説明

非晶質の(4R−シス)−6−[2−[3−フェニル−4−(フェニルカルバモイル)−2−(4−フルオロフェニル)−5−(1−メチルエチル)−ピロール−1−イル]−エチル]−2,2−ジメチル−[1,3]−ジオキサン−4−イル−酢酸を調製する方法

本発明は、アトルバスタチン塩の調製において有益な医薬品中間体である、非晶質の(4R−シス)−6−[2−[3−フェニル−4−(フェニルカルバモイル)−2−(4−フルオロフェニル)−5−(1−メチルエチル)−ピロール−1−イル]−エチル]−2,2−ジメチル−[1,3]−ジオキサン−4−イル−酢酸−第3ブチルエステルを調製する方法に関する。


【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、非晶質の(4R−シス)−6−[2−[3−フェニル−4−(フェニルカルバモイル)−2−(4−フルオロフェニル)−5−(1−メチルエチル)−ピロール−1−イル]−エチル]−2,2−ジメチル−[1,3]−ジオキサン−4−イル−酢酸−第3ブチルエステルを調製するための新規方法に関する。前記化合物は、アトルバスタチン塩を調製するための中間体として有用である。
【背景技術】
【0002】
アトルバスタチンは既知の医薬用原料(メルク インデックス、第12版、1996年、879号)で、ヘミカルシウム塩(R−(R*,R*))−2−(4−フルオロフェニル)−β,γ−ジヒドロキシー−5−(1−メチルエチル)−3−フェニル−4−((フェニルアミノ)カルボニル)−1H−ピロール−1−ヘプタン酸という化学名を持つ。アトルバスタチンは遊離酸型だけでなく酸性塩型及び水和型や溶剤和型に存在する可能性があり、遊離酸型から調製可能なラクトン型としても知られる。また、固体アトルバスタチン塩は非晶形又は結晶形で存在する。アトルバスタチンの適切な塩にはアルカリ金属塩やアルカリ土類金属塩があるが、製薬学的用途として好ましいのはカルシウム塩といったアルカリ土類金属塩である。式Iの化合物(4R−シス)−6−[2−[3−フェニル−4−(フェニルカルバモイル)−2−(4−フルオロフェニル)−5−(1−メチルエチル)−ピロール−1−イル]−エチル]−2,2−ジメチル−[1,3]−ジオキサン−4−イル−酢酸−第3ブチルエステル
【0003】
【化1】

は、まずEP330172で説明されており、特定の合成手順を使用するアトルバスタチン調製の重要な中間体として知られる。特許EP330172は、(4R−シス)−6−[2−[3−フェニル−4−(フェニルカルバモイル)−2−(4−フルオロフェニル)−5−(1−メチルエチル)−ピロール−1−イル]−エチル]−2,2−ジメチル−[1,3]−ジオキサン−4−イル−酢酸−第3ブチルエステルの調製を開示している。式Iの化合物は連鎖反応のある収束合成によって調製され、重要な最終段階において、ヘプタン及びトルエンを含む溶剤混合物の(4R−シス)−1,1−ジメチルエチル6−(2−アミノエチル)−2,2−ジメチル−1,2−ジオキサン−4−アセテート及び4−フルオロ−α−[2−メチル−1−オキソプロピル]−γ−オキソ−N−,β−ジフェニルベンゼンブタンアミド(可能な全異性体混合物を含む)の反応を含む。
【0004】
反応は還流温度で実行されており、続いて2−プロパノールの追加及び冷却が行われている。生成物は黄色の固体となる。本特許は前記生成物がどの多形であるかについて教示しておらず、同生成物の融点も定義していない。前記の手順を再度試みると、黄色の固体ではなく結晶化しない黄色がかった油性物が生成され、この油性物は純粋でなく、かなりの不純物が含まれているという理由から、アトルバスタチン塩の調製に適していないということを発見した。純度はHPLC分析によると70%未満となっている。式Iの化合物の調製において同様の方法を開示している他の特許はUS5155251で、この手順の再実行でも油性の不純物が生成された。
【0005】
WO03/024959は、式Iの化合物における新しい結晶形1及び2並びにその調製法を開示しており、この出願では式1で示される化合物の結晶多形の調製において有機溶剤の使用方法を開示している。例えば実施例3では、式Iの粗非晶質物質の溶解及び還流温度で生成された混合物の過熱に対してアセトニトリルの使用を開示している。その後、前記混合物は冷却され、一晩放置され、形成された沈殿物はろ過され、洗浄してから乾燥される。出来上がった生成物は結晶形1にある。
【0006】
容易な拡大手順及び産業規模での使用に適した物理的性質を持つ純粋で均質な生成物の需要は常に根強い。
【0007】
上記の先行技術は、式Iの化合物調製法を開示しており、前述のように式Iの化合物調製に関するEP330172及びUS5155251で開示されている合成方法は、前記の生成物のように結晶化する傾向のない油性物を作り出し、再現は不可能である。油性物は不純であり、アトルバスタチンの調製において、原料化合物の純度が最終生成物のアトルバスタチンの純度に影響するという理由から適していない。また、先行技術WO03/024959の晶析方法は、式Iの化合物を有機溶剤でゆっくりと溶解して、結晶形をもたらしているが、これも不純である可能性がある。
【0008】
アトルバスタチンを生成する式Iの原料化合物が、テトラヒドロフランなどの非プロトン性溶剤で迅速及び完全に溶解されることは極めて重要であり、それはアトルバスタチン塩合成の初期段階には前記の非プロトン性溶剤への原料化合物の溶解が通常含まれるからである。溶解方法では、透明な溶液をできるだけ迅速に作り出す必要があるが、そうでない場合は溶剤を追加してさらにかき混ぜなければならない。また、前記の生成された溶液が透明でない場合、最終生成物の不純度を最小に抑えるためろ過する必要もあり得る。
【0009】
結晶物は一般的に溶解性が低いとされ(又は結晶が大きいためにゆっくりと溶解する)、非晶物質に比べるとある側面において、精製を行うのはさらに困難である。その理由としては、より大きな結晶では、結晶形成が行われている間に結晶物の中にさらに大量の不純物及び残留溶剤が取り込まれる可能性があるからである。従って、ある量の水又は不純他の溶剤及び不純物が大きな結晶に存在する場合、この水を乾燥過程において容易に取り除くことは不可能である。また、結晶内に存在する不純物は洗浄過程において洗い流すことができず、一般的には膜ろ過後に使用される。それ故に、式Iの化合物がアトルバスタチン塩調製反応のため溶解される場合、前記の水及び可能な不純物もまた溶剤で溶解し、結果的に原料化合物溶解のために使用される非プロトン性溶剤を有する水の混合物となる。式Iの化合物は、水中での溶解度が極めて低い、又は水中において実質的に不溶である。従って、アトルバスタチン調製における式Iの化合物を溶解する溶剤の水の存在は、原料化合物の喪失を結果付ける可能性があり、それは反応混合物で溶解しない一部の化合物が試薬に反応できず、ろ過による反応過程で失われる可能性があるからである。水が存在するため、式Iの化合物を溶解する必要性のあるさらに大量の有機溶剤が、補われなければならずエネルギー消費が増加する。
【0010】
非晶質の溶解度と式Iの結晶化合物との比較では、非晶物質がジイソプロピルエーテルなどのエーテル、メチルシクロヘキサンなどの環状炭水化物、及びイソプロパノールなどの低級アルコール(C1−C4アルコール)といった非プロトン性の有機溶剤でさらに溶解度が高いことを示している。一般的にアトルバスタチンカルシウムの合成における式Iの化合物の溶解に対する溶剤として使用されるテトラヒドロフラン(THF)の場合、式Iのピロール化合物の結晶形が溶解すると暗い色の濁ったものになる。しかしながら、式Iの非晶質の化合物がTHFで溶解される場合、完全に透明な溶液が生成され、前記の溶液が透明でない場合、アトルバスタチンカルシウムといった最終の生成物における不純物を防ぐためのさらなる反応で使用する透明な溶液を作り出すのにろ過及び/又は活性炭の追加といった精製が必要となるかもしれない。追加精製は、反応時間及び生成費用の増加をもたらすこととなる。
【0011】
EP330172及びUS5155251で開示されている方法により生成される式Iの油性不純物がアトルバスタチン塩の生成で使用される場合、THFにおける式Iの化合物の溶解を含む初期段階において、不純な反応混合物は、ろ過及びさらなる時間消費やエネルギー消費といった追加手順を踏む前に精製されるべきである。
【0012】
製法1における化合物の結晶形調製方法を開示した前記の出願書W003/024959で、式Iの非晶質の化合物が原料物質として使用されるが、特許出願書ではこの非晶質の原料物質がどのように調製されるかについて述べていない。
【0013】
アトルバスタチンカルシウム合成において非晶形な式Iの化合物の使用は、結晶形と較べ非プロトン性有機溶剤に対するより高い溶解度及び極めて大きな結晶を含む結晶形又は式Iの化合物における不純油性物の使用と比較した場合、純度の向上といった利点がある。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0014】
上記のように、式Iの非晶質の化合物調製の必要性が常に存在し、それはアトルバスタチン塩の調整方法が、アトルバスタチン塩の合成における主な中間体である式Iの原料合成物が純粋で、有機溶剤中で迅速に溶解することを必要とするからである。
【課題を解決するための手段】
【0015】
第1の態様において、本発明は非晶質のアトルバスタチンカルシウム調製で使用される式Iの非晶質の化合物調製方法を提供する。本発明の製法は簡便であり産業規模にスケールアップすることが容易であると考えられる。
【0016】
EP330172及びUS515521で開示されている製法によって作られる油性生成物の純度は、HPLCで測定するHPLC純度が70%未満と低い。純粋物質に関して言うと、純粋物質とはHPLC純度が最低でも85%と理解され、好ましくは95%を超えるもの、最も好ましくは99%を超えるものである。
【0017】
我々は、ここに開示されている方法により、HPLC純度が99%を超える式Iの化合物の非晶物質を調製した。
【0018】
第2の態様は式Iの化合物の調整方法に関連し、ここでは結晶形1あるいは2など特定の結晶形を持つものを始め、結晶形とはいえないような、例えば油状、多晶質形態混合物などいかなる形態における式Iの化合物を、例えばメタノールなど、式Iの化合物を良く溶解する低級アルカノール(C1〜C4アルカノール)に溶解し、その溶液を、常圧あるいは減圧下、室温あるいは、25−100℃、好ましくは30−60℃、最も好ましくは50−60℃で、溶液が透明、即ち、濁りが発生しないように濃縮する。
【0019】
その後溶液に水を加えて、式Iの非晶質化合物の沈殿物を生成させ、ろ過し、必要に応じて乾燥させる。乾燥は常温又は温度を60℃まで上昇させ、標準圧又は1〜50mbarまでの減圧状態で行うよく知られた従来の乾燥方法で実行される。生成された残留物は式Iの非晶質の化合物であり、生成物のHPLC純度は99%を超えている。
【0020】
本発明のさらなる態様は、常温又は60℃までの温度で、メタノールなどの低級アルカノール、クロロフォルム及びジクロロメタンなどの塩化低級アルカン、アセトンなどのケトン、ベンゼン及びトルエンなどの芳香族炭化水素、テトラヒドロフランなどの環状エーテル、及びアセトニトリルなどのニトリルからなる群から選択された不活性有機溶剤に式Iの結晶化合物を溶解することによる式Iの非晶質の化合物調製法に関する。溶剤の量は重大ではないが、完全に透明な溶液を生成するのに必要な量を考慮すべきである。溶剤は、標準圧又は1〜5mbarの減圧状態で、常温または温度域は25〜100℃、好ましくは30〜60℃、最も好ましくは50〜60℃の高温で混合物から溶剤を完全に取り除く。その後、残留物を必要に応じて乾燥させ、乾燥は常温又は温度を60℃まで上昇させ、標準圧又は1〜50mbarまでの減圧状態で行うよく知られた従来の乾燥方法で実行される。また、生成された残留物は式Iの非晶質の化合物であり、生成物のHPLC純度は99%を超えている。
【0021】
以下、限定なしの実施例では、本発明について発明の範囲を前記の実施例に限定することなく説明している。
【0022】
非晶質の(4R−シス)−6−[2−[3−フェニル‐4−(フェニルカルバモイル)−2−(4−フルオロフェニル)−5−(1−メチルエチル)−ピロール−1−イル]−エチル]−2,2−ジメチル−[1,3]−ジオキサン−4−イル−酢酸−第3ブチルエステル(式Iの化合物)の調製。
【実施例1】
【0023】
式Iの化合物5gを100mlのメタノールに溶解する。この透明溶液を、2mbarの減圧の下で溶液がまだ完全に透明な状態まで、即ちおよそ20mlの量まで濃縮する。その後、200mlの水を加えると非晶質の残留物が沈殿する。沈殿物をろ過し、50mbarの減圧下60℃で5時間乾燥させる。非晶質の式1の化合物の収率は4.46gである。
【実施例2】
【0024】
式Iの化合物5gを100mlのアセトニトリルに溶解し、透明な溶液を生成する。溶液を、完全に乾燥した生成物が得られるまで2mbarの減圧下60℃で乾燥させる。非晶質の式1の化合物の収率は5gである。
【実施例3】
【0025】
式Iの化合物5gを10mlのジクロロメタンに溶解する。生成された透明の溶液を、完全に乾燥した物質が生成されるまで2mbarの減圧下60℃で乾燥させる。非晶質の式1の化合物の収率は5gである。生成物のHPLC純度は99.4%である。
【実施例4】
【0026】
式Iの化合物5gを5mlのクロロフォルムに溶解する。透明の溶液を室温で溶剤が完全に蒸発するまで(数時間)カバーなしで放置する。その後、残留物を50mbarの減圧の下50℃で5時間乾燥させ、非晶質の式Iの化合物の収率は5gである。
【実施例5】
【0027】
式Iの化合物5gを5mlのクロロフォルムに溶解する。生成された透明の溶液を、完全に乾燥した生成物が得られるまで2mbarの減圧下60℃で乾燥させる。非晶質の式Iの化合物の収率は5gである。
【実施例6】
【0028】
非晶質の式Iの化合物の粉末X線回析分析。
実施例4で生成された非晶質の式Iの化合物は、図1が示すような粉末X線回析パターンを示す。
【0029】
粉末X線回析パターンは、反射配置でフィリップス社のPW1710回析装置で測定される。この装置はケイ素標準物質で定期的に測定され、フィリップス社の標準積戻し試料保持器が使用される。試料保存、実装、及びデータ収集は室温で実行される。
【0030】
機器パラメータ:CuKa線(30mA、40kV、A=1.5406Å、可変の発散スリット(約12×16mmの照射領域)、0.4mmの受光スリット、2段側のグラファイト モノクロメーター、シンチレーション カウンター。データ収集パラメータ:4゜から37゜までの2θ、0.04゜2θずつの段階走査方式、各段階の積分時間1秒。
【実施例7】
【0031】
式Iの非晶質の化合物のDSC分析。
DSC(示差走査熱量測定)分析は、メトラートレド社のDSC822e分析器で行われ、測定は加熱速度5K/分において密閉されていないAlパンにおいて実行される。また、加熱間隔は40〜160℃となっており、実施例2で調製された非晶質の式Iの化合物のサーモグラムは図2に表示されている。
【0032】
DSC曲線は、結晶形における式Iの非晶質の化合物の熱転移を示しており、またDSC曲線にて形式2の結晶形成が約120℃及び136℃の同結晶の融点付近ではっきりと見られる。
【図面の簡単な説明】
【0033】
【図1】実施例4で得られた非晶質の(4R−シス)−6−[2−[3−フェニル−4−(フェニルカルバモイル)−2−(4−フルオロフェニル)−5−(1−メチルエチル)−ピロール−1−イル]−エチル]−2, 2−ジメチル−[1, 3]−ジオキサン−4−イル−酢酸−第3ブチルエステル(式Iの化合物)の粉末X線回析パターン。
【図2】実施例2で得られた非晶質の式Iの化合物のDSCサーモグラム。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
(4R−シス)‐6‐[2‐[3‐フェニル‐4‐(フェニルカルバモイル)‐2‐(4‐フルオロフェニル)‐5−(1‐メチルエチル)‐ピロール‐1‐イル]‐エチル]‐2,2‐ジメチル‐[1,3]‐ジオキサン‐4‐イル−酢酸−第3ブチルエステルを有機溶剤中に溶解すること、および非晶質生成物を単離することを含む、非晶質の(4R−シス)−6−[2−[3−フェニル−4−(フェニルカルバモイル)−2−(4−フルオロフェニル)−5−(1−メチルエチル)−ピロール‐1−イル]−エチル]−2,2ジメチル−[1,3]−ジオキサン−4−イル−酢酸‐第3ブチルエステルの調製方法。
【請求項2】
有機溶剤が低級C1−C4アルカノールからなる群から選択される、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
有機溶剤がメタノールである、請求項1及び2に記載の方法。
【請求項4】
a)(4R−シス)−6−[2−[3−フェニル−4−(フェニルカルバモイル)−2−(4−フルオロフェニル)−5−(1−メチルエチル)−ピロール−1−イル]−エチル]−2,2−ジメチル‐[1,3]−ジオキサン−4−イル−酢酸−第3ブチルエステルを有機溶剤中に溶解すること、
b)前記溶液を濃縮すること、
c)水を添加すること、
d)非晶質生成物を沈殿させることと、
e)非晶質の(4R−シス)−6−[2−[3−フェニル−4−(フェニルカルバモイル)−2−(4−フルオロフェニル)−5−(1−メチルエチル)−ピロール−1−イル]−エチル]−2,2−ジメチル−[1,3]−ジオキサン−4−イル−酢酸−第3ブチルエステルを取得するために、前記沈殿させた生成物を必要に応じて単離すること、
を含む、非晶質の(4R−シス)−6−[2−[3−フェニル−4−(フェニルカルバモイル)−2−(4−フルオロフェニル)−5−(1−メチルエチル)−ピロール−1−イル]−エチル]−2,2−ジメチル−[1,3]−ジオキサン−4−イル−酢酸−第3ブチルエステルの調製方法。
【請求項5】
有機溶剤が低級C1−C4アルカノールの群から選択される、請求項4に記載の方法。
【請求項6】
有機溶剤がメタノールである、請求項4に記載の方法。
【請求項7】
溶液が透明である点まで、溶液の濃縮が減圧で実行される、請求項4に記載の方法。
【請求項8】
結晶質の(4R−シス)−6−[2−[3−フェニル−4−(フェニルカルバモイル)−2−(4−フルオロフェニル)−5−(1−メチルエチル)−ピロール−1−イル]−エチル]−2,2−ジメチル−[1,3]−ジオキサン−4−イル−酢酸−第3ブチルエステルを不活性有機溶剤中に溶解すること、および非晶質生成物を単離することとを含む、非晶質の(4R−シス)−6−[2−[3−フェニル−4−(フェニルカルバモイル)−2−(4−フルオロフェニル)−5−(1−メチルエチル)−ピロール−1−イル]−エチル]−2,2ジメチル−[1,3]−ジオキサン−4−イル−酢酸−第3ブチルエステルの調製方法。
【請求項9】
不活性有機溶剤が、低級アルカノール、塩化低級アルカン、ケトン、芳香族炭化水素、環状エーテル及びニトリルからなる群から選択される、請求項8に記載の方法。
【請求項10】
不活性有機溶剤がメタノール、クロロフォルム、塩化メチレン、アセトン、ベンゼン、トルエン、テトラヒドロフラン及びアセトニトリルからなる群から選択される、請求項8及び9に記載の方法。
【請求項11】
非晶質の(4R−シス)−6−[2−[3−フェニル−4−(フェニルカルバモイル)−2−(4−フルオロフェニル)−5−(1−メチルエチル)−ピロール−1−イル]−エチル]−2,2−ジメチル−[1,3]−ジオキサン−4−イル−酢酸−第3ブチルエステルを調製するための方法が、
a)結晶質の(4R−シス)−6−[2−[3−フェニル−4−(フェニルカルバモイル)−2−(4−フルオロフェニル)−5−(1−メチルエチル)−ピロール−1−イル]−エチル]−2,2−ジメチル−[1,3]−ジオキサン−4−イル−酢酸−第3ブチルエステルを不活性有機溶剤中に溶解すること、
b)前記不活性有機溶剤を蒸発すること、
c)前記非晶質生成物を単離することと
を含む、請求項8に記載の方法。
【請求項12】
不活性有機溶剤中への、結晶質の(4R−シス)−6−[2−[3−フェニル−4−(フェニルカルバモイル)−2−(4−フルオロフェニル)−5−(1−メチルエチル)−ピロール−1−イル]−エチル]−2,2−ジメチル−[1,3]−ジオキサン−4−イル−酢酸−第3ブチルエステルの溶解が、ほぼ室温又は最高約60℃の加熱下で実行される、請求項11に記載の方法。
【請求項13】
不活性有機溶剤が、低級アルカノール、塩化低級アルカン、ケトン、芳香族炭化水素、環状エーテル及びニトリルからなる群から選択される、請求項11に記載の方法。
【請求項14】
不活性有機溶剤がメタノール、クロロフォルム、塩化メチレン、アセトン、ベンゼン、トルエン、テトラヒドロフラン及びアセトニトリルからなる群から選択される、請求項11及び13に記載の方法。
【請求項15】
非晶質生成物の単離が室温又は高温下で、及び標準圧又は減圧状態で、不活性有機溶剤を蒸発すること含む、請求項8及び11の何れか一項に記載の方法。
【請求項16】
固体非晶質形態の(4R−シス)−6−[2−[3−フェニル−4−(フェニルカルバモイル)−2−(4−フルオロフェニル)−5−(1−メチルエチル)−ピロール−1−イル]−エチル]−2,2−ジメチル−[1,3]−ジオキサン−4−イル−酢酸−第3ブチルエステル。
【請求項17】
HPLC純度が85%を超える固体非晶質形態の(4R−シス)−6−[2−[3−フェニル−4−(フェニルカルバモイル)−2−(4−フルオロフェニル)−5−(1−メチルエチル)−ピロール−1−イル]−エチル]−2,2−ジメチル−[1,3]−ジオキサン−4−イル−酢酸−第3ブチルエステル。
【請求項18】
HPLC純度が95%を超える固体非晶質形態の(4R−シス)−6−[2−[3−フェニル−4−(フェニルカルバモイル)−2−(4−フルオロフェニル)−5−(1−メチルエチル)−ピロール−1−イル]−エチル]−2,2−ジメチル−[1,3]−ジオキサン−4−イル−酢酸−第3ブチルエステル。
【請求項19】
HPLC純度が99%を超える固体非晶質形態の(4R−シス)−6−[2−[3−フェニル−4−(フェニルカルバモイル)−2−(4−フルオロフェニル)−5−(1−メチルエチル)−ピロール−1−イル]−エチル]−2,2−ジメチル−[1,3]−ジオキサン−4−イル−酢酸−第3ブチルエステル。
【請求項20】
実質的に図1に示されているとおりの粉末X線回析パターンを有する固体非晶質形態の(4R−シス)−6−[2−[3−フェニル−4−(フェニルカルバモイル)−2−(4−フルオロフェニル)−5−(1−メチルエチル)−ピロール−1−イル]−エチル]−2,2−ジメチル−[1,3]−ジオキサン−4−イル−酢酸−第3ブチルエステル。
【請求項21】
実質的に図2に示されているとおりのDSCサーモグラムを有する固体非晶質形態の(4R−シス)−6−[2−[3−フェニル−4−(フェニルカルバモイル)−2−(4−フルオロフェニル)−5−(1−メチルエチル)−ピロール−1−イル]−エチル]−2,2−ジメチル−[1,3]−ジオキサン−4−イル−酢酸−第3ブチルエステル。
【請求項22】
a)(4R−シス)−6−[2−[3−フェニル−4−(フェニルカルバモイル)−2−(4−フルオロフェニル)−5−(1−メチルエチル)−ピロール−1−イル]−エチル]−2,2−ジメチル−[1,3]−ジオキサン−4−イル−酢酸−第3ブチルエステルを有機溶剤中に溶解する工程、
b)非晶質の(4R−シス)−6−[2−[3−フェニル−4−(フェニルカルバモイル)−2−(4−フルオロフェニル)−5−(1−メチルエチル)−ピロール−1−イル]−エチル]−2,2−ジメチル−[1,3]−ジオキサン−4−イル−酢酸−第3ブチルエステルを単離する工程、及び
c)アトルバスタチンの合成において、非晶質の(4R−シス)−6−[2−[3−フェニル−4−(フェニルカルバモイル)−2−(4−フルオロフェニル)−5−(1−メチルエチル)−ピロール−1−イル]−エチル]−2,2−ジメチル−[1,3]−ジオキサン−4−イル−酢酸−第3ブチルエステルを使用する工程
を含む、アトルバスタチンカルシウムを製造する方法。
【請求項23】
アトルバスタチンの製造における、非晶質形態の(4R−シス)−6−[2−[3−フェニル−4−(フェニルカルバモイル)−2−(4−フルオロフェニル)−5−(1−メチルエチル)−ピロール−1−イル]−エチル]−2,2−ジメチル−[1,3]−ジオキサン−4−イル−酢酸−第3ブチルエステルの使用。
【請求項24】
アトルバスタチンがカルシウム塩の形態である、請求項22に記載の(4R−シス)−6−[2−[3−フェニル−4−(フェニルカルバモイル)−2−(4−フルオロフェニル)−5−(1−メチルエチル)−ピロール−1−イル]−エチル]−2,2−ジメチル−[1,3]−ジオキサン−4−イル−酢酸−第3ブチルエステルの使用。

【図1】
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【図2】
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【公表番号】特表2007−517028(P2007−517028A)
【公表日】平成19年6月28日(2007.6.28)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−546935(P2006−546935)
【出願日】平成16年12月27日(2004.12.27)
【国際出願番号】PCT/SI2004/000045
【国際公開番号】WO2005/063741
【国際公開日】平成17年7月14日(2005.7.14)
【出願人】(504359293)レツク・フアーマシユーテイカルズ・デー・デー (60)
【Fターム(参考)】