説明

非接触リーダライタ

【課題】リーダライタ本体の設置方向に関係なく、利用者が表示手段に表示された画像を常に認識し易くすることのできる非接触リーダライタを提供する。
【解決手段】記録媒体からのデータの読み取り及び当該記録媒体へのデータの書き込みを非接触で行う非接触リーダライタであって、リーダライタ本体の前面に配置され、画像を表示する表示手段11と、前記前記リーダライタ本体の設置角度を検出する傾斜センサ35と、傾斜センサ35の検出結果に基づいて表示手段11に表示される画像を変更制御する制御手段20と、を備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、商品やサービスの広告情報が提供される多数の場所(例えば、店舗内外、キャンペーン会場内、駅構内等)に設置され、RFID(Radio Frequency Identification)等から成るIC(Integrated Circuit)タグ、ICカード、ICチップが搭載された携帯機器等の記録媒体に記録された情報を非接触にて読み取り、又は書き込む非接触リーダライタの技術分野に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、携帯電話機の普及に伴い、商品やサービスの情報を電子メールにて配信するといった情報提供システムが普及している。特に最近では、商品やサービスの情報の中でも利用者が特に興味を持った情報を選別して配信する種々の工夫がなされている。この種の情報提供システムとして、例えば情報管理者は、予め利用者にICタグを配布しておき、商品やサービスのポスター等の広告媒体の背後にICタグに記録されたID(IDentifier)を読み取る非接触リーダライタを備えた端末を屋外や店舗内等に設置し、利用者は興味を持った商品やサービスのポスター等に自己が所有するICタグを翳すことにより、背後に設置された非接触リーダライタによってICタグのIDが読み取られ、ポスター等に告知された広告の詳細な情報や、当該詳細な情報を提供する情報提供サーバのURL(Uniform Resource Locator)が、上記端末から利用者の携帯電話機に電子メールを通じて提供されるシステムがある。
【0003】
ところで、上記非接触リーダライタには、例えば特許文献1に開示された発明がある。この非接触リーダライタは、文字表示を可能とする表示手段を設け、この表示手段に非接触式ICカードが受け付け可能か否かの状態を文字言語あるいは記号にて表示することにより、利用者は、非接触式リーダライタが使用可能であるかどうかを察することができるようにしたものである。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2006−4205号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、上記特許文献1に開示された従来の非接触リーダライタは、表示手段に、単に非接触式ICカードが受け付け可能か否かの状態を文字言語あるいは記号にて表示する構成であるため、リーダライタ本体の設置方向により、利用者にとっては、表示手段に表示された文字言語あるいは記号の上下が逆になる場合がある。その結果、表示手段に表示された画像や文字を利用者が認識しにくいという不具合がある。
【0006】
特に、リーダライタ本体を壁面に取り付けた場合、取付状況によっては表示手段に表示された画像や文字の方向が上下逆になる場合があり、この場合には上記のように画像や文字を利用者が認識しにくいだけでなく、見栄えが悪く、非接触リーダライタとしての商品価値が著しく損なわれるという問題もある。
【0007】
そこで、本発明は上記事情を考慮してなされたもので、リーダライタ本体の設置方向に関係なく、利用者が表示手段に表示された画像を常に認識し易くすることのできる非接触リーダライタを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上述した課題を解決するため、請求項1に記載の発明は、記録媒体からのデータの読み取り及び当該記録媒体へのデータの書き込みを非接触で行う非接触リーダライタであって、リーダライタ本体の前面に配置され、画像を表示する表示手段と、前記リーダライタ本体の設置角度を検出する傾斜センサと、前記傾斜センサの検出結果に基づいて前記表示手段に表示される画像を変更制御する制御手段と、を備えることを特徴とする。
【0009】
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の非接触リーダライタにおいて、前記制御手段は、前記表示手段に表示される画像の上下方向を変更することを特徴とする。
【発明の効果】
【0010】
請求項1に記載の発明によれば、リーダライタ本体の前面に配置され、画像を表示する表示手段と、前記リーダライタ本体の設置角度を検出する傾斜センサと、この傾斜センサの検出結果に基づいて表示手段に表示される画像を変更制御する制御手段とを備えることにより、リーダライタ本体を卓上に設置した場合、壁面に設置した場合、あるいは情報管理者が首から紐で吊り下げた場合でも、表示手段に表示された画像を正しい方向に変更することで、利用者が画像を常に認識し易くすることができる。また、例えば卓上に設置した場合と、壁面に設置した場合及び情報管理者が首から吊り下げた場合とで表示手段に表示される画像の表示内容を変更することもできる。
【0011】
請求項2に記載の発明によれば、表示手段に表示される画像の上下方向を変更することにより、リーダライタ本体が壁面に取り付けられてリーダライタ本体の上下の設置方向が逆になった場合でも、表示手段に表示された画像を正しい方向に変更することで、利用者が画像を常に認識し易くすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】本発明に係る非接触リーダライタの第1実施形態を示す斜視図である。
【図2】図1の縦断面図である。
【図3】図1の側面図である。
【図4】図1の背面図である。
【図5】図1の化粧パネルの裏側を示す斜視図である。
【図6】本発明に係る非接触リーダライタの第1実施形態の制御系を示すブロック図である。
【図7】図6の圧力センサが圧力を検出していない状態を示す正面図である。
【図8】図6の圧力センサが圧力を検出していない状態を示す断面図である。
【図9】図6の圧力センサが圧力を検出した状態を示す正面図である。
【図10】第1実施形態の非接触リーダライタの使用状態を示す斜視図である。
【図11】第1実施形態の非接触リーダライタを壁面に設置した状態を示す斜視図である。
【図12】本発明に係る非接触リーダライタの第2実施形態の制御系を示すブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、図面を参照して本発明を実施するための最良の形態について説明する。
【0014】
なお、以下に説明する実施形態は、記録媒体として例えばICチップが搭載された携帯電話機に記録された情報を非接触にて読み取り、又は書き込む場合の非接触リーダライタに対して本発明を適用した場合の実施の形態である。
【0015】
(第1実施形態)
図1は本発明に係る非接触リーダライタの第1実施形態を示す斜視図、図2は図1の縦断面図、図3は図1の側面図、図4は図1の背面図、図5は図1の化粧パネルの裏側を示す斜視図である。
【0016】
なお、図1〜図4は、リーダライタ本体を卓上に設置した状態であり、図1〜図4においては、右側を上側とし、左側を下側として説明する。また、電源ケーブルは、図2のみに示し、他の図面では省略している。
【0017】
図1〜図4に示すように、リーダライタ本体1は、全体が幅58mm、長さ108mm、高さ45mmである。また、リーダライタ本体1は、箱状に形成された筐体2を有し、この筐体2は、図2に示すように両側面を構成しそれぞれの上辺が傾斜して形成された側面板3,3と、筐体2の蓋板を構成する背面板4と、この背面板4の右側(上側)の端部に固定部材7aにより固定された係止板5と、背面板4の左側(下側)の端部に固定部材7bにより固定された係止板6とを備えている。
【0018】
ここで、側面板3,3は、それぞれ筐体2の蓋板を構成する背面板4より背面側(下方)に同一の高さで延びており、これにより側面板3,3及び背面板4により筐体2の背面側に凹部8を形成している。また、背面板4は、図4に示すように中央に壁面取付用の取付部としての開口部4a及び切欠部4cが形成され、これら開口部4a及び切欠部4cは、予め壁面に取り付けられた掛止ねじ等の掛止手段を用いて壁面に掛けて使用する場合に用いられる。
【0019】
筐体2の上部開口には、前面板としての化粧パネル9が取り付けられ、その上部開口が化粧パネル9によって覆われる。この化粧パネル9は、右(上)端が折曲して形成される一方、左(下)端が湾曲して形成されている。化粧パネル9は、右(上)端が取付部材としての取付ねじ10aにより係止板5に取り付けられる一方、左(下)端が取付部材としての取付ねじ10bにより係止板6に取り付けられる。
【0020】
化粧パネル9は、これらの取付ねじ10a,10bを取り外すことにより、筐体2から取り外すことができる。すなわち、化粧パネル9は、取付ねじ10a,10bにより筐体2に対して着脱可能に構成されている。また、化粧パネル9は、筐体2の側面板3の上辺が傾斜して形成されているため、筐体2に取り付けられた際、傾斜して取り付けられる。これにより、リーダライタ本体1の前面は、傾斜して形成されることになる。
【0021】
さらに、化粧パネル9は、図5に示すように透光性を有する材料から構成され、その裏面の印刷範囲において色柄や模様等の印刷部9aが施されるとともに、後述する面発光パネルに接合する部分が非印刷範囲となり、透光性を有する透光部9bとなる。
【0022】
化粧パネル9の透光部9bには、ICチップが搭載された携帯電話機を利用者が翳すための翳し部となる表示手段の一例としてのディスプレイ11が当接して配置されている。このディスプレイ11は、本実施形態では図1に示すように例えば携帯電話機の画像11aが液晶表示されている。
【0023】
一方、筐体2内には、図2に示すように後述するCPU,RAM,ROM等を搭載した制御基板12が設置され、この制御基板12の左右(上下)両端近傍にそれぞれ複数個のLED(Light-Emitting Diode)13が取り付けられ、その上方に反射板14a,14bが配置されている。そして、筐体2内におけるディスプレイ11の背面側には、例えば長さ55mmのアンテナ15が設置されている。
【0024】
ここで、本実施形態において、背面板4、係止板5,6、固定部材7a,7b及び反射板14a,14bは、それぞれ別部材により製作し、互いに接着により一体としたが、これに限らずこれらを金型により一体に成型するようにしてもよい。
【0025】
また、制御基板12は、電源ケーブル16の一端が接続され、この電源ケーブル16の他端は、背面板4に形成された連通孔4bを通してリーダライタ本体1の外部に延びて後述する電源17に接続されている。
【0026】
次に、本実施形態の制御系の構成を説明する。図6は本実施形態の制御系の構成を示すブロック図である。
【0027】
図6に示すように、制御基板12には、LED13、制御手段としてのCPU20、RFIDアンテナ制御回路21、スピーカ22、ROM23及びRAM24が搭載されている。
【0028】
制御基板12に搭載されたCPU20は、上記電源17に接続され、ディスプレイ11、LED13、RFIDアンテナ制御回路21、スピーカ22の各部を制御し、本実施形態では、特にディスプレイ11に表示される画像11aを変更制御するとともに、画像11aの上下方向の向きを変更制御する。
【0029】
RFIDアンテナ制御回路21は、アンテナ15を介してICチップが搭載された携帯電話機との間で情報の読み取り又は書き込みを行う。スピーカ22は、携帯電話機の存在をアンテナ15を介して検知し、その記録された記録情報を読み取る(或いは情報の書き込みを行う)と、所定の音声を放音して、情報の読み取った(或いは書き込んだ)ことを利用者に知らせるようになっている。
【0030】
ROM23には、CPU20の処理プログラムが予め記録されており、本実施形態では、リーダライタ本体1が壁面に取り付けられた場合にディスプレイ11に表示される画像11aの上下方向を変更する処理プログラムが予め記録されているとともに、予め表示画像データも記録されている。この表示画像データとは、例えば正向き画像データ(第1の画像データ)、逆向き画像データ(第2の画像データ)である。RAM24は、検出手段の一例である圧力センサ25の検出情報等の各種情報を一時記録する。なお、ディスプレイ11に表示される画像11aの表示画像データは、上記のようにROM23に予め記憶しておく以外に、図示しない外部メモリに予め記憶しておいてもよい。
【0031】
次に、圧力センサ25の構造を図7〜図9に基づいて説明する。
【0032】
図7及び図9は図4の背面板を内側から見た状態を示し、図7及び図8は圧力センサが圧力を検出していない状態を示す正面図,断面図であり、図9は圧力センサが圧力を検出した状態を示す正面図である。
【0033】
図7及び図8に示すように、圧力センサ25は、背面板4の内面に設置され、回動軸26と、この回動軸26に固定され、当該回動軸26から背面板4の開口部4aの切欠部4cを横切る長さを有する棒状の回動子27とを備えている。これら回動軸26又は回動子27には、図示しないストッパが取り付けられ、このストッパにより回動子27が図7に示す位置から反時計方向に回動するのを阻止している。また、回動軸26には、図示しないばねが取り付けられ、回動子27が押圧されて所定の角度を回動し、その押圧力を解除すると、上記ばねの付勢力により回動子27は図7に示す位置に戻るように構成されている。
【0034】
一方、図7及び図8に示すように壁面Wには掛止ねじ28が取り付けられており、この掛止ねじ28に開口部4aを挿し込み、図9に示すようにリーダライタ本体1を下方に押し下げて掛止ねじ28が切欠部4cに嵌り込むようにすると、圧力センサ25の回動子27が上記ばねの付勢力に抗して時計方向に所定の角度回動して圧力センサ25が検出(ON)状態になる。そして、この圧力センサ25が検出(ON)状態になると、ディスプレイ11に表示される画像11aの上下方向の向きが図7から図9に示すように反転(変更)するように切り替えられる。
【0035】
また、リーダライタ本体1を上方に押し上げ、掛止ねじ28に対して切欠部4cから開口部4aを経て取り外すと、上記ばねの付勢力により圧力センサ25の回動子27が反時計方向に所定の角度回動して圧力センサ25が非検出(OFF)状態になる。そして、この圧力センサ25が非検出(OFF)状態になると、ディスプレイ11に表示される画像11aの上下方向の向きが図7に示すように反転(変更)するように切り替えられて元の表示状態に戻る。
【0036】
次に、本実施形態の作用を説明する。
【0037】
図10に示すように、ICチップが搭載された携帯電話機30を卓上に設置されたリーダライタ本体1に対して所定距離(10cm程度)内に近づくように翳すと、その携帯電話機30の存在をアンテナ15を介して検知し、その記録された記録情報を読み取る(或いは情報の書き込みを行う)。
【0038】
すると、複数個のLED13が点灯し、その光が反射板14a,14bでそれぞれ光軸を変えてディスプレイ11の側面から入射し、そのディスプレイ11を面発光させて情報を読み取ったこと、あるいは書き込んだことを利用者に知らせるようになっている。ここで、ディスプレイ11には、例えば携帯電話機の画像11aが表示されており、LED13を点灯させると、その画像11aが発光しているように表示される。
【0039】
ところで、本実施形態では、図4に示すように背面板4に開口部4a及び切欠部4cが形成され、これら開口部4a及び切欠部4cを用いてリーダライタ本体1を図8に示す壁面Wに取り付けられた掛止ねじ28等の掛止手段に掛止する。この場合、図1に示すように下側が低い状態のままのリーダライタ本体1を壁面Wに取り付けると、利用者が携帯電話機30をディスプレイ11に翳しにくくなる。そのため、本実施形態では、リーダライタ本体1の上下の設置方向を変えてリーダライタ本体1の上側を低い状態とすることで、利用者が携帯電話機30をディスプレイ11に翳しやすくしている。
【0040】
また、図8に示すように壁面Wに取り付けられた掛止ねじ28に開口部4aを挿し込み、図9に示すようにリーダライタ本体1を下方に押し下げて掛止ねじ28が切欠部4cに嵌り込むようにすると、圧力センサ25の回動子27が上記ばねの付勢力に抗して時計方向に所定の角度回動して圧力センサ25が検出(ON)状態になる。
【0041】
そして、この圧力センサ25が検出(ON)状態になると、この検出信号をCPU20に送出する。CPU20は、圧力センサ25の検出信号を得て、ディスプレイ11に表示される画像の上下方向の向きが図9に示すように反転(変更)するように切り替える。これにより、リーダライタ本体1の上下の設置方向を変えた場合でも、図11に示すようにディスプレイ11に表示される画像11aも上下反転させることができ、見栄えがよくなる。
【0042】
このように本実施形態では、例えば圧力センサ25の出力の変化によりCPU20に割り込み処理を行わせるようにしている。つまり、CPU20は、圧力センサ25の出力が変化するまでディスプレイ11に通常画像(第1の画像)を表示させていれば、次は反転画像(第2の画像)を書き込み、そうでなければその逆を行うようにしている。
【0043】
また、CPU20は、この制御とは異なり、制御プログラムが常時圧力センサ25の信号入力ポートを監視していて、圧力センサ25がON状態であるならば反転画像(第2の画像)を表示メモリに書き込み、OFF状態であるならば通常画像(第1の画像)を表示メモリに書き込み、この動作を所定の時間間隔で繰り返し行うようにしてもよい。
【0044】
一方、リーダライタ本体1を壁面Wから取り外す場合には、リーダライタ本体1を上方に押し上げ、掛止ねじ28に対して切欠部4cから開口部4aを経て取り外すと、上記ばねの付勢力により圧力センサ25の回動子27が反時計方向に所定の角度回動して圧力センサ25が非検出(OFF)状態になる。
【0045】
そして、この圧力センサ25が非検出(OFF)状態になると、ディスプレイ11に表示される画像の上下方向の向きが図7に示すように反転(変更)するように切り替えられて元の表示状態に戻る。これにより、リーダライタ本体1を卓上に設置する場合でも、図1に示すように下側が低い状態のままとなり、利用者が携帯電話機30をディスプレイ11に翳しやすく、また利用者が非接触リーダライタの存在を確実かつ容易に認識することができる。
【0046】
このように本実施形態によれば、リーダライタ本体1の前面に配置され、画像を表示するディスプレイ11と、リーダライタ本体背面に設けられた壁面W取付用の開口部4a及び切欠部4cと、これら開口部4a及び切欠部4cによりリーダライタ本体1が壁面Wに取り付けられたことを検出する圧力センサ25と、壁面Wに取り付けられたことを検出した場合に、ディスプレイ11に表示される画像11aを変更制御するCPU20とを備えることにより、壁面Wに設置してリーダライタ本体1の上下の設置方向が逆になった場合でも、ディスプレイ11に表示された画像11aを正しい方向に変更することで、利用者が画像11aを常に認識し易くすることができる。
【0047】
また、本実施形態によれば、ディスプレイ11に表示される画像11aの上下方向を変更することにより、リーダライタ本体1が壁面Wに取り付けられてリーダライタ本体1の上下の設置方向が逆になった場合でも、ディスプレイ11に表示された画像11aを正しい方向に変更することで、利用者が画像11aを常に認識し易くすることができる。
【0048】
さらに、本実施形態によれば、リーダライタ本体1は、箱状に形成された筐体2と、この筐体2に取付ねじ10a,10bにより取り付けられた化粧パネル9とを備え、この化粧パネル9を取付ねじ10a,10bにより筐体2に対して着脱可能としたことにより、化粧パネル9に色柄が施されており、当該色柄を変更する場合、取付ねじ10a,10bを取り外して化粧パネル9を他の色柄の化粧パネルと交換して取り付けることで、化粧パネル9を色柄の異なるものに変更することができる。
【0049】
そして、本実施形態によれば、筐体2の設置面側に電源ケーブル16の引出し用の凹部8を形成したことにより、リーダライタ本体1の上下の設置方向が逆になった場合でも、電源ケーブル16を凹部8を通して引き出すことで、電源ケーブル16の引き回し部分がリーダライタ本体1の周囲に露出することがなくなり、携帯電話機20を面発光パネル11に翳すときに電源ケーブル16が邪魔になるのを回避することができる。
【0050】
なお、本実施形態では、リーダライタ本体1を壁面Wに取り付けられたことを圧力センサ25により検出するようにしたが、これに限定されることなく、例えば通常のリミットスイッチ等の検出手段により検出するようにしてもよい。
【0051】
また、本実施形態では、背面板4に壁面取付用の取付部として開口部4aを形成したが、これとは逆に背面板4に取付部としてのフックを取り付け、壁面Wに当該フックが掛止される部材を予め設けるようにしてもよい。
【0052】
(第2実施形態)
図12は本発明に係る非接触リーダライタの第2実施形態の制御系を示すブロック図である。
【0053】
なお、前記第1実施形態と同一又は対応する部分には同一の符号を付し、前記第1実施形態と異なる構成及び作用のみを説明する。
【0054】
前記第1実施形態では、検出手段として圧力センサ25を用いたが、本実施形態では、圧力センサ25に代えて図12に示すように傾斜センサ35を使用している。この傾斜センサ35は、リーダライタ本体1の傾斜角度が所定角度に達すると、オン、オフ状態をスイッチング出力する機能を備えている。
【0055】
また、ROM23には、CPU20の処理プログラムが予め記録されており、本実施形態では、リーダライタ本体1の設置角度が所定角度になったときにディスプレイ11に表示される画像11aの表示内容を変更したり、リーダライタ本体1が壁面に取り付けられた場合にディスプレイ11に表示される画像11aの上下方向を変更する処理プログラムが予め記録されているとともに、予め表示画像データも記録されている。この表示画像データとは、例えば正向き画像データ(第1の画像データ)、逆向き画像データ(第2の画像データ)である。
【0056】
次に、本実施形態の作用を説明する。
【0057】
リーダライタ本体1が卓上に設置された状態から情報管理者がリーダライタ本体1を首から紐で吊り下げた場合、傾斜センサ35が検出(ON)状態になる。この傾斜センサ35が検出(ON)状態になると、この検出信号をCPU20に送出する。CPU20は、傾斜センサ35の検出信号を得て、ディスプレイ11に表示される画像の上下方向の向きが図9に示すように反転(変更)するように切り替える。これにより、リーダライタ本体1を首から紐で吊り下げて上下の設置方向を変えた場合でも、図11に示すようにディスプレイ11に表示される画像11aも上下反転させることができる。
【0058】
このように本実施形態によれば、リーダライタ本体1の設置状態をリーダライタ本体1の設置角度に基づいて傾斜センサ35により検出し、この傾斜センサ35の検出結果に基づいてディスプレイ11に表示される画像11aをCPU20により変更制御することにより、リーダライタ本体1を卓上に設置した場合、壁面Wに設置した場合、あるいは情報管理者が首から紐で吊り下げた場合でも、ディスプレイ11に表示された画像11aを正しい方向に変更することで、利用者が画像11aを常に認識し易くすることができる。また、例えば卓上に設置した場合と、壁面Wに設置した場合及び情報管理者が首から吊り下げた場合とでディスプレイ11に表示される画像11aの表示内容を変更することもできる。
【0059】
なお、本発明は上記各実施形態に限定されることなく、種々の変更が可能である。例えば、上記実施形態では、記録媒体としてICチップが搭載された携帯電話機30を用いた例について説明したが、これに限らずRFID等から成るICタグ、ICカードのような他の記録媒体に対しても適用可能である。
【符号の説明】
【0060】
1 リーダライタ本体
2 筐体
3 側面板
4 背面板
4a 開口部(取付部)
4c 切欠部(取付部)
5 係止板
6 係止板
7a,7b 固定部材
8 凹部
9 化粧パネル
10a,10b 取付ねじ
11 ディスプレイ(表示手段)
12 制御基板
13 LED
14a,14b 反射板
15 アンテナ
16 電源ケーブル
20 CPU(制御手段)
21 RFIDアンテナ制御回路
22 スピーカ
23 ROM
24 RAM
25 圧力センサ(検出手段)
26 回動軸
27 回動子
28 掛止ねじ
30 携帯電話機
35 傾斜センサ(検出手段)
W 壁面

【特許請求の範囲】
【請求項1】
記録媒体からのデータの読み取り及び当該記録媒体へのデータの書き込みを非接触で行う非接触リーダライタであって、
リーダライタ本体の前面に配置され、画像を表示する表示手段と、
前記リーダライタ本体の設置角度を検出する傾斜センサと、
前記傾斜センサの検出結果に基づいて前記表示手段に表示される画像を変更制御する制御手段と、
を備えることを特徴とする非接触リーダライタ。
【請求項2】
請求項1に記載の非接触リーダライタにおいて、
前記制御手段は、前記表示手段に表示される画像の上下方向を変更することを特徴とする非接触リーダライタ。

【図3】
image rotate

【図5】
image rotate

【図7】
image rotate

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図4】
image rotate

【図6】
image rotate

【図8】
image rotate

【図9】
image rotate

【図10】
image rotate

【図11】
image rotate

【図12】
image rotate


【公開番号】特開2013−20628(P2013−20628A)
【公開日】平成25年1月31日(2013.1.31)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−179552(P2012−179552)
【出願日】平成24年8月13日(2012.8.13)
【分割の表示】特願2007−249539(P2007−249539)の分割
【原出願日】平成19年9月26日(2007.9.26)
【出願人】(000002897)大日本印刷株式会社 (14,506)
【Fターム(参考)】