説明

非ハロゲン化硬化剤を有する誘電体材料

非ハロゲン化ジアミノジフェニルスルホン硬化剤を有する誘電体材料を提供する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電気物品、その電気物品の製造方法、及びその電気物品から作製される物品に関する。
【背景技術】
【0002】
電子産業における継続的な動向は、電子回路の小型化と、それに付随する電子回路の回路素子密度の増大である。従来のプリント回路基板上では、基板表面積の大部分が、抵抗、コンデンサ及びインダクタなどの表面実装受動電気装置により占められている。電子回路内の回路素子の密度を増大させる1つの方法は、受動装置を回路基板の表面から除去し、その受動装置を回路基板自体内に埋め込む又は組み込むことである。このことは、受動装置を能動回路部品に対して遙かに接近させて配置する追加の利点を有するため、導線の長さ及びリード線インダクタンスが低減され、回路速度が向上し、またシグナルノイズが低下する。シグナルノイズ及び電力バスノイズは、シグナル完全性(signal integrity)及び電磁妨害(EMI)の問題を生じ得る。受動部品を基板内に埋め込むことにより、サイズ、厚さ、及び基板内で必要な層の数が低減する可能性があり、このことは回路基板の費用を有意に低減し得る。基板のサイズ及び厚さの低減と、表面実装部品並びにそれらの関連したビア及びはんだ接合の排除とにより、重量が有意に低減され、かつ信頼性が向上し得る。
【0003】
電子製品内の機能性を増大させる要求を受け入れるために、複雑な高速デジタル及び混合シグナルシステムが使用されている。これらの高速デジタルシステムは、電源からACノイズを効果的にデカップリングするために、大量の電源デカップリングコンデンサを必要とする。加えて、作動電圧及びそれらの関連したノイズマージンが低下するにつれて、シグナル立ち上がり時間、周波数及び電流、並びに基板密度が継続的に増大している。より低い作動電圧と、より大きい電流とにより、同時スイッチングノイズ(SSN)が増大している。これらの因子は、電源デカップリングをより困難なものとしている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
埋め込み受動部品(passives)を使用した場合でも、平均プリント回路基板層数が増大し、このことは基板全体の厚さを増大させている。規制要件である鉛フリーアセンブリに対応するのに必要な、増大した基板の厚さ及びより高いアセンブリ温度は、基板材料及び部品上の熱応力と水蒸気圧とを有意に増大させる。複雑な基板設計は、両側表面実装部品の増加によるより多数のアセンブリ通過と、より高い部品密度による再加工の増加とに耐える必要がある。基板材料は、アセンブリ通過数の増大及び苛酷な条件に耐えるために、良好な接着、高い分解温度、及び水分感受性に対して高い抵抗性を有する必要がある。
【0005】
加えて、最近の規制要件は、プリント回路基板、モジュール及びチップパッケージ中に、900ppm未満の臭素と900ppm未満の塩素とを有する材料を使用することを規定している。したがって、埋め込み受動材料は、卓越した電気的、機械的、熱的特性と、高い信頼性とを有する必要があるのみでなく、組成物が微量を超えるハロゲンを含まないことによる制限を受けている。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の実施形態は、電気性能産業界の要件を満たし、高い鉛フリーアセンブリ温度に適合可能である一方で非ハロゲン化成分も使用している、高い誘電率を有する誘電体材料を含む。
【0007】
本発明の誘電体材料は、約115℃を超える温度で高い相対キャパシタンス及び高い誘電正接を有することが見出され、このことは電源デカップリングローパスフィルタ、低及び中周波数バンドパスフィルタ並びにバンドストップフィルタ内での使用によく適したものとする。
【0008】
本発明の一実施形態は、未硬化高分子誘電体組成物を有する電気物品を備える物品を提供し、この高分子誘電体組成物は、約10〜約60重量%のエポキシ樹脂、約20〜約90重量%の誘電体フィラー、及び約0.1〜約10重量%のジアミノジフェニルスルホン硬化剤を含む。
【0009】
本発明の第2の実施形態は、誘電体層に隣接する導電性基材を有する電気物品を備える物品を提供し、誘電体層は硬化エポキシ樹脂組成物を含み、硬化組成物は、エポキシ樹脂とジアミノジフェニルスルホン硬化剤との反応生成物を含む。
【0010】
本発明の1つ以上の実施形態の詳細を添付図面及び以下の説明に示す。本発明の他の特徴、目的、及び利点は、説明及び図面、並びに請求項から明らかになる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1】DDS硬化エポキシ樹脂配合物とCAF硬化エポキシ樹脂配合物とを使用したキャパシタンスの温度依存性を比較する。
【図2】DDS硬化エポキシ樹脂配合物とCAF硬化エポキシ樹脂配合物とに関する誘電正接の温度依存性を比較する。
【0012】
様々な図面における同様の参照記号は同様の要素を示す。
【発明を実施するための形態】
【0013】
一態様において、本発明は、コンデンサ、抵抗、インダクタ、又はそれらの組み合わせなどの電気物品に使用され得る誘電体層である。好適な電気物品は、参照により本明細書に組み込まれる国際公開第00/45624号及び同第07/002100号に記載されている。国際公開第00/45624号に記載されている電気物品は、一般に、対向する2つの主表面を有する第1の自立基材と、対向する2つの主表面を有する第2の自立基材とを含む。第1の基材と第2の基材との間の誘電体層は、電気絶縁機能をもたらし、かつこれら2つの基材を互いに接着する。国際公開07/002100号に記載されている電気物品は、1つ以上の追加の層を含んで、抵抗素子及び/又は誘導素子を形成してもよい。
【0014】
1つ以上の層から作製され得る電気物品の誘電体層は、ポリマーから形成されている。典型的なはんだリフロー作業で受ける温度、例えば、約200〜約290℃に耐えることができる任意のポリマーを使用することができる。誘電体層中で使用するのに好適なポリマーとしては、多価フェノール類のジグリシジルエーテル類、アリル化(allyated)ポリフェニレンエーテル、アクリレート類、ベンゾシクロブテン、ビスマレイミドトリアジン、シアネートエステル、ポリイミド、ポリアミド、ポリエステル、ポリフェニレンオキシド、ポリテトラフルオロエチレン、例えばエポキシノボラック樹脂などのエポキシ樹脂、並びにそれらのブレンド及び組み合わせが挙げられる。エポキシ樹脂、及びそのブレンドが好ましい。
【0015】
本発明の電気物品中の誘電体層の作製に使用されるエポキシ樹脂組成物は、少なくとも1種の芳香族ポリエポキシドと、例えば4−ジアミノジフェニルスルホン又は3,3−ジアミノジフェニルスルホンなどのジアミノジフェニルスルホン(本明細書で「DDS」とも称される)硬化剤とを含み、この硬化剤は、芳香族ポリエポキシド中に存在するエポキシ基当たり約0.5〜約1.5アミノ基、NH−Rを提供するのに十分な量で存在する。典型的には、DDSは、約0.1重量%〜10重量%の量で存在する。本願にて、芳香族ポリエポキシドとは、芳香族基に直接又は間接的に結合する2つ以上のエポキシド基を含む分子を意味する。用語、エポキシ樹脂組成物は、硬化して硬化エポキシ樹脂を形成することができる芳香族ポリエポキシドとDDS硬化剤とを含む未硬化組成物を指すよう使用されるであろう。
【0016】
好ましい芳香族ポリエポキシドとしては、多価フェノール類のポリ(グリシジルエーテル)類が挙げられる。好適な芳香族ポリエポキシドとしては、Hexion Chemical Company(Houston,TX)から商標名EPON 1001F、EPON 1050及びEPON HPT−1050で入手可能なエポキシ樹脂が挙げられる。特に好ましい樹脂としては、ビスフェノールAのジグリシジルエーテルとノボラックエポキシ樹脂とのブレンド、例えば、樹脂の総重量を基準として70〜90重量%のEPON 1001F及び30〜10重量%のEPON HPT−1050が挙げられる。典型的には、エポキシ樹脂は、約10重量%〜約60重量%の量で存在する。
【0017】
エポキシ樹脂組成物中に、例えばアミン及びイミダゾールなどの触媒を使用してもよい。好適な追加触媒は、国際公開第00/45624号及び米国特許第4,684,678号に記載されており、好ましい触媒としては、2,4,6−トリス(ジメチルアミノメチル)フェノール及び5−アミノベンゾトリアゾールが挙げられる。
【0018】
エポキシ樹脂組成物は、分散剤及び溶媒などの従来の添加剤も含み得る。特に好適な分散剤は、Lubrizol,Ltd.(United Kingdom)から商標名SOLSPERSE 76500及びSOLSPERSE 71000で入手可能な、高分子量を有するポリプロピレンオキシドベースの分散剤である。SOLSPERSE 76500は、第4級アミン及びポリプロピレンオキシドを含有するn−酢酸ブチル中の50%活性高分子分散剤であり、典型的には、液体有機媒体中での色素分散及び安定性を向上させるのに使用される。SOLSPERSE 71000は、ポリエチレンイミン、ポリプロピレンオキシド、及びポリエチレンオキシドコポリマーを含有する100%活性高分子分散剤であり、典型的には、UV硬化コーティング中での色素分散及び安定性を向上させるのに使用される。別の好適な分散剤は、Lubrizol,Ltd.(United Kingdom)から商標名SOLSPERSE 24000で入手可能なポリエステル−ポリアミンベースのポリマーである。好適な溶媒の例としては、メチルエチルケトン及びメチルイソブチルケトンが挙げられる。粘度を変化させる薬剤、又は水平コーティング(level coating)を生成する薬剤などの他の添加剤を使用してもよい。
【0019】
エポキシ樹脂組成物は、複数の粒子を含むことも好ましい。好適な粒子は国際公開第00/45624号に記載されており、チタン酸バリウム、チタン酸バリウムストロンチウム、酸化チタン、チタン酸鉛ジルコニウム、チタン酸カルシウム銅、チタン酸鉛マグネシウム、チタン酸ジルコン酸鉛ランタン(lanthanium)、二酸化ケイ素、及びそれらの混合物が挙げられる。粒子は、いずれかの形状にしてよく、また規則正しい形状又は不規則な形状に成形してよい。代表的な形状としては、球形、プレートレット、立方体、針状、偏円形、回転楕円形、ピラミッド、プリズム、フレーク、棹体、プレート、繊維、チップ、髭状、及び、それらの組み合わせが挙げられる。好適な粒径、例えば、直径は約100nm〜約0.05nmの下側の範囲と、約2マイクロメートル(μm)〜約10μmの上側の範囲とを有してもよい。粒子は、電気的に絶縁された層の厚さ内に少なくとも2〜3個の粒子が垂直に積み上げられることができる寸法を有することが好ましい。粒子は、高い誘電率、例えば50以上を有することが好ましい。ポリマー中の粒子の負荷は、典型的には、誘電体層の全体積を基準として20〜90体積%、好ましくは30〜65体積%、より好ましくは40〜60体積%である。好ましい一実施形態では、粒子は、50を超える誘電率を有し、少なくとも30の体積%で負荷される。
【0020】
エポキシ樹脂組成物は、典型的には、エポキシ樹脂、DDS硬化剤、粒子、及び場合による他の成分を混合することにより形成される。続いて、得られた実質的に均一の混合物を好適な基材上にコーティングし、乾燥して揮発性成分を除去した後、揮発性成分を除去し、かつ組成物を硬化させるのに十分な時間及び温度で加熱する。得られた硬化エポキシ樹脂組成物は、電気物品の誘電体層を形成する。硬化中、芳香族ポリエポキシドとDDS硬化剤とが反応して、硬化エポキシ樹脂を形成する。硬化エポキシ樹脂の好ましい実施形態は、少なくとも100℃、好ましくは120℃のTgと、少なくとも325℃の分解温度とを有する。
【0021】
本発明の誘電体層は、典型的には、約1μm〜約35μm、最も典型的には、約4μm〜約25μmの厚さを有する。
【0022】
本発明の電気物品の導電性基材は、単層、又は積層構造に配置された複数の層を含んでもよい。基材は、典型的には導電性であり、銅又はアルミニウムなどの金属であることができる。好ましい基材は銅である。代表的な銅としては、Carl Schlenk,AG(Nurnberg,Germany)から入手可能な銅箔が挙げられる。第1の基材及び第2の基材は、同一であるか又は異なっていてもよい。
【0023】
本発明の電気物品による基材は、自立型であるのが好ましい。用語「自立基材」は、そのコーティング及び取り扱いが可能であるよう十分な構造的一体性を有する基材を指す。基材は可撓性であるのが好ましいが、剛性基材を使用することも可能である。
【0024】
コンデンサを形成する際、例えば電気絶縁層と接触する第1の基材の主表面と、電気絶縁層と接触する第2の基材の主表面とは、導電性である。接着性を促進するために表面処理を使用してもよく、この表面処理は、例えば、酸化又は結合剤との反応によってこれら主表面に物質を加える。得られた基材の主表面上の物質自体は、必ずしも導電性でなくともよいが、基材自体が導電性である場合にコンデンサが形成される。基材は、およそ0.5〜3mils(10〜80μm)、より好ましくはおよそ0.5〜1.5mils(10〜38μm)の範囲の厚さを有することが好ましい。
【0025】
例えばコンデンサなどの本発明の電気物品の概して好適な製造方法は、国際公開第00/45624号に詳細に記載されている。この方法は、対向する2つの主表面を有する第1の基材を提供する工程を含む。次いで、第1の基材の第1の主表面上にエポキシ樹脂組成物をコーティングしてもよい。対向する2つの主表面を有する第2の基材を、第1の基材の第1の主表面上のエポキシ樹脂組成物に積層する。次いで、得られた積層体を、エポキシ樹脂組成物を硬化させるのに十分な時間及び温度で加熱する。
【0026】
代替的に、第2の基材もその第1の主表面上にエポキシ樹脂組成物を含んでもよく、第1及び第2の基材を一緒に積層して、第1及び第2の基材のそれぞれの第1の主表面を接続してもよく、即ち、各基材のエポキシ樹脂コーティング側を一緒に積層してもよい。
【0027】
任意の好適な方法、例えばグラビア又はダイコーターを使用して、基材をエポキシ樹脂組成物でコーティングしてもよい。次いで、樹脂組成物を乾燥して、残留溶媒を除去する。コーティングされたエポキシ樹脂組成物の乾燥厚さは、組成物中のパーセント固形物、並びにコーティングの速度及び方法に依存する。
【0028】
積層は、上述した2つのコーティング基材を使用して行われるのが好ましい。コーティング基材の一方は、ラミネータに到達する前に、炉を通過するか、又は加熱ローラ上を移動してもよい。この予備加熱工程は、コーティング基材の一方又は両方上に行うことができる。本発明の電気物品を作製するには、2つの加熱ニップローラを有するラミネータを使用して、コーティング基材を誘電体層から誘電体層へと積層してもよい。好適な気圧をラミネータロールに供給する。ローラ速度は、任意の好適な値に設定することができる。次いで、積層材料を、エポキシ樹脂組成物が硬化するのに十分な時間及び温度で加熱してもよい。
【0029】
本発明の電気物品は、製造された時点で機能的であり得るが、好ましくは電気物品をパターン化して、例えば分離した島形状又は除去された領域を形成し、横方向の導電性を制限してもよい。パターン化電気物品は、回路物品自体として、又は以下に記載するように回路物品の部品として使用されてもよい。電気物品のいずれかの側又は両側をパターン化して、第1及び第2の基材の各主表面へのアクセスを可能にし、スルーホールコンタクトを提供する。当技術分野において既知の任意の好適なパターニング技術を採用してもよい。好適なパターニング技術は、国際公開第00/45624号に記載されている。
【0030】
アクセス可能な電気物品の第1又は第2の基材の表面は、第1又は第2の基材が電極としての機能を果たすように電気接触を形成するために、例えば、電気的トレースによって接触されてもよい。更に、誘電体層と接触している第1又は第2の基材の主表面と電気接触すること、又はスルーホールコンタクトを提供することが望ましい場合がある。電気装置との相互作用を望まない場合は、スルーホールコンタクトが有用である。
【0031】
本発明の電気物品は、例えばPWB又はフレキシブル回路を調製するために1つ以上の追加の層を更に含んでもよい。追加層は、剛性又は可撓性であってもよい。代表的な剛性層としては、Isola Group(Chandler,AZ)から商標名PCL−FR−226で市販されているグラスファイバー/エポキシ複合材料、セラミック、金属、又はそれらの組み合わせが挙げられる。代表的な可撓性層としては、ポリイミド又はポリエステルなどのポリマーフィルム、金属箔、又はそれらの組み合わせが挙げられる。ポリイミドは、DuPontから商標名KAPTONで市販されており、ポリエステルは、Minnesota Mining and Manufacturing Company(3M)(St.Paul,MN)から商標名SCOTCHPARで市販されている。これら追加層はまた、層の上の又は層内に埋め込まれた導電性トレースを含んでもよい。用語、導電性トレースは、電流を運ぶよう設計された導電性材料の細長片又はパターンを指す。導電性トレースのための好適な材料は、銅、アルミニウム、スズ、はんだ、銀ペースト、金、及びそれらの組み合わせを含む。
【0032】
本発明の電気物品は、コンデンサとして機能する部品として、PWB、例えばフレキシブル回路内で使用することができる。図1及び2に示すように、物品の相対キャパシタンスは温度約120〜160℃で指数関数的に増大し、物品の誘電正接は温度約115〜145℃で指数関数的に増大する。これらの特性は、本発明の電気物品をハイパスフィルタ、又は小さい減衰を必要とするものなどの用途に比較的適さないものとするが、電源デカップリング、ローパスフィルタ、低及び中周波数バンドパスフィルタ、並びにバンドストップフィルタなどの用途に非常に適したものとし、これは、高いキャパシタンス密度がより狭いコンデンサ範囲を意味し、このことはキャパシタンス要件を満たすために必要となり、より大きい誘電正接が望ましくない周波数をより減衰させるためである。
【0033】
電気物品は、PWB又はフレキシブル回路に埋め込まれてもよく、又は組み込まれてもよい。それらは、モジュール、マザーボード及びドーターカードなどのプリント回路基板、並びに集積回路パッケージ内での使用に好適である。本発明の電気物品を使用してフレキシブル回路又はPWBを製造する方法は、参照により本明細書に組み込まれる国際公開第00/45624号に記載されている。
【0034】
本発明はまた、回路基板(PWB)又はフレキシブル回路の電気回路内で機能する本発明の電気物品を備える電気装置も包含する。この電気装置は、典型的には容量性部品を有するPWB又はフレキシブル回路を使用する、任意の電気装置を含んでもよい。代表的な電気装置としては、携帯電話、電話、ファックス、コンピュータ及びサーバ、ネットワークスイッチ及びルータ、プリンタ、ポケットベル、並びに当業者が認める他の装置が挙げられる。本発明の電気物品は、スペースが重要になる、又は500MHzを超える周波数で動作する電気装置において特に有用である。
【0035】
本発明は、以下の実施例によって例示されるが、これらの実施例において列挙された特定の材料及びその量は、他の諸条件及び詳細と同様に、本発明を不当に制限するものと解釈すべきではない。
【実施例】
【0036】
材料
DDS−1は、4,4’−ジアミノジフェニルスルホン(CAS−80−08−1)である。
DDS−2は、3,3’−ジアミノジフェニルスルホン(CAS−599−61−1)である。
OTBAFは、9,9’−ビス(3−メチル−4−アミノフェニル)フッ素(CAS−15499−84−0)である。
CAFは、9,9’−ビス(3−クロロ−4−アミノフェニル)フッ素(CAS−107934−68−9)である。
EPON 1001Fは、Hexion Specialty Chemical(Columbus,OH)製のビスフェノールAベースのエポキシ樹脂製品(CAS−25036−25−3)の商標名である。
EPON HPT−1050は、Hexion Specialty Chemical(Columbus,OH)製のノボラックエポキシ樹脂製品(CAS−28064−14−4)の商標名である。
Nippon Chemical Industrial Co.(Tokyo,Japan)製のチタン酸バリウム(BaTiO
Aldrich Chemical(Milwaukee,WI,U.S.A.)製のメチルイソブチルケトン(MIBK)溶媒。
Aldrich Chemical(Milwaukee,WI,U.S.A.)製のメチルエチルケトン(MEK)溶媒。
【0037】
(実施例1)
EPON 1001F及びEPON HPT−1050をメチルイソブチルケトン(MIBK)溶媒及びメチルエチルケトン(MEK)溶媒に溶解することにより、バッチ量の50重量%エポキシ溶液を作製した。EPON 1001FとEPON HPT−1050との比は、4:1であった。MIBKとMEKとの比は、1.5:1であった。エポキシ樹脂を溶媒に加え、炉内でおよそ70℃に加熱し、混合して実質的に均質の溶液とした。
【0038】
チタン酸バリウム(BaTiO)と、Lubrizol,Ltd.(United Kingdom)から商標名SOLSPERSE 76500、MIBK及びMEKで市販されている50%固形物の分散剤とを混合することにより、バッチ量の82%固形物のマスターバッチ溶液を作製した。SOLSPERSE 76500とチタン酸バリウムとの比は、0.024:1であった。MIBKとMEKとの比は、1.36:1であった。1.0mmのジルコニア粉砕媒体及びNetzsch−Feinmahltechnik GmbH(Selb,Germany)から市販されているミル、Netzsch Labstar LS1を使用してマスターバッチ溶液を粉砕し、塊を細分化し、10μmフィルター及び7μmフィルターで連続して濾過した。
【0039】
Sigma−Aldrich Chemical(St.Louis,Missouri,U.S.A.)から市販されている硬化剤ジアミノジフェニルスルホン(DDS−1)83グラムを、MIBK 874グラム及びMEK 583グラムに溶解して、非ハロゲン化硬化剤溶液を形成した。
【0040】
50%エポキシ溶液1021グラム及び濾過したマスターバッチ溶液3000グラムを非ハロゲン化硬化剤溶液に加え、混合して実質的に均質な溶液とし、最終的な55%固形物の分散溶液を得た。
【0041】
最終的な分散液を2.4μmフィルターで濾過し、Olin Corp.(Waterbury,Connecticut,U.S.A.)から市販されている厚さ35μmの等級110の銅箔上にダイコーティングし、乾燥して、およそ80%のチタン酸バリウム負荷を有するおよそ7μmの誘電体厚さを生成した。
【0042】
熱ロールラミネータを3フィート/分(91cm/分)及び275°F(135℃)で使用して、コーティングした2つの銅箔ロールを一緒に積層し(誘電体から誘電体へ)、およそ14μmの誘電体厚さを有する最終的な積層製品を生成した。
【0043】
積層ロールをパネルに変換し、炉内にて空気中で190℃で4時間硬化させた。
【0044】
比較例C1
EPON 1001F及びEPON HPT−1050をメチルイソブチルケトン(MIBK)溶媒及びメチルエチルケトン(MEK)溶媒に溶解することにより、バッチ量の50重量%エポキシ溶液を作製した。EPON 1001FとEPON HPT−1050との比は、4:1であった。MIBKとMEKとの比は、1.5:1であった。エポキシ樹脂を溶媒に加え、炉内でおよそ70℃に加熱し、混合して実質的に均質の溶液とした。
【0045】
チタン酸バリウム(BaTiO)と、Lubrizol,Ltd.(United Kingdom)から商標名SOLSPERSE 76500、MIBK及びMEKで市販されている50%固形物の分散剤とを混合することにより、バッチ量の82%固形物のマスターバッチ溶液を作製した。SOLSPERSE 76500とチタン酸バリウムとの比は、0.024:1であった。MIBKとMEKとの比は、1.36:1であった。1.0mmのジルコニア粉砕媒体及びNETZSCH−Feinmahltechnik GmbH(Selb,Germany)から市販されているミル、Netzsch Labstar LS1を使用してマスターバッチ溶液を粉砕し、塊を細分化し、10μmフィルター及び7μmフィルターで連続して濾過した。
【0046】
硬化剤クロロアミノフェニルフッ素(chloroaminophenylfluorine)(CAF)124グラムをMIBK 888グラム及びMEK 592グラムに溶解して、ハロゲン化硬化剤溶液を形成した。
【0047】
50%エポキシ溶液983グラム及び濾過したマスターバッチ溶液2971グラムをハロゲン化硬化剤溶液に加え、混合して実質的に均質な溶液とし、最終的な55%固形物の分散溶液を得た。
【0048】
最終的な分散液を2.4μmフィルターで濾過し、Olin Corp.(Waterbury,Connecticut,U.S.A.)から市販されている厚さ35μmの等級110の銅箔上にダイコーティングし、乾燥して、およそ80%のチタン酸バリウム負荷を有するおよそ7μmの誘電体厚さを生成した。
【0049】
熱ロールラミネータを3フィート/分(91cm/分)及び275°F(135℃)で使用して、コーティングした2つの銅箔ロールを一緒に積層し(誘電体から誘電体へ)、およそ14μmの誘電体厚さを有する最終的な積層製品を生成した。
【0050】
積層ロールをパネルに変換し、炉内にて空気中で190℃で4時間硬化させた。
【0051】
実施例1の非ハロゲン化(DDS−1)材料及び比較例1のハロゲン化(CAF)材料を、Hewlett−Packard Company(Palo Alto,California,U.S.A.)から市販されているLCRメータ、H.P.Model 4263Bを使用して、1kHz及び23℃におけるキャパシタンス、並びに1kHz及び23℃における損失正接に関して試験した。両サンプルのキャパシタンス測定値を、式C=kDkA/t(式中、Cはキャパシタンス、kは定数、Dkは誘電率、tは誘電体厚さである)を使用して誘電率に変換した。誘電体厚さは、横断面で切り、光学顕微鏡を使用して500倍の倍率で測定することにより決定した。100ボルト(DC)におけるリーク電流を、LCRメータ、H.P.Model 4263Bと組み合わせて、Quadtech(Maynard,Massachusetts,U.S.A.)から市販されているハイポットテスター、Quadtech Model 1030を使用して測定した。IPC−TM−650 2.4.8C「Peel Strength of Metallic Clad Laminates」、1994年12月による90度剥離接着法(peel adhesion method)と、United Calibration Corporation(Huntington Beach,California,U.S.A.)から入手可能な剥離テスター、United Model STM−10とを使用して剥離強度を測定した。結果を表1に示す。
【0052】
【表1】

【0053】
加えて、TA Instruments(New Castle,Delaware,U.S.A.)から市販されている変調示差走査熱量計(MDSC)、TA Instruments Q2000を逆熱流4℃/分で使用して、各サンプルをガラス転移温度(Tg)に関して試験し、TA Instruments(New Castle,Delaware,U.S.A.)から市販されている変調熱重量分析計(MTGA)、TA Instruments 2950を5℃/分勾配にて使用して、窒素及び空気中での分解温度(Td)に関して試験した。結果は表2で見ることができる。
【0054】
【表2】

【0055】
炉内でサンプルを25℃から175℃に加熱しながら、LCRメータ、H.P.Model 4263Bを使用して、両サンプルの誘電率及び損失正接、対、温度を25℃〜175℃にて測定した。結果を表3に示す。
【0056】
【表3】

【0057】
最終的に、IPC/JEDEC J−STD−020C「Moisture/Reflow Sensitivity Classification for Nonhermetic Solid State Surface Devices」、2004年7月により、両サンプルを水分感受性(ポップコーニング現象)に関して試験した。結果を表4に示す。
【0058】
【表4】

【0059】
実施例2〜4及び比較例C2〜C7
実施例2〜4及び比較例C2〜C7の組成物を、下記の表5に示す。実施例は、表5に示す成分をポリスチレンサンプルバイアル(長さ2インチ×直径0.5インチ(長さ5cm×直径1.8cm)、Sigma Aldrich(St.Louis,MO)製の製品# Z11153−8)に加えることにより調製した。キャップを適用し、サンプルをおよそ30秒間手で振盪し混転して、成分層(stratificaiton)を砕いた。手で混合した後、PLEXIGLAS球形乳棒(直径3/8インチ(直径0.9cm)、Sigma Aldrich(St.Louis,MO)製の製品# Z111503)をバイアル内に配置し、サンプルをCrescent WIG−L−BUG(RINN(Elgin,IL)製の製品C32010B)を使用した60秒間の機械的混合に付した。次いで乳棒をバイアルから除去して、材料の更なる動きを可能にした。混合物を手で30秒間更に混合し、乳棒を交換し、機械的混合を60秒間繰り返した。手による混合及び機械的混合のプロセスを、合計で3回繰り返した。
【0060】
サンプルの均質性を確実にするために、比較的強い混合手順を必要とすることが以前に見出された。この手順は上述されており、この実験の全サンプルは、その手順により作製された。
【0061】
【表5】

【0062】
変調示差走査熱量測定(MDSC)
使用したMDSCは、TA Instruments(New Castle,DE)製のQ200 1517であった。
【0063】
この示差走査熱量測定(DSC)の方法は、温度を正弦波的に変化させて、伝統的な温度勾配プログラムに亘って標本を試験し、動的事象(kinetic event)(例えば、反応のエンタルピー)と温度応答事象(例えば、熱硬化性樹脂のT)とに関する熱流シグナルの分離をもたらす点で独特である。
【0064】
TA Instruments Q200 1517 MDSCの方法:
1:外部事象:On
2:データ記憶:Off
3:25.00℃で平衡化
4:60秒毎に変調+/−0.80℃
5:15.00分間の等温
6:データ記憶:On
7:300.00℃への勾配5.00℃/分
8:2.00分間の等温
9:25.00℃で平衡化
10:15.00分間の等温
11:300.00℃への勾配5.00℃/分
12:方法の終了
【0065】
MDSC走査の分析は、逆熱流シグナルを評価することからなっていた。各サンプルについて、第2の勾配中のベースラインにおけるS字状の段階変化が明らかに可視であった。この段階変化を解析する、TA Instruments Universal Analysisソフトウェア内に提供されるガラス転移解析ツールを使用して、Tを決定した。走査後の、観察されたガラス転移開始温度及び中間点温度の概要を、表6に示す。
【0066】
【表6】

【0067】
DDS−2及びCAF硬化剤は、化学量論比の増大と共に材料のTを上昇させることが可能であると観察された。OTBAFは、エポキシ樹脂のアミン官能基に対する化学量論比を越える増大を示さなかった。
【0068】
ナノ圧入による弾性率及び硬度測定
この測定プロセスは、サンプル表面内への深さの連続関数としての弾性係数(E)及び硬度(H)を測定する。弾性率及び硬度データは、硬度及び弾性率のバルク評価のために、2000nmの空間的ウィンドウに関して平均した。結果を表7に示す。
【0069】
全標本をMTS Nanoindenter DCMにより試験した。サンプルを、そのサンプルの上部表面からプローブして試験した。全ての実験で、ダイヤモンドのベルコビッチ(Berkovich)プローブを使用した。空間的ドリフト設定点は、最大0.5nm/秒で保たれた。一定ひずみ速度実験は、0.05/秒にて、2000nmの指示深さまで実施した。試験領域は、100倍の倍率でビデオ画面を介して見た際に、トップダウンに見えるように配置した。DCMの100倍のビデオ倍率で試験領域を局所的に選定して、試験された領域が、所望のサンプル材料を代表するように、即ち、空隙、介在物、又はくずが確実にないようにする。繰り返し方法による試験の前に、顕微鏡光学軸と圧子軸との軸整列が、溶融石英標準に試験窪みが作られた場所で、チェック及び較正され、DCM内のソフトウェアによる誤差修正がなされた。圧子の動的励起周波数及び振幅は、全実験において75hz及び1nmにて一定に保たれた。各サンプルに対して試験を複数回実施して、再現性を評価した。
【0070】
サンプル表面は表面発見機能を介して見つけられ、プローブは表面に遭遇した際に有意に変化する空気中のばね剛性により表面に接近した。表面に遭遇したら、負荷変位データを、プローブが圧入された表面として獲得した。次いで、このデータを、以下に記載する方法論に基づいて硬度及び弾性係数の材料特性に変換した。サンプルの異なる領域内で実験を繰り返し、機械的特性の統計的評価を可能とした。
【0071】
弾性係数は負荷変位データから直接決定し、複合材料弾性率、即ち圧子からサンプルへの機械的システムの弾性率である。これらの負荷変位圧入実験に関する複合材料弾性率は、以下から決定することができる。
【数1】

式中、
S−連続剛性方法(CSM)を介して決定された接触剛性であり、周期的強制関数
【数2】

を、サンプル−圧子機械的システムの係数、即ち、強制関数に対する変位応答の同相及び異相成分に関連させる微分方程式を解くことにより、同相ばね定数、k(それ故、剛性−したがって接触面積)と、異相減衰係数、bを提供する。これらの試験におけるデフォルト励起周波数は、75hzである。
A−接触面積[m^2]、圧入が、圧入中の圧子の形状を複製すると想定して、圧子形状を解析幾何学によってモデル化し、それにより、射影面積A=h^2+高次項(式中、h−変位深さ)、高次項は、実験的に測定される。
F−複合材料弾性率[Gpa]
β=1.04、ベルコビッチ形状
【0072】
次いで、サンプル材料の弾性係数(E)を、以下から得た。
1/F=(1−u^2)/K+(1−v^2)/E
式中、
u−ダイヤモンド圧子のポアソン比=0.07
K−ダイヤモンド圧子の弾性係数=1141Gpa
v−サンプルのポアソン比(ここで想定を行う必要がある−これらのサンプルの場合、〜0.35)
【0073】
ギガ又はメガパスカルで表される硬度は、標本の塑性流動の開始の閾値接触応力と定義される。これは、以下のように表される。
H=P/A
式中、
H−硬度[Gpa]
P−塑性流動に必要な荷重
A−塑性接触面積
【0074】
【表7】

【0075】
深さ2000nmの測定値は「バルク」材を表すと想定して、DDS−2及びCAF硬化剤の両方におけるアミン/エポキシ樹脂比の増大は、サンプルの硬度の低下をもたらした。CAF硬化剤は、最大の硬度低下を示し、0.9〜1.4アミン/エポキシ樹脂比で36%低下した。代替的に、OTBAFは、0.9〜1.4比に亘って11%の硬度の増大をもたらした。
【0076】
この発明の様々な修飾及び変更は、この発明の範囲及び趣旨から逸脱しないことが、当業者には明らかであろう。また、この発明は、本明細書に記載された具体的な実施形態に不当に限定されるものではないことが、理解されるべきである。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
物品であって、
未硬化高分子誘電体組成物を有する電気物品を備え、前記高分子誘電体組成物が、約10〜約60重量%のエポキシ樹脂、約20〜約90重量%の誘電体フィラー、及び約0.1〜約10重量%のジアミノジフェニルスルホン硬化剤を含む、物品。
【請求項2】
前記誘電体組成物が、少なくとも50の誘電率を有する誘電体粒子を更に含む、請求項1に記載の物品。
【請求項3】
前記誘電体粒子が、チタン酸バリウム、チタン酸バリウムストロンチウム、酸化チタン、チタン酸鉛ジルコニウム、チタン酸カルシウム銅、チタン酸鉛マグネシウム、チタン酸ジルコン酸鉛ランタン、二酸化ケイ素及びそれらの混合物である、請求項2に記載の物品。
【請求項4】
前記誘電体粒子が、10μm以下の平均粒径を有するチタン酸バリウムである、請求項3に記載の物品。
【請求項5】
硬化後、1kHzで約10を超える誘電率と、少なくとも約0.0009の損失正接とを有する、請求項1に記載の物品。
【請求項6】
硬化後、少なくとも120℃のガラス転移温度と、約325℃以上の分解温度とを有する、請求項1に記載の物品。
【請求項7】
硬化後、約120〜160℃で指数関数的に増大する相対容量を有する、請求項1に記載の物品。
【請求項8】
硬化後、約115〜145℃で指数関数的に増大する誘電正接を有する、請求項1に記載の物品。
【請求項9】
前記エポキシ樹脂が、多価フェノール類のジグリシジルエーテル類、エポキシノボラック樹脂、及びそれらの組み合わせからなる群から選択される、請求項1に記載の物品。
【請求項10】
物品であって、
誘電体層に隣接する導電性基材を有する電気物品を備え、前記誘電体層が硬化エポキシ樹脂組成物を含み、前記硬化組成物が、エポキシ樹脂とジアミノジフェニルスルホン硬化剤との反応生成物を含む、物品。
【請求項11】
前記誘電体層が、誘電体粒子を更に含む、請求項10に記載の物品。
【請求項12】
前記誘電体粒子が、10μm以下の平均粒径を有するチタン酸バリウムである、請求項11に記載の物品。
【請求項13】
硬化後、1kHzで約10を超える誘電率と、少なくとも約0.0009の損失正接とを有する、請求項10に記載の物品。
【請求項14】
硬化後、少なくとも100℃のガラス転移温度と、少なくとも約325℃の分解温度とを有する、請求項10に記載の物品。
【請求項15】
約120〜160℃で指数関数的に増大する相対容量を有する、請求項10に記載の物品。
【請求項16】
約115〜145℃で指数関数的に増大する誘電正接を有する、請求項10に記載の物品。
【請求項17】
前記エポキシ樹脂が、多価フェノール類のジグリシジルエーテル類、エポキシノボラック樹脂、及びそれらの組み合わせからなる群から選択される、請求項10に記載の物品。
【請求項18】
前記導電性基材が銅を含む、請求項10に記載の物品。
【請求項19】
前記電気物品が、コンデンサ、抵抗、インダクタ、又はそれらの組み合わせからなる群から選択される、請求項10に記載の物品。
【請求項20】
前記電気物品が、プリント回路基板及び集積回路パッケージ内で使用するのに好適な埋め込みコンデンサである、請求項10に記載の物品。
【請求項21】
前記埋め込みコンデンサが、電源デカップリングコンデンサ、ローパスフィルタ、バンドパスフィルタ、及びバンドストップフィルタのうちの1つ以上として機能する、請求項20に記載の物品。

【図1】
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【図2】
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【公表番号】特表2013−510429(P2013−510429A)
【公表日】平成25年3月21日(2013.3.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−536885(P2012−536885)
【出願日】平成22年10月21日(2010.10.21)
【国際出願番号】PCT/US2010/053562
【国際公開番号】WO2011/056455
【国際公開日】平成23年5月12日(2011.5.12)
【出願人】(505005049)スリーエム イノベイティブ プロパティズ カンパニー (2,080)
【Fターム(参考)】