説明

非極性(Al,B,In,Ga)N量子井戸、ならびにヘテロ構造材料およびデバイス

【課題】半導体材料、方法、およびデバイス、より具体的には、非極性(Al,B,In,Ga)N量子井戸、ならびにヘテロ構造材料およびデバイスを提供すること。
【解決手段】非極性(Al,B,In,Ga)N量子井戸、ならびにヘテロ構造材料および窒化物半導体デバイスを形成するための方法。1つ以上の非極性(1120)a平面GaN層が、金属・有機化学気相成長MOCVDを使用して、r平面(1102)サファイア基板上で成長される。これらの非極性(1120)a平面GaN層は、非極性(Al,B,In,Ga)N量子井戸、ならびにヘテロ構造材料およびデバイスを製造するためのテンプレートを備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(関連出願の引用)
本願は、米国特許法第119条第(e)項のもとで、以下の同時係属中の、同一人に譲渡された米国仮特許出願番号60/372,909(発明の名称「NON−POLAR GALLIUM NITRIDE BASED THIN FILMS AND HETEROSTRUCTURE MATERIALS」、2002年4月15日出願、Michael D.Craven,Stacia Keller,Steven P.DenBaars,Tal Margalith,James S.Speck,Shuji Nakamura,およびUmesh K.Mishra、代理人文書番号30794.95−US−P1)の利益を主張する。この出願は、本明細書中に参考として援用される。
【0002】
本願は、以下の同時係属中の、同一人に譲渡された米国特許出願に関する:
出願番号−−/−−−,−−−、発明の名称「NON−POLAR A−PLANE GALLIUM NITRIDE THIN FILMS GROWN BY METALORGANIC CHEMICAL VAPOR DEPOSITION」、本願と同日に出願、Michael D.CravenおよびJames S.Speck、代理人文書番号30794.100−US−P1);ならびに
出願番号−−/−−−,−−−、発明の名称「DISLOCATION REDUCTION IN NON−POLAR GALLIUM NITRIDE THIN FILMS」、本願と同日に出願、Michael D.Craven,Stacia Keller,Steven P.DenBaars,Tal Margalith,James S.Speck、Shuji Nakamura,およびUmesh K.Mishra代理人文書番号30794.102−US−P1);
これらの出願の両方が、本明細書中に参考として援用される。
【0003】
(1.発明の分野)
本発明は、半導体材料、方法、およびデバイスに関し、そしてより具体的には、非極性(Al,B,In,Ga)N量子井戸、ならびにヘテロ構造材料およびデバイスに関する。
【背景技術】
【0004】
(2.関連技術の説明)
(注:本願は、多数の異なる特許、腫癌および/または刊行物を、1つ以上の参照番号によって、本明細書全体に示されるように参照する。これらの異なる刊行物の、これらの参照番号に従った順序にしたリストは、以下の「参考文献」の表題の節に見出され得る。これらの刊行物の各々は、本明細書中に参考として援用される)。
【0005】
現在の技術水準の(Al,B,In,Ga)Nヘテロ構造および量子井戸構造は、c平面(0001)層を使用する。III−Nフィルムの全分極は、自発的な分極寄与および圧電分極寄与からなり、これらの両方は、ウルツ鉱窒化物結晶構造の単極[0001]軸から生じる。表面および窒化物へテロ構造内の界面に存在する分極の不連続は、固定されたシート電荷に関連し、この電荷が次に、電場を生じる。これらの内部電場の整列は、c平面(0001)層の成長方向と一致するので、この電場は、デバイス構造のエネルギー帯に影響を与える。
【0006】
量子井戸において、「傾いた」エネルギー帯は、電子およびホールの波動関数を空間的に分離させ、これは、放射遷移の振動子強度を減少させ、そして発光波長を赤色シフトさせる。これらの効果は、量子が閉じ込められたシュタルク効果(QCSE)の出現であり、そして、GaN/(Al,Ga)N量子井戸について徹底的に分析されている。参考文献1〜8を参照のこと。さらに、大きい極性により誘導される電場は、ドーパントおよび不純物によって部分的に遮蔽され、従って、発光特徴は、正確に操作することが困難であり得る。
【0007】
内部電場はまた、窒化物ベースのトランジスタへテロ構造における大きい可動シート電荷密度の原因であり得る。これらの大きい2D電子気体(2DEG)は、デバイスのために魅力的であり、そして有用であるが、分極により誘導される電場、および2DEG自体は、正確に制御することが困難である。
【0008】
非極性成長は、ウルツ鉱窒化物半導体に存在する分極により誘導される強い電場を回避する、有望な手段である。分極により誘導される電場は、非極性の成長方向に沿った分極遷移の非存在に起因して、非極性の方向(すなわち、[0001]に対して垂直)でのウルツ鉱窒化物半導体の成長に影響を与えない。
【0009】
最近、2つのグループが、非極性GaN(Al,Ga)N多重量子井戸(MQW)を、分子線エピタキシー(MBE)によって、非極性の成長方向に沿って分極により誘導される電場なしで成長させた。Waltereitらは、m平面GaN/Al0.1Ga0.9N MQWを、γ−LiAlO(100)基板上で成長させ、そしてNgは、a平面GaN/Al0.15Ga0.85N MQWを、r平面サファイア基板上で成長させた。参考文献9〜10を参照のこと。
【0010】
これらの結果にもかかわらず、非極性のGaN配向の成長は、再現可能な様式で達成することが困難なままである。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0011】
(発明の要旨)
本発明は、非極性(Al,B,In,Ga)N量子井戸、ならびにヘテロ構造材料およびデバイスを形成するための方法を記載する。第一に、非極性の
【0012】
【数1】

a平面GaN薄膜が、
【0013】
【数2】

r平面サファイア基板上に、金属・有機化学気相成長(MOCVD)を使用して成長される。これらの非極性
【0014】
【数3】

a平面GaN薄膜は、非極性(Al,B,In,Ga)N量子井戸ならびにヘテロ構造材料およびデバイスを上に形成するためのテンプレートである。
【0015】
ここで、図面が参照される、図面において、類似の参照番号は、全体にわたって、対応する部品を表す。
例えば、本発明は、以下の項目を提供する。
(項目1)
窒化物半導体デバイスを形成するための方法であって、以下:
(a)1つ以上の非極性a平面GaN層を、r平面基板上で成長させる工程;および
(b)1つ以上の非極性(Al,B,In,Ga)N層を、該非極性a平面GaN層上で成長させる工程、
を包含する、方法。
(項目2)
前記基板が、サファイア基板である、項目1に記載の方法。
(項目3)
前記基板が、炭化ケイ素、窒化ガリウム、ケイ素、酸化亜鉛、窒化ホウ素、アルミン酸リチウム、ニオブ酸リチウム、ゲルマニウム、窒化アルミニウム、および没食子酸リチウムからなる群より選択される、項目1に記載の方法。
(項目4)
前記成長した非極性(Al,B,In,Ga)N層が、少なくとも1つの量子井戸を含む、項目1に記載の方法。
(項目5)
前記量子井戸が、InGaN量子井戸を含む、項目4に記載の方法。
(項目6)
前記量子井戸が、GaNでキャップされている、項目4に記載の方法。
(項目7)
前記成長した非極性(Al,B,In,Ga)N層が、少なくとも1つのヘテロ構造を含む、項目1に記載の方法。
(項目8)
前記ヘテロ構造が、(Al,Ga)N/GaN超格子を含む、項目7に記載の方法。
(項目9)
前記成長させる工程(a)が、以下:
(1)前記基板をアニールする工程;
(2)窒化物ベースの核生成層を、該基板上に堆積させる工程;
(3)非極性のa平面窒化ガリウムフィルムを、該核生成層上で成長させる工程;および
(4)該非極性のa平面窒化ガリウムフィルムを、窒素の過剰圧力下で冷却する工程、を包含する、項目1に記載の方法。
(項目10)
前記成長させる工程が、金属・有機化学気相成長(MOCVD)、分子線エピタキシー(MBE)、液相エピタキシー(LPE)、水素化物蒸気相エピタキシー(HVPE)、昇華、およびプラズマ増強化学蒸着(PECVD)からなる群より選択される方法によって実施される、項目1に記載の方法。
(項目11)
項目1に記載の方法を使用して製造されたデバイス。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【図1】図1は、本発明の好ましい実施形態に従って、非極性(Al,B,In,Ga)N量子井戸ならびにヘテロ構造材料およびデバイスを形成するための方法の工程を示す、フローチャートである。
【図2】図2は、室温で測定される場合に1.5nm、2.5nmおよび5.0nmの見かけの井戸幅を有する、5周期のa平面In0.1GaN/In0.03GaN MQW構造の光ルミネッセンス(PL)スペクトルを示す。
【図3】図3は、種々のポンプ電力について測定された、5.0nmの見かけの井戸幅を有する、a平面In0.03Ga0.97N/In0.1Ga0.9N MQW構造のPLスペクトルを示す。
【図4】図4(a)は、10周期のAl0.4Ga0.6N/GaN超格子の2θ−ωx線回折走査を示し、これは、明らかに規定されたサテライトピークを明らかにする。図4(b)は、図4(a)において特徴付けられた超格子のPLスペクトルを示す。
【発明を実施するための形態】
【0017】
(発明の詳細な説明)
以下の好ましい実施形態の説明において、添付の図面に対して参照がなされる。この図面は、本明細書の一部を形成し、そしてこの図面において、例として、本発明が実施され得る特定の実施形態が説明され得る。本発明の範囲から逸脱することなく、他の実施形態が利用され得、そして構造的変化がなされ得ることが、理解されるべきである。
【0018】
(概説)
本発明の目的は、非極性
【0019】
【数4】

a平面GaN薄膜をテンプレートとして使用して、非極性(Al,B,In,Ga)N量子井戸、ならびにヘテロ構造材料およびデバイスを形成するための方法を提供することである。
【0020】
デバイス品質の非極性の
【0021】
【数5】

a平面GaN薄膜を、MOCVDを介して、
【0022】
【数6】

r平面サファイア基板上に成長させるための方法は、同時係属中の、同一人に譲渡された、米国仮特許出願番号60/372,909(発明の名称「NON−POLAR GALLIUM NITRIDE BASED THIN FILMS AND HETEROSTRUCTURE MATERIALS」、2002年4月15日出願、Michael D.Craven,Stacia Keller,Steven P.DenBaars,Tal Margalith,James S.Speck,Shuji Nakamura,およびUmesh K.Mishra、代理人文書番号30794.95−US−P1)、および同時係属中の、同一人に譲渡された米国特許出願番号−−/−−−,−−−、発明の名称「NON−POLAR A−PLANE GALLIUM NITRIDE THIN FILMS GROWN BY METALORGANIC CHEMICAL VAPOR DEPOSITION」、本願と同日に出願、Michael D.CravenおよびJames S.Speck、代理人文書番号30794.100−US−P1)に記載されており、これらの出願の両方が、本明細書中に参考として援用される。
【0023】
本発明は、(Al,B,In,Ga)N量子井戸、およびヘテロ構造材料の、引き続く
【0024】
【数7】

a平面GaN層上への成長に焦点を当てる。これらの構造のルミネッセンス特徴は、分極によって誘導される電場がこれらの電子帯構造に影響を与えず、その結果、分極のない構造が得られることを示す。非極性(Al,B,In,Ga)N量子井戸およびヘテロ構造の開発は、分極によって誘導される電場によって影響を受けない、高性能の(Al,B,In,Ga)Nベースのデバイスの実現のために重要である。
【0025】
非極性
【0026】
【数8】

a平面GaN層上に堆積される潜在的なデバイス層としては、レーザーダイオード(LD)、発光ダイオード(LED)、共振空洞LED(RC−LED)、垂直空洞表面発行レーザー(VCSEL)、高電子移動度トランジスタ(HEMT)、ヘテロ結合双極トランジスタ(HBT)、ヘテロ結合電場効果トランジスタ(HFET)ならびにUV光検出器および近UV光検出器が挙げられる。
【0027】
(プロセス工程)
図1は、本発明の好ましい実施形態に従って、非極性(Al,B,In,Ga)N量子井戸ならびにヘテロ構造材料およびデバイスを形成するための方法の工程を示すフローチャートである。この方法の工程は、「テンプレート」
【0028】
【数9】

a平面GaN層の成長、引き続く、量子井戸およびヘテロ構造のための異なる合金組成を有する層の成長を包含する。
【0029】
ブロック100は、サファイア基板を、垂直な、間隔の狭い、回転ディスクのMOCVD反応器への装填を示す。この工程について、+/−2°以内のサファイアr平面
【0030】
【数10】

で結晶学的に配向した表面を有する、準備前のサファイア基板が、市場の販売者から入手され得る。エキソサイチュ(ex−situ)ではない調製は、サファイア基板をMOCVD反応器に装填する前に実施される必要があるが、サファイア基板のエキソサイチュクリーニングは、予防上の手段として使用され得る。
【0031】
ブロック102は、サファイア基板をインサイチュで高温(>1000℃)でアニールすることを表し、これは、原子規模で、基板表面の質を改善する。アニール後、基板の温度は、引き続く低温核生成層堆積のために低下される。
【0032】
ブロック104は、薄い、低温の、低圧の窒化物ベースの核生成層を、緩衝層として、サファイア基板上に堆積させることを表す。このような層は、通常、c平面(0001)窒化物半導体のヘテロエピタキシャル成長において使用される。好ましい実施形態において、この核生成層は、1〜100ナノメートル(nm)のGaNからなるが、これに限定されず、そして約400〜900℃および1atmで堆積される。
【0033】
核生成層を堆積させた後に、反応温度は高温に上昇され、そしてブロック106は、エピタキシャル
【0034】
【数11】

a平面GaN層を、約1.5μnの厚さで成長させることを表す。この高温成長条件としては、約1100℃の成長温度、約0.2atm以下の成長圧力、1分間あたり30μmolのGaフロー、および1分間あたり40,000μmolのNフローが挙げられるが、これらに限定されず、これによって、約1300のV/III比を与える。好ましい実施形態において、第III族の供給源および第V族の供給源として使用される前駆体は、それぞれ、トリメチルガリウムおよびアンモニアであるが、代替の前駆体が同様に使用され得る。さらに、成長条件は、本発明の範囲から逸脱せずに、異なる成長速度(例えば、1秒間あたり5Åと9Åとの間)を生じるために変動され得る。
【0035】
高温成長工程の完了の際に、ブロック108は、エピタキシャル
【0036】
【数12】

a平面GaN層の、窒素過剰圧力下での冷却を表す。
【0037】
最後に、ブロック110は、異なる合金組成、および従って、異なる電気的特性を有する、非極性
【0038】
【数13】

a平面GaN層上に成長された非極性(Al,B,In,Ga)N層を示す。これらの非極性(Al,B,In,Ga)N層は、量子井戸およびヘテロ構造を製造するために使用される。
【0039】
量子井戸は、異なる帯域幅の交互の層を使用し、その結果、「井戸」が、この構造のエネルギー帯プロフィールにおいて形成される。構造における層の正確な数は、所望の量子井戸の数に依存する。励起の際に、電子およびホールが、それぞれ伝導帯および価電子帯の井戸内に蓄積する。バンドからバンドへの再結合が、井戸層において起こる。なぜなら、状態密度が、これらの位置において最高であるからである。従って、量子井戸は、所望の発光特徴および利用可能なエピタキシャル性超能力に従って、操作され得る。
【0040】
非極性
【0041】
【数14】

a平面GaN層上で首尾よく成長した層の見かけの厚さおよび組成としては、以下:
8nmのSiドープしたIn0.03GaN障壁
1.5nm、2.5nmまたは5nmのIn0.1GaN井戸
が挙げられるが、これらに限定されない。
【0042】
さらに、上記ブロックは、必要に応じて繰り返され得る。1つの実施形態において、ブロック110は、GaNでキャップされて(In,Ga)N層の一体性を維持するMQW構造を形成するために、5回繰り返された。この例において、MQW構造を含む層は、825℃の温度および大気圧で、MOCVDを介して成長された。
【0043】
この構造のルミネッセンス特徴は、分極により誘導される電場が帯域プロフィールに影響を与えず、そして量子井戸が分極なしであるとみなされ得ることを示す。例えば、図2は、室温で測定される場合に1.5nm、2.5nmおよび5.0nmの見かけの井戸幅を有する、5周期のa平面In0.1GaN/In0.03GaN MQW構造の光ルミネッセンス(PL)スペクトルを示す。ピークPL発光の波長および強度は、井戸の深さの増加とともに増加する。
【0044】
さらに、図3は、種々のポンプ電力について測定された、5.0nmの見かけの井戸幅を有する、a平面In0.03Ga0.97N/In0.1Ga0.9N MQW構造のPLスペクトルを示す。PL強度は、予測どおりに、ポンプ電力とともに増加するが、一方でピークの発光波長は、ポンプの電力に依存しない。このことは、帯域プロフィールが、分極によって誘導される電場によって影響を受けないことを示す。
【0045】
(In,Ga)N量子井戸に加えて、(Al,Ga)N/GaN超格子を含むヘテロ構造もまた、非極性
【0046】
【数15】

a平面GaN層上で成長され得る。例えば、ヘテロ構造は、代表的に、2つの層(最も通常には、GaN上の(AlGa)N)からなり、トランジスタ作動のために必要な電子チャネルを生じる。超格子層の厚さおよび組成としては、以下:
9nmのAl0.4GaN障壁
11nmのGaN井戸
が挙げられるが、これらに限定されない。
【0047】
1つの実施例においてブロック110は、11nmのGaN井戸層で終結する10周期のAl0.4Ga0.6N/GaN超格子を形成するために、10回繰り返された。この超格子は、下にあるテンプレート層について使用された条件(約1100℃の成長温度、約0.1atm以下の成長圧力、38μmol/分のAlフロー、20μmol/分のGaフロー、および40,000μmol/分のNフロー)と類似の条件で、MOCVDを介して成長された。Alフローが簡単に遮断され、GaN井戸層を形成する。首尾よい成長条件は、上に提供される値によって厳密に規定されない。(In,Ga)N量子井戸と同様に、上記超格子のルミネッセンス特徴は、分極場が構造に影響を与えないことを示す。
【0048】
図4(a)は、10周期のAl0.4Ga0.6N/GaN超格子の2θ−ωx線回折走査を示し、これは、明らかに規定されたサテライトピークを明らかにする。一方で、図4(b)は、図4(a)において特徴付けられた超格子のPLスペクトルを示す。分極によって誘導される電場の非存在は、超格子の3.45eV(約360nm)の帯域境界発光によって証拠付けられた。帯域境界発光は、c平面の超格子に存在するわずかな赤色シフトを経験しなかった。
【0049】
(参考文献)
以下の参考文献が、本明細書中に参考として援用される:
【0050】
【表1】

(結論)
これは、発明の好ましい実施形態の説明を結論付ける。以下は、本発明を達成するための、いくつかの代替の実施形態を記載する。
【0051】
例えば、非極性(Al,In,Ga)N量子井戸およびヘテロ構造の設計およびMOCVD成長条件のバリエーションが、代替の実施形態において使用され得る。さらに、層の特定の厚さおよび組成が、成長される量子井戸の数に加えて、量子井戸の構造設計に固有の変数であり、そして本発明の代替の実施形態において使用され得る。
【0052】
さらに、特定のMOCVD成長条件は、量子井戸構造の層の寸法および組成を決定する。この点に関して、MOCVD成長条件は、反応器に依存性であり、そして特定の反応器設計の間で変動し得る。このプロセスの多くのバリエーションが、産業および学問において現在使用される種々の反応器の設計を用いて、可能である。
【0053】
成長温度、成長圧力、V/III比、前駆体フロー、および原料のような条件におけるバリエーションが、本発明の範囲から逸脱することなく可能である。界面の質の制御は、このプロセスの別の重要な局面であり、そして特定の反応器設計のフロー切り替え能力に直接関連する。成長条件の連続した最適化が、上記一体化された量子井戸層のより正確な組成および厚さの制御を生じる。
【0054】
さらに、MOCVD以外の多数の異なる成長方法が、本発明において使用され得る。例えば、成長方法はまた、分子線エピタキシー(MBE)、液相エピタキシー(LPE)、水素化物蒸気相エピタキシー(HVPE)、昇華、およびプラズマ増強化学蒸着(PECVD)であり得る。
【0055】
さらに、非極性のa平面GaN薄膜が、本明細書中に記載されるが、同じ技術が、非極性のm平面GaN薄膜に対して適用可能である。さらに、非極性のInN薄膜、AlN薄膜、およびAlInGaN薄膜が、GaN薄膜の代わりに作製され得る。
【0056】
最後に、サファイア基板以外の基板が、非極性GaN成長のために使用され得る。これらの基板としては、炭化ケイ素、窒化ガリウム、ケイ素、酸化亜鉛、窒化ホウ素、アルミン酸リチウム、ニオブ酸リチウム、ゲルマニウム、窒化アルミニウム、および没食子酸リチウムが挙げられる。
【0057】
要約すると、本発明は、非極性(Al,B,In,Ga)N量子井戸ならびにヘテロ構造材料およびデバイスを形成するための方法を記載する。第一に、非極性
【0058】
【数16】

a平面GaN薄膜層が、
【0059】
【数17】

r平面サファイア基板上に、MOCVDを使用して成長される。これらの非極性
【0060】
【数18】

a平面GaN層は、非極性(Al,B,In,Ga)N量子井戸ならびにヘテロ構造材料およびデバイスを製造するためのテンプレートを含む。
【0061】
本発明の1つ以上の実施形態の上記説明は、例示および説明の目的で提供された。排他的であることも、本発明を開示された正確な形態に限定することも、意図されない。多くの改変およびバリエーションが、上記教示を考慮して、可能である。本発明の範囲は、この詳細な説明によって限定されるのではなく、本明細書に添付された特許請求の範囲によって限定されることが、意図される。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
本願明細書に記載の方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2011−40789(P2011−40789A)
【公開日】平成23年2月24日(2011.2.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−250340(P2010−250340)
【出願日】平成22年11月8日(2010.11.8)
【分割の表示】特願2003−586401(P2003−586401)の分割
【原出願日】平成15年4月15日(2003.4.15)
【出願人】(592130699)ザ リージェンツ オブ ザ ユニバーシティ オブ カリフォルニア (364)
【氏名又は名称原語表記】The Regents of The University of California
【Fターム(参考)】