説明

非導電性基板の選択的触媒活性化

【課題】無線物品用ループアンテナの製作、及びテレホンカード等のスマートカード用回路の製作のために、金属パターンを非導電性基板上に設けるプロセスを提供する。
【解決手段】方法は、触媒インクを塗布することで非導電性基板を触媒する、触媒インク中の触媒金属イオン源を関連する金属に還元する、無電解金属を基板面の触媒インクパターンに堆積する、及び電解金属を無電解金属層上にメッキして所望の金属パターンを非導電性基板に製造する工程を含む。触媒インクは、概して、1つ以上の溶媒、触媒金属イオン源、架橋剤、1つ以上のコポリマー、ポリウレタンポリマー、及び任意で、1つ以上のフィラーを含む。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電解金属で非導電性基板をパターニングする改良された方法に関する。本発明のパターン基板は、無線物品用ループアンテナの製作、及びテレホンカード用回路の製作に使用される。
【背景技術】
【0002】
多くの電子用途は、電子装置間を相互接続するための、非導電性基板のパターン金属被覆を必要とする。用途としては、例えば、高密度実装(マルチチップモジュール)、アンテナ、フレックス回路、プリント基板、及びフラットパネルディスプレーが挙げられる。
【0003】
無線ICタグ(RFID)は、自動識別システムの一種である。RFIDシステムの目的は、RFIDリーダにより読み取り、特定用途の必要に応じて処理されるタグと呼ばれる携帯機器によってデータを送信可能にすることである。基本的なRFIDシステムは、下記の3つの要素からなる:
アンテナ又はコイル、
トランシーバー(デコーダを装備)、及び
固有の情報を電子的にプログラムしたトランスポンダ(RFタグ)。
【0004】
タグ、認識票、スマートカード等の無線物品は、無線周波数(RF)通信リンクを介してベースユニット、又はリーダと無線通信する。これらの物品は、物品、人及び取引の電子識別及び追跡に使用可能である。ベースユニットにより送信されるRF通信は無線物品のアンテナに受信され、無線物品のアンテナにより無線物品から送信されるRF通信はベースユニットに受信され、又は無線物品及びベースユニットのそれぞれによるRF通信は、もう1つのベースユニットに受信されうる。
【0005】
RFIDタグは、能動型、又は受動型に分類される。能動型RFIDタグは、内蔵電池で動き、また、概してリード/ライト、すなわち、タグデータは書換え及び/又は変更可能である。能動型タグの記憶容量は、アプリケーション要件により変わる。受動型RFIDタグは、別の外部電源無しで動作し、リーダから発生する動作電力を得る。
【0006】
RFIDシステムの全様式の重要な利点は、非接触、技術的な見通し外性である。タグは、雪、霧、氷、塗料、頑固な汚れ等の様々な物質、及びバーコード又は他の光学式読取技術が役に立たない他の視覚的、及び環境的に厳しい状況を介して読むことが出来る。
【0007】
いずれの場合も、無線物品により受信又は送信されるRF信号は、無線物品のアンテナにより受信又は送信される。無線物品は、通常、小さいものが望まれるため、無線物品のアンテナもまた小さい。RFアンテナの導電コイルパターンによって、アンテナは無線周波数の範囲でエネルギーを受信及び放出可能となる。小振幅RF信号に対するアンテナの感度、及びアンテナにより送信されるRF信号の振幅は、アンテナループにより取り囲まれる領域、及びループを形成する導線の巻数の一次関数である。小さなタグ即ちバッチとするため、大きさはアンテナループが取り囲み可能な領域を限定するためアンテナのRF性能を制限する。概して、アンテナは、無線周波数領域の比較的狭い部分でエネルギーを送受信するように最適化される。しばしば、無線周波数アンテナは、集積回路に接続される。集積回路は、検出ユニットからエネルギーを受け取り、集積回路に保存される識別パターンでエネルギーを変調し、そして、変調エネルギーを検出ユニットに再送信する。RF識別タグは、概して、100KHz〜3GHz、又はそれ以上の周波数範囲で動作する。
【0008】
様々な無線物品の組立て方法、及び該無線物品にRFアンテナ及び回路を形成する方法が先行技術に記載されている。
【0009】
特許文献1は、金属シートから導電性コイルをスタンピングしてRFアンテナを形成する方法を開示し、本明細書中に参照によりその全体を援用する。この方法の欠点は、金属コイルの製造が、大量の金属屑を生じることである。更に、金属シートからスタンピングにより製造されたRFアンテナは、多くの用途で望まれる程度の柔軟性がない。
【0010】
RFアンテナ形成に提案されている他の方法は、プリント回路基板の製造に一般的に使用される剥離技術を使用することである。プリント回路基板の製造において、導電性材料層、すなわち、金属層が基板上に形成され、アンテナに使用されない領域は剥離される。無線周波数コイルアンテナは、基板の表面積の約10%だけを覆う傾向があるため、この方法は、無線周波数アンテナの製造に使用される場合に無駄が多い傾向がある。これに対して、一般的なプリント回路基板の実装は、約70%〜80%の被覆領域を必要とする。
【0011】
非導電性基板上にRFアンテナを形成する更に他の方法は、電気回路を複合材料からなるアンテナに接続し、該複合材料を接続ポイントで電気回路に接続する特許文献2に開示され、本明細書中に参照によりその全体を援用する。アンテナは、基板上にスクリーンを介して金属粉末、ポリマー材料、及び溶媒のペーストを覆うことで作製される。ペーストがまだ湿っている間に、電気回路の電気接点を湿ったペーストで接触させることで電気回路を材料に結合させ、そして、溶媒除去、及び/又はポリマーマトリックス材料を硬化する。
【0012】
特許文献3は、導電性インクを使用してRFアンテナを形成する方法を開示し、本明細書中に参照によりその全体を援用する。導電性インクを基板上にRFアンテナコイルパターンに印刷し、硬化する。そして、印刷されたアンテナは、そのままで使用するか、あるいは電極を導電性インクパターンに付着させ、そして、材料層を導電性インクパターンの上に電気メッキする。
【0013】
RFタグ及び識別装置の根本的な問題は、タグ/カードのコストを該タグが取り付けられる製品のコストより低い水準に減らさなければならないことであり、それによってより多くのタグが使用可能となり、大量生産で更にコスト削減できる。タグの費用とは、半導体チップ、アンテナ、アンテナ及びチップを支持する基板の費用並びに取付費用である。そのような装置の使用が更に普及しているため、当該技術分野では、製造費用を削減すると共にプロセスの効率性を大きくする必要がある。
【0014】
本発明の発明者らは、アンテナ及び回路が、該アンテナ及び回路を形成するための新規の触媒インク配合を使用して有利に製造されることを発見し、それらは、次いで無電解メッキ組成物、続いて電解メッキ組成物によりメッキされうる。
【0015】
先行技術において、触媒インク配合、及びメッキ触媒が広く開示されているが、RFアンテナ及びテレホンカード回路の形成に使用可能な改良された触媒インク配合が当技術分野で必要とされている。
【0016】
特許文献4は、化学還元メッキプロセスによりメッキする材料面を触媒する方法を開示し、本明細書中に参照によりその全体を援用する。該方法は、有機溶媒(すなわち、アセトン)に溶解した塩化パラジウムの複合物を含む触媒を使用するが、該触媒は、非導電性(プラスチック)基板の触媒に非常に効果的ではない。
【0017】
特許文献5は、フレキシブル基板にフレキシブルプリント回路を作製する方法を開示し、本明細書中に参照によりその全体を援用する。特許文献5は、適切なパラジウム配位錯体を含むインク配合を開示する。該錯体は、式LPdXで現され、Lは配位子又は不飽和有機基、Pdは錯体のパラジウム金属ベース、Xはハロゲン基、アルキル基、又は二座配位子、並びにm及びnはmが1〜4、nが0〜3の整数である。しかしながら、特許文献5に開示される触媒インク配合が、無線物品用RFアンテナ及び回路の形成に使用可能であることは提案されていない。
【0018】
特許文献6は、液体コーティング組成物に分散された触媒粒子の混合物を含み、且つ、選択的に堆積した金属コーティングの形成に有効であるメッキ触媒を開示し、本明細書中に参照によりその全体を援用する。該触媒粒子は、無電解メッキ触媒が不活性微粒子キャリアに被覆された還元金属塩から形成される。本発明のプロセスは、良好なメッキ速度でのメッキを可能にし、長期使用の間に下地基板に強力に接着したままの堆積物が形成される。しかしながら、該触媒はペーストとして塗布する必要があり、また、本プロセスは、該触媒を塗布する前に更に非導電性基板の溶媒和(すなわち、軟化)工程を必要とする。
【0019】
特許文献7は、酸化剤での前処理エッチングを必要としない、基板面の化学的金属化に対するプライマー組成物を開示し、本明細書中に参照によりその全体を援用する。該プライマー組成物は、a)ポリウレタン系に基づく皮膜形成剤、b)特定の表面張力を有する添加剤、c)イオン及び/又はコロイド貴金属、又はその有機金属共有結合化合物、d)フィラー、及びe)溶媒を含む。しかしながら、特許文献7に開示されるプライマーはRFアンテナ又はスマートカード回路の製造に選択的に塗布可能であることを提案していない。
【0020】
特許文献8は、基板面に、溶媒、キャリア、及び金属触媒イオンを含む触媒液を塗布するプロセスを開示し、本明細書中に参照によりその全体を援用する。触媒液は、基板面全体を被覆可能、又は基板面の1部だけに選択的に塗布可能である。基板面の触媒液層における溶媒の濃度は、基板を加熱することで減少可能である。金属クラスターは、基板を更に加熱することで残りの触媒層に形成可能である。そして、無電解メッキが、基板面の触媒液を被覆した部分上に金属を堆積可能である。そして、電解メッキは、基板面の触媒液で被覆した部分上に更に金属を堆積可能である。しかしながら、特許文献8もまた、発明に記載する触媒が、RFアンテナ又はスマートカード回路の製造プロセスで使用可能であることを提案していない。
【0021】
【特許文献1】米国特許第6,333,721号明細書(Altwassen)
【特許文献2】米国特許第6,662,430号明細書(Brady他)
【特許文献3】国際公開第WO01/69717号パンフレット(RCD Technology, Inc.)
【特許文献4】米国特許第3,414,427号明細書(Levy)
【特許文献5】米国特許第4,368,281号明細書(Brummett他)
【特許文献6】米国特許第5,288,313号明細書(Portner)
【特許文献7】米国特許第5,378,268号明細書(Wolf他)
【特許文献8】米国特許第6,461,678号明細書(Chen他)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0022】
改良された触媒インク組成物、及び先行技術の欠点の多くを克服する無線物品用RFアンテナ及び回路を製造するための触媒インク組成物を使用する改良されたプロセスが、当該技術分野で必要とされている。
【課題を解決するための手段】
【0023】
概して、方法は非導電性基板に金属パターンを設ける方法を含み、下記工程を含む:
a)触媒金属イオン源を含む触媒インクを非導電性基板面に所望のパターンに塗布することで非導電性基板を触媒する、
b)触媒インク中の触媒金属イオン源を関連する金属に還元する、
c)無電解金属を基板面の触媒インクパターンに堆積する、及び
d)電解金属を無電解金属層上に所望の厚さにメッキして所望の金属パターンを非導電性基板に製造する。
【0024】
好適な実施形態において、触媒金属イオンは、パラジウムに還元されるパラジウムイオンを含む。関連する金属に還元される金、白金、銀、及び銅を含む他の触媒金属イオンが本発明で使用可能である。また、触媒金属そのものは、触媒インクに直接含まれうる。
【0025】
一実施形態において、触媒インクが所望のパターン、すなわち、アンテナパターンにスクリーン印刷され、及び乾燥される。他の印刷手段、例えば、グラビア印刷、リソグラフィ、及びフレキソ印刷もまた、触媒インクを所望のパターンに印刷するために使用されうる。
【0026】
本発明の触媒インクは、概して、下記を含む:
a)1つ以上の溶媒、
b)パラジウム、金、白金、銀、及び銅等の触媒金属イオン源、
c)架橋剤、
d)1つ以上のコポリマー、
e)ポリウレタンポリマー、及び
f)任意で、1つ以上のフィラー。
【0027】
また、非導電性基板上の金属パターンは、下記工程を含む方法を使用して提供されうる:
a)触媒金属イオン源を含む触媒インクを非導電性基板面に所望のパターンの輪郭でベタパターンに塗布することで非導電性基板を触媒する、
b)触媒インク中の触媒金属イオン源を関連する金属に還元する、
c)無電解金属を基板面の触媒インクパターンに堆積する、
d)電解金属を無電解金属層上に所望の厚さにメッキして所望の金属パターンを非導電性基板に製造する、
e)所望のパターンのUVエッチングレジストを印刷する、並びに
f)レジスト間のメッキ金属をエッチング除去し、所望の回路を決定する。
【0028】
好適な実施形態において、触媒金属イオンは、パラジウム金属に還元されるパラジウムイオンを含む。関連する金属に還元される金、白金、銀、及び銅を含む他の触媒金属イオンもまた、本発明で使用可能である。また、触媒金属そのものは、触媒インクに直接含まれうる。
【0029】
本発明の触媒インク配合は、また、従来のパラジウム活性化槽を使用せずに、テレホンカードに回路をメッキするために使用される。
本実施形態において、テレホンカードは下記工程により製造される:
a)触媒金属イオン源を含む触媒インクを非導電性基板に塗布し、該触媒インクを乾燥させる、
b)インク中の金属源(すなわち、パラジウム)を上記のとおり0価状態(すなわち、パラジウム金属)の金属に還元する、
c)テレホンカードにレジストを印刷し、「ヒューズ」用間隙を備える回路を製造する、
d)無電解ニッケルを露出面(触媒インクの未被覆領域)に堆積する、及び
e)電解錫/鉛を無電解ニッケル上にメッキする。
【発明を実施するための最良の形態】
【0030】
本発明は、非導電性基板に金属パターンを設ける様々な方法に関する。本発明は、無線物品用ループアンテナの製作、及びテレホンカード等のスマートカード用回路の製作に使用可能である。
【0031】
第1実施形態において、方法は下記工程を含む:
a)触媒金属イオン源を含む触媒インクを非導電性基板面に所望のパターンに塗布することで非導電性基板を触媒する、
b)触媒インク中の触媒金属イオン源を関連する金属に還元する、
c)無電解金属を基板面の触媒インクパターン上に堆積する、及び
d)電解金属を無電解金属層上に所望の厚さにメッキして、所望の金属パターンを非導電性基板に製造する。
【0032】
好ましくは、触媒インクは、パラジウム金属に還元されるパラジウムイオンを含む。それぞれの関連する金属に還元されうる、金、白金、銀、及び銅を含む他の触媒金属イオンもまた、本発明で使用可能である。また、触媒金属そのものは、直接触媒インクに含まれてもよい。
【0033】
好適な実施形態において、触媒インクは、所望のパターン、すなわち、アンテナパターンにスクリーン印刷され、乾燥される。他の印刷手段、例えば、グラビア印刷、リソグラフィ、及びフレキソ印刷もまた、触媒インクを所望のパターンに印刷するために使用されうる。
【0034】
触媒インクの標準的な配合は以下の通りである:
a)1つ以上の溶媒、
b)パラジウム、金、白金、銀、及び銅等の触媒金属イオン源、
c)架橋剤、
d)1つ以上のコポリマー、
e)ポリウレタンポリマー、及び
f)任意で、1つ以上のフィラー。
【0035】
以下、該インク配合の様々な成分をより詳細に記載する。
触媒インクが所望のパターンに印刷された後、インク中の触媒金属イオン(すなわち、パラジウム)源は、触媒基板を適切な還元剤に接触させることで金属(すなわち、0価の状態のパラジウム)に還元される。様々な還元剤が本発明の実施に使用可能であるが、還元剤は、好ましくは、水素化硼素ナトリウム、ジメチルアミノボラン、又はヒドラジンを含む。
【0036】
次に、無電解金属は、基板の触媒インクパターン上に堆積される。他の無電解金属配合もまた、本発明の実施に使用可能であるが、無電解金属は、概して、無電解ニッケル及び無電解銅から選択される。無電解メッキ浴の適切な配合は、当業者に公知である。
【0037】
最終的に、電解金属は、無電解金属堆積物上にメッキされる。本発明で使用可能な適切な電解メッキ浴は、酸性銅メッキ浴である。銅(又は他の金属)は、一般的に、約0.5mils〜約0.7milsのアンテナ厚さにメッキされ、約3.0オーム未満の抵抗を有するように選択される。また、無電解メッキプロセスは、必要とされる全体の所望の厚さを構築するために使用可能である。
【0038】
アンテナコイルを電解メッキする際に、均一な銅厚さを得るのが難しいため、本発明は、また、この問題を回避する第2の実施形態を含む。
第2の実施形態において、方法は下記工程を含む:
a)触媒金属イオン源を含む触媒インクを非導電性基板面に所望のパターンの輪郭でベタパターンに塗布することで非導電性基板を触媒する、
b)触媒インク中の触媒金属イオン源を関連する金属に還元する、
c)無電解金属を基板面の触媒インクパターン上に堆積する、
d)電解金属を無電解金属層上に所望の厚さにメッキして所望の金属パターンを非導電性基板に製造する、
e)所望のパターンのUVエッチングレジストを印刷する、並びに
f)レジスト間のメッキ金属をエッチング除去し、所望の回路を画定する。
【0039】
好ましくは、触媒金属イオンは、パラジウム金属に還元されるパラジウムイオンを含む。関連する金属に還元される、金、白金、銀、及び銅を含む他の触媒金属イオンが本発明でもまた、使用可能である。また、触媒金属そのものが、直接触媒インク中に含まれうる。
【0040】
第1の実施形態のように、触媒インクは、所望のパターン、すなわち、アンテナパターンにスクリーン印刷され、乾燥される。他の印刷手段、例えば、グラビア印刷、リソグラフィ、又はフレキソ印刷もまた、触媒インクを所望のパターンに印刷するために使用可能である。好適な実施形態において、触媒インクは、アンテナの輪郭でベタ帯状にスクリーン印刷され、乾燥される。
【0041】
触媒インクが所望のパターンに印刷された後で、インク中の触媒金属イオン源(すなわち、パラジウム)は、金属(すなわち、0価状態のパラジウム)に還元され、上記のとおり、無電解金属は触媒インク上に堆積される。
【0042】
酸性銅は、約0.5mils〜約0.7milsの厚さにベタ帯状アンテナ用無電解金属上に電解メッキされる。そして、UVエッチングレジストが、UVスクリーン印刷可能なレジスト、ドライフィルムレジスト、又は他のUVレジスト等の適切なUVエッチングレジストを使用して、アンテナパターンに、好ましくは、スクリーン印刷により塗布される。最後に、メッキ銅がレジスト間からエッチング除去され、アンテナ回路が画定される。
【0043】
本発明の触媒インク配合は、また、従来のパラジウム活性化槽を使用せずにテレホンカード上に回路をメッキするために使用される。好適な実施形態において、テレホンカード基板は、ポリエチレンテレフタレート(PET)、アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン(ABS)又はポリ塩化ビニリデン(PVC)を含む。
【0044】
好適な実施形態において、PETテレホンカードは、下記工程に従って製造される:
a)触媒金属イオン源を含む触媒インクをPET基板に塗布し、触媒インクを乾燥させる、
b)インク中の金属源(すなわち、パラジウム)を上記の関連する金属(すなわち、パラジウム金属)に還元する、
c)テレホンカードにレジストを印刷し、「ヒューズ」用間隙を備える回路を作製する、
d)無電解ニッケルを露出面(触媒インク未被覆領域)に堆積する、及び
e)電解錫/鉛を無電解ニッケル上にメッキする。
【0045】
触媒インクは、ブランクスクリーン印刷(blank screen printing)、又は当業者に公知の他の手段により塗布可能である。
本発明の各工程は、より詳細を以下に示す。
【0046】
上記のとおり、本発明の新規触媒インクの標準的配合は、下記を含む:
a)1つ以上の溶媒、
b)パラジウム、金、白金、銀、銅及びこれらの組合せからなる群から選択される触媒金属イオン源、
c)架橋剤、
d)1つ以上のコポリマー、
e)ポリウレタンポリマー、又はバインダー、及び
f)任意で、1つ以上のフィラー。
【0047】
本発明の触媒インク配合に使用される溶媒は、概して、高速蒸発溶媒である。概して、触媒インクの溶媒は、芳香族及び脂肪族炭化水素、グリセロール、ケトン類、エステル類、グリコールエーテル類、及びグリコールエーテル類のエステル類からなる群から選択されうる。より詳細には、溶媒は、トルエン、キシレン、グリセロール、アセトン、メチルエチルケトン、シクロヘキサン、イソホロン、酢酸ブチル、フタル酸ジオクチル、グリコール酸ブチル、エチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールジメチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールアセテート、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、メチルプロピルケトン、メチルアミルケトン、及び/又はジアセトンアルコールを含みうる。インク配合を作製する成分に対して不活性であり、及び高速蒸発、すなわち、沸点が約90℃未満である他の適切な溶媒が当業者に公知である。1つ以上の溶媒の混合物もまた使用されうる。好適な実施形態において、溶媒はシクロヘキサノンである。溶媒は、一般的に、触媒インク組成物の約50重量%〜約80重量%の量で使用され、好ましくは、約55重量%〜約75重量%の量で使用される。使用される溶媒の量は、想定する冷却方法によって決定される。
【0048】
他の実施形態において、触媒金属イオンの代わりに、触媒金属粒子そのものがインクに含まれるため、後に続く還元の必要性がなくなる。しかしながら、金属粒子の使用は、インクを正確に印刷するのがより難しくなる。
【0049】
好適な実施形態において、触媒金属イオンはパラジウムを含み、本発明の触媒インク組成物中のパラジウム源は、概して、塩化パラジウム、酢酸パラジウム、及び硫酸パラジウムから選択される。一実施形態において、パラジウム源は、約10%〜約20%の塩化パラジウム(II)塩酸水溶液である。他の実施形態において、パラジウム源は、約0.1%〜約2%の酢酸パラジウムのシクロヘキサノン溶液である。パラジウム源は、塩化パラジウム又は酢酸パラジウムとされるが、本発明はこれらの化合物に限定されない。金、白金、銀、及び銅化合物もまた、発明者らにより検討されるが、概して、当業者に公知である。これらの化合物の例は、米国特許第5,855,959号明細書(Boecker他)、米国特許第5,518,760号明細書(Ferrier他)、及び米国特許第5,443,865号明細書(Tisdale他)に見出すことができ、本明細書中に参照によりその全体を援用する。パラジウム源、又は他の触媒金属は、概して、触媒インク配合の約1重量%〜約2重量%の量で使用される。
【0050】
触媒インク配合の架橋剤は、一般的に、ポリイソシアネートを含む。他の架橋剤もまた、本発明の使用に適しており、過酸化物、例えば、過酸化ベンゾイル、メチルエチルケトンペルオキシド等が挙げられる。イソシアネート架橋剤の例として、以下のイソシアネートが一般的である:トルエンジイソシアネートの様々な異性体及びその混合物、ヘキサメチルジイソシアネート、ジフェニルメタンジイソシアネート、トリメチロールプロパン付加物及びトルエンジイソシアネート等が挙げられる。架橋剤は、概して、約1重量%〜約3重量%の量で使用される。
【0051】
イソシアネートで架橋する場合、架橋は、インクのポリエステル部分の末端OH基、及び他の成分の水酸基と同様に基板のOH部分を介するごく一部を介して起こる。イソシアネートは、2〜4個、及び更に多くのイソシアネート基を有する多官能性イソシアネートであるため、反応により標準的な基板、例えば、マイラー(R)(ポリエチレンテレフタレートフィルム デュポン)に十分に付着する良好に架橋したインクが生成する。
コポリマーは、アクリルコポリマー、エチレンアクリル酸若しくはエチレン酢酸ビニルコポリマー、塩化ビニルの塩化若しくは無塩化コポリマー、及び他の同様の化合物からなる群から選択され、単独で又は組み合わせて使用される。好適な実施形態において、コポリマーは、塩化ビニル及びアクリル酸ヒドロキシプロピルを含む。コポリマーの含有量は、概して、触媒インク配合の約3重量%〜約10重量%である。
【0052】
触媒インク配合は、また、ポリウレタンポリマーを含む。ポリウレタンポリマーは、概して、触媒インク配合、すなわちシクロヘキサノン溶媒に溶解する。ポリウレタン/溶媒混合物は、概して、触媒インク配合の約3重量%〜約10重量%の量で存在する。
【0053】
本発明の触媒インク組成物は、また、タルク、酸化マンガン、酸化チタン、酸化マグネシウム、酸化アルミニウム、酸化ビスマス、酸化銅、酸化ニッケル、酸化錫、酸化亜鉛、酸化ケイ素、ケイ酸塩、ベントナイト、チョーク、導電性カーボンブラック、及びこれらの混合物からなる群から選択されうる1つ以上のフィラーを含む。好適な実施形態において、前記1つ以上のフィラーは、タルク及びヒュームドシリカを含む。フィラーは、概して、触媒インク配合の約10重量%〜約30重量%を含む。好ましくは、約15重量%〜約25重量%のタルク、及び約0重量%〜約5重量%のヒュームドシリカが本発明の触媒インク配合に使用される。
【0054】
触媒インク配合は、基板面全体に被覆可能な、浸漬、噴霧、スライドコーティング、スロットコーティング、ロールコーティング、メイヤー・ロッドコーティング、グラビア印刷コーティング、及びドローダウンプロセス等の当業者に公知の様々な方法で基板に塗布される。全面塗りは、基板面の前面金属化が可能である。パターン金属被膜が必要とされる際、当業者に公知のエッチングプロセスを使用して全面塗りの選択的部分を除去可能である。また、スクリーン印刷、フレキソ印刷、プロッティング、インクジェット印刷、グラビア印刷等のプロセスは、基板面の選択部分のみに触媒液を塗布できる。基板面は、触媒液が塗布された部分のみを金属化する。従って、触媒液のパターン塗布は、パターン金属被膜基板が可能である。
【0055】
本発明の(チキソトロピー)触媒インク配合の粘性は、インクを基板上にスクリーン印刷可能にするために、好ましくは、約1000cp〜約8000cp、好ましくは、約3000cp〜約6000cp(せん断速度200sec−1)である。基板上に触媒インク配合を印刷するために、グラビア印刷、リソグラフィ、又はフレキソ印刷等の他の手段が使用されると、触媒インク配合の粘性が選択された印刷方法によって調整される。
【0056】
非導電性基板は、ポリイミド、ポリエチレンテレフタレート(PET)、マイラー(R)、ポリエステル、ポリカーボネート、ABS、PVC等のポリマー、紙、又はコート紙、及び技術的に公知の他の同様の基板から形成される。システムが柔軟であるように弾性材料を使用するのが好ましい。好適な一実施形態において、非導電性基板は、ポリエチレンテレフタレートである。基板は、概して、厚さが約0.75mm(約0.03inch)であるが、0.05〜1.0mm(約0.002〜0.040inch、すなわち、2〜40mils)の範囲である。他の用いられる基板は、ポリイミド、ポリイミドアミド、ポリパラバン酸、ポリカーボネート、ポリスルホン類、ポリアミン、及びセルローストリアセテート等が挙げられる。
【0057】
次に、触媒インク配合中の触媒金属イオン源が、適切な還元/活性化剤を使用して関連する金属に還元(「活性化」としても知られる)される。還元剤は、好ましくは、水素化硼素ナトリウムを含む。本発明の実施に使用可能な他の還元剤は、ヒドラジン、ヒドラジン水和物、水酸化ナトリウムを用いる硫酸ヒドラジン、及び中性硫酸ヒドラジン等が挙げられる。
【0058】
活性化は、いくつかの重要なタスクを達成する。
1)触媒金属イオンを関連する金属に還元し、該金属を拡散させて、核形成及び成長によりクラスターを形成して触媒金属(すなわち、パラジウム)クラスターを製造する。
2)硬化キャリア内の凝集強さを促進するために、触媒コーティングにおけるポリマーキャリアを重合又は硬化する。
3)基板と硬化ポリマーキャリアとの強化された付着力を生じさせて基板とポリマーキャリアとの間の分子の相互拡散を促進する。
【0059】
活性化後、無電解メッキプロセスを使用して、触媒及び活性化基板上に金属を堆積するたことが可能である。無電解メッキプロセスは、概して、当業者に周知である。触媒インク上にメッキされる無電解金属は、概して、無電解銅、無電解ニッケル、及びこれらの組合せからなる群から選択される。無電解銅の浴組成物は、例えば、米国特許第4,368,281号明細書(Brummett他)に開示され、本明細書中に参照によりその全体を援用する。無電解堆積を堆積する他の金属の浴組成物は、金、銀、及びパラジウムを含み、例えば、米国特許第3,937,857号明細書(Brummett他)等の先行技術に開示され、本明細書中に参照によりその全体を援用する。
【0060】
そして、電解メッキを使用して、無電解メッキにより形成された金属シード層に、所望の厚さに更に金属を堆積する。電解メッキは、無電解メッキよりもより効果的(より高いメッキ速度)である。電解メッキプロセスは、陰極での還元化学反応に必要とされる電子を提供するために陽極を介して電流を印加する工程を含み、当業者に公知である。
【0061】
電解金属は、概して、酸性銅メッキ浴を使用してメッキされる。また、銅堆積物は、更に、パラジウム、又は金の無電解堆積物でメッキされうる。適切な電解メッキ浴は、また、米国特許4,368,381号明細書(Brummett他)に開示され、本明細書中に参照によりその全体を援用する。
【0062】
一般的に、電解メッキ金属堆積物の抵抗は、約3.0オーム未満である。
図1〜3は、本発明のプロセスを使用して非導電性基板上に製造したRFアンテナ及び回路の様々な図を示す。図1〜3は、本発明のプロセスを使用して非導電性基板上に製造したRFアンテナ及び回路の様々な図を示す。図1及び2は、本発明のプロセスにより製造された2つのRFアンテナの例を説明する。各RFアンテナに対して、銅堆積物の厚さは、RFアンテナの6箇所(これらの6箇所は図4に示す。)で測定した。これらの計測結果は表1及び2に示す。
【表1】

【表2】

【0063】
図3は、実際のテレホンカードの回路を示す。電解錫/鉛厚さをテレホンカード回路の5箇所で計測し、結果を表3に示す。
【表3】

【0064】
長期保存性を有する触媒インク組成物を製造するために、触媒インクは、反応物質を別の配合で保存し、これらを塗布直前に混合する2成分系として使用してもよい。そして、反応は自発的に起こるか、又は熱及び/又は適切な触媒により加速される。
【図面の簡単な説明】
【0065】
【図1】図1は、本発明のプロセスにより製造される非導電性基板のRFアンテナを示す。
【図2】図2は、本発明のプロセスにより製造される非導電性基板のRFアンテナの異なる図を示す。
【図3】図3は、本発明のプロセスにより作製されるテレホンカードを示す。
【図4】図4は、RFアンテナ上の6箇所の銅堆積物の厚さの測定位置を示す。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
非導電性基板に金属パターンを設ける方法であって、
a)触媒インクを非導電性基板面に所望のパターンに塗布する、
前記触媒インクは下記を含む:
i)溶媒、
ii)触媒金属イオン源、
iii)架橋剤、
iv)コポリマー、及び
v)ポリウレタンポリマー、
b)前記触媒金属イオン源を適切な還元剤で関連する金属に還元する、
c)無電解金属を前記触媒インクパターンに堆積する、並びに
d)電解金属を前記無電解金属層上に所望の厚さにメッキして金属パターンを前記非導電性基板に製造する
工程を含むことを特徴とする非導電性基板に金属パターンを設ける方法。
【請求項2】
前記触媒インクは、スクリーン印刷、グラビア印刷、リソグラフィ、又はフレキソ印刷により塗布される請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記溶媒は、芳香族及び脂肪族炭化水素、グリセロール、ケトン類、エステル類、グリコールエーテル類、及びグリコールエーテル類のエステル類からなる群から選択される請求項1に記載の方法。
【請求項4】
前記溶媒は、トルエン、キシレン、グリセロール、メチルエチルケトン、シクロヘキサン、酢酸ブチル、フタル酸ジオクチル、グリコール酸ブチル、エチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールジメチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールアセテート、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、アセトン、イソホロン、メチルプロピルケトン、メチルアミルケトン、ジアセトンアルコール、及びこれらの組合せからなる群から選択される請求項3に記載の方法。
【請求項5】
前記溶媒は、シクロヘキサノンである請求項4に記載の方法。
【請求項6】
前記触媒金属イオンは、パラジウム、金、銀、白金、銅、及びこれらの組合せからなる群から選択される請求項1に記載の方法。
【請求項7】
前記触媒金属イオンは、パラジウムを含む請求項6に記載の方法。
【請求項8】
前記パラジウム源は、塩化パラジウム(II)、及び酢酸パラジウムからなる群から選択される請求項7に記載の方法。
【請求項9】
前記パラジウム源は、約10%〜約20%の塩化パラジウム(II)塩酸水溶液である請求項8に記載の方法。
【請求項10】
前記パラジウム源は、約0.1%〜約2%の酢酸パラジウムのシクロヘキサノン溶液である請求項8に記載の方法。
【請求項11】
前記架橋剤はポリイソシアネートである請求項1に記載の方法。
【請求項12】
前記コポリマーは、塩化ビニル、及びアクリル酸ヒドロキシプロピルを含む請求項1に記載の方法。
【請求項13】
前記触媒インクは、タルク、酸化マンガン、酸化チタン、酸化マグネシウム、酸化アルミニウム、酸化ビスマス、酸化銅、酸化ニッケル、酸化錫、酸化亜鉛、酸化ケイ素、ケイ酸塩、ベントナイト、チョーク、カーボンブラック及びこれらの組合せからなる群から選択される1つ以上のフィラーを含む請求項1に記載の方法。
【請求項14】
前記1つ以上のフィラーは、タルク、及びヒュームドシリカを含む請求項13に記載の方法。
【請求項15】
前記非導電性基板は、ポリイミド類、ポリエチレンテレフタレート、ポリエステル類、アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン、ポリ塩化ビニリデン、紙、及びポリカーボネート類からなる群から選択される請求項1に記載の方法。
【請求項16】
前記非導電性基板は、ポリエチレンテレフタレートである請求項15に記載の方法。
【請求項17】
前記触媒金属イオン源は、水素化硼素ナトリウム、ヒドラジン、ヒドラジン水和物、硫酸ヒドラジン、及び中性硫酸ヒドラジンからなる群から選択される還元剤で関連する金属に還元される請求項1に記載の方法。
【請求項18】
前記還元剤は水素化硼素ナトリウムである請求項17に記載の方法。
【請求項19】
前記無電解金属は、無電解銅、無電解ニッケル、及びこれらの組合せからなる群から選択される請求項1に記載の方法。
【請求項20】
前記電解金属は、酸性銅メッキ浴を使用してメッキされる請求項1に記載の方法。
【請求項21】
請求項1のプロセスにより作製されることを特徴とする無線周波数識別の銅アンテナ。
【請求項22】
非導電性基板に金属パターンを設ける方法であって、
a)触媒インクを非導電性基板面に所望のパターンの輪郭でベタパターンに塗布する
前記触媒インクは下記を含む:
i)1つ以上の溶媒、
ii)触媒金属イオン源、
iii)ポリイソシアネート、
iv)ポリイソシアネートと架橋可能なコポリマー、
v)ポリウレタンポリマー、
b)前記触媒金属イオン源を適切な還元剤で関連する金属に還元する、
c)無電解金属を前記基板面の前記触媒インクパターンに堆積する、
d)電解金属を前記無電解金属層上に所望の厚さにメッキして所望の金属パターンを前記非導電性基板に製造する、
e)前記所望のパターンのUVエッチングレジストを印刷する、並びに
f)前記レジスト間の前記メッキ金属をエッチング除去し、所望の回路を画定する
工程を含むことを特徴とする非導電性基板に金属パターンを設ける方法。
【請求項23】
前記触媒インクは、スクリーン印刷、グラビア印刷、リソグラフィ、又はフレキソ印刷により塗布される請求項22に記載の方法。
【請求項24】
前記溶媒は、芳香族及び脂肪族炭化水素、グリセロール、ケトン類、エステル類、グリコールエーテル類、及びグリコールエーテル類のエステル類からなる群から選択される請求項22に記載の方法。
【請求項25】
前記溶媒は、トルエン、キシレン、グリセロール、メチルエチルケトン、シクロヘキサン、酢酸ブチル、フタル酸ジオクチル、グリコール酸ブチル、エチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールジメチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールアセテート、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、アセトン、イソホロン、メチルプロピルケトン、メチルアミルケトン、ジアセトンアルコール、及びこれらの組合せからなる群から選択される請求項24に記載の方法。
【請求項26】
前記溶媒は、シクロヘキサノンである請求項25に記載の方法。
【請求項27】
前記触媒金属イオンは、パラジウム、金、銀、白金、銅、及びこれらの組合せからなる群から選択される請求項22に記載の方法。
【請求項28】
前記触媒金属イオンが、パラジウムを含む請求項27に記載の方法。
【請求項29】
前記パラジウム源は、塩化パラジウム(II)、及び酢酸パラジウムからなる群から選択される請求項28に記載の方法。
【請求項30】
前記パラジウム源は、約10%〜約20%の塩化パラジウム(II)塩酸水溶液である請求項29に記載の方法。
【請求項31】
前記パラジウム源は、約0.1%〜約2%の酢酸パラジウムのシクロヘキサノン溶液である請求項29に記載の方法。
【請求項32】
前記架橋剤は、ポリイソシアネートである請求項22に記載の方法。
【請求項33】
前記コポリマーは、塩化ビニル、及びアクリル酸ヒドロキシプロピルを含む請求項22に記載の方法。
【請求項34】
前記触媒インクは、タルク、酸化マンガン、酸化チタン、酸化マグネシウム、酸化アルミニウム、酸化ビスマス、酸化銅、酸化ニッケル、酸化錫、酸化亜鉛、酸化ケイ素、ケイ酸塩、ベントナイト、チョーク、カーボンブラック及びこれらの組合せからなる群から選択される1つ以上のフィラーを含む請求項22に記載の方法。
【請求項35】
前記1つ以上のフィラーは、タルク、及びヒュームドシリカを含む請求項34に記載の方法。
【請求項36】
前記非導電性基板は、ポリイミド類、ポリエチレンテレフタレート、ポリエステル類、アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン、ポリ塩化ビニリデン、及びポリカーボネート類からなる群から選択される請求項22に記載の方法。
【請求項37】
前記非導電性基板は、ポリエチレンテレフタレートである請求項36に記載の方法。
【請求項38】
前記触媒金属イオン源は、水素化硼素ナトリウム、ヒドラジン、ヒドラジン水和物、硫酸ヒドラジン、及び中性硫酸ヒドラジンからなる群から選択される還元剤で関連する金属に還元される請求項22に記載の方法。
【請求項39】
前記還元剤は、水素化硼素ナトリウムである請求項38に記載の方法。
【請求項40】
前記無電解金属は、無電解銅、無電解ニッケル、及びこれらの組合せからなる群から選択される請求項22に記載の方法。
【請求項41】
前記電解金属は、酸性銅メッキ浴を使用してメッキされる請求項22に記載の方法。
【請求項42】
請求項22のプロセスにより作製されることを特徴とする無線周波数識別の銅アンテナ。
【請求項43】
非導電性基板に所望の金属パターンを設ける方法であって、
a)触媒インクを非導電性基板面に塗布する
前記触媒インクは下記を含む:
i)溶媒、
ii)触媒金属イオン源、
iii)架橋剤、
iv)コポリマー、及び
v)ポリウレタンポリマー、
b)前記触媒金属イオン源を適切な還元剤を使用して関連する金属に還元する、
c)非導電性基板の触媒インク上に所望のパターンのレジストを印刷する、
d)無電解金属を前記非導電性基板の前記触媒インク上に印刷されたレジストで被覆されない領域に堆積する、並びに
e)電解金属を前記無電解金属堆積物上にメッキする
工程を含むことを特徴とする非導電性基板に所望の金属パターンを設ける方法。
【請求項44】
前記触媒インクは、スクリーン印刷、グラビア印刷、リソグラフィ、又はフレキソ印刷により塗布される請求項43に記載の方法。
【請求項45】
前記溶媒は、芳香族及び脂肪族炭化水素、グリセロール、ケトン類、エステル類、グリコールエーテル類、及びグリコールエーテル類のエステル類からなる群から選択される請求項43に記載の方法。
【請求項46】
前記溶媒は、トルエン、キシレン、グリセロール、メチルエチルケトン、シクロヘキサン、酢酸ブチル、フタル酸ジオクチル、グリコール酸ブチル、エチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールジメチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールアセテート、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、アセトン、イソホロン、メチルプロピルケトン、メチルアミルケトン、ジアセトンアルコール、及びこれらの組合せからなる群から選択される請求項45に記載の方法。
【請求項47】
前記溶媒は、シクロヘキサノンである請求項46に記載の方法。
【請求項48】
前記触媒金属イオンは、パラジウム、金、銀、白金、銅、及びこれらの組合せからなる群から選択される請求項43に記載の方法。
【請求項49】
前記触媒金属イオンは、パラジウムを含む請求項48に記載の方法。
【請求項50】
前記パラジウム源は、塩化パラジウム(II)、及び酢酸パラジウムからなる群から選択される請求項49に記載の方法。
【請求項51】
前記パラジウム源は、約10%〜約20%の塩化パラジウム(II)塩酸水溶液である請求項50に記載の方法。
【請求項52】
前記パラジウム源は、約0.1%〜約2%の酢酸パラジウムのシクロヘキサノン溶液である請求項50に記載の方法。
【請求項53】
前記架橋剤は、ポリイソシアネートである請求項43に記載の方法。
【請求項54】
前記コポリマーは、塩化ビニル、及びアクリル酸ヒドロキシプロピルを含む請求項43に記載の方法。
【請求項55】
前記触媒インクは、タルク、酸化マンガン、酸化チタン、酸化マグネシウム、酸化アルミニウム、酸化ビスマス、酸化銅、酸化ニッケル、酸化錫、酸化亜鉛、酸化ケイ素、ケイ酸塩、ベントナイト、チョーク、カーボンブラック及びこれらの組合せからなる群から選択される1つ以上のフィラーを含む請求項43に記載の方法。
【請求項56】
前記1つ以上のフィラーは、タルク、及びヒュームドシリカを含む請求項55に記載の方法。
【請求項57】
前記非導電性基板は、ポリイミド類、ポリエチレンテレフタレート、ポリエステル類、アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン、ポリ塩化ビニリデン、及びポリカーボネート類からなる群から選択される請求項43に記載の方法。
【請求項58】
前記非導電性基板は、ポリエチレンテレフタレートである請求項57に記載の方法。
【請求項59】
前記触媒金属イオン源は、水素化硼素ナトリウム、ヒドラジン、ヒドラジン水和物、硫酸ヒドラジン、及び中性硫酸ヒドラジンからなる群から選択される還元剤で関連する金属に還元される請求項43に記載の方法。
【請求項60】
前記還元剤は、水素化硼素ナトリウムである請求項59に記載の方法。
【請求項61】
前記無電解金属は、無電解銅、無電解ニッケル、及びこれらの組合せからなる群から選択される請求項43に記載の方法。
【請求項62】
前記電解金属は、酸性銅メッキ浴を使用してメッキされる請求項43に記載の方法。
【請求項63】
請求項43のプロセスにより作製されるテレホンカード。

【図3】
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【図1】
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【図2】
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【図4】
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【公表番号】特表2007−535618(P2007−535618A)
【公表日】平成19年12月6日(2007.12.6)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−510719(P2007−510719)
【出願日】平成17年2月18日(2005.2.18)
【国際出願番号】PCT/US2005/005449
【国際公開番号】WO2005/111274
【国際公開日】平成17年11月24日(2005.11.24)
【出願人】(591069732)マクダーミッド インコーポレーテッド (38)
【氏名又は名称原語表記】MACDERMID,INCORPORATED
【Fターム(参考)】