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非接触型情報媒体付冊子
説明

非接触型情報媒体付冊子

【課題】偽変造を防止するとともに、偽造品を容易に判断でき、かつ、セキュリティ性の高い非接触型情報媒体付冊子を提供する。
【解決手段】表紙と本文用紙とを綴り合わせて構成される冊子であって、表紙が、非接触型情報媒体と、非接触型情報媒体の一方の面に接着層を介して接着された内貼り用紙と、非接触型情報媒体の他方の面と接着層を介して接着された表紙用部材とを具備し、非接触型情報媒体は、2枚の基材の内側にそれぞれ、保護層が設けられ、2枚の基材の内側に印刷層と、ICインレットと、ICインレットを2枚の基材の内側に接着する接着層を有し、印刷層は表紙の側面に露出し、印刷層の露出部分には特定波長の光を照射することで、機械で読み取り可能となる不可視情報が書き込まれており、ICインレットのICチップ内の情報と、不可視情報を照らし合わせることによって、真贋判定が可能であることを特徴とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、非接触型情報媒体付冊子に関するものである。
【背景技術】
【0002】
近年、非接触IC・カードや非接触ICタグを用いたシステムが普及する中、例えばパスポートや預貯金通帳等冊子に非接触ICモジュールとそれに接続されたアンテナからなるICインレットを外装基材で挟み込んで非接触型情報媒体とし、この非接触型情報媒体とカバークロスなどを用いた表紙用部材とを貼り合わせた上で、内貼り用紙と本文用紙を取り付けて装丁した、電子データの記入や印字が可能な非接触型情報媒体付冊子が開発され公知となっている。
【0003】
非接触型情報媒体付冊子の一事例として、第1の基材の上面側に、所定の広さの開口部を有する第2の基材が接着されて凹部が形成され、この凹部内にIC・チップとこれに接続されたコイルアンテナが備えられ、前記第1の基材シートの下面側に接着層が設けられている非接触型情報媒体と、この非接触型情報媒体が裏表紙の内面に貼付されてなる非接触型情報媒体付冊子がある(例えば、特許文献1参照)。
【0004】
一般に流通しているクレジットカードやICカードは、熱可塑性の基材、例えばポリ塩化ビニル(PVC)やPET−G(テレフタル酸とエチレングリコールにより生産されるポリエステル樹脂にエチレングリコールの一定含有量をシクロヘキサンジメタノールに置き換えた変性ポリエステル樹脂)などの基材の間にICおよびアンテナ等を挟みこみ、強い熱圧をかけることで基材を流動させて平滑にして得られた非接触型情報媒体を上記冊子の表又は裏の表紙と内貼り用紙の間に接着することで非接触型情報媒体付冊子を作成することができる。
【0005】
また、クレッジットカードやICカードだけでなく、銀行券や有価証券などの印刷物や運転免許証やパスポートなどの証明物は不正に利用する者から未然に偽造や変造を防ぐ必要がある。しかし、非接触型情報媒体付冊子の1つである電子パスポートを例に取ると、多くの偽造と変造が報告されており、それらの偽変造を防止するため、冊子に偽変造防止機能を付加させることが要求されている。
【0006】
冊子の偽造を防止するためには一般的に用いられている偽造防止技術を使用することができ、例えば見る角度によって色が変化するインキ(OVI)や、紫外線ライトに反応するUV蛍光インキなどを印刷したり、用紙自体に特殊な蛍光を発する糸を漉き込んだり、セキュリティスレッドを挿入したりすることも行なわれている。
【0007】
また、近年では機械検知によって偽変造を判別するため、例えば特殊な波長で吸収ピークを持つ赤外吸収インキなどを印刷することなども行なわれている(例えば、特許文献2、3)。
【0008】
さらに、個人認証が必要なパスポートを例に取ると、名前や顔写真などの個人情報の変造を防止するために、データページに例えばホログラムフィルムのラミネートが施されていたり、レーザーエングレービングによって個人情報を記録したりして、目視でも個体認識ができるようになっている。
【0009】
また、ICパスポートやICカードのようにICチップが組み込まれているものや磁気カードのように磁気スレッドがあるものは、それぞれICチップや磁気スレッド内に予め
不可視情報を入力することもできる(例えば、特許文献4)。
【0010】
公知文献を以下に示す。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0011】
【特許文献1】特開2002−42068号公報
【特許文献2】特開2000−6512号公報
【特許文献3】特開2006−244097号公報
【特許文献4】特開2007−261114号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0012】
本発明は、かかる従来技術の問題点を解決するものであり、ICチップとコイルアンテナからなるICインレットを、保護層を塗布した多孔質基材の間に挟み込んで非接触型情報媒体とし、この非接触型情報媒体を表表紙または裏表紙に接着された非接触型情報媒体付冊子において、表紙や用紙との接着性にすぐれ、かつ耐久性、耐偽変造性、耐水性、耐イオン性などに優れた非接触型情報媒体付冊子が求められ、特に偽変造が困難なセキュリティを施すことが要請されている。
【0013】
また、ICカードに代表されるような非接触型情報媒体は、個人認証が必要な商材が多いが、偽変造を行い所有者になりすまして不正に使用する者の後が絶たない。認証確認を行う者も見極め方の方法を鍛錬されているとは限らないため、セキュリティ性を向上させつつも、正確かつ簡便に真贋判定を行うことが求められている。
【0014】
さらに、従来技術では、偽造が容易に行われてしまったり、偽装の痕跡が残りにくかったり、真贋判定を行うことが困難であるという問題があった。このような状況に対して、上で述べたような従来の偽変造防止技術は基本的には紙幣や有価証券、パスポート冊子など、紙をベースとした印刷物の偽変造を防止するものであり、上記のように非接触型情報媒体を取り代えたりするような変造には効果が少ない。
【0015】
本発明は上記した事情に鑑みてなされたもので、偽変造を防止するとともにこのような偽造品を容易に判断でき、かつ、セキュリティ性の高い非接触型情報媒体付冊子を提供することを課題としている。
【課題を解決するための手段】
【0016】
本発明の請求項1に係る発明は、表紙と本文用紙とを綴り合わせて構成される冊子であって、前記表紙が、非接触型情報媒体と、該非接触型情報媒体の一方の面に接着層を介して接着された内貼り用紙と、前記非接触型情報媒体の他方の面と接着層を介して接着された表紙用部材とを具備し、前記非接触型情報媒体は、2枚の基材の内側にそれぞれ、保護層が設けられ、2枚の基材の内側に印刷層と、ICインレットと、該ICインレットを2枚の基材の内側に接着する接着層を有し、前記印刷層は前記表紙の側面に露出し、該印刷層の露出部分には特定波長の光を照射することで、機械で読み取り可能となる不可視情報が書き込まれており、前記ICインレットのICチップ内の情報と、前記不可視情報を照らし合わせることによって、真贋判定が可能であることを特徴とする非接触型情報媒体付冊子である。
【0017】
本発明の請求項2に係る発明は、前記2枚の基材が多孔質熱可塑性シートであることを特徴とする請求項1に記載の非接触型情報媒体付冊子である。
【0018】
本発明の請求項3に係る発明は、前記不可視情報が暗号化された情報であることを特徴とする請求項1または2に記載の非接触型情報媒体付冊子である。
【0019】
本発明の請求項4に係る発明は、前記不可視情報を印刷する色材が、可視光領域では不可視であるが特定の光を照射すると前記色材が励起され、発光または反射光を発し、機械で読み取り可能となることを特徴とする、請求項1から3のいずれか1項に記載の非接触型情報媒体付冊子である。
【0020】
本発明の請求項5に係る発明は、前記ICインレットに含まれるICチップ内に、前記不可視情報と紐付けられた情報が組み込まれており、前記不可視情報とICチップ内の情報が対になることで、真贋判定が可能となることを特徴とする、請求項1から4のいずれか1項に記載の非接触型情報媒体付冊子である。
【発明の効果】
【0021】
本発明は以上の構成であるから、下記に示す如き効果がある。
【0022】
請求項1に係る発明によれば、ICインレットを備えた非接触型情報媒体を具備した表紙の冊子で、非接触型情報媒体に設けた印刷層非接触型情報媒体の側面に露出していて、印刷層に設けた特定波長の光を照射することで、機械で読み取り可能となる不可視情報を冊子状のままでも側面から機械読み取りが出来るので、ICインレットのICチップ内の情報と、不可視情報とを照らし合わせて、真贋判定をすることができる。また、非接触型非接触型情報媒体付冊子を製品形態に断裁する際に、側面となる部分に印刷層を容易に露出させることができ。冊子状態のまま機械読み取りが可能である
請求項2に係る発明によれば、基材として、多孔質熱可塑性基材シートを用いることで、様々なタイプの接着剤と良好な密着性を示し、かつ、凹凸が無く、柔軟な非接触型情報媒体付冊子を作成することができる。
【0023】
また、非接触型情報媒体に設ける印刷層は、非接触型情報媒体のいずれの層間にも設けることができ、保護層の一部や接着層の一部として組み込むことも可能であるため、多孔質熱可塑性シートの間に積層され、外部からのダメージも軽減出来るため、印刷層に耐久性を付加させることが可能になるとともに、前記保護層や接着層を塗布することで非接触型情報媒体を製造するにあたり印刷層も同じ工程内で塗布することが可能であり、加工適性かつ作業性に優れた非接触媒体を作製することができる。
【0024】
請求項3に係る発明によれば、不可視情報が暗号化された情報であるので、側面から見て長短の直線が並び、バーコードのような暗号化した不可視情報を記録することで、偽変造を未然に防ぐことや印刷の改ざんを困難にすることができる。
【0025】
請求項4に係る発明によれば、不可視情報を印刷する色材が、可視光領域では不可視であるので目視で外部から見たときには着色されていない様に見えるため偽造する者に気づかれることはなく偽造防止機能を設けることができる。さらに、セキュリティ性を向上させるために不可視情報を印刷する色材は、可視光下では不可視だが、紫外領域または赤外領域の光を照射することで励起され、赤外領域に発光または反射光を伴う色材であれば種類は問わないので、偽造する者に照射する光の領域が特定されにくい。
【0026】
請求項5に係る発明によれば、ICインレットに含まれるICチップに、不可視情報と紐付け、関連付けられた情報を予め記録させておくので、非接触型情報媒体付冊子を機械によって読み取った場合に初めてICチップの紐付けられる情報と不可視情報がリンクするため、冊子の個体認証の高いセキュリティ性を保持しつつ、簡便かつ迅速に偽変造品の真贋判定を行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0027】
【図1】本発明の一実施の形態に係る非接触型情報媒体付冊子を説明するために示した斜視図である。
【図2】本発明の一実施の形態に係る非接触型情報媒体付冊子の非接触型情報媒体を説明するために示した断面図である。
【図3】本発明の一実施の形態に係る非接触型情報媒体付冊子の表紙を説明するために示した断面図である。
【図4】本発明の一実施の形態に係る非接触型情報媒体付冊子の印刷層の不可視情報を読み取るための装置の概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0028】
以下、本発明の実施の形態に係る非接触型情報媒体付冊子について図面を参照して詳細に説明する。
【0029】
図1は、本発明の一実施の形態に係る非接触型情報媒体付冊子100を示すもので、表紙用部材1と、その内面に貼着する内貼り用紙2との間に、非接触型情報媒体3を挟み込んで接着され形成された表紙と、これに複数の本文用紙4が加えられて構成されている。
【0030】
この非接触型情報媒体の一部であるICインレット5は、図2に示すように、アンテナシート6とアンテナコイル7とICチップ8とから構成されていて、アンテナシート6上にエッチング方式やワイヤボンディング方式、印刷アンテナ方式などによってアンテナコイル7が形成され、このアンテナコイル7に、ICチップ8が溶接方式などによって接続されている。
【0031】
このICインレット5は、2枚の基材9の間に配置されている。2枚の基材9の内面には、水分および各種イオンの透過を抑制する層である保護層10が設けられ、さらに、2枚の基材9を貼りあわせるための層である接着層12を積層させて熱圧着することで非接触型情報媒体3を作製している。本実施の形態では、不可視の情報を保持させるための層である印刷層11は、上側の基材9の保護層10に設けられている。
【0032】
保護層10、印刷層11および接着層12は塗布によって設けることができるので、1つのラインで連続して塗布することで、作業工程を簡潔にすることができる。
【0033】
また、アンテナシート6、アンテナコイル7、ICチップ8からなるICインレット5は、ICチップ8自身の厚みや、アンテナコイル7の厚み、ジャンパ線とアンテナコイル7の接合部や、アンテナシート6自体の厚みなどにより、凹凸のあるシートとなっている。
【0034】
このICインレット5を基材9の間に挟んで非接触型情報媒体3に加工する際、外観上はこれらの凹凸を無くすことが望ましい。そのため、下側の基材9にICチップ8を収納する穴8´を設け、ICチップ8が収まるようにしている。さらに接着層12の接着時の流動性によって非接触型情報媒体3を平坦にしている。また、ICチップ8内には、印刷層11で形成した暗号化された不可視情報と紐付けられる情報が記録されている。
【0035】
そして、図3のように、接着剤層13を介して、非接触型情報媒体3のおもて面と裏面に、接着剤層13を介して、それぞれ、表紙用部材1と、内貼り用紙2を接着させて、非接触型情報媒体付冊子100の表紙101を作成している。実際の作業としては、内貼り用紙2に本文用紙4を取り付けてから、表紙用部材1が接着された非接触型情報媒体3に接着剤層13を介して、内貼り用紙2を接着しても良い。
【0036】
基材9としては、例えば、ポリ塩化ビニル(PVC)やPET−G(テレフタル酸とエチレングリコールにより生産されるポリエステル樹脂にエチレングリコールの一定含有量をシクロヘキサンジメタノールに置き換えた変性ポリエステル樹脂)、ポリエチレンやポリスチレンなどのポリオレフィン、ポリエステル、ポリカーボネートなどの平滑なシートだけではなく、これらの樹脂を単体または組み合わせて使用し、シリカなどの多孔質粒子を混合したり、混合時に空気などの気体を入れて発泡したり、延伸後に穿孔加工したりすることで、孔やくぼみを前記樹脂のシート内に加工した多孔質熱可塑性シートを使用することが出来る。
【0037】
このような多孔質熱可塑性シートは、一般にインクジェットやオフセットなどに対する印刷適性を付与した樹脂シート又は合成紙として市販されている。
【0038】
基材9に多孔質熱可塑性シートを使用することで柔軟性のある非接触型情報媒体3を形成することが可能となり、また、接着剤12と良好な密着性を得ることが出来るため加工性に優れている。
【0039】
基材9に多孔質熱可塑性シートを使用する場合、図2に示すように2枚の基材9のそれぞれ内側にあたる部分に、あらかじめ熱可塑性の保護層10、印刷層11および接着層12を塗布し、熱圧をかけることで接着させ、非接触型情報媒体3を得る。
【0040】
ここで保護層10や印刷層11に使用可能な熱可塑性の材料は、エチレン‐酢酸ビニル共重合体系、エチレン‐メタクリル酸共重合体系、ポリエステル系、アクリル系、ナイロン系、ポリアミド系、ポリウレタン系、ポリオレフィン系など、一般的な各種熱可塑性の樹脂を使用することができる。
【0041】
これらの中でも、特に水分に強く、酸素や塩化物イオンの透過を抑制するような塗膜を形成する樹脂、また熱や湿度により劣化し接着部分に剥がれを生じないものを使用する。これらの性能を両立させるために2種類以上の樹脂を混合して使用することも可能である。
【0042】
また、上記の樹脂を使用してエマルジョンやディスパージョンにした水系のヒートシール剤を用いる場合には、それらのヒートシール剤自体がアンテナ等に悪影響を与えないかについても注意が必要である。
【0043】
また、接着層12の材料には加工工程や作業性の面から、塗工が容易で、乾燥後のブロッキングが生じにくく、耐久性の高いものが使用に適する。例えば、エチレン‐メタクリル酸共重合体系の水系エマルジョン接着剤にエポキシ系架橋剤を添加したものや、ポリオレフィン系、アクリル系の接着剤などをグラビア方式、オフセット方式、インクジェット方式などで用途に応じて好適な性能を得ることができる。
【0044】
一方、一般的にポリエステル系の接着剤は湿度による加水分解が生じる可能性があり、エチレン‐酢酸ビニル共重合体系接着剤は経時劣化し易いので注意が必要である。
【0045】
保護層10、印刷層11、接着層12の塗工方式を合わせることで、インラインで塗工することができるため、加工する時の作業効率を向上させることもできる。
【0046】
また、側面印刷とは異なり、印刷層11の厚みを変化させることが自由に設定でき、機械読み取りが可能な厚みまで薄くすることで、偽変造をし難くする効果を出すこともできる。
【0047】
また、保護層10や接着層12の塗工工程の中で印刷層11を設けることで、側面の凹凸は無く、積層された内部に設けることが可能であり、側面印刷のように後から印刷を施した場合と区別ができる。
印刷層11は、基材9と保護層10の間、保護層間10、保護層10と接着層12の間、接着層12上のいずれの箇所に設けることが可能である。耐性を重視する場合は、保護層10と保護層10の間もしくは保護層10と接着層12の間に印刷層11を設け、外部からの影響を軽減させることもできる。
【0048】
印刷層11の色材には、セキュリティ性の要求されるため、可視光下では無色の不可視の色材を用いた不可視インキを用いることが必要で、紫外線または赤外線などの特定波長の光を照射することで不可視インキが励起され、可視または赤外領域での発光または吸収を伴うものであれば良い。
【0049】
さらに、よりセキュリティ性を向上させるためには、不可視インキに特定波長を照射して励起された後も赤外領域の発光または吸収を伴い、外部からは確認されず、機械認識のみで判断できるような色材が望ましい。
【0050】
例えば、硫化物系、シアニン系、フタロシアニン系、ナフタロシアニン系などが挙げられる。また、これらを母体として賦活剤として硫化カルシウムにサマリウムおよびユーロピウムを加えたものやアルカリ土類硫化物に活性化剤としてビスマスおよびサマリウムを加えたものなどでも良い。また、耐性面を考慮すると染料よりも顔料の方が好適であるため、用途に応じて色材を選ぶ必要がある。
【0051】
また、非接触型情報媒体付冊子100は、この非接触型情報媒体3を表紙用部材1と内貼り用紙2との間に挟み込んで接着して表紙101とし、本文用紙4と合わせて製本して冊子形状に加工されたものである。
【0052】
非接触型情報媒体3は内貼り用紙2と接着剤層13によって接着されるが、ここで用いる接着剤は作業性や環境の側面からも水系のエマルジョン接着剤を使用する場合が多く、また、実際にはこれまで冊子を製造してきた設備を使用することも多いので、布と紙の貼り合わせ用としての接着剤が選ばれてきた。
【0053】
仮に非接触型情報媒体付冊子100に使用する非接触型情報媒体3を、一般のICカードに使われるような外装基材、例えばPVCやPET−Gを使用して作成した場合、既存の設備および接着剤で内貼り用紙2を接着することはできない上、剛度が高いことによる問題が生じる。
【0054】
このような問題を解決するため、多孔質熱可塑性基材シートを基材9として使用することで、様々なタイプの接着剤と良好な密着性を示し、かつ、凹凸が無く、柔軟な非接触型情報媒体付冊子100を作成することができる。
【0055】
非接触型情報媒体3と、表紙用部材1あるいは内貼り用紙2を接着する接着剤層13には、体積変化の無い反応硬化型の接着剤を好適に用いることが出来る。仮に体積変化のある乾燥硬化型の接着剤を使用した場合、非接触型情報媒体3の一部が凹んでいたとすると接着剤の使用量が多くなるため乾燥時の体積減少が大きくなり、表紙用部材1の外側に凹みが生じてしまうため外観上の問題となる。
【0056】
このような問題を解決するために体積変化の無い接着剤を使用することが望ましく、例えば、2液混合型エポキシ系接着剤、湿気硬化型シリコン系接着剤、1液硬化型ウレタン
系接着剤、などが使用できる。また、エチレン‐酢酸ビニル共重合体系、エチレン‐メタクリル酸共重合体系、ポリエステル系、ポリアミド系、ポリウレタン系、ポリオレフィン系など、各種のホットメルト接着剤なども使用可能である。
【0057】
図4は、本発明の一実施の形態に係る非接触型情報媒体付冊子100の印刷層11の不可視情報を読み取るための装置の概略図である。
【0058】
非接触型情報媒体付冊子100の表紙101に設けられた非接触型情報媒体3の不可視情報の読み取り装置14は、印刷層11に用いた不可視のインキを励起させる波長を有する光源を搭載しており、励起後の発光または反射光に伴い生じたコントラストを受光して読み取ることで暗号化された不可視情報を読み取ることができる。この印刷層11だけでも用途に合った情報を組み込むことができるため、セキュリティ性を持たせることができる。
【0059】
さらに、セキュリティ性が重要なものに対する偽変造品を考慮して、事前に読み取っておいたICチップ8内の内容と照らし合わせて、所有者の真偽を確認すると共に、読み取った暗号化データとICチップ8内に予め記録させてある情報を結び合わせて対になる情報かどうかの判定を行うような2段階でのセキュリティ性を付与させることも可能であり、印刷層11の不可視情報とICチップ8内の情報を紐付けることで認証でき、偽変造がより困難な非接触型情報媒体付冊子100とすることが可能となる。
【0060】
読み取り装置14の形態はペン型、スロット型、レーザー型、定置読み取り型など設置場所、用途に応じて読み取り装置14の形態を選択することができる。なお、ICチップ8内の読み取った情報と印刷層11の暗号化された不可視情報は管理されたコンピューター15上で照合が行われる。
【0061】
印刷層11を形成しているインキ自体にもセキュリティ性を持たせているが、機械検知による真贋判定も側面の情報も固有の情報とすることでセキュリティ性は向上させられるが、搭載されているICチップ8を利用し、さらに、印刷層11を不可視の情報かつICチップ8内の情報と紐付けることで真贋判定を行うように段階の工程を施すことで、偽変造を困難にし、よりセキュリティ性の高い非接触型情報媒体付冊子100を作製することができる。
【実施例】
【0062】
以下に、本発明の具体的実施例について説明する。
【0063】
<実施例1>
ICインレット5の作製:ポリエチレンテレフタレートシートをアンテナシート6とし、その表面にアンテナコイル7と裏面にジャンパ線を形成し、アンテナコイル7とジャンパ線を接合した一般的なシートを用意した。アンテナコイル7の接続端子部に接続されているICチップ8に予め暗号化された印刷層11の情報と紐付けられる情報を記録させてICインレット5を得た。
【0064】
非接触型情報媒体3の作製:基材9として、多孔質熱可塑性シートを準備し、このシートの片面にスクリーン印刷機を用いて、保護層10として熱可塑性飽和共重合ポリエステル樹脂を主成分とするユニチカ株式会社製「エリーテルKA−5034」を10μm塗布して135℃オーブンに入れ乾燥させた。
【0065】
図2の上側となる基材9の保護層10面には、印刷層11として蛍光体である硫化カルシウム系蛍光体を25重量部添加したユニチカ株式会社製「エリーテルKA−5034」
を、塗工の必要のない部分をマスクしてパターン印刷を行い、3μmの厚みを塗布して135℃オーブンに入れ乾燥させ、特定波長の光を照射することで、機械で読み取り可能となる不可視情報が書き込まれた印刷層11を設けた。
【0066】
その上に接着層12として同じく熱可塑性飽和共重合ポリエステル樹脂を主成分とするユニチカ株式会社製「エリーテルKT−8803」を3μm塗布し、135℃オーブンに入れ乾燥させた。
【0067】
また、図2の下側となる基材9の保護層10として、ユニチカ株式会社製「エリーテルKA−5034」を、10μmの厚みで塗布して135℃オーブンに入れ乾燥させた。その上に接着層12として同じく熱可塑性飽和共重合ポリエステル樹脂を主成分とするユニチカ株式会社製「エリーテルKT−8803」を3μm塗布し、135℃オーブンに入れ乾燥させた。また、ICチップ8を収納する穴8´を設けた。
【0068】
次に、図2のように、上記で準備したICインレット5を基材9の多孔質熱可塑性シート2枚で挟み込み、110℃以上、160℃以下に加熱しながら、5Kgf/cm以上、30Kgf/cm以下の圧力の間で調整し、接着させ、その後エージングをして非接触型情報媒体3を得た。
【0069】
非接触型情報媒体3と表紙用部材1の貼り合わせ:接着剤層13となるホットメルトを100℃以上、150℃以下に設定したホットロールコーターで溶融させ、表紙用部材1上に塗工した。接着剤層13が塗工された表紙用部材1に非接触型情報媒体3を、0.2Kgf/cm以上、2Kgf/cm以下の圧力のかかるローラーで接着させた後、固化するまでエージングをした。
【0070】
非接触型情報媒体付冊子100の作製:複数枚の本文用紙4と一枚の内貼り用紙2を丁合いし、中央をミシンで縫うことで内貼り用紙2が最外部に取り付けられた本文用紙4を作成した。上記で得られた、表紙用部材1が接着された非接触型情報媒体3の非接触型情報媒体3面に接着剤層13となるホットメルトを塗工し、前記の内貼り用紙2の外側と接着した。
【0071】
得られた冊子を広げた状態で、印刷層11が非接触型情報媒体3の側面に露出するように非接型情報媒体サイズに断裁し、不可視の暗号化された印刷層11の情報とその情報と紐付けられる情報を記録したICチップ8を搭載した実施例1の非接触型情報媒体付冊子100を得た。
【0072】
以下に、本発明の比較例について説明する。
【0073】
<比較例1>
特定波長の光を照射することで、機械で読み取り可能となる不可視情報が書き込まれた印刷層11を設けなかった以外は、実施例1と同様にして、比較例1の非接触型情報媒体付冊子を得た。
【0074】
<比較例2>
ICチップ8に暗号化された印刷層11の情報と紐付けられる情報を記録させずにICインレット5を得た以外は、実施例1と同様にして、比較例2の非接触型情報媒体付冊子を得た。
【0075】
以下に、実施例と比較例との比較結果について説明する。
【0076】
<比較結果>
実施例1と比較例1において、非接触型情報媒体付冊子の側面を目視で観察したところ、外観に大きな違いはなかった。また、ICチップ8の情報を読み込ませるとどちらも解読が不能な情報が組み込まれていた。
【0077】
次に、非接触型情報媒体付冊子の側面を、特定波長の光を照射し不可視情報を読み取る読み取り装置14により読み込ませると、実施例1は印刷層11に書き込まれた不可視情報にICチップ8の情報が結び合い、暗号が解読され、個体認証がなされ真贋判定ができた。一方、比較例1は不可視情報の読み取り反応がなく、ICチップ8の情報と結び合わせることができなかった。
【0078】
これらのことから、実施例1は、外観変化をほとんど伴うことなく、非接触型情報媒体の側面に露出した印刷層11に、特定波長の光を照射することで、機械で読み取り可能となる不可視情報を組み込まれ、ICチップ8内の前記不可視情報と紐付けられた情報とを照らし合わせることによって、セキュリティを施すことができ、さらには簡便に偽造品との真贋判定が可能であった。
【0079】
実施例1と比較例2において、非接触型情報媒体付冊子の側面を目視で観察したところ、外観に違いはなかった。また、ICチップ8の情報を読み込ませると、印刷層11の情報と紐付けられる情報が組み込まれていたのに対して、比較例2は印刷層11の情報と紐付けられる情報が組み込まれていなかった。
【0080】
次に、非接触型情報媒体付冊子の側面を読み取り装置14により読み込ませると、実施例1は印刷層11に組み込まれた、特定波長の光を照射することで、機械で読み取り可能となる不可視情報と、ICチップ8の情報が結び合い、暗号が解読され、個体認証がなされ真贋判定ができた。
【0081】
一方、比較例1は印刷層11の不可視の暗号化された情報を認識したが、ICチップ8の情報と結び合うことはなく、解読はなされることはなかった。
【0082】
これらのことから、実施例1の非接触型情報媒体付冊子は、印刷層11の不可視の暗号化された情報とICチップ8内の情報が紐付けられることで、印刷層11のみのセキュリティや、ICチップ8のみでのセキュリティよりもさらに高いセキュリティ性が確認でき、さらには迅速かつ正確に偽造品との真贋判定が可能であった。
【0083】
本発明の非接触型情報媒体付冊子は、側面に不可視の暗号化された情報を施すことができ、さらに搭載しているICチップがその暗号化された情報を解読する鍵の役目をすることで、偽変造品を作製することを困難にさせ未然に防ぐことができるとともに側面に施す印刷層も保護層や接着層と同様の塗工方式を用いることができ作業効率よくセキュリティの高い非接触型情報媒体付冊子を得ることができる。
【0084】
また、側面から読み取ることのできる不可視情報を印刷した印刷層は、概観を損ねることなくセキュリティを施すことができ、非破壊のまま偽造品かどうかの真贋判定を簡便に行うことが出来る。そのため、パスポートや通帳など耐性およびセキュリティ性を必要とする冊子に対して優れた実用上の効果を発揮する。
【符号の説明】
【0085】
100・・・非接触型情報媒体付冊子
101・・・表紙
1・・・表紙用部材
2・・・内貼り用紙
3・・・非接触型情報媒体
4・・・本文用紙
5・・・ICインレット
6・・・アンテナシート
7・・・アンテナコイル
8・・・ICチップ
8´・・・ICチップを収納する穴
9・・・基材
10・・・保護層
11・・・印刷層
12・・・接着層
13・・・接着剤層
14・・・読み取り装置
15・・・コンピューター

【特許請求の範囲】
【請求項1】
表紙と本文用紙とを綴り合わせて構成される冊子であって、
前記表紙が、非接触型情報媒体と、該非接触型情報媒体の一方の面に接着層を介して接着された内貼り用紙と、前記非接触型情報媒体の他方の面と接着層を介して接着された表紙用部材とを具備し、前記非接触型情報媒体は、2枚の基材の内側にそれぞれ、保護層が設けられ、2枚の基材の内側に印刷層と、ICインレットと、該ICインレットを2枚の基材の内側に接着する接着層を有し、前記印刷層は前記表紙の側面に露出し、該印刷層の露出部分には特定波長の光を照射することで、機械で読み取り可能となる不可視情報が書き込まれており、前記ICインレットのICチップ内の情報と、前記不可視情報を照らし合わせることによって、真贋判定が可能であることを特徴とする非接触型情報媒体付冊子。
【請求項2】
前記2枚の基材が多孔質熱可塑性シートであることを特徴とする請求項1に記載の非接触型情報媒体付冊子。
【請求項3】
前記不可視情報が暗号化された情報であることを特徴とする請求項1または2に記載の非接触型情報媒体付冊子。
【請求項4】
前記不可視情報を印刷する色材が、可視光領域では不可視であるが特定の光を照射すると前記色材が励起され、発光または反射光を発し、機械で読み取り可能となることを特徴とする、請求項1から3のいずれか1項に記載の非接触型情報媒体付冊子。
【請求項5】
前記ICインレットに含まれるICチップ内に、前記不可視情報と紐付けられた情報が組み込まれており、前記不可視情報とICチップ内の情報が対になることで、真贋判定が可能となることを特徴とする、請求項1から4のいずれか1項に記載の非接触型情報媒体付冊子。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2013−103342(P2013−103342A)
【公開日】平成25年5月30日(2013.5.30)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−246427(P2011−246427)
【出願日】平成23年11月10日(2011.11.10)
【出願人】(000003193)凸版印刷株式会社 (10,630)
【Fターム(参考)】