオキサゾリル、ベンゾイミダゾリル、ベンゾピペリジニル、クロメニル、キノリニル、イソキノリニル、シンノリニル、キノキサリニル、キナゾリニル及びイミダゾピリジニルから構成される群から選択されるヘテロアリール[なお、前記ヘテロアリールは(a)場合により各々独立してCH3、CF3、OCH3、OCF3、OH、Cl、Br、F、CN、NO2、NH2、N(H)CH3、N(CH3)2、C(O)NH2、C(O)N(H)CH3、C(O)N(CH3)2、C(O)CH3、C(O)CF3、CO2CH3又はSO2CH3である1から3個の置換基で置換されており、(b)更に場合によりフェニルで置換されている]、又は
(ii)アゼチジニル、ピロリジニル、ピペリジニル、モルホリニル、チオモルホリニル、ピペラジニル、チアジナニル、チアゼパニル及びアゼパニルから構成される群から選択される飽和複素環(なお、前記環は環炭素原子を介して化合物の残余と結合しており、前記環は場合により各々CH3又はオキソである1又は2個の置換基で置換されている)であり;
あるいはR4とR5は両者が結合している窒素原子と一緒になり、1−アゼチジニル、1−ピロリジニル、1−ピペリジニル、1−ピペラジニル、1−アゼパニル、4−モルホリニル、4−チオモルホリニル、3,4−ジヒドロイソキノリン−2(1H)−イル、1,3,4,5−テトラヒドロ−2H−2−ベンゾアゼピン−2−イル及び4,6,7,8−テトラヒドロ−5H−チエノ[3,2−c]アゼピン−5−イルから構成される群から選択される場合によりベンゾ又はチエノ環が縮合した複素環を形成し、場合により縮合した複素環は場合により各々独立してCH3、OH、オキソ、Cl、Br、F、OCH3又はSO2CH3である1又は2個の置換基で置換されている請求項3に記載の化合物又はその医薬的に許容可能な塩。
【請求項5】
N−(2,4−ジクロロベンジル)−N,3−ジメチル−4−(1−フェニルスルホニル)−1H−ピロール−2,5−ジカルボキサミド;
N−(2,4−ジクロロベンジル)−4−[(3,5−ジクロロフェニル)スルホニル]−N,3−ジメチル−1H−ピロール−2,5−ジカルボキサミド;
N−ベンジル−N,3−ジメチル−4−(3,5−ジメチルフェニルスルホニル)−1H−ピロール−2,5−ジカルボキサミド;
N−(2−クロロ−4−フルオロベンジル)−N,3−ジメチル−4−(フェニルスルホニル)−1H−ピロール−2,5−ジカルボキサミド;
N−(2−クロロベンジル)−N,3−ジメチル−4−(1−ナフチルスルホニル)−1H−ピロール−2,5−ジカルボキサミド;
N−(2−クロロベンジル)−N,3−ジメチル−4−(2−ナフチルスルホニル)−1H−ピロール−2,5−ジカルボキサミド;
N−(2−フルオロベンジル)−N,3−ジメチル−4−(フェニルスルホニル)−1H−ピロール−2,5−ジカルボキサミド;
N−(2−クロロベンジル)−N,3−ジメチル−4−(フェニルスルホニル)−1H−ピロール−2,5−ジカルボキサミド;
N−(2−ブロモベンジル)−N,3−ジメチル−4−(フェニルスルホニル)−1H−ピロール−2,5−ジカルボキサミド;
N−(3−クロロベンジル)−N,3−ジメチル−4−(フェニルスルホニル)−1H−ピロール−2,5−ジカルボキサミド;
N−(4−ブロモベンジル)−N,3−ジメチル−4−(フェニルスルホニル)−1H−ピロール−2,5−ジカルボキサミド;
N−(4−クロロ−2−フルオロベンジル)−N,3−ジメチル−4−(フェニルスルホニル)−1H−ピロール−2,5−ジカルボキサミド;
N−(2,3−ジクロロベンジル)−N,3−ジメチル−4−(フェニルスルホニル)−1H−ピロール−2,5−ジカルボキサミド;
N−(3,4−ジクロロベンジル)−N,3−ジメチル−4−(フェニルスルホニル)−1H−ピロール−2,5−ジカルボキサミド;
N−(2−クロロ−4−メチルスルホニルベンジル)−N,3−ジメチル−4−(フェニルスルホニル)−1H−ピロール−2,5−ジカルボキサミド;
N−(2−フルオロベンジル)−N,3−ジメチル−4−(3−フルオロフェニルスルホニル)−1H−ピロール−2,5−ジカルボキサミド;
N−(2−クロロベンジル)−N,3−ジメチル−4−(3−フルオロフェニルスルホニル)−1H−ピロール−2,5−ジカルボキサミド;
N−(4−クロロ−2−フルオロベンジル)−N,3−ジメチル−4−(3−フルオロフェニルスルホニル)−1H−ピロール−2,5−ジカルボキサミド;
N−(2,4−ジクロロベンジル)−N,3−ジメチル−4−(3−フルオロフェニルスルホニル)−1H−ピロール−2,5−ジカルボキサミド;
N−(2−クロロベンジル)−N,3−ジメチル−4−(3−クロロフェニルスルホニル)−1H−ピロール−2,5−ジカルボキサミド;
N−(2,4−ジクロロベンジル)−N,3−ジメチル−4−(3−クロロフェニルスルホニル)−1H−ピロール−2,5−ジカルボキサミド;
N−ベンジル−N,3−ジメチル−4−(3−トリフルオロメチルフェニルスルホニル)−1H−ピロール−2,5−ジカルボキサミド;
N−(2,4−ジクロロベンジル)−N,3−ジメチル−4−(3−トリフルオロメチルフェニルスルホニル)−1H−ピロール−2,5−ジカルボキサミド;
N−(2−フルオロベンジル)−N,3−ジメチル−4−(3,5−ジメチルフェニルスルホニル)−1H−ピロール−2,5−ジカルボキサミド;
N−(2−クロロベンジル)−N,3−ジメチル−4−(3,5−ジメチルフェニルスルホニル)−1H−ピロール−2,5−ジカルボキサミド;
N−(4−クロロ−2−フルオロベンジル)−N,3−ジメチル−4−(3,5−ジメチルフェニルスルホニル)−1H−ピロール−2,5−ジカルボキサミド;
N−(2,4−ジクロロベンジル)−N,3−ジメチル−4−(3,5−ジメチルフェニルスルホニル)−1H−ピロール−2,5−ジカルボキサミド;
N−ベンジル−N,3−ジメチル−4−(3−クロロ−5−フルオロフェニルスルホニル)−1H−ピロール−2,5−ジカルボキサミド;
N−(2−フルオロベンジル)−N,3−ジメチル−4−(3−クロロ−5−フルオロフェニルスルホニル)−1H−ピロール−2,5−ジカルボキサミド;
N−(2−クロロベンジル)−N,3−ジメチル−4−(3−クロロ−5−フルオロフェニルスルホニル)−1H−ピロール−2,5−ジカルボキサミド;
N−(4−クロロ−2−フルオロベンジル)−N,3−ジメチル−4−(3−クロロ−5−フルオロフェニルスルホニル)−1H−ピロール−2,5−ジカルボキサミド;
N−ベンジル−N,3−ジメチル−4−(3,5−ジクロロフェニルスルホニル)−1H−ピロール−2,5−ジカルボキサミド;
N−(2−フルオロベンジル)−N,3−ジメチル−4−(3,5−ジクロロフェニルスルホニル)−1H−ピロール−2,5−ジカルボキサミド;
N−(2−クロロベンジル)−N,3−ジメチル−4−(3,5−ジクロロフェニルスルホニル)−1H−ピロール−2,5−ジカルボキサミド;
N−(4−クロロ−2−フルオロベンジル)−N,3−ジメチル−4−(3,5−ジクロロフェニルスルホニル)−1H−ピロール−2,5−ジカルボキサミド;
N−(3−メトキシベンジル)−N,3−ジメチル−4−(フェニルスルホニル)−1H−ピロール−2,5−ジカルボキサミド;
N−(2−クロロベンジル)−N,3−ジメチル−4−(2−シアノ−3−メチルフェニルスルホニル)−1H−ピロール−2,5−ジカルボキサミド;
N,3−ジメチル−4−(フェニルスルホニル)−N−(3−チエニルメチル)−1H−ピロール−2,5−ジカルボキサミド;
N−[(3−クロロ−4−ピリジニル)メチル]−N,3−ジメチル−4−(フェニルスルホニル)−1H−ピロール−2,5−ジカルボキサミド(トリフルオロ酢酸塩);
4−[(3,5−ジメチルフェニル)スルホニル]−N,3−ジメチル−N−(6−キノリニルメチル)−1H−ピロール−2,5−ジカルボキサミド;
N−[(7−クロロ−6−キノリニル)メチル]−N,3−ジメチル−4−(フェニルスルホニル)−1H−ピロール−2,5−ジカルボキサミド;
N−[(5−クロロ−6−キノリニル)メチル]−N,3−ジメチル−4−(フェニルスルホニル)−1H−ピロール−2,5−ジカルボキサミド;
N,3−ジメチル−4−(フェニルスルホニル)−N−(6−キノリニルメチル)−1H−ピロール−2,5−ジカルボキサミド;
N,3−ジメチル−4−(3−メチルフェニルスルホニル)−N−(6−キノリニルメチル)−1H−ピロール−2,5−ジカルボキサミド;
4−(3−フルオロフェニルスルホニル)−N,3−ジメチル−N−(6−キノリニルメチル)−1H−ピロール−2,5−ジカルボキサミド;
N,3−ジメチル−N−(6−キノリニルメチル)−4−{[3−(トリフルオロメチル)フェニル]スルホニル}−1H−ピロール−2,5−ジカルボキサミド;
N−[(5−クロロ−6−キノリニル)メチル]−4−[(3,5−ジメチルフェニル)スルホニル]−N,3−ジメチル−1H−ピロール−2,5−ジカルボキサミド;
N−[(7−クロロ−6−キノリニル)メチル]−4−[(3,5−ジメチルフェニル)スルホニル]−N,3−ジメチル−1H−ピロール−2,5−ジカルボキサミド;
N−[(5−クロロ−6−キノリニル)メチル]−4−[(3,5−ジフルオロフェニル)スルホニル]−N,3−ジメチル−1H−ピロール−2,5−ジカルボキサミド;
N−[(7−クロロ−6−キノリニル)メチル]−4−[(3,5−ジフルオロフェニル)スルホニル]−N,3−ジメチル−1H−ピロール−2,5−ジカルボキサミド;
4−[(3−クロロ−5−フルオロフェニル)スルホニル]−N,3−ジメチル−N−(6−キノリニルメチル)−1H−ピロール−2,5−ジカルボキサミド;
4−[(3−クロロ−5−フルオロフェニル)スルホニル]−N−[(5−クロロ−6−キノリニル)メチル]−N,3−ジメチル−1H−ピロール−2,5−ジカルボキサミド;
4−[(3−クロロ−5−フルオロフェニル)スルホニル]−N−[(7−クロロ−6−キノリニル)メチル]−N,3−ジメチル−1H−ピロール−2,5−ジカルボキサミド;
4−[(3,5−ジクロロフェニル)スルホニル]−N,3−ジメチル−N−(6−キノリニルメチル)−1H−ピロール−2,5−ジカルボキサミド;
N−[(5−クロロ−6−キノリニル)メチル]−4−[(3,5−ジクロロフェニル)スルホニル]−N,3−ジメチル−1H−ピロール−2,5−ジカルボキサミド;
N−[(7−クロロ−6−キノリニル)メチル]−4−[(3,5−ジクロロフェニル)スルホニル]−N,3−ジメチル−1H−ピロール−2,5−ジカルボキサミド;
4−[(3−クロロ−5−シアノフェニル)スルホニル]−N,3−ジメチル−N−(6−キノリニルメチル)−1H−ピロール−2,5−ジカルボキサミド;
N−ベンジル−3−イソプロピル−N−メチル−4−(フェニルスルホニル)−1H−ピロール−2,5−ジカルボキサミド;
N−(2,4−ジクロロベンジル)−3−エチル−N−メチル−4−(フェニルスルホニル)−1H−ピロール−2,5−ジカルボキサミド;
3−エチル−N−メチル−4−(フェニルスルホニル)−N−(6−キノリニルメチル)−1H−ピロール−2,5−ジカルボキサミド;
N−(2−フルオロベンジル)−3−イソプロピル−N−メチル−4−(フェニルスルホニル)−1H−ピロール−2,5−ジカルボキサミド;
N−(4−クロロ−2−フルオロベンジル)−3−イソプロピル−N−メチル−4−(フェニルスルホニル)−1H−ピロール−2,5−ジカルボキサミド;
N−(2,4−ジクロロベンジル)−3−イソプロピル−N−メチル−4−(フェニルスルホニル)−1H−ピロール−2,5−ジカルボキサミド;
3−イソプロピル−N−メチル−4−(フェニルスルホニル)−N−(6−キノリニルメチル)−1H−ピロール−2,5−ジカルボキサミド;
N−メチル−4−(フェニルスルホニル)−3−プロピル−N−(6−キノリニルメチル)−1H−ピロール−2,5−ジカルボキサミド;
3−ブチル−N−メチル−4−(フェニルスルホニル)−N−(6−キノリニルメチル)−1H−ピロール−2,5−ジカルボキサミド;
3−ブチル−N−メチル−4−(3−メチルフェニルスルホニル)−N−(6−キノリニルメチル)−1H−ピロール−2,5−ジカルボキサミド;
3−ブチル−4−[(3−クロロフェニル)スルホニル]−N−メチル−N−(6−キノリニルメチル)−1H−ピロール−2,5−ジカルボキサミド;
3−ブチル−4−[(3,5−ジメチルフェニル)スルホニル]−N−メチル−N−(6−キノリニルメチル)−1H−ピロール−2,5−ジカルボキサミド;
3−ブチル−4−[(3,5−ジクロロフェニル)スルホニル]−N−メチル−N−(6−キノリニルメチル)−1H−ピロール−2,5−ジカルボキサミド;
N−(2,4−ジクロロベンジル)−N’−(1H−インダゾール−3−イルメチル)−N,3−ジメチル−4−(フェニルスルホニル)−1H−ピロール−2,5−ジカルボキサミド;
N−(2,4−ジクロロベンジル)−N,N’,3−トリメチル−4−(フェニルスルホニル)−1H−ピロール−2,5−ジカルボキサミド;
N−(2,4−ジクロロベンジル)−N,3−ジメチル−N’−[(3−メチル−4−ピリジニル)メチル]−4−(フェニルスルホニル)−1H−ピロール−2,5−ジカルボキサミド;
N−(2,4−ジクロロベンジル)−N,3−ジメチル−4−(フェニルスルホニル)−N’−(2−ピリジニルメチル)−1H−ピロール−2,5−ジカルボキサミド;
N−(2,4−ジクロロベンジル)−N,3−ジメチル−4−(フェニルスルホニル)−N’−(3−ピリジニルメチル)−1H−ピロール−2,5−ジカルボキサミド;
N−(2,4−ジクロロベンジル)−N,3−ジメチル−4−(フェニルスルホニル)−N’−(1,3−チアゾール−2−イルメチル)−1H−ピロール−2,5−ジカルボキサミド;
N’−(2−クロロ−6−フルオロベンジル)−N−(2,4−ジクロロベンジル)−N,3−ジメチル−4−(フェニルスルホニル)−1H−ピロール−2,5−ジカルボキサミド;
4−メチル−3−(フェニルスルホニル)−5−(1,3,4,5−テトラヒドロ−2H−2−ベンゾアゼピン−2−イルカルボニル)−1H−ピロール−2−カルボキサミド;
4−メチル−3−(3,5−ジメチルフェニルスルホニル)−5−(1,3,4,5−テトラヒドロ−2H−2−ベンゾアゼピン−2−イルカルボニル)−1H−ピロール−2−カルボキサミド;
3−[(3,5−ジメチルフェニル)スルホニル]−4−メチル−5−(4,6,7,8−テトラヒドロ−5H−チエノ[3,2−c]アゼピン−5−イルカルボニル)−1H−ピロール−2−カルボキサミド;
3−[(3,5−ジクロロフェニル)スルホニル]−4−メチル−5−(1,3,4,5−テトラヒドロ−2H−2−ベンゾアゼピン−2−イルカルボニル)−1H−ピロール−2−カルボキサミド;
3−[(3,5−ジクロロフェニル)スルホニル]−4−メチル−5−(4,6,7,8−テトラヒドロ−5H−チエノ[3,2−c]アゼピン−5−イルカルボニル)−1H−ピロール−2−カルボキサミド;
N−(2,4−ジクロロベンジル)−N,3−ジメチル−4−(1−ピロリジニルスルホニル)−1H−ピロール−2,5−ジカルボキサミド;
N−(2−クロロベンジル)−N,3−ジメチル−N’−(2−ピリジニルメチル)−4−(1−ピロリジニルスルホニル)−1H−ピロール−2,5−ジカルボキサミド;
N−(2,4−ジクロロベンジル)−N,3−ジメチル−4−(1−ピペリジニルスルホニル)−1H−ピロール−2,5−ジカルボキサミド;
N−(2−クロロベンジル)−N,3−ジメチル−4−(1−ピペリジニルスルホニル)−1H−ピロール−2,5−ジカルボキサミド;
及びその医薬的に許容可能な塩から構成される群から選択される請求項1に記載の化合物。
【請求項6】
3−イソプロピル−N−メチル−4−(フェニルスルホニル)−N−[(5−クロロキノリン−6−イル)メチル]−1H−ピロール−2,5−ジカルボキサミド(トリフルオロ酢酸塩);
3−イソプロピル−N−メチル−4−(フェニルスルホニル)−N−[(7−クロロキノリン−6−イル)メチル]−1H−ピロール−2,5−ジカルボキサミド(トリフルオロ酢酸塩);
3−[(3,5−ジクロロフェニル)スルホニル]−4−メチル−5−(1,3,4,5−テトラヒドロ−2H−2−ベンゾアゼピン−2−イルカルボニル)−1H−ピロール−2−カルボキサミド;
3−[(3,5−ジクロロフェニル)スルホニル]−4−メチル−5−(4,6,7,8−テトラヒドロ−5H−チエノ[3,2−c]アゼピン−5−イルカルボニル)−1H−ピロール−2−カルボキサミド;
3−[(3,5−ジクロロフェニル)スルホニル]−4−メチル−5−(7−メトキシ−1,3,4,5−テトラヒドロ−2H−2−ベンゾアゼピン−2−イルカルボニル)−1H−ピロール−2−カルボキサミド;
3−[(3,5−ジクロロフェニル)スルホニル]−4−メチル−5−(7−ヒドロキシ−1,3,4,5−テトラヒドロ−2H−2−ベンゾアゼピン−2−イルカルボニル)−1H−ピロール−2−カルボキサミド;
3−[(3,5−ジメチルフェニル)スルホニル]−4−メチル−5−(7−メトキシ−1,3,4,5−テトラヒドロ−2H−2−ベンゾアゼピン−2−イルカルボニル)−1H−ピロール−2−カルボキサミド;
3−[(3,5−ジメチルフェニル)スルホニル]−4−メチル−5−(7−ヒドロキシ−1,3,4,5−テトラヒドロ−2H−2−ベンゾアゼピン−2−イルカルボニル)−1H−ピロール−2−カルボキサミド;
3−[(3,5−ジメチルフェニル)スルホニル]−4−メチル−5−(8−メトキシ−1,3,4,5−テトラヒドロ−2H−2−ベンゾアゼピン−2−イルカルボニル)−1H−ピロール−2−カルボキサミド;
3−[(3,5−ジメチルフェニル)スルホニル]−4−メチル−5−(8−ヒドロキシ−1,3,4,5−テトラヒドロ−2H−2−ベンゾアゼピン−2−イルカルボニル)−1H−ピロール−2−カルボキサミド;
3−(フェニルスルホニル)−4−メチル−5−(8−メトキシ−1,3,4,5−テトラヒドロ−2H−2−ベンゾアゼピン−2−イルカルボニル)−1H−ピロール−2−カルボキサミド;
3−(フェニルスルホニル)−4−メチル−5−(8−ヒドロキシ−1,3,4,5−テトラヒドロ−2H−2−ベンゾアゼピン−2−イルカルボニル)−1H−ピロール−2−カルボキサミド;
3−[(3−フルオロフェニル)スルホニル]−4−メチル−5−(8−メトキシ−1,3,4,5−テトラヒドロ−2H−2−ベンゾアゼピン−2−イルカルボニル)−1H−ピロール−2−カルボキサミド;
3−[(3−フルオロフェニル)スルホニル]−4−メチル−5−(8−ヒドロキシ−1,3,4,5−テトラヒドロ−2H−2−ベンゾアゼピン−2−イルカルボニル)−1H−ピロール−2−カルボキサミド;
3−[(3−(1,1,1−トリフルオロメチル)フェニル)スルホニル]−4−メチル−5−(8−メトキシ−1,3,4,5−テトラヒドロ−2H−2−ベンゾアゼピン−2−イルカルボニル)−1H−ピロール−2−カルボキサミド;
3−[(3,5−ジクロロフェニル)スルホニル]−4−メチル−5−[(2−クロロ−4,6,7,8−テトラヒドロ−5H−チエノ[3,2−c]アゼピン−5−イル)カルボニル]−1H−ピロール−2−カルボキサミド;
3−[(3,5−ジクロロフェニル)スルホニル]−4−メチル−5−[(2−(メチルスルホニル)−4,6,7,8−テトラヒドロ−5H−チエノ[3,2−c]アゼピン−5−イル)カルボニル]−1H−ピロール−2−カルボキサミド;
3−[(3,5−ジメチルフェニル)スルホニル]−4−メチル−5−[(2−(メチルスルホニル)−4,6,7,8−テトラヒドロ−5H−チエノ[3,2−c]アゼピン−5−イル)カルボニル]−1H−ピロール−2−カルボキサミド;
N5−[(2−アミノピリジン−4−イル)メチル]−3−[(3−フルオロフェニル)スルホニル]−4−イソプロピル−N5−メチル−1H−ピロール−2,5−ジカルボキサミド;
N5−[(2−アミノピリジン−4−イル)メチル]−3−[(3,5−ジフルオロフェニル)スルホニル]−4−イソプロピル−N5−メチル−1H−ピロール−2,5−ジカルボキサミド;
N5−[(2−アミノピリジン−4−イル)メチル]−3−フェニルスルホニル]−4−イソプロピル−N5−メチル−1H−ピロール−2,5−ジカルボキサミド;
N5−[(2−アミノピリジン−4−イル)メチル]−3−[(3,5−ジメチルフェニル)スルホニル]−4−イソプロピル−N5−メチル−1H−ピロール−2,5−ジカルボキサミド;
N5−[(2−アミノ−5−フルオロピリジン−4−イル)メチル]−3−[(3,5−ジメチルフェニル)スルホニル]−N5,4−ジメチル−1H−ピロール−2,5−ジカルボキサミド;
N2−[(3−N5−[(2−アミノ−5−フルオロピリジン−4−イル)メチル]−3−イソプロピル−N2−メチル−4−(フェニルスルホニル)−1H−ピロール−2,5−ジカルボキサミド;
N5−[(3−クロロピリジン−4−イル)メチル]−3−[(3,5−ジメチルフェニル)スルホニル]−N5,4−ジメチル−1H−ピロール−2,5−ジカルボキサミド;
N2−[(3−クロロピリジン−4−イル)メチル]−3−イソプロピル−N2−メチル−4−(フェニルスルホニル)−1H−ピロール−2,5−ジカルボキサミド;
N5−[(2−クロロ−3−フルオロピリジン−4−イル)メチル]−3−[(3,5−ジメチルフェニル)スルホニル]−N5,4−ジメチル−1H−ピロール−2,5−ジカルボキサミド;
N2−[(2−クロロ−3−フルオロピリジン−4−イル)メチル]−3−イソプロピル−N2−メチル−4−(フェニルスルホニル)−1H−ピロール−2,5−ジカルボキサミド;
3−[(3,5−ジメチルフェニル)スルホニル]−N5−[(3−フルオロピリジン−4−イル)メチル]−N5,4−ジメチル−1H−ピロール−2,5−ジカルボキサミド;
N2−[(3−フルオロピリジン−4−イル)メチル]−3−イソプロピル−N2−メチル−4−(フェニルスルホニル)−1H−ピロール−2,5−ジカルボキサミド;
N5−[(3,5−ジフルオロピリジン−4−イル)メチル]−3−[(3,5−ジメチルフェニル)スルホニル]−N5,4−ジメチル−1H−ピロール−2,5−ジカルボキサミド;
N2−[(3,5−ジフルオロピリジン−4−イル)メチル]−3−イソプロピル−N2−メチル−4−(フェニルスルホニル)−1H−ピロール−2,5−ジカルボキサミド;
N5−[(2−クロロ−5−フルオロピリジン−4−イル)メチル]−3−[(3,5−ジメチルフェニル)スルホニル]−N5,4−ジメチル−1H−ピロール−2,5−ジカルボキサミド;
N2−[(2−クロロ−5−フルオロピリジン−4−イル)メチル]−3−イソプロピル−N2−メチル−4−(フェニルスルホニル)−1H−ピロール−2,5−ジカルボキサミド;
N2−[(2−アミノ−3−フルオロピリジン−4−イル)メチル]−3−イソプロピル−N2−メチル−4−(フェニルスルホニル)−1H−ピロール−2,5−ジカルボキサミド;
及びその医薬的に許容可能な塩から構成される群から選択される請求項1に記載の化合物。
【請求項7】
有効量の請求項1から6のいずれか一項に記載の化合物又はその医薬的に許容可能な塩と、医薬的に許容可能なキャリヤーを含有する組成物。
【請求項8】
(i)請求項1から6のいずれか一項に記載の化合物又はその医薬的に許容可能な塩と、(ii)HIVプロテアーゼ阻害剤、ヌクレオシド系HIV逆転写酵素阻害剤及び非ヌクレオシド系HIV逆転写酵素阻害剤から構成される群から選択されるHIV感染/エイズ抗ウイルス剤からなる併用剤であって、併用剤がHIV感染の治療又は予防あるいはエイズの治療又は予防又は発症もしくは進行遅延に有効となるような量で(i)の化合物又はその医薬的に許容可能な塩と、(ii)のHIV感染/エイズ抗ウイルス剤を各々使用する前記併用剤。
【請求項9】
該当処置を要する対象に有効量の請求項1から6のいずれか一項に記載の式Iの化合物又はその医薬的に許容可能な塩を投与する段階を含む、HIV逆転写酵素の阻害方法、HIV感染の治療又は予防方法、あるいはエイズの治療又は予防又は発症もしくは進行遅延方法。
【請求項10】
該当処置を要する対象におけるHIV逆転写酵素の阻害、HIV感染の治療又は予防、あるいはエイズの治療又は予防又は発症もしくは進行遅延における請求項1から6のいずれか一項に記載の式Iの化合物又はその医薬的に許容可能な塩の使用。
【請求項11】
該当処置を要する対象におけるHIV逆転写酵素の阻害用医薬、HIV感染の治療又は予防用医薬、あるいはエイズの治療又は予防又は発症もしくは進行遅延用医薬の製造用としての請求項1から6のいずれか一項に記載の式Iの化合物又はその医薬的に許容可能な塩。
【請求項1】
式I:
【化32】
{式中、
XはS、S(O)、S(O)2、P(O)−OT、P(S)−OT又はP(N−U)−OTであり;
TはH又は独立してR2と同義であり;
Uは独立してRKと同義であり;
R1はC(O)NRKRLであり;
RKとRLの一方はHであり、RKとRLの他方は
(1)H、
(2)C1−6アルキル、
(3)場合によりO−C1−6アルキル、C(O)RA、CO2RA、C(O)N(RA)RB、SRA、S(O)RAもしくはSO2RAで置換されたC1−6ハロアルキル、
(4)各々OH、O−C1−6アルキル、O−C1−6ハロアルキル、CN、NO2、N(RA)RB、C(O)N(RA)RB、C(O)RA、CO2RA、SRA、S(O)RA、SO2RA、SO2N(RA)RB、N(RA)C(O)RB、N(RA)CO2RB、N(RA)SO2RB、N(RA)SO2N(RA)RB、OC(O)N(RA)RBもしくはN(RA)C(O)N(RA)RBである1から3個の置換基で置換されたC1−6アルキル、
(5)CycA、
(6)AryA、
(7)HetA、
(8)CycA、AryAもしくはHetAで置換されたC1−6アルキル、又は
(9)Y1−CycA、Y1−AryAもしくはY1−HetAで置換されたC1−6アルキルであり;
R2は
(1)C1−6アルキル、
(3)場合によりO−C1−6アルキル、C(O)RA、CO2RA、C(O)N(RA)RB、SRA、S(O)RAもしくはSO2RAで置換されたC1−6ハロアルキル、
(4)各々OH、O−C1−6アルキル、O−C1−6ハロアルキル、CN、NO2、N(RA)RB、C(O)N(RA)RB、C(O)RA、CO2RA、SRA、S(O)RA、SO2RA、SO2N(RA)RB、N(RA)C(O)RB、N(RA)CO2RB、N(RA)SO2RB、N(RA)SO2N(RA)RB、OC(O)N(RA)RBもしくはN(RA)C(O)N(RA)RBである1から3個の置換基で置換されたC1−6アルキル、
(3)CycB、
(4)AryB、
(5)HetB、
(6)CycB、AryBもしくはHetBで置換されたC1−6アルキル、
(7)N(RA)RB、
(8)N(RA)−C1−6アルキル[式中、アルキルは各々OH、O−C1−6アルキル、O−C1−6ハロアルキル、CN、NO2、N(RA)RB、C(O)N(RA)RB、C(O)RA、CO2RA、SRA、S(O)RA、SO2RA、SO2N(RA)RB、N(RA)C(O)RB、N(RA)CO2RB、N(RA)SO2RB、N(RA)SO2N(RA)RB、OC(O)N(RA)RB又はN(RA)C(O)N(RA)RBである1から3個の置換基で置換されており、但し、OH、O−C1−6アルキル又はO−C1−6ハロアルキルは分子の残余に直接結合しているC1−6アルキルの炭素には結合しない]、
(9)N(RA)−CycB、
(10)N(RA)−AryB、
(11)N(RA)−HetB、
(12)N(RA)−C1−6アルキル(式中、アルキルはCycB、AryB又はHetBで置換されている)、
(13)各々OH、O−C1−6アルキル、O−C1−6ハロアルキル、CN、NO2、N(RA)RB、C(O)N(RA)RB、C(O)RA、CO2RA、SRA、S(O)RA、SO2RA、SO2N(RA)RB、N(RA)C(O)RB、N(RA)CO2RB、N(RA)SO2RB、N(RA)SO2N(RA)RB、OC(O)N(RA)RBもしくはN(RA)C(O)N(RA)RBである1から3個の置換基で置換されたC2−6アルケニル、
(14)CycB、AryBもしくはHetBで置換されたC2−6アルケニル、
(15)各々OH、O−C1−6アルキル、O−C1−6ハロアルキル、CN、NO2、N(RA)RB、C(O)N(RA)RB、C(O)RA、CO2RA、SRA、S(O)RA、SO2RA、SO2N(RA)RB、N(RA)C(O)RB、N(RA)CO2RB、N(RA)SO2RB、N(RA)SO2N(RA)RB、OC(O)N(RA)RBもしくはN(RA)C(O)N(RA)RBである1から3個の置換基で置換されたC2−6アルキニル、又は
(16)CycB、AryBもしくはHetBで置換されたC2−6アルキニルであり;
R3は
(1)H、
(2)ハロゲン、
(3)C1−6アルキル、
(4)場合によりO−C1−6アルキル、C(O)RA、CO2RA、C(O)N(RA)RB、SRA、S(O)RAもしくはSO2RAで置換されたC1−6ハロアルキル、
(5)各々OH、O−C1−6アルキル、O−C1−6ハロアルキル、CN、NO2、N(RA)RB、C(O)N(RA)RB、C(O)RA、CO2RA、SRA、S(O)RA、SO2RA、SO2N(RA)RB、N(RA)C(O)RB、N(RA)CO2RB、N(RA)SO2RB、N(RA)SO2N(RA)RB、OC(O)N(RA)RBもしくはN(RA)C(O)N(RA)RBである1から3個の置換基で置換されたC1−6アルキル、
(6)CycC、
(7)AryC、
(8)HetC、
(9)CycC、AryCもしくはHetCで置換されたC1−6アルキル、又は
(10)Y2−CycC、Y2−AryCもしくはY2−HetCで置換されたC1−6アルキルであり;
R4は
(1)H、
(2)C1−6アルキル
(3)場合によりO−C1−6アルキル、C(O)RA、CO2RA、C(O)N(RA)RB、SRA、S(O)RAもしくはSO2RAで置換されたC1−6ハロアルキル、
(4)各々OH、O−C1−6アルキル、O−C1−6ハロアルキル、CN、NO2、N(RA)RB、C(O)N(RA)RB、C(O)RA、CO2RA、SRA、S(O)RA、SO2RA、SO2N(RA)RB、N(RA)C(O)RB、N(RA)CO2RB、N(RA)SO2RB、N(RA)SO2N(RA)RB、OC(O)N(RA)RBもしくはN(RA)C(O)N(RA)RBである1から3個の置換基で置換されたC1−6アルキル、
(5)CycD、
(6)AryD、
(7)HetD、
(8)CycD、AryDもしくはHetDで置換されたC1−6アルキル、又は
(9)Y3−CycD、Y3−AryDもしくはY3−HetDで置換されたC1−6アルキルであり;
R5は
(1)C1−6アルキル、
(2)場合によりO−C1−6アルキル、C(O)RA、CO2RA、C(O)N(RA)RB、SRA、S(O)RAもしくはSO2RAで置換されたC1−6ハロアルキル、
(3)各々OH、O−C1−6アルキル、O−C1−6ハロアルキル、CN、NO2、N(RA)RB、C(O)N(RA)RB、C(O)RA、CO2RA、SRA、S(O)RA、SO2RA、SO2N(RA)RB、N(RA)C(O)RB、N(RA)CO2RB、N(RA)SO2RB、N(RA)SO2N(RA)RB、OC(O)N(RA)RBもしくはN(RA)C(O)N(RA)RBである1から3個の置換基で置換されたC1−6アルキル、
(4)CycE、
(5)AryE、
(6)HetE、
(7)CycE、AryEもしくはHetEで置換されたC1−6アルキル、又は
(8)Y4−CycE、Y4−AryEもしくはY4−HetEで置換されたC1−6アルキルであり;
あるいはR4とR5は両者が結合している窒素原子と一緒になり、
(i)場合によりR4及びR5と結合している窒素以外にN、O及びS[なお、各Sは場合によりS(O)又はS(O)2に酸化されている]から選択される1又は2個のヘテロ原子を含む4から7員飽和又は不飽和単環を形成するか、あるいは
(ii)7から12員二環系を形成し、(ii)の各環は相互に独立しているか、縮合しているか、又は架橋しており、各環は飽和又は不飽和であり、前記二環系は場合によりR4及びR5と結合している窒素以外にN、O及びS[なお、各Sは場合によりS(O)又はS(O)2に酸化されている]から選択される1から3個のヘテロ原子を含み、
前記単環又は二環系は場合により各々独立して
(1)C1−6アルキル、
(2)場合によりO−C1−6アルキル、C(O)RA、CO2RA、C(O)N(RA)RB、SRA、S(O)RAもしくはSO2RAで置換されたC1−6ハロアルキル、
(3)各々OH、O−C1−6アルキル、O−C1−6ハロアルキル、CN、NO2、N(RA)RB、C(O)N(RA)RB、C(O)RA、CO2RA、SRA、S(O)RA、SO2RAもしくはSO2N(RA)RBである1から3個の置換基で置換されたC1−6アルキル、
(4)O−C1−6アルキル、
(5)O−C1−6ハロアルキル、
(6)OH、
(7)オキソ、
(8)ハロゲン、
(9)CN、
(10)NO2、
(11)N(RA)RB、
(12)C(O)N(RA)RB、
(13)C(O)RA、
(14)C(O)−C1−6ハロアルキル、
(15)C(O)ORA、
(16)OC(O)N(RA)RB、
(17)SRA、
(18)S(O)RA、
(19)S(O)2RA、又は
(20)S(O)2N(RA)RB
である1から3個の置換基で置換されており、
各RAは独立してH又はC1−6アルキルであり;
各RBは独立してH又はC1−6アルキルであり;
CycAはC3−8シクロアルキル、C5−8シクロアルケニル、又は一方の環が他方の環に縮合もしくは架橋しているC7−12二環式飽和もしくは不飽和非芳香環系である炭素環であり、前記炭素環は場合により合計1から6個の置換基で置換されており、そのうち、
(i)0から6個の置換基は各々独立して
(1)ハロゲン、
(2)CN、
(3)C1−6アルキル、
(4)OH、
(5)O−C1−6アルキル、
(6)C1−6ハロアルキル、又は
(7)O−C1−6ハロアルキルであり、
(ii)0から2個の置換基は各々独立して
(1)CycQ、
(2)AryQ、
(3)HetQ、
(4)HetR、
(4)Z−CycQ、
(5)Z−AryQ、
(6)Z−HetQ、
(7)Z−HetR、又は
(7)CycQ、AryQ、HetQ、HetR、Z−CycQ、Z−AryQ、Z−HetQもしくはZ−HetRで置換されたC1−6アルキルであり;
AryAは場合により合計1から8個の置換基で置換されたアリールであり、そのうち、
(i)0から8個の置換基は各々独立して
(1)C1−6アルキル、
(2)場合によりO−C1−6アルキル、C(O)RA、CO2RA、C(O)N(RA)RB、SRA、S(O)RAもしくはSO2RAで置換されたC1−6ハロアルキル、
(3)各々OH、O−C1−6アルキル、O−C1−6ハロアルキル、CN、NO2、N(RA)RB、C(O)N(RA)RB、C(O)RA、CO2RA、SRA、S(O)RA、S(O)2RA、S(O)2N(RA)RB、N(RA)C(O)RB、N(RA)CO2RB、N(RA)S(O)2RB、N(RA)S(O)2N(RA)RB、OC(O)N(RA)RB、N(RA)C(O)N(RA)RBもしくはN(RA)C(O)C(O)N(RA)RBである1から3個の置換基で置換されたC1−6アルキル、
(4)O−C1−6アルキル、
(5)O−C1−6ハロアルキル、
(6)OH、
(7)ハロゲン、
(8)CN、
(9)NO2、
(10)N(RA)RB、
(11)C(O)N(RA)RB、
(12)C(O)RA、
(13)C(O)−C1−6ハロアルキル、
(14)C(O)ORA、
(15)OC(O)N(RA)RB、
(16)SRA、
(17)S(O)RA、
(18)S(O)2RA、
(19)S(O)2N(RA)RB、
(20)N(RA)S(O)2RB、
(21)N(RA)S(O)2N(RA)RB、
(22)N(RA)C(O)RB、
(23)N(RA)C(O)N(RA)RB、
(24)N(RA)C(O)−C(O)N(RA)RB、
(25)N(RA)CO2RB、
(26)C2−6アルケニル、又は
(27)C2−6アルキニルであり、
(ii)0から2個の置換基は各々独立して
(1)CycQ、
(2)AryQ、
(3)HetQ、
(4)HetR、
(4)Z−CycQ、
(5)Z−AryQ、
(6)Z−HetQ、
(7)Z−HetR、又は
(8)CycQ、AryQ、HetQ、HetR、Z−CycQ、Z−AryQ、Z−HetQもしくはZ−HetRで置換されたC1−6アルキルであり;
HetAは場合により合計1から8個の置換基で置換された複素環であり、そのうち、
(i)0から8個の置換基は各々独立して
(1)C1−6アルキル、
(2)場合によりO−C1−6アルキル、C(O)RA、CO2RA、C(O)N(RA)RB、SRA、S(O)RAもしくはSO2RAで置換されたC1−6ハロアルキル、
(3)各々OH、O−C1−6アルキル、O−C1−6ハロアルキル、CN、NO2、N(RA)RB、C(O)N(RA)RB、C(O)RA、CO2RA、SRA、S(O)RA、S(O)2RA、S(O)2N(RA)RB、N(RA)C(O)RB、N(RA)CO2RB、N(RA)S(O)2RB、N(RA)S(O)2N(RA)RB、OC(O)N(RA)RB、N(RA)C(O)N(RA)RBもしくはN(RA)C(O)C(O)N(RA)RBである1から3個の置換基で置換されたC1−6アルキル、
(4)O−C1−6アルキル、
(5)O−C1−6ハロアルキル、
(6)OH、
(7)オキソ、
(8)ハロゲン、
(9)CN、
(10)NO2、
(11)N(RA)RB、
(12)C(O)N(RA)RB、
(13)C(O)RA、
(14)C(O)−C1−6ハロアルキル、
(15)C(O)ORA、
(16)OC(O)N(RA)RB、
(17)SRA、
(18)S(O)RA、
(19)S(O)2RA、
(20)S(O)2N(RA)RB、
(21)N(RA)S(O)2RB、
(22)N(RA)S(O)2N(RA)RB、
(23)N(RA)C(O)RB、
(24)N(RA)C(O)N(RA)RB、
(25)N(RA)C(O)−C(O)N(RA)RB、又は
(26)N(RA)CO2RBであり、
(ii)0から2個の置換基は各々独立して
(1)CycQ、
(2)AryQ、
(3)HetQ、
(4)HetR、
(4)Z−CycQ、
(5)Z−AryQ、
(6)Z−HetQ、
(7)Z−HetR、又は
(7)CycQ、AryQ、HetQ、HetR、Z−CycQ、Z−AryQ、Z−HetQもしくはZ−HetRで置換されたC1−6アルキルであり;
CycB、CycC、CycD及びCycEは各々独立してCycAと同義であり;
AryB、AryC、AryD及びAryEは各々独立してAryAと同義であり;
HetB、HetC、HetD及びHetEは各々独立してHetAと同義であり;
各アリールは独立して(i)フェニル、(ii)少なくとも一方の環が芳香族である9もしくは10員二環式縮合炭素環系、又は(iii)少なくとも1個の環が芳香族である11から14員三環式縮合炭素環系であり;
各複素環は独立して(i)4から8員飽和もしくは不飽和単環、(ii)7から12員二環系、又は(iii)10から18員三環系であり、(ii)又は(iii)の各環は相互に独立しているか、縮合しているか、又は架橋しており、各環は飽和又は不飽和であり、前記単環、二環系又は三環系はN、O及びSから選択される1から8個のヘテロ原子と残余の炭素原子を含み、窒素及び硫黄ヘテロ原子の任意1個以上は場合により酸化されており、窒素ヘテロ原子の任意1個以上は場合により四級化されており;
Y1、Y2、Y3及びY4は各々独立して
(i)O、
(ii)S、
(iii)S(O)、
(iv)S(O)2、
(v)O−C1−6アルキレン、
(vi)S−C1−6アルキレン、
(vii)S(O)−C1−6アルキレン、
(viii)S(O)2−C1−6アルキレン、
(ix)N(RA)、
(x)N(RA)−C1−6アルキレン、
(xi)C(O)、
(xii)C(O)−C1−6アルキレン、
(xiii)C(O)−C1−6アルキレン−O、
(xiv)C(O)N(RA)、
(xv)C(O)N(RA)−C1−6アルキレン、
(xvi)C(O)N(RA)−C1−6アルキレン−C(O)O、及び
(xvii)C(O)N(RA)S(O)2から構成される群から選択され;
各CycQは独立してC3−8シクロアルキル又はC5−8シクロアルケニルであり、前記シクロアルキル又はシクロアルケニルは場合により各々独立してハロゲン、C1−6アルキル、OH、O−C1−6アルキル、C1−6ハロアルキル又はO−C1−6ハロアルキルである1から4個の置換基で置換されており;
各AryQは独立してフェニル又はナフチルであり、前記フェニル又はナフチルは場合により各々独立してハロゲン、CN、NO2、C1−6アルキル、C1−6ハロアルキル、OH、O−C1−6アルキル、O−C1−6ハロアルキル、N(RA)RB、C(O)N(RA)RB、C(O)RA、CO2RA、SRA、S(O)RA、SO2RA、SO2N(RA)RB又はSO2N(RA)C(O)RBである1から5個の置換基で置換されており;
各HetQは独立して(i)N、O及びS(なお、各Nは場合により酸化物形態である)から独立して選択される1から4個のヘテロ原子を含む5もしくは6員複素芳香環、又は(ii)N、O及びSから独立して選択される1から4個のヘテロ原子を含む9もしくは10員二環式複素縮合環系[なお、環の一方又は両方が1個以上のヘテロ原子を含み、少なくとも一方の環は芳香族であり、各Nは場合により酸化物形態であり、非芳香環の各Sは場合によりS(O)又はS(O)2である]であり、前記複素芳香環又は二環式複素環は場合により各々独立してハロゲン、C1−6アルキル、C1−6ハロアルキル、OH、O−C1−6アルキル、O−C1−6ハロアルキル、N(RA)RB、C(O)N(RA)RB、C(O)RA、CO2RA、SO2RA、N(RA)C(O)N(RA)RB又はN(RA)CO2RBである1から4個の置換基で置換されており;
各HetRは独立して少なくとも1個の炭素原子と、N、O及びSから独立して選択される1から4個のヘテロ原子を含む4から7員飽和又は不飽和非芳香族複素環であり、なお、各Sは場合によりS(O)又はS(O)2に酸化されており、前記飽和又は不飽和複素環は場合により各々独立してハロゲン、CN、C1−6アルキル、OH、オキソ、O−C1−6アルキル、C1−6ハロアルキル、O−C1−6ハロアルキル、C(O)N(RA)RB、C(O)RA、CO2RA又はSO2RAである1から4個の置換基で置換されており;
各Zは独立して
(i)O、
(ii)S、
(iii)S(O)、
(iv)S(O)2、
(v)O−C1−6アルキレン、
(vi)S−C1−6アルキレン、
(vii)S(O)−C1−6アルキレン、
(viii)S(O)2−C1−6アルキレン、
(ix)N(RA)、又は
(x)N(RA)−C1−6アルキレンである}の化合物又はその医薬的に許容可能な塩。
【請求項2】
XがS、S(O)又はS(O)2であり;
RKとRLの一方がHであり、RKとRLの他方が
(1)H、
(2)C1−6アルキル、
(3)場合によりO−C1−6アルキル、C(O)RA、CO2RA、C(O)N(RA)RB、SRA、S(O)RAもしくはSO2RAで置換されたC1−6フルオロアルキル、
(4)各々独立してOH、O−C1−6アルキル、O−C1−6フルオロアルキル、CN、C(O)N(RA)RB、C(O)RA、CO2RA、SRA、S(O)RA、SO2RAもしくはSO2N(RA)RBである1もしくは2個の置換基で置換されたC1−6アルキル、
(5)CycA、
(6)AryA、
(7)HetA、又は
(8)CycA、AryAもしくはHetAで置換されたC1−6アルキルであり;
CycAは場合により各々独立してフッ素、C1−6アルキル、OH、O−C1−6アルキル、C1−6フルオロアルキル又はO−C1−6フルオロアルキルである合計1から3個の置換基で置換されたC3−6シクロアルキルであり;
AryAはフェニル又はナフチルであり、前記フェニル又はナフチルは場合により合計1から6個の置換基で置換されており、そのうち、
(i)0から6個の置換基は各々独立して
(1)C1−6アルキル、
(2)C1−6フルオロアルキル、
(3)OH、O−C1−4アルキル、O−C1−4ハロアルキル、CN、N(RA)RB、C(O)N(RA)RB、C(O)RA、CO2RA、SRA、S(O)RA、SO2RAもしくはSO2N(RA)RBで置換されたC1−6アルキル、
(4)O−C1−6アルキル、
(5)O−C1−6フルオロアルキル、
(6)OH、
(7)ハロゲン、
(8)CN、
(9)NO2、
(10)N(RA)RB、
(11)C(O)N(RA)RB、
(12)C(O)RA、
(13)C(O)−C1−4フルオロアルキル、
(14)CO2RA、
(15)SRA、
(16)S(O)RA、
(17)SO2RA、又は
(18)SO2N(RA)RBであり、
(ii)0から1個の置換基は独立して
(1)CycQ、
(2)AryQ、
(3)HetQ、又は
(4)CycQ、AryQもしくはHetQで置換されたC1−6アルキルであり;
HetAは(i)N、O及びS(なお、各Nは場合により酸化物形態である)から独立して選択される1から4個のヘテロ原子を含む5もしくは6員複素芳香環、又は(ii)N、O及びSから独立して選択される1から4個のヘテロ原子を含む9もしくは10員二環式縮合環系[なお、環の一方又は両方が1個以上のヘテロ原子を含み、少なくとも一方の環は芳香族であり、各Nは場合により酸化物形態であり、非芳香環の各Sは場合によりS(O)又はS(O)2である]であり、ヘテロアリールは場合により合計1から6個の置換基で置換されており、そのうち、
(i)0から6個の置換基は各々独立して
(1)C1−6アルキル、
(2)C1−6フルオロアルキル、
(3)OH、O−C1−4アルキル、O−C1−4ハロアルキル、CN、N(RA)RB、C(O)N(RA)RB、C(O)RA、CO2RA、SRA、S(O)RA、SO2RAもしくはSO2N(RA)RBで置換されたC1−6アルキル、
(4)O−C1−6アルキル、
(5)O−C1−6フルオロアルキル、
(6)OH、
(7)オキソ、
(8)ハロゲン、
(9)CN、
(10)NO2、
(11)N(RA)RB、
(12)C(O)N(RA)RB、
(13)C(O)RA、
(14)C(O)−C1−4フルオロアルキル、
(15)CO2RA、
(16)SRA、
(17)S(O)RA、
(18)SO2RA、又は
(19)SO2N(RA)RBであり、
(ii)0から1個の置換基は独立して
(1)CycQ、
(2)AryQ、
(3)HetQ、又は
(4)CycQ、AryQもしくはHetQで置換されたC1−6アルキルであり;
R2がAryB、HetB、N(RA)RB又はN(RA)−CycBであり;
CycBは独立してCycAと同義であり;
AryBは独立してAryAと同義であり;
HetBは場合により1から3個のN原子、0又は1個のO原子、及び0又は1個のS原子から選択される1から3個のヘテロ原子を含む4から7員飽和複素環であり、前記環はN原子を介して化合物の残余と結合しており、場合により存在するS原子は場合によりS(O)又はS(O)2に酸化されており、前記飽和複素環は場合により各々独立してC1−6アルキル、オキソ、C(O)N(RA)RB、C(O)RA、CO2RA又はS(O)2RAである1から3個の置換基で置換されており;
R3がC1−6アルキル又はCycCであり;
CycCは独立してCycAと同義であり;
R4がH、C1−6アルキル、又はCycD、AryDもしくはHetDで置換されたC1−6アルキルであり;
CycDは独立してCycAと同義であり;
AryDは独立してAryAと同義であり;
HetDは独立してHetAについて定義したような場合により置換されたヘテロアリール又はN、O及びSから選択される1もしくは2個のヘテロ原子を含む4から7員飽和複素環であり、なお、各Sは場合によりS(O)又はS(O)2に酸化されており、前記飽和環は場合により各々独立してC1−6アルキル、OH、オキソ、O−C1−6アルキル、C1−6フルオロアルキル、O−C1−6フルオロアルキル、C(O)RA、CO2RA又はSO2RAである1から3個の置換基で置換されており;
R5がAryE、O−AryE又はHetEで置換されたC1−6アルキルであり;
CycEは独立してCycAと同義であり;
AryEは独立してAryAと同義であり;
HetEは独立してHetDと同義であり;
あるいはR4とR5は両者が結合している窒素原子と一緒になり、場合によりR4及びR5と結合している窒素以外にN、O及びSから選択される1個のヘテロ原子を含む4から7員飽和環を形成し、なお、場合により存在するSは場合によりS(O)又はS(O)2に酸化されており、前記飽和環は場合によりベンゼン環又はN、O及びSから選択されるヘテロ原子を含む5又は6員複素芳香環と縮合しており、場合により縮合した飽和環は場合により各々独立してC1−6アルキル、OH、オキソ、O−C1−6アルキル、C1−6フルオロアルキル、O−C1−6フルオロアルキル、C(O)N(RA)RB、C(O)RA、CO2RA又はSO2RAである1から3個の置換基で置換されており;
各CycQは独立して場合により各々独立してフッ素、C1−6アルキル、OH、O−C1−6アルキル、C1−6フルオロアルキル又はO−C1−6フルオロアルキルである1又は2個の置換基で置換されたC3−6シクロアルキルであり;
各AryQは独立して場合により各々独立してハロゲン、CN、NO2、C1−6アルキル、C1−6フルオロアルキル、OH、O−C1−6アルキル、O−C1−6フルオロアルキル、N(RA)RB、C(O)N(RA)RB、C(O)RA、CO2RA、SRA、S(O)RA、SO2RA、SO2N(RA)RB又はSO2N(RA)C(O)RBである1から3個の置換基で置換されたフェニルであり;
各HetQは独立してN、O及びSから独立して選択される1から4個のヘテロ原子を含む5又は6員複素芳香環であり、なお、各Nは場合により酸化物形態であり、前記複素芳香環は場合により各々独立してハロゲン、C1−6アルキル、C1−6フルオロアルキル、OH、O−C1−6アルキル、O−C1−6フルオロアルキル、N(RA)RB、(C)ON(RA)RB、C(O)RA、CO2RA、SO2RA、N(RA)C(O)N(RA)RB又はN(RA)CO2RBである合計1から4個の置換基で置換されている請求項1に記載の化合物又はその医薬的に許容可能な塩。
【請求項3】
XがS(O)2であり;
RKとRLの一方がHであり、他方が
(1)H、
(2)C1−4アルキル、
(3)場合によりO−C1−4アルキルもしくはCO2RAで置換されたC1−4フルオロアルキル、
(4)O−C1−4アルキル、O−C1−4フルオロアルキル、C(O)RA、CO2RAもしくはSO2RAで置換されたC1−4アルキル、又は
(5)CycA、AryAもしくはHetAで置換されたC1−4アルキルであり;
CycAは場合により各々独立してC1−4アルキル、OH、O−C1−4アルキル、C1−4フルオロアルキル又はO−C1−4フルオロアルキルである1又は2個の置換基で置換されたC3−6シクロアルキルであり;
AryAは場合により各々独立してC1−4アルキル、CF3、O−C1−4アルキル、OCF3、OH、ハロゲン、CN、NO2、N(RA)RB、C(O)N(RA)RB、C(O)RA、C(O)CF3、CO2RA又はSO2RAである1から3個の置換基で置換されたフェニルであり;
HetAはチエニル、フラニル、ピロリル、イミダゾリル、ピラゾリル、トリアゾリル、テトラゾリル、オキサゾリル、イソオキサゾリル、チアゾリル、イソチアゾリル、オキサジアゾリル、チアジアゾリル、ピリジニル、ピラジニル、ピリミジニル、ピリダジニル、ベンゾフラニル、ベンゾチエニル、インドリル、インダゾリル、イソベンゾフラニル、ベンゾイソオキサゾリル、ベンゾオキサゾリル、ベンゾイミダゾリル、ベンゾピペリジニル、クロメニル、キノリニル、イソキノリニル、シンノリニル、キノキサリニル、キナゾリニル及びイミダゾピリジニルから構成される群から選択されるヘテロアリールであり、前記ヘテロアリールは場合により各々独立してC1−4アルキル、CF3、O−C1−4アルキル、OCF3、OH、ハロゲン、CN、NO2、N(RA)RB、C(O)N(RA)RB、C(O)RA、C(O)CF3、CO2RA又はSO2RAである1から3個の置換基で置換されており;
R2がAryB、HetB又はN(RA)−CycBであり;
CycBは場合により各々独立してC1−4アルキル、OH、O−C1−4アルキル、C1−4フルオロアルキル又はO−C1−4フルオロアルキルである1又は2個の置換基で置換されたC3−6シクロアルキルであり;
AryBはフェニル又はナフチルであり、前記フェニルは場合により各々独立してC1−4アルキル、CF3、O−C1−4アルキル、OCF3、OH、ハロゲン、CN、NO2、N(RA)RB、C(O)N(RA)RB、C(O)RA、C(O)CF3、CO2RA又はSO2RAである1から3個の置換基で置換されており;
HetBはアゼチジニル、ピロリジニル、ピペリジニル、モルホリニル、チオモルホリニル、ピペラジニル、チアジナニル、チアゼパニル及びアゼパニルから構成される群から選択される飽和複素環であり、前記環は環窒素原子を介して化合物の残余と結合しており、前記環は場合により各々独立してC1−4アルキル又はオキソである1から3個の置換基で置換されており;
R3がC1−4アルキルであり;
R4がH、C1−4アルキル、又はAryDで置換されたC1−4アルキルであり;
AryDは場合により各々独立してC1−4アルキル、CF3、O−C1−4アルキル、OCF3、OH、ハロゲン、CN、NO2、N(RA)RB、C(O)N(RA)RB、C(O)RA、C(O)CF3、CO2RA又はSO2RAである1から3個の置換基で置換されたフェニルであり;
R5がAryE、O−AryE又はHetEで置換されたC1−4アルキルであり;
AryEは場合により各々独立してC1−4アルキル、CF3、O−C1−4アルキル、OCF3、OH、ハロゲン、CN、NO2、N(RA)RB、C(O)N(RA)RB、C(O)RA、C(O)CF3、CO2RA又はSO2RAである1から3個の置換基で置換されたフェニルであり;
HetEは独立して
(i)チエニル、フラニル、ピロリル、イミダゾリル、ピラゾリル、トリアゾリル、テトラゾリル、オキサゾリル、イソオキサゾリル、チアゾリル、イソチアゾリル、オキサジアゾリル、チアジアゾリル、ピリジニル、ピラジニル、ピリミジニル、ピリダジニル、ベンゾフラニル、ベンゾチエニル、インドリル、インダゾリル、イソベンゾフラニル、ベンゾイソオキサゾリル、ベンゾオキサゾリル、ベンゾイミダゾリル、ベンゾピペリジニル、クロメニル、キノリニル、イソキノリニル、シンノリニル、キノキサリニル、キナゾリニル及びイミダゾピリジニルから構成される群から選択されるヘテロアリール[なお、前記ヘテロアリールは(a)場合により各々独立してC1−4アルキル、CF3、O−C1−4アルキル、OCF3、OH、ハロゲン、CN、NO2、N(RA)RB、C(O)N(RA)RB、C(O)RA、C(O)CF3、CO2RA又はSO2RAである1から3個の置換基で置換されており、(b)更に場合によりフェニルで置換されている]、又は
(ii)アゼチジニル、ピロリジニル、ピペリジニル、モルホリニル、チオモルホリニル、ピペラジニル、チアジナニル、チアゼパニル及びアゼパニルから構成される群から選択される飽和複素環(なお、前記環は環炭素原子を介して化合物の残余と結合しており、前記環は場合により各々独立してC1−4アルキル又はオキソである1から3個の置換基で置換されている)であり;
あるいはR4とR5は両者が結合している窒素原子と一緒になり、1−アゼチジニル、1−ピロリジニル、1−ピペリジニル、1−ピペラジニル、1−アゼパニル、4−モルホリニル、4−チオモルホリニル、3,4−ジヒドロイソキノリン−2(1H)−イル、1,3,4,5−テトラヒドロ−2H−2−ベンゾアゼピン−2−イル及び4,6,7,8−テトラヒドロ−5H−チエノ[3,2−c]アゼピン−5−イルから構成される群から選択される場合によりベンゾ又はチエノ環が縮合した複素環を形成し、場合により縮合した複素環は場合により各々独立してC1−4アルキル、OH、オキソ、ハロゲン、O−C1−4アルキル又はSO2−C1−4アルキルである1又は2個の置換基で置換されており;
RA及びRBは各々独立してH又はC1−4アルキルである請求項2に記載の化合物又はその医薬的に許容可能な塩。
【請求項4】
RKがHであり;
RLがH、C1−4アルキル、CH2CF3、CH2CH2CF3、CH2CF2CF3、CH(CO2CH3)CH2CF3、(CH2)2−3OCH3、CH2−AryA又はCH2−HetAであり;
AryAは場合により各々独立してCH3、CF3、OCH3、OCF3、OH、Cl、Br、F、CN、NO2、NH2、N(H)CH3、N(CH3)2、C(O)NH2、C(O)N(H)CH3、C(O)N(CH3)2、C(O)CH3、C(O)CF3、CO2CH3又はSO2CH3である1から3個の置換基で置換されたフェニルであり;
HetAはピリジニル、ピロリル、チエニル、フラニル、イミダゾリル、ピラゾリル、トリアゾリル、テトラゾリル、オキサゾリル、イソオキサゾリル、オキサジアゾリル、チアゾリル、イソチアゾリル、チアジアゾリル、ベンゾフラニル、ベンゾチエニル、インドリル、インダゾリル、イソベンゾフラニル、ベンゾオキサゾリル、ベンゾイミダゾリル、キノリニル、イソキノリニルから構成される群から選択されるヘテロアリールであり、前記ヘテロアリールは場合により各々独立してCH3、CF3、OCH3、OCF3、OH、Cl、Br、F、CN、C(O)NH2、C(O)N(H)CH3、C(O)N(CH3)2、C(O)CH3、C(O)CF3、CO2CH3又はSO2CH3である1から3個の置換基で置換されており;
R2がAryB又はHetBであり;
CycBはC3−6シクロアルキルであり;
AryBはフェニル又はナフチルであり、前記フェニルは場合により各々独立してCH3、CF3、OCH3、OCF3、OH、Cl、Br、F、CN、NO2、NH2、N(H)CH3、N(CH3)2、C(O)NH2、C(O)N(H)CH3、C(O)N(CH3)2、C(O)CH3、C(O)CF3、CO2CH3又はSO2CH3である1から3個の置換基で置換されており;
HetBは
【化33】
から構成される群から選択される飽和複素環であり、上記式中、アステリスク*は化合物の残余との結合点を表し、前記環は場合により各々CH3又はオキソである1又は2個の置換基で置換されており;
R3がCH3、CH2CH3、CH2CH2CH3、CH(CH3)2又はCH2CH2CH2CH3であり;
R4がH、CH3、CH2CH3又はベンジルであり;
R5がCH2−AryE、CH2CH2−AryE、CH(CH3)−AryE、CH2O−AryE、CH2CH2O−AryE、CH2−HetE又はCH2CH2−HetEであり;
AryEは場合により各々独立してCH3、CF3、OCH3、OCF3、OH、Cl、Br、F、CN、NO2、NH2、N(H)CH3、N(CH3)2、C(O)NH2、C(O)N(H)CH3、C(O)N(CH3)2、C(O)CH3、C(O)CF3、CO2CH3又はSO2CH3である1から3個の置換基で置換されたフェニルであり;
HetEは独立して
(i)チエニル、フラニル、ピロリル、イミダゾリル、ピラゾリル、トリアゾリル、テトラゾリル、オキサゾリル、イソオキサゾリル、チアゾリル、イソチアゾリル、オキサジアゾリル、チアジアゾリル、ピリジニル、ピラジニル、ピリミジニル、ピリダジニル、ベンゾフラニル、ベンゾチエニル、インドリル、インダゾリル、イソベンゾフラニル、ベンゾイソオキサゾリル、ベンゾオキサゾリル、ベンゾイミダゾリル、ベンゾピペリジニル、クロメニル、キノリニル、イソキノリニル、シンノリニル、キノキサリニル、キナゾリニル及びイミダゾピリジニルから構成される群から選択されるヘテロアリール[なお、前記ヘテロアリールは(a)場合により各々独立してCH3、CF3、OCH3、OCF3、OH、Cl、Br、F、CN、NO2、NH2、N(H)CH3、N(CH3)2、C(O)NH2、C(O)N(H)CH3、C(O)N(CH3)2、C(O)CH3、C(O)CF3、CO2CH3又はSO2CH3である1から3個の置換基で置換されており、(b)更に場合によりフェニルで置換されている]、又は
(ii)アゼチジニル、ピロリジニル、ピペリジニル、モルホリニル、チオモルホリニル、ピペラジニル、チアジナニル、チアゼパニル及びアゼパニルから構成される群から選択される飽和複素環(なお、前記環は環炭素原子を介して化合物の残余と結合しており、前記環は場合により各々CH3又はオキソである1又は2個の置換基で置換されている)であり;
あるいはR4とR5は両者が結合している窒素原子と一緒になり、1−アゼチジニル、1−ピロリジニル、1−ピペリジニル、1−ピペラジニル、1−アゼパニル、4−モルホリニル、4−チオモルホリニル、3,4−ジヒドロイソキノリン−2(1H)−イル、1,3,4,5−テトラヒドロ−2H−2−ベンゾアゼピン−2−イル及び4,6,7,8−テトラヒドロ−5H−チエノ[3,2−c]アゼピン−5−イルから構成される群から選択される場合によりベンゾ又はチエノ環が縮合した複素環を形成し、場合により縮合した複素環は場合により各々独立してCH3、OH、オキソ、Cl、Br、F、OCH3又はSO2CH3である1又は2個の置換基で置換されている請求項3に記載の化合物又はその医薬的に許容可能な塩。
【請求項5】
N−(2,4−ジクロロベンジル)−N,3−ジメチル−4−(1−フェニルスルホニル)−1H−ピロール−2,5−ジカルボキサミド;
N−(2,4−ジクロロベンジル)−4−[(3,5−ジクロロフェニル)スルホニル]−N,3−ジメチル−1H−ピロール−2,5−ジカルボキサミド;
N−ベンジル−N,3−ジメチル−4−(3,5−ジメチルフェニルスルホニル)−1H−ピロール−2,5−ジカルボキサミド;
N−(2−クロロ−4−フルオロベンジル)−N,3−ジメチル−4−(フェニルスルホニル)−1H−ピロール−2,5−ジカルボキサミド;
N−(2−クロロベンジル)−N,3−ジメチル−4−(1−ナフチルスルホニル)−1H−ピロール−2,5−ジカルボキサミド;
N−(2−クロロベンジル)−N,3−ジメチル−4−(2−ナフチルスルホニル)−1H−ピロール−2,5−ジカルボキサミド;
N−(2−フルオロベンジル)−N,3−ジメチル−4−(フェニルスルホニル)−1H−ピロール−2,5−ジカルボキサミド;
N−(2−クロロベンジル)−N,3−ジメチル−4−(フェニルスルホニル)−1H−ピロール−2,5−ジカルボキサミド;
N−(2−ブロモベンジル)−N,3−ジメチル−4−(フェニルスルホニル)−1H−ピロール−2,5−ジカルボキサミド;
N−(3−クロロベンジル)−N,3−ジメチル−4−(フェニルスルホニル)−1H−ピロール−2,5−ジカルボキサミド;
N−(4−ブロモベンジル)−N,3−ジメチル−4−(フェニルスルホニル)−1H−ピロール−2,5−ジカルボキサミド;
N−(4−クロロ−2−フルオロベンジル)−N,3−ジメチル−4−(フェニルスルホニル)−1H−ピロール−2,5−ジカルボキサミド;
N−(2,3−ジクロロベンジル)−N,3−ジメチル−4−(フェニルスルホニル)−1H−ピロール−2,5−ジカルボキサミド;
N−(3,4−ジクロロベンジル)−N,3−ジメチル−4−(フェニルスルホニル)−1H−ピロール−2,5−ジカルボキサミド;
N−(2−クロロ−4−メチルスルホニルベンジル)−N,3−ジメチル−4−(フェニルスルホニル)−1H−ピロール−2,5−ジカルボキサミド;
N−(2−フルオロベンジル)−N,3−ジメチル−4−(3−フルオロフェニルスルホニル)−1H−ピロール−2,5−ジカルボキサミド;
N−(2−クロロベンジル)−N,3−ジメチル−4−(3−フルオロフェニルスルホニル)−1H−ピロール−2,5−ジカルボキサミド;
N−(4−クロロ−2−フルオロベンジル)−N,3−ジメチル−4−(3−フルオロフェニルスルホニル)−1H−ピロール−2,5−ジカルボキサミド;
N−(2,4−ジクロロベンジル)−N,3−ジメチル−4−(3−フルオロフェニルスルホニル)−1H−ピロール−2,5−ジカルボキサミド;
N−(2−クロロベンジル)−N,3−ジメチル−4−(3−クロロフェニルスルホニル)−1H−ピロール−2,5−ジカルボキサミド;
N−(2,4−ジクロロベンジル)−N,3−ジメチル−4−(3−クロロフェニルスルホニル)−1H−ピロール−2,5−ジカルボキサミド;
N−ベンジル−N,3−ジメチル−4−(3−トリフルオロメチルフェニルスルホニル)−1H−ピロール−2,5−ジカルボキサミド;
N−(2,4−ジクロロベンジル)−N,3−ジメチル−4−(3−トリフルオロメチルフェニルスルホニル)−1H−ピロール−2,5−ジカルボキサミド;
N−(2−フルオロベンジル)−N,3−ジメチル−4−(3,5−ジメチルフェニルスルホニル)−1H−ピロール−2,5−ジカルボキサミド;
N−(2−クロロベンジル)−N,3−ジメチル−4−(3,5−ジメチルフェニルスルホニル)−1H−ピロール−2,5−ジカルボキサミド;
N−(4−クロロ−2−フルオロベンジル)−N,3−ジメチル−4−(3,5−ジメチルフェニルスルホニル)−1H−ピロール−2,5−ジカルボキサミド;
N−(2,4−ジクロロベンジル)−N,3−ジメチル−4−(3,5−ジメチルフェニルスルホニル)−1H−ピロール−2,5−ジカルボキサミド;
N−ベンジル−N,3−ジメチル−4−(3−クロロ−5−フルオロフェニルスルホニル)−1H−ピロール−2,5−ジカルボキサミド;
N−(2−フルオロベンジル)−N,3−ジメチル−4−(3−クロロ−5−フルオロフェニルスルホニル)−1H−ピロール−2,5−ジカルボキサミド;
N−(2−クロロベンジル)−N,3−ジメチル−4−(3−クロロ−5−フルオロフェニルスルホニル)−1H−ピロール−2,5−ジカルボキサミド;
N−(4−クロロ−2−フルオロベンジル)−N,3−ジメチル−4−(3−クロロ−5−フルオロフェニルスルホニル)−1H−ピロール−2,5−ジカルボキサミド;
N−ベンジル−N,3−ジメチル−4−(3,5−ジクロロフェニルスルホニル)−1H−ピロール−2,5−ジカルボキサミド;
N−(2−フルオロベンジル)−N,3−ジメチル−4−(3,5−ジクロロフェニルスルホニル)−1H−ピロール−2,5−ジカルボキサミド;
N−(2−クロロベンジル)−N,3−ジメチル−4−(3,5−ジクロロフェニルスルホニル)−1H−ピロール−2,5−ジカルボキサミド;
N−(4−クロロ−2−フルオロベンジル)−N,3−ジメチル−4−(3,5−ジクロロフェニルスルホニル)−1H−ピロール−2,5−ジカルボキサミド;
N−(3−メトキシベンジル)−N,3−ジメチル−4−(フェニルスルホニル)−1H−ピロール−2,5−ジカルボキサミド;
N−(2−クロロベンジル)−N,3−ジメチル−4−(2−シアノ−3−メチルフェニルスルホニル)−1H−ピロール−2,5−ジカルボキサミド;
N,3−ジメチル−4−(フェニルスルホニル)−N−(3−チエニルメチル)−1H−ピロール−2,5−ジカルボキサミド;
N−[(3−クロロ−4−ピリジニル)メチル]−N,3−ジメチル−4−(フェニルスルホニル)−1H−ピロール−2,5−ジカルボキサミド(トリフルオロ酢酸塩);
4−[(3,5−ジメチルフェニル)スルホニル]−N,3−ジメチル−N−(6−キノリニルメチル)−1H−ピロール−2,5−ジカルボキサミド;
N−[(7−クロロ−6−キノリニル)メチル]−N,3−ジメチル−4−(フェニルスルホニル)−1H−ピロール−2,5−ジカルボキサミド;
N−[(5−クロロ−6−キノリニル)メチル]−N,3−ジメチル−4−(フェニルスルホニル)−1H−ピロール−2,5−ジカルボキサミド;
N,3−ジメチル−4−(フェニルスルホニル)−N−(6−キノリニルメチル)−1H−ピロール−2,5−ジカルボキサミド;
N,3−ジメチル−4−(3−メチルフェニルスルホニル)−N−(6−キノリニルメチル)−1H−ピロール−2,5−ジカルボキサミド;
4−(3−フルオロフェニルスルホニル)−N,3−ジメチル−N−(6−キノリニルメチル)−1H−ピロール−2,5−ジカルボキサミド;
N,3−ジメチル−N−(6−キノリニルメチル)−4−{[3−(トリフルオロメチル)フェニル]スルホニル}−1H−ピロール−2,5−ジカルボキサミド;
N−[(5−クロロ−6−キノリニル)メチル]−4−[(3,5−ジメチルフェニル)スルホニル]−N,3−ジメチル−1H−ピロール−2,5−ジカルボキサミド;
N−[(7−クロロ−6−キノリニル)メチル]−4−[(3,5−ジメチルフェニル)スルホニル]−N,3−ジメチル−1H−ピロール−2,5−ジカルボキサミド;
N−[(5−クロロ−6−キノリニル)メチル]−4−[(3,5−ジフルオロフェニル)スルホニル]−N,3−ジメチル−1H−ピロール−2,5−ジカルボキサミド;
N−[(7−クロロ−6−キノリニル)メチル]−4−[(3,5−ジフルオロフェニル)スルホニル]−N,3−ジメチル−1H−ピロール−2,5−ジカルボキサミド;
4−[(3−クロロ−5−フルオロフェニル)スルホニル]−N,3−ジメチル−N−(6−キノリニルメチル)−1H−ピロール−2,5−ジカルボキサミド;
4−[(3−クロロ−5−フルオロフェニル)スルホニル]−N−[(5−クロロ−6−キノリニル)メチル]−N,3−ジメチル−1H−ピロール−2,5−ジカルボキサミド;
4−[(3−クロロ−5−フルオロフェニル)スルホニル]−N−[(7−クロロ−6−キノリニル)メチル]−N,3−ジメチル−1H−ピロール−2,5−ジカルボキサミド;
4−[(3,5−ジクロロフェニル)スルホニル]−N,3−ジメチル−N−(6−キノリニルメチル)−1H−ピロール−2,5−ジカルボキサミド;
N−[(5−クロロ−6−キノリニル)メチル]−4−[(3,5−ジクロロフェニル)スルホニル]−N,3−ジメチル−1H−ピロール−2,5−ジカルボキサミド;
N−[(7−クロロ−6−キノリニル)メチル]−4−[(3,5−ジクロロフェニル)スルホニル]−N,3−ジメチル−1H−ピロール−2,5−ジカルボキサミド;
4−[(3−クロロ−5−シアノフェニル)スルホニル]−N,3−ジメチル−N−(6−キノリニルメチル)−1H−ピロール−2,5−ジカルボキサミド;
N−ベンジル−3−イソプロピル−N−メチル−4−(フェニルスルホニル)−1H−ピロール−2,5−ジカルボキサミド;
N−(2,4−ジクロロベンジル)−3−エチル−N−メチル−4−(フェニルスルホニル)−1H−ピロール−2,5−ジカルボキサミド;
3−エチル−N−メチル−4−(フェニルスルホニル)−N−(6−キノリニルメチル)−1H−ピロール−2,5−ジカルボキサミド;
N−(2−フルオロベンジル)−3−イソプロピル−N−メチル−4−(フェニルスルホニル)−1H−ピロール−2,5−ジカルボキサミド;
N−(4−クロロ−2−フルオロベンジル)−3−イソプロピル−N−メチル−4−(フェニルスルホニル)−1H−ピロール−2,5−ジカルボキサミド;
N−(2,4−ジクロロベンジル)−3−イソプロピル−N−メチル−4−(フェニルスルホニル)−1H−ピロール−2,5−ジカルボキサミド;
3−イソプロピル−N−メチル−4−(フェニルスルホニル)−N−(6−キノリニルメチル)−1H−ピロール−2,5−ジカルボキサミド;
N−メチル−4−(フェニルスルホニル)−3−プロピル−N−(6−キノリニルメチル)−1H−ピロール−2,5−ジカルボキサミド;
3−ブチル−N−メチル−4−(フェニルスルホニル)−N−(6−キノリニルメチル)−1H−ピロール−2,5−ジカルボキサミド;
3−ブチル−N−メチル−4−(3−メチルフェニルスルホニル)−N−(6−キノリニルメチル)−1H−ピロール−2,5−ジカルボキサミド;
3−ブチル−4−[(3−クロロフェニル)スルホニル]−N−メチル−N−(6−キノリニルメチル)−1H−ピロール−2,5−ジカルボキサミド;
3−ブチル−4−[(3,5−ジメチルフェニル)スルホニル]−N−メチル−N−(6−キノリニルメチル)−1H−ピロール−2,5−ジカルボキサミド;
3−ブチル−4−[(3,5−ジクロロフェニル)スルホニル]−N−メチル−N−(6−キノリニルメチル)−1H−ピロール−2,5−ジカルボキサミド;
N−(2,4−ジクロロベンジル)−N’−(1H−インダゾール−3−イルメチル)−N,3−ジメチル−4−(フェニルスルホニル)−1H−ピロール−2,5−ジカルボキサミド;
N−(2,4−ジクロロベンジル)−N,N’,3−トリメチル−4−(フェニルスルホニル)−1H−ピロール−2,5−ジカルボキサミド;
N−(2,4−ジクロロベンジル)−N,3−ジメチル−N’−[(3−メチル−4−ピリジニル)メチル]−4−(フェニルスルホニル)−1H−ピロール−2,5−ジカルボキサミド;
N−(2,4−ジクロロベンジル)−N,3−ジメチル−4−(フェニルスルホニル)−N’−(2−ピリジニルメチル)−1H−ピロール−2,5−ジカルボキサミド;
N−(2,4−ジクロロベンジル)−N,3−ジメチル−4−(フェニルスルホニル)−N’−(3−ピリジニルメチル)−1H−ピロール−2,5−ジカルボキサミド;
N−(2,4−ジクロロベンジル)−N,3−ジメチル−4−(フェニルスルホニル)−N’−(1,3−チアゾール−2−イルメチル)−1H−ピロール−2,5−ジカルボキサミド;
N’−(2−クロロ−6−フルオロベンジル)−N−(2,4−ジクロロベンジル)−N,3−ジメチル−4−(フェニルスルホニル)−1H−ピロール−2,5−ジカルボキサミド;
4−メチル−3−(フェニルスルホニル)−5−(1,3,4,5−テトラヒドロ−2H−2−ベンゾアゼピン−2−イルカルボニル)−1H−ピロール−2−カルボキサミド;
4−メチル−3−(3,5−ジメチルフェニルスルホニル)−5−(1,3,4,5−テトラヒドロ−2H−2−ベンゾアゼピン−2−イルカルボニル)−1H−ピロール−2−カルボキサミド;
3−[(3,5−ジメチルフェニル)スルホニル]−4−メチル−5−(4,6,7,8−テトラヒドロ−5H−チエノ[3,2−c]アゼピン−5−イルカルボニル)−1H−ピロール−2−カルボキサミド;
3−[(3,5−ジクロロフェニル)スルホニル]−4−メチル−5−(1,3,4,5−テトラヒドロ−2H−2−ベンゾアゼピン−2−イルカルボニル)−1H−ピロール−2−カルボキサミド;
3−[(3,5−ジクロロフェニル)スルホニル]−4−メチル−5−(4,6,7,8−テトラヒドロ−5H−チエノ[3,2−c]アゼピン−5−イルカルボニル)−1H−ピロール−2−カルボキサミド;
N−(2,4−ジクロロベンジル)−N,3−ジメチル−4−(1−ピロリジニルスルホニル)−1H−ピロール−2,5−ジカルボキサミド;
N−(2−クロロベンジル)−N,3−ジメチル−N’−(2−ピリジニルメチル)−4−(1−ピロリジニルスルホニル)−1H−ピロール−2,5−ジカルボキサミド;
N−(2,4−ジクロロベンジル)−N,3−ジメチル−4−(1−ピペリジニルスルホニル)−1H−ピロール−2,5−ジカルボキサミド;
N−(2−クロロベンジル)−N,3−ジメチル−4−(1−ピペリジニルスルホニル)−1H−ピロール−2,5−ジカルボキサミド;
及びその医薬的に許容可能な塩から構成される群から選択される請求項1に記載の化合物。
【請求項6】
3−イソプロピル−N−メチル−4−(フェニルスルホニル)−N−[(5−クロロキノリン−6−イル)メチル]−1H−ピロール−2,5−ジカルボキサミド(トリフルオロ酢酸塩);
3−イソプロピル−N−メチル−4−(フェニルスルホニル)−N−[(7−クロロキノリン−6−イル)メチル]−1H−ピロール−2,5−ジカルボキサミド(トリフルオロ酢酸塩);
3−[(3,5−ジクロロフェニル)スルホニル]−4−メチル−5−(1,3,4,5−テトラヒドロ−2H−2−ベンゾアゼピン−2−イルカルボニル)−1H−ピロール−2−カルボキサミド;
3−[(3,5−ジクロロフェニル)スルホニル]−4−メチル−5−(4,6,7,8−テトラヒドロ−5H−チエノ[3,2−c]アゼピン−5−イルカルボニル)−1H−ピロール−2−カルボキサミド;
3−[(3,5−ジクロロフェニル)スルホニル]−4−メチル−5−(7−メトキシ−1,3,4,5−テトラヒドロ−2H−2−ベンゾアゼピン−2−イルカルボニル)−1H−ピロール−2−カルボキサミド;
3−[(3,5−ジクロロフェニル)スルホニル]−4−メチル−5−(7−ヒドロキシ−1,3,4,5−テトラヒドロ−2H−2−ベンゾアゼピン−2−イルカルボニル)−1H−ピロール−2−カルボキサミド;
3−[(3,5−ジメチルフェニル)スルホニル]−4−メチル−5−(7−メトキシ−1,3,4,5−テトラヒドロ−2H−2−ベンゾアゼピン−2−イルカルボニル)−1H−ピロール−2−カルボキサミド;
3−[(3,5−ジメチルフェニル)スルホニル]−4−メチル−5−(7−ヒドロキシ−1,3,4,5−テトラヒドロ−2H−2−ベンゾアゼピン−2−イルカルボニル)−1H−ピロール−2−カルボキサミド;
3−[(3,5−ジメチルフェニル)スルホニル]−4−メチル−5−(8−メトキシ−1,3,4,5−テトラヒドロ−2H−2−ベンゾアゼピン−2−イルカルボニル)−1H−ピロール−2−カルボキサミド;
3−[(3,5−ジメチルフェニル)スルホニル]−4−メチル−5−(8−ヒドロキシ−1,3,4,5−テトラヒドロ−2H−2−ベンゾアゼピン−2−イルカルボニル)−1H−ピロール−2−カルボキサミド;
3−(フェニルスルホニル)−4−メチル−5−(8−メトキシ−1,3,4,5−テトラヒドロ−2H−2−ベンゾアゼピン−2−イルカルボニル)−1H−ピロール−2−カルボキサミド;
3−(フェニルスルホニル)−4−メチル−5−(8−ヒドロキシ−1,3,4,5−テトラヒドロ−2H−2−ベンゾアゼピン−2−イルカルボニル)−1H−ピロール−2−カルボキサミド;
3−[(3−フルオロフェニル)スルホニル]−4−メチル−5−(8−メトキシ−1,3,4,5−テトラヒドロ−2H−2−ベンゾアゼピン−2−イルカルボニル)−1H−ピロール−2−カルボキサミド;
3−[(3−フルオロフェニル)スルホニル]−4−メチル−5−(8−ヒドロキシ−1,3,4,5−テトラヒドロ−2H−2−ベンゾアゼピン−2−イルカルボニル)−1H−ピロール−2−カルボキサミド;
3−[(3−(1,1,1−トリフルオロメチル)フェニル)スルホニル]−4−メチル−5−(8−メトキシ−1,3,4,5−テトラヒドロ−2H−2−ベンゾアゼピン−2−イルカルボニル)−1H−ピロール−2−カルボキサミド;
3−[(3,5−ジクロロフェニル)スルホニル]−4−メチル−5−[(2−クロロ−4,6,7,8−テトラヒドロ−5H−チエノ[3,2−c]アゼピン−5−イル)カルボニル]−1H−ピロール−2−カルボキサミド;
3−[(3,5−ジクロロフェニル)スルホニル]−4−メチル−5−[(2−(メチルスルホニル)−4,6,7,8−テトラヒドロ−5H−チエノ[3,2−c]アゼピン−5−イル)カルボニル]−1H−ピロール−2−カルボキサミド;
3−[(3,5−ジメチルフェニル)スルホニル]−4−メチル−5−[(2−(メチルスルホニル)−4,6,7,8−テトラヒドロ−5H−チエノ[3,2−c]アゼピン−5−イル)カルボニル]−1H−ピロール−2−カルボキサミド;
N5−[(2−アミノピリジン−4−イル)メチル]−3−[(3−フルオロフェニル)スルホニル]−4−イソプロピル−N5−メチル−1H−ピロール−2,5−ジカルボキサミド;
N5−[(2−アミノピリジン−4−イル)メチル]−3−[(3,5−ジフルオロフェニル)スルホニル]−4−イソプロピル−N5−メチル−1H−ピロール−2,5−ジカルボキサミド;
N5−[(2−アミノピリジン−4−イル)メチル]−3−フェニルスルホニル]−4−イソプロピル−N5−メチル−1H−ピロール−2,5−ジカルボキサミド;
N5−[(2−アミノピリジン−4−イル)メチル]−3−[(3,5−ジメチルフェニル)スルホニル]−4−イソプロピル−N5−メチル−1H−ピロール−2,5−ジカルボキサミド;
N5−[(2−アミノ−5−フルオロピリジン−4−イル)メチル]−3−[(3,5−ジメチルフェニル)スルホニル]−N5,4−ジメチル−1H−ピロール−2,5−ジカルボキサミド;
N2−[(3−N5−[(2−アミノ−5−フルオロピリジン−4−イル)メチル]−3−イソプロピル−N2−メチル−4−(フェニルスルホニル)−1H−ピロール−2,5−ジカルボキサミド;
N5−[(3−クロロピリジン−4−イル)メチル]−3−[(3,5−ジメチルフェニル)スルホニル]−N5,4−ジメチル−1H−ピロール−2,5−ジカルボキサミド;
N2−[(3−クロロピリジン−4−イル)メチル]−3−イソプロピル−N2−メチル−4−(フェニルスルホニル)−1H−ピロール−2,5−ジカルボキサミド;
N5−[(2−クロロ−3−フルオロピリジン−4−イル)メチル]−3−[(3,5−ジメチルフェニル)スルホニル]−N5,4−ジメチル−1H−ピロール−2,5−ジカルボキサミド;
N2−[(2−クロロ−3−フルオロピリジン−4−イル)メチル]−3−イソプロピル−N2−メチル−4−(フェニルスルホニル)−1H−ピロール−2,5−ジカルボキサミド;
3−[(3,5−ジメチルフェニル)スルホニル]−N5−[(3−フルオロピリジン−4−イル)メチル]−N5,4−ジメチル−1H−ピロール−2,5−ジカルボキサミド;
N2−[(3−フルオロピリジン−4−イル)メチル]−3−イソプロピル−N2−メチル−4−(フェニルスルホニル)−1H−ピロール−2,5−ジカルボキサミド;
N5−[(3,5−ジフルオロピリジン−4−イル)メチル]−3−[(3,5−ジメチルフェニル)スルホニル]−N5,4−ジメチル−1H−ピロール−2,5−ジカルボキサミド;
N2−[(3,5−ジフルオロピリジン−4−イル)メチル]−3−イソプロピル−N2−メチル−4−(フェニルスルホニル)−1H−ピロール−2,5−ジカルボキサミド;
N5−[(2−クロロ−5−フルオロピリジン−4−イル)メチル]−3−[(3,5−ジメチルフェニル)スルホニル]−N5,4−ジメチル−1H−ピロール−2,5−ジカルボキサミド;
N2−[(2−クロロ−5−フルオロピリジン−4−イル)メチル]−3−イソプロピル−N2−メチル−4−(フェニルスルホニル)−1H−ピロール−2,5−ジカルボキサミド;
N2−[(2−アミノ−3−フルオロピリジン−4−イル)メチル]−3−イソプロピル−N2−メチル−4−(フェニルスルホニル)−1H−ピロール−2,5−ジカルボキサミド;
及びその医薬的に許容可能な塩から構成される群から選択される請求項1に記載の化合物。
【請求項7】
有効量の請求項1から6のいずれか一項に記載の化合物又はその医薬的に許容可能な塩と、医薬的に許容可能なキャリヤーを含有する組成物。
【請求項8】
(i)請求項1から6のいずれか一項に記載の化合物又はその医薬的に許容可能な塩と、(ii)HIVプロテアーゼ阻害剤、ヌクレオシド系HIV逆転写酵素阻害剤及び非ヌクレオシド系HIV逆転写酵素阻害剤から構成される群から選択されるHIV感染/エイズ抗ウイルス剤からなる併用剤であって、併用剤がHIV感染の治療又は予防あるいはエイズの治療又は予防又は発症もしくは進行遅延に有効となるような量で(i)の化合物又はその医薬的に許容可能な塩と、(ii)のHIV感染/エイズ抗ウイルス剤を各々使用する前記併用剤。
【請求項9】
該当処置を要する対象に有効量の請求項1から6のいずれか一項に記載の式Iの化合物又はその医薬的に許容可能な塩を投与する段階を含む、HIV逆転写酵素の阻害方法、HIV感染の治療又は予防方法、あるいはエイズの治療又は予防又は発症もしくは進行遅延方法。
【請求項10】
該当処置を要する対象におけるHIV逆転写酵素の阻害、HIV感染の治療又は予防、あるいはエイズの治療又は予防又は発症もしくは進行遅延における請求項1から6のいずれか一項に記載の式Iの化合物又はその医薬的に許容可能な塩の使用。
【請求項11】
該当処置を要する対象におけるHIV逆転写酵素の阻害用医薬、HIV感染の治療又は予防用医薬、あるいはエイズの治療又は予防又は発症もしくは進行遅延用医薬の製造用としての請求項1から6のいずれか一項に記載の式Iの化合物又はその医薬的に許容可能な塩。
【公表番号】特表2010−505834(P2010−505834A)
【公表日】平成22年2月25日(2010.2.25)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−531432(P2009−531432)
【出願日】平成19年10月2日(2007.10.2)
【国際出願番号】PCT/US2007/021208
【国際公開番号】WO2008/054605
【国際公開日】平成20年5月8日(2008.5.8)
【出願人】(390023526)メルク エンド カムパニー インコーポレーテッド (924)
【氏名又は名称原語表記】MERCK & COMPANY INCOPORATED
【Fターム(参考)】
【公表日】平成22年2月25日(2010.2.25)
【国際特許分類】
【出願日】平成19年10月2日(2007.10.2)
【国際出願番号】PCT/US2007/021208
【国際公開番号】WO2008/054605
【国際公開日】平成20年5月8日(2008.5.8)
【出願人】(390023526)メルク エンド カムパニー インコーポレーテッド (924)
【氏名又は名称原語表記】MERCK & COMPANY INCOPORATED
【Fターム(参考)】
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