説明

非晶性および結晶性シリコン製品

ナノクラスタ源であって、冷却凝集チャンバと、ターゲットをスパッタすべく構成されたマグネトロンであって、前記ターゲットのスパッタされた原子が前記冷却凝集チャンバ内に受けられるように、前記冷却凝集チャンバに接続されたマグネトロンと、前記冷却凝集チャンバに接続された真空源と、前記冷却凝集チャンバに接続された少なくとも1の凝集希ガス源と、前記冷却凝集チャンバに接続された水素ガス源とを具える。有利なことに、前記水素ガスがターゲットと、凝集チャンバの冷却された内面を覆うシリコンフィルムの酸化を防止し、形成されたナノクラスタの表面張力が低減される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は一般にプラズマナノクラスタ製品に関し、より具体的には、マグネトロンプラズマに水素ガスを添加することにより改良した半導体の、金属または金属酸化物ナノクラスタ製品に関する。
【背景技術】
【0002】
過去十年間、ナノクラスタの研究は活発な話題であった。ナノクラスタが呈する新規な電子的、光学的、化学的、および磁気的特性のため、大きな学究的および興行的な関心が生じた。この分野の現在の研究は、エネルギッシュとソフトランディングの双方のクラスタにより、双方基礎的な研究から応用的なフィルム形成まで及ぶ。次の10年では、ナノクラスタはナノデバイス、光学データストレージ、磁気データストレージ、および、新素材の開発に用いられるであろう。
【0003】
シリコンナノクラスタは、光電子工学への応用可能性のため、有意な関心を集めている。ナノ長スケールにおいて、量子の閉じ込めは電子構造に重要な役割を果たし、これについてサイズの作用として材料の特性変化を理解する研究が行われている。Siで表されるシリコンの変化を理解するのに特に重きが置かれており、これは大多数のマイクロ電子デバイスの基本的な構成要素である。
【0004】
一般に望ましいナノクラスタ、特にSiナノクラスタは、所望の位相、サイズ、形状、および汚染レベルで用意する開発方法に負担があった。ナノクラスタ源は工業規格的に、以下の一部または全部に合致することが望ましい。
・大きなスケールの製品への互換性
・Siベースのマイクロ製造技術の互換性
・並行処理
・妥当な堆積率
・ナノクラスタの製造、抽出、および堆積の制御
・ナノクラスタのサイズと密度双方の制御
・堆積したナノクラスタの形状の制御
・安定性、反復性、横方向の高解像度と均一性
【0005】
多くのナノ粒子製造方法が知られており、1990年代初頭にドイツのFreiburg大学のH.Haberland教授が最初に設計した真空ナノクラスタ堆積システムに有意な利点が見られる。このような真空システムは、特にナノクラスタの堆積用に設計されており、限定しないが、ともにイギリスのオックスフォードシャーのOxford Applied Research,Mantis Deposition Ltd.を含む多くのソースから市場で入手可能である。これらの市場入手可能なシステムは、以下に列挙する数多くの重要な利点を示す。
・真空ナノクラスタ源は、シリコンベースのマイクロ製造技術と内在的に互換可能なシリコン技術ベースのマイクロ電子デバイス製造と統合可能である。
・真空ナノクラスタ源は、入力エネルギに対するクラスタ形成の高収量を提供する。
・ナノクラスタのサイズは、スパッタリングレート、ガス圧、およびソース量中の粒子の滞留時間のいずれかまたは全部を調整することにより制御できる。
・質量分析技術と着地速度制御によるナノクラスタのサイズ選択は、特にマグネトロンスパッタリングの後にガス凝集に応答して、80%までが陰極を帯びたナノクラスタを生成する。
・広範囲のクラスタサイズ選択。
【0006】
原則として、ナノクラスタ真空堆積システムの重要な部分はナノクラスタ源であり、好ましくはマグネトロン放出による。このマグネトロン放出は、スパッタリングとして知られるプロセスにおいて、数百eVの運動エネルギで緩衝ガスのイオンによるターゲットの衝撃の結果として所望のターゲット材料の原子を提供する。ターゲット材料の原子は、冷却凝集領域へと導かれ、ここで一般的にはアルゴンまたはアルゴンとヘリウムの組み合わせでなる緩衝希ガスがスパッタされた材料の原子が出口開口へと移動するガスの過飽和状況を提供する。希ガスという用語は、非常に低い化学的活性度を示す18A(8A)族元素を規定する。希ガスは非常に少ない安定化合物を形成するため、希ガスの語はしばしば不活性ガスと同義で用いられる。
【0007】
スパッタされた材料原子の過飽和ガス中で生じる複合プロセスは、限定しないが、同種核形成(homogenous nucleation)、核成長および蒸発、合体および凝固を含み、固定のサイズ分配のスパッタ材料のナノクラスタの集合の凝集となる。所定のマグネトロンの構成と出力におけるナノクラスタの凝集は、用いられる希ガスの種類、冷却凝集ゾーンの温度および温度プロファイル、およびマグネトロンと出口開口間の距離に基づいて調整可能である。
【0008】
残念ながら、市場で入手可能な真空ナノクラスタ堆積システムを用いたSiナノクラスタの生成は、限定的な成功を示した。これは主に、冷却凝集ゾーンでの表面酸化とシリコンの帯電の結果と見られる。ナノクラスタの生成は経時により早く低下し、固定のプロセスパラメータで商業的に実行可能な期間維持することができなかった。
【発明の概要】
【0009】
したがって、本発明の主な目的は、従来技術のナノクラスタ製造、特に気相凝縮によるシリコンナノクラスタ製造の欠点の少なくともいくつかを解消することである。これは、真空環境に用いるナノクラスタ源に追加の凝集ガスとして水素を添加する特定の実施例により実現する。水素を用いるとシリコンターゲットと、反応器の壁に堆積したシリコン層との双方の酸化が低減し、生成されるシリコンナノクラスタの表面張力を低減し、これによりシリコンナノクラスタの連続的な核形成および成長が促進される。
【0010】
特定の実施例において、凝集ガス全体の流量の1%未満を構成する水素ガスが導入される。特定の実施例では、凝集ガス全体の流量の1%以上を構成する水素ガスが導入され、結晶性シリコンナノクラスタが得られる。水素ガスは、凝集ガス全体の流量の5%を超えないことが好ましい。例示的な実施例において、水素ガスは水素分子として導入される。
【0011】
本発明のさらなる特徴や利点が、以下の図面や説明により明らかとなる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
本発明の多様な実施例を理解し、これをどのように実施するかを示すために、単に例示するために添付図面を参照するが、全体にわたり同じ番号は対応する要素またはセクションに割り当てられる。
【0013】
詳細な図面を参照するにあたり、図示する特定例は本発明の好適な実施例を図示する目的のみで例示するものであり、本発明の原理と概念面を最も有用で理解しやすい説明と信じるものを提供したと理解されたい。これに関し、必要以上に本発明のより詳細な構成を示す試みは行わず、図面に関する説明により、当業者であれば本発明の多様な形態が実施できるかは明らかである。
【0014】
【図1】図1は、特定の実施例にかかる真空ナノクラスタ源の断面の高レベルな概略図である。
【図2】図2は、特定の実施例にかかる非晶シリコンナノクラスタを製造するための図1の真空ナノクラスタ源で実施可能な方法の高レベルのフローチャートである。
【図3】図3は、特定の実施例にかかる結晶シリコンナノクラスタを製造するための図1の真空ナノクラスタ源で実施可能な方法の高レベルのフローチャートである。
【図4】図4は、図1の真空ナノクラスタ源により図2の方法で堆積した非晶シリコンナノクラスタのラマンスペクトルを示す。
【図5】図5は、図1の真空ナノクラスタ源により図3の方法で堆積した主に結晶シリコンナノクラスタのラマンスペクトルを示す。
【発明を実施するための形態】
【0015】
1以上の実施例を詳細に説明する前に、本発明は、以下の説明や図面の描写にある要素の構成や配置の詳細の適用に限定されないことを理解されたい。本発明は、多様な方法で実施または実現される他の実施例にも適用可能である。また、本書で用いる用語や語句は、説明目的であって限定と解してはならないことを理解されたい。
【0016】
図1は、特定の実施例にかかる真空ナノクラスタ源の断面の高レベルな概略図であり、凝集ゾーン15を構成する冷却凝集チャンバ10と、ターゲット30が上に配置されたマグネトロン20と、出口開口40と、複数の真空源50と、複数の凝集希ガス源60と、水素ガス源70と、複数の一連のフローコントローラ80と、冷却源90と、イオン光学チャンバ100と、堆積チャンバ110とを具える。一実施例では、ターゲット30はシリコンウェハで構成される。一実施例では、水素ガス源70は、水素分子ガスである。
【0017】
マグネトロン20は、冷却凝集チャンバ10内の所定位置に固定として示しているが、任意の態様に限定する意味ではない。一実施例では、マグネトロン20の位置は調整可能であり、特にマグネトロン20と出口開口40の距離が調整可能である。
【0018】
冷却凝集チャンバ10は、冷却源90に接続されている。冷却源90は、凝集ゾーン15をナノクラスタ凝集に適した所定温度に維持するよう構成されている。一実施例では、凝集ゾーン15の温度は約300°Kであり、特定の実施例では液体窒素が冷却源90により供給される。
【0019】
複数の一連のフローコントローラ80はそれぞれ、凝集ゾーン15に接続されている。複数の凝集希ガス源60の各々は、複数の一連のフローコントローラ80の各々に接続されている。水素ガス源70は、複数の一連のフローコントローラ80の各々に接続されている。これにより、凝集希ガス源60の各々は、凝集希ガス成分を、一連のフローコントローラ80の各々を解してマグネトロン20に供給するよう構成されている。一実施例では、少なくとも1の凝集希ガス、好ましくはアルゴンが、マグネトロン20に対する所定の位置に直接供給され、冷却源90がさらにマグネトロン20に接続されている。さらなる実施例(図示せず)では、この所定の位置は調整可能である。追加の凝集希ガス(図示せず)がマグネトロン20に対する別の位置、あるいは凝集チャンバ10内の位置に個別に供給されてもよい。別の実施例(図示せず)では、凝集希ガス源60が、マグネトロン20に供給される前に凝集希ガスを混合するよう構成されてもよい。
【0020】
水素ガス源70は、水素ガス成分を、一連のフローコントローラ80の各々を介してマグネトロン20に対する所定位置に直接供給するよう構成されている。さらなる実施例(図示せず)では、この所定の位置は調整可能である。別の実施例(図示せず)では、水素ガス源70は、水素ガス成分を、一連のフローコントローラ80の各々を介して、1またはそれ以上のマグネトロン20と冷却凝集チャンバ10に供給するよう構成される。一連のフローコントローラ80は、凝集希ガス源60の各々と水素ガス源70からのガス流を所定の値に制御可能である。
【0021】
イオン光学チャンバ100は、出口開口40に接続されており、さらに各真空源50に接続されている。体積チャンバ110はイオン光学チャンバ100に接続され、さらに各真空源50に接続されている。
【0022】
運用時、図2、3に関して以下にさらに説明するように、体積される材料がマグネトロン20のターゲット30として用いられる。真空源50は、凝集ゾーン15のベース圧力を、スパッタリングプロセスの開始前に、好適には約10−6トールに維持可能である。10−1トールから5x10−1トールの範囲の使用圧力が、凝集ゾーン15を通って流れる凝集希ガス60と水素ガス70の入口/出口バランスとして提供される。所望の開始使用圧力が確立したら、マグネトロン20が200eVより大きな運動エネルギに加速されたガスイオンでターゲット30を衝撃可能となる。衝撃するガスイオンに応じて、ターゲット30の原子がスパッタされ、凝集希ガス源60からの凝集希ガスと水素ガス源70からの水素ガスにより、出口開口40の方へ流される。ターゲット30のスパッタされた原子は、ターゲット30から出口開口40へ移動中に、これらの衝突、冷却、および凝集プロセスの結果としてナノクラスタを形成する。
【0023】
ターゲット30がシリコンウェハで構成される非限定的な実施例では、ターゲット30と、スパッタされたシリコンの体積フィルムでカバーされた冷却凝集チャンバ10の内面との双方の酸化により生成された従来技術の酸化シリコンは、水素ガス源70からの水素の添加により低減する。さらに、水素ガスの点火は、生成されたシリコンナノクラスタの表面張力を低減し、これによりシリコンナノクラスタの連続的な核形成が促進されると考えられる。
【0024】
図2は、特定の実施例にかかる非晶シリコンナノクラスタを製造するための図1の真空ナノクラスタ源で実施可能な方法の高レベルのフローチャートである。ステージ1000では、冷却凝集チャンバ内のベース圧力が、好ましくは1x10−6トールに確立される。マグネトロンの位置がセットされ、関連するガス出口の位置が任意にセットされる。マグネトロンの動作用電流が決定されセットされる。
【0025】
ステージ1010では、1以上の凝集希ガスが提供される。任意で、この1以上の凝集希ガスはアルゴンである。特定の実施例では、希ガスのアルゴンとヘリウムの双方が供給される。
【0026】
ステージ1020では、水素ガスが提供される。任意で、供給される水素ガスは水素分子ガスである。任意で、供給される水素ガスの量と、凝集希ガスの量は、水素ガスの量が供給されるガスの合計、すなわち供給される水素ガスと供給される凝集希ガスの合計の流量の1%未満となるように、一連のフローコントローラ80の各々を介して制御される。
【0027】
ステージ1030では、ターゲット30のようなターゲットがスパッタされる。任意で、このターゲットはシリコンウェハである。任意で、このターゲットは、好ましくは水素ガスの存在下で、200eVより大きな運動エネルギの供給された凝集希ガスのイオンをターゲットに衝撃することによりスパッタされる。有利なことに、上述のように、水素ガスを用いるとシリコンウェハターゲットの酸化が低減される。
【0028】
ステージ1040では、ステージ1030でターゲットからスパッタされた原子が、好ましくは冷却凝集チャンバ10の凝集ゾーン15を通って、ステージ1010の凝集希ガスとステージ1020の水素ガスの混合体により流される。ステージ1050では、凝集ゾーン15における使用圧力が維持される。任意で、使用圧力は1x10−1トールから5x10−1トールの範囲である。
【0029】
ステージ1060では、ステージ1040−1050に関して説明したように、スパッタされた原子が凝集ゾーン15内でナノクラスタへと凝集し、ナノクラスタが生成される。任意で、ステージ1020のガス比率に応じて、シリコンターゲットの場合、主に非晶シリコンのナノクラスタが生成される。一実施例では、95%以上が非晶シリコンのナノクラスタが、堆積チャンバ110内に配置された基板に複数層堆積するのに十分なほど連続生成される。
【0030】
ステージ1000−1050の作業条件、特にステージ1050の使用圧力と、ステージ1020の凝集希ガス流および水素ガス流と、ステージ1000のマグネトロンの位置および電流とを維持すると、好適に所望のサイズ分布のナノクラスタの連続生成が達成される。
【0031】
図4は、図1の真空ナノクラスタ源により図2の方法で堆積した非晶シリコンナノクラスタのラマンスペクトルを示し、x軸が探査光(proving light)のラマンシフトをcm−1で表し、y軸が任意のユニットにおける拡散光シグナル強度を表す。非晶シリコンでは一般に、約525cm−1までの広範な強度の拡散が示され、ピークの概略中心は約480cm−1である。
【0032】
図3は、特定の実施例にかかる結晶シリコンナノクラスタを製造するための図1の真空ナノクラスタ源で実施可能な方法の高レベルのフローチャートである。ステージ2000では、冷却凝集チャンバのベース圧力が、好ましくは約10−6トールに確立される。マグネトロンの位置がセットされ、関連するガス出口の位置が任意でセットされる。マグネトロン動作用の電流が決定されセットされる。
【0033】
ステージ2010では、1以上の凝集希ガスが提供される。任意で、1以上の凝集希ガスはアルゴンである。特定の実施例では、希ガスのアルゴンとヘリウムの双方が提供される。
【0034】
ステージ2020では、水素ガスが提供される。任意で、供給される水素ガスは水素分子ガスである。任意で、供給される水素ガスの量と、凝集希ガスの量は、水素ガスの量が供給されるガスの合計、すなわち供給される水素ガスと供給される凝集希ガスの合計の流量の1%より多くなるように、一連のフローコントローラ80の各々を介して制御される。さらに任意で、供給される水素ガスの量は、供給されるガスの全体の流量の1%以上5%未満である。
【0035】
ステージ2030では、ターゲット30のようなターゲットがスパッタされる。任意で、このターゲットはシリコンウェハである。任意で、このターゲットは、好ましくは水素ガスの存在下で、200eVより大きな運動エネルギの供給された凝集希ガスのイオンをターゲットに衝撃することによりスパッタされる。有利なことに、上述のように、水素ガスを用いるとシリコンウェハターゲットの酸化が低減される。
【0036】
ステージ2040では、ステージ2030でターゲットからスパッタされた原子が、好ましくは冷却凝集チャンバ10の凝集ゾーン15を通って、ステージ2010の凝集希ガスとステージ2020の水素ガスの混合体により流される。ステージ2050では、凝集ゾーン15における使用圧力が維持される。任意で、使用圧力は1x10−1トールから5x10−1トールの範囲である。
【0037】
ステージ2060では、ステージ2040−2050に関して説明したように、スパッタされた原子が凝集ゾーン15内でナノクラスタへと凝集し、ナノクラスタが生成される。任意で、ステージ2020のガス比率に応じて、シリコンターゲットの場合、主に結晶シリコンのナノクラスタが生成される。一実施例では、95%以上が結晶シリコンのナノクラスタが、堆積チャンバ110内に配置された基板に複数層堆積するのに十分なほど連続生成される。
【0038】
ステージ2000−2050の作業条件、特にステージ2050の使用圧力と、ステージ2020の凝集希ガス流および水素ガス流と、ステージ2000のマグネトロンの位置および電流とを維持すると、好適に所望のサイズ分布のナノクラスタの連続生成が達成される。
【0039】
図5は、図1の真空ナノクラスタ源により図3の方法で堆積した結晶シリコンナノクラスタのラマンスペクトルを示し、x軸が探査光(probing light)のラマンシフトをcm−1で表し、y軸が任意のユニットにおける拡散光シグナル強度を表す。約520cm−1の急峻なピーク強度が示され、主に結晶シリコンナノクラスタが堆積していることを示している。
【0040】
このように、いくつかの実施例は、高真空と両立しうる環境で用いられるナノクラスタ源への付加的な凝集ガスとして水素を添加可能である。水素を用いるとシリコンの酸化が低減され、生成されたシリコンナノクラスタの表面張力が低減し、これによりシリコンナノクラスタの連続的な核形成と成長が促進される。
【0041】
本発明のいくつかの特徴が、明確のため、個別の実施例の文脈で説明されているが、これらは単一の実施例において組み合わせられてもよい。反対に、本発明の多くの特徴が、簡潔のために、単一の実施例について説明されているが、これらは個別または任意の適切なサブコンビネーションとして提供されてもよい。
【0042】
他に定義しない限り、本書で用いる技術的および化学的な用語は同じ意味を有し、本発明が属する技術分野の通常の知識を有する者によって共通に理解される。本書で説明したものと類似または同等の方法を、本発明の実践または試験で用いることができ、適切な方法が本書に記載されている。
【0043】
本書記載のすべての公開文献、特許出願、特許、他の文献は、その全体が参照により本書に組み込まれる。矛盾が生じた場合は、この特許明細書が、定義を含み、優先される。さらに、実体物、方法、および実施例は説明目的のみであって限定と解してはならない。
【0044】
当業者であれば、本発明は本書記載の具体的に示したものに限定されないことを理解するであろう。むしろ本発明の範囲は添付のクレームにより規定され、上述した多様な特徴のコンビネーションおよびサブコンビネーションと同様にそのバリエーションや変更例を、上記説明を読むことにより当業者は実現しうるであろう。


【特許請求の範囲】
【請求項1】
ナノクラスタ源であって、
冷却凝集チャンバと、
ターゲットをスパッタすべく構成されたマグネトロンであって、前記ターゲットのスパッタされた原子が前記冷却凝集チャンバ内に受けられるように、前記冷却凝集チャンバに接続されたマグネトロンと、
前記冷却凝集チャンバに接続された真空源と、
前記冷却凝集チャンバに接続された少なくとも1の凝集希ガス源と、
前記冷却凝集チャンバに接続された水素ガス源とを具えることを特徴とするナノクラスタ源。
【請求項2】
請求項1に記載のナノクラスタ源において、前記マグネトロンが前記冷却凝集チャンバ内に配置されていることを特徴とするナノクラスタ源。
【請求項3】
請求項1に記載のナノクラスタ源において、前記水素ガス源が前記マグネトロンに接続されていることを特徴とするナノクラスタ源。
【請求項4】
請求項1乃至3のいずれかに記載のナノクラスタ源において、前記ターゲットがシリコンウェハであることを特徴とするナノクラスタ源。
【請求項5】
請求項1乃至3のいずれかに記載のナノクラスタ源において、前記真空源は、約1x10−6トール以下のベース圧力と、1x10−1トールから5x10−1トールまでの範囲の使用圧力を前記冷却凝集チャンバ内に提供するよう構成されていることを特徴とするナノクラスタ源。
【請求項6】
請求項1乃至3のいずれかに記載のナノクラスタ源において、前記水素ガス源は、水素分子源であることを特徴とするナノクラスタ源。
【請求項7】
請求項1乃至3のいずれかに記載のナノクラスタ源において、前記水素ガス源が、前記少なくとも1の凝集希ガス源と前記水素ガス源により供給される凝集ガス全体の流量の1%未満の水素ガスを供給するよう構成されていることを特徴とするナノクラスタ源。
【請求項8】
請求項7に記載のナノクラスタ源において、前記ナノクラスタ源は、概ね非晶シリコンナノクラスタを生成することを特徴とするナノクラスタ源。
【請求項9】
請求項1乃至3のいずれかに記載のナノクラスタ源において、前記水素ガス源が、前記少なくとも1の凝集希ガス源と前記水素ガス源により供給される凝集ガス全体の流量の1%より多い水素ガスを供給するよう構成されていることを特徴とするナノクラスタ源。
【請求項10】
請求項9に記載のナノクラスタ源において、前記ナノクラスタ源は、概ね結晶シリコンナノクラスタを生成することを特徴とするナノクラスタ源。
【請求項11】
請求項1乃至3のいずれかに記載のナノクラスタ源において、前記水素ガス源が、前記少なくとも1の凝集希ガス源と前記水素ガス源により供給される凝集ガス全体の流量の1%−5%の水素ガスを供給するよう構成され、前記ナノクラスタ源は概ね結晶シリコンナノクラスタを生成することを特徴とするナノクラスタ源。
【請求項12】
ナノクラスタ生成方法であって、
ターゲットをスパッタするステップと、
1以上の凝集希ガスを提供するステップと、
水素ガスを提供するステップと、
前記提供された1以上の凝集ガスと水素ガスにより、前記スパッタされたターゲットの原子を凝集ゾーンを通して流すステップと、
前記凝集ゾーンの使用圧力を維持するステップとを具え、
前記スパッタされた原子が、前記凝集ゾーン内で凝集してナノクラスタが生成されることを特徴とする方法。
【請求項13】
請求項12の方法において、前記スパッタするステップが、
前記供給された水素ガスの存在下で、200eVより大きな運動エネルギに加速された前記1以上の凝集希ガスのイオンを前記ターゲットに衝撃するステップを具えることを特徴とする方法。
【請求項14】
請求項12または13の方法において、前記ターゲットがシリコンウェハであることを特徴とする方法。
【請求項15】
請求項12または13の方法において、前記維持される使用圧力は、1x10−1トールから5x10−1トールまでの範囲であることを特徴とする方法。
【請求項16】
請求項12または13の方法において、前記供給される水素ガスは、水素分子ガスであることを特徴とする方法。
【請求項17】
請求項12または13の方法において、前記供給される水素ガスは、前記供給される1以上の凝集希ガスと前記水素ガスの合計の流量の1%未満であることを特徴とする方法。
【請求項18】
請求項17の方法において、前記生成されるナノクラスタは、概ね非晶シリコンナノクラスタであることを特徴とする方法。
【請求項19】
請求項12または13の方法において、前記供給される水素ガスは、前記供給される1以上の凝集希ガスと前記水素ガスの合計の流量の1%より多いことを特徴とする方法。
【請求項20】
請求項12または13の方法において、前記供給される水素ガスは、前記供給される1以上の凝集希ガスと前記水素ガスの合計の流量の1%−5%であることを特徴とする方法。
【請求項21】
請求項18の方法において、前記生成されるナノクラスタは、概ね結晶シリコンナノクラスタであることを特徴とする方法。


【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公表番号】特表2012−508826(P2012−508826A)
【公表日】平成24年4月12日(2012.4.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−543877(P2011−543877)
【出願日】平成21年11月10日(2009.11.10)
【国際出願番号】PCT/IL2009/001055
【国際公開番号】WO2010/055505
【国際公開日】平成22年5月20日(2010.5.20)
【出願人】(511114911)ディー.シー.シリカ リミテッド (1)
【氏名又は名称原語表記】D.C.SIRICA LTD.
【Fターム(参考)】