説明

非常に速い皮膚浸透率を有するアセトアミノフェン及び関連化合物の正荷電水溶性プロドラッグ

式(1)で表されるアセトアミノフェン、アセトアミノサロール及び関連化合物の新規な正荷電プロドラッグを設計し、合成した。これらのプロドラッグの正に荷電されたアミノ基は、薬物の溶解性を大いに増大させるだけでなく、膜のホスファート頭基上の負電荷と結合し、プロドラッグを細胞質ゾルの中に押し込む。プロドラッグは、アセトアミノフェン、アセトアミノサロール及び関連化合物よりも〜150倍速く人の皮膚を通して拡散する。プロドラッグは、人又は動物におけるNSAIA治療可能な状態の治療に使用され、どんな種類の薬物治療のためにも経口投与だけでなく経皮投与でも医薬的に使用され、NSAIAのたいていの副作用を回避し得る。プロドラッグの制御経皮投与システムは、アセトアミノフェン、アセトアミノサロール及び関連化合物が絶えず最適治療血中レベルに達することを可能にし、効能を増大させ、その副作用を減少させることを可能にする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、アセトアミノフェン、アセトアミノサロール、及び関連化合物の正に荷電された水溶性プロドラッグの調製剤、並びに人又は動物において、アセトアミノフェン及びアセトアミノサロール治療可能な状態を治療する際のその医薬用途に関する。より具体的に言うと、本発明は、アセトアミノフェン及び関連化合物の使用と関連する副作用を克服するためにある。これらのプロドラッグは経口又は経皮投与され得る。
【背景技術】
【0002】
N−アセチル−p−アミノフェノール(アセトアミノフェン)、4−アセトアミドフェニルサリチラート(アセトアミノサロール)及び関連化合物は、非ステロイド性抗炎症薬の4−アミノフェノールグループのうちの一つである。N−アセチル−p−アミノフェノール(アセトアミノフェン)は、主要な鎮痛及び解熱薬である。アセトアミノフェンは、アスピリンの多くの副作用が抑えられ、副作用が少なく、処方箋なしで利用できる。それらは、関節リウマチ及び変形性関節症の徴候並びに症状、並びに発熱の軽減のために使用される。
【0003】
残念ながら、多くの副作用はアセトアミノフェン及び関連化合物の使用と関連し、人及び実験動物において、最も著しくは肝毒性であり、まれな場合では腎毒性である。アセトアミノフェンの急性過剰摂取は、結果的に、まれな場合での腎尿細管壊死及び低血糖同様、用量依存性で死に至る可能性がある肝臓壊死をもたらす。Fishman(Fishman; Robert, 米国特許7,052,715号明細書)は、経口薬物治療と関連した追加的な課題を指摘した。それは、疼痛又は炎症のある末端部を効果的に治療するためには、血流中で達成されなければならない濃度レベルが、有意でなければならないということである。これらのレベルはしばしば、疼痛又は損傷のある特定部位を正確に標的とすることが可能である場合に必要となるレベルよりもずっと高い。Fishmanなど多くは(Van Engelenなど米国特許6,416,772号明細書、Macridesなど米国特許6,346,278号明細書、Kirbyなど米国特許6,444,234号明細書、Roentschなど米国特許5,654,337号明細書、Parkなど米国特許6,190,690号明細書、Pearsonなど米国特許6,528,040号明細書、及びBotknechtなど米国特許5,885,597号明細書)、配合物による経皮応用送達システムを開発しようと試みた。しかしながら、遅い皮膚浸透率のために、配合物によって治療有効血漿レベルのこれらの種類の薬物を患者(host)に送達することは非常に難しい。Susan Milosovichらは、テストステロニル−4−ジメチルアミノブチラート塩酸塩(testosteronyl-4-dimethylaminobutyrate.HCl)(TSBH)を設計し、調製した。これは、親油性部分及び生理学的pHではプロトン化された形態で存在する第3級アミン基を有する。彼らは、プロドラッグ(TSBH)は、薬物(TS)それ自体よりも〜60倍速く人の皮膚を通して拡散することを見出した[Susan Milosovichなど、J. Pharm. Sci., 82,227(1993)]。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
N−アセチル−p−アミノフェノール(アセトアミノフェン)、4−アセトアミドフェニルサリチラート(アセトアミノサロール)及び関連化合物は、非ステロイド性抗炎症薬の4−アミノフェノールグループのうちの一つである。N−アセチル−p−アミノフェノール(アセトアミノフェン)は、主要な鎮痛及び解熱薬である。それらは、関節リウマチ及び変形性関節症の徴候並びに症状、並びに発熱の軽減のために使用される。
残念ながら、多くの副作用はアセトアミノフェン及び関連化合物の使用と関連し、人及び実験動物において、最も著しくは肝毒性であり、まれな場合では腎毒性である。アセトアミノフェンの急性過剰摂取は、結果的に、まれな場合での腎尿細管壊死及び低血糖同様、用量依存性で死に至る可能性がある肝臓壊死をもたらす。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明は、アセトアミノフェン及び関連化合物の新規な正荷電プロドラッグの調製、並びにそれらの医薬用途に関する。アセトアミノフェンのプロドラッグは、式(1)の構造を有する。
【化1】

式(1)中、R1はH、1〜12炭素原子を有するアルキル、アルキルオキシ、アルケニル若しくはアルキニル残基のいずれか一つ、又はアリール残基を表し、R2はH、1〜12炭素原子を有するアルキル、アルキルオキシ、アルケニル若しくはアルキニル残基のいずれか一つ、又はアリール残基を表し、R3はH、1〜12炭素原子を有するアルキル、アルキルオキシ、アルケニル若しくはアルキニル残基のいずれか一つ、又はアリール残基を表し、XはO、又は2−OCO−C64−Oを表し、A-はCl-、Br-、F-、I-、AcO-、シトラート、又は陰イオンを表し、n=0、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10……であり、全てのR基はC、H、O、S、又はN原子を含んでもよく、単結合、二重結合、及び三重結合を有してもよい。いずれのCH2基はO、S又はNHと置換されてもよい。
【0006】
薬物吸収は、胃腸管からであろうと他の部位からであろうと、薬物が分子形で障壁膜を横断して通過することを必要とする。薬物は初めに溶解しなければならず、もし薬物が望ましい生物薬剤的性質を有しているならば、高濃度の領域から低濃度の領域へと膜を横断して通過し、血液循環又は体循環に入るだろう。全ての生物学的膜は、主要な構成成分として脂質を含有している。膜形成について主要な役割を果たしている分子は、全てホスファート含有高極性頭基(head group)を有し、たいていの場合、2つの高疎水性炭化水素尾部(tail)を有している。膜は2分子膜であり、その2つの親水性頭基は、両側にある水性領域へと外側を向いている。非常に親水性な薬物は膜の疎水性層を通過することができず、非常に疎水性な薬物はそれらの類似性のため膜の一部として疎水性層に留まり、内側にある細胞質ゾルに能率的に入ることができないだろう。
【0007】
本発明の目的は、胃液中でのアセトアミノフェン及び関連化合物の溶解性を増大させること、並びにそれらを経皮投与可能(局所応用)にさせるであろう、膜及び皮膚障壁を通してのそれらの浸透率を増大させることにより、アセトアミノフェン及び関連化合物の副作用を回避することである。これらの新規なプロドラッグは、共通して2つの構造的特徴を有している。すなわち、これらは、親油性部分及び生理学的pHではプロトン化された形態で存在する第1級、第2級又は第3級アミン基(親水性部分)を有している。膜障壁を通して能率的に通過するためには、このような親水性親油性バランスが必要とされる[Susan Milosovichなど、J. Pharm. Sci., 82,227(1993)]。正に荷電されたアミノ基は薬物の溶解性を大きく増大させる。N−アセチル−4−アミノフェニル ジメチルアミノブチラート塩酸塩(N-Acetyl-4-aminophenyl dimethylaminobutyrate.HCl)、4−アセトアミドフェニル サリチリル ジメチルアミノブチラート塩酸塩(4-acetamidophenyl salicylyl dimethylaminobutyrate.HCl)、N−アセチル−4−アミノフェノール(アセトアミノフェン)、4−アセトアミドフェニルサリチラート(アセトアミノサロール)の水中での溶解性は、>400mg、>400mg、<0.2mg、<0.1mg/mlである。多くの例では、一連の中での最も遅い又は律速段階は薬物の溶解である。アセトアミノフェン、アセトアミノサロール、及び関連化合物は、胃液中で非常に低い溶解性を有する。これらの新規なプロドラッグは、錠剤、カプセル剤、液剤、又は懸濁剤のような投与形態で経口投与されると、直ちに胃液中で溶解するだろう。これらのプロドラッグのアミノ基上にある正電荷は、膜のホスファート頭基上にある負電荷と結合するだろう。従って、膜の外側の局所的な濃度が非常に高くなり、高濃度の領域から低濃度の領域へのこれらのプロドラッグの通過を促進するだろう。これらのプロドラッグが膜に入るとき、親水性部分は、半液体状濃縮水溶液又は懸濁液である細胞質ゾルの中にプロドラッグを押し込むだろう。胃のpHは1〜3であるため、胃粘膜の膜のホスファート頭基上にある負電荷はプロトン(H+)と結合される。これらのプロドラッグの正電荷は胃粘膜のホスファート頭基に結合することができない。これらのプロドラッグは胃を傷つけないだろう。
【0008】
N−アセチル−p−アミノフェニル ジメチルアミノブチラート塩酸塩、4−アセトアミドフェニル サリチリル ジメチルアミノブチラート塩酸塩、N−アセチル−p−アミノフェノール(アセトアミノフェン)、4−アセトアミドフェニルサリチラート(アセトアミノサロール)及び関連化合物の人の皮膚を通しての浸透率を、修正フランツ(Franz)細胞を使用することによって試験管内で測定した。修正フランツ細胞は前大腿部及び後大腿部のヒト皮膚組織(厚さ360〜400μm)から単離した。受容液(receiving fluid)は生理食塩水中2%ウシ血清アルブミン10mlからなり、600rpmで撹拌した。時間に対する、皮膚に浸透するこれらのプロドラッグ及び親薬物の累積量を特異的な高速液体クロマトグラフィー法により測定した。pH7.4ホスファート緩衝液(0.2M)2mL中、N−アセチル−p−アミノフェニル ジメチルアミノブチラート塩酸塩及び4−アセトアミドフェニル サリチリル ジメチルアミノブチラート塩酸塩の30%溶液、又はアセトアミノフェン及びアセトアミノサロールの30%懸濁液のどちらかからなるドナーを使用して得た結果を図1に示す。N−アセチル−p−アミノフェニル ジメチルアミノブチラート塩酸塩、4−アセトアミドフェニル サリチリル ジメチルアミノブチラート塩酸塩、アセトアミノフェン及びアセトアミノサロールに対して、1.5mg、1.8mg、0.01mg、及び0.01mg/cm2/hという明白な流速値を計算した。本結果は、ジアルキルアミノエチル基上の正電荷は、薬物が膜及び皮膚障壁を横断して通過することにおいて非常に重要な役割を有していることを示す。式(1)で表される他のプロドラッグは非常に高い浸透率を有し、N−アセチル−4−アミノフェニル ジメチルアミノブチラート塩酸塩の浸透率と非常に近似している。
【0009】
生体内での、N−アセチル−4−アミノフェニル ジメチルアミノブチラート塩酸塩、4−アセトアミドフェニル サリチリル ジメチルアミノブチラート塩酸塩、アセトアミノフェン及びアセトアミノサロールの、無処理ヘアレスマウスの皮膚を通しての浸透率を比較した。イソプロパノール1mL中、これらの化合物の20%溶液からなるドナーをヘアレスマウスの背中10cm2に塗布した。アセトアミノフェン及び4−アセトアミドフェニルサリチラートの血漿レベルを、特異的な高速液体クロマトグラフィー法により測定した。本結果(図2)は、ドナー系の塗布後、〜50分でN−アセチル−p−アミノフェニル ジメチルアミノブチラート塩酸塩、及び4−アセトアミドフェニル サリチリル ジメチルアミノブチラート塩酸塩のピークレベルに達したことを示す。アセトアミノフェン、アセトアミノサロール、及び関連化合物を経口投与するとき、それらがピーク血漿レベルに達するのに1〜2時間かかる。アセトアミノフェン及びアセトアミノサロールのピーク血漿レベルは〜0.01mg/mlであり、N−アセチル−p−アミノフェニル ジメチルアミノブチラート塩酸塩、及び4−アセトアミドフェニル サリチリル ジメチルアミノブチラート塩酸塩のピーク血漿レベルは〜1.2mg/mlであった(ほぼ120倍の差)。血漿中〜1.2mg/mlのアセトアミノフェン及びアセトアミノサロールは、効果的な鎮痛活性及び効果的な抗炎症活性を生じるための血漿レベルよりも〜50倍を超えて高い。これは非常に興奮させる結果である。これらのプロドラッグを経皮投与することによって、患者に治療有効血漿レベルのアセトアミノフェン及びアセトアミノサロールを送達することは、非常に容易かつ迅速であろう。これらの結果は、様々な薬物治療のために、プロドラッグを経口投与だけでなく、経皮投与もし得ることを示す。生体内での、式(1)で表される他のプロドラッグの浸透率は、N−アセチル−p−アミノフェニル ジメチルアミノブチラート塩酸塩の浸透率と近似している。
【0010】
プロドラッグの急性毒性を調査した。マウスにおける経口でのN−アセチル−p−アミノフェニル ジメチルアミノブチラート塩酸塩、4−アセトアミドフェニル サリチリル ジメチルアミノブチラート塩酸塩、アセトアミノフェン及びアセトアミノサロールのLD50は、550mg/kg、670mg/kg、338mg/kg、及び550mg/kgである。
【0011】
アセトアミノフェン及びアセトアミノサロールは鎮痛及び解熱活性を示す。良いプロドラッグは血漿中で親薬物に戻るべきである。これらのプロドラッグのジエチルアミノエチルエステル基は、試験管内でヒト血漿中酵素によって速やかに切り離され得る。プロドラッグのうちの90%より多くは、変化して親薬物に戻る。プロドラッグははるかに高い吸収率を有するため、同用量でそれらの親薬物よりも強い作用を有するだろう。これらのプロドラッグの鎮痛及び解熱活性を、対照としてアセトアミノフェン及びアセトアミノサロールを使用して試験した。
【0012】
鎮痛活性:マウス尻尾の痛覚閾値延長時間を、D'Amour-Smith法(J. Pharmacol. Exp. Ther., 72,74(1941))に従って測定した。これらのプロドラッグ50mg/kgを経皮投与した後、マウスの尻尾を熱にさらし、痛覚閾値延長時間を測定した。得られた結果を図3に示す。N−アセチル−4−アミノフェニル ジメチルアミノブチラート塩酸塩及び4−アセトアミドフェニル サリチリル ジメチルアミノブチラート塩酸塩は、よく鎮痛活性を示した。
【0013】
酢酸溶液をマウスの腹腔内に投与したときに起こるライジング(writhing)数を数え、対照群に基づく抑制率を計算した。N−アセチル−4−アミノフェニル ジメチルアミノブチラート塩酸塩(100mg/kg、B)及び4−アセトアミドフェニル サリチリル ジメチルアミノブチラート塩酸塩(100mg/kg、C)を、酢酸溶液を投与する60分前に、マウスに経皮投与した。グループAは対照群である。結果を表1に示す。
表1.アセトアミノフェン及びアセトアミノサロールのプロドラッグによるライジング抑制率

本結果は、プロドラッグは優れた鎮痛活性を表すということを示す。式(1)で表される他の化合物は類似した鎮痛活性を示す。
【0014】
解熱活性:ラットは発熱物質として滅菌された大腸菌懸濁液を受容した。対照群はグループAである。2時間後、N−アセチル−4−アミノフェニル ジメチルアミノブチラート塩酸塩(100mg/kg、B)及び4−アセトアミドフェニル サリチリル ジメチルアミノブチラート塩酸塩(100mg/kg、C)を経皮投与した。ラットの体温を試験化合物の投与前後90分間隔で測った。結果を表2に示す。
表2.アセトアミノフェン及びアセトアミノサロールのプロドラッグの解熱活性

本結果から、プロドラッグは100mg/kg用量において強い解熱活性を示したということが分かる。式(1)表される他の化合物は類似した解熱活性を示す。
【0015】
経口高用量のいくつかのNSAIAは、シクロオキシゲナーゼ活性の抑制による抗反応−抗喘息活性を示すということもまた知られている。これらのプロドラッグは、非常に高い膜浸透率を有するため、患者の口又は鼻の中にスプレーすることにより喘息の治療に使用され得る。
【0016】
これらのプロドラッグはまた、シクロオキシゲナーゼ活性を抑制し、かつ非常に高い膜浸透率を有するため、乾癬、アクネ、日焼け又は他の皮膚病を治療するためにも使用され得る。これらは、皮膚癌、肺癌、乳癌、及び他の癌の治療に有益であるかも知れない。
【0017】
本発明は、通例、補助剤及び賦形剤に加えて、例えば、経口投与のための錠剤、カプセル剤又は液剤の形態で、及び経皮投与のための液剤、ローション剤、軟膏剤、乳剤又はゲル剤の形態で、式(1)で表されるプロドラッグを含む薬剤調製に関する。式(1)で表される新規な活性化合物は、人又は動物において、アセトアミノフェン及びアセトアミノサロール治療可能な状態を治療するために、ビタミン、例えばA、B、C、E若しくはベータ−カロテン、又は他の薬物、例えば、ベータ−カロテン、N−アセチルシステイン、カフェイン、プソイドエフェドリン、アザピロン、葉酸等と併用され得る。
【0018】
式(1)で表される化合物、又は少なくとも式(1)で表される化合物を活性成分として含む組成物の経皮治療応用システムは、人又は動物において、アセトアミノフェン及びアセトアミノサロール治療可能な状態を治療するために使用され得る。これらのシステムは、活性物質含有マトリックス層及び非透過性支持層からなる包帯又はパッチであり得る。最も好ましいシステムは、活性物質貯蔵庫であり、これが皮膚に面する透過性底面を有する。放出の割合を制御することによって、このシステムは、アセトアミノフェン及びアセトアミノサロールが絶えず最適治療血中レベルに達することを可能にし、アセトアミノフェン及びアセトアミノサロールの効能を増大させ、かつアセトアミノフェン及びアセトアミノサロールの副作用を減少させることを可能にする。これらのシステムは手首、足首、腕、足、又は体のどこでも付けることができる。
【0019】
上記の式(1)で表される化合物は、アセトアミノフェン、アセトアミノサロール、及び関連化合物から、カップリング試薬、例えば、N,N’−ジシクロヘキシルカルボジイミド、N,N’−ジイソプロピルカルボジイミド、O−(ベンゾトリアゾール−1−イル)−N,N,N’,N’−テトラメチルウロニウムテトラフルオロボラート、O−(ベンゾトリアゾール−1−イル)−N,N,N’,N’−テトラメチルウロニウムヘキサフルオロホスファート、ベンゾトリアゾール−1−イル−オキシ−トリス(ジメチルアミノ)ホスホニウムヘキサフルオロホスファート等を使用することにより、式(2)で表される化合物との反応によって調製され得る。
【化2】

式(2)中、R1はH、1〜12炭素原子を有するアルキル、アルキルオキシ、アルケニル、若しくはアルキニル残基のいずれか一つ、又はアリール残基を表し、R2はH、1〜12炭素原子を有するアルキル、アルキルオキシ、アルケニル、若しくはアルキニル残基のいずれか一つ、又はアリール残基を表し、n=0、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10……である。
【0020】
上記の式(1)で表される化合物は、アセトアミノフェン、アセトアミノサロール、及び関連化合物から、式(3)で表される化合物との反応によって調製され得る。
【化3】

式(3)中、R1はH、1〜12炭素原子を有するアルキル、アルキルオキシ、アルケニル若しくは、アルキニル残基のいずれか一つ、又はアリール残基を表し、R2はH、1〜12炭素原子を有するアルキル、アルキルオキシ、アルケニル、若しくはアルキニル残基のいずれか一つ、又はアリール残基を表し、R3はH、1〜12炭素原子を有するアルキル、アルキルオキシ、アルケニル、若しくはアルキニル残基のいずれか一つ、又はアリール残基を表し、Xはハロゲン、又はp−トルエンスルホニルを表し、A-はCl-、Br-、F-、I-、AcO-、シトラート、又は陰イオンを表し、n=0、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10……である。
【発明の効果】
【0021】
これらのアセトアミノフェン、アセトアミノサロール、及び関連化合物のプロドラッグは、親油性部分及び親水性部分(生理学的pHではプロトン化された形態で存在するアミン基)を有する。これらのプロドラッグの正に荷電されたアミノ基は2つの優れた利点を有する。第一に、薬物の溶解性を大きく増大させる。すなわち、これらの新規なプロドラッグが、錠剤、カプセル剤、液剤、又は懸濁剤のような投与形態で経口投与されるとき、これらは直ちに胃液中で溶解するだろう。第二に、これらのプロドラッグのアミノ基上にある正電荷は、膜のホスファート頭基上にある負電荷と結合するだろう。従って、膜の外側の局所的な濃度が非常に高くなり、高濃度の領域から低濃度の領域へのこれらのプロドラッグの通過を促進するだろう。これらのプロドラッグが膜に入るとき、親水性部分は、半液体状濃縮水溶液又は懸濁液である細胞質ゾルの中にプロドラッグを押し込むだろう。実験結果は、90%を超えるプロドラッグが変化して親薬物に戻ったということを示す。プロドラッグははるかに高い吸収率を有し、従って、プロドラッグは同用量でアセトアミノフェン、アセトアミノサロール、及び関連化合物よりも強い作用を有するだろう。実験結果は、プロドラッグ、N−アセチル−4−アミノフェニル ジメチルアミノブチラート塩酸塩、及び4−アセトアミドフェニル サリチリル ジメチルアミノブチラート塩酸塩は、アセトアミノフェン及びアセトアミノサロールよりも〜150倍速く、人の皮膚を通して拡散することを示唆する。アセトアミノフェン、アセトアミノサロール、及び関連化合物を経口投与するとき、これらがピーク血漿レベルに達するのに1〜2時間かかるが、これらのプロドラッグは、ピーク血漿レベルに達するのにたったの〜約50分しかかからなかった。最も興奮させる結果は、プロドラッグを経口投与だけでなく、どんな種類の薬物治療のためにも経皮投与することが可能であり、かつアセトアミノフェン、アセトアミノサロール、及び関連化合物のたいていの副作用、最も著しくは肝毒性及び腎毒性を回避するだろうということである。これらのプロドラッグを経皮投与することのもう一つの大きな利点は、特に子供への、薬物投与がいっそう容易になるだろうということである。
【図面の簡単な説明】
【0022】
【図1】フランツ細胞(n=5)での、単離されたヒト皮膚組織に浸透するN−アセチル−4−アミノフェニル ジメチルアミノブチラート塩酸塩(A、30%溶液)、4−アセトアミドフェニル サリチリル ジメチルアミノブチラート塩酸塩(A、30%溶液)、N−アセトアミノフェン(A、30%懸濁液)、及び4−アセトアミドフェニルサリチラート(D、30%懸濁液)の累積量。それぞれの場合において、媒体はpH7.4ホスファート緩衝液(0.2M)であった。
【図2】イソプロパノール中、N−アセチル−4−アミノフェニル ジメチルアミノブチラート塩酸塩、4−アセトアミドフェニル サリチリル ジメチルアミノブチラート塩酸塩、アセトアミノフェン及びアセトアミノサロール1mlをヘアレスマウス(n=5)の背中に局所塗布後の、アセトアミノフェン及びアセトアミノサロール総血漿レベル。
【図3】N−アセチル−4−アミノフェニル ジメチルアミノブチラート塩酸塩、4−アセトアミドフェニル サリチリル ジメチルアミノブチラート塩酸塩50mg/kg経皮投与後の、マウス尻尾の痛覚閾値延長時間。グループAは対照群である。
【図4】構造1中、R1はH、1〜12炭素原子を有するアルキル、アルキルオキシ、アルケニル若しくはアルキニル残基のいずれか一つ、又はアリール残基を表し、R2はH、1〜12炭素原子を有するアルキル、アルキルオキシ、アルケニル若しくはアルキニル残基のいずれか一つ、又はアリール残基を表し、R3はH、1〜12炭素原子を有するアルキル、アルキルオキシ、アルケニル若しくはアルキニル残基のいずれか一つ、又はアリール残基を表し、XはO、又は2−OCO−C64−Oを表し、A-はCl-、Br-、F-、I-、AcO-、シトラート、又は陰イオンを表し、n=0、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10……であり、全てのR基はC、H、O、S、又はN原子を含んでもよく、単結合、二重結合、及び三重結合を有してもよい。いずれのCH2基はO、S又はNHと置換されてもよい。
【発明を実施するための形態】
【0023】
(最良の形態)
N−アセチル−4−アミノフェニル ジメチルアミノブチラート塩酸塩の調製
アセトアミノフェン15.1g(0.1mol)をアセトン200ml及び10%NaHCO3200ml中に溶解した。ジメチルアミノブチリルクロリド塩酸塩18.6g(0.1mol)を混合物に加え、室温で3時間撹拌した。溶液を蒸発させた。酢酸エチル500mlを反応混合物に加え、混合物を5%NaHCO3(1×200ml)及び水(3×100ml)で洗浄した。得られた有機溶液を無水硫酸ナトリウム上で乾燥させた。硫酸ナトリウムを濾過により除去した。HClガスを溶液中にバブルする。固形生成物を濾過により集めた。乾燥後、目的生成物26g(86.4%)を得た。吸湿性生成物、水中での溶解性:400mg/ml、元素分析:C1421ClN23、分子量:300.78、計算% C:55.90; H: 7.04; Cl: 11.79; N: 9.31; O: 15.96、実測% C: 55.96; H: 7.06; Cl: 11.76; N: 9.29; O: 15.93、1H-NMR(400MHz,D2O):δ: 1.98 (s, 3H), 2.01 (m, 2H), 2.21 (m, 2H), 2.90 (s, 6H), 3.24 (m, 2H), 7.05 (m, 2H), 7.60 (m, 2H), 7.80 (b, 1H)。
【0024】
(発明の形態)
N−アセチル−4−アミノフェニル ジエチルアミノブチラート塩酸塩の調製
アセトアミノフェン15.1g(0.1mol)及びジエチルアミノ酪酸16g(0.1mol)をジクロロメチレン300mlに溶解した。混合物を氷浴で0℃に冷却する。N,N’−ジシクロヘキシルカルボジイミド20.6g(0.1mol)を反応混合物に添加した。混合物を0℃で1時間、及び室温で2時間撹拌した。固形物を濾過により除去する。ジクロロメチレン溶液を5%NaHCO3(2×100ml)及び水(3×100ml)で洗浄した。得られた有機溶液を無水硫酸ナトリウム上で乾燥させた。硫酸ナトリウムを濾過により除去した。酢酸6gを撹拌しながら反応混合物に加えた。固形生成物を濾過により集めた。乾燥後、目的生成物27g(82.1%)を得た。吸湿性生成物、水中での溶解性:400mg/ml、元素分析:C1625ClN23、分子量:328.83、計算% C:58.44; H: 7.66; Cl: 10.78; N: 8.52; O: 14.60、実測% C: 58.40; H: 7.68; Cl: 10.76; N: 8.55; O: 14.61、1H-NMR(400MHz,D2O)δ: 1.50 (t, 6H), 2.00 (m, 2H), 2.02 (s, 3H), 2.21 (m, 2H), 3.24 (m, 2H), 3.27 (m, 4H), 7.05 (m, 2H), 7.60 (m, 2H), 7.80 (b, 1H)。
【0025】
4−アセトアミドフェニル サリチリル ジメチルアミノブチラート塩酸塩の調製
アセトアミノサロール27.1g(0.1mol)をアセトン200ml及び10%NaHCO3200ml中に溶解した。ジメチルアミノブチリルクロリド塩酸塩18.6g(0.1mol)を混合物に加え、室温で3時間撹拌した。溶液を蒸発させた。酢酸エチル500mlを反応混合物に加え、混合物を5%NaHCO3(1×200ml)及び水(3×100ml)で洗浄した。得られた有機溶液を無水硫酸ナトリウム上で乾燥させた。硫酸ナトリウムを濾過により除去した。HClガスを溶液中にバブルする。固形生成物を濾過により集めた。乾燥後、目的生成物36g(85.5%)を得た。吸湿性生成物、水中での溶解性:400mg/ml、元素分析:C2125ClN25、分子量:420.89、計算% C: 59.93; H: 5.99; Cl: 8.42; N: 6.66; O: 19.01、実測% C: 59.96; H: 6.02; Cl: 8.40; N: 6.64; O: 18.98、1H-NMR(400MHz,D2O):δ: 1.99 (s, 3H), 2.01 (m, 2H), 2.21 (m, 2H), 2.90 (s, 6H), 3.24 (m, 2H), 7.13 (m, 2H), 7.22 (m, 2H), 7.47 (m, 1H), 7.60 (m, 2H), 7.80 (b, 1H), 8.10 (m, 1H)。
【0026】
4−アセトアミドフェニル サリチリル ジメチルアミノブチラート塩酸塩の調製
アセトアミノサロール27.1g(0.1mol)及びジエチルアミノ酪酸16g(0.1mol)をジクロロメチレン300mlに溶解した。混合物を氷浴で0℃に冷却する。N,N’−ジシクロヘキシルカルボジイミド20.6g(0.1mol)を反応混合物に添加した。混合物を0℃で1時間、及び室温で2時間撹拌した。固形物を濾過により除去する。ジクロロメチレン溶液を5%NaHCO3(2×100ml)及び水(3×100ml)で洗浄した。得られた有機溶液を無水硫酸ナトリウム上で乾燥させた。硫酸ナトリウムを濾過により除去した。酢酸6gを撹拌しながら反応混合物に加えた。固形生成物を濾過により集めた。乾燥後、目的生成物39g(86.9%)を得た。吸湿性生成物、水中での溶解性:400mg/ml、元素分析:C2329ClN25、分子量:448.94、計算% C: 61.53; H: 6.51; Cl: 7.90; N: 6.24; O: 17.82、実測% C: 61.50; H: 6.56; Cl: 7.85; N: 6.22; O: 17.87、1H-NMR(400MHz,D2O)δ: 1.50 (t, 6H), 2.00 (m, 2H), 2.02 (s, 3H), 2.21 (m, 2H), 3.24 (m, 2H), 3.27 (m, 4H), 7.11 (m, 2H), 7.21 (m, 2H), 7.47 (m, 1H), 7.65 (m, 2H), 7.80 (b, 1H), 8.10 (m, 1H)。
【産業上の利用可能性】
【0027】
式(1)で表されるプロドラッグはアセトアミノフェン、アセトアミノサロール、及び関連化合物よりも優れている。これらは、人又は動物において、アセトアミノフェン、アセトアミノサロール、及び関連化合物治療可能な状態の治療に医薬的に使用され得る。これらは、関節リウマチ及び変形性関節症の徴候並びに症状の軽減、発熱の軽減、並びに月経困難症の治療のために使用され得る。これらのプロドラッグは、非常に高い膜浸透率を有するため、患者に吸入することによって喘息の治療に使用され得る。これらは抗炎症性のため、乾癬、アクネ、日焼け又は他の皮膚病を治療するために使用され得る。これらは皮膚癌、肺癌、乳癌、及び他の癌の治療に有益であるかも知れない。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
次式(1)で表される化合物。

式(1)中、R1はH、1〜12炭素原子を有するアルキル、アルキルオキシ、アルケニル若しくはアルキニル残基のいずれか一つ、又はアリール残基を表し、R2はH、1〜12炭素原子を有するアルキル、アルキルオキシ、アルケニル若しくはアルキニル残基のいずれか一つ、又はアリール残基を表し、R3はH、1〜12炭素原子を有するアルキル、アルキルオキシ、アルケニル若しくはアルキニル残基のいずれか一つ、又はアリール残基を表し、XはO、又は2−OCO−C64−Oを表し、A-はCl-、Br-、F-、I-、AcO-、シトラート、又は陰イオンを表し、n=0、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10……であり、全てのR基はC、H、O、S、又はN原子を含んでもよく、単結合、二重結合、及び三重結合を有してもよい。いずれのCH2基はO、S又はNHと置換されてもよい。
【請求項2】
請求項1に記載の、式(1)で表される化合物を調製する方法であって、アセトアミノフェン、アセトアミノサロール、及び関連化合物を、カップリング試薬、例えば、N,N’−ジシクロヘキシルカルボジイミド、N,N’−ジイソプロピルカルボジイミド、O−(ベンゾトリアゾール−1−イル)−N,N,N’,N’−テトラメチルウロニウムテトラフルオロボラート、O−(ベンゾトリアゾール−1−イル)−N,N,N’,N’−テトラメチルウロニウムヘキサフルオロホスファート、ベンゾトリアゾール−1−イル−オキシ−トリス(ジメチルアミノ)ホスホニウムヘキサフルオロホスファート等を使用することにより、式(2)で表される化合物と反応させることを特徴とする方法。

式(2)中、R1はH、1〜12炭素原子を有するアルキル、アルキルオキシ、アルケニル、若しくはアルキニル残基のいずれか一つ、又はアリール残基を表し、R2はH、1〜12炭素原子を有するアルキル、アルキルオキシ、アルケニル、若しくはアルキニル残基のいずれか一つ、又はアリール残基を表し、n=0、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10……である。
【請求項3】
請求項1に記載の、式(1)で表される化合物を調製する方法であって、アセトアミノフェン、アセトアミノサロール、及び関連化合物の金属塩、有機塩基塩、又は固定化された塩基塩を、式(3)で表される化合物と反応させることを特徴とする方法。

式(3)中、R1はH、1〜12炭素原子を有するアルキル、アルキルオキシ、アルケニル、若しくはアルキニル残基のいずれか一つ、又はアリール残基を表し、R2はH、1〜12炭素原子を有するアルキル、アルキルオキシ、アルケニル、若しくはアルキニル残基のいずれか一つ、又はアリール残基を表し、R3はH、1〜12炭素原子を有するアルキル、アルキルオキシ、アルケニル、若しくはアルキニル残基のいずれか一つ、又はアリール残基を表し、Xはハロゲン、又はp−トルエンスルホニルを表し、A-はCl-、Br-、F-、I-、AcO-、シトラート、又は陰イオンを表し、n=0、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10……である。
【請求項4】
請求項1に記載の、式(1)で表される化合物、又は少なくとも式(1)で表される化合物を活性成分として含む組成物であって、人又は動物において、NSAIA治療可能な状態を治療するために、経口投与又は経皮投与可能である化合物又は組成物であって、前記NSAIA治療可能な状態が、歯痛、頭痛、並びに関節炎及び他の炎症性疼痛、熱、癌、月経困難症、放射線誘発性嘔吐、糖尿病性神経障害、急性片頭痛、血友病性関節症、骨喪失、並びに日焼けを含むが、これに限定されるものではない化合物又は組成物。
【請求項5】
人又は動物において、NSAIA治療可能な状態を治療する方法であって、身体の一部に(溶液、スプレー、ローション、軟膏、エマルジョン又はゲルの形態で)経皮投与することにより、請求項1に記載の、式(1)で表される化合物、又は少なくとも式(1)で表される化合物を活性成分として含む組成物の治療有効血漿レベルを送達することを特徴とする方法。
【請求項6】
人又は動物において、疼痛、例えば、頭痛、歯痛、筋肉痛、並びに関節炎及び他の炎症性疼痛を局所的に治療する方法であって、治療有効量の、請求項1に記載の、式(1)で表される化合物、又は少なくとも式(1)で表される化合物を活性成分として含む組成物を炎症部位に投与することを特徴とする方法。
【請求項7】
請求項1に記載の、式(1)で表される化合物、又は少なくとも式(1)で表される化合物を活性成分として含む組成物であって、乾癬、アクネ、日焼け又は他の皮膚病を治療するために、溶液、スプレー、ローション、軟膏、エマルジョン又はゲルの形態で経皮投与され得る化合物又は組成物。
【請求項8】
請求項1に記載の、式(1)で表される化合物、又は少なくとも式(1)で表される化合物を活性成分として含む組成物であって、喘息を治療するために、口若しくは鼻又は体の他の部分を通してスプレーすることにより投与されることを特徴とする化合物又は組成物。
【請求項9】
請求項1に記載の、式(1)で表される化合物、又は少なくとも式(1)で表される化合物を活性成分として含む組成物であって、人又は動物において、炎症性眼疾患、角膜手術後眼痛、緑内障、又は耳の炎症性及び/又は有痛性状態(耳炎)を治療するための化合物又は組成物。
【請求項10】
請求項1に記載の、式(1)で表される化合物、又は少なくとも式(1)で表される化合物を活性成分として含む組成物であって、乳癌、大腸癌、膵臓癌、皮膚癌、及び他の癌を治療するための化合物又は組成物。
【請求項11】
人又は動物において、NSAIA治療可能な状態を治療するための、請求項1に記載の、式(1)で表される化合物、又は少なくとも式(1)で表される化合物を活性成分として含む組成物の経皮治療応用システムであって、活性物質含有マトリックス層及び非透過性支持層からなる包帯又はパッチであり得、最も好ましくは、活性物質貯蔵庫であり、これが皮膚に面する透過性底面を有し、放出の割合を制御することによって、NSAIAが絶えず最適治療血中レベルに達することを可能にし、NSAIAの効能を増大させ、NSAIAの副作用を減少させることを可能にすることを特徴とするシステム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公表番号】特表2010−502583(P2010−502583A)
【公表日】平成22年1月28日(2010.1.28)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−526183(P2009−526183)
【出願日】平成18年9月3日(2006.9.3)
【国際出願番号】PCT/IB2006/053091
【国際公開番号】WO2008/029200
【国際公開日】平成20年3月13日(2008.3.13)
【出願人】(509011581)テックフィールズ バイオケム カンパニー リミテッド (10)
【出願人】(509023539)
【Fターム(参考)】