説明

非常に速い皮膚透過率を有するアリール−及びヘテロアリールプロピオン酸の正荷電水溶性プロドラッグ

式(1)及び式(2)で表される、アリール−並びにヘテロアリールプロピオン酸の新規な正荷電プロドラッグを合成した。これらのプロドラッグの正に荷電されたアミノ基は、薬物の溶解性を大いに増大させるだけでなく、膜のホスファート頭基上の負電荷と結合し、プロドラッグを細胞質ゾルの中に押し込む。プロドラッグは、これらの親薬物よりも〜100〜130倍速く、人の皮膚を通して拡散する。これらのプロドラッグを経皮投与すると、プロドラッグはわずか約40〜50分でピーク血漿レベルに達する。プロドラッグは、人又は動物におけるNSAIA−治療可能な状態の治療に、経口投与だけでなく経皮投与でも医薬的に使用され、NSAIAのたいていの副作用を回避し得る。プロドラッグの制御経皮投与システムは、その親薬物が絶えず最適治療血中レベルに達することを可能にし、効能を増大させ、かつその副作用を減少させることを可能にする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、アリール−及びヘテロアリールプロピオン酸並びに関連化合物の正に荷電された水溶性プロドラッグの調製剤、並びに人又は動物において、非ステロイド性抗炎症薬(NSAIAs)−治療可能な状態を治療する際のその医薬用途に関する。より具体的に言うと、本発明はNSAIAの使用と関連する副作用を克服するためにある。これらのプロドラッグは経口又は経皮投与され得る。
【背景技術】
【0002】
2−アリール−及びヘテロアリールプロピオン酸、3−アリール−及びヘテロアリールプロピオン酸及び環化アリール−及びヘテロアリールプロピオン酸(cyclized aryl-and heteroarylpropionic acid)がある。2−(6−メトキシ−2−ナフチル)プロピオン酸(ナプロキセン)、α−メチル−4−(2−チエニルカルボニル)ベンゼン酢酸(スプロフェン)、α−メチル−(p−クロロベンゾイル)−5−メトキシ−2−メチルインドール−3−酢酸、2−(2−フルオロ−4−ビフェニリル)プロピオン酸(フルルビプロフェン)、6−クロロ−α−メチル−9H−カルバゾール−2−酢酸(カルプロフェン)、α−メチル−5H−[1]ベンゾピラノ[2,3−b]ピリジン−7−酢酸(プラノプロフェン)、2−(4−クロロフェニル)−α−メチル−5−ベンゾオキサゾール酢酸(ベノキサプロフェン)、α−メチル−4−[(2−メチル−2−プロペニル)アミノ]ベンゼン酢酸(アルミノプロフェン)、5−ベンゾイル−α−メチル−2−チオフェン酢酸(チアプロフェン酸)、3−クロロ−4−(2,5−ジヒドロ−1H−ピロール−1−イル)−α−メチルベンゼン酢酸(ピルプロフェン)、2−(10,11−ジヒドロ−10−オキソジベンゾ(b,f)チエピン−2−イル)プロピオン酸(ザルトプロフェン)、2−(8−メチル−10,11−ジヒドロ−11−オキソジベンズ(b,f)オキセピン−2−イル)プロピオン酸(ベルモプロフェン)、2−[4−(2−オキソシクロペンチル−メチル)フェニル]プロピオン酸(ロキソプロフェン)、4−(1,3−ジヒドロ−1−オキソ−2H−イソインドール−2−イル)−α−メチルベンゼン酢酸(インドプロフェン)、α,3−ジクロロ−4−シクロヘキシルベンゼン酢酸(フェンクロラク)、及び関連化合物は、非ステロイド性抗炎症薬の2−アリール−及びヘテロアリールプロピオン酸グループのうちの一つである。4,5−ジフェニル−2−オキサゾールプロピオン酸(オキサプロジン)、3−(4−ビフェニリルカルボニル)プロピオン酸(フェンブフェン)、5−(4−クロロフェニル)−ベータ−ヒドロキシ−2−フランプロピオン酸(オルパノキシン)、及び関連化合物は、非ステロイド性抗炎症薬の3−アリール−及びヘテロアリールプロピオン酸グループのうちの一つである。5−ベンゾイル−2,3−ジヒドロ−1H−ピロリジン(pyrrolizine)−1−カルボン酸(ケトロラク)、6−クロロ−5−シクロヘキシル−2,3−ジヒドロ−1H−インデン−1−カルボン酸(クリダナク)、及び関連化合物は、非ステロイド性抗炎症薬の環化アリール−及びヘテロアリールプロピオン酸グループのうちの一つである。これらは関節リウマチ及び変形性関節症の徴候並びに症状の軽減のために使用され、月経困難症の治療のために使用される。これらはまた、急性痛風関節炎及び強直性脊椎炎の治療のために使用される。これらは痴呆の治療のために使用され得る(McGeer; Patrick L. et al. U.S. Pat. No. 5,192,753)。
【0003】
残念ながら、多くの副作用がナプロキセン、スプロフェン、α−メチル−(p−クロロベンゾイル)−5−メトキシ−2−メチルインドール 3−酢酸、フルルビプロフェン、カルプロフェン、プラノプロフェン、ベノキサプロフェン、アルミノプロフェン、チアプロフェン酸、ピルプロフェン、ザルトプロフェン、ベルモプロフェン、ロキソプロフェン、インドプロフェン、フェンクロラク、オキサプロジン、フェンブフェン、オルパノキシン、ケトロラク、クリダナク、及び関連化合物の使用と関連し、最も著しくは胃腸障害であり、例えば、消化不良、胃十二指腸出血、胃潰瘍、及び胃炎である。Fishman(Fishman; Robert, U.S. Pat. No. 7,052,715)は、経口薬物治療と関連した追加的な課題を指摘した。それは、疼痛又は炎症のある末端部を効果的に治療するためには、血流中で達成されなければならない濃度レベルが有意でなければならないということである。これらのレベルはしばしば、疼痛又は損傷のある特定部位を正確に標的とすることが可能である場合に必要となるレベルよりもずっと高い。Fishmanら多くは(Van Engelen et al. U.S. Pat.No. 6,416,772; Macrides et al. U.S. Pat. No. 6,346,278; Kirby et al. U.S. Pat. No. 6,444,234, Roentsch, et al., U.S. Pat. No. 5,654,337, Park, et al., U.S. Pat.No. 6,190,690, Pearson et al. U.S. Pat. No. 6,528,040及びBotknecht et al. U.S. Pat. No. 5,885,597)、配合物による経皮応用送達システムを開発しようと試みた。しかしながら、皮膚浸透率が遅いため、治療有効血漿レベルのこれらの種類の薬物を配合物によって患者(host)に送達することは非常に難しい。Susan Milosovichらは、テストステロニル−4−ジメチルアミノブチラート塩酸塩(testosteronyl-4-dimethylaminobutyrate. HCl)(TSBH)を設計し、調製した。これは、親油性部分及び生理学的pHではプロトン化された形態で存在する第3級アミン基を有する。彼らは、プロドラッグ(TSBH)は、薬物(TS)それ自体よりも〜60倍速く、人の皮膚を通して拡散するということを見出した[Susan Milosovich, et al., J. Pharm. Sci., 82,227(1993)]。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ナプロキセン、スプロフェン、α−メチル−(p−クロロベンゾイル)−5−メトキシ−2−メチルインドール 3−酢酸、フルルビプロフェン、カルプロフェン、プラノプロフェン、ベノキサプロフェン、アルミノプロフェン、チアプロフェン酸、ピルプロフェン、ザルトプロフェン、ベルモプロフェン、ロキソプロフェン、インドプロフェン、フェンクロラク、オキサプロジン、フェンブフェン、オルパノキシン、ケトロラク、クリダナク、及び関連化合物は、長年の間医薬的に使用されてきた。これらは、関節リウマチ及び変形性関節症の徴候並びに症状の軽減のために使用され、月経困難症の治療のために使用される。
残念ながら、多くの副作用がNSAIAの使用と関連し、最も著しくは胃腸障害であり、例えば、消化不良、胃十二指腸出血、胃潰瘍、及び胃炎である。これらは水溶液中及び胃液中で不溶性である。これらは胃腸管に長時間滞留し、そのため胃粘膜細胞に損傷を引き起こし得る。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明は、アリール−及びヘテロアリールプロピオン酸並びに関連化合物の新規な正荷電プロドラッグの調製、並びにそれらの医薬用途に関する。2−(6−メトキシ−2−ナフチル)プロピオン酸(ナプロキセン)、α−メチル−4−(2−チエニルカルボニル)ベンゼン酢酸(スプロフェン)、α−メチル−(p−クロロベンゾイル)−5−メトキシ−2−メチルインドール 3−酢酸、2−(2−フルオロ−4−ビフェニリル)プロピオン酸(フルルビプロフェン)、6−クロロ−α−メチル−9H−カルバゾール−2−酢酸(カルプロフェン)、α−メチル−5H−[1]ベンゾピラノ[2,3−b]ピリジン−7−酢酸(プラノプロフェン)、2−(4−クロロフェニル)−α−メチル−5−ベンゾオキサゾール酢酸(ベノキサプロフェン)、α−メチル−4−[(2−メチル−2−プロペニル)アミノ]ベンゼン酢酸(アルミノプロフェン)、5−ベンゾイル−α−メチル−2−チオフェン酢酸(チアプロフェン酸)、3−クロロ−4−(2,5−ジヒドロ−1H−ピロール−1−イル)−α−メチルベンゼン酢酸(ピルプロフェン)、2−(10,11−ジヒドロ−10−オキソジベンゾ(b,f)チエピン−2−イル)プロピオン酸(ザルトプロフェン)、2−(8−メチル−10,11−ジヒドロ−11−オキソジベンズ(b,f)オキセピン−2−イル)プロピオン酸(ベルモプロフェン)、2−[4−(2−オキソシクロペンチル−メチル)フェニル]プロピオン酸(ロキソプロフェン)、4−(1,3−ジヒドロ−1−オキソ−2H−イソインドール−2−イル)−α−メチルベンゼン酢酸(インドプロフェン)、α,3−ジクロロ−4−シクロヘキシルベンゼン酢酸(フェンクロラク)、及び関連化合物は、非ステロイド性抗炎症薬の2−アリール−及びヘテロアリールプロピオン酸グループのうちの一つである。2−アリール−及びヘテロアリールプロピオン酸のプロドラッグは次式(1)の構造を有する。
【0006】
【化1】

式中、RはCH3、OH、Cl、F、又はBrを表し、R1はH、1〜12炭素原子を有するアルキル、アルキルオキシル、アルケニル若しくはアルキニル残基のいずれか一つ、又はアリール残基を表し、R2はH、1〜12炭素原子を有するアルキル、アルキルオキシ、アルケニル若しくはアルキニル残基のいずれか一つ、又はアリール残基を表し、R3はH、1〜12炭素原子を有するアルキル、アルキルオキシ、アルケニル若しくはアルキニル残基のいずれか一つ、又はアリール残基を表し、XはO、S、NH、OCH2COO、OCH2COS、又はOCH2CONHを表し、A-はCl-、Br-、F-、I-、AcO-、シトラート、又は陰イオンを表し、n=0、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10……であり、Arylは以下のものを表す。
【0007】
【化2】


【化3】

【化4】

【化5】

【化6】

【化7】

【化8】

全てのR基はC、H、O、S、又はN原子を含んでもよく、単結合、二重結合、及び三重結合を有してもよい。CH2基はO、S又はNHと置換されてもよい。
【0008】
4,5−ジフェニル−2−オキサゾールプロピオン酸(オキサプロジン)、3−(4−ビフェニリルカルボニル)プロピオン酸(フェンブフェン)、5−(4−クロロフェニル)−ベータ−ヒドロキシ−2−フランプロピオン酸(オルパノキシン)、及び関連化合物は、非ステロイド性抗炎症薬の3−アリール−及びヘテロアリールプロピオン酸グループのうちの一つである。3−アリール−及びヘテロアリールプロピオン酸のプロドラッグは次式(2)の構造を有する。
【0009】
【化9】

式中、WはH、OH、Cl、F、又はBrを表し、R1はH、1〜12炭素原子を有するアルキル、アルキルオキシル、アルケニル若しくはアルキニル残基のいずれか一つ、又はアリール残基を表し、R2はH、1〜12炭素原子を有するアルキル、アルキルオキシ、アルケニル若しくはアルキニル残基のいずれか一つ、又はアリール残基を表し、R3はH、1〜12炭素原子を有するアルキル、アルキルオキシ、アルケニル若しくはアルキニル残基のいずれか一つ、又はアリール残基を表し、XはO、S、NH、OCH2COO、OCH2COS、又はOCH2CONHを表し、A-はCl-、Br-、F-、I-、AcO-、シトラート、又は陰イオンを表し、n=0、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10……であり、WはOH、Cl又はFを表し、YはH、Cl、OH、又はCH3を表し、及びZは以下のものを表す。
【0010】
【化10】

【化11】

全てのR、R1、R2、R3、及びR4基はC、H、O、S、N原子を含んでもよく、単結合、二重結合、及び三重結合を有してもよい。CH2基はO、S又はNHと置換されてもよい。
【0011】
式(2)中、WがHを表すとき、Y及びZは共に以下のものを表す。
【化12】

環化アリール−及びヘテロアリールプロピオン酸が形成される。これらは5−ベンゾイル−2,3−ジヒドロ−1H−ピロリジン−1−カルボン酸(ケトロラク)、6−クロロ−5−シクロヘキシル−2,3−ジヒドロ−1H−インデン−1−カルボン酸(クリダナク)、及び関連化合物である。
【0012】
薬物吸収は、胃腸管からであろうと他の部位からであろうと、薬物が分子形で障壁膜を横断して通過することを必要とする。薬物は初めに溶解しなければならず、もし薬物が望ましい生物薬剤的性質を有しているならば、高濃度の領域から低濃度の領域へと膜を横断して通過し、血液循環又は体循環に入るだろう。全ての生物学的膜は主要な構成成分として脂質を含有している。膜形成について主要な役割を果たしている分子は、全てホスファート含有高極性頭基(head group)を有し、たいていの場合、2つの高疎水性炭化水素尾部(tail)を有している。膜は2分子膜であり、その2つの親水性頭基は両側にある水性領域へと外側を向いている。非常に親水性な薬物は膜の疎水性層を通過することができず、非常に疎水性な薬物はそれらの類似性のため膜の一部として疎水性層に留まり、内側にある細胞質ゾルに能率的に入ることができないだろう。
【0013】
本発明の目的は、胃液中でのナプロキセン、スプロフェン、α−メチル−(p−クロロベンゾイル)−5−メトキシ−2−メチルインドール 3−酢酸、フルルビプロフェン、カルプロフェン、プラノプロフェン、ベノキサプロフェン、アルミノプロフェン、チアプロフェン酸、ピルプロフェン、ザルトプロフェン、ベルモプロフェン、ロキソプロフェン、インドプロフェン、フェンクロラク、オキサプロジン、フェンブフェン、オルパノキシン、ケトロラク、クリダナク、及び関連化合物の溶解性を増大させること、並びにそれらを経皮投与可能(局所適用)にさせるであろう、膜及び皮膚障壁を通してのその透過率を増大させることにより、その副作用を回避することである。これらの新規なプロドラッグは共通して2つの構造的特徴を有している。これらは、親油性部分及び生理学的pHではプロトン化された形態で存在する第1級、第2級又は第3級アミン基(親水性部分)を有している。膜障壁を通して能率的に通過するためには、このような親水性親油性バランスが必要とされる[Susan Milosovich, et al., J. Pharm. Sci., 82,227(1993)]。正に荷電されたアミノ基は薬物の溶解性を大きく増大させる。ジエチルアミノエチル 2−(6−メトキシ−2−ナフチル)プロピオナート酢酸塩(diethylaminoethyl 2-(6-methoxy-2-naphthyl)propionate.AcOH)、ジエチルアミノエチル α−メチル−4−(2−チエニルカルボニル)ベンゼンアセタート酢酸塩、ジエチルアミノエチル α−メチル−(p−クロロベンゾイル)−5−メトキシ−2−メチルインドール 3−アセタート酢酸塩、ジエチルアミノエチル 2−(2−フルオロ−4−ビフェニリル)プロピオナート酢酸塩、ジエチルアミノエチル 6−クロロ−α−メチル−9H−カルバゾール−2−アセタート酢酸塩、ジエチルアミノエチル α−メチル−5H−[1]ベンゾピラノ[2,3−b]ピリジン−7−アセタート酢酸塩、ジエチルアミノエチル 2−(4−クロロフェニル)−α−メチル−5−ベンゾオキサゾールアセタート酢酸塩、ジエチルアミノエチル α−メチル−4−[(2−メチル−2−プロペニル)アミノ]ベンゼンアセタート酢酸塩、ジエチルアミノエチル 5−ベンゾイル−α−メチル−2−チオフェンアセタート酢酸塩、ジエチルアミノエチル 3−クロロ−4−(2,5−ジヒドロ−1H−ピロール−1−イル)−α−メチルベンゼンアセタート酢酸塩、ジエチルアミノエチル2−(10,11−ジヒドロ−10−オキソジベンゾ(b,f)チエピン−2−イル)プロピオナート酢酸塩、ジエチルアミノエチル 2−(8−メチル−10,11−ジヒドロ−11−オキソジベンズ(b,f)オキセピン−2−イル)プロピオナート酢酸塩、ジエチルアミノエチル 2−[4−(2−オキソシクロペンチル−メチル)フェニル]プロピオナート酢酸塩、ジエチルアミノエチル 4−(1,3−ジヒドロ−1−オキソ−2H−イソインドール−2−イル)−α−メチルベンゼンアセタート酢酸塩、ジエチルアミノエチル α,3−ジクロロ−4−シクロヘキシルベンゼンアセタート酢酸塩、ジエチルアミノエチル 4,5−ジフェニル−2−オキサゾールプロピオナート酢酸塩、ジエチルアミノエチル 3−(4−ビフェニリルカルボニル)プロピオナート酢酸塩、ジエチルアミノエチル 5−(4−クロロフェニル)−ベータ−ヒドロキシ−2−フランプロピオナート酢酸塩、ジエチルアミノエチル 5−ベンゾイル−2,3−ジヒドロ−1H−ピロリジン−1−カルボキシラート酢酸塩、ジエチルアミノエチル 6−クロロ−5−シクロヘキシル−2,3−ジヒドロ−1H−インデン−1−カルボキシラート酢酸塩、ナプロキセン、スプロフェン、α−メチル−(p−クロロベンゾイル)−5−メトキシ−2−メチルインドール 3−酢酸、フルルビプロフェン、カルプロフェン、プラノプロフェン、ベノキサプロフェン、アルミノプロフェン、チアプロフェン酸、ピルプロフェン、ザルトプロフェン、ベルモプロフェン、ロキソプロフェン、インドプロフェン、フェンクロラク、オキサプロジン、フェンブフェン、オルパノキシン、ケトロラク、クリダナクの水中での溶解性は、>450 mg、>400 mg、>450 mg、> 450 mg、>350 mg、>450 mg、>400 mg、>450 mg、>400 mg、>450 mg、>350 mg、>400 mg、>350 mg、>400 mg、>350 mg、>400 mg、>400 mg、>350 mg、>450 mg、>350 mg、<0.1 mg、<0.1 mg、<0.1 mg、<0.1 mg、<0.1 mg、<0.1 mg、<0.1 mg、<0.1 mg、<0.1 mg、<0.1 mg、<0.1 mg、<0.1 mg、<0.1 mg、<0.1 mg、<0.1 mg、<0.1 mg、<0.1 mg、<0.1 mg、<0.1 mg、及び<0.1 mg/mlである。多くの例では、一連の中での最も遅い又は律速段階は薬物の溶解である。ナプロキセン、スプロフェン、α−メチル−(p−クロロベンゾイル)−5−メトキシ−2−メチルインドール 3−酢酸、フルルビプロフェン、カルプロフェン、プラノプロフェン、ベノキサプロフェン、アルミノプロフェン、チアプロフェン酸、ピルプロフェン、ザルトプロフェン、ベルモプロフェン、ロキソプロフェン、インドプロフェン、フェンクロラク、オキサプロジン、フェンブフェン、オルパノキシン、ケトロラク、クリダナク、及び関連化合物は、胃液中で非常に低い溶解性を有する。これらは胃腸管に長時間滞留し、そのため胃粘膜細胞に損傷を引き起こし得る。これらの新規なプロドラッグは、錠剤、カプセル剤、液剤、又は懸濁剤のような投与形態で経口投与されると、直ちに胃液中で溶解するだろう。これらのプロドラッグのアミノ基上にある正電荷は、膜のホスファート頭基上にある負電荷と結合するだろう。従って、膜の外側の局所的な濃度が非常に高くなり、高濃度の領域から低濃度の領域へのこれらのプロドラッグの通過を促進するだろう。これらのプロドラッグが膜に入るとき、親水性部分はプロドラッグを半液体状濃縮水溶液又は懸濁液である細胞質ゾルの中に押し込むだろう。胃腸管での短い滞留のため、プロドラッグは胃粘膜細胞に損傷を引き起こさないだろう。胃のpHは1〜3であるため、膜のホスファート頭基上にある負電荷はプロトン(H+)と結合される。プロドラッグの正電荷は胃粘膜のホスファート頭基上にある負電荷に結合することができない。これらのプロドラッグは、胃に対して一次損傷(直接的な酸による損傷)及び二次損傷(プロスタグランジン抑制)の両方とも生じないだろう。
【0014】
アリール−及びヘテロアリールプロピオン酸並びにそれらの正に荷電されたプロドラッグ、並びに関連化合物の人の皮膚を通しての透過率を、修正フランツ(Franz)細胞を使用することにより試験管内で測定した。修正フランツ細胞は、前大腿部及び後大腿部のヒト皮膚組織(厚さ360〜400μm)から単離した。受容液(receiving fluid)は生理食塩水中2%ウシ血清アルブミン10mlからなり、600rpmで撹拌した。時間に対する、皮膚を透過するこれらのプロドラッグ及びそれらの親薬物の累積量を、特異的な高速液体クロマトグラフィー法により測定した。pH7.4ホスファート緩衝液(0.2M)2mL中、これらのプロドラッグの30%溶液、又はナプロキセン、スプロフェン、α−メチル−(p−クロロベンゾイル)−5−メトキシ−2−メチルインドール 3−酢酸、フルルビプロフェン、カルプロフェン、プラノプロフェン、ベノキサプロフェン、アルミノプロフェン、チアプロフェン酸、ピルプロフェン、ザルトプロフェン、ベルモプロフェン、ロキソプロフェン、インドプロフェン、フェンクロラク、オキサプロジン、フェンブフェン、オルパノキシン、ケトロラク、クリダナクの30%懸濁液のいずれかからなるドナーを使用して得た結果を図1、図2、図3、又は図4に示す。人の皮膚を通して拡散する、ジエチルアミノエチル 2−(6−メトキシ−2−ナフチル)プロピオナート酢酸塩、ジエチルアミノエチル α−メチル−4−(2−チエニルカルボニル)ベンゼンアセタート酢酸塩、ジエチルアミノエチル α−メチル−(p−クロロベンゾイル)−5−メトキシ−2−メチルインドール 3−アセタート酢酸塩、ジエチルアミノエチル 2−(2−フルオロ−4−ビフェニリル)プロピオナート酢酸塩、ジエチルアミノエチル 6−クロロ−α−メチル−9H−カルバゾール−2−アセタート酢酸塩、ジエチルアミノエチル α−メチル−5H−[1]ベンゾピラノ[2,3−b]ピリジン−7−アセタート酢酸塩、ジエチルアミノエチル 2−(4−クロロフェニル)−α−メチル−5−ベンゾオキサゾールアセタート酢酸塩、ジエチルアミノエチル α−メチル−4−[(2−メチル−2−プロペニル)アミノ]ベンゼンアセタート酢酸塩、ジエチルアミノエチル 5−ベンゾイル−α−メチル−2−チオフェンアセタート酢酸塩、ジエチルアミノエチル 3−クロロ−4−(2,5−ジヒドロ−1H−ピロール−1−イル)−α−メチルベンゼンアセタート酢酸塩、ジエチルアミノエチル 2−(10,11−ジヒドロ−10−オキソジベンゾ(b,f)チエピン−2−イル)プロピオナート酢酸塩、ジエチルアミノエチル 2−(8−メチル−10,11−ジヒドロ−11−オキソジベンズ(b,f)オキセピン−2−イル)プロピオナート酢酸塩、ジエチルアミノエチル 2−[4−(2−オキソシクロペンチル−メチル)フェニル]プロピオナート酢酸塩、ジエチルアミノエチル 4−(1,3−ジヒドロ−1−オキソ−2H−イソインドール−2−イル)−α−メチルベンゼンアセタート酢酸塩、ジエチルアミノエチル α,3−ジクロロ−4−シクロヘキシルベンゼンアセタート酢酸塩、ジエチルアミノエチル 4,5−ジフェニル−2−オキサゾールプロピオナート酢酸塩、ジエチルアミノエチル 3−(4−ビフェニリルカルボニル)プロピオナート酢酸塩、ジエチルアミノエチル 5−(4−クロロフェニル)−ベータ−ヒドロキシ−2−フランプロピオナート酢酸塩、ジエチルアミノエチル 5−ベンゾイル−2,3−ジヒドロ−1H−ピロリジン−1−カルボキシラート酢酸塩、ジエチルアミノエチル 6−クロロ−5−シクロヘキシル−2,3−ジヒドロ−1H−インデン−1−カルボキシラート酢酸塩、ナプロキセン、スプロフェン、α−メチル−(p−クロロベンゾイル)−5−メトキシ−2−メチルインドール 3−酢酸、フルルビプロフェン、カルプロフェン、プラノプロフェン、ベノキサプロフェン、アルミノプロフェン、チアプロフェン酸、ピルプロフェン、ザルトプロフェン、ベルモプロフェン、ロキソプロフェン、インドプロフェン、フェンクロラク、オキサプロジン、フェンブフェン、オルパノキシン、ケトロラク、及びクリダナクに対して、3.5 mg、3.0 mg、4.0 mg、3.5 mg、4.0 mg、3.8 mg、4.0 mg、3.5 mg、4.2 mg、3.5 mg、3.7 mg、4.1 mg、3.4 mg、4.2 mg、3.8 mg、4.0 mg、3.6 mg、4.1 mg、3.8 mg、4.0 mg、0.03 mg、0.03 mg、0.03 mg、0.03 mg、0.04 mg、0.03 mg、0.04 mg、0.03 mg、0.03 mg、0.03 mg、0.03 mg、0.04 mg、0.03 mg、0.03 mg、0.04mg、0.03 mg、0.04 mg、0.03 mg、0.03 mg、及び0.04 mg/cm2/hという明白な流速値を計算した。本結果は、プロドラッグ、ジエチルアミノエチル 2−(6−メトキシ−2−ナフチル)プロピオナート酢酸塩、ジエチルアミノエチル α−メチル−4−(2−チエニルカルボニル)ベンゼンアセタート酢酸塩、ジエチルアミノエチル α−メチル−(p−クロロベンゾイル)−5−メトキシ−2−メチルインドール 3−アセタート酢酸塩、ジエチルアミノエチル 2−(2−フルオロ−4−ビフェニリル)プロピオナート酢酸塩、ジエチルアミノエチル 6−クロロ−α−メチル−9H−カルバゾール−2−アセタート酢酸塩、ジエチルアミノエチル α−メチル−5H−[1]ベンゾピラノ[2,3−b]ピリジン−7−アセタート酢酸塩、ジエチルアミノエチル 2−(4−クロロフェニル)−α−メチル−5−ベンゾオキサゾールアセタート酢酸塩、ジエチルアミノエチル α−メチル−4−[(2−メチル−2−プロペニル)アミノ]ベンゼンアセタート酢酸塩、ジエチルアミノエチル 5−ベンゾイル−α−メチル−2−チオフェンアセタート酢酸塩、ジエチルアミノエチル 3−クロロ−4−(2,5−ジヒドロ−1H−ピロール−1−イル)−α−メチルベンゼンアセタート酢酸塩、ジエチルアミノエチル 2−(10,11−ジヒドロ−10−オキソジベンゾ(b,f)チエピン−2−イル)プロピオナート酢酸塩、ジエチルアミノエチル 2−(8−メチル−10,11−ジヒドロ−11−オキソジベンズ(b,f)オキセピン−2−イル)プロピオナート酢酸塩、ジエチルアミノエチル 2−[4−(2−オキソシクロペンチル−メチル)フェニル]プロピオナート酢酸塩、ジエチルアミノエチル 4−(1,3−ジヒドロ−1−オキソ−2H−イソインドール−2−イル)−α−メチルベンゼンアセタート酢酸塩、ジエチルアミノエチル α,3−ジクロロ−4−シクロヘキシルベンゼンアセタート酢酸塩、ジエチルアミノエチル 4,5−ジフェニル−2−オキサゾールプロピオナート酢酸塩、ジエチルアミノエチル 3−(4−ビフェニリルカルボニル)プロピオナート酢酸塩、ジエチルアミノエチル 5−(4−クロロフェニル)−ベータ−ヒドロキシ−2−フランプロピオナート酢酸塩、ジエチルアミノエチル 5−ベンゾイル−2,3−ジヒドロ−1H−ピロリジン−1−カルボキシラート酢酸塩、又はジエチルアミノエチル 6−クロロ−5−シクロヘキシル−2,3−ジヒドロ−1H−インデン−1−カルボキシラート酢酸塩は、ナプロキセン、スプロフェン、α−メチル−(p−クロロベンゾイル)−5−メトキシ−2−メチルインドール 3−酢酸、フルルビプロフェン、カルプロフェン、プラノプロフェン、ベノキサプロフェン、アルミノプロフェン、チアプロフェン酸、ピルプロフェン、ザルトプロフェン、ベルモプロフェン、ロキソプロフェン、インドプロフェン、フェンクロラク、オキサプロジン、フェンブフェン、オルパノキシン、ケトロラク、又はクリダナクよりも〜100〜130倍速く人の皮膚を通して拡散することを示す。本結果は、ジアルキルアミノエチル基上の正電荷は、薬物が膜及び皮膚障壁を横断して通過することにおいて非常に重要な役割を有していることを示す。式(1)又は式(2)で表される他のプロドラッグは非常に高い透過率を有し、ジエチルアミノエチル 2−(6−メトキシ−2−ナフチル)プロピオナート酢酸塩の透過率と非常に近似している。
【0015】
生体内での、アリール−及びヘテロアリールプロピオン酸並びにそれらの正に荷電されたプロドラッグ、並びに関連化合物の、無処理ヘアレスマウスの皮膚を通しての透過率を比較した。イソプロパノール1mL中、これらの化合物の20%溶液からなるドナーをヘアレスマウスの背中10cm2に塗布した。ナプロキセン、スプロフェン、α−メチル−(p−クロロベンゾイル)−5−メトキシ−2−メチルインドール 3−酢酸、フルルビプロフェン、カルプロフェン、プラノプロフェン、ベノキサプロフェン、アルミノプロフェン、チアプロフェン酸、ピルプロフェン、ザルトプロフェン、ベルモプロフェン、ロキソプロフェン、インドプロフェン、フェンクロラク、オキサプロジン、フェンブフェン、オルパノキシン、ケトロラク、クリダナクの血漿レベルを、特異的な高速液体クロマトグラフィー法により測定した。本結果(図5、図6、図7、図8)は、ジエチルアミノエチル 2−(6−メトキシ−2−ナフチル)プロピオナート酢酸塩、ジエチルアミノエチル α−メチル−4−(2−チエニルカルボニル)ベンゼンアセタート酢酸塩、ジエチルアミノエチル α−メチル−(p−クロロベンゾイル)−5−メトキシ−2−メチルインドール 3−アセタート酢酸塩、ジエチルアミノエチル 2−(2−フルオロ−4−ビフェニリル)プロピオナート酢酸塩、ジエチルアミノエチル 6−クロロ−α−メチル−9H−カルバゾール−2−アセタート酢酸塩、ジエチルアミノエチル α−メチル−5H−[1]ベンゾピラノ[2,3−b]ピリジン−7−アセタート酢酸塩、ジエチルアミノエチル 2−(4−クロロフェニル)−α−メチル−5−ベンゾオキサゾールアセタート酢酸塩、ジエチルアミノエチル α−メチル−4−[(2−メチル−2−プロペニル)アミノ]ベンゼンアセタート酢酸塩、ジエチルアミノエチル 5−ベンゾイル−α−メチル−2−チオフェンアセタート酢酸塩、ジエチルアミノエチル 3−クロロ−4−(2,5−ジヒドロ−1H−ピロール−1−イル)−α−メチルベンゼンアセタート酢酸塩、ジエチルアミノエチル 2−(10,11−ジヒドロ−10−オキソジベンゾ(b,f)チエピン−2−イル)プロピオナート酢酸塩、ジエチルアミノエチル 2−(8−メチル−10,11−ジヒドロ−11−オキソジベンズ(b,f)オキセピン−2−イル)プロピオナート酢酸塩、ジエチルアミノエチル 2−[4−(2−オキソシクロペンチル−メチル)フェニル]プロピオナート酢酸塩、ジエチルアミノエチル 4−(1,3−ジヒドロ−1−オキソ−2H−イソインドール−2−イル)−α−メチルベンゼンアセタート酢酸塩、ジエチルアミノエチル α,3−ジクロロ−4−シクロヘキシルベンゼンアセタート酢酸塩、ジエチルアミノエチル 4,5−ジフェニル−2−オキサゾールプロピオナート酢酸塩、ジエチルアミノエチル 3−(4−ビフェニリルカルボニル)プロピオナート酢酸塩、ジエチルアミノエチル 5−(4−クロロフェニル)−ベータ−ヒドロキシ−2−フランプロピオナート酢酸塩、ジエチルアミノエチル 5−ベンゾイル−2,3−ジヒドロ−1H−ピロリジン−1−カルボキシラート酢酸塩、ジエチルアミノエチル 6−クロロ−5−シクロヘキシル−2,3−ジヒドロ−1H−インデン−1−カルボキシラート酢酸塩のピークレベルに、ドナー系の塗布後、〜50分で達したことを示す。ナプロキセン、スプロフェン、α−メチル−(p−クロロベンゾイル)−5−メトキシ−2−メチルインドール 3−酢酸、フルルビプロフェン、カルプロフェン、プラノプロフェン、ベノキサプロフェン、アルミノプロフェン、チアプロフェン酸、ピルプロフェン、ザルトプロフェン、ベルモプロフェン、ロキソプロフェン、インドプロフェン、フェンクロラク、オキサプロジン、フェンブフェン、オルパノキシン、ケトロラク、クリダナクを経口投与するとき、これらがピーク血漿レベルに達するのに2〜4時間かかる。ナプロキセン、スプロフェン、α−メチル−(p−クロロベンゾイル)−5−メトキシ−2−メチルインドール 3−酢酸、フルルビプロフェン、カルプロフェン、プラノプロフェン、ベノキサプロフェン、アルミノプロフェン、チアプロフェン酸、ピルプロフェン、ザルトプロフェン、ベルモプロフェン、ロキソプロフェン、インドプロフェン、フェンクロラク、オキサプロジン、フェンブフェン、オルパノキシン、ケトロラク、クリダナクのピーク血漿レベルは〜0.01mg/mlであり、ジエチルアミノエチル 2−(6−メトキシ−2−ナフチル)プロピオナート酢酸塩、ジエチルアミノエチル α−メチル−4−(2−チエニルカルボニル)ベンゼンアセタート酢酸塩、ジエチルアミノエチル α−メチル−(p−クロロベンゾイル)−5−メトキシ−2−メチルインドール 3−アセタート酢酸塩、ジエチルアミノエチル 2−(2−フルオロ−4−ビフェニリル)プロピオナート酢酸塩、ジエチルアミノエチル 6−クロロ−α−メチル−9H−カルバゾール−2−アセタート酢酸塩、ジエチルアミノエチル α−メチル−5H−[1]ベンゾピラノ[2,3−b]ピリジン−7−アセタート酢酸塩、ジエチルアミノエチル 2−(4−クロロフェニル)−α−メチル−5−ベンゾオキサゾールアセタート酢酸塩、ジエチルアミノエチル α−メチル−4−[(2−メチル−2−プロペニル)アミノ]ベンゼンアセタート酢酸塩、ジエチルアミノエチル 5−ベンゾイル−α−メチル−2−チオフェンアセタート酢酸塩、ジエチルアミノエチル 3−クロロ−4−(2,5−ジヒドロ−1H−ピロール−1−イル)−α−メチルベンゼンアセタート酢酸塩、ジエチルアミノエチル 2−(10,11−ジヒドロ−10−オキソジベンゾ(b,f)チエピン−2−イル)プロピオナート酢酸塩、ジエチルアミノエチル 2−(8−メチル−10,11−ジヒドロ−11−オキソジベンズ(b,f)オキセピン−2−イル)プロピオナート酢酸塩、ジエチルアミノエチル 2−[4−(2−オキソシクロペンチル−メチル)フェニル]プロピオナート酢酸塩、ジエチルアミノエチル 4−(1,3−ジヒドロ−1−オキソ−2H−イソインドール−2−イル)−α−メチルベンゼンアセタート酢酸塩、ジエチルアミノエチル α,3−ジクロロ−4−シクロヘキシルベンゼンアセタート酢酸塩、ジエチルアミノエチル 4,5−ジフェニル−2−オキサゾールプロピオナート酢酸塩、ジエチルアミノエチル 3−(4−ビフェニリルカルボニル)プロピオナート酢酸塩、ジエチルアミノエチル 5−(4−クロロフェニル)−ベータ−ヒドロキシ−2−フランプロピオナート酢酸塩、ジエチルアミノエチル 5−ベンゾイル−2,3−ジヒドロ−1H−ピロリジン−1−カルボキシラート酢酸塩、又はジエチルアミノエチル 6−クロロ−5−シクロヘキシル−2,3−ジヒドロ−1H−インデン−1−カルボキシラート酢酸塩のピーク血漿レベルは〜2mg/mlであった(ほぼ200倍の差)。血漿中〜2mg/mlのナプロキセン、スプロフェン、α−メチル−(p−クロロベンゾイル)−5−メトキシ−2−メチルインドール 3−酢酸、フルルビプロフェン、カルプロフェン、プラノプロフェン、ベノキサプロフェン、アルミノプロフェン、チアプロフェン酸、ピルプロフェン、ザルトプロフェン、ベルモプロフェン、ロキソプロフェン、インドプロフェン、フェンクロラク、オキサプロジン、フェンブフェン、オルパノキシン、ケトロラク、クリダナクは、効果的な鎮痛活性及び効果的な抗炎症活性を生じるための血漿レベルよりも20〜100倍を超えて高い。これは非常に興奮させる結果である。これらのプロドラッグを経皮投与することによって、患者に治療有効血漿レベルのナプロキセン、スプロフェン、α−メチル−(p−クロロベンゾイル)−5−メトキシ−2−メチルインドール 3−酢酸、フルルビプロフェン、カルプロフェン、プラノプロフェン、ベノキサプロフェン、アルミノプロフェン、チアプロフェン酸、ピルプロフェン、ザルトプロフェン、ベルモプロフェン、ロキソプロフェン、インドプロフェン、フェンクロラク、オキサプロジン、フェンブフェン、オルパノキシン、ケトロラク、クリダナクを送達することは、非常に容易かつ迅速であろう。これらの結果は、様々な薬物治療のために、プロドラッグを経口投与だけでなく、経皮投与もし得ることを示す。生体内での、式(1)又は式(2)で表される他のプロドラッグの透過率は、ジエチルアミノエチル 2−(6−メトキシ−2−ナフチル)プロピオナート酢酸塩の透過率と近似している。
【0016】
これらのプロドラッグによって引き起こされる胃十二指腸出血を調べるため、ラットに、1日当たり、50mg/kgのジエチルアミノエチル 2−(6−メトキシ−2−ナフチル)プロピオナート酢酸塩、ジエチルアミノエチル α−メチル−4−(2−チエニルカルボニル)ベンゼンアセタート酢酸塩、ジエチルアミノエチル α−メチル−(p−クロロベンゾイル)−5−メトキシ−2−メチルインドール 3−アセタート酢酸塩、ジエチルアミノエチル 2−(2−フルオロ−4−ビフェニリル)プロピオナート酢酸塩、ジエチルアミノエチル 6−クロロ−α−メチル−9H−カルバゾール−2−アセタート酢酸塩、ジエチルアミノエチル α−メチル−5H−[1]ベンゾピラノ[2,3−b]ピリジン−7−アセタート酢酸塩、ジエチルアミノエチル 2−(4−クロロフェニル)−α−メチル−5−ベンゾオキサゾールアセタート酢酸塩、ジエチルアミノエチル α−メチル−4−[(2−メチル−2−プロペニル)アミノ]ベンゼンアセタート酢酸塩、ジエチルアミノエチル 5−ベンゾイル−α−メチル−2−チオフェンアセタート酢酸塩、ジエチルアミノエチル 3−クロロ−4−(2,5−ジヒドロ−1H−ピロール−1−イル)−α−メチルベンゼンアセタート酢酸塩、ジエチルアミノエチル 2−(10,11−ジヒドロ−10−オキソジベンゾ(b,f)チエピン−2−イル)プロピオナート酢酸塩、ジエチルアミノエチル 2−(8−メチル−10,11−ジヒドロ−11−オキソジベンズ(b,f)オキセピン−2−イル)プロピオナート酢酸塩、ジエチルアミノエチル 2−[4−(2−オキソシクロペンチル−メチル)フェニル]プロピオナート酢酸塩、ジエチルアミノエチル 4−(1,3−ジヒドロ−1−オキソ−2H−イソインドール−2−イル)−α−メチルベンゼンアセタート酢酸塩、ジエチルアミノエチル α,3−ジクロロ−4−シクロヘキシルベンゼンアセタート酢酸塩、ジエチルアミノエチル 4,5−ジフェニル−2−オキサゾールプロピオナート酢酸塩、ジエチルアミノエチル 3−(4−ビフェニリルカルボニル)プロピオナート酢酸塩、ジエチルアミノエチル 5−(4−クロロフェニル)−ベータ−ヒドロキシ−2−フランプロピオナート酢酸塩、ジエチルアミノエチル 5−ベンゾイル−2,3−ジヒドロ−1H−ピロリジン−1−カルボキシラート酢酸塩、ジエチルアミノエチル 6−クロロ−5−シクロヘキシル−2,3−ジヒドロ−1H−インデン−1−カルボキシラート酢酸塩、ナプロキセン、スプロフェン、α−メチル−(p−クロロベンゾイル)−5−メトキシ−2−メチルインドール 3−酢酸、フルルビプロフェン、カルプロフェン、プラノプロフェン、ベノキサプロフェン、アルミノプロフェン、チアプロフェン酸、ピルプロフェン、ザルトプロフェン、ベルモプロフェン、ロキソプロフェン、インドプロフェン、フェンクロラク、オキサプロジン、フェンブフェン、オルパノキシン、ケトロラク、クリダナクを21日間経口投与した。ナプロキセン、スプロフェン、α−メチル−(p−クロロベンゾイル)−5−メトキシ−2−メチルインドール 3−酢酸、フルルビプロフェン、カルプロフェン、プラノプロフェン、ベノキサプロフェン、アルミノプロフェン、チアプロフェン酸、ピルプロフェン、ザルトプロフェン、ベルモプロフェン、ロキソプロフェン、インドプロフェン、フェンクロラク、オキサプロジン、フェンブフェン、オルパノキシン、ケトロラク、クリダナクを投与したグループでは便のグラムあたり平均1〜4mgの便血液があり、ジエチルアミノエチル 2−(6−メトキシ−2−ナフチル)プロピオナート酢酸塩、ジエチルアミノエチル α−メチル−4−(2−チエニルカルボニル)ベンゼンアセタート酢酸塩、ジエチルアミノエチル α−メチル−(p−クロロベンゾイル)−5−メトキシ−2−メチルインドール 3−アセタート酢酸塩、ジエチルアミノエチル 2−(2−フルオロ−4−ビフェニリル)プロピオナート酢酸塩、ジエチルアミノエチル 6−クロロ−α−メチル−9H−カルバゾール−2−アセタート酢酸塩、ジエチルアミノエチル α−メチル−5H−[1]ベンゾピラノ[2,3−b]ピリジン−7−アセタート酢酸塩、ジエチルアミノエチル 2−(4−クロロフェニル)−α−メチル−5−ベンゾオキサゾールアセタート酢酸塩、ジエチルアミノエチル α−メチル−4−[(2−メチル−2−プロペニル)アミノ]ベンゼンアセタート酢酸塩、ジエチルアミノエチル 5−ベンゾイル−α−メチル−2−チオフェンアセタート酢酸塩、ジエチルアミノエチル 3−クロロ−4−(2,5−ジヒドロ−1H−ピロール−1−イル)−α−メチルベンゼンアセタート酢酸塩、ジエチルアミノエチル 2−(10,11−ジヒドロ−10−オキソジベンゾ(b,f)チエピン−2−イル)プロピオナート酢酸塩、ジエチルアミノエチル 2−(8−メチル−10,11−ジヒドロ−11−オキソジベンズ(b,f)オキセピン−2−イル)プロピオナート酢酸塩、ジエチルアミノエチル 2−[4−(2−オキソシクロペンチル−メチル)フェニル]プロピオナート酢酸塩、ジエチルアミノエチル 4−(1,3−ジヒドロ−1−オキソ−2H−イソインドール−2−イル)−α−メチルベンゼンアセタート酢酸塩、ジエチルアミノエチル α,3−ジクロロ−4−シクロヘキシルベンゼンアセタート酢酸塩、ジエチルアミノエチル 4,5−ジフェニル−2−オキサゾールプロピオナート酢酸塩、ジエチルアミノエチル 3−(4−ビフェニリルカルボニル)プロピオナート酢酸塩、ジエチルアミノエチル 5−(4−クロロフェニル)−ベータ−ヒドロキシ−2−フランプロピオナート酢酸塩、ジエチルアミノエチル 5−ベンゾイル−2,3−ジヒドロ−1H−ピロリジン−1−カルボキシラート酢酸塩、ジエチルアミノエチル 6−クロロ−5−シクロヘキシル−2,3−ジヒドロ−1H−インデン−1−カルボキシラート酢酸塩を投与したグループでは便血液がないことを見出した。
【0017】
プロドラッグの急性毒性を調査した。マウスにおける経口でのジエチルアミノエチル 2−(6−メトキシ−2−ナフチル)プロピオナート酢酸塩、ジエチルアミノエチル α−メチル−4−(2−チエニルカルボニル)ベンゼンアセタート酢酸塩、ジエチルアミノエチル 6−クロロ−α−メチル−9H−カルバゾール−2−アセタート酢酸塩、ジエチルアミノエチル α−メチル−5H−[1]ベンゾピラノ[2,3−b]ピリジン−7−アセタート酢酸塩、ジエチルアミノエチル 2−(4−クロロフェニル)−α−メチル−5−ベンゾオキサゾールアセタート酢酸塩、ジエチルアミノエチル 4−(1,3−ジヒドロ−1−オキソ−2H−イソインドール−2−イル)−α−メチルベンゼンアセタート酢酸塩、ジエチルアミノエチル α−メチル−4−[(2−メチル−2−プロペニル)アミノ]ベンゼンアセタート酢酸塩、ジエチルアミノエチル α,3−ジクロロ−4−シクロヘキシルベンゼンアセタート酢酸塩、ジエチルアミノエチル 6−クロロ−5−シクロヘキシル−2,3−ジヒドロ−1H−インデン−1−カルボキシラート酢酸塩のLD50は、2.2 g/kg、0.8 g/kg、0.7 g/kg、0.75 g/kg、1.3 g/kg、3.5 g/kg、1.1 g/kg、0.6 g/kg、0.2 g/kgである。本結果は、プロドラッグはそれらの親薬物、ナプロキセン(LD50=1.234 g/kg)、スプロフェン(LD50=0.59 g/kg)、カルプロフェン(LD50=400 mg/kg)、プラノプロフェン(447 mg/kg)、ベノキサプロフェン(LD50=0.8 g/kg)、アルミノプロフェン(LD50=2400 mg/kg)、インドプロフェン(LD50=0.7 mg/kg)、フェンクロラク(LD50=0.43 g/kg)、クリダナク(LD50=0.035 g/kg)よりも低毒性であるということを示す。
【0018】
ナプロキセン、スプロフェン、α−メチル−(p−クロロベンゾイル)−5−メトキシ−2−メチルインドール 3−酢酸、フルルビプロフェン、カルプロフェン、プラノプロフェン、ベノキサプロフェン、アルミノプロフェン、チアプロフェン酸、ピルプロフェン、ザルトプロフェン、ベルモプロフェン、ロキソプロフェン、インドプロフェン、フェンクロラク、オキサプロジン、フェンブフェン、オルパノキシン、ケトロラク、又はクリダナクは、抗炎症、鎮痛、解熱、及び抗リウマチ活性を示す。良いプロドラッグは血漿中で親薬物に戻るべきである。これらのプロドラッグのジエチルアミノエチルエステル基は、試験管内でヒト血漿中酵素によって速やかに切り離され、90%を超えるプロドラッグがそれらの親薬物に変化して戻る。プロドラッグははるかに高い吸収率を有するため、同用量でそれらの親薬物よりも強い作用を有するだろう。これらのプロドラッグの鎮痛、解熱、及び抗炎症活性を、対照としてナプロキセン、スプロフェン、α−メチル−(p−クロロベンゾイル)−5−メトキシ−2−メチルインドール 3−酢酸、フルルビプロフェン、カルプロフェン、プラノプロフェン、ベノキサプロフェン、アルミノプロフェン、チアプロフェン酸、ピルプロフェン、ザルトプロフェン、ベルモプロフェン、ロキソプロフェン、インドプロフェン、フェンクロラク、オキサプロジン、フェンブフェン、オルパノキシン、ケトロラク、又はクリダナクを使用して試験した。
【0019】
鎮痛活性:マウス尻尾の痛覚閾値延長時間をD'Amour-Smith法(J. Pharmacol. Exp. Ther., 72,74(1941))に従って測定した。これらのプロドラッグを50mg/kg経皮投与した後、マウスの尻尾を熱にさらし、痛覚閾値延長時間を測定した。得られた結果を図9、図10、図11、及び図12に示す。ジエチルアミノエチル 2−(6−メトキシ−2−ナフチル)プロピオナート酢酸塩、ジエチルアミノエチル α−メチル−4−(2−チエニルカルボニル)ベンゼンアセタート酢酸塩、ジエチルアミノエチル α−メチル−(p−クロロベンゾイル)−5−メトキシ−2−メチルインドール 3−アセタート酢酸塩、ジエチルアミノエチル 2−(2−フルオロ−4−ビフェニリル)プロピオナート酢酸塩、ジエチルアミノエチル 6−クロロ−α−メチル−9H−カルバゾール−2−アセタート酢酸塩、ジエチルアミノエチル α−メチル−5H−[1]ベンゾピラノ[2,3−b]ピリジン−7−アセタート酢酸塩、ジエチルアミノエチル 2−(4−クロロフェニル)−α−メチル−5−ベンゾオキサゾールアセタート酢酸塩、ジエチルアミノエチルα−メチル−4−[(2−メチル−2−プロペニル)アミノ]ベンゼンアセタート酢酸塩、ジエチルアミノエチル 5−ベンゾイル−α−メチル−2−チオフェンアセタート酢酸塩、ジエチルアミノエチル 3−クロロ−4−(2,5−ジヒドロ−1H−ピロール−1−イル)−α−メチルベンゼンアセタート酢酸塩、ジエチルアミノエチル 2−(10,11−ジヒドロ−10−オキソジベンゾ(b,f)チエピン−2−イル)プロピオナート酢酸塩、ジエチルアミノエチル 2−(8−メチル−10,11−ジヒドロ−11−オキソジベンズ(b,f)オキセピン−2−イル)プロピオナート酢酸塩、ジエチルアミノエチル 2−[4−(2−オキソシクロペンチル−メチル)フェニル]プロピオナート酢酸塩、ジエチルアミノエチル 4−(1,3−ジヒドロ−1−オキソ−2H−イソインドール−2−イル)−α−メチルベンゼンアセタート酢酸塩、ジエチルアミノエチル α,3−ジクロロ−4−シクロヘキシルベンゼンアセタート酢酸塩、ジエチルアミノエチル 4,5−ジフェニル−2−オキサゾールプロピオナート酢酸塩、ジエチルアミノエチル 3−(4−ビフェニリルカルボニル)プロピオナート酢酸塩、ジエチルアミノエチル 5−(4−クロロフェニル)−ベータ−ヒドロキシ−2−フランプロピオナート酢酸塩、ジエチルアミノエチル 5−ベンゾイル−2,3−ジヒドロ−1H−ピロリジン−1−カルボキシラート酢酸塩、ジエチルアミノエチル 6−クロロ−5−シクロヘキシル−2,3−ジヒドロ−1H−インデン−1−カルボキシラート酢酸塩は、よく鎮痛活性を示した。
【0020】
酢酸溶液をマウスの腹腔内に投与したときに起こるライジング(writhing)数を数えて、対照群に基づく抑制率を計算した。ジエチルアミノエチル 2−(6−メトキシ−2−ナフチル)プロピオナート酢酸塩(100mg/kg、B)、ジエチルアミノエチル α−メチル−4−(2−チエニルカルボニル)ベンゼンアセタート酢酸塩(100mg/kg、C)、ジエチルアミノエチル α−メチル−(p−クロロベンゾイル)−5−メトキシ−2−メチルインドール 3−アセタート酢酸塩(100mg/kg、D)、ジエチルアミノエチル 2−(2−フルオロ−4−ビフェニリル)プロピオナート酢酸塩(100mg/kg、E)、ジエチルアミノエチル 6−クロロ−α−メチル−9H−カルバゾール−2−アセタート酢酸塩(100mg/kg、F)、ジエチルアミノエチル α−メチル−5H−[1]ベンゾピラノ[2,3−b]ピリジン−7−アセタート酢酸塩(100mg/kg、G)、ジエチルアミノエチル 2−(4−クロロフェニル)−α−メチル−5−ベンゾオキサゾールアセタート酢酸塩(100mg/kg、H)、ジエチルアミノエチルα−メチル−4−[(2−メチル−2−プロペニル)アミノ]ベンゼンアセタート酢酸塩(100mg/kg、I)、ジエチルアミノエチル 5−ベンゾイル−α−メチル−2−チオフェンアセタート酢酸塩(100mg/kg、J)、ジエチルアミノエチル3−クロロ−4−(2,5−ジヒドロ−1H−ピロール−1−イル)−α−メチルベンゼンアセタート酢酸塩(100mg/kg、K)、ジエチルアミノエチル 2−(10,11−ジヒドロ−10−オキソジベンゾ(b,f)チエピン−2−イル)プロピオナート酢酸塩(100mg/kg、L)、ジエチルアミノエチル 2−(8−メチル−10,11−ジヒドロ−11−オキソジベンズ(b,f)オキセピン−2−イル)プロピオナート酢酸塩(100mg/kg、M)、ジエチルアミノエチル 2−[4−(2−オキソシクロペンチル−メチル)フェニル]プロピオナート酢酸塩(100mg/kg、N)、ジエチルアミノエチル 4−(1,3−ジヒドロ−1−オキソ−2H−イソインドール−2−イル)−α−メチルベンゼンアセタート酢酸塩(100mg/kg、O)、ジエチルアミノエチル α,3−ジクロロ−4−シクロヘキシルベンゼンアセタート酢酸塩(100mg/kg、P)、ジエチルアミノエチル 4,5−ジフェニル−2−オキサゾールプロピオナート酢酸塩(100mg/kg、Q)、ジエチルアミノエチル 3−(4−ビフェニリルカルボニル)プロピオナート酢酸塩(100mg/kg、R)、ジエチルアミノエチル 5−(4−クロロフェニル)−ベータ−ヒドロキシ−2−フランプロピオナート酢酸塩(100mg/kg、S)、ジエチルアミノエチル 5−ベンゾイル−2,3−ジヒドロ−1H−ピロリジン−1−カルボキシラート酢酸塩(100mg/kg、T)、ジエチルアミノエチル 6−クロロ−5−シクロヘキシル−2,3−ジヒドロ−1H−インデン−1−カルボキシラート酢酸塩(100mg/kg、U)を、酢酸溶液を投与する30分前に、マウスに経皮投与した。Aグループは対照群である。結果を表1に示す。
表1.アリール−及びヘテロアリールプロピオン酸のプロドラッグによるライジング抑制率

本結果は、プロドラッグは優れた鎮痛活性を表すということを示す。式(1)又は式(2)で表される他の化合物は類似した鎮痛活性を示す。
【0021】
解熱活性:ラットは発熱物質として滅菌された大腸菌懸濁液を受容した。対照群はグループAである。2時間後、ジエチルアミノエチル 2−(6−メトキシ−2−ナフチル)プロピオナート酢酸塩(100mg/kg、B)、ジエチルアミノエチル α−メチル−4−(2−チエニルカルボニル)ベンゼンアセタート酢酸塩(100mg/kg、C)、ジエチルアミノエチル α−メチル−(p−クロロベンゾイル)−5−メトキシ−2−メチルインドール 3−アセタート酢酸塩(100mg/kg、D)、ジエチルアミノエチル 2−(2−フルオロ−4−ビフェニリル)プロピオナート酢酸塩(100mg/kg、E)、ジエチルアミノエチル 6−クロロ−α−メチル−9H−カルバゾール−2−アセタート酢酸塩(100mg/kg、F)、ジエチルアミノエチル α−メチル−5H−[1]ベンゾピラノ[2,3−b]ピリジン−7−アセタート酢酸塩(100mg/kg、G)、ジエチルアミノエチル 2−(4−クロロフェニル)−α−メチル−5−ベンゾオキサゾールアセタート酢酸塩(100mg/kg、H)、ジエチルアミノエチルα−メチル−4−[(2−メチル−2−プロペニル)アミノ]ベンゼンアセタート酢酸塩(100mg/kg、I)、ジエチルアミノエチル 5−ベンゾイル−α−メチル−2−チオフェンアセタート酢酸塩(100mg/kg、J)、ジエチルアミノエチル 3−クロロ−4−(2,5−ジヒドロ−1H−ピロール−1−イル)−α−メチルベンゼンアセタート酢酸塩(100mg/kg、K)、ジエチルアミノエチル 2−(10,11−ジヒドロ−10−オキソジベンゾ(b,f)チエピン−2−イル)プロピオナート酢酸塩(100mg/kg、L)、ジエチルアミノエチル 2−(8−メチル−10,11−ジヒドロ−11−オキソジベンズ(b,f)オキセピン−2−イル)プロピオナート酢酸塩(100mg/kg、M)、ジエチルアミノエチル 2−[4−(2−オキソシクロペンチル−メチル)フェニル]プロピオナート酢酸塩(100mg/kg、N)、ジエチルアミノエチル 4−(1,3−ジヒドロ−1−オキソ−2H−イソインドール−2−イル)−α−メチルベンゼンアセタート酢酸塩(100mg/kg、O)、ジエチルアミノエチル α,3−ジクロロ−4−シクロヘキシルベンゼンアセタート酢酸塩(100mg/kg、P)、ジエチルアミノエチル 4,5−ジフェニル−2−オキサゾールプロピオナート酢酸塩(100mg/kg、Q)、ジエチルアミノエチル 3−(4−ビフェニリルカルボニル)プロピオナート酢酸塩(100mg/kg、R)、ジエチルアミノエチル 5−(4−クロロフェニル)−ベータ−ヒドロキシ−2−フランプロピオナート酢酸塩(100mg/kg、S)、ジエチルアミノエチル 5−ベンゾイル−2,3−ジヒドロ−1H−ピロリジン−1−カルボキシラート酢酸塩(100mg/kg、T)、ジエチルアミノエチル 6−クロロ−5−シクロヘキシル−2,3−ジヒドロ−1H−インデン−1−カルボキシラート酢酸塩(100mg/kg、U)を経皮投与した。ラットの体温を試験化合物の投与前後90分間隔で測った。結果を表2に示す。
表2.アリール−及びヘテロアリールプロピオン酸のプロドラッグの解熱活性

本結果から、プロドラッグは100mg/kg用量において強い解熱活性を示したということが分かる。式(1)及び式(2)で表される他の化合物は類似した解熱活性を示す。
【0022】
抗炎症活性:ジエチルアミノエチル 2−(6−メトキシ−2−ナフチル)プロピオナート酢酸塩(100mg/kg、B)、ジエチルアミノエチル α−メチル−4−(2−チエニルカルボニル)ベンゼンアセタート酢酸塩(100mg/kg、C)、ジエチルアミノエチル α−メチル−(p−クロロベンゾイル)−5−メトキシ−2−メチルインドール 3−アセタート酢酸塩(100mg/kg、D)、ジエチルアミノエチル 2−(2−フルオロ−4−ビフェニリル)プロピオナート酢酸塩(100mg/kg、E)、ジエチルアミノエチル 6−クロロ−α−メチル−9H−カルバゾール−2−アセタート酢酸塩(100mg/kg、F)、ジエチルアミノエチル α−メチル−5H−[1]ベンゾピラノ[2,3−b]ピリジン−7−アセタート酢酸塩(100mg/kg、G)、ジエチルアミノエチル 2−(4−クロロフェニル)−α−メチル−5−ベンゾオキサゾールアセタート酢酸塩(100mg/kg、H)、ジエチルアミノエチルα−メチル−4−[(2−メチル−2−プロペニル)アミノ]ベンゼンアセタート酢酸塩(100mg/kg、I)、ジエチルアミノエチル 5−ベンゾイル−α−メチル−2−チオフェンアセタート酢酸塩(100mg/kg、J)、ジエチルアミノエチル 3−クロロ−4−(2,5−ジヒドロ−1H−ピロール−1−イル)−α−メチルベンゼンアセタート酢酸塩(100mg/kg、K)、ジエチルアミノエチル 2−(10,11−ジヒドロ−10−オキソジベンゾ(b,f)チエピン−2−イル)プロピオナート酢酸塩(100mg/kg、L)、ジエチルアミノエチル 2−(8−メチル−10,11−ジヒドロ−11−オキソジベンズ(b,f)オキセピン−2−イル)プロピオナート酢酸塩(100mg/kg、M)、ジエチルアミノエチル 2−[4−(2−オキソシクロペンチル−メチル)フェニル]プロピオナート酢酸塩(100mg/kg、N)、ジエチルアミノエチル 4−(1,3−ジヒドロ−1−オキソ−2H−イソインドール−2−イル)−α−メチルベンゼンアセタート酢酸塩(100mg/kg、O)、ジエチルアミノエチル α,3−ジクロロ−4−シクロヘキシルベンゼンアセタート酢酸塩(100mg/kg、P)、ジエチルアミノエチル 4,5−ジフェニル−2−オキサゾールプロピオナート酢酸塩(100mg/kg、Q)、ジエチルアミノエチル 3−(4−ビフェニリルカルボニル)プロピオナート酢酸塩(100mg/kg、R)、ジエチルアミノエチル 5−(4−クロロフェニル)−ベータ−ヒドロキシ−2−フランプロピオナート酢酸塩(100mg/kg、S)、ジエチルアミノエチル 5−ベンゾイル−2,3−ジヒドロ−1H−ピロリジン−1−カルボキシラート酢酸塩(100mg/kg、T)、ジエチルアミノエチル 6−クロロ−5−シクロヘキシル−2,3−ジヒドロ−1H−インデン−1−カルボキシラート酢酸塩(100mg/kg、U)を経皮投与した。グループAは対照群である。60分後、カラゲニン溶液をラットの足裏に皮下投与した。後ろ足の体積をカラゲニンの投与後毎時間測定し、足の体積の増加率を計算し、隆起率(rate of swelling)(%)と称した。得られた結果を図13、図14、図15、及び図16に示す。本結果は、経皮投与によるこれらのプロドラッグは、良い抗炎症活性を表したということを示す。式(1)又は式(2)で表される他の化合物は類似した抗炎症活性を示す。
【0023】
経口高用量のいくつかのNSAIAはまた、シクロオキシゲナーゼ活性の抑制による抗反応−抗喘息活性を示すということも知られている。これらのプロドラッグは、非常に高い膜透過率を有するため、患者の口又は鼻の中にスプレーすることにより喘息の治療に使用され得る。
これらのプロドラッグはまた、抗炎症性であり、かつ非常に高い膜透過率を有するため、乾癬、アクネ、日焼け又は他の皮膚病を治療するためにも使用され得る。
【0024】
本発明は、通例、補助剤及び賦形剤に加えて、例えば、経口投与のための錠剤、カプセル剤又は液剤の形態で、及び経皮投与のための液剤、ローション剤、軟膏剤、乳剤又はゲル剤の形態で、式(1)又は式(2)で表されるプロドラッグを含む薬剤調製に関する。式(1)又は式(2)で表される新規な活性化合物は、人又は動物において、NSAIA−治療可能な状態を治療するために、ビタミン、例えばA、B、C、E若しくはベータ−カロテン、又は他の薬物、例えば、葉酸等と併用され得る。
【0025】
式(1)若しくは式(2)で表される化合物、又は少なくとも式(1)若しくは式(2)で表される化合物を活性成分として含む組成物の経皮治療応用システムは、人又は動物において、NSAIA−治療可能な状態を治療するために使用され得る。これらのシステムは、活性物質含有マトリックス層及び非透過性支持層からなる包帯又はパッチであり得る。最も好ましいシステムは、活性物質貯蔵庫であり、これが皮膚に面する透過性底面を有する。放出の割合を制御することによって、このシステムは、NSAIAが絶えず最適治療血中レベルに達することを可能にし、効能を増大させ、かつNSAIAの副作用を減少させることを可能にする。これらのシステムは手首、足首、腕、足、又は体のどこでも付けることができる。
【0026】
上記の式(1)又は式(2)で表される化合物は、アリール−及びヘテロアリールプロピオン酸の官能誘導体から調製され得る。例えば、式(3)及び式(4)で表される、酸ハロゲン化物又は混合酸無水物である。
【化13】

式(3)及び式(4)中、Xはハロゲン、アルコキシカルボニル又は置換アリールオキシカルボニルオキシを表し、Aryl、R、Y、Z又はWは式(1)若しくは式(2)に記載されるものと同じ基を表し、これは式(5)で表される化合物と反応する。
【化14】

式中、R3はH、1〜12炭素原子を有するアルキル、アルキルオキシ、アルケニル若しくはアルキニル残基のいずれか一つ、又はアリール残基を表し、R4はH、1〜12炭素原子を有するアルキル、アルキルオキシ、アルケニル若しくはアルキニル残基のいずれか一つ、又はアリール残基を表し、XはO、S又はNHを表し、n=0、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10……である。
【0027】
上記の式(1)又は式(2)で表される化合物は、ナプロキセン、スプロフェン、α−メチル−(p−クロロベンゾイル)−5−メトキシ−2−メチルインドール 3−酢酸、フルルビプロフェン、カルプロフェン、プラノプロフェン、ベノキサプロフェン、アルミノプロフェン、チアプロフェン酸、ピルプロフェン、ザルトプロフェン、ベルモプロフェン、ロキソプロフェン、インドプロフェン、フェンクロラク、オキサプロジン、フェンブフェン、オルパノキシン、ケトロラク、クリダナク、及び関連化合物から、カップリング試薬、例えば、N,N’−ジシクロヘキシルカルボジイミド、N,N’−ジイソプロピルカルボジイミド、O−(ベンゾトリアゾール−1−イル)−N,N,N’,N’−テトラメチルウロニウムテトラフルオロボラート、O−(ベンゾトリアゾール−1−イル)−N,N,N’,N’−テトラメチルウロニウムヘキサフルオロホスファート、ベンゾトリアゾール−1−イル−オキシ−トリス(ジメチルアミノ)ホスホニウムヘキサフルオロホスファート等を使用することにより、式(5)で表される化合物との反応によって調製され得る。
【0028】
XがOを表すとき、上記の式(1)又は式(2)で表される化合物は、ナプロキセン、スプロフェン、α−メチル−(p−クロロベンゾイル)−5−メトキシ−2−メチルインドール 3−酢酸、フルルビプロフェン、カルプロフェン、プラノプロフェン、ベノキサプロフェン、アルミノプロフェン、チアプロフェン酸、ピルプロフェン、ザルトプロフェン、ベルモプロフェン、ロキソプロフェン、インドプロフェン、フェンクロラク、オキサプロジン、フェンブフェン、オルパノキシン、ケトロラク、クリダナク、及び関連化合物の金属塩又は有機塩基塩から、式(6)で表される化合物との反応によって調製され得る。
【化15】

式中、R2はH、1〜12炭素原子を有するアルキル、アルキルオキシ、アルケニル若しくはアルキニル残基のいずれか一つ、又はアリール残基を表し、R3はH、1〜12炭素原子を有するアルキル、アルキルオキシ、アルケニル若しくはアルキニル残基のいずれか一つ、又はアリール残基を表し、R4はH、1〜12炭素原子を有するアルキル、アルキルオキシ、アルケニル若しくはアルキニル残基のいずれか一つ、又はアリール残基を表し、Zはハロゲン、又はp−トルエンスルホニルを表し、A-はCl-、Br-、F-、I-、AcO-、シトラート、又は陰イオンを表し、n=0、1、2、3、4、5……である。
【0029】
XがOを表すとき、上記の式(1)又は式(2)で表される化合物は、式(7)で表される、ナプロキセン、スプロフェン、α−メチル−(p−クロロベンゾイル)−5−メトキシ−2−メチルインドール 3−酢酸、フルルビプロフェン、カルプロフェン、プラノプロフェン、ベノキサプロフェン、アルミノプロフェン、チアプロフェン酸、ピルプロフェン、ザルトプロフェン、ベルモプロフェン、ロキソプロフェン、インドプロフェン、フェンクロラク、オキサプロジン、フェンブフェン、オルパノキシン、ケトロラク、クリダナク、及び関連化合物の固定化された塩基塩から調製され得る。
【化16】

式中、Pは交差結合樹脂を表し、Arylは式(1)及び式(2)に記載されるアリール−及びヘテロアリール基を表し、Bは塩基、例えば、ピリジン、ピペリジン、トリエチルアミン、又は他の塩基を表す。これは式(6)で表される化合物と反応する。
【発明の効果】
【0030】
ナプロキセン、スプロフェン、α−メチル−(p−クロロベンゾイル)−5−メトキシ−2−メチルインドール 3−酢酸、フルルビプロフェン、カルプロフェン、プラノプロフェン、ベノキサプロフェン、アルミノプロフェン、チアプロフェン酸、ピルプロフェン、ザルトプロフェン、ベルモプロフェン、ロキソプロフェン、インドプロフェン、フェンクロラク、オキサプロジン、フェンブフェン、オルパノキシン、ケトロラク、クリダナク、及び関連化合物のこれらのプロドラッグは、親油性部分及び親水性部分(生理学的pHではプロトン化された形態で存在するアミン基)を有する。これらのプロドラッグの正に荷電されたアミノ基は2つの優れた利点を有する。第一に、薬物の溶解性を大きく増大させる。これらの新規なプロドラッグが、錠剤、カプセル剤、液剤、又は懸濁剤のような投与形態で経口投与されるとき、これらは直ちに胃液中で溶解するだろう。第二に、これらのプロドラッグのアミノ基上にある正電荷は、膜のホスファート頭基上にある負電荷と結合するだろう。従って、膜の外側の局所的な濃度が非常に高くなり、高濃度の領域から低濃度の領域へのこれらのプロドラッグの通過を促進するだろう。これらのプロドラッグが膜に入るとき、親水性部分は、プロドラッグを半液体状濃縮水溶液又は懸濁液である細胞質ゾルの中に押し込むだろう。胃腸管での短い滞留のため、プロドラッグは胃粘膜細胞に損傷を引き起こさないだろう。実験結果は、90%を超えるプロドラッグが薬物それ自体に変化して戻ったということを示す。プロドラッグははるかに高い吸収率を有するため、従って、プロドラッグは同用量で、ナプロキセン、スプロフェン、α−メチル−(p−クロロベンゾイル)−5−メトキシ−2−メチルインドール 3−酢酸、フルルビプロフェン、カルプロフェン、プラノプロフェン、ベノキサプロフェン、アルミノプロフェン、チアプロフェン酸、ピルプロフェン、ザルトプロフェン、ベルモプロフェン、ロキソプロフェン、インドプロフェン、フェンクロラク、オキサプロジン、フェンブフェン、オルパノキシン、ケトロラク、クリダナク、及び関連化合物よりも強い作用を有するだろう。実験結果は、プロドラッグ、ジエチルアミノエチル 2−(6−メトキシ−2−ナフチル)プロピオナート酢酸塩、ジエチルアミノエチル α−メチル−4−(2−チエニルカルボニル)ベンゼンアセタート酢酸塩、ジエチルアミノエチル α−メチル−(p−クロロベンゾイル)−5−メトキシ−2−メチルインドール 3−アセタート酢酸塩、ジエチルアミノエチル 2−(2−フルオロ−4−ビフェニリル)プロピオナート酢酸塩、ジエチルアミノエチル 6−クロロ−α−メチル−9H−カルバゾール−2−アセタート酢酸塩、ジエチルアミノエチル α−メチル−5H−[1]ベンゾピラノ[2,3−b]ピリジン−7−アセタート酢酸塩、ジエチルアミノエチル 2−(4−クロロフェニル)−α−メチル−5−ベンゾオキサゾールアセタート酢酸塩、ジエチルアミノエチル α−メチル−4−[(2−メチル−2−プロペニル)アミノ]ベンゼンアセタート酢酸塩、ジエチルアミノエチル 5−ベンゾイル−α−メチル−2−チオフェンアセタート酢酸塩、ジエチルアミノエチル 3−クロロ−4−(2,5−ジヒドロ−1H−ピロール−1−イル)−α−メチルベンゼンアセタート酢酸塩、ジエチルアミノエチル 2−(10,11−ジヒドロ−10−オキソジベンゾ(b,f)チエピン−2−イル)プロピオナート酢酸塩、ジエチルアミノエチル 2−(8−メチル−10,11−ジヒドロ−11−オキソジベンズ(b,f)オキセピン−2−イル)プロピオナート酢酸塩、ジエチルアミノエチル 2−[4−(2−オキソシクロペンチル−メチル)フェニル]プロピオナート酢酸塩、ジエチルアミノエチル 4−(1,3−ジヒドロ−1−オキソ−2H−イソインドール−2−イル)−α−メチルベンゼンアセタート酢酸塩、ジエチルアミノエチル α,3−ジクロロ−4−シクロヘキシルベンゼンアセタート酢酸塩、ジエチルアミノエチル 4,5−ジフェニル−2−オキサゾールプロピオナート酢酸塩、ジエチルアミノエチル 3−(4−ビフェニリルカルボニル)プロピオナート酢酸塩、ジエチルアミノエチル 5−(4−クロロフェニル)−ベータ−ヒドロキシ−2−フランプロピオナート酢酸塩、ジエチルアミノエチル 5−ベンゾイル−2,3−ジヒドロ−1H−ピロリジン−1−カルボキシラート酢酸塩、ジエチルアミノエチル 6−クロロ−5−シクロヘキシル−2,3−ジヒドロ−1H−インデン−1−カルボキシラート酢酸塩は、ナプロキセン、スプロフェン、α−メチル−(p−クロロベンゾイル)−5−メトキシ−2−メチルインドール 3−酢酸、フルルビプロフェン、カルプロフェン、プラノプロフェン、ベノキサプロフェン、アルミノプロフェン、チアプロフェン酸、ピルプロフェン、ザルトプロフェン、ベルモプロフェン、ロキソプロフェン、インドプロフェン、フェンクロラク、オキサプロジン、フェンブフェン、オルパノキシン、ケトロラク、又はクリダナク、及び関連化合物よりも〜100〜130倍速く人の皮膚を通して拡散する、ということを示す。ナプロキセン、スプロフェン、α−メチル−(p−クロロベンゾイル)−5−メトキシ−2−メチルインドール 3−酢酸、フルルビプロフェン、カルプロフェン、プラノプロフェン、ベノキサプロフェン、アルミノプロフェン、チアプロフェン酸、ピルプロフェン、ザルトプロフェン、ベルモプロフェン、ロキソプロフェン、インドプロフェン、フェンクロラク、オキサプロジン、フェンブフェン、オルパノキシン、ケトロラク、又はクリダナク、及び関連化合物を経口投与するとき、これらがピーク血漿レベルに達するのに2〜4時間かかるが、これらのプロドラッグがピーク血漿レベルに達するのにたったの約40〜50分しかかからなかった。最も興奮させる結果は、プロドラッグを経口投与だけでなく、様々な種類の薬物治療のために経皮投与することも可能であり、かつナプロキセン、スプロフェン、α−メチル−(p−クロロベンゾイル)−5−メトキシ−2−メチルインドール 3−酢酸、フルルビプロフェン、カルプロフェン、プラノプロフェン、ベノキサプロフェン、アルミノプロフェン、チアプロフェン酸、ピルプロフェン、ザルトプロフェン、ベルモプロフェン、ロキソプロフェン、インドプロフェン、フェンクロラク、オキサプロジン、フェンブフェン、オルパノキシン、ケトロラク、又はクリダナク、及び関連化合物のたいていの副作用、最も著しくは胃腸障害であり、例えば、消化不良、胃十二指腸出血、胃潰瘍、胃炎、及び腎臓毒性を回避するだろうということである。これらのプロドラッグの経皮投与におけるもう一つの大きな利点は、特に子供への、薬物投与がいっそう容易になるだろうということである。
【図面の簡単な説明】
【0031】
【図1】フランツ細胞(n=5)での、単離されたヒト皮膚組織を透過するジエチルアミノエチル 2−(6−メトキシ−2−ナフチル)プロピオナート酢酸塩(A、30%溶液)、ジエチルアミノエチル α−メチル−4−(2−チエニルカルボニル)ベンゼンアセタート酢酸塩(B、30%溶液)、ジエチルアミノエチル α−メチル−(p−クロロベンゾイル)−5−メトキシ−2−メチルインドール 3−アセタート酢酸塩(C、30%溶液)、ジエチルアミノエチル 2−(2−フルオロ−4−ビフェニリル)プロピオナート酢酸塩(D、30%溶液)、ジエチルアミノエチル 6−クロロ−α−メチル−9H−カルバゾール−2−アセタート酢酸塩(E、30%溶液)、ナプロキセン(F、30%懸濁液)、スプロフェン(G、30%懸濁液)、α−メチル−(p−クロロベンゾイル)−5−メトキシ−2−メチルインドール 3−酢酸(H、30%懸濁液)、フルルビプロフェン(I、30%懸濁液)、又はカルプロフェン(J、30%懸濁液)の累積量。それぞれ、媒体はpH7.4ホスファート緩衝液(0.2M)であった。
【図2】フランツ細胞(n=5)での、単離されたヒト皮膚組織を透過するジエチルアミノエチル α−メチル−5H−[1]ベンゾピラノ[2,3−b]ピリジン−7−アセタート酢酸塩(A、30%溶液)、ジエチルアミノエチル 2−(4−クロロフェニル)−α−メチル−5−ベンゾオキサゾールアセタート酢酸塩(B、30%溶液)、ジエチルアミノエチル α−メチル−4−[(2−メチル−2−プロペニル)アミノ]ベンゼンアセタート酢酸塩(C、30%溶液)、ジエチルアミノエチル 5−ベンゾイル−α−メチル−2−チオフェンアセタート酢酸塩(D、30%溶液)、ジエチルアミノエチル 3−クロロ−4−(2,5−ジヒドロ−1H−ピロール−1−イル)−α−メチルベンゼンアセタート酢酸塩(E、30%溶液)、プラノプロフェン(F、30%懸濁液)、ベノキサプロフェン(G、30%懸濁液)、アルミノプロフェン(H、30%懸濁液)、チアプロフェン酸(I、30%懸濁液)、又はピルプロフェン(J、30%懸濁液)の累積量。それぞれ、媒体はpH7.4ホスファート緩衝液(0.2M)であった。
【図3】フランツ細胞(n=5)での、単離されたヒト皮膚組織を透過するジエチルアミノエチル 2−(10,11−ジヒドロ−10−オキソジベンゾ(b,f)チエピン−2−イル)プロピオナート酢酸塩(A、30%溶液)、ジエチルアミノエチル 2−(8−メチル−10,11−ジヒドロ−11−オキソジベンズ(b,f)オキセピン−2−イル)プロピオナート酢酸塩(B、30%溶液)、ジエチルアミノエチル 2−[4−(2−オキソシクロペンチル−メチル)フェニル]プロピオナート酢酸塩(C、30%溶液)、ジエチルアミノエチル 4−(1,3−ジヒドロ−1−オキソ−2H−イソインドール−2−イル)−α−メチルベンゼンアセタート酢酸塩(D、30%溶液)、ジエチルアミノエチル α,3−ジクロロ−4−シクロヘキシルベンゼンアセタート酢酸塩(E、30%溶液)、ザルトプロフェン(F、30%懸濁液)、ベルモプロフェン(G、30%懸濁液)、ロキソプロフェン(H、30%懸濁液)、インドプロフェン(I、30%懸濁液)、又はフェンクロラク(J、30%懸濁液)の累積量。それぞれ、媒体はpH7.4ホスファート緩衝液(0.2M)であった。
【図4】フランツ細胞(n=5)での、単離されたヒト皮膚組織を透過するジエチルアミノエチル 4,5−ジフェニル−2−オキサゾールプロピオナート酢酸塩(A、30%溶液)、ジエチルアミノエチル 3−(4−ビフェニリルカルボニル)プロピオナート酢酸塩(B、30%溶液)、ジエチルアミノエチル 5−(4−クロロフェニル)−ベータ−ヒドロキシ−2−フランプロピオナート酢酸塩(C、30%溶液)、ジエチルアミノエチル 5−ベンゾイル−2,3−ジヒドロ−1H−ピロリジン−1−カルボキシラート酢酸塩(D、30%溶液)、ジエチルアミノエチル 6−クロロ−5−シクロヘキシル−2,3−ジヒドロ−1H−インデン−1−カルボキシラート酢酸塩(E、30%溶液)、オキサプロジン(F、30%懸濁液)、フェンブフェン(G、30%懸濁液)、オルパノキシン(H、30%懸濁液)、ケトロラク(I、30%懸濁液)、又はクリダナク(J、30%懸濁液)の累積量。それぞれ、媒体はpH7.4ホスファート緩衝液(0.2M)であった。
【図5】イソプロパノール中、ジエチルアミノエチル 2−(6−メトキシ−2−ナフチル)プロピオナート酢酸塩(A)、ジエチルアミノエチル α−メチル−4−(2−チエニルカルボニル)ベンゼンアセタート酢酸塩(B)、ジエチルアミノエチル α−メチル−(p−クロロベンゾイル)−5−メトキシ−2−メチルインドール 3−アセタート酢酸塩(C)、ジエチルアミノエチル 2−(2−フルオロ−4−ビフェニリル)プロピオナート酢酸塩(D)、ジエチルアミノエチル 6−クロロ−α−メチル−9H−カルバゾール−2−アセタート酢酸塩(E)、ナプロキセン(F)、スプロフェン(G)、α−メチル−(p−クロロベンゾイル)−5−メトキシ−2−メチルインドール 3−酢酸(H)、フルルビプロフェン(I)、又はカルプロフェン(J)の20%溶液1mlをヘアレスマウス(n=5)の背中に局所塗布後の、ナプロキセン、スプロフェン、α−メチル−(p−クロロベンゾイル)−5−メトキシ−2−メチルインドール 3−酢酸、フルルビプロフェン、カルプロフェンの総血漿レベル。
【図6】イソプロパノール中、ジエチルアミノエチル α−メチル−5H−[1]ベンゾピラノ[2,3−b]ピリジン−7−アセタート酢酸塩(A)、ジエチルアミノエチル 2−(4−クロロフェニル)−α−メチル−5−ベンゾオキサゾールアセタート酢酸塩(B)、ジエチルアミノエチル α−メチル−4−[(2−メチル−2−プロペニル)アミノ]ベンゼンアセタート酢酸塩(C)、ジエチルアミノエチル 5−ベンゾイル−α−メチル−2−チオフェンアセタート酢酸塩(D)、ジエチルアミノエチル 3−クロロ−4−(2,5−ジヒドロ−1H−ピロール−1−イル)−α−メチルベンゼンアセタート酢酸塩(E)、プラノプロフェン(F)、ベノキサプロフェン(G)、アルミノプロフェン(H)、チアプロフェン酸(I)、又はピルプロフェン(J)の20%溶液1mlをヘアレスマウス(n=5)の背中に局所塗布後の、プラノプロフェン、ベノキサプロフェン、アルミノプロフェン、チアプロフェン酸、又はピルプロフェンの総血漿レベル。
【図7】イソプロパノール中、ジエチルアミノエチル 2−(10,11−ジヒドロ−10−オキソジベンゾ(b,f)チエピン−2−イル)プロピオナート酢酸塩(A)、ジエチルアミノエチル 2−(8−メチル−10,11−ジヒドロ−11−オキソジベンズ(b,f)オキセピン−2−イル)プロピオナート酢酸塩(B)、ジエチルアミノエチル 2−[4−(2−オキソシクロペンチル−メチル)フェニル]プロピオナート酢酸塩(C)、ジエチルアミノエチル 4−(1,3−ジヒドロ−1−オキソ−2H−イソインドール−2−イル)−α−メチルベンゼンアセタート酢酸塩(D)、ジエチルアミノエチル α,3−ジクロロ−4−シクロヘキシルベンゼンアセタート酢酸塩(E)、ザルトプロフェン(F)、ベルモプロフェン(G)、ロキソプロフェン(H)、インドプロフェン(I)、フェンクロラク(J)の20%溶液1mlをヘアレスマウス(n=5)の背中に局所塗布後の、ザルトプロフェン、ベルモプロフェン、ロキソプロフェン、インドプロフェン、フェンクロラクの総血漿レベル。
【図8】イソプロパノール中、ジエチルアミノエチル 4,5−ジフェニル−2−オキサゾールプロピオナート酢酸塩(A)、ジエチルアミノエチル 3−(4−ビフェニリルカルボニル)プロピオナート酢酸塩(B)、ジエチルアミノエチル 5−(4−クロロフェニル)−ベータ−ヒドロキシ−2−フランプロピオナート酢酸塩(C)、ジエチルアミノエチル 5−ベンゾイル−2,3−ジヒドロ−1H−ピロリジン−1−カルボキシラート酢酸塩(D)、ジエチルアミノエチル 6−クロロ−5−シクロヘキシル−2,3−ジヒドロ−1H−インデン−1−カルボキシラート酢酸塩(E)、オキサプロジン(F)、フェンブフェン(G)、オルパノキシン(H)、ケトロラク(I)、又はクリダナク(J)の20%溶液1mlをヘアレスマウス(n=5)の背中に局所塗布後の、オキサプロジン、フェンブフェン、オルパノキシン、ケトロラク、及びクリダナクの総血漿レベル。
【図9】ジエチルアミノエチル 2−(6−メトキシ−2−ナフチル)プロピオナート酢酸塩(B)、ジエチルアミノエチル α−メチル−4−(2−チエニルカルボニル)ベンゼンアセタート酢酸塩(C)、ジエチルアミノエチル α−メチル−(p−クロロベンゾイル)−5−メトキシ−2−メチルインドール 3−アセタート酢酸塩(D)、ジエチルアミノエチル 2−(2−フルオロ−4−ビフェニリル)プロピオナート酢酸塩(E)、ジエチルアミノエチル 6−クロロ−α−メチル−9H−カルバゾール−2−アセタート酢酸塩(F)を50mg/kg経皮投与後の、マウス尻尾の痛覚閾値延長時間。グループAは対照群である。
【図10】ジエチルアミノエチル α−メチル−5H−[1]ベンゾピラノ[2,3−b]ピリジン−7−アセタート酢酸塩(G)、ジエチルアミノエチル 2−(4−クロロフェニル)−α−メチル−5−ベンゾオキサゾールアセタート酢酸塩(H)、ジエチルアミノエチルα−メチル−4−[(2−メチル−2−プロペニル)アミノ]ベンゼンアセタート酢酸塩(I)、ジエチルアミノエチル 5−ベンゾイル−α−メチル−2−チオフェンアセタート酢酸塩(J)、ジエチルアミノエチル 3−クロロ−4−(2,5−ジヒドロ−1H−ピロール−1−イル)−α−メチルベンゼンアセタート酢酸塩(K)を50mg/kg経皮投与後の、マウス尻尾の痛覚閾値延長時間。グループAは対照群である。
【図11】ジエチルアミノエチル 2−(10,11−ジヒドロ−10−オキソジベンゾ(b,f)チエピン−2−イル)プロピオナート酢酸塩(L)、ジエチルアミノエチル 2−(8−メチル−10,11−ジヒドロ−11−オキソジベンズ(b,f)オキセピン−2−イル)プロピオナート酢酸塩(M)、ジエチルアミノエチル 2−[4−(2−オキソシクロペンチル−メチル)フェニル]プロピオナート酢酸塩(N)、ジエチルアミノエチル 4−(1,3−ジヒドロ−1−オキソ−2H−イソインドール−2−イル)−α−メチルベンゼンアセタート酢酸塩(O)、ジエチルアミノエチル α,3−ジクロロ−4−シクロヘキシルベンゼンアセタート酢酸塩(P)を50mg/kg経皮投与後の、マウス尻尾の痛覚閾値延長時間。グループAは対照群である。
【図12】ジエチルアミノエチル 4,5−ジフェニル−2−オキサゾールプロピオナート酢酸塩(Q)、ジエチルアミノエチル 3−(4−ビフェニリルカルボニル)プロピオナート酢酸塩(R)、ジエチルアミノエチル 5−(4−クロロフェニル)−ベータ−ヒドロキシ−2−フランプロピオナート酢酸塩(S)、ジエチルアミノエチル 5−ベンゾイル−2,3−ジヒドロ−1H−ピロリジン−1−カルボキシラート酢酸塩(T)、ジエチルアミノエチル 6−クロロ−5−シクロヘキシル−2,3−ジヒドロ−1H−インデン−1−カルボキシラート酢酸塩(U)を50mg/kg経皮投与後の、マウス尻尾の痛覚閾値延長時間。グループAは対照群である。
【図13】カラゲニン投与後の隆起率(%)。カラゲニン投与1時間前に、ジエチルアミノエチル 2−(6−メトキシ−2−ナフチル)プロピオナート酢酸塩(100mg/kg、B)、ジエチルアミノエチル α−メチル−4−(2−チエニルカルボニル)ベンゼンアセタート酢酸塩(100mg/kg、C)、ジエチルアミノエチル α−メチル−(p−クロロベンゾイル)−5−メトキシ−2−メチルインドール 3−アセタート酢酸塩(100mg/kg、D)、ジエチルアミノエチル 2−(2−フルオロ−4−ビフェニリル)プロピオナート酢酸塩(100mg/kg、E)、ジエチルアミノエチル 6−クロロ−α−メチル−9H−カルバゾール−2−アセタート酢酸塩(100mg/kg、F)を経皮投与した。Aグループは対照群である。
【図14】カラゲニン投与後の隆起率(%)。カラゲニン投与1時間前に、ジエチルアミノエチル α−メチル−5H−[1]ベンゾピラノ[2,3−b]ピリジン−7−アセタート酢酸塩(100mg/kg、G)、ジエチルアミノエチル 2−(4−クロロフェニル)−α−メチル−5−ベンゾオキサゾールアセタート酢酸塩(100mg/kg、H)、ジエチルアミノエチルα−メチル−4−[(2−メチル−2−プロペニル)アミノ]ベンゼンアセタート酢酸塩(100mg/kg、I)、ジエチルアミノエチル 5−ベンゾイル−α−メチル−2−チオフェンアセタート酢酸塩(100mg/kg、J)、ジエチルアミノエチル 3−クロロ−4−(2,5−ジヒドロ−1H−ピロール−1−イル)−α−メチルベンゼンアセタート酢酸塩(100mg/kg、K)を経皮投与した。グループAは対照群である。
【図15】カラゲニン投与後の隆起率(%)。カラゲニン投与1時間前に、ジエチルアミノエチル 2−(10,11−ジヒドロ−10−オキソジベンゾ(b,f)チエピン−2−イル)プロピオナート酢酸塩(100mg/kg、L)、ジエチルアミノエチル 2−(8−メチル−10,11−ジヒドロ−11−オキソジベンズ(b,f)オキセピン−2−イル)プロピオナート酢酸塩(100mg/kg、M)、ジエチルアミノエチル 2−[4−(2−オキソシクロペンチル−メチル)フェニル]プロピオナート酢酸塩(100mg/kg、N)、ジエチルアミノエチル 4−(1,3−ジヒドロ−1−オキソ−2H−イソインドール−2−イル)−α−メチルベンゼンアセタート酢酸塩(100mg/kg、O)、ジエチルアミノエチル α,3−ジクロロ−4−シクロヘキシルベンゼンアセタート酢酸塩(100mg/kg、P)を経皮投与した。グループAは対照群である。
【図16】カラゲニン投与後の隆起率(%)。カラゲニン投与1時間前に、ジエチルアミノエチル 4,5−ジフェニル−2−オキサゾールプロピオナート酢酸塩(100mg/kg、Q)、ジエチルアミノエチル 3−(4−ビフェニリルカルボニル)プロピオナート酢酸塩(100mg/kg、R)、ジエチルアミノエチル 5−(4−クロロフェニル)−ベータ−ヒドロキシ−2−フランプロピオナート酢酸塩(100mg/kg、S)、ジエチルアミノエチル 5−ベンゾイル−2,3−ジヒドロ−1H−ピロリジン−1−カルボキシラート酢酸塩(100mg/kg、T)、ジエチルアミノエチル 6−クロロ−5−シクロヘキシル−2,3−ジヒドロ−1H−インデン−1−カルボキシラート酢酸塩(100mg/kg、U)を経皮投与した。グループAは対照群である。
【図17】構造1中、RはCH3、OH、Cl、F、又はBrを表し、R1はH、1〜12炭素原子を有するアルキル、アルキルオキシル、アルケニル若しくはアルキニル残基のいずれか一つ、又はアリール残基を表し、R2はH、1〜12炭素原子を有するアルキル、アルキルオキシ、アルケニル若しくはアルキニル残基のいずれか一つ、又はアリール残基を表し、R3はH、1〜12炭素原子を有するアルキル、アルキルオキシ、アルケニル若しくはアルキニル残基のいずれか一つ、又はアリール残基を表し、XはO、S、NH、OCH2COO、OCH2COS、又はOCH2CONHを表し、A-はCl-、Br-、F-、I-、AcO-、シトラート、又は陰イオンを表し、n=0、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10……であり、Arylはアリール−及びヘテロアリール基を表す。
【図18】構造2中、WはH、OH、Cl、F、又はBrを表し、R1はH、1〜12炭素原子を有するアルキル、アルキルオキシル、アルケニル若しくはアルキニル残基のいずれか一つ、又はアリール残基を表し、R2はH、1〜12炭素原子を有するアルキル、アルキルオキシ、アルケニル若しくはアルキニル残基のいずれか一つ、又はアリール残基を表し、R3はH、1〜12炭素原子を有するアルキル、アルキルオキシ、アルケニル若しくはアルキニル残基のいずれか一つ、又はアリール残基を表し、XはO、S、NH、OCH2COO、OCH2COS、又はOCH2CONHを表し、A-はCl-、Br-、F-、I-、AcO-、シトラート、又は陰イオンを表し、n=0、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10……であり、Y又はY及びZは共にアリール−及びヘテロアリール基を表す。
【発明を実施するための形態】
【0032】
ジエチルアミノエチル 2−(6−メトキシ−2−ナフチル)プロピオナート酢酸塩の調製
ジエチルアミノエタノール11.7g(0.1mol)を10%重炭酸ナトリウム(200ml)及びアセトン(100ml)に溶解した。2−(6−メトキシ−2−ナフチル)プロピオニルクロリド24.9g(0.1mol)を反応混合物に加えた。混合物を室温で3時間撹拌する。溶媒を蒸発させる。残留物を酢酸エチル(500ml)に懸濁する。5%重炭酸ナトリウム(200ml)を撹拌しながら反応混合物に加える。酢酸エチル層を集め、水(3×500ml)で洗浄する。得られた酢酸エチル溶液を無水硫酸ナトリウム上で乾燥させた。硫酸ナトリウムを濾過により除去する。酢酸6gを撹拌しながら反応混合物に加える。有機溶液を蒸発させた。乾燥後、目的生成物36g(89.9%)を得た。吸湿性生成物、水中での溶解性:350mg/ml、元素分析:C2231NO5、分子量:389.49、計算% C: 67.84; H: 8.02; N: 3.60; O: 20.54、実測% C: 67.82; H: 8.04; N: 3.58; O: 20.56、1H-NMR (400MHz,D2O): δ: 1.36 (t, 6H), 1.50 (d, 3H), 2.11 (s, 3H), 3.20 (m, 4H), 3.47(m, 2H), 3.70 (s, 3H), 3.78 (m, 1H), 4.48 (t, 2H), 6.88 (b, 1H), 6.98 (s, 1H), 7.03 (d, 1H), 7.18 (d, 1H), 7.43 (s, 1H), 7.50 (d, 1H), 7.54 (d, 1H)。
【0033】
ジエチルアミノエチル α−メチル−4−(2−チエニルカルボニル)ベンゼンアセタート酢酸塩の調製
α−メチル−4−(2−チエニルカルボニル)ベンゼンアセチルクロリド28.1g(0.1mol)をクロロホルム100mlに溶解した。混合物を0℃に冷却した。トリエチルアミン15ml及びジエチルアミノエタノール11.7g(0.1mol)を反応混合物に加えた。混合物を室温で3時間撹拌する。溶媒を蒸発させる。残留物をメタノール(300ml)に溶解し、5%重炭酸ナトリウム(200ml)を反応混合物に加える。混合物を3時間撹拌する。混合物を蒸発させて乾燥させる。メタノール(300ml)を撹拌しながら残留物に加える。固形物を濾過により除去し、メタノールで洗浄する。溶液を蒸発させて乾燥させ、残留物をクロロホルム(200ml)に溶解する。酢酸6gを撹拌しながら反応混合物に加える。いくらかの固形物を濾過により除去する。別の酢酸6gを撹拌しながら反応混合物に加える。有機溶液を蒸発させた。乾燥後、目的生成物35g(83.2%)を得た。吸湿性生成物、水中での溶解性:400mg/ml、元素分析:C2231NO5S、分子量:419.53、計算% C: 62.68; H: 7.41; N: 3.32; O: 18.98; S: 7.61、実測%C: 62.63; H: 7.45; N: 3.31; O: 19.01; S: 7.60、1H-NMR(400MHz,D2O):δ: 1.36 (t, 6H), 1.45 (d, 3H), 2.11 (s, 3H), 3.20 (m, 4H), 3.47(m, 2H), 3.78 (m, 1H), 4.48 (t, 2H), 6.88 (b, 1H), 6.98 (s, 1H), 7.31 (d, 2H), 7.05 (m, 1H), 7.43 (m, 2H), 7.70 (d, 2H)。
【0034】
S−ジエチルアミノエチル 2−(2−フルオロ−4−ビフェニリル)プロピオナート酢酸塩の調製
ジエチルアミノエチルメルカプタン13.2g(0.1mol)を10%重炭酸ナトリウム(200ml)及びアセトン(100ml)に溶解した。2−(2−フルオロ−4−ビフェニリル)プロピオニルクロリド26.3g(0.1mol)を反応混合物に加えた。混合物を室温で3時間撹拌する。溶媒を蒸発させる。残留物を酢酸エチル(500ml)に懸濁する。5%重炭酸ナトリウム(200ml)を撹拌しながら反応混合物に加える。酢酸エチル層を集め、水(3×500ml)で洗浄する。得られた酢酸エチル溶液を無水硫酸ナトリウム上で乾燥させた。硫酸ナトリウムを濾過により除去する。酢酸6gを撹拌しながら反応混合物に加える。有機溶液を蒸発させた。乾燥後、目的生成物36g(85.8%)を得た。吸湿性生成物、水中での溶解性:400mg/ml、元素分析:C2330FNO3S、分子量:419.55、計算% C: 65.84; H: 7.21; F: 4.53; N: 3.34; O: 11.44; S: 7.64、実測% C: 65.80; H: 7.23; F: 4.55; N: 3.32, O: 11.47; S: 7.63、1H-NMR(400MHz,D2O):δ: 1.35 (t, 6H), 1.44 (d, 3H), 2.11 (s, 3H), 3.20 (m, 4H), 3.30(t, 2H), 3.80 (m, 1H), 3.88 (t, 2H), 6.88 (b, 1H), 6.88 (m, 1H), 6.95 (m, 1H), 7.22 (m, 1H), 7.32 (m, 2H), 7.41 (m, 1H), 7.48 (m, 2H)。
【0035】
N−ジエチルアミノエチル 5−ベンゾイル−2,3−ジヒドロ−1H−ピロリジン−1−カルボキシルアミド酢酸塩の調製
ジエチルアミノエチルアミン11.6g(0.1mol)を10%重炭酸ナトリウム(200ml)及びアセトン(100ml)に溶解した。5−ベンゾイル−2,3−ジヒドロ−1H−ピロリジン−1−カルボキシリルクロリド27.4g(0.1mol)を反応混合物に加えた。混合物を室温で3時間撹拌する。溶媒を蒸発させる。残留物を酢酸エチル(500ml)に懸濁する。5%重炭酸ナトリウム(200ml)を撹拌しながら反応混合物に加える。酢酸エチル層を集め、水(3×500ml)で洗浄する。得られた酢酸エチル溶液を無水硫酸ナトリウム上で乾燥させた。硫酸ナトリウムを濾過により除去する。酢酸6gを撹拌しながら反応混合物に加える。有機溶液を蒸発させた。乾燥後、目的生成物35g(84.8%)を得た。吸湿性生成物、水中での溶解性:400mg/ml、元素分析:C233134、分子量:412.50、計算% C: 66.81; H: 7.56; N:10.16; O: 15.48、実測% C: 66.90; H: 7.38; N: 10.18; O: 15.54、1H-NMR(400MHz,D2O):δ: 1.39 (t, 6H), 2.10 (s, 3H), 2.27 (m, 2H), 3.22 (m, 4H), 3.50(t, 2H), 3.60 (t, 2H), 3.80 (m, 2H), 3.71 (m, 1H), 5.85 (m, 1H), 6.70 (m, 1H), 6.85 (b, 1H), 7.32 (b, 1H), 7.40 (m, 1H), 7.45 (m, 2H), 7.78 (m, 2H)。
【0036】
N−ジメチルアミノエチル 4,5−ジフェニル−2−オキサゾールプロピオンアミド酢酸塩 アミド酢酸塩の調製
4,5−ジフェニル−2−オキサゾールプロピオン酸29.3g(0.1mol)をアセトニトリル100mlに溶解した。O−(ベンゾトリアゾール−1−イル)−N,N,N’,N’−テトラメチルウロニウム テトラフルオロボラート32.1g及びトリエチルアミン30mlを反応混合物に加えた。ジエチルアミノエチルアミン11.6gを反応混合物に加えた。混合物を室温で3時間撹拌した。溶媒を蒸発させた。酢酸エチル250mlを反応混合物に加え、混合物を水(3×100ml)で洗浄した。得られた有機溶液を無水硫酸ナトリウム上で乾燥させた。硫酸ナトリウムを濾過により除去した。酢酸6gを撹拌しながら反応混合物に加えた。ヘキサン(200ml)を加えた。固形生成物を濾過により集めた。乾燥後、目的生成物40g(88.6%)を得た。吸湿性生成物、水中での溶解性:400mg/ml、元素分析:C263334、分子量:451.56、計算% C: 69.16; H: 7.37; N: 9.31; O: 14.17、実測% C: 69.11; H: 7.40; N: 9.30; O: 14.19、1H-NMR(400MHz,D2O):δ: 1.41 (t, 6H), 2.10 (s, 3H), 2.45 (t, 2H), 2.76 (t, 2H), 3.22 (m, 4H), 3.49(t, 2H), 3.60 (t, 2H), 6.87 (b, 1H), 7.22 (b, 1H), 7.22 (m, 2H), 7.32 (m, 4H), 7.47 (m, 4H)。
【0037】
ジエチルアミノエチル 6−クロロ−α−メチル−9H−カルバゾール−2−アセタート酢酸塩の調製
高分子結合トリエチルアミン(3mol/g、100〜200mesh)60gをクロロホルム180mlに懸濁した。6−クロロ−α−メチル−9H−カルバゾール−2−酢酸27.4g(0.1mol)を撹拌しながら混合物に加えた。ジエチルアミノエチルブロミド臭化水素酸塩(diethylaminoethyl bromide.HBr)43g(0.15mol)を混合物に加え、混合物を室温で5時間撹拌した。高分子を濾過により除去し、テトラヒドロフラン(3×50ml)で洗浄した。酢酸ナトリウム8.2g(0.1mol)を撹拌しながら反応混合物に加えた。混合物を2時間撹拌した。固形物を濾過により除去し、クロロホルム(3×50ml)で洗浄した。溶液を真空中で100mlに濃縮した。次いでヘキサン300mlを溶液に加えた。固形生成物を濾過により集め、ヘキサン(3×100ml)で洗浄した。乾燥後、目的生成物38g(87.8%)を得た。吸湿性生成物、水中での溶解性:400mg/ml、元素分析:C2329ClN24、分子量:432.94、計算% C: 63.81; H: 6.75; Cl: 8.19, N: 6.47; O: 14.78、実測% C: 63.85; H: 6.78; Cl: 8.17; N: 6.44; O: 14.76、1H-NMR(400MHz,D2O):δ: 1.39 (t, 6H), 1.47 (d, 3H), 2.11 (s, 3H), 3.21 (m, 4H), 3.49(m, 2H), 3.77 (m, 1H), 4.48 (t, 2H), 6.80 (b, 1H), 6.85 (m, 1H), 7.10 (m, 1H), 7.05 (m, 1H), 7.26 (m, 1H), 7.34 (m, 1H), 7.50 (m, 1H), 7.52 (m, 1H)。
【産業上の利用可能性】
【0038】
式(1)及び式(2)で表されるプロドラッグは、ナプロキセン、スプロフェン、α−メチル−(p−クロロベンゾイル)−5−メトキシ−2−メチルインドール 3−酢酸、フルルビプロフェン、カルプロフェン、プラノプロフェン、ベノキサプロフェン、アルミノプロフェン、チアプロフェン酸、ピルプロフェン、ザルトプロフェン、ベルモプロフェン、ロキソプロフェン、インドプロフェン、フェンクロラク、オキサプロジン、フェンブフェン、オルパノキシン、ケトロラク、又はクリダナク、及び関連化合物よりも優れている。これらは、人又は動物において、ナプロキセン、スプロフェン、α−メチル−(p−クロロベンゾイル)−5−メトキシ−2−メチルインドール 3−酢酸、フルルビプロフェン、カルプロフェン、プラノプロフェン、ベノキサプロフェン、アルミノプロフェン、チアプロフェン酸、ピルプロフェン、ザルトプロフェン、ベルモプロフェン、ロキソプロフェン、インドプロフェン、フェンクロラク、オキサプロジン、フェンブフェン、オルパノキシン、ケトロラク、クリダナク、及び関連化合物−治療可能な状態の治療に医薬的に使用され得る。これらは、関節リウマチ及び変形性関節症の徴候並びに症状の軽減、解熱、並びに月経困難症の治療のために使用され得る。これらはまた、糖尿病性神経障害及び急性片頭痛に対して処方され得る。これらのプロドラッグは、非常に高い膜透過率を有するため、患者に吸入することによって喘息の治療に使用され得る。これらは抗炎症性のため、乾癬、アクネ、日焼け又は他の皮膚病を治療するために使用され得る。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
次式(1)で表される化合物。

式中、RはCH3、OH、Cl、F、又はBrを表し、R1はH、1〜12炭素原子を有するアルキル、アルキルオキシル、アルケニル若しくはアルキニル残基のいずれか一つ、又はアリール残基を表し、R2はH、1〜12炭素原子を有するアルキル、アルキルオキシ、アルケニル若しくはアルキニル残基のいずれか一つ、又はアリール残基を表し、R3はH、1〜12炭素原子を有するアルキル、アルキルオキシ、アルケニル若しくはアルキニル残基のいずれか一つ、又はアリール残基を表し、XはO、S、NH、OCH2COO、OCH2COS、又はOCH2CONHを表し、A-はCl-、Br-、F-、I-、AcO-、シトラート、又は陰イオンを表し、n=0、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10……であり、Arylは以下のものを表す。













全てのR、R1、R2、R3基はC、H、O、S、N原子を含んでもよく、単結合、二重結合、及び三重結合を有してもよい。CH2基はO、S又はNHと置換されてもよい。
【請求項2】
次式(2)で表される化合物。

式中、WはH、OH、Cl、F、又はBrを表し、R1はH、1〜12炭素原子を有するアルキル、アルキルオキシル、アルケニル若しくはアルキニル残基のいずれか一つ、又はアリール残基を表し、R2はH、1〜12炭素原子を有するアルキル、アルキルオキシ、アルケニル若しくはアルキニル残基のいずれか一つ、又はアリール残基を表し、R3はH、1〜12炭素原子を有するアルキル、アルキルオキシ、アルケニル若しくはアルキニル残基のいずれか一つ、又はアリール残基を表し、XはO、S、NH、OCH2COO、OCH2COS、又はOCH2CONHを表し、A-はCl-、Br-、F-、I-、AcO-、シトラート、又は陰イオンを表し、n=0、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10……であり、YはHを表し、及びZは以下のものを表す。





又はWはHを表し、Z及びYは共に以下のものを表す。


全てのR、R1、R2、R3基はC、H、O、S、N原子を含んでもよく、単結合、二重結合、及び三重結合を有してもよい。CH2基はO、S又はNHと置換されてもよい。
【請求項3】
請求項1及び請求項2に記載の、式(1)及び式(2)で表される化合物を調製する方法であって、ナプロキセン、スプロフェン、α−メチル−(p−クロロベンゾイル)−5−メトキシ−2−メチルインドール 3−酢酸、フルルビプロフェン、カルプロフェン、プラノプロフェン、ベノキサプロフェン、アルミノプロフェン、チアプロフェン酸、ピルプロフェン、ザルトプロフェン、ベルモプロフェン、ロキソプロフェン、インドプロフェン、フェンクロラク、オキサプロジン、フェンブフェン、オルパノキシン、ケトロラク、クリダナク、及び関連化合物の官能誘導体、例えば、酸ハロゲン化物又は混合無水物を、次式(5)で表される化合物と反応させる方法。


式中、R3はH、1〜12炭素原子を有するアルキル、アルキルオキシ、アルケニル若しくはアルキニル残基のいずれか一つ、又はアリール残基を表し、R4はH、1〜12炭素原子を有するアルキル、アルキルオキシ、アルケニル若しくはアルキニル残基のいずれか一つ、又はアリール残基を表し、XはO、S又はNHを表し、n=0、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10……である。
【請求項4】
請求項1及び請求項2に記載の、式(1)及び式(2)で表される化合物を調製する方法であって、ナプロキセン、スプロフェン、α−メチル−(p−クロロベンゾイル)−5−メトキシ−2−メチルインドール 3−酢酸、フルルビプロフェン、カルプロフェン、プラノプロフェン、ベノキサプロフェン、アルミノプロフェン、チアプロフェン酸、ピルプロフェン、ザルトプロフェン、ベルモプロフェン、ロキソプロフェン、インドプロフェン、フェンクロラク、オキサプロジン、フェンブフェン、オルパノキシン、ケトロラク、又はクリダナク、及び関連化合物を、カップリング試薬、例えば、N,N’−ジシクロヘキシルカルボジイミド、N,N’−ジイソプロピルカルボジイミド、O−(ベンゾトリアゾール−1−イル)−N,N,N’,N’−テトラメチルウロニウム テトラフルオロボラート、O−(ベンゾトリアゾール−1−イル)−N,N,N’,N’−テトラメチルウロニウム ヘキサフルオロホスファート、ベンゾトリアゾール−1−イル−オキシ−トリス(ジメチルアミノ)ホスホニウム ヘキサフルオロホスファート等を使用することにより、式(5)で表される化合物と反応させる方法。
【請求項5】
請求項1及び請求項2に記載の、式(1)及び式(2)で表される化合物を調製する方法であって、ナプロキセン、スプロフェン、α−メチル−(p−クロロベンゾイル)−5−メトキシ−2−メチルインドール 3−酢酸、フルルビプロフェン、カルプロフェン、プラノプロフェン、ベノキサプロフェン、アルミノプロフェン、チアプロフェン酸、ピルプロフェン、ザルトプロフェン、ベルモプロフェン、ロキソプロフェン、インドプロフェン、フェンクロラク、オキサプロジン、フェンブフェン、オルパノキシン、ケトロラク、若しくはクリダナク、及び関連化合物の金属塩、有機塩基塩、又は固定化された塩基塩を、次式(6)で表される化合物と反応させる方法。


式中、R2はH、1〜12炭素原子を有するアルキル、アルキルオキシ、アルケニル若しくはアルキニル残基のいずれか一つ、又はアリール残基を表し、R3はH、1〜12炭素原子を有するアルキル、アルキルオキシ、アルケニル若しくはアルキニル残基のいずれか一つ、又はアリール残基を表し、R4はH、1〜12炭素原子を有するアルキル、アルキルオキシ、アルケニル若しくはアルキニル残基のいずれか一つ、又はアリール残基を表し、Zはハロゲン、又はp−トルエンスルホニルを表し、A-はCl-、Br-、F-、I-、AcO-、シトラート、又は陰イオンを表し、n=0、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10……である。
【請求項6】
請求項1及び請求項2に記載の、式(1)及び式(2)で表される化合物、又は少なくとも式(1)及び式(2)で表される化合物を活性成分として含む組成物であって、人又は動物において、NSAIA−治療可能な状態を治療するために、経口投与又は経皮投与可能である化合物又は組成物であって、前記NSAIA−治療可能な状態が、歯痛、頭痛、並びに関節炎及び他の炎症性疼痛、熱、癌、月経困難症、放射線誘発性嘔吐、糖尿病性神経障害、急性片頭痛、血友病性関節症、骨喪失、並びに日焼けを含むが、これに限定されるものではない化合物又は組成物。
【請求項7】
人又は動物において、NSAIA−治療可能な状態を治療する方法であって、身体の一部に(溶液、スプレー、ローション、軟膏、エマルジョン又はゲルの形態で)経皮投与することにより、請求項1及び請求項2に記載の、式(1)及び式(2)で表される化合物、又は少なくとも式(1)若しくは式(2)で表される化合物を活性成分として含む組成物の治療有効血漿レベルを送達することを特徴とする方法。
【請求項8】
治療有効量の、請求項1及び請求項2に記載の、式(1)及び式(2)で表される化合物、又は少なくとも式(1)及び式(2)で表される化合物を活性成分として含む組成物を炎症部位に投与することを特徴とする、人又は動物において、疼痛、例えば、頭痛、歯痛、筋肉痛、並びに関節炎及び他の炎症性疼痛を局所的に治療する方法。
【請求項9】
請求項1及び請求項2に記載の、式(1)及び式(2)で表される化合物、又は少なくとも式(1)及び式(2)で表される化合物を活性成分として含む組成物であって、乾癬、アクネ、日焼け又は他の皮膚病を治療するために、溶液、スプレー、ローション、軟膏、エマルジョン又はゲルの形態で経皮投与され得る化合物又は組成物。
【請求項10】
請求項1及び請求項2に記載の、式(1)若しくは式(2)で表される化合物、又は少なくとも式(1)及び式(2)で表される化合物を活性成分として含む組成物であって、喘息を治療するために、口若しくは鼻又は体の他の部分を通してスプレーすることにより投与されることを特徴とする化合物又は組成物。
【請求項11】
請求項1及び請求項2に記載の、式(1)及び式(2)で表される化合物、又は少なくとも式(1)及び式(2)で表される化合物を活性成分として含む組成物であって、人又は動物において、炎症性眼疾患、角膜手術後眼痛、緑内障、又は耳の炎症性及び/又は有痛性状態(耳炎)を治療するための化合物又は組成物。
【請求項12】
人又は動物において、NSAIA−治療可能な状態を治療するための、請求項1及び請求項2に記載の、式(1)及び式(2)で表される化合物、又は少なくとも式(1)及び式(2)で表される化合物を活性成分として含む組成物の経皮治療応用システムであって、活性物質含有マトリックス層及び非透過性支持層からなる包帯又はパッチであり得、最も好ましくは、活性物質貯蔵庫であり、これが皮膚に面する透過性底面を有し、放出の割合を制御することによって、NSAIAが絶えず最適治療血中レベルに達することを可能にし、効能を増大させ、かつNSAIAの副作用を減少させることを可能にすることを特徴とするシステム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【公表番号】特表2010−500989(P2010−500989A)
【公表日】平成22年1月14日(2010.1.14)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−524242(P2009−524242)
【出願日】平成18年8月15日(2006.8.15)
【国際出願番号】PCT/IB2006/052815
【国際公開番号】WO2008/020270
【国際公開日】平成20年2月21日(2008.2.21)
【出願人】(509011581)テックフィールズ バイオケム カンパニー リミテッド (10)
【出願人】(509023539)
【Fターム(参考)】