説明

非接触給電による充電交通システム

【課題】運行予定に縛られない個人用の移動手段として完成されている軽自動車と、巡行運転が可能で給電も実施出来る電車のよいところをハイブリッド的に統合でき、極めて少ない費用と投資で構築できる、電気自動車の走行充電交通システムを提供する。
【解決手段】軽自動車規格の電気自動車又はハイブリッド車に電気容量の少ない小型蓄電池を搭載し、蓄電池の消耗分の電力を、ETCを改良した電力課金車両情報システムを利用して、勾配の緩やかな鉄道規格の専用道路に敷設した給電線より無接点の集電装置経由で送電する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明が属する技術分野は、国土交通省が定める道路運送車両法による日本独自の規格の軽自動車、ミリ波電波方式、磁界共鳴方式、電磁誘導方式、のワイヤレス送電技術、ネット中心運用(Net Centric Operation)の技術、ETC(Electronic Toll Collection System、エレクトロニック・トール・コレクション・システム)に関する。
本発明が属する技術分野は、乗客や貨物の輸送、鉱石等のトロッコ運搬等に使用されてきた鉄道の廃線跡地や廃道路の利用方法に関する。
本発明が属する技術分野は、ETCの改良技術に関する。
本発明が属する技術分野は、複数の電気自動車、及び/又は、ハイブリッド車を、有線、及び/又は、無線により、連結して運行する技術に関する。
【背景技術】
【0002】
[次世代自動車における問題点]
環境問題(地球温暖化問題、大気汚染問題)やエネルギー問題(化石燃料の枯渇、炭酸ガスの排出)が提起されて久しく、自動車の動力のグリーン化を図るために、ガソリン車からの移行を目指して、ハイブリッド自動車、電気自動車、燃料電池自動車の研究開発が推進されて来た。
しかし、次世代自動車(ハイブリッド自動車、電気自動車、燃料電池自動車等)の研究開発は、必ずしも順調に推移しているわけではない。
特に、電気自動車の場合は、化石燃料の消費と炭酸ガス・NOX等の排ガスの排出を低減し、地球環境問題の解決に大きく貢献することが期待されているが、その一方において、利用する電池については、蓄電可能なエネルギー量や高電圧の危険性についての問題が内在したままである。
電気自動車が、克服しなければならない課題の条件が、普通乗用車では当たり前の、1回の充電で、200km以上の走行距離、120kmの最高速度、10−15モードでの使用条件が一般市道と高速道路の利用という大変ハードルが高いものであるから、この条件を最初から満たそうとするので、電気自動車の価格が高止まりし、普及が進まず、結果なかなか開発が進まない。
参考として段落[0062]に2010年現在の電気自動車の主要諸元を示した。
【0003】
蓄電池としてはリチウムイオン電池や、ニッケル水素電池が知られているが、これらは価格が非常に高い、航続距離が短い、重量が重いために航続距離もさらに短くなるジレンマに苦しんでいる、蓄電池の有望候補として2010年現在現在リチウムイオン電池がもてはやされているが、リチウムがレアメタルゆえに将来入手が難しくなり、価格が急激に下がらないなどの欠点がある。従来のバッテリーの改良品としては内部にある鉛の板を、黒鉛でできた発泡素材に置き換えた新型バッテリーも開発されている。バッテリーには腐食性の高い硫酸が使われており、黒鉛はそれに耐えられる数少ない物質の1つである。
【0004】
[廃止された鉄道線路及び道路における問題点]
現在、社会情勢の変化により営業の存続ができなくなったことから、殊にローカル線においては廃線が決定されるが、一時的に、第三セクターに経営が委ねられたとしても、結局は、累積赤字が膨大になって廃線が決定されること多い。
このような背景から、過疎地等において廃線跡地が未利用のまま放置されている。
廃線跡地のなかには、自然景観に恵まれている箇所が多く、また、歩きやすく急激な傾斜の箇所がないばかりか、渓谷を渡る鉄橋等や高い山を貫くトンネル等、遊歩に適した環境がそのまま残っている場合が多い。
廃線跡地は、巨額な投資財産と評価することも可能であり、積極的に利用することが望ましい。
現在、日本は、人口が過度に大都市圏に集中しているために、様々な問題が、起きている。
国政選挙での一票の格差を解消し、次世代に続く調和のとれた日本を造るためには、過疎化の進行を食い止めて地方の活性化する必要がある。
電気自動車の充電ステーションや専用道路の設置費用や保守費用を賄うため、電気自動車の普及が進むまでの時限立法として、ガソリン税に代わり電気自動車税(仮称)の導入も必要である。
【0005】
[非接触送電装置]
非接触送電装置には、ミリ波電波方式、磁界共鳴方式、電磁誘導方式、様々な方法がある。
導入する現場に合った最適なものを単数又は複数選択する。装置の対比表が表1である。導入する現場の種類とは、いわゆる大部分の時間が停車している自家用車の場合、急速充電を実施する必要はほとんどない。夜間営業所で充電可能な営業車の場合は、時によって、急速充電の必要がある。
絶えず走行している、タクシーや、長距離トラックは、急速充電の必要が高い、業務の内容によっては、一部タクシーで実証実験が始められている、バッテリーカセットの交換方式も必要である。
【0006】
【表1】

【0007】
[本願の集電装置(T)(レクテナ)]
レクテナ(rectenna)とは、rectifying antennaの略でありマイクロ波のエネルギーを直流電流に整流変換するアンテナである。そのエレメントは格子状に配置されており、多くのアンテナとは異なる外観を有する。
最も単純なレクテナはショットキーダイオードをダイポール・アンテナの間に配置したものである。ダイオードはマイクロ波によってアンテナに誘導された電流を変換する。ショットキーダイオードは最も電圧降下が低く、最小限の消費電力で済むために用いられる。
レクテナは、高効率でマイクロ波のエネルギーを電流に変換する。実験室環境では80%以上もの効率が観測されているが、一般的には70%強である。送電アンテナより、より強力な電波を発射することは可能だが、焼損する危険性も有る。現在100wの送電に耐えているガリウムナイトライトより、耐熱性の高い部材が安価に入手出来れば、送電可能量を増加させることが出来る。
また逆レクテナのような、電流をマイクロ波に変換するいくつかの実験が行われているが、その効率は1%よりもはるかに小さい。
これらの高効率と低コストのため、レクテナは宇宙太陽発電所(システム)と呼ばれる人工衛星からのマイクロ波電力伝送に提案されている。
また最近では、電波方式のRFID整流部分にレクテナが応用され始めている。
上記は、ミリ波電波方式用のレクテナであるが、面積の限られた自動車の底面を有効利用するために、磁界共鳴方式、電磁誘導方式のアンテナとのハイブリッド型も製作出来る。 また、充電時間を短縮するためは、レクテナの面積を大きくすることが、有効だが、オプション装置として、自動車の側面、上面に増設する方法もある。
【0008】
[送電アンテナ]
送電システムでは、数百Wもの大電力を効率良く放射できること、車体底面にある程度均一な電力密度を作り出すことが必要となる。
上記二つの条件を満たすアンテナとしてスロットアンテナ及び同軸ケーブルスロットアンテナが好ましく採用される。
好ましくは、WEJ−2規格に沿って、電磁界シミュレータ(HFSS) でパラメータ調整し、スロットアンテナはアルミ板で、同軸ケーブルスロットアンテナは同軸ケーブルで製作する。
送電アンテナは、好ましくは、エンドレス又はシームレスの線状であるが、例えば、長さ1m、スロット数10個、2.45GHzでのリターンロスが-20dBより良いスロットアンテナを線状に連続して設置することができる。
同軸ケーブルスロットアンテナは新興製作所の特許番号第2641944号を改良したものを使用する。上記特許の同軸ケーブルスロットアンテナは、通信用の用途のため、100w近くの給電を実施する本願出願では、直径10mm位ある、配電用キャプタイヤケーブル並の太さのものを使用する。
これらのアンテナを優先的に敷設するのは、登り坂、信号機のある交差点、専用道路入り口、駐車場、タクシー及びトラックの待機場所、恒常的に渋滞通行の発生する場所である。
スロットアンテナは、直線部分に主に使用し、同軸ケーブルスロットアンテナは主に曲線部分に使用する。
電気自動車又はハイブリッド車に、搭載した蓄電池消耗分の電力を、ETCを改良した電力課金車両情報システムを利用して知り送電量を決定する。
【0009】
[軽自動車規格]
軽自動車規格とは、1949年に日本独自の規格として制定された。
軽自動車は、軽量ながら、オフセット衝突の時速60kmの衝突でも安全である。
【0010】
[ネット中心運用(Net Centric Operation)技術]
ネット中心運用(Net Centric Operation)技術とは、小型の専用パソコンである車載のコントロールユニットと、本走行充電交通システムを情報通信で密接に電気自動車を運行するために連携させる技術である。従来の電気自動車又はハイブリッド車の車載制御システムに本走行充電交通システムとの相互通信機能と情報処理機能を追加したものである。
【0011】
[ETC]
ETC(Electronic Toll Collection System、エレクトロニック・トール・コレクション・システム)とは、国土交通省が推進する高度道路交通システムの一種で、ノンストップ自動料金収受システム、ノンストップ自動料金支払いシステムである。
【0012】
[連結運行システム]
複数の電気自動車又はハイブリッド車を、有線又は無線で、連結し、それを一人の運転者が運行し物流を実施する走行充電交通システムについては、各種の公道実験が走行支援道路システム開発機構等が主導して実施されている。
【0013】
2010年現在の電気自動車を実際に体験した内容が朝日新聞、2010年1月3日付け35面の記事に掲載されている。
記事では充電ステーションが少ないために、電欠に陥りやすい。
給電時間がガソリンに比べてかかり、182km、6時間の観光ドライブで充電時間が2時間近くを占めてしまう。
このため記事で紹介した観光ドライブの場合、脇目もふらず、充電ポイントだけを繋ぐ旅になってしまった。
【0014】
本願の走行充電交通システムを導入しようとしている、地方では、鉄道のローカル線が次々と廃線に追い込まれている。
バス路線も次々縮小廃止されているか、乗車料金が非常に高くなっている。
唯一残った移動手段である自家用車に必須のガソリンも、もう電気自動車の時代なのか都市部においても次々とガソリンスタンドが閉店しているが、山間部では、過疎化のため採算が取れないので、ガソリンスタンドが全て消滅している地域も珍しくない。
ガソリン過疎地という言葉もある。
これらの地域での買い物難民の数は600万人以上と試算されている。
【0015】
総務省の調査によると今後10年間で、消滅する集落が続出すると報告されている。
他方将来はトラックの運転手が足りなくなる事態が予想される。
これは地方の過疎地への物流が難しくなる危険性を示している。
地域鉄道の経営は厳しく、2008年度で、全国92社の約8割が赤字と言われている。
国土交通省の調査によると、2000年度以降だけで、全国で33路線実に634.6キロメートルが廃止されている。
2010年7月11日投票の参院議院選挙においても、マニフェストで民主党は「地域の実情に応じた移動手段を確保」、自民党も「生活の足となる地域公共交通の確保」を掲げるが、なんら具体策は示していない。
【0016】
電力消費率、略して電費という新概念を導入する。
電費は、値段が吊り上がったガソリン燃費に比べ桁違いに格段に価格が安い。
これは電気自動車は、電池が高いのであって、充電される電気の料金は、桁違いに、ガソリン代より安いということである。
また、送電によるロスを考えなければ、電気自動車がガソリン車よりエネルギー効率が優れていることを示している。
電費の一番電費のいい走り方は、一定速度での巡行である、この場合は消費される電気は、各種の転がり抵抗と、冷暖エアコンへの電力供給のみであり。
本出願では、短く以降転がり抵抗と記載する。
参考では、有名な電気自動車の60km巡行時の1km当たりの電気代は、1円以下である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0017】
【特許文献1】特開2009−298390号公報
【特許文献2】特開平7−232545号公報
【特許文献3】特開2010−142848号
【特許文献4】特開2010−142849号
【非特許文献】
【0018】
【非特許文献1】非接触給電システムの電動車両が到来(昭和飛行機工業株式会社、特殊車両統括部EVP事業室部長、橋俊輔、URL;http://www.nedo.go.jp/kankobutsu/focus/29/tokusyu4.pdf)
【非特許文献2】電気自動車無線充電システムの開発(篠田健司他、2006年電子情報通信学会総合大会、URL;http://www2.nict.go.jp/w/w122/satcom/spstg/cbs_01_010.pdf)
【非特許文献3】LKA(Lane Keeping Assist、URL;http://www2.toyota.co.jp/jp/tech/safety/technologies/active/lka.html)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0019】
本発明が解決しようとする第1の課題は、運行予定に縛られない個人用の移動手段として完成されている軽自動車と、巡行運転が可能で給電も実施出来る電車のよいところをハイブリッド的に統合し、極めて少ない、費用と投資で、電気自動車での走行充電交通システムを、少なくとも1つの地域(ドメイン)内で構築することである。
【0020】
本発明が解決しようとする第2の課題は、運行予定に縛られない個人用の移動手段として完成されている軽自動車と、巡行運転が可能で給電も実施出来る電車のよいところをハイブリッド的に統合し、極めて少ない、費用と投資で、電気自動車での走行充電交通システムを導入した少なくとも2つ地域(ドメイン)間を相互に移動することを可能とするシステムを構築することである。
【0021】
当初は本願の交通システムは少数の地域での導入となるが、導入地域がふえ、面的広がりが起これば、導入地域の間を移動するだけの蓄電池の容量があれば、本願システムは、より広い地域で効率的に運用出来る。
【発明の効果】
【0022】
本発明の第1の効果は、運行予定に縛られない個人用の移動手段として完成されている軽自動車と、巡行運転が可能で給電も実施出来る電車のよいところをハイブリッド的に統合し、極めて少ない、費用と投資で、電気自動車での走行充電交通システムを、少なくとも1つの地域(ドメイン)内で構築できることである。
【0023】
本発明の第2の効果は、運行予定に縛られない個人用の移動手段として完成されている軽自動車と、巡行運転が可能で給電も実施出来る電車のよいところをハイブリッド的に統合し、極めて少ない、費用と投資で、電気自動車での走行充電交通システムを導入した少なくとも2つ地域(ドメイン)間を相互に移動することを可能とするシステムを構築できることである。
本発明の第3の効果は、電気自動車の利用者の使用方法によっては、蓄電池として、リチウムイオン電池や、ニッケル水素電池などの価格が非常に高い電池を大量に使わなくてもよくなる。
国政選挙での一票の格差を解消するため、日本として弊害の多い大都市への過度の集中を分散させ、国土の調和のとれた発展が可能となる。
【課題を解決するための手段】
【0024】



[請求項1]

集電装置(R)と蓄電池(B)を具備した車両(V)、及び、給電アンテナ(F)を路面に備えた道路(L)を含んで構成される無接点車両給電機構であって、

集電装置(R)は、レクテナであり、給電アンテナ(F)から無接点で電力の供給を受ける機能を有し、

蓄電池(B)は、満充電容量3〜5kWの充電容量が小さい蓄電池であり、

車両(V)は、道路運送車両法施行規則に規定する軽四輪に該当する車両であり、

給電アンテナ(F)は、路面における車両(V)走行轍の中央に、車両走行方向に沿って連続的に設けたものであり、レクテナに対して無接点で電力を供給する機能を有することを特徴とする無接点車両給電機構。



[請求項2]

集電装置(R)と蓄電池(B)を具備した車両(V)、給電アンテナ(F)を路面に備えた道路(L)、及び、車両運行システム(S)を含んで構成される車両が走行している間に給電するシステムであって、

集電装置(R)が、レクテナであって、給電アンテナ(F)から無接点で電力の供給を受ける装置であり、

蓄電池(B)が、満充電容量3〜5kWの充電容量が小さい蓄電池であり、

車両(V)が、道路運送車両法施行規則に規定する軽四輪に該当する車両であり、

給電アンテナ(F)が、路面において車両(V)が走行する轍の中央に、車両走行方向に沿って連続的に設けたものであって、レクテナに対して無接点で電力を供給する機能を備えると共に、車両の無人運転、又は、半無人運転を支援するための情報を送信する機能を備えたアンテナであることを特徴とする、、

車両が走行している間に給電するシステム。



[請求項3]

車両(V)が、道路運送車両法施行規則に規定する軽四輪に該当する車両であり、

かつ、

運行予定に縛られない個人用の移動手段として完成されている自動車、及び/又は、
巡行運転が可能で給電も実施出来る電車のよいところをハイブリッド的に統合した電気自動車

であることを特徴とする、
車両が走行している間に給電するシステム。



[請求項4]

車両運行システム(S)が、 課金車両情報システムを利用したものであることを特徴とする、
車両が走行している間に給電するシステム。



[請求項5]

電気容量の少ない小型蓄電池を使用して、電気自動車の価格を下げ量産による普及の促進を図るために、勾配の緩やかな鉄道規格の専用道路に敷設した給電線より、軽自動車規格の、電気自動車又はハイブリッド車に、搭載した蓄電池消耗分の電力を、ETCを改良した電力課金車両情報システムを利用して無接点の集電装置経由で送電することにより、車間距離を十分空けて巡行する経済的な長距離移動を可能とする運行予定に縛られない個人用の移動手段として完成されている軽自動車と、巡行運転が可能で給電も実施出来る電車のよいところをハイブリッド的に統合した電気自動車の走行充電交通システム。



[請求項6]

電気容量の少ない小型の蓄電池を使用した電気自動車の長距離走行を可能とする、追加による重心等の微調整を機械的電子的に実施して簡単に接続出来、車体側の蓄電池に充電するのとは独立した、別の充電系統で課金車両情報システムを利用して充電出来る追加型蓄電池。



[請求項7]

ネット中心運用(Net Centric Operation)の技術を使用する、小型の専用パソコンである車載のコントロールユニットを搭載した電気自動車の走行充電交通システム。



[請求項8]

電柱トランスのある電柱から、ETCのような利用者の確認をETCを改良した電力課金車両情報システムで行い、電柱より簡単に電気自動車に直流充電する、費用を抑制するた請求項3のネット中心運用(Net Centric Operation)の技術を使用し、ETC情報の確認装置と、雌コンセント又は非接触給電装置を備えたことを特徴とする給電装置。



[請求項9]

車両(V)が、

複数の電気自動車又はハイブリッド車を、有線又は無線で、連結し、一人の運転者が運行して物流を実施するための車両

であることを特徴とする、
請求項1に記載した無接点車両給電機構。



[請求項10]

給電アンテナ(F)が、

過疎地への生活道路に給電線を敷設したもの

であることを特徴とする、
請求項1に記載した無接点車両給電機構。



[請求項11]

リサイクルを容易にし、費用を低減するために、セル、モジュール、電線の半田付けを、鉛フリーか、ごく微量の鉛を含んだ半田で接続した電気自動車。



[請求項12]

販売数が伸びず量産効果が出ないために高価で、電費に影響する蓄電池の搭載量を出来るだけ最小とするために、ヒートポンプ付き電動インバータ冷房暖房エアコンに、寒冷地では蓄熱タンク、それ以外の地域では、蓄冷タンクを装備して熱を統合制御して、乗員室のみでなく、蓄電池の温度環境調整にも使用する電気自動車の走行充電交通システム。



[請求項13]

車両(V)が、道路運送車両法施行規則に規定する普通乗用車であることを特徴とする、請求項1に記載した無接点車両給電機構。


【発明を実施するための形態】
【0025】
以下に発明を実施するための形態を具体的に説明する。
電気自動車が普及するための、今までとは異なる前提の環境やビジネスモデルを提示する。
本願発明の特長とするSelected Ex-RailRoadElectric Car System (SERRECS)という概念を導入する。
本願の走行充電交通システムは、詳細な調査が実施されている経済産業省編集の次世代自動車戦略2010においても同様の技術は紹介されていない。
従来より電気自動車は、有望な手段だったが、主に技術的な様々な問題で、普及が進まなかった。
今般、主たる、解決すべき問題は価格であり、さらに蓄電池の価格をいかに安くするかに絞られてきている。
これは量産効果を利用して、電気自動車の価格をガソリン自動車並に引き下げるしかない。現在費用が嵩んでいる、急速充電器や、モーターなどは、量産により、劇的に値段を引き下げることが出来る。普通に使われている、電気機器の、コンセントや、内蔵モーターを、値段が高いと言わないのと同じことである。
量産効果により価格を下げることにより、普及が進み、更に価格が下がるという好循環を創出する一助とするのが本願の狙いである。
【0026】
以下の〈1〉〜〈6〉の要素を積み上げることによる相乗効果で、電気自動車の価格をガソリン自動車並に引き下げる。
【0027】
[要素]
〈1〉軽自動車の改良利用
〈2〉ネット中心運用(Net Centric Operation)の技術の活用
〈3〉専用道路での、車間距離を空けての巡行
〈4〉勾配の緩やかな鉄道規格の道路
〈5〉様々な無接点の給電方法
〈6〉3kW以下の必要最小限の容量で重量も軽い小型蓄電池
〈7〉満充電容量3〜5kWの充電容量が小さい蓄電池
【0028】
日本独自の軽自動車は軽量なため電費が良い、これを利用する。
既に実用化がされている軽自動車を改良する本願発明の実施は費用的にも容易である。
又は独BMW社製MINIも日本の軽自動車より20cm程車幅が大きいが、採用可能である。
独BMW社は2010年MINIの電気自動車版であるMINIEを販売開始した。
軽自動車の改良には小型の専用パソコンである車載のコントロールユニットの装備が含まれる。
2010年、日産自動車と三菱自動車が、軽自動車と、電気自動車の分野で提携することが発表された。
【0029】
各電気自動車メーカーは、過度にブレーキでの電力回生に期待しているため、本願出願時点では、60km位で巡行することの省エネルギー性に着目していない。
各社各機関とも加速減速を繰り返す一般道路での巡行時の電費データはほとんど収集もしておらず10・15モードのデータのみしか収集していない。
【0030】
100%の充電をした本願発明の電気軽自動車で、自宅から大体2kmのところにある最寄りの専用道路入り口に運転して向かう。
入り口ではETCにより各種承認後ゲートが開き、給電線の施設された専用道路に乗り入れる。蓄電池の充電量が足りず、電欠の虞がある時は、進入を許可せず、ゲートに設置された充電機での充電を確認してから進入を許可する。
ETCからの情報で進入する個別の電気自動車の必要送電量も事前に、小型の専用パソコンである車載のコントロールユニットから入手し準備することが出来る。
専用道路では、全く停車することなく、ほぼ巡行速度60kmで、走行し、転がり抵抗分を消費した電力は、本願発明の無接点の集電装置経由で車載の蓄電池に充電する。
無接点の集電装置を優先的に敷設するのは、登り坂、信号機のある交差点、専用道路入り口、駐車場である。ガソリン車におけるバッテリー上がりのような、特段の理由がない場合は面倒臭いケーブルによる充電は実施しない。
【0031】
鉄道は、その構造上自動車道路に比べて、勾配が緩やかでないと登れなくなってしまうため勾配が自動車道路より緩い。
20パーミル(20/1000)以下の緩い勾配がほぼ巡行速度60kmでの走行を可能とする。同様にカーブの旋回半径も、脱線しないように自動車道路より曲がりが緩い。
20パーミルとは1000m走行すると、20m高度が上がる勾配を指す単位である。
多数の車両が通行した際にも巡行を可能とするため、各軽自動車の連結した運行方法も検討し、最低の車間距離は、混雑時でも60m以上を厳守する。
これは、混雑の激しい、空港に旅客機が進入空路上に、安全な距離を保って運行されているのに似通っている。
旅客機ほどの官制は、人手と専門知識が必要なため、本願ではETCと半自動運転の機能で、十分な車間距離を確保する。
なお、専用道路上の通行量が少ない時は、運行車両のみが通行するため、ほとんどこの配慮は必要ない。
【0032】
交通法規上も、専用道路では、自動車を優先とするために、60km位で巡行することが可能となる。統計上一般道では、時速30km以上で致死率が急増するが、専用道路ならば、致死率の上昇率は緩やかである。
これは、自動車高速道路で、横断者のことをほとんど考慮する必要がないのと同じことである。
こうすれば、現行の電気自動車の10・15モード交流電力量消費率105Wh/kmを大幅に下回る電気しか消費しない。
【0033】
鉄道の線路に比べて、専用の送電アンテナの敷設や保守は極めて容易である。
不採算のために多数の地方ローカル線が廃止されたが、ローカル線の、鉄道の軌道の幅は、大体4.5m有る、軽自動車の車幅は全幅1480mm、1.48mというサイズの枠があるため、混雑しなければ、十分対面通行が可能である。
更に昨今のネット中心運用(Net Centric Operation)の情報技術を活用すれば対向車の接近も十分余裕を持って予測可能であるためさらに安全な対面通行も出来る。
ちなみに3代目トヨタプリウスの車幅は1,745mm,1.75mである。
2000年度以降だけで、全国で廃止された33路線、距離にして実に634.6kmを有効利用出来る可能性がある。
【0034】
日本独自の規格として軽自動車は、1949年に始まった。
軽自動車は、軽量ながら、オフセット衝突でも、時速60kmの速度での衝突でも安全である。
電費ということのみを重視すれば、電動二輪車がすぐれているが、乗員の安全確保は万全ではない。
如何に電費が良くなるといっても安全性が担保されなければ全く本末転倒であるが軽自動車は心配ない。
軽自動車は、軽量なため電気自動車の土台として好適である。
日本では、三菱自動車のi-Mieveやスバルのプラグインステラが軽ベースの電気自動車として既に発売されている。
本願発明では一人一人の利用者の生活スタイルに合わせた、十二分ながら容量の少ない重量の蓄電池を積むだけなので、取得費用も、電費も押さえることが可能となる。
容量の目安は、40kmを走れる距離である。
これは、普通の日本人が毎日平均で走行する距離である。これ以外の時間は、電気自動車は、走行していないので、充電時間がかかる非接触給電で、十分な充電が可能である。
ちなみに米国の場合この距離は、64km(40マイル)である。
もっとも、体格の大きい米国人が本願発明の軽自動車に乗るのは少々窮屈ではある。
利用者の生活スタイルが多くの走行距離を必要とする場合は、請求項6の長距離走行を可能とする、簡単に追加接続出来車体側の蓄電池とは独立した別の系統で充電出来る追加蓄電池を追加する。
このような設計を実施しておけば、改良された高性能蓄電池が将来登場した場合、載せ替えが容易となる。
【0035】
蓄電池の価格を安くする方法としては、電池を交換可能として、電気自動車の利用者からは、使用料のみを徴収して、電気自動車の価格をガソリン自動車並に引き下げるビジネスモデルも存在する。
本願の電気自動車は、蓄電池、モーターのみで構成されているわけではなく、小型の専用パソコンである車載のコントロールユニットを使用し、ネット中心運用(Net Centric Operation)の技術を活用するところに特長がある。
【0036】
電車は停電すると即動けなくなるが、蓄電池を内蔵する電気自動車は使用可能で、電欠の心配はないから、送電の継続性の要求は電車ほどには高くない。
電費の一番いい走り方は、一定速度での巡行であるが、実際の電費は走行中絶えず変化するが、本願の電気自動車は内蔵する蓄電池で、この変化を吸収することが出来る。
又、専用道路に敷設した送電線より、弱いながらも走行中は絶えず蓄電池に充電が行われるため、専用道路より下りるまでに、総和としてはかなりの量の電力を補充することが出来る。
【0037】
過疎地においては、専用道路の近傍に、大きな敷地が必要な太陽光発電に好適な未利用地が多くあるため、予測される需要量の発電を実施し給電線に供給すれば、遠方より、費用をかけて送電する必要がない電気の地産地消費となり、本願発明の実施が容易である。専用道路の敷地をを太陽電池発電所から、町迄の送電経路として利用することも出来る。
【0038】
現在は、電気自動車の充電ステーションは、無料の場合が多いが、利用者が増えれば、応分の負担は、当然である。
尤も電気自動車の充電に必要な電気料金は、参考では有名な電気自動車の60km巡行時の1km当たりの電気代は、1円以下であり極めて少額なため、必要な費用は主に充電器の設置費用となる。
又専用道路の保守費用に足すため、使用料も徴収する必要があり、現行のETCを改良した、利用者への課金システムの整備は必須である。
このため、電気自動車の充電ステーションや専用道路の設置費用や保守費用を賄うため、電気自動車の普及が進むまでの時限立法として、ガソリン税に代わり電気自動車税(仮称)の導入も必要である。
専用道路への、進入の許可もETCを利用すれば、実施出来るし、余剰電力を売ることも出来る。
【0039】
電柱トランスのある電柱からETCのように利用者の確認をネット中心運用(Net Centric Operation)の技術で行い、電柱、給電装置、モービルコンセント等より、簡単に電気自動車に直流充電する。
電柱は、費用を下げるために電柱トランスのある電柱を選び、原則としてはETCの確認装置と、雌コンセント、充電用の駐車スペースしかない。
駐車スペースが容易に設置出来る電柱を使用しコストを下げる。
【0040】
電池の残容量が低くなると、自動車が「最寄りの急速充電可能場所に案内しましょうか?」と問いかける。
了解の返事をすると、カーナビが空いているモービルコンセントまで道案内をする。
充電用の駐車スペースに停車し、充電ケーブルをモービルコンセントの雌コンセントに差し込むとネット中心運用(NetCentric Operation)の技術を活用して、ETCによる利用者の確認が電気自動車の表示装置を使用して行う、確認が終了すると送電が開始される。 利用者の確認は、パスワードの入力や、高齢者の場合、電気自動車のメインキーを使用することでも可能とする。
モービルコンセントの保守費用に足すため、電気代以外にモービルコンセントの使用料も徴収する。
【0041】
設置場所によっては基本装置以外に、ETCゲートと同様の装置を追加することも出来る。 モービルコンセントの設置場所は、需要予測を十二分に実施して決定する。
特許公開2009−65785とモービルコンセントの違いは、ネット中心運用(Net CentricOperation)の技術を活用し、設置費用を最低限とした充電装置である点である。
具体例を挙げると、表示装置は、自動車に装備されているものを使用する。
接続は自動車に搭載されている、通信線を持つ接続ケーブルで行う。
【0042】
課金の管理は改良型ETCで実施する。全く蓄電池が空の状態では、非常時の特例措置として、非常事態対応センターへの通信中は、電気自動車への送電を実施する。
電気自動車の運転者と、非常事態対応センターの係員が電気自動車の表示装置を使用して相談し、以降の処置を決定する。
【0043】
長距離走行や内蔵蓄電池の故障、大雪による送電障害に対処するために、容易に追加バッテリーを搭載し車体に接続出来る構造とする。
追加バッテリーは重量があるため、ロボットでも扱える頑丈な持ち手は必須である。追加バッテリーは重量があるために、装填した場合車体の動的バランスが、崩れやすいが、搭載位置を工夫し、各種調整機能を使用し、走行への蓄電池追加の影響を最小限とする。
この追加バッテリーは、有料でのレンタルが考えられる。
または、ETCや運転免許証での車両自体のレンタカーの利用も考えられる。
【0044】
軽自動車は、最低車高が15cmのため、無接点の送電アンテナと、車両の受電アンテナの間隔は15cm以下とすることが出来る。
無接点の送電方法には、電波方式、電磁方式があるが、本出願で特に注目しているのは、詳細は周波数の再配分の実施待ちとなるが、マルチデュープレックス方式である(非特許文献1〜2)。
この送電方式は、情報の伝達には向かないが、送電方法としては優れている。
本願を導入する現場に合った最適なもの、種々の条件を十分吟味して決定する。
【0045】
専用道路に平滑に埋め込んである送電線は、保守車両により、点検整備を定期的に実施するが、
走行する電気軽自動車より、電動インバーターエアコンのコンプレッサーのバイパスエアーを利用したエアブロー装置も送電線の清掃に利用出来る。
【0046】
無接点の送電方法は、接触端子を使用する送電方法に比べ、送電効率は劣るが、軽電気自動車は、蓄電池を持っているために、消費した電力を、専用道路を通行中全てに渡って充電すれば、十分目的地まで到着することが可能である。
もちろん到着地の駐車場では、到着地での所用や観光を済ましている間に、ケーブルや、無接点の給電を受けることが出来る。低速充電は無接点の送電方法、高速充電はケーブル接続が好ましい。
その際の送電アンテナは、多くの電気を送電するため受信アンテナとの距離を15cm以下とし、外側カバーを丸みを帯びたデザインの、交換が容易な、柔らかい部材とすれば、万一車両が送電アンテナに乗り上げても、故障は発生しない。
停止状態ならば、既に実行されているケーブルを接続しての急速充電も可能である。
【0047】
平面交差が連続する、一般道を走行するより、専用道路を60kmで巡行するの方が、安全で電費が良いのは、自明であり平均速度は早くなる。
【0048】
安全上あまり推奨しかねるが、急ぐ場合 一時的に専用道路より下りて、一般道路を通行すれば、時間は短縮出来るかもしれない。
【0049】
現在自動車は、半自動での運転が可能となってきている(非特許文献3)。
これは、ある意味では、目に見えない軌道の如きものである。
給電線の上を走ることにも使用出来る。
【0050】
[物流への応用]
軽自動車規格には、軽トラックも存在するために、物流も実施することが出来る。
その場合数台の軽トラックを連結して、一人の運転者が運転するのが、経済的である。
先頭の車両には、本願発明向けにけん引免許を改良した免許を持つ運転者が運転する。
けん引免許とは貨物用トレーラー、キャンピングトレーラー、台車に載せた小型船舶等、750kg以上の被けん引車をけん引する場合に必要な免許である。
移動商店に、遠隔地の本部で操縦するロボット店員をのせておけば、各集落に到着後の個別の対面販売も可能である。
過疎地での移動店舗での経費を吊り上げているのも、又高価格のガソリン価格である貯め、電気自動車を導入することにより、過疎地での移動物品販売を継続することが、出来る。
【0051】
図1に示すように、日本でよくある山間地域に住む高齢者が、自宅周辺にかっては存在した郵便局も病院も商店もなくなったため、所用を片付けるために、10km離れた町に出る場合、
自宅で充電を十分した電気軽自動車で、自宅から2kmのところにある最寄りの専用道路入り口に運転して向かう。
入り口ではETCにより各種承認後ゲートが開いて、専用道路に乗り入れる。
専用道路では、全く停車することなく、ほぼ巡行速度60kmで走行し、転がり抵抗分を消費した電力は、ETCにより入手した各自動車の情報に応じた無接点の集電子経由で車載の蓄電池に充電する。電池の残容量が低くなると、自動車が「最寄りの急速充電可能場所に案内しましょうか?」と問いかける。了解の返事をすると、カーナビが空いている充電場所まで道案内をする。
下り坂では回生ブレーキで回収した電気も貯蔵する。
町に着くと、専用道路出口より出て、蓄電池で図1で示したような市中を運転して用事を片付ける、病院、スーパー、役場等では、全てに、給電ステーションを設けておき、駐車中に、必要ならば蓄電池を充電する。
逆に必要以上大幅に電気が余っていれば、電気を逆に売りETCが記録する。
用事が済めば町の入り口より、専用道路に入り、自宅に戻る。
【0052】
有線か無線の電源が接続され蓄電池が満充電されている時に、運転者の操作で事前空調を実施する。さらに、蓄電池の少ない容量を空調に使用するのは、あまりに無駄なので蓄熱タンク、蓄冷タンクを、活用する。これらは、蓄電池の作動環境条件を最適化する統合作動環境制御機構 Joint environment contorl systemの制御を受けて実施する。
電気自動車の熱を発生する熱源、蓄電池、回路、モーター、ブレーキ、乗務員の体温などがあります。これらの熱源を、暖房に利用することにより蓄電池に貯えられている電力を、走行エネルギーに多く振り分けることができます。冷房時には、蓄電池の温度環境を整えることにより、電力を効率的に取り出すことが可能となります。
電気自動車は、ガソリン車と異なり暖房に大量の電力を消費する。
ただし電動インバータエアコンに、寒冷地では、蓄熱タンク、それ以外では、蓄冷タンクを装備するのは、更なる費用がかかるため、これらは特別付属品と考えている。
蓄熱タンク、蓄冷タンクは蓄熱容器とそれに充填された蓄熱材とからなり、前期蓄熱材として相変化物質が用いられる。
相変化物質(Phase Change Material;PCM)とは液体から固体に相変化する場合に潜熱を吸放出する物質をいい、固体が加熱され溶解するときに融解熱を吸収し、液体が冷却されたときに凝固熱を放出するものであり、蓄熱蓄冷作用を有するものであり、蓄熱材として用いられる。再利用可能な熱冷まし枕と似た物理現象である。
貯える熱量の目安は、装着する車が、大体40km位走行する際に、必要な空調能力に合わせる。
事故を防止するため複数の温度湿度センサーを組み合わせる。
もちろん自動車が停止状態でも十分な、熱交換の実施出来る、ラジエーター及びファンが車体に必要である。
密閉された車庫での蓄熱、蓄冷の実施は、蓄冷では放熱、蓄熱では吸熱のため車庫内の空気の強制的な換気が必須である。
電池パックを設計する上で大事なポイントとして、電池の冷却設計がある。電池パックは多数個のモジュール電池を直列接続して使います。一般に充放電を繰り返すと、電池が発熱し、温度が上昇します。ニッケル水素電池、リチウムイオン電池では温度が上がってくると、充電効率が低下します。これを防止するため、電池を適温にするための冷却が必要です。また、過充電領域に入らないように電流を制限し発熱を抑えます。電池冷却は、一般に空冷方式が多く用いられます。
電池の充電管理の精度を保つためには一つ一つの電池の温度をできるだけ均一にする必要がある。電池冷却設計ではこの点に細心の注意を払い。このため電池制御システムとして、電池の電圧、電流のほか温度を測定し、制御コンピュータで電池をどれだけ使ってよいかを監視制御している。電池の状態に応じて、走行に使える電力、充電可能な電力を判定し、車両全体の走行システムで制御している。
【0053】
日本での運用を前提としているが、さらに電圧の高い地域でも、少々の改良で導入可能である。給電線が一本の時は、往路、復路とも登り勾配側に設置する。
登り勾配を走行するには、大きなエネルギーの消費が避けられないため、蓄電池の性能が、飛躍的に向上しても、山間部に集落の多い日本では本願発明の、給電装置は使用することとなる。
【0054】
情報線はまず1本、次に往路、復路1本ずつ設置する。送電線は簡単に敷設可能なこと。本願発明は鉄道王国のインド向きである。
【0055】
送電線上に落ち葉や埃、少々の雪等が堆積しても、非接触で、集電するため、送電効率が落ちるだけであるが、送電線を清掃する装置を利用することも出来る。
除雪車が利用している、スカート状の部品の小型のものや、電動コンプレッサーを利用した、高圧空気による吹き飛ばしなどである。
【0056】
電気自動車に関する技術の進歩は日進月歩できわめて早いため、現時点で本願発明を完璧な内容とすることはきわめて困難である。
より安価で、軽量な高性能蓄電池の登場、これは蓄電池の有望候補として現在リチウムイオン電池がもてはやされているが、このリチウムイオン電池に拘らない、全く新しい種類の蓄電池が登場するかもしれない。
有望な候補の一つが大容量のキャパシタである。
燃料電池も、電気自動車には有望なエネルギー源である。
携帯電話を例に取ると、1979年の移動電話という名称での登場当時、それはレンガのような大きさで、重さは7kgも有り、電池もすぐになくなったが、値段は現在の10倍以上だった。
その後重さは3kgとなり、現在はポケットに入れているのも忘れて座ってしまうほど小さいのに、スマートフォンに代表される多目的端末としての機能を持っている。
【0057】
自動車に雪対策としての寒冷地仕様が存在するように、各地域の実情、自然現象に適応する類型を開発する。
【0058】
最も基本的なシステム構成を本願で開示した。システムとは本来そういったものを指すが、本願発明の実行により、解決すべき課題の解決方法を見つける糸口も発見されよう。
【0059】
電気自動車を普及させるためには、何より生産量を増やさなければならない、生産量が増えることによる量産効果で、電気自動車に必要とされる物の全ての価格が下がり、爆発的に普及が進むのである。
技術的側面より、主に道路法規の面での環境整備が進めば、本願発明を一般の自動車専用道路に活用することは容易である。
【0060】
過疎地域間の移動は、一度、大きな市街地を経由することとなるが、たまの外出なら、特に不便とは感じない。こうして2つの地域(ドメイン)間を相互に移動することを可能とする。
【0061】
軽自動車の屋根に充電を補助するための太陽電池パネルを貼るのも一考である。
【0062】
[プラグイン ステラ主要諸元]
全長×全幅×全高 3,395mm×1,475mm×1,660mm
車両重量 1010kg
乗車定員 4名
最高速度 100km/h
10・15モード交流電力量消費率 ※1(自社計測値) 105Wh/km
10・15モード一充電走行距離 ※1 ※2(自社計測値)90km
モーター種類 永久磁石式同期型
最高出力 47kW
最大トルク 170N・m
駆動方式 前輪駆動
電池種類 リチウムイオンバッテリー
総電圧 346V
総電力 9kWh
バッテリーに関する情報 1セルの電圧が1.2V、6セル直列接続で1モジュール 7.2V
28モジュールが直列接続となり・・・201.6Vとなっている。
※1:数値は定められた試験条件のもとでの数値。
実際の走行時には、運転条件、習慣および整備状況等により数値が異なる。
※2:満充電の状態から走行可能な距離だが、自動車会社は巡行の電費データはほとんど収集もしていない。
【0063】
[独BMW社製MINI諸元]
全長×全幅×全高 3,700mm×1,685mm×1,430mm
車両重量 1100kg
(URL;http://www.fhi.co.jp/envi/plugin/market.html)
【0064】
[充電スタンドの種類]
経済産業省は、次世代自動車の普及に欠かせない充電器については、2020年に普通型200万基、急速型5千基の設置を目指している。
電気自動車(EV)の普及に向け、EV・PHVタウン選定都市などを中心に充電設備の拡充が図られている。コイン式駐車場や商業施設などで見かける機会も増えた充電スタンド。
だが、ひとくちに「充電スタンド」といっても実は「普通充電器」「倍速充電器」「中速充電器」「急速充電器」と大きくわけて4つの種類がある。
違いはどこにあるのか。以下はケーブルを使用した充電スタンドの分類である。
【0065】
「普通充電器」は家庭用電源と同じ100V電源である。
差し込み口はいわゆる家庭にあるコンセントと同じである。
満充電までの時間は『i-MiEV』で半日程度かかる。
供給電力自体は家庭用電源と同じため、充電器の価格も数万円程度からと比較的安価。
盗電防止のために施錠できる、またはICカードなどによる認証機能を備えるものもある。
【0066】
これに対して「倍速充電器」は文字通り倍の200Vである。
100V普通充電器の倍の電力を供給するため、充電時間はi-MiEVであれば6 - 7時間で満充電となる。
現在のところ、200Vも併せて普通充電器と呼ぶことが多く、100Vと200V両方の充電口を備えた充電器も数種類販売されている。
【0067】
「急速充電器」は出力が最大500Vと高く、大型の充電器を設置する必要がある。
大量の電力が流れるため充電口のケーブルも普通充電器のものやガソリンスタンドの給油ガンと比べてもかなり太く重い。
差し込み口もEV専用の3相で、日本で発売されるEVの急速充電口の規格は同一だ。
充電時間は、8割の充電でi-MiEVで15分〜20分である。
EVの短所である充電時間をかなり短縮できるが、本体のみで350万円程度と非常に高価。
これ以外に設置費用や場合によっては電力の拡張工事費用などがかかる。
【0068】
「中速充電器」は、高価な急速充電器の導入コストを抑えるために開発が進められているもので、現在はまだ販売されている機種は少ない。
ちょうど急速と倍速の中間のスペックとなる。
【0069】
充電器メーカー各社では、個人認証機能や情報通信機能の追加、一方で機能の簡素化による低価格化の試みなど、様々な挑戦をおこなっている。
EV普及に伴い、更に様々な充電器が開発されるだろう。
【0070】
移動商店に、遠隔地の本部で操縦するロボット店員をのせておけば、個別の対面販売も可能である。電車では、実用化されている様々な接触型の給電方式を使用することも出来る。
【図面の簡単な説明】
【0071】
【図1】この発明にかかる走行充電システムを導入するのに適する地域を説明するための概略図である。 電柱トランスのある電柱から、ETCのような利用者の確認をETCを改良した電力課金車両情報システムでネット中心運用(Net Centric Operation)の技術で行い、電柱より簡単に電気自動車に直流充電することができる給電システムである。
【図2】本願の走行充電システムで使用する車両の構造図である。
【図3】本願の走行充電システムで使用するゲート装置の概略図である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】

集電装置(R)と蓄電池(B)を具備した車両(V)、及び、給電アンテナ(F)を路面に備えた道路(L)を含んで構成される無接点車両給電機構であって、

集電装置(R)は、レクテナであり、給電アンテナ(F)から無接点で電力の供給を受ける機能を有し、

蓄電池(B)は、満充電容量3〜5kWの充電容量が小さい蓄電池であり、

車両(V)は、道路運送車両法施行規則に規定する軽四輪に該当する車両であり、

給電アンテナ(F)は、路面における車両(V)走行轍の中央に、車両走行方向に沿って連続的に設けたものであり、レクテナに対して無接点で電力を供給する機能を有することを特徴とする無接点車両給電機構。


【請求項2】

集電装置(R)と蓄電池(B)を具備した車両(V)、給電アンテナ(F)を路面に備えた道路(L)、及び、車両運行システム(S)を含んで構成される車両が走行している間に給電するシステムであって、

集電装置(R)が、レクテナであって、給電アンテナ(F)から無接点で電力の供給を受ける装置であり、

蓄電池(B)が、満充電容量3〜5kWの充電容量が小さい蓄電池であり、

車両(V)が、道路運送車両法施行規則に規定する軽四輪に該当する車両であり、

給電アンテナ(F)が、路面において車両(V)が走行する轍の中央に、車両走行方向に沿って連続的に設けたものであって、レクテナに対して無接点で電力を供給する機能を備えると共に、車両の無人運転、又は、半無人運転を支援するための情報を送信する機能を備えたアンテナであることを特徴とする、、

車両が走行している間に給電するシステム。


【請求項3】

車両(V)が、道路運送車両法施行規則に規定する軽四輪に該当する車両であり、

かつ、

運行予定に縛られない個人用の移動手段として完成されている自動車、及び/又は、
巡行運転が可能で給電も実施出来る電車のよいところをハイブリッド的に統合した電気自動車

であることを特徴とする、
車両が走行している間に給電するシステム。


【請求項4】

車両運行システム(S)が、 課金車両情報システムを利用したものであることを特徴とする、
車両が走行している間に給電するシステム。


【請求項5】

電気容量の少ない小型蓄電池を使用して、電気自動車の価格を下げ量産による普及の促進を図るために、勾配の緩やかな鉄道規格の専用道路に敷設した給電線より、軽自動車規格の、電気自動車又はハイブリッド車に、搭載した蓄電池消耗分の電力を、ETCを改良した電力課金車両情報システムを利用して無接点の集電装置経由で送電することにより、車間距離を十分空けて巡行する経済的な長距離移動を可能とする運行予定に縛られない個人用の移動手段として完成されている軽自動車と、巡行運転が可能で給電も実施出来る電車のよいところをハイブリッド的に統合した電気自動車の走行充電交通システム。


【請求項6】

電気容量の少ない小型の蓄電池を使用した電気自動車の長距離走行を可
能とする、追加による重心等の微調整を機械的電子的に実施して簡単に接続出来、車体側の蓄電池に充電するのとは独立した、別の充電系統で課金車両情報システムを利用して充電出来る追加型蓄電池。


【請求項7】

ネット中心運用(Net Centric Operation)の技術を使用する、小型の専用パソコンである車載のコントロールユニットを搭載した電気自動車の走行充電交通システム。


【請求項8】

電柱トランスのある電柱から、ETCのような利用者の確認をETCを改良した電力課金車両情報システムで行い、電柱より簡単に電気自動車に直流充電する、費用を抑制するた請求項3のネット中心運用(Net Centric Operation)の技術を使用し、ETC情報の確認装置と、雌コンセント又は非接触給電装置を備えたことを特徴とする給電装置。


【請求項9】

車両(V)が、

複数の電気自動車又はハイブリッド車を、有線又は無線で、連結し、一人の運転者が運行して物流を実施するための車両

であることを特徴とする、
請求項1に記載した無接点車両給電機構。


【請求項10】

給電アンテナ(F)が、

過疎地への生活道路に給電線を敷設したもの

であることを特徴とする、
請求項1に記載した無接点車両給電機構。


【請求項11】

リサイクルを容易にし、費用を低減するために、セル、モジュール、電線の半田付けを、鉛フリーか、ごく微量の鉛を含んだ半田で接続した電気自動車。


【請求項12】

販売数が伸びず量産効果が出ないために高価で、電費に影響する蓄電池の搭載量を出来るだけ最小とするために、ヒートポンプ付き電動インバータ冷房暖房エアコンに、寒冷地では蓄熱タンク、それ以外の地域では、蓄冷タンクを装備して熱を統合制御して、乗員室のみでなく、蓄電池の温度環境調整にも使用する電気自動車の走行充電交通システム。


【請求項13】

車両(V)が、

であることを特徴とする、
請求項1に記載した無接点車両給電機構。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公開番号】特開2012−153277(P2012−153277A)
【公開日】平成24年8月16日(2012.8.16)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−14705(P2011−14705)
【出願日】平成23年1月27日(2011.1.27)
【出願人】(304045859)
【Fターム(参考)】