説明

非凝集亜鉛ナノ粒子を含む口腔用組成物

【課題】酸化亜鉛粒子及び所望のコンシステンシーを提供する液体ビヒクルを含む歯磨き剤は、有用であるにも関わらず、収斂性及び不快な感覚が長く続く問題がある。使用環境下で亜鉛イオンの活性に影響を与えることなく少量の亜鉛イオンの使用を可能にする口腔用組成物の提供。
【解決手段】ビヒクル及び実質的に非凝集であるナノ粒子の形態の亜鉛イオン源を含む口腔用組成物並びにこのような組成物の使用において、トリクロサン、第一スズイオン、フッ化物、アルギニン塩、及びセチルピリニジウム塩、ホノキオール及びマグノロールからなる群から選択される治療剤を配合し、抗歯垢及び抗悪臭の利益を使用者に提供し、ナノ粒子を含むことは、本組成物中に存在する亜鉛イオンの量の低減を可能にし、同時に、効力を維持する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野及び背景技術】
【0001】
[0001]口腔用ケア配合物中の亜鉛イオンは、使用者に多数の有益な影響を提供する。例えば、亜鉛イオンは、抗歯垢、抗歯石、及び防臭特性を有することが周知である。しかしながら、亜鉛は、多数のマイナスの器官感覚受容性特性に関連する:これは例えば、収斂性及び不快な長く続く味である。こうした特性は、実際問題として口腔用ケア製品中の亜鉛イオン提供化合物の使用を制限してしまい、というのは、マイナスの器官感覚受容性特性を有する製品は、消費者にとって許容可能ではないからである。その上、幾つかの亜鉛塩の例えば酸化亜鉛は低い水溶性を有し、使用環境において、その亜鉛塩の活性は、典型的に他の亜鉛形態よりも低い。これは、口腔用ケア製品において亜鉛源を使用する際の別の制限である。
【0002】
[0002]凝集済み酸化亜鉛粒子及び所望のコンシステンシーを提供するのに十分な量の液体ビヒクルを含む歯磨き剤は、当分野において周知である。しかしながら、使用環境下で亜鉛イオンの活性に影響を与えることなく少量の亜鉛イオンの使用を可能にする、実質的に非凝集の亜鉛ナノ粒子を含む口腔用化合物は、まだ報告されていない。味の問題を解決することに加えて、低レベルの亜鉛イオン源を含むが、亜鉛イオンの同じまたはより良好な有益な影響を有する口腔用組成物を提供することが望ましい。
【発明の開示】
【0003】
[0003]ビヒクル及び実質的に非凝集であるナノ粒子の形態の亜鉛イオン源を含む口腔用組成物が提供される。非凝集亜鉛ナノ粒子は、約1重量%未満の量で存在してよく、ナノ粒子のサイズは、約1〜約250nmとしてよい。
【0004】
[0004]亜鉛ナノ粒子を有する本口腔用組成物は、1つ以上の治療剤の例えばう蝕予防薬及び抗菌剤、例えば、トリクロサン、フッ化物イオン、または第一スズイオンをさらに含む。
【0005】
[0005]別の具体例においては、実質的に非凝集であるナノ粒子の形態の亜鉛イオン源を含む膜が提供される。非凝集亜鉛ナノ粒子は、約1重量%未満の量で存在してよく、ナノ粒子のサイズは、約1〜約250nmとしてよい。
【0006】
[0006]ヒトまたは動物の全身の健康を維持するかまたは促進する方法がさらに提供される。本方法は、実質的に非凝集であるナノ粒子の形態の亜鉛イオン源を含む本組成物を口腔に投与する段階を含む。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【図1】[0007]インビトロ歯垢成長に対する凝集済みZnO、クエン酸Zn、及び非凝集ZnO粒子の影響を示す棒グラフチャートである。
【発明を実施するための最良の形態】
【0008】
[0008]本発明は、歯垢の形成;歯肉炎、歯周炎、及び/または口腔組織炎症の現れ;口臭;及び/または全身性炎症性カスケードの開始を防ぐかまたは低減するために使用してよい口腔用組成物に関する。より詳細には、本発明は、実質的に非凝集であるナノ粒子の形態の亜鉛イオン源を含む口腔用歯磨き剤組成物に関する。
【0009】
[0009]本発明は、口腔用組成物における非凝集でナノ粒子サイズの亜鉛イオン源は、幾つかの口腔及び/または全身の利益を提供するのみならず、配合者が、配合物において使用される亜鉛イオン源の量を低減し、同時に望ましい効力レベルを保持することを可能にするという発見から生じる。この低減は、従来の亜鉛イオン含有組成物に関連したマイナスの器官感覚受容性特性を改善し、並びに配合の明解さを向上するのに役立つ。
【0010】
[0010]本明細書において言及するように、“口腔用組成物”は、任意の生理学的障害の予防または治療を含め、患者の健康、衛生または外観を向上するためのヒトまたは動物の患者への投与または適用に適した任意の組成物である。
【0011】
[0011]本発明の組成物は、亜鉛ナノ粒子を含む。好ましくは粒子は、ナノ範囲、すなわち、約1〜約1000nmのサイズを有する。好ましくは、ナノ粒子は、平均粒径(APS)約1nm〜約850nm、約50nm〜約150nm、約15nm〜約500nm、約30nm〜約250nm及び/または約5nm〜約100nmを有する。
【0012】
[0012]本発明の組成物において使用される亜鉛ナノ粒子は、非凝集である。非凝集とは、本発明のナノ粒子は、固まりになって、約1ミクロンを超え、好ましくは約950nmを超えるかまたは850nmであるサイズを有するクラスターにならないことを意味する。非凝集亜鉛ナノ粒子は、幾つかの状況で、凝集済み亜鉛イオン源のものよりも大きいかまたは同様の抗歯垢効力を示すことが見い出された。図1は、(i)非凝集酸化亜鉛ナノ粒子、(ii)凝集済み酸化亜鉛及び(iii)クエン酸亜鉛を含む組成物のインビトロ効力の比較を示す。
【0013】
[0013]しかしながら、希望するなら、亜鉛ナノ粒子を、凝集済みナノ粒子及び/または1ミクロンを超えるAPSを有する亜鉛イオン源と混合してよい。好ましくは、配合物中に取り入れるべきナノ粒子の80%を超えるものは、非凝集である。より好ましくは、ナノ粒子の90%を超えるものは、非凝集である。
【0014】
[0014]本組成物は、任意の量の非凝集亜鉛ナノ粒子を含んでよい。しかしながら、本発明に従う亜鉛イオン源の使用を、従来の口腔用配合物において使用される量と比較して低減でき、効力を実施的に犠牲にすることなく亜鉛イオンを提供する。好ましくは、本口腔用組成物は、約1重量%未満の亜鉛イオン源を含み、約0.3〜約0.7重量%及び0.5〜約0.9重量%の量がより好ましい。
【0015】
[0015]本発明の組成物のための亜鉛イオン源は、当分野において周知の若しくは開発される任意の源またはこのような源の任意の組合せ若しくは混合物としてよい。例えば、任意の亜鉛塩及び/または化合物を亜鉛イオン源として用いてよく、このような亜鉛イオン源は、水溶性及び不溶性、有機及び無機亜鉛塩を含む。用いてよい適切な亜鉛化合物の例としては、酢酸亜鉛、亜鉛アセチルアセトナート、亜鉛アンモニウムサルフェート、安息香亜鉛、臭化亜鉛、亜鉛ベリリウムオルトシリケート、ホウ酸亜鉛、亜鉛ブチルフタレート、亜鉛ブチルキサンテート、亜鉛カプリレート、炭酸亜鉛、亜鉛クロロアニレート、塩素酸亜鉛、クロム酸亜鉛、クエン酸亜鉛、亜鉛シクロヘキサンブチレート、塩化亜鉛、没食子酸亜鉛、フッ化亜鉛、亜鉛アルファ−グルコヘプトネート、グルコン酸亜鉛、亜鉛グリセロホスフェート、水酸化亜鉛、亜鉛8−ヒドロキシキノリン、亜鉛12−ヒドロキシステアラート、ヨウ化亜鉛、アクリル酸亜鉛、酸化亜鉛、プロピオン酸亜鉛、亜鉛イソバレレート、D−乳酸亜鉛、DL−乳酸亜鉛亜鉛ラウラート、ヘキサフルオロケイ酸亜鉛、メタクリル酸亜鉛、モリブデン酸亜鉛、亜鉛ナフテネート、亜鉛オクトエート、オレイン酸亜鉛、オルトリン酸亜鉛、亜鉛フェノールスルホネート、亜鉛ピリジン−2−チオール−1−オキシド、ピロリン酸亜鉛、亜鉛レジネート、サリチル酸亜鉛、硫酸亜鉛、硝酸亜鉛、セレン化亜鉛、ステアリン酸亜鉛、亜鉛スルファニレート、酒石酸亜鉛、テルル酸亜鉛、タングステン酸亜鉛、亜鉛バレレート、バナジン酸亜鉛、亜鉛トリブロモサリチルアニリド、及び亜鉛リシノレアートが挙げられるがこれらに限定されるものではない。好ましくは、酸化亜鉛を、本口腔用組成物の亜鉛イオン源として使用してよい。
【0016】
[0016]非凝集亜鉛ナノ粒子は、任意の形態の組成物で提供されてよい。これをニートで、例えば、ゲル、流体、固体若しくはペースト組成物中に取り入れてよく、または、これは、例えば、粒子に吸着し、エマルション、粒子、ミセル、コア−シェルポリマー送達装置及び/または膜組成物中に取り入れられる亜鉛イオンナノ粒子の形態で提供されてよい。こうした送達品種それ自体を、例えば、ゲル、流体、固体若しくはペースト組成物中に取り入れてよく、または、現状のままで口腔に提供してよい。
【0017】
[0017]1具体例においては、非凝集亜鉛ナノ粒子は、膜中に存在する。本膜の構造は、これが亜鉛ナノ粒子の効力を大幅に妨げない限りは、任意の所望のものとしてよい。本膜は、例えば、単層または多層とすることができる。本膜は、当分野において周知の膜形式のうちの1つ、例えば、ポリマー、織った若しくは不織繊維、または加圧した若しくは積層材料を構成することができる。本膜を、ヒドロキシアルキルメチルセルロース、デンプン及びデンプン膜形成剤または治療剤の例えば抗菌剤で構成されるマトリックスから形成してよい。膜マトリックスは、水、追加の膜形成剤、可塑化剤、界面活性剤、香味料、甘味料または着色剤及び乳化剤をさらに含んでよい。
【0018】
[0018]1具体例においては、ヒドロキシアルキルメチルセルロース、デンプン成分、着色剤、香味料、甘味料及び/または治療剤及び他の膜形成成分適合性溶媒を溶解させて、膜形成組成物を形成することによって、膜を製造してよい。膜形成組成物を、外すことが可能なキャリア(releasable carrier)表面にキャスティングし、乾燥して、膜のシートを形成する。乾燥オーブン、乾燥ターミナル、真空乾燥機、または膜を構成する成分に悪影響を及ぼすことがない任意の他の適切な乾燥装置を使用して、膜の乾燥を高温で実行してよい。
【0019】
[0019]膜は任意の組成を有してよいが、本発明の膜を製造するために使用される適切な膜形成剤は、ヒドロキシアルキルセルロースの例えばヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシエチルプロピルセルロース、ヒドロキシブチルメチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース及びカルボキシメチルセルロースとしてよい。好ましくは、セルロースポリマーは、低粘度ヒドロプロピルメチルセルロースポリマー(HPMC)である。HPMCを膜形成剤として使用する場合、20℃でウベローテ管粘度計を使用してHPMCの2重量%水溶液として決定して、HPMCが約1〜約200ミリパスカル秒(mPa.s)の範囲内の粘度を有することが好ましい。好ましくは、HPMCは20℃で粘度約3〜約75mPa.sを有する。
【0020】
[0020]非凝集亜鉛ナノ粒子を含む膜を、様々な周知のタイプの市販の製品、例えば、歯のテープ、膜フレーク、条片、及びパッチに加工してよい。さらに、本膜それ自体を、他の口腔用ケア製品の例えば口腔洗浄剤、練り歯磨き、液体増白剤、チューインガム、ビーズ、嚼み菓子(chew)、及びロゼンジ中に取り入れてよい。口腔用ケア製品における膜をまた、装飾目的で並びに口腔ケア目的で使用してよい。本膜を、装飾形状の例えばハート、星、ダイヤモンド、正方形及び丸へと形成してよい。
【0021】
[0021]1具体例においては、本組成物を口腔に投与することによる、ヒトまたは動物の体系的健康を維持するかまたは促進する方法において、非凝集亜鉛ナノ粒子を有する本口腔用組成物を使用できる。典型的に、本方法は、有効な量の本口腔用組成物をヒトまたは動物の患者の口腔に投与し、それによって口腔ケア若しくは口腔衛生を維持するか、または口腔の外観を改良する段階を含む。本方法において使用するべき本口腔用組成物をさらに処理して、消費者の必要を満たすように様々なタイプの最終製品にすることができる。例えば、ヒトまたは動物に投与するべき本組成物は、口腔洗浄剤、練り歯磨き、液体増白剤、チューインガム、ビーズ、嚼み菓子、及びロゼンジから選択される形態としてよい。
【0022】
[0022]1具体例によれば、亜鉛ナノ粒子を有する口腔用組成物は、1つ以上の治療剤をさらに含んで、組成物の口腔衛生効力を改良するかまたは強化してよい。従来口腔用ケア製品中の治療剤として周知であるかまたは使用される物質を、本発明の口腔用組成物のために用いてよい。典型的に、治療剤は、う蝕予防薬または抗菌剤から選択される。治療剤の例は、トリクロサン、第一スズイオン、抗炎症剤、抗酸化剤、抗敏感剤、増白剤、フッ化物イオン、ホノキオール、マグノロール(magnolol)、アルギネートエステル、セチルピリニジウム塩、及びアルギニン塩、例えばエチルラウロイルアルギニンヒドロクロリド(ELAH)を含んでよい。
【0023】
[0023]治療剤は、約0.1〜約5重量%、好ましくは約0.2〜約1重量%の量で存在する。
【0024】
[0024]本発明に従う口腔用組成物の製造において、口腔に許容されるビヒクルが利用される。任意の、当分野において周知のまたは開発されるべきものを含めてよい。ビヒクルは、好ましくはグリセリンまたはソルビトールまたはアルキレングリコールの例えばポリエチレングリコール若しくはプロピレングリコールである湿潤剤を有する水相を含んでよく、ここで、水は、約5〜約80重量%の量で存在し、グリセリン、ソルビトール及び/またはアルキレングリコール成分は、歯磨き剤の約5〜約80重量%、より典型的に約30〜約45重量%になる。
【0025】
[0025]本口腔用組成物は、無機若しくは天然若しくは合成増粘剤またはゲル化剤を、約1〜約10重量%、好ましくは約1〜約3重量%の比率でさらに含んでよい。本発明の実施において有用な適切な増粘剤またはゲル化剤は、無機増粘シリカ、例えばアイリッシュモス、イオタ−カラギーナン、トラガカントゴム、ポリビニルピロリドン、及びゼオデンド(登録商標)165(ZEODENT(登録商標) 165)という取り引き上の名称でヒューバー・コーポレーション、エジソン、ニュージャージー、アメリカ(Huber Corporation, Edison, New Jersey, United States of America)から入手可能なアモルファスシリカを含む。
【0026】
[0026]研磨剤の例えばシリカ、か焼したアルミナ、重炭酸ナトリウム、炭酸カルシウム、リン酸二カルシウム及びピロリン酸カルシウムを、本発明の実施において使用される口腔用組成物中に含めてよい。視覚的に透明な歯磨き剤組成物を、研磨剤の例えばコロイドシリカ、例えばヒューバー・コーポレーション、エジソン、ニュージャージー、アメリカから入手可能なゼオデンド(登録商標)115という取り引き上の名称で販売されているもの、またはアルカリ金属アルミノシリケート複合体(すなわち、マトリックス中で組み合わせたアルミナを含むシリカ)を使用することによって得る。こうした研磨剤は、望ましくは、歯磨き剤組成物において使用されるゲル化剤−液体(水及び/または湿潤剤を含む)系の屈折率に近い屈折率を有する。研磨剤は一般に、本口腔用組成物中に約10〜約50重量%の重量濃度で存在する。
【0027】
[0027]界面活性剤は、増大した予防作用を実現し、本組成物をより美容上許容されるようにするために、本発明の口腔用組成物において使用される。界面活性剤の適切な例は、高級脂肪酸モノグリセリドモノサルフェートの水溶性塩、例えば水素化ヤシ油脂肪酸のモノ硫酸化モノグリセリドのナトリウム塩、コカミドプロピルベタイン、高級アルキルサルフェートの例えばラウリル硫酸ナトリウム、アルキルアリールスルホネートの例えばドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム、高級アルキルスルホアセテート、ナトリウムラウリルスルホアセテート、1,2−ジヒドロキシプロパンスルホネートの高級脂肪酸エステル、及び低級脂肪族アミノカルボン酸化合物の実質的に飽和した高級脂肪族アシルアミド、例えば脂肪酸、アルキルまたはアシルラジカル中に12〜16個の炭素を有するもの、並びにその他同様なものを含む。こうしたものの例は、N−ラウロイルサルコシン、並びにN−ラウロイル、N−ミリストイル、またはN−パルミトイルサルコシンのナトリウム、カリウム、及びエタノールアミン塩である。陰イオン界面活性剤は典型的に、本発明の口腔用組成物中に約1〜約15重量%、好ましくは約5〜約10重量%の量で存在する。
【0028】
[0028]口腔用ケア組成物において使用するために周知のまたは開発される任意の他の添加剤を本組成物中に取り入れてよく、これは、う蝕予防薬、香味料、着色剤、他の活性剤、増白化合物、抗ターター(anti-tarter)化合物、抗鋭敏化化合物、ビタミン、ハーブ及び他の植物、抗炎症剤、抗酸化化合物、ホルモン、及び他のタンパク質またはペプチドを含む。
【0029】
[0029]本発明の口腔用組成物を製造するために、水、湿潤剤、例えばグリセリン、ソルビトールポリエチレングリコールを、混合物が均一なゲル相になるまで、従来のミキサー中に分散させる。ゲル相中に、研磨剤を加える。こうした成分を、均一な相が得られるまで混合する。その後、増粘剤、任意の香味料及び界面活性剤成分を加え、高速で約20〜100mmHgの真空まで成分を混合する。
【0030】
[0030]本発明を、以下の実施例によってさらに示すが、これによって限定するものではない。以下の実施例の変形例は、本発明の範囲から逸脱することなく可能である。
【実施例】
【0031】
実施例1〜5
[0031]様々なレベルの酸化亜鉛ナノ粒子を含む口腔用組成物を、下記の表Iに列記する成分を使用することによって作製した。各組成物は、同じ量の同じ成分を有するが、ただし酸化亜鉛ナノ粒子のレベルは0%〜2.0%の範囲である。
【表1】

【0032】
[0032]各実施例において、成分を、均一な混合物を形成するまで混合した。実施例1〜5の口腔用組成物を試験して、各々の抗歯垢活性を評価した。抗歯垢活性に関する口腔用組成物のインビトロ試験を、下記の表IIに示す。
【表2】

実施例6
【0033】
[0033]表IIIに示すように、膜へとキャスティングするべきスラリー配合物を、一般的な膜形成成分を使用することによって作製した。
【表3】

キャスティング及び乾燥の後に、生成した膜を切断して、1mm×1mmの寸法を有するほぼ正方形のフレークにし、標準的なゲル配合物練り歯磨き中に取り入れる。
【0034】
[0034]本発明を、具体的な例に関連して説明してきたが、本発明の範囲に含まれる様々な修正を本発明に行ってよいことは、当業者には明白であろう。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ビヒクル及び実質的に非凝集であるナノ粒子の形態の亜鉛イオン源を含む口腔用組成物。
【請求項2】
前記ナノ粒子の約90%を超えるものは非凝集である、請求項1に記載の口腔用組成物。
【請求項3】
前記ナノ粒子の約80%を超えるものは非凝集である、請求項1に記載の口腔用組成物。
【請求項4】
ナノ粒子の形態の前記亜鉛イオン源は、約1重量%未満の量で存在する、請求項1に記載の口腔用組成物。
【請求項5】
前記ナノ粒子のサイズは約1〜約250nmである、請求項4に記載の口腔用組成物。
【請求項6】
前記亜鉛イオン源は酸化亜鉛である、請求項1に記載の口腔用組成物。
【請求項7】
前記口腔用組成物は、1つ以上の治療剤をさらに含む、請求項1に記載の口腔用組成物。
【請求項8】
前記治療剤は、う蝕予防薬及び抗菌剤から選択される、請求項7に記載の口腔用組成物。
【請求項9】
前記治療剤は、トリクロサン、第一スズイオン、フッ化物、アルギニン塩、及びセチルピリニジウム塩、ホノキオール及びマグノロールからなる群から選択される、請求項8に記載の口腔用組成物。
【請求項10】
前記口腔用組成物は、研磨材、界面活性剤、香味剤、及び甘味料からなる群から選択される成分をさらに含む、請求項1に記載の口腔用組成物。
【請求項11】
実質的に非凝集であるナノ粒子の形態の亜鉛イオン源を含む膜。
【請求項12】
ナノ粒子の形態の前記亜鉛イオン源は、約25重量%未満の量で存在する、請求項11に記載の膜。
【請求項13】
前記ナノ粒子のサイズは約1〜約250nmである、請求項11に記載の膜。
【請求項14】
前記亜鉛イオン源は酸化亜鉛である、請求項11に記載の膜。
【請求項15】
前記口腔用組成物は、1つ以上の治療剤をさらに含む、請求項11に記載の膜。
【請求項16】
請求項11に記載の膜を含む歯磨き剤。
【請求項17】
口腔に許容されるビヒクル及び実質的に非凝集である約1重量%未満の酸化亜鉛ナノ粒子を含む口腔用ケア物品において、該口腔用ケア物品は、口腔洗浄剤、口腔用条片、練り歯磨き、液体増白剤、チューインガム、ビーズ、嚼み菓子、ロゼンジ及びスプレーからなる群から選択される、物品。
【請求項18】
前記ナノ粒子のサイズは約1〜約250nmである、請求項17に記載の口腔用ケア物品。
【請求項19】
有効な量の請求項1に記載の組成物を口腔に投与することを含む、ヒトまたは動物の健康を維持するかまたは促進する方法。
【請求項20】
前記組成物は、口腔洗浄剤、口腔用条片、練り歯磨き、液体増白剤、チューインガム、ビーズ、嚼み菓子、ロゼンジ及びスプレーからなる群から選択される形態である、請求項19に記載の方法。
【請求項21】
ビヒクル、
実質的に非凝集であるナノ粒子の形態の亜鉛イオン源、及びトリクロサンを含む口腔用組成物。

【図1】
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【公開番号】特開2012−162536(P2012−162536A)
【公開日】平成24年8月30日(2012.8.30)
【国際特許分類】
【外国語出願】
【出願番号】特願2012−59938(P2012−59938)
【出願日】平成24年3月16日(2012.3.16)
【分割の表示】特願2008−522940(P2008−522940)の分割
【原出願日】平成18年7月20日(2006.7.20)
【出願人】(590002611)コルゲート・パーモリブ・カンパニー (147)
【氏名又は名称原語表記】COLGATE−PALMOLIVE COMPANY
【Fターム(参考)】