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非ハロゲン系導電性ローラ
説明

非ハロゲン系導電性ローラ

【課題】形成材料がいずれも塩素等のハロゲンを含まない非ハロゲン系導電性ローラであって、しかも小径化した際に所定のニップ厚を維持するべく低硬度化して柔軟性を付与した状態での圧縮永久歪みが小さく低セット性にも優れた、新規な非ハロゲン系導電性ローラを提供する。
【解決手段】非ハロゲン系導電性ローラ1のローラ本体2を、EO−PO−AGE共重合ゴムと、アクリロニトリルブタジエンゴムとを質量比W/Wが30/70〜70/30を満足する範囲で含むゴム分と、前記ゴム分100質量部あたり、0.5〜1.0質量部の硫黄系加硫剤、および1.5〜2.5質量部のパーオキサイド系加硫剤とを含むゴム組成物によって形成した。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、例えばレーザープリンタ等の画像形成装置において現像ローラ等として用いることができる非ハロゲン系導電性ローラに関するものである。
【背景技術】
【0002】
レーザープリンタ、静電式複写機、普通紙ファクシミリ装置、あるいはこれらの複合機等の、電子写真法を利用した画像形成装置は、例えば高速化、高画質化、カラー化、小型化といった改良が次々に進むことで広く普及してきた。またこうした改良は現在も絶え間なく続けられている。
例えばレーザープリンタにおいては、今後のさらなる普及を目指してより一層の小型化と、各部の耐久性の向上によるメンテナンスフリー化とを図るために研究開発が続けられている。そしてこの流れに沿って、画像形成装置に組み込んで使用される導電性ローラについても、さらなる小径化と高い耐久性とが求められるようになってきている。
【0003】
導電性ローラは、例えばレーザープリンタ内で帯電ローラ、現像ローラ、転写ローラ、クリーニングローラ等として用いられる。このうち現像ローラは、レーザープリンタ等の現像部において、量規制ブレードによって高圧で前記現像ローラの表面に接触されることで帯電されたトナーを感光体ドラムの表面に搬送して、前記表面に形成された静電潜像をトナー像に現像するために用いられる。
【0004】
多くのレーザープリンタにおいて現像ローラは、前記量規制ブレード、感光体ドラム、およびトナー容器と一体のカートリッジとして前記レーザープリンタの筐体に対して着脱自在に設けられている。そしてトナー容器内のトナーがなくなった際にはカートリッジごと前記各部材も新たなものと交換できるようにすることで、レーザープリンタのメンテナンスフリー化が図られている。
【0005】
近年のレーザープリンタのさらなる小型化の要求に対応したり、小型でしかもフルカラー化に対応したレーザープリンタ等を開発したりするためには、前記カートリッジを現状よりもさらに小型化する必要がある。
そのため現像ローラには、
* 現状よりも小径化すること、
* 小径化しても従来と同等程度のニップ厚を維持した状態で感光体ドラムの表面に圧接させるべく低硬度化して柔軟性を高めること、
* 低硬度化しても圧縮永久歪みが小さい状態を維持することで、圧接により変形したのち前記圧接を解除しても元の形状になかなか復元されないいわゆる「セット」(ヘタリとも言う)を生じにくくして、前記セットにより形成画像に画像ムラが生じるのを防止できること、つまり低セット性を有すること、
等が求められている。
【0006】
具体的には、日本工業規格JIS K6253:2006「加硫ゴム及び熱可塑性ゴム−硬さの求め方」において規定されたデュロメータ タイプA硬さで表してA60/S以下という低硬度で、しかもJIS K6262:2006「加硫ゴム及び熱可塑性ゴム−常温,高温及び低温における圧縮永久歪みの求め方」において規定された圧縮永久歪みが8%以下という低セット性を有することが求められている。
【0007】
なお本発明では前記デュロメータ タイプA硬さを、温度23±1℃、相対湿度55±1%の環境下で測定した値でもって表すこととする。また圧縮永久歪みを、温度70±1℃、測定時間22時間、圧縮率25%の条件で圧縮した後に測定した値でもって表すこととする。
前記セットは、例えば保管していたカートリッジをレーザープリンタに装着して画像形成を開始した際や、現像ローラを感光体ドラムの表面に圧接させた状態でレーザープリンタを停止させた状態から画像形成を開始もしくは再開した際等に、前記現像ローラの外周面のうち前記保管や停止の間中、感光体ドラムの表面に圧接され続けていた箇所に直線状に発生する。
【0008】
そして画像形成を開始したり再開したりしても直ちにセットが解消されない場合、形成画像のうち現像ローラのセットが発生した箇所に対応する位置の濃度が低下して前記形成画像に縞状の濃度ムラ、すなわち画像ムラが生じる。また圧縮永久歪みが大きすぎる場合だけでなく現像ローラが硬すぎる場合にも、特に画像形成を開始もしくは再開した初期の時点で直ちにセットが解消されずに形成画像に画像ムラが生じる場合がある。
【0009】
また導電性ローラとして、従来は、非導電性のゴム中に導電性カーボン等の電子導電性の充填剤を添加して導電性を付与したゴム組成物を調製し、前記ゴム組成物を成形したのちゴムを加硫させて製造されたものが用いられてきた。
しかし電子導電性の充填剤を用いた導電性ローラは、
* 前記充填剤の添加量の僅かな変化によって電気抵抗値が急激に変動する領域があり、電気抵抗値の制御が難しい、
* ゴム組成物中に充填剤を均一に分散させるのが難しく、導電性ローラの周方向や幅方向で電気抵抗値がばらつきやすい、
* 特に充填剤として導電性カーボンを用いた場合に、電気抵抗値が印加電圧に依存して変動しやすい、
* 前記導電性カーボン等の添加量が増加するほど、ゴム組成物の調製や成形の加工がしにくくなる、
といった問題があった。
【0010】
そこで近年では、ゴムそれ自体として、例えばウレタンゴム(U)、アクリロニトリルブタジエンゴム(NBR)、エピクロルヒドリンゴム(CO、ECO)等のイオン導電性を有するゴムを用いて導電性を付与したゴム組成物を調製し、前記ゴム組成物を成形したのちゴムを加硫させて製造され、前記のような様々な問題を生じないイオン導電性の導電性ローラが主に用いられるようになってきている(特許文献1、2等参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0011】
【特許文献1】特開2005−225969号公報
【特許文献2】特開2002−212413号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0012】
例えば特許文献1では、イオン導電性のゴムとして主にエピクロルヒドリンゴムを用いたゴム組成物によって導電性ローラを形成している。またエピクロルヒドリンゴムに、トナーの帯電性能を向上させること等を目的としてアクリロニトリルブタジエンゴム等の他のゴムをブレンドする場合もある。
ところが発明者の検討によると、前記エピクロルヒドリンゴムとアクリロニトリルゴムとを、例えば前記特許文献1の実施例5のように質量比80/20で併用した場合には、先に説明した低硬度でかつ低セット性に優れた導電性ローラは得られない。
【0013】
また前記導電性ローラは、エピクロルヒドリンゴムの加硫時に発生する塩素系ガス等の残留、および前記塩素系ガス等による感光体ドラムやトナー等の汚染を生じやすいという問題もある。
近時、形成画像の更なる高画質化等を目指して、あるいは環境への配慮等のために、感光体ドラムの汚染試験の条件が以前より厳しくなる傾向にあり、かかる厳しい汚染試験をクリアするべく、その形成材料がいずれも塩素等のハロゲンを含まない非ハロゲン系導電性ローラに対するニーズが高まってきている。
【0014】
しかし塩素を含むエピクロルヒドリンゴムを用いた特許文献1の導電性ローラでは、この要求を満足できないのである。
一方、特許文献2ではエチレンオキサイド−プロピレンオキサイド−アリルグリシジルエーテル共重合ゴム(以下「EO−PO−AGE共重合ゴム」と略記することがある)とアクリロニトリルブタジエンゴム(以下、前記のように「NBR」と略記することがある)とを質量比5/95〜70/30の範囲で併用したゴム組成物によって導電性ローラを形成している。
【0015】
このうちEO−PO−AGE共重合ゴムは、導電性ローラに先に説明したイオン導電性を付与するために機能する。またNBRは、前記導電性ローラの硬度を下げて柔軟性を高めるとともに伸び率を向上させ、また圧縮永久歪みを低減させるために機能する。
また前記EO−PO−AGE共重合ゴム、およびNBRは、いずれも塩素等のハロゲンを含んでいないため、前記ゴム分を加硫させる加硫剤等としても塩素等のハロゲンを含まないものを組み合わせて用いることにより、近年の厳しい汚染試験をも十分にクリアしうる導電性ローラを構成することが可能である。
【0016】
しかし発明者の検討によると特許文献2の構成では、やはり先に説明した硬度と圧縮永久歪みの範囲を満足する低硬度でかつ低セット性に優れた導電性ローラを得ることはできない。
本発明の目的は、形成材料がいずれも塩素等のハロゲンを含まない非ハロゲン系導電性ローラであって、しかも小径化した際に所定のニップ厚を維持するべく低硬度化して柔軟性を付与した状態での圧縮永久歪みが小さく低セット性にも優れた、新規な非ハロゲン系導電性ローラを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0017】
前記課題を解決するため、発明者は、前記特許文献2に記載された導電性ローラについて、低硬度化して柔軟性を付与した状態での圧縮永久歪みをできるだけ小さくして良好な低セット性を付与するべく、その組成についてさらに検討をした。
その結果、特許文献2では加硫剤として硫黄のみを用い、前記硫黄を任意の加硫促進剤等と組み合わせてゴム分を加硫させているが、かかる構成では低硬度化した際に圧縮永久歪みまで大きくなってセットとそれに伴う画像ムラとを生じやすいことが明らかとなった。
【0018】
そこで発明者はさらに検討した結果、加硫剤として、いずれも塩素等のハロゲンを含まない、硫黄等の硫黄系加硫剤とパーオキサイド系加硫剤とを併用するとともに、前記両加硫剤、並びにゴム分の含有割合を調整することにより、低硬度で柔軟で、しかも圧縮永久歪みが小さいためセットとそれに伴う画像ムラとを生じにくい非ハロゲン系導電性ローラを提供できることを見出し、本発明を完成するに至った。
【0019】
すなわち本発明は、エチレンオキサイド−プロピレンオキサイド−アリルグリシジルエーテル共重合ゴム(EO−PO−AGE共重合ゴム)とアクリロニトリルブタジエンゴム(NBR)とを質量比W/Wが式(1):
30/70≦W/W≦70/30 (1)
〔式中WはEO−PO−AGE共重合ゴムの質量、WはNBRの質量を示す〕
を満足する範囲で含むゴム分と、
前記ゴム分100質量部あたり、0.5質量部以上、1.0質量部以下の硫黄系加硫剤、および1.5質量部以上、2.5質量部以下のパーオキサイド系加硫剤と
を含むゴム組成物からなることを特徴とする非ハロゲン系導電性ローラである。
【発明の効果】
【0020】
本発明によれば、形成材料がいずれも塩素等のハロゲンを含まない非ハロゲン系導電性ローラであって、しかも小径化した際に所定のニップ厚を維持するべく低硬度化して柔軟性を付与した状態での圧縮永久歪みが小さく低セット性にも優れた、新規な非ハロゲン系導電性ローラを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0021】
【図1】本発明の非ハロゲン系導電性ローラの、実施の形態の一例を示す斜視図である。
【図2】導電性ローラの電気抵抗値を測定する方法を説明する図である。
【発明を実施するための形態】
【0022】
〈ゴム組成物〉
本発明の非ハロゲン系導電性ローラは、先に説明したようにEO−PO−AGE共重合ゴムとNBRとを質量比W/Wが式(1):
30/70≦W/W≦70/30 (1)
〔式中WはEO−PO−AGE共重合ゴムの質量、WはNBRの質量を示す〕
を満足する範囲で含むゴム分と、
前記ゴム分100質量部あたり、0.5質量部以上、1.0質量部以下の硫黄系加硫剤、および1.5質量部以上、2.5質量部以下のパーオキサイド系加硫剤と
を含むゴム組成物からなることを特徴とするものである。
【0023】
前記のうちEO−PO−AGE共重合ゴムとしてはエチレンオキサイド(EO)、プロピレンオキサイド(PO)、およびアリルグリシジルエーテル(AGE)の三元共重合ゴムがいずれも使用可能である。
特に前記EO、PO、およびAGEの共重合比率がEO:50モル%以上、95モル%以下、PO:1モル%以上、49モル%以下、AGE:1モル%以上、10モル%以下で、かつ数平均分子量Mnが10000以上であるEO−PO−AGE共重合ゴムが好ましい。
【0024】
前記EO−PO−AGE共重合ゴムとしては、例えば日本ゼオン(株)製のゼオスパン(登録商標)8010、8030等が挙げられる。
またNBRとしては、アクリロニトリル含量が24%以下である低ニトリルNBR、25%以上、30%以下である中ニトリルNBR、31%以上、35%以下である中高ニトリルNBR、36%以上、42%以下である高ニトリルNBR、および43%以上である極高ニトリルNBRのいずれを用いてもよい。特に比重の小さい低ニトリルNBRを用いると、非ハロゲン系導電性ローラの軽量化を図ることができる。
【0025】
前記NBRとしては、例えば低ニトリルNBRである日本ゼオン(株)製のニポール(登録商標)DN401(アクリロニトリル含量:18.0%)、DN401L(アクリロニトリル含量:18.0%)、DN401LL(アクリロニトリル含量:18.0%)、JSR(株)製のJSR(登録商標)N250S(アクリロニトリル含量:20.0%)、N250SL(アクリロニトリル含量:20.0%)、中高ニトリルNBRである日本ゼオン(株)製のニポールDN223(アクリロニトリル含量:31.5%、含オイル)等が挙げられる。
【0026】
前記EO−PO−AGE共重合ゴムとNBRの質量比W/Wが30/70以上、70/30以下の範囲に限定されるのは、下記の理由による。
すなわち、前記範囲よりEO−PO−AGE共重合ゴムが少ない場合には、非ハロゲン系導電性ローラに良好な導電性を付与することができない。例えば、温度23±1℃、相対湿度55±1%の条件下、後述する測定方法によって測定される、印加電圧100Vにおける電気抵抗値が10Ωを超えてしまって、特にレーザープリンタの現像ローラ等として良好に使用できない場合を生じる。
【0027】
また前記範囲よりNBRが少ない場合には、前記NBRによる、先に説明した非ハロゲン系導電性ローラの硬度を低下させて柔軟性を高める効果が十分に得られないため、特に小径化した際に所定のニップ厚を維持できない問題を生じる。
なお前記両ゴムの良好な特性の両立により、良好なイオン導電性を有するとともに柔軟で、小径化した際に所定のニップ厚を維持できる非ハロゲン系導電性ローラを提供することを考慮すると、前記両ゴムの質量比W/Wは、前記範囲内でも40/60以上であるのが好ましく、60/40以下であるのが好ましい。
【0028】
硫黄系加硫剤としては硫黄が挙げられる他、分子中に硫黄を含み、かつハロゲンを含まない有機含硫黄化合物、例えばテトラメチルチウラムジスルフィド、4,4′−ジチオジモルホリン等も使用可能である。
前記硫黄系加硫剤の含有割合がゴム分の総量100質量部あたり0.5質量部以上、1.0質量部以下に限定されるのは、下記の理由による。
【0029】
すなわち含有割合が前記範囲未満では、前記硫黄系加硫剤とパーオキサイド系加硫剤の2種の加硫剤を併用することによる、先に説明した、低硬度化して柔軟性を付与した状態での圧縮永久歪みを小さくする効果が得られず、圧縮永久歪みが大きくなって、非ハロゲン系導電性ローラの耐セット性が低下するという問題を生じる。
また前記範囲を超える場合にはゴム分の架橋度が高くなりすぎて、非ハロゲン系導電性ローラの硬度を低下させて柔軟性を高める効果が十分に得られないため、特に小径化した際に所定のニップ厚を維持できない問題を生じる。
【0030】
なお硫黄系加硫剤の含有割合は、これらの問題が生じるのをより一層有効に防止して良好な特性を有する非ハロゲン系導電性ローラを提供することを考慮すると、前記範囲内でも特に0.6質量部以上であるのが好ましく、0.8質量部以下であるのが好ましい。
パーオキサイド系加硫剤としては、分子中にパーオキサイド基を含み、かつハロゲンを含まない上、前記2種のゴムの加硫剤として機能しうる種々の化合物が使用可能である。前記パーオキサイド系加硫剤としては、例えばケトンパーオキサイド類、ジアシルパーオキサイド類、ハイドロパーオキサイド類、ジアルキルパーオキサイド類等の1種または2種以上が挙げられる。
【0031】
このうちアルキルパーオキサイド類としては、例えばジ−t−ブチルパーオキサイド、t−ブチル−α−クミルパーオキサイド、ジ−α−クミルパーオキサイド、1,3−ビス〔(t−ブチルパーオキシ)イソプロピル〕ベンゼン、1,4−ビス〔(t−ブチルパーオキシ)イソプロピル〕ベンゼン、1,1−ビス(t−ブチルパーオキシ)シクロヘキサン、2,5−ジメチル−2,5−ビス(t−ブチルパーオキシ)ヘキサン、2,5−ジメチル−2,5−ビス(t−ブチルパーオキシ)−3−ヘキシン等が挙げられ、特にジ−α−クミルパーオキサイドが好ましい。
【0032】
前記パーオキサイド系加硫剤の含有割合がゴム分の総量100質量部あたり1.5質量部以上、2.5質量部以下に限定されるのは、下記の理由による。
すなわち含有割合が前記範囲未満では、前記硫黄系加硫剤とパーオキサイド系加硫剤の2種の加硫剤を併用することによる、先に説明した、低硬度化して柔軟性を付与した状態での圧縮永久歪みを小さくする効果が得られず、圧縮永久歪みが大きくなって、非ハロゲン系導電性ローラの耐セット性が低下するという問題を生じる。
【0033】
また前記範囲を超える場合にはゴム分の架橋度が高くなりすぎて、非ハロゲン系導電性ローラの硬度を低下させて柔軟性を高める効果が十分に得られないため、特に小径化した際に所定のニップ厚を維持できない問題を生じる。
なおパーオキサイド系加硫剤の含有割合は、これらの問題が生じるのをより一層有効に防止して良好な特性を有する非ハロゲン系導電性ローラを提供することを考慮すると、前記範囲内でも特に1.8質量部以上であるのが好ましく、2.2質量部以下であるのが好ましい。
【0034】
本発明の非ハロゲン系導電性ローラのもとになるゴム組成物には、前記各成分に加えて、加硫促進剤を含有させても良い。
加硫促進剤は、主として硫黄系加硫剤の加硫を促進するためのもので、前記促進効果を有する種々の化合物のうち、分子中にハロゲンを含まないものがいずれも使用可能であり、中でも特にチアゾール系加硫促進剤、およびチウラム系加硫促進剤を併用するのが好ましい。
【0035】
このうちチアゾール系加硫促進剤としては、例えばビス(4−メチルベンゾチアゾリル−2)−ジスルフィド、ビス(4−エチルベンゾチアゾリル−2)−ジスルフィド、ビス(5−メチルベンゾチアゾリル−2)−ジスルフィド、ビス(5−エチルベンゾチアゾリル−2)−ジスルフィド、ビス(6−メチルベンゾチアゾリル−2)−ジスルフィド、ビス(6−エチルベンゾチアゾリル−2)−ジスルフィド、ビス(4,5−ジメチルベンゾチアゾリル−2)−ジスルフィド、ビス(4,5−ジエチルベンゾチアゾリル−2)−ジスルフィド、ビス(4−フェニルベンゾチアゾリル−2)−ジスルフィド、ビス(5−フェニルベンゾチアゾリル−2)−ジスルフィド、ビス(6−フェニルベンゾチアゾリル−2)−ジスルフィド、2−メルカプト−4−メチルベンゾチアゾール、2−メルカプト−4−エチルベンゾチアゾール、2−メルカプト−5−メチルベンゾチアゾール、2−メルカプト−5−エチルベンゾチアゾール、2−メルカプト−6−メチルベンゾチアゾール、2−メルカプト−6−エチルベンゾチアゾール、2−メルカプト−4,5−ジメチルベンゾチアゾール、2−メルカプト−4,5−ジエチルベンゾチアゾール、2−メルカプト−4−フェニルベンゾチアゾール、2−メルカプト−5−フェニルベンゾチアゾール、および2−メルカプト−6−フェニルベンゾチアゾール等の1種または2種以上が挙げられる。
【0036】
またチウラム系加硫促進剤としては、例えばテトラメチルチウラムジスルフィド、テトラエチルチウラムジスルフィド、テトラブチルチウラムジスルフィド、テトラキス(2-エチルヘキシル)チウラムジスルフィド、テトラメチルチウラムモノスルフィド、およびジペンタメチレンチウラムテトラスルフィド等の1種または2種以上が挙げられる。
前記チアゾール系加硫促進剤とチウラム系加硫促進剤とを併用する場合、前記両加硫促進剤による、硫黄系加硫剤の加硫を促進する効果をより一層有効に機能させることを考慮すると、チアゾール系加硫促進剤の、ゴム分100質量部あたりの含有割合は0.5質量部以上、特に0.6質量部以上であるのが好ましく、1.0質量部以下、特に0.8質量部以下であるのが好ましい。特に硫黄系加硫剤と同量のチアゾール系加硫促進剤を含有させるのがさらに好ましい。
【0037】
またチウラム系加硫促進剤の、ゴム分100質量部あたりの含有割合は0.17質量部以上、特に0.2質量部以上であるのが好ましく、0.33質量部以下、特に0.30質量部以下であるのが好ましい。特に硫黄系加硫剤の1/3量のチウラム系加硫促進剤を含有させるのがさらに好ましい。
本発明の非ハロゲン系導電性ローラのもとになるゴム組成物には、前記各成分に加えて、さらに必要に応じて、例えば加硫促進助剤、可塑剤、加工助剤、充填剤、誘電正接調整剤、老化防止剤、酸化防止剤、スコーチ防止剤、紫外線吸収剤、滑剤、顔料、難燃剤、中和剤、気泡防止剤等の添加剤のうち、分子中にハロゲンを含まないものを適宜の割合で含有させてもよい。
【0038】
〈非ハロゲン系導電性ローラ〉
図1は、本発明の非ハロゲン系導電性ローラの、実施の形態の一例を示す斜視図である。
図1を参照して、この例の非ハロゲン系導電性ローラ1は、前記ゴム組成物からなる円筒状のローラ本体2と、前記ローラ本体2の中心の通孔3に挿通されたシャフト4とを含んでいる。
【0039】
シャフト4は、例えばアルミニウムまたはその合金、ステンレス鋼等の金属によって一体に形成される。ローラ本体2とシャフト4とは、例えば通孔3の内径よりも外径の大きいシャフト4を前記通孔3に圧入して、両者を、ローラ本体2の弾性力によって互いに密着させて電気的に接合するとともに機械的に固定したり、あるいは導電性を有する接着剤等を介して電気的に接合するとともに機械的に固定したりした状態で一体に回転される。
【0040】
ローラ本体2の径方向の厚みは特に限定されないが、例えば先に説明したレーザープリンタ等の現像ローラとして使用する場合には、前記現像ローラの小型化、軽量化を図りながら適度なニップ厚を確保するために、前記径方向の厚みが0.5mm以上、中でも1mm以上、特に4mm以上であるのが好ましく、20mm以下、特に15mm以下であるのが好ましい。
【0041】
ローラ本体2は、前記ゴム組成物を用いて従来同様に形成される。
例えばゴム組成物を、押出成形機を用いて混練しながら加熱して溶融させた状態で、前記ローラ本体2の断面形状、すなわち円環状に対応するダイを通して長尺の円筒状に押出成形し、冷却して固化させたのち所定の長さにカットし、通孔3に加硫用の仮のシャフトを挿通して加硫缶内で加熱して加硫させる。
【0042】
次いで外周面に導電性の接着剤を塗布したシャフト4に装着しなおして、前記接着剤が熱硬化性接着剤である場合は加熱により前記熱硬化性接着剤を硬化させてローラ本体2とシャフト4とを電気的に接合する共に機械的に固定する。そして必要に応じてさらにその外周面を所定の表面粗さになるように研磨する。これにより図1に示す非ハロゲン系導電性ローラ1が製造される。
【0043】
なおローラ本体2は、外周面側の外層と軸4側の内層の2層構造に形成してもよい。その場合、少なくとも外層を前記ゴム組成物によって形成すればよい。
また、前記ハロゲン系導電性ローラ1を現像ローラとして使用する場合は、ローラ本体2の軸方向の両端に、トナー漏れを防止するためのシール部を設けてもよい。前記シール部は、例えばフッ素樹脂等の不織布やシートにより、外径がローラ本体2の外径より大きい円板状等に形成される。
【0044】
またローラ本体2の表面に酸化膜を形成すると、前記酸化膜が誘電層として機能して非ハロゲン系導電性ローラ1の誘電正接を低減できる。また現像ローラの場合は酸化膜が低摩擦層となることでトナー離れがよくなり、画像形成が容易に行われ、その結果より良好な画像が得られる。
酸化膜としては多数のC=O基またはC−O基等を有する酸化膜が好ましい。酸化膜は、ローラ本体2の表面に紫外線照射あるいは/およびオゾン照射等の処理を施すことにより前記ローラ本体2の表層部分を酸化して形成される。中でも紫外線照射により酸化膜を形成するのが、処理時間が早くコストも低いことから好ましい。
【0045】
以上のようにして製造される本発明の非ハロゲン系導電性ローラ1は、先に説明したようにローラ本体2のデュロメータ タイプA硬さがA60/S以下であることが好ましい。ローラ本体2のデュロメータ タイプA硬さを前記範囲内とすることにより、前記ローラ本体2に適度な柔軟性を付与して小径化した際に所定のニップ厚を維持できる。
またローラ本体2が硬くなりすぎるのを防止して、例えば感光体ドラムの表面に圧接させた状態でレーザープリンタを停止させた状態から画像形成を開始もしくは再開した際に、ローラ本体2にセットが生じて、形成画像に画像ムラが発生するのを防止することもできる。
【0046】
なお、これらの効果をより一層向上することを考慮すると、ローラ本体2のデュロメータ タイプA硬さは、前記範囲内でもA50/S以上であるのが好ましく、A58/S以下であるのが好ましい。デュロメータ タイプA硬さの測定条件は、先に説明したように温度23±1℃、相対湿度55±1%である。
またローラ本体2の圧縮永久歪みは8%以下であることが好ましい。圧縮永久歪みを前記範囲内とすることにより、前記柔軟なローラ本体2を感光体ドラムの表面に圧接させた状態でレーザープリンタを停止させた状態から画像形成を開始もしくは再開した際にセットが生じて、形成画像に画像ムラが発生するのを防止することができる。
【0047】
なお、かかる効果をより一層向上することを考慮すると、ローラ本体2の圧縮永久歪みは、前記範囲内でも7.8%以下であるのが好ましい。圧縮永久歪みの下限は特に限定されない。全く圧縮永久歪みを生じない、すなわち圧縮永久歪みが0%であるのが理想的であるが、前記範囲内であれば十分に効果的である。圧縮永久歪みを測定する際の圧縮条件は、先に説明したように温度70±1℃、測定時間22時間、圧縮率25%である。
【0048】
またローラ本体2は、温度23±1℃、相対湿度55±1%の条件下で測定される、印加電圧100Vにおける電気抵抗値が10Ω以上、10Ω以下であるのが好ましい。電気抵抗値を10Ω以上とすることにより、ローラ本体2を流れる電流を制御して画像不良の発生を抑制し、感光体ドラムへの放電を防ぐことができる。
一方、電気抵抗値を10Ω以下とすることにより、例えば現像ローラとして使用した際にトナー供給等の効率を維持し、かつトナーが感光体ドラムの表面に移行する際に現像ローラの電圧降下が起って、それ以後現像ローラから感光体ドラムへ確実にトナーを搬送できず画像不良が生じるのを防ぐことができる。
【0049】
なお、これらの効果をより一層向上することを考慮すると、現像ローラの場合、前記条件での電気抵抗値は、前記範囲内でも10Ω以上であるのがさらに好ましい。
なお前記電気抵抗値は、表面に酸化膜を形成する場合は、前記酸化膜を形成する前のローラ本体2自体の電気抵抗値である。
図2は、導電性ローラの電気抵抗値を測定する方法を説明する図である。
【0050】
図1、図2を参照して、本発明では前記電気抵抗値を、下記の方法で測定した値でもって表すこととする。
すなわち一定の回転速度で回転させることができるアルミニウムドラム6を用意し、前記アルミニウムドラム6の外周面7に、その上方から、電気抵抗値を測定する導電性ローラ1のローラ本体2の外周面5を当接させる。
【0051】
また前記導電性ローラ1のシャフト4と、アルミニウムドラム6との間に直流電源8、および抵抗9を直列に接続して計測回路10を構成する。直流電源8は、(−)側をシャフト4、(+)側を抵抗9と接続する。抵抗9の抵抗値rは100Ωとする。
次いでシャフト4の両端部にそれぞれ500gの荷重Fをかけてローラ本体2をアルミニウムドラム6に圧接させた状態で、導電性ローラ1とアルミニウムドラム6とをそれぞれ反対方向に回転(アルミニウムドラム6の回転数:30rpm)させながら、前記両者間に、直流電源8から直流100Vの印加電圧Eを印加した際に、抵抗9にかかる検出電圧Vを計測する。
【0052】
前記検出電圧Vと印加電圧E(=100V)とから、導電性ローラ1の電気抵抗値Rは、基本的に式(1′):
R=r×E/(V−r) (1′)
によって求められる。ただし式(1′)中の分母中の−rの項は微小とみなすことができるため、本発明では式(1):
R=r×E/V (1)
によって求めた値でもって導電性ローラ1の電気抵抗値とすることとする。測定の条件は、先に説明したように温度23±1℃、相対湿度55±1%である。
【0053】
ローラ本体2のデュロメータ タイプA硬さ、圧縮永久歪み、および電気抵抗値を前記範囲内に調整するには、先に説明したように前記ローラ本体2のもとになるゴム組成物における、EO−PO−AGE共重合ゴムとNBRとの質量比W/W、前記両ゴムを含むゴム分の総量100質量部あたりの2種の加硫剤の含有割合、前記各成分の種類や組み合わせ等を、先に説明した範囲内で適宜調整すればよい。
【0054】
またローラ本体2は、非ハロゲン系導電性ローラ1を現像ローラとして使用する場合、電圧5V、周波数100Hzの交流電圧を印加した際の誘電正接が0.1〜1.8であるのが好ましい。
誘電正接を1.8以下とすることにより、非ハロゲン系導電性ローラ1のコンデンサ的特性を高めて、摩擦帯電で生じたトナー上の電荷をロールから逃すことなく維持できる。すなわちトナーに帯電性を付加でき、付加した帯電性を維持することができる。
【0055】
一方、誘電正接を0.1以上とすることにより、帯電量が上がりすぎて印刷濃度が低下しすぎるのを防いだり、誘電正接調整剤の添加量が多くなってローラ本体2が硬くなるのを避けたりすることができる。
なお、これらの効果をより一層向上することを考慮すると、誘電正接は、前記範囲内でも0.3以上、特に0.5以上であるのが好ましく、1.0以下、特に0.8以下であるのが好ましい。
【0056】
誘電正接を前記範囲内に調整するには、誘電正接調整剤の添加量や、ローラ本体2の表面に形成する酸化膜の厚み等を調整すればよい。
本発明の非ハロゲン系導電性ローラ1は、前記現像ローラの他、例えば帯電ローラ、転写ローラ、クリーニングローラ等としてレーザープリンタ、静電式複写機、普通紙ファクシミリ装置、これらの複合機等の電子写真装置等に用いることができる。
【実施例】
【0057】
以下の実施例、比較例における導電性ローラの作製、および試験を、特記した以外は温度23±1℃、相対湿度55±1%の環境下で実施した。
〈実施例1〉
ゴム分としてのEO−PO−AGE共重合ゴム〔日本ゼオン(株)製のゼオスパン(登録商標)8030〕50質量部、およびNBR〔日本ゼオン(株)製のニポール(登録商標)DN401LL〕50質量部(質量比W/W=50/50)と、前記ゴム分の総量100質量部あたり0.75質量部の硫黄、1.50質量部のパーオキサイド系加硫剤〔ジ−α−クミルパーオキサイド、日油(株)製のパークミル(登録商標)D〕、0.75質量部のチアゾール系加硫促進剤〔ジ−2−ベンゾチアゾリルジスルフィド、大内新興化学工業(株)製のノクセラー(登録商標)DM〕、および0.25質量部のチウラム系加硫促進剤〔テトラメチルチウラムモノスルフィド、大内新興化学工業(株)製のノクセラーTS〕とを配合し、バンバリミキサで混練してゴム組成物を調製した。
【0058】
前記ゴム組成物を押出機に供給して外径φ22mm、内径φ9〜9.5mmの筒状に押出成形した後、外径φ8mmの加硫用シャフトに装着して160℃×1時間加硫させた。次いで、外周面に導電性の熱硬化性接着剤を塗布した外径φ10mmのシャフトに装着しなおしてオーブン中で160℃に加熱して接着したのち両端をカットし、円筒研磨機を用いて外周面をトラバース研磨し、次いで鏡面研磨して十点平均粗さRzJIS94が3〜5μmになるように仕上げて、外径φ20mm(公差0.05)のローラ本体を有する導電性ローラを作製した。
【0059】
〈実施例2〉
ゴム分の総量100質量部あたりのパーオキサイド系加硫剤の量を2.50質量部としたこと以外は実施例1と同様にしてゴム組成物を調製し、導電性ローラを作製した。
〈実施例3〉
ゴム分の総量100質量部あたりの硫黄の量を0.50質量部、パーオキサイド系加硫剤の量を2.00質量部とし、かつチアゾール系加硫促進剤の量を0.50質量部、チウラム系加硫促進剤の量を0.17質量部としたこと以外は実施例1と同様にしてゴム組成物を調製し、導電性ローラを作製した。
【0060】
〈実施例4〉
ゴム分の総量100質量部あたりの硫黄の量を1.00質量部、パーオキサイド系加硫剤の量を2.00質量部とし、かつチアゾール系加硫促進剤の量を1.00質量部、チウラム系加硫促進剤の量を0.33質量部としたこと以外は実施例1と同様にしてゴム組成物を調製し、導電性ローラを作製した。
【0061】
〈実施例5〉
EO−PO−AGE共重合ゴムの量を30質量部、NBRの量を70質量部(質量比W/W=30/70)とし、かつパーオキサイド系加硫剤の量を2.00質量部としたこと以外は実施例1と同様にしてゴム組成物を調製し、導電性ローラを作製した。
〈実施例6〉
EO−PO−AGE共重合ゴムの量を70質量部、NBRの量を30質量部(質量比W/W=70/30)とし、かつパーオキサイド系加硫剤の量を2.00質量部としたこと以外は実施例1と同様にしてゴム組成物を調製し、導電性ローラを作製した。
【0062】
〈比較例1〉
EO−PO−AGE共重合ゴムに代えて、分子中に塩素を含むエチレンオキサイド−エピクロルヒドリン−アリルグリシジルエーテル(EO−EP−AGE)共重合ゴム〔ダイソー(株)製のエピクロマー(登録商標)CG102〕50質量部を配合するとともに、パーオキサイド系加硫剤の量を2.00質量部としたこと以外は実施例1と同様にしてゴム組成物を調製し、導電性ローラを作製した。
【0063】
〈比較例2〉
EO−PO−AGE共重合ゴムに代えて前記EO−EP−AGE共重合ゴム50質量部を配合し、かつNBRに代えて分子中に塩素を含むクロロプレンゴム〔CR、昭和電工(株)製のショウプレン(登録商標)WRT〕50質量部を配合するとともに、パーオキサイド系加硫剤の量を2.00質量部としたこと以外は実施例1と同様にしてゴム組成物を調製し、導電性ローラを作製した。
【0064】
〈比較例3〉
NBRに代えて前記クロロプレンゴム50質量部を配合するとともに、パーオキサイド系加硫剤の量を2.00質量部としたこと以外は実施例1と同様にしてゴム組成物を調製し、導電性ローラを作製した。
〈比較例4、5〉
ゴム分の総量100質量部あたりのパーオキサイド系加硫剤の量を1.40質量部(比較例4)、2.60質量部(比較例5)としたこと以外は実施例1と同様にしてゴム組成物を調製し、導電性ローラを作製した。
【0065】
〈比較例6〉
ゴム分の総量100質量部あたりの硫黄の量を0.40質量部、パーオキサイド系加硫剤の量を2.00質量部とし、かつチアゾール系加硫促進剤の量を0.40質量部、チウラム系加硫促進剤の量を0.13質量部としたこと以外は実施例1と同様にしてゴム組成物を調製し、導電性ローラを作製した。
【0066】
〈比較例7〉
ゴム分の総量100質量部あたりの硫黄の量を1.10質量部、パーオキサイド系加硫剤の量を2.00質量部とし、かつチアゾール系加硫促進剤の量を1.10質量部、チウラム系加硫促進剤の量を0.36質量部としたこと以外は実施例1と同様にしてゴム組成物を調製し、導電性ローラを作製した。
【0067】
〈比較例8〉
パーオキサイド系加硫剤を配合しなかったこと以外は実施例1と同様にしてゴム組成物を調製し、導電性ローラを作製した。
〈比較例9〉
硫黄、チアゾール系加硫促進剤、およびチウラム系加硫促進剤を配合せず、かつパーオキサイド系加硫剤の量を2.00質量部としたこと以外は実施例1と同様にしてゴム組成物を調製し、導電性ローラを作製した。
【0068】
〈比較例10〉
EO−PO−AGE共重合ゴムの量を25質量部、NBRの量を75質量部とし、かつパーオキサイド系加硫剤の量を2.00質量部としたこと以外は実施例1と同様にしてゴム組成物を調製し、導電性ローラを作製した。
〈比較例11〉
EO−PO−AGE共重合ゴムの量を75質量部、NBRの量を25質量部とし、かつパーオキサイド系加硫剤の量を2.00質量部としたこと以外は実施例1と同様にしてゴム組成物を調製し、導電性ローラを作製した。
【0069】
〈電気抵抗値測定〉
実施例、比較例で作製した導電性ローラの電気抵抗値Rを、先に説明した測定方法で測定した。
電気抵抗値は、前記のように10Ω以下であるとき良好、10Ωを超えるとき不良と評価した。なお表では電気抵抗値をlogRで示している。
【0070】
〈デュロメータ タイプA硬さ測定〉
実施例、比較例で作製した導電性ローラのローラ本体のデュロメータ タイプA硬さを、JIS K6253:2006「加硫ゴム及び熱可塑性ゴム−硬さの求め方」において規定された規格に準拠したゴム硬度計〔高分子計器(株)製のアスカーゴム硬度計A型〕を用いて測定した。
【0071】
デュロメータタイプA硬さは、前記のようにA60/S以下であるとき良好、A60/Sを越えるとき不良と評価した。
〈圧縮永久歪み測定〉
実施例、比較例で調製したゴム組成物を、導電性ローラを作製した時と同じ160℃×1時間加硫させて、JIS K6262:2006「加硫ゴム及び熱可塑性ゴム−常温,高温及び低温における圧縮永久歪みの求め方」に規定された小型試験片を形成した。
【0072】
そして前記小型試験片を用いて、前記規格に規定された測定方法によって圧縮永久歪みを測定した。圧縮条件は温度70±1℃、測定時間22時間、圧縮率25%とした。
圧縮永久歪みは、前記のように8%以下であるとき良好、8%を超えるとき不良と評価した。
〈感光体汚染性試験〉
プラス帯電性の非磁性1成分トナーを用いる市販のレーザープリンタ用のカートリッジの現像ローラを、実施例、比較例で作製した導電性ローラと交換し、前記カートリッジを温度50±1℃、相対湿度90±1%の高温高湿環境下で2週間静置したのち、温度23±1℃、相対湿度55±1%の常温常湿環境下で一日静置した。そして前記レーザープリンタに装着して連続して画像形成し、形成画像を観察して、下記の基準で感光体の汚染の有無を評価した。
【0073】
×:1枚目の形成画像に、静置時に導電性ローラが当接していた箇所での感光体の汚染による筋状の画質の低下が観察された。
○:1枚目の形成画像に、前記感光体の汚染による画質の低下は観察されなかった。
以上の結果を表1〜3に示す。
【0074】
【表1】

【0075】
【表2】

【0076】
【表3】

【0077】
表1〜3の実施例1〜6、比較例1〜3の結果より、ゴム組成物を構成する各成分として、EO−PO−AGE共重合ゴム、NBR、硫黄、およびパーオキサイド系加硫剤を組み合わせるとともに、いずれも塩素等のハロゲンを含まない成分を選択して用いて非ハロゲン系導電性ローラを構成することで、感光体の汚染による画質の低下を防止できることが判った。
【0078】
また実施例1〜6、比較例4〜11の結果より、前記非ハロゲン系導電性ローラの構成において、EO−PO−AGE共重合ゴム、NBR、硫黄、およびパーオキサイド系加硫剤を併用するとともに前記両ゴムの質量比W/W、および2種の加硫剤の含有割合を先に説明した範囲内とすることによって、前記非ハロゲン系導電性ローラに良好なイオン導電性を付与しながら、低硬度化して柔軟性を付与した状態での圧縮永久歪みを小さくして、セットとそれに伴う画像ムラの発生を防止できることが判った。
【符号の説明】
【0079】
1 非ハロゲン系導電性ローラ
2 ローラ本体
3 通孔
4 シャフト

【特許請求の範囲】
【請求項1】
エチレンオキサイド−プロピレンオキサイド−アリルグリシジルエーテル共重合ゴムと、アクリロニトリルブタジエンゴムとを質量比W/Wが式(1):
30/70≦W/W≦70/30 (1)
〔式中Wはエチレンオキサイド−プロピレンオキサイド−アリルグリシジルエーテル共重合ゴムの質量、Wはアクリロニトリルブタジエンゴムの質量を示す〕
を満足する範囲で含むゴム分と、
前記ゴム分100質量部あたり、0.5質量部以上、1.0質量部以下の硫黄系加硫剤、および1.5質量部以上、2.5質量部以下のパーオキサイド系加硫剤と
を含むゴム組成物からなることを特徴とする非ハロゲン系導電性ローラ。

【図1】
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【図2】
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【公開番号】特開2011−158779(P2011−158779A)
【公開日】平成23年8月18日(2011.8.18)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−21425(P2010−21425)
【出願日】平成22年2月2日(2010.2.2)
【出願人】(000183233)住友ゴム工業株式会社 (3,458)
【Fターム(参考)】