説明

非水性コーティング組成物

本発明は、少なくとも1種類のアニオン性表面活性剤及び少なくとも1個のカルボン酸基の塩を含む少なくとも1種類の重合体を含む分散剤組成物に関する。顔料組成物及び本分散剤組成物を含む非水性コーティング組成物もまた開示される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、少なくとも1種類のアニオン性表面活性剤と少なくとも1個のカルボン酸基の塩を含む少なくとも1種類の重合体とを含む分散剤組成物に関する。本発明はまた、かかる分散剤組成物を含む変性された顔料組成物及び非水性コーティング組成物に関する。
【背景技術】
【0002】
コーティング組成物は、いろいろな種類の表面体に対して装飾、保護、そして機能付与処理を施すために使用されている。これらの表面体としては、コイル、金属、電化製品、家具、板紙、材木、合板、海洋備品、自動車、缶、そして厚紙を挙げることができる。ある種のコーティング、例えば海中パイプラインで使用されているものは、保護を目的としている。別のもの、例えば自動車の外装コーティングは、装飾機能及び保護機能の両方を満足させるものである。さらに別のものは、ボートのデッキ部や自動車のシートに対して摩擦のコントロールを提供する。ある種のコーティングは、船舶の底の部分における汚染をコントロールすることができ、また、その他のものは、缶内の食品や飲み物を保護することができる。コーティングについて、多くのいわゆるハイテク用途としては、シリコンチップ、回路基板パネル、信号伝達のための導波用繊維のコーティング、そしてビデオテープ及びコンピュータディスクにおける磁性コーティングを挙げることができる。
【0003】
表面コーティング組成物は、一般的に、多少なりとも粘稠な液体であり、次のような3種類の基本成分を有している:樹脂又はバインダと呼ばれるところの、フィルム形成性の物質やそれらの物質の組み合わせ、顔料もしくはそれらの顔料の組み合わせ及び揮発性の液体。樹脂と揮発性の液体の組み合わせは、しばしばビヒクルと呼ばれている。ビヒクルは、水性もしくは非水性であることができ、また、溶液の形で、あるいは非溶剤中の微細なバインダ粒子の分散液として使用することができる。例えば水性コーティングのようなコーティング組成物の成分と製造は、ここでその番号を参照することで本願明細書に内容を記載したこととする非特許文献1においてさらに詳しく記載されている。
【0004】
顔料は、コーティングのビヒクル中に分散せしめられた、細分化されており、不溶性であり、そして固体の粒子であり、また、最終的な薄膜(フィルム)において、樹脂又はバインダの全体を通じて分布せしめられている。コーティング組成物では、多種多様な常用の黒色及び着色顔料が使用されている。さらに加えて、有機基が結合した変性された炭素生成物を含む水性及び非水性のインク及びコーティング組成物が、ここでそれらの番号を参照することで本願明細書に内容を記載したこととする特許文献1及び2に記載されている。
【0005】
また、性能の改良を補助することを目的として、表面活性剤をコーティング組成物に添加してもよい。一般的に、これらの表面活性剤は、コーティング組成物の顔料と組み合わせて使用されており、また、そのため、表面活性剤自体として分散剤と呼ばれている。コーティング組成物では、複数の異なるクラスもしくは種類の分散剤が使用されている。分散剤の選択は、顔料の性質や樹脂又はバインダの粒径及び種類を含めたいろいろなファクタに依存している。しかしながら、分散剤は、例えば発色現像のような性質に対してマイナスの影響を及ぼすことがしばしば可能である。そのために、全体として良好な性質を有するコーティング組成物を得るため、使用されたいろいろな成分に関連して分散剤の量を調整しなければならない。
【0006】
【特許文献1】米国特許第5,672,189号明細書
【特許文献2】米国特許第5,713,988号明細書
【非特許文献1】コンサイス・エンサイクロペディア・オブ・ポリマー、サイエンス・アンド・エンジニアリング(Concise Encyclopedia of Polymer, Science and Engineeering)、160〜171頁(1990年)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
したがって、コーティング組成物において分散剤が使用される一方で、特定のタイプの顔料を非水性ビヒクルに分散させることを可能とするとともに、良好な色挙動をもたらすような分散剤組成物の必要性が依然として残されている。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明は、i)少なくとも1種類のアニオン性表面活性剤と、ii)少なくとも1個のカルボン酸基の塩を含む少なくとも1種類の重合体とを含む分散剤組成物に関する。好ましくは、アニオン性表面活性剤は、水に不溶であり、一例を挙げると、水に不溶なナトリウムジアルキルスルホスクシネートがある。
【0009】
また、本発明は、a)少なくとも1種類の顔料と、b)本願明細書に記載するような少なくとも1種類の分散剤組成物とを含む顔料組成物に関する。好ましくは、顔料は、少なくとも1個の有機基、例えばアニオン性基が結合した炭素生成物を含む変性炭素生成物である。本顔料組成物は、乾燥した形態であってもよく、さもなければ水性ビヒクル中に存在していてもよい。
【0010】
さらに、本発明は、a)樹脂及び非水性溶剤を含む非水性ビヒクル、b)少なくとも1種類の顔料、及びc)本願明細書に記載するような少なくとも1種類の分散剤組成物を含む非水性コーティング組成物に関する。
【0011】
なお、以上の一般的な記載及び以下の詳細な記載は、どちらとも本発明を例示し、説明することが目的であり、特許請求の範囲に記載されるような本発明をさらに説明することを意図したものであることを理解されたい。
【発明を実施するための最良の形態】
【0012】
本発明は、分散剤組成物ならびにかかる分散剤組成物を含む顔料及び非水性コーティング組成物に関する。
【0013】
本発明の分散剤組成物は、少なくとも1種類のアニオン性の表面活性剤と、カルボン酸基の塩を少なくとも1個含む少なくとも1種類の重合体とを含んでいる。この分散剤組成物は、追加的に、溶剤をさらに含むことができる。溶剤は、水性もしくは非水性であることができ、しかし、好ましくは、水性溶剤である。すなわち、溶剤は、水を含むかつ、任意に、水溶性であるかもしくは水和性の溶剤を含んでいる。好ましくは、溶剤は水であり、また、分散剤組成物は、水を主成分とする分散剤組成物である。
【0014】
アニオン性表面活性剤は、少なくとも1種類の負に帯電せしめられたイオン性基を含む任意の表面活性剤であることができる。好ましくは、このアニオン性表面活性剤は、少なくとも1種類のスルホン酸基の塩、例えばアルキル又はアリールスルホネートを有している。この好ましい態様では、したがって、アニオン性表面活性剤は、式R−SO基によって表される少なくとも1種類の基を有している。Rは、任意のアルキル基又はアリール基であることができるが、一般的には、以下において詳細に説明する溶解度の理由のため、20個未満の炭素を含有している。最も好ましいものは、スルホスクシネート基の塩を含むアニオン性表面活性剤である。この塩は、表面活性剤のアニオン性基に対して、無機もしくは有機に対イオンのいずれであってもよい。例としては、Na,K,Li,NH,そしてNR’を挙げることができ、ここで、R’は、水素又は有機基、例えば置換もしくは非置換のアリール基及び(又は)アルキル基である。好ましいものは、無機の塩類、例えばナトリウム塩又はカリウム塩である。そのために、最も好ましいアニオン性表面活性剤は、ナトリウムジアルキルスルホスクシネートを含めたナトリウムスルホスクシネート、例えばナトリウムジオクチルスルホスクシネートである。
【0015】
本発明の分散剤組成物は、カルボン酸基の塩を少なくとも1個含む少なくとも1種類の重合体をさらに含んでいる。かかる重合体の一例は、アクリル酸又はメタクリル酸と、−COOH末端基を含有するポリエステル、ポリアミド又はポリカーボネートとから調製される単独重合体又は共重合体を包含する。好ましくは、かかる重合体は、アクリル酸又はメタクリル酸の共重合体であり、また、かかる重合体は、アクリル酸又はメタクリル酸反復基の少なくとも1個の塩を有している。
【0016】
上記の塩は、無機塩もしくは有機塩のいずれであってもよい。従って、カルボン酸基の塩は、一般式:−COOHによって表すことができ、また、式中のMは、無機の対イオンもしくは有機の対イオンのいずれかであることができる。これらの塩の一例は、Na、K、Li、NH及びNR'を包含し、また、上式において、R'は、水素もしくは有機基、例えば置換もしくは非置換のアリール及び(又は)アルキル基を表す。好ましくは、重合体は、カルボン酸基のアンモニウム塩を有している。
【0017】
分子量は、溶解度、粘度及び安定性を含めた、表面活性剤及び重合体の両方の多くの性質を決定する。そのために、本発明の分散剤組成物で使用されるアニオン性表面活性剤及び重合体は、任意の分子量を有することができるというものの、一般的には、非常に大きな分子量は、好ましいものではない。したがって、アニオン性表面活性剤の分子量は、約100〜10000であるのが有利であり、さらに好ましくは、約200〜5000であり、最も好ましくは、約400〜1000である。カルボン酸基を含有する重合体の分子量は、アニオン性表面活性剤に関して上記したものと同様であることができる。好ましくは、かかる重合体の分子量は、約500〜100000であり、さらに好ましくは、約5000〜50000であり、最も好ましくは、約10000〜40000である。
【0018】
分散剤組成物は、追加の成分、例えば酸化防止剤、殺生剤などをさらに含むことができる。上記したように、好ましい1態様において、分散剤組成物は、例えば水のような水性溶剤をさらに有している。さらに、本組成物のpH値は、材料に意図されている使途に応じて調整することができる。したがって、分散剤組成物は、少なくとも1種類の塩基をさらに含むことができる。この塩基は、カルボン酸の少なくとも1個の塩を含む重合体の塩に対応することができる。これらの塩基の例は、アミン類、例えばアンモニア、及びヒドロキシド試薬、例えば、以下に列挙するものに限定されないが、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化リチウム及び水酸化アンモニウムを包含するヒドロキシド対イオンを有する塩を包含する。また、その他のヒドロキシド塩類ならびにヒドロキシド試薬の混合物も使用することができる。さらに、水性媒体中でOHイオンを生成するその他のアルカリ性試薬もまた使用することができる。かかるアルカリ性試薬の一例は、炭酸塩、例えば炭酸ナトリウム、重炭酸塩、例えば重炭酸ナトリウム、そしてアルコキシド、例えばナトリウムメトキシド及びナトリウムエトキシドを包含する。
【0019】
それぞれの成分の量は、分散剤組成物に意図されている使途に応じて変化させることができる。非イオン性表面活性剤の量は、典型的には、分散剤組成物の全重量を基準として、約5〜20%であり、好ましくは約9〜16%であり、さらに好ましくは約11〜14%である。カルボン酸基の塩を少なくとも1種類含む重合体の量は、一般的には、分散剤組成物の全重量を基準として、約3〜25%であり、好ましくは約7〜20%であり、さらに好ましくは約10〜15%である。
【0020】
上記したように、好ましくは、分散剤組成物は、水性溶剤、例えば水をさらに有している。この好ましい態様において、分散剤組成物の固形分%は、好ましくは10%よりも大であり、さらに好ましくは15%よりも大であり、最も好ましくは25%よりも大である。
【0021】
分散剤組成物の複数の成分のうちの少なくとも1種類は、水に不溶性であることが好ましい。例えば、アニオン性表面活性剤は、水に不溶な物質であることができる。ここで、「不溶性」とは、複数の成分のうちの少なくとも1種類が、2%を上回る濃度の時に室温で水に溶解することがなく、かつ、これらの条件下、長い時間にわたって、例えば1日間よりも長い時間にわたって、可溶なままであることを意味する。不溶性は、多くの異なるファクタの結果であることができる。例えば、アニオン性表面活性剤がアルキルスルホネートの塩であるとき、その不溶性は、アルキル基の種類及び塩又は対イオンの種類の結果であることができる。アニオン性表面活性剤が水に不溶である場合、カルボン酸基の少なくとも1種類の塩を含む重合体は、水に可溶であるべきである。したがって、重合体は、水に不溶な非イオン性表面活性剤に関して分散剤あるいは可溶化剤として機能し、よってその不溶性の非イオン性表面活性剤の水溶液あるいは水性分散液を生成すると言うことができる。
【0022】
本発明は、さらに、少なくとも1種類の顔料及び上記した分散剤組成物を含む顔料組成物に関する。顔料は、この技術分野において公知な任意の顔料であることができるが、好ましくは、炭素系の顔料であり、とりわけ炭素生成物が好ましい。適当な炭素生成物の例は、以下に列挙するものに限定されるわけではないが、グラファイト(黒鉛)、カーボンブラック、ガラス質カーボン、炭素繊維、活性炭及び活性化カーボンを包含する。炭素は、結晶質であってもよく、さもなければ、無定形であってもよい。細分化された形の上記の炭素類が有利であり、また、異なる炭素の混合物を利用することも可能である。これらの炭素生成物のなかでは、カーボンブラックが有利である。顔料組成物は、乾燥した形態であってもよく、さもなければ、例えば水のような水性ビヒクルをさらに含んでいてもよい。したがって、顔料組成物は、顔料と上記した分散剤組成物の水性分散液であることができる。
【0023】
顔料は、それらの色強度によってしばしば分類されている。例えば、カーボンブラックは、高色の黒、中間色の黒、あるいは標準色の黒と呼ぶことができる。これらのカーボンブラックのいずれも、本発明の顔料組成物のために使用することができる。好ましい1態様において、顔料組成物は、一般にはBET表面積値が約240m/gよりも大きいかもしくはそれに等しい、この技術分野で高色の黒と呼ばれている炭素生成物を含んでいる。好ましくは、本発明の顔料組成物において使用される高色のカーボンブラックは、約300m/gよりも大きいかもしくはそれに等しい、さらに好ましくは約400m/gよりも大きいかもしくはそれに等しい、最も好ましくは約500m/gよりも大きいかもしくはそれに等しいBET表面積値を有している。高色のカーボンブラックの例は、以下に列挙するものに限定されるわけではないが、Monarch(登録商標)1000,Monarch(登録商標)1100,Monarch(登録商標)1300,Monarch(登録商標)1400,Monarch(登録商標)1500,BlackPearls(登録商標)1000,BlackPearls(登録商標)1100,BlackPearls(登録商標)1300,そしてBlackPearls(登録商標)1400を包含する。
【0024】
これらの、いわゆる高色のカーボンブラックはまた、規定されたDBPA(ジブチルフタレート吸収)値をさらに有している。DBPAは、炭素生成物の構造あるいは枝分かれの尺度である。一般的には、構造が大きくなればなるほど、例えばコーティング組成物における炭素生成物の分散性が良好となる。しかしながら、構造が大きくなればなるほど、コーティング組成物の粘度が上昇する。また、一般的には、構造が大きくなればなるほど、色の挙動の低下−光沢及び噴射性の低下が発生する。したがって、好ましい高色のカーボンブラックは、約50〜150cc/100gのDBPA値を有するであろう。最も好ましいものは、約50〜100cc/100gのDBPA値を有するものである。
【0025】
もう1つの好ましい態様において、本発明の顔料組成物は、この技術分野において中間色の黒と呼ばれかつ一般的に約150〜240m/gのBET表面積値を有している炭素生成物を含んでいる。好ましくは、本発明の顔料組成物において使用される中間色のカーボンブラックは、約170〜240m/g、さらに好ましくは約200〜230m/gのBET表面積値を有している。さらに、中間色のカーボンブラックは、約50〜150cc/100gのDBPA値を有している。最も好ましいものは、約60〜130cc/100gのDBPA値を有するものである。中間色のカーボンブラックの例は、以下に列挙するものに限定されるわけではないが、Monarch(登録商標)700,Monarch(登録商標)800,Monarch(登録商標)880,Monarch(登録商標)900,BlackPearls(登録商標)700,BlackPearls(登録商標)800,BlackPearls(登録商標)880,そしてBlackPearls(登録商標)900を包含する。
【0026】
別の態様において、本発明の顔料組成物は、カーボンブラックであって、その表面における酸素官能価の量を増加させるために酸化されているものを含んでいる。酸化されたカーボンブラックは、この技術分野において公知であり、通常、酸化剤、例えば硝酸又はオゾンを塩基のカーボンブラックと反応させることによって調製されている。表面における官能価の増加は、通常、pH値の減少を発生させる。したがって、酸化されたカーボンブラックは、通常、酸性である。
【0027】
別の態様において、本発明の顔料組成物は、少なくとも1個の有機基が結合した変性された顔料を有している。好ましくは、変性された顔料は、変性された炭素生成物である。変性された炭素生成物は、約350〜600m/g、さらに好ましくは約350〜500m/gのBET表面積値を有している。本発明の顔料組成物では、350m/gよりも大きいかもしくはそれに等しいBET表面積値を有している任意の変性された炭素生成物を使用することができるが、好ましいものは、約60〜150cc/100gのDBPA値をさらに有しているものである。最も好ましいものは、80〜120cc/100gのDBPA値をさらに有するものである。
【0028】
変性された炭素生成物は、化学基(例えば、重合基及び有機基)を顔料に結合させるような、当業者に周知の手法を使用して調製される。但し、この手法の場合、吸着された基、例えば重合体、表面活性剤等に比較して、顔料に対する基の結合がより安定に行われるようにする。例えば、変性された炭素生成物は、ここでそれらの番号を参照することで本願明細書に内容を記載したこととする、米国特許第5,554,739号、同第5,851,280号、同第6,042,643号、同第5,707,432号及び同第5,837,045号明細書ならびにPCT国際公開第99/23174号パンフレットに記載されている方法を使用して調製することができる。変性された炭素生成物は、上記した炭素生成物のいずれからも調製することができる。好ましくは、炭素生成物は、カーボンブラックであるか、さもなければ、酸化されたカーボンブラックである。
【0029】
結合させる有機基は、分散剤組成物の特定の成分ならびに顔料組成物に意図される用途を含めたいろいろなファクタに依存して選択される。これにより、変性された炭素生成物を特定の用途に適合させることによるより良好な可とう性を可能とすることができる。有機基は、イオン性基、イオン化可能な基あるいはイオン性基とイオン化可能な基の混合物を含むことができる。イオン性基は、アニオン性基あるいはカチオン性基のいずれであってもよく、また、反対の電荷を有する対イオンと組み合わさっている。ここで、対イオンは、無機もしくは有機の対イオン、例えばNa,K,Li,NH,NR’酢酸塩,NO,SO−2,OH,そしてClを含み、ここで、R’は、水素又は有機基、例えば置換もしくは非置換のアリール基及び(又は)アルキル基である。イオン化可能な基は、使用に媒体においてイオン性基を形成できる基である。したがって、好ましくは、有機基は、有機のイオン性基である。有機のイオン性基は、その番号を参照することで本願明細書に内容を記載したこととする米国特許第5,698,016号明細書に記載されているものを包含する。
【0030】
好ましくは、有機基は、負に帯電せしめられた少なくとも1種類のアニオン性基を有している。アニオン性基は、アニオンを形成できるイオン化可能な置換基、例えば酸性置換基を含むグループから発生させることができ、さもなければ、イオン化可能な置換基の塩中のアニオンであってもよい。好ましくは、イオン化可能な置換基がイオン性基を形成する場合には、イオン化可能な置換基は、11未満のpKa値を有している。有機のイオン性基は、さらに、11未満のpKa値を有するイオン化可能な基を有する種及び11未満のpKa値を有するイオン化可能な置換基の塩から発生させることができる。イオン化可能な置換基のpKa値は、イオン化可能な置換基全体のpKa値を指しており、酸性置換基そのもののものではない。さらに好ましくは、pKa値は10未満であり、最も好ましくは9未満である。
【0031】
イオン性基の典型的な例は、−COO,−SO,−HPO,そして−PO−2を包含する。イオン化可能な基の典型的な例は、−COOH,−SOH,−PO,−SONH,そして−SONHCOR’を包含する。ここで、R’は、水素又は有機基、例えば置換もしくは非置換のアリール基及び(又は)アルキル基である。特に好ましい種は、−COO及び−SOである。好ましくは、有機のイオン性基は、置換もしくは非置換のカルボキシフェニル基又は置換もしくは非置換のスルホフェニル基から発生せしめられる。特別の有機のイオン性基は、−CCO及び−CSOである。顔料組成物がさらに水性ビヒクルを含むような場合には、イオン性基もしくはイオン化可能な基を有する結合基が最も有利である。
【0032】
結合基の量は、顔料組成物に意図されている用途に応じて変更することができる。例えば、変性せしめられた炭素生成物に結合される有機基の量は、本発明のコーティング組成物において顔料組成物に所望とされる挙動を得るために選択される。一般的に、結合せしめられる有機基の量は、1mの顔料表面積について約0.001〜約10.0マイクロモルの有機基である(表面積は、窒素の吸着によって、特にt−面積法によって測定される)。好ましくは、結合せしめられる有機基の量は、約0.1〜約5.0マイクロモル/mであり、最も好ましくは、結合せしめられる有機基の量は、約0.1〜約2.7マイクロモル/mである。この結合量は、特定の結合基に応じて変更することができ、また、例えば、結合基のサイズ又はイオン性基の官能価に応じて調整することができる。さらに、最良の全体的挙動を得るために1種類以上の結合基を炭素生成物上に有することもまた本発明の範囲内にある。
【0033】
変性された炭素生成物は、未反応の粗生成物、副生成物の塩類及びその他の反応不純物を除去するため、洗浄を行うことによって、例えばろ過、遠心分離及びこれらの2方法を組み合わせることによって、精製することができる。また、これらの生成物は、例えば蒸発によって単離してもよく、さもなければ、当業者に公知な技法を使用してろ過及び乾燥によって回収してもよい。変性された炭素生成物の分散液は、製造プロセスの結果として分散液中に同時に存在し得る不純物やその他の不所望な遊離生成物を除去するため、さらに精製もしくは分類分けしてもよい。例えば、約1.0ミクロンを上回るサイズを有する粒子を実質的に除去するため、変性された炭素生成物の分散液を分類工程、例えば遠心分離にさらすことができる。さらに加えて、任意の不所望な遊離種、例えば未反応の処理剤を除去するためにこの分散液を精製することができる。分散液を精製しかつ実質的な量の遊離のイオン性及び不所望種を除去するため、膜又はイオン交換を使用した公知の超ろ過/ダイアフィルトレーション技法を使用してもよい。また、公知のイオン交換技法、例えば超ろ過、逆浸透、イオン交換カラム等を利用して、対イオンを任意に交換し、よって変性された炭素生成物の一部を構成する対イオンを別の対イオン(例えば両親媒性イオンを含む)で交換もしくは置換することができる。交換することのできる対イオンの特定の例は、以下に列挙するものに限定されるわけではないが、Na,K,Li,NH,Ca2+,Mg2+,Cl,NO,NO2―酢酸塩,そしてBrを包含する。また、変性された炭素生成物からの不純物の除去は、特に以下に記載するコーティング組成物において、顔料組成物の挙動を改良することもできる。
【0034】
顔料組成物は、当業者に公知の任意の方法によって調製することができる。特に、これらの組成物の成分は、任意の順序で添加することができる。例えば、変性された炭素生成物を含む顔料組成物の場合、分散剤の組成物は、変性された炭素生成物に対して添加されてもよく、さもなければ、その逆であってもよい。また、分散剤の組成物は、顔料の調製及び単離方法の任意の個所で添加してもよい。例えば、変性された炭素生成物を含む顔料組成物の場合、分散剤の組成物は、ペレット化工程(あるいは、取扱い性を改良するために生成物の形状を変更するためのその他の工程)、乾燥工程又は前包装工程の前もしくはその後に添加してもよい。
【0035】
本発明の分散剤及び顔料組成物は、いろいろな用途で使用することができる。例としては、インクジエットインキを含めた任意のインキ類、コーティング、接着剤、プラスチック類、そしてシール剤を挙げることができる。特に、ここに記載した分散剤及び顔料組成物は、水性コーティングの用途において有用であることが判明している。
【0036】
したがって、本発明は、非水性ビヒクル、少なくとも1種類の顔料及び少なくとも1種類の分散剤組成物を含む非水性コーティング組成物に関する。顔料及び分散剤組成物は、上記した通りである。顔料は、上記した任意の顔料であることができるが、好ましくは、少なくとも1個の有機基、例えばアニオン性基が結合した変性された炭素生成物である。
【0037】
一般的に、上記した通り、コーティング組成物は、溶剤とバインダ又は樹脂(ビヒクル)とに分散された顔料を含んでいる。本発明のコーティング組成物用のビヒクルは、非水性ビヒクルであり、非水性溶剤及び樹脂を含んでいる。ビヒクルの組成は、最終的なコーティングの条件及び要件に依存して変更可能である。例えば、樹脂の含有量は、約70〜100%の間で変更可能である。
【0038】
樹脂は、非水性コーティング組成物において使用される任意の樹脂であってよい。本発明の非水性コーティング組成物において有用な樹脂もしくはバインダの例は、以下に列挙するものに限定されるわけではないが、アクリル樹脂、アルキド樹脂、ポリウレタン樹脂、エポキシ樹脂及び塩化ビニル共重合体樹脂を包含する。非水性溶剤は、任意の有機溶剤、例えば芳香族溶剤(例えば、キシレン)、アセテート溶剤(例えば、酢酸ブチル)、ケトン溶剤(例えば、アセトン又はメチルエチルケトン)、又はグリコールを包含する。非水性溶剤は、樹脂又はバインダの種類のしばしば関連し、また、適用される組成や最終用途に依存するであろう。非水性溶剤は、水と混和可能であってもよい。そのために、非水性溶剤は、若干量の水を含むことができるが、その量は低く、例えばほぼ0%から20%までである。
【0039】
また、ビヒクルは、例えば粘度、水平性及び乾燥時間のような性質を改良するために使用することのできる任意の添加剤を含有することができる。例は、共溶剤(特に、水性コーティングの場合には水溶性の溶剤)、表面活性剤及び充填剤、例えばクレイ、タルク、シリカ、及びカーボネートを包含する。さらに、流動調節剤、レベリング助剤及び殺生剤を含有することができる。
【0040】
本発明のコーティング組成物は、当業者の公知の任意の技法を使用して調製することができる。したがって、例えば、高速度の混合機及び(又は)ミルにおいて顔料を液体ビヒクル及びその他のコーティング成分と合することができる。本発明のコーティング組成物で使用される炭素生成物の量は、得られるコーティングにおいて望まれている挙動に依存している。一般的に、これらのコーティング組成物は、約30重量%までの顔料、例えば炭素生成物を含んでいる。炭素生成物の量は、例えば噴流性、粘度及び分散安定性のような性質を最適化するために調節することができる。
【0041】
本発明のコーティング組成物は、種々の異なる最終用途で使用することができ、一例として、改良された全体的挙動性能を有するコーティングを得るため、例えば自動車のトップコートとして使用することができる。本発明の顔料組成物は、改良された噴流性及び青色色調を有するコーティングを得るため、コーティング組成物中に容易に分散させることができる。このことについては、以下に記載する実施例によってさらに明らかにするであろう。なお、下記の実施例は、単に本発明を例示することを意図したものである。
【実施例】
【0042】
実施例1
本例では、本発明の分散剤組成物の一例の調製について記載する。
【0043】
70℃に設定したホットプレート上に配置したビーカに250gの水を添加した。温度が70℃に達したところで、75gのアエロゾルOT(アニオン性表面活性剤)を徐々に添加した。約45分間の連続した攪拌の後、3.5gのアンモニアと56.6gの水の予備混合物を添加し、そしてその混合物を約5分間にわたって良好に攪拌した。次いで、これに対して、75gのNeoCryl BT−24(水性アクリル樹脂)を添加した。温度を約60℃で維持しながら、この混合物をさらに10分間にわたって、良好な攪拌下に攪拌した。得られた分散剤組成物を以下に詳細に記載する顔料組成物の調製のために使用した。
【0044】
実施例2
本例では、本発明の顔料組成物の一例の調製について記載する。
【0045】
ピン型ペプタイザ(10馬力)を70℃に加熱した。300gのEmperor(登録商標)2000ピグメントブラック(キャボット社より入手可能な、結合した−C−SONa基を有する変性カーボンブラック)をペプタイザの小室に添加し、400rpmで2分間にわたって予備混合した。また、80gの前記実施例1の分散剤組成物も上記の小室に添加し、500rpmでさらに10分間にわたって混合を継続した。次いで、得られた顔料混合物を小室から取出し、オーブン中で60〜70℃の温度で3時間にわたって乾燥し、そして以下に詳細に記載するように、コーティング組成物の調製のために使用した。
【0046】
実施例3及び比較例1〜5
実施例3では、本発明のコーティング組成物の一例の調製及び分析について立証する。
【0047】
この実施例と比較例のため、次のような手法を実施した。高速度のDisperMat混合機中で2〜3分間にわたって良好な攪拌を行いながら、45部のMacrynal 510(UCB社から入手可能な樹脂)の存在下、35部のキシレンに15部のDisperBYK 161(BYKヒヘミー社から入手可能な分散剤)を予備混合することによってミルベースを調製した。この予備混合物に対して、10部の所望とする顔料(下記の第1表に示す)を2000rpmで2分間にわたって添加した。次いで、混合速度をさらに5分間にわたって4000rpmまで上昇させた。次いで、得られた混合物を、ケイ酸ジルコニウムビーズ(0.6〜0.8mm)を使用して、チップ速度10.0m/sのアイガー(Eiger)ミルを介して室温で20分間にわたって再循環させた。次いで、得られたミルベースをコーティング組成物の調製のために使用した。
【0048】
100部の酢酸ブチルの存在下、400部のSetalux Macrynal 510に97.5部のCymel 325メラミン樹脂(サイテック社から入手可能)を、均一な溶液が達成されてレットダウンのマスターバッチを生成するまで混合することによってコーティング組成物を調製した。良好な攪拌下、59.75部のこのレットダウンのマスターバッチ及び10部の上記ミルベースを混合したところ、最終的なコーティング組成物が生成した。
【0049】
冷間圧延鋼に上記のコーティング組成物を噴霧することによってベースコートを作製した。これをモノコートシステムに使用した。パネルを室温で10分間にわたってフラッシュ−オフし、そして、硬化のため、150℃で20分間にわたって強制乾燥した。
【0050】
得られたコーティングの性質を測定し、下記の第1表に示した。L値(噴射性)、a値(赤色色調)及びb値(青色色調)を測定するため、ハンター社の色度計(カラーメータ)を使用した。L値が低いほど、噴射性のレベルが大きいことを意味し、また、a値がbに関してマイナスになればなるほど、青色色調がより良好となる。Mcは、色依存型の黒色値であり、L、a及びbから算出することができる。また、Mcが大きくなればなるほど、噴射性のレベルが大きくなることを意味する。
【0051】
【表1】

【0052】
第1表に記載の結果から理解することができるように、実施例3のコーティング組成物は、かなり高いMc値を有し、また、それとともに、モノコートシステムとベースコート/クリアコートシステムの両方においてかなり低いL値を有している。さらに加えて、青色色調は、比較可能であるか、さもなければ、大半の場合、さらに改良することができる。したがって、本発明の分散剤組成物は、比較例のコーティング組成物に比較して良好な噴射性及び青色色調を備えたコーティング組成物を与える顔料組成物を調製するために使用することができる。
【0053】
実施例4及び比較例6〜10
実施例4では、本発明のコーティング組成物の一例の調製及び分析について立証する。
【0054】
この実施例と比較例のため、前記実施例3に記載のものと同様な手法を使用してミルベースを調製した。高速度のDisperMat混合機中で2〜3分間にわたって良好な攪拌を行いながら、45部のSetalux17−1445(アクゾノーベル社から入手可能な樹脂)の存在下、35部のキシレンに15部のDisperBYK 161(BYKヒヘミー社から入手可能な分散剤)を予備混合することによってミルベースを調製した。この予備混合物に対して、10部の所望とする顔料(下記の第2表に示す)を2000rpmで2分間にわたって添加した。次いで、混合速度をさらに5分間にわたって4000rpmまで上昇させた。次いで、得られた混合物を、ケイ酸ジルコニウムビーズ(0.6〜0.8mm)を使用して、チップ速度10.0m/sのアイガー(Eiger)ミルを介して室温で20分間にわたって再循環させた。次いで、得られたミルベースをコーティング組成物の調製のために使用した。
【0055】
100部の酢酸ブチルの存在下、400部のSetalux 17−1445に97.5部のCymel 325メラミン樹脂(サイテック社から入手可能)を、均一な溶液が達成されてレットダウンのマスターバッチを生成するまで混合することによってコーティング組成物を調製した。良好な攪拌下、59.75部のこのレットダウンのマスターバッチ及び10部の上記ミルベースを混合したところ、最終的なコーティング組成物が生成した。
【0056】
冷間圧延鋼に上記のコーティング組成物を噴霧することによってベースコートを作製した。これをモノコートシステムに使用した。パネルを室温で10分間にわたってフラッシュ−オフし、そして、硬化のため、150℃で20分間にわたって強制乾燥した。
【0057】
得られたコーティングの性質を測定し、下記の第2表に示した。L値(噴射性)、a値(赤色色調)及びb値(青色色調)を測定するため、ハンター社の色度計(カラーメータ)を使用した。L値が低いほど、噴射性のレベルが大きいことを意味し、また、a値がbに関してマイナスになればなるほど、青色色調がより良好となる。Mcは、色依存型の黒色値であり、L、a及びbから算出することができる。また、Mc値が大きくなればなるほど、噴射性のレベルが大きくなることを意味する。
【0058】
【表2】

【0059】
第2表に記載の結果から理解することができるように、実施例4のコーティング組成物は、かなり高いMc値を有し、また、それとともに、モノコートシステムとベースコート/クリアコートシステムの両方においてかなり低いL値を有している。さらに加えて、青色色調は、比較可能であるか、さもなければ、大半の場合、さらに改良することができる。したがって、本発明の分散剤組成物は、比較例のコーティング組成物に比較して良好な噴射性及び青色色調を備えたコーティング組成物を与える顔料組成物を調製するために使用することができる。
【0060】
結果として、本発明のコーティング組成物であって、ここに記載した顔料組成物及び分散剤組成物を有しているものは、コーティングの用途において高い色挙動を示すということが判明した。
【0061】
本発明の好ましい態様について上記した記載は、説明を目的に記載されたものである。これは、本発明を網羅するものでもなければ、本発明を記載されたもののみに限定するものでもない。上述の記載にあわせて変更や改良を行うことが可能であり、また、本発明の実施に当って変更や改良を行ってもよい。これらの態様は、本発明の原理とその実際的な用途を説明し、よって、当業者が本発明を種々の態様において利用しかつ意図される特定の使用に合わせて変更することを可能とするため、選択されかつ記載されるものである。本発明の範囲は、特許請求の範囲の記載とその等価物によって規定されるものであることを理解されたい。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
i)少なくとも1種類のアニオン性表面活性剤、及び
ii)少なくとも1個のカルボン酸基の塩を含む少なくとも1種類の重合体
を含んでなる分散剤組成物。
【請求項2】
前記アニオン性表面活性剤は、スルホネート基の少なくとも1種類の塩を含む、請求項1に記載の分散剤組成物。
【請求項3】
前記スルホネート基は、アルキル−又はアリールスルホネート基である、請求項2に記載の分散剤組成物。
【請求項4】
前記スルホネート基は、アルキルスルホネート基である、請求項2に記載の分散剤組成物。
【請求項5】
前記アニオン性表面活性剤は、スルホスクシネート基の塩を含む、請求項1に記載の分散剤組成物。
【請求項6】
前記アニオン性表面活性剤は、ナトリウムジアルキルスルホスクシネートである、請求項1に記載の分散剤組成物。
【請求項7】
前記アニオン性表面活性剤は、ナトリウムジオクチルスルホスクシネートである、請求項1に記載の分散剤組成物。
【請求項8】
前記アニオン性表面活性剤は、水に不溶である、請求項1に記載の分散剤組成物。
【請求項9】
前記重合体は、カルボン酸のアンモニウム塩を含む、請求項1に記載の分散剤組成物。
【請求項10】
前記重合体は、アクリル酸の共重合体の塩である、請求項1に記載の分散剤組成物。
【請求項11】
前記重合体は、アクリル酸及びメチルメタクリレートの共重合体のアンモニウム塩である、請求項1に記載の分散剤組成物。
【請求項12】
前記重合体は、約5000〜50000の分子量を有する、請求項1に記載の分散剤組成物。
【請求項13】
前記重合体は、約10000〜40000の分子量を有する、請求項10に記載の分散剤組成物。
【請求項14】
前記アニオン性表面活性剤は、ナトリウムジアルキルスルホスクシネートであり、かつ前記重合体は、アクリル酸及びメチルメタクリレートの共重合体のアンモニウム塩である、請求項1に記載の分散剤組成物。
【請求項15】
前記重合体は、水に可溶である、請求項1に記載の分散剤組成物。
【請求項16】
水性溶剤をさらに含む、請求項1に記載の分散剤組成物。
【請求項17】
水をさらに含む、請求項16に記載の分散剤組成物。
【請求項18】
少なくとも1種類の塩基をさらに含む、請求項1に記載の分散剤組成物。
【請求項19】
前記塩基は、ヒドロキシド試薬又はアミンである、請求項18に記載の分散剤組成物。
【請求項20】
前記塩基は、アンモニアである、請求項18に記載の分散剤組成物。
【請求項21】
a)少なくとも1種類の顔料、及び
b)i)少なくとも1種類のアニオン性表面活性剤、及び
ii)少なくとも1個のカルボン酸基の塩を含む少なくとも1種類の重合体
を含む少なくとも1種類の分散剤組成物
を含んでなる顔料組成物。
【請求項22】
前記顔料は、少なくとも1個の有機基が結合した炭素生成物を含む変性炭素生成物である、請求項21に記載の顔料組成物。
【請求項23】
前記有機基は、少なくとも1個のイオン性基、少なくとも1個のイオン化可能な基又はその混合物である、請求項21に記載の顔料組成物。
【請求項24】
前記有機基は、少なくとも1個のアニオン性基を含む、請求項21に記載の顔料組成物。
【請求項25】
前記有機基は、少なくとも1個のカルボン酸基、スルホン酸基又はその塩を含む、請求項21に記載の顔料組成物。
【請求項26】
前記有機基は、カルボキシフェニル基、スルホフェニル基又はその塩である、請求項21に記載の顔料組成物。
【請求項27】
水性ビヒクルをさらに含む、請求項21に記載の顔料組成物。
【請求項28】
前記水性ビヒクルは水である、請求項27に記載の顔料組成物。
【請求項29】
前記アニオン性表面活性剤は、ナトリウムジアルキルスルホスクシネートであり、前記重合体は、アクリル酸及びメチルメタクリレートの共重合体のアンモニウム塩であり、そして前記顔料は、少なくとも1個のスルホン酸基が結合した炭素生成物を含む変性炭素生成物である、請求項21に記載の顔料組成物。
【請求項30】
a)樹脂及び非水性溶剤を含む非水性ビヒクル、
b)少なくとも1種類の顔料、及び
c)i)少なくとも1種類のアニオン性表面活性剤、及び
ii)少なくとも1個のカルボン酸基の塩を含む少なくとも1種類の重合体
を含む少なくとも1種類の分散剤組成物
を含んでなる非水性コーティング組成物。
【請求項31】
前記樹脂は、アクリル樹脂、ポリウレタン樹脂、エポキシ樹脂、ポリエステル樹脂、アルキド樹脂又は塩化ビニル−共重合体樹脂である、請求項30に記載の非水性コーティング組成物。
【請求項32】
前記樹脂は、アクリル樹脂である、請求項30に記載の非水性コーティング組成物。
【請求項33】
前記非水性溶剤は、芳香族溶剤、アセテート溶剤、ケトン溶剤又はグリコールである、請求項30に記載の非水性コーティング組成物。
【請求項34】
前記非水性溶剤は、キシレン、酢酸ブチル、アセトン又はメチルエチルケトンである、請求項30に記載の非水性コーティング組成物。
【請求項35】
前記顔料は、少なくとも1個の有機基が結合した炭素生成物を含む変性炭素生成物である、請求項30に記載の非水性コーティング組成物。
【請求項36】
前記有機基は、少なくとも1個のイオン性基、少なくとも1個のイオン化可能な基又はその混合物を含む、請求項35に記載の非水性コーティング組成物。
【請求項37】
前記有機基はアニオン性基を含む、請求項35に記載の非水性コーティング組成物。
【請求項38】
前記有機基は、カルボン酸基、スルホン酸基又はその塩を含む、請求項35に記載の非水性コーティング組成物。
【請求項39】
前記有機基は、カルボキシフェニル基、スルホフェニル基又はその塩である、請求項35に記載の非水性コーティング組成物。
【請求項40】
前記アニオン性表面活性剤は、ナトリウムジアルキルスルホスクシネートであり、前記重合体は、アクリル酸及びメチルメタクリレートの共重合体のアンモニウム塩であり、そして前記顔料は、少なくとも1個のスルホン酸基が結合した炭素生成物を含む変性炭素生成物である、請求項30に記載の非水性コーティング組成物。

【公表番号】特表2007−510038(P2007−510038A)
【公表日】平成19年4月19日(2007.4.19)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−538118(P2006−538118)
【出願日】平成16年10月20日(2004.10.20)
【国際出願番号】PCT/US2004/034957
【国際公開番号】WO2005/044933
【国際公開日】平成17年5月19日(2005.5.19)
【出願人】(391010758)キャボット コーポレイション (164)
【氏名又は名称原語表記】CABOT CORPORATION
【Fターム(参考)】