説明

非接触通信用基材及びその製造方法

【課題】 精細に制御することなくミシン目が形成されながらもアンテナが断線することを防止でき、また、大量生産した場合であっても不良品が発生することがなく、さらには、アンテナが断線しないようにミシン目が形成されながらも、そのミシン目が断裁される際にベース基材が破壊される可能性を低減することができるとともに、断裁部分をきれいに断裁する。
【解決手段】 ポイントカード10の一部を利用方法に応じて切り離すための等間隔からなるミシン目4が形成された領域において、ICチップ1と接続されてICチップ1に対して非接触通信を行うためのアンテナ2を、互いに並列に接続されるように複数線に分岐する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ポイントカードとして用いられる非接触通信用基材及びその製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、パチンコ店等の遊技場において、客が獲得したパチンコ玉やコインを特殊景品に交換し、この特殊景品と引き換えに客に現金を支払うことが行われている。また、このような特殊景品においては、換金の際の処理時間を短縮したり、偽造を防止したりするために、非接触通信が可能なタグを内蔵したものが考えられている(例えば、特許文献1参照。)。このような技術は、上述したような特殊景品に限らず、客が買い物等によって獲得したポイントを、それ相当の価値を有するものと交換するポイント還元にも利用することができる。
【0003】
また、近年においては、ポイントが記録されるポイントカードに、ゲームや音楽等が記録されたCD−ROMを一体化し、それにより、客が獲得したポイントを用いたポイント還元における選択の幅を広げることが考えられている。
【0004】
図9は、ポイント還元に用いられる従来の非接触通信用基材の一例となるポイントカードを示す図であり、(a)はCD−ROM読み取り面側から見た図、(b)は(a)に示したA−A’断面図、(c)は(a)に示したインレット306の構造を示す図である。
【0005】
本従来例は図9に示すように、PET基材303上に非接触通信用のコイル状アンテナ302が形成されるとともに、このアンテナ302を介して非接触通信可能なICチップ301がアンテナ302と接続されてPET基材303上に搭載されてなるインレット306が、光学的に情報が記録された光学的情報記録部305aを有するCD−ROM部305と、PET基材308とに挟み込まれ、粘着剤309a,309bによってそれぞれ接着されて構成されている。これにより、インレット306のうち、アンテナ302の一部及びICチップ301が設けられた領域が、CD−ROM部305の穴部305bから露出している。また、その穴部305bの外側の領域においては、穴部305bの外周に沿うように、かつ、そのカット部がアンテナ302上に形成されないように、PET基材303,308を貫通したミシン目304が形成されている。
【0006】
上記のように構成されたポイントカード310においては、外部に設けられた情報書込/読出装置(不図示)に近接させることにより、情報書込/読出装置からの電磁誘導によってアンテナ302に電流が流れ、この電流がICチップ301に供給され、それにより、非接触状態において、情報書込/読出装置からICチップ301に情報が書き込まれたり、ICチップ301に書き込まれた情報が情報書込/読出装置にて読み出されたりする。そのため、ポイント情報をICチップ301に書き込んでおいたり、ICチップ301に書き込まれたカードIDとポイント情報とを対応づけて登録しておいたりすれば、その後、ICチップ301からポイント情報やカードIDを読み出すことにより、このポイントカード310によるポイントを認識することができ、ポイントに応じた特典を付与する等といったポイント還元を行うことができる。
【0007】
また、CD−ROM部305の光学的情報記録部305aに、ポイントに応じたゲームや音楽等の情報を光学的に記録しておけば、その後、このポイントカード310を受け取った者が、パーソナルコンピュータ等において光学的情報記録部305aに記録された情報を読み出し、ゲームを楽しんだり、音楽を再生したりすることができる。なお、その場合、PET基材303,308に形成されたミシン目304を断裁し、ポイントカード310をパーソナルコンピュータ等に挿入することになる。ここで、ミシン目304を断裁すると、ICチップ301がポイントカード310から切り離され、ICチップ301に書き込まれた情報を読み出すことができなくなる。そのため、このポイントカード310においては、ICチップ301に書き込まれた情報を用いてのポイント還元と、CD−ROM部305の光学的情報記録部305aに記録されたゲームや音楽の提供とのいずれか一方のみを選択的に提供することになる。
【特許文献1】特開2002−210761号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
上述したような非接触通信用基材においては、ICチップに書き込まれた情報を用いてのポイント還元と、CD−ROM部に記録されたゲームや音楽の提供とのいずれか一方のみを選択的に提供するために、CD−ROM部の穴部内にアンテナの一部及びICチップが設けられ、かつ、CD−ROM部に記録されたゲームや音楽の提供を受ける場合にこの領域を断裁するためのミシン目が形成されているが、ミシン目を構成するカット部がアンテナ上に形成されてしまうと、アンテナが断線したり、アンテナが亀裂が入ったりして、ミシン目を断裁していない状態でもICチップに対する情報の書き込みや読み出しを行うことができなくなってしまう虞れがある。
【0009】
そこで、カット部がアンテナ上に形成されないようにミシン目の位置を調節することが考えられるが、アンテナが微細な線から構成されている場合、ミシン目を形成するために精細な制御が必要となってしまい、また、例え精細な制御によりミシン目の位置を調節した場合であっても、ミシン目の形成位置には多少の誤差が生じるため、大量生産すると、不良品が大量にできてしまうという問題点がある。
【0010】
また、図9に示したもののように、カット部がアンテナ上に形成されないようにミシン目の形状を調節することが考えられるが、その場合、カット部を除いた部分が必要以上に接続されていて、ミシン目で囲まれた領域を切り離す際に必要以上の力が加わり、その力によってベース基材全体が破壊されてしまう虞れがある。また、カット部を除いた部分が必要以上に接続されていることにより、ミシン目を断裁した場合に、断裁部分がきれいな断面になるように断裁されず、それにより断裁部分に凹凸が生じ、特に、上述したように、ミシン目で囲まれた領域を切り離した後に、CDやDVD等の回転ディスクとして使用する場合、回転動作に支障をきたし、データ読み取り動作を正常に行うことができなくなってしまう虞れがある。
【0011】
また、アンテナのうちミシン目が形成される部分のみベタパターンとすることも考えられるが、ミシン目はアンテナが形成された後にベース基材上から圧力をかけて形成するため、圧力がかけられた領域から亀裂が入り、上記同様に、ミシン目を断裁していない状態でもICチップに対する情報の書き込みや読み出しを行うことができなくなってしまう虞れがある。
【0012】
本発明は、上述したような従来の技術が有する問題点に鑑みてなされたものであって、精細に制御することなくミシン目が形成されながらもアンテナが断線することを防止でき、また、大量生産した場合であっても不良品が発生することがなく、さらには、アンテナが断線しないようにミシン目が形成されながらも、そのミシン目が断裁される際にベース基材が破壊される可能性を低減することができるとともに、断裁部分をきれいに断裁することができる非接触通信用基材及びその製造方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0013】
上記目的を達成するために本発明は、
ベース基材上に非接触通信用のアンテナが形成されてなる非接触通信用基材であって、
前記アンテナの少なくとも一部が、互いに並列に接続されるように複数線に分岐し、
前記ベース基材の少なくとも前記アンテナが複数線に分岐されて形成された領域に、前記複数線に分岐されたアンテナのうち少なくとも1本が切断されないようにミシン目が形成されている。
【0014】
また、前記アンテナを介して非接触通信可能なICチップが該アンテナに接続されて前記ベース基材に設けられていることを特徴とする。
【0015】
また、送受信用アンテナを具備し、該送受信用アンテナを用いて非接触通信可能なICチップが前記ベース基材に設けられ、
前記アンテナが、前記送受信用アンテナと非接触通信を行うことを特徴とする。
【0016】
また、前記ベース基材に貼付され、中央部分に形成された穴部にて支持されて回転することにより情報が読み取られる情報記録ディスクと、
前記情報記録ディスクの前記ベース基材が貼付された面に、前記情報記録ディスク及び前記ベース基材を覆うように貼付された保護シートとを有し、
前記ミシン目は、前記穴部の外周に沿う領域に形成されていることを特徴とする。
【0017】
上記のように構成された本発明においては、ベース基材に形成されたミシン目を断裁した場合であっても、アンテナのうちミシン目が形成された領域は、互いに並列に接続されるように複数線に分岐され、また、複数線に分岐されたアンテナのうち少なくとも1本が切断されないようにミシン目が形成されているので、アンテナが断線することがない。また、アンテナが断線する可能性が低減しながらも、そのミシン目が断裁される際、必要以上の力が加わることがなく、かつ、断裁部分の断面がきれいになるように断裁される。
【0018】
また、ベース基材と、該ベース基材上に形成され、少なくとも一部が互いに並列に接続されるように複数線に分岐された非接触通信用のアンテナと、前記ベース基材の少なくとも前記アンテナが複数線に分岐されて形成された領域に、前記複数線に分岐されたアンテナのうち少なくとも1本が切断されないように形成されたミシン目とを有してなる非接触通信用基材の製造方法であって、
前記ベース基材上に、少なくとも一部が互いに並列に接続されるように複数線に分岐した前記アンテナを形成する工程と、
前記ベース基材の少なくとも前記アンテナが複数線に分岐されて形成された領域に、前記複数線に分岐されたアンテナのうち少なくとも1本が切断されないように前記ミシン目を形成する工程とを有する。
【0019】
また、ベース基材と、該ベース基材上に形成され、少なくとも一部が互いに並列に接続されるように複数線に分岐された非接触通信用のアンテナと、前記アンテナに接続されて前記ベース基材上に設けられ、前記アンテナを介して非接触通信可能なICチップと、前記ベース基材の少なくとも前記アンテナが複数線に分岐されて形成された領域に、前記複数線に分岐されたアンテナのうち少なくとも1本が切断されないように形成されたミシン目と、前記ベース基材に貼付され、中央部分に形成された穴部にて支持されて回転することにより情報が読み取られる情報記録ディスクと、前記情報記録ディスクの前記ベース基材が貼付された面に、前記情報記録ディスク及び前記ベース基材を覆うように貼付された保護シートとを有し、前記ミシン目が、前記穴部の外周に沿う領域に形成された非接触通信用基材の製造方法であって、
前記ベース基材上に、少なくとも一部が互いに並列に接続されるように複数線に分岐した前記アンテナを形成する工程と、
前記アンテナが形成された前記ベース基材を、前記アンテナのうち複数線に分岐された部分のうち少なくとも一部が前記穴部の外側に位置するように前記情報記録ディスクに貼付する工程と、
前記情報記録ディスクの前記ベース基材が貼付された面に、前記情報記録ディスク及び前記ベース基材を覆うように前記保護シートを貼付する工程と、
前記情報記録ディスクの前記保護シートが貼付された側から、前記保護シート及び前記ベース基材を貫通するように、かつ、前記アンテナのうち複数線に分岐された部分に重なるように前記ミシン目を形成する工程とを有する。
【0020】
また、ベース基材と、該ベース基材上に形成され、少なくとも一部が互いに並列に接続されるように複数線に分岐された非接触通信用のアンテナと、前記アンテナに接続されて前記ベース基材上に設けられ、前記アンテナを介して非接触通信可能なICチップと、前記ベース基材の前記アンテナが複数線に分岐されて形成された領域に、前記複数線に分岐されたアンテナのうち少なくとも1本が切断されないように形成されたミシン目と、前記ベース基材に貼付され、中央部分に形成された穴部にて支持されて回転することにより情報が読み取られる情報記録ディスクと、前記情報記録ディスクの前記ベース基材が貼付された面に、前記情報記録ディスク及び前記ベース基材を覆うように貼付された保護シートとを有し、前記ミシン目が、前記穴部の外周に沿う領域に形成された非接触通信用基材の製造方法であって、
前記ベース基材上に、少なくとも一部が互いに並列に接続されるように複数線に分岐した前記アンテナを形成する工程と、
前記アンテナが形成された前記ベース基材に前記保護シートを貼付する工程と、
前記保護シートが貼付された前記ベース基材を、前記アンテナのうち複数線に分岐された部分のうち少なくとも一部が前記穴部の外側に位置するように前記情報記録ディスクに貼付する工程と、
前記情報記録ディスクの前記保護シートが貼付された側から、前記保護シート及び前記ベース基材を貫通するように、かつ、前記アンテナのうち複数線に分岐された部分に重なるように前記ミシン目を形成する工程とによって製造することも考えられる。
【0021】
また、ベース基材と、該ベース基材上に形成され、少なくとも一部が互いに並列に接続されるように複数線に分岐された非接触通信用のアンテナと、前記アンテナに接続されて前記ベース基材上に設けられ、前記アンテナを介して非接触通信可能なICチップと、前記ベース基材のうち少なくとも前記アンテナが複数線に分岐されて形成された領域に、前記複数線に分岐されたアンテナのうち少なくとも1本が切断されないように形成された等間隔からなるミシン目と、前記ベース基材に貼付され、中央部分に形成された穴部にて支持されて回転することにより情報が読み取られる情報記録ディスクと、前記情報記録ディスクの前記ベース基材が貼付された面に、前記情報記録ディスク及び前記ベース基材を覆うように貼付された保護シートとを有し、前記ミシン目が、前記穴部の外周に沿う領域に形成された非接触通信用基材の製造方法であって、
前記ベース基材上に、少なくとも一部が互いに並列に接続されるように複数線に分岐した前記アンテナを形成する工程と、
前記アンテナが形成された前記ベース基材に前記保護シートを貼付する工程と、
前記保護シート及び前記ベース基材を貫通するように、かつ、前記アンテナのうち複数線に分岐された部分に重なるように前記ミシン目を形成する工程と、
前記保護シートが貼付された前記ベース基材を、前記ミシン目が前記穴部の外側に位置するように前記情報記録ディスクに貼付する工程とによって製造することも考えられる。
【発明の効果】
【0022】
以上説明したように本発明においては、ベース基材上に形成されたアンテナの少なくとも一部が、互いに並列に接続されるように複数線に分岐し、また、ベース基材の少なくともアンテナが複数線に分岐されて形成された領域に、複数線に分岐されたアンテナのうち少なくとも1本が切断されないようにミシン目が形成されているため、ベース基材のアンテナが形成された領域にミシン目が形成されながらも、アンテナが断線することを防止できる。また、大量生産した場合であっても不良品が発生することがなく、さらには、アンテナが断線しないようにミシン目が形成されながらも、そのミシン目が断裁される際にベース基材が破壊される可能性を低減することができるとともに、断裁部分をきれいに断裁することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0023】
以下に、本発明の実施の形態について図面を参照して説明する。
【0024】
(第1の実施の形態)
図1は、本発明の非接触通信用基材の第1の実施の形態となるポイントカードを示す図であり、(a)はCD−ROM読み取り面側から見た図、(b)は(a)に示したA−A’断面図、(c)は(a)に示したインレット6の構造を示す図、(d)は(a)に示したB部拡大図である。
【0025】
本形態は図1に示すように、ベース基材となるPET基材3上に非接触通信用のコイル状アンテナ2が形成されるとともに、このアンテナ2を介して非接触通信可能なICチップ1がアンテナ2と接続されてPET基材3上に搭載されてなるインレット6が、光学的に情報が記録された光学的情報記録部5aを有し、中央部分に形成された穴部5bにて支持されて回転することにより光学的情報記録部5aに記録された情報が読み取られる情報記録ディスクであるCD−ROM部5と、保護シートであるPET基材8とに挟み込まれ、粘着剤9a,9bによってそれぞれに接着されて構成されている。これにより、インレット6のうち、アンテナ2の一部及びICチップ1が設けられた領域が、CD−ROM部5の穴部5bから露出している。また、その穴部5bの外側の領域においては、穴部5bの外周に沿うように、PET基材3,8を貫通した等間隔からなるミシン目4が形成されている。また、本形態においては、アンテナ2のうちミシン目4が形成された部分が、互いに並列に接続されるように複数線に分岐されており、図1(d)に示すように、ミシン目4は、そのタイ部の幅が、この複数線に分岐されたアンテナ2のうち2本が入る幅となっている。なお、図1(d)においては、ミシン目4が、そのカット部がアンテナ2を避けるように形成されているが、タイ部の幅が、この複数線に分岐されたアンテナ2のうち2本が入る幅となっていることにより、ミシン目4がその断続方向にずれた場合であっても、複数線に分岐されたアンテナ2のうち少なくとも1本にはカット部が形成されないことになる。また、複数線に分岐されたアンテナ2のうち少なくとも1本が切断されないような形状であれば、ミシン目4は等間隔に限らない。
【0026】
以下に、上記のように構成されたポイントカード10の製造方法について説明する。
【0027】
図2は、図1に示したポイントカード10の製造方法を説明するための図である。
【0028】
まず、PET基材3上に、エッチングや蒸着、あるいは印刷等によって、一部が互いに並列に接続されるように複数線に分岐されたアンテナ2を形成する(図2(a))。
【0029】
次に、PET基材3のアンテナ2が形成された面に、アンテナ2と接続されるようにICチップ1を搭載し、導電性接着剤(不図示)を用いてPET基材3に接着する。これにより、アンテナ2とICチップ1とが電気的に接続され、インレット6が完成する(図2(b))。
【0030】
次に、中央部分に穴部5bを有するCD−ROM部5の情報読み取り面とは反対側の面に、アンテナ2が形成されるとともにICチップ1が搭載された面を貼付面として、粘着剤9aによってインレット6を貼付する(図2(c))。この際、アンテナ2のうち複数線に分岐された部分のうち少なくとも一部が、CD−ROM部5の穴部5bの外側に位置するようにインレット6をCD−ROM部5に貼付する。
【0031】
次に、CD−ROM部5のインレット6が貼付された面の全面に、インレット6及びCD−ROM部5を覆うように、粘着剤9bによってPET基材8を貼付する(図2(d))。
【0032】
その後、PET基材8が貼付された側から、PET基材8及びインレット6を貫通するように、かつ、アンテナ2のうち複数線に分岐された部分に重なるようにミシン目4を形成する(図2(e))。
【0033】
なお、インレット6に対するPET基材8の貼り付けは、上述したような工程にて行わず、インレット6がCD−ROM部5に貼付される前に行うことも考えられる。その場合、ミシン目4は、互いに貼付されたインレット6とPET基材8とがCD−ROM部5に貼付される前や貼付された後に形成されることになる。
【0034】
すなわち、図1に示したポイントカード10の他の製造方法としては、まず、図2(b)に示したように製造されたインレット6にPET基材8を貼付し、PET基材8に貼付されたインレット6をCD−ROM部5に貼付し、その後、PET基材8が貼付された側から、PET基材8及びインレット6を貫通するようにミシン目4を形成することや、まず、インレット6にPET基材8を貼付し、互いに貼付されたインレット6及びPET基材8にミシン目4を形成し、その後、PET基材8に貼付されたインレット6をCD−ROM部5に貼付することが考えられる。
【0035】
また、インレット6単体を非接触通信用基材として製造する場合は、上述したように、まず、PET基材3上に、一部が互いに並列に接続されるように複数線に分岐されたアンテナ2を形成し、次に、PET基材3のアンテナ2が形成された面に、アンテナ2と接続されるようにICチップ1を搭載する。その後、アンテナ2が形成されるとともにICチップ1が搭載されたPET基材3に、PET基材3を貫通するように、かつ、アンテナ2のうち複数線に分岐された部分に重なるようにミシン目4を形成することになる。
【0036】
さらに、このインレット6にPET基材8を貼付する場合は、インレット6にPET基材8を貼付した後に、インレット6側あるいはPET基材8側から、インレット6及びPET基材8を貫通するように、かつ、アンテナ2のうち複数線に分岐された部分に重なるようにミシン目4を形成することになる。
【0037】
以下に、上述したポイントカード10を用いたポイント還元方法について説明する。
【0038】
図3は、図1に示したポイントカード10を用いたポイント還元を行うシステムの一例を示す図である。
【0039】
本例は図3に示すように、商品の購入等に応じたポイントカード10を発行するポイントカード発行店舗20に設置されたポイントカード発行機21と、通信回線60を介してポイントカード発行機21と接続され、ポイントカード発行機21にて発行されたポイントカード10のポイント情報を登録、管理するポイント管理サーバ40と、通信回線60を介してポイント管理サーバ40と接続され、ポイント管理サーバ40にて管理されるポイント情報に基づいてポイントカード10のポイントを還元するポイント還元店舗30に設置されたポイント還元機31と、ポイントカード10のCD−ROM部5に記録された情報を読み取り、実行するためのパーソナルコンピュータ50とから構成されている。
【0040】
また、ポイントカード発行機21は、ポイントカード10が挿入されるポイントカード挿入部22と、ポイントカード挿入部22に挿入されたポイントカード10のICチップ1に予め書き込まれているカードIDをアンテナ2を介して非接触状態にて読み取る情報読取部23と、ポイントカード発行店舗20における商品の購入等に応じたポイント情報を入力するためのポイント入力部24と、情報読取部23にてポイントカード10から読み取られたカードIDとポイント入力部24を介して入力されたポイント情報とを通信回線60を介してポイント管理サーバ40に送信する通信部25とから構成されている。
【0041】
また、ポイント還元機31は、ポイントカード10が挿入されるポイントカード挿入部32と、ポイントカード挿入部32に挿入されたポイントカード10のICチップ1に予め書き込まれているカードIDをアンテナ2を介して非接触状態にて読み取る情報読取部33と、情報読取部33にてポイントカード10から読み取られたカードIDを通信回線60を介してポイント管理サーバ40に送信するとともに、ポイント管理サーバ40から送信されてきたポイント情報を受信する通信部35と、通信部35にて受信されたポイント情報を表示出力するポイント出力部34とから構成されている。
【0042】
まず、上記のように構成されたシステムにおいて、図1に示したポイントカード10が発行される際の処理について説明する。
【0043】
図4は、図3に示したシステムにおいて図1に示したポイントカード10が発行される際の処理を説明するためのフローチャートである。
【0044】
ポイントカード発行店舗20において、客が商品等を購入すると、その購入代金に応じた情報がCD−ROM部5に書き込まれたポイントカード10が、ポイントカード発行機21のポイントカード挿入部22に挿入される(ステップS1)。ここで、ポイントカード10のCD−ROM部5においては、商品等の購入代金に応じたゲームや音楽等の情報が光学的情報記録部5aに予め記録されており、商品等の購入代金に応じた種類のポイントカード10がポイントカード挿入部22に挿入されることになる。
【0045】
ポイントカード10がポイントカード挿入部22に挿入されると、情報読取部23において、ポイントカード10のICチップ1からカードIDがアンテナ2を介して非接触状態にて読み取られる(ステップS2)。これは、情報読取部23からの電磁誘導によってアンテナ2に電流が流れ、この電流がICチップ1に供給され、それにより、非接触状態において、ICチップ1に書き込まれたカードIDが情報読取部23に読み取られることによって実現される。また、このカードIDは、ICチップ1毎に固有な識別情報として予め書き込まれているものであって、このカードIDによってポイントカード10を識別することができる。また、この際、アンテナ2が形成されたPET基材3には、上述したようにミシン目4が形成されているが、アンテナ2のうちミシン目4が形成された部分が、互いに並列に接続されるように複数線に分岐されており、さらに、ミシン目4のタイ部の幅が、この複数線に分岐されたアンテナ2のうち2本が入る幅となっているため、複数線に分岐されたアンテナ2のうち少なくとも1本は切断されることがなく、それにより、情報読取部23にてポイントカード10のICチップ1からカードIDが確実に読み取ることができる。
【0046】
また、ポイントカード発行店舗20における商品の購入等に応じたポイント数等のポイント情報がポイントカード10に付与されてポイント入力部24を介して入力されると(ステップS3)、情報読取部23にてポイントカード10から読み取られたカードIDと、ポイント入力部24を介して入力されたポイント情報とが通信部25を介して送信される(ステップS4)。
【0047】
その後、ポイントカード発行機21の通信部25から送信されたカードIDとポイント情報とは、通信回線60を介してポイント管理サーバ40にて受信され(ステップS5)、ポイント管理サーバ40において、受信されたカードIDとポイント情報とが互いに対応づけて登録、管理される(ステップS6)。
【0048】
なお、上述したポイントカード10の発行処理においては、ポイントカード10がポイントカード発行機21に挿入された状態で、ポイントカード10のICチップ1に書き込まれたカードIDが読み取られているが、ポイントカード10をポイントカード発行機21に挿入せずに情報読取部23に翳すことにより、ポイントカード10のICチップ1に書き込まれたカードIDを読み取ることも考えられる。
【0049】
次に、図3に示したように構成されたシステムにおいてポイントカード10に応じてポイントが還元される際の処理について説明する。
【0050】
図5は、図3に示したシステムにおいて図1に示したポイントカード10に応じてポイントが還元される際の処理を説明するためのフローチャートである。
【0051】
ポイントカード発行店舗20において発行されたポイントカード10を取得した客がポイント還元店舗30に来店し、そのポイントカード10が、ポイント還元機31のポイントカード挿入部32に挿入されると(ステップS11)、情報読取部33において、ポイントカード10のICチップ1からカードIDがアンテナ2を介して非接触状態にて読み取られる(ステップS12)。この際、アンテナ2が形成されたPET基材3には、上述したようにミシン目4が形成されているが、アンテナ2のうちミシン目4が形成された部分が、互いに並列に接続されるように複数線に分岐されており、さらに、ミシン目4のタイ部の幅が、この複数線に分岐されたアンテナ2のうち2本が入る幅となっているため、上述したポイントカード10の発行処理と同様に、複数線に分岐されたアンテナ2のうち少なくとも1本は切断されることがなく、それにより、情報読取部33にてポイントカード10のICチップ1からカードIDが確実に読み取ることができる。
【0052】
情報読取部33にてポイントカード10からカードIDが読み取られると、ポイントカード10から読み取られたカードIDが通信部35を介して送信される(ステップS13)。
【0053】
ポイント還元機31の通信部35から送信されたカードIDは、通信回線60を介してポイント管理サーバ40にて受信され(ステップS14)、ポイント管理サーバ40において、受信されたカードIDに対応づけて登録、管理されているポイント情報が検索され、送信される(ステップS15)。ここで、ポイント管理サーバ40にて登録、管理されているポイント情報は、上述したように、ポイントカード10のICチップ1に書き込まれたカードIDと対応づけて管理されているため、カードIDによって、そのカードIDが書き込まれたポイントカード10に付与されたポイント情報を検索することができる。
【0054】
ポイント管理サーバ40から送信されたポイント情報は、通信回線60を介してポイント還元機31の通信部35にて受信され(ステップS16)、ポイント出力部34を介して表示出力される(ステップS17)。なお、ポイント還元機31におけるポイント情報の出力は、ポイント出力部34を介しての表示出力に限らず、レシート等を印字出力することによって行うことも考えられる。
【0055】
その後、ポイント還元店舗30において、ポイントカード10を持参してきた客に対して、ポイント還元機31から出力されたポイント情報に応じた景品等が渡される。
【0056】
なお、上述したポイントカード10に応じたポイントの還元処理においては、ポイントカード10がポイント還元機31に挿入された状態で、ポイントカード10のICチップ1に書き込まれたカードIDが読み取られているが、ポイントカード10をポイント還元機31に挿入せずに情報読取部33に翳すことにより、ポイントカード10のICチップ1に書き込まれたカードIDを読み取ることも考えられる。
【0057】
一方、ポイントカード発行店舗20において発行されたポイントカード10を取得した客が、上述したようなポイント還元店舗30にてポイント還元を受けるのではなく、ポイントカード10のCD−ROM部5に記録されたゲームや音楽等の情報を利用する場合は、取得したポイントカード10をパーソナルコンピュータ50に挿入し、パーソナルコンピュータ50において、ポイントカード10のCD−ROM部5に記録された情報を読み取り、実行することになる。その際、ポイントカード10が図1に示したような形状のままでは、パーソナルコンピュータ50に挿入することができない。そこで、ポイントカード10のミシン目4を断裁してポイントカード10の中央部に穴を形成し、パーソナルコンピュータ50に挿入する。
【0058】
図6は、図1に示したポイントカード10のミシン目4を断裁した状態を示す図である。
【0059】
図6に示すように、図1に示したポイントカード10のミシン目4を断裁した場合、ミシン目4に囲まれた領域が切り取られ、それにより、CD−ROM部5の穴部5bが貫通する。この際、ミシン目4は等間隔からなるものであるため、必要以上に力を加えなくてもミシン目4を断裁することができる。また、断裁部分においては、その断面がきれいなものとなる。また、この貫通した穴部5bには、ICチップ1が設けられていたため、CD−ROM部5に記録されたゲームや音楽等の情報を利用する場合は、ポイントカード10からICチップ1が切り離され、ICチップ1に書き込まれたポイント情報を読み取ることができなくなる。
【0060】
このようにして、図1に示したようなポイントカード10を取得した客は、ポイントカード10に付与されたポイント数に応じたポイント還元を受けるか、CD−ROM部5に記録された情報を利用するかのいずれか一方を選択することになる。
【0061】
なお、本形態においては、ポイントカード10を発行する際に、ポイントカード10のICチップ1に書き込まれたカードIDとポイントカード10に付与されたポイント情報とをポイント管理サーバ40にて対応づけて管理しておき、その後、ポイントカード10からカードIDが読み取られた際に、読み取られたカードIDに対応づけて管理されているポイント情報が検索されて出力される場合を例に挙げて説明したが、ポイントカード10を発行する際に、ポイントカード10に付与されたポイント情報をICチップ1に書き込んでおき、ポイント還元を行う際に、ICチップ1からポイント情報を読み取り、そのポイント情報に応じたポイント還元を行うことも考えられる。
【0062】
また、ポイントカード10のPET基材8の表面に、リライト可能な紙基材を接着しておき、ポイントカード10のカードIDや、利用方法、あるいはポイント数等を印字しておくことも考えられる。
【0063】
また、本形態においては、ポイントカード発行機21がポイントカード発行店舗20に設置され、ポイント還元機31がポイント還元店舗30に設置されているが、ポイントカード発行機21とポイント還元機31とが同一の店舗に設置されていてもよい。
【0064】
(第2の実施の形態)
図7は、本発明の非接触通信用基材の第2の実施の形態となるポイントカードを示す図であり、(a)はCD−ROM読み取り面側から見た図、(b)は(a)に示したA−A’断面図、(c)は(a)に示したインレット106の構造を示す図である。
【0065】
本形態は図7に示すように、ベース基材となるPET基材103上にブースターアンテナとなる非接触通信用のコイル状アンテナ102が形成されるとともに、送受信用アンテナ102aを有してこの送受信用アンテナ102aを介して非接触通信可能なICチップ101がPET基材103上に搭載されてなるインレット106が、光学的に情報が記録された光学的情報記録部105aを有するCD−ROM部105と、PET基材108とに挟み込まれ、粘着剤109a,109bによってそれぞれに接着されて構成されている。これにより、インレット106のうち、アンテナ102の一部及びICチップ101が設けられた領域が、CD−ROM部105の穴部105bから露出している。また、その穴部105bの外側の領域においては、穴部105bの外周に沿うように、PET基材103,108を貫通したミシン目104が形成されている。また、本形態においては、アンテナ102のうちミシン目104が形成された部分が、互いに並列に接続されるように複数線に分岐されており、図1に示したものと同様に、ミシン目104は、そのタイ部の幅が、この複数線に分岐されたアンテナ102のうち2本が入る幅となっている。
【0066】
上記のように構成されたポイントカード110においては、第1の実施の形態にて示したものと同様にして使用されることになるが、ここで、ICチップ101における受信のしやすさを示す先鋭度Qにおいては、送受信用アンテナ102aのインダクタンスと静電容量と抵抗成分とによって決まる。そのため、例えば、送受信用アンテナ102aの導体径が大きくなった場合、先鋭度Qが高くなり、それにより、ICチップ101の通信可能距離が延びることになる。本形態においては、PET基材103上にブースターアンテナとなるアンテナ102が形成されているため、このアンテナ102と送受信用アンテナ102aとが電磁結合し、それにより、送受信用アンテナ102aの見かけ上の導体径が大きくなり、先鋭度Qが高くなる。そのため、本形態においては、ICチップ101は、送受信用アンテナ102a及びアンテナ102を介してカードIDやポイント情報が読み出されることになる。
【0067】
また、本形態におけるポイントカード110においても、第1の実施の形態にて説明したような製造方法によって製造することが考えられる。
【0068】
(第3の実施の形態)
図8は、本発明の非接触通信用基材の第3の実施の形態となるポイントカードを示す図であり、(a)はCD−ROM読み取り面側から見た図、(b)は(a)に示したA−A’断面図、(c)は(a)に示したインレット206の構造を示す図である。
【0069】
本形態は図8に示すように、ベース基材となるPET基材203上に非接触通信用のアンテナ202が形成されるとともに、このアンテナ202を介して非接触通信可能なICチップ201がアンテナ202と接続されてPET基材203上に搭載されてなるインレット206が、光学的に情報が記録された光学的情報記録部205aを有するCD−ROM部205と、PET基材208とに挟み込まれ、粘着剤209a,209bによってそれぞれに接着されて構成されている。これにより、インレット206のうち、アンテナ202の一部が形成された領域が、CD−ROM部205の穴部205bから露出している。また、その穴部205bの外側の領域においては、穴部205bの外周に沿うように、PET基材203,208を貫通したミシン目204が形成されている。また、本形態においては、アンテナ202のうちミシン目204が形成された部分が、互いに並列に接続されるように複数線に分岐されており、図1に示したものと同様に、ミシン目204は、そのタイ部の幅が、この複数線に分岐されたアンテナ202のうち2本が入る幅となっている。
【0070】
上記のように構成されたポイントカード210においては、第1の実施の形態にて示したものと同様にして使用されることになるが、情報読取部23,33(図3参照)からの電波によってアンテナ202が共振し、それにより、ICチップ201に電流が供給されてICチップ201に書き込まれたカードIDが読み取られることになる。ここで、アンテナ202の長さは、アンテナ202がミシン目204によって断線されていない場合の長さが、900MHz帯の周波数に応答するものとなっており、また、アンテナ202がミシン目204によって断線し、ICチップ201に接続された部分が短くなった場合の長さが、2.45GHz帯の周波数に応答するものとなっている。そのため、ICチップ201からのカードIDの読み取り周波数を変えることによって、ポイント還元の際に客に渡す景品の種類を異ならせることが考えられる。例えば、900MHz帯の周波数でカードIDが読み取れた場合は、ミシン目204が断裁されていない、すなわち、CD−ROM部205に記録された情報が利用されていないため、高価な景品を渡し、また、2.45GHz帯の周波数でカードIDが読み取れた場合は、ミシン目204が断裁されている、すなわち、CD−ROM部205に記録された情報が利用されているため、廉価な景品を渡すこと等が考えられる。
【0071】
また、本形態におけるポイントカード210においても、第1の実施の形態にて説明したような製造方法によって製造することが考えられる。
【0072】
なお、上述した3つの実施の形態においては、ミシン目のタイ部の幅が、複数線に分岐されたアンテナのうち2本が入る幅となっているが、ミシン目がその断続方向にずれた場合であっても、複数線に分岐されたアンテナのうち少なくとも1本が完全に無傷であればよく、そのために、ミシン目のタイ部の幅が、複数線に分岐されたアンテナのうち少なくとも2本が入る幅となっていればよく、3本であっても、またはそれ以上であっても構わない。
【図面の簡単な説明】
【0073】
【図1】本発明の非接触通信用基材の第1の実施の形態となるポイントカードを示す図であり、(a)はCD−ROM読み取り面側から見た図、(b)は(a)に示したA−A’断面図、(c)は(a)に示したインレットの構造を示す図、(d)は(a)に示したB部拡大図である。
【図2】図1に示したポイントカードの製造方法を説明するための図である。
【図3】図1に示したポイントカードを用いたポイント還元を行うシステムの一例を示す図である。
【図4】図3に示したシステムにおいて図1に示したポイントカードが発行される際の処理を説明するためのフローチャートである。
【図5】図3に示したシステムにおいて図1に示したポイントカードに応じてポイントが還元される際の処理を説明するためのフローチャートである。
【図6】図1に示したポイントカードのミシン目を断裁した状態を示す図である。
【図7】本発明の非接触通信用基材の第2の実施の形態となるポイントカードを示す図であり、(a)はCD−ROM読み取り面側から見た図、(b)は(a)に示したA−A’断面図、(c)は(a)に示したインレットの構造を示す図である。
【図8】本発明の非接触通信用基材の第3の実施の形態となるポイントカードを示す図であり、(a)はCD−ROM読み取り面側から見た図、(b)は(a)に示したA−A’断面図、(c)は(a)に示したインレットの構造を示す図である。
【図9】ポイント還元に用いられる従来の非接触通信用基材の一例となるポイントカードを示す図であり、(a)はCD−ROM読み取り面側から見た図、(b)は(a)に示したA−A’断面図、(c)は(a)に示したインレットの構造を示す図である。
【符号の説明】
【0074】
1,101,201 ICチップ
2,102,202 アンテナ
3,8,103,108,203,208 PET基材
4,104,204 ミシン目
5,105,205 CD−ROM部
5a,105a,205a 光学的情報記録部
5b,105b,205b 穴部
6,106,206 インレット
9a,9b,109a,109b,209a,209b 粘着剤
10,110,210 ポイントカード
20 ポイントカード発行店舗
21 ポイントカード発行機
22,32 ポイントカード挿入部
23,33 情報読取部
24 ポイント入力部
25,35 通信部
30 ポイント還元店舗
31 ポイント還元機
34 ポイント出力部
40 ポイント管理サーバ
50 パーソナルコンピュータ
60 通信回線
102a 送受信用アンテナ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ベース基材上に非接触通信用のアンテナが形成されてなる非接触通信用基材であって、
前記アンテナの少なくとも一部が、互いに並列に接続されるように複数線に分岐し、
前記ベース基材の少なくとも前記アンテナが複数線に分岐されて形成された領域に、前記複数線に分岐されたアンテナのうち少なくとも1本が切断されないようにミシン目が形成されている非接触通信用基材。
【請求項2】
請求項1に記載の非接触通信用基材において、
前記アンテナを介して非接触通信可能なICチップが該アンテナに接続されて前記ベース基材に設けられていることを特徴とする非接触通信用基材。
【請求項3】
請求項1に記載の非接触通信用基材において、
送受信用アンテナを具備し、該送受信用アンテナを用いて非接触通信可能なICチップが前記ベース基材に設けられ、
前記アンテナが、前記送受信用アンテナと非接触通信を行うことを特徴とする非接触通信用基材。
【請求項4】
請求項1乃至3のいずれか1項に記載の非接触通信用基材において、
前記ベース基材に貼付され、中央部分に形成された穴部にて支持されて回転することにより情報が読み取られる情報記録ディスクと、
前記情報記録ディスクの前記ベース基材が貼付された面に、前記情報記録ディスク及び前記ベース基材を覆うように貼付された保護シートとを有し、
前記ミシン目は、前記穴部の外周に沿う領域に形成されていることを特徴とする非接触通信用基材。
【請求項5】
ベース基材と、該ベース基材上に形成され、少なくとも一部が互いに並列に接続されるように複数線に分岐された非接触通信用のアンテナと、前記ベース基材の少なくとも前記アンテナが複数線に分岐されて形成された領域に、前記複数線に分岐されたアンテナのうち少なくとも1本が切断されないように形成されたミシン目とを有してなる非接触通信用基材の製造方法であって、
前記ベース基材上に、少なくとも一部が互いに並列に接続されるように複数線に分岐した前記アンテナを形成する工程と、
前記ベース基材の少なくとも前記アンテナが複数線に分岐されて形成された領域に、前記複数線に分岐されたアンテナのうち少なくとも1本が切断されないように前記ミシン目を形成する工程とを有する非接触通信用基材の製造方法。
【請求項6】
ベース基材と、該ベース基材上に形成され、少なくとも一部が互いに並列に接続されるように複数線に分岐された非接触通信用のアンテナと、前記アンテナに接続されて前記ベース基材上に設けられ、前記アンテナを介して非接触通信可能なICチップと、前記ベース基材の少なくとも前記アンテナが複数線に分岐されて形成された領域に、前記複数線に分岐されたアンテナのうち少なくとも1本が切断されないように形成されたミシン目と、前記ベース基材に貼付され、中央部分に形成された穴部にて支持されて回転することにより情報が読み取られる情報記録ディスクと、前記情報記録ディスクの前記ベース基材が貼付された面に、前記情報記録ディスク及び前記ベース基材を覆うように貼付された保護シートとを有し、前記ミシン目が、前記穴部の外周に沿う領域に形成された非接触通信用基材の製造方法であって、
前記ベース基材上に、少なくとも一部が互いに並列に接続されるように複数線に分岐した前記アンテナを形成する工程と、
前記アンテナが形成された前記ベース基材を、前記アンテナのうち複数線に分岐された部分のうち少なくとも一部が前記穴部の外側に位置するように前記情報記録ディスクに貼付する工程と、
前記情報記録ディスクの前記ベース基材が貼付された面に、前記情報記録ディスク及び前記ベース基材を覆うように前記保護シートを貼付する工程と、
前記情報記録ディスクの前記保護シートが貼付された側から、前記保護シート及び前記ベース基材を貫通するように、かつ、前記アンテナのうち複数線に分岐された部分に重なるように前記ミシン目を形成する工程とを有する非接触通信用基材の製造方法。
【請求項7】
ベース基材と、該ベース基材上に形成され、少なくとも一部が互いに並列に接続されるように複数線に分岐された非接触通信用のアンテナと、前記アンテナに接続されて前記ベース基材上に設けられ、前記アンテナを介して非接触通信可能なICチップと、前記ベース基材の少なくとも前記アンテナが複数線に分岐されて形成された領域に、前記複数線に分岐されたアンテナのうち少なくとも1本が切断されないように形成されたミシン目と、前記ベース基材に貼付され、中央部分に形成された穴部にて支持されて回転することにより情報が読み取られる情報記録ディスクと、前記情報記録ディスクの前記ベース基材が貼付された面に、前記情報記録ディスク及び前記ベース基材を覆うように貼付された保護シートとを有し、前記ミシン目が、前記穴部の外周に沿う領域に形成された非接触通信用基材の製造方法であって、
前記ベース基材上に、少なくとも一部が互いに並列に接続されるように複数線に分岐した前記アンテナを形成する工程と、
前記アンテナが形成された前記ベース基材に前記保護シートを貼付する工程と、
前記保護シートが貼付された前記ベース基材を、前記アンテナのうち複数線に分岐された部分のうち少なくとも一部が前記穴部の外側に位置するように前記情報記録ディスクに貼付する工程と、
前記情報記録ディスクの前記保護シートが貼付された側から、前記保護シート及び前記ベース基材を貫通するように、かつ、前記アンテナのうち複数線に分岐された部分に重なるように前記ミシン目を形成する工程とを有する非接触通信用基材の製造方法。
【請求項8】
ベース基材と、該ベース基材上に形成され、少なくとも一部が互いに並列に接続されるように複数線に分岐された非接触通信用のアンテナと、前記アンテナに接続されて前記ベース基材上に設けられ、前記アンテナを介して非接触通信可能なICチップと、前記ベース基材の少なくとも前記アンテナが複数線に分岐されて形成された領域に、前記複数線に分岐されたアンテナのうち少なくとも1本が切断されないように形成されたミシン目と、前記ベース基材に貼付され、中央部分に形成された穴部にて支持されて回転することにより情報が読み取られる情報記録ディスクと、前記情報記録ディスクの前記ベース基材が貼付された面に、前記情報記録ディスク及び前記ベース基材を覆うように貼付された保護シートとを有し、前記ミシン目が、前記穴部の外周に沿う領域に形成された非接触通信用基材の製造方法であって、
前記ベース基材上に、少なくとも一部が互いに並列に接続されるように複数線に分岐した前記アンテナを形成する工程と、
前記アンテナが形成された前記ベース基材に前記保護シートを貼付する工程と、
前記保護シート及び前記ベース基材を貫通するように、かつ、前記アンテナのうち複数線に分岐された部分に重なるように前記ミシン目を形成する工程と、
前記保護シートが貼付された前記ベース基材を、前記ミシン目が前記穴部の外側に位置するように前記情報記録ディスクに貼付する工程とを有する非接触通信用基材の製造方法。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate

【図9】
image rotate


【公開番号】特開2006−209653(P2006−209653A)
【公開日】平成18年8月10日(2006.8.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−23806(P2005−23806)
【出願日】平成17年1月31日(2005.1.31)
【出願人】(000110217)トッパン・フォームズ株式会社 (989)
【Fターム(参考)】