説明

非接触給電装置

【課題】非接触給電の伝送効率が高い非接触給電装置を提供する。
【解決手段】インピーダンス調整部56は、送電側インピーダンス値を、現在装着されている部品採取ヘッド32のノズルホルダー部43を昇降させるZ軸サーボモータ46を駆動する昇降回路、およびノズルホルダー部43を回転させるR軸サーボモータ47を駆動する回転回路の負荷インピーダンス値と同一値に高精度に調整する。よって、部品採取ヘッド32に対する非接触給電の伝送効率を高めることができる。また、インピーダンス測定回路が不要となるため、非接触給電装置50の低コスト化および小型化を図ることができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、非接触で電力を供給可能な非接触給電装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
例えば、特許文献1および2には、非接触で電力を供給可能な非接触給電装置が開示されている。特許文献1に記載の非接触給電装置は、送電用共鳴器と受電用共鳴器との間の距離に応じて変化するインピーダンスの周波数特性に基づいて給電制御する。すなわち、受電側のインピーダンスを送電側から推定することにより非接触給電の伝送効率を向上させている。また、特許文献2に記載の非接触給電装置は、部品供給ユニットのテーブルに取付けられたナットを回転させるサーボモータに非接触で電力を供給し、ベースに固定されナットが螺合されたボールねじに沿ってテーブルを移動させる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2010−252446号公報(段落0010、図1参照)
【特許文献2】特開平9−252193号公報(段落0010、図2参照)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1に記載の非接触給電装置では、受電側のインピーダンスを送電側から推定しているため、該インピーダンスには誤差が含まれることになり、非接触給電の伝送効率を十分に向上させることができない。また、特許文献2に記載の非接触給電装置では、部品供給ユニットには部品を収納したフィーダ(カートリッジ)が複数搭載され、フィーダの数によって部品供給ユニットの負荷インピーダンスが変化するが、負荷インピーダンスの変化には対応していないため、非接触給電の伝送効率が低下する場合がある。
【0005】
本発明は係る従来の問題点に鑑みてなされたもので、非接触給電の伝送効率が高い非接触給電装置を提供することを目的とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記の課題を解決するために、請求項1に係る発明は、所定の動作が可能で少なくとも一部が交換可能な負荷部と、該負荷部の動作を制御する負荷制御部と、前記負荷制御部に給電する電力を発生する給電制御部と、前記電力を非接触で前記給電制御部から前記負荷制御部に供給する非接触給電部と、前記各負荷部に対応した負荷インピーダンス値を記憶する負荷用記憶部と、交換された前記負荷部に対応した前記負荷インピーダンス値が前記負荷用記憶部から読出され、前記給電制御部の送電側インピーダンス値を前記読出された負荷インピーダンス値と同一値に調節するインピーダンス調整部と、を備えることである。
【0007】
請求項2に係る発明は、所定の動作が可能で少なくとも一部が交換可能な負荷部と、該負荷部の動作を制御する負荷制御部と、前記負荷制御部に給電する電力を発生する給電制御部と、前記電力を非接触で前記給電制御部から前記負荷制御部に供給する非接触給電部と、前記各負荷部に対応した識別情報を記憶する負荷用記憶部と、前記各識別情報に対応した負荷インピーダンス値を記憶する調整用記憶部を備え、交換された前記負荷部に対応した前記識別情報が前記負荷用記憶部から読出され、前記読出された識別情報に対応した前記負荷インピーダンス値を前記調整用記憶部から読出し、前記給電制御部の送電側インピーダンス値を前記読出された負荷インピーダンス値と同一値に調節するインピーダンス調整部と、を備えることである。
【0008】
請求項3に係る発明は、請求項1または2において、前記負荷部の前記負荷インピーダンス値は、基板に部品を実装する部品実装装置の部品採取ヘッドに備えられた少なくとも前記部品を吸着して前記基板に該部品を装着する部品吸着ノズルを昇降させる昇降回路の駆動時のインピーダンス値であることである。
【0009】
請求項4に係る発明は、請求項1〜3の何れか一項において、前記負荷用記憶部から読出される前記負荷インピーダンス値又は前記識別情報は、非接触で通信可能な非接触通信部を介して送信されることである。
【発明の効果】
【0010】
請求項1に係る発明によれば、負荷用記憶部は、交換可能な負荷部にそれぞれ設けられ、各負荷部に対応した負荷インピーダンス値を記憶する。そして、インピーダンス調整部は、交換された負荷部に対応した負荷インピーダンス値を負荷用記憶部から読出し、送電側インピーダンス値と受信した負荷インピーダンス値とが同一値となるように調節する。これにより、送電側インピーダンス値は、現在備えられている負荷部の負荷インピーダンス値に高精度に調整されることになる。よって、負荷制御部に対する非接触給電の伝送効率を高めることができる。また、上述のインピーダンス調整部を備えているため、従来の負荷インピーダンス値を測定して最大伝送効率の送電側インピーダンス値を演算するインピーダンス測定回路および演算回路は不要となる。一般的に高精度なアナログ回路で構成されるインピーダンス測定回路は高価且つ大型であるが、該インピーダンス測定回路は不要となるため、非接触給電装置の低コスト化および小型化を図ることができる。
【0011】
請求項2に係る発明によれば、負荷用記憶部は、交換可能な負荷部にそれぞれ設けられ、各負荷部に対応した識別情報を記憶する。また、調整用記憶部は、インピーダンス調整部に設けられ、各識別情報に対応した負荷インピーダンス値を記憶する。そして、インピーダンス調整部は、交換された負荷部に対応した識別情報を負荷用記憶部から読出し、読出した識別情報に対応した負荷インピーダンス値を調整用記憶部から読出し、送電側インピーダンス値と読出した負荷インピーダンス値とが同一値となるように調節する。これにより、送電側インピーダンス値は、現在備えられている負荷部の負荷インピーダンス値に高精度に調整されることになる。よって、負荷制御部に対する非接触給電の伝送効率を高めることができる。また、上述のインピーダンス調整部を備えているため、従来の負荷インピーダンス値を測定して最大伝送効率の送電側インピーダンス値を演算するインピーダンス測定回路および演算回路は不要となる。一般的に高精度なアナログ回路で構成されるインピーダンス測定回路は高価且つ大型であるが、該インピーダンス測定回路は不要となるため、非接触給電装置の低コスト化および小型化を図ることができる。
【0012】
請求項3に係る発明によれば、負荷部は、基板に実装する部品を採取する部品採取ヘッドの部品吸着ノズルを昇降させる昇降回路であり、負荷部の負荷インピーダンス値は、昇降回路の駆動時のインピーダンス値である。部品採取ヘッドは、単数の部品吸着ノズルを備えたものや複数の部品吸着ノズルを備えたものがあり、部品吸着ノズルを昇降させるモータの大きさが異なるため負荷インピーダンス値が大きく変化する。インピーダンス調整部は、送電側インピーダンス値を交換した部品採取ヘッドの昇降回路の負荷インピーダンス値に高精度に調整することができるので、該昇降回路に対し伝送効率の高い非接触給電を行うことができる。
【0013】
請求項4に係る発明によれば、負荷用記憶部から読出される負荷インピーダンス値又は識別情報は、非接触で通信可能な非接触通信部を介して送信される。これにより、負荷部に特有の負荷インピーダンス値又は識別情報を負荷部毎に設けた負荷用記憶部に記憶させておくことができ、負荷部を交換したときに正しい負荷インピーダンス値又は識別情報を確実に得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1】本発明の実施の形態の非接触給電装置を備えた部品実装装置を示す斜視図である。
【図2】本発明の第1の実施の形態の非接触給電装置、該装置が備えられた部品採取ヘッドおよびY軸スライダ等を示す図である。
【図3】図2の非接触給電装置の負荷制御部の回路例を示す図である。
【図4】図2の非接触給電装置の非接触給電部、非接触通信部および部品採取ヘッドを示す斜視図である。
【図5】図2の非接触給電装置のインピーダンス調整部の回路例を示す図である。
【図6】図2の非接触給電装置のインピーダンス調整部の別の回路例を示す図である。
【図7】本発明の第2の実施の形態の非接触給電装置、該装置が備えられた部品採取ヘッドおよびY軸スライダ等を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、本発明に係る非接触給電装置の実施の形態を部品実装装置に適用した場合について図面に基づいて説明する。図1に示すように、この部品実装装置は、基板搬送装置10、部品供給装置20および部品移載装置30により概略構成されている。なお、図1において、基板の搬送方向をX軸方向、X軸方向と直交する水平方向をY軸方向、Y軸方向と直交する垂直方向をZ軸方向とする。
【0016】
基板搬送装置10は、基板をX軸方向に搬送する第1搬送装置11および第2搬送装置12を2列並設したいわゆるダブルコンベアタイプのものである。第1搬送装置11および第2搬送装置12は、基台13上にそれぞれ一対のガイドレール14a,14b,15a,15bを互いに平行に対向させてそれぞれ水平に並設し、これらガイドレール14a,14b,15a,15bによりそれぞれ案内される基板を支持して搬送する一対のコンベアベルト(図示省略)を互いに対向させて並設して構成されたものである。また、第1搬送装置11および第2搬送装置12には、所定位置まで搬送された基板を押し上げてクランプすることで、基板を部品装着位置で位置決め固定するクランプ装置(図示省略)がそれぞれ設けられている。
【0017】
部品供給装置20は、基枠1上に複数のフィーダ21を並設したカセットタイプのものである。フィーダ21は、基枠1に離脱可能に取付けた本体22と、本体22の後部に設けられ、部品が所定ピッチで封入された細長いテープ(図示省略)が巻回保持された供給リール23と、本体22の先端に設けられ、テープがスプロケット(図示省略)により所定ピッチで引き出され、部品が封入状態を解除されて順次送り込まれる部品取出部24とを備えている。また、部品供給装置20と基板搬送装置10の間には、後述する部品移載装置30の部品採取ヘッド32に保持された部品の保持位置を検出するCCD等で構成された部品認識用カメラ25が設けられている。
【0018】
部品移載装置30は、基枠1上部に装架されて基板搬送装置10および部品供給装置20の上方に配設されたXYロボットタイプのものである。部品移載装置30は、ヘッド移送機構31および部品採取ヘッド32(本発明の「負荷部」に相当する)を備えている。ヘッド移送機構31は、Y軸サーボモータ33によりY軸方向に移動されるY軸スライダ34と、このY軸スライダ34にX軸方向に移動可能に案内され、Y軸スライダ34に固定されたX軸サーボモータ35によりX軸方向に移動されるX軸スライダ36とを備えている。
【0019】
Y軸サーボモータ33の出力軸には、Y軸方向に延びるボールねじ軸37が連結されている。ボールねじ軸37は、ボール(図示省略)を介して、Y軸スライダ34に固定されたボールナット38に螺合されている。すなわち、Y軸スライダ34は、Y軸サーボモータ33の駆動によるボールねじ軸37の回転により、ボールナット38を介してガイドレール39に案内されてY軸方向に移動するように構成されている。
【0020】
X軸サーボモータ35の出力軸には、図2に示すように、X軸方向に延びるボールねじ軸40が連結されている。ボールねじ軸40は、ボール(図示省略)を介して、X軸スライダ36に固定されたボールナット41に螺合されている。すなわち、X軸スライダ36は、X軸サーボモータ35の駆動によるボールねじ軸40の回転により、ボールナット41を介してガイドレール42に案内されてX軸方向に移動するように構成されている。このX軸スライダ36には、部品を基板に装着する部品採取ヘッド32が交換可能に取付けられている。
【0021】
部品採取ヘッド32には、下方に突出して設けられて後述の部品吸着ノズル44が着脱されるノズルホルダー部43と、該ノズルホルダー部43の下端部に設けられて部品を吸着保持する部品吸着ノズル44と、下方に突出して設けられて基板位置を認識するため基板を撮像するCCD等で構成された基板認識用カメラ45とが取付けられている。ノズルホルダー部43は、Z軸サーボモータ46によりZ軸方向に昇降可能に且つR軸サーボモータ47によりノズル軸周りで回転可能に支承されている。
【0022】
部品吸着ノズル44は、ノズル先端で部品を吸引可能なように図略の真空ポンプに接続され、ノズルホルダー部43の下端部に取付けられている。部品採取ヘッド32には、1個の部品を吸着する部品吸着ノズル44を取付けているが、この部品吸着ノズル44に代えて既知のロータリー式部品吸着ノズル、すなわち回転可能な円筒状のノズルホルダー部に複数本の部品吸着ノズルを円周上に等角度間隔で配置し、ノズルホルダー部を回転させると共に部品吸着ノズルを順次昇降させて複数の部品を順次吸着するロータリー式部品吸着ノズルを取付けることもできる。
【0023】
図2に示すように、部品採取ヘッド32には、非接触給電装置50により電力が給電される。この非接触給電装置50は、負荷制御部51と、給電制御部52と、非接触給電部53と、負荷用記憶部54と、非接触通信部55と、インピーダンス調整部56とを備えて構成されている。
【0024】
負荷制御部51は、部品採取ヘッド32に備えられて後述する非接触給電部53の非接触受電電極53bに接続されている。この負荷制御部51は、部品採取ヘッド32の動作、すなわち主にノズルホルダー部43を昇降および回転させるZ軸サーボモータ46およびR軸サーボモータ47の動作が制御可能に構成されている。一例として、図3に示すように、負荷制御部51は、非接触給電部53の非接触受電電極53bに接続され、給電される電力をAC/DC変換するAC/DC変換部51aと、このAC/DC変換部51a、Z軸サーボモータ46およびR軸サーボモータ47にそれぞれ接続され、AC/DC変換部51aで変換された電力をZ軸サーボモータ46およびR軸サーボモータ47にそれぞれ給電するインバータ51bとを備えて構成されている。
【0025】
給電制御部52は、Y軸スライダ34に備えられて後述するインピーダンス調整部56に接続されている。この給電制御部52は、負荷制御部51に給電する電力が発生可能に構成されている。
【0026】
非接触給電部53は、複数枚の円板状の非接触送電電極53aと、非接触送電電極53aと略同径に形成された1枚の円板状の非接触受電電極53bとを備えている。図2および図4に示すように、非接触送電電極53aは、Y軸スライダ34の天板上面34aにおいてX軸方向に所定間隔をあけて並べて貼着され、インピーダンス調整部56に接続されている。非接触受電電極53bは、Y軸スライダ34の天板上面34aと対向するように部品採取ヘッド32に一体的に設けられた突出部32aの底板裏面32bにおいて、X軸スライダ36の移動中に非接触送電電極53aと所定間隔をあけて対向するように貼着され、負荷制御部51に接続されている。非接触送電電極53aおよび非接触受電電極53bは、電界結合、磁界結合等を利用して非接触で給電制御部52での発生電力を負荷制御部51に供給可能に構成されている。
【0027】
負荷用記憶部54は、部品採取ヘッド32に備えられて後述する非接触通信部55の発光素子55aに接続されている。この負荷用記憶部54は、当該部品採取ヘッド32に対応した負荷インピーダンス値が記憶可能に構成されている。この負荷インピーダンス値は、例えば負荷制御部51に備えられ、ノズルホルダー部43を昇降させるZ軸サーボモータ46を駆動する昇降回路の駆動時の最大インピーダンス値、およびノズルホルダー部43を回転させるR軸サーボモータ47を駆動する回転回路の駆動時の最大インピーダンス値である。
【0028】
非接触通信部55は、レーザダイオードやLED等の発光素子55aと、フォトダイオード等の受光素子55bとを備えている。図2および図4に示すように、発光素子55aは、部品採取ヘッド32の突出部32aの底板裏面32bにおいて、非接触送電電極53aとY軸方向に並んで貼着され、負荷用記憶部54に接続されている。受光素子55bは、Y軸スライダ34の天板上面34aにおいて、X軸スライダ36が最端部に移動したときに発光素子55aと所定間隔をあけて対向するように、最端部に貼着された非接触受電電極53bとY軸方向に並んで貼着され、後述するインピーダンス調整部56に接続されている。
【0029】
インピーダンス調整部56は、Y軸スライダ34に備えられて給電制御部52、非接触給電部53の非接触送電電極53aおよび非接触通信部55の受光素子55bにそれぞれ接続されている。このインピーダンス調整部56は、交換された部品採取ヘッド32に対応した負荷インピーダンス値を負荷用記憶部54から読出して非接触通信部55を介して受信し、給電制御部52の送電側インピーダンス値と受信した負荷インピーダンス値とが同一値となるように調節可能に構成されている。なお、部品採取ヘッド32が交換されたとき、負荷制御部51が負荷用記憶部54から負荷インピーダンス値を読出し、非接触通信部55を介してインピーダンス調整部56に送信するように構成してもよい。
【0030】
一例として、図5に示すように、インピーダンス調整部56は、給電制御部52に並列接続された一対の断続切換部56a,56bと、非接触通信部55の受光素子55bおよび一対の断続切換部56a,56bにそれぞれ接続され、一対の断続切換部56a,56bの切換えを制御する切換制御部56cと、一方の断続切換部56aおよび非接触給電部53の非接触送電電極53aにそれぞれ接続された第1抵抗56dと、他方の断続切換部56bに接続された容量56eと、この容量56eおよび非接触給電部53の非接触送電電極53aにそれぞれ接続された第2抵抗56fとを備えて構成されている。このインピーダンス調整部56は、切換制御部56cにより一対の断続切換部56a,56bを切換え制御することにより、給電制御部52の送電側インピーダンス値と受信した負荷インピーダンス値とが同一値となるように調節する。
【0031】
また、別例として、図6に示すように、インピーダンス調整部56は、給電制御部52および非接触給電部53の非接触送電電極53aにそれぞれ接続された可変抵抗56gと、非接触通信部55の受光素子55bおよび可変抵抗56gに接続され、可変抵抗56gの抵抗変化を制御する抵抗変化制御部56hとを備えて構成されている。このインピーダンス調整部56は、抵抗変化制御部56hにより可変抵抗56gの抵抗変化を制御することにより、給電制御部52の送電側インピーダンス値と受信した負荷インピーダンス値とが同一値となるように調節する。
【0032】
次に、上記した構成の部品実装装置の動作について説明する。まず、基板搬送装置10のコンベアベルトが駆動され、基板がガイドレール14a,14b(15a,15b)に案内されて所定の位置まで搬送される。そして、クランプ装置により、基板が押し上げられてクランプされ、所定位置に位置決め固定される。続いて、Y軸サーボモータ33およびX軸サーボモータ35が駆動されることにより、Y軸スライダ34およびX軸スライダ36が移動され、部品採取ヘッド32が部品供給装置20の部品取出部24まで移動される。
【0033】
その後、Z軸サーボモータ46が正転されることにより、ノズルホルダー部43が下降され、部品吸着ノズル44の先端部が部品取出部24に搬送された部品に接近する位置まで押下げられる。その状態で、真空ポンプから吸着ノズル44に負圧が供給され、部品吸着ノズル44の先端部に部品が吸着保持される。その後、Z軸サーボモータ46が逆転されることにより、ノズルホルダー部43が上昇される。
【0034】
続いて、Y軸サーボモータ33およびX軸サーボモータ35が駆動されることにより、Y軸スライダ34およびX軸スライダ36が移動され、部品採取ヘッド32が部品認識用カメラ25の上方まで移動される。そして、部品吸着ノズル44の先端部に吸着保持されている部品の保持姿勢が検出され、必要があればR軸サーボモータ47が回転されることにより、部品吸着ノズル44の先端部に吸着保持されている部品の保持姿勢が修正される。
【0035】
続いて、Y軸サーボモータ33およびX軸サーボモータ35が駆動されることにより、Y軸スライダ34およびX軸スライダ36が移動され、部品採取ヘッド32が基板の部品装着位置の上方まで移動される。そして、Z軸サーボモータ46が正転されることにより、ノズルホルダー部43が下降され、部品吸着ノズル44の先端部に吸着保持されている部品が基板の部品装着位置に装着される。その状態で、真空ポンプから吸着ノズル44に供給されていた負圧が供給停止され、部品吸着ノズル44の先端部から部品が離脱される。その後、Z軸サーボモータ46が逆転されることにより、ノズルホルダー部43が上昇され、次部品の実装が開始される。
【0036】
ここで、上述の部品実装装置の動作のうち、Z軸サーボモータ46およびR軸サーボモータ47の回転は、非接触給電装置50により制御されている。すなわち、インピーダンス調整部56は、現在装着されている部品採取ヘッド32の負荷用記憶部54から該部品採取ヘッド32に対応した負荷インピーダンス値を読出して非接触通信部55を介して非接触で受信する。そして、一対の断続切換部56a,56bを適宜切換え制御し、もしくは可変抵抗56gの抵抗変化を制御し、給電制御部52で発生した電力の送電側インピーダンス値と受信した負荷インピーダンス値とが同一値となるように調節し、非接触給電部53を介して非接触で負荷制御部51に送電する。
【0037】
負荷制御部51は、受電した電力をAC/DC変換部51aでAC/DC変換し、インバータ51bを介してZ軸およびR軸サーボモータ46,47にそれぞれ給電する。これにより、送電側インピーダンス値は、現在装着されている部品採取ヘッド32のノズルホルダー部43を昇降させるZ軸サーボモータ46を駆動する昇降回路、およびノズルホルダー部43を回転させるR軸サーボモータ47を駆動する回転回路の負荷インピーダンス値に高精度に調整されることになる。よって、部品採取ヘッド32に対する非接触給電の伝送効率を高めることができる。
【0038】
また、上述のインピーダンス調整部56を備えているため、従来の負荷インピーダンス値を測定して最大伝送効率の送電側インピーダンス値を演算するインピーダンス測定回路および演算回路は不要となる。一般的に高精度なアナログ回路で構成されるインピーダンス測定回路は高価且つ大型であるが、インピーダンス測定回路は不要となるため、非接触給電装置50の低コスト化および小型化を図ることができる。
【0039】
次に、非接触給電装置の第2の実施の形態を図7を参照して説明する。なお、図2に示す第1の実施の形態の非接触給電装置50と同一構成部は同一番号を付してその詳細な説明を省略する。この非接触給電装置60は、第1の実施の形態の非接触給電装置50と比較して、負荷制御部51、給電制御部52、非接触給電部53、負荷用記憶部54および非接触通信部55は同一構成であるが、負荷用記憶部54に記憶される情報およびインピーダンス調整部61が異なる構成となっている。
【0040】
負荷用記憶部54は、部品採取ヘッド32に備えられて非接触通信部55の発光素子55aに接続され、当該部品採取ヘッド32に対応した識別情報が記憶可能に構成されている。この識別情報は、例えば部品採取ヘッド32の名称、種類等の情報である。
【0041】
インピーダンス調整部61は、調整用記憶部62を備え、この調整用記憶部62は、負荷用記憶部54に記憶された識別情報に対応した負荷インピーダンス値が記憶可能に構成されている。インピーダンス調整部61は、Y軸スライダ34に備えられて給電制御部52、非接触給電部53の非接触送電電極53aおよび非接触通信部55の受光素子55bにそれぞれ接続されている。このインピーダンス調整部61は、交換された部品採取ヘッド32に対応した識別情報を負荷用記憶部54から読出して非接触通信部55を介して受信し、受信した識別情報に対応した負荷インピーダンス値を調整用記憶部62から読出し、送電側インピーダンス値と読出した負荷インピーダンス値とが同一値となるように調節可能に構成されている。なお、インピーダンス調整部61におけるインピーダンスの調整回路は、例えば図5および図6に示す構成となっている。以上のような構成の非接触給電装置60によっても、第1の実施の形態の非接触給電装置50と同様の効果を得ることができる。
【0042】
なお、上述の実施の形態においては、部品採取ヘッド32を負荷部として説明したが、Y軸スライダ34を含む部品採取ヘッド32を負荷部としてもよい。また、部品採取ヘッド32のノズルホルダー部43を昇降させるZ軸サーボモータ46を駆動する昇降回路、およびノズルホルダー部43を回転させるR軸サーボモータ47を駆動する回転回路の負荷インピーダンス値と同一の値に送電側インピーダンス値を調整する構成を説明したが、少なくともZ軸サーボモータ46の昇降回路の負荷インピーダンス値と同一の値に送電側インピーダンス値を調整する構成としてもよい。また、Z軸サーボモータ46やR軸サーボモータ47を含む負荷インピーダンス値と同一の値に送電側インピーダンス値を調整する構成としてもよい。
【0043】
また、負荷用記憶部54を部品採取ヘッド32に設け、負荷インピーダンス値を非接触通信部55を介して送受信する構成としたが、負荷用記憶部54を例えばホストコンピュータに設けることにより、負荷インピーダンス値を有線で送受信する構成とすることができ、非接触通信部55を不要とすることができる。また、X軸スライダ36をリニアモータにより移動させる構成としたときは、非接触給電装置50,60によりリニアモータへ給電するように構成することができる。
【符号の説明】
【0044】
10…基板搬送装置、20…部品供給装置、30…部品移載装置、32…部品採取ヘッド、43…ノズルホルダー部、44…吸着ノズル、46…Z軸サーボモータ、47…R軸サーボモータ、50,60…非接触給電装置、51…負荷制御部、52…給電制御部、53…非接触給電部、53a…非接触送電電極、53b…非接触受電電極、54,61…負荷用記憶部、55…非接触通信部、55a…発光素子、55b…受光素子、56,61…インピーダンス調整部、62…調整用記憶部。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
所定の動作が可能で少なくとも一部が交換可能な負荷部と、
該負荷部の動作を制御する負荷制御部と、
前記負荷制御部に給電する電力を発生する給電制御部と、
前記電力を非接触で前記給電制御部から前記負荷制御部に供給する非接触給電部と、
前記各負荷部に対応した負荷インピーダンス値を記憶する負荷用記憶部と、
交換された前記負荷部に対応した前記負荷インピーダンス値が前記負荷用記憶部から読出され、前記給電制御部の送電側インピーダンス値を前記読出された負荷インピーダンス値と同一値に調節するインピーダンス調整部と、を備える非接触給電装置。
【請求項2】
所定の動作が可能で少なくとも一部が交換可能な負荷部と、
該負荷部の動作を制御する負荷制御部と、
前記負荷制御部に給電する電力を発生する給電制御部と、
前記電力を非接触で前記給電制御部から前記負荷制御部に供給する非接触給電部と、
前記各負荷部に対応した識別情報を記憶する負荷用記憶部と、
前記各識別情報に対応した負荷インピーダンス値を記憶する調整用記憶部を備え、交換された前記負荷部に対応した前記識別情報が前記負荷用記憶部から読出され、前記読出された識別情報に対応した前記負荷インピーダンス値を前記調整用記憶部から読出し、前記給電制御部の送電側インピーダンス値を前記読出された負荷インピーダンス値と同一値に調節するインピーダンス調整部と、を備える非接触給電装置。
【請求項3】
請求項1または2において、
前記負荷部の前記負荷インピーダンス値は、基板に部品を実装する部品実装装置の部品採取ヘッドに備えられた少なくとも前記部品を吸着して前記基板に該部品を装着する部品吸着ノズルを昇降させる昇降回路の駆動時のインピーダンス値である非接触給電装置。
【請求項4】
請求項1〜3の何れか一項において、
前記負荷用記憶部から読出される前記負荷インピーダンス値又は前記識別情報は、非接触で通信可能な非接触通信部を介して送信される非接触給電装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2013−62924(P2013−62924A)
【公開日】平成25年4月4日(2013.4.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−199063(P2011−199063)
【出願日】平成23年9月13日(2011.9.13)
【出願人】(000237271)富士機械製造株式会社 (775)
【Fターム(参考)】