説明

非接触ヒューマンコンピュータインターフェイス

ヒューマンコンピュータインターフェイスは、エミッタおよびトランスデューサを備える複数のトランスデューサを含み、これらのエミッタおよびトランスデューサは、トランスデューサの近くの検出空間内のユーザの手のジェスチャなどのオブジェクトの動きに関するパターンを検出し、かつ検出されたパターンに応じて入力をコンピュータ機器に提供するように構成される。インターフェイスは、トランスデューサによって受信されたデータの簡単な分析を実行して基本的なジェスチャを検出することができ、またはより複雑な分析を実行して、より大きい範囲のジェスチャまたはより複雑なジェスチャを検出することもできる。トランスデューサは、赤外線または超音波のトランスデューサが好ましいが、他のトランスデューサも適し得る。トランスデューサは、直線、二次元、三次元のパターンに配置されることができる。エミッタによって発せられた信号は、ジェスチャの識別を助けるために変調されることができる。コンピュータ機器は、標準コンピュータとすることができ、またはゲームマシン、セキュリティ装置、屋内電気器具、またはコンピュータを組み込む他の任意の適した装置とすることもできる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、非接触ヒューマンコンピュータインターフェイスに関する。より詳細には、本発明は、ユーザによって行われたジェスチャが検出され、何らかの手段によって解釈され、ジェスチャを使用して、コンピュータまたはコンピュータ制御機器の操作に影響を与えるタイプのインターフェイスに関する。
【背景技術】
【0002】
マウスは、コンピュータシステムの操作を制御する手段として、現代のコンピュータシステムで一般に使用されている装置である。こうした装置は一般に、コンピュータキーボードの横にあり、これによってユーザは、例えば表示システムに表示されたオプションを選択することができる。こうした装置のユーザは、コンピュータで稼働しているソフトウェアによる要求に応じて所望のアクションを実行するために、それに手を伸ばし、クリックしたり、ドラッグしたりする必要がある。通常、マウスの位置に対応するディスプレイ上のポインタの位置を知る必要がある。しかし、これは、一部のソフトウェアアプリケーションでは不要であり、ユーザに求められる入力は、例えば1組のスライドを介して進めるまたは戻すため、あるいはディスプレイに表示される動画を開始するまたは停止するための、左クリックまたは右クリックである。ユーザがプレゼンテーションを提供している場合、または特にディスプレイに表示されるものに一生懸命集中している場合、マウスを探して適切なボタンを押す不便さは、望ましくない場合があり、そのため、ある種のジェスチャ認識システムが有用である。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
米国特許第6222465号明細書は、ユーザによって行われるジェスチャが、ビデオカメラおよび画像処理ソフトウェアによって検出される、Gesture Based Computer Interfaceを開示している。しかし、ビデオシステムおよび関連する処理は、実施が複雑で高価であり、照明状態およびユーザの意図しない動きに反応しやすい。また、こうした一部のシステムには、処理要件が高いために、ユーザの動きと、クライアントプログラムによって作用される動きとの間に待ち時間がある。
【0004】
ジェスチャの検出のより簡単なシステムは、米国特許第5990865号明細書によって提供されており、この明細書では、コンデンサのプレート間のスペースが、空間(volume)を画定し、例えばオペレータの両手の動きを、静電容量の変化によって検出できる容量性システムを開示している。しかしこれは、動きは検出できるが、その動きが何であるかがわからないという、非常に劣った分解能を有するという問題を被る。例えば、大きい指の動きとわずかな腕の動きとを区別するのに苦労する。さらに、空間が大きい場合、静電容量は非常に小さく、続いて測定が難しく、それによって雑音および感度の問題につながる。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明によれば、少なくとも1つのエミッタおよび少なくとも2つの検出器を含む複数のトランスデューサを備える、ユーザによって行われるジェスチャを検出するヒューマンコンピュータインターフェイス装置が提供され、検出器が、少なくとも2つのエミッタによって送信され、かつトランスデューサの近くの検出空間内のオブジェクトから反射される信号を検出し、検出された信号に関する情報を電子制御システムに渡すように構成され、信号に関する情報が、検出空間内のオブジェクトの動きに関するパターンを検出するために処理されるように構成され、電子制御システムが、検出されたパターンによって規定された方法で、ホストコンピュータシステムと通信するように構成されることを特徴とする。
【0006】
トランスデューサは、オペレータの手など、検出空間内のオブジェクトから反射し得る信号を送受信することができる任意の適したトランスデューサとすることができる。トランスデューサは、赤外線または超音波のトランスデューサであることが好ましいが、可視のトランスデューサを使用してもよい。こうしたトランスデューサは、非常に安価であるため、こうしたトランスデューサのアレイを、非専用アプリケーションに適した低コストインターフェイスに組み込むことができる。だいたい2個、5個、10個、20個、40個、またはそれ以上のエミッタおよび検出器が、アレイに存在している場合もある。背景放射および雑音を抑えるために、検出器には光学または電子フィルタ手段が備えられてもよい。
【0007】
トランスデューサは、ハウジング内に配置されることができ、ハウジングは、エミッタの駆動、検出器からの信号の受信、および受信された信号の処理に関連付けられた電子機器をさらに含む。トランスデューサは、このハウジング内に、直線パターン、二次元パターン、三次元パターン、または他の任意の適した構成で配置されることができる。ハウジングは、コンピュータモニタや家具類など、他の何らかの機器の一部を形成したり、壁、天井、ドアフレームなど、建物の構造の一部を形成することもできる。トランスデューサのレイアウトパターンは、トランスデューサを取り付ける状況によって左右され得る。
【0008】
検出空間内から検出器によって受信された信号を、復号して、その信号が発せられたエミッタを識別することができるように、トランスデューサを、その関連する電子機器によって制御することができる。この制御は、発せられた信号の変調の形態、またはエミッタによって生成された信号の周波数を、エミッタごとに異なるように構成する変調の形態をとることができる。変調は、パルス変調、パルス符号変調、周波数変調、振幅変調の形態、または他の任意の適した変調の形態をとることができる。
【0009】
制御電子機器は、ユーザによって行われたジェスチャを示す特定のリターンを探すために、検出器によって受信された信号を解釈するように構成されることができる。ジェスチャは、ユーザが、例えばユーザの手などのオブジェクトを所与の方向または方法で検出空間内に配置し、または検出空間内で動かすことから成ることができる。例えば、ユーザが、手をトランスデューサの上方で左から右に、または右から左に動かす場合がある。また、ジェスチャは、足や頭の動きなど、他の動きから成る場合もある。制御電子機器は、検出器から受信した信号を、それぞれコンピュータマウスまたはジョイスティックを右に動かす(またはマウスを右クリックする)のに相当する、またはコンピュータマウスまたはジョイスティックを左に動かす(またはマウスを左クリックする)のに相当すると解釈するようにプログラムされ、次いでマウスの動きまたはマウスボタンのクリックによって生成されるのと同様に、コンピュータシステムにデータを入力するように構成されることができる。このように、本発明のジェスチャインターフェイスは、マウスのボタンの代わりに、コンピュータシステムで使用することができる。システムの使用を容易にするために、可視または音響のフィードバックを提供することができる。
【0010】
当然、検出器によって受信された信号を処理する電子制御システムは、異なるジェスチャを分析することができるというという条件で、これより複雑なジェスチャを、本発明のインターフェイスによって解釈することができる。電子制御システムは、わずかなジェスチャを認識する基本的なシステムとすることができ、または多数のジェスチャを認識すべき場合、またはジェスチャが互いに微妙に異なっている場合、複雑なシステムとすることができる。検出器から受信された信号に関連する情報は、インターフェイスに入力されるジェスチャを区別するようにプログラムされたニューラルネットワークシステムへの入力を提供することができる。
【0011】
トランスデューサは、検出空間内のオブジェクトの範囲または位置を測定するように構成されることができ、したがってより複雑なジェスチャを分析することができる。これは、受信された信号から復号された任意の変調の位相比較、または送信された信号自体の相対強度などの標準技術を使用して行うことができる。超音波トランスデューサが使用される場合、飛行時間の測定を範囲の測定に使用することができる。また、トランスデューサは、トランスデューサレイの平面に平行な平面上の検出空間内のオブジェクトの位置を測定するように構成されることもできる。これによって、オブジェクトの位置は、ジェスチャ情報の一部を形成することができる。オブジェクトが位置間を移動するのにかかる時間、すなわち速度も、ジェスチャ情報の一部を形成することができる。
【0012】
インターフェイス装置は、ユーザから入力されたジェスチャを学習するように構成されることができ、さらに、特定のコマンドをジェスチャに関連付けるように構成されることができ、したがって所与のジェスチャに関連付けられているコマンドを、ユーザによって望まれるようにプログラムし直すことができる。
【0013】
上述の実装の代替として、トランスデューサ構成は、少なくとも2つのエミッタおよび少なくとも1つの検出器を含むことができる。検出空間内のオブジェクトは、オブジェクトの所与の瞬間の位置および速度に従って、エミッタのうちの1つまたは複数から少なくとも1つの検出器に1つまたは複数の信号を反射することができる。オブジェクトによって行われたジェスチャを検出するために、受信された1つまたは複数の信号を、上述のように解釈することができる。
【0014】
本発明の第2の態様によれば、ホストコンピュータシステムの入力信号を生成する方法が提供され、この方法は、
少なくとも1つのエミッタを使用して少なくとも1つの信号を検出空間内に送信し、かつ少なくとも1つの検出器を使用して少なくとも1つの信号を検出空間から受信するステップと、
受信された任意の信号を電子制御システムに渡すステップと、
電子制御システムで動きのパターンを検出するステップと、
検出されたパターンに応じる方法で、ホストコンピュータシステムと通信するステップとを含む。
【0015】
次に、一例にすぎないが下記の図面を参照して、本発明をより詳しく説明する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0016】
図1は、USBケーブル4を介して、コンピュータシステム3に接続されるハウジング2に取り付けられたトランスデューサ1のアレイを含む、本発明の第1の実施形態を示している。また、コンピュータシステム3には、標準マウス5およびキーボード6も接続される。トランスデューサ1は、「T」型に構成されており、それぞれハウジング2内に含まれる制御電子機器(図示せず)と通信する。各エミッタトランスデューサは、それ自体の検出器トランスデューサと結合され、トランスデューサの対を形成している。エミッタは、適切に通電されると、実質的にコリメートされたビームのIR放射を生成し、検出器は、こうした放射に反応する。検出器は、エミッタによって送信された波長以外の波長の強度が低減されて、背景雑音を抑えるように、光学フィルタを備えている。制御電子機器(図示せず)は、エミッタを駆動し、検出器によって受信された信号を処理し、ジェスチャがシステムに入力されているかどうかを検出し、入力されている場合はそのジェスチャが何であるかを検出するために信号を分析するように構成されている。
【0017】
Bluetoothや赤外線などの無線インターフェイスを使用して、センサユニットをコンピュータシステムにリンクしたり、他の任意の適切な手段を使用して、この接続を実施することができる。
【0018】
ジェスチャが識別されると、ジェスチャに関連付けられているコマンドは、USBケーブル4を介してコンピュータシステム3に伝えられ、コンピュータシステム3で稼働しているソフトウェアは、当然コマンドは異なっていてもよいが、コマンドが、マウス5またはキーボード6などの標準データ入力装置によって送信された場合と同じように、コマンドに適したように動作する。
【0019】
図2は、本発明の第1の実施形態の操作を示すブロック図である。エミッタ側のトランスデューサに関連付けられている回路は、点線エリア7内に示されており、一方、検出器、ジェスチャ認識装置、およびコンピュータインターフェイスに関連付けられている回路は、図の残りの部分10に示されている。
【0020】
エミッタ8は、IRエネルギーを検出空間9まで送信するように構成される赤外線(IR)LEDを含む。IR LED自体は、エミッタドライバ回路11によって標準の方法で駆動される。
【0021】
検出器のアレイは、検出空間の近くからIR放射を受信するように構成されている。これらの検出器13は、受信された信号をアナログ信号処理回路14に提供し、次いでアナログデジタル変換器(ADC)14に提供する。アナログデジタル変換器(ADC)14は、次いで、ジェスチャ認識エンジン16に接続される。エンジン16は、訓練段階中に、インターフェイスに入力されたジェスチャに関連する信号を格納するジェスチャライブラリ17からも入力を取得する。コマンド生成器18は、エンジン16から出力を取得し、コンピュータインターフェイス19に接続される。
【0022】
インターフェイスの操作は、次の通りである。IRエネルギーは、エミッタ8によって、トランスデューサレイの真上に配置される検出空間9に送信される。検出空間に存在するオブジェクトは、信号をトランスデューサに反射し返す傾向にあり、信号が検出器13によって検出される。受信された信号の相対強度は、どのトランスデューサにオブジェクトが最も近いかの粗いインジケータとして使用することができ、これにより、オブジェクトの位置の粗い指示が提供される。検出された任意の信号は、アナログ信号処理およびADC14に渡され、増幅され、その後の処理を容易にするために、デジタル形式に変換される。そこから、デジタル信号は、ジェスチャ認識エンジン16に入力される。このエンジン16は、受信された信号を、訓練プロセス中に生成された格納されている信号と比較する。現在の入力の組と格納されている入力の組との間に、十分近い一致があった場合、現在の入力信号に最も近い格納されている信号に対応するジェスチャが、行われたジェスチャであると想定される。次いでこのジェスチャに関連する詳細は、コマンド生成器に送信される。コマンド生成器は、格納されているジェスチャを、ホストコンピュータ(図1のアイテム3)によって認識可能な所与のコマンドに関連付けるルックアップテーブルである。このコマンドは、次いで、コンピュータインターフェイス19によってコンピュータ3に送信される。
【0023】
この実施形態に関連付けられている訓練プロセスは、次のように動作する。ホストコンピュータ3で稼働し、ジェスチャ学習コマンド関連ユニット20の制御下にあるソフトウェアを介して訓練モードを入力すると、ジェスチャのサンプルは、検出空間内において作成され、例えば「RIGHT MOVEMENT」など、ユーザによって適切に注釈が付けられる。これらのサンプルによって生成されたデジタル信号は、次いでジェスチャライブラリに格納される。次いで、ホストコンピュータに提示されるコマンドの選択から選択することによって、ジェスチャに関連付けられるコマンドが、コンピュータに入力される。このプロセスは、様々なジェスチャについて繰り返され、データは同様に格納され、したがって、ジェスチャおよび関連のコマンドのテーブルが構築される。
【0024】
第1の実施形態は、Kreysig, E, Advanced Engineering Mathematics, 8th Ed,Wileyで言及されているものなど、知られている方法を使用して、現在の入力データを、ジェスチャライブラリに格納されているジェスチャデータと相関させ、相関距離が最も低いジェスチャが、ユーザによって行われたと最も考えられるジェスチャとして選択されるジェスチャ認識エンジンを使用する。また、最低相関距離がこの閾値より大きい場合、ジェスチャは選択されないような、最大相関距離閾値もある。このように、ジェスチャの誤った認識が低減され、システムの信頼性が向上する。
【0025】
第2の実施形態は、上述の形式のジェスチャライブラリが不要である、より複雑なジェスチャ認識システムを使用する。このシステムは、ニューラルネットワークを使用して、検出器から入力されたデータを分析し、ジェスチャのライブラリから最も考えられるジェスチャを予測し、コマンドをそのジェスチャに関連付けられているホストコンピュータに出力する。したがってこの第2の実施形態は、さらに多くのジェスチャを、第1の実施形態に使用するメモリスペースと同等のメモリスペースに格納することができる。本発明を実施するのに適したニューラルネットワーク技術の詳細は、Kohonen,T、“Self Organisation & Associative Memory”,3rd Edition, Berlin Germany, 1989, Springer Verlagに見出されることができる。
【0026】
図3に、上述の実施形態で使用されるようなエミッタおよび検出器の対の構成が、示されている。ここでは、明瞭にするために、4つのエミッタ検出器の対100のみが示されているが、当然、実際にはそれより多くてもよい。各対100のエミッタ101は、システムの他のすべてのエミッタの中でそのエミッタに一意のPCMコードで変調される、実質的にコリメートされたIRビーム103を出力する。次いで、システムが、異なるエミッタからの信号を区別することができるように、検出器によって受信された信号を、復調することができる。これは、検出空間内のオブジェクトの位置をより正確に識別するのに有用である。IRビームのコリメーションによって、1つのエミッタからの信号が、そのエミッタに関連付けられていない検出器によって捕捉される機会が低減するため、復調プロセスがより簡単になる。
【0027】
本発明の第4の実施形態は、上述の実施形態に記載されている方法より簡単な方法で、検出器から受信された信号を処理する。この実施形態は、検出器から受信された信号をデジタル化し、それらを復調して、発せられた信号に適用される変調を取り除いた上で、このデータをホストコンピュータシステムに渡す。次いでホストコンピュータは、データの簡単な分析を行って基本的なパターンを抽出する。例えば、この実施形態が、図3のハードウェアシステムで実施される場合、検出空間を通る人の手の左から右への動きは、トランスデューサ100からの応答、次いでトランスデューサ100aからの応答、トランスデューサ100bからの応答、トランスデューサ100cからの応答を提供する。これは、各トランスデューサの出力の時間の比較によって容易に識別できる方法で、デジタル化された信号に反映される。同様に、右から左への動きは、対応するが、トランスデューサからの時間的に逆の応答を提供する。
【0028】
図4aおよび図4bは、本発明とともに使用することができる2つのジェスチャを示している。図4aは、本発明による、ユーザがインターフェイス上方で手を右から左に移動させる平面図を示している。このジェスチャがホストコンピュータで稼働しているコンピュータプログラムで行うこのアクションは、上述のようにプログラム可能であるが、例えば、マウスの右クリックに対応させることができる。図4bは、ユーザが、手をインターフェイスから離して垂直方向に上向きに上げる、第2のジェスチャを示している。この場合もまた、このジェスチャは、プログラム可能であるが、一般には、例えばグラフィカル表示プログラムのズーム率を制御するために使用することができる。
【0029】
他のジェスチャを、上述のジェスチャとの組み合わせで使用したり、またはインターフェイスによって認識可能な他の任意のジェスチャとの組み合わせで使用することができる。例えば、ユーザのジェスチャの終わりの一時停止、またはそのジェスチャに続く第2の手の動きは、マウスボタンのクリックとして、またはコンピュータキーボード上の「Enter」ボタンを押すのと同等として解釈されるようにプログラムすることができる。あるいは、このインターフェイスは、追加の機能要素、例えば電子ボタンまたは音声入力などと組み合わせて、コンピュータのマウスボタンの機能を達成することができる。
【0030】
有利には、コンピュータシステムは、ジェスチャが認識されていることを示す、あるいは、ジェスチャが認識されておらず、そのため繰り返す必要があることを示すために、可視または可聴のフィードバックを提供するように構成されることができる。例えば、緑色光を使用して、動きが、現在解釈の過程であることを示すことができる。例えば、動きの一時停止によって示されるジェスチャの終了のたびに、ジェスチャが認識されたか、反復が必要であるかを示すために、光は、色を変更するよう構成されることができる。
【0031】
当業者であれば、本発明の範囲内の他の実施形態を思い付くことができ、したがって本発明は、本明細書に記載したような実施形態に限定されるものではない。例えば、本発明は、汎用コンピュータシステムで使用されるものとして示されているが、ゲームコンソール、コンピュータ支援設計システム、屋内電気器具、公的な情報システム、アクセス制御機構、および他のセキュリティシステム、ユーザ識別または他の任意の適したシステムなどの専用コンピュータ機器で使用することもできる。
【図面の簡単な説明】
【0032】
【図1】コンピュータシステムに接続されている本発明の第1の実施形態を示す図である。
【図2】第1の実施形態およびコンピュータシステムへのその接続を示すブロック図である。
【図3】本発明の第3の実施形態におけるトランスデューサ構成を示す図である。
【図4a】本発明とともに使用することができる一般のジェスチャを示す図である。
【図4b】本発明とともに使用することができる一般のジェスチャを示す図である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも1つのエミッタおよび少なくとも2つの検出器を含む複数のトランスデューサを備える、ユーザによって行われるジェスチャを検出するヒューマンコンピュータインターフェイス装置であって、検出器が、少なくとも1つのエミッタによって送信され、かつトランスデューサの近くの検出空間内のオブジェクトから反射される信号を検出し、検出された信号に関する情報を電子制御システムに渡すように構成され、信号に関する情報が、検出空間内のオブジェクトの動きに関するパターンを検出するために処理されるように構成され、電子制御システムが、検出されたパターンによって規定された方法で、ホストコンピュータシステムと通信するように構成されることを特徴とするヒューマンコンピュータインターフェイス装置。
【請求項2】
少なくとも2つのエミッタおよび少なくとも1つの検出器を含む複数のトランスデューサを備える、ユーザによって行われるジェスチャを検出するヒューマンコンピュータインターフェイス装置であって、検出器が、少なくとも2つのエミッタによって送信され、かつトランスデューサの近くの検出空間内のオブジェクトから反射される信号を検出し、検出された信号に関する情報を電子制御システムに渡すように構成され、信号に関する情報が、検出空間内のオブジェクトの動きに関するパターンを検出するために処理されるように構成され、電子制御システムが、検出されたパターンによって規定された方法で、ホストコンピュータシステムと通信するように構成されることを特徴とするヒューマンコンピュータインターフェイス装置。
【請求項3】
電子制御システムが、ホストコンピュータ内に実装される、請求項1または2に記載のヒューマンコンピュータインターフェイス。
【請求項4】
各トランスデューサが、検出器およびエミッタを含む、請求項1から3のいずれか一項に記載のヒューマンコンピュータインターフェイス。
【請求項5】
トランスデューサが、線形アレイに配置される、請求項1から4のいずれか一項に記載のヒューマンコンピュータインターフェイス。
【請求項6】
トランスデューサが、二次元アレイに配置される、請求項1から4のいずれか一項に記載のヒューマンコンピュータインターフェイス。
【請求項7】
トランスデューサが、三次元アレイに配置される、請求項1から4のいずれか一項に記載のヒューマンコンピュータインターフェイス。
【請求項8】
各エミッタから送信された信号が、他のエミッタによって送信された信号とは異なる少なくとも1つの特徴を有するように構成される、請求項1から7のいずれか一項に記載のヒューマンコンピュータインターフェイス。
【請求項9】
所与の瞬間に、各エミッタが、前記所与の瞬間に他の任意のエミッタによって使用されていない周波数で信号を送信するように構成される、請求項8に記載のヒューマンコンピュータインターフェイス。
【請求項10】
各エミッタが、他の任意のエミッタで使用される変調信号とは異なる変調信号で変調される、請求項8または9に記載のヒューマンコンピュータインターフェイス。
【請求項11】
必ずしもすべてのエミッタが所与の瞬間に信号を発しないように、エミッタが、パルス変調されるように構成される、請求項8に記載のヒューマンコンピュータインターフェイス。
【請求項12】
単一のエミッタのみが所与の瞬間に信号を発するように、エミッタが、パルス変調されるように構成される、請求項8に記載のヒューマンコンピュータインターフェイス。
【請求項13】
トランスデューサが、超音波トランスデューサである、請求項1から12のいずれか一項に記載のヒューマンコンピュータインターフェイス。
【請求項14】
トランスデューサが、赤外線トランスデューサである、請求項1から8のいずれか一項に記載のヒューマンコンピュータインターフェイス。
【請求項15】
ヒューマンコンピュータインターフェイスが、トランスデューサと検出空間内のオブジェクトとの間の分離距離を検出するように構成される、請求項1から14のいずれか一項に記載のヒューマンコンピュータインターフェイス。
【請求項16】
ホストコンピュータシステムの入力信号を生成する方法であって、
少なくとも1つのエミッタを使用して少なくとも1つの信号を検出空間内に送信し、かつ少なくとも1つの検出器を使用して少なくとも1つの信号を検出空間から受信するステップと、
受信された任意の信号を電子制御システムに渡すステップと、
電子制御システムで動きのパターンを検出するステップと、
検出されたパターンに応じる方法で、ホストコンピュータシステムと通信するステップとを含む方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4a】
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【図4b】
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【公表番号】特表2007−503653(P2007−503653A)
【公表日】平成19年2月22日(2007.2.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−530485(P2006−530485)
【出願日】平成16年5月12日(2004.5.12)
【国際出願番号】PCT/GB2004/002022
【国際公開番号】WO2004/102301
【国際公開日】平成16年11月25日(2004.11.25)
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.Bluetooth
【出願人】(501352882)キネテイツク・リミテツド (93)