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非接触受信機を検出するための方法
説明

非接触受信機を検出するための方法

【課題】非接触読み取り機のアンテナの磁界の中にある非接触受信機を検出し、いずれの受信機も存在しない、待ち受け段階での電力消費を低減する。
【解決手段】非接触受信機を検出するための方法は、次に示すステップを備える。第1の値の電圧と第2の値の電圧との間のランプ(Fm)と、ランプに続いた、第2の値の電圧におけるプラトー(Pl)とを備えた電圧によって読み取り機のアンテナを励振ステップと、前記プラトーの間にアンテナ応答を測定するステップと、測定した応答と基準応答とを比較するステップと、比較の結果に基づいて、非接触読み取り機のアンテナの磁界の中に受信機が存在するか否かを判定するステップとを備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、RFIDシステムの中で、または非接触通信のために実施される、誘導結合による無線通信に関する。
【背景技術】
【0002】
非接触伝送を利用する応用の例が増加してきている。特に、誘導RFIDタイプの通信システムが開発され、迅速に広まりつつある。これらのシステムは、基地局(または読み取り機)と、識別番号を備えて遠隔で給電される受信機として動作する自律物体とを備えている。受信機は、一般的に、製品に張られる場合にはラベルと呼ばれるか、または人の識別のために設計されている場合には、非接触カードと呼ばれている。
【0003】
上記のようなシステムでは、リンクは、読み取り機と1つ以上の受信機との間の無線周波数磁界によって確立される。この磁界は準静的である。読み取り機の結合デバイスと受信機の結合デバイスとは、導電回路であり、この導電回路は、ループ、巻線またはコイルを含み、これらはアンテナ回路を形成している。電子素子は、アンテナ回路に関連しており、周波数同調、ダンピング、またはインピーダンス整合を実行する機能を有する。
【0004】
図1は、誘導結合を有する、読み取り機1および非接触RFID受信機2の通常の電気的回路図の例である。
【0005】
読み取り機側では、アンテナ回路Aeは、抵抗Reと容量Ceとに直列に接続された等価インダクタンスLeでモデル化することができる。アンテナ回路Aeは、読み取り機の電子回路Peeに接続されている。読み取り機の出力インピーダンスは、抵抗Rceでモデル化することができ、アンテナ回路Aeおよび電源Geに直列に接続されている。
【0006】
受信機側では、アンテナ回路Arは、等価インダクタンスLrでモデル化することができる。アンテナ回路Arは、電子回路Perに接続されている。電子回路は、キャパシタCrを含んでいる。この電子回路の電力消費は、等価インダクタンスLrに並列に接続された抵抗Rrでモデル化することができる。
【0007】
誘導結合は、読み取り機と受信機との間におけるエネルギーの転送を、相互インダクタンスによって誘起する。受信機が読み取り機の十分近傍に置かれたときには、読み取り機のアンテナは、受信機のアンテナと結合される。従って、交流の電圧または起電力が、受信機の中に誘起される。この電圧は整流されて、一般的に受信機の機能を給電するために使用される。
【0008】
受信機から読み取り機へのデータの送信を可能にするために、受信機は、アンテナ回路の端子に現れるインピーダンスを変調する。このインピーダンスの変化は、誘導結合を通して読み取り機によって検出される。誘導型のRFIDシステムに対する設計仕様は、特に標準規格ISO15693、ISO18000−3、およびISO14443の中で規定されている。これらの標準規格は、特に、信号搬送波の周波数を13.56MHzに固定している。ISO18000−2規格は、135kHzよりも低い周波数レベルに信号搬送波を固定している。実際に使用する場合には、読み取り機と受信機との間の通信距離は、比較的に限定され、これらの周波数に対しては、典型的には、約10cmから1mの間にある。
【0009】
読み取り機に対しては、次に示す2つの異なる段階の動作を考えることができる。これらは、
−読み取り機の磁界の中で受信機が識別されたときの通信段階と、
−読み取り機の磁界の中で受信機が識別されていないときの待ち受け段階とである。
【0010】
読み取り機と受信機との間のいずれの通信段階の前にも、読み取り機は、この受信機が自分の通信磁界の中にいることを識別しなければならない。待ち受け段階では、読み取り機は、自分の通信磁界の中に1つ以上の受信機が存在することを識別しようと周期的に試みる。定期的な時間間隔で、所定の時間区間の間、アンテナの共振周波数における正弦波電圧でアンテナを励振することにより、読み取り機の無線周波数磁界を励起する。励起されている時間の間、読み取り機は、標準化されたプロトコルに従って、いくつかの要求を反復して発出する。これらの要求に続いて、読み取り機は、その励起された磁界を維持して、可能な受信機の応答を検出する。受信機の検出を加速するために、磁界は、待ち受け段階の間は、比較的に長いデューティサイクル(例えば、0.25)で励起される。
【0011】
特許文献1は、RFID読み取り機の磁界の中にあるRFIDトランスポンダを検出するための方法を記載している。この方法によれば、RFID読み取り機は、継続時間2μsの電圧パルスを自分のアンテナ端子に印加する。このパルスに続いて、アンテナからの強度応答を測定して、フィルタリングを行う。この応答の減衰速度によって、読み取り機は、自分の磁界の中にトランスポンダが存在するか否かを判定する。特許文献1の中で提供されている例では、RFIDトランスポンダが存在しない場合には、強度応答は、約100励振サイクルに対応して約800μsの減衰時間を示す。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0012】
【特許文献1】欧州特許第0944014号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0013】
エレクトロニクスの種々の分野において、環境問題や自律に対する問題が大きくなっており、開発者たちは、それに駆動されて電力消費の低減に対してより大きな注意を払うようになっている。従って、読み取り機の電力消費を極力低減することが望ましく、特に、いずれの受信機も存在しない、待ち受け段階での電力消費を低減することが望ましい。待ち受け段階における電力消費は、無視できない量である可能性があり、更には、待ち受け段階は、読み取り機の動作時間の主要部分を占める可能性がある。
【課題を解決するための手段】
【0014】
本発明は、これらの欠点の中の1つ以上を解決することを目的としている。すなわち、本発明は、非接触読み取り機のアンテナの磁界の中に存在する非接触受信機を検出するための方法に関するものであり、本発明は、次に示すステップを備えている。
−第1の値の電圧と第2の値の電圧との間のランプと、
−ランプに続いた、第2の値の電圧におけるプラトーとを備えた
−電圧によって読み取り機のアンテナを励振ステップと、
−前記プラトーの間にアンテナ応答を測定するステップと、
−測定した応答と基準応答とを比較するステップと、
−比較の結果に基づいて、非接触読み取り機のアンテナの磁界の中に受信機が存在するか否かを判定するステップ。
【0015】
1つの実施形態においては、読み取り機のアンテナは、直列に接続された抵抗、容量、およびインダクタンスを有し、共振器自然周期Tの共振器によってモデル化することができる。ここで、ランプの継続時間は、T/3よりも短い。
【0016】
更なる実施形態においては、プラトーは、8*Tよりも長い継続時間を有し、このプラトーの継続時間は、アンテナ応答の測定継続時間の50%以上であることが望ましい。
【0017】
別の実施形態においては、プラトーは、50*Tよりも長い継続時間を有する。
【0018】
別の実施形態においては、共振器の共振周波数は、10MHzと20MHzとの間の範囲にある。
【0019】
さらに別の実施形態においては、本方法は、次に示すステップを備えている。
−望ましくは、前記プラトーの間に、アンテナ応答の前記測定を中断するステップと、
−前記プラトーに続いて、
−第2の値の電圧と第1の値の電圧との間の別のランプと、
−この別のランプに続いて、第1の値の電圧における別のプラトーとを備えた別の電圧によって読み取り機のアンテナを励振するステップと、
−前記別のプラトーの間にアンテナ応答を測定するステップと、
−前記別のプラトーの間に測定した応答と基準応答とを比較するステップと、
−前記比較の結果に基づいて、非接触読み取り機の磁界の中に受信機が存在するか否かを判定するステップ。
【0020】
1つの実施形態においては、実施される読み取り機および受信機は、誘導結合アンテナを有するタイプである。
【0021】
さらに別の実施形態においては、本発明の方法は、以下に示すステップを備えている。
−測定した応答を、読み取り機のアンテナと受信機との間の種々の距離に対応した基準応答と比較するステップと、
−測定した応答と基準応答との間の比較に基づいて、読み取り機のアンテナと受信機との間の距離を判定するステップ。
【0022】
受信機のタイプが中継器であると識別された場合には、本発明の方法は、読み取り機および識別された中継器の間の通信処理をブロックするためのステップを更に備えている。
【0023】
別の実施形態においては、本発明の方法は、次に示すステップを備えている。
−測定した応答を、読み取り機のアンテナの磁界の中に存在する受信機の種々のタイプに対応した基準応答と比較するステップと、
−前記比較に基づいて、読み取り機のアンテナの磁界の中に存在する受信機のタイプを識別するステップ。
【0024】
さらに別の実施形態においては、比較するステップは、次に示すステップのグループから選択される。
−基準応答と測定した応答との間の相関を算出するステップと、
−測定した応答の振幅を基準応答の振幅と比較するステップと、
−測定した応答の包絡線を基準応答の包絡線と比較するステップと、
−測定したスペクトル応答を基準スペクトル応答と比較するステップと、
−測定した応答の統計要素を基準応答の統計要素と比較するステップ。
【0025】
本発明はまた、非接触読み取り機に関し、この非接触読み取り機は、
−アンテナと、
−受信機との通信段階の間に、アンテナを、このアンテナの共振周波数に実質的に等しい周波数で選択的に励振するように構成されている回路とを備えている。
【0026】
前記回路は、
−第1の値の電圧と第2の値の電圧との間のランプと、
−そのランプに続いた、第2の値の電圧におけるプラトーとを備えた電圧でアンテナを選択的に励振し、
−前記プラトーの間にアンテナ応答を測定し、
−測定した応答を基準応答と比較し、
−比較の結果に基づいて、アンテナの磁界の中の受信機の存在を判定するようにさらに構成されている。
【0027】
1つの実施形態においては、読み取り機のアンテナは、直列に接続された抵抗、容量、およびインダクタンスを有し、共振器自然周期Tの共振器でモデル化することができ、前記回路は、0.1*Tよりも短い継続時間を有する前記ランプを印加するように構成されている。
【0028】
別の実施形態においては、前記回路は、8*Tよりも長い継続時間を有する前記プラトーを印加するように構成されている。
【0029】
更なる実施形態においては、読み取り機は、誘導結合アンテナを有するタイプである。
【0030】
本発明の他の特徴および利点は、添付した図面を参照して行う下記の説明から明らかになると思う。これらは、非限定的な例として示すものである。
【図面の簡単な説明】
【0031】
【図1】誘導タイプの読み取り機およびRFID受信機を含むシステムの電気的等価回路を示す図である。
【図2】受信機の検出段階の間に行う送信機アンテナの励振を示す図である。
【図3】読み取り機の磁界の中に受信機が存在しない場合の、読み取り機のアンテナのステップ応答を示す図である。
【図4】読み取り機の磁界の中に受信機が存在する場合の、読み取り機のアンテナのステップ応答を示す図である。
【図5】アンテナ応答を測定するための励起信号を示す図である。
【図6】ランプの立ち上がり時間が応答の振幅に与える影響を示す図である。
【図7】いくつかの連続した検出ステップを備えた待ち受け段階を示す図である。
【図8】アンテナ応答を較正するためのサンプリング位相を示す図である。
【図9】本発明を実行することができる読み取り機の1つの例を示す図である。
【図10】検出ステップの間の読み取り機の瞬時電力の包絡線を比較して示す図である。
【図11】読み取り機のアンテナの種々の応答を受信機からの距離の関数として示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0032】
本発明は、読み取り機のアンテナの磁界の中にある非接触受信機を検出するための方法を提供する。この目的のために、読み取り機のアンテナは、第1の値の電圧と第2の値の電圧との間のランプと、第2の値の電圧におけるプラトーとを備える電圧によって励振される。アンテナ応答は、プラトーの間に測定され、基準応答と比較される。比較の結果に基づいて、アンテナの磁界の中の受信機の存在が判定される。プラトーは、同じ値の電圧を維持する状態を意味している。
【0033】
本発明によると、待ち受け段階の間の読み取り機の電力消費を大幅に低減することができ、これにより、受信機の存在を認識する能力が変化することはない。特に、本発明によると、アンテナをその共振周波数で励振する必要なく、受信機の存在を検出することができる。これにより、電力消費を大幅に低減することができる。
【0034】
読み取り機の待ち受け段階の間は、アンテナの磁界の中に受信機が検出されない限り、検出ステップは定期的な時間間隔で実行される。読み取り機の待ち受け段階の間に受信機を検出するためのステップは、次の3つのサブステップを含んでいる。
−ランプとプラトーとを組み合わせた電圧によってアンテナを励振するステップと、
−アンテナ応答を測定するステップと、
−測定した応答を基準応答と比較して、受信機の存在を判定するステップ。
【0035】
図2は、待ち受け段階の間の検出ステップにおいて、本発明による読み取り機のアンテナに印加される励振の1つの例を示す。印加される励振は、第1の値のDC電圧がアンテナ端子に印加されることから開始される。この場合には、この第1の値はゼロである。第1の時間区間Fmの間は、アンテナ端子には電圧ランプが印加される。次に、第2の時間区間Plの間は、第2の値の電圧におけるプラトーがアンテナ端子に印加される。この場合には、この第2の値の電圧は、電圧ランプの終点に達した高い値(例えば、5V)である。
【0036】
実行する場合には、アンテナによって形成されている共振回路は、ランプによって充電されて、読み取り機のアンテナは、広い周波数範囲にわたって励振される。従って、この広い周波数範囲は、受信機の共振周波数を容易に含むことができ、読み取り機に返される磁界の生成を容易にすることができる。
【0037】
プラトーによって、読み取り機のアンテナの強度応答における干渉を回避することができる。その結果、プラトーは、読み取り機のアンテナ応答を測定するための継続時間の主要部分(すなわち、読み取り機のアンテナ応答を測定するための継続時間の少なくとも50%を超える部分)にわたることができ、または更に、読み取り機のアンテナ応答を測定するための継続時間の全体にわたる(この場合には、測定は、プラトーの間だけで実行することができる)ことができ、これは有利なことである。プラトーは、少なくとも、読み取り機のアンテナの共振周期の8倍の長さに等しい継続時間であれば、これにより、応答は、その振幅が最大の時の継続時間の中で、干渉を受けることがなく測定することができるので、これは有利なことである。
【0038】
さらに、プラトーによって、測定を行う時間区間以外での電力消費を抑えることができる。実に、読み取り機のアンテナを通して流れる電流は、急速にゼロに下降して、その結果、アンテナの電力消費はゼロになる。プラトーは、少なくとも読み取り機のアンテナの共振周期の50倍に等しい長さの継続時間を有していると有利である。
【0039】
このような励振を行えば、アンテナ回路の共振周波数で励振を行う場合と比較して、電力消費を大幅に低減することができる。従って、待ち受け段階の間の読み取り機の電力消費は、大幅に低減される。
【0040】
図3は、アンテナの磁界の中に受信機が存在しない場合の、図2に示す励振信号に対するアンテナの強度応答を示す。図4は、アンテナの磁界の中に受信機が存在する場合の、図2に示す励振信号に対するアンテナの強度応答の1つの例を示す。印加される電圧ランプの傾斜を見ると、これらの応答は、ステップ応答であると考えることができる。
【0041】
応答は、励振のプラトーの間に測定することが有利である。しかし、ランプの間に一部を測定することもできる。従って、アンテナ端子のところで励振することにより、応答の測定が干渉の影響を受けないようにすることができる。図5は、アンテナ応答をサンプリングするための励起信号を示す。サンプリングは、発振周期約10周期(すなわち、737ns)に対応した時間区間にわたって実行される。
【0042】
図3に示すように、アンテナの磁界の中に受信機が存在しない場合には、アンテナを通して流れる電流は減衰発振の形をしている。この発振は、アンテナと回路とをモデル化している直列RLC回路の共振周波数で変調された指数関数的減衰を示している。
【0043】
図4に示すように、アンテナの磁界の中に受信機が存在する場合には、アンテナを通して流れる電流は、読み取り機のアンテナ回路をモデル化している直列RLC回路の共振周波数で変調された発振を示している。この発振は、同時に減衰とビートとを示している。
【0044】
応答におけるこれらの差は、読み取り機のアンテナの磁界の中に受信機が存在する場合には、読み取り機のアンテナの伝達関数が変化するということで、理論的に説明することができる。受信機のアンテナの共振周波数は、読み取り機のアンテナの共振周波数と比較して、ある程度異なっているという事実によって、受信機のアンテナによって生成され読み取り機に返される磁界は、読み取り機のアンテナと干渉を起こす。結合がある場合の送信側のアンテナの不整合、およびアンテナ間の距離もまた、応答に影響を与える。更に、読み取り機のアンテナと受信機のアンテナとの間の結合は、読み取り機のアンテナの共振周波数をシフトさせる原因になる。
【0045】
いくつかの受信機が存在する場合の応答は、図4に示す応答とは異なる可能性があると考えられる。しかしながら、これらの存在は、図3に示す応答に関して大きな差異があることから、容易に識別できると思われる。
【0046】
図6は、読み取り機のアンテナ応答をランプの種々の立ち上がり時間Fmの関数として示したものである。アンテナ応答は、読み取り機のアンテナの磁界の中には受信機が存在しない場合で、第2の値の電圧は5Vに等しく、またプラトーの継続時間を無限としてシミュレートされている。
【0047】
立ち上がり時間が1nsに対する応答は、立ち上がり時間が10nsに対する応答と同様であるということが観測された。100nsの立ち上がり時間に対しては、応答の振幅は大幅に減衰し、また1μsの立ち上がり時間に対しては、実質的にゼロである。
【0048】
実行する場合には、アンテナの共振周期Tに対して、立ち上がり端の継続時間はT/3よりも短いことが有利であり、また、継続時間はT/4よりも短いことが望ましい(これは、発振の立ち上がり端の継続時間に対応している)。このような立ち上がり時間の継続時間によって、アンテナ応答の振幅が十分にあることを示すことができ、これにより、十分な測定と解析とを行うことができ、ランプが、応答の発振と干渉を与えることはない。
【0049】
第2の値の電圧を相当に高い値に設定して別のシミュレーションを行った結果、ランプの立ち上がり時間Fmが、このランプの傾斜に関連して、応答の振幅に対して支配的になるということが示された。
【0050】
更なるシミュレーションの結果、プラトーがT/4以上の継続時間であれば、アンテナ応答の振幅として十分な振幅が得られることが保証され、歪みも低く抑えることができるということが示された。
【0051】
引き続く検出ステップの間に電力消費を最適にするためには、電圧プラトーを次に続く検出ステップまで維持すると有利である。図7に示すように(発生器によってアンテナに印加する電圧を縦軸に示してある)、励振は、次に続く検出ステップの間に、第2の値の電圧と第1の値の電圧との間のランプを備えている。従って、前のプラトーからの立ち下がり端は、アンテナからの応答を求めるために使用される。従って、これまでに行っているアンテナ応答の測定は、次に続く検出ステップのために、このランプの前で中断される。それぞれの新しい検出ステップに対する出発点は、図7の中で垂直な点線で示されている。
【0052】
読み取り機のアンテナの磁界の中にある受信機の検出を続行するために、測定したアンテナ応答と基準応答との間で種々の比較を実行することができる。これらの比較は、特に、基準応答と測定した応答との間の相関を算出すること、測定した応答の振幅を基準振幅と比較すること、測定した応答の包絡線を基準応答の包絡線と比較すること、測定したスペクトル応答を基準スペクトル応答と比較すること(例えば、FFTタイプの解析によって)、または、測定した応答の統計要素(分散、平均等)を基準応答の統計要素に関して比較することであってよい。
【0053】
比較の間に、基準応答と測定した応答との間に密な類似性が判定された場合には、読み取り機は、この結果から、自分の磁界の中には受信機が存在しないことを推論する。検出ステップを繰り返すことにより、待ち受け段階を続ける。
【0054】
反対の場合で、基準応答と測定した応答との間に非類似性が識別された場合には、読み取り機は、この結果から、自分のアンテナの磁界の中には受信機が存在しているということを推論する。従って、読み取り機は、アンテナをアンテナの共振周波数で励振することにより、アンテナの無線周波数磁界を励起し、通信標準規格の中で規定されているプロトコルに従って、受信機に対して要求を送信する。
【0055】
誤陰性の場合で、読み取り機のアンテナの磁界の中に存在する受信機が検出されなかった場合には、この受信機は、後の検出ステップの間に検出されると思われる。2つの連続した検出ステップの間の時間間隔は、適用対象の要求条件によって規定される。そして、これは、例えば、10μsと10msとの間の範囲にあると考えられる。
【0056】
誤検知の場合で、読み取り機が自分のアンテナの磁界の中の受信機の存在を誤って判定した場合には、読み取り機は、自分の無線周波数磁界を励起した後には、読み取り機の要求に対するいずれの応答も得ない。従って、読み取り機は、待ち受け段階に戻って、検出ステップを繰り返すこととなる。
【0057】
アンテナに対する基準応答は、読み取り機の設定時に、または製造時の間に行われる較正ステップの中で決定される。この応答は、待ち受け段階の間に印加されることを意図した電圧のランプおよびプラトーが印加されている間に測定される。また、この応答は、読み取り機の磁界の中に受信機が存在しない場合測定される。
【0058】
アンテナ応答は、周波数領域または時間領域における特徴付けが目的であると考えることができる。
【0059】
較正のある例では、アンテナの時間応答は、サンプリングの方法によってディジタル化することができる。これは図8に示されている。サンプリングは、時間応答の減衰正弦波の振幅最大値だけを記憶するだけでよく、この場合には、応答の包絡線の形状を記憶する量になる。振幅最大値は、同期してサンプルすることができ、その応答は、サンプリングクロックを形成する。各サンプルに対して、1つの振幅最大値に対応した1つの時間値と1つの振幅値とが得られる。サンプルされた値は、表の中に貯蔵させておき、読み取り機が動作しているときに、検出ステップの間にサンプルされた値と、それらの値とを比較することができる。
【0060】
図9は、本発明を実施するように構成された読み取り機3の1つの例を示す。読み取り機3は、アンテナ回路Aを備え、アンテナ回路Aは、抵抗Rおよび容量Cに直列に接続された等価インダクタンスLでモデル化することができる。従って、このアンテナ回路Aは、直列共振RLC回路でモデル化される。この直列RLC回路は、典型的に、標準規格ISO14443に従って、読み取り機に対しては約13.56MHzの共振周波数を有する。読み取り機3は、電流測定プローブS(例えば、アンテナ回路を通して流れる電流を測定するためのコイル)を備えている。アンテナ回路Aは、読み取り機3の電子回路Peに接続されている。電子回路Peは、電源G、サンプリング回路E、メモリM、処理回路Pro、および制御回路Cmdを含んでいる。電流測定プローブSは、サンプリング回路Eに接続されている。処理回路Proは、サンプリング回路E、制御回路Cmd、およびメモリMと通信する。制御回路Cmdは、電源Gの励振を制御する。
【0061】
制御回路Cmdは、アンテナAに対してランプおよびプラトーを含む励振を印加するように、発生器Gにコマンドを送信する。サンプリング回路Eは、この励振に対する応答のサンプリングを行う。メモリMは、アンテナAの基準応答を記憶している。処理回路Proは、サンプルされた応答を、メモリMの中に記憶されている基準応答と比較する。処理回路Proは、この比較の結果に基づいて受信機の存在を判定する。処理回路ProがアンテナAの磁界の中に受信機が存在すると判定した場合には、対応した信号が制御回路Cmdに送信される。制御回路Cmdは、受信機に対して要求を送信するべく、アンテナAの共振周波数における電圧を印加するように、電源Gに対してコマンドを送信する。
【0062】
図10は、本発明の1つの実施形態における読み取り機と従来技術における同様の読み取り機に関して、それぞれの発生器が消費する瞬時電力の包絡線を比較して示したものである。シミュレーションは、抵抗Rを7.3Ω、容量Cを90pF、インダクタンスを1.5μHとして、モデル化したアンテナ回路を使用し、また発生器が印加する第1の値の電圧と第2の値の電圧との間の差を、10Vとして行った。
【0063】
実線の曲線は、本発明の実施形態における読み取り機に対応し、破線の曲線は従来技術における読み取り機に対応している。
【0064】
本発明による読み取り機によって消費される電力の最大振幅は、従来技術による読み取り機によって消費される電力の最大振幅の約1/10であるということを観測することができる。さらには、本発明による読み取り機によって消費される電力は、減少して、1.5μsの後には実質的にゼロになる。従来技術による読み取り機によって消費される電力は、1.5μsの後には、最大振幅まで増加し、検出ステップの無線周波数の励振が加えられている間の残りの全区間において、このレベルが維持される。
【0065】
本発明の改善策によれば、読み取り機は、読み取り機と、読み取り機のアンテナの磁界の中に置かれた受信機との間の距離を判定することができ、これは有利なことである。図11は、この目的のために、読み取り機のアンテナの種々の応答を、読み取り機と受信機との間の距離の関数として示したものである。アンテナ応答は、この距離に強く影響を受けるということを観察することができる。
【0066】
読み取り機のアンテナと受信機との間の距離を判定するために、読み取り機3における種々の事前初期較正を実行することができる。読み取り機のアンテナ応答を、種々の距離に対してサンプルを取る。これらの応答を、種々の距離に対する基準応答として読み取り機の中に記憶する。
【0067】
検出段階の間に、測定した応答を種々の基準応答と比較することにより、読み取り機のアンテナと受信機との間の距離を推定することができる。距離は、測定した応答に最も近い基準応答の距離であると判定することができる。または、測定した応答に最も近い2つの基準応答に対する2つの距離の間の内挿から求めることもできる。
【0068】
本発明の別の改善によれば、読み取り機により、自分のアンテナの磁界の中に存在するカードのタイプを識別することができる。受信機タイプのこの識別は、これを実行することにより、読み取り機による受信機の認証を強化し、従って不正行為を防ぐことができる。このように、認証はシステムの物理層を使用して強化される。
【0069】
上記で述べた認証は、特に、増幅および転送タイプの中継攻撃の検出に使用することができると考えられる。中継タイプの攻撃は、受信機の近くに不正な中継器を個別に設置することにより、この受信機を励起することをねらっている。この中継器を使用して、遠隔に置かれた読み取り機と不正な通信処理を実行する。復号化および転送タイプの攻撃に対しては、受信機の認証に対する基準を作ることができる。
【0070】
上記で述べたような受信機の識別を可能にするために、読み取り機3の種々の事前較正を実行することができる。この場合には、読み取り機3は、種々のタイプの受信機を使用して較正することができる。これらのタイプの受信機のそれぞれに対して、読み取り機のアンテナ応答のサンプルが取られる。これら種々の応答は、種々のタイプの受信機に対する基準応答として読み取り機の中に記憶される。同一の受信機に対していくつかの応答を記憶することにより、可能性のあるいくつかの距離を考慮することもできる。
【0071】
1つの改善によれば、読み取り機は、受信機が読み取り機のアンテナの上に誘起する連続した応答を解析することにより、受信機のパスを遡って調べることができる。これらの応答は、これらの種々の距離における受信機の基準応答と比較することもできるであろう。このように、受信機の認証は、より高い精度でその判定を行うことが可能になると考えられる。不正な中継の検出は、大幅に容易になる。
【0072】
検出段階の間に、測定した応答を種々の基準応答と比較して、読み取り機のアンテナの磁界の中に存在する受信機のタイプを推定することができる。
【0073】
読み取り機のアンテナ端子に励振が加えられたときに、受信機のアンテナを通して電流が流れる。認証の動作性能を向上させるために、受信機が、読み取り機のアンテナの励振から受ける受信機のアンテナ応答を測定することも考えられる。この場合には、受信機は、測定した応答を読み取り機に送信することができる。従って、読み取り機は、次に示す方法で、受信機の認証を強化することができる。読み取り機は、自分自身の応答を測定した後に、受信機に対して予想される応答を、対応したデータベースから求めることができる。そして、読み取り機は、この予想した応答を、受信機から送信された、測定した応答と比較することができる。この予想した応答と、受信機から送信された、測定した応答との間に大きな不一致があった場合には、読み取り機は、不正行為の試みを検出することができる。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
非接触読み取り機(3)のアンテナ(A)の磁界の中にある非接触受信機を検出するための方法であって、
−第1の値の電圧と第2の値の電圧との間のランプ(Fm)と、
−前記ランプに続いた、前記第2の値の電圧におけるプラトー(Pl)とを備えた
−電圧によって前記読み取り機の前記アンテナ(A)を励振ステップと、
−前記プラトーの間に前記アンテナの応答を測定するステップと、
−前記測定した応答と基準応答とを比較するステップと、
−前記比較の結果に基づいて、前記非接触読み取り機の前記アンテナの前記磁界の中に受信機が存在するか否かを判定するステップとを備えていることを特徴とする方法。
【請求項2】
前記読み取り機の前記アンテナは、直列に接続された抵抗(R)、容量(C)、およびインダクタンス(L)を有する共振器によってモデル化することができ、前記共振器の自然周期はTであり、前記ランプの継続時間は、T/3よりも短いことを特徴とする、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記プラトーは、8*Tよりも長い継続時間を有し、前記プラトーの前記継続時間は、望ましくは、前記アンテナ応答の前記測定の継続時間の50%以上であることを特徴とする、請求項2に記載の方法。
【請求項4】
前記プラトーは、50*Tよりも長い継続時間を有することを特徴とする、請求項3に記載の方法。
【請求項5】
前記共振器の共振周波数は、10MHzと20MHzとの間にあることを特徴とする、請求項2〜4のいずれか1項に記載の方法。
【請求項6】
−前記プラトーの間に、前記アンテナ応答の前記測定を中断するステップと、
−前記プラトーに続いて、
−前記第2および第1の値の電圧の間の別のランプと、
−前記別のランプに続いて、前記第1の値の電圧における別のプラトーとを備えた別の電圧によって前記読み取り機の前記アンテナを励振するステップと、
−前記別のプラトーの間に、前記アンテナ応答を測定するステップと、
−前記別のプラトーの間の前記測定した応答と基準応答とを比較するステップと、
−前記比較の結果に基づいて、前記非接触読み取り機の前記磁界の中に受信機が存在するか否かを判定するステップとを更に備えていることを特徴とする、請求項1〜5のいずれか1項に記載の方法。
【請求項7】
実施される前記読み取り機および前記受信機は、誘導結合アンテナを有するタイプであることを特徴とする、請求項1〜6のいずれか1項に記載の方法。
【請求項8】
−前記測定した応答を、前記読み取り機の前記アンテナと受信機との間の種々の距離に対応した基準応答と比較するステップと、
−前記測定した応答と前記基準応答との間の前記比較に基づいて、前記読み取り機の前記アンテナと受信機との間の距離を判定するステップとを備えていることを特徴とする、請求項1〜7のいずれか1項に記載の方法。
【請求項9】
−前記測定した応答を、前記読み取り機の前記アンテナの前記磁界の中に存在する受信機の種々のタイプに対応した基準応答と比較するステップと、
−前記比較に基づいて、前記読み取り機の前記アンテナの前記磁界の中に存在する受信機のタイプを識別するステップとを備えていることを特徴とする、請求項1〜8のいずれか1項に記載の方法。
【請求項10】
受信機のタイプが中継器であると識別された場合には、前記読み取り機と前記識別された中継器との間の通信処理をブロックするためのステップを更に備えていることを特徴とする、請求項9に記載の方法。
【請求項11】
前記比較するステップは、
−前記基準応答と前記測定した応答との間の相関を算出するステップと、
−前記測定した応答の振幅を前記基準応答の振幅と比較するステップと、
−前記測定した応答の包絡線を前記基準応答の包絡線と比較するステップと、
−測定したスペクトル応答を基準スペクトル応答と比較するステップと、
−前記測定した応答の統計要素を前記基準応答の統計要素と比較するステップとを備えているグループの中から選択されることを特徴とする、請求項1〜10のいずれか1項に記載の方法。
【請求項12】
非接触読み取り機(3)であって、
−アンテナ(A)と、
−受信機との通信段階の間に、前記アンテナの前記共振周波数に実質的に等しい周波数で前記アンテナを選択的に励振するように構成された回路(Pe)を備え、
前記回路は、
−第1の値の電圧と第2の値の電圧との間のランプと、
−前記ランプに続いた、前記第2の値の電圧におけるプラトーとを備えた電圧で前記アンテナを選択的に励振し、
−前記プラトーの間に前記アンテナの応答を測定し、
−前記測定した応答を基準応答と比較し、
−前記比較の結果に基づいて、前記アンテナの磁界の中に受信機が存在するか否かを判定するように構成されていることを特徴とする非接触読み取り機。
【請求項13】
前記読み取り機の前記アンテナは、直列に接続された抵抗、容量、およびインダクタンスを有する共振器でモデル化することができ、前記共振器の自然周期はTであり、前記回路は、0.1*Tよりも短い継続時間を有する前記ランプを印加するように構成されていることを特徴とする、請求項12に記載の非接触読み取り機。
【請求項14】
前記回路は、8*Tよりも長い継続時間を有する前記プラトーを印加するように構成されていることを特徴とする、請求項13に記載の非接触読み取り機。
【請求項15】
前記読み取り機は、誘導結合アンテナを有するタイプであることを特徴とする、請求項12〜14のいずれか1項に記載の非接触読み取り機。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【公開番号】特開2012−231463(P2012−231463A)
【公開日】平成24年11月22日(2012.11.22)
【国際特許分類】
【外国語出願】
【出願番号】特願2012−91704(P2012−91704)
【出願日】平成24年4月13日(2012.4.13)
【出願人】(510132347)コミサリア ア レネルジ アトミク エ オウ エネルジ アルタナティヴ (51)
【Fターム(参考)】