説明

非対称な端子を有する電池セルデザイン

電気化学セルが提供される。セルは少なくとも1つのセパレータシートで分離された複数の電極シートを含む。正の延長タブは、正の電極シートの電流収集タブに取り付けられ、正の延長タブは、正の電極シートの電流収集タブに取り付けられ、負の延長タブは、負の電極シートの電流収集タブに取り付けられる。電気化学セルが使用された場合に、正の延長タブと負の延長タブとの間の温度差が最小になるように、正の延長タブと負の延長タブの寸法が選択される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この特許出願は、2007年11月30日に出願された米国仮特許出願60/991,602に基づく優先権を主張する。
【0002】
本発明は、一般に、電気化学電池セルに関する。特に、本発明は、電気化学電池セルの電力端子のデザインに関する。
【背景技術】
【0003】
電気化学電池セルは、例えば、角柱セルまたは円筒形セルである。角柱セル(例えば、角柱リチウムイオンセル)は、互いに積層されたカソードまたはアノードのシートまたはプレートを含み、円筒形セルでは、電極シートが円筒構造に巻かれる。電極シートは、非導電層で分離され、セルの囲いの中にシールされる。一般に、従来の角柱電池セルは、セルの1つの端部または2つの対向する端部に設けられた2つの電力端子または延長タブ(正極と負極)を有する。延長タブは、電極に取り付けられた電流収集タブから延びる。正および負の延長タブは、一般には異なった材料から形成される。例えば、延長タブは、しばしば、アルミニウム(正)および銅(負)またはニッケル(負)から形成される。
【0004】
従来の角柱セルは、大きさが対称の(即ち、正と負の延長タブの寸法が同じ)延長タブを有する。図1A、図1Bおよび図1Cは、それぞれ、従来技術の角柱セル102、104、および106を示す。図示するように、延長タブ(セル102に対しては端子112a、112b、セル115に対しては端子114a、114b、セル106に対しては端子116a、116b)の寸法は、それぞれのセルでおおよそ等しい。
【0005】
セルの正の延長タブと負の延長タブの上の電流が十分に高い場合、2つの延長タブ中のジュール熱が、端子の外部への熱伝導による熱移動に比べて大きくなる。2つの延長タブは、異なる電気抵抗率と熱伝導率とを有する異なる材料から形成されるため、電流により形成される2つの延長タブでの熱の蓄積は異なる。このため、本質的に異なる熱特性と電気特性を有する材料から形成された対称な延長タブの温度は同じにはならず、1つの延長タブまたは端子が、セルの寿命中により高い温度になる。この温度差は、実際に循環する電流とセルが晒される熱環境に依存するが、セルの寿命および/または性質に関して、大きくなり、セルの性能の制限要因となる。セルが、低抵抗の外部短絡のような酷使される条件に晒された場合に、この問題は特に重要となる。このように、セル温度(および/または最大セル温度)の違いを減らすセルデザインが望まれる。
【発明の概要】
【0006】
非対称な電力端子を有する電池セルが提供される。幾つかの具体例では、正極と負極(および対応する電流収集タブ)の大きさは、それぞれの構造の材料の電気抵抗率と熱伝導率に比例して選択される。このデザインは、電気化学セル中の温度差を低減する。電気化学セル中の最大温度(即ち、セルの最も熱い点の温度)も低減される。
【0007】
幾つかの具体例では、角柱セルが複数の正電極と負電極を含む。正電極に取り付けられた電力端子または延長タブは、正電極の電気特性と化学特性と同程度の第1導電性材料から形成され、負電極に取り付けられた電力端子または延長タブは、負電極の電気特性と化学特性と同程度の第2導電性材料から形成される。リチウムイオン電池では、正の延長タブはアルミニウムからなり、負の延長タブはニッケルまたは銅から形成される。それらの延長タブの組み合わせ(例えば、Al/CuまたはAl/Ni)では、負の延長タブの断面積は、正の延長タブの断面積の約2/3となるように選択される。一の具体例では、正および負の延長タブの厚さは同じであり、負の延長タブの幅が、正の延長タブの幅の約2/3となるように選択される。角柱セルは、例えばリチウムイオンセルである。
【0008】
本発明の例示的な形態では、電気化学セルは、複数の正および負の電極シートを有するように提供される。電極シートは、それぞれ、電流収集タブを有する。正の端子または延長タブは、正の電極シートの電流収集タブから延び、負の端子または延長タブは、負の電極シートの電流収集タブから延びる。正の延長タブの断面積は、負の延長タブの断面積とは異なる。電極シートは、シートの表面上の活性材料を含み、一方、電流収集タブを形成する電極シートの部分は、活性材料には覆われない。
【0009】
本発明の他の例示的な形態では、電流収集タブを有する複数の正電極シートと、電流収集タブを有する複数の負電極シートとを含むリチウム電池が提供される。電池の電解質は、正および負の電極シートにイオン接合する。正の端子または延長タブは、正の電極シートの電流収集タブから延び、負の端子または延長タブは、負の電極シートの電流収集タブから延びる。ポーチは、正および負の電極シートを囲む。正および負の電極シートの周囲でポーチはシールされ、正の延長タブと負の延長タブはポーチの中から外に引き出される。正の延長タブの断面積は、負極の断面積と異なる。
【0010】
本発明の更なる例示的な形態では、電気化学セルの作製方法が提供される。この方法は、電流収集タブを有する複数の正電極シートを提供する工程と、電流収集タブを有する複数の負電極シートを提供する工程とを含む。この方法は、更に、正の電極シートの電流収集タブから正の端子または延長タブを延ばす工程と、負の電極シートの電流収集タブから負の端子または延長タブを延ばす工程とを含む。例えば電気抵抗率や熱伝導率のような延長タブに使用される材料特性に基づいて、正の延長タブの断面積は、負の延長タブの断面積とは異なるように選択される。
【0011】
一の具体例では、正および負の延長タブの寸法は、幅と厚さを含む。正の延長タブの幅は、負の延長タブの幅とは異なる。同様に、正の延長タブの厚さは、負の延長タブの厚さとは異なる。
【0012】
一の具体例では、正の電極シートの電流収集タブは互いに溶接され溶接部分を提供する。負の電極シートの電流収集タブもまた互いに溶接され溶接部分を提供する。正の延長タブは、正の電流収集タブの溶接された部分で溶接され、負の延長タブは、負の電流収集タブの溶接された部分で溶接される。
【0013】
一の具体例では、シール材料は、正の延長タブと負の延長タブの上に配置され、ポーチとともにシールを形成する。ポーチ材料は、例えば、ポリエチレン、ナイロン、およびアルミニウム箔の少なくとも1つを含む積層を含んでも良い。
【0014】
一の具体例では、正の延長タブが、正の電極シートの電流収集タブの最も外側の1つの上に配置され、負の延長タブが、負の電極シートの電流収集タブの最も外側の1つの上に配置される。
【0015】
一の具体例では、正の延長タブはアルミニウムを含み、負の延長タブは銅を含み、正の延長タブは約60mmの厚さで、負の延長タブは約40mmの厚さでも良い。
【0016】
一の具体例では、セパレータシートは、正の電極シートと負の電極シートの間に挿入される。セパレータシートは、正の電極シートと負の電極シートの間で折り畳まれた連続したシートでも良い。
【0017】
本発明の形態では、正の延長タブは、予め定められた断面積を有し、負の延長タブは、異なる断面積を有し、使用中に、正の延長タブは第1温度を有し、負の延長タブは第2温度を有し、正の延長タブの温度と負の延長タブの温度との間の最適な温度差を形成する。最適温度差は、負の延長タブの断面積に対する正の延長タブの断面積の比を変化させることにより、これ以上は低減できない。
【図面の簡単な説明】
【0018】
本発明は以下の図面を参照しながら説明される。図面は、図示のみを目的として提供され、本発明の全範囲は以下の請求項で定義される
【0019】
【図1A】従来の角柱電池セルの正面図である。
【図1B】従来の他の角柱電池セルの正面図である。
【図1C】従来の他の角柱電池セルの正面図である。
【図2A】様々な具体例にかかる角柱電池セルの正面図である。
【図2B】図2Aに示される角柱電池セルの側面図である。
【図3】様々な具体例にかかる角柱電池セルのカソードとアノードのシートおよび取り付けられた電流収集タブを示す概略図である。
【図4】角柱電池セル中に組み込まれる前の、セパレータシート上に配置された一連のカソードとアノードのシートを示す概略図である。
【図5】様々な具体例にかかる角柱電池セルのカソードとアノードのシート用の延長タブの正面図および側面図を含む。
【図6】様々な具体例にかかる角柱電池セルのタブアセンブリの溶接位置を示す概略図である。
【図7】様々な具体例にかかる角柱電池セルの上部シールを示す概略図である。
【図8】様々な具体例にかかる角柱電池セルの側面シールを示す概略図である。
【図9】様々な具体例にかかる角柱電池セルとそのタブアセンブリの様々な構成部分を示す概略図である。
【図10】様々な角柱電池セルデザインの温度分布を示す概略図である。
【図11】様々な角柱電池セルデザインの温度分布を示す概略図である。
【図12】様々な角柱電池セルデザインの温度分布を示す概略図である。
【図13】様々な角柱電池セルデザインの温度分布を示す概略図である。
【図14】様々な角柱電池セルデザインの温度分布を示す概略図である。
【図15】様々な角柱電池セルデザインの温度分布を示す概略図である。
【図16】様々な角柱電池セルデザインの温度分布を示す概略図である。
【図17】電池セルの温度変化のシミュレーションに使用される有限要素モデルを示す概略図である。
【図18】角柱電池セルの様々な点における時間に対する温度変化を示すグラフである。
【図19】角柱電池セルの様々な点における時間に対する温度と電圧の変化を示すグラフである。
【詳細な説明】
【0020】
非対称な電力端子を有する電池セルについて説明する。幾つかの具体例は、それぞれの電気特性および温度特性に比例した大きさの端子または延長タブを有するセルを提供する。これは、セルの温度勾配(即ち、セル中の最高温度と最低温度との間の差)と同様に、セルの最も熱い点の温度の低減を可能にする。セルの性能や安全性は、一般に、セル中の最も熱い点の温度により制限されるため、それぞれの電気特性および温度特性に比例した大きさの端子または延長タブを有するセルは、増加した速度、増加したセルの寿命、増加したセルの安全性、および/またはそれらの効果のいくつかの組み合わせでのサイクルが可能となる。
【0021】
図2Aは、様々な具体例にかかる角柱電池セル200の正面図である。図2Bは、図2Aに示す角柱電池セルの側面図である。セル200は、大きさが非対称な正の電力端子または延長タブ202a、および負の電力端子または延長タブ202bを有する。(電極シートの電流収集タブから延びる)非対称な端子は、比較的薄い電極を用いるセルの化学に実質的に適用できる。非対称な延長タブの熱特性は、比較的速い速度で動作するように設計されたセルに対して有用である。高速で行われる典型的なセルの化学作用は、ニッケル/金属水素化物、またはニッケル/カドミウムである。セル200は、例えば、リチウムイオン電池である。幾つかの具体例では、延長タブ202aは正電極の電流収集タブに取り付けられ、延長タブ202bは負電極の電流収集タブに取り付けられる。正電極の電流収集タブは、アルミニウムから形成され、負電極の電流収集タブは、銅またはニッケルから形成される。
【0022】
電気化学セルの電流コレクタおよび延長タブが形成される材料は、一般に、電解質およびセルの電圧と電気化学的に互換性のあるものに限られる。3〜5Vの開路電位(open circuit potential)で動作する有機溶媒ベースの電解質を用いたリチウムイオンセルの場合、電解質で濡らされる正の電流コレクタ、正のタブ、および正電極電位の他の導電性要素は、正電極電位の電位で、電食に耐えなければならない。リチウムイオンセルの正電極電位で電食に耐性があるように振る舞う材料は、例えばアルミニウム、モリブデン、チタン、および所定のステンレス鋼合金を含む。それらの材料のうち、アルミニウムは、費用比率で最も高い電気伝導率と熱伝導率を有し、正電極電位で使用するための例示的な材料となる。3〜5Vの開路電位で動作する有機溶媒ベースの電解質を用いたリチウムイオンセルの場合、電解質で濡らされる負の電流コレクタ、負のタブ、および負電極電位の他の導電性要素は、負電極電位で、リチウムとの合金化に耐えなければならない。リチウムイオンセルの負電極電位でリチウムとの合金化に耐性があるように振る舞う材料は、例えば銅、ニッケル、および鉄を含む。それらの材料のうち、銅は、最良の電気伝導率と熱伝導率を有し、リチウムイオンセルの負電極電位で使用するための例示的な材料となる。
【0023】
上述のように、延長タブ202a、202bは、同じ大きさではない。幾つかの具体例では、負の延長タブ202bの幅は、正の延長タブ202aの幅の約2/3となるように選択され、延長タブの厚さは同じである。この場合、負の延長タブ202bの断面積は、正の延長タブ202aの断面積の約2/3である。例えば、延長タブ202aがアルミニウムから形成され、延長タブ202bが銅またはニッケルから形成された場合に、この非対称の端子のデザインは、セルが使用された場合の、温度勾配と共に、2つの電力延長タブ202a、202bのための温度差を減らす。その時の所定の点のうちのセルの最高温度(即ち、セルの最も熱い点の温度)も低減される。
【0024】
延長タブ202a、202bがアルミニウム、銅、またはニッケル以外の材料から形成された場合、延長タブの異なる寸法は、セルの最高温度と温度勾配を低減するように選択される。延長タブの断面積は、延長タブの温度の決定要因であり、セルの最高温度と温度勾配に影響する。2つの延長タブの厚さが等しくなるように選択された場合、延長タブの幅は、最適効果を達成するように調整できる。しかしながら、2つの端子の厚さは、同様になるように選択される必要は無い。
【0025】
図3は、幾つかの具体例にかかる角柱電池セルの、カソードとアノードのシート302a、302bと、取り付けられた電流収集タブ304a、304bを示す概略図である。電極シートの寸法は、所望の熱特性および電気特性を与え、セルの体積の要求(例えば、利用できる空間)と整合するようないずれかの範囲である。例として、カソードシートは約143mmの幅、198mmの長さであり、アノードシートは、約145mmの幅、200mmの長さである。描写したように電流収集タブ304bは、電流収集タブ304aの幅の、約2/3の幅を有する。例示として、電流収集タブ304aの幅は、約56.5mmとなるように選択され、電流収集タブ304bの幅は約36.0mmとなるように選択される。電流収集タブは、製造プロセス中に切断されて、適当な高さにしても良い。
【0026】
電極シート302aは、この分野で知られている第1活性材料306aを含む。電極シート302aの電流収集タブ304aは、活性材料306aにより覆われていない電極シート302aの延長した部分である。同様に、電極シート302bは、活性材料306bを含む。負電極シート302bの電流収集タブ304bは、材料306bにより覆われていない負電極シート302bの延長した部分である。
【0027】
図4は、角柱電池セルに組み立てられる前の、セパレータシート404の一部に載置された一連のカソードとアノードのシート(例えば、302a、302b)を示す概略図である。電極シート(例えば、302a、302b)を備えたセパレータシート404は、水平方向に、例えばアコーディオンのひだのように折り畳まれ、電極シートは一枚ずつ積層され、セパレータシート404で分離される。折り畳みプロセスは、スタック巻き(stack-winding)と呼ばれる。電極302a、302bの相対位置は適当な積層とセパレータシートの間の電極のアラインメントのために選択される。セパレータシートの寸法は、電極を分離するのに必要で、セルの体積の要求(例えば、得られる空間)と整合するようないずれかの範囲である。例えば、電極が143〜145mmの幅であると仮定すると、セパレータシートは、約206mmの幅と0.025mmの厚さになりセパレータシート上に配置された場合の電極間の距離は約145mmとなる。
【0028】
アノードシート(例えば、シート302b)の上の電流収集タブ(例えば、シート304b)の相対位置は、スタック巻きの後に、タブが互いに垂直方向に整列するように形成される。同様に、カソードシート(例えば、シート302a)の上の電流収集タブ(例えば、シート304a)の位置は、スタック巻きの後に、タブが互いに垂直方向に整列するように選択される。幾つかの具体例では、角柱セルの中には、約20から30のアノードシートと、20から30のカソードシートがある。スタック巻の後に、電池セルの内部構成要素(例えば、電極およびセパレータシト)は密封封止される。一の具体例では、内部構成要素は、ポーチ材料からなる囲いの中にシールされる。典型的なセルポーチ材料は、ポリエチレン、ナイロン、およびアルミニウム箔の積層を含む。しかしながら、他の好適な囲いをセルの内部構成要素のシールに用いても良い。
【0029】
延長タブは、電流収集タブに溶接またはそうでなければ貼り付けられる。延長タブは、以下でより詳しく検討するように、シールのための材料のストリップを含む。図5は、正および負の電極シート302a、302bの電流収集タブ304a、304bに取り付けられた、延長タブ308a、308bの、それぞれの正面図および側面図を示す。延長タブ308a、308bの寸法は、所望の温度特性と電気特性を提供でき、セルの体積の要求(例えば、得られる空間)と整合するようないずれかの範囲を有する。例では、延長タブ308a、308bの厚さは、約0.4mmである。封止ストリップ504a、504bは、延長タブ308a、308bのそれぞれを横切って配置される。ストリップ504a、504bは、電池セルの内部構成要素を封止するために使用され、これについては図7に関連して説明する。
【0030】
一旦、電流収集タブ304a、304bが積層されれば、一般にはタブアセンブリの厚さ方向に溶接することで、それらは延長タブ304a、304bを用いて互いに接続される。図6は、角柱電池セルのタブアセンブリの寸法と溶接位置を示す概略図である。図6は、スタック溶接後の、電流収集タブ304a、304bと延長タブ308a、308bの位置を示す。延長タブ308a、308bは、先に示したように取り付けられたストリップ504a、504bを有する。電流収集タブ304a、304bと延長タブ308a、308bは、ストリップ504a、504bの下にそれぞれ溶接セクション604a、604bを有する。溶接セクション604a、604bでは、正の電流収集タブ(例えば、タブ304a)と負の電流収集タブ(例えば、タブ304b)が、例えば超音波溶接、抵抗溶接、レーザー溶接、または他の好適な溶接技術を用いて、互いに溶接される。延長タブ308a、308bは、溶接されてそれぞれ電流収集タブ304a、304bと一体にされる。図6に示したように、延長タブ308a、308bの底部310a、310bは、一体となった電流収集タブ304a、304bと重なり、例えば、1つの延長タブ308aが、一体となった電流収集タブ304aから延びる。同様に、1つの延長タブ308bが、一体となった電流収集タブ304bから延びる。一体となった電流収集タブ304a、304bの断面積は互いに異なり、本発明にかかる好適な比を提供する。一の具体例では、電流収集タブは、延長タブが電流収集タブに溶接されるのと同時に、互いに溶接されても良い。これは、例えば、超音波溶接方法が用いられる場合であり、超音波溶接からの刺激が、形成される溶接の近傍で他の溶接にダメージを与えるためである。他の具体例では、電流収集タブと延長タブが、同時に互いに接続される必要は無く、別々のプロセスで取り付けることができる。
【0031】
一の具体例では、延長タブは薄く、平坦なタブであり、正の延長タブ308aの長さと幅は、それぞれ、正の延長タブ308aの厚さの少なくとも10倍である。負の延長タブ308bの長さと幅は、それぞれ、負の延長タブ308bの厚さの少なくとも10倍である。延長タブ308a、308bの長さの寸法は、図6に垂直方向に拡がって示され、幅の寸法は水平方向に拡がって示される。延長タブの厚さの寸法は、図6のページに向かう方向に拡がり、図2Bの具体例に示される。他の具体例では、正の延長タブの長さと幅は、正の延長タブの厚さの少なくとも50倍であり、負の延長タブの長さと幅は、負の延長タブの厚さの少なくとも50倍である。他の具体例では、正の延長タブの長さと幅は、正の延長タブの厚さの少なくとも100倍であり、負の延長タブの長さと幅は、負の延長タブの厚さの少なくとも100倍である。図7に示すように、正の電極シートと負の電極シートの周囲でポーチがシールされ、正の延長タブ308aと負の延長タブ308bがポーチの外側に延びても良い。
【0032】
特に、図7は、幾つかの具体例にかかる角柱電池セルの上部シール706を示す概略図である。セルの囲いまたはポーチ704の一部を示す。セルの囲い704は、セルアセンブリの内部構成要素を囲むために用いられる。幾つかの具体例では、囲い704は、積層された電極の表面と裏面とに配置されたポーチ材料の2つのシートを含み、これらは、囲いの端部で互いに継ぎ合わされ、積層電極を密封シールする。ストリップ504a、504bは、囲い704のポーチ材料に合うような材料から形成され、セル囲いシートの上端部が互いに継ぎ合わされる場合、上端部はストリップ504a、504b(およびそれゆえにタブアセンブリと)に固く取り付けられ、この部分ではタブアセンブリによりそれらが分離される。この方法では、上部シール706が、それぞれが延長タブ308a、308bに取り付けられたストリップ504a、504bを横切って形成される。例では、シールの幅は約5mmである。セパレータシート404は、電極プレート302a、302bの間に示される。
【0033】
図8は、囲いシートの横端部を互いに継ぎ合わせることにより形成された角柱電池セルのサイドシール804を示す概略図である。例では、サイドシール804の幅は、約10mmである。なお、図7〜図8は、セル囲いの1つのタイプについて示すが、他の好適なセル囲いのタイプを、セルアセンブリの内部構成要素を密封シールするのに用いても良い。図9は、幾つかの具体例にかかる、完成した角柱電池セル200の1つの例の、様々な構成要素を示し、電流収集タブ304a、304b、延長タブ308a、308b、溶接セクション604a、604b、およびストリップ504a、504bを含む。
【0034】
延長タブ308a、308bの間の、異なる断面積の比について、本発明から得られる利点を示すために、シミュレーションが行われた。図10〜図16は、この目的のためのシミュレーション実施の結果を示す概略図である。図10〜図16は、様々な角柱電池セルデザインの温度分布を示す。概略図は、214×153×7.3mmのセルボディを有する角柱セルの3D過渡温度解析で得られたデータに基づく。熱分析は、電池セルのコンピュータモデルを用いたシミュレーションに基づく。コンピュータモデルは、図17に示されるような有限要素モデルであり、セルは、分析のために、小さな4面体の熱固体要素に分けられる。シミュレーションのために、所定の熱発生特性および熱伝導特性が、電池セルの様々な部分のために選択される。例えば、セルボディは、直交異方性の熱伝導特性を有する熱発生源としてモデル化され、電力端子(または延長タブ)は、等方性の熱伝導特性を有する熱発生源としてモデル化される。特に、セルボディは、密度が2.7e+006g/m^3、比熱が1J/gK、熱伝導率がX、Y方向に40W/mK、Z方向に0.6W/mKと仮定される(g=グラム、m=メータ、J=ジュール、K=ケルビン、およびW=ワット)。比熱は、エネルギの量であり、単位体積あたりの材料の温度を上げるのに用いられる。正のタブは、密度が2.7e+006g/m^3、比熱が0.904J/gK、熱伝導率がX、Y、Z方向に230W/mKと仮定される。負のタブは、密度が8.96e+006g/m^3、比熱が0.385J/gK、熱伝導率がX、Y、Z方向に385W/mKと仮定される。セルからの熱移動は、広くて平坦なセルの空気に対する表面で周囲の温度への対流により、および35℃の一定温度に接続することによりタブの端部を通って起きるものと仮定される。周囲の温度は35℃と仮定され、対流膜係数(convection film coefficient)は10W/m^2Kと仮定される。
【0035】
図10〜図16の概略図は、モデル化された異なるデザインのセルの正面図を示し、セルボディ(例えば、図10のセルボディ1004)や延長タブ(例えば、図10のターミナル1006)を含む。延長タブの寸法は、それぞれの概略図の底部に示される(例えば、図10では位置1008)。60秒後の、電池セルを横切る電池セルの温度が、温度スケールを用いて表される(例えば、図10のスケール1002)。例では、図10において、領域1010aは温度スケール1002の下端部に対応し、それゆえに約30.9℃の温度を有し、領域1010bは温度スケール1003の上端部に対応し、それゆえに約40.6℃の温度を有する。セルの最高温度と最低温度は、示されたセルの上部左に示される(例えば、図10の位置1012)。
【0036】
図10は、電力端子また延長タブが同じ寸法(50mm)の場合、2つの端子の温度が異なることを示す。アルミニウムの延長タブが約50mmの幅で、銅のタブが約50mmの幅の場合、2つの端子の温度は同一にはならない。この結果、温度勾配が発生する。
【0037】
図11は、アルミニウムタブが約60mmの幅で、銅のタブが約40mmの幅の場合、2つの端子間の温度勾配が低減されることを示す。60秒後において、最低温度は約31.9℃であり、最高温度は約38.5℃である。この結果、温度勾配はより小さくなり、図11のセルの最も熱い点の温度は、図10のセルの最も熱い点の温度より低くなる。
【0038】
図12は、アルミニウムタブが約65mmの幅で、銅のタブが約35mmの幅の場合、2つの端子間の温度勾配が変わることを示す。60秒後において、最低温度は約31.9℃であり、最高温度は約39.4℃であり、これにより、延長タブの間の異なる断面積の比により、温度が変化することが示される。図13は、アルミニウムタブが約63mmの幅で、銅のタブが約37mmの幅の場合を示す。60秒後において、最低温度は約31.9℃であり、最高温度は約38.8℃である。図14は、アルミニウムタブが約62mmの幅で、銅のタブが約38mmの幅の場合を示し、最高温度は、図12や図13の場合に比較して低くなることを示す。60秒後において、最低温度は約32℃であり、最高温度は得約38.6℃である。
【0039】
図15および図16は、アルミニウムタブが約61mmの幅で、銅のタブが約39mmの幅の場合であり、60秒後において2つの端子の温度は同一である。この結果、温度勾配はより小さくなる。図15および図16に結果が示された分析は、図16に対して選択された異なるASIを除いて、同一である。セルのボディの体積熱発生は、ASIに直接比例する。図15と図16の重要性は、本発明の例示的な具体例が、熱生成の1つの速度のみであるのとは対照的に、熱生成の速度の範囲において有用性を有することを示すことである。図15は、最高温度38.111を示す。図16は最高温度42.994を示す(「SMX」は、プロット中に示される最高温度を示す)。
【0040】
このように、分析は、図10〜図17と関連して示され、セルの最も熱い点の温度の最小化や低減と共に、好適な温度勾配を提供する本発明の有益な形態を示す。
【0041】
図18は、時間における角柱電池セルの様々な点における温度変化を示す。電池セルは、幅が61mmの正のアルミニウムの延長タブと、幅が39mmの負の銅の延長タブとを有する。図は、上述の熱分析から得られたデータに基づく。線「T中心(Tcenter)」は、セルボディの中心における温度変化を示す。線「T負タブ(Tnegtab)」と「T正タブ(Tpostab)」は、セルボディとの交差点における、負の延長タブと正の延長タブとの中央における温度変化をそれぞれ示す。示されるように、正の延長タブにおける温度は、負の延長タブにおける温度と比較的近くなる。
【0042】
図19は、角柱電池セルの温度と電圧の、時間に対する変化を示す図である。セルのボディは、7.5×150×200mmの寸法を有する。正の延長タブは幅が56.5mmであり、負の延長タブは幅が36mmである。図に示されるように、正の延長タブの温度は、負の延長タブの温度と比較的近い。
【0043】
上述の記載は、角柱セルデザインに集中したが、本発明の具体例は、円筒形セルのような他の電池セルにも適用することができる。例えば、円筒形セルでは、正および負の端子のための電流収集タブまたは延長タブの寸法は、それらのそれぞれの構成材料の電気抵抗率や温度伝導率に比例して形成され、これにより温度勾配および/または最高温度は低減される。電池の寿命と安全性の観点から、これは、円筒形セルの性能に有益である。また、本発明の具体例は、比較的薄い電極を用いる電気化学的セルにも適用でき、これらは、比較的高速で動作するように設計される。そのようなセルの例は、ニッケル/金属水素化物セルやニッケル/カドミウムセルを含む。様々な具体例が、例示としてここに示され、記載されたが、当業者は本発明の精神や範囲から離れることなく変形を行うことが理解されるであろう。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
電気化学セルであって、
電流収集タブを有する複数の正の電極シートと、
電流収集タブを有する複数の負の電極シートであって、正と負の電極シートはセル中に重ねられる負の電極シートと、
正の電極シートの電流収集タブから延びた正の延長タブと、
負の電極シートの電流収集タブから延びた負の延長タブと、を含み、
正の延長タブの断面積は、負の延長タブの断面積とは異なる電気化学セル。
【請求項2】
正の電極シートは第1の活性材料を含み、正の電極シートの電流収集タブは、第1の活性材料で覆われていない正の電極シートの延びた部分であり、
負の電極シートは第2の活性材料を含み、負の電極シートの電流収集タブは、第2の活性材料で覆われていない負の電極シートの延びた部分である請求項1に記載の電気化学セル。
【請求項3】
正の延長タブの寸法は幅と厚さを含み、負の延長タブの寸法は幅と厚さを含み、正の延長タブの幅は、負の延長タブの幅とは異なる請求項1に記載の電気化学セル。
【請求項4】
正の延長タブの寸法は幅と厚さを含み、負の延長タブの寸法は幅と厚さを含み、正の延長タブの厚さは、負の延長タブの厚さとは異なる請求項1に記載の電気化学セル。
【請求項5】
正の延長タブの厚さと幅は、負の延長タブの厚さと幅とは異なる請求項4に記載の電気化学セル。
【請求項6】
正の電極シートの電流収集タブは互いに溶接されて溶接部分を形成し、負の電極シートの電流収集タブは互いに溶接されて他の溶接部分を形成する請求項1に記載の電気化学セル。
【請求項7】
正の延長タブは正の電流収集タブに溶接され、負の延長タブは負の電流収集タブに溶接される請求項6に記載の電気化学セル。
【請求項8】
電気化学セルは、正の電極シートと負の電極シートを囲むポーチを含み、ポーチは、正の延長タブと負の延長タブがポーチの外側に延びるように、正の電極シートと負の電極シートの周囲をシールする請求項1に記載の電気化学セル。
【請求項9】
シール材料が正の延長タブと負の延長タブの上に配置され、ポーチとともにシールを形成する請求項8に記載の電気化学セル。
【請求項10】
ポーチ材料は、ポリエチレン、ナイロン、およびアルミニウム箔の少なくとも1つを含む請求項8に記載の電気化学セル。
【請求項11】
正の延長タブは、正の電極シートの電流収集タブの、最も外部の1つの上に配置され、負の延長タブは、負の電極シートの電流収集タブの、最も外部の1つの上に配置される請求項1に記載の電気化学セル。
【請求項12】
正の延長タブはアルミニウムを含み、負の延長タブは銅を含み、負の延長タブの断面積は、正の延長タブの断面積の約2/3である請求項1に記載の電気化学セル。
【請求項13】
正の延長タブはアルミニウムを含み、負の延長タブはニッケルを含み、負の延長タブの断面積は、正の延長タブの断面積の約2/3である請求項1に記載の電気化学セル。
【請求項14】
正の延長タブはアルミニウムを含み、負の延長タブは銅を含み、正の延長タブは約60mmの厚さであり、負の延長タブは約40mmの厚さである請求項1に記載の電気化学セル。
【請求項15】
負の電極シートと正の電極シートは、カソードシートとアノードシートを形成し、アノードシートはカソードシートより幅が広くて長い請求項1に記載の電気化学セル。
【請求項16】
セパレータシートは、正の電極シートと負の電極シートとの間に挿入される請求項1に記載の電気化学セル。
【請求項17】
セパレータシートは、正の電極シートと負の電極シートの間に折り畳まれた連続したシートである請求項16に記載の電気化学セル。
【請求項18】
電気化学セルは、角柱リチウムイオンセルである請求項1に記載の電気化学セル。
【請求項19】
正の延長タブは所定の断面積を有し、負の延長タブは異なる所定の断面積を有し、使用中に、正の延長タブは第1の温度を有し、負の延長タブは第2の温度を有して、正の延長タブの温度と負の延長タブの温度との間で最適な温度差を有し、
最適な温度差は、正の延長タブと負の延長タブの断面積の比を変えることによっては、これ以上は低減されない請求項1に記載の電気化学セル。
【請求項20】
リチウム電池であって、
電流収集タブを有する複数の正の電極シートと、
電流収集タブを有する複数の負の電極シートと、
正の電極シートと負の電極シートにイオン接触する電解質と、
正の電極シートの電流収集タブから延びた正の延長タブと、
負の電極シートの電流収集タブから延びた負の延長タブと、
正の電極シートと負の電極シートとを囲むポーチであって、正の延長タブと負の延長タブが、ポーチの内側から外側に延びるように、正の電極シートと負の電極シートの周囲をシールするポーチと、を含み、
正の延長タブの断面積は、負の延長タブの断面積と異なるリチウム電池。
【請求項21】
正の電極シートは第1の活性材料を含み、正の電極シートの電流収集タブは、第1の活性材料に覆われない正の電極シートの延長された部分であり、
負の電極シートは第2の活性材料を含み、負の電極シートの電流収集タブは、第2の活性材料に覆われない負の電極シートの延長された部分である請求項20に記載のリチウム電池。
【請求項22】
正の延長タブの寸法は幅と厚さとを含み、負の延長タブの寸法は幅と厚さとを含み、正の延長タブの幅は負の延長タブの幅と異なる請求項20に記載のリチウム電池。
【請求項23】
正の延長タブの寸法は幅と厚さとを含み、負の延長タブの寸法は幅と厚さとを含み、正の延長タブの厚さは負の延長タブの厚さと異なる請求項20に記載のリチウム電池。
【請求項24】
正の延長タブは、正の電極シートの電流収集タブの最も外部の1つの上に配置され、負の延長タブは、負の電極シートの電流収集タブの、最も外部の1つの上に配置される請求項20に記載のリチウム電池。
【請求項25】
正の延長タブはアルミニウムを含み、負の延長タブは銅を含み、負の延長タブの断面積は、正の延長タブの断面積の約2/3である請求項20に記載のリチウム電池。
【請求項26】
正の延長タブはアルミニウムを含み、負の延長タブはニッケルを含み、負の延長タブの断面積は、正の延長タブの断面積の約2/3である請求項20に記載のリチウム電池。
【請求項27】
連続したセパレータシートは、正の電極シートと負の電極シートとに間に折り畳まれる請求項20に記載のリチウム電池。
【請求項28】
正の拡張タブは所定の断面積を有し、負の拡張タブは異なる所定の断面積を有し、使用中に、正の延長タブは第1の温度を有し、負の延長タブは第2の温度を有して、正の延長タブの温度と負の延長タブの温度との間で最適な温度差を有し、最適な温度差は、正の延長タブと負の延長タブの断面積の比を変えることによっては、これ以上は低減されない請求項20に記載のリチウム電池。
【請求項29】
電気化学セルを作製する方法であって、
電流収集タブを備えた複数の正の電極シートを準備する工程と、
電流収集タブを備えた複数の負の電極シートを準備する工程と、
正の電極シートの電流収集タブから正の延長タブを延ばす工程と、
負の電極シートの電流収集タブから負の延長タブを延ばす工程と、
正の延長タブの断面積を、負の延長タブの断面積と異なるように選択する工程と、を含む方法。
【請求項30】
選択する工程は、正の延長タブと負の延長タブの電気抵抗率と熱伝導率との少なくとも1つに基づいて、正の延長タブの断面積を、負の延長タブの断面積と異なるように選択する工程である請求項29に記載の方法。
【請求項31】
更に、正の電極シートの電流収集タブが、正の電極シートの延びた部分となり、第1の活性材料に被覆されないように、正の電極シートの一部を第1の活性材料で被覆する工程と、
負の電極シートの電流収集タブが、負の電極シートの延びた部分となり、第2の活性材料に被覆されないように、負の電極シートの一部を第2の活性材料で被覆する工程と、を含む請求項29に記載の方法。
【請求項32】
正の延長タブの幅を、負の延長タブの幅と異なるように形成する請求項29に記載の方法。
【請求項33】
正の延長タブの厚さを、負の延長タブの厚さと異なるように形成する請求項29に記載の方法。
【請求項34】
更に、正の電極シートの電流収集タブを互いに溶接して溶接部分を提供する工程と、負の電極シートの電流収集タブを互いに溶接して他の溶接部分を提供する工程と、を含む請求項29に記載の方法。
【請求項35】
溶接工程は、正の延長タブを正の電流収集タブに溶接する工程と、負の延長タブを負の電流収集タブに溶接する工程と、を含む請求項29に記載の方法。
【請求項36】
更に、電気化学セルの周囲にポーチをシールして、正の延長タブと負の延長タブとをポーチの内側から外側に延ばす工程を含む請求項29に記載の方法。
【請求項37】
溶接工程は、正の電極シートの電流収集タブの最も外部の1つの上に正の延長タブを溶接する工程と、負の電極シートの電流収集タブの最も外部の1つの上に負の延長タブを溶接する工程と、を含む請求項35に記載の方法。
【請求項38】
負の延長タブの断面積を、正の延長タブの断面積の約2/3となるように形成する工程を含む請求項29に記載の方法。
【請求項39】
更に、正の電極シートと負の電極シートとの間に、折り畳む方法で、セパレータシートを配置する工程を含む請求項29に記載の方法。
【請求項40】
使用中に、正の延長タブは第1の温度を有し、負の延長タブは第2の温度を有し、正の延長タブの温度と負の延長タブの温度との間で最適温度差を形成するように、所定の断面積を有するように正の延長タブを形成し、異なる所定の断面積を有するように負の延長タブを形成する工程を含み、
最適な温度差は、正の延長タブと負の延長タブの断面積の比を変えることによっては、これ以上は低減されない請求項29に記載の方法。
【請求項41】
電気化学セルであって、
電流収集タブを有する複数の正の電極シートと、
電流収集タブを有する複数の負の電極シートであって、正と負の電極シートはセル中に重ねられる負の電極シートと、
正の電極シートの電流収集タブから延びた正の延長タブと、
負の電極シートの電流収集タブから延びた負の延長タブと、を含み、
正の延長タブおよび負の延長タブは、それぞれが所定の長さ、幅、および厚さを有し、
正の延長タブの断面積は、負の延長タブの断面積とは異なり、
正の延長タブの長さと幅は、それぞれ、正の延長タブの厚さの少なくとも10倍であり、負の延長タブの長さと幅は、それぞれ、負の延長タブの厚さの少なくとも10倍である電気化学セル。
【請求項42】
正の延長タブの長さと幅は、それぞれ、正の延長タブの厚さの少なくとも50倍であり、負の延長タブの長さと幅は、それぞれ、負の延長タブの厚さの少なくとも50倍である請求項41に記載の電気化学セル。
【請求項43】
正の延長タブの長さと幅は、それぞれ、正の延長タブの厚さの少なくとも100倍であり、負の延長タブの長さと幅は、それぞれ、負の延長タブの厚さの少なくとも100倍である請求項42に記載の電気化学セル。
【請求項44】
電気化学セルは、正の電極シートと負の電極シートを囲むポーチを含み、正の延長タブと負の延長タブがポーチの外側に延びるように、正の電極シートと負の電極シートの周囲でポーチがシールされる請求項41に記載の電気化学セル。

【図1A】
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【図1B】
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【図1C】
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【図2A】
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【図2B】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【公表番号】特表2011−505671(P2011−505671A)
【公表日】平成23年2月24日(2011.2.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−536145(P2010−536145)
【出願日】平成20年11月25日(2008.11.25)
【国際出願番号】PCT/US2008/084759
【国際公開番号】WO2009/073492
【国際公開日】平成21年6月11日(2009.6.11)
【出願人】(505239219)エイ 123 システムズ,インク. (24)
【Fターム(参考)】