説明

非水性液体組成物中のアナライトの溶出速度を測定する方法。

アナライト、好ましくは持続放出剤形中、医薬的に活性な成分であるアナライトの溶出速度を測定する方法が提供される。この方法は、(i)アナライトおよび非水性基剤たとえばワックスおよび脂肪を含有する希釈された非水性組成物を予め定められた時間水性溶出メジウムと接触させ、ついで(ii)水性溶出メジウム中のアナライトの量を測定することからなる方法である。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、非水性液体組成物から水性メジウム中に、アナライトを移動させることを特徴とする方法に関し、とくに持続放出剤形からの薬物の溶出を測定するためのインビトロの方法に関する。
【背景技術】
【0002】
医薬組成物の製剤化における重要な態様の一つは、薬物の薬物動態学的挙動である。様々な因子、たとえば薬物の物理学的状態(すなわち、気体、液体、固体)、その結晶型、その粒子サイズ、剤形、および使用される賦形剤に依存して、生体内における薬物の時間依存性放出は劇的に変動させることができる。同じ薬物が同じ剤形中に存在する場合でも、ロット間で変動が起こることがある。
【0003】
規制当局の承認を得るために、多くの場合、薬物動態学的挙動が、動物またはヒトに薬物を投与し、投与後のある時点で血液中の薬物またはその代謝物の量を測定することによって決定される。この方法は時間がかかり、費用もかかるので、一般的には製造過程における医薬の品質管理には使用されない。薬物のインビボにおける薬物動態学的挙動をインビトロ試験により評価する多くの方法が案出されてきた。これらの試験の一部は標準化され、たとえば米国薬局方(USP)に記載されている。一般に使用されているUSP法はバスケット法(USP法I)およびパドル法(USP法II)である。さらに、これらの標準化法には、特殊な個々の適用に関して多数の方法が記載されている。多数の溶出方法の総説は、たとえば、G. K. Shiu, Drug Information Journal, 30, 1045-1054 (1996) に見出すことができる。
【0004】
Andonaeguiら(Drug Development and Industrial Pharmacy, 25(11), 1199-1203, 1999) には、空腹状態で高脂肪食とともに投与される持続放出性テオフィリンマトリックス錠のインビボ挙動を推測するためのインビトロ方法が記載されている。3種のタイプの持続放出性マトリックス錠においてテオフィリンの溶出プロフィルが検討された。高脂肪食のためのインビトロ/インビボ−相関を改良するため、錠剤を、USPパドル試験における溶出試験の前に、落花生油と混合することにより前処置した。
【0005】
特開平05-249097には、持続放出錠におけるインビボ放出を予測するための溶出試験が記載されている。錠剤をパドル法に付し、取り出し、油脂および脂肪で前処置し、ついで、水性溶出メジウム中ビーズとともにパドル装置に戻すかまたはバスケット中に浸漬する。この方法では生体内部の血漿中の薬物の濃度が持続放出錠の放出制御機構に影響されることなく予測できるという。
【0006】
マイクロ粒子薬物送達システムのための様々なインビトロ溶出方法がContiら, Drug Development and Industrial Pharmacy, 21 (10), 1233-1233 (1955) により比較されている。攪拌速度、イオン強度および界面活性剤の存在の影響が検討されている。
【0007】
また、油状の薬物製剤の溶出試験法が記載されている。Takahashiらは(Chem. Pharm. Bull. 42(8), 1672-1675, (1994))、パドル法と回転透析セル法を比較している。 回転透析セル法の変法では、外部相としてオクタノールが使用され、一方、内部相としては酸性溶液が用いられた。
【0008】
Machidaら(Chem. Pharm. Bull. 34(6), 2637-2641, (1986))は、油状の薬物製剤の溶出特性を測定する際に遭遇する問題を克服する一つの試みを記載している。彼らは、水性
溶出メジウムの表面を攪拌する補助翼を付加的に使用する、日本薬局方第2法のパドル法の修正を提案している。さらに、攪拌を改善するためにビーズを加え、水性溶出メジウムとして胆汁塩溶液を使用した。
【0009】
薬物が非水性基剤に溶解または分散されている非水性医薬組成物の薬物動態学的挙動は従来技術の方法を用いて信頼できる予想は困難である。インビトロ測定の正確さおよび信頼性は多くの場合低く、インビトロ測定の結果は、インビボにおける薬物の挙動と常に相関するとは限らない。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
したがって、本発明の目的の一つは、非水性液体組成物中のアナライトの溶出速度を測定することが可能で、信頼性のある方法を提供することにある。本発明の更なる目的は、標準化された溶出装置を使用するそれぞれの方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明の一実施態様では、非水性液体組成物中のアナライトの溶出速度を測定する方法において、
(a)アナライトおよび非水性基剤からなる非水性液体組成物を準備し、
(b)非水性液体組成物に非水性希釈剤を加えて、希釈された非水性液体組成物を提供し、
(c)希釈された非水性液体組成物の少なくとも一部および水性溶出メジウムを溶出試験装置内に導入し、
(d)希釈された非水性液体組成物と水性溶出メジウムを予め定められた時間接触させ、ついで
(e)水性溶出メジウム中のアナライト量を決定する、
各工程からなる方法が提供される。
【0012】
本発明の更なる実施態様においては、非水性液体組成物中のアナライトの溶出速度を測定する方法において、
(a)アナライトおよび非水性基剤からなる非水性液体組成物を準備し、
(b)希釈された非水性液体組成物の少なくとも一部および水性溶出メジウムを溶出試験装内置に導入し、この場合、水性溶出メジウムは約0.1mM〜約10mMのモル濃度を有する緩衝溶液からなり、
(c)非水性液体組成物と水性溶出メジウムを予め定められた時間接触させ、ついで、
(d)水性溶出メジウム中のアナライトの量を決定する、
各工程からなる方法が提供される。
【0013】
非水性液体組成物中のアナライトの溶出速度を測定する方法において、
(a)アナライトおよび非水性基剤からなる非水性液体組成物を準備し、
(b)希釈された非水性液体組成物の少なくとも一部および水性溶出メジウムを溶出試験内装置に導入し、この場合溶出試験装置内の非水性液体組成物に対する水性溶出メジウムの容量比は約1:2,000〜約1:100,000であり、
(c)非水性液体組成物と水性溶出メジウムを予め定められた時間接触させ、ついで、
(d)水性溶出メジウム中のアナライト量を決定する、
各工程からなる方法もまた開示される。
【0014】
図1はアナライトの量が2回以上測定された場合、溶出速度をプロッティングする一つの可能性を示す。
図2はアナライトの量が2回以上測定された場合、溶出速度をプロッティングする更な
る可能性を示す。
図3は、典型的なパドルアッセンブリーを示す。図面は縮尺図ではない。
図4は、実施例1において観察されるスプレッディング挙動の変動を示す。
図5は、パドル法において非水性液体組成物を非水性希釈液で希釈しない場合、パドル法でのインビボとインビトロ持続放出時間の間の相関を示す。
図6は、パドル法において非水性液体組成物を非水性希釈液で希釈した場合の、パドル法でのインビボとインビトロ持続放出時間の間の相関を示す。
図7は、溶出速度に対するアリコートのサイズの影響を例示する。
図8は、本発明の方法の直線性を示す。
【0015】
本発明は非水性液体組成物中のアナライトの溶出速度を測定するための信頼できる方法を提供する。この方法は好ましくは医薬的組成物からの医薬的に活性な成分の溶出速度を測定するのに使用されるが、それらはまた他の分析化学的分野、たとえば夾雑物が油から環境に漏れ出す速度の測定、活性物質たとえば腐食防止剤等が油状基剤から枯渇する速度の決定、または、農薬もしくは肥料から成分が放出する速度の測定にも使用される。
【0016】
「溶出速度」の語は非水性溶出メジウム中にアナライトが溶解する速度である。水性溶出メジウム中のアナライト量がただ1回、予め定められた時間にのみ測定されるとすると溶出速度はその予め定められた時間までに溶解したアナライトの総量(たとえば質量で表す)を予め定められた時間で除した値である。たとえば、30分後に3μgのアナライトが溶解されたとして、溶出速度は3μg/30分または0.1μg/分と測定される。水性溶出メジウム中のアナライトの量が2回以上測定されると、この場合、溶出速度は数種の異なる方法で例示することが可能で、これは本技術分野で周知である。一つの通常の方法は、二次元のグラフにデータをプロットすることであり、この場合、x−軸は時系列を表し、y軸はn回目および(n−1)回目の水性溶出メジウムの分析の間に溶解したアナライトの量を表す。さらに通常の方法は、二次元のグラフにデータをプロットすることであり、この場合もx−軸は時系列を表し、y軸は測定の開始時からn回目の水性溶出メジウムの分析の間に溶解したアナライトの総量を表す。もちろん、同じ情報を、表または上述の二次元のグラフ以外の他の任意の形式で提供することができる。以下の一連の実験は、たとえば:非水性液体組成物を検討し、溶解したアナライトの量を10分(n=1)、20分(n=2)および30分(n=3)に測定することができる。10分後15μgのアナライトが溶解し、20分後25μgのアナライトが溶解し、30分後総計32μgのアナライトが溶解した。最初のケースでは、図1に示すようなプロットが、第二のケースでは図2のようにプロットが得られた。
【0017】
本明細書で使用される「非水性液体組成物」とは接触温度において液体であり、アナライトおよび非水性基剤を含む任意の組成物である。アナライトと非水性基剤の混合物は、任意の形態とすることが可能であり、たとえばそれらは溶液、乳化液または懸濁液を形成することができる。アナライトを非水性基剤に懸濁させる場合は、アナライトの粒子サイズは一般的に約50nm〜約200μm、好ましくは、約100nm〜約200μmの範囲である。非水性液体組成物中におけるアナライトの濃度にはとくに限定はない。
【0018】
非水性液体組成物は、好ましくは医薬組成物である。本発明の方法においては、医薬組成物は非経口、経口、舌下、鼻内、気管支内、肺、乳房内、経直腸、膣内、眼内または局所に適用することができる。しかしながら、医薬組成物がカプセル中に含まれている医薬組成物中のアナライトの溶出速度を測定することもできる。この場合、カプセルの殻は水性溶出メジウムと接触すると崩壊し、その内容物を放出する。
【0019】
「アナライト」は非水性液体組成物中の成分を意味し、その成分の溶出が特徴づけられる。アナライトは組成物中任意の成分とすることができる。アナライトの例は、それらに
限定されるものではないが、夾雑物、活性成分または不活性成分が含まれる。医薬組成物の場合、アナライトは通常、医薬的に活性な成分であるが、それはまた賦形剤または医
薬組成物の他の任意の成分であってもよい。本発明の方法は単一のアナライトの測定に限定されるものではない。所望により2種またはそれ以上のアナライトを測定することができる。本発明の方法は、いかなる特定の物理学的または化学的特性を有するアナライトの測定にも限定されるものではない。実際、有機または無機の任意のアナライトが、この方法のために選択された水性溶出メジウムに少なくとも部分的に溶解する限り、本発明の方法により測定することができる。本発明の方法を用いて測定することができるアナライトの例には以下の例示的、非限定的クラスが包含される。
【0020】
すなわちACE阻害剤;α−アドレナリンアゴニスト;β−アドレナリンアゴニスト;α−アドレナリンブロッカー;β−アドレナリンブロッカー(β−ブロッカー);アルコール抑止剤;アルドースレダクターゼ阻害剤;アルドステロンアンタゴニスト;アミノ酸;蛋白同化剤;鎮痛剤(麻薬性および非麻薬性の両者);麻酔剤;食欲低下剤;制酸剤;抗寄生虫剤;抗座瘡剤;抗アレルギー剤;抗アンドロゲン剤;抗狭心症剤;抗不安剤;抗不整脈剤;抗喘息剤;抗細菌剤および抗生物質;抗脱毛剤および抗禿頭病剤;抗アメーバ剤;抗体;抗コリン薬;抗凝固剤および血液低粘稠化剤;抗結腸炎薬;抗けいれん剤;抗膀胱炎薬;抗うつ剤;抗糖尿病剤;抗下痢剤;抗利尿剤;解毒剤;抗制吐剤;抗エストロジェン剤;抗膨満剤;抗真菌剤;抗原;抗緑内障剤;抗ヒスタミン剤;抗多動薬;抗高リポ蛋白質血症剤;抗高血圧症薬;抗甲状腺亢進症薬;抗低血圧症薬;抗甲状腺低下症薬;抗感染症薬;抗炎症剤(ステロイドおよび非ステロイドの両者);抗マラリア薬;抗偏頭痛薬;抗新生物剤;抗肥満薬;抗パーキンソン剤および抗運動異常薬;抗肺炎薬;抗原生動物薬;抗掻痒剤;抗乾癬剤;抗精神病薬;解熱剤;抗リウマチ剤;抗分泌薬;抗ショック用薬;鎮痙剤;抗血栓剤;抗腫瘍剤;鎮咳剤;抗潰瘍剤;抗ウイルス剤;抗不安薬;バクテリシジン;骨密度増強剤;気管支拡張剤;カルシウムチャンネルブロッカー;カルボニックアンヒドラーゼ阻害剤;強心薬および心臓刺激薬;化学療法薬;胆汁分泌促進薬;コリン作動薬;慢性疲労症候群用薬;CNS刺激薬;凝固剤;避妊薬;嚢胞性線維症の治療薬;うっ血除去薬;利尿剤;ドーパミン受容体アゴニスト;ドーパミン受容体アンタゴニスト;酵素;エストロジェン;去痰剤;胃腸の活動亢進のための医薬;グルココルチコイド;止血剤;HMG CoAリダクターゼ阻害剤;ホルモン;睡眠剤;免疫調整剤;免疫抑制剤;緩下剤;口内および歯周疾患用剤;縮瞳剤;モノアミンオキシダーゼ阻害剤;粘液溶解剤;多発性硬化症用薬剤;筋弛緩剤;散瞳剤;麻薬アンタゴニスト;NMDA受容体アンタゴニスト;オリゴヌクレオチド;眼用薬剤;分娩促進剤;ペプチド、ポリペプチドおよび蛋白質;ポリサッカライド;プロゲストゲン;プロスタグランジン;プロテアーゼ阻害剤;呼吸刺激剤;鎮静剤;セロトニン取り込み阻害剤;アンドロゲンを含む性ホルモン;喫煙停止剤;平滑筋弛緩剤;平滑筋刺激剤;血栓溶解剤;トランキライザー;尿の酸性化剤;尿失禁のための医薬;血管拡張剤;血管保護剤;ならびにそれらの配合物である。
【0021】
本明細書に参考として掲げた特定の医薬化合物はすべてその化合物の互変異性体、立体異性体、エナンチオマー、塩およびプロドラッグを包含し、薬物の固体状態の形態に特異的ではない。
【0022】
本発明の方法は、第三世代のセファロスポリン類の溶出速度を測定するためにとくに適している。それらの例には、それらに限定されるものではないが、セフチオフル(ceftiofur)、セフェピム(cefepime)、セフィキシム(cefixime)、コフォペラゾン(cofoperazone)、コフォタキシム(cofotaxime)、セフポドキシム(cefpodoxime)、セフタジジム(ceftazidime)、セフテゾキシム(cefti−zoxime)、セフトリアキソン(ceftriaxone)、モキサラクタム(moxalactam)、それらの塩および誘導体がある。とくに好ましいセファロスポリン類はセフチオフルおよびそれらの医薬的に許容される塩および誘導体である。
【0023】
セフチオフルは、現在、PhamaciaからNaxel(R)およびExcenel(R))の商品名で市販されている。他の好ましいセフチオフルの形態には、結晶性の遊離酸(CCFA)がある。この化合物ならびにその医薬製剤は、米国特許5,721,359に記載されている。その全体が本明細書に導入される。
【0024】
非水性液体組成物はまた、非水性基剤を含有し、通常、接触温度において液体であり、そして混和性、部分的に非混和性、または水と非混和性である。非水性基剤は脂質または脂質の混合物たとえば脂肪、ワックスおよびステロールとすることができる。脂質は水素化もしくは非水素化され、飽和、不飽和またはポリ不飽和であり、さらに本技術分野において共通して周知な方法によって修飾されてもよい。非水性基剤は天然または合成のいずれかのワックスまたは脂肪から選択される。ここで使用される「ワックス」の語は、長鎖カルボン酸と長鎖アルコールのエステルの混合物を意味する。ワックス中のカルボン酸は通常、16から36の偶数個の炭素を有し、一方アルコールは通常24から36の偶数個の炭素を有する。本明細書で使用される「脂肪」の語は長鎖カルボン酸とトリオールグリセロールのエステルを意味し、それらは天然品でも合成品でもよく、および、脂肪は室温(約25℃)で、液体、固体、または半固体であることができる。「脂肪」は、グリセリド、トリアシルグリセロール、およびトリグリセリドともよばれる。室温で液体の脂肪は「油脂」と呼ばれる。したがって、ここで用いられる「脂肪」の語には「油脂」が包含される。本発明においては、非水性基剤は、天然または合成の油脂であることがさらに好ましい。
【0025】
水性基剤として適当な合成油脂の例示的な例には6〜24個の炭素原子を有する飽和または不飽和脂肪酸のトリグリセリドまたはプロピレングリコールジエステルがある。このようなカルボン酸は6〜24個の炭素原子を有するカルボン酸、例えば、ヘキサン酸、オクタン酸(カプリル酸)、ノナン酸(ペラルゴン酸)、デカン酸(カプリン酸)、ウンデカン酸、ラウリン酸、トリデカン酸、テトラデカン酸(ミリスチン酸)、ペンタデカン酸、ヘキサデカン酸(パルミチン酸)、ヘプタデカン酸、オクタデカン酸(ステアリン酸)、ノナデカン酸、エイコサン酸、ヘンエイコサン酸、ドコサン酸およびリグノセリン酸がある。不飽和カルボン酸の例にはオレイン酸、リノール酸、リノレイン酸等がある。トリグリセリドビヒクルには、脂肪酸のモノ−ジ−もしくはトリグリセリルエステルまたは混合グリセリドおよび/またはプロピレングリコールジエステルがあり、この場合、グリセロールの少なくとも1分子は様々な炭素原子の長さを有する脂肪酸でエステル化されている。以下はトリグリセリルエステルの例である。すなわち、トリオレイン、トリリノレインおよびトリリノレニンを含む三不飽和エステル;トリパルミチン、トリステアリンおよびトリデカノインを含む三飽和エステルがある。トリグリセリルエステルの更なる例には二飽和−一不飽和型:すなわちオレオ二飽和エステル、例えば、1,2−ジパルミトイル3−オレオイル−rac−グリセロール、または、1,3−ジパルミトイル−2−オレオイル−rac−グリセロール;リノレオ二飽和エステルたとえば1,3−ジパルミトイル−2−リノレオイル−rac−グリセロールがある。トリグリセリドの更なる例には、一飽和−二飽和エステル、例えば、1−パルミトイル−2−オレオイル−3−リノレオイル−rac−グリセロール、および、1−リノレオイル−2−オレオイル−3−ステアロイル−rac−グリセロールを含む一飽和−オレオリノレインエステル、および1,2−ジノレオイル−3−パルミトイル−rac−グリセロールを含む一飽和−ジリノレインエステルがある。
【0026】
ジグリセリルエステルの例には:二不飽和エステル、例えば、1,2−ジオレインまたは1,3−ジオレイン、1,2−ジリノレインまたは1,3−ジノレイン、および、1,2−ジリノレニンまたは1,3−ジリノレニン;飽和−二飽和エステル、例えば、1,2−ジパルミチンまたは1,3−ジパルミチン、1,2−ジステアリンまたは1,3−ジステアリン、および、1,2−ジデカノインまたは1,3−デカノイン;飽和−不飽和ジグリセリルエステル、例えば、1−パルミトイル−2−オレオイル−グリセロールまたは1−オレオイル−2−パルミトイル−グリセ
ロール、1−パルミトイル−2−リノレオイル−グリセロールまたは1−リノレオイル− 2−パルミトイル−グリセロールがある。
【0027】
モノグリセリルエステルの例には:不飽和エステル、例えば、1−オレインまたは2−オレイン、1−リノレインまたは2−リノレイン、および、1−リノレニンまたは2−リノレニン;飽和エステルたとえば1−パルミチンまたは2−パルミチン、1−ステアリンまたは2−ステアリン、および1−デカノインまたは2−デカノインがある。
【0028】
プロピレングリコール(PEG)ジ−エステルの例には:ジ−不飽和エステル、例えば、1,2−ジオレインまたは1,3−ジオレイン、1,2−ジリノレインまたは1,3−ジリノレインおよび1,2−ジリノレニンまたは1,3−ジリノレニン;飽和−二飽和エステル、例えば、1,2−ジパルミチンまたは1,3−ジパルミチン、1,2−ジステアリンまたは1,3−ジステアリン、および、1,2−ジデカノインまたは1,3−ジデカノインがある。飽和−不飽和ジグリセリルエステルからの更なるPEGジ−エステルの例には:1−パルミトイル−2−オレオイル−グリセロールまたは1−オレイル−2−パルミトイル−グリセロール、1−パルミトイル−2−リノレオイル−グリセロールまたは1−リノレオイル−2−パルミトイル−グリセロールが包含される。
【0029】
天然の油脂の例示的な例には、カノラ油、ココナッツ油、トーモロコシ油、落花生油、ゴマ油、オリーブ油、パーム油、ベニバナ油、大豆油、綿実油、ナタネ油、ヒマワリ油およびそれらの混合物がある。これらの中で綿実油が好ましい。
【0030】
非水性基剤は本技術分野で周知の方法によって修飾することができる。例えば、過酸化不飽和油状基剤を用いる実施態様においては、修飾基剤は約0.1〜約600の過酸化価を有してもよく、ある実施態様においては約10、約20、約40、または約80またはその間の任意の価とすることができる。ここで使用される過酸化価は油状サンプル1000gあたりの過酸化物のミリ当量(mEq)を表す。
【0031】
上述の成分とは別に、非水性液体組成物にはさらに付加的化合物を含有させることもできる。例えば、非水性液体組成物が医薬組成物である場合には、医薬的に許容される成分を含有させることもできる。代表的な付加成分は、例えば医薬的に活性な成分、賦形剤、添加物、懸濁剤、防腐剤、湿潤剤、増粘剤、緩衝剤および沈殿剤である。懸濁剤、例えば、ガム(例えば、アラビアゴム、カラゲーナン、アルギン酸ナトリウム、および、トラガント)、セルロース誘導体(cellulosics)(例えば、カルボキシメチルセルロース、微結晶セルロース、および、ヒドロキシエチルセルロース)、クレー(例えば、ベントナイト、および、コロイド状マグネシウムアルミニウム)を包含させることができる。防腐剤、例えば、メチルおよびプロピルパラベン、ベンジルアルコール、クロロブタノール、および、チメロサールを添加することもできる。陰イオン界面活性剤(例えば、ドキュセートナトリウムおよびラウリル硫酸ナトリウム)、非イオン界面活性剤(例えば、ポリソルベート、ポリオキサマー、オクトキシノール−9)、および、陽イオン界面活性剤(例えば、トリメチルテトラデシルアンモニウムブロミド、ベンザルコニウムクロリド、ベンゼトニウムクロリド、ミリスチル−γ−ピコリニウムクロリド)を使用することができる。増粘剤、例えば、ゼラチン、天然ゴム、および、セルロース誘導体(懸濁剤として上掲した化合物)を添加することができる。緩衝剤、例えば、クエン酸塩、および、リン酸塩緩衝剤、ならびに、浸透圧剤、例えば、食塩、および、マニトールが添加できる。経口的に投与される医薬組成物には、矯味矯臭剤、甘味剤(例えば、マンニトール、スクロース、ソルビトールおよびデキストロース)、着色剤および芳香剤を使用することができる。医薬組成物には、賦形剤、例えば、ソルビタンモノオレエート(Sigma−AldrichからSpan 80(R)として入手できる)、および、ホスファチジルコリン(American Lecithin CompanyからPhospholipon 90 Hとして入手できる)が使用される。
【0032】
溶出アッセイのためには、非水性液体組成物を溶出メジウムと接触させる前に、非水性液体希釈剤を非水性液体組成物に加えて、希釈された非水性液体組成物を得る。非水性液体希釈剤は通常接触温度において液体であり、水と混和性、部分的に非混和性、または、非混和性である。非水性希釈剤は非水性基剤に関して上述したのと同じグループの化合物から選択することが可能であり、非水性基剤と同種または異種とすることができる。さらに非水性希釈剤には有機溶媒を含有させてもよい。希釈剤はまた、サンプルと薬物放出メジウムの間の界面張力に影響する界面活性剤を含有させてもよい。
【0033】
非水性希釈剤は薬物放出メジウムより大きいか小さい密度を有するが、希釈剤をサンプルと混合した場合には、混合組成物は薬物放出メジウムより小さい密度を有する。非水性希釈剤は非水性液体組成物または水性溶出メジウムのいずれもの成分とも有害な様式で反応してはならない。非水性希釈剤は、好ましくは、天然油脂、合成油脂、および、有機溶媒からなる群より選択される。非水性希釈剤はまた、シリコン型の油状物(例えば、ポリジメチルシロキサン、および、ポリメチルハイドロゲンシロキサン)から構成されるか、または、それらを含有する。有機溶媒は、アルコール、脂肪族炭化水素、芳香族炭化水素、塩素化炭化水素、グリコール、グリコールエーテル、エステル、エーテル、ケトン、石油化学製品、テルビン油、ジメチルホルムアミド、および、ミネラルスピリットからなる群より選択することができる。さらに好ましくは、非水性希釈剤は天然または合成の油脂である。
【0034】
天然の油脂の例には、例えば、カノラ油、ココナッツ油、トーモロコシ油、落花生油、ゴマ油、オリーブ油、パーム油、ベニバナ油、大豆油、綿実油、ナタネ油、ヒマワリ油、および、それらの混合物がある。これらの中では、ココナッツ油および綿実油が好ましく、綿実油がとくに好ましい。非水性希釈剤は、過酸化、または、非水性希釈剤について上述した本技術分野で周知の他の手段によって修飾することができる。
【0035】
非水性希釈剤にはまた、非水性相の界面遊離エネルギー、ならびに、非水性層および水性溶出メジウムの間の界面張力を操作するため、界面活性剤を添加することができる。通常、有用な界面活性剤は、非イオン性、陽イオン性、陰イオン性、または、両性界面活性剤である。本発明に使用するために適当な界面活性剤の例には、たとえば、ドデシル硫酸ナトリウム、ポリオキシエチレンソルビタンモノオレート(Tween 80TM)、ケノデオキシコール酸、グリココール酸ナトリウム塩、ポリ(オキシエチレン)n−ソルビタン−モノラウレート(Tween 20TM)、タウロコール酸、オクチルフェノールエチレンオキシド濃縮物(Triton X−100TM)、および、ヘキサデシルトリメチルアンモニウムブロミド、および、ポリシロキサンがある。
【0036】
界面活性剤の種類および量は、アナライトの特異的なシステム、非水性液体組成物および水性溶出メジウムに依存し、当業者によって決定できる。界面活性剤の濃度は臨界ミセル濃度以下または以上である。界面活性剤の典型的な濃度範囲は約0.001%〜約1%である。
【0037】
好ましい実施態様においては、非水性希釈剤は天然の油脂であり、場合によっては酸化された天然の油脂である。
【0038】
非水性液体組成物に添加される非水性希釈剤の量にはとくに制限はないが、非水性液体組成物の拡散挙動(spreading behavior)を改良するような量である。非水性希釈剤対非水性液体組成物の比は通常、1:20〜20:1容量比の範囲であるが、さらに低くまたは高くすることができる。正確な量はアナライトの性質、非水性基剤、および溶出メジウムに依存して変動させることができる。組成物の適当量および非水性希釈剤の量は、経験的な
評価を繰り返すことにより、当業者が決定する。組成物および希釈剤の相対的な量は、希釈された組成物が薬物放出メジウムの表面全体に均一に拡散した場合または反復した測定で適切な精度が得られる場合に適切と考えて良い。
【0039】
この理論に拘泥されることなく、非水性希釈剤の添加は、溶出試験装置内の水性溶出メジウム表面での非水性液体組成物の拡散挙動を修飾および正常化するものと推測される。非水性希釈剤を添加なしで、例えば同じ非水性液体組成物を反復して測定に用いても、非水性液体組成物は水性溶出メジウム上に、程度は異なるが拡散させることが可能であることが観察された。これにより、非水性液体組成物および水性溶出メジウム間の接触領域のサイズにおける変動を生じるものと考えられる。結果として、アナライトの水性溶出メジウム中への溶出速度は様々な接触表面積により影響され、結果は不正確で信頼できないものとなる。非水性希釈剤を加えた場合には、同じサンプルを水性溶出メジウム表面に繰り返し適用する場合のみならず、また、類似の非水性液体組成物の異なるサンプルを検討した場合でも、希釈された非水性液体組成物は、ほぼ同程度に拡散する傾向がある。したがって非水性液体組成物と水性溶出メジウムの間の接触領域のサイズは、本質的に同じままとなって、結果の正確さおよび信頼性は改善される。
【0040】
非水性液体組成物に非水性希釈剤を加え、混合したのち、得られた希釈非水性液体組成物と水性溶出メジウムの少なくとも一部を、溶出試験装置に導入する。希釈非水性液体組成物と水性溶出メジウムの添加順序には、とくに限定はない。それらは同時に加えても、順次加えてもよい。一般には、最初に水性溶出メジウムを溶出試験装置に導入し、ついで希釈した非水性液体組成物を添加する。
【0041】
溶出試験の装置は分析技術の分野において周知であり、一部は、例えば各種薬局方において、例えば米国薬局方または日本薬局方において標準化されている。溶出試験装置の例示的例には、回転バスケット法(例えばUSP I)、パドル法(例えばUSP II)、様々なフロースルー法(例えばUSP IV)、往復シリンダー装置(例えばUSP III)および各種の経皮的溶出試験装置(例えば、Franz拡散セル)がある。液体サンプル、とくに非水性剤形からの薬物の放出の測定は多くの場合困難で、液体サンプルの標準化技術はまだ採用されていない。
【0042】
本発明の一実施態様においては、溶出試験装置としてパドルアッセンブリーが使用される。典型的なパドルアッセンブリーを図3に例示する。それは容器10を含み、それに水性溶出メジウム11が含まれる。本発明の方法においては、希釈された非水性液体組成物は通常、水性溶出メジウムの表面に、例えばシリンジまたはピペットを使用して、適用される。希釈された非水性液体組成物および水性溶出メジウムはパドル12を用いて攪拌される。水性溶出メジウムのサンプルは、たとえばシリンジを使用するかまたはパドルアッセンブリー中に場合によっては存在する恒久的サンプリングチューブを用いて採取される。溶出装置のこれらのタイプは数多くの供給元、たとえばVanKel(Varian Inc.)、Distek Inc.、および、Hanson Research Corporationからの市販品を入手することができる。
【0043】
水性溶出メジウムには、本技術分野で周知の任意の水性溶出メジウムを使用できる。通常使用される溶出メジウムは、水、塩酸(例えば約0.001モル〜約0.1モルの濃度範囲のHCl)、ペプシンを含むまたは含まない模擬胃液、各種緩衝溶液(グリシン、クエン酸塩、酢酸塩、リン酸塩およびホウ酸塩緩衝液)、酵素を含むまたは含まない、模擬腸液(例えばパンクレアチンを含むまたは含まない、例えば0.05モルのリン酸塩緩衝液、pH 7.5)、界面活性剤を含む水、界面活性剤を含む緩衝液、および水性アルコール溶液(例えば水に可溶性の低分子量アルコール、通常5またはそれ以下の炭素を有し、共溶媒として働くアルコール)である。これらの様々なパラメーターは、与えられたアナライトに対する溶解性条件を変更するために調節される。繰り返される経験を通し、実験者によるインビトロ薬物放出速度の所望範囲内への調節を可能にする、薬物放出メジウムに至適な組成物を、経験的に誘導することができる。溶解性条件の調節はまた、インビボにおける挙動の異なるロット間の、実験者によるインビトロでの識別を可能にする。
【0044】
本発明の好ましい実施態様においては、場合により界面活性剤を含有する緩衝溶液が水性溶出メジウムとして用いられる。緩衝溶液のタイプにはとくに限定はないが、特徴づけられる特異的システムに依存して選択されなければならない。緩衝溶液は薬物放出メジウム中におけるアナライトの溶解性を制御し、薬物放出プロフィルを至適化し、そして、重要なサンプル間の識別程度を至適化するように選択される。緩衝溶液の例示的例には、pH範囲2〜3の0.05モルのグリシン緩衝液、pH3の0.05モルのクエン酸塩緩衝液、pH範囲4〜5の0.05モルの酢酸塩緩衝液、pH5.5の生理食塩水中0.05モルの酢酸塩緩衝液、pH範囲6〜8の0.05モルのリン酸塩緩衝液、カリウムを含まないpH6.8の0.05モルのリン酸塩緩衝液、pH7.4の生理食塩水中0.05モルのリン酸塩緩衝液、pH範囲8〜10の0.05モルのホウ酸塩緩衝液がある。好ましい緩衝溶液は、pH範囲6〜7の0.05モルのリン酸塩緩衝液である。緩衝液は、たとえば約0.001M〜約0.5M、好ましくは約0.01M〜約0.1Mの適当な任意のモル濃度を有することができる。しかしながら、本発明の方法の正確さおよび信頼性は、モル濃度の低い緩衝液を使用することによりさらに上昇できることが見出された。したがって、本発明の一実施態様においては、緩衝液のモル濃度は約0.1〜約10mM、さらに好ましくは約0.5〜約2mMの範囲である。モル濃度の低い緩衝液の選択は非水性液体組成物の、薬物放出メジウムの表面上への拡散挙動を改善し、そして、非水性液体組成物と薬物放出装置の構成部品(たとえば攪拌シャフト)との間の望ましくない相互作用を低下させる。拡散の均一性を改善し、望ましくない物理的相互作用を最小限にすることにより、分析方法の正確さおよび信頼性を改善することが可能である。溶出緩衝液の製造に関する情報はまたUSP 24, pp. 2231-2240, United States Pharmacopeial Convention Inc, Jan
1, 2000でも見つけられる。
【0045】
さらに、好ましい実施態様においては、水性溶出メジウムは場合によって界面活性剤を含有する水である。
【0046】
水性溶出メジウムには、場合によって界面活性剤を含有させることが可能であり、これは、このシステムの溶解性を操作する他の方法でもある。通常、有用な界面活性剤は非イオン性、陽イオン性、陰イオン性、および、両性界面活性剤である。本発明における使用に適当な界面活性剤の例示的な例はドデシル硫酸ナトリウム、ポリオキシエチレンソルビタンモノオレート(Tween 80TM)、ケノデオキシコール酸、グリココール酸ナトリウム塩、ポリ(オキシエチレン)n−ソルビタン−モノラウレート(Tween 20TM)、タウロコール酸、オクチルフェノールエチレンオキシド濃縮物(Triton X-100TM)、および、ヘキサデシルトリメチルアンモニウムブロミドがある。
【0047】
界面活性剤の種類および量はアナライトの特異的システム、非水性液体組成物および水性溶出メジウムに依存し、当業者により決定できる。界面活性剤の濃度は臨界ミセル濃度以下もしくは以上である。界面活性剤の典型的な濃度範囲は約0.001%〜約1%である。
【0048】
水性溶出メジウムのpHは検討される特異的なシステムにより選択されなければならない。一般に水性溶出メジウムのpHは約1〜約10の範囲であり、好ましくは約2〜約8である。水性溶出メジウムのpHはアナライトの溶解性に影響することが一般に知られていて、実験におけるシンク(sink)条件を操作する一方法である。水性溶出メジウムのpHを至適化することによって、一部のアナライトの溶出特性を操作することができる。医薬の場合には、これがインビトロ薬物放出特性とインビボ薬物動態挙動との間に相関を発生させることを実行可能にする。
【0049】
水性溶出メジウムとしてとくに好ましいシステムは至適なpH値を有する水性緩衝液である。
【0050】
本発明の方法に用いられる水性溶出メジウムは、いかなるタイプの水、たとえば脱イオン水、二重蒸留水または高純度の水(すなわち、少なくとも約1メガオームの抵抗性を有し、さらに好ましくは少なくとも約18メガオームの抵抗性を有する水)をも用いて調製される。水道水は、好ましくないが、構成成分が測定を妨害しない限り、使用できる。好ましくは二重蒸留水または高純度の水、さらに好ましくは高純度の水が用いられる。純粋な水を用いるほど、とくにモル濃度の低い緩衝液と組み合わせると、試験結果の正確さおよび信頼性は上昇することが観察された。高純度の水は、水の精製装置、例えばMillipore Corporation(Bedford, Massachusetts)から入手できるMilli−Q水精製システムを用いて供給される。得られる高純度の水は通常、約18MΩの抵抗性を有する。高純度の水は、薬物放出メジウムの表面上の非水性液体組成物の拡散挙動を改善し、そして非水性液体組成物と薬物放出装置の構成部品(例えば攪拌シャフト)の間の望ましくない相互作用を低下させる。拡散の均一性の改善と望ましくない相互作用の最小化により、分析方法の正確さと信頼性を改善することができる。
【0051】
溶出試験装置に導入される非水性液体組成物の量は、様々な因子、例えば、剤形の性質(例えば、単位用量における活性成分の濃度)、溶出メジウムの容量、溶出メジウムと接触する組成物の表面サイズ、に依存して広く変動させることができる。通常、希釈された非水性液体組成物と水性溶出メジウムの比率は、約1:20〜約1:500(v:v)である。本発明の一実施態様では、非水性液体組成物の少量のみを溶出試験装置に導入することにより、インビトロの薬物放出とインビボにおける薬物動態学的挙動の相関を逆転できる(すなわち、負の相関を正の相関にする)ことが観察されている。この場合、非水性液体組成物と水性溶出メジウムの比率は約1:2,000〜約1:100,000(v:v)、好ましくは約1:20,000〜約40,000である。
【0052】
希釈された非水性液体組成物が溶出試験装置に導入された場合に、希釈された非水性液体組成物および水性溶出試験メジウムは予め定められた時間接触させられる。希釈された非水性液体組成物と水性溶出メジウムの接触を改善するため、それらは通常、例えば攪拌により揺動させる。接触時間は大きく変動させることが可能であり、例えば攪拌量、アナライト、非水性液体組成物、溶出メジウム、温度、アナライトの量を測定するために使用される検出方法の感度、および、他の多くの因子に依存する。さらに接触時間は短期、中期または長期の溶出速度の情報、またはこれらの組み合わせが望ましいかどうかに依存する。一般に、接触時間は5分から24時間までで、好ましくはアナライトの総量の約90%が溶解するまでである。通常、接触は約15分〜約120分、好ましくは約15分〜約60分実施される。
【0053】
接触工程の間、水性溶出メジウムは任意所望の接触温度に保持することができる。一般的には、溶出メジウムは約37℃の一定温度に保持される。しかしながら、溶出速度を上昇させるためには高い温度、溶出速度を遅くするためには低い温度を使用することができる。溶出メジウムの温度は溶出速度に影響するので、2回以上の実験結果を比較する場合には、それぞれの実験ごとに同じ温度を選択しなければならない。本発明の範囲内では「同じ温度」とは異なる実験における温度差が高々5℃、好ましくは高々2℃であることを意味している。接触温度は好ましくは37℃である。
【0054】
接触中の撹乱の量、例えば、攪拌速度もアナライトの溶出速度に影響し、至適条件は、例えば、パドル(存在すれば)のサイズおよび形状、溶出試験装置の構成、ならびに、溶出メジウムの量および粘度に基づいて決定される。攪拌のための至適条件はそれぞれの実験ごとに当業者によって決定される。通常、至適の攪拌条件では、攪拌シャフトが溶出メ
ジウムと接触する領域を含めて、容器の外側の縁から中心に向かい平らな表面を生じる(跳ね返りや立ち上がった波のパターンは認められない。すなわち、薬物放出メジウムの表面が混合により下方に押し下げられて生じる「錐状の」渦は示さない)。通常、攪拌速度は約25〜約100rpm、好ましくは約50〜約75rpmの範囲である。
【0055】
従来技術では、標準化された溶出試験装置、例えばパドルアッセンブリーの広範な様々の修正が示唆されてきている。本発明の方法においては本技術分野で周知の標準化された溶出試験装置例えばUSP IおよびUSP IIの装置が何ら修正を加えないで、そのまま信頼をもって使用できる。
【0056】
予め定められた時間の後、水性溶出メジウム中のアナライトの量を測定する。ある種の検出方法では、水性溶出メジウムは溶出試験装置内に残っている間にアナライトの量が測定可能である。しかしながら、通常は、水性溶出メジウムの少なくとも一部は、例えばシリンジまたはサンプリングチューブ13を用いて溶出試験装置から除去される。水性溶出メジウムのすべてを分析に使用することも可能であり、ある検出方法ではこれが必要になるが、一般には、水性溶出メジウムの一部のみを使用する。アナライトの量を測定するため取り出されるサンプルのサイズは、様々な因子、とくに用いられる検出方法に依存し、例えば約0.1〜約100mL、好ましくは約1〜約20mLとすることができる。
【0057】
所望により、アナライトの量の測定に使用する水性溶出メジウムのサンプルは、溶出試験装置から取り出したのち、ろ過することができる。これは溶解したアナライトの測定を妨害し、測定を混乱させる可能性がある、異種物質および不溶性のアナライトの粒子を除去するためである。ろ過は、例えば孔部の平均サイズが約0.1〜約50μm、好ましくは約0.1〜約0.5μmを有するフィルターを通したろ過のような任意の適当な方法で実施することができる。これらのフィルターはたとえば、Gelman Laboratory からAcrodisk(R)の商品名で市販されている。
【0058】
任意のろ過工程ののちに、水性溶出メジウム中のアナライトの量を測定する。アナライトの量の測定に適当な任意の分析方法が使用できる。分析方法の選択はアナライトの性質、その濃度範囲、溶出メジウムおよび実験室で利用できる方法かどうかということを含む様々なパラメーターに依存する。分析方法の例示的な例としては分離技術(例えば、高速液体クロマトグラフィー、液体クロマトグラフィー、薄層クロマトグラフィー、毛細管電気泳動、ガスクロマトグラフィー)、光学的および分光光学的方法(例えば、紫外−可視方法 (UV−Vis法)、フーリェトランスフォーム赤外(FTIR)、原子吸収(AA)、原子発光(AE)、質量スペクトル(MS))がある。クロマトグラフィー法とくにガスクロマトグラフィー(GC)および高速液体クロマトグラフィー(HPLC)が好ましい。適当なクロマトグラフィー法の例には、本技術分野で周知の各種検出方法のいずれかを導入した逆相高速液体クロマトグラフィー(RP−HPLC)および順相高速液体クロマトグラフィー(NP−HLPC)がある。適当なクロマトグラフィー法と連結して使用される検出技術の例には、UV− Vis、屈折係数、質量スペクトル、および、光散乱検出が包含される。UV−Vis検出とフロー注入分析(FIA)もまた分析方法として使用できる。サンプルの高い処理能力が必要な場合、例えば、リアルタイムで、製造システムのインプロセス特性分析を行う場合にとくに適している。
【0059】
本発明の方法で、以上で、1回の予め定められた時点で溶解するアナライトを測定する実施態様について説明した。多くの場合、溶出速度をある期間にわたってモニターしてアナライトが一定の速度で放出されるかどうか、または、速度が時間とともに変動するかどうか(例えば、溶出試験の初期は大量、次に、以後には少量)をモニターすることに興味がもたれる。これらの場合には、十分大きな溶出試験装置を用い、それから2回またはそれ以上の定められた異なる時点でサンプルを取り出し、これらのサンプル個々について分
析することが可能である。また、2回またはそれ以上の同じ実験を準備し、それらの撹乱期間を変える以外は同一の条件で接触させることも可能である。これらの別個の実験から様々な時間でサンプリングした水性溶出メジウムを個々に分析する。ついで、この結果を用いて溶出速度の時間依存性プロフィルを測定することができる。
【0060】
本発明の方法を用いれば、非水性液体組成物中のアナライトの溶出速度の信頼性ある正確な測定が可能になる。反復測定結果における変動の有意な低下が観察される。医薬的な適用においては、本発明の方法は本発明のインビトロ法とインビボにおける薬物動態試験の間に有用な相関を発生させることができる。したがって、それらは医薬の製造中の品質管理のための厳格な信頼性のある方法として、適切な生物学的挙動およびロットの一定性を保証するために使用することができる。この方法は単純、安価かつ迅速なので標準化された溶出試験装置を用いて実施可能であり、また医薬およびそれらの剤形の開発に有利に使用できる。
【0061】
以下の実施例は本発明を例示するために提供される。しかしながら、それらは本発明の構成を限定するものではない。
【0062】
精度:
本発明の精度は反復測定の相対的標準偏差(RSD)を計算することにより決定される。通常、相対的標準偏差は、3回以上反復して同一条件下にアナライトの溶出速度を測定することにより決定される。ついで相対的標準偏差は次式により計算される。すなわち、
【数1】

(式中、s.d.は標準偏差であり、
【数2】

と定義され、Xは個々の結果であり、Nは反復回数であり、
【数3】

は平均である。好ましくは相対標準偏差は10%以下であり、さらに好ましくは2%またはそれ以下である。
【0063】
正確さ:
本発明の方法の正確さは、非水性液体組成物から水性メジウムへの移送を測定することによって決定できる。この場合、非水液体組成物を既知量のアナライトを用いてスパイク(spike)する。スパイクされた非水性液体組成物を水性薬物放出メジウムと振盪または攪拌して平衡化したのち、水性溶出メジウム中のアナライトの量を測定する。水性メジウムに移送されたアナライトの濃度を、次に、100%のアナライトが移送された場合に理論的に生成する筈の濃度(例えば、ピペット操作、秤量誤差または損失が無く、100%のアナライトが溶解し、100%のアナライトが検出されると仮定して)と比較する。本発明の方法は約70%〜約100%、好ましくは約90%〜約100%の範囲の正確さを示す。
【0064】
一般的溶出操作
とくに他の言及がない限り、以下の一般的操作に従う。
溶出条件
装置:USP II(回転パドル)、カバー付容器。サンプリングプローブをメジウムの表面とパドルの間の半分の距離に固定する。サンプリングプローブ管に、装置からのサンプルの取り出しを容易にするためルーアーロック(luer−lock)アダプターを備付ける。すべてのサンプルはこれらのアダプターを経て取り出さなければならない。溶出フラスコおよびパドルは完全に清潔でなければならない(DRA洗浄方法を参照する)。石鹸またはアルコールの残留は結果に影響する。
フラスコのサイズ:1000mL
溶出液体:pH 7.0の0.001 Mリン酸塩500mL, 37℃±0.5℃
保存緩衝液:Milli−Q水中3.9gの一塩基性リン酸カリウム(KH2PO4)および3.7gの二塩基性リン酸カリウム(K2HPO4)を1Lの容量フラスコ中のMilli−Q水またはその等価物で溶解する。Milli−Q水またはその等価物で容量まで希釈し、混合する。10mLの保存溶液をMilli−Q水で500mLまで希釈してpHをチェックする。pHは7.0±0.1でなければならない。必要ならば保存溶液のpHを50%水酸化ナトリウムまたは濃塩酸で調整する。作業溶液のpHが7.0±0.1であることを再チェックする。
作業緩衝液:保存溶液10mLをMilli−Q水により500mLまで希釈する。使用前に脱気する。
攪拌速度:50rpm
サンプル容量:10mL
フィルター:使い捨てAcrodisc(Gelman)0.2μm(no. 4496)または等価物
【0065】
作業標準プレパレーション
セフチオフル塩酸塩の対照標準、約1mgを100mLの容量フラスコ中に正確に秤量する。薬物を約1mLのメタノールで湿らせ(必要ならば超音波処理)溶解させる。作業緩衝液の容量に希釈する。少なくとも2種の標準溶液を調製する。
【0066】
医薬の非水性サンプルプレパレーション:セフチオフル結晶性遊離酸(CCFA)懸濁液(この製造は以下に記載)の各ボトルをバイアルの底に薬物が認められなくなるまで再懸濁する。以下の溶出試験の前に、サンプルを水素化ココナッツ油(HulsAmericaからMiglyol 812として入手できる)で1:1に希釈する。検量済容積式ピペットを用いて等容量のCCFA懸濁液とMiglyolを適切な容器(例えば20mLのスクリューキャップバイアル)に加える。希釈が正確に行われる限り、使用される実際の容量は重要ではない。示唆される容量範囲は各成分について1.0mL〜5.0mLである。
【0067】
希釈されたサンプルを手およびボルテックスミキサーで完全に混合し、ついで検量済容積式ピペット中に50μLを採取する。過剰の懸濁液を先端から拭取り、各溶出フラスコ内のメジウムの表面に、内容物を滴下で攪拌しながら加える。ピペットマンの先端がメジウムの表面から約1/2インチで、容器側とサンプルプローブの間の1/2の距離になるようにして、水滴を落とす。ピペットマンの先端をメジウムに浸して残留する痕跡の懸濁液を除去する。サンプリング時間が確保できるように、各フラスコに順次時間をずらしてサンプルを適用する。すべてのサンプルは、希釈後、できるだけ速やかに溶出フラスコに加える。
【0068】
特定された時点に(例えば、15、30、60および120分)10mLの溶出液を採取し(10mLの使い捨てシリンジがよく役立つ)、Acrodiskのパーツno. 4496でろ過する。ろ液の最初の5mLは捨て、ついでろ液の適当な容量をHPLCオートサンプラーバイアルに回収する。サンプル取出過程もサンプルの適用時に用いたのと同じ方法で時間をずらす。定量的HPLC分析を行なう。
【0069】
クロマトグラフィー条件
装置
HPLCポンプ:3000psiにおいて同調的に操作可能な適切なポンプ(たとえばAgilent Tec
hnologiesからのAgilent 1100)
注入器:空隙容量の小さい適当な注入器
検出器:245nm
カラム:Waters Symmetry C8 3.9×50mm, 5μmまたはその等価物
注入容量:約20μl
【0070】
クロマトグラフィー操作パラメーター
減衰:適宜調整
チャート速度:適宜調整
流速:約1.0mL/分(調整してもよい)
圧力:約2000psi
HPLC移動相:移動相1 Lについて:
3.85gの酢酸アンモニウムおよび13.5mLの40%水酸化テトラブチルアルミニウムを適当な容器に加える。Milli−QまたはHPLC級の水700mLで希釈する。氷酢酸でpHを6.7±0.1に調整する。水性緩衝液を0.45μmの膜フィルターを通してろ過する。水性緩衝液700mLに200mLのメタノールおよび110mLのTHFを加え、混合する。脱気するため真空下に超音波処理する。
【0071】
定量的HPLC分析
ろ過したサンプルをHPLCによって分析する。適切な対照標準溶液を、各クロマトグラフィー操作の始めと終わりに、各操作あたり6種以上の標準注入を実施しなければならない。対照標準溶液の6種のサンプルのセットをひとまとめにする。注入システムのキャリーオーバーの可能性についてモニターするために、定期的に適切なブランク溶液を分析する。
【0072】
システムの適正試験
標準因子の相対的標準偏差は2.0%を超えてはならない。
標準因子(SF)は以下の式から計算することができる。SF=P×(Wstd/Rstd)
式中、P=対照標準の%で表した純度、
Wstd=対照標準の質量、
Rstd=標準のピーク面積である。
【0073】
計算
除去した容量について補正した以下の式を使用して各時点における放出セフチオフルの百分率を計算する:
%Dn =(Rsam/Rstd)×(Cs/L)×(P/Vsus)×(V−((n−1×SV))+[(D1+D2..Dn−1)×SV/V]
式中、
Dn=n回目の試験時点で溶解した百分率
Rsam=サンプルピーク面積
Rstd=標準ピーク面積
Cs=作業標準の濃度(mg/mL)
L=CCFA懸濁液(200mg/mL)の標識の強度
P=対照標準の純度(%で表す)
Vsus=用いたCCFA懸濁液の容量は0.025mL(1:1希釈の50μlを用いた)
V=溶出液体の初期容量(mL)
n=試験時点の数
SV=サンプリング容量(mL)
D1=最初の試験時点における溶解百分率
D2=2回目の試験時点における溶解百分率
Dn−1=(n−1)回目の試験時点における溶解百分率である。
【0074】
DRAクリーニング操作:
Kimwipesを3Aアルコールで飽和させ、パドルを完全に拭いて残留物を除去する。風乾する。非水性組成物のサンプルを含有する水性緩衝液に曝す。容器を3Aアルコールで濯ぎ、フラスコ上の残留物の大部分をKimwipesで拭きとって清浄化する。3Aアルコールで濯ぎ、DRA中に容器を戻す。
【0075】
ガラスシリンジを用い、サンプルから多岐管(sample manifold)サンプリングラインを通して、約10mLのジメチルホルムアミド(DMF)を注入し、不要物は薬物放出容器に回収する。続いて、3Aアルコールで濯ぎ、乾燥する。
【0076】
ラインを脱イオン水で満たして洗い、空のシリンジによりラインを通して空気を吹き込む。ラインの洗浄時に溶媒がパドル上に跳ね返った場合には、パドルの清浄化操作を反復する。
【0077】
試験材料
以下に引用する実施例に使用する実験用の的医薬の非水性懸濁液の調製のためには以下の操作を採用した。
【0078】
綿実油中のセフチオフルの結晶性遊離酸(CCFA)の懸濁液100mg/mL
ロット40,620および40,700は同じ製造法に従って調製した。非水性ビヒクルは綿実油をジャケット付の容器内にポンプを用いて送り込み、115℃に加熱して調製した。ホスホリポン90H(American Lecithin Co.から入手可能)を加えて(0.05質量%)混合した。この溶液を45℃に冷却した。ソルビタンモノオレート(Sigma-Aldrichから Span 80(R)として入手可能)を加えて(0.15質量%)混合した。CCFAを100mg/mL添加し、懸濁液が均一になるまでトリブレンダーを通して混合した。懸濁液を、タンク攪拌器を作動させながらトリブレンダーを通して再循環させ、篩過した。得られた懸濁液を滅菌バイアル中に充填し、栓を施して、オーバーシールした。シールしたバイアルをγ照射によって滅菌した。これらのロットを40,700および40,620とラベルした。
【0079】
綿実油中にミグリオール(miglyol油)を加えたセフチオフルの結晶性遊離酸(CCFA)の懸濁液200mg/mL
実質的に過酸化された不飽和油脂を天然の綿実油から調製した。150部容量の天然の綿実油を、加熱のための蒸気ジャケット付の容器に加えた。ジャケットに蒸気を適用して油を約85〜約110℃に加熱した。油を攪拌しながら空気をふきこんだ。空気の流速は1時間あたり約1標準立方フィート(SCFH)/L〜20 SCFH/Lに変えた。攪拌は油の温度が加熱期間を通して一定に維持されるように実施した。油は、米国薬局方の方法(USP24NF19, 1870頁)またはAOCS法8-53で測定して、ある過酸化価が達成されるのに必要な時間および温度で加熱し、ついで冷却し、別の容器に移して窒素条件下に保存した。過酸化価約10を達成するためには、約89℃の温度で油を約9時間加熱し、約100℃の温度で油を約3時間および約105℃の温度で油を約2.3時間加熱した。過酸化価約40を達成するためには、約100℃の温度で油を約6.75時間加熱し、約105℃の温度で油を約5.5時間加熱した。過酸化価約80を達成するためには、約105℃の温度で油を約8時間加熱した。時間と油の温度の関係をその過酸化価と比較すると直線性があるように思われ、当業者であれば、製造工程のために選択される時間と温度に依存して所望の過酸化価を達成することができる。酸化油脂は新鮮な油で希釈して好ましい最終の過酸化価を得ることができる。
【0080】
過酸化された不飽和油脂の製造に続き、CCFA 200mg/mLの製剤を次のように構成した。すなわち、過酸化価約10〜200を有する過酸化綿実油10〜20容量部を80〜90容量部のMigly
ol 812(HulsAmericaから入手できる)と混合してキャリアービークルを形成させた。0.2重量部のCCFAを加えて1〜3時間混合し、CCFAの濃度が200mg/mLになるような均一の懸濁液を形成させた。懸濁液を約80〜110℃に約0.1〜10日間加熱し、放冷させた。懸濁液を包装し、所望によりγ照射により滅菌した。以下の実施例で用いられた各ロットについての実験パラメーターを表1に詳述する。
【0081】
綿実油中にミグリオール油を加えたセフチオフルの結晶性遊離酸(CCFA)の懸濁液100mg/mL
200mg/mLについて上に詳述した操作を、改質綿実油対Miglyol 812の比が10:90になり、CCFAを添加する工程はCCFAの濃度が100mg/mLになるように実施する他は同様にして反復した。
【表1】

【実施例1】
【0082】
この実施例は拡散挙動における変化を例示する。
拡散挙動は、一つの液体相を他の非混和性液体相の表面上に置いた場合に起こる現象を記述する一つの方法である。接触させると液体は他の液体の表面上に硬いレンズ型のプールを形成するかまたは表面を横切って均一に広がる。中間的および変動性の広がりが起こることもある。拡散挙動は数学的に(たとえば表面熱力学)または定量的な意味で定義される。
【0083】
様々なロットのCCFA懸濁液の拡散挙動を比較するために、各懸濁液1mLを、25mLの薬物放出メジウムを含む別個の容器(プラスチック製のペトリ皿)に18ゲージの針を通して静かに加えた。懸濁サンプルは薬物放出表面に滴下様式で加えた。
【0084】
拡散挙動は、準平衡が達成されるのに十分な時間(約21時間)放置したのち、薬物放出メジウム上における懸濁液プールの面積のサイズにより評価した。懸濁サンプルの写真を図4に示す。左図はロット40,700を含むペトリ皿、右図はロット40,620を含むペトリ皿である。21時間後、薬物放出メジウム上のCCFA懸濁液プールの直径を定規により測定した。ロット40,700上のレンズの直径は4.8cmであり、一方、ロット40,620上のレンズの直径は6.0cmであった。
【実施例2】
【0085】
実施例2は非水性液体組成物を非水性希釈剤で希釈することの影響を示す。
実施例1で証明された薬物放出メジウムの表面上における油脂基剤の一定しない広がりは、CCFA油脂基剤懸濁液のための有用なUSP II薬物放出アッセイの開発に有意な障害であった。多様な拡散挙動により薬物放出メジウムと接触する様々な表面領域を生じ、したがって薬物の放出速度に影響した。これは次には、インビトロ薬物放出とインビボにおける薬物動態の間の相関性の品質に影響した。
【0086】
インビトロ薬物放出とインビボ薬物動態の間の相関性の統計学的有意性は、以下に記述するようにして評価された。相関性は、関連の程度または一方の変数が他から予測できる程度と定義される。2つの変数の間の相関性の程度を評価するための一つのアプローチには、最小自乗法による適合(fit)の傾斜を統計的に解析する方法がある。変数間の有意な相関は最小自乗法適合の傾斜が信頼限界95%で0から異なる場合(≦p<0.05)に起こる。傾斜が信頼限界95%において0と相違しない場合(p>0.05)には、相関は有意ではない。
【0087】
インビトロ薬物放出とインビボ薬物動態の性能の相関性に対する変動性拡散挙動のインパクトは図5に見ることができる。CCFAの選ばれたロットについてのインビトロ薬物放出をそれらのインビボ薬物動態における性能(すなわち持続放出の持続時間)に対してプロットする。最小自乗適合傾向線を図5に実線としてプロットする。この場合使用したインビトロ薬物放出アッセイは非水性懸濁液の不活性油脂による希釈を包含せず、懸濁ロットの可変性拡散挙動が観察された。インビトロにおける薬物の放出結果と持続放出の持続の間には有意な相関性は認められなかった。最小自乗適合の傾斜はゼロと有意差がなかった(p=0.57)。
【0088】
非水性懸濁組成物を不活性油脂で1:1に希釈すると拡散挙動の正常化を生じた。本発明に前希釈工程を導入すると、有用なインビトロ/インビボ相関性(IVIVC)がもたらされた。前希釈工程を用いて得られる、選ばれたCCFAロットのインビトロデータを、インビボ持続放出の持続に対して、最小自乗適合傾向線とともに図6にプロットする。インビトロ薬物放出結果と持続放出の持続時間の間には有意な相関性が認められた。最小自乗適合
の傾斜はゼロからは有意に異なっていた(p=0.04)。
【実施例3】
【0089】
実施例3は測定方法の精度に対する緩衝液のイオン強度の影響を例示する。
非水性懸濁液のインビトロ薬物放出試験の間に、薬物放出メジウムの表面上に「漂っている」非水性組成物は、攪拌シャフトと相互作用するかそれに付着することができる。シャフトへのサンプルの付着またはシャフトとサンプルの相互作用は、薬物放出メジウムの表面上への懸濁液の均一なスプレッディングを阻害する。その相互作用の程度および持続は様々であるが、それにより、アッセイ結果に望ましくない変動を誘導する。インビトロ薬物放出メジウムのイオン強度を最小にすると、サンプルと攪拌シャフトの相互作用は低下または消失し、拡散は増強される。溶出緩衝液は50mM、5mMおよび1mMで調製される。CCFAの単一のロット(SFH-95)は各溶出緩衝液を用いて多数回アッセイされた。3
種の溶出緩衝液を使用したアッセイの変動は標準偏差の計算によって評価した。その結果を表2にまとめる。
【表2】

【実施例4】
【0090】
この例はサンプルのサイズの影響を示す。
CCFA懸濁液ロットSFH-11の薬物放出アッセイは、上述の一般的溶出操作に記載したように実施したが、以下の修正:すなわち、薬物放出メジウムの表面に適用する非水性懸濁液の容量を46〜1000μLに変化させた。結果は図7にまとめる。サンプルのサイズを低下させると、試験時に溶解する薬物の相対的な量は増加した。
【実施例5】
【0091】
実施例5は本発明の方法に用いたHPLCの定量的分析操作の直線性を例示する。
濃度範囲1.27×10-4〜2.68×10-2mg/mLの6種のCCFA溶液を調製した。各溶液からのアリコートをアッセイし、HPLC定量的法および上述のクロマトグラフィーパラメーターを用いてピーク面積を測定した。結果は図8にまとめる。
【実施例6】
【0092】
実施例6は、上述の一般的溶出操作に特定された薬物放出メジウムを用いて、非水性液体組成物からのアナライトの回収を示す。
1:1のプラセボのロットSFH-10およびMiglyol 812混合物でスパイクした薬物放出メジウムに溶解したCCFAバルク薬物の回収を、CCFAの標準溶液75mL中に、15μLの1:1のプラセボ−Miglyolによりスパイクすることにより評価した。このスパイキングレベル(75 mL中15μL)は、水性メジウム500mLにつきプラセボ:Miglyolの混合物100μLに相当する。これは一般的溶出操作に特定した値に対し、非水相の相対濃度における2倍の増加を表す。すなわち、アッセイにおける「最悪の場合」または負のバイアス(すなわち、不完全な回収)についての可能性の評価への保守的なアプローチである。回収は水性相中CCFA約1〜15ppmの範囲の6種のCCFA濃度で測定した。200mg/mLのCCFA生成物について、これらの濃度は約10〜150%の溶解に相当した。たとえば一般的溶出操作はMiglyol 812中CCFA懸濁液の1:1希釈液の50μL(0.050mL)から500mLの薬物放出メジウム中への薬物放出の測定に特定される。10%の薬物が溶解した場合、得られた水性相におけるCCFAの濃度は、
0.1×(200mg/mL)×(0.050mL/2)×(1/500mL)=0.001mg/mL(または1ppm)である。スパイキング後、混合物を室温で2時間、プラットフォームシェイカー上で振盪して平衡化した。スパイクしたサンプルをろ過し、一般的な操作に記載のHPLC操作を用いて測定した。結果は表3にまとめる。
【表3】

【図面の簡単な説明】
【0093】
【図1】アナライトの量が2回以上測定された場合、溶出速度をプロッティングする一つの可能性を示す。
【図2】アナライトの量が2回以上測定された場合、溶出速度をプロッティングする更なる可能性を示す。
【図3】典型的なパドルアッセンブリーを示す。図面は縮尺図ではない。
【図4】実施例1において観察されるスプレッディング挙動の変動を示す。
【図5】パドル法において非水性液体組成物を非水性希釈液で希釈しない場合、パドル法でのインビボ持続放出時間とインビトロ持続放出時間の間の相関を示す。
【図6】パドル法において非水性液体組成物を非水性希釈液で希釈した場合の、パドル法でのインビボ持続放出時間とインビトロ持続放出時間の間の相関を示す。
【図7】溶出速度に対するアリコートのサイズの影響を例示する。
【図8】本発明の方法の直線性を示す。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
非水性液体組成物中のアナライトの溶出速度を測定する方法であって、
(a)アナライトおよび非水性基剤からなる非水性液体組成物を準備し、
(b)非水性液体組成物に非水性希釈剤を加えて、希釈された非水性液体組成物を提供し、
(c)希釈された非水性液体組成物の少なくとも一部および水性溶出メジウムを溶出試験装置内に導入し、
(d)希釈された非水性液体組成物と水性溶出メジウムを予め定められた時間接触させ、ついで
(e)水性溶出メジウム中のアナライト量を決定する、
工程からなる上記方法。
【請求項2】
水性溶出メジウム中のアナライトの量は予め定められた数回の異なる時間に測定される、請求項1記載の方法。
【請求項3】
水性溶出メジウム中のアナライトの量の測定に使用するための水性溶出メジウムを、その中のアナライトを測定する前にろ過する工程を、工程(e)中でさらに包含する、請求項1記載の方法。
【請求項4】
フィルターの孔のサイズは約0.1〜約50μmである、請求項3記載の方法。
【請求項5】
非水性液体組成物は医薬組成物である、請求項1記載の方法。
【請求項6】
アナライトは医薬的に活性な成分である、請求項5記載の方法。
【請求項7】
医薬組成物は持続放出性の剤形である、請求項5記載の方法。
【請求項8】
医薬組成物はさらに、賦形剤、添加物、懸濁剤、防腐剤、湿潤剤、増粘剤、緩衝剤、沈殿剤、矯味矯臭剤、甘味剤、着色剤および芳香剤からなる群より選択される医薬的に許容される成分を含有する、請求項5記載の方法。
【請求項9】
アナライトは、ACE阻害剤;α−アドレナリンアゴニスト;β−アドレナリンアゴニスト;α−アドレナリンブロッカー;β−アドレナリンブロッカー;アルコール抑止剤;アルドースリダクターゼ阻害剤;アルドステロンアンタゴニスト;アミノ酸;蛋白同化剤;鎮痛剤;麻酔剤;食欲低下剤;制酸剤;抗寄生虫剤;抗座瘡剤;抗アレルギー剤;抗アンドロゲン剤;抗狭心症剤;抗不安剤;抗不整脈剤;抗喘息剤;抗細菌剤;抗脱毛剤および抗禿頭病剤;抗アメーバ剤;抗体;抗コリン薬;抗凝固剤;血液低粘稠化剤;抗結腸炎薬;抗けいれん剤;抗膀胱炎薬;抗うつ剤;抗糖尿病剤;抗下痢剤;抗利尿剤;解毒剤;抗制吐剤;抗エストロジェン剤;抗膨満剤;抗真菌剤;抗原;抗緑内障剤;抗ヒスタミン剤;抗多動薬;抗高リポ蛋白質血症剤;抗高血圧症薬;抗甲状腺亢進症薬;抗低血圧症薬;抗甲状腺低下症薬;抗感染症薬;抗炎症剤;抗マラリア薬;抗偏頭痛薬;抗新生物剤;抗肥満薬;抗パーキンソン剤;抗運動異常症薬;抗肺炎薬;抗原生動物薬;抗掻痒剤;抗乾癬剤;抗精神病薬;解熱剤;抗リウマチ剤;抗分泌薬;抗ショック用薬;鎮痙剤;抗血栓剤;抗腫瘍剤;鎮咳剤;抗潰瘍剤;抗ウイルス剤;抗不安薬;バクテリシジン;骨密度増強剤;気管支拡張剤;カルシウムチャンネルブロッカー;カルボニックアンヒドラーゼ阻害剤;強心薬;心臓刺激薬;化学療法薬;胆汁分泌促進薬;コリン作動薬;CNS刺激薬;凝固剤;避妊薬;嚢胞性線維症治療薬;うっ血除去薬;利尿剤;ドーパミン受容体アゴニスト;ドーパミン受容体アンタゴニスト;酵素;エストロジェン;去痰剤;グルココルチコイド;止血剤;HMG CoAリダクターゼ阻害剤;睡眠剤;免疫調整剤;免疫抑制剤;緩下剤;縮瞳剤;モノアミンオキシダーゼ阻害剤;粘液溶解剤;筋弛緩剤;散瞳剤;麻薬アンタゴニスト;NMDA受容体アンタゴニスト;オリゴヌクレオチド;眼用薬剤;分娩促進剤;ペプチド;蛋白質;ポリサッカライド;プロゲストゲン;プロスタグランジン;プロテアーゼ阻害剤;呼吸刺激剤;鎮静剤;セロトニン取り込み阻害剤;性ホルモン;喫煙停止剤;平滑筋弛緩剤;平滑筋刺激剤;血栓溶解剤;トランキライザー;尿の酸性化剤;血管拡張剤および;血管保護剤からなる群より選択される、請求項1記載の方法。
【請求項10】
アナライトは、セフチオフル、セフェピム、セフィキシム、セフォペラゾン、セフォタキシム、セフポドキシム、セフタジジム、セフティゾキシム、セフトリアキソン、モキサラクタム、それらの医薬的に許容される塩および誘導体からなる群より選択されるセファロスポリンである、請求項1記載の方法。
【請求項11】
アナライトは、セフチオフル、その医薬的に許容される塩または誘導体である、請求項10記載の方法。
【請求項12】
非水性基剤は脂肪またはワックスから選択される、請求項1記載の方法。
【請求項13】
非水性基剤は油脂の脂肪である、請求項12記載の方法。
【請求項14】
油脂はカノラ油、ココナッツ油、トーモロコシ油、落花生油、ゴマ油、オリーブ油、パーム油、ベニバナ油、大豆油、綿実油、ナタネ油、ヒマワリ油およびそれらの混合物からなる群より選択される、請求項13記載の方法。
【請求項15】
油脂は綿実油である、請求項12記載の方法。
【請求項16】
非水性液体組成物は懸濁液、溶液または乳化液である、請求項1記載の方法。
【請求項17】
非水性液体組成物は懸濁液である、請求項1記載の方法。
【請求項18】
非水性希釈剤は、油脂および有機溶媒からなる群より選択される、請求項1記載の方法。
【請求項19】
非水性希釈剤は油脂である、請求項18記載の方法。
【請求項20】
油脂はココナッツ油または綿実油である、請求項19記載の方法。
【請求項21】
非水性希釈剤の量は、非水性液体組成物の量に対して約0.25〜約10質量部である、請求項1記載の方法。
【請求項22】
接触は、最初に非水性液体組成物中に存在するアナライトの総量の約10%〜約100%が溶解する予め定められた時間、水性溶出メジウム中で実施される、請求項1記載の方法。
【請求項23】
攪拌は、最初に非水性液体組成物中に存在するアナライトの総量の約10%〜約100%が溶解する予め定められた時間、水性溶出メジウム中で実施される、請求項22記載の方法。
【請求項24】
水性溶出メジウムは高純度の水を用いて調製される、請求項1記載の方法。
【請求項25】
水性溶出メジウムは、水、塩酸溶液、模擬胃液、緩衝溶液、模擬腸液、界面活性剤を含む水、界面活性剤を含む緩衝溶液、および、水性アルコール溶液からなる群より選択され
る、請求項1記載の方法。
【請求項26】
水性溶出メジウムは緩衝溶液である、請求項25記載の方法。
【請求項27】
緩衝溶液は、pH範囲2〜3のグリシン緩衝溶液、pH3のクエン酸塩緩衝溶液、pH範囲4〜5の酢酸塩緩衝溶液、pH5.5の生理食塩水中酢酸塩緩衝溶液、pH範囲6〜8のリン酸塩緩衝溶液、pH6.8のカリウムを含まないリン酸塩緩衝溶液、pH7.4の生理食塩水中リン酸塩緩衝溶液、および、pH範囲8〜10のホウ酸塩緩衝溶液からなる群より選択される、請求項26記載の方法。
【請求項28】
緩衝溶液は約1mM〜約10mMのモル濃度を有する、請求項27記載の方法。
【請求項29】
緩衝溶液は約1mM〜約5mMのモル濃度を有する、請求項27記載の方法。
【請求項30】
工程(d)において、非水性液体組成物と水性溶出メジウムの容量比は約1:2,000〜約1:100,000である、請求項1記載の方法。
【請求項31】
工程(d)において、希釈された非水性液体組成物と水性溶出メジウムの容量比は約1:5,000〜約1:40,000である、請求項30記載の方法。
【請求項32】
溶出試験装置はパドルアッセンブリーである、請求項1記載の方法。
【請求項33】
非水性液体組成物中のアナライトの溶出速度を測定する方法であって、
(a)アナライトおよび非水性基剤を含む非水性液体組成物を準備し、
(b)非水性液体組成物の少なくとも一部および水性溶出メジウムを溶出試験装置に導入し、この場合、水性溶出メジウムは約1mM〜約10 mMのモル濃度を有する緩衝溶液を含み、
(c)非水性液体組成物と水性溶出メジウムを予め定められた時間接触させ、ついで、
(d)水性溶出メジウム中のアナライト量を測定する、
工程を含む上記方法。
【請求項34】
非水性液体組成物中のアナライトの溶出速度を測定する方法であって、
(a)アナライトおよび非水性基剤を含む非水性液体組成物を準備し、
(b)非水性液体組成物の少なくとも一部および水性溶出メジウムを溶出試験装置に導入し、この場合、溶出試験装置中の非水性液体組成物と水性溶出メジウムの容量比は約1:2,000〜約1:100,000とし、
(c)非水性液体組成物と水性溶出メジウムを予め定められた時間接触させ、ついで、
(d)水性溶出メジウム中のアナライト量を測定する、
工程を含む上記方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公表番号】特表2006−508361(P2006−508361A)
【公表日】平成18年3月9日(2006.3.9)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−557113(P2004−557113)
【出願日】平成15年9月10日(2003.9.10)
【国際出願番号】PCT/US2003/025854
【国際公開番号】WO2004/051263
【国際公開日】平成16年6月17日(2004.6.17)
【出願人】(504396379)ファルマシア・アンド・アップジョン・カンパニー・エルエルシー (130)
【Fターム(参考)】