説明

非塩化濃縮オールインワン酸性清浄剤およびその使用方法

非塩素濃縮酸清浄組成物およびその使用方法を提供する。詳細には、本酸清浄剤は所定量の脂肪族アルキル−1,3―ジアミノプロパンまたはその塩と、選択的にアルキルスルホン酸とを含有する。本清浄剤は、洗浄、消毒、およびスケール除去を行うオールインワン組成物の基材を構成し、汚染された表面、特に、牛乳汚物や他の食品汚物によって汚染された表面に用いる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は一般に、汚染された表面の洗浄、消毒、およびスケール除去に、濃縮使用溶液または希釈使用溶液として用いる濃縮清浄組成物、およびその使用方法に関する。詳細には、本発明に係る酸性清浄組成物は脂肪族アルキル−1,3−ジアミノプロパンまたはそれらの塩、および選択的に低アルキルスルホン酸とを含有する。
【背景技術】
【0002】
消費者に対して食品の安全性を確保するためには、食品調理表面の十分な洗浄が不可欠である。これは乳製品業界、食品飲料を含む食品調理および処理施設および、特に生乳取扱い分野では特に重要である。生乳は、汚染を防ぐために、牛から搾乳した後に直ちに冷却冷凍しなければならない。従って、生乳の流れを取り扱うパイプシステムは、搾乳工程の後、少なくとも2回洗浄し生乳による汚れを除去し、後続の搾乳工程で生乳の供給が汚染されないようにする必要がある。
【0003】
図1には、乳脂肪はアルキル トリグリセリドの広範な分布から形成されていることが示されている。「1」、「2」、または「3」と表示される鎖長は、不飽和炭素―炭素結合を各々1個、2個、または3個含む炭素鎖であることを表す。低級炭素鎖(例えばC8以下)は一般に水に可溶である。しかし、高級炭素鎖(例えばC10以上)は水に僅かに可溶であるか、または不溶である。従って、乳脂肪で汚れた表面を洗浄するには、低級炭素鎖脂肪は普通の温水を用いて除去することができるが、高級炭素鎖脂肪の除去には何らかの清浄剤を用いて促進する必要がある。
【0004】
乳脂肪の他、牛乳も各種の可溶性の鉱物(カルシウムなど)およびタンパク質(カゼイン、乳漿など)を含有する。乳タンパク質は温度が高いと変性し、表面に層状に粘着する傾向がある。変性乳タンパク質のこれらの層は除去が困難である。可溶性の鉱物は乳タンパク質と結合し、乳石として知られるスケールを形成する。乳石は一般に普通の水道水およびアルカリ系には不溶であり、これらのスケールを除去するには有機酸が用いられている。
【0005】
乳脂肪、乳タンパク質、および乳石を表面から除去しても、表面には残留微生物が存在することがある。したがって、微生物の個体数レベルを公共の衛生条例によって設定された安全レベル、または実用で許容と実証されたレベルまで低減するためには表面に何らかの消毒を施す必要がある。環境保護局(EPA)の規定によると、消毒された表面とは、最初の洗浄処理と、その後の消毒処理の両方の結果、所定の微生物の個体数が99.999%減少(5対数減少)することを意味する。製品が殺菌剤または防腐剤として欧州規格法EN1040に認定されるためには、その製品は、製品の推奨使用濃度において20℃で5分間の接触により、緑膿菌(ATCC15442、CIP103467)および黄色ブドウ球菌(ATCC6538、CIP483)の99.999%以上の減少(10減少)を実証しなければならない。同様に、製品が食品接触表面の消毒剤としてEN1276に認定されるためには、その製品は、模倣したクリーン条件(牛アルブミンが0.3g/L)またはダーティー条件(牛アルブミンが3g/L)下で、製品の推奨使用濃度において、20℃で5分間の接触により、緑膿菌(ATCC15442、CIP103467)、大腸菌(ATCC6538、CIP54127)、黄色ブドウ球菌(ATCC6538、CIP483)、および腸球菌(ATCC10541、CIP5855)の生菌数の99.999%以上の減少(10減少)を実証しなければならない。
【0006】
残留食品汚物の存在は、汚染層内に存在する微生物を殺生剤から隔離する物理的障壁として作用し消毒処理を妨げたり、直接的な化学相互作用により消毒処理を不活性化したりすることがある。全ての食品処理表面、特に、牛乳処理表面の衛生的環境を提供するための完全な洗浄プロセスには、3つの洗浄要素(洗浄、消毒、スケール除去)が含まれていなければならない。
【0007】
食品処理業界における洗浄技術では、従来から、実験的なアプローチがとられてきた。例えば、多くの乳製品工場が、汚染された装置表面に洗浄溶液を吹き付ける、クリーンインプレイス(CIP、定置洗浄)法を用いている。例えば、ぬるま湯(110〜120°F(43〜49℃))ですすぎ、次に160〜175°F(71〜79℃)の塩素アルカリ清浄剤を用いて高温洗浄し、最後にリン酸、硫酸、および硝酸を主とした組成物などの無機物ベースの組成物を用いて、低温酸性すすぎを行う。
【0008】
次亜塩素酸または塩素漂白剤は、酸化的開裂およびペプチド結合の加水分解によって、タンパク質の劣化に有効である。しかし、塩素清浄剤溶液を食品処理業界で用いることは問題がないわけではない。腐蝕が常に問題となる。これは腐蝕がポリマーのガスケット、ホース、器具などの劣化に繋がるからである。塩素濃度は初期は75ppm以上のレベルである必要があり、タンパク質膜の最適な除去には100ppm以上が好ましい(WO9947631参照)。塩素の濃度が50ppm未満の場合は、不溶性の粘着性のクロロプロテインの形成により、タンパク質汚物の堆積が更に悪化する(Journal of Dairy Science、53(2)、248−251、1970参照)。北欧諸国では、塩素洗浄製品以外の洗浄剤を用いて洗浄した装置で製造した牛乳に対して、その酪農家に割増価格が支払われる。
【0009】
更に、清浄溶液中の塩素濃度は、その維持や分析測定が簡単ではない。タンパク質汚物の除去に対する塩素の有効性は、溶液温度およびpHが低下するにつれて減退する。また、塩素は有機材料と反応し、クロロメタン、ジクロロメタン、トリクロロメタン、およびクロロエタンなどの発癌性クロロカーボンを生成することがある。
【0010】
この分野では、現実的で実質的な理由から、食品調製表面、特に搾乳システムの洗浄、消毒、およびスケール除去を可能にする非塩素、酸性清浄組成物が求められている。また、3つの洗浄プロセス(洗浄、消毒、スケール除去)すべてを単一工程の洗浄サイクルで行うことができる清浄組成物が求められている。
【発明の開示】
【0011】
本発明は上述の問題を解決し、1つの清浄剤を用いて単一工程で、洗浄、消毒、スケール除去が可能な「オールインワン」濃縮液体清浄組成物を提供する。本発明に係る組成物は、一般式R−NH−CHCHCHNH(式中Rは置換または非置換、直鎖または分岐鎖、および飽和または不飽和である酸のC4〜C22アルキル基)で表される脂肪族アルキル−1,3−ジアミノプロパンまたはそれらの塩を含有する。R基は、洗浄する汚物の脂肪族アルキル基分布に可能な限り密接に対応することが望ましい。脂肪族アルキル−1,3−ジアミノプロパンはココナツ、大豆、牛脂、またはオレオソースなどの自然源から抽出されることが好ましい。好ましいアルキル ジアミノプロパン塩としてはアルキル ジアミノプロパンに酢酸を添加することにより形成される酢酸塩が挙げられる。
【0012】
本発明の清浄剤は、単一組成物で、洗浄、消毒、およびスケール除去機能を提供する。清浄組成物の好ましい実施態様には、スケール除去作用および消毒作用を提供する無機および有機酸の混合物がある。無機および有機酸の例については後で詳述する。更に、清浄組成物の消毒効果を強化するために消毒剤を含有することが好ましい。界面活性剤、1つまたは複数の金属イオン封鎖剤、ビルダー、およびキレート剤などの1つまたは複数の追加成分を含むことも好ましい。清浄剤の洗浄性能を更に強化するために、所要量の低級アルキルスルホン酸(メタンスルホン酸など)を含むことも特に好ましい。
【0013】
本清浄濃縮物は、使用溶液を生成するために、水で希釈することができる。好ましくは濃縮物を重量比およそ1:10〜1:300、また更に好ましくはおよそ1:100〜1:250で希釈する。使用溶液としては、溶液の総体積当たりの濃縮物の体積が、およそ0.3〜1.0oz/galである溶液が例示される。濃縮清浄組成物のpHはおよそ4未満であり、好ましくはおよそ0.1〜4、更に好ましくは0.75〜3.5であり、最も好ましくはおよそ1.0〜2.5である。希釈使用溶液のpHは好ましくはおよそ0.1〜6.0であり、更に好ましくはおよそ2.0〜5.5である。
【0014】
ジアミノプロパン清浄剤は、酸で活性化するまたは酸に抵抗性のある酵素を含有して洗浄機能を付加してもよい。本発明と共に用いる酵素は、上述のpH範囲において活性レベルが高いものが好ましい。酸で活性化するまたは酸に抵抗性のある酵素としては、酸で活性化するまたは酸に抵抗性のあるタンパク質分解酵素、酸リポラーゼ酵素、リパーゼ酵素、酸に抵抗性があるアミラーゼ酵素、セルラーゼ酵素、酸ペルオキシダーゼ、およびそれらの組み合わせからなる群から選択される酵素が例示される。
【0015】
本発明の清浄剤はCIPシステムと共に用いることが可能なため、清浄剤の発泡は好ましくなく、最小限に抑える必要がある。発泡が問題とならない用途には、高発泡性の界面活性剤を用いてもよい。しかし清浄剤の調合物は、気泡が急速に消散する低発泡界面活性剤、または界面活性剤系を含有することが好ましい。後で詳述するが、2種類以上の界面活性剤を用いることによる相乗効果が認められている。複数の界面活性剤系を用いるある種の清浄剤は、その清浄剤の内各々1種類しか用いていない清浄剤に比較して発泡が著しく低下することがある。従って、本発明は、清浄組成物に脂肪族アルキル−1,3−ジアミノプロパンまたはそれらの塩を添加することにより酸性清浄剤の発泡を低減する方法を提供する。
【0016】
本発明に係る清浄剤は、食品処理工場や飲料工場の洗浄、また食品調製表面、特に、牛乳汚物で汚染された表面の洗浄に有用である。本発明に係る洗浄方法は一般に、上述の清浄濃縮物を表面に適用する工程を含む。清浄濃縮物は表面に適用する前に希釈して使用溶液を生成することが好ましい。清浄剤は、食品処理工場、飲料工場、特に牛乳取扱い系において、循環式洗浄システム(すなわち、CIPシステム)での使用に特に適している。
【好適実施態様の詳細な説明】
【0017】
以下の実施例では、本発明に係る好適清浄組成物およびその製造および使用方法を示す。なお、これらの実施例は例として示すものであり、発明の全体の範囲を限定するものではない。
【0018】
(洗浄手順)
以下の実施例の多くは本発明に係る酸清浄剤の洗浄評価に関するものである。試料の洗浄有効性は、市販のクロロアルカリ清浄剤と比較した。これらの洗浄テストでは、大きさが3”x6” x 0.0037”(7.6cm x 15.2cm x 0.0094cm)で、一端に1/4”(0.6cm)の穴を有する304ステンレススチール、プラスチック、またはガラスのパネルを最初に粉末クロロアルカリ清浄剤で洗浄し、水ですすぎ、キシレンで拭き、次にイソプロパノールで拭き、その後、炉乾燥(100〜110℃で10〜15分間)し、溶剤を完全に蒸発させた。剛性のワイヤハンガーをパネルの穴に取り付けることによって、パネルを炉内に吊るし、炉または炉内の他の品目に接触しないようにした。次に乾燥したパネルを炉から取り出し、20分以上冷却させた。次にパネルを汚物源に接触しないように丁寧に取扱い、各パネルの初期重量を0.1mg単位で記録した。
【0019】
濃縮牛乳を、等体積の脱イオン水とともに、1Lビーカーに空け、混合物を撹拌し、均質にした。パネルの穴のない側の端部をビーカーの底部に設定し、パネルの他の端部をビーカーの側面に立てかけて最大3個のパネルを牛乳中に載置した。パネルのおよそ7/8を牛乳に浸漬した。パネルを15分間牛乳中に静置し、その後空気中で5分間、水抜きをした。各パネルの側面を、事前に90〜100°F(32〜38℃)に加熱した400ppmの合成硬水50mlですすいだ。すすぎ水をパネルの各側面に注ぐ際は、パネルの汚染した区域のすべてに接触するように注意した。すすぎ水を各パネルから排水し、パネルを40℃の炉内に吊るし、乾燥した。次にそのパネルを炉から取り出し、15分以上冷却した。冷却後、パネルを秤量し、0.1mg単位で記録した。汚物の析出、すすぎ、乾燥、および秤量のサイクルを、各パネルに毎に合計5回、または汚物の重量が10〜15mgの範囲になるまで実施した。
【0020】
次に、本発明の清浄剤と比較製品とを用いて汚染パネルを1Lビーカー中で洗浄した。およそ800 mlの合成硬水(硬度23.5グレイン/gal、400ppm、AOAC法で調整)と、所定量の清浄剤をビーカーに載置した。すべての実験用の清浄剤およびすべての液体比較例は0.5重量(すなわち、5g/L濃度)で用いた。粉末クロロアルカリ清浄剤は0.2重量%(2g/L濃度)で用いた。特に他の記載のない場合は、洗浄溶液はホットプレートを用いて60℃まで加熱した。いくつかの洗浄サイクルでは、洗浄温度を60℃以下に下げること、および/または洗浄時間を8分未満に減らすことにより、応力洗浄条件を用いた。
【0021】
最初に、各テストパネルを、磁気撹拌棒で撹拌しながら清浄溶液に8分間浸漬した。洗浄後、各パネルを洗浄槽から取り出し、直ちに水道水で5秒間すすいだ。次に、パネルを40℃の炉中に、吊るし、15分間乾燥させた。パネルを炉から取り出し、空気中で30分間冷却し、その後、再び秤量した。洗浄サイクル後のパネルの重量を洗浄前の汚染時のパネルの重量と比較し、除去された汚物の割合を判断した。各洗浄実験は3回繰り返し、平均した結果を、除去された汚物の割合とした。
【0022】
(酸清浄剤調合物)
本発明の液体組成物は酸性であり、有機酸または無機酸、またはその両方を含有する。これらの酸は当業者に公知の任意の有機酸または無機酸であってよいが、強弱両方の有機酸(すなわち、クエン酸とメタンスルホン酸)、および強弱両方の無機酸(すなわち、硝酸、硫酸、およびリン酸)の混合物またはこれらの任意の組み合わせを用いることが好ましい。クエン酸および硫酸およびメタンスルホン酸の組み合わせの結果、洗浄有効性が驚異的に増加する。
【0023】
好ましい有機酸としては、弱酸のC1〜C4カルボン酸が含まれる。例示的弱カルボン酸には、酢酸、ヒドロキシ酢酸、プロピオン酸、ヒドロキシプロピオン酸、a−ケトプロピオン酸、クエン酸、酪酸、マンデル酸、吉草酸、コハク酸、酒石酸、リンゴ酸、シュウ酸、フマル酸、アジピン酸またはこれらの混合物が挙げられる。
【0024】
更に、本発明に係る清浄剤調合物に用いる好ましい有機酸としては、クエン酸、マレイン酸、ソルビン酸、安息香酸、コハク酸、グルタル酸、アジピン酸、グリコール酸および乳酸などのα−ヒドロキシ酸、エチレンジアミン四酢酸(EDTA)、ホスホン酸、オクチル ホスホン酸、アクリル酸、ポリアクリル酸、アスパラギン酸、ポリアスパラギン酸、p−ヒドロキシ安息香酸およびそれらの組み合わせが挙げられる。クエン酸が特に好ましい。
【0025】
本発明の清浄剤に適した、他の有機酸は下記の一般式で表されるイミノ酢酸である。
【0026】
【化1】

【0027】
式中、R は−(CHCOOH、H、アルキル、アルキルアリール、アリール、−(CHCOOH、−CH[(CHCOOH] および−CH(COOH)−(CHCOOH(nは1〜8)からなる群から選択され、R は−(CHCOOH、−CH[(CHCOOH]、−CH(COOH)−(CHCOOHおよび−(CHCOOH、−CH[(CHCOOH] および−CH(COOH)−CH COOH(nは1〜8)からなる群から選択される。これらの酸の混合物を用いてもよい。
【0028】
更に、他の好ましい有機酸は、一般式 R−SOHで表される酸である。式中、R はCi〜C16アルキル基である。
【0029】
好ましい無機酸としては、硫酸、硝酸、リン酸、スルファミン酸、塩酸、およびこれらの混合物などの鉱物酸が挙げられる。スルファミン酸およびリン酸は汚染された表面のスケール除去にも有効である。
【0030】
好ましくは、本発明の清浄組成物は、pHがおよそ0.1〜6、更に好ましくはおよそ0.15〜5、最も好ましくはおよそ0.2〜3である使用溶液を提供するに十分な濃度の、ヒドロトロープと相溶性の酸を含有する。「ヒドロトロープと相溶性の酸」とは、使用する酸が組成物に用いられるヒドロトロープと相溶性があり、ヒドロトロープまたは酸に対して有意な劣化や不安定性を引き起こさないという意味である。ヒドロトロープと相溶性の酸としてはクエン酸、リン酸、メタスルホン酸、およびスルファミン酸が例示される。リン酸は、清浄剤とともに用いられることがある非イオン界面活性剤を可溶化する親水性も提供するので、特に有用である。リン酸およびスルファミン酸は、また乳石を分解するので、乳製品パイプラインで用いるには特に有用である。
【0031】
本発明に係る好ましい組成物はおよそ1〜80重量%、より好ましくはおよそ5〜70重量%、更により好ましくはおよそ10〜60重量%、および最も好ましくはおよそ15〜50重量%の酸(有機酸、無機酸、またはその両方の混合物)を含有する。特に記載しない限り、ここで示すパーセンテージはすべて組成物全体の重量に対するものである。
【0032】
表1に示す実験では、酸性条件がスケール除去についての前提条件であるので、数種類の酸性清浄剤調合物(pH値が3未満)を最初に、洗浄有効性についてテストした。これらの組成物が示した牛乳汚物の洗浄は中程度であったが、比較例のクロロアルカリ清浄剤は、どの回も、酸性調合物より良い結果を示した。
【0033】
【表1】

【0034】
(酸活性および酸抵抗性酵素)
酸清浄剤の結果を考慮し、次に同様の調合物を、酸活性または酸抵抗性酵素を用いて、酸組成物の洗浄性能が向上するかどうかをテストした。酵素は、洗浄清浄剤に用いるにあたり、多くの利点を示す。特に、低温における洗浄機能を提供し、ステンレススチール装置に対して腐蝕性がなく、硬水で比較的安定性があり、生物分解性能を有する。酵素は、化学的選択性が高く、システムが使用するpHおよび温度を酵素のそれらと合致させることができれば、非常に効率的になり、最大限に活性する。したがって、本発明に関しては、牛乳汚物に対して有効であり、消毒およびスケール除去に用いる有機酸および無機酸において安定性の高い酸活性または酸抵抗性タンパク質分解酵素を特定することが重要である。
【0035】
本発明の清浄剤と共に用いるのに適した酸タンパク質分解酵素としては、カビ タンパク質分解酵素AFP 2000(Genencor社製 アスペルギルス ニゲルの選択した菌株から抽出したもの)が例示される。AFP 2000 タンパク質分解酵素の活性は、およそ2000 SAPU/g (Spectrometric Acid Protease Unit per gram、グラム当たりの分光光度による酸タンパク質分解酵素)である。1 SAPUは、アッセイ条件下で、1分間に1μモルのチロシンを遊離する。この酸酵素は、およそ43 kDaのモル重量を有し、またアミラーゼ、ヘミセルラーゼおよびペクチナーゼの副活性を含む。AFP2000タンパク質分解酵素のpH活性範囲はおよそ2.5から6.0であり、最適性能は、およそpH3.0で得られる。AFP2000タンパク質分解酵素は温度範囲およそ45〜55℃(113〜131°F)において有効であり、最適性能はおよそ48℃(118°F)で得られる。
【0036】
酸タンパク質分解酵素としては他に、低pH条件下でのタンパク質を加水分解性能を特徴とする酸タンパク質分解酵素である、Genencor社のGC106が挙げられる。GC106は、アスペルギルス ニゲルの選択した菌株の管理発酵から得る。GC106タンパク質分解酵素の活性量はおよそ1000SAPU/gである。GC106タンパク質分解酵素のpH活性範囲はおよそ2.5から6.0であり、最適性能はおよそ、pH2.5〜3.5で得られる。GC106タンパク質分解酵素の最も有効な温度はおよそ55℃(131°F)以下であり、最適性能は45〜50℃(113〜122°F)で得られる。
【0037】
Validase AFP(Valley Research社、インディアナ州、サウスベンド)は、アスペルギルス ニゲルの選択した菌株の管理発酵から抽出した食品品質の酸安定タンパク質分解酵素である。この製品は、酸性環境中でタンパク質を加水分解する機能を特徴とする。Validase AFP2000(粉末状)の活性量は2000SAPU/gであり、Validase AFP1000 (液状)の活性量は1000SAPU/gである。Validase AFPのpH活性範囲はおよそpH2.5〜6.0であり、最適な範囲はおよそpH2.5〜3.5である。Validase AFPは温度およそ55℃以下で有効であり、最適な温度はおよそ45〜50℃である。
【0038】
更に、他の好ましい酸抵抗性タンパク質分解酵素としては、アスペルギルス オリゼ(Aspergillus oryzae)の管理発酵によって製造されたカビ タンパク質分解酵素(Solvay Enzymes社製造)があり、その活性量はおよそ20,000〜およそ750,000HUT/gである。HUT活性量は、Novo Nordisk A/S(デンマーク)によって公開されたAF92/2法にしたがって測定される。1HUTは、275nmの吸光度が0.006 N HCl中にチロシン1.10μg/mlを添加した溶液(吸光度=0.0084)と等しい変性ヘモグロビンを40℃およびpH4.7で、30分間以上、消化することにより、加水分解物を生成する酵素の量である。所定の条件で、0.5 M の緩衝酢酸溶液中で、変性ヘモグロビン基材を酵素により消化する。消化しないヘモグロビンはトリクロロ酢酸により析出し、上澄みの加水分解物の吸光度を275nmにおいて測定する。
【0039】
本発明の組成物に好ましいタンパク質分解酵素の投与量はおよそ200〜4,000HUT/L、より好ましくは、およそ500〜3,000HUT/L、更に好ましくは650〜2,000HUT/Lである。
【0040】
酸リポラーゼ、またはリパーゼを酸タンパク質分解酵素と組み合わせて用いてもよい。Validase Fungal Lipase 8000(Valley Research社製)は、Rhizopus orzaye(ATCC 1996)の選択されたステインから抽出した精製食品用リパーゼ粉末であり、トリグリセリドを加水分解する機能を特徴とする。 Validase Fungal Lipase 8000の活性量は8000 LU/gであり、およそ50℃以下で有効であり、およそ40℃が最適である。 Validase Fungal Lipase 8000は、およそ2.0〜10.0という広いpH範囲で非常に安定しており、pHおよそ6.5が最適である。
【0041】
他に、本発明に用いる他の好ましいリパーゼとしては、yeast Candida rugosa由来のイーストリパーゼ(Bio−Cat社、バージニア州、トロイ)がある。この酵素は食品用、非特定リパーゼであり、通常脂質改良に用いられる。イーストリパーゼは標準化され、その活性度はおよそ200,000FIP/g、またpHがおよそ4〜8、温度がおよそ20〜60℃と広い活性範囲を持つ。酵素の活性の1単位は 所定のアッセイ条件下で、毎分、1μモルのオリーブ油由来の脂肪酸を遊離する標準リパーゼ調製物(Fungi Lipase−国際FIP標準)の量であると定義される。特定の活性量は、酵素調製物の1mg当たりの国際FIP単位で表される。
【0042】
本発明の調合物に酸に抵抗性のあるアミラーゼ酵素を用いることもできる。これらの酵素は、例えばSolvay Enzymes社のTenase−1200、Tenase L−1200、およびTenase L−340などの、活性度およそ300,000〜1,500,000MWU/gのバシラス アミロ液化剤のα―アミラーゼを含有する。
【0043】
本発明の酸清浄剤に好適な他の酸抵抗性酵素としては、Fungamyl amylase、Novocor AD lipase、およびCelluzyme、 Carezyme、Cellucast、Guardzyme peroxidaseなどのセルラーゼ酵素がある。これらのすべてNovo Nordisk A/S社(デンマーク)から入手可能である。
【0044】
清浄組成物はおよそ20重量%以下、好ましくはおよそ0.5〜10重量%、より好ましくは1〜8%の酵素を含有することができる。好ましい酵素は酸タンパク質分解酵素、酸リパーゼ、酸アミラーゼ、酸ペルオキシターゼおよびそれらの組み合わせから選択される。
【0045】
表2〜2cに本発明に係る酵素性酸清浄剤の例を示す。表1の単純な酸性清浄剤と比較すると、多くの組成物の洗浄力が大幅に向上した。
【0046】
【表2】

【0047】
【表3】


【0048】
【表4】

【0049】
【表5】

【0050】
(C12〜C20脂肪族アルキル−1,3−ジアミノプロパン調合物)
脂肪族アルキル−1,3−ジアミノプロパンは、アルキル−1,3−プロピレンジアミン、アルキル−1,3−プロピレンジアミン、およびアルキル−1,3−トリメチレンジアミンとしても知られ、一般に下記式で表される。
R−NH−CHCHCHNH
式中、RはC4〜C22脂肪族アルキルラジカル基、およびより好ましくはC8〜C18脂肪族アルキルラジカル基である。
【0051】
以下の実験で示されるように、所定量の脂肪族アルキル−1,3−ジアミノプロパンを清浄調合物に追加することにより、牛乳汚物の洗浄性能、特にタンパク質フィルムの除去における洗浄性能が大幅に改良されることが発見された。更に、ジアミノプロパン組成物のアルキル炭素鎖分布と、牛乳汚物洗浄有効性との間の関係が発見された。表3には、各種のジアミノプロパン組成物のアルキル炭素鎖分布と、乳脂肪のアルキル炭素鎖分布との比較が示されている。図2に、いくつか選択したジアミノプロパン組成物について、この比較が図示されている。ジアミノプロパン組成物のアルキル炭素鎖分布が、乳脂肪のアルキル炭素鎖分布に近ければ近いほど牛乳汚物の洗浄において効果が高いことが発見された。したがって、最も好ましいアルキル−1,3−ジアミノプロパンは、乳脂肪のアルキル炭素鎖分布に近いアルキル炭素鎖分布を持つものである。
【0052】
【表6】

【0053】
乳脂肪と乳タンパク質中のアルキル基の炭素鎖分布は、C4からC18の範囲で、3大成分はC14(9%)、C16(26%)、およびC18(45%)である。図2に示すように、牛乳汚物のアルキル基の炭素鎖分布を各種のジアミノプロパン組成物に重ねると、ココナツグループは牛乳分布の外に外れるが、脂肪族アルキル−1,3−ジアミノプロパンのオレオ、大豆、および牛脂の各品種は非常に良く合致する。この炭素鎖分布のマッチングの類似度に基づき、これらマッチングした1,3−ジアミノプロパン材料物は乳脂肪およびタンパク質汚物の洗浄に非常に有効であることが予測できた。実験室の洗浄データはこの理論上の予測を立証した。ココナツ由来の1,3−ジアミノプロパンおよびそれに対応する酢酸塩の性能は許容範囲ではあったが、大豆、オレオ、および牛脂に由来する1,3−ジアミノプロパンおよびそれらの酢酸塩は、清浄剤の洗浄能力を更に強化することを示した。
【0054】
追加した量が比較的少ない場合でさえも、清浄剤は、40℃の低温におけるクロロアルカリ清浄剤を上回るほどの優れた洗浄力を示した。好ましくは、酸性清浄組成物中に存在するアルキル1,3−ジアミノプロパンはおよそ0.01〜15重量%、アルキル1,3−ジアミノプロパン、より好ましくはおよそ0.075〜10重量%、さらにより好ましくはおよそ0.10〜8%重量%であり、最も好ましくはおよそ0.15〜6重量%の範囲である。
【0055】
脂肪族アルキル1,3−ジアミノプロパンはアミンとして用いることができ、また、ギ酸、酢酸、またはその他の有機酸などの低アルカリ炭素酸との反応によりジアミン塩に変換することができる。脂肪族アルキル―1,3−プロピレンジアミン(単独または組み合わせ)のモノおよび二酢酸塩が特に好ましい。モノおよび二酢酸塩は、他の内容物を添加する前に、アミンをコントロール量の酢酸と混合することによって、その場で調製する。
【0056】
好ましいジアミノプロパン組成物は、商品名DUOMEENとしてAkzo Nobel社から入手可能である。DUOMEENファミリーには、DuomeenC (ココナツ アルキル)、DuomeenCD(蒸留ココナツ アルキル)、Duomeen S(大豆アルキル)、Duomeen SV (植物由来大豆アルキル)、Duomeen O (オレオ アルキル), Duomeen OL (オレオ アルキル)、Duomeen T (牛脂アルキル)がある。これらの組成物も、酢酸と反応して生成される被中和製品である、Duomac T(牛脂アルキル二酢酸塩)およびArmohib B−101など、二酢酸塩として用いることができる。その他のジアミノプロパン組成物としては、Clariant社の、商品名GENAMINが市販されており、Genamin OLP 100 (オレイル プロピレンジアミン)、Genamin TAP 100 (牛脂 アルキル プロピレンジアミン)、Genamin TAP 100 D(牛脂 アルキル プロピレンジアミン、蒸留)、Genamin LAP 100 (ラウリル プロピレンジアミン)がある。更に他のジアミノプロパン組成物にはCorsicana Techlonogies社から、製品名CORSAMINEで市販されている、Corsamine DC (ココナツ アルキル)、Corsamine DO (オレイル アルキル)、およびCorsamine DT (牛脂 アルキル)などがある。
【0057】
表4は、酸性酵素および脂肪族アルキル ジアミノプロパン組成物の両方を含有する清浄調合物の洗浄効果を示す。データが示すように、これらの組成物は、牛乳汚染物の洗浄には、高い有効性を示した。
【0058】
【表7】

【0059】
(界面活性剤)
界面活性剤は、清浄剤の重要な成分であり、例えば、湿潤、界面張力の低減、および洗浄補助などの重要で有益な特性を清浄剤に付加する。しかし、多くの界面活性剤は撹拌されると発泡する傾向がある。CIPシステムでは、洗浄時間を可能な限り短くしたいので、過度の発泡、または長時間の発泡は非常に望ましくない。CIPシステムは、特に、洗浄用清浄剤の撹拌およびスラッグ動作により、泡立ちやすい。また、タンパク質汚物は一般に発泡しやすい。従って、これらのシステムでは発泡性のない、または発泡性の非常に低い界面活性剤を選ぶことが重要である。
【0060】
本発明の清浄組成物と共に用いられる好ましい界面活性剤には、陰イオン、非イオン、陽イオン、両性、両性イオン系、およびそれらの混合物があり、高い酸性条件下、また酸素漂白、特に過酸化漂白およびペルオキシ酸漂白などの酸化剤の存在中でも安定している。特に好ましい水溶性有機陰イオン界面活性剤には、アミン オキシド、ホスフィン オキシド、スルホキシド、スルホネート、スルフェート、およびベタイン界面活性剤がある。特別に好ましい陰イオン界面活性剤の分類は、直鎖または分岐鎖アルカリ金属モノ−および/またはジ−(C8〜C14)アルカリ ジフェニル オキシド モノ−および/またはジスルホネート(商品名DOWFAXで、Dow Chemical社から入手可能)である。他の陰イオン界面活性剤には、第一級アルキル スルフェート、アルキル スルホネート、アリールアルキルスルホネートおよび第二級アルキルスルホネートがある。他の陰イオン界面活性剤としては、ナトリウム ドデシルスルホネートなどのナトリウム(C10〜C18)アルキルスルホネート、ナトリウム ヘキサデシル−1−スルホネートなどのナトリウム アルキルスルホネート、およびナトリウム ドデシルベンゼンスルホネートなどのナトリウム(C12〜C18)アルキルベンゼンスルホネートが例示される。これらに対応するカリウム塩も用いることができる。
【0061】
非イオン界面活性剤は清浄剤の界面張力を低減し、被洗浄表面の湿潤を向上し、本発明の清浄剤における汚物を可溶化する傾向がある。好ましい非イオン界面活性剤には、キャップド、またはアンキャップドポリ低級アルコキシル化高級アルコール、またはそのエーテル誘導体があり、アルコール、またはエーテルは9〜18炭素原子を有し、低級アルキレン オキシド(2または3炭素原子)のモル数は3〜12である。
【0062】
本発明と共に用いるのに適したアルキル アルコキシル化アルコール、またはエーテルとしては、水溶性、または分散性非イオン界面活性剤である、BASF社の商品名PLURAFAC(脂肪アルコール アルコキシレート)、およびLUTENOL(脂肪アルコール エトキシレート)が例示される。これらの界面活性剤は一般に、高級直鎖アルコールと、酸化プロピレンおよび酸化エチレンの混合物との反応物を含有する。例えば、1つの例では、6モルの酸化エチレンおよび3モルの酸化プロピレンで擬縮された(C13〜C15)脂肪アルコールと、7モルの酸化プロピレンおよび4モルの酸化エチレンで擬縮された(C13〜C15)脂肪アルコールを含有する。
【0063】
好ましいPLURAFAC界面活性剤としては、Plurafac LF−303 (ポリグリコール エーテル)、Plurafac LF−305(C8〜C14アルキル鎖)、Plurafac S−305LF、Plurafac SLF−18B (C6〜C10エトキシル化直鎖アルコール)、Plurafac SLF−18B45、Plurafac LF−4030がある。他の例示的な非イオン界面活性剤には、Shell Chemical社の、商品名NEODOLがある。これらの界面活性剤は、およそ12〜15に平均した炭素原子を持つ高級脂肪アルコールの混合物と、およそ6〜7モルの酸化エチレンとの縮合物である。更に、他の非イオン界面活性剤としては、Union Carbide社の商品名TERGITOLおよびTRITON、およびBASF社の商品名POLY−TERGENTである、低発泡性、生物分解可能な、アルコキシル化直鎖脂肪アルコールが例示される。
【0064】
本発明で用いることができる他の界面活性剤としては、およそ8〜20の炭素原子を含有する疎水性群を有するアルキル多糖界面活性剤が例示される。好ましくは、これらの界面活性剤はおよそ10〜16の炭素原子(最も好ましくはおよそ12〜14)を含有し、およそ1.5〜10の糖類単位(すなわち、フルクトシル、グルコシル、およびガラクトシル単位、およびそれらの混合物)を含有する。本発明と共に用いるアルキル多糖界面活性剤には、アルキルポリグルコシド界面活性剤(Henkel社、商品名APG)がある。これらのAPG界面活性剤は、一般式(C2n+1)O(C10Hで表されることを特徴とする。
【0065】
本発明と共に用いる陽イオン界面活性剤には、本発明の清浄剤中に溶解すると、正の電荷を帯びるアミノ、または第四級アンモニウム親水性モイエティを含有する界面活性剤がある。好ましい第四級アンモニウム界面活性剤は、塩化ジアルキルジメチルアンモニウム、および塩化トリアルキルメチルアンモニウムを含む第四級アンモニウム塩である。この場合、アルキル基はおよそ10〜22の炭素原子を含有し、水素添加牛脂脂肪酸、ココナツ脂肪酸、オレオ脂肪酸、大豆脂肪酸などの長鎖脂肪酸から由来する。他の第四級アンモニウム塩には、塩化ジタロウジメチルアンモニウム、および塩化ジタロウメチルアンモニウムが例示される。第一級、第二級、および第三級脂肪アミンの塩は本発明の清浄剤において陽イオン界面活性剤として用いることができる。好ましくは、これらのアミンのアルキル基はおよそ10〜22の炭素原子を含有し、置換または非置換である。第二級および第三級アミンは特に好ましく、第三級アミンが最も好ましい。例示的なアミンには、ステアルアミドプロピルジメチル アミン、ジエチルアミノエチル ステアルアミド、ジメチル ステアラミン、ミリスチル アミン、およびエトキシル化ステアリルアミンがある。好ましくは、アミン塩は、ハロゲン、アセテート、ホスフェート、ニトレート、シトレート、ラクテート、およびアルキル スルフェート アミン塩からなる群から選択される。
【0066】
本発明とともに用いる両性界面活性剤には、一般に、脂肪族第二級および第三級アミンの誘導体と呼ばれる界面活性剤がある。これらの界面活性剤では、脂肪族ラジカルが直鎖または分岐鎖であり、脂肪族ラジカルの1つはおよそ6〜18炭素原子を含有し、また他の脂肪族ラジカルは、カルボン酸塩、スルホン酸塩、硫酸塩、ホスフェート、またはホスホネートなどの陰イオン性親水性基を含有する。他の両性界面活性剤としては、ナトリウム3−デシルアミノプロピオン酸,ナトリウム 3−デシルアミノプロパンスルホネート、ナトリウム ラウリル サルコシネート、およびドデシルアミンおよびナトリウム イセチオネートから生成されるN−アルキルタウリンが例示される。
【0067】
本発明と共に用いる両性イオン性界面活性剤には、脂肪族第四級アンモニウム、ホスホニウムおよびスルホニウム化合物から生成される界面活性剤がある。これらの界面活性剤中の脂肪族ラジカルは直鎖または分岐鎖であり、脂肪族基の少なくとも1つはおよそ8〜18の炭素原子を含有し、またカルボン酸塩、スルホン酸塩、硫酸塩、ホスフェート、またはホスホネートから選択される1つの陰イオン性基を含有する。
【0068】
好ましくは、本発明に係る組成物はおよそ0〜15重量%、より好ましくは、およそ0.10〜15重量%、更に好ましくはおよそ0.50〜10重量%、更により好ましくはおよそ1.0〜8重量%、最も好ましくは、およそ2〜6重量%の界面活性剤を含有する。本発明の清浄組成物では、2つ、またはそれ以上の界面活性剤の混合物を用いてもよく、また以下に記載するように、そのような複数の界面活性剤系が好ましい。
【0069】
表5に各種の好適な界面活性剤を含むジアミノプロパン清浄剤調合物のいくつかを示す。
【0070】
【表8】

【0071】
(清浄剤発泡性テスト(乳製品パイプライン―CIP洗浄システム))
迅速な洗浄およびすすぎサイクルが重要となるシステム、特に洗浄サイクルがおよそ6〜8分のCIPシステムでは、清浄剤の発泡性が問題となる。清浄剤の調合物に関連する発泡性を最適化する(すなわち、発泡のレベルを可能な限り低減する)ために、一連の実験を実施した。
【0072】
発泡性実験は動的環境において、較正した500ccの縦長ガス洗浄ボトルに、フリットガラスのガス分散管およびキャップ(Corning 31770 F−34 Series)、F&P Precision Bore Flowrator Tube(精密孔流量計測用の管) #01−150/S−51801、およびGE モデル 5KH32EG115X 空気ポンプを用いて実施した。自在管を空気ポンプの出口から流量計の管を介してフリットガラスのガス分散管の入口の中に連結した。清浄剤溶液を準備し、100mLを、較正したガス洗浄ボトルに注ぎ、完全にキャップをした。空気ポンプを流速2.0L/minに設定し、15秒間作動した。初期の純発泡の体積(全体の体積マイナス液体の体積)を記録した。泡が完全になくなるまで、測定値を定期的に記録した。
【0073】
テストは、400 ppmの硬水(HD)と脱イオン水(DIW)両方を用いて行った。最初に、各種の1剤系および2剤系の界面活性剤系をテストした。これらの結果を表6〜8に示す。表中、DNMCは、動的発泡高さ測定においてmLで測定される動的発泡高さの略である。
【0074】
【表9】



【0075】
【表10】

【0076】
【表11】

【0077】
上述の結果に基づき、2剤系界面活性剤系を用いるいくつかの清浄剤調合物については、2つの界面活性剤成分のいずれも、それぞれの単独界面活性剤系に比べて発泡が少ないことが注目された。この原理をテストして、2種類の非イオン界面活性剤を用いることによって相乗的な脱泡効果が得られたことを発見した。これは驚くべきことであり、また予期しないことであった。
【0078】
図3および4は、例示的な2剤系界面活性剤系を図示したものであり、発泡の消滅にかかる全体の時間が短縮されるだけでなく、初期の泡消滅が迅速に起こることを示している。図3は3つの例示的な清浄剤調合物を示す。1つは、4%のPlurafac LF−303を含有し、もう1つは4%のPlurafac S305 LFを含有し、またもう1つは、その両方を2%含有する。硬水中に0.5%の濃度の清浄剤を用いて、温度40℃で行った動的発泡テストでは、2剤系界面活性剤系を用いて低減した発泡時間は、1剤系界面活性剤清浄剤のいずれの場合と比較してもほぼ半分であった。図4に示す実験は、図3とほぼ同じであるが、Plurafac S305−LFの代わりにTergitol MDS−42を用いた。この実験では、2剤系界面活性剤系の発泡低減時間は1剤系界面活性剤の清浄剤に比べて、2分の1以上削減した。したがって、酸洗浄剤において2種類の界面活性剤の混合物を用いると発泡を低減する相乗効果が得られる。
【0079】
表9〜10は、本発明に係る好ましい2剤系界面活性剤系清浄剤のいくつかを示す。
【0080】
また、表10に記載したいくつかの調合物は低級アルカンスルホン酸メタンスルホン酸、CHSOHを含有する。メタンスルホン酸は、強有機酸(pKa=−1.9)であり、様々な重金属を溶媒和にする性能が非常に高い。メタンスルホン酸を清浄剤調合物に添加することにより、清浄剤の洗浄性能、特にタンパク質フィルムの除去性能を大幅に向上することが発見された。メタンスルホン酸およびその金属塩は水溶性が高く、他の強無機酸に比較して腐蝕性が低い。メタンスルホン酸は、生物分解性であり、再利用可能である。メタンスルホン酸は一般に、フルオロホウ酸、およびフルオロケイ酸と比較して毒性が低い。
【0081】
水性溶液中のメタンスルホン酸は金属塩および表面活性剤の溶融化を補助し、有機化合物を酸化する傾向が低い。
【0082】
本発明の清浄剤調合物に、他の低級アルキル(C〜C16)炭素鎖スルホン酸を用いてもよい。メタンスルホン酸以外の他の好ましい低級アルキルスルホン酸には、エタンスルホン酸、プロパンスルホン酸、およびブタンスルホン酸がある。
【0083】
本発明に係る酸清浄組成物は、好ましくはおよそ0〜40重量%、より好ましくはおよそ1〜30重量%、更により好ましくはおよそ2〜25重量%、最も好ましくはおよそ5〜20重量%の低級アルキルスルホン酸を含有する。
【0084】
【表12】

【0085】
【表13】

【0086】
【表14】


【0087】
(抗菌実験)
上述のように、本発明に係る調合物は、オールインワン清浄剤として、抗菌機能を有することが好ましい。食品処理業界では、特に、乳製品業界では、乳製品を汚染する可能性のあるグラム陽性およびグラム陰性バクテリア(例えば、緑膿菌、大腸菌、黄色ブドウ球菌、腸球菌)などの潜在的に有害な微生物種の堆積を防止するために、食品処理装置を消毒することが重要である。
【0088】
抗菌有機酸は、本発明とともに用いるのに好ましい消毒剤である。抗菌有機酸としては、ドデシルベンゼンスルホン酸、ナプタレンスルホン酸、安息香酸、および短鎖脂肪酸(オクタン酸、デカン酸、ノナン酸など)、スルホン化オレイン酸、サリチル酸、およびα−ヒドロキシ酸(乳酸およびグリコール酸など)が例示される。「短鎖脂肪酸」は、ここでは、一般におよそ4〜15炭素原子、好ましくはおよそ6〜12炭素原子、より好ましくはおよそ8〜10炭素原子を有する酸を意味する。各種の好適な実施態様では、C8〜C9脂肪酸とC10〜C12脂肪酸をブレンドしたものが用いられる。他の例示的な短鎖脂肪酸にはオクタン酸(カプリル酸、C8アルキルラジカル)、デカン酸(カプリン酸、C10アルキルラジカル)、およびそれらのブレンド物がある。特に好ましいカプリン酸とカプリル酸のブレンドは、58/40ブレンドであり、またCognis Oleochemical社が商品名EMERY 658として製造しているヘキサン酸を少量含有する。
【0089】
本発明と共に、クロロフェノール(例えば、p−choro−m−キシレノール(PCMX)および2、4、4−トリクロロ−2−ヒドキシジフェニル エーテル (トリクロサン))、およびクロロヘキシジンのような従来の抗菌剤を用いることができる。本発明の清浄剤と共に用いる好ましい殺菌剤には、非中毒性生物分解性一価アルコール、選択された多価アルコール、芳香族および脂肪族アルコールがある。好ましい一価アルコールは、イソプロピル、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、n−ブチル、イソブチル、t−ブチル、ベンジル、およびアリルアルコール、およびそれらの混合物からなる群から選択される。好ましい多価アルコールは、プロピレン グリコール、1,3−プロパンジオール、1,2−ブタンジオール、ポリエチレン グリコール 400、グリセリン、および1、4−ブタンジオールおよびそれらの混合物からなる群から選択される。
【0090】
酸素漂白剤などの非塩素漂白剤を、抗菌剤として用いることができる。好ましい酸素漂白剤には、過酸化水素、過酢酸のような活性化過酸化水素、テラアセチルエチレンジアミン(TAED)活性体を持つ活性化過ホウ酸ナトリウム、アルカリ金属過硫酸塩、およびアルカリ金属過炭酸塩などの有機および無機過酸素漂白剤および過酸がある。「過酸化化合物」は、ここでは−O−O−構造を含む化学式を持つ任意の化合物を示す。本発明と共に用いる好ましい過酸素酸は、一般式、R−COOOHで表され、RはC1〜C18の置換または非置換、飽和または不飽和、直鎖、分岐鎖、または環状脂肪族アルキル、または芳香族モイエティである。R置換基は、組成物の抗菌性能が著しく影響されない限り、-OH、−COOH、またはヘテロ原子(−O−、−S−など)モイエティを含む。特に好ましい過酸素酸化合物は、ペルオキシ脂肪族酸、モノペルオキシまたはジペルオキシジカルボン酸、ペルオキシ芳香族酸、過酢酸、および過安息香酸からなる群から選択される。一般に、これらの種類の消毒剤は、洗浄温度が高い時に抗菌機能が最大になる。
【0091】
ブロノポール(2−ブロモ−2−ニトロ−1,3−プロパンジオール)は、下記の構造を有し、水溶性、広域スペクトル性、抗菌防腐剤であり、緑膿菌に特に有効である。
【0092】
【化2】

【0093】
ブロノポールは、中性およびアルカリpH条件下でホルムアルデヒドおよび臭素化合物を分解するホルムアルデヒド分離剤である。
【0094】
他の好ましい抗菌化合物には、ビグアニド製品、特にポリ(ヘキサメチレン ビグアニド)塩酸塩(PHMB)、クロロヘキシジン ジアセテート(CHA)およびクロロヘキシジン ジグルコネート(CHG)がある。これらの化合物は、非常に有効な広域スペクトル殺菌剤であり、商品名VENTOCILとしてAvecia社から入手可能である。PHMBおよびCHGの一般化学構造を次に示す。
【0095】
【化3】

【0096】
式中、navg=12。
ポリ(ヘキサメチレン ビグアニド)塩酸塩(PHMB)
【0097】
【化4】

【0098】
クロロヘキシジン ジグルコネート(CHG)
【0099】
本発明に係る抗菌剤として用いる、特に好ましいビアグニド調合物には、pHがおよそ4.0〜5.0のPHMBをおよそ20重量%含有する陽イオン調合物、およびpHがおよそ5.5〜7.0のCHGをおよそ20重量%含有する調合物がある。
【0100】
塩化ナトリウム(NaCl)、重炭酸ナトリウム(NaHCO)、硝酸ナトリウム(NaNO)、亜硝酸ナトリウム(NaNO)、亜硫酸水素ナトリウム(NaHSO)、亜硫酸ナトリウム(NaSO)、硫酸水素ナトリウム(NaHSO)などの無機塩を、単独で、または他の抗菌剤と組み合わせて、抗菌剤として用いることができる。
【0101】
組成物にキレート剤を添加して、殺菌機能および洗浄性能を高めることができる。例示的なキレート剤には、エチレンジアミン四酢酸(EDTA)、ナトリウム エチレンジアミンテトラアセテート塩(Na−EDTA)、ホスホン酸、オクチル ホスホン酸、 アクリル酸、ポリアクリル酸、アスパラギン酸、サリチル酸、コハク酸、酒石酸、アスコルビン酸、安息香酸、ナトリウム ベンゾエート、p−ヒドロキシ安息香酸、および対応するエステル誘導体(パラバン酸)がある。
【0102】
グルタルアルデヒド(Ucarcide)および第四級アンモニウム化合物などの従来の防腐剤を用いることによって抗菌有効性を強化することができる。
【0103】
ここに記載する本発明の清浄組成物は、好ましくは、およそ20重量%以下、より好ましくは、およそ0.5〜10重量%、更により好ましくはおよそ1〜8重量%、最も好ましくはおよそ1.5〜6重量%の抗菌剤を含有する。
【0104】
表11は、本発明に係る2種類の組成物を記載したものであり、一方は、抗菌剤(カプリン/カプリル酸とプロピレングリコールの混合物)を含有する組成物であり、他方は含有しない組成物である。各種の洗浄温度と、濃度において、それぞれの牛乳汚物洗浄有効性を比較した。両方とも、洗浄温度が高い場合は、優れた洗浄結果を示した。
【0105】
【表15】

【0106】
(殺菌有効性テスト)
以下の実施例では、本発明に係り製造されたいくつかの清浄剤調合物の殺菌有効性を、Basic Bactericidal Activity−European Standard(基礎殺菌活性―欧州規格)EN1040および、Bactericidal Activity of Chemical Disinfectants and Antiseptics used in Food, Industrial, Domestic, and Industrial Areas−European Standard(食品用、工業用、家庭用、および工業分野に用いられる化学消毒剤および防腐剤の殺菌活性―欧州規格)EN1276によって測定した。
【0107】
欧州規格EN1040は、化学消毒剤または防腐剤が、推奨環境で用いられた場合、所定の最低抗菌基準を満たすかどうかを規定する懸濁テスト法を定めたものである。この規格は主として、農業製品に関するものである。製品が最低テスト要件を満たす場合は、法的には、その製品が殺菌機能性を有するとみなされる。製品は、緑膿菌(ATCC 15442)および黄色ブドウ球菌(ATCC 6538)に対して、バイアル計数において、10減少(5対数減少、つまり99.999%以上の減少)を実証しなければならない。
【0108】
このテストでは、バクテリアの懸濁物を、用意した被試験清浄剤調合物の試料に添加した。この混合物を20℃で管理した。所定の接触時間(5分間)経過後、アリコットを取り、この部分の殺菌活動を、妥当性検証法(すなわち、希釈中和法)によって、直ちに中和、または抑制した。使用した中和組成物は、3gのレシチン、30gのポリソルベート80、5gのナトリウム チオスルフェート、1gのL−ヒスチジン クロル水和物、30gのサポニン、500mLに対してQSの蒸留水、10mLの0.25 M ホスフェート バッファ、および1000mLに対してQSの蒸留水を含有していた。
【0109】
表12〜21は、本発明に係り製造される各種の組成物のEN1040テストの結果を示す。なお、ここで重要なのは、EN1040テストは20℃で実施するが、実際には、清浄組成物はそれより高い温度(好ましくはおよそ60℃)で用いられることになるという点である。従って、清浄剤調合物がEN1040に合格しなくても、高温で用いられる場合には、微生物の5対数減少を達成する可能性がある。
【0110】
【表16】


【0111】
【表17】


【0112】
【表18】

【0113】
【表19】

【0114】
【表20】

【0115】
【表21】

【0116】
【表22】

【0117】
【表23】

【0118】
【表24】

【0119】
【表25】

【0120】
上記の他、化学消毒剤および防腐剤の活性評価の更に厳しい規格は欧州規格EN1276である。この規格は、一般に、次の分野に適用される:(a)動物由来の食品(牛乳および乳製品、肉および肉製品、魚介類および関連製品、卵および卵製品、動物の飼料)の加工、流通、および小売、(b)植物由来の食品(飲料、果物、植物およびその派生物、小麦粉、製粉または焼製品、動物の飼料)、(c)各種機関または家庭用分野(ケータリング会社、公共分野、学校、保健施設、店舗、スポーツルーム、ゴミ容器、ホテル、住居、病院の臨床上非重要部分、オフィス)および(d)その他の産業用用途(包装材料、バイオ技術のイースト、タンパク質、酵素、医薬品、化粧品および洗面用品、繊維、宇宙産業、コンピュータ産業)。
【0121】
製品がこのテスト手順で認定されるためには、次の最低基準を満足しなければならない。クリーン条件(牛アルブミンが0.3g/L)またはでダーティー条件(牛アルブミンが3g/L)下で、20℃で、硬水で希釈し、5分間暴露した場合に、緑膿菌(ATCC 15442)、黄色ブドウ球菌(ATCC 6538)、大腸菌(ATCC 10536)、および腸球菌(ATCC 10541)の4種の選択された基準の菌株に関し、10 の減少(5対数減少、すなわち、99.999%の減少)を実証しなければならない。
【0122】
このテストでは、バクテリアの懸濁物を、用意した被試験清浄剤調合物の試料に添加した。この混合物を20℃で管理した。所定の接触時間(5分間)経過後、アリコットを取り、この部分の殺菌活動を、妥当性検証法(すなわち、希釈中和法)によって、直ちに中和、または抑制した。使用した中和組成物は、3gのレシチン、30gのポリソルベート80、5gのナトリウム チオスルフェート、1gのL−ヒスチジン クロル水和物、30gのサポニン、500mLに対してQSの蒸留水、10mLの0.25 M ホスフェート バッファ、および1000mLに対してQSの蒸留水を含有していた。
2種類の清浄剤調合物(表10の調合物136および139)を各種テスト条件でテストした。結果を表22に示す。
【0123】
【表26】

【0124】
(金属イオン封鎖剤、ビルダー、およびキレート剤)
水の軟化、または処理、また析出物や他の塩の生成の防止を目的として、清浄組成物に、金属イオン封鎖剤、ビルダー、およびキレート剤を用いる。一般に金属イオン封鎖剤は、水道水に通常見られる金属イオンを錯体化、または調整し、それによって金属イオンが組成物中の清浄成分の機能を邪魔しないようにする。
【0125】
水溶性のビルダーおよび金属イオン封鎖剤は清浄性能、特に硬水条件下での清浄性能を向上させる。好ましいビルダーとしては、アルカリ金属塩、特に、アルカリ金属ピロホスフェート(例えば、四ナトリウム、または四カリウムピロホスフェート)、アルカリ金属トリポリホスフェート(例えば、ナトリウム、またはカリウム トリポリホスフェート、無水物または水和物)、アルカリ金属メタホスフェート(例えば、ナトリウムまたはカリウム ヘキサメタホスフェート)およびアルカリ金属オルトホスフェート(例えば三ナトリウムまたは三カリウム オルトホスフェート)などのアルカリ金属ポリホスフェート塩が挙げられる。
【0126】
無機および有機、非ホスフェート清浄剤ビルダー塩を、本発明の清浄組成物にも用いることができる。好ましい無機、非ホスフェート ビルダー塩は、アルカリ金属ホウ酸塩、炭酸塩、および重炭酸塩、および水に難溶性のアルミノケイ酸塩および結晶、非結晶両方のゼオライトからなる群から選択される。無機、非ホスフェート、ビルダー塩としては、ナトリウムテトラボレート、ナトリウムカーボネート、ナトリウムビカーボネート、ナトリウムセスキカーボネート、カリウムカーボネート、カリウムビカーボネート、およびナトリウムおよびカリウムゼオライトが例示される。好ましい有機、非ホスフェート、ビルダーおよび金属イオン封鎖塩としては、ポリカルボン酸およびニトリロ酢酸のアルカリ金属塩がある。例示的な無機、非ホスフェート、ビルダー塩には一ナトリウム、二ナトリウムおよび三ナトリウム シトレート、および四ナトリウム エチレンジアミン四酢酸(EDTA−Na)が挙げられる。アルカリポリホスフェートおよび従来の有機および/または無機ビルダー塩の混合物を用いてもよい。
【0127】
ポリホスフェートビルダー塩は、いずれも、アルカリ金属ポリカルボン酸塩(例えば、クエン酸および酒石酸のアルカリ金属塩)などの補助的なビルダーを補完することが好ましい。クエン酸のナトリウム塩が好ましい。
【0128】
分子量1,000〜100,000、より好ましくは2,000〜80,000、最も好ましくは4500の低分子量非架橋ポリアクリレートを、ビルダー塩と共に用いてもよい。アクリル酸およびメタクリル酸ホモポリマーの水溶性塩が特に好ましい。水溶性塩は、カリウムまたはナトリウム塩、アンモニウム塩、または置換アンモニウム塩などのアルカリ金属塩でよい。この塩は部分的、または全体的に中和状態である。低分子量非架橋ポリアクリレートとしては、Rohm and Hass社のACUSOLが挙げられる。Acusol 445Nは分子量およそ4,500であり、特に好ましい。
【0129】
アクリル酸ホモポリマーおよびマレイン酸/オレイン酸コポリマーの混合物を、非架橋ポリアクリレートとして用いることもできる。このコポリマーは、環状無水物の全体または1部分の代わりに、置換または非置換マレイン酸無水物および低オレフィン酸から生成可能である。好ましくは、マレイン酸無水物モノマーは次の一般式で表される。
【0130】
【化5】

【0131】
式中、R3およびR4は、H、(C1〜C4)アルキル、フェニル、(C1〜C4)アルキルフェニル、およびフェニル(C1〜C4)アルキレンからなる群から独立して選択される。低オレフィン成分は好ましくは、エチレン、プロピレン、イソプロピレン、ブチレン、またはイソブチレンなどの(C1〜C4)オレフィンである。これらのコポリマーの分子量は、およそ1000〜100,000、好ましくはおよそ1000〜15,000である。Acusol 460Nの分子量はおよそ15,000であり、特に好ましい。他のコポリマーとしては、メタクリル酸およびマレイン酸無水物 ナトリウム塩の部分的に中和されたコポリマーであるBASF社のSokalan CP45、および完全に中和された塩であるSokalan CP5が挙げられる。これらの水溶性非架橋ポリアクリレートポリマーは、単独、または組み合わせて用いられ、好ましくは0〜10重量%の清浄組成物を含有する。
【0132】
ビルダー機能性もまた、クエン酸、ポリアクリル酸、ポリアクリル酸/マレイン酸、 エチレンジアミン四酢酸(EDTA)、ポリアスパラギン酸、ニトリロ三酢酸 (NTA)およびポリホスホン酸などの有機ポリカルボン酸の混合物によって提供される。
【0133】
本発明の組成物は、一般に、0〜30重量%、より好ましくはおよそ1〜25重量%、最も好ましくはおよそ2〜15重量%のビルダーまたは金属イオン封鎖剤を含有する。
【0134】
硬水を調整するために、清浄組成物に、キレート剤またはキレート剤の混合物を用いることが好ましい。キレート剤は、およそ0〜10重量%、好ましくはおよそ0.01〜5重量%のレベルで存在する。好ましいキレート剤には、アルカリ金属エタン 1−ヒドロキシ ジホスホネート(HEDP)などのホスホン酸キレート剤、ポリ アルキレン ホスホネート、およびアミノ トリメチレン ホスホン酸(ATMP)、ニトリロトリメチレン ホスホネート(NTP)、エチレンジアミン−テトラメチレン ホスホネートおよびジエチレン トリアミン ペンタメチレン ホスホネート(DTPMP)などのアミノ ホスホネート化合物がある。ホスホネート化合物は、酸、または塩のいずれの形で存在してもよい。特に、好ましいホスホネートキレート剤は、ジエチレン トリアミン ペンタメチレン ホスホネート (DTPMP)およびエタン 1−ヒドロキシ ジホスホネート (HEDP)であり、商品名DEQESTとしてMonsanto社から入手可能である。本発明の清浄組成物に用いる生物分解キレート剤としてはエチレンジアミン−N、 N−二コハク酸、またはそれらのアルカリおよびアルカリ土類金属塩が挙げられる。
【0135】
ここで用いられる他の種類の好ましいキレート剤には、エチレンジアミン四酢酸(ETDA、ジエチレントリアミン五酢酸(DTPA)、およびプロピレンジアミン四酢酸(PDTA)、酸の形、または対応するアルカリおよびアルカリ土類金属塩(例えばEDTA−Na)などのアミノ カルボキシレートがある。他の、好ましいカルボキシレート キレート剤には、サリチル酸、アスパラギン酸、グルタミン酸、グリシン、 マロン酸、ポリアスパラギン酸シトレート、 アクリレート、ポリアクリレート、またはそれらの混合物がある。
【0136】
(ヒドロトロープまたは可溶化/カップリング剤)
一定の温度範囲において溶液中の短鎖脂肪酸および、非イオン界面活性剤などの分散可能な他の有機材料を可溶化するために、ヒドロトロープまたは可溶化剤を用いることができる。ヒドロトロープ、または可溶化剤成分は、非イオン、または陰イオン材料であることが好ましい。好ましい陰イオン界面活性剤には、アルカリ金属アルカン スルホネートおよびジスルホネートなどのアルカン スルホネート、アルキル スルフェート、直鎖アルキル ベンゼンまたはナフタレン スルホネート、α−オレフィン スルホネート、第二級アルカン スルホネート、アルキル エーテル スルフェートまたはスルホネート、アルキル ホスフェートまたはホスホネート、ジアルカイルスルホスクシネート、ジアルキルスルホコハク酸エステル、およびソルビタン エステルおよびC8〜C10 アルキル グルコシドなどの糖エステルがある。C8、C10、C12アルキルスルホネート誘導体などの発泡性の高いヒドロトロープでも、ある程度の発泡が許容される場合に、用いることができる。
【0137】
また、他の好ましいヒドロトロープ剤には、アルカリ金属アリール スルホネートおよびジスルホネートなどのアリール スルホネート、ナトリウム キシレン スルホネート、ナトリウム クメン スルホネート、ナトリウム ナフタレン スルホネート、ナトリウム トルエン スルホネート、およびナトリウム ベンゼン スルホネートがある。ナトリウム 1−オクタン スルホネートおよびナトリウム 1、2−オクタンジスルホネートの混合物が特に好ましい。
【0138】
付加的利点として、上述のヒドロトロープまたはカップリング剤は、独立して低pHにおいて抗菌活性を示す。なお、これによって本発明の有効性が向上するが、適切なカップリング剤の選択の際の主たる基準ではない。殺生性の活性を提供するのはプロトン化した中和状態にある脂肪酸およびα―ヒドロキシの存在であるので、カップリング剤の選択はその独立した抗菌活性によって判断するのではなく、実質的に不溶の脂肪酸と本組成物がコントロールする微生物との間で有効な相互作用を提供する能力によって判断するべきである。リン酸も、非イオン界面活性剤などの分解可能な有機材料を可溶化することが見い出されている。
【0139】
濃縮清浄剤調合物中では、ヒドロトロープは、およそ0〜50重量%、より好ましくはおよそ5〜45重量%、最も好ましくはおよそ8〜40重量%存在する。
【0140】
(脱泡剤および消泡剤)
過剰な発泡を避けたい用途(すなわち、CIPシステム)では、主要な界面活性剤を補助して、発泡を低減する、または発泡した泡を短時間で破壊するために、消泡剤または脱泡剤を用いる。好ましい脱泡剤には、脂肪族またはアルキル芳香族疎水性化合物で親水性アルキレン オキシド基を濃縮して生成された化合物がある。脱泡剤の例としては、エチレンオキシドを用いるアルコールまたはアルキルフェノールのポリエチレンオキシド縮合体(例えば、アルコールまたは、およそ5〜15の直鎖、または分岐鎖構造の炭素原子を含むアルキル基を有する、アルキルフェノールの濃縮物)が挙げられる。エチレンオキシドは、アルコールまたはアルキルフェノールの1モルに対して10〜60モル存在することが好ましい。これらの化合物のアルキ置換基は、重合化、プロピレン、ブチレン、イソブチレン、およびジイソブチレンから生成される。
【0141】
他の好ましい消泡剤には、モノ、ジ、トリアルキル ホスフェート エステルなどのアルキル ホスフェートがある。これらのホスフェートエステルは一般に、C8〜C12脂肪族直鎖アルコールから生成される。更に他の種類の好ましい泡抑制剤としては、次の一般式で表されるアルキル リン酸エステルがある。
【0142】
【化6】

【0143】
式中、R5およびR6は独立して、C12〜C20アルキルまたはエトキシ化アルキル モイエティである。アルキル リン酸エステルは一般に、清浄組成物中に、およそ0〜1.3重量%、より好ましくはおよそ0.20〜1.0重量%のレベルで存在する。更に、他の好ましい脱泡剤には、商品名DEHYPON、SYNPERONIC、およびDOWFAXで販売されているアルコキシル化された固体アルコールがある。ポリジメチルシロキサン、ポリジエチルシロキサン、ポリジブチルシロキサン、フェニルメチルシロキサン、ジメチルシラン化シリカ、トリメチルシラン化シリカおよびトリエチルシラン化シリカなどのアルキル化ポリシロキサンを含むシリコーン消泡剤も清浄組成物に用いることができる。これらのシリコーン剤は好ましくは、およそ0〜2重量%、より好ましくはおよそ0.20〜1.5重量%のレベルで存在する。
【0144】
一般に、本発明に係る組成物は、およそ0.0〜20重量%の脱泡剤を含有し、より好ましくはおよそ0.2〜15重量%、最も好ましくはおよそ1〜10重量%含有する。
【0145】
(その他の成分)
本発明の清浄剤(100重量%とする)の残りの部分は水、好ましくは脱イオン水である。アルコール、グリコール、ポリエチレン グリコール、ポリプロピレン グリコールなどの有機溶剤は非水系、または水系で水と組み合わせて用いることができる。しかし、香料/芳香剤、保存料、着色料、溶剤、バッファ、安定剤、遊離基捕捉剤、汚物懸濁剤、結晶成長阻止剤、汚物分離剤、分散剤、染料、および顔料は、高酸性環境において安定しているものに限り、含有することができる。
【図面の簡単な説明】
【0146】
【図1】図1は乳脂肪のアルキル炭素鎖分布を示すグラフである。
【図2】図2は乳脂肪のアルキル炭素鎖分布と、各種アルキル ジアミノプロパン組成物のアルキル炭素鎖分布とを示すグラフである。
【図3】図3は、清浄剤の発泡の抑制における、2種類の好適界面活性剤の相乗効果を示すグラフである。
【図4】図4は、清浄剤の発泡の抑制における、別の2種類の好適界面活性剤の相乗効果を示すグラフである。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
濃縮液体清浄組成物であって、
無機酸、有機酸、およびそれらの混合物からなる群から選択される酸と、一般式R−NH−CHCHCHNH(式中RはC4〜C22アルキル基)で表される脂肪族アルキル−1,3−ジアミノプロパンまたはそれらの塩とを含有する組成物。
【請求項2】
Rは置換または非置換、直鎖または分岐鎖、および飽和または不飽和である請求項1の組成物。
【請求項3】
前記脂肪族アルキル−1,3−ジアミノプロパンはココナツ、大豆、牛脂、またはオレオソースから抽出される請求項1の組成物。
【請求項4】
前記脂肪族アルキル−1,3−ジアミノプロパンに酢酸を添加することにより形成される脂肪族アルキル−1,3−ジアミノプロパン酢酸塩を含有する請求項1の組成物。
【請求項5】
前記有機酸は一般式R´−SOH(式中R´はC1〜C16アルキル基)で表される請求項1の組成物。
【請求項6】
界面活性剤系を更に含有する請求項1の組成物。
【請求項7】
前記界面活性剤系は陰イオン、非イオン、陽イオン、両性、および両性イオン系の界面活性剤およびその混合物からなる群から選択される請求項6の組成物。
【請求項8】
前記界面活性剤系はアルコキシル化直鎖脂肪アルコールを含有する請求項7の組成物。
【請求項9】
前記界面活性剤系はエトキシル化およびプロポキシル化直鎖脂肪アルコールまたはそれらのエーテル誘導体を含有する請求項7の組成物。
【請求項10】
2つ以上の異なる界面活性剤を含有する界面活性剤系を含む請求項1の組成物。
【請求項11】
抗菌剤または抗菌剤の混合物を更に含有する請求項1の組成物。
【請求項12】
前記抗菌剤はC4〜C15脂肪酸、クロロフェノール、一価および多価アルコール、芳香族および脂肪族アルコール、α−ヒドロキシ酸、クロロヘキシジンおよびそれらの塩、過酸化水素、過酸素酸、2−ブロモ−2−ニトロ−1,3−プロパンジオール、ビグアニド化合物、抗菌無機塩、キレート剤、グルタルアルデヒド、第四級アンモニウム化合物、およびそれらの組み合わせからなる群から選択される請求項11の組成物。
【請求項13】
前記抗菌剤は脂肪族C6〜C12脂肪酸である請求項12の組成物。
【請求項14】
前記抗菌剤はグリコール酸および乳酸からなる群から選択される請求項12の組成物。
【請求項15】
前記有機および無機酸は、それぞれおよそ1〜80重量%のレベルで存在する請求項1の組成物。
【請求項16】
前記無機酸はリン酸、硝酸、塩酸、硫酸、およびスルファミン酸およびそれらの混合物からなる群から選択される鉱酸を含有する請求項1の組成物。
【請求項17】
前記組成物は、有機酸または有機酸の混合物を、およそ40重量%以下含有し、前記有機酸または有機酸の混合物はC1〜C16アルキルスルホン酸を含有する請求項1の組成物。
【請求項18】
前記有機酸はクエン酸、メタンスルホン酸、エタンスルホン酸、プロパンスルホン酸、ブタンスルホン酸、酢酸、ヒドロキシ酢酸、プロピオン酸、ヒドロキシプロピオン酸、a−ケトプロピオン酸、酪酸、マンデル酸、吉草酸、コハク酸、酒石酸、リンゴ酸、シュウ酸、フマル酸、アジピン酸、マレイン酸、ソルビン酸、安息香酸、コハク酸、グルタル酸、アジピン酸、α−ヒドロキシ酸、エチレンジアミン四酢酸(EDTA)、ホスホン酸、オクチル ホスホン酸、アクリル酸、ポリアクリル酸、アスパラギン酸、ポリアスパラギン酸、p−ヒドロキシ安息香酸、イミノ酢酸、およびそれらの混合物からなる群から選択される請求項1の組成物。
【請求項19】
酸で活性化する、または酸に抵抗性がある酵素または酵素の混合物をおよそ20重量%以下、更に含有する請求項1の組成物。
【請求項20】
前記酵素は、酸で活性化する、または酸に抵抗性があるタンパク質分解酵素、酸リポラーゼ酵素、リパーゼ酵素、酸に抵抗性があるアミラーゼ酵素、セルラーゼ酵素、酸ペルオキシダーゼ、およびそれらの組み合わせからなる群から選択される請求項19の組成物。
【請求項21】
およそ0〜50重量%のヒドロトロピー剤を更に含有する請求項1の組成物。
【請求項22】
前記ヒドロトロピー剤は、アルカン スルホネート、アルカン ジスルホネート、アリール スルホネート、アリール ジスルホネート、α−オレフィン スルホネート、第二級アルカン スルホネート、アルキル スルフェート、アルキル エーテル スルフェート、アルキル エーテル スルホネート、アルキル ホスフェート、アルキル ホスホネート、ジアルキルスルホスクシネート、ジアルキルスルホコハク酸エステル、糖エステル、およびそれらの組み合わせからなる群から選択される請求項21の組成物。
【請求項23】
金属イオン封鎖剤、ビルダー、およびキレート剤からなる群から選択される1つ、またはそれ以上の成分を更に含有する請求項1の組成物。
【請求項24】
前記ビルダーは、アルカリ金属 ポリホスフェート、水不溶性、結晶および非結晶アルミノケイ酸塩、結晶および非結晶ゼオライト、ポリカルボン酸およびニトリロ酢酸およびこれらのアルカリ金属塩、非架橋ポリアクリレートおよびこれらの塩、およびそれらの組み合わせからなる群から選択される請求項23の組成物。
【請求項25】
前記キレート剤は、ホスホネートキレート剤、アミノ ホスホネート化合物、アミノ カルボキシレート化合物、シトレート化合物、アクリレート、ポリアクリレート、EDTA−Naおよびそれらの混合物からなる群から選択される請求項23の組成物。
【請求項26】
pHがおよそ4未満である請求項1の組成物。
【請求項27】
pHがおよそ0.1〜4.0の間である請求項1の組成物。
【請求項28】
およそ0.01〜15重量%の脂肪族アルキル−1,3−ジアミノプロパンまたはそれらの塩を含有する請求項1の組成物。
【請求項29】
食品で汚れた表面の洗浄、消毒、およびスケール除去を単一工程で行うことができる、請求項1の組成物。
【請求項30】
酸で活性化する、または酸に抵抗性がある酵素と、一般式R−NH−CHCHCHNH(式中RはC4〜C22アルキル基)で表される脂肪族アルキル−1,3−ジアミノプロパンまたはそれらの塩とを含有する酸性清浄組成物。
【請求項31】
前記酵素は、酸で活性化する、または酸に抵抗性があるタンパク質分解酵素、酸リポラーゼ酵素、リパーゼ酵素、酸に抵抗性があるアミラーゼ酵素、セルラーゼ酵素、酸ペルオキシダーゼ、およびそれらの組み合わせからなる群から選択される請求項30の組成物。
【請求項32】
抗菌剤または抗菌剤の混合物を更に含有する請求項30の組成物。
【請求項33】
pHがおよそ4未満である請求項30の組成物。
【請求項34】
およそ40重量%以下のC1〜C16アルキルスルホン酸を更に含有する請求項30の組成物。
【請求項35】
およそ0.01〜15重量%の脂肪族アルキル−1,3−ジアミノプロパンまたはそれらの塩を含有する請求項30の組成物。
【請求項36】
一般式R−NH−CHCHCHNH(式中RはC4〜C22アルキル基およびC1〜C16アルキルスルホン酸)で表される脂肪族アルキル−1,3−ジアミノプロパンまたはそれらの塩とを含有する酸性清浄組成物。
【請求項37】
前記アルキルスルホン酸はメタンスルホン酸である請求項36の組成物。
【請求項38】
およそ40重量%以下のメタンスルホン酸を含有する請求項37の組成物。
【請求項39】
請求項1の組成物を表面に適用する工程を含む表面洗浄方法。
【請求項40】
前記適用工程の前に前記組成物を希釈して使用溶液を生成する工程を更に含む請求項39の方法。
【請求項41】
前記表面は牛乳取扱いシステム、食品処理工場、食品、または飲料処理装置の表面である請求項39の方法。
【請求項42】
前記表面は定置洗浄システムの表面である請求項39の方法。
【請求項43】
前記表面は食品、牛乳、または飲料の汚物で汚れている請求項39の方法。
【請求項44】
一般式R−NH−CHCHCHNH(式中RはC4〜C22アルキル基)で表される脂肪族アルキル−1,3−ジアミノプロパンまたはそれらの塩を含有する酸性清浄剤の発泡を低減する方法であって、前記清浄剤に2つ以上の異なる界面活性剤を含む界面活性剤系を添加する工程を含む方法。
【請求項45】
前記界面活性剤は陰イオン、非イオン、陽イオン、両性、および両性イオン系の界面活性剤およびそれらの混合物からなる群から独立して選択される請求項44の方法。
【請求項46】
前記界面活性剤はアミン オキシド、ホスフィン オキシド、スルホキシド、スルホネート、スルフェート、ベタイン、第一級アルキル スルフェート、アルキルスルホネート、アリールアルキルスルホネート、第二級アルキルスルホネート、ポリ低アルコキシ化高級アルコールおよびエーテル、アルコキシル化直鎖脂肪アルコール、アルキル多糖、第四級アンモニウム化合物、第一級、第二級、および第三級脂肪族アミンの塩、およびそれらの組み合わせからなる群から独立して選択される請求項45の方法。
【請求項47】
およそ1重量部の請求項1の組成物と、およそ10〜300重量部の水とを含有する液体清浄使用溶液。
【請求項48】
界面活性剤系を更に含有する請求項47の使用溶液。
【請求項49】
前記界面活性剤系は陰イオン、非イオン、陽イオン、両性、および両性イオン系の界面活性剤およびそれらの混合物からなる群から選択される請求項48の使用溶液。
【請求項50】
抗菌剤または抗菌剤の混合物を更に含有する請求項47の使用溶液。
【請求項51】
酸で活性化する、または酸に抵抗性がある酵素を更に含有する請求項47の使用溶液。
【請求項52】
pHがおよそ0.1〜6である請求項47の使用溶液。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公表番号】特表2008−510033(P2008−510033A)
【公表日】平成20年4月3日(2008.4.3)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−525722(P2007−525722)
【出願日】平成17年8月8日(2005.8.8)
【国際出願番号】PCT/US2005/028215
【国際公開番号】WO2006/020608
【国際公開日】平成18年2月23日(2006.2.23)
【出願人】(507047001)デラヴァル ホールディング エービー (3)
【Fターム(参考)】