説明

非天然表面タンパク質を提示するキメラウイルス及びその使用

本発明は、対象、例えばトリを、本発明の単一のキメラウイルスを使用することによって2つの感染因子に対して免疫することができるキメラネガティブ鎖RNAウイルスを提供する。特に、本発明は、感染因子のタンパク質の外部ドメインとインフルエンザウイルスタンパク質の膜貫通ドメイン及び細胞質ドメインとを含む融合タンパク質をこれらのビリオン内に発現し、かつ組み込むように操作されたキメラインフルエンザウイルスを提供する。このようなキメラウイルスは、インフルエンザウイルス及び感染因子に対して免疫応答を誘導する。また、本発明は、感染因子のタンパク質の外部ドメインとNDVタンパク質の膜貫通ドメイン及び細胞質ドメインとを含む融合タンパク質をこれらのビリオン内に発現し、かつ組み込むように操作されたキメラニューカッスル病ウイルス(NDV)を提供する。このようなキメラウイルスは、NDV及び感染因子に対して免疫応答を誘導する。


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【特許請求の範囲】
【請求項1】
ノイラミニダーゼ融合タンパク質をコードする、パッケージされたインフルエンザウイルスNAセグメントを含むキメラトリインフルエンザウイルスであって、該NAオープンリーディングフレームは、該NA外部ドメインをコードするヌクレオチドがN末端によってアンカーされているインフルエンザ以外の感染因子のノイラミニダーゼ抗原の外部ドメインをコードするヌクレオチドによって置換されるように修飾されており、その結果、該ノイラミニダーゼ融合タンパク質がキメラトリインフルエンザウイルス内に発現され、かつ組み込まれる、前記キメラトリインフルエンザウイルス。
【請求項2】
赤血球凝集素融合タンパク質をコードする、パッケージされたインフルエンザウイルスHAセグメントを含むキメラトリインフルエンザウイルスであって、該HAオープンリーディングフレームは、該HA外部ドメインをコードするヌクレオチドがC末端によってアンカーされているインフルエンザ以外の感染因子の受容体結合/融合抗原の外部ドメインをコードするヌクレオチドによって置換されるように修飾されており、その結果、該赤血球凝集素融合タンパク質がキメラトリインフルエンザウイルス内に発現され、かつ組み込まれる、前記キメラトリインフルエンザウイルス。
【請求項3】
パッケージされたバイシストロニックインフルエンザウイルスHAセグメントを含むキメラトリインフルエンザウイルスであって:
(a)トリインフルエンザ赤血球凝集素タンパク質をコードする第1のオープンリーディングフレーム、及び、
(b)赤血球凝集素外部ドメインをコードするヌクレオチドが、C末端によってアンカーされているインフルエンザ以外の感染因子の感染防御抗原の外部ドメインをコードするヌクレオチドによって置換されている、赤血球凝集素融合タンパク質をコードする第2のオープンリーディングフレーム、
を含み、
その結果、該インフルエンザ赤血球凝集素及び該融合タンパク質の両方がキメラトリインフルエンザウイルス内に発現され、かつ組み込まれる、前記キメラトリインフルエンザウイルス。
【請求項4】
パッケージされたバイシストロニックインフルエンザウイルスNAセグメントを含むキメラトリインフルエンザウイルスであって:
(a)トリインフルエンザノイラミニダーゼタンパク質をコードする第1のオープンリーディングフレーム、及び、
(b)ノイラミニダーゼ外部ドメインをコードするヌクレオチドが、N末端によってアンカーされているインフルエンザ以外の感染因子の感染防御抗原の外部ドメインをコードするヌクレオチドによって置換されている、ノイラミニダーゼ融合タンパク質をコードする第2のオープンリーディングフレーム、
を含み、
その結果、該インフルエンザノイラミニダーゼ及び該融合タンパク質の両方がキメラトリインフルエンザウイルス内に発現され、かつ組み込まれる、前記キメラトリインフルエンザウイルス。
【請求項5】
ノイラミニダーゼ融合タンパク質をコードする、パッケージされたインフルエンザウイルスNAセグメントを含むキメラトリインフルエンザウイルスであって、該NAオープンリーディングフレームは、該NA外部ドメインをコードするヌクレオチドが、NDVのHN抗原の外部ドメインをコードするヌクレオチドによって置換されるように修飾されており、その結果、該ノイラミニダーゼ融合タンパク質がキメラトリインフルエンザウイルス内に発現され、かつ組み込まれる、前記キメラトリインフルエンザウイルス。
【請求項6】
ウイルスの細胞インターフェロンアンタゴニスト活性を減少させる修飾されているNS1タンパク質をコードする、パッケージされたNS1遺伝子セグメントを含む、請求項1、2、3、4又は5に記載のキメラトリインフルエンザウイルス。
【請求項7】
赤血球凝集素多塩基切断部位を除去するように修飾されたオープンリーディングフレームを有するHAセグメントを含む、請求項1、4又は5に記載のキメラトリインフルエンザウイルス。
【請求項8】
第1のオープンリーディングフレームが、赤血球凝集素多塩基切断部位を除去するように修飾されている、請求項3に記載のキメラトリインフルエンザウイルス。
【請求項9】
請求項1、4又は5のNAセグメントをコードする組換えDNA分子。
【請求項10】
請求項2又は3のHAセグメントをコードする組換えDNA分子。
【請求項11】
免疫原性製剤を製造するための方法であって、該方法は:
(a)孵化鶏卵において請求項1、2、3、4又は5のキメラトリインフルエンザウイルスを増殖させること;及び、
(b)子孫ウイルスを収集すること、
を含み、
該ウイルスは、該子孫ウイルスが免疫原性製剤に使用するために適するように、十分な量で、かつ該ウイルスが汚染されない十分な条件下で培養される、前記方法。
【請求項12】
免疫原性製剤を製造するための方法であって、該方法は:
(a)トリインフルエンザウイルス感染に感受性である株化細胞において請求項1、2、3、4又は5のキメラトリインフルエンザウイルスを増殖させること;及び、
(b)子孫ウイルスを収集すること、
を含み、
該ウイルスは、該子孫ウイルスが免疫原性製剤に使用するために適するように、十分な量で、かつ該ウイルスが汚染されない十分な条件下で培養される、前記方法。
【請求項13】
ノイラミニダーゼ融合タンパク質をコードする、パッケージされたインフルエンザウイルスNAセグメントを含む弱毒キメラインフルエンザウイルスであって、該NAオープンリーディングフレームは、該NA外部ドメインをコードするヌクレオチドが、N末端によってアンカーされているインフルエンザ以外の感染因子のノイラミニダーゼ抗原の外部ドメインをコードするヌクレオチドによって置換されるように修飾されており、その結果、該ノイラミニダーゼ融合タンパク質が弱毒キメラトリインフルエンザウイルス内に発現され、かつ組み込まれる、前記弱毒キメラインフルエンザウイルス。
【請求項14】
赤血球凝集素融合タンパク質をコードする、パッケージされたインフルエンザウイルスHAセグメントを含む弱毒キメラインフルエンザウイルスであって、該HAオープンリーディングフレームは、該HA外部ドメインをコードするヌクレオチドが、C末端によってアンカーされているインフルエンザ以外の感染因子の受容体結合/融合抗原の外部ドメインをコードするヌクレオチドによって置換されるように修飾されており、その結果、該赤血球凝集素融合タンパク質が弱毒キメラインフルエンザウイルス内に発現され、かつ組み込まれる、前記弱毒キメラインフルエンザウイルス。
【請求項15】
パッケージされたバイシストロニックインフルエンザウイルスHAセグメントを含む弱毒キメラトリインフルエンザウイルスであって:
(a)トリインフルエンザ赤血球凝集素タンパク質をコードする第1のオープンリーディングフレーム、及び、
(b)赤血球凝集素融合タンパク質をコードする第2のオープンリーディングフレームであって、該赤血球凝集素外部ドメインをコードするヌクレオチドが、C末端によってアンカーされている、インフルエンザ以外の感染因子の感染防御抗原の外部ドメインの、又は疾患と関連する抗原の少なくとも1つのエピトープを含むタンパク質をコードするヌクレオチドによって置換されている、前記第2のオープンリーディングフレーム、
を含み、
その結果、該インフルエンザ赤血球凝集素及び該融合タンパク質の両方が弱毒キメラインフルエンザウイルス内に発現され、かつ組み込まれる、前記弱毒キメラインフルエンザウイルス。
【請求項16】
パッケージされたバイシストロニックインフルエンザウイルスNAセグメントを含む弱毒キメラインフルエンザウイルスであって:
(a)トリインフルエンザノイラミニダーゼタンパク質をコードする第1のオープンリーディングフレーム、及び、
(b)ノイラミニダーゼ融合タンパク質をコードする第2のオープンリーディングフレームであって、該ノイラミニダーゼ外部ドメインをコードするヌクレオチドが、N末端によってアンカーされている、インフルエンザ以外の感染因子の感染防御抗原の外部ドメインの、又は疾患と関連する抗原の少なくとも1つのエピトープを含むタンパク質をコードするヌクレオチドによって置換されている、前記第2のオープンリーディングフレーム、
を含み、
その結果、該インフルエンザノイラミニダーゼ及び該融合タンパク質の両方が弱毒キメラインフルエンザウイルス内に発現され、かつ組み込まれる、前記弱毒キメラインフルエンザウイルス。
【請求項17】
ウイルスの細胞インターフェロンアンタゴニスト活性を減少させる修飾されたNS1タンパク質をコードする、パッケージされたNS1遺伝子セグメントを含む、請求項13、14、15又は16の弱毒キメラインフルエンザウイルス。
【請求項18】
前記赤血球凝集素多塩基切断部位を除去するように修飾されたオープンリーディングフレームを有するHAセグメントを含む、請求項13又は16の弱毒キメラインフルエンザウイルス。
【請求項19】
第1のオープンリーディングフレームが赤血球凝集素多塩基切断部位を除去するように修飾されている、請求項15の弱毒キメラインフルエンザウイルス。
【請求項20】
請求項13又は16のNAセグメントをコードする組換えDNA分子。
【請求項21】
請求項14又は15のHAセグメントをコードする組換えDNA分子。
【請求項22】
免疫原性製剤を製造するための方法であって、該方法は:
(a)孵化鶏卵において請求項13、14、15又は16の弱毒キメラインフルエンザウイルスを増殖させること;及び、
(b)子孫ウイルスを収集すること、
を含み、
該ウイルスは、該子孫ウイルスが免疫原性製剤に使用するために適するように、十分な量で、かつ該ウイルスが汚染されない十分な条件下で培養される、前記方法。
【請求項23】
免疫原性製剤を産生するための方法であって:
(a)弱毒インフルエンザウイルス感染に感受性である株化細胞において請求項13、14、15又は16の弱毒キメラインフルエンザウイルスを増殖させること;及び、
(b)子孫ウイルスを収集すること、
を含み、
該ウイルスは、該子孫ウイルスが免疫原性製剤に使用するために適するように、十分な量で、かつ該ウイルスが汚染されない十分な条件下で培養される、前記方法。
【請求項24】
Fタンパク質の膜貫通ドメイン及び細胞質ドメインと、C末端によってアンカーされているNDV以外の感染因子の感染防御抗原の外部ドメインの、又は疾患と関連する抗原の少なくとも1つのエピトープとを有するF-融合タンパク質をコードするヌクレオチド配列を含むパッケージされたゲノムを含み、その結果該記Fタンパク質-融合タンパク質がキメラNDV内に発現され、かつ組み込まれる、キメラNDV。
【請求項25】
Fタンパク質がキメラNDV内に発現され、かつ組み込まれるように、前記ゲノムがFタンパク質をコードするヌクレオチド配列を含む、請求項24のキメラNDV。
【請求項26】
F-融合タンパク質をコードするヌクレオチド配列がNDV Fタンパク質をコードするヌクレオチド配列を置換し、かつF-融合タンパク質がFタンパク質の機能を供給する、請求項24のキメラNDV。
【請求項27】
HNタンパク質の膜貫通ドメイン及び細胞質ドメインと、N末端によってアンカーされているNDV以外の感染因子の感染防御抗原の外部ドメインの、又は疾患と関連する抗原の少なくとも1つのエピトープとを有するHN-融合タンパク質をコードするヌクレオチド配列を含むパッケージされたゲノムを含み、その結果該HNタンパク質-融合タンパク質がキメラNDV内に発現され、かつ組み込まれる、キメラNDV。
【請求項28】
HNタンパク質がキメラNDV内に発現され、かつ組み込まれるように、ゲノムがHNタンパク質をコードするヌクレオチド配列を含む、請求項27のキメラNDV。
【請求項29】
HN-融合タンパク質をコードするヌクレオチド配列が、NDV HNタンパク質をコードするヌクレオチド配列を置換し、かつF-融合タンパク質がHNタンパク質の機能を供給する、請求項27のキメラNDV。
【請求項30】
免疫原性製剤を製造するための方法であって、該方法は:
(a)孵化鶏卵において請求項24〜29のいずれか1項のキメラNDVを増殖させること;及び、
(b)子孫ウイルスを収集すること、
を含み、
該ウイルスは、該子孫ウイルスが免疫原性製剤に使用するために適するように、十分な量で、かつ該ウイルスが汚染されない十分な条件下で培養される、前記方法。
【請求項31】
免疫原性製剤を製造するための方法であって:
(a)NDV感染に感受性である株化細胞において請求項24〜29のいずれか1項のキメラNDVを増殖させること;及び、
(b)子孫ウイルスを収集すること、
を含み、
該ウイルスは、該子孫ウイルスが免疫原性製剤に使用するために適するように、十分な量で、かつ該ウイルスが汚染されない十分な条件下で培養される、前記方法。
【請求項32】
トリにおいて2つの感染因子に対する免疫応答を誘導する方法であって、請求項1、2、3、4、5、13、14、15、16、24、25、26、27、28又は29のキメラウイルスを投与することを含む、前記方法。
【請求項33】
ヒトにおける2つの感染因子に対する免疫応答を誘導する方法であって、請求項13、14、16、24、25、26、27、28又は29のキメラウイルスを投与することを含む、前記方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8A】
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【図8B】
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【図9A】
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【図9B】
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【図9C】
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【図9D】
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【公表番号】特表2009−518007(P2009−518007A)
【公表日】平成21年5月7日(2009.5.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−543465(P2008−543465)
【出願日】平成18年12月1日(2006.12.1)
【国際出願番号】PCT/US2006/045859
【国際公開番号】WO2007/064802
【国際公開日】平成19年6月7日(2007.6.7)
【出願人】(508161311)
【Fターム(参考)】