非接触型通信装置及びICカード情報書換装置
【課題】作業者がリーダライタを用いて書き換え作業を行う必要が無く、自己でメモリ領域に記憶させる情報を書き換えることにより、多様な提供情報をユーザに提供することができる非接触型通信装置等を提供すること。
【解決手段】メモリ領域に書き込む提供情報を決定するための基情報を生成又は記憶する基情報提示手段を備え、予め生成又は記憶されうる基情報と提供すべき提供情報とが対応付けられた対応情報を参照し、基情報提示手段により生成又は記憶された基情報に対応する提供情報を決定し、メモリ領域に書き込むこととする。
【解決手段】メモリ領域に書き込む提供情報を決定するための基情報を生成又は記憶する基情報提示手段を備え、予め生成又は記憶されうる基情報と提供すべき提供情報とが対応付けられた対応情報を参照し、基情報提示手段により生成又は記憶された基情報に対応する提供情報を決定し、メモリ領域に書き込むこととする。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、IC(Integrated Circuit)カードの技術分野に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、非接触型ICカードのメモリ領域に記録された情報を読み取ることができる携帯型端末機(以下、「ICカード対応携帯端末」)が普及している。これに伴い、情報が記録された非接触型ICカード(ICタグ)を街頭や展示会場等に設け、ユーザにICカード対応携帯端末をかざしてもらうことで、ユーザに情報を提供する利用形態が広まっている。今後はこうした利用形態において固定的な情報のみならず、提供者の意図や被提供者(ユーザ)のニーズに適合する多様な情報を提供することが望まれる。
【0003】
一方で、ICカードのメモリ領域に記録された情報を書き換える技術が特許文献1や特許文献2等に記載されている。これらの特許文献に記載された技術は、ICカードとは別個のリーダライタを用いてICカードのメモリ領域に記録された情報を書き換えるものである。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2009−140026号公報
【特許文献2】特開2006−59302号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、リーダライタを用いてICカードのメモリ領域に記録された情報を書き換える場合には、作業者が、記憶させるべき情報の内容に応じてリーダライタの設定を変更した上で書き換え作業を行う必要があり、書き換え対象のICカードが大量に存在する場合などはその作業量が膨大になるという問題がある。
【0006】
本発明は、このような問題に鑑みて為されたものであり、作業者がリーダライタを用いて書き換え作業を行う必要が無く、自己でメモリ領域に記憶させる情報を書き換えることにより、多様な提供情報をユーザに提供することができる非接触型ICカード機能を有する非接触型通信装置等を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決するために、請求項1に記載の発明は、情報読取装置に対して自己のメモリ領域に書き込まれた提供情報を非接触で送信可能な非接触型ICカード機能を有する非接触型通信装置であって、前記メモリ領域に書き込む提供情報を決定するための基情報を生成又は記憶する基情報提示手段と、前記基情報提示手段により生成又は記憶され得る前記基情報と提供すべき提供情報とを対応付けた対応情報を参照し、前記基情報提示手段により生成又は記憶された基情報に対応する提供情報を決定する決定手段と、前記決定された提供情報を前記メモリ領域に書き込む書込手段と、を備えることを特徴とする。
【0008】
本発明によれば、基情報提示手段が生成又は記憶する基情報に基づいて決定した提供情報をメモリ領域に書き込むことから、作業者がリーダライタを用いて書き換え作業を行う必要が無く、多様な情報をユーザに提供することができる。
【0009】
請求項2に記載の発明は、前記提供情報が書き込まれる前記メモリ領域とは別の第2のメモリ領域を備え、前記対応情報は、第2のメモリ領域に記録されていることを特徴とする請求項1に記載の非接触型通信装置である。
【0010】
請求項3に記載の発明は、情報読取装置に対して自己のメモリ領域に書き込まれた情報を非接触で送信可能な非接触型ICカード機能を有する非接触型通信装置であって、提供情報を決定するための基情報を生成又は記憶する基情報提示手段と、前記基情報に基づいて前記情報読取装置に対して提供する提供情報を決定するサーバ装置にアクセスするためのアクセス情報と、前記基情報提示手段により生成又は記憶された基情報とを前記メモリ領域に書き込む書込手段と、を備えることを特徴とする。
【0011】
本発明によれば、基情報に基づいて提供情報を決定するサーバ装置に情報読取装置が当該基情報を送信できるように、メモリ領域に当該基情報と当該サーバ装置にアクセスするためのアクセス情報とを書き込むことから、作業者がリーダライタを用いて書き換え作業を行う必要が無く、基情報に基づいて決定される多様な提供情報を、サーバ装置を介してユーザに提供することができる。
【0012】
請求項4に記載の発明は、請求項1から請求項3のいずれか1項に記載の非接触型通信装置であって、前記基情報提示手段は、前記非接触型通信装置の設置場所、前記非接触型通信装置の設置された向き、前記非接触型通信装置の設置場所における日時、前記非接触型通信装置の設置場所の環境を示す数値、又は前記非接触型通信装置が前記情報読取装置を検知した回数、の少なくとも何れかの基情報を生成又は記憶することを特徴とする。
【0013】
本発明によれば、少なくとも、非接触型ICカードの設置場所、設置された向き、設置場所における日時、設置場所の環境、又は非接触型ICカードが情報読取装置を検知した回数、に応じた提供情報をユーザに提供することができる。
【0014】
請求項5に記載の発明は、情報読取装置に対して自己のメモリ領域に書き込まれた提供情報を非接触で送信可能な非接触型ICカード機能を有するICカード情報書換装置であって、提供情報を決定するための基情報を外部から受け付ける外部インターフェース手段と、前記外部インターフェース手段が受け取り得る基情報と提供すべき提供情報とを対応付けた対応情報を参照し、前記外部インターフェース手段が受け取った基情報に対応する提供情報を決定する決定手段と、前記決定した提供情報を前記メモリ領域に書き込む書込手段と、を備えることを特徴とする。
【0015】
本発明によれば、外部から受け付けた基情報に基づいて決定した提供情報をメモリ領域に書き込むことから、作業者がリーダライタを用いて書き換え作業を行う必要が無く、多様な情報をユーザに提供することができる。
【0016】
請求項6に記載の発明は、前記提供情報が書き込まれる前記メモリ領域とは別の第2のメモリ領域を備え、前記対応情報は、第2のメモリ領域に記録されていることを特徴とする請求項5に記載のICカード情報書換装置である。
【0017】
請求項7に記載の発明は、情報読取装置に対して自己のメモリ領域に書き込まれた情報を非接触で送信可能な非接触型ICカード機能を有するICカード情報書換装置であって、提供情報を決定するための基情報を外部から受け付ける外部インターフェース手段と、前記基情報に基づいて前記情報読取装置に対して提供する提供情報を決定するサーバ装置にアクセスするためのアクセス情報と、前記外部インターフェース手段が受け取った基情報とを前記メモリ領域に書き込む書込手段と、を備えることを特徴とする。
【0018】
本発明によれば、基情報に基づいて提供情報を決定するサーバ装置に情報読取装置が当該基情報を送信できるように、メモリ領域に外部から受け付けた基情報と当該サーバ装置にアクセスするためのアクセス情報とを書き込むことから、作業者がリーダライタを用いて書き換え作業を行う必要が無く、基情報に基づいて決定される多様な提供情報を、サーバ装置を介してユーザに提供することができる。
【0019】
請求項8に記載の発明は、情報読取装置に対して自己のメモリ領域に書き込まれた提供情報を非接触で送信可能な非接触型ICカード機能を有するICカード情報書換装置であって、提供情報を外部から受け付ける外部インターフェース手段と、前記外部インターフェース手段が受け取った提供情報を前記メモリ領域に書き込む書込手段と、を備えることを特徴とする。
【0020】
本発明によれば、外部から受け付けた提供情報をメモリ領域に書き込むことから、作業者がリーダライタを用いて書き換え作業を行う必要が無く、提供情報をユーザに提供することができる。
【発明の効果】
【0021】
本発明によれば、基情報に基づいて決定される提供情報をユーザに提供するための情報を自らメモリ領域に書き込むことから作業者がリーダライタを用いて書き換え作業を行う必要が無く、多様な情報をユーザに提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0022】
【図1】第1実施形態に係る情報提供システムSの概略構成を示す図である。
【図2】第1実施形態に係る非接触型通信装置1の概要構成を示すブロック図である。
【図3】第1実施形態に係る携帯端末Mの概要構成を示すブロック図である。
【図4】第1実施形態に係る提供情報決定条件の一例を説明するための図である。
【図5】第1実施形態に係る非接触型通信装置1の動作例を示すフローチャートである。
【図6】第1実施形態に係る非接触型通信装置1の動作例を示すフローチャートである。
【図7】第1実施形態に係る情報提供システムSの動作例を示すシーケンス図である。
【図8】第2実施形態に係る情報提供システムSAの概略構成を示す図である。
【図9】第2実施形態に係るURL作成方法の一例を説明するための図である。
【図10】第2実施形態に係る情報配信サーバ2の概要構成を示すブロック図である。
【図11】第2実施形態に係る非接触型通信装置1の動作例を示すフローチャートである。
【図12】第2実施形態に係る非接触型通信装置1の動作例を示すフローチャートである。
【図13】第2実施形態に係る情報提供システムSAの動作例を示すシーケンス図である。
【図14】第3実施形態に係る情報提供システムSBの概略構成を示す図である。
【図15】第3実施形態に係るICカード情報書換装置1Bの概要構成を示すブロック図である。
【図16】第3実施形態に係る提供情報決定条件の一例を説明するための図である。
【図17】第3実施形態に係るICカード情報書換装置1Bの動作例を示すフローチャートである。
【図18】第4実施形態に係る情報提供システムSCの概略構成を示す図である。
【図19】第4実施形態に係るURL作成方法の一例を説明するための図である。
【図20】第4実施形態に係るICカード情報書換装置1Bの動作例を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0023】
[1.第1実施形態]
以下、図面を参照して本発明の第1実施形態について説明する。
【0024】
[1.1.情報提供システムSの構成及び概要]
まず、図1を用いて第1実施形態における情報提供システムSの構成及び機能について説明する。
【0025】
図1に示すように、情報提供システムSは、ユーザUの携帯する非接触型のICカード対応携帯端末M(以下、「携帯端末M」という)と、非接触型通信装置1と、を含んで構成されている。
【0026】
非接触型通信装置1は、内蔵する非接触型ICカードが記憶する提供情報を後述する提供情報決定条件に従って書き換える機能を有している。非接触型通信装置1は、例えば、ポスターや掲示板等の近くに設置され、非接触型ICカードが記憶する提供情報の内容は、ポスターや掲示板等の表示内容に関連するものとなっている。そして、ユーザUが携帯端末M(「情報読取装置」の一例)を非接触型通信装置1に近接させる(かざす)と、携帯端末Mが非接触で非接触型ICカードに記録されている提供情報を読み取る。これにより、ユーザUは提供情報を受け取ることができるようになっている。
【0027】
[1.2.非接触型通信装置1の構成]
次に、非接触型通信装置1の構成について、図2を用いて説明する。
【0028】
図2に示すように、非接触型通信装置1は、アンテナ13とICカードチップ12とから構成される非接触型ICカードに相当する部分10(以後簡単に非接触ICカード10と記す)と、コントローラ11と、情報デバイス14と、メモリ15とを備えている。コントローラ11と、ICカードチップ12と、メモリ15はバスで接続されている。
【0029】
コントローラ11(「決定手段」、「書込手段」の一例)は、CPU(Central Processing Unit)、ROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)、情報デバイス14と電気的に接続し、情報デバイス14の出力信号を受け入れるインターフェース回路(入出力ポートともいう)、等により構成されている。CPUが、ROMに記憶された各種プログラムを読み出し実行することにより各種機能を実現する。コントローラ11は、前記入出力ポートを通じて情報デバイス14から基情報を受け取り、提供情報決定条件を示す提供情報決定条件情報(「対応情報」の一例)を参照して、ICカードチップ12における後述するメモリ12dに書き込む提供情報を決定する。次いで、コントローラ11は、決定した提供情報によりICカードチップ12のメモリ12dに記録されている提供情報を更新する。
【0030】
ICカードチップ12は、整流回路12a、復調回路12b、変調回路12c、メモリ12d、(ICカードチップ12の)コントローラ12e等を備えている。整流回路12aは、アンテナ13の入力を交流から直流に整流する。復調回路12bは、携帯端末Mから入力される搬送波に重畳されたコマンドやデータをデジタルデータに復調する。変調回路12cは、携帯端末Mに送信するコマンドやデータを搬送波に重畳させる。メモリ12d(「メモリ領域」の一例)は、ICカードチップ12固有のカードIDや、提供情報等を記憶する。カードIDは、製造時に付与されたものを固定的に記憶することとしてもよいし、コントローラ11により適宜変更されることとしてもよいが、後者の場合にはカードIDを用いて携帯端末Mと通信をする場合にセキュリティ面で優位である。また、メモリ12dにおいて提供情報が記録される領域は定められており、その領域を提供情報格納領域と呼ぶ。
【0031】
コントローラ12eは、携帯端末Mなどの外部の非接触型情報機器との間で、非接触型通信、例えばNFC(Near Field Communication)通信プロトコルに従ったコマンド・データのやり取りを行う。受け付けたコマンドにしたがってメモリ12dの内容を出力したりメモリ12dの内容を書換えたりする。また、コントローラ12eは、非接触型通信をしていないときは、コントローラ11から切替制御信号を受けることにより、コントローラ11がメモリ12dの内容の読み出し書き込みすることを可能とする。
【0032】
情報デバイス14(「基情報提示手段」の一例)は、コントローラ11が提供情報を決定する際の基となる基情報を検出等するデバイスである。基情報が気温や明るさなどのアナログ量に起因する場合は、そのためのセンサーとAD変換回路(基情報生成部)、および、基情報をコントローラ11にデジタル信号情報として送信するためのインターフェース(インターフェース部)を備える。基情報が元々デジタル量である場合は、基情報生成部(GPS受信機、時計など)とインターフェース部から構成されることになる。コントローラ11は、情報デバイス14のデジタル出力信号をコントローラ11内の入出力ポートを通じて、例えば8bitのデジタルデータとして基情報を受け入れ、基情報そのものを提供情報とし、又は該基情報に基づいて提供情報決定条件を判定することにより提供情報を決定する。情報デバイス14としては、(i)気温センサー、(ii)明るさセンサー、(iii)方位センサー、(iv)GPS(Global Positioning System)受信機、(v)時計デバイス、(vi)カウンタメモリ、などが想定される。
【0033】
(i)気温センサー(「環境特定デバイス」の一例)は非接触型通信装置1が設置されている場所の気温を検出するデバイスである。
(ii)明るさセンサー(「環境特定デバイス」の一例)は非接触型通信装置1が設置されている場所の明るさを検出するデバイスである。
(iii)方位センサー(「向き特定デバイス」の一例)は非接触型通信装置1が設置されている向きを検出するデバイスである。
(iv)GPS受信機(「設置場所特定デバイス」の一例)は非接触型通信装置1が設置されている位置を検出するデバイスである。
(v)時計デバイス(「日時特定デバイス」の一例)は非接触型通信装置1が設置されている場所の日時を計時又は検出するデバイスである。時計デバイスは、自らが日時を計時するものであってもよいし、他のサーバ等から現在日時を取得するものであってもよい。
(vi)カウンタメモリ(「回数記憶デバイス」の一例)は、コントローラ11の制御の下、非接触型通信装置1に携帯端末Mがかざされる(具体的には、非接触型通信装置1が携帯端末Mを検知する)度に「1」が加算されるカウンタを記憶するデバイスである。すなわち、カウンタは非接触型通信装置1に携帯端末Mがかざされた回数を示す。なお、カウンタは情報デバイス14としてではなくメモリ15又はメモリ12dに設けることとしてもよい。
【0034】
メモリ15(「第2のメモリ領域」の一例)は不揮発性メモリ等により構成されており、提供情報を決定する際に参照される提供情報決定条件情報等を記憶するデバイスである。
【0035】
[1.3.携帯端末Mの構成]
次に、携帯端末Mの構成について、図3を用いて説明する。
【0036】
図3に示すように、携帯端末Mは、制御部31と、記憶部32と、通信部33と、タッチパネル34と、ボタン操作部35と、非接触型ICチップ36とを備えている。通信部33は、ネットワークを介した他の装置との通信を制御するようになっている。
【0037】
記憶部32は、例えば、不揮発性メモリ等により構成されており、オペレーティングシステムや、アプリケーションプログラム等の各種プログラムを記憶する。また、記憶部32はカード情報読み取りアプリケーションプログラム(以下、「カード読み取りアプリ」という)を記憶する。カード読み取りアプリには、非接触型通信装置1のメモリ12dにおける提供情報格納領域のアドレスが規定されており、提供情報格納領域に格納された提供情報を取得できるようになっている。なお、各種プログラムは、例えば、他のサーバ装置等からネットワークを介して取得されるようにしても良いし、記録媒体に記録されて外付けドライブ装置を介して読み込まれるようにしても良い。
【0038】
タッチパネル34は、例えば、静電容量方式のタッチパネルと表示装置とからなり、入力装置及び表示装置として機能する。例えば、表示装置により表示された画面においてオブジェクトが表示された領域をユーザUがタッチすることによって、当該オブジェクトが選択されるようになっている。また、ボタン操作部35は、ユーザUが押下することによりボタン押下信号が制御部31に送信され、例えば、表示装置により表示されている画面が閉じられるようになっている。つまり、ユーザUは、タッチパネル34とボタン操作部35に対する入力操作により、携帯端末Mに情報を入力することができるようになっている。
【0039】
非接触型ICチップ36は、アンテナ、整流回路、復調回路、変調回路、記憶部等を備えている。整流回路は、アンテナの入力を交流から直流に整流する。復調回路は、非接触型通信装置1から入力される搬送波に重畳されたコマンドやデータをデジタルデータに復調する。変調回路は、非接触型通信装置1に送信するコマンドやデータを搬送波に重畳させる。
【0040】
制御部31は、CPU、RAM等により構成されている。そして、CPUが、記憶部32に記憶された各種プログラムを読み出し実行することにより各種機能を実現する。
【0041】
[1.4.提供情報決定条件]
次に、図4を用いて、コントローラ11が提供情報を決定する際に参照される提供情報決定条件について説明する。ここでは、情報デバイス14が上記(i)〜(vi)の各デバイスである場合の提供情報決定条件の一例について説明する。
【0042】
情報デバイス14が(i)気温センサーである場合に、コントローラ11は、気温センサーが検出した気温によって、提供情報を決定する。例えば、コントローラ11は、気温が25℃以上である場合には「只今の気温○○℃。アイスクリームは如何?」(○○には検出された気温がセットされる)といったテキスト情報を提供情報として決定し、気温が25℃未満且つ10℃以上である場合には「只今の気温○○℃。チョコレートパフェは如何?」といったテキスト情報を提供情報として決定し、気温が10℃未満である場合には「只今の気温○○℃。フォンダンショコラは如何?」といったテキスト情報を提供情報として決定する。この例の場合、非接触型通信装置1をレストランのメニューを表す看板付近に設置するとよい。これにより、非接触型通信装置1付近の気温に応じたおすすめメニュー(提供情報の一例)をユーザUに提供することができる。
【0043】
情報デバイス14が(ii)明るさセンサーである場合、コントローラ11は、明るさセンサーが検出した照度によって、提供情報を決定する。例えば、コントローラ11は、照度が10ルクス未満である場合には「暗いから足下に気をつけて!」といったテキスト情報を提供情報として決定し、照度が10ルクス以上である場合には「先を急ぎましょう。」といったテキスト情報を提供情報として決定する。これにより、非接触型通信装置1付近の照度に応じたテキスト情報をユーザUに提供することができる。
【0044】
情報デバイス14が(iii)方位センサーである場合、コントローラ11は、方位センサーが検出した非接触型通信装置1が向いている向きによって、提供情報を決定する。例えば、コントローラ11は、非接触型通信装置1が北向きである場合には「あなたは南を向いていますよ。」といったテキスト情報を提供情報として決定し、非接触型通信装置1が東向きである場合には「あなたは西を向いていますよ。」といったテキスト情報を提供情報として決定し、非接触型通信装置1が南向きである場合には「あなたは北を向いていますよ。」といったテキスト情報を提供情報として決定し、非接触型通信装置1が西向きである場合には「あなたは東を向いていますよ。」といったテキスト情報を提供情報として決定する。この例の場合、非接触型通信装置1を駅構内の地図看板付近に設置するとよい。これにより、非接触型通信装置1の向きに基づいて、ユーザUが向いている方向(提供情報の一例)をユーザUに提供することができ、ユーザUに進行方向を把握させることができる。
【0045】
情報デバイス14が(iv)GPS受信機である場合、コントローラ11は、GPS受信機が検出した現在位置によって、提供情報を決定する。例えば、コントローラ11は、現在位置が北海道内である場合には「北海道と言えば、かにですよ!」といったテキスト情報を提供情報として決定し、現在位置が青森県内である場合には「青森と言えば、リンゴですよ!」といったテキスト情報を提供情報として決定し、現在位置が沖縄県内である場合には「沖縄と言えば、ゴーヤですよ!」といったテキスト情報を提供情報として決定する。これにより、非接触型通信装置1の設置場所に応じたテキスト情報をユーザUに提供することができる。
【0046】
情報デバイス14が(v)時計デバイスである場合、コントローラ11は、時計デバイスから取得される日時によって、提供情報を決定する。例えば、コントローラ11は、現在時刻が23:00〜3:59である場合には「そろそろお休みになった方がいいですよ!」といったテキスト情報を提供情報として決定し、現在時刻が4:00〜8:59である場合には「今日も一日、がんばりましょう!」といったテキスト情報を提供情報として決定し、現在時刻が9:00〜11:59である場合には「お昼までがんばりましょう!」といったテキスト情報を提供情報として決定し、現在時刻が12:00〜16:59である場合には「眠気に負けず、がんばりましょう!」といったテキスト情報を提供情報として決定し、現在時刻が17:00〜22:59である場合には「今日も一日ご苦労様でした!」といったテキスト情報を提供情報として決定する。また、例えば時計デバイスから取得される日付が12月1日から12月23日の間であれば、「もうすぐクリスマス」といったテキスト情報を提供情報として決定することとしてもよい。これにより、非接触型通信装置1の設置場所における日時に応じたテキスト情報をユーザUに提供することができる。
【0047】
情報デバイス14が(vi)カウンタメモリである場合、コントローラ11は、カウンタの値によって、提供情報を決定する。例えば、コントローラ11は、カウンタの値が0〜99、101〜199、201〜299、…、である場合には「本日はご来場ありがとうございます。」といったテキスト情報を提供情報として決定し、カウンタの値が100、200、…、のキリ番である場合には「おめでとうございます。あなたは100(200)人目のご来場者です。」といったテキスト情報を提供情報として決定する。この例の場合、非接触型通信装置1を観光スポットなどの入場ゲート付近に設置するとよい。これにより、ユーザUが来場何人目であるかという情報(提供情報の一例)をユーザUに提供することができる。
【0048】
なお、図2では、説明の簡略化のため情報デバイス14を一つだけ図示しているが、複数の情報デバイス14を設け、コントローラ11は、各情報デバイス14から基情報を受け取り、提供情報を決定することとしてもよい。例えば、コントローラは、情報デバイス14として(i)気温センサーと(iv)GPS受信機を設け、(i)気温センサーから35℃を示す基情報を受け取り、(iv)GPS受信機から北海道内を示す基情報を受け取った場合に、「異常気象ですかね。」といったテキスト情報を提供情報として決定することとしてもよい。
【0049】
また、ここでは、提供情報としてテキスト情報を提供することとして説明するが、提供情報はテキスト情報に限らず、例えば、音声情報、画像情報等のコンテンツであってもよい。
【0050】
[1.5.非接触型通信装置1の動作]
次に、図5及び図6を用いて非接触型通信装置1の動作について説明する。図5及び図6は、非接触型通信装置1が提供情報格納領域の提供情報を更新する際の処理例を示すフローチャートである。
【0051】
コントローラ11は、情報デバイス14として上記(i)〜(v)の少なくとも何れかが非接触型通信装置1に設けられている場合には、定期的(例えば、情報デバイス14から受け取る基情報が変化することが予想される間隔毎)に図5に示す処理を実行する。具体的には、まず、コントローラ11は、情報デバイス14から情報を取得する(ステップS11)。このとき、コントローラ11は、情報デバイス14が(i)気温センサーである場合には気温を示す基情報を取得し、情報デバイス14が(ii)明るさセンサーである場合には照度を示す基情報を取得し、情報デバイス14が(iii)方位センサーである場合には向きを示す基情報を取得し、情報デバイス14が(iv)GPS受信機である場合には現在位置を示す基情報を取得し、情報デバイス14が時計デバイスである場合には日時を示す基情報を取得する。
【0052】
次に、コントローラ11は、図4を用いて上述したように、情報デバイス14から取得した基情報に基づいてテキストを決定する(ステップS12)。次に、コントローラ11は、ICカードチップ12内のメモリ12dの提供情報格納領域を、ステップS12の処理で決定したテキストにより更新する(ステップS13)。
【0053】
一方、コントローラ11は、情報デバイス14として上記(vi)が非接触型通信装置1に設けられている場合において、携帯端末Mが非接触型通信装置1にかざされたことを検知した場合(後述する図7のステップS101から、ステップS105の処理で提供情報格納領域から提供情報を読み出す前まで)に、図6に示す処理を実行する。具体的には、まず、コントローラ11は、カウンタの値に「1」を加算し(ステップS21)、次いで、その時点でのカウンタの値を取得する(ステップS22)。
【0054】
次に、コントローラ11は、図4を用いて上述したように、カウンタの値に基づいてテキストを決定する(ステップS23)。次に、コントローラ11は、ICカードチップ12内のメモリ12dの提供情報格納領域を、ステップS23の処理で決定したテキストにより更新する(ステップS24)。
【0055】
[1.6.情報提供システムSの動作]
次に、図7を用いて情報提供システムSの動作について説明する。図7は、携帯端末M1が非接触型通信装置1のICカードチップ12に記憶された提供情報を取得し、表示する際の処理例を示すシーケンス図である。
【0056】
携帯端末Mの非接触型ICチップ36は随時、カード探索(いわゆるポーリング)を行っており(ステップS101)、携帯端末Mと非接触型通信装置1が近接すると、非接触型通信装置1のコントローラ12eは、非接触型ICチップ36(すなわち携帯端末M)の存在を検知し、メモリ12dに記録されているカードIDを携帯端末Mに送信する(ステップS102)。
【0057】
携帯端末Mの制御部31は、非接触型通信装置1からカードIDを受信すると、情報読取対象のカードが見つかったと判断してカード読み取りアプリを起動する(ステップS103)。制御部31は、カード読み取りアプリを実行し、受信したカードIDと、アプリに規定された提供情報格納領域のアドレスを示すメモリ領域指定情報とを含むカード読取コマンドを非接触型通信装置1に送信する(ステップS104)。
【0058】
非接触型通信装置1のコントローラ12eは、携帯端末Mからカード読取コマンドを受信すると、ステップS102の処理で送信したカードIDと同じカードIDがカード読取コマンドに含まれているか確認する。コントローラ12eは、同じカードIDがカード読取コマンドに含まれていると判定した場合には、カード読取コマンドに含まれているメモリ領域指定情報の示すアドレスを参照し、メモリ12dの提供情報格納領域に格納されているテキスト情報を携帯端末Mに送信する(ステップS105)。
【0059】
なお、情報デバイス14として(vi)カウンタメモリが設けられている場合には、上述したように、コントローラ12eは、提供情報格納領域に格納されているテキストを読み出す前までに図6に示す処理をコントローラ11に実行させることとする。すなわち、コントローラ11は携帯端末Mが非接触型通信装置1にかざされたことによりカウンタの値を加算し、提供情報格納領域を更新する。その後、コントローラ12eが提供情報格納領域に格納されているテキストを読み出して、携帯端末Mに送信することとなる。これを実現するため、情報デバイス14として(vi)カウンタメモリが設けられているときは、コントローラ12eは、コントローラ11の完全なスレーヴとして動作するように制御される。即ち、コントローラ12eは、携帯端末Mからのカード探索信号を感知した場合(図7のステップS101)、その旨をコントローラ11に中継する。あるいは、カード読み取りコマンドを受けた場合(ステップS104)は、その内容をコントローラ11に中継する。そしてコントローラ11は、コントローラ12eに対してカードID送信(ステップS102)やテキスト送信(ステップS105)の命令を発し、コントローラ12eは、いちいちコントローラ11の命令に従って動作する。コントローラ11は、図6に示した処理を、ステップS101とS102の間、またはステップS104とS105の間のいずれかにおいて実行する。(もっとも、情報デバイス14として(vi)カウンタメモリが設けられていない場合でもコントローラ12eを、コントローラ11の完全なスレーヴとして動作するように構成することは可能である。)
【0060】
携帯端末Mの制御部31は、非接触型通信装置1からテキストを受信すると、受信したテキストをタッチパネル34に表示させる(ステップS106)。
【0061】
[1.7.効果]
以上説明したように、第1実施形態における非接触型通信装置1は、携帯端末Mに対してメモリ12dに書き込まれた提供情報を非接触で送信可能な非接触型ICカード10を有し、情報デバイス14は、メモリ12dに書き込む提供情報を決定するための基情報を生成又は記憶し、コントローラ11は、情報デバイス14により生成又は記憶され得る基情報と提供すべき提供情報とを対応付けた提供情報決定条件情報を参照し、情報デバイス14により生成又は記憶された基情報に対応する提供情報を決定し、決定した提供情報をメモリ12dに書き込む。
【0062】
したがって、情報デバイス14が生成又は記憶する基情報に基づいて決定した提供情報をメモリ12dに書き込むことから、作業者がリーダライタを用いて書き換え作業を行う必要が無く、多様な提供情報をユーザUに提供することができる。
【0063】
また、第1実施形態における非接触型通信装置1の情報デバイス14は、非接触型通信装置1の設置場所、非接触型通信装置1の設置された向き、非接触型通信装置1の設置場所における日時、非接触型通信装置1の設置場所の環境(気温、照度など)を示す数値、又は非接触型通信装置1が携帯端末Mを検知した回数、の少なくとも何れかの基情報を生成又は記憶する。
【0064】
したがって、非接触型通信装置1の設置場所、設置された向き、設置場所における日時、設置場所の環境、又は非接触型通信装置1が携帯端末Mを検知した回数、に応じた多様な提供情報をユーザに提供することができる。
【0065】
[2.第2実施形態]
次に、図8〜図12を参照して、本発明の第2実施形態について説明する。
【0066】
[2.1.情報提供システムSAの構成及び機能]
図8に示すように、第2実施形態における情報提供システムSAは、第1実施形態における情報提供システムSに情報配信サーバ2(「サーバ装置」の一例)を加えた点で第1実施形態と異なる。携帯端末Mと情報配信サーバ2とはネットワークNWを介して相互にデータ通信ができるようになっている。以下、第2実施形態の説明では、第1実施形態と異なる部分を中心に説明し、第1実施形態と同様の部材や処理については同じ符号を用いて説明を一部省略する。
【0067】
第2実施形態における情報提供システムSAにおいて、情報配信サーバ2は第1実施形態において非接触型通信装置1が提供していた提供情報を提供する役割を担う。一方、非接触型通信装置1は、情報配信サーバ2が提供すべき提供情報を決定できるように後述するURL(Uniform Resource Locator)を生成し、メモリ12dのURL格納領域に記憶する。生成するURLは、携帯端末Mが情報配信サーバ2にアクセスするためのアクセス情報と、情報配信サーバ2が提供すべき提供情報を決定するためのパラメータ情報(情報デバイス14から取得される基情報に対応する情報)とからなる。URL格納領域に格納されるURLはコントローラ11により適宜更新される。そして、ユーザUが携帯端末Mを非接触型通信装置1にかざすと、携帯端末Mが非接触でメモリ12dのURL格納領域に記憶されているURLを読み取り、情報配信サーバ2にアクセスできるようになっている。携帯端末Mが情報配信サーバ2にアクセスする際には、パラメータ情報が情報配信サーバ2に送信され、情報配信サーバ2はパラメータ情報に基づいて決定した提供情報を携帯端末Mに送信するようになっている。これにより、ユーザUは情報配信サーバ2を介して提供情報を受け取ることができる。
【0068】
[2.2.非接触型通信装置1の構成]
第2実施形態における非接触型通信装置1のメモリ12dには、提供情報格納領域の代わりに、URLが格納されるURL格納領域が設けられている。コントローラ11は、情報センサー14から取得した基情報に基づいて、URLを生成してメモリ12dのURL格納領域に記録する。このとき、コントローラ11はURLとともに、当該URLに基づいて情報配信サーバ2から提供される提供情報の内容に対応するタイトル情報をURL格納領域に記録する。これにより、携帯端末MがURLを取り込んだ段階でタイトルがユーザUに通知され、ユーザUは情報配信サーバ2からどういった提供情報が提供されるかを把握することができる。
【0069】
次に、図9を用いてコントローラ11によるURLの作成方法について説明する。図9に示すように、URL100は、情報配信サーバ2の位置やサービス等を特定するための資源特定部100a(「アクセス情報」の一例)、パラメータ情報部100b、及び管理部100cとから構成される。資源特定部100aは、予め管理者により情報配信サーバ2を示す情報がセットされる。コントローラ11は、パラメータ情報部100bに情報デバイス14から取得した基情報に対応する値をセットする。具体的には、情報デバイスである(i)気温センサー、(ii)明るさセンサー、(iii)方位センサー、(iv)GPS(Global Positioning System)受信機、(v)時計デバイス、(vi)カウンタメモリが、それぞれ「s1」から「s6」に対応しており、コントローラ11はそれぞれから取得された値を「sensor01」から「sensor06」にセットする。このとき、コントローラ11は、非接触型通信装置1に設けられていないなどの理由により値が取得できない情報デバイス14については値をセットしない。また、コントローラ11は、管理部100cの「idno」には非接触型通信装置1を他の非接触型通信装置1と識別するための識別情報IDをセットし、「hash_Value」には改竄防止のためのハッシュ値をセットする。ハッシュ値は、コントローラ11が資源特定部100aの冒頭からパラメータ情報部100bの最後の「&」までの文字列から算出する。
【0070】
[2.3.携帯端末Mの構成]
第2実施形態における携帯端末Mのカード読み取りアプリには、ICカードチップ12内のメモリ12dにおけるURL格納領域のアドレスが規定されており、URL格納領域に格納されたタイトルとURL100を取得できるようになっている。また、カード読み取りアプリはタイトルとURL100を取得すると、これらをタッチパネル34に表示させた上で、URL100の示す資源(情報配信サーバ2)にアクセスするかをユーザUに選択させた上で、情報配信サーバ2にアクセスするようになっている。このとき、URL100に含まれるパラメータ情報100bが情報配信サーバ2に送信される。そして、パラメータ情報100bにセットされた値(基情報)に基づいて決定された提供情報を情報配信サーバ2から受信し、タッチパネル34に表示させるようになっている。
【0071】
[2.4.情報配信サーバ2の構成]
次に、情報配信サーバ2の構成について、図10を用いて説明する。
【0072】
図10に示すように、情報配信サーバ2は、制御部21と、記憶部22と、通信部23とを備えている。通信部23は、ネットワークを介した携帯端末Mとの通信を制御するようになっている。
【0073】
制御部21は、CPU、RAM等により構成されている。そして、CPUが、記憶部22に記憶された各種プログラムを読み出し実行することにより各種機能を実現する。
【0074】
記憶部22は、例えば、ハードディスクドライブ等により構成されており、オペレーティングシステムや、アプリケーションプログラム等の各種プログラムを記憶する。また、記憶部22は、制御部21が携帯端末Mから送信されるパラメータ情報部100bにセットされた値に基づいて、提供情報としてのテキストを決定する際に参照する判定用データを記憶する。判定用データは、コントローラ11が提供情報を決定する際に参照する提供情報決定条件情報(図4参照)と同様のデータである。つまり、制御部21は、第1実施形態においてコントローラ11が提供情報決定条件情報を参照して基情報に基づいて提供情報を決定したのと同様に、判定用データを参照してパラメータ情報部100bにセットされた値に基づいて提供情報を決定する。なお、記憶部22は、判定用データを非接触型通信装置1毎に記憶しており、制御部21は、URL100の管理部100cに含まれる識別情報IDに基づいて参照すべき判定用データを判別する。
【0075】
[2.5.非接触型通信装置1の動作]
次に、図11及び図12を用いて第2実施形態における非接触型通信装置1の動作について説明する。図11及び図12は、非接触型通信装置1がURL格納領域のURLを更新する際の処理例を示す図である。
【0076】
コントローラ11は、情報デバイス14として上記(i)〜(v)の少なくとも何れかが非接触型通信装置1に設けられている場合には、定期的(例えば、情報デバイス14から受け取る基情報が変化することが予想される間隔毎)に図11に示す処理を実行する。具体的には、まず、コントローラ11は、情報デバイス14から情報を取得する(ステップS11A)。
【0077】
次に、コントローラ11は、図9を用いて上述したように、情報デバイス14から取得した基情報に基づいてURL100を生成する(ステップS12A)。次に、コントローラ11は、ICカードチップ12内のメモリ12dのURL格納領域を、ステップS12Aの処理で生成したURL100により更新する(ステップS13A)。
【0078】
一方、コントローラ11は、情報デバイス14として上記(vi)が非接触型通信装置1に設けられている場合において、携帯端末Mが非接触型通信装置1にかざされたことが検知された場合には、後述する図13のステップS101から、ステップS105Aの処理でURL格納領域からURL100を読み出される前までに、図12に示す処理を実行する。具体的には、コントローラ11は、カウンタの値に「1」を加算し(ステップS21A)、次いで、その時点でのカウンタの値を取得する(ステップS22A)。なお、非接触型通信装置1に(vi)カウンタメモリの他に、上記(i)〜(v)の少なくとも何れかが非接触型通信装置1に設けられている場合には、これらのデバイスからも基情報を取得する。
【0079】
次に、コントローラ11は、図9を用いて上述したように、カウンタの値(上記(i)〜(v)の少なくとも何れかが非接触型通信装置1に設けられている場合には、これらのデバイスから取得した基情報も)に基づいてURL100を生成する(ステップS23A)。次に、コントローラ11は、ICカードチップ12内のメモリ12dのURL格納領域を、ステップS23Aの処理で生成したURL100により更新する(ステップS24A)。
【0080】
[2.6.情報提供システムSAの動作]
次に、図13を用いて第2実施形態における情報提供システムSAの動作について説明する。図13は、携帯端末M1が非接触型通信装置1のICカードチップに記憶されたURL100を取得し、次いで、URL100に基づいて情報配信サーバ2にアクセスして提供情報を取得し、表示する際の処理例を示すシーケンス図である。
【0081】
ステップS101からステップS104までは第1実施形態と同様なので説明を省略する。非接触型通信装置1のコントローラ12eは、ステップS104の処理で携帯端末Mからカード読取コマンドを受信すると、ステップS102の処理で送信したカードIDと同じカードIDが含まれているか確認する。コントローラ12eは、同じカードIDがカード読取コマンドに含まれていると判定した場合には、カード読取コマンドに含まれているメモリ領域指定情報の示すアドレスを参照し、メモリ12dのURL格納領域に格納されているタイトル及びURL100を携帯端末Mに送信させる(ステップS105A)。
【0082】
なお、情報デバイス14として(vi)カウンタメモリが設けられている場合には、コントローラ12eは、URL格納領域に格納されているURL100を読み出す前までに図12に示す処理をコントローラ11に実行させることとする。すなわち、コントローラ11は携帯端末Mが非接触型通信装置1にかざされたことによりカウンタの値を加算し、これに伴って新たに生成したURL100でURL格納領域を更新する。その後、コントローラ12eがURL格納領域に格納されているURL100及びタイトルを読み出して、携帯端末Mに送信することとなる。これを実現するため、情報デバイス14として(vi)カウンタメモリが設けられている場合は、コントローラ12eは、コントローラ11の完全なスレーヴとして動作するように制御されること、および、コントローラ11は、図12に示した処理を、ステップS101とS102の間、またはステップS104とS105Aの間のいずれかにおいて実行すればよいこと、は第1実施形態と同様である。
【0083】
携帯端末Mの制御部31は、非接触型通信装置1からタイトル及びURL100を受信すると、受信したタイトルをタッチパネル34に表示させる(ステップS106A)。このとき、合わせてURL100を表示させることとしてもよい。また、制御部31は、「アクセスしますか?」といったテキストとともに、「YES」ボタン及び「NO」ボタンを表示させるなどして、タイトルに対応するURL100に基づいて情報配信サーバ2にアクセスするか否かをユーザUに選択させる。ユーザUによりアクセスすることが選択されると、制御部31は、URL100に基づいて情報配信サーバ2にアクセスする。
【0084】
情報配信サーバ2の制御部21は、携帯端末Mからのアクセスを検知すると、コントローラ11と同様の計算方法によりハッシュ値を計算し、URL100の管理部100cに含まれるハッシュ値と同じ値であるか否かを確認する。同じ値である場合には、制御部21は、管理部100cに含まれる識別情報IDで特定される判定用データを参照し、パラメータ情報部100bにセットされている値(基情報)に基づいて提供情報(テキスト)を決定する(ステップS108A)。次いで、制御部21は、決定した提供情報(テキスト)を携帯端末Mに送信する(ステップS109A)。
【0085】
携帯端末Mの制御部31は、情報配信サーバ2からから提供情報(テキスト)を受信すると、受信したテキストをタッチパネル34に表示させる(ステップS110A)。
【0086】
[2.7.効果]
以上説明したように、第2実施形態における非接触型通信装置1は、携帯端末Mに対してメモリ12dに書き込まれた情報を非接触で送信可能な非接触型ICカード10を有し、情報デバイス14が提供情報を決定するための基情報を生成又は記憶し、コントローラ11は、基情報に基づいて携帯端末Mに対して提供する提供情報を決定する情報配信サーバ2にアクセスするための資源特定部100aと、情報デバイス14により生成又は記憶された基情報に基づいて値をセットしたパラメータ情報部100bと、を含むURL100を生成してメモリ12dに書き込む。
【0087】
したがって、情報配信サーバ2に携帯端末Mが基情報を送信できるように、当該基情報に対応するパラメータ情報部100bと情報配信サーバ2にアクセスするための資源特定部100aとを含むURL100をメモリ12dに書き込むことから、作業者がリーダライタを用いて書き換え作業を行う必要が無く、情報配信サーバ2により基情報に基づいて決定される多様な提供情報を、情報配信サーバ2を介してユーザに提供することができる。
【0088】
[3.第3実施形態]
次に、図14〜図17を参照して、本発明の第3実施形態について説明する。
【0089】
[3.1.情報提供システムSBの構成及び機能]
図13に示すように、第3実施形態における情報提供システムSBは、第1実施形態における情報提供システムSにカメラCMと外部処理装置4を加えた点、及び非接触型通信装置1の代わりにICカード情報書換装置1Bを有する点で第1実施形態と異なる。カメラCMはICカード情報書換装置1B付近に設置され、定期的(例えば、2秒毎)に撮影した画像を外部処理装置4に送信する。外部処理装置4は、受信した画像を解析し、人間が写っている否かを判別し、人間が写っている場合にはその人物を解析して人物情報(男性であるか女性であるか、又は子供であるか大人であるかなどを示す情報)を生成する。画像からその画像に写っている人物を解析する方法については公知の解析方法を用いる。外部処理装置4は人物情報を生成すると、ICカード情報書換装置1Bに送信する。ICカード情報書換装置1Bは受信した人物情報(基情報の一例)に基づいて提供情報を決定し、提供情報格納領域を更新する。つまり、第3実施形態における情報提供システムSBは、情報デバイス14から取得した情報に基づいて提供情報を決定する代わりに、外部処理装置4にて生成された人物情報に基づいて提供情報を決定する点で、第1実施形態と異なる。以下、第3実施形態の説明では、第1実施形態と異なる部分を中心に説明し、第1実施形態と同様の部材や処理については同じ符号を用いて説明を一部省略する。
【0090】
[3.2.ICカード情報書換装置1Bの構成]
図15に示すように、第3実施形態におけるICカード情報書換装置1Bは、非接触型通信装置1とほぼ同様の構成を有しているが、情報デバイス14を備えておらず、代わりに外部処理装置4から人物情報を受信するための電気的・機械的な接続部分としての外部インターフェース16(「外部インターフェース手段」の一例)を備えている。外部インターフェース16は、外部処理装置4からの信号ケーブル等を収容固定し、コントローラ11の入出力ポートに導く端子に接続するコネクタ等を含み、必要であれば外部処理装置4から受信した信号をコントローラ11が処理可能な信号レベルに変換する回路を含んでもよい。
【0091】
第3実施形態におけるコントローラ11は、外部処理装置4から人物情報を受け取り、当該人物情報に基づいてICカードチップ12のメモリ12dに書き込む提供情報を決定する。コントローラ11は、決定した提供情報によりICカードチップ12のメモリ12dに記録されている提供情報を更新する。
【0092】
[3.3.外部処理装置4の構成]
外部処理装置4は図10を用いて説明した第2実施形態における情報配信サーバ2と同様に制御部、記憶部及び通信部を有している。外部処理装置4の記憶部には上述した画像解析、人物解析を行うための解析プログラムが記録されている。外部処理装置4の制御部は、カメラCMから画像を受け取る度に解析を行い、画像に人間が写っている場合にはその人物に関する人物情報を生成し、ICカード情報書換装置1Bに送信する。
【0093】
[3.4.提供情報決定条件]
【0094】
次に、図16を用いて、第3実施形態においてICカード情報書換装置1Bのコントローラ11が提供情報を決定する際の提供情報決定条件について説明する。
【0095】
コントローラ11は、外部処理装置4から受け取った人物情報に基づいて提供情報を決定する。例えば、コントローラ11は、人物情報が子供で且つ男性であることを示している場合には「TVゲーム、リアルサッカースタジアム2011新発売!」といったテキスト情報を提供情報として決定し、人物情報が子供で且つ女性であることを示している場合には「着せ替え人形 きょうこちゃん新発売!」といったテキスト情報を提供情報として決定し、人物情報が大人で且つ男性であることを示している場合には「深ぞり 7枚刃ひげ剃り新発売!」といったテキスト情報を提供情報として決定し、人物情報が大人で且つ女性であることを示している場合には「格安ネールサロン○×△ 新規オープン!」といったテキスト情報を提供情報として決定する。これにより、カメラに写った人物(ICカード情報書換装置1B付近にいる人物で、ユーザUと推測される人物)に応じたテキスト情報をユーザUに提供することができる。
【0096】
[3.5.ICカード情報書換装置1Bの動作]
次に、図17を用いて第3実施形態におけるICカード情報書換装置1Bの動作について説明する。図17は、ICカード情報書換装置1Bが提供情報格納領域の提供情報を更新する際の処理例を示すフローチャートである。
【0097】
コントローラ11は、外部処理装置4から人物情報を受け取る度に図17に示す処理を実行する。具体的には、コントローラ11は、外部処理装置4から人物情報を取得すると(ステップS11B)、図16を用いて上述したように、取得した人物情報に基づいてテキストを決定する(ステップS12B)。次に、コントローラ11は、ICカードチップ12内のメモリ12dの提供情報格納領域を、ステップS12Bの処理で決定したテキストにより更新する(ステップS13B)。
【0098】
[3.6.情報提供システムSBの動作]
第3実施形態における情報提供システムSBの動作については、非接触型通信装置1の役割をICカード情報書換装置1Bが果たす点を除き、第1実施形態における情報提供システムSの動作と同様なので説明を省略する。
【0099】
[3.7.効果]
以上説明したように、第3実施形態におけるICカード情報書換装置1Bは、携帯端末Mに対してメモリ12dに書き込まれた提供情報を非接触で送信可能な非接触型ICカード10を有し、外部インターフェース16が提供情報を決定するための基情報を外部から受け付け、コントローラ11が、外部インターフェース16が受け取り得る基情報と提供すべき提供情報とを対応付けた提供情報決定条件情報を参照し、外部インターフェース16が受け取った基情報に対応する提供情報を決定し、決定した提供情報をメモリ12dに書き込む。
【0100】
したがって、外部処理装置4から受け取った人物情報に基づいて決定した提供情報をメモリ12dに書き込むことから、作業者がリーダライタを用いて書き換え作業を行う必要が無く、多様な提供情報をユーザUに提供することができる。
【0101】
[3.8.変形例]
第3実施形態では、カメラCMが撮影した画像に基づいて外部処理装置4が人物情報を生成し、ICカード情報書換装置1Bは人物情報に基づいてテキストを決定するが、これに代えて、ディスプレイ(例えば、デジタルサイネージ)に接続された外部処理装置4が、ディスプレイにより表示されている表示内容を示す表示内容情報(基情報の一例)をICカード情報書換装置1Bに送信し、ICカード情報書換装置1Bが表示内容情報に基づいてテキストを決定する構成としてもよい。
【0102】
例えば、ディスプレイにA社が製造販売する商品Bを表示している場合には、外部処理装置4がその旨を示す表示内容情報をICカード情報書換装置1Bに送信し、ICカード情報書換装置1Bは当該表示内容情報に基づいてA社の商品Bに関する情報(例えば、会社名、商品名、販売価格、商品の特徴等)を表すテキストを決定する。なお、この場合、ICカード情報書換装置1Bのメモリ15には、予め外部処理装置4から送信される表示内容情報毎に対応するテキストを記憶させておくこととする。これにより、ICカード情報書換装置1Bの付近に設置されたディスプレイにより表示された表示内容に対応するテキスト(提供情報)をユーザUに提供することができる。
【0103】
また、ICカード情報書換装置1Bに第1実施形態で説明した情報デバイス14を更に設けることとし、情報デバイス14から受け取る基情報と、外部処理装置4から受け取る人物情報との両情報に基づいて、テキストを決定することとしてもよい。これにより、例えば、時計デバイスから現在時刻が午前8時であることを示す基情報を受け取り、外部処理装置4から大人で且つ男性であることを示す人物情報を受け取った場合には、胃腸薬に関する商品情報を提供し、一方、午後8時であることを示す基情報と、大人で且つ男性であることを示す人物情報を受け取った場合には、ウィスキーに関する商品情報を提供することができる。
【0104】
また、ICカード情報書換装置1Bのコントローラ11に代わり、外部処理装置4が自ら生成した人物情報に基づいてテキスト(提供情報)を決定し、テキスト(提供情報)そのものをICカード情報書換装置1Bに送信することとし、ICカード情報書換装置1Bのコントローラ11は受信したテキスト(提供情報)を提供情報格納領域に格納する構成としても、提供情報をユーザUに提供することができる。このとき、外部処理装置4の記憶部には提供情報決定条件情報(図16参照)を記憶させておくこととし、外部処理装置4の制御部は提供情報決定条件情報を参照して、テキスト(提供情報)を決定することとする。当該構成によれば、外部処理装置4から受け付けた提供情報をメモリ12dに書き込むことから、作業者がリーダライタを用いて書き換え作業を行う必要が無く、人物情報に基づいて決定される多様な提供情報をユーザUに提供することができる。
【0105】
[4.第4実施形態]
次に、図18〜図20を参照して、本発明の第4実施形態について説明する。
【0106】
[4.1.情報提供システムSCの構成及び機能]
図18に示すように、第4実施形態における情報提供システムSCは、第2実施形態における情報提供システムSAと第3実施形態における情報提供システムSBとを組み合わせた構成となっている。すなわち、情報提供システムSCは、携帯端末M、ICカード情報書換装置1B、情報配信サーバ2、カメラCM、及び外部処理装置4を含む構成となっている。以下、第4実施形態の説明では、第2実施形態、第3実施形態と異なる部分を中心に説明し、同様の部材や処理については同じ符号を用いて説明を一部省略する。
【0107】
第4実施形態における情報提供システムSCにおいて、情報配信サーバ2は第3実施形態においてICカード情報書換装置1Bが提供していた提供情報を提供する役割を担う。一方、ICカード情報書換装置1Bは後述するURLを生成し、メモリ12dのURL格納領域に記憶する。生成するURLは、携帯端末Mが情報配信サーバ2にアクセスするためのアクセス情報と、情報配信サーバ2が提供すべき提供情報を決定するためのパラメータ情報(外部処理装置4から取得される人物情報(基情報の一例)に対応する)とからなる。URL格納領域に格納されるURLは、外部処理装置4から人物情報を受け取る度にコントローラ11により適宜更新される。そして、ユーザUが携帯端末MをICカード情報書換装置1Bにかざすと、携帯端末Mが非接触でメモリ12dのURL格納領域に記憶されているURLを読み取り、情報配信サーバ2にアクセスできるようになっている。携帯端末Mが情報配信サーバ2にアクセスする際には、パラメータ情報が情報配信サーバ2に送信され、情報配信サーバ2はパラメータ情報に基づいて決定した提供情報を携帯端末Mに送信するようになっている。これにより、ユーザUは情報配信サーバ2を介して提供情報を受け取ることができる。
【0108】
[4.2.ICカード情報書換装置1Bの構成]
第4実施形態におけるICカード情報書換装置1Bのメモリ12dには、第2実施形態における非接触型無線装置1のメモリ12dと同様に、URLが格納されるURL格納領域が設けられている。コントローラ11は、外部処理装置4から取得した人物情報に基づいて、URLを生成してメモリ12dのURL格納領域に記録する。このとき、コントローラ11はURLとともに、当該URLに基づいて情報配信サーバ2から提供される提供情報の内容に対応するタイトル情報をURL格納領域に記録する。
【0109】
次に、図19を用いて第4実施形態におけるICカード情報書換装置1Bのコントローラ11によるURLの作成方法について説明する。図19に示すように、URL101は、情報配信サーバ2の位置やサービス等を特定するための資源特定部101a(「アクセス情報」の一例)、パラメータ情報部101b、及び管理部101cとから構成される。資源特定部101aは、予め管理者により情報配信サーバ2を示す情報がセットされる。コントローラ11は、パラメータ情報部101bに外部処理装置4から取得した人物情報(「基情報」の一例)に応じた値をセットする。具体的には、人物情報における子供であるか大人であるかを示す情報が「ya」に対応しており、「youngadult」に子供である場合には「0」を、大人である場合には「1」をセットする。また、人物情報における男性であるか女性であるかを示す情報が「mf」に対応しており、「malefemale」に女性である場合には「0」を、男性である場合には「1」をセットする。また、コントローラ11は、管理部101cの「idno」にはICカード情報書換装置1Bを他のICカード情報書換装置1Bと識別するための識別情報IDをセットし、「hash_Value」には改竄防止のためのハッシュ値をセットする。ハッシュ値は、コントローラ11が資源特定部101aの冒頭からパラメータ情報部101bの最後の「&」までの文字列から計算する。
【0110】
[4.3.携帯端末Mの構成]
第4実施形態における携帯端末Mの構成は、第2実施形態における携帯端末Mの構成と同様なので説明を省略する。
【0111】
[4.4.情報配信サーバ2の構成]
第4実施形態における情報配信サーバ2の記憶部22は、制御部21が携帯端末Mから送信されるパラメータ情報101bの値に基づいて、提供情報としてのテキストを決定する際に参照する判定用データを記憶する。判定用データは、コントローラ11が提供情報を決定する際に参照する提供情報決定条件情報(図16参照)と同様のデータである。つまり、制御部21は、第3実施形態においてコントローラ11が提供情報決定条件情報を参照して人物情報に基づいて提供情報を決定したのと同様に、判定用データを参照してパラメータ情報に基づいて提供情報を決定する。なお、記憶部22は、判定用データをICカード情報書換装置1B毎に記憶しており、制御部21は、URL101の管理部101cに含まれる識別情報IDに基づいて参照すべき判定用データを判別する。
【0112】
[4.5.ICカード情報書換装置1Bの動作]
次に、図20を用いて第4実施形態におけるICカード情報書換装置1Bの動作について説明する。図20は、ICカード情報書換装置1BがURL格納領域のURLを更新する際の処理例を示す図である。
【0113】
コントローラ11は、外部処理装置4から人物情報を受け取る度に図20に示す処理を実行する。具体的には、コントローラ11は、外部処理装置4から人物情報を取得すると(ステップS11C)、図19を用いて上述したように、取得した人物情報に基づいてURL101を生成する(ステップS12C)。次に、コントローラ11は、ICカードチップ12内のメモリ12dのURL格納領域を、ステップS12Cの処理で生成したURL101により更新する(ステップS13C)。
【0114】
[4.6.情報提供システムSCの動作]
第4実施形態における情報提供システムSCの動作については、非接触型通信装置1の役割をICカード情報書換装置1Bが果たす点を除き、第2実施形態における情報提供システムSAの動作と同様なので説明を省略する。
【0115】
[4.7.効果]
以上説明したように、第4実施形態におけるICカード情報書換装置1Bは、携帯端末Mに対してメモリ12dに書き込まれた情報を非接触で送信可能な非接触型ICカード10を有し、外部インターフェース16が、提供情報を決定するための人物情報を外部処理装置4から受け付け、コントローラ11は、人物情報に基づいて携帯端末Mに対して提供する提供情報を決定する情報配信サーバ2にアクセスするための資源特定部101aと、外部処理装置4から受け付けた人物情報に対応する値をセットしたパラメータ情報部101bと、を含むURL101を生成してメモリ12dに書き込む。
【0116】
したがって、携帯端末Mが、人物情報に基づいて提供情報を決定する情報配信サーバ2に当該人物情報を送信できるように、当該人物情報と情報配信サーバ2にアクセスするためのアクセス情報とをメモリ12dに書き込むことから、作業者がリーダライタを用いて書き換え作業を行う必要が無く、情報配信サーバ2により人物情報に基づいて決定される多様な提供情報を、情報配信サーバ2を介してユーザに提供することができる。
【0117】
[4.8.変形例]
第4実施形態では、カメラCMが撮影した画像に基づいて外部処理装置4が人物情報を生成し、ICカード情報書換装置1Bは人物情報に基づいてURL101を生成するが、これに代えて、ディスプレイ(例えば、デジタルサイネージ)に接続された外部処理装置4が、ディスプレイにより表示されている表示内容を示す表示内容情報(「基情報」の一例)をICカード情報書換装置1Bに送信し、ICカード情報書換装置1Bが表示内容情報に基づいてパラメータ情報部101bを編集し、URL101を生成する構成としてもよい。この場合、情報配信サーバ2の記憶部22には、制御部21がパラメータ情報部101bにセットされたパラメータ情報に基づいて、テキスト(提供情報)を決定できるように判定用データを記憶させることとする。
【0118】
例えば、ディスプレイにA社が製造販売する商品Bを表示している場合には、外部処理装置4がその旨を示す表示内容情報をICカード情報書換装置1Bに送信し、ICカード情報書換装置1Bは当該表示内容情報に基づいてURL101を生成する。なお、この場合、パラメータ情報部101bには、製造販売会社としてA社を特定するための情報と、商品として商品Bを特定するための情報をセットすることとする。また、情報配信サーバ2の記憶部22には、製造販売会社を特定するための情報と、商品を特定するための情報とに対応付けて、商品情報を表すテキストを記憶させておくこととする。
【0119】
また、ICカード情報書換装置1Bに第1実施形態で説明した情報デバイス14を設けることとし、情報デバイス14から受け取る基情報と、外部処理装置4から受け取る人物情報との両情報に基づいて、パラメータ情報を編集したURLを生成する構成も考えられる。このとき、情報配信サーバ2も基情報と人物情報との両情報に基づいて提供情報を決定できるように判定用データを記憶することとする。
【0120】
また、ICカード情報書換装置1Bのコントローラ11に代わり、外部処理装置4が自ら生成した人物情報に基づいて更にURL101を生成し、URL101そのものをICカード情報書換装置1Bに送信することとし、ICカード情報書換装置1Bのコントローラ11は受信したURL101をURL格納領域に格納する構成としても、人物情報に基づいて決定された提供情報をユーザUに提供することができる。
【符号の説明】
【0121】
S、SA、SB、SC 情報提供システム
1 非接触型通信装置
1B ICカード情報書換装置
10非接触型ICカード
11 コントローラ
12 ICカードチップ
12a 整流回路
12b 復調回路
12c 変調回路
12d メモリ
12e コントローラ
13 アンテナ
14 情報デバイス
15 メモリ
16 外部インターフェース
M 携帯端末
2 情報配信サーバ
CM カメラ
4 外部処理装置
【技術分野】
【0001】
本発明は、IC(Integrated Circuit)カードの技術分野に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、非接触型ICカードのメモリ領域に記録された情報を読み取ることができる携帯型端末機(以下、「ICカード対応携帯端末」)が普及している。これに伴い、情報が記録された非接触型ICカード(ICタグ)を街頭や展示会場等に設け、ユーザにICカード対応携帯端末をかざしてもらうことで、ユーザに情報を提供する利用形態が広まっている。今後はこうした利用形態において固定的な情報のみならず、提供者の意図や被提供者(ユーザ)のニーズに適合する多様な情報を提供することが望まれる。
【0003】
一方で、ICカードのメモリ領域に記録された情報を書き換える技術が特許文献1や特許文献2等に記載されている。これらの特許文献に記載された技術は、ICカードとは別個のリーダライタを用いてICカードのメモリ領域に記録された情報を書き換えるものである。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2009−140026号公報
【特許文献2】特開2006−59302号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、リーダライタを用いてICカードのメモリ領域に記録された情報を書き換える場合には、作業者が、記憶させるべき情報の内容に応じてリーダライタの設定を変更した上で書き換え作業を行う必要があり、書き換え対象のICカードが大量に存在する場合などはその作業量が膨大になるという問題がある。
【0006】
本発明は、このような問題に鑑みて為されたものであり、作業者がリーダライタを用いて書き換え作業を行う必要が無く、自己でメモリ領域に記憶させる情報を書き換えることにより、多様な提供情報をユーザに提供することができる非接触型ICカード機能を有する非接触型通信装置等を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決するために、請求項1に記載の発明は、情報読取装置に対して自己のメモリ領域に書き込まれた提供情報を非接触で送信可能な非接触型ICカード機能を有する非接触型通信装置であって、前記メモリ領域に書き込む提供情報を決定するための基情報を生成又は記憶する基情報提示手段と、前記基情報提示手段により生成又は記憶され得る前記基情報と提供すべき提供情報とを対応付けた対応情報を参照し、前記基情報提示手段により生成又は記憶された基情報に対応する提供情報を決定する決定手段と、前記決定された提供情報を前記メモリ領域に書き込む書込手段と、を備えることを特徴とする。
【0008】
本発明によれば、基情報提示手段が生成又は記憶する基情報に基づいて決定した提供情報をメモリ領域に書き込むことから、作業者がリーダライタを用いて書き換え作業を行う必要が無く、多様な情報をユーザに提供することができる。
【0009】
請求項2に記載の発明は、前記提供情報が書き込まれる前記メモリ領域とは別の第2のメモリ領域を備え、前記対応情報は、第2のメモリ領域に記録されていることを特徴とする請求項1に記載の非接触型通信装置である。
【0010】
請求項3に記載の発明は、情報読取装置に対して自己のメモリ領域に書き込まれた情報を非接触で送信可能な非接触型ICカード機能を有する非接触型通信装置であって、提供情報を決定するための基情報を生成又は記憶する基情報提示手段と、前記基情報に基づいて前記情報読取装置に対して提供する提供情報を決定するサーバ装置にアクセスするためのアクセス情報と、前記基情報提示手段により生成又は記憶された基情報とを前記メモリ領域に書き込む書込手段と、を備えることを特徴とする。
【0011】
本発明によれば、基情報に基づいて提供情報を決定するサーバ装置に情報読取装置が当該基情報を送信できるように、メモリ領域に当該基情報と当該サーバ装置にアクセスするためのアクセス情報とを書き込むことから、作業者がリーダライタを用いて書き換え作業を行う必要が無く、基情報に基づいて決定される多様な提供情報を、サーバ装置を介してユーザに提供することができる。
【0012】
請求項4に記載の発明は、請求項1から請求項3のいずれか1項に記載の非接触型通信装置であって、前記基情報提示手段は、前記非接触型通信装置の設置場所、前記非接触型通信装置の設置された向き、前記非接触型通信装置の設置場所における日時、前記非接触型通信装置の設置場所の環境を示す数値、又は前記非接触型通信装置が前記情報読取装置を検知した回数、の少なくとも何れかの基情報を生成又は記憶することを特徴とする。
【0013】
本発明によれば、少なくとも、非接触型ICカードの設置場所、設置された向き、設置場所における日時、設置場所の環境、又は非接触型ICカードが情報読取装置を検知した回数、に応じた提供情報をユーザに提供することができる。
【0014】
請求項5に記載の発明は、情報読取装置に対して自己のメモリ領域に書き込まれた提供情報を非接触で送信可能な非接触型ICカード機能を有するICカード情報書換装置であって、提供情報を決定するための基情報を外部から受け付ける外部インターフェース手段と、前記外部インターフェース手段が受け取り得る基情報と提供すべき提供情報とを対応付けた対応情報を参照し、前記外部インターフェース手段が受け取った基情報に対応する提供情報を決定する決定手段と、前記決定した提供情報を前記メモリ領域に書き込む書込手段と、を備えることを特徴とする。
【0015】
本発明によれば、外部から受け付けた基情報に基づいて決定した提供情報をメモリ領域に書き込むことから、作業者がリーダライタを用いて書き換え作業を行う必要が無く、多様な情報をユーザに提供することができる。
【0016】
請求項6に記載の発明は、前記提供情報が書き込まれる前記メモリ領域とは別の第2のメモリ領域を備え、前記対応情報は、第2のメモリ領域に記録されていることを特徴とする請求項5に記載のICカード情報書換装置である。
【0017】
請求項7に記載の発明は、情報読取装置に対して自己のメモリ領域に書き込まれた情報を非接触で送信可能な非接触型ICカード機能を有するICカード情報書換装置であって、提供情報を決定するための基情報を外部から受け付ける外部インターフェース手段と、前記基情報に基づいて前記情報読取装置に対して提供する提供情報を決定するサーバ装置にアクセスするためのアクセス情報と、前記外部インターフェース手段が受け取った基情報とを前記メモリ領域に書き込む書込手段と、を備えることを特徴とする。
【0018】
本発明によれば、基情報に基づいて提供情報を決定するサーバ装置に情報読取装置が当該基情報を送信できるように、メモリ領域に外部から受け付けた基情報と当該サーバ装置にアクセスするためのアクセス情報とを書き込むことから、作業者がリーダライタを用いて書き換え作業を行う必要が無く、基情報に基づいて決定される多様な提供情報を、サーバ装置を介してユーザに提供することができる。
【0019】
請求項8に記載の発明は、情報読取装置に対して自己のメモリ領域に書き込まれた提供情報を非接触で送信可能な非接触型ICカード機能を有するICカード情報書換装置であって、提供情報を外部から受け付ける外部インターフェース手段と、前記外部インターフェース手段が受け取った提供情報を前記メモリ領域に書き込む書込手段と、を備えることを特徴とする。
【0020】
本発明によれば、外部から受け付けた提供情報をメモリ領域に書き込むことから、作業者がリーダライタを用いて書き換え作業を行う必要が無く、提供情報をユーザに提供することができる。
【発明の効果】
【0021】
本発明によれば、基情報に基づいて決定される提供情報をユーザに提供するための情報を自らメモリ領域に書き込むことから作業者がリーダライタを用いて書き換え作業を行う必要が無く、多様な情報をユーザに提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0022】
【図1】第1実施形態に係る情報提供システムSの概略構成を示す図である。
【図2】第1実施形態に係る非接触型通信装置1の概要構成を示すブロック図である。
【図3】第1実施形態に係る携帯端末Mの概要構成を示すブロック図である。
【図4】第1実施形態に係る提供情報決定条件の一例を説明するための図である。
【図5】第1実施形態に係る非接触型通信装置1の動作例を示すフローチャートである。
【図6】第1実施形態に係る非接触型通信装置1の動作例を示すフローチャートである。
【図7】第1実施形態に係る情報提供システムSの動作例を示すシーケンス図である。
【図8】第2実施形態に係る情報提供システムSAの概略構成を示す図である。
【図9】第2実施形態に係るURL作成方法の一例を説明するための図である。
【図10】第2実施形態に係る情報配信サーバ2の概要構成を示すブロック図である。
【図11】第2実施形態に係る非接触型通信装置1の動作例を示すフローチャートである。
【図12】第2実施形態に係る非接触型通信装置1の動作例を示すフローチャートである。
【図13】第2実施形態に係る情報提供システムSAの動作例を示すシーケンス図である。
【図14】第3実施形態に係る情報提供システムSBの概略構成を示す図である。
【図15】第3実施形態に係るICカード情報書換装置1Bの概要構成を示すブロック図である。
【図16】第3実施形態に係る提供情報決定条件の一例を説明するための図である。
【図17】第3実施形態に係るICカード情報書換装置1Bの動作例を示すフローチャートである。
【図18】第4実施形態に係る情報提供システムSCの概略構成を示す図である。
【図19】第4実施形態に係るURL作成方法の一例を説明するための図である。
【図20】第4実施形態に係るICカード情報書換装置1Bの動作例を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0023】
[1.第1実施形態]
以下、図面を参照して本発明の第1実施形態について説明する。
【0024】
[1.1.情報提供システムSの構成及び概要]
まず、図1を用いて第1実施形態における情報提供システムSの構成及び機能について説明する。
【0025】
図1に示すように、情報提供システムSは、ユーザUの携帯する非接触型のICカード対応携帯端末M(以下、「携帯端末M」という)と、非接触型通信装置1と、を含んで構成されている。
【0026】
非接触型通信装置1は、内蔵する非接触型ICカードが記憶する提供情報を後述する提供情報決定条件に従って書き換える機能を有している。非接触型通信装置1は、例えば、ポスターや掲示板等の近くに設置され、非接触型ICカードが記憶する提供情報の内容は、ポスターや掲示板等の表示内容に関連するものとなっている。そして、ユーザUが携帯端末M(「情報読取装置」の一例)を非接触型通信装置1に近接させる(かざす)と、携帯端末Mが非接触で非接触型ICカードに記録されている提供情報を読み取る。これにより、ユーザUは提供情報を受け取ることができるようになっている。
【0027】
[1.2.非接触型通信装置1の構成]
次に、非接触型通信装置1の構成について、図2を用いて説明する。
【0028】
図2に示すように、非接触型通信装置1は、アンテナ13とICカードチップ12とから構成される非接触型ICカードに相当する部分10(以後簡単に非接触ICカード10と記す)と、コントローラ11と、情報デバイス14と、メモリ15とを備えている。コントローラ11と、ICカードチップ12と、メモリ15はバスで接続されている。
【0029】
コントローラ11(「決定手段」、「書込手段」の一例)は、CPU(Central Processing Unit)、ROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)、情報デバイス14と電気的に接続し、情報デバイス14の出力信号を受け入れるインターフェース回路(入出力ポートともいう)、等により構成されている。CPUが、ROMに記憶された各種プログラムを読み出し実行することにより各種機能を実現する。コントローラ11は、前記入出力ポートを通じて情報デバイス14から基情報を受け取り、提供情報決定条件を示す提供情報決定条件情報(「対応情報」の一例)を参照して、ICカードチップ12における後述するメモリ12dに書き込む提供情報を決定する。次いで、コントローラ11は、決定した提供情報によりICカードチップ12のメモリ12dに記録されている提供情報を更新する。
【0030】
ICカードチップ12は、整流回路12a、復調回路12b、変調回路12c、メモリ12d、(ICカードチップ12の)コントローラ12e等を備えている。整流回路12aは、アンテナ13の入力を交流から直流に整流する。復調回路12bは、携帯端末Mから入力される搬送波に重畳されたコマンドやデータをデジタルデータに復調する。変調回路12cは、携帯端末Mに送信するコマンドやデータを搬送波に重畳させる。メモリ12d(「メモリ領域」の一例)は、ICカードチップ12固有のカードIDや、提供情報等を記憶する。カードIDは、製造時に付与されたものを固定的に記憶することとしてもよいし、コントローラ11により適宜変更されることとしてもよいが、後者の場合にはカードIDを用いて携帯端末Mと通信をする場合にセキュリティ面で優位である。また、メモリ12dにおいて提供情報が記録される領域は定められており、その領域を提供情報格納領域と呼ぶ。
【0031】
コントローラ12eは、携帯端末Mなどの外部の非接触型情報機器との間で、非接触型通信、例えばNFC(Near Field Communication)通信プロトコルに従ったコマンド・データのやり取りを行う。受け付けたコマンドにしたがってメモリ12dの内容を出力したりメモリ12dの内容を書換えたりする。また、コントローラ12eは、非接触型通信をしていないときは、コントローラ11から切替制御信号を受けることにより、コントローラ11がメモリ12dの内容の読み出し書き込みすることを可能とする。
【0032】
情報デバイス14(「基情報提示手段」の一例)は、コントローラ11が提供情報を決定する際の基となる基情報を検出等するデバイスである。基情報が気温や明るさなどのアナログ量に起因する場合は、そのためのセンサーとAD変換回路(基情報生成部)、および、基情報をコントローラ11にデジタル信号情報として送信するためのインターフェース(インターフェース部)を備える。基情報が元々デジタル量である場合は、基情報生成部(GPS受信機、時計など)とインターフェース部から構成されることになる。コントローラ11は、情報デバイス14のデジタル出力信号をコントローラ11内の入出力ポートを通じて、例えば8bitのデジタルデータとして基情報を受け入れ、基情報そのものを提供情報とし、又は該基情報に基づいて提供情報決定条件を判定することにより提供情報を決定する。情報デバイス14としては、(i)気温センサー、(ii)明るさセンサー、(iii)方位センサー、(iv)GPS(Global Positioning System)受信機、(v)時計デバイス、(vi)カウンタメモリ、などが想定される。
【0033】
(i)気温センサー(「環境特定デバイス」の一例)は非接触型通信装置1が設置されている場所の気温を検出するデバイスである。
(ii)明るさセンサー(「環境特定デバイス」の一例)は非接触型通信装置1が設置されている場所の明るさを検出するデバイスである。
(iii)方位センサー(「向き特定デバイス」の一例)は非接触型通信装置1が設置されている向きを検出するデバイスである。
(iv)GPS受信機(「設置場所特定デバイス」の一例)は非接触型通信装置1が設置されている位置を検出するデバイスである。
(v)時計デバイス(「日時特定デバイス」の一例)は非接触型通信装置1が設置されている場所の日時を計時又は検出するデバイスである。時計デバイスは、自らが日時を計時するものであってもよいし、他のサーバ等から現在日時を取得するものであってもよい。
(vi)カウンタメモリ(「回数記憶デバイス」の一例)は、コントローラ11の制御の下、非接触型通信装置1に携帯端末Mがかざされる(具体的には、非接触型通信装置1が携帯端末Mを検知する)度に「1」が加算されるカウンタを記憶するデバイスである。すなわち、カウンタは非接触型通信装置1に携帯端末Mがかざされた回数を示す。なお、カウンタは情報デバイス14としてではなくメモリ15又はメモリ12dに設けることとしてもよい。
【0034】
メモリ15(「第2のメモリ領域」の一例)は不揮発性メモリ等により構成されており、提供情報を決定する際に参照される提供情報決定条件情報等を記憶するデバイスである。
【0035】
[1.3.携帯端末Mの構成]
次に、携帯端末Mの構成について、図3を用いて説明する。
【0036】
図3に示すように、携帯端末Mは、制御部31と、記憶部32と、通信部33と、タッチパネル34と、ボタン操作部35と、非接触型ICチップ36とを備えている。通信部33は、ネットワークを介した他の装置との通信を制御するようになっている。
【0037】
記憶部32は、例えば、不揮発性メモリ等により構成されており、オペレーティングシステムや、アプリケーションプログラム等の各種プログラムを記憶する。また、記憶部32はカード情報読み取りアプリケーションプログラム(以下、「カード読み取りアプリ」という)を記憶する。カード読み取りアプリには、非接触型通信装置1のメモリ12dにおける提供情報格納領域のアドレスが規定されており、提供情報格納領域に格納された提供情報を取得できるようになっている。なお、各種プログラムは、例えば、他のサーバ装置等からネットワークを介して取得されるようにしても良いし、記録媒体に記録されて外付けドライブ装置を介して読み込まれるようにしても良い。
【0038】
タッチパネル34は、例えば、静電容量方式のタッチパネルと表示装置とからなり、入力装置及び表示装置として機能する。例えば、表示装置により表示された画面においてオブジェクトが表示された領域をユーザUがタッチすることによって、当該オブジェクトが選択されるようになっている。また、ボタン操作部35は、ユーザUが押下することによりボタン押下信号が制御部31に送信され、例えば、表示装置により表示されている画面が閉じられるようになっている。つまり、ユーザUは、タッチパネル34とボタン操作部35に対する入力操作により、携帯端末Mに情報を入力することができるようになっている。
【0039】
非接触型ICチップ36は、アンテナ、整流回路、復調回路、変調回路、記憶部等を備えている。整流回路は、アンテナの入力を交流から直流に整流する。復調回路は、非接触型通信装置1から入力される搬送波に重畳されたコマンドやデータをデジタルデータに復調する。変調回路は、非接触型通信装置1に送信するコマンドやデータを搬送波に重畳させる。
【0040】
制御部31は、CPU、RAM等により構成されている。そして、CPUが、記憶部32に記憶された各種プログラムを読み出し実行することにより各種機能を実現する。
【0041】
[1.4.提供情報決定条件]
次に、図4を用いて、コントローラ11が提供情報を決定する際に参照される提供情報決定条件について説明する。ここでは、情報デバイス14が上記(i)〜(vi)の各デバイスである場合の提供情報決定条件の一例について説明する。
【0042】
情報デバイス14が(i)気温センサーである場合に、コントローラ11は、気温センサーが検出した気温によって、提供情報を決定する。例えば、コントローラ11は、気温が25℃以上である場合には「只今の気温○○℃。アイスクリームは如何?」(○○には検出された気温がセットされる)といったテキスト情報を提供情報として決定し、気温が25℃未満且つ10℃以上である場合には「只今の気温○○℃。チョコレートパフェは如何?」といったテキスト情報を提供情報として決定し、気温が10℃未満である場合には「只今の気温○○℃。フォンダンショコラは如何?」といったテキスト情報を提供情報として決定する。この例の場合、非接触型通信装置1をレストランのメニューを表す看板付近に設置するとよい。これにより、非接触型通信装置1付近の気温に応じたおすすめメニュー(提供情報の一例)をユーザUに提供することができる。
【0043】
情報デバイス14が(ii)明るさセンサーである場合、コントローラ11は、明るさセンサーが検出した照度によって、提供情報を決定する。例えば、コントローラ11は、照度が10ルクス未満である場合には「暗いから足下に気をつけて!」といったテキスト情報を提供情報として決定し、照度が10ルクス以上である場合には「先を急ぎましょう。」といったテキスト情報を提供情報として決定する。これにより、非接触型通信装置1付近の照度に応じたテキスト情報をユーザUに提供することができる。
【0044】
情報デバイス14が(iii)方位センサーである場合、コントローラ11は、方位センサーが検出した非接触型通信装置1が向いている向きによって、提供情報を決定する。例えば、コントローラ11は、非接触型通信装置1が北向きである場合には「あなたは南を向いていますよ。」といったテキスト情報を提供情報として決定し、非接触型通信装置1が東向きである場合には「あなたは西を向いていますよ。」といったテキスト情報を提供情報として決定し、非接触型通信装置1が南向きである場合には「あなたは北を向いていますよ。」といったテキスト情報を提供情報として決定し、非接触型通信装置1が西向きである場合には「あなたは東を向いていますよ。」といったテキスト情報を提供情報として決定する。この例の場合、非接触型通信装置1を駅構内の地図看板付近に設置するとよい。これにより、非接触型通信装置1の向きに基づいて、ユーザUが向いている方向(提供情報の一例)をユーザUに提供することができ、ユーザUに進行方向を把握させることができる。
【0045】
情報デバイス14が(iv)GPS受信機である場合、コントローラ11は、GPS受信機が検出した現在位置によって、提供情報を決定する。例えば、コントローラ11は、現在位置が北海道内である場合には「北海道と言えば、かにですよ!」といったテキスト情報を提供情報として決定し、現在位置が青森県内である場合には「青森と言えば、リンゴですよ!」といったテキスト情報を提供情報として決定し、現在位置が沖縄県内である場合には「沖縄と言えば、ゴーヤですよ!」といったテキスト情報を提供情報として決定する。これにより、非接触型通信装置1の設置場所に応じたテキスト情報をユーザUに提供することができる。
【0046】
情報デバイス14が(v)時計デバイスである場合、コントローラ11は、時計デバイスから取得される日時によって、提供情報を決定する。例えば、コントローラ11は、現在時刻が23:00〜3:59である場合には「そろそろお休みになった方がいいですよ!」といったテキスト情報を提供情報として決定し、現在時刻が4:00〜8:59である場合には「今日も一日、がんばりましょう!」といったテキスト情報を提供情報として決定し、現在時刻が9:00〜11:59である場合には「お昼までがんばりましょう!」といったテキスト情報を提供情報として決定し、現在時刻が12:00〜16:59である場合には「眠気に負けず、がんばりましょう!」といったテキスト情報を提供情報として決定し、現在時刻が17:00〜22:59である場合には「今日も一日ご苦労様でした!」といったテキスト情報を提供情報として決定する。また、例えば時計デバイスから取得される日付が12月1日から12月23日の間であれば、「もうすぐクリスマス」といったテキスト情報を提供情報として決定することとしてもよい。これにより、非接触型通信装置1の設置場所における日時に応じたテキスト情報をユーザUに提供することができる。
【0047】
情報デバイス14が(vi)カウンタメモリである場合、コントローラ11は、カウンタの値によって、提供情報を決定する。例えば、コントローラ11は、カウンタの値が0〜99、101〜199、201〜299、…、である場合には「本日はご来場ありがとうございます。」といったテキスト情報を提供情報として決定し、カウンタの値が100、200、…、のキリ番である場合には「おめでとうございます。あなたは100(200)人目のご来場者です。」といったテキスト情報を提供情報として決定する。この例の場合、非接触型通信装置1を観光スポットなどの入場ゲート付近に設置するとよい。これにより、ユーザUが来場何人目であるかという情報(提供情報の一例)をユーザUに提供することができる。
【0048】
なお、図2では、説明の簡略化のため情報デバイス14を一つだけ図示しているが、複数の情報デバイス14を設け、コントローラ11は、各情報デバイス14から基情報を受け取り、提供情報を決定することとしてもよい。例えば、コントローラは、情報デバイス14として(i)気温センサーと(iv)GPS受信機を設け、(i)気温センサーから35℃を示す基情報を受け取り、(iv)GPS受信機から北海道内を示す基情報を受け取った場合に、「異常気象ですかね。」といったテキスト情報を提供情報として決定することとしてもよい。
【0049】
また、ここでは、提供情報としてテキスト情報を提供することとして説明するが、提供情報はテキスト情報に限らず、例えば、音声情報、画像情報等のコンテンツであってもよい。
【0050】
[1.5.非接触型通信装置1の動作]
次に、図5及び図6を用いて非接触型通信装置1の動作について説明する。図5及び図6は、非接触型通信装置1が提供情報格納領域の提供情報を更新する際の処理例を示すフローチャートである。
【0051】
コントローラ11は、情報デバイス14として上記(i)〜(v)の少なくとも何れかが非接触型通信装置1に設けられている場合には、定期的(例えば、情報デバイス14から受け取る基情報が変化することが予想される間隔毎)に図5に示す処理を実行する。具体的には、まず、コントローラ11は、情報デバイス14から情報を取得する(ステップS11)。このとき、コントローラ11は、情報デバイス14が(i)気温センサーである場合には気温を示す基情報を取得し、情報デバイス14が(ii)明るさセンサーである場合には照度を示す基情報を取得し、情報デバイス14が(iii)方位センサーである場合には向きを示す基情報を取得し、情報デバイス14が(iv)GPS受信機である場合には現在位置を示す基情報を取得し、情報デバイス14が時計デバイスである場合には日時を示す基情報を取得する。
【0052】
次に、コントローラ11は、図4を用いて上述したように、情報デバイス14から取得した基情報に基づいてテキストを決定する(ステップS12)。次に、コントローラ11は、ICカードチップ12内のメモリ12dの提供情報格納領域を、ステップS12の処理で決定したテキストにより更新する(ステップS13)。
【0053】
一方、コントローラ11は、情報デバイス14として上記(vi)が非接触型通信装置1に設けられている場合において、携帯端末Mが非接触型通信装置1にかざされたことを検知した場合(後述する図7のステップS101から、ステップS105の処理で提供情報格納領域から提供情報を読み出す前まで)に、図6に示す処理を実行する。具体的には、まず、コントローラ11は、カウンタの値に「1」を加算し(ステップS21)、次いで、その時点でのカウンタの値を取得する(ステップS22)。
【0054】
次に、コントローラ11は、図4を用いて上述したように、カウンタの値に基づいてテキストを決定する(ステップS23)。次に、コントローラ11は、ICカードチップ12内のメモリ12dの提供情報格納領域を、ステップS23の処理で決定したテキストにより更新する(ステップS24)。
【0055】
[1.6.情報提供システムSの動作]
次に、図7を用いて情報提供システムSの動作について説明する。図7は、携帯端末M1が非接触型通信装置1のICカードチップ12に記憶された提供情報を取得し、表示する際の処理例を示すシーケンス図である。
【0056】
携帯端末Mの非接触型ICチップ36は随時、カード探索(いわゆるポーリング)を行っており(ステップS101)、携帯端末Mと非接触型通信装置1が近接すると、非接触型通信装置1のコントローラ12eは、非接触型ICチップ36(すなわち携帯端末M)の存在を検知し、メモリ12dに記録されているカードIDを携帯端末Mに送信する(ステップS102)。
【0057】
携帯端末Mの制御部31は、非接触型通信装置1からカードIDを受信すると、情報読取対象のカードが見つかったと判断してカード読み取りアプリを起動する(ステップS103)。制御部31は、カード読み取りアプリを実行し、受信したカードIDと、アプリに規定された提供情報格納領域のアドレスを示すメモリ領域指定情報とを含むカード読取コマンドを非接触型通信装置1に送信する(ステップS104)。
【0058】
非接触型通信装置1のコントローラ12eは、携帯端末Mからカード読取コマンドを受信すると、ステップS102の処理で送信したカードIDと同じカードIDがカード読取コマンドに含まれているか確認する。コントローラ12eは、同じカードIDがカード読取コマンドに含まれていると判定した場合には、カード読取コマンドに含まれているメモリ領域指定情報の示すアドレスを参照し、メモリ12dの提供情報格納領域に格納されているテキスト情報を携帯端末Mに送信する(ステップS105)。
【0059】
なお、情報デバイス14として(vi)カウンタメモリが設けられている場合には、上述したように、コントローラ12eは、提供情報格納領域に格納されているテキストを読み出す前までに図6に示す処理をコントローラ11に実行させることとする。すなわち、コントローラ11は携帯端末Mが非接触型通信装置1にかざされたことによりカウンタの値を加算し、提供情報格納領域を更新する。その後、コントローラ12eが提供情報格納領域に格納されているテキストを読み出して、携帯端末Mに送信することとなる。これを実現するため、情報デバイス14として(vi)カウンタメモリが設けられているときは、コントローラ12eは、コントローラ11の完全なスレーヴとして動作するように制御される。即ち、コントローラ12eは、携帯端末Mからのカード探索信号を感知した場合(図7のステップS101)、その旨をコントローラ11に中継する。あるいは、カード読み取りコマンドを受けた場合(ステップS104)は、その内容をコントローラ11に中継する。そしてコントローラ11は、コントローラ12eに対してカードID送信(ステップS102)やテキスト送信(ステップS105)の命令を発し、コントローラ12eは、いちいちコントローラ11の命令に従って動作する。コントローラ11は、図6に示した処理を、ステップS101とS102の間、またはステップS104とS105の間のいずれかにおいて実行する。(もっとも、情報デバイス14として(vi)カウンタメモリが設けられていない場合でもコントローラ12eを、コントローラ11の完全なスレーヴとして動作するように構成することは可能である。)
【0060】
携帯端末Mの制御部31は、非接触型通信装置1からテキストを受信すると、受信したテキストをタッチパネル34に表示させる(ステップS106)。
【0061】
[1.7.効果]
以上説明したように、第1実施形態における非接触型通信装置1は、携帯端末Mに対してメモリ12dに書き込まれた提供情報を非接触で送信可能な非接触型ICカード10を有し、情報デバイス14は、メモリ12dに書き込む提供情報を決定するための基情報を生成又は記憶し、コントローラ11は、情報デバイス14により生成又は記憶され得る基情報と提供すべき提供情報とを対応付けた提供情報決定条件情報を参照し、情報デバイス14により生成又は記憶された基情報に対応する提供情報を決定し、決定した提供情報をメモリ12dに書き込む。
【0062】
したがって、情報デバイス14が生成又は記憶する基情報に基づいて決定した提供情報をメモリ12dに書き込むことから、作業者がリーダライタを用いて書き換え作業を行う必要が無く、多様な提供情報をユーザUに提供することができる。
【0063】
また、第1実施形態における非接触型通信装置1の情報デバイス14は、非接触型通信装置1の設置場所、非接触型通信装置1の設置された向き、非接触型通信装置1の設置場所における日時、非接触型通信装置1の設置場所の環境(気温、照度など)を示す数値、又は非接触型通信装置1が携帯端末Mを検知した回数、の少なくとも何れかの基情報を生成又は記憶する。
【0064】
したがって、非接触型通信装置1の設置場所、設置された向き、設置場所における日時、設置場所の環境、又は非接触型通信装置1が携帯端末Mを検知した回数、に応じた多様な提供情報をユーザに提供することができる。
【0065】
[2.第2実施形態]
次に、図8〜図12を参照して、本発明の第2実施形態について説明する。
【0066】
[2.1.情報提供システムSAの構成及び機能]
図8に示すように、第2実施形態における情報提供システムSAは、第1実施形態における情報提供システムSに情報配信サーバ2(「サーバ装置」の一例)を加えた点で第1実施形態と異なる。携帯端末Mと情報配信サーバ2とはネットワークNWを介して相互にデータ通信ができるようになっている。以下、第2実施形態の説明では、第1実施形態と異なる部分を中心に説明し、第1実施形態と同様の部材や処理については同じ符号を用いて説明を一部省略する。
【0067】
第2実施形態における情報提供システムSAにおいて、情報配信サーバ2は第1実施形態において非接触型通信装置1が提供していた提供情報を提供する役割を担う。一方、非接触型通信装置1は、情報配信サーバ2が提供すべき提供情報を決定できるように後述するURL(Uniform Resource Locator)を生成し、メモリ12dのURL格納領域に記憶する。生成するURLは、携帯端末Mが情報配信サーバ2にアクセスするためのアクセス情報と、情報配信サーバ2が提供すべき提供情報を決定するためのパラメータ情報(情報デバイス14から取得される基情報に対応する情報)とからなる。URL格納領域に格納されるURLはコントローラ11により適宜更新される。そして、ユーザUが携帯端末Mを非接触型通信装置1にかざすと、携帯端末Mが非接触でメモリ12dのURL格納領域に記憶されているURLを読み取り、情報配信サーバ2にアクセスできるようになっている。携帯端末Mが情報配信サーバ2にアクセスする際には、パラメータ情報が情報配信サーバ2に送信され、情報配信サーバ2はパラメータ情報に基づいて決定した提供情報を携帯端末Mに送信するようになっている。これにより、ユーザUは情報配信サーバ2を介して提供情報を受け取ることができる。
【0068】
[2.2.非接触型通信装置1の構成]
第2実施形態における非接触型通信装置1のメモリ12dには、提供情報格納領域の代わりに、URLが格納されるURL格納領域が設けられている。コントローラ11は、情報センサー14から取得した基情報に基づいて、URLを生成してメモリ12dのURL格納領域に記録する。このとき、コントローラ11はURLとともに、当該URLに基づいて情報配信サーバ2から提供される提供情報の内容に対応するタイトル情報をURL格納領域に記録する。これにより、携帯端末MがURLを取り込んだ段階でタイトルがユーザUに通知され、ユーザUは情報配信サーバ2からどういった提供情報が提供されるかを把握することができる。
【0069】
次に、図9を用いてコントローラ11によるURLの作成方法について説明する。図9に示すように、URL100は、情報配信サーバ2の位置やサービス等を特定するための資源特定部100a(「アクセス情報」の一例)、パラメータ情報部100b、及び管理部100cとから構成される。資源特定部100aは、予め管理者により情報配信サーバ2を示す情報がセットされる。コントローラ11は、パラメータ情報部100bに情報デバイス14から取得した基情報に対応する値をセットする。具体的には、情報デバイスである(i)気温センサー、(ii)明るさセンサー、(iii)方位センサー、(iv)GPS(Global Positioning System)受信機、(v)時計デバイス、(vi)カウンタメモリが、それぞれ「s1」から「s6」に対応しており、コントローラ11はそれぞれから取得された値を「sensor01」から「sensor06」にセットする。このとき、コントローラ11は、非接触型通信装置1に設けられていないなどの理由により値が取得できない情報デバイス14については値をセットしない。また、コントローラ11は、管理部100cの「idno」には非接触型通信装置1を他の非接触型通信装置1と識別するための識別情報IDをセットし、「hash_Value」には改竄防止のためのハッシュ値をセットする。ハッシュ値は、コントローラ11が資源特定部100aの冒頭からパラメータ情報部100bの最後の「&」までの文字列から算出する。
【0070】
[2.3.携帯端末Mの構成]
第2実施形態における携帯端末Mのカード読み取りアプリには、ICカードチップ12内のメモリ12dにおけるURL格納領域のアドレスが規定されており、URL格納領域に格納されたタイトルとURL100を取得できるようになっている。また、カード読み取りアプリはタイトルとURL100を取得すると、これらをタッチパネル34に表示させた上で、URL100の示す資源(情報配信サーバ2)にアクセスするかをユーザUに選択させた上で、情報配信サーバ2にアクセスするようになっている。このとき、URL100に含まれるパラメータ情報100bが情報配信サーバ2に送信される。そして、パラメータ情報100bにセットされた値(基情報)に基づいて決定された提供情報を情報配信サーバ2から受信し、タッチパネル34に表示させるようになっている。
【0071】
[2.4.情報配信サーバ2の構成]
次に、情報配信サーバ2の構成について、図10を用いて説明する。
【0072】
図10に示すように、情報配信サーバ2は、制御部21と、記憶部22と、通信部23とを備えている。通信部23は、ネットワークを介した携帯端末Mとの通信を制御するようになっている。
【0073】
制御部21は、CPU、RAM等により構成されている。そして、CPUが、記憶部22に記憶された各種プログラムを読み出し実行することにより各種機能を実現する。
【0074】
記憶部22は、例えば、ハードディスクドライブ等により構成されており、オペレーティングシステムや、アプリケーションプログラム等の各種プログラムを記憶する。また、記憶部22は、制御部21が携帯端末Mから送信されるパラメータ情報部100bにセットされた値に基づいて、提供情報としてのテキストを決定する際に参照する判定用データを記憶する。判定用データは、コントローラ11が提供情報を決定する際に参照する提供情報決定条件情報(図4参照)と同様のデータである。つまり、制御部21は、第1実施形態においてコントローラ11が提供情報決定条件情報を参照して基情報に基づいて提供情報を決定したのと同様に、判定用データを参照してパラメータ情報部100bにセットされた値に基づいて提供情報を決定する。なお、記憶部22は、判定用データを非接触型通信装置1毎に記憶しており、制御部21は、URL100の管理部100cに含まれる識別情報IDに基づいて参照すべき判定用データを判別する。
【0075】
[2.5.非接触型通信装置1の動作]
次に、図11及び図12を用いて第2実施形態における非接触型通信装置1の動作について説明する。図11及び図12は、非接触型通信装置1がURL格納領域のURLを更新する際の処理例を示す図である。
【0076】
コントローラ11は、情報デバイス14として上記(i)〜(v)の少なくとも何れかが非接触型通信装置1に設けられている場合には、定期的(例えば、情報デバイス14から受け取る基情報が変化することが予想される間隔毎)に図11に示す処理を実行する。具体的には、まず、コントローラ11は、情報デバイス14から情報を取得する(ステップS11A)。
【0077】
次に、コントローラ11は、図9を用いて上述したように、情報デバイス14から取得した基情報に基づいてURL100を生成する(ステップS12A)。次に、コントローラ11は、ICカードチップ12内のメモリ12dのURL格納領域を、ステップS12Aの処理で生成したURL100により更新する(ステップS13A)。
【0078】
一方、コントローラ11は、情報デバイス14として上記(vi)が非接触型通信装置1に設けられている場合において、携帯端末Mが非接触型通信装置1にかざされたことが検知された場合には、後述する図13のステップS101から、ステップS105Aの処理でURL格納領域からURL100を読み出される前までに、図12に示す処理を実行する。具体的には、コントローラ11は、カウンタの値に「1」を加算し(ステップS21A)、次いで、その時点でのカウンタの値を取得する(ステップS22A)。なお、非接触型通信装置1に(vi)カウンタメモリの他に、上記(i)〜(v)の少なくとも何れかが非接触型通信装置1に設けられている場合には、これらのデバイスからも基情報を取得する。
【0079】
次に、コントローラ11は、図9を用いて上述したように、カウンタの値(上記(i)〜(v)の少なくとも何れかが非接触型通信装置1に設けられている場合には、これらのデバイスから取得した基情報も)に基づいてURL100を生成する(ステップS23A)。次に、コントローラ11は、ICカードチップ12内のメモリ12dのURL格納領域を、ステップS23Aの処理で生成したURL100により更新する(ステップS24A)。
【0080】
[2.6.情報提供システムSAの動作]
次に、図13を用いて第2実施形態における情報提供システムSAの動作について説明する。図13は、携帯端末M1が非接触型通信装置1のICカードチップに記憶されたURL100を取得し、次いで、URL100に基づいて情報配信サーバ2にアクセスして提供情報を取得し、表示する際の処理例を示すシーケンス図である。
【0081】
ステップS101からステップS104までは第1実施形態と同様なので説明を省略する。非接触型通信装置1のコントローラ12eは、ステップS104の処理で携帯端末Mからカード読取コマンドを受信すると、ステップS102の処理で送信したカードIDと同じカードIDが含まれているか確認する。コントローラ12eは、同じカードIDがカード読取コマンドに含まれていると判定した場合には、カード読取コマンドに含まれているメモリ領域指定情報の示すアドレスを参照し、メモリ12dのURL格納領域に格納されているタイトル及びURL100を携帯端末Mに送信させる(ステップS105A)。
【0082】
なお、情報デバイス14として(vi)カウンタメモリが設けられている場合には、コントローラ12eは、URL格納領域に格納されているURL100を読み出す前までに図12に示す処理をコントローラ11に実行させることとする。すなわち、コントローラ11は携帯端末Mが非接触型通信装置1にかざされたことによりカウンタの値を加算し、これに伴って新たに生成したURL100でURL格納領域を更新する。その後、コントローラ12eがURL格納領域に格納されているURL100及びタイトルを読み出して、携帯端末Mに送信することとなる。これを実現するため、情報デバイス14として(vi)カウンタメモリが設けられている場合は、コントローラ12eは、コントローラ11の完全なスレーヴとして動作するように制御されること、および、コントローラ11は、図12に示した処理を、ステップS101とS102の間、またはステップS104とS105Aの間のいずれかにおいて実行すればよいこと、は第1実施形態と同様である。
【0083】
携帯端末Mの制御部31は、非接触型通信装置1からタイトル及びURL100を受信すると、受信したタイトルをタッチパネル34に表示させる(ステップS106A)。このとき、合わせてURL100を表示させることとしてもよい。また、制御部31は、「アクセスしますか?」といったテキストとともに、「YES」ボタン及び「NO」ボタンを表示させるなどして、タイトルに対応するURL100に基づいて情報配信サーバ2にアクセスするか否かをユーザUに選択させる。ユーザUによりアクセスすることが選択されると、制御部31は、URL100に基づいて情報配信サーバ2にアクセスする。
【0084】
情報配信サーバ2の制御部21は、携帯端末Mからのアクセスを検知すると、コントローラ11と同様の計算方法によりハッシュ値を計算し、URL100の管理部100cに含まれるハッシュ値と同じ値であるか否かを確認する。同じ値である場合には、制御部21は、管理部100cに含まれる識別情報IDで特定される判定用データを参照し、パラメータ情報部100bにセットされている値(基情報)に基づいて提供情報(テキスト)を決定する(ステップS108A)。次いで、制御部21は、決定した提供情報(テキスト)を携帯端末Mに送信する(ステップS109A)。
【0085】
携帯端末Mの制御部31は、情報配信サーバ2からから提供情報(テキスト)を受信すると、受信したテキストをタッチパネル34に表示させる(ステップS110A)。
【0086】
[2.7.効果]
以上説明したように、第2実施形態における非接触型通信装置1は、携帯端末Mに対してメモリ12dに書き込まれた情報を非接触で送信可能な非接触型ICカード10を有し、情報デバイス14が提供情報を決定するための基情報を生成又は記憶し、コントローラ11は、基情報に基づいて携帯端末Mに対して提供する提供情報を決定する情報配信サーバ2にアクセスするための資源特定部100aと、情報デバイス14により生成又は記憶された基情報に基づいて値をセットしたパラメータ情報部100bと、を含むURL100を生成してメモリ12dに書き込む。
【0087】
したがって、情報配信サーバ2に携帯端末Mが基情報を送信できるように、当該基情報に対応するパラメータ情報部100bと情報配信サーバ2にアクセスするための資源特定部100aとを含むURL100をメモリ12dに書き込むことから、作業者がリーダライタを用いて書き換え作業を行う必要が無く、情報配信サーバ2により基情報に基づいて決定される多様な提供情報を、情報配信サーバ2を介してユーザに提供することができる。
【0088】
[3.第3実施形態]
次に、図14〜図17を参照して、本発明の第3実施形態について説明する。
【0089】
[3.1.情報提供システムSBの構成及び機能]
図13に示すように、第3実施形態における情報提供システムSBは、第1実施形態における情報提供システムSにカメラCMと外部処理装置4を加えた点、及び非接触型通信装置1の代わりにICカード情報書換装置1Bを有する点で第1実施形態と異なる。カメラCMはICカード情報書換装置1B付近に設置され、定期的(例えば、2秒毎)に撮影した画像を外部処理装置4に送信する。外部処理装置4は、受信した画像を解析し、人間が写っている否かを判別し、人間が写っている場合にはその人物を解析して人物情報(男性であるか女性であるか、又は子供であるか大人であるかなどを示す情報)を生成する。画像からその画像に写っている人物を解析する方法については公知の解析方法を用いる。外部処理装置4は人物情報を生成すると、ICカード情報書換装置1Bに送信する。ICカード情報書換装置1Bは受信した人物情報(基情報の一例)に基づいて提供情報を決定し、提供情報格納領域を更新する。つまり、第3実施形態における情報提供システムSBは、情報デバイス14から取得した情報に基づいて提供情報を決定する代わりに、外部処理装置4にて生成された人物情報に基づいて提供情報を決定する点で、第1実施形態と異なる。以下、第3実施形態の説明では、第1実施形態と異なる部分を中心に説明し、第1実施形態と同様の部材や処理については同じ符号を用いて説明を一部省略する。
【0090】
[3.2.ICカード情報書換装置1Bの構成]
図15に示すように、第3実施形態におけるICカード情報書換装置1Bは、非接触型通信装置1とほぼ同様の構成を有しているが、情報デバイス14を備えておらず、代わりに外部処理装置4から人物情報を受信するための電気的・機械的な接続部分としての外部インターフェース16(「外部インターフェース手段」の一例)を備えている。外部インターフェース16は、外部処理装置4からの信号ケーブル等を収容固定し、コントローラ11の入出力ポートに導く端子に接続するコネクタ等を含み、必要であれば外部処理装置4から受信した信号をコントローラ11が処理可能な信号レベルに変換する回路を含んでもよい。
【0091】
第3実施形態におけるコントローラ11は、外部処理装置4から人物情報を受け取り、当該人物情報に基づいてICカードチップ12のメモリ12dに書き込む提供情報を決定する。コントローラ11は、決定した提供情報によりICカードチップ12のメモリ12dに記録されている提供情報を更新する。
【0092】
[3.3.外部処理装置4の構成]
外部処理装置4は図10を用いて説明した第2実施形態における情報配信サーバ2と同様に制御部、記憶部及び通信部を有している。外部処理装置4の記憶部には上述した画像解析、人物解析を行うための解析プログラムが記録されている。外部処理装置4の制御部は、カメラCMから画像を受け取る度に解析を行い、画像に人間が写っている場合にはその人物に関する人物情報を生成し、ICカード情報書換装置1Bに送信する。
【0093】
[3.4.提供情報決定条件]
【0094】
次に、図16を用いて、第3実施形態においてICカード情報書換装置1Bのコントローラ11が提供情報を決定する際の提供情報決定条件について説明する。
【0095】
コントローラ11は、外部処理装置4から受け取った人物情報に基づいて提供情報を決定する。例えば、コントローラ11は、人物情報が子供で且つ男性であることを示している場合には「TVゲーム、リアルサッカースタジアム2011新発売!」といったテキスト情報を提供情報として決定し、人物情報が子供で且つ女性であることを示している場合には「着せ替え人形 きょうこちゃん新発売!」といったテキスト情報を提供情報として決定し、人物情報が大人で且つ男性であることを示している場合には「深ぞり 7枚刃ひげ剃り新発売!」といったテキスト情報を提供情報として決定し、人物情報が大人で且つ女性であることを示している場合には「格安ネールサロン○×△ 新規オープン!」といったテキスト情報を提供情報として決定する。これにより、カメラに写った人物(ICカード情報書換装置1B付近にいる人物で、ユーザUと推測される人物)に応じたテキスト情報をユーザUに提供することができる。
【0096】
[3.5.ICカード情報書換装置1Bの動作]
次に、図17を用いて第3実施形態におけるICカード情報書換装置1Bの動作について説明する。図17は、ICカード情報書換装置1Bが提供情報格納領域の提供情報を更新する際の処理例を示すフローチャートである。
【0097】
コントローラ11は、外部処理装置4から人物情報を受け取る度に図17に示す処理を実行する。具体的には、コントローラ11は、外部処理装置4から人物情報を取得すると(ステップS11B)、図16を用いて上述したように、取得した人物情報に基づいてテキストを決定する(ステップS12B)。次に、コントローラ11は、ICカードチップ12内のメモリ12dの提供情報格納領域を、ステップS12Bの処理で決定したテキストにより更新する(ステップS13B)。
【0098】
[3.6.情報提供システムSBの動作]
第3実施形態における情報提供システムSBの動作については、非接触型通信装置1の役割をICカード情報書換装置1Bが果たす点を除き、第1実施形態における情報提供システムSの動作と同様なので説明を省略する。
【0099】
[3.7.効果]
以上説明したように、第3実施形態におけるICカード情報書換装置1Bは、携帯端末Mに対してメモリ12dに書き込まれた提供情報を非接触で送信可能な非接触型ICカード10を有し、外部インターフェース16が提供情報を決定するための基情報を外部から受け付け、コントローラ11が、外部インターフェース16が受け取り得る基情報と提供すべき提供情報とを対応付けた提供情報決定条件情報を参照し、外部インターフェース16が受け取った基情報に対応する提供情報を決定し、決定した提供情報をメモリ12dに書き込む。
【0100】
したがって、外部処理装置4から受け取った人物情報に基づいて決定した提供情報をメモリ12dに書き込むことから、作業者がリーダライタを用いて書き換え作業を行う必要が無く、多様な提供情報をユーザUに提供することができる。
【0101】
[3.8.変形例]
第3実施形態では、カメラCMが撮影した画像に基づいて外部処理装置4が人物情報を生成し、ICカード情報書換装置1Bは人物情報に基づいてテキストを決定するが、これに代えて、ディスプレイ(例えば、デジタルサイネージ)に接続された外部処理装置4が、ディスプレイにより表示されている表示内容を示す表示内容情報(基情報の一例)をICカード情報書換装置1Bに送信し、ICカード情報書換装置1Bが表示内容情報に基づいてテキストを決定する構成としてもよい。
【0102】
例えば、ディスプレイにA社が製造販売する商品Bを表示している場合には、外部処理装置4がその旨を示す表示内容情報をICカード情報書換装置1Bに送信し、ICカード情報書換装置1Bは当該表示内容情報に基づいてA社の商品Bに関する情報(例えば、会社名、商品名、販売価格、商品の特徴等)を表すテキストを決定する。なお、この場合、ICカード情報書換装置1Bのメモリ15には、予め外部処理装置4から送信される表示内容情報毎に対応するテキストを記憶させておくこととする。これにより、ICカード情報書換装置1Bの付近に設置されたディスプレイにより表示された表示内容に対応するテキスト(提供情報)をユーザUに提供することができる。
【0103】
また、ICカード情報書換装置1Bに第1実施形態で説明した情報デバイス14を更に設けることとし、情報デバイス14から受け取る基情報と、外部処理装置4から受け取る人物情報との両情報に基づいて、テキストを決定することとしてもよい。これにより、例えば、時計デバイスから現在時刻が午前8時であることを示す基情報を受け取り、外部処理装置4から大人で且つ男性であることを示す人物情報を受け取った場合には、胃腸薬に関する商品情報を提供し、一方、午後8時であることを示す基情報と、大人で且つ男性であることを示す人物情報を受け取った場合には、ウィスキーに関する商品情報を提供することができる。
【0104】
また、ICカード情報書換装置1Bのコントローラ11に代わり、外部処理装置4が自ら生成した人物情報に基づいてテキスト(提供情報)を決定し、テキスト(提供情報)そのものをICカード情報書換装置1Bに送信することとし、ICカード情報書換装置1Bのコントローラ11は受信したテキスト(提供情報)を提供情報格納領域に格納する構成としても、提供情報をユーザUに提供することができる。このとき、外部処理装置4の記憶部には提供情報決定条件情報(図16参照)を記憶させておくこととし、外部処理装置4の制御部は提供情報決定条件情報を参照して、テキスト(提供情報)を決定することとする。当該構成によれば、外部処理装置4から受け付けた提供情報をメモリ12dに書き込むことから、作業者がリーダライタを用いて書き換え作業を行う必要が無く、人物情報に基づいて決定される多様な提供情報をユーザUに提供することができる。
【0105】
[4.第4実施形態]
次に、図18〜図20を参照して、本発明の第4実施形態について説明する。
【0106】
[4.1.情報提供システムSCの構成及び機能]
図18に示すように、第4実施形態における情報提供システムSCは、第2実施形態における情報提供システムSAと第3実施形態における情報提供システムSBとを組み合わせた構成となっている。すなわち、情報提供システムSCは、携帯端末M、ICカード情報書換装置1B、情報配信サーバ2、カメラCM、及び外部処理装置4を含む構成となっている。以下、第4実施形態の説明では、第2実施形態、第3実施形態と異なる部分を中心に説明し、同様の部材や処理については同じ符号を用いて説明を一部省略する。
【0107】
第4実施形態における情報提供システムSCにおいて、情報配信サーバ2は第3実施形態においてICカード情報書換装置1Bが提供していた提供情報を提供する役割を担う。一方、ICカード情報書換装置1Bは後述するURLを生成し、メモリ12dのURL格納領域に記憶する。生成するURLは、携帯端末Mが情報配信サーバ2にアクセスするためのアクセス情報と、情報配信サーバ2が提供すべき提供情報を決定するためのパラメータ情報(外部処理装置4から取得される人物情報(基情報の一例)に対応する)とからなる。URL格納領域に格納されるURLは、外部処理装置4から人物情報を受け取る度にコントローラ11により適宜更新される。そして、ユーザUが携帯端末MをICカード情報書換装置1Bにかざすと、携帯端末Mが非接触でメモリ12dのURL格納領域に記憶されているURLを読み取り、情報配信サーバ2にアクセスできるようになっている。携帯端末Mが情報配信サーバ2にアクセスする際には、パラメータ情報が情報配信サーバ2に送信され、情報配信サーバ2はパラメータ情報に基づいて決定した提供情報を携帯端末Mに送信するようになっている。これにより、ユーザUは情報配信サーバ2を介して提供情報を受け取ることができる。
【0108】
[4.2.ICカード情報書換装置1Bの構成]
第4実施形態におけるICカード情報書換装置1Bのメモリ12dには、第2実施形態における非接触型無線装置1のメモリ12dと同様に、URLが格納されるURL格納領域が設けられている。コントローラ11は、外部処理装置4から取得した人物情報に基づいて、URLを生成してメモリ12dのURL格納領域に記録する。このとき、コントローラ11はURLとともに、当該URLに基づいて情報配信サーバ2から提供される提供情報の内容に対応するタイトル情報をURL格納領域に記録する。
【0109】
次に、図19を用いて第4実施形態におけるICカード情報書換装置1Bのコントローラ11によるURLの作成方法について説明する。図19に示すように、URL101は、情報配信サーバ2の位置やサービス等を特定するための資源特定部101a(「アクセス情報」の一例)、パラメータ情報部101b、及び管理部101cとから構成される。資源特定部101aは、予め管理者により情報配信サーバ2を示す情報がセットされる。コントローラ11は、パラメータ情報部101bに外部処理装置4から取得した人物情報(「基情報」の一例)に応じた値をセットする。具体的には、人物情報における子供であるか大人であるかを示す情報が「ya」に対応しており、「youngadult」に子供である場合には「0」を、大人である場合には「1」をセットする。また、人物情報における男性であるか女性であるかを示す情報が「mf」に対応しており、「malefemale」に女性である場合には「0」を、男性である場合には「1」をセットする。また、コントローラ11は、管理部101cの「idno」にはICカード情報書換装置1Bを他のICカード情報書換装置1Bと識別するための識別情報IDをセットし、「hash_Value」には改竄防止のためのハッシュ値をセットする。ハッシュ値は、コントローラ11が資源特定部101aの冒頭からパラメータ情報部101bの最後の「&」までの文字列から計算する。
【0110】
[4.3.携帯端末Mの構成]
第4実施形態における携帯端末Mの構成は、第2実施形態における携帯端末Mの構成と同様なので説明を省略する。
【0111】
[4.4.情報配信サーバ2の構成]
第4実施形態における情報配信サーバ2の記憶部22は、制御部21が携帯端末Mから送信されるパラメータ情報101bの値に基づいて、提供情報としてのテキストを決定する際に参照する判定用データを記憶する。判定用データは、コントローラ11が提供情報を決定する際に参照する提供情報決定条件情報(図16参照)と同様のデータである。つまり、制御部21は、第3実施形態においてコントローラ11が提供情報決定条件情報を参照して人物情報に基づいて提供情報を決定したのと同様に、判定用データを参照してパラメータ情報に基づいて提供情報を決定する。なお、記憶部22は、判定用データをICカード情報書換装置1B毎に記憶しており、制御部21は、URL101の管理部101cに含まれる識別情報IDに基づいて参照すべき判定用データを判別する。
【0112】
[4.5.ICカード情報書換装置1Bの動作]
次に、図20を用いて第4実施形態におけるICカード情報書換装置1Bの動作について説明する。図20は、ICカード情報書換装置1BがURL格納領域のURLを更新する際の処理例を示す図である。
【0113】
コントローラ11は、外部処理装置4から人物情報を受け取る度に図20に示す処理を実行する。具体的には、コントローラ11は、外部処理装置4から人物情報を取得すると(ステップS11C)、図19を用いて上述したように、取得した人物情報に基づいてURL101を生成する(ステップS12C)。次に、コントローラ11は、ICカードチップ12内のメモリ12dのURL格納領域を、ステップS12Cの処理で生成したURL101により更新する(ステップS13C)。
【0114】
[4.6.情報提供システムSCの動作]
第4実施形態における情報提供システムSCの動作については、非接触型通信装置1の役割をICカード情報書換装置1Bが果たす点を除き、第2実施形態における情報提供システムSAの動作と同様なので説明を省略する。
【0115】
[4.7.効果]
以上説明したように、第4実施形態におけるICカード情報書換装置1Bは、携帯端末Mに対してメモリ12dに書き込まれた情報を非接触で送信可能な非接触型ICカード10を有し、外部インターフェース16が、提供情報を決定するための人物情報を外部処理装置4から受け付け、コントローラ11は、人物情報に基づいて携帯端末Mに対して提供する提供情報を決定する情報配信サーバ2にアクセスするための資源特定部101aと、外部処理装置4から受け付けた人物情報に対応する値をセットしたパラメータ情報部101bと、を含むURL101を生成してメモリ12dに書き込む。
【0116】
したがって、携帯端末Mが、人物情報に基づいて提供情報を決定する情報配信サーバ2に当該人物情報を送信できるように、当該人物情報と情報配信サーバ2にアクセスするためのアクセス情報とをメモリ12dに書き込むことから、作業者がリーダライタを用いて書き換え作業を行う必要が無く、情報配信サーバ2により人物情報に基づいて決定される多様な提供情報を、情報配信サーバ2を介してユーザに提供することができる。
【0117】
[4.8.変形例]
第4実施形態では、カメラCMが撮影した画像に基づいて外部処理装置4が人物情報を生成し、ICカード情報書換装置1Bは人物情報に基づいてURL101を生成するが、これに代えて、ディスプレイ(例えば、デジタルサイネージ)に接続された外部処理装置4が、ディスプレイにより表示されている表示内容を示す表示内容情報(「基情報」の一例)をICカード情報書換装置1Bに送信し、ICカード情報書換装置1Bが表示内容情報に基づいてパラメータ情報部101bを編集し、URL101を生成する構成としてもよい。この場合、情報配信サーバ2の記憶部22には、制御部21がパラメータ情報部101bにセットされたパラメータ情報に基づいて、テキスト(提供情報)を決定できるように判定用データを記憶させることとする。
【0118】
例えば、ディスプレイにA社が製造販売する商品Bを表示している場合には、外部処理装置4がその旨を示す表示内容情報をICカード情報書換装置1Bに送信し、ICカード情報書換装置1Bは当該表示内容情報に基づいてURL101を生成する。なお、この場合、パラメータ情報部101bには、製造販売会社としてA社を特定するための情報と、商品として商品Bを特定するための情報をセットすることとする。また、情報配信サーバ2の記憶部22には、製造販売会社を特定するための情報と、商品を特定するための情報とに対応付けて、商品情報を表すテキストを記憶させておくこととする。
【0119】
また、ICカード情報書換装置1Bに第1実施形態で説明した情報デバイス14を設けることとし、情報デバイス14から受け取る基情報と、外部処理装置4から受け取る人物情報との両情報に基づいて、パラメータ情報を編集したURLを生成する構成も考えられる。このとき、情報配信サーバ2も基情報と人物情報との両情報に基づいて提供情報を決定できるように判定用データを記憶することとする。
【0120】
また、ICカード情報書換装置1Bのコントローラ11に代わり、外部処理装置4が自ら生成した人物情報に基づいて更にURL101を生成し、URL101そのものをICカード情報書換装置1Bに送信することとし、ICカード情報書換装置1Bのコントローラ11は受信したURL101をURL格納領域に格納する構成としても、人物情報に基づいて決定された提供情報をユーザUに提供することができる。
【符号の説明】
【0121】
S、SA、SB、SC 情報提供システム
1 非接触型通信装置
1B ICカード情報書換装置
10非接触型ICカード
11 コントローラ
12 ICカードチップ
12a 整流回路
12b 復調回路
12c 変調回路
12d メモリ
12e コントローラ
13 アンテナ
14 情報デバイス
15 メモリ
16 外部インターフェース
M 携帯端末
2 情報配信サーバ
CM カメラ
4 外部処理装置
【特許請求の範囲】
【請求項1】
情報読取装置に対して自己のメモリ領域に書き込まれた提供情報を非接触で送信可能な非接触型ICカード機能を有する非接触型通信装置であって、
前記メモリ領域に書き込む提供情報を決定するための基情報を生成又は記憶する基情報提示手段と、
前記基情報提示手段により生成又は記憶され得る前記基情報と提供すべき提供情報とを対応付けた対応情報を参照し、前記基情報提示手段により生成又は記憶された基情報に対応する提供情報を決定する決定手段と、
前記決定された提供情報を前記メモリ領域に書き込む書込手段と、
を備えることを特徴とする非接触型通信装置。
【請求項2】
前記提供情報が書き込まれる前記メモリ領域とは別の第2のメモリ領域を備え、前記対応情報は、第2のメモリ領域に記録されていることを特徴とする請求項1に記載の非接触型通信装置。
【請求項3】
情報読取装置に対して自己のメモリ領域に書き込まれた情報を非接触で送信可能な非接触型ICカード機能を有する非接触型通信装置であって、
提供情報を決定するための基情報を生成又は記憶する基情報提示手段と、
前記基情報に基づいて前記情報読取装置に対して提供する提供情報を決定するサーバ装置にアクセスするためのアクセス情報と、前記基情報提示手段により生成又は記憶された基情報とを前記メモリ領域に書き込む書込手段と、
を備えることを特徴とする非接触型通信装置。
【請求項4】
請求項1から請求項3のいずれか1項に記載の非接触型通信装置であって、
前記基情報提示手段は、前記非接触型通信装置の設置場所、前記非接触型通信装置の設置された向き、前記非接触型通信装置の設置場所における日時、前記非接触型通信装置の設置場所の環境を示す数値、又は前記非接触型通信装置が前記情報読取装置を検知した回数、の少なくとも何れかの基情報を生成又は記憶することを特徴とする非接触型通信装置。
【請求項5】
情報読取装置に対して自己のメモリ領域に書き込まれた提供情報を非接触で送信可能な非接触型ICカード機能を有するICカード情報書換装置であって、
提供情報を決定するための基情報を外部から受け付ける外部インターフェース手段と、
前記外部インターフェース手段が受け取り得る基情報と提供すべき提供情報とを対応付けた対応情報を参照し、前記外部インターフェース手段が受け取った基情報に対応する提供情報を決定する決定手段と、
前記決定した提供情報を前記メモリ領域に書き込む書込手段と、
を備えることを特徴とするICカード情報書換装置。
【請求項6】
前記提供情報が書き込まれる前記メモリ領域とは別の第2のメモリ領域を備え、前記対応情報は、第2のメモリ領域に記録されていることを特徴とする請求項5に記載のICカード情報書換装置。
【請求項7】
情報読取装置に対して自己のメモリ領域に書き込まれた情報を非接触で送信可能な非接触型ICカード機能を有するICカード情報書換装置であって、
提供情報を決定するための基情報を外部から受け付ける外部インターフェース手段と、
前記基情報に基づいて前記情報読取装置に対して提供する提供情報を決定するサーバ装置にアクセスするためのアクセス情報と、前記外部インターフェース手段が受け取った基情報とを前記メモリ領域に書き込む書込手段と、
を備えることを特徴とするICカード情報書換装置。
【請求項8】
情報読取装置に対して自己のメモリ領域に書き込まれた提供情報を非接触で送信可能な非接触型ICカード機能を有するICカード情報書換装置であって、
提供情報を外部から受け付ける外部インターフェース手段と、
前記外部インターフェース手段が受け取った提供情報を前記メモリ領域に書き込む書込手段と、
を備えることを特徴とするICカード情報書換装置。
【請求項1】
情報読取装置に対して自己のメモリ領域に書き込まれた提供情報を非接触で送信可能な非接触型ICカード機能を有する非接触型通信装置であって、
前記メモリ領域に書き込む提供情報を決定するための基情報を生成又は記憶する基情報提示手段と、
前記基情報提示手段により生成又は記憶され得る前記基情報と提供すべき提供情報とを対応付けた対応情報を参照し、前記基情報提示手段により生成又は記憶された基情報に対応する提供情報を決定する決定手段と、
前記決定された提供情報を前記メモリ領域に書き込む書込手段と、
を備えることを特徴とする非接触型通信装置。
【請求項2】
前記提供情報が書き込まれる前記メモリ領域とは別の第2のメモリ領域を備え、前記対応情報は、第2のメモリ領域に記録されていることを特徴とする請求項1に記載の非接触型通信装置。
【請求項3】
情報読取装置に対して自己のメモリ領域に書き込まれた情報を非接触で送信可能な非接触型ICカード機能を有する非接触型通信装置であって、
提供情報を決定するための基情報を生成又は記憶する基情報提示手段と、
前記基情報に基づいて前記情報読取装置に対して提供する提供情報を決定するサーバ装置にアクセスするためのアクセス情報と、前記基情報提示手段により生成又は記憶された基情報とを前記メモリ領域に書き込む書込手段と、
を備えることを特徴とする非接触型通信装置。
【請求項4】
請求項1から請求項3のいずれか1項に記載の非接触型通信装置であって、
前記基情報提示手段は、前記非接触型通信装置の設置場所、前記非接触型通信装置の設置された向き、前記非接触型通信装置の設置場所における日時、前記非接触型通信装置の設置場所の環境を示す数値、又は前記非接触型通信装置が前記情報読取装置を検知した回数、の少なくとも何れかの基情報を生成又は記憶することを特徴とする非接触型通信装置。
【請求項5】
情報読取装置に対して自己のメモリ領域に書き込まれた提供情報を非接触で送信可能な非接触型ICカード機能を有するICカード情報書換装置であって、
提供情報を決定するための基情報を外部から受け付ける外部インターフェース手段と、
前記外部インターフェース手段が受け取り得る基情報と提供すべき提供情報とを対応付けた対応情報を参照し、前記外部インターフェース手段が受け取った基情報に対応する提供情報を決定する決定手段と、
前記決定した提供情報を前記メモリ領域に書き込む書込手段と、
を備えることを特徴とするICカード情報書換装置。
【請求項6】
前記提供情報が書き込まれる前記メモリ領域とは別の第2のメモリ領域を備え、前記対応情報は、第2のメモリ領域に記録されていることを特徴とする請求項5に記載のICカード情報書換装置。
【請求項7】
情報読取装置に対して自己のメモリ領域に書き込まれた情報を非接触で送信可能な非接触型ICカード機能を有するICカード情報書換装置であって、
提供情報を決定するための基情報を外部から受け付ける外部インターフェース手段と、
前記基情報に基づいて前記情報読取装置に対して提供する提供情報を決定するサーバ装置にアクセスするためのアクセス情報と、前記外部インターフェース手段が受け取った基情報とを前記メモリ領域に書き込む書込手段と、
を備えることを特徴とするICカード情報書換装置。
【請求項8】
情報読取装置に対して自己のメモリ領域に書き込まれた提供情報を非接触で送信可能な非接触型ICカード機能を有するICカード情報書換装置であって、
提供情報を外部から受け付ける外部インターフェース手段と、
前記外部インターフェース手段が受け取った提供情報を前記メモリ領域に書き込む書込手段と、
を備えることを特徴とするICカード情報書換装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図11】
【図12】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図10】
【図13】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図11】
【図12】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図10】
【図13】
【公開番号】特開2013−12015(P2013−12015A)
【公開日】平成25年1月17日(2013.1.17)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−143973(P2011−143973)
【出願日】平成23年6月29日(2011.6.29)
【出願人】(000002897)大日本印刷株式会社 (14,506)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成25年1月17日(2013.1.17)
【国際特許分類】
【出願日】平成23年6月29日(2011.6.29)
【出願人】(000002897)大日本印刷株式会社 (14,506)
【Fターム(参考)】
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